Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
THREADER OF SEWING MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090663
Kind Code:
A1
Abstract:
A threader of a sewing machine in which the entirety of a head portion can be made compact and an operator can perform threading work surely with one hand. The threader comprises a threading shaft approaching a needle bar for moving a supporting sewing needle up and down, a threading hook for allowing a hook part to move into or away from a needle hole, a positioning member for regulating the descent limit position of the threading shaft to a position where the height of the hook part coincides with the height of the needle hole, a first rotary mechanism for rotating the hook part through a predetermined angle in the vicinity of the descent limit point of the threading shaft so that the hook part is inserted into the needle hole of the sewing needle, and a yarn guide member for guiding the upper yarn to the hook part in the vicinity of the descent limit point of the threading shaft. A second rotary mechanism for rotating the yarn hooking part of the yarn guide member through a predetermined angle in the vicinity of the descent limit point of the threading shaft so that the yarn hooking part of the yarn guide member passes the position of the needle hole of the sewing needle is also provided wherein the first rotary mechanism and the second rotary mechanism rotate threading hook and the yarn guide member in the opposite directions.

Inventors:
SUZUKI YOSHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071990
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
November 13, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
JAGUAR INT CORP (JP)
SUZUKI YOSHIKAZU (JP)
International Classes:
D05B87/02
Foreign References:
JP3730300B22005-12-21
JP2002200386A2002-07-16
JP2917438B21999-07-12
JP2005160592A2005-06-23
JP2005160592A2005-06-23
JP2002200386A2002-07-16
Other References:
See also references of EP 2116646A4
Attorney, Agent or Firm:
FUKUNAGA, Masaya (5F Daido-Seimei Esaka No. 2 Building23-5, Esaka-cho 1-chom, Suita-shi Osaka 63, JP)
Download PDF:
Claims:
 支持している縫針を上下に移動させる針棒に近接し、上下に移動することが可能であり、しかも軸を中心として回転することが可能に支持されている糸通し軸と、
 前記糸通し軸の下端部に固着され、縫針の針穴に挿通することが可能な鉤部と、該鉤部を針穴に誘導する第1のガイド部とを有する糸通しフックと、
 前記糸通し軸の下降限界位置を、前記鉤部と縫針の針穴との高さが一致する位置に規制する位置決め部材と、
 前記糸通し軸の下降限界点近傍で前記鉤部が縫針の針穴に挿通するよう前記第1のガイド部を所定角度回動させる第1の回動機構と、
 前記糸通し軸の下降限界点近傍で前記鉤部まで上糸を誘導する糸誘導部材と
 を備えるミシンの糸通し装置において、
 前記糸誘導部材は、糸を引っ掛ける糸引っかかり部と、該糸引っかかり部を縫針方向へ誘導する第2のガイド部とを有し、
 前記糸通し軸の下降限界点近傍で前記糸引っかかり部が縫針の針穴の位置を通過するよう前記第2のガイド部を所定角度回動させる第2の回動機構を備え、
 前記第1の回動機構及び前記第2の回動機構は、前記糸通しフック及び前記糸誘導部材を互いに反対方向に回転させるようにしてあることを特徴とするミシンの糸通し装置。
 前記糸通し軸に外嵌又は内嵌されてミシン本体に固着されており、周面に第1のカム穴及び第2のカム穴を有する糸通し案内部材を有し、
 前記第1の回動機構は、前記第1のカム穴、及び前記糸通し軸に設けてある、前記第1のカム穴に嵌合する第1のカム軸を備え、
 前記第2の回動機構は、前記第2のカム穴、及び前記糸誘導部材に設けてある、前記第2のカム穴に嵌合する第2のカム軸を備え、
 前記第1のカム穴の傾斜方向と、前記第2のカム穴の傾斜方向とが反対方向となるようにしてあることを特徴とする請求項1記載のミシンの糸通し装置。
 前記第1のカム穴の最上部近傍での上下方向の幅は、前記第1のカム軸の軸径よりも大きくなるようにしてあり、
 前記糸通しフックと前記糸誘導部材との間に、前記糸通しフックと前記糸誘導部材とを離隔させるよう付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項1又は2記載のミシンの糸通し装置。
 前記糸通し軸を操作する、上下に移動することが可能な操作体を備えることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のミシンの糸通し装置。
Description:
ミシンの糸通し装置

