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Patent Searching and Data


Title:
TONER BINDER AND TONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/011301
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a toner binder which is excellent in both low-temperature fixability and blocking resistance. Also disclosed is a toner using such a toner binder. Specifically disclosed is a toner binder characterized by containing a polyester resin (A) described below. A polyester resin (A) obtained by polycondensing a polyol component (x) and a polycarboxylic acid component (y). The polycarboxylic acid component (y) contains not less than 70% by mole of terephthalic acid, isophthalic acid and/or their lower alkyl ester (wherein the alkyl group has 1-4 carbon atoms) or hydroxyalkyl ester (wherein the alkyl group has 1-4 carbon atoms). The polyol constituting the polyester resin (A) is composed of at least 80-99.99% by mole of 1,2-propylene glycol and 0.01-11% by mole of neopentyl glycol.

Inventors:
NAKASHIMA YUYA (JP)
KOIKE MASANORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062564
Publication Date:
January 22, 2009
Filing Date:
July 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANYO CHEMICAL IND LTD (JP)
NAKASHIMA YUYA (JP)
KOIKE MASANORI (JP)
International Classes:
G03G9/087; C08G63/181; G03G9/08; G03G9/097
Domestic Patent References:
WO2007072886A12007-06-28
WO2006095901A12006-09-14
Foreign References:
JPH08106230A1996-04-23
JP2007146120A2007-06-14
JP2002229257A2002-08-14
JP2007127928A2007-05-24
JP2000075545A2000-03-14
JP2007070623A2007-03-22
Attorney, Agent or Firm:
FURUTANI, Shinya (1-27 Dojima 2-chome,Kita-k, Osaka-shi Osaka 03, JP)
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Claims:
 下記ポリエステル樹脂(A)を含有することを特徴とするトナーバインダー:
ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)とが重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)であって、
(y)中にその70モル%以上の、テレフタル酸、イソフタル酸、および/またはそれらの低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数:1~4)もしくはヒドロキシアルキルエステル(アルキル基の炭素数:1~4)を含有し、かつ、
(A)を構成するポリオール中、少なくとも、
その80~99.99モル%が1,2-プロピレングリコールで、かつ、
その0.01~11モル%がネオペンチルグリコールであるポリエステル樹脂(A)。
 前記ポリエステル樹脂(A)において、ポリカルボン酸成分(y)中に、さらに、炭素数4~18のアルカンジカルボン酸、および/または、3~6価の炭素数9~20の芳香族ポリカルボン酸もしくはその酸無水物を含有する請求項1記載のトナーバインダー。
 ポリエステル樹脂(A)が、チタン含有触媒(t)の存在下、ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)とが重縮合されて得られたものである請求項1または2記載のトナーバインダー。
 請求項1~3のいずれか記載のトナーバインダーと、着色剤、並びに、必要により、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から選ばれる1種以上の添加剤、を含有するトナー。
 カラープリンター用である請求項4記載のトナー。
Description:
トナーバインダー及びトナー

 本発明は電子写真法、静電記録法や静電 刷法等において、静電荷像または磁気潜像 現像に用いられる乾式トナー用として有用 、ポリエステル樹脂を含有するトナーバイ ダーおよびそれをバインダーとして用いた ナーに関する。

 低温定着性が優れ、かつトナー製造時の樹 の粉砕性が良好なトナー用樹脂として、1,2- プロピレングリコール等の特定のモル平均凝 集エネルギーを有するポリオール成分を用い て得られる、150℃における特定の貯蔵弾性率 を有するポリエステル樹脂の1種以上、から るトナーバインダーが知られている(特許文 1参照)。

特開2006-154686号公報

 しかしながら、上記トナーバインダーで 、低温定着性と耐ブロッキング性、特に高 高湿環境下での保存安定性に関係する耐ブ ッキング性、の両立のさらなる向上という 望に対しては必ずしも十分ではなかった。

 そこで、本発明は、低温定着性と耐ブロ キング性の何れにも優れたトナーバインダ およびトナーを提供することを目的とする

 本発明者らは、これらの問題点を解決する く鋭意検討した結果、本発明に到達した。
 すなわち本発明は、下記ポリエステル樹脂( A)を含有することを特徴とするトナーバイン ー:
ポリオール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)と が重縮合されてなるポリエステル樹脂(A)であ って、
(y)中にその70モル%以上の、テレフタル酸、イ ソフタル酸、および/またはそれらの低級ア キルエステル(アルキル基の炭素数:1~4)もし はヒドロキシアルキルエステル(アルキル基 炭素数:1~4)を含有し、かつ、
(A)を構成するポリオール中、少なくとも、
その80~99.99モル%が1,2-プロピレングリコール 、かつ、
その0.01~11モル%がネオペンチルグリコールで るポリエステル樹脂(A);並びに、このトナー バインダーと、着色剤、並びに、必要により 、離型剤、荷電制御剤、および流動化剤から 選ばれる1種以上の添加剤、を含有するトナ ;である。

 本発明のトナーバインダー、およびそれ 用いたトナーは、耐ブロッキング性、およ 低温定着性のいずれにも優れ、耐ホットオ セット性も良好である。また、スズ化合物 触媒として使用しない場合でも、良好な樹 性能を有する。

 本発明のトナーバインダー中に含有される リエステル樹脂(A)は、ポリオール成分(x)と リカルボン酸成分(y)とが重縮合されて得ら たものである。
 ポリオール成分(x)中には、1,2-プロピレング リコールとネオペンチルグリコールを必須成 分として含有する。なお、後述のように、テ レフタル酸および/またはイソフタル酸の1,2- ロピレングリコールジエステルを用いる場 は、必ずしも1,2-プロピレングリコールを用 いる必要はない。

 得られるポリエステル樹脂(A)を構成するポ オール中の1,2-プロピレングリコールの含有 量は、通常80~99.99モル%、好ましくは85~99.98モ %である。また、ネオペンチルグリコールの 含有量は、通常0.01~11モル%、好ましくは0.02~10 モル%、さらに好ましくは0.02~3モル%である。
 1,2-プロピレングリコールの含有量が80モル% 未満であると、樹脂強度が低下し、低温定着 性も低下する。1,2-プロピレングリコールの 有量が99.99モル%を越えるか、あるいはネオ ンチルグリコールの含有量が0.01モル%未満の 場合、高温高湿環境下での耐ブロッキング性 が低下する。また、ネオペンチルグリコール の含有量が11モル%を越えると低温定着性が低 下する。1,2-プロピレングリコールの含有量 85~99.98モル%で、かつネオペンチルグリコー の含有量が0.02~3モル%であると、耐ブロッキ グ性と定着温度幅のバランスが特に良好で る。
 なお、上記の含有量は、ポリエステル樹脂( A)を構成するポリオール中の含有量を意味し ポリオール成分(x)のうちで、重縮合反応中 系外に留去されるものは除き、かつテレフ ル酸および/またはイソフタル酸の1,2-プロ レングリコールジエステルに由来する1,2-プ ピレングリコールも含めた量である。ポリ ール成分(x)のうちで、重縮合反応中に系外 留去されるものが無い場合は、(A)を構成す ポリオール成分中の各ポリオールの含有量( モル%)と(x)中に含有するポリオール成分中の ポリオールの含有量(モル%)は等しくなる。 縮合反応中に系外に留去されるものがある 合は、そのポリオールについては、(A)を構 するポリオールよりも、留去される分だけ 剰量用いる。留去されるポリオールが1,2-プ ロピレングリコールの場合は、(x)中に(A)中の 量に対して、例えば、120~500モル%用いる。

