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Patent Searching and Data


Title:
THERMOELECTRIC CONVERSION ELEMENT AND THERMOELECTRIC CONVERSION DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/174764
Kind Code:
A1
Abstract:
This thermoelectric conversion element (1) comprises a p-type thermoelectric conversion section (2), an n-type thermoelectric conversion section (3), a first electrode (4), a second electrode (5), and a third electrode (6). One end (11) of the p-type conversion section and one end (13) of the n-type conversion section are electrically connected via the first electrode, the other end (12) of the p-type conversion section is electrically connected to the second electrode, and the other end (14) of the n-type conversion section is electrically connected to the third electrode. The p-type conversion section comprises a first phononic crystal layer (16) having a first phononic crystalline structure comprising a plurality of first through-holes (15) arranged regularly. The n-type conversion section comprises a second phononic crystal layer (18) having a second phononic crystalline structure comprising a plurality of second through-holes (17) arranged regularly. The penetration direction of the first through-hole is a direction that connects one end of the p-type conversion section to the other end. The penetration direction of the second through-hole is a direction that connects one end of the n-type conversion section to the other end, which provides a technology that increases the thermoelectric conversion efficiency of the thermoelectric conversion element.

Inventors:
FUJIKANE MASAKI
TAMBO NAOKI
NAKAMURA KUNIHIKO
TAKAHASHI KOUHEI
NAITO YASUYUKI
Application Number:
PCT/JP2019/043918
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
November 08, 2019
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC IP MAN CO LTD (JP)
International Classes:
H01L35/14; H01L35/32
Domestic Patent References:
WO2011048634A12011-04-28
Foreign References:
US8508370B12013-08-13
US20170069818A12017-03-09
JP2017152691A2017-08-31
JP2013065801A2013-04-11
US20170047499A12017-02-16
US20170069818A12017-03-09
Other References:
NOMURA, MASAHIRO ET AL.: "Electrical and thermal properties of polycrystalline Si thin films with phononic crystal nanopatterning for thermoelectric applications", APPLIED PHYSICS LETTERS, vol. 106, 2 June 2015 (2015-06-02), pages 223106 - 1 - 223106-5, XP012197923, DOI: 10.1063/1.4922198
NOMURA ET AL.: "Impeded thermal transport in Si multiscale hierarchical architectures with phononic crystal nanostructures", PHYSICAL REVIEW B, vol. 91, 2015, pages 205422
See also references of EP 3933945A4
Attorney, Agent or Firm:
KAMATA Kenji et al. (JP)
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Claims:
\¥02020/174764 42 卩(:17 2019/043918

請求の範囲

[請求項 1 ] 熱電変換素子であって、

型熱電変換部;

11型熱電変換部;

第 1電極;

第 2電極;及び

第 3電極、 を具備し、

ここで、

前記 型熱電変換部の一方の端部と、 前記 1·!型熱電変換部の一方の 端部とは、 前記第 1電極を介して電気的に接続されており、

前記 型熱電変換部の他方の端部は、 前記第 2電極と電気的に接続 されており、

前記 n型熱電変換部の他方の端部は、 前記第 3電極と電気的に接続 されており、

前記 型熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 1貫通孔を具備 する第 1 フオノニック結晶構造を有する第 1 フオノニック結晶層を備 え、

前記 0型熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 2貫通孔を具備 する第 2フオノニック結晶構造を有する第 2フオノニック結晶層を備 え、

前記第 1 フオノニック結晶構造における前記複数の第 1貫通孔の貫 通方向は、 前記 型熱電変換部における前記一方の端部と前記他方の 端部とを結ぶ方向であり、

前記第 2フオノニック結晶構造における前記複数の第 2貫通孔の貫 通方向は、 前記 1·!型熱電変換部における前記一方の端部と前記他方の 端部とを結ぶ方向である。

[請求項 2] 請求項 1 に記載の熱電変換素子であって、

前記 型熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 3貫通孔を具備 〇 2020/174764 43 卩(:171? 2019 /043918

する第 3フオノニック結晶構造を有する第 3フオノニック結晶層をさ らに備え、

前記〇型熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 4貫通孔を具備 する第 4フオノニック結晶構造を有する第 4フオノニック結晶層をさ らに備え、

前記第 1 フオノニック結晶層と前記第 3フオノニック結晶層とは、 前記 型熱電変換部における前記 _方の端部と前記他方の端部とを結 ぶ方向に積層されており、

前記第 2フオノニック結晶層と前記第 4フオノニック結晶層とは、 前記 1·!型熱電変換部における前記 _方の端部と前記他方の端部とを結 ぶ方向に積層されており、

前記第 1 フオノニック結晶構造における前記複数の第 1貫通孔の貫 通方向と、 前記第 3フオノニック結晶構造における前記複数の第 3貫 通孔の貫通方向とは、 略平行であり、

前記第 2フオノニック結晶構造における前記複数の第 2貫通孔の貫 通方向と、 前記第 4フオノニック結晶構造における前記複数の第 4貫 通孔の貫通方向とは、 略平行である。

[請求項 3] 請求項 2に記載の熱電変換素子であって、

前記第 1 フオノニック結晶層と前記第 3フオノニック結晶層とは、 互いに接しており、

前記第 2フオノニック結晶層と前記第 4フオノニック結晶層とは、 互いに接している。

[請求項 4] 請求項 2又は 3に記載の熱電変換素子であって、

前記第 3貫通孔の少なくとも一部は、 前記第 1貫通孔と連通してお らず、

前記第 4貫通孔の少なくとも一部は、 前記第 2貫通孔と連通してい ない。

[請求項 5] 請求項 1から 4のいずれかに記載の熱電変換素子であって、 〇 2020/174764 44 卩(:171? 2019 /043918

前記第 1 フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 1 ドメイン及び第 2 ドメインを含み、

前記第 1 ドメインは、 前記第 1貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 第 1方向に規則的に配列した前記複数の第 1貫通孔を具備 し、

前記第 2 ドメインは、 前記第 1貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 前記第 1

方向とは異なる第 2方向に規則的に配列した前記複数の第 1貫通孔を 具備し、

前記第 2フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 3 ドメイン及び第 4 ドメインを含み、

前記第 3 ドメインは、 前記第 2貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 第 3方向に規則的に配列した前記複数の第 2貫通孔を具備 し、

前記第 4 ドメインは、 前記第 2貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 前記第 3方向とは異なる第 4方向に規則的に配列した前記 複数の第 2貫通孔を具備する。

[請求項 6] 請求項 2から 4のいずれかに記載の熱電変換素子であって、

前記第 1 フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 1 ドメイン及び第 2 ドメインを含み、

前記第 1 ドメインは、 前記第 1貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 第 1方向に規則的に配列した前記複数の第 1貫通孔を具備 し、

前記第 2 ドメインは、 前記第 1貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 前記第 1方向とは異なる第 2方向に規則的に配列した前記 複数の第 1貫通孔を具備し、

前記第 2フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 3 ドメイン及び第 4 ドメインを含み、 〇 2020/174764 45 卩(:171? 2019 /043918

前記第 3 ドメインは、 前記第 2貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 第 3方向に規則的に配列した前記複数の第 2貫通孔を具備 し、

前記第 4 ドメインは、 前記第 2貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 前記第 3方向とは異なる第 4方向に規則的に配列した前記 複数の第 2貫通孔を具備し、

前記第 3フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 5 ドメイン及び第 6 ドメインを含み、

前記第 5 ドメインは、 前記第 3貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 第 5方向に規則的に配列した前記複数の第 3貫通孔を具備 し、

前記第 6 ドメインは、 前記第 3貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 前記第 5方向とは異なる第 6方向に規則的に配列した前記 複数の第 3貫通孔を具備し、

前記第 4フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 7 ドメイン及び第 8 ドメインを含み、

前記第 7 ドメインは、 前記第 4貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 第 7方向に規則的に配列した前記複数の第 4貫通孔を具備 し、

前記第 8 ドメインは、 前記第 4貫通孔の貫通方向に垂直な断面を見 たときに、 前記第 7方向とは異なる第 8方向に規則的に配列した前記 複数の第 4貫通孔を具備する。

[請求項 7] 請求項 1から 6のいずれかに記載の熱電変換素子であって、

前記第 1 フオノニック結晶層及び/又は前記第 2フオノニック結晶 層は、 複数のピラーを備え、

前記ピラーは、 直線状に延びる柱状体であり、 前記ピラーの各々は、 前記第 1 フオノニック結晶層の前記第 1貫通 孔及び/又は前記第 2フオノニック結晶層の前記第 2貫通孔に充填さ 〇 2020/174764 46 卩(:171? 2019 /043918

れている。

ただし、 前記ピラーが充填された前記第 1 フオノニック結晶層及び /又は前記第 2フオノニック結晶層と、 前記ピラーとが同一の材料に より構成される場合、 前記ピラーの周面は、 酸化膜により被覆されて いる。

[請求項 8] 請求項 7に記載の熱電変換素子であって、

前記ピラーの各々は、 前記第 1貫通孔及び前記第 2貫通孔に充填さ れている。

[請求項 9] 請求項 1 から 8のいずれかに記載の熱電変換素子であって、

前記第 1貫通孔の長さは、 前記第 1貫通孔の直径の 2倍以上であり 前記第 2貫通孔の長さは、 前記第 2貫通孔の直径の 2倍以上である

[請求項 1 0] 請求項 1 から 9のいずれかに記載の熱電変換素子であって、

前記第 1 フオノニック結晶層の空隙率は、 1 0 %以上であり、 前記第 2フオノニック結晶層の空隙率は、 1 0 %以上である。

[請求項 1 1 ] 熱電変換素子であって、

互いに隣接する 2つの熱電変換部;

第 4電極;

第 5電極;及び

第 6電極、 を具備し、

ここで、

前記 2つの熱電変換部の導電型は同一であり、

_方の前記熱電変換部の _方の端部と、 他方の前記熱電変換部の _ 方の端部とは、 前記第 4電極を介して電気的に接続されており、 前記 _方の熱電変換部の他方の端部は、 前記第 5電極と電気的に接 続されており、

前記他方の熱電変換部の他方の端部は、 前記第 6電極と電気的に接 \¥02020/174764 47 卩(:17 2019/043918

続されており、

前記第 5電極と前記第 6電極との間に電流を流したときに、 前記隣 接する 2つの熱電変換部における前記電流の流れる方向は同一であり 前記一方の熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 1貫通孔を具 備する第 1 フオノニック結晶構造を有する第 1 フオノニック結晶層を 備え、

前記他方の熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 2貫通孔を具 備する第 2フオノニック結晶構造を有する第 2フオノニック結晶層を 備え、

前記第 1 フオノニック結晶構造における前記複数の第 1貫通孔の貫 通方向は、 前記一方の熱電変換部における前記一方の端部と前記他方 の端部とを結ぶ方向であり、

前記第 2フオノニック結晶構造における前記複数の第 2貫通孔の貫 通方向は、 前記他方の熱電変換部における前記 _方の端部と前記他方 の端部とを結ぶ方向である。

[請求項 12] 熱電変換装置であって、

基板;

前記基板上に設けられた第 1絶縁層;

前記第 1絶縁層上に設けられた熱電変換モジュール;

前記熱電変換モジュール上に設けられた第 2絶縁層;

第 1配線;及び

第 2配線、 を具備し、

前記熱電変換モジュールは、 2以上の熱電変換素子により構成され る熱電変換素子群;及び前記熱電変換素子群と接続された _対の接続 電極; を備え、

前記 2以上の熱電変換素子は、 前記一対の接続電極の間において、 電気的に直列に互いに接続されており、 〇 2020/174764 48 卩(:171? 2019 /043918

前記第 1配線は、 _方の前記接続電極に電気的に接続され、 前記第 2配線は、 他方の前記接続電極に電気的に接続され、 前記熱電変換素子は、 請求項 1から 1 1のいずれかに記載の熱電変 換素子である。

[請求項 13] 請求項 1 2に記載の熱電変換装置であって、

前記熱電変換モジュールにおいて、 前記 2以上の熱電変換素子が 2 次元のアレイ状に配列されている。

[請求項 14] 請求項 1 2に記載の熱電変換装置であって、

前記熱電変換モジュールにおいて、 前記 2以上の熱電変換素子が 3 次元のアレイ状に配列されている。

[請求項 15] 請求項 1 2から 1 4のいずれかに記載の熱電変換装置であって、 前記熱電変換モジュールが、 前記熱電変換素子を構成する熱電変換 部の間、 及び/又は、 前記 2以上の熱電変換素子の各々の間に、 絶縁 部をさらに備え、

前記絶縁部が、 規則的に配列した複数の第 5貫通孔を具備する第 5 フォノニック結晶構造を有する。

[請求項 16] 請求項 1 2から 1 5のいずれかに記載の熱電変換装置であって、 前記基板、 前記第 1絶縁層、 前記第 2絶縁層、 前記第 1配線及び前 記第 2配線から選ばれる少なくとも 1つの部材が、 規則的に配列した 複数の第 6貫通孔を具備する第 6フオノニック結晶構造を有する。