 本発明は、針棒に近接した1本の糸通し軸 を下降及び回動させることにより、糸通し軸 の下端部に付設した鉤部により針穴への糸通 しを行うミシンの糸通し装置に関する。

 従来、ミシンを用いて加工布に縫目を形 する縫製作業に当たり、縫針の針穴に簡単 糸通しすることが可能な糸通し装置を装備 たミシンが実用に供されている(特許文献1 び2参照)。例えば特許文献1では、操作者が 通しレバーを下降させた場合、糸通し軸と ライダーガイド軸とが下降し、糸通し軸の 端部の摺動ピンが針棒側の係止部に当接し 段階でこれら糸通し軸とスライダーガイド との高さ位置が規制される。その後さらに 通しレバーを下降させた場合、摺動ピンを えた糸通し軸が、摺動ピンを含むカム機構 より所定角度だけ回動して、糸通し軸の下 部に付設のフックを針穴に挿通させた後、 通しが実行される。

 しかし、特許文献1では、手動でフックに 糸をかける必要があり、操作者は両手を用い て糸通し作業を行う必要があるという問題点 があった。そこで特許文献2では、糸駒から 供される上糸をミシンの所定の位置に糸掛 しておき、操作者が糸通しレバーを下降さ た場合、糸通し軸の上端部の摺動ピンが針 側の係止部に当接した段階でこれら糸通し とスライダーガイド軸の高さ位置が規制さ る。

 その後さらに糸通しレバーを下降させた場 、摺動ピンを備えた糸通し軸が、摺動ピン 含むカム機構により所定角度だけ回動して 糸通し軸の下端部に付設のフックを針穴に 通させる。フックは、針穴に挿通した状態 、糸掛けしてある上糸を引っ掛け、糸通し バーを上昇させた場合にフックが針穴から け出るのに応じて糸通しが実行される。こ ように、操作者は、糸通しレバーを下降、 昇させる動作のみで糸通しを実行すること できる。

特開2005-160592号公報

特開2002-200386号公報

 しかし、特許文献2では、特許文献2の図5 び図7を参照すれば明らかなように、針棒の ほか、糸通し軸の下端部に固着されているフ ック機構の動作を制御し、上糸を確実に糸通 しするために、糸通し軸とスライダーガイド 軸との2本の操作軸が必要となっている。し がって、ミシンの針棒を含めたヘッド部分 慣性が大きく、ジグザグ縫い等の動きの細 い作業を行う場合に高速化が困難になると う問題点があった。

 また、部品点数が多くなることから、ヘ ド部全体をコンパクトにすることが困難に るとともに、低コスト化することも困難に るという問題点もあった。

 本発明は斯かる事情に鑑みてなされたも であり、ヘッド部全体をコンパクト化する とができるとともに、操作者が片手で確実 糸通し作業を実行することができるミシン 糸通し装置を提供することを目的とする。

 上記目的を達成するために第1発明に係る ミシンの糸通し装置は、支持している縫針を 上下に移動させる針棒に近接し、上下に移動 することが可能であり、しかも軸を中心とし て回転することが可能に支持されている糸通 し軸と、前記糸通し軸の下端部に固着され、 縫針の針穴に挿通することが可能な鉤部と、 該鉤部を針穴に誘導する第1のガイド部とを する糸通しフックと、前記糸通し軸の下降 界位置を、前記鉤部と縫針の針穴との高さ 一致する位置に規制する位置決め部材と、 記糸通し軸の下降限界点近傍で前記鉤部が 針の針穴に挿通するよう前記第1のガイド部 所定角度回動させる第1の回動機構と、前記 糸通し軸の下降限界点近傍で前記鉤部まで上 糸を誘導する糸誘導部材とを備えるミシンの 糸通し装置において、前記糸誘導部材は、糸 を引っ掛ける糸引っかかり部と、該糸引っか かり部を縫針方向へ誘導する第2のガイド部 を有し、前記糸通し軸の下降限界点近傍で 記糸引っかかり部が縫針の針穴の位置を通 するよう前記第2のガイド部を所定角度回動 せる第2の回動機構を備え、前記第1の回動 構及び前記第2の回動機構は、前記糸通しフ ク及び前記糸誘導部材を互いに反対方向に 転させるようにしてあることを特徴とする

 また、第2発明に係るミシンの糸通し装置 は、第1発明において、前記糸通し軸に外嵌 は内嵌されてミシン本体に固着されており 周面に第1のカム穴及び第2のカム穴を有する 糸通し案内部材を有し、前記第1の回動機構 、前記第1のカム穴、及び前記糸通し軸に設 てある、前記第1のカム穴に嵌合する第1の ム軸を備え、前記第2の回動機構は、前記第2 のカム穴、及び前記糸誘導部材に設けてある 、前記第2のカム穴に嵌合する第2のカム軸を え、前記第1のカム穴の傾斜方向と、前記第 2のカム穴の傾斜方向とが反対方向となるよ にしてあることを特徴とする。

