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Title:
TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/051073
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to improve both of low rolling resistance and strength of a tire. Disclosed is a tire comprising a side-wall, a case and an inner liner, wherein the side-wall comprises a rubber composition (A) for a side-wall which comprises 100 parts by weight of a specific rubber component (A1) and 20 to 45 parts by weight of a filler (A2), the case has a code coated with a rubber composition (B) for a case code which comprises 100 parts by weight of a specific rubber component (B1) and 20-45 parts by weight of a filler (B2), and the inner liner comprises a rubber composition (C) for an inner liner which comprises 100 parts by weight of a rubber component (C1) containing a butyl rubber at a content of 35-80 wt% and 15-45 parts by weight of a carbon black (C2) having a nitrogen-absorption specific surface area of 20-45 m2/g.

Inventors:
MIYAZAKI TATSUYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/068448
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 10, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO RUBBER IND (JP)
MIYAZAKI TATSUYA (JP)
International Classes:
B60C1/00; B60C5/14; B60C9/04; B60C13/00; C08K3/00; C08L7/00; C08L9/00
Domestic Patent References:
WO2006039942A12006-04-20
Foreign References:
JPH05320421A1993-12-03
JP2007161819A2007-06-28
JPH0655665A1994-03-01
JPH1087884A1998-04-07
JP2006117168A2006-05-11
JP2006062379A2006-03-09
JP2006124487A2006-05-18
JP2006256358A2006-09-28
JP2003534964A2003-11-25
JP2007045274A2007-02-22
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta et al. (2-22Tanimachi 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 12, JP)
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Claims:
 サイドウォール、ケースおよびインナーライナーを有するタイヤであって、
サイドウォールが(A)(A1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム35~65重量%ならびに変性ブタジエンゴム15~55重量%を含むゴム成分100重量部に対して、
(A2)フィラー20~45重量部を含むサイドウォール用ゴム組成物からなり、
ケースがコードを(B)(B1)天然ゴムおよび/またはイソプレンゴム50~80重量%ならびに変性スチレンブタジエンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴム、乳化重合スチレンブタジエンゴム、変性ブタジエンゴムおよびエポキシ化天然ゴムよりなる群から選択される少なくとも1種のジエン系ゴム20~45重量%を含むゴム成分100重量部に対して、
(B2)フィラー20~45重量部を含むケースコード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、および
インナーライナーが(C)(C1)ブチル系ゴム35~80重量%を含むゴム成分100重量部に対して、
(C2)チッ素吸着比表面積が20~45m 2 /gのカーボンブラック15~45重量部を含むインナーライナー用ゴム組成物からなるタイヤ。
 サイドウォール用ゴム組成物(A)の70℃で測定した複素弾性率E * が2.5~3.5MPaであり、かつ損失正接tanδが0.03~0.100であり、
ケースコード被覆用ゴム組成物(B)の70℃で測定した複素弾性率E * が2.5~3.5MPaであり、かつ損失正接tanδが0.03~0.100であり、
インナーライナー用ゴム組成物(C)の70℃で測定した複素弾性率E * が2.5~5.0MPaであり、かつ損失正接tanδが0.05~0.185である請求の範囲第1項記載のタイヤ。
 乗用車用またはライトトラック用である請求の範囲第1項または第2項記載のタイヤ。
Description:
タイヤ

 本発明は、転がり抵抗の低減とタイヤの 度の向上を両立させたタイヤに関する。

 従来より、タイヤの転がり抵抗の低減(転 がり抵抗性能の向上)により、車の低燃費化 おこなわれてきた。近年、車の低燃費化へ 要求がますます強くなってきており、より れた低発熱性が要求されている。たとえば タイヤの転がり抵抗を低減させる方法とし 、使用するゴムが多い順に、トレッド、サ ドウォール、ブレーカーゴムおよびクリン などの損失正接tanδを低減する方法が行われ ている。

 タイヤの部材の転がり抵抗を低減させる みとしては、たとえば、特開平5-320421号公 には、サイドウォール用ゴム組成物にゴム 分として、スズ変性ポリブタジエンゴムを いることが、特開2007-161819号公報にはカーカ ス被覆用ゴム組成物のゴム成分として溶液重 合変性スチレンブタジエンゴムおよび/また スズ変性ブタジエンゴムを用いることが記 されている。

 サイドウォールゴムの損失正接tanδを低 させる方法としては、フィラーの配合量を らしたり、カーボンブラックの粒径を大き したり、変性ブタジエンゴムを配合するが げられるが、一般に破断強度が低下する。 た、クリンチゴムの損失正接tanδを低減する 方法としても、フィラーの配合量を減らした り、カーボンブラックの粒径を大きくしたり 、変性ブタジエンゴムを配合することがあげ られるが、やはり、破断強度が低下するため 、縁石によるダメージや、リム組み時のダメ ージをまねき、さらにはリムチェーフィング の摩耗の原因となる。

