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Patent Searching and Data


Title:
TRANSFER SHEET CONTAINING INTERFERENCE FRINGE ELIMINATOR AND DECORATIVE MOLDED RESIN
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150800
Kind Code:
A1
Abstract:
A decorative molded resin which has, superposed thereon, one or more light-transmitting layers and a light-reflecting layer which is a metallic thin layer or a glossy layer.  The molded resin is prevented from having interference fringes.  In this decorative molded resin, the reflection/transmission boundary (13) which is the boundary between the light-reflecting layer and the light-transmitting layers or a transmission/transmission boundary which is the boundary between the light-transmitting layers functions as a boundary where light scattering occurs.  This light-scattering boundary has been formed by incorporating an interference fringe eliminator comprising fine particles into either of the two layers forming the boundary (into the light-transmitting layer (23) in the case of the decorative molded resin (3) shown in Fig. (6)).  Also disclosed is a transfer sheet for use in producing this decorative molded resin.

Inventors:
KASAHARA TAKUYA (JP)
MATSUMOTO ATSUMASA (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002512
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
June 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NISSHA PRINTING (JP)
KASAHARA TAKUYA (JP)
MATSUMOTO ATSUMASA (JP)
International Classes:
B44C1/17
Foreign References:
JPH10250294A1998-09-22
Attorney, Agent or Firm:
FUJIWARA, MICHIHIKO (JP)
Michihiko Fujiwara (JP)
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Claims:
基体シートの一方表面上に、単一層又は複数層の光透過層が形成され、前記光透過層の上に、金属薄膜層であって前記光透過層と前記金属薄膜層からなる積層構造体の光反射率が5%~50%である前記金属薄膜層と、艶層であって前記光透過層と前記艶層からなる積層構造体の光反射率が3%~10%である艶層からなる群より選択される一の層である光反射層が積層された転写シートにおいて、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面である反射・透過境界面又は光透過層間の境界面である透過・透過境界面を、
 前記反射・透過境界面又は前記透過・透過境界面を形成する二の層のいずれかに微細粒子よりなる干渉縞防止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴とする転写シート。
 前記干渉縞防止剤の平均粒子径が0.5μm~20μmである請求項1に記載した転写シート。
 前記光散乱を生じる境界面は、その二乗平均平方根粗さが0.1μm~5μmである請求項1に記載した転写シート。
 基体シートの一方表面上に、第一光透過層である剥離層が形成され、前記剥離層の上に第二光透過層であるアンカー層が積層され、前記アンカー層の上に光反射層である金属薄膜層が積層されていて、前記剥離層、前記アンカー層と前記金属薄膜層からなる積層構造体の光反射率が5%~50%である転写シートにおいて、
 前記金属薄膜層と前記アンカー層の境界面である反射・透過境界面を、
 前記アンカー層に微細粒子よりなる干渉縞防止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴とする転写シート。
 基体シートの一方表面上に、光透過層である剥離層が形成され、前記剥離層の上に艶層が積層されていて、前記剥離層と前記艶層からなる積層構造体の光反射率が3%~10%である転写シートにおいて、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面である反射・透過境界面を、
 前記艶層に微細粒子よりなる干渉縞防止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴とする転写シート。
樹脂成形品の最表面側に、単一層又は複数層の光透過層が形成され、前記光透過層の内側に、金属薄膜層であって前記光透過層と前記金属薄膜層からなる積層構造体の光反射率が5%~50%である前記金属薄膜層と、艶層であって前記光透過層と前記艶層からなる積層構造体の光反射率が3%~10%である艶層からなる群より選択される一の層である光反射層が積層された加飾樹脂成形品において、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面である反射・透過境界面又は光透過層間の境界面である透過・透過境界面を、
 前記反射・透過境界面又は前記透過・透過境界面を形成する二の層のいずれかに微細粒子よりなる干渉縞防止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴とする加飾樹脂成形品。
 樹脂成形品の最表面側に、第一光透過層である剥離層が形成され、前記剥離層の内側に第二光透過層であるアンカー層が積層され、前記アンカー層の内側に光反射層である金属薄膜層が積層されていて、前記剥離層、前記アンカー層と前記金属薄膜層からなる積層構造体の光反射率が5%~50%である加飾樹脂成形品において、
 前記金属薄膜層と前記アンカー層の境界面である反射・透過境界面を、
 前記アンカー層に微細粒子よりなる干渉縞防止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴とする加飾樹脂成形品。
 樹脂成形品の最表面側に、光透過層である剥離層が形成され、前記剥離層の内側に艶層が積層されていて、前記剥離層と前記艶層からなる積層構造体の光反射率が3%~10%である加飾樹脂成形品において、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面である反射・透過境界面を、
 前記艶層に微細粒子よりなる干渉縞防止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴とする加飾樹脂成形品。
Description:
干渉縞防止剤を含有する転写シ トと加飾樹脂成形品