 また、第3発明に係るミシンの糸通し装置 は、第1又は第2発明において、前記第1のカム 穴の最上部近傍での上下方向の幅は、前記第 1のカム軸の軸径よりも大きくなるようにし あり、前記糸通しフックと前記糸誘導部材 の間に、前記糸通しフックと前記糸誘導部 とを離隔させるよう付勢する付勢部材を備 ることを特徴とする。

 また、第4発明に係るミシンの糸通し装置 は、第1乃至第3発明のいずれか1つにおいて、 前記糸通し軸を操作する、上下に移動するこ とが可能な操作体を備えることを特徴とする 。

 第1発明では、支持している縫針を上下に 移動させる針棒に近接する位置に、上下に移 動することが可能であり、しかも軸を中心と して回転することが可能に支持されている糸 通し軸を1本備えている。糸通し軸の下端部 は、縫針の針穴に挿通することが可能な鉤 と、該鉤部を針穴に誘導する第1のガイド部 を有する糸通しフックが装着されている。 1の回動機構は、糸通し軸の下降限界点近傍 で鉤部が縫針の針穴に挿通するよう第1のガ ド部を所定角度回動させる。糸誘導部材は 糸引っかかり部を縫針方向へ回転誘導し、 2の回動機構は、糸通し軸の下降限界点近傍 糸引っかかり部が縫針の針穴の位置を通過 るよう第2のガイド部を所定角度回動させる 。第1の回動機構による糸通しフックの回転 向と、第2の回動機構による糸誘導部材の回 方向とは互いに反対方向であり、1本の糸通 し軸の上下動により、縫針の針穴に挿通する ことが可能な鉤部と糸を引っ掛ける糸引っか かり部とを接近させたり離隔させたりするこ とができる。これにより、第2のガイド部と 体となって回転する糸引っかかり部に上糸 引っ掛けておき、第1のガイド部と一体とな て回転する鉤部が針穴に挿入された後、鉤 へ上糸が引っかかる。鉤部が針穴から引き されるのに伴って、上糸が針穴へ挿入され 。したがって、1本の糸通し軸の上下動に応 じて確実に糸通しを実行することができ、ヘ ッド部全体をコンパクト化することができる とともに、低コスト化を図ることが可能とな る。また、細かい動きが要求される縫製時で あっても、移動部分の慣性が小さいことから 、縫製精度を維持するために縫製速度を減じ る必要が無い。

 第2発明では、糸通し軸に外嵌又は内嵌さ れてミシン本体に固着されており、周面に第 1のカム穴及び第2のカム穴を有する糸通し案 部材を有している。第1の回動機構は、第1 カム穴、及び糸通し軸に設けてある、第1の ム穴に嵌合する第1のカム軸とで構成され、 第2の回動機構は、第2のカム穴、及び糸誘導 材に設けてある、第2のカム穴に嵌合する第 2のカム軸とで構成されている。第1のカム穴 傾斜方向は、第2のカム穴の傾斜方向と反対 方向としてあり、第1の回動機構が糸通し軸 中心として時計回り(反時計回り)に回転する 場合、第2の回動機構は糸通し軸を中心とし 反時計回り(時計回り)に回転する。これによ り、1本の糸通し軸の上下動により、上糸を 導する糸引っかかり部と、針穴へ糸通しす 鉤部との相対的な回転動作を制御すること でき、確実に糸通しを実行することが可能 なる。したがって、ヘッド部全体をコンパ ト化することができるとともに、低コスト を図ることが可能となる。

 第3発明では、第1のカム穴の最上部近傍 の上下方向の幅は、第1のカム軸の軸径より 大きくなるようにしてある。したがって、 2のガイド部、すなわち上糸を引っかけてあ る糸引っかかり部を、第1のガイド部、すな ち糸通しする鉤部の回転が止まった後にさ に下方へ移動させることができる。また、 通しフックと糸誘導部材との間に、糸通し ックと糸誘導部材とを離隔させるよう付勢 る付勢部材、例えばバネ等を備えることに り、鉤部が針穴から抜け出る前に糸誘導部 を元の位置、すなわち上糸を鉤部に引っか ることができる位置まで移動させることが きる。したがって、例えば糸引っかかり部 糸通しフックより下降させた状態で鉤部を 穴に挿入し、鉤部が針穴から抜け出る前に 引っかかり部を押し上げることで、鉤部に 糸が確実に引っかけられた状態で鉤部を針 から引き出すことができ、確実に糸通しす ことが可能となる。

 第4発明では、糸通し軸を操作する、上下 に移動することが可能な操作体を備える。操 作者は、操作体を上下動することにより糸通 し軸を上下動及び回動させることができ、片 手で糸通し作業を行うことが可能となる。