 つまり、転がり抵抗の低減と破断強度の 上を両立させることは困難であり、低転が 抵抗性と優れた強度を有するタイヤはなか た。

 本発明は、タイヤの低転がり抵抗性とタ ヤの強度の向上を両立させたタイヤを提供 ることを目的とする。

 本発明は、サイドウォール、ケースおよび ンナーライナーを有するタイヤであって、 イドウォールが(A)(A1)天然ゴムおよび/また イソプレンゴム35~65重量%ならびに変性ブタ エンゴム15~55重量%を含むゴム成分100重量部 対して、(A2)フィラー20~45重量部を含むサイ ウォール用ゴム組成物からなり、ケースが ードを(B)(B1)天然ゴムおよび/またはイソプレ ンゴム50~80重量%ならびに変性スチレンブタジ エンゴム、溶液重合スチレンブタジエンゴム 、乳化重合スチレンブタジエンゴム、変性ブ タジエンゴムおよびエポキシ化天然ゴムより なる群から選択される少なくとも1種のジエ 系ゴム20~45重量%を含むゴム成分100重量部に して、(B2)フィラー20~45重量部を含むケース ード被覆用ゴム組成物で被覆されてなり、 よびインナーライナーが(C)(C1)ブチル系ゴム3 5~80重量%を含むゴム成分100重量部に対して、( C2)チッ素吸着比表面積が20~45m 2 /gのカーボンブラック15~45重量部を含むイン ーライナー用ゴム組成物からなるタイヤに する。

 前記タイヤは、サイドウォール用ゴム組成 (A)の70℃で測定した複素弾性率E * が2.5~3.5MPaであり、かつ損失正接tanδが0.03~0.10 0であり、ケースコード被覆用ゴム組成物(B) 70℃で測定した複素弾性率E * が2.5~3.5MPaであり、かつ損失正接tanδが0.03~0.10 0であり、インナーライナー用ゴム組成物(C) 70℃で測定した複素弾性率E * が2.5~5.0MPaであり、かつ損失正接tanδが0.05~0.18 5であることが好ましい。

 前記タイヤは、乗用車用またはライトト ック用であることが好ましい。

 本発明のタイヤは、特定の組成からなる イドウォール用ゴム組成物(A)からなるサイ ウォール、特定の組成からなるケースコー 被覆用ゴム組成物(B)でコードを被覆したケ スおよび特定の組成からなるインナーライ ー用ゴム組成物(C)からなるインナーライナ を有する。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物(A) 、特定のゴム成分(A1)およびフィラー(A2)を 有する。

 ゴム成分(A1)は、天然ゴム(NR)および/また イソプレンゴム(IR)ならびに変性ブタジエン ゴム(変性BR)を含有する。

 NRとしては、とくに制限はなく、通常ゴ 工業で使用されるものを使用することがで 、具体的には、RSS♯3、TSR20などがあげられ 。

 また、IRとしても、とくに制限はなく、 イヤ工業で従来から使用されるものを使用 ることができる。

 ゴム成分(A1)中のNRおよび/またはIRの含有 は、破断強度に優れるという点から、35重 %以上であり、好ましくは40重量%以上である またゴム成分(A1)中のNRおよび/またはIRの含 率は、耐亀裂性に優れる変性BRを充分な量 合するという点から、65重量%以下であり、 ましくは60重量%以下である。

 変性BRとは、ブタジエンゴムの末端を化 修飾し、ポリマーとカーボンブラック間の 合力を高めたものである。

 変性BRとしては、リチウム開始剤により1, 3-ブタジエンの重合をおこなったのち、スズ 合物を添加することにより得られ、さらに 性BR分子の末端がスズ-炭素結合で結合され いるものが好ましい。

 リチウム開始剤としては、アルキルリチ ム、アリールリチウム、ビニルリチウム、 機スズリチウムおよび有機窒素リチウム化 物などのリチウム系化合物や、リチウム金 などがあげられる。前記リチウム開始剤を 性BRの開始剤とすることで、高ビニル、低 ス含有量の変性BRを作製できる。

 スズ化合物としては、四塩化スズ、ブチ スズトリクロライド、ジブチルスズジクロ イド、ジオクチルスズジクロライド、トリ チルスズクロライド、トリフェニルスズク ライド、ジフェニルジブチルスズ、トリフ ニルスズエトキシド、ジフェニルジメチル ズ、ジトリルスズクロライド、ジフェニル ズジオクタノエート、ジビニルジエチルス 、テトラベンジルスズ、ジブチルスズジス アレート、テトラアリルスズ、p-トリブチ スズスチレンなどがあげられ、これらのス 化合物は、単独で用いてもよく、2種以上を み合わせて用いてもよい。

 変性BR中のスズ原子の含有率は50ppm以上が 好ましく、60ppm以上がより好ましい。スズ原 の含有率が50ppm未満では、変性BR中へのカー ボンブラックの分散を促進する効果が小さく 、tanδが増大してしまう傾向がある。また、 ズ原子の含有率は3000ppm以下が好ましく、250 0ppm以下がより好ましく、250ppm以下がさらに ましい。スズ原子の含有率が3000ppmをこえる 、混練り物のまとまりが悪く、エッジが整 ないため、混練り物の押出し加工性が悪化 る傾向がある。

 変性BRの分子量分布(Mw/Mn)は2以下が好まし く、1.5以下がより好ましい。変性BRのMw/Mnが2 こえると、カーボンブラックの分散性が悪 し、tanδが増大する傾向がある。

 変性BRのビニル結合量は5重量%以上が好ま しく、7重量%以上がより好ましい。変性BRの ニル結合量が5重量%未満では、変性BRを重合( 製造)することは困難な傾向がある。また、 性BRのビニル結合量は50重量%以下が好ましく 、20重量%以下がより好ましい。変性BRのビニ 結合量が50重量%をこえると、カーボンブラ クの分散性が悪化し、引張強度が低下する 向がある。