 この発明は樹脂成形品の加飾等に用いる 写シートと加飾樹脂成形品に関する。より しくは、この発明は、金属薄膜などの加飾 段である転写シートにおいて、転写後の樹 成形品の表面に干渉縞発生を防止した転写 ートに関する。また、より詳しくは、この 明は、金属薄膜などを加飾した加飾樹脂成 品において、その表面に干渉縞発生を防止 た加飾樹脂成形品に関する。

 樹脂成形品の加飾等に用いる転写シート あって、従来、金属薄膜を加飾する転写シ トが知られている。このような転写シート 構成は、例えば、基体フィルム上に、剥離 、前アンカー層、金属薄膜層、後アンカー 、接着層が記載順に積層されている。(例え ば特許文献1参照。)また、艶感のある層(以下 、艶層という)を加飾するために用いる転写 ートも知られている。

 ここで、金属薄膜層の光反射率が特定の 範囲にある場合には、上記の転写シートを いて作成した加飾樹脂成形品に可視光を照 すると、干渉縞が見える。

 図9は金属薄膜層を含む従来の加飾樹脂成 形品における入射光、反射光を説明する断面 説明図である。加飾樹脂成形品103は、成形樹 脂131の一方表面に、接着層124、金属薄膜層126 、光透過層111が記載順序に積層されている。 可視光である入射光161は、その一部が光透過 層111の表面151で反射される。当該反射光を表 面反射光162とする。また、入射光161の一部分 は光透過層111を透過して反射・透過境界面131 に至り、その一部分が反射される。当該反射 光を界面反射光163とする。表面反射光162と界 面反射光163が干渉し、干渉縞が観察される。

 ここで、可視光は波長380nm~780nmの光を意 する。光透過層111は均質な一層であっても 複数の層であっても干渉縞が発生する。例 ば、光透過層111は剥離層と前アンカー層の2 からなる。光透過層を透かして金属薄膜層 視覚観察可能となるような光透過層であれ 、干渉縞発生の条件を満たす。

 加飾樹脂成形品103の光反射率が5~50%であ ば干渉縞が明瞭に視認される。換言すれば 光透過層111と金属薄膜層126からなる積層構 体の光反射率が5~50%であれば干渉縞が明瞭に 視認される。当該光反射率が50%を超えれば金 属薄膜層からの反射光が優勢となり干渉縞は ほぼ視認されない。当該光反射率が5%に満た ければ、金属薄膜層からの反射光が劣勢と り、干渉縞はほぼ視認されない。

 本願発明と本願明細書において、光透過 光透過率、光反射と光反射率は、波長範囲3 80nm~780nmの光に関する性質を示すものである

 加飾樹脂成形品において金属薄膜層に替 って艶層が在っても、干渉縞が発生する。 10は艶層を含む従来の加飾成形品における 射光、反射光を説明する断面説明図である 加飾樹脂成形品104は、成形樹脂131の一方表 側に艶層127と光透過層111が記載順序に積層 れている。

 可視光である入射光161は、その一部が光 過層111の表面151で反射される。当該反射光 表面反射光162とする。また、入射光161の一 分は光透過層111を透過して艶層127の表面168 至り、その一部分が反射される。当該反射 を艶層反射光164とする。表面反射光162と艶 反射光164が合わさり全体反射光165となり、 体反射光が視覚観察される。

 光透過層111の表面151から艶層127の表面168 での光学的距離の2倍が、入射・反射光の波 長の整数倍である場合に、表面反射光162と艶 層反射光164が強め合い全体反射光165は強まる 。前記光学的距離の2倍が、波長の整数倍と 波長の差がある場合、表面反射光162と艶層 射光164が打ち消し合い全体反射光165は弱ま 。