 ポリオール成分(x)中には、必要により、1,2- プロピレングリコールとネオペンチルグリコ ール以外の1種以上の他のポリオールを含有 てもよい。他のポリオールとしては、ジオ ル、および3~8価もしくはそれ以上のポリオ ルが挙げられる。
 ポリオールのうちジオールとしては、1,2-プ ロピレングリコールとネオペンチルグリコー ル以外の炭素数2~36のアルキレングリコール( チレングリコール、1,3-プロピレングリコー ル、1,4-ブタンジオール、および1,6-ヘキサン オール等);炭素数4~36のアルキレンエーテル リコール(ジエチレングリコール、トリエチ レングリコール、ジプロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、ポリプロピレング リコール、およびポリテトラメチレンエーテ ルグリコール等);炭素数6~36の脂環式ジオール (1,4-シクロヘキサンジメタノール、および水 添加ビスフェノールA等);上記脂環式ジオー の(ポリ)オキシアルキレン(アルキレン基の 素数2~4、以下のポリオキシアルキレン基も じ)エーテル〔オキシアルキレン単位(以下AO 単位と略記)の数1~30〕;および2価フェノール 単環2価フェノール(例えばハイドロキノン) およびビスフェノール類(ビスフェノールA、 ビスフェノールFおよびビスフェノールS等)〕 のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の数 2~30)等が挙げられる。

 3価~8価もしくはそれ以上のポリオールと ては、炭素数3~36の3価~8価もしくはそれ以上 の脂肪族多価アルコール(アルカンポリオー およびその分子内もしくは分子間脱水物、 えばグリセリン、トリメチロールエタン、 リメチロールプロパン、ペンタエリスリト ル、ソルビトール、ソルビタン、ポリグリ リン、およびジペンタエリスリトール;糖類 よびその誘導体、例えばショ糖およびメチ グルコシド);上記脂肪族多価アルコールの( リ)オキシアルキレンエーテル(AO単位の数1~3 0);トリスフェノール類(トリスフェノールPA等 )のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位の 2~30);ノボラック樹脂(フェノールノボラック よびクレゾールノボラック等、平均重合度3 ~60)のポリオキシアルキレンエーテル(AO単位 数2~30)等が挙げられる。

 ジオールで好ましいものは、炭素数2~12のア ルキレングリコール、ビスフェノール類のポ リオキシアルキレンエーテル(AO単位の数2~30) よびこれらの併用であり、さらに好ましい のは、ビスフェノールAのポリオキシアルキ レンエーテル(アルキレン基の炭素数2および/ または3、AO単位の数2~8)、炭素数2~12のアルキ ングリコール(とくにエチレングリコール) およびこれらの併用である。
 3価~8価もしくはそれ以上のポリオールで好 しいものは、炭素数3~36の3~8価もしくはそれ 以上の脂肪族多価アルコール、およびノボラ ック樹脂のポリオキシアルキレンエーテル(AO 単位の数2~30)であり、さらに好ましいものは ボラック樹脂のポリオキシアルキレンエー ル(AO単位の数2~30)である。
 これらのうち、他のポリオールとして、と に好ましいものは、ノボラック樹脂のポリ キシアルキレンエーテル(アルキレン基の炭 素数2および/または3、AO単位の数2~30)である
 これらの1,2-プロピレングリコールとネオペ ンチルグリコール以外のポリオールのポリエ ステル樹脂(A)中の含有量は、好ましくは18モ %以下、さらに好ましくは0.01~15モル%である

 本発明においては、ポリエステル樹脂(A)の 料のポリカルボン酸成分(y)中に、テレフタ 酸、イソフタル酸、および/またはそれらの 低級アルキルエステル(アルキル基の炭素数:1 ~4)(y1)を必須成分として含有する。なお、低 アルキルエステルは、ヒドロキシアルキル ステルを含む意味で用いる。
 低級アルキルエステルの具体例としては、 レフタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチ 、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸ジ チル、テレフタル酸1,2-プロピレングリコー ルジエステル等が挙げられる。これらの中で は、反応速度およびコストの点で、テレフタ ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸ジメチル 、テレフタル酸1,2-プロピレングリコールジ ステル、およびこれらの2種以上の併用が好 しい。
 (y1)中の、テレフタル酸、その低級アルキル エステル、およびそのヒドロキシアルキルエ ステルから選ばれる1種以上のテレフタル酸 はその誘導体(以下、テレフタル酸(誘導体)) 、イソフタル酸、その低級アルキルエステ 、およびそのヒドロキシアルキルエステル ら選ばれる1種以上のイソフタル酸又はその 誘導体(以下、イソフタル酸(誘導体))とのモ 比は、〔テレフタル酸(誘導体)〕:〔イソフ ル酸(誘導体)〕が、好ましくは(1~100):(99~0)、 らに好ましくは(50~99.99):(50~0.01)、とくに好 しくは(90~99.98):(10~0.02)である。
 (y1)は、得られるポリエステル樹脂のガラス 転移温度(Tg)を上げて、トナーの耐ブロッキ グ性を向上させる効果があるため、ポリカ ボン酸成分(y)に対し、70モル%以上含有する 要があり、74~95モル%の範囲で含有するのが ましい。

 ポリカルボン酸成分(y)中には、必要により (y1)以外の1種以上のポリカルボン酸を含有 てもよい。ポリカルボン酸としては、(y1)以 のジカルボン酸、および3~6価もしくはそれ 上のポリカルボン酸が挙げられる。
 (y1)以外のジカルボン酸としては、炭素数2~5 0のアルカンジカルボン酸(シュウ酸、マロン 、コハク酸、アジピン酸、レパルギン酸、 よびセバシン酸等);炭素数4~50のアルケンジ ルボン酸(ドデセニルコハク酸等のアルケニ ルコハク酸、(無水)マレイン酸、フマル酸、 トラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、お びグルタコン酸等);(y1)以外の炭素数8~36の芳 香族ジカルボン酸(ナフタレンジカルボン酸 );およびこれらの無水物または低級アルキル (炭素数1~4)エステル〔(無水)フタル酸等〕な が挙げられる。これらを単独でまたは2種以 を併用して用いることができる。
 なお、上記において、(無水)マレイン酸と 、マレイン酸および/または無水マレイン酸 意味し、以下同様の記載法を用いる。

 3~6価もしくはそれ以上のポリカルボン酸 しては、炭素数9~20の芳香族ポリカルボン酸 (トリメリット酸、およびピロメリット酸等); 炭素数6~36の脂肪族(脂環式を含む)ポリカルボ ン酸(ヘキサントリカルボン酸等);およびこれ らの無水物または低級アルキル(炭素数1~4)エ テル〔(無水)トリメリット酸、無水ピロメ ット酸等〕;(メタ)アクリル酸と必要により のビニルモノマーとの(メタ)アクリル酸(共) 合体等のポリカルボン酸重合体などが挙げ れる。

 これらの(y1)以外のポリカルボン酸のうち好 ましいものは、炭素数2~50のアルカンジカル ン酸、炭素数4~50のアルケンジカルボン酸、 素数9~20の芳香族ポリカルボン酸、およびそ れらの無水物または低級アルキルエステルで ある。
 さらに好ましいものは、炭素数4~18のアルカ ンジカルボン酸(とくにアジピン酸)、および/ または、3~6価の炭素数9~20の芳香族ポリカル ン酸(無水物)(とくに、トリメリット酸、お びその無水物)〔好ましくは各々(y)中30モル% 下、さらに好ましくは各々0.1~28モル%、とく に好ましくは各々5~25モル%〕である。

 また、本発明においては、ポリエステル 脂の特性を損なわない限り、ポリオール成 (x)およびポリカルボン酸成分(y)の合計に対 て、10モル%以下の範囲で、上記以外の他の ノマー、例えば、安息香酸、p-置換安息香 、o-置換安息香酸、酢酸、プロピオン酸、酪 酸等及びこれらのメチル、エチルエステル等 及びこれらの酸無水物等のモノカルボン酸; ンジルアルコール、p-置換ベンジルアルコー ル、o-置換ベンジルアルコール、ラウリルア コール、ミリスチルアルコール、ステアリ アルコール等のモノオール類、ε-カプロラ トン、メチルバレロラクトン等及びその開 重合物等のヒドロキシカルボン酸誘導体類 を使用することもできる。

 以上の構成成分が重縮合されてなるポリエ テル樹脂(A)の軟化温度(Tm)は、好ましくは95~ 160℃、さらに好ましくは110℃~150℃である。
 Tmを95℃以上とすることによりポリエステル 樹脂の強靭性が良好となり、一方、160℃以下 とすることによりトナーの溶融流動性および 低温定着性を良好にすることができる。なお 、上記および以下において、軟化点の測定は 島津(株)製フローテスターCFT-500を用いて、下 記条件で等速昇温し、その流出量が1/2になる 温度をもって軟化点とする。
 荷重   : 20kg
 ダイ   : 1mmφ-1mm
 昇温速度 : 6℃/min.
 測定開始温度: 80℃