 以上の条件を満たす変性BRとしては、た えば、日本ゼオン(株)製のBR1250Hなどがあげ れる。

 ゴム成分(A1)中の変性BRの含有率は、tanδ 低減させることができるという点から、15重 量%以上であり、好ましくは20重量%以上であ 。また、ゴム成分(A1)中の変性BRの含有率は 押出し加工時の発熱性を抑えることができ またそれ以上配合してもtanδを低減させる効 果が飽和してしまうという点から、55重量%以 下であり、好ましくは50重量%以下である。

 また、ゴム成分(A1)中には、さらにエポキ シ化天然ゴム(ENR)を配合してもよい。ENRとし は、市販のENRを用いてもよいし、NRをエポ シ化して用いてもよい。NRをエポキシ化する 方法としては特に限定されるものではなく、 クロルヒドリン法、直接酸化法、過酸化水素 法、アルキルヒドロペルオキシド法、過酸法 などの方法を用いて行なうことができ、過酸 法としてはたとえば、NRに過酢酸や過ギ酸な の有機過酸を反応させる方法などがあげら る。

 ENRのエポキシ化率は10モル%以上が好まし 、20モル%以上がより好ましい。ENRのエポキ 化率が10モル%未満では、リバージョンが大 く、耐亀裂成長性が低下する傾向がある。 た、ENRのエポキシ化率は60モル%以下が好ま く、55モル%以下がより好ましい。ENRのエポ シ化率が60モル%をこえると、練り生地やシ ト加工性といった加工性が低下する傾向が る。

 前記条件を満たすENRはとくに限定されな が、具体的には、ENR25、ENR50(クンプーラン スリー製)などがあげられ、ENRは、単独で用 ても、2種以上を組み合わせて用いてもよい 。

 ゴム成分(A1)中のENRの含有率は、耐亀裂成 長性に優れるという点から、20重量%以上が好 ましく、30重量%以上がより好ましい。またゴ ム成分(A1)中のENRの含有率は、破断強度に優 るという点から、80重量%以下であり、好ま くは70重量%以下である。

 フィラー(A2)としては、たとえば、カーボ ンブラックやシリカ、炭酸カルシウムなどが あげられ、これらは、単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。なか も、破断強度、耐オゾン性および耐候性に れるという点から、カーボンブラックを用 ることが好ましい。

 フィラー(A2)の配合量は、破断強度、シー ト加工性および押出し加工性に優れるという 点から、ゴム成分(A1)100重量部に対して20重量 部以上であり、好ましくは23重量部以上であ 。また、フィラー(A2)の配合量は、tanδを低 させることができるという点から、ゴム成 (A1)100重量部に対して45重量部以下であり、 ましくは40重量部以下である。

 カーボンブラックとしては、破断強度およ 加工性に優れるという点から、チッ素吸着 表面積(N 2 SA)が20m 2 /g以上のものが好ましく、30m 2 /g以上のものがより好ましい。また、カーボ ブラックとしては、tanδを低減させること できるという点から、N 2 SAが100m 2 /g以下のものが好ましく、80m 2 /g以下のものがより好ましい。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物(A) 、前記ゴム成分(A1)、フィラー(A2)以外にも タイヤ工業において一般的に使用される配 剤、たとえば、硫黄などの加硫剤、加硫促 剤、酸化亜鉛、老化防止剤、アロマオイル ステアリン酸、ワックスなどを適宜配合す ことができる。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物(A)は 破断強度に優れるという点から、70℃で測 した複素弾性率E * が2.5MPa以上であることが好ましく、2.7MPa以上 であることがより好ましい。また、サイドウ ォール用ゴム組成物(A)は、負荷がかかった際 にたわみ易く、転がり抵抗性が低いという点 から、70℃で測定した複素弾性率E * が3.5MPa以下であることが好ましく、3.3MPa以下 であることがより好ましい。

 本発明のサイドウォール用ゴム組成物(A) 、70℃で測定した損失正接tanδが低いほど好 ましいが、通常、下限値は0.03である。また サイドウォール用ゴム組成物(A)は、tanδが低 いということは、低発熱性および低転がり抵 抗性に優れていという点から、70℃で測定し 損失正接tanδが0.100以下であることが好まし く、0.090以下であることがより好ましい。

 ここで、70℃で測定した複素弾性率E * および損失正接tanδとは、粘弾性スペクトロ ータを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期 10%および動歪2%の条件下で測定した、複素 性率(E * )および損失正接(tanδ)をいう。

 本発明のケースコード被覆用ゴム組成物( B)は、特定のゴム成分(B1)およびフィラー(B2) 含有する。

 ゴム成分(B1)は、天然ゴム(NR)および/また イソプレンゴム(IR)ならびに変性スチレンブ タジエンゴム(変性SBR)、溶液重合スチレンブ ジエンゴム(S-SBR)、乳化重合スチレンブタジ エンゴム(E-SBR)、変性ブタジエンゴム(変性BR) よびエポキシ化天然ゴム(ENR)よりなる群か 選択される少なくとも1種のジエン系ゴムを 有する。

 NRとしては、とくに制限はなく、通常ゴ 工業で使用されるものを使用することがで 、具体的には、RSS♯3、TSR20などがあげられ 。

 また、IRとしても、とくに制限はなく、 イヤ工業で従来から使用されるものを使用 ることができる。

 ゴム成分(B1)中のNRおよび/またはIRの含有 は、破断強度に優れるという点から、50重 %以上であり、好ましくは55重量%以上である また、ゴム成分(B1)中のNRおよび/またはIRの 有率は、高温(150~250℃)での耐久性やリバー ョン性に優れたSBRまたはENRを充分な量配合 るという点から、80重量%以下であり、好ま くは75重量%以下である。