Description:
明 細 書

発明の名称 : 熱電変換素子及び熱電変換装置

技術分野

[0001] 本開示は、 フオノニック結晶構造を有する部材を備える 熱電変換素子及び 当該熱電変換素子を備える熱電変換装置に関 する。

背景技術

[0002] 特許文献 1、 特許文献 2及び非特許文献 1は、 複数の貫通孔により構成さ れる周期構造を開示している。 この周期構造では、 薄膜を平面視して、 ナノ メートルの才ーダー (1 n mから 1 000 n mの領域) 内の周期で規則的に 貫通孔が配列している。 この周期構造は、 フオノニック結晶構造の一種であ る。 このタイプのフオノニック結晶構造は、 貫通孔の配列を構成する最小単 位である単位格子を通常有する。 当該フオノニック結晶構造によれば、 薄膜 の熱伝導率が減少可能となる。 薄膜の熱伝導率は、 例えば、 多孔質化によっ ても低減できる。 多孔質化によって薄膜に導入された空隙が、 薄膜の熱伝導 率を減少させるためである。 しかし、 フオノニック結晶構造によれば、 薄膜 を構成する母材自身の熱伝導率が低減可能で ある。 このため、 単なる多孔質 化に比べて、 熱伝導率のさらなる低減が期待される。

[0003] 特許文献 3には、 p型熱電変換材料と n型熱電変換材料とを備える熱電変 換素子が開示されている。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :米国特許出願公開第 201 7/0047499号明細書

特許文献 2 :米国特許出願公開第 201 7/006981 8号明細書 特許文献 3 :国際公開第 201 1 /048634号

非特許文献

[0005] 非特許文献 1 : Nomura et a 1. , ” Impeded thermal transport is Si multi sea

Le hierarchical architectures with phonon i c crystal nanostructures , Phys i ca l Rev i ew B 91 , 205422 (2015)

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] 本開示は、 熱電変換素子の熱電変換効率を高める技術を 提供する。

課題を解決するための手段

[0007] 本開示は、 以下の熱電変換素子を提供する。

熱電変換素子であって、

P型熱電変換部;

n型熱電変換部;

第 1電極;

第 2電極;及び

第 3電極、 を具備し、

ここで、

前記 P型熱電変換部の一方の端部と、 前記 n型熱電変換部の一方の端部と は、 前記第 1電極を介して電気的に接続されており、

前記 P型熱電変換部の他方の端部は、 前記第 2電極と電気的に接続されて おり、

前記 n型熱電変換部の他方の端部は、 前記第 3電極と電気的に接続されて おり、

前記 P型熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 1貫通孔を具備する第 1 フオノニック結晶構造を有する第 1 フオノニック結晶層を備え、

前記 n型熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 2貫通孔を具備する第 2フオノニック結晶構造を有する第 2フオノニック結晶層を備え、

前記第 1 フオノニック結晶構造における前記複数の第 1貫通孔の貫通方向 は、 前記 P型熱電変換部における前記一方の端部と前 他方の端部とを結ぶ 方向であり、

前記第 2フオノニツク結晶構造における前記複数の 2貫通孔の貫通方向 は、 前記 1·!型熱電変換部における前記一方の端部と 記他方の端部とを結ぶ 〇 2020/174764 3 卩(:171? 2019 /043918

方向である。

[0008] 本開示は、 別の側面から、 以下の熱電変換素子を提供する。

熱電変換素子であって、

互いに隣接する 2つの熱電変換部;

第 4電極;

第 5電極;及び

第 6電極、 を具備し、

ここで、

前記 2つの熱電変換部の導電型は同一であり、

_方の前記熱電変換部の _方の端部と、 他方の前記熱電変換部の _方の端 部とは、 前記第 4電極を介して電気的に接続されており、

前記 _方の熱電変換部の他方の端部は、 前記第 5電極と電気的に接続され ており、

前記他方の熱電変換部の他方の端部は、 前記第 6電極と電気的に接続され ており、

前記第 5電極と前記第 6電極との間に電流を流したときに、 前記隣接する 2つの熱電変換部における前記電流の流れる 向は同一であり、

前記一方の熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 1貫通孔を具備する 第 1 フオノニック結晶構造を有する第 1 フオノニック結晶層を備え、 前記他方の熱電変換部は、 規則的に配列した複数の第 2貫通孔を具備する 第 2フオノニック結晶構造を有する第 2フオノニック結晶層を備え、 前記第 1 フオノニック結晶構造における前記複数の第 1貫通孔の貫通方向 は、 前記一方の熱電変換部における前記一方の端 部と前記他方の端部とを結 ぶ方向であり、

前記第 2フオノニツク結晶構造における前記複数の 2貫通孔の貫通方向 は、 前記他方の熱電変換部における前記一方の端 部と前記他方の端部とを結 ぶ方向である。

発明の効果 〇 2020/174764 4 卩(:171? 2019 /043918

[0009] 本開示によれば、 熱電変換素子の熱電変換効率を高めることが できる。

図面の簡単な説明

[0010] [図 1]図 1は、 本開示の熱電変換素子の一例を模式的に示す 断面図である。

[図 2八]図 2八は、 本開示の熱電変換素子が備えうる 型熱電変換部の一例を 模式的に示す断面図である。

[図 28]図 2巳は、 本開示の熱電変換素子が備えうる n型熱電変換部の一例を 模式的に示す断面図である。

[図 3八]図 3八は、 本開示の熱電変換素子が備えうる 型熱電変換部の別の一 例を模式的に示す断面図である。

[図 38]図 3巳は、 本開示の熱電変換素子が備えうる n型熱電変換部の別の一 例を模式的に示す断面図である。

[図 4八]図 4八は、 図 3八の 型熱電変換部を第 1 フオノニック結晶層の側か ら見た平面図である。

[図 48]図 4巳は、 図 3八の 型熱電変換部を第 3フオノニック結晶層の側か ら見た平面図である。

[図 5八]図 5八は、 図 3巳の n 型熱電変換部を第 2フオノニック結晶層の側か ら見た平面図である。

[図 58]図 5巳は、 図 3 Bの n 型熱電変換部を第 4フオノニック結晶層の側か ら見た平面図である。

[図 6八]図 6八は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 単位格子の一例を示す模式図である。

[図 68]図 6巳は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 単位格子の別の一例を示す模式図である。

[図 60]図 6〇は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 単位格子のまた別の一例を示す模式図である 。

[図 6 ]図 6 0は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 単位格子の上記とは別の一例を示す模式図で ある。

[図 7]図 7は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の一例 〇 2020/174764 5 卩(:171? 2019 /043918

を模式的に示す平面図である。

[図 8八]図 8八は、 図 7のフオノニック結晶構造が含む第 1 ドメインにおける 単位格子とその方位とを示す模式図である。

[図 88]図 8巳は、 図 7のフオノニック結晶構造が含む第 2 ドメインにおける 単位格子とその方位とを示す模式図である。

[図 9]図 9は、 図 7のフオノニック結晶構造の領域 1の拡大図である。

[図 10]図 1 0は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 別の—例を模式的に示す平面図である。

[図 1 1]図 1 1は、 図 1 〇のフオノニック結晶構造の領域 2の拡大図である

[図 12]図 1 2は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の また別の一例を模式的に示す平面図である。

[図 13]図 1 3は、 図 1 2のフオノニック結晶構造の領域 3の拡大図である

[図 14]図 1 4は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の さらにまた別の一例を模式的に示す平面図で ある。

[図 15]図 1 5は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 上記とは別の一例を模式的に示す平面図であ る。

[図 16]図 1 6は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 上記とは別の一例を模式的に示す平面図であ る。

[図 17八]図 1 7八は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造 の単位格子の一例を示す模式図である。

[図 178]図 1 7巳は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造 の単位格子の別の一例を示す模式図である。

[図 18]図 1 8は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 上記とは別の一例を模式的に示す平面図であ る。

[図 19]図 1 9は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶構造の 上記とは別の一例を模式的に示す平面図であ る。 〇 2020/174764 6 卩(:171? 2019 /043918

[図 20八]図 2 0八は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶層の 一例を模式的に示す平面図である。

[図 208]図 2 0巳は、 図 2〇八のフオノニック結晶層の断面 2 0巳_ 2 0巳を 示す断面図である。

[図 21]図 2 1は、 本開示の熱電変換素子が備えうる 型熱電変換部及び/又 は门型熱電変換部の上記とは別の一例を模式 的に示す断面図である。

[図 22八]図 2 2八は、 本開示の熱電変換素子が有しうるフオノニッ ク結晶層の 別の—例を模式的に示す平面図である。

[図 228]図 2 2巳は、 図 2 2八のフオノニック結晶層の断面 2 2巳一2 2巳を 示す断面図である。

[図 23]図 2 3は、 本開示の熱電変換素子が備えうる 型熱電変換部及び/又 は门型熱電変換部の上記とは別の一例を模式 的に示す断面図である。

[図24八]図2 4 は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 248]図 2 4巳は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 24(:]図 2 4〇は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 240]図 2 4 0は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図24£]図2 4巳は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図24ド]図2 4 は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 240]図 2 4 0は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 2 ]図 2 4 ! !は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。 〇 2020/174764 7 卩(:171? 2019 /043918

[図 241]図 2 4 I は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 24」]図 2 4」は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図241<]図2 4[<は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 241_]図 2 4 1_は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 241«図 2 4 IV!は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 241\1]図 2 4 1\1は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 240]図 2 4 0は、 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 を説明する ための模式的な断面図である。

[図 25]図 2 5は、 本開示の熱電変換素子の別の一例を模式的に 示す断面図で ある。

[図 26八]図 2 6八は、 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールの 一例を模式的に示す断面図である。

[図 268]図 2 6巳は、 本開示の熱電変換素子が備えうる熱電変換モ ジュールの 別の—例を模式的に示す断面図である。

[図 27]図 2 7は、 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールの別 の一例を模式的に示す斜視図である。

[図 28]図 2 8は、 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールのま た別の一例を模式的に示す断面図である。

[図 29]図 2 9は、 本開示の熱電変換装置の一例を模式的に示す 断面図である

[図 30]図 3 0は、 本開示の熱電変換装置の一例を模式的に示す 断面図である \¥02020/174764 8 卩(:17 2019/043918

[図 31]図 3 1は、 本開示の熱電変換装置の一例を模式的に示す 断面図である

[図 32]図 3 2は、 本開示の熱電変換装置の一例を模式的に示す 断面図である 発明を実施するための形態

[001 1] (本開示の基礎となった知見)

絶縁体及び半導体において、 熱は、 主として、 フオノンと呼ばれる格子振 動によって運ばれる。 絶縁体又は半導体から構成される材料の熱伝 導率は、 材料が有するフオノンの分散関係により決定 される。 フオノンの分散関係と は、 周波数と波数との関係、 又はバンド

構造を意味している。 絶縁体及び半導体において、 熱を運ぶフオノンは、 1 この周波数帯域は、 熱の帯域である。 材料の熱伝導率は、 熱の帯域にあるフオノンの分散関係に より定められる。

[0012] 上述したフオノニック結晶構造によれば、 貫通孔の周期構造によって、 材 料が有するフオノンの分散関係が制御可能で ある。 即ち、 フオノニック結晶 構造によれば、 材料、 例えば薄膜の母材、 の熱伝導率そのものが制御可能で ある。 とりわけ、 フオノニック結晶構造によるフオノニックバ ンドギャップ ( 巳〇) の形成は、 材料の熱伝導率を大きく低減させうる。 巳〇内にフ オノンは存在できない。 このため、 熱の帯域に位置する 巳◦は、 熱伝導の ギャップとなりうる。 また、 巳◦以外の周波数帯域においても、 フオノン の分散曲線の傾きが 巳◦によって小さくなる。 傾きの低減はフオノンの群 速度を低下させ、 熱伝導速度を低下させる。 これらの点は、 材料自体の熱伝 導率の低減に大きく寄与する。

[0013] 本開示の熱電変換素子では、 素子が備える一対の熱電変換部が、 規則的に 配列した複数の貫通孔を具備するフオノニッ ク結晶構造を有するフオノニッ ク結晶層を備えている。 第 1実施形態では、 一対の熱電変換部は、 型熱電 変換部及び 1·!型熱電変換部である。 型熱電変換部は、 _方の端部において 〇 2020/174764 9 卩(:171? 2019 /043918

第 1電極と電気的に接続され、 他方の端部において第 2電極と電気的に接続 されている。 1·!型熱電変換部は、 一方の端部において第 1電極と電気的に接 続され、 他方の端部において第 3電極と電気的に接続されている。 第 2実施 形態では、 一対の熱電変換部は、 互いに隣接する、 導電型を同一とする 2つ の熱電変換部である。 一方の熱電変換部は、 一方の端部において第 4電極と 電気的に接続され、 他方の端部において第 5電極と電気的に接続されている 。 他方の熱電変換部は、 一方の端部において第 4電極と電気的に接続され、 他方の端部において第 6電極と電気的に接続されている。 フオノニック結晶 層を備えることにより、 各熱電変換部における上記一方の端部と他方 の端部 との間の熱伝導率の低減が可能となる。 したがって、 本開示の熱電変換素子 では、 熱電変換効率の向上が可能となる。