 図11は、光透過層111と艶層127が積層され 積層構造体に可視光を照射した場合の分光 射率を示すグラフである。図11(a)に示すグラ フ70は艶層が黒色の場合の分光反射率の説明 であり、図11(b)に示すグラフ80は艶層が他の 色の場合の分光反射率の説明図である。分光 反射率は波長の変化に伴い極大と極小を繰り 返す。図11(a)では、第一極大点71、第一極小 72、第二極大点73、第二極小点74等等が交互 現れる。

 極大点と極小点での反射率の値を変化値 して、可視光領域での全ての変化値の平均 0.5%以上である場合に、干渉縞が見えやすく なる。すなわち、第一極大点71での反射率と 一極小点72での反射率の差の絶対値、第一 小点72での反射率と第二極小点での反射率の 差の絶対値、第二極大点73での反射率と第二 小点74での反射率の差の絶対値、以下同様 差の絶対値を求め、これを平均した値が0.5% 上である場合に干渉縞が見えやすくなる。 11(b)に示すグラフ80にあっても、第一極大点 81、第一極小点82、第二極大点83、第二極小点 84等等があり、その変化値を求める方法も同 である。

 加飾樹脂成形品104の光反射率が3~10%であ ば干渉縞が明瞭に視認される。換言すれば 光透過層111と艶層127からなる積層構造体の 反射率が3~10%であれば干渉縞が明瞭に視認さ れる。

特開平7-68997号公報

 解決しようとする問題点は、光透過層と 反射層を加飾する転写シートにおいて、転 後の加飾樹脂成形品に干渉縞が生じる点で る。また、光透過層と光反射層が積層され 加飾樹脂成形品において、干渉縞が生じる である。

 本発明のその他の課題は、本発明の説明 より明らかになる。

 本発明の一の態様にかかる転写シートは 基体シートの一方表面上に、光透過層と光 射層が積層された転写シートにおいて、前 光透過層から反射・透過境界面の間のどこ を光散乱を生じる境界面とした転写シート ある。

 光透過層は、単一層であってもよく、複 層であってもよい。光反射層は、金属薄膜 、または艶層のいずれかである。

 金属薄膜層が選択される場合、光透過層 金属薄膜層が積層された積層構造体の光反 率は5%~50%である。ここで光反射率は、光透 層側から光を入射してその反射光を計測し 定める。実際の測定にあたっては、まず、 体シートの一方表面に光透過層を形成し、 該光透過層の上に、アンカー層を積層し、 にアンカー層の上に金属薄膜層を積層し、 に接着層を積層した転写シートを作成する 当該転写シート上の光透過層、アンカー層 金属薄膜層には干渉縞防止剤を含ませても く、含ませなくてもよい。次に、当該転写 ート上の層構成物を樹脂成形品に転写し、 の後に基体シートを取り除く。そして加飾 脂成形品の光反射率を測定する。こうして 定した光反射率の値を、光透過層と金属薄 層が積層された積層構造体の光反射率とす 。

 艶層が選択される場合、光透過層と艶層 積層された積層構造体の光反射率は3%~10%で る。ここで光反射率は、光透過層側から光 入射してその反射光を計測して定める。実 の測定にあたっては、まず、基体シートの 方表面に光透過層を形成し、当該光透過層 上に、艶層を積層し、更に艶層の上に接着 を積層した転写シートを作成する。当該転 シート上の光透過層と艶層には干渉縞防止 を含ませてもよく、含ませなくてもよい。 に、当該転写シート上の層構成物を樹脂成 品に転写し、その後に基体シートを取り除 。そして加飾樹脂成形品の光反射率を測定 る。こうして測定した光反射率の値を、光 過層と艶層が積層された積層構造体の光反 率とする。

 光散乱を生じる境界面は、光透過層間の 界面である透過・透過境界面であってもよ 。透過・透過境界面は光透過層の中に位置 る。光透過層の中に当該境界面が位置する とができるのは、光透過層が複数層からな 場合である。光散乱を生じる境界面は、光 射層と光透過層の境界面である反射・透過 界面であってもよい。