 また、(A)のガラス転移温度(Tg)は、好ましく は45~75℃、さらに好ましくは50~70℃である。
 Tgを45℃以上とすることによりトナーの耐ブ ロッキング性を良好とし、75℃以下とするこ によりトナーの定着性能を良好にすること できる。なお、上記および以下において、T gはセイコー電子工業(株)製DSC20、SSC/580を用い て、ASTM D3418-82に規定の方法(DSC法)で測定さ る。

 ポリエステル樹脂(A)のテトラヒドロフラン( THF)可溶分の数平均分子量(以下Mnと記載)は、 存性及び低温定着性の観点等から、1,000~10,0 00が好ましく、さらに好ましくは1,500~9,000で る。
 (A)のTHF可溶分のピークトップ分子量(以下Mp 記載)は、耐久性の観点等から、2000~20000が ましく、さらに好ましくは3000~15000である。

 また、ポリエステル樹脂(A)中の分子量1500 以下の成分の比率は、1.8%以下が好ましく、 らに好ましくは1.5%以下である。分子量1500以 下の成分の比率が1.8%以下になることで、耐 ロッキング性がより良好となる。上記およ 以下において%は、とくに断りのない限り、 量%を意味する。

 本発明おいて、ポリエステル樹脂の、Mp、Mn 、および分子量1500以下の成分の比率は、ゲ パーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を 用いて以下の条件で測定される。
 装置(一例) : 東ソー(株)製 HLC-8120
 カラム(一例): TSK GEL GMH6 2本 〔東ソー(株 )製〕
 測定温度   : 40℃
 試料溶液   : 0.25%のTHF(テトラヒドロフラ )溶液
 溶液注入量  : 100μl
 検出装置   : 屈折率検出器
 基準物質   : 東ソー製 標準ポリスチレ (TSKstandard POLYSTYRENE)12点(分子量 500 1050 2800 5970 9100 18100 37900 96400 190000 355000 1090000 2 890000)
 得られたクロマトグラム上最大のピーク高 を示す分子量をピークトップ分子量(Mp)と称 する。さらに分子量1500で分割したときのピ ク面積の比率で低分子量物の存在比を評価 る。また、分子量の測定は、ポリエステル 脂をTHFに溶解し、不溶解分をグラスフィル ーでろ別したものを試料溶液とする。

 本発明においてポリエステル樹脂(A)は、通 のポリエステル製造法と同様にして製造す ことができる。例えば、不活性ガス(窒素ガ ス等)雰囲気中で、反応温度が好ましくは150~2 80℃、さらに好ましくは160~260℃、とくに好ま しくは170~240℃で反応させることにより行う とができる。また反応時間は、重縮合反応 確実に行う観点から、好ましくは30分以上、 とくに2~40時間である。
 また、脂肪族ジオール成分の一部、または リカルボン酸の低級アルキルエステルに由 する炭素数1~4のアルコールを系外に留出除 させながら重縮合を行ってもよい。
 さらに反応末期の反応速度を向上させるた に減圧することも有効である。

 このとき、エステル化触媒を使用するのが ましい。エステル化触媒の例には、スズ含 触媒(例えばジブチルスズオキシド、ジオク チルスズオキシド、ジオクチルスズジラウレ ート)、アンチモン含有触媒(例えば三酸化ア チモン)、チタン含有触媒(t)(後述)、ジルコ ウム含有触媒(例えば酢酸ジルコニル)、ニ ケル含有触媒(例えばニッケルアセチルアセ ナート)、アルミニウム含有触媒(例えば水 化アルミニウム、アルミニウムトリイソプ ポキシド)、および酢酸亜鉛、酢酸マンガン が挙げられる。これらの中では、反応性と 境衛生の点から、チタン、アンチモン、ジ コニウム、ニッケル、及びアルミニウムか 選ばれる1種以上の金属を含有する触媒が好 ましく、ポリエステル樹脂中の低分子量成分 の量が少なくなり、且つ現像性が良好である ことから、チタン含有触媒がさらに好ましい 。
 触媒の添加量は、反応速度が最大になるよ に適宜決定することが望ましい。添加量と ては、全原料に対し、好ましくは10ppm~1.9%、 さらに好ましくは100ppm~1.7%である。添加量を1 0ppm以上とすることで反応速度が大きくなる で好ましい。

 以下にチタン含有触媒(t)について詳述する
 チタン含有触媒(t)としては、チタンテトラ トキシド等のチタンアルコキシドでもよい 、トナー化したときの帯電特性と耐ブロッ ング性の観点から、ハロゲン化チタン(t1)、 チタンジケトンエノレート(t2)、カルボン酸 タン(t3)、カルボン酸チタニル(t4)、カルボン 酸チタニル塩(t5)、下記一般式(I)または(II)で されるチタン含有化合物(t6)、および下記一 般式(III)で表されるチタン含有化合物(t7)から なる群より選ばれる少なくとも1種のチタン 有触媒(t)を用いるのがとくに好ましい。
  Ti(-X)m(-OH)n    (I)
  O=Ti(-X)p(-OR 1 )q    (II)
  Ti(-Z)r(-OR 2 )s    (III)
 式(I)および(II)中、Xは炭素数2~12のモノもし はポリアルカノールアミンから1個のOH基のH を除いた残基であり、ポリアルカノールアミ ンの場合、他のOH基が同一のTi原子に直接結 したOH基と分子内で重縮合し環構造を形成し ていてもよく、他のTi原子に直接結合したOH と分子間で重縮合し繰り返し構造を形成し いてもよい。繰り返し構造を形成する場合 重合度は2~5である。R 1 はH、または1~3個のエーテル結合を含んでい もよい炭素数1~8のアルキル基である。mは1~4 整数、nは0~3の整数、mとnの和は4である。p 1~2の整数、qは0~1の整数、pとqの和は2である mまたはpが2以上の場合、一般式(I)中または( II)中、それぞれのXは同一であっても異なっ いてもよい。
 式(III)中、R 2 はH、または1~3個のエーテル結合および/もし は1~2個の水酸基を含んでいてもよい炭素数1 ~24の炭化水素基である。Zは芳香族モノもし はポリカルボン酸から1個のカルボキシル基 Hを除いた残基であり、ポリカルボン酸の場 合、他のカルボキシル基が同一分子内のOR基 分子内で重縮合し環構造を形成していても く、または、別の分子のOR基と分子間で重 合し2~5個のTi原子を含む構造を形成していて もよい。r=1~3、s=1~3であり、rとsの和は4であ 。

 (t)の使用量としては特に限定されないが ポリエステル樹脂(A)を得るのに用いるポリ ール成分(x)とポリカルボン酸成分(y)の合計 量を基準として、下限は0.01%が好ましく、0. 02%が更に好ましく、0.03%が特に好ましく、0.05 %が最も好ましい。上限は5%が好ましく、2%が に好ましく、1.5%が特に好ましく、0.8%が最 好ましい。0.01%以上では重縮合触媒としての 作用が十分得られ、5%以下であると、触媒量 応じて高い触媒作用が得られる。また上記 媒量の範囲内であれば、得られるポリエス ル樹脂をトナーバインダーとして用いた場 のトナーの、必要な諸特性、特に低温低湿 条件下での感光体の画質がより良好となる

 (t)のうち、ハロゲン化チタン(t1)としては 特に限定されないが、例えば、ジクロロチタ ン、トリクロロチタン、テトラクロロチタン 、トリフルオロチタン、テトラフルオロチタ ン、テトラブロモチタンなどが挙げられる。

 チタンジケトンエノレート(t2)としては特 に限定されないが、例えば、チタンアセチル アセトナート、チタンジイソプロポキシドビ スアセチルアセトナート、チタニルアセチル アセトナートなどが挙げられる。これら(t2) 中ではチタンアセチルアセトナートが好ま い。