[0014] (本開示の実施形態)

以下、 本開示の実施形態について、 図面を参照しながら説明する。 なお、 以下で説明する実施形態は、 いずれも包括的、 又は具体的な例を示すもので ある。 以下の実施形態で示される数値、 形状、 材料、 構成要素、 構成要素の 配置位置及び接続形態、 プロセス条件、 ステップ、 ステップの順序等は一例 であり、 本開示を限定する主旨ではない。 また、 以下の実施形態における構 成要素のうち、 最上位概念を示す独立請求項に記載されてい ない構成要素に ついては、 任意の構成要素として説明される。 なお、 各図は、 模式図であり 、 必ずしも厳密に図示されたものではない。

[0015] (第 1実施形態)

第 1実施形態の熱電変換素子の一例が図 1 に示される。 図 1の熱電変換素 子 1は、 型熱電変換部 2、 n 型熱電変換部 3、 第 1電極 4、 第 2電極 5及 び第 3電極 6を備える。 型熱電変換部 2の一方の端部 1 1 と、 n 型熱電変 換部 3の一方の端部 1 3とは、 第 1電極 4を介して電気的に接続されている 。 型熱電変換部 2の他方の端部 1 2は、 第 2電極 5と電気的に接続されて いる。 1·!型熱電変換部 3の他方の端部 1 4は、 第 3電極 6と電気的に接続さ れている。 熱電変換素子 1は、 電気エネルギーを熱エネルギーに変換するぺ 〇 2020/174764 10 卩(:171? 2019 /043918

ルティエ素子としても、 熱エネルギーを電気エネルギーに変換するゼ ーべッ ク素子としても、 機能しうる。

[0016] 型熱電変換部 2の一例が図 2八に示される。 図 2八の 型熱電変換部 2 は、 規則的に配列した複数の第 1貫通孔 1 5を具備する第 1 フオノニック結 晶構造を有する第 1 フオノニック結晶層 1 6を備える。 図 2八の 型熱電変 換部 2は、 第 1 フオノニック結晶層 1 6の単層構造体である。 第 1 フオノニ ック結晶構造及び第 1 フオノニック結晶層 1 6におけ

る複数の第 1貫通孔 1 5の貫通方向は、 型熱電変換部 2における一方の端 咅6 1 1 と他方の端部 1 2とを結ぶ方向である。 また、 当該方向は、 例えば、 型熱電変換部 2における一方の端部 1 1及び他方の端部 1 2を構成する面 、 言い換えると、 第 1電極 4及び/又は第 2電極 5との接続面、 に略垂直な 方向である。 本明細書において 「略垂直」 とは、 2つの方向の関係が、 例え ば 5度以下、 好ましくは 3度以下、 より好ましくは 1度以下、 垂直からずれ ている場合にも、 当該関係を垂直とみなす趣旨である。

[0017] 门型熱電変換部 3の一例が図 2巳に示される。 図 2巳の n型熱電変換部 3 は、 規則的に配列した複数の第 2貫通孔 1 7を具備する第 2フオノニック結 晶構造を有する第 2フオノニック結晶層 1 8を備える。 図 2 Bの n 型熱電変 換部 3は、 第 2フオノニック結晶層 1 8の単層構造体である。 第 2フオノニ ック結晶構造及び第 2フオノニック結晶層 1 8における複数の第 2貫通孔 1 7の貫通方向は、 n型熱電変換部 3における一方の端部 1 3と他方の端部 1 4とを結ぶ方向である。 また、 当該方向は、 例えば、 1·!型熱電変換部 3にお ける一方の端部 1 3及び他方の端部 1 4を構成する面、 言い換えると、 第 1 電極 4及び/又は第 3電極 6との接続面、 に略垂直な方向である。

[0018] 型熱電変換部 2の別の一例が図 3八に示される。 図 3八の 型熱電変換 部 2は、 第 1 フオノニック結晶層 1 6に加えて、 規則的に配列した複数の第 3貫通孔 1 9を具備する第 3フオノニック結晶構造を有する第 3フオノニッ ク結晶層 2 0をさらに備える。 第 1 フオノニック結晶層 1 6と第 3フオノニ ック結晶層 2 0とは、 型熱電変換部 2における一方の端部 1 1 と他方の端 〇 2020/174764 1 1 卩(:171? 2019 /043918

部 1 2とを結ぶ方向に積層されている。 第 1 フオノニック結晶構造及び第 1 フオノニック結晶層 1 6における複数の第 1貫通孔 1 5の貫通方向と、 第 3 フオノニック結晶構造及び第 3フオノニック結晶層 2 0における複数の第 3 貫通孔 1 9の貫通方向とは、 略平行である。 図 3 の 型熱電変換部 2は、 第 1 フオノニック結晶層 1 6及び第 3フオノニック結晶層 2 0の積層構造体 である。 第 1 フオノニック結晶層 1 6と第 3フオノニック結晶層 2 0とは、 互いに接している。 本明細書において 「略平行」 とは、 2つの方向の関係が 、 例えば 5度以下、 好ましくは 3度以下、 より好ましくは 1度以下、 平行か らずれている場合にも、 当該関係を平行とみなす趣旨である。

[0019] 门型熱電変換部 3の別の一例が図 3巳に示される。 図 3巳の n型熱電変換 部 3は、 第 2フオノニック結晶層 1 8に加えて、 規則的に配列した複数の第 4貫通孔 2 1 を具備する第 4フオノニック結晶構造を有する第 4フオノニッ ク結晶層 2 2をさらに備える。 第 2フオノニック結晶層 1 8と第 4フオノニ ック結晶層 2 2とは、 型熱電変換部 3における一方の端部 1 3と他方の端 部 1 4とを結ぶ方向に積層されている。 第 2フオノニック結晶構造及び第 2 フオノニック結晶層 1 8における複数の第 2貫通孔 1 7の貫通方向と、 第 4 フオノニック結晶構造及び第 4フオノニック結晶層 2 2における複数の第 4 貫通孔 2 1の貫通方向とは、 略平行である。 図 3 Bの n 型熱電変換部 3は、 第 2フオノニック結晶層 1 8及び第 4フオノニック結晶層 2 2の積層構造体 である。 第 2フオノニック結晶層 1 8と第 4フオノニック結晶層 2 2とは、 互いに接している。

[0020] 巳◦の分布は立体的であり、 フオノニック結晶層では、 面内方向だけで はなく厚さ方向の熱流の制御及び当該制御に よる熱伝導率の低減が期待され る。 なお、 本明細書において 「フオノニック結晶層における厚さ方向」 とは 、 規則的に配列した複数の貫通孔の貫通方向を 意味する。 図 3 及び図 3巳 に示される 型熱電変換部 2及び n 型熱電変換部 3では、 少なくとも 2層の フオノニック結晶層が厚さ方向に積層されて いる。 積層による厚さの増大に より、 型熱電変換部 2及び 型熱電変換部 3における厚さ方向の熱流のよ 〇 2020/174764 12 卩(:171? 2019 /043918

り確実な制御が期待される。

[0021 ] 第 1 フオノニック結晶層 1 6、 第 2フオノニック結晶層 1 8、 第 3フオノ ニック結晶層 2 0及び第 4フオノニック結晶層 2 2の厚さは、 例えば、 1 0 n 以上 5 0 0 1^ 01以下で

ある。 型熱電変換部 2が 2以上のフオノニック結晶層を備える場合、 各フ オノニック結晶層の厚さは、 互いに同一であっても異なっていてもよい。 型熱電変換部 3が 2以上のフオノニック結晶層を備える場合、 各フオノニッ ク結晶層の厚さは、 互いに同一であっても異なっていてもよい。

[0022] 型熱電変換部 2が備えるフオノニック結晶層の数は、 限定されない。

型熱電変換部 2が 2以上のフオノニック結晶層を備える場合、 各フオノニッ ク結晶層は、 互いに接するように積層されていても、 他の部材を介して積層 されていても構わない。 n型熱電変換部 3が備えるフオノニック結晶層の数 は、 限定されない。 1·!型熱電変換部 3が 2以上のフオノニック結晶層を備え る場合、 各フオノニック結晶層は、 互いに接するように積層されていても、 他の部材を介して積層されていても構わない 。 他の部材は、 例えば、 3 丨 〇 2

の酸化膜、 後述のバッファ層である。

[0023] 図 3八の 型熱電変換部 2を第 1 フオノニック結晶層 1 6の側から見た平 面図が図 4八に示される。 図 3八の 型熱電変換部 2を第 3フオノニック結 晶層 2 0の側から見た平面図が図 4巳に示される。 図 3八、 図 4八及び図 4 巳の 型熱電変換部 2において、 第 1 フオノニック結晶層 1 6が有する第 1 フオノニック結晶構造の構成と、 第 3フオノニック結晶層 2 0が有する第 3 フオノニック結晶構造の構成とは異なってい る。 具体的には、 第 1貫通孔 1 5の配列の周期 と、 第 3貫通孔 1 9の配列の周期 とが異なっている。 第 1 フオノニック結晶構造の構成と第 3フオノニック結晶構造の構成とが異な る場合、 通常、 第 3貫通孔 1 9の少なくとも一部は第 1貫通孔 1 5と連通し ていない。 ただし、 2以上のフオノニック結晶層を備える 型熱電変換部 2 において、 各フオノニック結晶層の構成は同一であって もよい。 〇 2020/174764 13 卩(:171? 2019 /043918

[0024] 図 3 Bのn型熱電変換部 3を第 2フオノニック結晶層 1 8の側から見た平 面図が図 5八に示される。 図 3巳の 型熱電変換部 3を第 4フオノニック結 晶層 2 2の側から見た平面図が図 5巳に示される。 図 3巳、 図 5八及び図 5 Bの n 型熱電変換部 3において、 第 3フオノニック結晶層 1 8が有する第 3 フオノニック結晶構造の構成と、 第 4フオノニック結晶層 2 2が有する第 4 フオノニック結晶構造の構成とは異なってい る。 具体的には、 第 3貫通孔 1 7の配列の周期 と、 第 4貫通孔 2 1の配列の周期 とが異なっている。 第 2フオノニック結晶構造の構成と第 4フオノニック結晶構造の構成とが異な る場合、 通常、 第 4貫通孔 2 1の少なくとも一部は第 3貫通孔 1 7と連通し ていない。 ただし、 2以上のフオノニック結晶層を備える 型熱電変換部 3 において、 各フオノニック結晶層の構成は同一であって もよい。

[0025] 型熱電変換部 2が備えるフオノニック結晶層の構成と、 n 型熱電変換部

3が備えるフオノニック結晶層の構成とは、 同一であってもよい。

[0026] 第 1貫通孔 1 5の長さに相当する第 1 フオノニック結晶層 1 6の厚さは、 第 1貫通孔 1 5の直径の 2倍以上であってもよい。 第 2貫通孔 1 7の長さに 相当する第 2フオノニック結晶層 1 8の厚さは、 第 2貫通孔 1 7の直径の 2 倍以上であってもよい。 第 3貫通孔 1 9の長さに相当する第 3フオノニック 結晶層 2 0の厚さは、 第 3貫通孔 1 9の直径の 2倍以上であってもよい。 第 4貫通孔 2 1の長さに相当する第 4フオノニック結晶層 2 2の厚さは、 第 4 貫通孔 2 1の直径の 2倍以上であってもよい。 これらの場合、 各フオノニッ ク結晶層 1 6 , 1 8 , 2 0 , 2 2の上面及び下面の間の距離の増大が可能で ある。 これにより、 各フオノニック結晶層の上面と下面との間の 温度差の増 大が可能となり、 熱電変換効率を向上できる。 なお、 本明細書においてフオ ノニック結晶層の 「上面」 及び 「下面」 とは、 それぞれ、 フオノニック結晶 層を貫通孔の貫通方向に見たときの一方の主 面及び当該一方の主面に対向す る他方の主面を意味する。 「主面」 とは、 最も広い面積を有する面を意味す る。 各フオノニック結晶層の厚さの上限は、 例えば、 当該結晶層が具備する 貫通孔の 〇 2020/174764 14 卩(:171? 2019 /043918

直径の 1 0 0倍以下であり、 8 0倍以下、 6 0倍以下、 5 0倍以下であって もよい。

[0027] 各フオノニック結晶層の体積に対する、 各フオノニック結晶層に含まれる 上記貫通孔の体積の合計の割合、 言い換えるとフオノニック結晶層の空隙率 、 は、 1 0 %以上であってもよい。 この場合、 上記貫通孔を除くフオノニッ ク結晶層の体積の低減が可能となり、 巳〇の効果を向上できる。 これによ り、 フオノニック結晶層の熱伝導率の更なる低減 が可能となり、 熱電変換効 率を向上できる。 フオノニック結晶層の空隙率の上限は、 例えば、 9 0 %以 下であり、 7 0 %以下、 5 0 %以下、 4 0 %以下であってもよい。