 S-SBRやE-SBRとしては、タイヤ工業で従来か ら使用されるものを使用することができ、具 体的にはE-SBRとしてはJSR(株)製のSBR1502、S-SBR しては、日本ゼオン(株)製のニッポール NS11 6などがあげられる。

 変性SBRとは、ポリマー末端またはポリマ 鎖中にシリカまたはカーボンブラックとの 合力の強い変性基を導入したポリマーであ 。

 変性SBRはとしては、JSR(株)製のHPR340など ように、結合スチレン量の小さいものが好 しい。

 変性SBRの結合スチレン量は、ゴム配合で リバージョン性に優れる点から、5重量%以 が好ましく、7重量%以上がより好ましい。ま た、変性SBRの結合スチレン量は、低発熱性に 優れる点から、30重量%以下が好ましく、20重 %以下がより好ましい。

 変性SBRとしては、乳化重合変性SBR(変性E-S BR)と溶液重合変性SBR(変性S-SBR)があげられる 、シリカとポリマー鎖の結合を強め、tanδを 低減させることで低燃費性を向上させること ができることから、変性S-SBRが好ましい。

 変性SBRとしては、スズやケイ素などでカ プリングされたものが好ましく用いられる 変性SBRのカップリング方法としては、常法 従って、たとえば、変性SBRの分子鎖末端の ルカリ金属(Liなど)やアルカリ土類金属(Mgな ど)を、ハロゲン化スズやハロゲン化ケイ素 どと反応させる方法などがあげられる。

 変性SBRは、共役ジオレフィン単独、また 共役ジオレフィンと芳香族ビニル化合物と (共)重合して得られた(共)重合体であり、第 1級アミノ基やアルコキシシリル基を有する とが好ましい。

 第1級アミノ基は、重合開始末端、重合終 了末端、重合体主鎖、側鎖のいずれに結合し ていてもよいが、重合体末端からエネルギー 消失を抑制してヒステリシスロス特性を改良 し得る点から、重合開始末端または重合終了 末端に導入されていることが好ましい。

 変性SBRの重量平均分子量(Mw)は、充分な破 断特性が得られる点から、100万以上が好まし く、120万以上がより好ましい。また、変性SBR のMwは、ゴムの粘度を調節し、混練り加工を 易にできる点から、200万以下が好ましく、1 80万以下がより好ましい。

 ゴム成分(B1)中に変性SBR、S-SBRおよびE-SBR 配合する場合、変性SBR、S-SBRおよびE-SBRの含 率は、リバージョン性および耐久性に優れ という点から、20重量%以上であり、好まし は25重量%以上である。また、ゴム成分(B1)中 の変性SBR、S-SBRおよびE-SBRの含有率は、破断 度に優れるNRおよび/またはIRを充分な量配合 するという点で、45重量%以下であり、好まし くは42重量%以下である。

 ゴム成分(B1)として用いる変性BRとしては 前記の変性BRを好適に用いることができる

 ゴム成分(B1)中の変性BRの含有率は、耐亀 成長性に優れ、tanδを低減させることがで るという点から、10重量%以上が好ましく、15 重量%以上がより好ましい。また、ゴム成分(B 1)中の変性BRの含有率は、リバージョン性お び破断強度に優れるという点から、45重量% 下が好ましく、40重量%以下がより好ましい

 ゴム成分(B1)は、リバージョン性および熱 安定性に優れる変性SBR、S-SBRおよびE-SBR、耐 裂性に優れる変性BRを配合するという点から 、変性SBR、S-SBRおよびE-SBRならびに変性BRの含 有率の合計が20重量%以上となればよい。

 また、ゴム成分(B1)に用いるENRとしては、 前記のENRを好適に用いることができる。

 ENRを配合する場合、ゴム成分(B1)中のENRの 含有率は、リバージョン性に優れるという点 から、20重量%以上であり、好ましくは30重量% 以上である。また、ゴム成分(B1)中のENRの含 率は、破断強度に優れるという点から、45重 量%以下であり、好ましくは40重量%以下であ 。

 ゴム成分(B1)中の変性SBR、S-SBR、E-SBR、変 BRおよびENRの含有率は、これらのゴム成分の 含有率の合計が20~45重量%であればよい。

 フィラー(B2)としては、たとえば、カーボ ンブラックやシリカ、炭酸カルシウムなどが あげられ、これらは、単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。なか も、破断強度およびtanδを低減させることが できるという点から、カーボンブラックを用 いることが好ましい。

 フィラー(B2)の配合量は、破断強度に優れ るという点から、ゴム成分(B1)100重量部に対 て20重量部以上であり、好ましくは23重量部 上である。また、フィラー(B2)の配合量は、 tanδを低減させることができるという点から ゴム成分(B1)100重量部に対して45重量部以下 あり、好ましくは40重量部以下である。

 カーボンブラックとしては、破断強度に優 るという点から、N 2 SAが20m 2 /g以上のものが好ましく、30m 2 /g以上のものがより好ましい。また、カーボ ブラックとしては、tanδを低減させること できるという点から、N 2 SAが100m 2 /g以下のものが好ましく、90m 2 /g以下のものがより好ましい。

 本発明のケースコード被覆用ゴム組成物( B)は、前記ゴム成分(B1)、フィラー(B2)以外に 、タイヤ工業において一般的に使用される 合剤、たとえば、硫黄などの加硫剤、加硫 進剤、酸化亜鉛、老化防止剤、アロマオイ 、ステアリン酸などを適宜配合することが きる。