 カルボン酸チタン(t3)としては特に限定され ないが、例えば、炭素数1~32の脂肪族カルボ 酸チタン(t3-1)、炭素数7~38の芳香族カルボン チタン(t3-2)などが挙げられる。2価以上のポ リカルボン酸チタンの場合、チタンに配位す るカルボキシル基は、1個でも2個以上でもよ 、チタンに配位せず遊離のカルボキシル基 存在していてもよい。
 (t3-1)としては特に限定されないが、例えば 脂肪族モノカルボン酸チタン(t3-1a)、脂肪族 ジカルボン酸チタン(t3-1b)、脂肪族トリカル ン酸チタン(t3-1c)及び4~8価又はそれ以上の脂 族ポリカルボン酸チタン(t3-1d)などが挙げら れる。
 (t3-1a)としては特に限定されないが、例えば 、ぎ酸チタン、酢酸チタン、プロピオン酸チ タン、オクタン酸チタンなどが挙げられる。 (t3-1b)としては特に限定されないが、例えば シュウ酸チタン、コハク酸チタン、マレイ 酸チタン、アジピン酸チタン、セバシン酸 タンなどが挙げられる。(t3-1c)としては特に 定されないが、例えば、ヘキサントリカル ン酸チタン、イソオクタントリカルボン酸 タンなどが挙げられる。(t3-1d)としては特に 限定されないが、例えば、オクタンテトラカ ルボン酸チタン、デカンテトラカルボン酸チ タンなどが挙げられる。
 (t3-2)としては特に限定されないが、例えば 芳香族モノカルボン酸チタン(t3-2a)、芳香族 ジカルボン酸チタン(t3-2b)、芳香族トリカル ン酸チタン(t3-2c)及び4~8価又はそれ以上の芳 族ポリカルボン酸チタン(t3-2d)などが挙げら れる。
 (t3-2a)としては特に限定されないが、例えば 、安息香酸チタンなどが挙げられる。(t3-2b) しては特に限定されないが、例えば、フタ 酸チタン、テレフタル酸チタン、イソフタ 酸チタン、1,3-ナフタレンジカルボン酸チタ 、4,4-ビフェニルジカルボン酸チタン、2,5- ルエンジカルボン酸チタン、アントラセン カルボン酸チタンなどが挙げられる。(t3-2c) しては特に限定されないが、例えば、トリ リット酸チタン、2,4,6-ナフタレントリカル ン酸チタンなどが挙げられる。(t3-2d)として は特に限定されないが、例えば、ピロメリッ ト酸チタン、2,3,4,6-ナフタレンテトラカルボ 酸チタンなどが挙げられる。
これら(t3)の中では(t3-2)が好ましく、(t3-2b)が らに好ましい。

 カルボン酸チタニル(t4)としては特に限定さ れないが、例えば、炭素数1~32の脂肪族カル ン酸チタニル(t4-1)、炭素数7~38の芳香族カル ン酸チタニル(t4-2)などが挙げられる。2価以 上のポリカルボン酸チタニルの場合、チタン に配位するカルボキシル基は、1個でも2個以 でもよく、チタンに配位せず遊離のカルボ シル基が存在していてもよい。
 (t4-1)としては特に限定されないが、例えば 脂肪族モノカルボン酸チタニル(t4-1a)、脂肪 族ジカルボン酸チタニル(t4-1b)、脂肪族トリ ルボン酸チタニル(t4-1c)及び4~8価又はそれ以 の脂肪族ポリカルボン酸チタニル(t4-1d)など が挙げられる。
 (t4-1a)としては特に限定されないが、例えば 、ぎ酸チタニル、酢酸チタニル、プロピオン 酸チタニル、オクタン酸チタニルなどが挙げ られる。(t4-1b)としては特に限定されないが 例えば、シュウ酸チタニル、コハク酸チタ ル、マレイン酸チタニル、アジピン酸チタ ル、セバシン酸チタニルなどが挙げられる (t4-1c)としては特に限定されないが、例えば ヘキサントリカルボン酸チタニル、イソオ タントリカルボン酸チタニルなどが挙げら る。(t4-1d)としては特に限定されないが、例 えば、オクタンテトラカルボン酸チタニル、 デカンテトラカルボン酸チタニルなどが挙げ られる。
 (t4-2)としては特に限定されないが、例えば 芳香族モノカルボン酸チタニル(t4-2a)、芳香 族ジカルボン酸チタニル(t4-2b)、芳香族トリ ルボン酸チタニル(t4-2c)及び4~8価又はそれ以 の芳香族ポリカルボン酸チタニル(t4-2d)など が挙げられる。
 (t4-2a)としては特に限定されないが、例えば 、安息香酸チタニルなどが挙げられる。(t4-2b )としては特に限定されないが、例えば、フ ル酸チタニル、テレフタル酸チタニル、イ フタル酸チタニル、1,3-ナフタレンジカルボ 酸チタニル、4,4-ビフェニルジカルボン酸チ タニル、2,5-トルエンジカルボン酸チタニル アントラセンジカルボン酸チタニルなどが げられる。(t4-2c)としては特に限定されない 、例えば、トリメリット酸チタニル、2,4,6- フタレントリカルボン酸チタニルなどが挙 られる。(t4-2d)としては特に限定されないが 、例えば、ピロメリット酸チタニル、2,3,4,6- フタレンテトラカルボン酸チタニルなどが げられる。

 カルボン酸チタニル塩(t5)としては特に限 定されないが、例えば、(t4-1b)、(t4-1c)、(t4-1d) 、(t4-2b)、(t4-2c)、または(t4-2d)に挙げたカルボ ン酸チタニルの、アルカリ金属(リチウム、 トリウム、カリウムなど)塩もしくはアルカ 土類金属(マグネシウム、カルシウム、バリ ウムなど)塩〔(t5-1b)、(t5-1c)、(t5-1d)、(t5-2b)、( t5-2c)、及び(t5-2d)〕などが挙げられる。これ (t5)の中では、マレイン酸チタニル塩及びシ ウ酸チタニル塩が好ましい。

 前記一般式(I)または(II)で表される触媒(t6) おいて、Xは炭素数2~12のモノもしくはポリア ルカノールアミンから1個のOH基のH原子を除 た残基であり、窒素原子の数、すなわち、1 、2級、および3級アミノ基の合計数は、通 1~2個、好ましくは1個である。
 上記モノアルカノールアミンとしては、エ ノールアミン、およびプロパノールアミン どが挙げられる。ポリアルカノールアミン しては、ジアルカノールアミン(ジエタノー ルアミン、N-メチルジエタノールアミン、お びN-ブチルジエタノールアミンなど)、トリ ルカノールアミン(トリエタノールアミン、 およびトリプロパノールアミンなど)、およ テトラアルカノールアミン(N,N,N’,N’-テト ヒドロキシエチルエチレンジアミンなど)が げられる。
 ポリアルカノールアミンの場合、Ti原子とTi -O-C結合を形成するのに用いられるHを除いた 基となるOH基以外にOH基が1個以上存在し、 れが同一のTi原子に直接結合したOH基と分子 で重縮合し環構造を形成していてもよく、 のTi原子に直接結合したOH基と分子間で重縮 合し繰り返し構造を形成していてもよい。繰 り返し構造を形成する場合の重合度は2~5であ る。重合度が6以上の場合、触媒活性が低下 るためオリゴマー成分が増え、樹脂粒子の ロッキング性悪化の原因になる。
 Xとして好ましいものは、モノアルカノール アミン(とくにエタノールアミン)の残基、ジ ルカノールアミン(とくにジエタノールアミ ン)の残基、およびトリアルカノールアミン( くにトリエタノールアミン)の残基であり、 特に好ましいものはトリエタノールアミンの 残基である。
 R 1 はH、または1~3個のエーテル結合を含んでい もよい炭素数1~8のアルキル基である。炭素 1~8のアルキル基の具体例としては、メチル 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基 、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、 β-メトキシエチル基、およびβ-エトキシエチ ル基などが挙げられる。これらR 1 のうち好ましくは、H、およびエーテル結合 含まない炭素数1~4のアルキル基であり、さ に好ましくは、H、エチル基、およびイソプ ピル基である。

 式(I)中、mは1~4の整数であり、好ましくは2~4 の整数である。nは0~3の整数であり、好まし は0~2の整数である。mとnの和は4である。
 式(II)中、pは1~2の整数、qは0~1の整数であり pとqの和は2である。mまたはpが2以上の場合 複数存在するXは同一であっても異なってい てもよいが、すべて同一である方が好ましい 。