 そして、これら境界面を挟む2層のどちら か一方の層に、微細粒子よりなる干渉縞防止 剤を含ませる。

 本発明の好ましい実施態様にかかる転写 ートにおいて、前記干渉縞防止剤の平均粒 径が0.5μm~20μmであってもよい。

 本発明の他の好ましい実施態様にかかる 写シートにおいて、前記光散乱を生じる境 面は、その二乗平均平方根粗さが0.1μm~5μm あってもよい。

 本発明の好ましい他の実施態様にかかる転 シートは、
 基体シートの一方表面上に、第一光透過層 ある剥離層が形成され、前記剥離層の上に 二光透過層であるアンカー層が積層され、 記アンカー層の上に光反射層である金属薄 層が積層されていて、前記剥離層、前記ア カー層と前記金属薄膜層からなる積層構造 の光反射率が5%~50%である転写シートにおい 、
 前記金属薄膜層と前記アンカー層の境界面 ある反射・透過境界面を、
 前記アンカー層に微細粒子よりなる干渉縞 止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴と る。

 本発明の好ましいその他の実施態様にかか 転写シートは、
 基体シートの一方表面上に、光透過層であ 剥離層が形成され、前記剥離層の上に艶層 積層されていて、前記剥離層と前記艶層か なる積層構造体の光反射率が3%~10%である転 シートにおいて、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面であ 反射・透過境界面を、
 前記艶層に微細粒子よりなる干渉縞防止剤 含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴と る。

 本発明の他の態様にかかる加飾樹脂成形品 、
 樹脂成形品の最表面側に、単一層又は複数 の光透過層が形成され、前記光透過層の内 に、金属薄膜層であって前記光透過層と前 金属薄膜層からなる積層構造体の光反射率 5%~50%である前記金属薄膜層と、艶層であっ 前記光透過層と前記艶層からなる積層構造 の光反射率が3%~10%である艶層からなる群よ 選択される一の層である光反射層が積層さ た加飾樹脂成形品において、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面であ 反射・透過境界面又は光透過層間の境界面 ある透過・透過境界面を、
 前記反射・透過境界面又は前記透過・透過 界面を形成する二の層のいずれかに微細粒 よりなる干渉縞防止剤を含ませることによ 、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴と る。

 本発明の好ましい実施態様にかかる加飾樹 成形品は、
 樹脂成形品の最表面側に、第一光透過層で る剥離層が形成され、前記剥離層の内側に 二光透過層であるアンカー層が積層され、 記アンカー層の内側に光反射層である金属 膜層が積層されていて、前記剥離層、前記 ンカー層と前記金属薄膜層からなる積層構 体の光反射率が5%~50%である加飾樹脂成形品 おいて、
 前記金属薄膜層と前記アンカー層の境界面 ある反射・透過境界面を、
 前記アンカー層に微細粒子よりなる干渉縞 止剤を含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴と る。

 本発明の他の好ましい実施態様にかかる加 樹脂成形品は、
 樹脂成形品の最表面側に、光透過層である 離層が形成され、前記剥離層の内側に艶層 積層されていて、前記剥離層と前記艶層か なる積層構造体の光反射率が3%~10%である加 樹脂成形品において、
 前記光反射層と前記光透過層の境界面であ 反射・透過境界面を、
 前記艶層に微細粒子よりなる干渉縞防止剤 含ませることにより、
 光散乱を生じる境界面としたことを特徴と る。

 以上説明した本発明、本発明の好ましい 施態様、これらに含まれる構成要素は可能 限り組み合わせて実施することができる。

 本発明の転写シートは、その他の構成と もに、光透過層から反射・透過境界面の間 光散乱を生じる境界面を形成した転写シー であり、当該転写シートを使用して得られ 加飾成形品は、干渉縞の発生を抑制でき、 飾性の高いものとなる利点がある。本発明 加飾樹脂成形品は、その他の構成とともに 光透過層から反射・透過境界面の間に光散 を生じる境界面を形成したので、干渉縞の 生を抑制でき、装飾性の高いものとなる利 がある。

図1は第一転写シートの断面説明図であ る。 図2は第二転写シートの断面説明図であ る。 図3は第一加飾樹脂成形品の断面説明図 である。 図4は第二加飾樹脂成形品の断面説明図 である。 図5は第一転写シートを使用して成形同 時転写法により加飾樹脂成形品を製造する方 法の工程説明図である。 図6は第一加飾樹脂成形品における入射 光、反射光を説明する断面説明図である。 図7は艶層の表面状態を説明する説明図 であり、(a)は干渉縞防止剤を含有する艶層表 面の説明図であり(b)は干渉縞防止剤を含まな い艶層表面の説明図である。 図8は干渉縞防止剤を含む層の厚さ表現 を説明する説明図である。 図9は金属薄膜層を含む従来の加飾樹脂 成形品における入射光、反射光を説明する断 面説明図である。 図10は艶層を含む従来の加飾樹脂成形 における入射光、反射光を説明する断面説 図である。 図11は艶層を含む従来の加飾樹脂成形 からの分光反射率の説明グラフであり、(a) 黒色艶層を含む従来の加飾樹脂成形品から 分光反射率グラフであり、(b)は他の色の艶 を含む従来の加飾樹脂成形品からの分光反 率グラフである。