 本発明のケースコード被覆用ゴム組成物(B) 、破断強度に優れるという点から、70℃で 定した複素弾性率E * が2.5MPa以上であることが好ましく、2.7MPa以上 であることがより好ましい。また、ケースコ ード被覆用ゴム組成物(B)は、転がり抵抗性に 優れるという点から、70℃で測定した複素弾 率E * が3.5MPa以下であることが好ましく、3.2MPa以下 であることがより好ましい。

 本発明のケースコード被覆用ゴム組成物( B)は、70℃で測定した損失正接tanδが低いほど 好ましいが、通常下限値は0.03である。また ケースコード被覆用ゴム組成物(B)は、転が 抵抗性に優れるという点から、70℃で測定し た損失正接tanδが0.100以下であることが好ま く、0.090以下であることが好ましい。

 ここで、70℃で測定した複素弾性率E * および損失正接tanδとは、粘弾性スペクトロ ータを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期 10%および動歪2%の条件下で測定した、複素 性率(E * )および損失正接(tanδ)をいう。

 本発明のケースコードは、ケーススチー コードまたはケース繊維コードのいずれか ある。

 ケーススチールコードとは、ケースコー 被覆用ゴム組成物(B)をケースコード被覆用 ムとして用い、該ケース被覆用ゴム組成物( B)により被覆されたスチールコードをいう。

 また、ケース繊維コードとは、ケースコ ド被覆用ゴム組成物(B)をケース被覆用ゴム して用い、該ケース被覆用ゴム組成物(B)に り被覆された繊維コードをいう。ここで、 維コードとは、ポリエステル、ナイロン、 ーヨン、ポリエチレンテレフタレート、ア ミドなどの原料により得られるものである なかでも熱安定性に優れ、さらに安価であ という理由から、原料としてはポリエステ を用いることが好ましい。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物(C) 、ブチル系ゴム(C1)およびチッ素吸着比表面 積が20~45m 2 /gのカーボンブラック(C2)を含有する。

 ブチル系ゴムとしては、たとえば、ブチ ゴム(IIR)、臭素化ブチルゴム(Br-IIR)、塩素化 ブチルゴム(Cl-IIR)などがあげられる。なかで 、焼け難く、伸展性がよいので加工性に優 るという点から、Cl-IIRが好ましい。

 ゴム成分(C1)中のブチル系ゴムの含有率は 、耐空気透過性および耐亀裂成長性を維持で きるという点から、35重量%以上であり、好ま しくは45重量%以上である。また、ゴム成分(C1 )中のブチル系ゴムの含有率は、tanδを好適に して発熱を抑制し、過剰に配合しても空気透 過を抑制する効果が飽和するという点から、 80重量%以下であり、好ましくは75重量%以下で ある。

 また、ゴム成分(C1)中には、さらに天然ゴ ム(NR)および/またはイソプレンゴム(IR)、ブタ ジエンゴム(BR)もしくは変性ブタジエンゴム( 性BR)を含有することができる。変性BRとし は、前記の変性BRを好適に用いることができ る。

 ゴム成分(C1)中のNRおよび/またはIRもしく BRの含有率は、加工性、練り生地の凹凸性 よびシート端平坦性に優れるという点から 10重量%以上が好ましく、20重量%以上がより ましい。また、ゴム成分(C1)中のNRおよび/ま はIRもしくはBRの含有率は、空気透過性に優 れるという点から、70重量%以下が好ましく、 60重量%以下がより好ましい。

 インナーライナー用ゴム組成物(C)は、チッ 吸着比表面積(N 2 SA)が20~45m 2 /gのカーボンブラック(C2)を含有する。

 特定のカーボンブラック(C2)のN 2 SAは、充分な強度が得られ、シート加工性に れるという点から、20m 2 /g以上であり、25m 2 /g以上が好ましい。また、カーボンブラック N 2 SAは、タイヤの転がり抵抗を抑えるという点 ら、45m 2 /g以下であり、40m 2 /g以下が好ましい。

 特定のカーボンブラック(C2)の配合量は、 破断強度に優れるという点から、ゴム成分(C1 )100重量部に対して15重量部以上であり、好ま しくは20重量部以上である。また、カーボン ラックの配合量は、tanδを抑え(低発熱性)、 シート加工性に優れるという点から、ゴム成 分(C1)100重量部に対して、45重量部以下であり 、好ましくは40重量部以下である。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物( C)は、さらに(C3)シリカを含有することができ る。

 シリカ(C3)のN 2 SAは、破断強度に優れるという点から、40m 2 /g以上が好ましく、50m 2 /g以上がより好ましい。また、シリカのN 2 SAは、tanδを抑える効果(低発熱性)に優れると いう点から、200m 2 /g以下が好ましく、180m 2 /g以下がより好ましい。

 本発明に用いるシリカ(C3)として具体的に は、デグッサ社製のウルトラジルVN3やローデ ィア社製のZ115GR、デグッサ社製のウルトラジ ル360があげられる。

 シリカ(C3)の配合量は、シートへの加工性 、シリカの分散性に優れるという点から、ゴ ム成分(C1)100重量部に対して10重量部以上が好 ましく、15重量部以上がより好ましく、20重 部以上がさらに好ましい。また、シリカ(C3) 配合量は、低発熱性に優れるという点から ゴム成分(C1)100重量部に対して、45重量部以 が好ましく、40重量部以下がより好ましい