[0028] 第 1 フオノニック結晶構造の構成と第 3フオノニック結晶構造の構成とが 異なる場合として、 次の各ケースが例示される。 複数のケースが組み合わさ れていてもよい。 第 2フオノニック結晶構造の構成と第 4フオノニック結晶 構造の構成とが異なる場合も同様である。 なお、 この場合、 以下の説明にお いて、 「第 1貫通孔 1 5」 は 「第 2貫通孔 1 7」 に、 「第 3貫通孔 1 9」 は 「第 4貫通孔 2 1」 に、 それぞれ、 読み替えられる。

第 1貫通孔 1 5の配列の周期 と、 第 3貫通孔 1 9の配列の周期 とが 異なる。

第 1貫通孔 1 5の径〇と、 第 3貫通孔 1 9の径〇とが異なる。

第 1貫通孔 1 5により構成される単位格子 9 1の種類と、 第 3貫通孔 1 9により構成される単位格子 9 1の種類とが異なる。

[0029] 後述のフオノニック結晶構造八に示すように 、 第 1 フオノニック結晶構造 における第 1貫通孔 1 5の配列、 及び第 3フオノニック結晶構造における第 3貫通孔 1 9の配列は、 フオノニック結晶層の全体にわたって一定で あると は限らない。 これを考慮すると、 型熱電変換部 2は、 第 1 フオノニック結 晶構造の構成と第 3フオノニック結晶構造の構成とが異なる場 として、 以 下の各形態を有しうる。 型熱電変換部 2は、 以下の各形態が任意に組み合 わされた形態を有していてもよい。 门型熱電変換部 3が有しうる第 2フオノ ニック結晶構造と第 4フオノニック結晶構造との関係も同様であ 。 なお、 〇 2020/174764 1 5 卩(:171? 2019 /043918

この場合、 以下の説明において、 「第 1 フオノニック結晶構造」 は 「第 2フ オノニック結晶構造」 に、 「第 3フオノニック結晶構造」 は 「第 4フオノニ ック結晶構造」 に、 「第 1貫通孔 1 5」 は 「第 2貫通孔 1 7」 に、 「第 3貫 通孔 1 9」 は 「第 4貫通孔 2 1」 に、 それぞれ、 読み替えられる。

[0030] 形態八 :第 1 フオノニック結晶構造が、 フオノニック結晶領域であるドメ イン八を含む。 第 3フオノニック結晶構造が、 フオノニック結晶領域である ドメイン巳を含む。 第 1貫通孔 1 5及び第 3貫通孔 1 9の貫通方向に見て、 ドメイン八とドメイン巳とは重複している。 ドメイン八における第 1貫通孔 1 5の配列の周期 と、 ドメイン巳における第 3貫通孔 1 9の配列の周期と が異なる。

[0031 ] 形態巳 :第 1 フオノニック結晶構造が、 フオノニック結晶領域であるドメ イン八を含む。 第 3フオノニック結晶構造が、 フオノニック結晶領域である ドメイン巳を含む。 第 1貫通孔 1 5及び第 3貫通孔 1 9の貫通方向に見て、 ドメイン八とドメイン巳とは重複している。 ドメイン八における第 1貫通孔 1 5の径と、 ドメイン巳における第 3貫通孔 1 9の径とが異なる。

[0032] 形態〇 :第 1 フオノニック結晶構造が、 フオノニック結晶領域であるドメ イン八を含む。 第 3フオノニック結晶構造が、 フオノニック結晶領域である ドメイン巳を含む。 第 1貫通孔 1 5及び第 3貫通孔 1 9の貫通方向に見て、 ドメイン八とドメイン巳とは重複している。 ドメイン八における第 1貫通孔 1 5により構成される単位格子の種類と、 ドメイン巳における第 3貫通孔 1 9により構成される単位格子の種類とが異な 。

[0033] フオノニック結晶領域であるドメインは、 貫通孔 1 5 , 1 7 , 1 9 , 2 1 の配列の周期

を として、 平面視において、 例えば、 2 5 2 以上の面積を有する領域であ る。 フオノ

ニック結晶構造によってフオノンの分散関係 を制御するには、 ドメインは、 少なくとも 2 5 2 以上の面積を有していてもよい。 平面視において正方形の ドメインでは、 5 以 〇 2020/174764 16 卩(:171? 2019 /043918

上の辺とすることで、 25 2 以上の面積が確保可能である。

[0034] 平面視による各ドメインの形状は限定されな い。 平面視による各ドメイン の形状は、 例えば、 三角形、 正方形及び長方形を含む多角形、 円、 楕円、 並 びにこれらの複合形状である。 平面視による各ドメインの形状は、 不定形で あってもよい。 また、 フオノニック結晶構造が有するドメインの数 は限定さ れない。 フオノニック結晶構造が有する各ドメインの サイズは限定されない 。 1つのドメインが、 フオノニック結晶層の全体に拡がっていても よい。

[0035] なお、 本明細書において、 「平面視」 とは、 フオノニック結晶構造を構成 する貫通孔の貫通方向に対象物を視ることを 意味する。 対象物が薄膜状であ る場合、 貫通孔の貫通方向は、 典型的には、 対象物の主面に略垂直な方向で ある。

[0036] 貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1の配列の周期 は、 例えば、 1 n 以上 3

00 01以下である。 これは、 熱を運ぶフオノンの波長が、 主として 1 门 01 から 3001^ の範囲に及ぶためである。 周期 は、 平面視において隣接す る貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1間の中心間距離により定められる。

[0037] 貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1の径〇は、 周期 に対する比

表して、 例えば、 5である。 比 0/ <0. 5である場合、 フ オノニック結晶構造における空隙率が過度に 低下して、 熱流が十分に制御さ れない、 例えば熱伝導率が十分に低下しない、 ことがある。 比口/ の上限 は、 隣接する貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1同士が接しないために、 例えば 、 〇. 9未満である。 径口は、 貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1の開口の径で ある。 貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1の開口の形状が平面視において円であ る場合、 径口は当該円の直径である。 貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1の開口 の形状は平面視において円でなくてもよい。 この場合、 径口は、 開口の面積 と同じ面積を有する仮想の円の直径により定 められる。

[0038] 規則的に配列した複数の貫通孔 1 5, 1 7, 1 9, 2 1 により構成される 単位格子 9 1の種類は、 例えば、 正方格子 (図 6八) 、 六方格子 (図 6巳)

、 長方格子 (図 6〇 及び面心長方格子 (図 60) である。 ただし、 単位格 〇 2020/174764 17 卩(:171? 2019 /043918

子 9 1の種類は、 これらの例に限定されない。

[0039] 型熱電変換部 2、 n 型熱電変換部 3、 並びに 型熱電変換部 2及び n 型 熱電変換部 3が備えうるフオノニック結晶層を構成する 料 IV!は、 典型的に は、 型又は n型の適切な半導体型 (導電型) となるように不純物元素がド —プされた半導体材料である。 半導体材料は、 例えば、 シリコン (3 丨) 、

、 である。 材料 IV!は、 半導体材料以外の材料であってもよく、 当該材 料は、 例えば、 丁 丨 1\1、 3 丨 1\1、 〇 2 である。 ただし、 材料 IV!は、 上記例に 限

定されない。

[0040] なお、 3 丨系半導体材料は、 一般に、 半導体材料としては比較的高い熱伝 導率を有している。 このため、 3 丨系半導体材料から構成される熱電変換部 を備える従来の熱電変換素子では、 高い熱電変換効率の達成が困難であった 。 一方、 本開示の熱電変換素子では、 熱電変換部はフオノニック結晶層を備 えている。 このため、 本開示の熱電変換素子では、 熱電変換部が 3 丨系半導 体材料により構成される場合においても、 高い熱電変換効率の達成が可能と なる。

[0041 ] また、 3 丨系半導体材料により熱電変換部が構成可能 であることは、 例え ば、 以下のメリッ トをもたらす。

- 3 I系半導体材料により構成されるべース基板 例えば 3 丨 ウェハ、 上 への熱電変換素子及び当該素子を備える熱電 変換装置の形成が可能となる。

- 3 I系半導体材料により構成されるべース基板 内部への熱電変換素子 及び/又は熱電変換装置の埋設が可能となる これにより、 例えば、 熱電変 換素子及び/又は熱電変換装置を埋設したベ ス基板上への 0 ? II等の電子 デバイスの形成が可能となる。 これは、 例えば、 冷却用のペルティエ素子及 び/又はペルティエ式冷却装置が埋設された 子デバイスの製造が可能とな ることを意味する。

[0042] 第 1 フオノニック結晶構造及び第 2フオノニック結晶構造は、 以下の形態 〇 2020/174764 18 卩(:171? 2019 /043918

を有していてもよい。 第 1 フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域 である第 1 ドメイン及び第 2 ドメインを含む。 第 1 ドメインは、 第 1貫通孔 1 5の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 1方向に規則的に配列した複 数の第 1貫通孔 1 5を具備する。 第 2 ドメインは、 第 1貫通孔 1 5の貫通方 向に垂直な断面を見たときに、 第 1方向とは異なる第 2方向に規則的に配列 した複数の第 1貫通孔 1 5を具備する。 第 2フオノニック結晶構造は、 フオ ノニック結晶領域である第 3 ドメイン及び第 4 ドメインを含む。 第 3 ドメイ ンは、 第 2貫通孔 1 7の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 3方向に規 則的に配列した複数の第 2貫通孔 1 7を具備する。 第 4 ドメインは、 第 2貫 通孔 1 7の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 3方向とは異なる第 4方 向に規則的に配列した複数の第 2貫通孔 1 7を具備する。

[0043] 第 1 フオノニック結晶構造、 第 2フオノニック結晶構造、 第 3フオノニッ ク結晶構造及び第 4フオノニック結晶構造は、 以下の形態を有していてもよ い。 第 1 フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 1 ドメイ ン及び第 2 ドメインを含む。 第 1 ドメインは、 第 1貫通孔 1 5の貫通方向に 垂直な断面を見たときに、 第 1方向に規則的に配列した複数の第 1貫通孔 1 5を具備する。 第 2 ドメインは、 第 1貫通孔 1 5の貫通方向に垂直な断面を 見たときに、 第 1方向とは異なる第 2方向に規則的に配列した複数の第 1貫 通孔 1 5を具備する。 第 2フオノニック結晶構造は、 フオノニック結晶領域 である第 3 ドメイン及び第 4 ドメインを含む。 第 3 ドメインは、 第 2貫通孔 1 7の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 3方向に規則的に配列した複 数の第 2貫通孔 1 7を具備する。 第 4 ドメインは、 第 2貫通孔 1 7の貫通方 向に垂直な断面を見たときに、 第 3方向とは異なる第 4方向に規則的に配列 した複数の第 2貫通孔 1 7を具備する。 第 3フオノニック結晶構造は、 フオ ノニック結晶領域である第 5 ドメイン及び第 6 ドメインを含む。 第 5 ドメイ ンは、 第 3貫通孔 1 9の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 5方向に規 則的に配列した複数の第 3貫通孔 1 9を具備する。 第 6 ドメインは、 第 3貫 通孔 1 9の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 5方向とは異なる第 6方 向に規則的に配列した複数の第 3貫通孔 1 9を具備する。 第 4フオノニック 結晶構造は、 フオノニック結晶領域である第 7 ドメイン及び第 8 ドメインを 含む。 第 7 ドメインは、 第 4貫通孔 2 1の貫通方向に垂直な断面を見たとき に、 第 7方向に規則的に配列した複数の第 4貫通孔 2 1 を具備する。 第 8 ド メインは、 第 4貫通孔 2 1の貫通方向に垂直な断面を見たときに、 第 7方向 とは異なる第 8方向に規則的に配列した複数の第 4貫通孔 2 1 を具備する。

[0044] これらのように、 配列の方向により区分される複数種のドメイ ンを含むフ オノニック結晶構造を、 以下、 フオノニック結晶構造 Aと記載する。 配列の 方向は、 単位格子の方位により定めることができる。

[0045] 本発明者らの検討によれば、 フオノニック結晶構造によってもたらされる 熱伝導率の低減の程度は、 熱の伝達方向と、 フオノニック結晶構造の単位格 子の方位 (or i entat i on)

とが成す角度に依存する。 これは、 P B Gの帯域広さ、 P B Gの数及びフオ ノンの平均群

速度といった熱伝導に関わる要素が、 当該角度に依存するためと考えられる 。 また、 熱の伝達に関して、 マクロ的には高温から低温の方向にフオノン は 流れる。 一方、 ナノメートルの才ーダーにあるミクロ領域に 着目すると、 フ オノンの流れる方向には指向性がみられない 。 即ち、 ミクロ的にはフオノン の流れる方向は一様ではない。

[0046] 上述の各特許文献及び非特許文献には、 単位格子の方位が一様に揃った複 数のフオノニック結晶領域を有する部材が開 示されている。 しかし、 これら の部材では、 ミクロで見て、 ある特定の方向に流れるフオノンに対しては 相 互作用が最大となるものの、 それ以外の方向に流れるフオノンに対しては 相 互作用が弱まる。 一方、 フオノニック結晶構造 Aは、 単位格子の方位が互い に異なる 2以上のフオノニック結晶領域を有する。 このため、 ミクロで見て 、 複数の方向に流れる各フオノンに対する相互 作用を高めることができる。 この特徴は、 熱流の制御の自由度のさらなる向上をもたら す。