 第1発明によれば、第1の回動機構による 1のガイド部の回転方向と、第2の回動機構に よる第2のガイド部の回転方向は互いに反対 向であり、1本の糸通し軸の上下動により、 針の針穴に挿通することが可能な鉤部と糸 引っかける糸引っかかり部とを接近させた 離隔させたりすることができる。これによ 、第2のガイド部と一体となって回転する糸 引っかかり部に上糸を引っ掛けておき、第1 ガイド部と一体となって回転する鉤部が針 に挿入された後、鉤部へ上糸が引っかかる 鉤部が針穴から引き戻されるのに伴って、 糸が針穴へ挿入される。したがって、1本の 通し軸の上下動に応じて確実に糸通しを実 することができ、ヘッド部全体をコンパク 化することができるとともに、低コスト化 図ることが可能となる。また、細かい動き 要求される縫製時であっても、移動部分の 性が小さいことから、縫製精度を維持する めに縫製速度を減じる必要が無い。

 第2発明によれば、第1のカム穴の傾斜方 は、第2のカム穴の傾斜方向と反対方向とな ており、第1の回動機構が糸通し軸を中心と して時計回り(反時計回り)に回転する場合、 2の回動機構は糸通し軸を中心として反時計 回り(時計回り)に回転する。これにより、1本 の糸通し軸の上下動により、上糸を誘導する 糸引っかかり部と、針穴へ糸通しする鉤部と の相対的な回転動作を制御することができ、 確実に糸通しを実行することが可能となる。 したがって、ヘッド部全体をコンパクト化す ることができるとともに、低コスト化を図る ことが可能となる。

 第3発明によれば、第2のガイド部、すな ち上糸を引っかけてある糸引っかかり部を 第1のガイド部、すなわち糸通しする鉤部の 転が止まった後にさらに下方へ移動させる とができる。また、糸通しフックと糸誘導 材との間に、糸通しフックと糸誘導部材と 離隔させるよう付勢する付勢部材、例えば ネ等を備えることにより、鉤部が針穴から け出る前に糸誘導部材を元の位置、すなわ 上糸を鉤部に引っかけることができる位置 で移動させることができる。したがって、 えば糸引っかかり部を糸通しフックより下 させた状態で鉤部を針穴に挿入し、鉤部が 穴から抜け出る前に糸引っかかり部を押し げることで、鉤部に上糸が確実に引っかけ れた状態で鉤部を針穴から引き出すことが き、確実に糸通しすることが可能となる。

 第4発明によれば、操作者は、操作体を上 下動することにより糸通し軸を上下動及び回 動させることができ、片手で糸通し作業を行 うことが可能となるという優れた効果を奏す る。

本発明の実施の形態に係るミシンのア ム部の構成を示す針棒を含む左右方向の面 の断面図である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の糸通し棒の動作を説明するための 面図である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の糸誘導部材の構成を示す三面図(平 面図、正面図、及び側面図)である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の糸通しフックの構成を示す二面図( 平面図及び正面図)である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の概要を示す斜視図である。 第1のカム穴の中を移動する第1のカム の挙動を説明する模式図である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の挙動を説明する正面図、模式図及 平面図である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の挙動を説明する正面図、模式図及 平面図である。 本発明の実施の形態に係るミシンの糸 し装置の挙動を説明する正面図、模式図及 平面図である。

符号の説明

 2 第1の糸通し案内部
 3 第2の糸通し案内部
 4 糸通し軸
 5 糸通しフック
 6 糸誘導部材
 13 針棒抱き
 14 縫針
 14a 針穴
 15 針棒
 17 操作体
 20 カム制御部材
 21 第1のカム穴
 31 第2のカム穴
 41 第1のカム軸
 51 第1のガイド部
 52 鉤部
 61 第2のガイド部
 62 糸引っかかり部
 63 第2のカム軸

 以下に、本発明をその実施の形態を示す 面に基づいて説明する。以下の説明では、 シンを操作する操作者から視た前後左右を 後左右として説明する。図1は、本発明の実 施の形態に係るミシンのアーム部の構成を示 す針棒を含む左右方向の面での断面図である 。図1に示すように、本実施の形態に係るミ ンのアーム部は、針棒支持部1と、針棒15、 棒15に近接して配置されている糸通し軸4と 糸通し軸4を内包して上下方向に移動するこ 及び糸通し軸4の中心軸を中心として回動さ せることが可能な第1の糸通し案内部2並びに 2の糸通し案内部3とを有する。