 以下、図面を参照して本発明の実施例に かる転写シートと加飾樹脂成形品をさらに 明する。本発明の実施例に記載した部材や 分の寸法、材質、形状、その相対位置など 、とくに特定的な記載のない限りは、この 明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のも ではなく、単なる説明例にすぎない。

 図1は本発明にかかる第一転写シート1の 面説明図である。第一転写シート1は基体シ ト21の一方の表面上に、剥離層22、アンカー 層23、金属薄膜層26と接着層24が順次積層形成 されている。剥離層22とアンカー層23はいず も光を透過する層である。剥離層22とアンカ ー層23は光透過層を形成する。

 金属薄膜層26は光反射層である。金属薄 層26は光半透過性である。

 アンカー層23と金属薄膜層26の境界面は反 射・透過境界面13である。反射・透過境界面1 3を形成する2つの層は、アンカー層23と金属 膜層26である。このうちの一の層であるアン カー層23に微細粒子よりなる干渉縞防止剤6が 含まれている。

 基体シート21は、ポリプロピレン系樹脂 ポリエチレン系樹脂、ポリアミド系樹脂、 リエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ 化ビニル系樹脂などの樹脂シート、アルミ ウム箔、銅箔などの金属箔、グラシン紙、 ート紙、セロハンなどのセルロース系シー 、あるいは以上の各シートの複合体などを 用することができる。

 剥離層22は転写後、被転写物の最表面と る層である。剥離層2の材質は、アクリル系 脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル 樹脂、セルロース系樹脂、ゴム系樹脂、ポ ウレタン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂な のほか、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体系 樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体系樹脂 どの共重合体を例示することができる。剥 層22の形成方法は、グラビアコート法、ロー ルコート法、コンマコート法、リップコート 法などのコート法、グラビア印刷法、スクリ ーン印刷法などの印刷法がある。

 アンカー層23は、剥離層22と金属薄膜層26 の密着性を向上させる層である。アンカー 23は干渉縞防止剤6を含有する。アンカー層2 3の材質は、二液性硬化ウレタン樹脂、熱硬 ウレタン樹脂、メラミン系樹脂、セルロー エステル系樹脂、塩素含有ゴム系樹脂、塩 含有ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、エポ シ系樹脂、ビニル系共重合体樹脂などを使 できる。アンカー層3の形成方法は、下記記 の干渉縞防止剤6をアンカー層材料中に混入 した後、グラビアコート法、ロールコート法 、コンマコート法、リップコート法などのコ ート法、グラビア印刷法、スクリーン印刷法 などの印刷法などがある。

 金属薄膜層26の形成方法は、真空蒸着法 スパッターリング法、イオンプレーティン 法、鍍金法などである。金属薄膜の材料は アルミニウム、ニッケル、金、白金、クロ 、鉄、銅、スズ、インジウム、銀、チタニ ム、鉛、亜鉛などの金属、これらの合金ま は化合物である。

 接着層24は、被加飾樹脂成形品の表層と 属薄膜層26を接着するものである。接着層24 材質は、従来から転写シートに使用されて る公知の樹脂を使用する。接着層24の形成 法は、従来から転写シートに採用されてい 公知の形成方法を選択すればよい。

 剥離層22、アンカー層23と金属薄膜層26か なる積層構造体の光反射率は5%~50%である。 際の測定は、基体シートの上に剥離層22、 ンカー層23と金属薄膜層26からなる積層構造 を形成し、さらに接着層を形成した転写シ トを作成し、当該転写シートを使用して加 樹脂成形品を作成する。そして当該加飾樹 成形品の光反射率を測定し、この測定値を 層構造体の光反射率とする。その他、光の 射方向などは、課題を解決する手段中で説 したと同一である。光反射率が上記範囲内 ある積層構造体を含む従来の加飾樹脂成形 が干渉縞を生じるからである。