[0047] 以下の説明は、 第 1 フオノニック結晶層 1 6、 第 2フオノニック結晶層 1 〇 2020/174764 20 卩(:171? 2019 /043918

8、 第 3フオノニック結晶層 2 0及び第 4フオノニック結晶層 2 2から選ば れる少なくとも 1つのフオノニック結晶層が有しうるフオノ ック結晶構造 八に関する。 複数のフオノニック結晶層がフオノニック結 晶構造八を有する 場合、 各フオノニック結晶層が有するフオノニック 結晶構造八の具体的な構 成は同一であっても異なっていてもよい。

[0048] フオノニック結晶構造八の一例が図 7に示される。 図 7には、 フオノニッ ク結晶層 5 6の一部を平面視した状態が示されている。 フオノニック結晶層 5 6は、 第 1 フオノニック結晶層 1 6、 第 2フオノニック結晶層 1 8、 第 3 フオノニック結晶層 2 0及び第 4フオノニック結晶層 2 2から選ばれる少な くとも 1つのフオノニック結晶層でありうる。 フオノニック結晶層 5 6は、 例えば、 1 0门 5 0 0 n 以下の厚さを有する薄膜である。 フオノニ ック結晶層 5 6は、 平面視において、 長方形である。 フオノニック結晶層 5 6には、 フオノニック結晶層 5 6の厚さ方向に延びる複数の貫通孔 5〇が設 けられている。 フオノニック結晶層 5 6が有するフオノニック結晶構造八は 、 複数の貫通孔 5 0が面内方向に規則的に配列した二次元フオ ニック結晶 構造である。 なお、 フオノニック結晶構造八に関する以下の説明 において、 フオノニック結晶構造八を有する結晶層が第 2フオノニック結晶層 1 8であ る場合は、 「第 1 ドメイン」 は 「第 3 ドメイン」 に、 「第 2 ドメイン」 は 「 第 4 ドメイン」 に、 それぞれ、 読み替えられる。 フオノニック結晶構造八を 有する結晶層が第 3フオノニック結晶層 2 0である場合は、 「第 1 ドメイン 」 は 「第 5 ドメイン」 に、 「第 2 ドメイン」 は 「第 6 ドメイン」 に、 それぞ れ、 読み替えられる。 フオノニック結晶構造八を有する結晶層が第 4フオノ ニック結晶層 2 2である場合は、 「第 1 ドメイン」 は 「第 7 ドメイン」 に、 「第 2 ドメイン」 は 「第 8 ドメイン」 に、 それぞれ、 読み替えられる。

[0049] フオノニック結晶構造八は、 フオノニック結晶領域である第 1 ドメイン 5

1 八及び第 2 ドメイン 5 1 巳を有する。 第 1 ドメイン 5 1 八は、 平面視にお いて、 第 1方向に規則的に配列した複数の貫通孔 5 0を具備するフオノニッ ク単結晶構造を有する。 第 2 ドメイン 5 1 巳は、 平面視において、 第 1方向 〇 2020/174764 21 卩(:171? 2019 /043918

とは異なる第 2方向に規則的に配列した複数の貫通孔 5 0を具備するフオノ ニック単結晶構造を有する。 各々の単結晶構造内において、 複数の貫通孔 5 〇の径及び配列周期は同一である。 また、 各々の単結晶構造内において、 規 則的に配列した複数の貫通孔 5 0の単位格子 9 1 八, 9 1 巳の方位は同一で ある。 第 1 ドメイン 5 1 八及び第 2 ドメイン 5 1 巳の形状は、 平面視におい て、 長方形である。 第 1 ドメイン 5 1 八の形状と、 第 2 ドメイン 5 1 巳の形 状とは、 平面視において、 同一である。 フオノニック結晶構造八は、 複数の フオノニック単結晶構造の複合体であるフオ ノニック多結晶構造 5 2でもあ る。

[0050] 図 8八及び図 8巳に示すように、 フオノニック結晶構造八では、 第 1 ドメ イン 5 1 八に

おける単位格子 9 1 八の方位 5 3八と、 第 2 ドメイン 5 1 巳における単位格 子 9 1 巳の方位 5 3巳とが、 平面視において、 互いに異なっている。 方位 5 3八と方位 5 3巳とが成す角度は、 平面視において、 例えば 1 0度以上であ る。 ただし、 単位格子 9 1 八及び単位格子 9 1 巳が同一であって、 n回回転 対称性を有する場合、 方位 5 3 と方位 5 3巳とが成す角度の上限は 3 6 0 度未満である。 なお、 単位格子が複数の n に対して n 回回転対称性を有 するとき、 上記角度の上限を定める门には最大の nが使用される。 例えば、 六方格子は、 2回回転対称性、 3回回転対称性及び 6回回転対称性を有する 。 このとき、 角度の上限を定める には 「6」 が使用される。 即ち、 六方格 子である単位格子 9 1 八, 9 1 巳について、 方位 5 3八と方位 5 3巳とが成 す角度は 6 0度未満である。 フオノニック結晶構造八は、 単位格子の方位が 互いに異なる 2以上のフオノニック結晶領域を少なくとも している。 この 条件が満たされる限り、 フオノニック結晶構造八は、 任意のフオノニック結 晶領域及び/又はフオノニック結晶構造を有 ない領域をさらに含んでいて もよい。

[0051 ] 単位格子の方位は、 任意の規則に基づいて決定できる。 ただし、 異なるド メイン間において、 同じ規則を適用して単位格子の方位を定める 必要がある 〇 2020/174764 22 卩(:171? 2019 /043918

。 単位格子の方位は、 例えば、 単位格子を構成する平行でない二辺の成す角 を二等分する直線の伸長方向である。 ただし、 異なるドメイン間において、 同じ規則で二辺を定める必要がある。

[0052] 図 7のフオノニック結晶構造八の領域 1の拡大図が、 図 9に示される。

隣接する第 1 ドメイン 5 1 八と第 2 ドメイン 5 1 巳との界面 5 5において、 単位格子 9 1 八, 9 1 巳の方位 5 3八, 5 3巳が変化している。 単位格子の 方位が変化する界面 5 5は、 フオノニック結晶構造 をマクロに流れる熱に 対する大きな界面抵抗をもたらす。 この界面抵抗は、 第 1 ドメイン 5 1 八と 第 2 ドメイン 5 1 巳との間で生じる、 フオノン群速度のミスマッチに基づく 。 この界面抵抗は、 フオノニック結晶構造八を有するフオノニッ ク結晶層 5 6における熱伝導率の低減に寄与する。 なお、 図 9の界面 5 5は、 平面視に おいて、 直線状に延びている。 また、 界面 5 5は、 平面視において、 長方形 のフオノニック結晶層 5 6の幅方向に延びている。 幅方向は、 マクロな熱の 伝達方向により定められたフオノニック結晶 層 5 6の中心線の伸張方向に垂 直な方向でありうる。 界面 5 5は、 平面視において、 マクロな熱の伝達方向 に略垂直にフオノニック結晶構造八を分割し ている。

[0053] 図 7のフオノニック結晶構造八において、 第 1 ドメイン 5 1 八における複 数の貫通孔 5 0の配列の周期 と、 第 2 ドメイン 5 1 巳における複数の貫通 孔 5 0の配列の周期 とは等しい。

[0054] 図 7のフオノニック結晶構造八において、 第 1 ドメイン 5 1 八において規 則的に配列した複数の貫通孔 5 0の径と、 第 2 ドメイン 5 1 巳において規則 的に配列した複数の貫通孔 5 0の径とが等しい。

[0055] 図 7のフオノニック結晶構造八において、 第 1 ドメイン 5 1 八における単 位格子 9 1 八の種類と、 第 2 ドメイン 5 1 巳における単位格子 9 1 巳の種類 とは、 同一である。 図 7の単位格子 9 1 八及び単位格子 9 1 巳は、 いずれも 六方格子である。

[0056] フオノニック結晶構造八が有するドメインの 数は限定されない。 フオノニ ック結晶構造八が有するドメインの数が多く なるほど、 ドメイン間の界面に 〇 2020/174764 23 卩(:171? 2019 /043918

よる界面抵抗の作用が大きくなる。

[0057] 以下、 フオノニック結晶構造八の更なる例が示され る。

[0058] 図 1 0及び図 1 1のフオノニック結晶構造八である多結晶構 5 2では、 隣接する第 1 ドメイン 5 1 八及び第 2 ドメイン 5 1 巳の界面 5 5が、 平面視 において、 長方形のフオノ

ニック結晶層 5 6の長辺の方向に延びている。 この点以外、 図 1 0及び図 1 1のフオノニック結晶構造八は、 図 7のフオノニック結晶構造八と同様の構 成を有する。 図 1 1は、 図 1 0の領域 2の拡大図である。

[0059] 図 7及び図 1 〇のフオノニック結晶構造八では、 平面視において、 第 1 ド メイン 5 1 八のサイズ及び第 2 ドメイン 5 1 巳のサイズが同一である。 ただ し、 平面視において、 フオノニック構造八が有する第 1 ドメイン 5 1 八及び 第 2 ドメイン 5 1 巳のサイズは互いに異なっていてもよい。

[0060] 図 1 2及び図 1 3のフオノニック結晶構造八である多結晶構 5 2では、 平面視において、 第 1 ドメイン 5 1 巳が第 2 ドメイン 5 1 八により囲まれて いる。 第 1 ドメイン 5 1 八の外形は、 平面視において、 長方形である。 第 2 ドメイン 5 1 巳の形状は、 平面視において、 長方形である。 第 1 ドメイン 5 1 八のサイズと第 2 ドメイン 5 1 巳のサイズとは、 平面視において、 異なっ ている。 第 2 ドメイン 5 1 巳と、 第 2 ドメイン 5 1 巳を囲む第 1 ドメイン 5 1 八との界面 5 5は、 平面視において、 第 2 ドメイン 5 1 巳の外縁を構成し ている。 これらの点以外、 図 1 2及び図 1 3のフオノニック結晶構造八は、 図 7のフオノニック結晶構造八と同様の構成を する。 図 1 3は、 図 1 2の 領域 3の拡大図である。

[0061 ] また、 図 1 2及び図 1 3のフオノニック結晶構造八では、 界面 5 5が屈曲 部を有している。

[0062] さらに、 図 1 2及び図 1 3のフオノニック結晶構造八は、 フオノニック結 晶層 5 6の辺に接していない第 2 ドメイン 5 1 巳を有する。

[0063] 図 1 4のフオノニック結晶構造八である多結晶構 5 2では、 平面視にお いて、 第 1 ドメイン 5 1 八と第 2 ドメイン 5 1 巳とが離間して配置されてい 〇 2020/174764 24 卩(:171? 2019 /043918

る。 より具体的には、 平面視において、 貫通孔 5 0を有さない領域 2 0 1が 、 フオノニック結晶層 5 6の長辺方向における第 1 ドメイン 5 1 八と第 2 ド メイン 5 1 巳との間に設けられている。 この点以外、 図 1 4のフオノニック 結晶構造 は、 図 7のフオノニック結晶構造 と同様の構成を有する。

[0064] 図 1 5のフオノニック結晶構造八である多結晶構 5 2では、 平面視にお いて、 第 1 ドメイン 5 1 八と第 2 ドメイン 5 1 巳とが離間して配置されてい る。 より具体的には、 平面視において、 ランダムに設けられた貫通孔 5 0を 有する領域 2 0 2が、 フオノニック結晶層 5 6の長辺方向における第 1 ドメ イン 5 1 八と第 2 ドメイン 5 1 巳との間に設けられている。 領域 2 0 2では 、 平面視において、 貫通孔 5 0は規則的に配列していない。 又は、 領域 2 0 2では、 平面視において、 規則的に配列した領域の面積が、 例えば、 2 5 2

満である。 ここで、 は、 貫通孔 5 0の配列の周期である。 この点以外、 図 1 5のフオノニック結晶構造八は、 図 7のフオノニック結晶構造八と同様の 構成を有する。

[0065] 図 1 6のフオノニック結晶構造八である多結晶構 5 2は、 平面視におい て、 互いに異なった形状を有する複数のドメイン 5 1 八, 5 1 巳, 5 1 〇,

5 1 0 , 5 1 巳, 5 1 及び 5 1 ◦を含んでいる。 各々のドメイン内におい て、 複数の貫通孔 5 0の配列の周期及び単位格子の方位は同一で る。 しか し、 ドメイン間では、 単位格子の方位が互いに異なっている。 また、 平面視 において、 各ドメインのサイズ及び形状は互いに異なっ ている。 この形態で は、 これまで例示した形態に比べて、 フオノニック結晶構造 の全体で見た ときに、 より多くの単位格子の方位が存在する。 このため、 単位格子の方位 が異なることに基づく熱伝導率の低減効果が より顕著となる。 また、 この形 態では、 ドメイン間の界面 5 5が、 平面視において、 複数のランダムな方向 に延びている。 このため、 界面抵抗に基づく熱伝導率の低減効果がより 顕著 となる。