 チタン含有触媒(t6)のうち、一般式(I)で表さ れるものの具体例としては、チタニウムテト ラキス(モノエタノールアミネート)、チタニ ムモノヒドロキシトリス(トリエタノールア ミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(ト エタノールアミネート)、チタニウムトリヒ ドロキシトリエタノールアミネート、チタニ ウムジヒドロキシビス(ジエタノールアミネ ト)、チタニウムジヒドロキシビス(モノエタ ノールアミネート)、チタニウムジヒドロキ ビス(モノプロパノールアミネート)、チタニ ウムジヒドロキシビス(N-メチルジエタノール アミネート)、チタニウムジヒドロキシビス(N -ブチルジエタノールアミネート)、テトラヒ ロキシチタンとN,N,N’,N’-テトラヒドロキ エチルエチレンジアミンとの反応生成物、 よびこれらの分子内または分子間重縮合物 挙げられる。
 分子内または分子間重縮合物の例としては 下記一般式(I-1)、(I-2)、または(I-3)で表され 化合物などが挙げられる。

[式中、Q 1 およびQ 6 はH、または炭素数1~4のアルキル基もしくは ドロキシアルキル基である。Q 2 ~Q 5 およびQ 7 ~Q 9 は炭素数1~6のアルキレン基である。Xは炭素 2~12のモノもしくはポリアルカノールアミン ら1個のOH基のHを除いた残基である。]

 一般式(II)で表されるものの具体例として は、チタニルビス(トリエタノールアミネー )、チタニルビス(ジエタノールアミネート) チタニルビス(モノエタノールアミネート)、 チタニルヒドロキシエタノールアミネート、 チタニルヒドロキシトリエタノールアミネー ト、チタニルエトキシトリエタノールアミネ ート、チタニルイソプロポキシトリエタノー ルアミネート、およびこれらの分子内または 分子間重縮合物が挙げられる。分子内または 分子間重縮合物の例としては、下記一般式(II -1)または(II-2)で表される化合物などが挙げら れる。

[式中、Q 1 およびQ 6 はH、または炭素数1~4のアルキル基もしくは ドロキシアルキル基である。Q 2 ~Q 5 は炭素数1~6のアルキレン基である。]

 これら(t6)のうちで好ましいものは、チタ ニウムジヒドロキシビス(トリエタノールア ネート)、チタニウムジヒドロキシビス(ジエ タノールアミネート)、チタニウムモノヒド キシトリス(トリエタノールアミネート)、チ タニウムテトラキス(エタノールアミネート) チタニルヒドロキシトリエタノールアミネ ト、チタニルビス(トリエタノールアミネー ト)、チタニウムジヒドロキシビス(トリエタ ールアミネート)の分子内重縮合物〔下記(t6 1)〕もしくは分子間重縮合物〔下記(t63)〕、 タニウムモノヒドロキシトリス(トリエタノ ルアミネート)の分子内重縮合物〔下記(t62) 、およびこれらの併用であり、さらに好ま くは、チタニウムジヒドロキシビス(トリエ タノールアミネート)、チタニウムモノヒド キシトリス(トリエタノールアミネート)、そ れらの分子内重縮合物〔(t61)および(t62)〕、 くに(t61)である。

 これらのチタン含有触媒(t6)は、例えば市 販されているチタニウムジアルコキシビス( ルコールアミネート)(Dupont製など)を、水存 下で70~90℃にて反応させること、あるいは、 市販されているチタニウムアルコキシド(日 曹達株式会社製チタニウムテトライソプロ キシドなど)をアルコキシアミンと水存在下 20~90℃にて反応させること、で安定的に得 ことができる。また、重縮合物は、更に100 にて縮合水を減圧留去することで得ること できる。

 前記一般式(III)で表される触媒(t7)において R 2 はH、または1~3個のエーテル結合および/もし は1~2個の水酸基を含んでいてもよい炭素数1 ~24の炭化水素基である。炭化水素基の炭素数 は、好ましくは1~6、さらに好ましくは1~4であ る。
 炭素数1~24の炭化水素基の具体例としては、 脂肪族炭化水素基並びにエーテル結合および /もしくは水酸基を含む脂肪族炭化水素基(メ ル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロ ル基、n-ブチル基、n-ヘキシル基、n-オクチ 基、β-メトキシエチル基、β-エトキシエチ 基、およびβ-ヒドロキシエチル基など)、芳 族炭化水素基並びにエーテル結合および/も しくは水酸基を含む芳香族炭化水素基[フェ ル基;ヒドロキシフェニル基;ビスフェノール A、ビスフェノールFおよびビスフェノールSな どの炭素数2~4のEO、PO、およびBOなど〕付加物 (付加モル数1~3)から1個のOHを除いた残基など] が挙げられる。
 これらR 2 のうち好ましくは、炭素数1~6の炭化水素基で あり、さらに好ましくは、エチル基、n-プロ ル基、イソプロピル基、n-ブチル基、およ n-ヘキシル基であり、とくに好ましくは、n- ロピル基、イソプロピル基、およびn-ブチ 基である。

 Zは芳香族モノもしくはポリカルボン酸から 1個のカルボキシル基のHを除いた残基であり ポリカルボン酸の場合、Ti原子に結合し残 を形成するのと別のカルボキシル基が、同 分子内のOR 2 基{Ti原子に直接結合した水酸基(R 2 がHの場合)、アルコキシ基(R 2 が炭化水素基の場合)、またはR 2 が1~2個の水酸基を含む炭化水素基の場合の該 水酸基}と分子内で重縮合し環構造を形成し いてもよく、チタン含有触媒(a)の別の分子 OR 2 基(上記と同様)と分子間で重縮合し、複数のT i原子を含む繰り返し構造を形成していても い。
 上記芳香族カルボン酸としては、炭素数7~50 のものが好ましく、安息香酸類(安息香酸、 ラヒドロキシ安息香酸、パラメチル安息香 など)、ナフタレンモノカルボン酸などの芳 族モノカルボン酸;フタル酸類(テレフタル 、イソフタル酸、オルトフタル酸など)、ナ タレンジカルボン酸、トリメリット酸、お びピロメリット酸などの2~6価またはそれ以 の芳香族ポリカルボン酸;が挙げられる。
 芳香族ポリカルボン酸の場合、前述のよう その複数のカルボキシル基により、複数のT i原子を含む繰り返し構造を形成していても いが、この場合の1分子内のTi原子数は2~5で る。1分子内のTi原子数が6以上の場合、触媒 性が低下し好ましくない。
 Zとして好ましいものは、フタル酸類(テレ タル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸な )の残基、および安息香酸類(安息香酸、パラ ヒドロキシ安息香酸、パラメチル安息香酸な ど)の残基であり、特に好ましいものはテレ タル酸、イソフタル酸、およびオルトフタ 酸の残基である。

 式(III)中、r=1~3、s=1~3であり、rとsの和、 なわちTi原子の結合価数は4である。好まし は、r=1~2、s=2~3である。rが3を超えると触媒 性が低下し、sが3を超えると耐加水分解性が 低下し、いずれもポリエステル製造上好まし くない。rが1または2の場合、触媒活性が特に 高く好ましい。Ti原子の結合価数が4以外の場 合は、式(III)と類似の構造でも触媒活性が劣 か副反応が起き好ましくない。

 一般式(III)で表される化合物の具体例と ては、チタントリイソプロポキシベンゼン ルボキシレート、チタントリブトキシベン ンカルボキシレート、チタントリイソプロ キシテレフタレート、チタントリブトキシ レフタレート、チタントリイソプロポキシ ソフタレート、チタントリイソプロポキシ タレート、チタンジイソプロポキシジベン ンカルボキシレート、チタンジブトキシジ ンゼンカルボキシレート、チタンジイソプ ポキシジテレフタレート、チタンジブトキ ジテレフタレート、チタンジイソプロポキ ジイソフタレート、チタンジイソプロポキ ジフタレート、チタンジヒドロキシジベン ンカルボキシレート、チタンジヒドロキシ テレフタレート、チタンジヒドロキシジイ フタレート、チタンジヒドロキシジフタレ ト、およびこれらの分子内または分子間重 合物などが挙げられる。