 シリカ(C3)を用いる場合には、シランカッ プリング剤を併用することが好ましい。

 シランカップリング剤としては、とくに 限はなく、タイヤ工業で従来からゴム組成 中にシリカとともに配合されているもので れば使用することができ、具体的には、ビ (3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスル フィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル) トラスルフィド、ビス(4-トリエトキシシリ ブチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメト シシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス (2-トリメトキシシリルエチル)テトラスルフ ド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)テト スルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプ ピル)トリスルフィド、ビス(2-トリエトキシ シリルエチル)トリスルフィド、ビス(4-トリ トキシシリルブチル)トリスルフィド、ビス( 3-トリメトキシシリルプロピル)トリスルフィ ド、ビス(2-トリメトキシシリルエチル)トリ ルフィド、ビス(4-トリメトキシシリルブチ )トリスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリ プロピル)ジスルフィド、ビス(2-トリエトキ シシリルエチル)ジスルフィド、ビス(4-トリ トキシシリルブチル)ジスルフィド、ビス(3- リメトキシシリルプロピル)ジスルフィド、 ビス(2-トリメトキシシリルエチル)ジスルフ ド、ビス(4-トリメトキシシリルブチル)ジス フィド、3-トリメトキシシリルプロピル-N,N- ジメチルチオカルバモイルテトラスルフィド 、3-トリエトキシシリルプロピル-N,N-ジメチ チオカルバモイルテトラスルフィド、2-トリ エトキシシリルエチル-N,N-ジメチルチオカル モイルテトラスルフィド、2-トリメトキシ リルエチル-N,N-ジメチルチオカルバモイルテ トラスルフィド、3-トリメトキシシリルプロ ルベンゾチアゾリルテトラスルフィド、3- リエトキシシリルプロピルベンゾチアゾー テトラスルフィド、3-トリエトキシシリルプ ロピルメタクリレートモノスルフィド、3-ト メトキシシリルプロピルメタクリレートモ スルフィドなどのスルフィド系、3-メルカ トプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプ トプロピルトリエトキシシラン、2-メルカプ エチルトリメトキシシラン、2-メルカプト チルトリエトキシシランなどのメルカプト 、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ トキシシランなどのビニル系、3-アミノプロ ピルトリエトキシシラン、3-アミノプロピル リメトキシシラン、3-(2-アミノエチル)アミ プロピルトリエトキシシラン、3-(2-アミノ チル)アミノプロピルトリメトキシシランな のアミノ系、γ-グリシドキシプロピルトリ トキシシラン、γ-グリシドキシプロピルト メトキシシラン、γ-グリシドキシプロピル チルジエトキシシラン、γ-グリシドキシプ ピルメチルジメトキシシランなどのグリシ キシ系、3-ニトロプロピルトリメトキシシ ン、3-ニトロプロピルトリエトキシシランな どのニトロ系、3-クロロプロピルトリメトキ シラン、3-クロロプロピルトリエトキシシ ン、2-クロロエチルトリメトキシシラン、2- ロロエチルトリエトキシシランなどのクロ 系などがあげられ、これらのシランカップ ング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組 み合わせて用いてもよい。なかでも、ビス-(3 -トリエトキシシリルプロピル)-テトラスルフ ィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル) スルフィドなどが好適に用いられる。

 シランカップリング剤を配合する場合、 ランカップリング剤の含有量は、加工性お び発熱性に優れる点から、シリカ(C3)100重量 部に対して6重量部以上が好ましく、8重量部 上がより好ましい。また、シランカップリ グ剤の含有量は、シランカップリング剤を 剰に配合すると、余剰カップリング剤が硫 を放出し、ゴムを過剰に架橋するため破断 度が低下し、また、コストも高くなる点か 、シリカ(C3)100重量部に対して12重量部以下 好ましく、10重量部以下がより好ましい。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物( C)は、さらに(C4)マイカ(雲母)を含有すること できる。

 マイカ(C4)としては、マスコバイト(白雲 )、フロゴバイト(金雲母)、バイオタイト(黒 母)などがあげられ、単独で用いてもよく、 2種以上を組み合わせて用いてもよい。なか も、他のマイカより扁平率が大きく、空気 断効果に優れることから、フロゴバイトが ましい。

 マイカ(C4)の平均粒子径は、耐空気透過性 の充分な改善効果が得られるという点から、 40μm以上が好ましく、45μm以上がより好まし 。また、マイカの平均粒子径はマイカを起 とした亀裂の発生や、インナーライナーの 曲疲労による割れを抑えるという点から、10 0μm以下が好ましく、70μm以下がより好ましい 。ここで、マイカの平均粒子径とは、マイカ の長径の平均値をいう。

 マイカ(C4)のアスペクト比は、充分な耐空 気透過性の改善効果が得られるという点から 、50以上が好ましく、55以上がより好ましい また、マイカ(C4)のアスペクト比は、充分な 度を維持し、マイカの割れの発生を抑える とができるという点から、100以下が好まし 、70以下がより好ましい。ここでアスペク 比とは、マイカにおける最大長径と厚さの (最大長径/厚さ)のことをいう。

 本発明で使用するマイカ(C4)は、湿式粉砕 、乾式粉砕などの粉砕方法によって得ること ができる。湿式粉砕はきれいな表面ができ、 耐空気透過性の改善効果がやや高い。また、 乾式粉砕は製造工程が簡単でコストが安いと いうそれぞれの特徴がある。それぞれのケー スにより、使い分けることが好ましい。