 針棒15の上下動は以下のように行われる 図1に示すように、主軸9の左端側部分には、 図示しない天秤機構の天秤クランク11が設け れており、天秤クランク11にクランクピン 介して針棒クランクロッド12が回動自在に連 結されている。針棒15の略中段部には針棒抱 13が連結されており、針棒クランクロッド12 が針棒抱き13に連結されている。

 縫製する場合には、ミシンモータにより 軸9が回転駆動され、針棒クランクロッド12 より針棒15が上下に往復駆動される。なお ステッピングモータ等により針棒支持部1を して縫針14を揺動駆動する機構は特に限定 れるものではなく、一般的な機構であれば いことから詳細な説明は省略する。

 糸通し軸4の下端部には、縫針14の針穴14a 挿通することが可能な糸通しフック5が設け られている。糸通しフック5の上部には、糸 糸通しフック5へ誘導するよう糸通し軸4とは 独立して回転することが可能な糸誘導部材6 、糸通しフック5側へ糸誘導部材6を押し上げ るように付勢する圧縮バネ7を挟んで備えら ている。

 糸通しフック5と縫針14の針穴14aとの位置 、位置決め板(位置決め部材)8により適切な 置に調整することが可能となっている。ア ム部の頭部には、針棒15を上下動可能に支 する針棒支持部1が上下方向に配設され、針 支持部1の上端部は、ミシン機枠に揺動可能 に支持されている。

 なお、上述した針棒15の上下動に連動さ て糸通し軸4を上下動させても良いが、これ 限定されるものではなく、例えば図1に示す ように、操作者が片手で操作することが可能 な操作機構16を設けることが好ましい。図1の 例では、操作機構16は、操作体(操作レバー)17 、糸通し軸4と連結されている糸通し軸連結 18、及び操作体軸19で構成されており、操作 17を上下動させることにより糸通し軸4及び 棒15が連動して上下動する。これにより、 作者は、操作体17を上下動することにより糸 通し軸4を上下動及び回動させることができ 片手で糸通し作業を行うことが可能となる

 次に、縫針14の針穴14aに上糸を糸通しす 糸通し装置について説明する。図2は、本発 の実施の形態に係るミシンの糸通し装置の 通し棒4の動作を説明するための断面図であ る。図2に示すように、実施の形態に係る糸 し棒4は、第1の糸通し案内部2及び第2の糸通 案内部3と円筒カム機構を介して連結されて いる。なお、第1の糸通し案内部2及び第2の糸 通し案内部3は、近接して上下動する針棒支 部1に固着されている。本実施の形態では、 筒カム機構を確実に機能させるべく、糸通 案内部を針棒支持部1へより強固に固着する ように糸通し案内部を2つに分割して、それ れを針棒支持部1へネジ止めした構成となっ いる。もちろん、糸通し案内部を分割せず 一体物として形成しても特に問題はない。

 糸通し棒4は、第1の糸通し案内部2に設け ある第1のカム穴21に嵌挿することが可能な 1のカム軸41が周面から突出するように設け ある。第1の糸通し案内部2及び第2の糸通し 内部3が針棒15の下降に連動して下降(上昇) る場合、第1のカム軸41が第1のカム穴21に沿 て移動し、糸通し棒4の下端に設けられてい 糸通しフック5が上から見て時計回り(反時 回り)に回転する(第1の回動機構)。

 第2の糸通し案内部3に設けてある第2のカ 穴31に嵌挿することが可能な第2のカム軸(図 示せず)は、糸通し棒4の下端部に回転するこ が可能に連結されている糸誘導部材6に設け られている。第1の糸通し案内部2及び第2の糸 通し案内部3が針棒15の下降に連動して下降( 昇)する場合、第2のカム軸が第2のカム穴31に 沿って移動し、糸通し棒4の下端に設けられ いる糸誘導部材6は糸通しフック5とは反対方 向、すなわち上から見て反時計回り(時計回 )に回転する(第2の回動機構)。このように、 通しフック5と糸誘導部材6とが、1本の糸通 軸4の上下動及び回転に応じて近接し又は離 隔することにより、針穴14aへの糸通し動作を 1本の糸通し軸4のみで制御することができる

 図3は、本発明の実施の形態に係るミシン の糸通し装置の糸誘導部材6の構成を示す三 図(平面図、正面図、及び側面図)である。図 3(a)は、本発明の実施の形態に係るミシンの 通し装置の糸誘導部材6の平面図を、図3(b)は 正面図を、図3(c)は側面図を、それぞれ示し いる。糸誘導部材6は、糸通し軸4を中心とし て回転する第2のガイド部61と、第2のガイド 61の端部に、針棒15と干渉しないように二股 分かれて設けられている糸引っかかり部62 で構成されている。第2のガイド部61には、 2の糸通し案内部3に設けてある第2のカム穴31 に嵌挿することが可能な第2のカム軸63が設け てある。第2のカム軸63が第2のカム穴31に沿っ て移動し、糸誘導部材6は糸通し軸4の上から て反時計回り(時計回り)に回転する。糸誘 部材6の第2のガイド部61の回転に応じて、糸 っかかり部62が針棒15まで誘導され、糸引っ かかり部62に引っかけられた糸が、糸通しフ ク5の鉤部52(図4参照)近傍まで誘導される。