[0066] また、 図 1 6のフオノニック結晶構造八では、 隣接する第 1 ドメイン 5 1 〇 2020/174764 25 卩(:171? 2019 /043918

八と第 2 ドメイン 5 1 巳との界面 5 5が、 平面視において、 フオノニック結 晶層 5 6の幅方向から傾いた方向に延びている。 界面 5 5は、 平面視におい て、 屈曲部も有している。

[0067] フオノニック結晶構造八である多結晶構造 5 2は、 貫通孔 5 0の配列の周 期 及び/又は貫通孔 5 0の径〇が互いに異なる第 1 ドメイン 5 1 八及び第 2 ドメイン 5 1 巳を含んでいてもよい。 図 1 7八に示される第 1 ドメイン 5 1 八における貫通孔 5 0の径〇と、 図 1 7巳に示される第 2 ドメイン 5 1 巳 における貫通孔 5 0の径〇とは互いに異なっている。 なお、 図 1 7八に示さ れる第 1 ドメイン 5 1 八における貫通孔 5 0の配列の周期 と、 図 1 7巳に 示される第 2 ドメイン 5 1 巳における貫通孔 5 0の配列の周期 とは同一で ある。

[0068] 図 1 8に示されるフオノニック結晶構造八は、 相対的に小さな周期 及び 径口を有する複数の貫通孔 5 0が規則的に配列した第 1 ドメイン 5 1 八と、 相対的に大きな周期 及び径口を有する複数の貫通孔 5 0が規則的に配列し た第 2 ドメイン 5 1 巳とを有する。 また、 図 1 8のフオノニック結晶構造八 は、 相対的に小さな周期 及び径口を有する複数の貫通孔 5 0を具備する領 域 9 2と、 相対的に大きな周期 及び径口を有する複数の貫通孔 5 0を具備 する領域 9 3とを有する。 領域 9 2と領域 9 3とは隣接している。 領域 9 2 及び領域 9 3は、 それぞれ、 図 1 6に示される例と同様に、 平面視において 、 互いに異なった形状を有し、 かつ、 単位格子の方位が各々互いに異なる複 数のドメインを含んでいる。 また、 領域 9 2及び領域 9 3は、 マクロな熱の 伝達方向に略平行にフオノニック結晶構造 を分割している。 この形態では 、 第 1 ドメイン 5 1 八で形成される 巳◦の周波数帯域と第 2 ドメイン 5 1 巳で形成される 巳◦の周波数帯域とが異なるため、 熱伝導率の低減の効果 が特に顕著となる。

[0069] 図 1 9に示されるフオノニック結晶構造八では、 相対的に小さな周期 及 び径口を有する複数の貫通孔 5 0が規則的に配列した第 1 ドメイン 5 1 八と 、 相対的に大きな周期 及び径口を有する複数の貫通孔 5 0が規則的に配列 〇 2020/174764 26 卩(:171? 2019 /043918

した第 2 ドメイン 5 1 巳とを含む。 図 1 9のフオノニック結晶構造八は、 平 面視において、 互いに異なった形状を有し、 かつ、 単位格子の方位が各々互 いに異なる複数のドメインを含んでいる。 この形態では、 第 1 ドメイン 5 1 八で形成される 巳◦の周波数帯域と第 2 ドメイン 5 1 巳で形成される 巳 ◦の周波数帯域とが異なるため、 熱伝導率の低減の効果が特に顕著となる。

[0070] フオノニック結晶層 5 6の形状は、 平面視において、 例えば、 三角形、 正 方形及び長方形を含む多角形、 円、 楕円、 並びにこれらの複合形状である。 ただし、 フオノニック結晶層 5 6の形状は、 上記例に限定されない。

[0071 ] 型熱電変換部 2及び n 型熱電変換部 3の形状は、 平面視において、 例え ば、 三角形、 正方形及び長方形を含む多角形、 円、 楕円、 並びにこれらの複 合形状である。 ただし、 型熱電変換部 2及び n 型熱電変換部 3の形状は、 上記例に限定されない。 型熱電変換部 2及び/又は n 型熱電変換部 3は、 直方体又は立方体の形状を有していてもよい 。

[0072] 型熱電変換部 2は、 2以上の第 1 フオノニック結晶層 1 6及び/又は 2 以上の第 3フオノニック結晶層 2 0を備えていてもよい。 また、 型熱電変 換部 2は、 第 1 フオノニック結晶構造及び第 3フオノニック結晶構造とは具 体的な構成の異なるフオノニック結晶構造を 有するさらなるフオノニック結 晶層を備えていてもよい。

[0073] n型熱電変換部 3は、 2以上の第 2フオノニック結晶層 1 8及び/又は 2 以上の第 4フオノニック結晶層 2 2を備えていてもよい。 また、 型熱電変 換部 3は、 第 2フオノニッ

ク結晶構造及び第 4フオノニック結晶構造とは具体的な構成の なるフオノ ニック結晶構造を有するさらなるフオノニッ ク結晶層を備えていてもよい。

[0074] 第 1電極 4、 第 2電極 5及び第 3電極 6は、 導電性材料により構成される 。 導電性材料は、 典型的には、 金属である。 金属は、 例えば、 クロム (〇 「 ) 、 アルミニウム (八 I) 、 金 である。

[0075] 熱電変換素子 1は、 上述した以外の任意の層及び/又は部材を備 ていて もよい。 部材の一例は、 ベース基板である。 熱電変換素子 1は、 型熱電変 〇 2020/174764 27 卩(:171? 2019 /043918

換部 2、 n型熱電変換部 3、 第 1電極 4、 第 2電極 5及び第 3電極 6から選 ばれる少なくとも 1つの部材が、 ベース基板の上、 又は内部に設けられた形 態を有しうる。

[0076] ベース基板は、 典型的には、 半導体材料から構成される。 半導体材料は、 例えば、 3 丨である。 3 丨から構成されるべース基板の上面には、 酸化膜が 形成されていてもよい。 酸化膜は、 例えば、 3 丨 〇 2 膜である。 ベース基板は 、 3 丨 ウェハであってもよい。 ただし

、 ベース基板の構成は、 上記例に限定されない。

[0077] フオノニック結晶層 5 6の上記とは別の一例が、 図 2 0八及び図 2 0巳に 示される。 図 2 0巳には、 図 2 0八のフオノニック結晶層 5 6の断面 2 0巳 - 2 0巳が示される。 図 2 0八及び図 2 0巳に示されるフオノニック結晶層 5 6は、 複数のピラー 3 1 を更に備える。 ピラー 3 1は、 直線状に延びる柱 状体である。 ピラー 3 1の各々は、 フオノニック結晶層 5 6の貫通孔 5 0に 充填されている。 ピラー 3 1の周面は、 酸化膜 3 2により被覆されている。 この形態では、 空孔である貫通孔 5 0がピラー 3 1 により充填されている。 このため、 例えば、 フオノニック結晶層 5 6における貫通孔 5 0の貫通方向 に対する特性の制御の自由度が向上可能とな る。 より具体的には、 例えば、

2以上のフオノニック結晶層 5 6の積層構造体である熱電変換部において、 フオノニック結晶構造に基づく低い熱伝導率 が保持されたまま、 一方の端部 1 1 , 1 3と他方の端部 1 2 , 1 4との間の電子伝導性の向上が可能となる

[0078] ピラー 3 1が充填されたフオノニック結晶層 5 6と、 ピラー 3 1 とが同一 の材料により構成される場合、 ピラー 3 1の周面は酸化膜 3 2により被覆さ れている。 ピラー 3 1が充填されたフオノニック結晶層 5 6と、 ピラー 3 1 とが異なる材料により構成される場合、 酸化膜 3 2は必ずしも必要ではない

[0079] ピラー 3 1 をさらに備えるフオノニック結晶層 5 6は、 例えば、 第 1 フオ ノニック結晶層 1 6及び/又は第 2フオノニック結晶層 1 8である。 ピラー 〇 2020/174764 28 卩(:171? 2019 /043918

3 1は、 第 1貫通孔 1 5及び第 2貫通孔 1 7の双方に充填されていてもよい 。 ピラー 3 1 をさらに備えるフオノニック結晶層 5 6は、 第 1 フオノニック 結晶層 1 6、 第 2フオノニック結晶層 1 8、 第 3フオノニック結晶層 2 0及 び第 4フオノニック結晶層 2 2から選ばれる少なくとも 1つのフオノニック 結晶層であってもよい。 ピラー 3 1は、 第 1貫通孔 1 5、 第 2貫通孔 1 7、 第 3貫通孔 1 9及び第 4貫通孔 2 1 に充填されていてもよい。

[0080] ピラー 3 1は、 典型的には、 半導体材料により構成される。 ピラー 3 1 を 構成する材料は、 例えば、 3 I , 3 1 0 6 , 3 I 0 , 丁 1 1\1、 3 1 1\1、 〇 2 である。 ただし、 ピラー

3 1 を構成する材料は、 上記例に限定されない。

[0081 ] 酸化膜 3 2は、 例えば、 3 丨 〇 2 膜である。 ただし、 酸化膜 3 2は、 上記例 に限定され

ない。

[0082] ピラー 3 1が充填された第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニ ック結晶層 1

8) 及びピラー 3 1が充填された第 3フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フ オノニック結晶層 2 2) を備える 型熱電変換部 2 (又は n型熱電変換部 3 ) の一例が図 2 1 に示される。 図 2 1の 型熱電変換部 2 (又は n型熱電変 換部 3) は、 図 2 0八及び図 2 0巳に示されるフオノニック結晶層 5 6を、 第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニック結晶層 1 8) 及び第 3 フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結晶層 2 2) として備える 。 図 2 1の 型熱電変換部 2 (又は n型熱電変換部 3) は、 2層のフオノニ ック結晶層 5 6を備える 2層構造体である。 第 1 フオノニック結晶層 1 6 ( 又は第 2フオノニック結晶層 1 8) と第 3フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結晶層 2 2) との間には、 バッファ層 2 3が配置されている 。 第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニック結晶層 1 8) におけ るピラー 3 1 (酸化膜 3 2を除く) を構成する材料と、 バッファ層 2 3を構 成する材料とは同一である。 また、 バッファ層 2 3を構成する材料と、 第 3 〇 2020/174764 29 卩(:171? 2019 /043918

フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結晶層 2 2) を構成する材 料 (ピラー 3 1及び酸化膜 3 2を除く) とは同一である。

[0083] フオノニック結晶層 5 6の上記とは別の一例が、 図 2 2八及び図 2 2巳に 示される。 図 2 2巳には、 図 2 2八のフオノニック結晶層 5 6の断面 2 2巳 - 2 2巳が示される。 図 2 2八及び図 2 2巳に示されるフオノニック結晶層 5 6は、 複数のピラー 3 1 を更に備える。 ピラー 3 1の各々は、 フオノニッ ク結晶層 5 6の貫通孔 5 0に充填されている。 ピラー 3 1 を構成する材料は 、 フオノニック結晶層 5 6を構成する材料とは異なっている。

[0084] ピラー 3 1が充填された第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニ ック結晶層 1 8) 及びピラー 3 1が充填された第 3フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結晶層 2 2) を備える 型熱電変換部 2 (又は n 型 熱電変換部 3) の一例が図 2 3に示される。 図 2 3の 型熱電変換部 2 (又 は门型熱電変換部 3) は、 第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニ ック結晶層 1 8) 、 第 3フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結 晶層 2 2) 及び第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニック結晶層 1 8) がこの順に配置された、 3つのフオノニック結晶層 5 6を有する 3層 構造体である。 最下層である第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノ ニック結晶層 1 8) と第 3フオノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック 結晶層 2 2) との間には、 第 1バッファ層 2 3八が配置されている。 第 3フ オノニック結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結晶層 2 2) と最上層である 第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニック結晶層 1 8) との間に は、 第 2バッファ層 2 3巳が配置されている。 第 1 フオノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニック結晶層 1 8) におけるピラー 3 1 を構成する材料と 、 第 2バッファ層 2 3巳を構成する材料とは同一である。 第 3フオノニック 結晶層 2 0 (又は第 4フオノニック結晶層 2 2) におけるピラー 3 1 を構成 する材料と、 第 1バッファ層 2 3八を構成する材料とは同一である。 第 1 フ オノニック結晶層 1 6 (又は第 2フオノニック結晶層 1 8) を構成する材料 (ピラー 3 1 を除く) と、 第 1バッファ層 2 3八を構成する材料とは同一で 〇 2020/174764 30 卩(:171? 2019 /043918

ある。 第 3フォノニック結晶層 2 0 (又は第 4フォノニック結晶層 2 2) を 構成する材料 (ピラー 3 1 を除く) と、 第 2バッファ層 2 3巳を構成する材 料とは同一である。 図 2 3の 型熱電変換部 2 (又は n型熱電変換部 3) は 、 2種類の材料により構成される。 当該 2種類の材料は、 いずれも、 半導体 材料でありうる。