 本発明に用いるチタン含有触媒(t7)は、ポ リエステル重合時の触媒活性の観点から、30 の水への溶解度が5g/100ml以下であることが ましく、2g/100ml以下であることがさらに好ま しく、1g/100ml以下であることがとくに好まし 。溶解度が5g/100ml以下であると、重合反応 に触媒が加水分解を受けにくく、触媒活性 持続性の観点から好ましい。

 これらのチタン含有触媒(t7)は、例えば、 市販されているチタンテトラアルコキシドと 芳香族カルボン酸を、酢酸エチル中で70~90℃ て反応させることで得ることができる。

 これらの(t)の中で好ましくは、チタンジ トンエノレート(t2)、カルボン酸チタン(t3) カルボン酸チタニル塩(t5)、一般式(I)または( II)で表されるチタン含有化合物(t6)、および 般式(III)で表されるチタン含有化合物(t7)で り、さらに好ましくはカルボン酸チタン(t3) 一般式(I)または(II)で表されるチタン含有化 合物(t6)、および一般式(III)で表されるチタン 含有化合物(t7)である。

 ポリエステル樹脂(A)を得る際の、ポリオ ル成分(x)とポリカルボン酸成分(y)の反応比 は、水酸基とカルボキシル基の当量比[OH]/[C OOR]として、好ましくは2/1~1/2、さらに好まし は1.5/1~1/1.3、とくに好ましくは1.3/1~1/1.2であ る。

 本発明のトナーバインダー中には、その 性を損なわない範囲で、トナー用樹脂とし 通常用いられる他の樹脂を含有してもよい 他の樹脂としては、例えば、Mnが1000~100万の (A)以外のポリエステル樹脂、スチレン系重合 体、スチレン-アクリル系共重合体、スチレ -ブタジエン系共重合体、ポリオレフィン樹 にビニル樹脂がグラフトした構造を有する 脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂が挙 られる。他の樹脂は、(A)とブレンドしても いし、一部反応させてもよい。他の樹脂の 有量は、好ましくは10%以下、さらに好まし は5%以下である。

 本発明のトナーは、バインダー樹脂とな 本発明のトナーバインダーを主成分として 有し、着色剤、および必要に応じて、離型 、荷電制御剤、流動化剤等の1種以上の添加 剤を含有する。

 着色剤としては、トナー用着色剤として 用されている染料、顔料等の如何なるもの 使用することができる。具体的には、カー ンブラック、鉄黒、スーダンブラックSM、 ァーストイエローG、ベンジジンイエロー、 ルベントイエロー(21,77,114など)、ピグメン イエロー(12,14,17,83など)、インドファースト レンジ、イルガシンレッド、バラニトアニ ンレッド、トルイジンレッド、ソルベント ッド(17,49,128,5,13,22,48・2など)、ディスパー レッド、カーミンFB、ピグメントオレンジR レーキレッド2G、ローダミンFB、ローダミンB レーキ、メチルバイオレットBレーキ、フタ シアニンブルー、ソルベントブルー(25,94,60,1 5・3など)、ピグメントブルー、ブリリアント グリーン、フタロシアニングリーン、オイル イエローGG、カヤセットYG、オラゾールブラ ンBおよびオイルピンクOP等が挙げられ、こ らは単独でまたは2種以上を混合して用いる とができる。また、必要により磁性粉(鉄、 コバルト、ニッケル等の強磁性金属の粉末も しくはマグネタイト、ヘマタイト、フェライ ト等の化合物)を着色剤としての機能を兼ね 含有させることができる。着色剤の含有量 、本発明のトナーバインダー100部に対して 好ましくは0.1~40部、さらに好ましくは0.5~10 である。なお、磁性粉を用いる場合は、好 しくは20~150部、さらに好ましくは40~120部で る。上記および以下において、部は重量部 意味する。

 離型剤としては、軟化点が50~170℃のものが ましく、ポリオレフィンワックス、天然ワ クス(例えばカルナウバワックス、モンタン ワックス、パラフィンワックスおよびライス ワックスなど)、炭素数30~50の脂肪族アルコー ル(例えばトリアコンタノールなど)、炭素数3 0~50の脂肪酸(例えばトリアコンタンカルボン など)およびこれらの混合物等が挙げられる 。ポリオレフィンワックスとしては、オレフ ィン(例えばエチレン、プロピレン、1-ブテン 、イソブチレン、1-ヘキセン、1-ドデセン、1- オクタデセンおよびこれらの混合物等)の(共) 重合体[(共)重合により得られるものおよび熱 減成型ポリオレフィンを含む]、オレフィン (共)重合体の酸素および/またはオゾンによ 酸化物、オレフィンの(共)重合体のマレイン 酸変性物[例えばマレイン酸およびその誘導 (無水マレイン酸、マレイン酸モノメチル、 レイン酸モノブチルおよびマレイン酸ジメ ル等)変性物]、オレフィンと不飽和カルボ 酸[(メタ)アクリル酸、イタコン酸および無 マレイン酸等]および/または不飽和カルボン 酸アルキルエステル[(メタ)アクリル酸アルキ ル(アルキルの炭素数1~18)エステルおよびマレ イン酸アルキル(アルキルの炭素数1~18)エステ ル等]等との共重合体、およびポリメチレン( えばサゾールワックス等のフィシャートロ シュワックスなど)、脂肪酸金属塩(ステア ン酸カルシウムなど)、脂肪酸エステル(ベヘ ニン酸ベヘニルなど)が挙げられる。
 なお、上記において、(メタ)アクリル酸と 、アクリル酸および/またはメタアクリル酸 意味する。

 荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3 級アミンを側鎖として含有するトリフェニル メタン系染料、4級アンモニウム塩、ポリア ン樹脂、イミダゾール誘導体、4級アンモニ ム塩基含有ポリマー、含金属アゾ染料、銅 タロシアニン染料、サリチル酸金属塩、ベ ジル酸のホウ素錯体、スルホン酸基含有ポ マー、含フッ素系ポリマー、ハロゲン置換 香環含有ポリマー、サリチル酸のアルキル 導体の金属錯体、セチルトリメチルアンモ ウムブロミド等が挙げられる。

 流動化剤としては、コロイダルシリカ、 ルミナ粉末、酸化チタン粉末、炭酸カルシ ム粉末、チタン酸バリウム、チタン酸マグ シウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ス ロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、 母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、 化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン 酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫 バリウム、炭酸バリウム等が挙げられる。

 本発明のトナーの組成比は、トナー重量 基づき、本発明のトナーバインダーが、好 しくは30~97%、さらに好ましくは40~95%、とく 好ましくは45~92%;着色剤が、好ましくは0.05~6 0%、さらに好ましくは0.1~55%、とくに好ましく は0.5~50%;添加剤のうち、離型剤が、好ましく 0~30%、さらに好ましくは0.5~20%、とくに好ま くは1~10%;荷電制御剤が、好ましくは0~20%、 らに好ましくは0.1~10%、とくに好ましくは0.5~ 7.5%;流動化剤が、好ましくは0~10%、さらに好 しくは0~5%、とくに好ましくは0.1~4%である。 た、添加剤の合計含有量は、好ましくは3~70 %、さらに好ましくは4~58%、とくに好ましくは 5~50%である。トナーの組成比が上記の範囲で ることで帯電性が良好なものを容易に得る とができる。

 本発明のトナーは、混練粉砕法、乳化転相 、重合法等の従来より公知のいずれの方法 より得られたものであってもよい。例えば 混練粉砕法によりトナーを得る場合、流動 剤を除くトナーを構成する成分を乾式ブレ ドした後、溶融混練し、その後粗粉砕し、 終的にジェットミル粉砕機等を用いて微粒 して、さらに分級することにより、体積平 粒径(D50)が好ましくは5~20μmの微粒とした後 流動化剤を混合して製造することができる なお、粒径(D50)はコールターカウンター[例 ば、商品名:マルチサイザーIII(コールター 製)]を用いて測定される。
 また、乳化転相法によりトナーを得る場合 流動化剤を除くトナーを構成する成分を有 溶剤に溶解または分散後、水を添加する等 よりエマルジョン化し、次いで分離、分級 て製造することができる。トナーの体積平 粒径は、3~15μmが好ましい。