 マイカ(C4)の含有量は、インナーライナー として充分な耐空気透過性、発熱性および耐 亀裂成長性が得られ、シート平坦性(加工性) 優れるという点から、ゴム成分(C1)100重量部 に対して10重量部以上が好ましく、30重量部 上がより好ましい。また、マイカ(C4)の含有 は、得られたゴム組成物の引き裂き強度を 持し、クラックの発生を抑えるという点か 、ゴム成分(C1)100重量部に対して50重量部以 が好ましく、45重量部以下がより好ましく 40重量部以下がさらに好ましい。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物( C)は、前記ゴム成分(C1)、特定のカーボンブラ ック(C2)、シリカ(C3)およびマイカ(C4)以外にも 、タイヤ工業において一般的に使用される配 合剤、たとえば、硫黄などの加硫剤、加硫促 進剤、酸化亜鉛、老化防止剤、アロマオイル 、ミネラルオイル、粘着レジン、ワックス、 ステアリン酸、瀝青炭(オースチンブラック) 炭酸カルシウムなどを適宜配合することが きる。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物(C) 、破断強度に優れるという点から、70℃で 定した複素弾性率E * が2.5MPa以上であることが好ましく、2.7MPa以上 であることがより好ましい。また、インナー ライナー用ゴム組成物(C)は、転がり抵抗の低 減効果に優れるという点から、70℃で測定し 複素弾性率E * が5.0MPa以下であることが好ましく、4.5MPa以下 であることがより好ましい。

 本発明のインナーライナー用ゴム組成物( C)は、70℃で測定した損失正接tanδが低いほど 好ましいが、通常下限値は0.05である。また インナーライナー用ゴム組成物(C)は、転が 抵抗の低減効果に優れるという点から、70℃ で測定した損失正接tanδが0.185以下であるこ が好ましく、0.150以下であることがより好ま しく、0.12以下であることがさらに好ましい

 ここで、70℃で測定した複素弾性率E * および損失正接tanδとは、粘弾性スペクトロ ータを用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期 10%および動歪2%の条件下で測定した、複素 性率(E * )および損失正接(tanδ)をいう。

 本発明のタイヤは、本発明のサイドウォ ル用ゴム組成物(A)をサイドウォールに、ケ スコード被覆用ゴム組成物(B)をケースのコ ド被覆に、インナーライナー用ゴム組成物( C)をインナーライナーに用いて、通常の方法 よって製造される。すなわち、本発明のサ ドウォール用ゴム組成物(A)およびインナー イナー用ゴム組成物(C)を、未加硫の段階で れぞれサイドウォール、インナーライナー 形状に合わせて押し出し加工し、ケースコ ド被覆用ゴム組成物(B)でケースコードを被 してケースを成形し、タイヤ成型機上で他 タイヤ部材とともに貼りあわせ、未加硫タ ヤを形成する。この未加硫タイヤを加硫機 で加熱加圧することによって本発明のタイ を製造できる。

 また、高内圧(700~1000kPa(7~10kgf/cm 2 ))のタイヤではサイドウォール部の複素弾性 E * を低減させても転がり抵抗には影響が少ない が、低内圧(300kPa以下)で使用されるタイヤで サイドウォール部のたわみ、つまり複素弾 率E * が転がり抵抗に影響するという点から、本発 明のタイヤは低内圧(300kPa以下)で使用される 用車用タイヤおよびライトトラック用タイ として好適に用いることができる。

 実施例にもとづいて、本発明を具体的に 明するが、本発明はこれらのみに限定され ものではない。

 実施例および比較例で使用した各種薬品に いて、まとめて説明する。
天然ゴム(NR):RSS#3
変性ブタジエンゴム(変性BR):日本ゼオン(株) のNipol BR1250H(変性BR、リチウム開始剤:リチ ム、スズ原子の含有量:250ppm、Mw/Mn:1.5、ビニ 結合量:10~13重量%)
ブタジエンゴム(BR):宇部興産(株)製のBR150B
エポキシ化天然ゴム(ENR):クンプーランガスリ ー製のENR25(エポキシ化率:25モル%)
乳化重合スチレンブタジエンゴム(E-SBR):JSR(株 )製のSBR1502
溶液重合変性スチレンブタジエンゴム(変性S- SBR):JSR(株)製のHPR340(結合スチレン量:10重量%、 アルコキシルシランでカップリングし、末端 に導入)
ブチル系ゴム:エクソンモービル(有)製のHT-106 6(塩素化ブチルゴム)
カーボンブラック1:キャボットジャパン(株) のショウブラックN550(N 2 SA:41m 2 /g)
カーボンブラック2:東海カーボン(株)製のシ ストV(N660、N 2 SA:27m 2 /g)
カーボンブラック3:キャボットジャパン(株) のショウブラックN330(N 2 SA:79m 2 /g)
シリカ1:ローディア社製のZ115Gr(N 2 SA:112m 2 /g)
シリカ2:デグッサ社製のウルトラジル360(N 2 SA:54m 2 /g)
マイカ:(株)レプコ製のフロコバイトS-200HG(平 粒子径:50μm、アスペクト比:55)
酸化亜鉛:東邦亜鉛(株)製の銀嶺R
ステアリン酸:日本油脂(株)製の椿
アロマオイル:(株)ジャパンエナジー製のプロ セスX-140
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラ ック6C(N-(1,3-ジメチルブチル)-N-フェニル-p-フ ニレンジアミン)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノッ クワックス
硫黄:鶴見化学工業(株)製の5%オイル処理粉末 黄
不溶性硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミサル ファー(二硫化炭素による不溶物60%、オイル 10%)
加硫促進剤CZ:大内新興化学工業(株)製のノク ラーCZ(N-シクロヘキシル-2-ベンゾチアゾリ スルフェンアミド)
加硫促進剤DM:大内新興化学工業(株)製のノク ラーDM(ジ-2-ベンゾチアゾリルジスルフィド)
加硫促進剤TBZTD:フレキシス社製のTBZTD(テトラ ベンジルチウラムジスルフィド)