[0085] 本開示の熱電変換素子は、 化学気相成長 (<3 0) 、 スパッタリング及び 蒸着等の各種の薄膜形成手法;並びに、 電子線リソグラフイー、 フォトリソ グラフイー、 ブロック共重合体リソグラフイー、 選択的エッチング及びケモ メカニカルポリッシング (〇1\/1 ) 等の各種の微細加工手法及びパターン形 成手法;の組み合わせによる製造が可能であ る。 ブロック共重合体リソグラ フイーは、 フォノニック結晶構造の形成に適している。

[0086] 本開示の熱電変換素子を製造する方法の一例 が、 図 2 4八〜図 2 4 0の参 照により、 以下に説明される。 本開示の熱電変換素子を製造する方法は、 以 下の例に限定されない。

[0087] 図 2 4八 :ベース基板 4 1が準備される。 ベース基板 4 1 の上面には、 酸 化膜 4 2が設けられている。 酸化膜 4 2は、 例えば、 3 丨 〇 2 膜である。

[0088] 図 2 4巳 :酸化膜 4 2の上に、 金属層 4 3が形成される。 金属層 4 3は、 後に、 第 1電極 4となる。 金属層 4 3は、 例えば、 〇 「層である。 金属層 4 3は、 例えば、 スパッタリングにより形成される。 金属層 4 3の厚さは、 例 である。

[0089] 図 2 4〇 :金属層 4 3の上に、 半導体層 4 4が形成される。 半導体層 4 4 は、 例えば、 多結晶 3 丨層である。 半導体層 4 4は、 例えば、 〇 〇により 形成される。 半導体層 4 4の厚さは、 例えば 2 0 0 n である。

[0090] 図 2 4 0 :半導体層 4 4の上に、 ハードマスク 4 5が形成される。 ハード マスク 4 5は、 例えば、 3 丨 〇 2 層である。 ハードマスク 4 5は、 例えば、 〇 ▽ 0により形成される。

ハードマスク 4 5の厚さは、 例えば、 3 0 n mである。 ハードマスク 4 5は 、 半導体層 4 4に対するフォノニック結晶構造の形成に使 される。 〇 2020/174764 31 卩(:171? 2019 /043918

[0091 ] 図 2 4巳 :ハードマスク 4 5の上に、 ブロック共重合体の自己組織化膜 4

6が形成される。 自己組織化膜 4 6は、 フォノニック結晶構造を形成するた めのブロック共重合体リソグラフイーに使用 される。

[0092] 図 2 4 : ブロック共重合体リソグラフイーにより、 規則的に配列した複 数の貫通孔 4 7がハードマスク 4 5に形成される。

[0093] 図 2 4◦ :ハードマスク 4 5をレジストとする選択的エッチングによっ 、 半導体層 4 4に対して、 平面視したときに複数の貫通孔 4 7に対応する位 置に、 規則的に配列した複数の貫通孔 5 0が形成される。 形成された複数の 貫通孔 5 0は、 フォノニック結晶構造を構成する。 半導体層 4 4は、 フォノ ニック結晶層 5 6となる。

[0094] 図 2 4 1 ~ 1 :ハードマスク 4 5及び自己組織化膜 4 6が除去される。

[0095] 図 2 4 丨 : フォノニック結晶層 5 6における貫通孔 5 0の内周面に酸化膜

3 2が形成される。 酸化膜 3 2は、 例えば、 3 丨 〇 2 膜である。 酸化膜 3 2は 、 例えば、 熱酸化により

形成される。 酸化膜 3 2の厚さは、 例えば、 1 n mである。

[0096] 図 2 4」 : フォノニック結晶層 5 6における貫通孔 5 0の内部に半導体が 充填されて、 酸化膜 3 2を周面に有するピラー 3 1が形成される。 ピラー 3 1は、 例えば、 多結晶 3 丨 により構成される。 ピラー 3 1は、 例えば、 0 V 口により形成される。 また、 このとき、 ピラー 3 1 を構成する半導体材料に より構成される層 4 8がフォノニック結晶層 5 6の上に形成される。

[0097] 層 4 8が除去される。 このようにして

、 ピラー 3 1 をさらに備えるフォノニック結晶層 5 6が形成される。

[0098] 図 2 4 : フォトリソグラフイー等の手法を用い、 フォノニック結晶層 5

6の一部の領域に不純物イオンが注入及びド プされて、 型熱電変換部 2 を形成する。 不純物イオンは、 例えば、 ホウ素イオンである。

[0099] 図 2 4 IV! : フォトリソグラフイー等の手法を用い、 フォノニック結晶層 5

6における 型熱電変換部 2とは異なる領域に不純物イオンが注入及び ー プされて、 1·!型熱電変換部 〇 2020/174764 32 卩(:171? 2019 /043918

3を形成する。 不純物イオンは、 例えば、 リンイオンである。 型熱電変換 部 2と n 型熱電変換部 3とは、 互いに離間している。

[0100] 図 2 4 :全体が熱処理 (アニール) されて、 ドープした不純物イオンを 活性化する。

[0101 ] 図 2 4〇 : 型熱電変換部 2の上に第 2電極 5が形成される。 n型熱電変 換部 3の上に第 3電極 6が形成される。 第 2電極 5及び第 3電極 6は、 例え ば、 八 I により構成される。 これにより、 熱電変換素子 1が形成される。 フ ォノニック結晶層 5 6における 型熱電変換部 2と n 型熱電変換部 3との間 の領域は、 絶縁部 4 9として残される。 絶縁部 4 9は、 規則的に配列した複 数の貫通孔 (第 5貫通孔) 5 0を具備するフォノニック結晶構造 (第 5フォ ノニック結晶構造) を有する。 この形態によれば、 型熱電変換部 2と n 型 熱電変換部 3との間における素子 1の面内方向の熱伝導率が低減可能となる 。 また、 この低減により、 熱電変換素子 1の熱電変換効率のさらなる向上が 可能となる。

[0102] (第 2実施形態)

第 2実施形態の熱電変換素子の一例が図 2 5に示される。 第 1実施形態の 熱電変換素子 1は、 一対の熱電変換部として 1つの素子内に 型熱電変換部 2及び n 型熱電変換部 3を備えた、 当業者に 型と称される素子である。 本 開示の熱電変換素子は、 型に限定されない。 第 2実施形態の熱電変換素子 は、 型とは異なる素子である。

[0103] 図 2 5の熱電変換素子 6 1は、 互いに隣接する 2つの熱電変換部 6 2 , 6

3を備える。 熱電変換部 6 2 , 6 3の導電型は、 同一である。 言い換えると 、 熱電変換素子 6 1は、 互いに隣接する 2つの 型熱電変換部又は n 型熱電 変換部を備える。 また、 熱電変換素子 6 1は、 第 4電極 6 4、 第 5電極 6 5 及び第 6電極 6 6を備える。 一方の熱電変換部 6 2の一方の端部 1 1 と、 他 方の熱電変換部 6 3の一方の端部 1 3とは、 第 4電極 6 4を介して電気的に 接続されている。 第 4電極 6 4は、 熱電変換部 6 2の下面と熱電変換部 6 3 の上面とを電気的に接続する。 このために、 第 4電極 3 4は、 各々の熱電変 〇 2020/174764 33 卩(:171? 2019 /043918

換部 6 2 , 6 3において一方の端部 1 1 , 1 3と他方の端部 1 2 , 1 4とを 結ぶ方向に延びるビア配線 6 7を有する。 第 5電極 6 5と第 6電極 6 6との 間に電流を流したときに、 隣接する熱電変換部 6 2 , 6 3における電流の流 れる方向は同一 (図 2 5中の矢印を参照) である。 熱電変換素子 3 1は、 当 業者にユニレッグ型として知られた素子であ る。 ユニレッグ型の素子では、 例えば、 型の素子において生じうる 型熱電変換部と门型熱電変換部との 間の熱膨張係数の相違による問題が回避可能 となる。 熱電変換部 6 2 , 6 3 は、 同一の熱電変換材料から構成されてもよい。

[0104] 熱電変換部 6 2は、 型熱電変換部 2又は n 型熱電変換部 3が備えうる、 上述の任意のフオノニック結晶層を備えうる 。 また、 熱電変換部 6 3は、 型熱電変換部 2又は n 型熱電変換部 3が備えうる、 上述の任意のフオノニッ ク結晶層を備えうる。 熱電変換部 6 2が備えるフオノニック結晶層と熱電変 換部 6 3が備えるフオノニック結晶層とは、 同一であっても異なっていても よい。 また、 熱電変換素子 6 1は、 熱電変換部 6 2 , 6 3がフオノニック結 晶層を備える限り、 ユニレッグ型として知られた任意の構成をと ることがで きる。

[0105] 熱電変換部 6 2 , 6 3を構成する材料は、 型熱電変換部 2又は n 型熱電 変換部 3を構成する材料と同じであってもよい。 第 4電極 6 4、 第 5電極 6 5及び第 6電極 6 6を構成する材料は、 第 1電極 4、 第 2電極 5及び第 3電 極 6を構成する材料と同じであってもよい。

[0106] [熱電変換装置]

本開示の熱電変換装置は、 基板;前記基板上に設けられた第 1絶縁層;前 記第 1絶縁層

上に設けられた熱電変換モジュール;前記熱 電変換モジュール上に設けられ た第 2絶縁層;第 1配線;及び第 2配線、 を具備する。 前記熱電変換モジュ —ルは、 2以上の熱電変換素子により構成される熱電 換素子群、 及び前記 熱電変換素子群と接続された一対の接続電極 を備える。 前記 2以上の熱電変 換素子は、 前記一対の接続電極の間において、 電気的に直列に互いに接続さ 〇 2020/174764 34 卩(:171? 2019 /043918

れている。 前記第 1配線は、 一方の前記接続電極に電気的に接続されてい る 。 前記第 2配線は、 他方の前記接続電極に電気的に接続されてい る。 前記熱 電変換素子は、 上記説明した本開^^の熱電変換素子である。

[0107] 熱電変換モジュールにおいて、 2以上の熱電変換素子は、 典型的には、 ア レイ状に配列されている。 アレイは、 1次元のアレイであっても、 2次元の アレイであっても、 3次元のアレイであってもよい。

[0108] 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールの一例が図 2 6八に 示される。 図 2 6八の熱電変換モジュール 1 0 1 (1 0 1 八) は、 2以上の 熱電変換素子 1 により構成される熱電変換素子群を備える。 また、 熱電変換 モジュール 1 0 1 八は、 熱電変換素子群に接続された一対の接続電極 1 0 2 八, 1 0 2巳を備える。 接続電極 1 0 2八は、 熱電変換モジュール 1 0 1 八 の一方の端部に位置する熱電変換素子 1の第 2電極 5に接続されている。 接 続電極 1 0 2巳は、 熱電変換モジュール 1 0 1 八の他方の端部に位置する熱 電変換素子 1の第 3電極 6に接続されている。 2以上の熱電変換素子 1は、 一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳の間において、 電気的に直列に互いに接 続されている。 熱電変換モジュール 1 0 1 八において、 2以上の熱電変換素 子 1は、 1次元のアレイ状に配列されている。

[0109] 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールの別の一例が図 2 6 巳に示される。 図 2 6巳の熱電変換モジュール 1 0 1 (1 0 1 巳) は、 2以 上の熱電変換素子 6 1 により構成される熱電変換素子群を備える。 また、 熱 電変換モジュール 1 〇 1 巳は、 熱電変換素子群に接続された一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳を備える。 接続電極 1 0 2八は、 熱電変換モジュール 1 0 1 巳の一方の端部に位置する熱電変換素子 6 1の第 5電極 6 5に接続され ている。 接続電極 1 0 2巳は、 熱電変換モジュール 1 0 1 の他方の端部に 位置する熱電変換素子 6 1の第 6電極 6 6に接続されている。 2以上の熱電 変換素子 6 1は、 一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳の間において、 電気的 に直列に互いに接続されている。 熱電変換モジュール 1 〇 1 巳において、 2 以上の熱電変換素子 6 1は、 1次元のアレイ状に配列されている。 〇 2020/174764 35 卩(:171? 2019 /043918

[01 10] 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールの別の一例が図 2 7 に示される。 図 2 7の熱電変換モジュール 1 0 3は、 2以上の熱電変換素子 1 により構成される熱電変換素子群を備える。 また、 熱電変換モジュール 1 〇 3は、 熱電変換素子群に接続された一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳を 備える。 2以上の熱電変換素子 1は、 一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳の 間において、 電気的に直列に互いに接続されている。 熱電変換モジュール 1 0 3において、 2以上の熱電変換素子 1は、 2次元のアレイ状に配列されて いる。 また、 熱電変換モジュール 1 0 3は、 2以上の熱電変換モジュール 1 0 1 を備えると見ることもできる。 この見方によれば、 熱電変換モジュール 1 0 3では、 4つの熱電変換モジュール 1 0 1が平面上に配列されている。 図 2 7の例では、 熱電変換モジュール 1 0 1は、 2以上の熱電変換素子 1 を 備える図 2 6八の熱電変換モジュール 1 0 1 八である。 少なくとも 1つの熱 電変換モジュール 1 〇 1は、 2以上の熱電変換素子 6 1 を備える図 2 6巳の 熱電変換モジュール 1 〇 1 巳であってもよい。