 本発明のトナーは、必要に応じて鉄粉、 ラスビーズ、ニッケル粉、フェライト、マ ネタイトおよび樹脂(アクリル樹脂、シリコ ーン樹脂等)により表面をコーティングした ェライト等のキャリアー粒子と混合されて 気的潜像の現像剤として用いられる。トナ とキャリアー粒子との重量比は、通常1/99~100 /0である。また、キャリア粒子の代わりに帯 ブレード等の部材と摩擦し、電気的潜像を 成することもできる。

 本発明のトナーは、複写機、プリンター により支持体(紙、ポリエステルフィルム等 )に定着して記録材料とされる。支持体に定 する方法としては、公知の熱ロール定着方 、フラッシュ定着方法等が適用できる。

 以下実施例により本発明をさらに説明す が、本発明はこれに限定されるものではな 。

製造例1
[チタン含有触媒(t)の合成]
 冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な 素導入管の付いた反応槽中に、酢酸エチル1 000部とテレフタル酸800部を入れ、窒素にて液 中バブリング下、60℃まで徐々に昇温し、チ ンテトライソプロポキシド600部を滴下しな ら60℃で4時間反応させスラリー状物である 応混合物を得た。反応混合物をろ紙でろ別 40℃/20kPa・sで乾燥させることで、チタント イソプロポキシテレフタレートと未反応の レフタル酸の混合物(t-1)(チタントリイソプ ポキシテレフタレートの濃度65%)を得た。(t- 1)の水への溶解度は0.3g/100ml、さらに精製して 得たチタントリイソプロポキシテレフタレー トの水への溶解度は0.3g/100mlであった。

製造例2
[チタン含有触媒(t)の合成]
 冷却管、撹拌機及び液中バブリング可能な 素導入管の付いた反応槽中に、チタニウム イソプロポキシビス(トリエタノールアミネ ート)1617部とイオン交換水126部を入れ、窒素 て液中バブリング下、90℃まで徐々に昇温 、90℃で4時間反応(加水分解)させることで、 チタニウムジヒドロキシビス(トリエタノー アミネート)を得た。さらに、100℃にて、2時 間減圧下で反応(脱水縮合)させることで、分 内重縮合物(t-2)〔前記式(t61)〕を得た。

実施例1
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、1,2-プロピレングリコール(以下 単にプロピレングリコールと記載する)661部( 100.0モル部)、ネオペンチルグリコール0.1部(0. 01モル部)、フェノールノボラック樹脂(平均 合度5.6)のEO5.6モル付加体0.7部(0.01モル部)、 レフタル酸614部(42.5モル部)、イソフタル酸0. 1部(0.01モル部)、アジピン酸95部(7.5モル部)、 よびチタン含有触媒(t-1)0.5部を入れ、180℃ 窒素気流下に、生成する水を留去しながら12 時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温 しながら、窒素気流下に、生成する水を留去 しながら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧 下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で 却した。回収されたプロピレングリコール 296部(44.8モル部)であった。次いで180℃まで 却し、無水トリメリット酸100部(6.0モル部) 加え、密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反 させ、軟化点が145℃になった時点で取り出 、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。こ をポリエステル樹脂(A-1)とした。
 ポリエステル樹脂(A-1)のMnは4600、Mpは5300、 子量1500以下の成分の量は1.5%、Tgは61℃、Tmは 145℃であった。
 なお、( )内のモル部は相対的なモル比を意 味する(以下同様)。

実施例2
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール651部(95.1 ル部)、ネオペンチルグリコール47部(4.9モル )、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5. 6)のEO5.6モル付加体0.7部(0.01モル部)、テレフ ル酸605部(40.5モル部)、イソフタル酸0.1部(0.01 モル部)、アジピン酸94部(7.2モル部)、および タン含有触媒(t-1)0.5部を入れ、180℃で窒素 流下に、生成する水を留去しながら12時間反 応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しなが ら、窒素気流下に、生成する水を留去しなが ら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧下に反 応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却し 。回収されたプロピレングリコールは326部( 47.6モル部)であった。次いで180℃まで冷却し 無水トリメリット酸100部(5.8モル部)を加え 密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ 軟化点が143℃になった時点で取り出し、室 まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポ エステル樹脂(A-2)とした。
 ポリエステル樹脂(A-2)のMnは4400、Mpは5100、 子量1500以下の成分の量は1.4%、Tgは59℃、Tmは 143℃であった。

実施例3
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール486部(94.6 ル部)、ネオペンチルグリコール0.1部(0.01モ 部)、フェノールノボラック樹脂(平均重合度 5.6)のEO5.6モル付加体297部(5.4モル部)、テレフ ル酸440部(39.2モル部)、イソフタル酸0.1部(0.0 1モル部)、アジピン酸79部(8.0モル部)、および チタン含有触媒(t-2)0.5部を入れ、180℃で窒素 流下に、生成する水を留去しながら12時間 応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しな ら、窒素気流下に、生成する水を留去しな ら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧下に 応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却し た。回収されたプロピレングリコールは250部 (48.7モル部)であった。次いで180℃まで冷却し 、無水トリメリット酸75部(5.8モル部)を加え 密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ 軟化点が145℃になった時点で取り出し、室 まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポ エステル樹脂(A-3)とした。
 ポリエステル樹脂(A-3)のMnは4600、Mpは5400、 子量1500以下の成分の量は1.5%、Tgは61℃、Tmは 146℃であった。

実施例4
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール692部(100.0 ル部)、ネオペンチルグリコール0.1部(0.01モ 部)、テレフタル酸627部(41.5モル部)、イソフ タル酸0.2部(0.01モル部)、アジピン酸113部(8.5 ル部)、およびチタン含有触媒(t-2)0.5部を入 、180℃で窒素気流下に、生成する水を留去 ながら12時間反応させた。次いで230℃まで徐 々に昇温しながら、窒素気流下に、生成する 水を留去しながら4時間反応させ、さらに5~20m mHgの減圧下に反応させ、軟化点が98℃になっ 時点で冷却した。回収されたプロピレング コールは255部(36.8モル部)であった。次いで1 80℃まで冷却し、無水トリメリット酸106部(6.1 モル部)を加え、密閉下2時間反応後、220℃、 圧で反応させ、軟化点が145℃になった時点 取り出し、室温まで冷却後、粉砕し粒子化 た。これをポリエステル樹脂(A-4)とした。
 ポリエステル樹脂(A-4)のMnは4300、Mpは5100、 子量1500以下の成分の量は1.3%、Tgは60℃、Tmは 145℃であった。

実施例5
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール700部(99.3 ル部)、ネオペンチルグリコール7部(0.7モル )、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6 )のEO5.6モル付加体1部(0.01モル部)、テレフタ 酸650部(42.2モル部)、イソフタル酸1部(0.07モ 部)、アジピン酸1部(0.07モル部)、およびシュ ウ酸チタニルカリウム塩(シュウ酸チタン酸 リウム)0.5部を入れ、180℃で窒素気流下に、 成する水を留去しながら12時間反応させた 次いで230℃まで徐々に昇温しながら、窒素 流下に、生成する水を留去しながら4時間反 させ、さらに5~20mmHgの減圧下に反応させ、 化点が98℃になった時点で冷却した。回収さ れたプロピレングリコールは350部(49.7モル部) であった。次いで180℃まで冷却し、無水トリ メリット酸48部(2.7モル部)を加え、密閉下2時 反応後、220℃、常圧で反応させ、軟化点が1 45℃になった時点で取り出し、室温まで冷却 、粉砕し粒子化した。これをポリエステル 脂(A-5)とした。
 ポリエステル樹脂(A-5)のMnは4500、Mpは6000、 子量1500以下の成分の量は1.7%、Tgは69℃、Tmは 146℃であった。