 図4は、本発明の実施の形態に係るミシン の糸通し装置の糸通しフック5の構成を示す 面図(正面図及び平面図)である。図4(a)は、 発明の実施の形態に係るミシンの糸通し装 の糸通しフック5の構成を示す正面図を、図4 (b)は平面図を、それぞれ示している。糸通し 軸4を中心として回転する第1のガイド部51と 第1のガイド部51の端部に設けられている糸 引っ掛ける鉤部52とで構成されている。第1 ガイド部51の回転に応じて鉤部52が縫針14の 穴14aに出し入れされ、鉤部52で針穴14aへ糸通 しする。

 図5は、本発明の実施の形態に係るミシン の糸通し装置の概要を示す斜視図である。図 5は、糸通しを行う前の状態を示しており、 通し棒4の構造をわかりやすくするために、 通し棒4と針棒15との距離を実際より離して 載している。

 操作者が片手で操作体17を下降させた場 、糸通し棒4は針棒15と一体となって下降す 。針棒15は、第1のカム軸41の動作を制御する カム制御部材20が針棒抱き13に接触するまで 降する。カム制御部材20が針棒抱き13に接触 、針棒抱き13が押し下げられることにより 棒クランクロッド12が最下点となるまで、第 1の糸通し案内部2及び第2の糸通し案内部3は 通し軸4と一体となって下降する。したがっ 、糸通しフック5及び糸誘導部材6は回転し い。

 カム制御部材20が針棒抱き13に接触し、針 棒クランクロッド12が最下点となった場合、 棒15及び糸通し棒4はこれ以上下降せず、第1 のカム軸41がカム制御部材20の端部に接触し いることから、第1のカム軸41が第1のカム穴2 1の上縁部分に沿って移動する。本実施の形 では、第1のカム穴21の形状により、第1のカ 軸41は以下のように挙動する。

 図6は、第1のカム穴21の中を移動する第1 カム軸41の挙動を説明する模式図である。図 6に示すように、第1のカム穴21の最上部近傍 は、上下方向の幅が第1のカム軸41の軸径よ も大きくなるようにしてある。したがって 操作体17を最下点から上昇させる場合、第1 カム軸41が上昇を開始するタイミングを遅ら せることができ、糸誘導部材6の糸引っかか 部62のみ先に上昇させてから糸通しフック5 針穴14aから抜き出すよう挙動を制御するこ ができる。したがって、糸通しフック5の鉤 52に確実に上糸を引っかけてから針穴14aか 引き出すことができ、確実に糸通しするこ が可能となる。

 具体的な挙動は以下の通りである。カム 御部材20が針棒抱き13に接触し、針棒クラン クロッド12が最下点となっている場合、第1の カム軸41は、カム制御部材20の一端部に接触 た状態で第1のカム穴21の最下端に位置して る。操作体17をさらに下降させた場合、第1 カム軸41は移動ルート71に沿って移動し、糸 し軸4は回転することなく第1の糸通し案内 2及び第2の糸通し案内部3のみがさらに下降 る。この時点で第2のカム軸63は第2のカム穴3 1に沿って移動を開始し、糸誘導部材6は上か 見て反時計回りに回転することにより、針 15の方向へ移動し始める。すなわち、第1の ム穴21と第2のカム穴31とは傾斜方向が相反 ていることから、1本の糸通し軸4により糸通 しフック5と糸誘導部材6とを互いに逆方向に 転させることができる。

 操作体17をさらに下降させた場合、第1の ム軸41は移動ルート72に沿って移動し、糸通 し軸4は上から見て時計回りに回転し、下端 備えている糸通しフック5は針穴14aへ移動し 挿通される。糸通し軸4が回転することによ り、第2の糸通し案内部3の第2のカム穴31に沿 て第2のカム軸63がさらに移動する。第2のカ ム軸63が第2のカム穴31に沿ってさらに移動す ことにより、糸誘導部材6は上から見て反時 計回りにさらに回転し、針棒15を挟むような 置まで移動する。