 図3は第一加飾樹脂成形品の断面説明図で ある。第一加飾樹脂成形品3は、成形樹脂31の 一方表面に、接着層24、金属薄膜層26、アン ー層23と剥離層22が順次積層形成されている 金属薄膜層26は光反射層である。金属薄膜 26は光半透過性である。剥離層22とアンカー 23はいずれも光を透過する層である。剥離 22とアンカー層23は光透過層を形成する。

 第一加飾樹脂成形品3は、成形樹脂に第一 転写シート1を転写して製造したものであり 積層された各層は第一転写シート1と同一で る。

 第一転写シート1と同様に第一加飾樹脂成 形品3においても、アンカー層23と金属薄膜層 26の境界面は反射・透過境界面13である。反 ・透過境界面13を形成する2つの層は、アン ー層23と金属薄膜層26である。このうちの一 層であるアンカー層23に微細粒子よりなる 渉縞防止剤6が含まれている。

 図6は第一加飾樹脂成形品における入射光 、反射光を説明する断面説明図である。第一 加飾樹脂成形品3に入射光61が照射されると、 入射光の一部は表面15で反射される。当該反 光を表面反射光62とする。入射光61の一部分 は光透過層である剥離層22とアンカー層23を 過し、反射・透過境界面13に至る。反射・透 過境界面13で入射光61は散乱し、例えば、界 反射光63a、界面反射光63bと界面反射光63cの うに互いに異なる方向に進む。このため、 面反射光62と干渉す界面反射光が減少し、干 渉縞が観察されなくなる。。

 可視光領域に連続的にスペクトルを有す 太陽光に代表される光を第一加飾樹脂成形 3に照射したときに加え、可視光領域に極大 のピークを有する蛍光灯の光を照射したとき であっても、干渉縞が生じないという利点を 得ることができる。

 アンカー層材料中での干渉縞防止剤6の含 有量は、通常2重量%~10重量%で、好ましくは2 量%~5重量%である。この範囲にあると、入射 が充分に散乱し、また、アンカー層3の透明 性が損なわれないからである。

 干渉縞防止剤6の材質に特に制限はないが 、例えば、シリカ、アルミナ、炭酸カルシウ ム、硫酸バリウム等の無機物、アクリル樹脂 、ポリエチレン、ウレタン樹脂、ポリカーボ ネート、ポリアミド等の有機高分子からなる 干渉縞防止剤が挙げられる。干渉縞防止剤6 平均粒子径は、通常0.5μm~20μmであり、好ま くは0.5μm~10μmである。

 光散乱を生じる界面は、二乗平均平方根 さで0.1μm以上5μm以下であることが好ましい 。上記界面の粗さが二乗平均平方根粗さで0.1 μm未満であると入射光は十分に散乱しない。 上記界面の粗さが二乗平均平方根粗さで5μm 超えると金属薄膜層26の凹凸形状が際立って 見えるようになり、加飾樹脂成形品の装飾性 が失われる。

 図8は干渉縞防止剤を含む層の模式推定断 面図である。アンカー層23は干渉縞防止剤6粒 子の表面を取り囲む薄層の層材料231によって 、直下の層28に固定されるものと考えられる アンカー層の厚さdは層材料の厚さで表す。

 光透過層が2層以上の層から成る場合には 、光散乱を生じさせる境界面は、透過・透過 境界面であってもよい。透過・透過境界面の 一例は、剥離層22とアンカー層23の境界面で る。この場合には、剥離層22を作成する材料 に干渉縞防止剤を含有させ、塗布や印刷によ り剥離層を形成すればよい。もっとも、金属 薄膜層と直接接する反射・透過境界面を、光 散乱を起こさせる面とすることが好ましい。 金属薄膜層が形成する境界面で反射する光を 直接的に散乱させることができるので、その 結果、最も効果的に干渉縞の発生を抑えるこ とができるからである。

 続いて、艶層を含む第二転写シートと第 加飾樹脂成形品を説明する。図2は本発明に かかる第二転写シート2の断面説明図である

 第二転写シート2は基体シート21の一方表 に、剥離層22、艶層27と接着層24が順次積層 成されている。剥離層22は光を透過する層 ある。剥離層22は光透過層を形成する。艶層 27は光反射層である。