[01 1 1 ] 本開示の熱電変換装置が備えうる熱電変換モ ジュールの別の一例が図 2 8 に示される。 図 2 8に示される熱電変換モジュール 1 0 4は、 2以上の熱電 変換素子 1 により構成される熱電変換素子群を備える。 また、 熱電変換モジ ュール 1 0 4は、 熱電変換素子群に接続

された一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳を備える。 2以上の熱電変換素子 1は、 一対の接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳の間において、 バス電極 1 0 5を 用いて、 電気的に直列に互いに接続されている。 熱電変換モジュール 1 0 4 において、 2以上の熱電変換素子 1は、 3次元のアレイ状に配置されている 。 また、 熱電変換モジュール 1 0 4は、 2以上の熱電変換モジュール 1 0 1 を備えると見ることもできる。 この見方によれば、 熱電変換モジュール 1 〇 4では、 4つの熱電変換モジュール 1 0 1が 4層にわたって熱電変換モジュ —ル 1 0 4の厚さ方向に配列されている。 図 2 8の例では、 熱電変換モジュ —ル 1 0 1は、 2以上の熱電変換素子 1 を備える図 2 6八の熱電変換モジュ —ル 1 0 1 八である。 少なくとも 1つの熱電変換モジュール 1 0 1は、 2以 〇 2020/174764 36 卩(:171? 2019 /043918

上の熱電変換素子 6 1 を備える図 2 6巳の熱電変換モジュール 1 0 1 巳であ ってもよい。

[01 12] 本開示の熱電変換装置の一例が図 2 9に示される。 図 2 9に示される熱電 変換装置 1 1 2は、 第 1絶縁層 1 0 6、 第 1絶縁層 1 0 6上に設けられた熱 電変換モジュール 1 〇 4及び熱電変換モジュール 1 0 4上に設けられた第 2 絶縁層 1 0 7を備える。 熱電変換モジュール 1 0 4は、 3つの熱電変換モジ ュール 1 0 1が 3層にわたって熱電変換モジュール 1 0 4の厚さ方向に配列 されている以外は、 図 2 8に示される熱電変換モジュール 1 0 4と同じであ る。 ただし、 図 2 9の熱電変換モジュール 1 0 4では、 各々の熱電変換モジ ュール 1 0 1の間には絶縁層 1 0 8が配置されている。 また、 熱電変換モジ ュール 1 0 1 , 1 0 4が備える熱電変換素子 1 を構成する熱電変換部である 型熱電変換部 2と n 型熱電変換部 3との間、 及び 2以上の熱電変換素子 1 の各々の間には、 絶縁部 1 0 9が設けられている。 絶縁部 1 0 9は、 型熱 電変換部 2と 型熱電変換部 3との間、 及び 2以上の熱電変換素子 1の各々 の間のいずれか一方に設けられていてもよい 。 熱電変換装置 1 1 2は、 第 1 配線 1 1 〇及び第 2配線 1 1 1 をさらに備える。 第 1配線 1 1 0は、 熱電変 換モジュール 1 0 4の一方の接続電極 1 0 2八に電気的に接続されている。 第 2配線 1 1 1は、 熱電変換モジュール 1 0 4の他方の接続電極 1 0 2巳に 電気的に接続されている。 熱電変換装置 1 1 2は、 例えば、 基板 (ベース基 板) の上、 又は内部に設けられている。 熱電変換装置 1 1 2は、 第 1配線 1 1 〇及び第 2配線 1 1 1 を入力配線又は出力配線として、 ペルティエ式冷却 装置及び/又は熱電発電装置として機能しう 。 図 2 9の例では、 熱電変換 モジュール 1 0 1は、 2以上の熱電変換素子 1 を備える図 2 6八の熱電変換 モジュール 1 0 1 八である。 少なくとも 1つの熱電変換モジュール 1 0 1は 、 2以上の熱電変換素子 6 1 を備える図 2 6巳の熱電変換モジュール 1 0 1 巳であってもよい。 この場合、 熱電変換モジュール 1 0 1 巳における絶縁部 1 0 9は、 熱電変換素子 6 1 を構成する熱電変換部 6 2 , 6 3の間、 及び/ 又は、 2以上の熱電変換素子 6 1の各々の間に位置しうる。 〇 2020/174764 37 卩(:171? 2019 /043918

[01 13] 本開示の熱電変換装置の別の一例が図 3 0に示される。 図 3 0に示される 熱電変換装置 1 2 1は、 図 2 9に示される熱電変換装置 1 1 2が基板 1 2 2 の内部に配置された構成を有する。

[01 14] 本開示の熱電変換装置の別の一例が図 3 1 に示される。 図 3 1 に示される 熱電変換装置 1 2 4は、 第 1絶縁層 1 0 6、 第 1絶縁層 1 0 6上に設けられ た熱電変換モジュール 1 2 3及び熱電変換モジュール 1 2 3上に設けられた 第 2絶縁層 1 0 7を備える。 熱電変換モジュール 1 2 3は、 熱電変換素子 1 における 型熱電変換部 2及び 型熱電変換部 3の各々について、 3層のフ ォノニック結晶層 5 6の積層構造体であることが明確に示されて る以外は 、 図 2 6八に示される熱電変換モジュール 1 0 1 ( 1 0 1 八) と同じである 。 ただし、 図 3 1 に示される熱電変換モジュール 1 2 3では、 熱電変換素子 1 における 型熱電変換部 2と 型熱電変換部 3との間、 及び 2以上の熱電 変換素子 1の各々の間には、 絶縁部 1 0 9が設けられている。 熱電変換装置 1 2 4は、 第 1配線 1 1 0及び第 2配線 1 1 1 をさらに備える。 第 1配線 1 1 0は、 熱電変換モジュール 1 2 3の一方の接続電極 1 0 2八に電気的に接 続されている。 第 2配線 1 1 1は、 熱電変換モジュール 1 2 3の他方の接続 電極 1 0 2巳に電気的に接続されている。 熱電変換装置 1 2 4は、 基板 1 2 2の内部

に設けられている。 熱電変換モジュール 1 2 3は、 図 2 6巳の熱電変換モジ ュール 1 0 1 ( 1 0 1 巳) であって、 熱電変換部 6 2 , 6 3が 3層のフォノ ニック結晶層 5 6の積層構造体であるモジュールと同じであ てもよい。

[01 15] 本開示の熱電変換装置の別の一例が図 3 2に示される。 図 3 2に示される 熱電変換装置 1 2 5は、 2つの熱電変換装置 1 2 1 八, 1 2 1 巳が電気的に 直列に接続された構成を有する。 各々の熱電変換装置 1 2 1 , 1 2 1 巳は 、 図 3 0に示される熱電変換装置 1 2 1である。 熱電変換装置 1 2 1 八は、 第 1配線 1 1 〇 及び第 2配線 1 1 1 を備える。 熱電変換装置 1 2 1 巳は 、 第 1配線 1 1 〇巳及び第 2配線 1 1 1 巳を備える。 熱電変換装置 1 2 1 八 と熱電変換装置 1 2 1 巳とは、 第 1配線 1 1 0八及び第 2配線 1 1 1 巳を介 〇 2020/174764 38 卩(:171? 2019 /043918

して電気的に直列に接続されている。 第 1配線 1 1 〇巳が、 熱電変換装置 1 2 5の第 1配線 1 1 0として機能する。 第 2配線 1 1 1 が、 熱電変換装置 1 2 5の第 2配線 1 1 1 として機能する。

[01 16] 本開示の熱電変換装置は、 その 2以上を自由に組み合わせることができる 。 2以上の本開示の熱電変換装置の組み合わせ より、 カスケード化を図る ことも可能である。 カスケード化の形態は限定されない。

[01 17] 第 1絶縁層 1 0 6、 第 2絶縁層 1 0 7、 絶縁層 1 0 8及び絶縁部 1 0 9を 構成する材料は、 例えば、 3 丨 〇 2 等の酸化物である。 ただし、 第 1絶縁層 1 0 6、 第 2絶縁層 1 0 7

、 絶縁層 1 〇 8及び絶縁部 1 0 9を構成する材料は、 上記例に限定されない

[01 18] 接続電極 1 0 2八, 1 0 2巳、 第 1配線 1 1 0及び第 2配線 1 1 1 を構成 する材料は、 例えば、 〇 八 丨、 八リ、 八 9、 〇リ等の金属である。 ただ し、 接続電極 1 〇 2八, 1 0 2巳、 第 1配線 1 1 0及び第 2配線 1 1 1 を構 成する材料は、 上記例に限定されない。

[01 19] 本開示の熱電変換装置において、 絶縁部 1 0 9は、 規則的に配列した複数 の第 5貫通孔を具備する第 5フオノニック結晶構造を有していてもよい 言 い換えると、 本開示の熱電変換装置では、 熱電変換モジュールが、 熱電変換 素子を構成する熱電変換部の間、 及び/又は、 2以上の熱電変換素子の各々 の間に、 絶縁部 1 〇 9をさらに備え、 絶縁部 1 0 9が、 規則的に配列した複 数の第 5貫通孔を具備する第 5フオノニック結晶構造を有していてもよい この形態によれば、 熱電変換素子の面内方向の熱伝導率が更に低 減可能とな る。 また、 この低減により、 熱電変換装置の熱電変換効率のさらなる向上 が 可能となる。

[0120] 本開示の熱電変換装置において、 基板 1 2 2、 第 1絶縁層 1 0 6、 第 2絶 縁層 1 〇 7、 絶縁層 1 0 8、 第 1配線 1 1 0及び第 2配線 1 1 1から選ばれ る少なくとも 1つの部材が、 規則的に配列した複数の第 6貫通孔を具備する 第 6フオノニック結晶構造を有していてもよい この形態によれば、 熱電変 〇 2020/174764 39 卩(:171? 2019 /043918

換装置における面内方向の熱伝導率が低減 可能となる。 また、 この低減によ り、 熱電変換装置の熱電変換効率のさらなる向上 が可能となる。 さらに、 基 板 1 2 2の内部に熱電変換装置が設けられている場 等には、 基板 1 2 2の 面内方向への熱電変換装置からの熱の拡散を 抑制できる。 熱の拡散の抑制は 、 例えば、 基板 1 2 2上への電子デバイスの構築の自由度を向上 せうる。

[0121 ] 第 5フオノニック結晶構造及び第 6フオノニック結晶構造は、 第 1 フオノ ニック結晶構造の説明において上述した具体 的なフオノニック結晶構造の構 成と同じ構成をとりうる。

産業上の利用可能性

[0122] 本開示の熱電変換素子は、 例えば、 ペルティエ素子又はゼーベック素子と して種々の用途に使用可能である。

符号の説明

[0123] 1 熱電変換素子 ( 型)

2 型熱電変換部

3 型熱電変換部

4 第 1電極

5 第 2電極

6 第 3電極

1 1 端部

1 2 端部

1 3 端部

1 4 端部

1 5 第 1貫通孔

1 6 第 1 フオノニック結晶層

1 7 第 2貫通孔

1 8 第 2フオノニック結晶層

1 9 第 3貫通孔

2 0 第 3フオノニック結晶層 〇 2020/174764 40 卩(:171? 2019 /043918

2 1 第 4貫通孔

22 第 4フオノニック結晶層

23 バッファ層

23八 第 1バッファ層

23巳 第 2バッファ層

3 1 ピラー

32 酸化膜

4 1 ベース基板

42 酸化膜

43 金属層

44 半導体層

45 ハードマスク

46 自己組織化膜

47 貫通孔

48 層

49 絶縁部

50 貫通孔

5 1 八 第 1 ドメイン

5 1 巳 第 2 ドメイン

52 フオノニック多結晶構造

53八, 53巳 方位

55 界面

56 フオノニック結晶層

6 1 熱電変換素子 (ュニレッグ型)

62, 63 熱電変換部

64 第 4電極

65 第 5電極

66 第 6電極 \¥02020/174764 41 卩(:171?2019/043918

67 ビア配線

9 1 , 9 1 八, 9 1 巳 単位格子

92 領域

93 領域

1 01 , 1 01 八, 1 01 6 熱電変換モジュール

1 02 , 1 02巳 接続電極

1 03 熱電変換モジュール

1 04 熱電変換モジュール

1 05 バス電極

1 06 第 1絶縁層

1 07 第 2絶縁層

1 08 絶縁層

1 09 絶縁部

1 1 0, 1 1 0八, 1 1 06 第 1配線

1 1 1 , 1 1 1 八, 1 1 1 6 第 2配線

1 1 2 熱電変換装置

1 2 1 , 1 2 1 巳 熱電変換装置

1 22 基板

1 23 熱電変換モジュール

1 24 熱電変換装置

1 25 熱電変換装置

201 領域

202 領域