 このように糸通しフック5と糸誘導部材6 を互いに反対方向に回転させることにより 糸誘導部材6に引っかけられている上糸を確 に糸通しフック5まで誘導することができ、 上糸の引っかけられた糸通しフック5を針穴14 aから引き出すことにより、糸通しを確実に うことができる。

 なお、本実施の形態では、上糸をより確 に糸通しフック5へ引っかけるために、付勢 部材として圧縮バネ7を用いて糸誘導部材6を らに上下動させている。つまり、第1のカム 穴21の最上点に第1のカム軸41が到達する前に 第2のカム軸63が第2のカム穴31の最下点に到 するよう第1のカム穴21及び第2のカム穴31の さを設定し、操作体17をさらに下降させた 合、第1のカム軸41が移動ルート73に沿って移 動するようにしてある。

 このようにすることで、第2のカム軸63が 2のカム穴31の最下点に到達した後は、圧縮 ネ7を圧縮して糸誘導部材6だけがさらに下 し、操作体17が最下点に到達する。したがっ て、糸通しフック5が針穴14aへ挿通される前 、糸誘導部材6は回転移動を終了し、糸通し ック5の鉤部52が針穴14aへ挿通された状態の 置よりも下方へ押し下げておくことができ 。

 操作体17を上昇させ始めた場合、圧縮バ 7の弾性力により糸誘導部材6だけが上昇し、 糸誘導部材6に引っかかっている上糸は、針 14aに挿通されている糸通しフック5の鉤部52 確実に引っかかる。その状態でさらに操作 17を上昇させた場合、第1のカム軸41は、移動 ルート74に沿って移動し、糸通し軸4は上から 見て反時計回りに回転し、下端に備えている 糸通しフック5は針穴14aから抜け出る。この き、鉤部52に引っかかっている糸が、針穴14a を通過し、糸通しが完了する。

 図7乃至図9は、本発明の実施の形態に係 ミシンの糸通し装置の挙動を説明する正面 、模式図及び平面図である。図7(a)は、初期 態の正面図及びカムの状態を示す模式図を 図7(b)は、初期状態の糸通しフック5と糸誘 部材6との位置関係を示す平面図を、図7(c)は 、カム制御部材20が下降して針棒クランクロ ド12が最下点となった状態の正面図及びカ の状態を示す模式図を、図7(d)は、カム制御 材20が下降して針棒クランクロッド12が最下 点となった状態の糸通しフック5と糸誘導部 6との位置関係を示す平面図を、図7(e)は、第 1のカム軸41が移動ルート71に沿って上昇した 態の正面図及びカムの状態を示す模式図を 図7(f)は、第1のカム軸41が移動ルート71に沿 て上昇した状態の糸通しフック5と糸誘導部 材6との位置関係を示す平面図を、それぞれ している。

 図7(a)に示す位置から、操作者が片手で操 作体17を下降させた場合、糸通し棒4は針棒15 一体となって下降し、糸通し棒4は、図7(c) 示すように、第1のカム軸41の動作を制御す カム制御部材20が針棒抱き13に接触し、針棒 ランクロッド12が最下点となるまで下降す 。カム制御部材20が針棒抱き13に接触し、針 クランクロッド12が最下点に到達するまで 、糸通しフック5及び糸誘導部材6は回転しな いことから、図7(b)及び(d)に示すように、糸 しフック5と糸誘導部材6との位置関係は変動 しない。

 図7(c)に示す位置から操作体17をさらに下 させ、図7(e)に示す位置、すなわち第1のカ 軸41が第1のカム穴21の上縁部分に到達した場 合、糸通し軸4は回転することなく第1の糸通 案内部2及び第2の糸通し案内部3のみがさら 下降する。したがって、糸通しフック5は回 転することなく図7(b)及び(d)に示す位置から 動しない。一方、第2のカム軸63は第2のカム 31に沿って移動を開始し、図7(f)に示すよう 、糸誘導部材6は上から見て反時計回りに回 転することにより、針棒15の方向へ移動し始 る。

 図8(a)は、糸通しフック5が針穴14aに挿通 前の状態の正面図及びカムの状態を示す模 図を、図8(b)は、糸通しフック5が針穴14aに挿 通直前の状態の糸通しフック5と糸誘導部材6 の位置関係を示す平面図を、図8(c)は、操作 体17が最下点にある状態での正面図及びカム 状態を示す模式図を、図8(d)は、操作体17が 下点にある状態での糸通しフック5と糸誘導 部材6との位置関係を示す平面図を、図8(e)は 糸通し終了時の正面図及びカムの状態を示 模式図を、図8(f)は、糸通し終了時の糸通し フック5と糸誘導部材6との位置関係を示す平 図を、それぞれ示している。