製造例1~5(サイドウォール用ゴム組成物)
 表1に示す配合処方にしたがい、バンバリー ミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以 外の薬品を添加し、最高温度が165℃の条件下 で5分間混練りし、混練り物を得た。その後 得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を 加し、2軸オープンロールを用いて、最高温 が97℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴ 組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物 金型にてシート状に圧延し、170℃の条件下 12分間プレス加硫することにより、製造例1~ 5(SW1~5)の加硫ゴムシートを作製した。

製造例6~9(ケースコード被覆用ゴム組成物)
 表2に示す配合処方にしたがい、バンバリー ミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以 外の薬品を添加し、最高温度が165℃の条件下 で5分間混練りし、混練り物を得た。その後 得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を 加し、2軸オープンロールを用いて、最高温 が97℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴ 組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物 金型にてシート状に圧延し、170℃の条件下 12分間プレス加硫することにより、製造例6~ 9(CA1~4)の加硫ゴムシートを作製した。

製造例10~17(インナーライナー用ゴム組成物)
 表3に示す配合処方にしたがい、バンバリー ミキサーを用いて、硫黄および加硫促進剤以 外の薬品を添加し、最高温度が165℃の条件下 で5分間混練りし、混練り物を得た。その後 得られた混練物に硫黄および加硫促進剤を 加し、2軸オープンロールを用いて、最高温 が97℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴ 組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物 金型にてシート状に圧延し、170℃の条件下 12分間プレス加硫することにより、製造例10 ~17(IL1~8)の加硫ゴムシートを作製した。

(粘弾性試験)
 粘弾性スペクトロメータVES((株)岩本製作所 )を用いて、温度70℃、周波数10Hz、初期歪10% および動歪2%の条件下で、加硫ゴム組成物の 素弾性率(E * )および損失正接(tanδ)を測定した。サイドウ ール、ケース、インナーライナー用ゴム組 物ではE * が低いほど転がり抵抗が低いことを示す。tan δが小さいほど、転がり抵抗が低減され、低 費性に優れることを示す。

(引張試験)
 前記加硫ゴム組成物から、所定のサイズの 硫ゴム試験片を切り出し、JIS K 6251「加硫 ム及び熱可塑性ゴム-引張特性の求め方」に 準じて、各配合の破断時伸び(EB)を測定した なお、EBが大きいほど、破断伸び、亀裂が生 成した後の割れ成長性を抑えられることを示 す。

 以上の評価結果を表1~3に示す。

実施例1~10および比較例1~8
 製造例1~5の未加硫サイドウォール用ゴム組 物はサイドウォールの形状に、製造例6~9の 加硫ケースコード被覆用ゴム組成物はコー (帝人(株)製のポリエステルコード)を被覆し てケースの形状に、製造例10~17の未加硫イン ーライナー用ゴム組成物はインナーライナ の形状に成形し、表4に示す組み合わせで他 のタイヤ部材とともに貼り合わせて実施例1~1 0および比較例1~8の未加硫タイヤを形成し、17 0℃の条件下で12分間プレス加硫することによ り、試験用タイヤ(サイズ:195/65R15 GTO65、乗用 車用夏用タイヤ)を製造した。

(転がり抵抗性)
 転がり抵抗試験機を用いて、リムサイズ(15 6JJ)、タイヤ内圧(200kPa)、荷重(4.41kN)、速度(80 km/h)の条件下における前記試験用タイヤの転 り抵抗を測定した。そして、比較例1のタイ ヤの転がり抵抗指数を100とし、下記計算式に より、各配合の転がり抵抗を指数表示した。 なお、転がり抵抗指数が小さいほど、転がり 抵抗が低減されており、転がり抵抗性能が良 好であることを示す。
  (転がり抵抗指数)=(各配合の転がり抵抗)/( 較例1の転がり抵抗)×100

(ドラム耐久性指数)
 JIS規格の最大荷重(最大内圧条件)の230%荷重 条件で、タイヤを速度20km/hでドラム走行さ 、サイドウォール部の耐久性は、ケースコ ドとサイドウォールの界面の破壊がサイド ォールゴム中を伸展し、セパレーションに 長するまでの走行距離(サイドウォール部の 膨れ発生までの走行距離)を測定し、比較例1 タイヤの走行距離を100とし、以下の計算式 より、各配合の走行距離をそれぞれ指数(ド ラム耐久性指数)表示した。サイドウォール に直径5cm以上の円または半円状の膨れ、あ いはサイドウォール部にやぶれ穴が発生し 時点をサイドウォールの膨れ発生とした。 お、ドラム耐久性指数が大きいほど、サイ ウォール部の耐久性が優れ、良好であるこ を示す。一般に、EBが大きく、tanδが小さけ ばセパレーションは発生し難い。インナー イナーには、セパレーションが伸展しない 、そのtanδはサイドウォール部分の温度に 響するため、ケース、サイドウォールに次 で耐久性に関与する。
  (ドラム耐久性指数)=(各配合の走行距離)/( 較例1の走行距離)×100
 以上の評価結果を表4に示す。

 本発明によれば、所定のゴム組成物から るサイドウォール、ケースおよびインナー イナーを組み合わせてタイヤにすることで 転がり抵抗の低減とタイヤの強度の向上を 立させたタイヤを提供することができる。