実施例6
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、ネオペンチルグリコール7部(97.3 ル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重 度5.6)のEO5.6モル付加体1.5部(2.7モル部)、テレ フタル酸ジ(1,2-プロピレングリコール)1019部(5 322モル部)、イソフタル酸1部(8.9モル部)、お びシュウ酸チタニルカリウム塩(シュウ酸チ ン酸カリウム)0.5部を入れ、180℃で窒素気流 下に、生成する水を留去しながら12時間反応 せた。次いで230℃まで徐々に昇温しながら 窒素気流下に、生成する水を留去しながら4 時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧下に反応 せ、軟化点が98℃になった時点で冷却した 回収されたプロピレングリコールは124部(2404 モル部)であった。次いで180℃まで冷却し、 水トリメリット酸85部(652.1モル部)を加え、 閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ、 化点が145℃になった時点で取り出し、室温 で冷却後、粉砕し粒子化した。これをポリ ステル樹脂(A-6)とした。
 ポリエステル樹脂(A-6)のMnは4300、Mpは6200、 子量1500以下の成分の量は1.3%、Tgは58℃、Tmは 146℃であった。

実施例7
[ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール700部(99.3 ル部)、ネオペンチルグリコール7部(0.7モル )、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6 )のEO5.6モル付加体1部(0.01モル部)、テレフタ 酸585部(38.0モル部)、イソフタル酸65部(4.2モ 部)、およびシュウ酸チタニルカリウム塩(シ ュウ酸チタン酸カリウム)0.5部を入れ、180℃ 窒素気流下に、生成する水を留去しながら12 時間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温 しながら、窒素気流下に、生成する水を留去 しながら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧 下に反応させ、軟化点が98℃になった時点で 却した。回収されたプロピレングリコール 365部(51.8モル部)であった。次いで180℃まで 却し、無水トリメリット酸48部(2.7モル部)を 加え、密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反 させ、軟化点が145℃になった時点で取り出 、室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。こ をポリエステル樹脂(A-7)とした。
 ポリエステル樹脂(A-7)のMnは4900、Mpは6600、 子量1500以下の成分の量は1.6%、Tgは67℃、Tmは 146℃であった。

比較例1
[比較用ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール661部(100.0 ル部)、フェノールノボラック樹脂(平均重 度5.6)のEO5.6モル付加体0.7部(0.01モル部)、テ フタル酸613部(42.5モル部)、イソフタル酸0.1 (0.01モル部)、アジピン酸95部(7.5モル部)、お びチタン含有触媒(t-1)0.5部を入れ、180℃で 素気流下に、生成する水を留去しながら12時 間反応させた。次いで230℃まで徐々に昇温し ながら、窒素気流下に、生成する水を留去し ながら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧下 に反応させ、軟化点が98℃になった時点で冷 した。回収されたプロピレングリコールは2 97部(44.9モル部)であった。次いで180℃まで冷 し、無水トリメリット酸100部(6.0モル部)を え、密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応 せ、軟化点が145℃になった時点で取り出し 室温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これ ポリエステル樹脂(A’-8)とした。
 ポリエステル樹脂(A’-8)のMnは4400、Mpは5100 分子量1500以下の成分の量は1.3%、Tgは59℃、Tm は144℃であった。

比較例2
[比較用ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール649部(93.9 ル部)、ネオペンチルグリコール59部(6.1モル )、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5. 6)のEO5.6モル付加体0.7部(0.01モル部)、テレフ ル酸603部(39.9モル部)、イソフタル酸0.1部(0.01 モル部)、アジピン酸93部(5.2モル部)、および タン含有触媒(t-1)0.5部を入れ、180℃で窒素 流下に、生成する水を留去しながら12時間反 応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しなが ら、窒素気流下に、生成する水を留去しなが ら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧下に反 応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却し 。回収されたプロピレングリコールは333部( 48.2モル部)であった。次いで180℃まで冷却し 無水トリメリット酸100部(5.7モル部)を加え 密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ 軟化点が145℃になった時点で取り出し、室 まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポ エステル樹脂(A’-9)とした。
 ポリエステル樹脂(A’-9)のMnは4400、Mpは5200 分子量1500以下の成分の量は1.5%、Tgは60℃、Tm は145℃であった。

比較例3
[比較用ポリエステル樹脂の合成]
 冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた 応槽中に、プロピレングリコール700部(99.7 ル部)、ネオペンチルグリコール3部(0.3モル )、フェノールノボラック樹脂(平均重合度5.6 )のEO5.6モル付加体0.2部(0.003モル部)、テレフ ル酸250部(16.3モル部)、イソフタル酸200部(13.0 モル部)、アジピン酸70部(5.2モル部)、および タン含有触媒(t-1)0.5部を入れ、180℃で窒素 流下に、生成する水を留去しながら12時間反 応させた。次いで230℃まで徐々に昇温しなが ら、窒素気流下に、生成する水を留去しなが ら4時間反応させ、さらに5~20mmHgの減圧下に反 応させ、軟化点が98℃になった時点で冷却し 。回収されたプロピレングリコールは361部( 51.4モル部)であった。次いで180℃まで冷却し 無水トリメリット酸180部(10.2モル部)を加え 密閉下2時間反応後、220℃、常圧で反応させ 、軟化点が145℃になった時点で取り出し、室 温まで冷却後、粉砕し粒子化した。これをポ リエステル樹脂(A’-10)とした。
 ポリエステル樹脂(A’-10)のMnは4400、Mpは5900 分子量1500以下の成分の量は3.4%、Tgは54℃、T mは142℃であった。

実施例1~7、および比較例1~3
 ポリエステル樹脂(A-1)~(A-7)、および比較の リエステル樹脂(A’-8)~(A’-10)のそれぞれ100 に対して、シアニンブルーKRO(山陽色素製)8 、カルナウバワックス5部を加え下記の方法 トナー化した。
 まず、ヘンシェルミキサ[三井三池化工機( )製 FM10B]を用いて予備混合した後、二軸混 機[(株)池貝製 PCM-30]で混練した。ついで超 速ジェット粉砕機ラボジェット[日本ニュー チック工業(株)製]を用いて微粉砕した後、 流分級機[日本ニューマチック工業(株)製 MD S-I]で分級し、粒径D50が8μmのトナー粒子を得 。ついで、トナー粒子100部にコロイダルシ カ(アエロジルR972:日本アエロジル製)0.5部を サンプルミルにて混合して、本発明のトナー (T-1)~(T-7)、および比較のトナー(RT-1)~(RT-3)を得 た。
 下記評価方法で評価した評価結果を表1に示 す。

[評価方法]
〔1〕最低定着温度(MFT)
 市販複写機(AR5030;シャープ製)を用いて現像 た未定着画像を、市販複写機(AR5030;シャー 製)の定着機を用いて評価した。定着画像を ットで擦った後の画像濃度の残存率が70%以 となる定着ロール温度をもって最低定着温 とした。
〔2〕ホットオフセット発生温度(HOT)
 上記MFTと同様に定着評価し、定着画像への ットオフセットの有無を目視で評価した。 ットオフセットが発生した定着ロール温度 もってホットオフセット発生温度とした。
〔3〕耐ブロッキング性
 トナー30部とフェライトキャリア(F-150;パウ ーテック社製)800部を均一混合し、評価用の 二成分現像剤とした。この現像剤を、50℃・8 5%R.H.の高温高湿環境下で、48時間調湿した。 環境下において該現像剤のブロッキング状 を目視判定し、さらに市販複写機(AR5030:シ ープ製)でコピーした時の画質を観察した。
 判定基準
  ◎:トナーのブロッキングがなく、3000枚複 写後の画質も良好。
  ○:トナーのブロッキングはないが、3000枚 複写後の画質に僅かに乱れが観察される。
  △:トナーのブロッキングが目視でき、3000 枚複写後の画質に乱れが観察される。
  ×:トナーのブロッキングが目視でき、3000 までに画像が出なくなる。

 上記の結果から、ネオペンチルグリコー を含まない比較例1のトナーは耐ブロッキン グ性が、ネオペンチルグリコールの量が過剰 である比較例2のトナーはMFTが、ポリカルボ 酸成分(y)の組成が本願と異なる比較例3のト ーはHOTが、それぞれ実施例のトナーより明 かに劣っており、本願発明のような効果が られないことがわかる。

 本発明のトナーバインダーは、高温高湿 下においても耐ブロッキング性、低温定着 に優れ、中速~高速の複写機およびプリンタ ー用、特にカラープリンター用トナーバイン ダーおよびトナーとして有用である。




 
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