 図8(a)に示すように操作体17をさらに下降 せた場合、第1のカム軸41が第1のカム穴21の 縁部分に沿って移動し、糸通し軸4は上から 見て時計回りに回転する。第1の糸通し案内 2及び第2の糸通し案内部3もさらに下降する したがって、図8(b)に示すように、糸通しフ ク5は針穴14aに向かって回転する。一方、第 2のカム軸63は第2のカム穴31に沿って移動を続 け、図8(c)に示すように操作体17が最下点にあ る状態では、糸通しフック5の鉤部52が針穴14a に挿通された状態で、糸誘導部材6の糸引っ かり部62が鉤部52の直下へと押し下げられて る。

 すなわち、第1のカム穴21の最上点に第1の カム軸41が到達する前に、第2のカム軸63が第2 のカム穴31の最下点に到達するよう第1のカム 穴21及び第2のカム穴31の長さを設定し、操作 17を下降させた場合、第1のカム軸41が移動 ート73に沿って移動するようにしてある。こ のようにすることで、第2のカム軸63が第2の ム穴31の最下点に到達した後は、圧縮バネ7 圧縮して糸誘導部材6だけがさらに下降し、 作体17が最下点に到達する。このようにカ 穴の長さ、傾斜等を調整することにより、 通しフック5の鉤部52と、糸誘導部材6の糸引 かかり部62との動作タイミングを調整する とができ、糸通しをより確実に行うことが きるようにしてある。

 したがって、糸通しフック5が針穴14aへ挿 通される前に、糸誘導部材6は回転移動を終 し、操作体17が最下点にある状態では、糸通 しフック5の鉤部52が針穴14aへ挿通された状態 の位置よりも糸誘導部材6が下方へ押し下げ れた状態となる。この状態では、圧縮バネ7 押し下げられているので、操作者が操作体1 7を離した状態では、圧縮バネ7の弾性力によ 糸誘導部材6は押し上げられる。よって、図 8(e)及び(f)に示すように、糸通しフック5と糸 導部材6との水平方向の位置関係が変動する ことなく、糸誘導部材6のみが上昇する。こ により、糸引っかかり部62に引っかけられて いる上糸が糸通しフック5の鉤部52まで上昇し 、鉤部52に確実に係止される。

 図9(a)は、糸通しフック5が針穴14aから抜 出た状態の正面図及びカムの状態を示す模 図を、図9(b)は、糸通しフック5が針穴14aから 抜け出た状態の糸通しフック5と糸誘導部材6 の位置関係を示す平面図を、図9(c)は、カム 制御部材20が針棒抱き13に接した状態の正面 及びカムの状態を示す模式図を、図9(d)は、 ム制御部材20が針棒抱き13に接した状態の糸 通しフック5と糸誘導部材6との位置関係を示 平面図を、図9(e)は、初期状態の正面図及び カムの状態を示す模式図を、図9(f)は、初期 態の糸通しフック5と糸誘導部材6との位置関 係を示す平面図を、それぞれ示している。

 図9(a)に示すように操作体17を上昇させる つれて、図9(b)に示すように、上糸が鉤部52 引っかけられている糸通しフック5が針穴14a から抜け出る。これに伴って、上糸が針穴14a を通過することにより、糸通しを行う。

 さらに操作体17を上昇させた場合、第1の ム軸41は移動ルート74に沿って、すなわち第 1のカム穴21の下縁部に沿って移動し、図9(c) 示すように、カム制御部材20が針棒抱き13に した状態まで戻る。第1のカム軸41が第1のカ ム穴21の上縁部に沿って移動するのに伴い、 通し軸4は上から見て反時計回りに回転する 。一方、第2のカム軸63は第2のカム穴31に沿っ て移動を続け、図9(d)に示すように糸誘導部 6は上から見て時計回りに回転する。

 さらに操作体17を上昇させた場合、第1の ム軸41は第1のカム穴21の最下端に戻り、針 15及び糸通し軸4も上昇する。第2のカム軸63 第2のカム穴31に沿って移動を続け、図9(f)に すように糸誘導部材6は上から見て時計回り に回転して元の位置へ戻る。

 以上のように本実施の形態によれば、2つ のカム穴の傾斜方向が反対方向であることか ら、1本の糸通し軸4で糸通しフック5と糸誘導 部材6とを反対方向に回転させることができ ヘッド部全体をコンパクト化することがで るとともに、部品点数の減少により低コス 化を図ることが可能となる。また、細かい きが要求される縫製時であっても、移動部 の慣性が小さいことから、縫製精度を維持 るために縫製速度を減じる必要が無い。

 その他、本願発明の趣旨を逸脱しない範 において前記実施形態に種々の変更を付加 た形態で実施可能である。