 剥離層22と艶層27の境界面は反射・透過境 界面13である。反射・透過境界面13を形成す 2つの層は、剥離層22と艶層27である。このう ちの一の層である艶層27に微細粒子よりなる 渉縞防止剤6が含まれている。反射・透過境 界面13は光散乱を起こす境界面となる。

 図4は第二加飾樹脂成形品4の断面説明図 ある。第二加飾樹脂成形品4は、成形樹脂31 一方表面に、接着層24、艶層27と剥離層22が 次積層形成されている。艶層27は光反射層で ある。剥離層22は光を透過する層である。剥 層22は光透過層を形成する。

 第二加飾樹脂成形品4は、成形樹脂に第二 転写シート2を転写して製造したものであり 積層された各層は第二転写シート2と同一で る。

 第二転写シート2と同様に第二加飾樹脂成 形品4においても、剥離層22と艶層27の境界面 反射・透過境界面13である。反射・透過境 面13を形成する2つの層は、剥離層22と艶層27 ある。このうちの一の層である艶層27に微 粒子よりなる干渉縞防止剤6が含まれている 反射・透過境界面13は光散乱を起こす境界 である。

 第二転写シート2と第二加飾樹脂成形品4 あって、艶層27の材質は、ポリビニル系樹脂 、ポリアミド系樹脂、ポリアクリル系樹脂、 ポリウレタン系樹脂、ポリビニルアセタール 系樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、セル ロースエステル系樹脂、アルキッド樹脂など の樹脂をバインダーとし、任意色の顔料また は染料を着色剤として含有する着色インキで ある。艶層を金属色にしたい場合は、アルミ ニウム、チタン、ブロンズ等の金属粒子やマ イカに酸化チタンをコーティングしたパール 顔料を用いることもできる。

 剥離層22と艶27からなる積層構造体の光反 射率は3%~10%である。実際の測定は、基体シー トの上に剥離層22艶層27からなる積層構造体 形成し、さらに接着層を形成した転写シー を作成し、当該転写シートを使用して加飾 脂成形品を作成する。そして当該加飾樹脂 形品の光反射率を測定し、この測定値を積 構造体の光反射率とする。その他、光の入 方向などは、課題を解決する手段中で説明 たと同一である。光反射率が上記範囲内に る積層構造体を含む従来の加飾樹脂成形品 干渉縞を生じるからである。

 上述の着色インキに、干渉縞防止剤を混 する。干渉縞防止剤の材質、平均粒子径、 有量などは、第一転写シートと第一加飾樹 成形品のアンカー層に関して説明した事柄 同一である。干渉縞防止剤を混合した着色 ンキを使用して艶層を形成する方法は、オ セット印刷法、グラビア印刷法、スクリー 印刷法などの通常の印刷法などを用いると い。

 図7は艶層の表面状態を説明する説明図で ある。図7(a)は干渉縞防止剤を含有する艶層 面の説明図であり、図7(b)は干渉縞防止剤を まない艶層表面の説明図である。干渉防止 を含まない場合、従来の艶層127の表面に顔 粒子271が密に整列していると考えられる。 料粒子の一例は、一次粒子径が数十nmのカ ボンブラック粒子である。密に整列した顔 粒子が光を反射して界面反射光が生じ、こ ため干渉縞が引き起こされると考えられる

 第二転写シートと第二加飾樹脂成形品に ける本発明にかかる艶層27は、干渉縞防止 6を含有している。艶層27では、干渉縞防止 6があるために顔料粒子271が密に整列できな 。このため、艶層27の表面で光の散乱が生 ると考えられる。

 本願発明にかかる加飾樹脂成形品は、転 シートを使用する転写法により製造するこ ができる。また、本願発明にかかる加飾樹 成形品は、成形樹脂の表面に順次層を形成 て製造してもよい。当該転写法の中で、最 汎用される2つの形態を述べる。

 第一の形態は、前述の転写シートを用い 出成形による成形同時転写法により加飾樹 形成品を製造する方法である。図5は第一転 写シートを使用して成形同時転写法により加 飾樹脂成形品を製造する方法の工程説明図で ある。製造工程は図5(a)、(b)、(c)、(d)、(e)の 序で進行する。なお、(c)と(d)では金型の図 を省略している。

 まず、(a)を参照して、A金型41とB金型42か なる成形用金型内に転写シート1を送り込む 。次に、(b)に示すように、A金型41とB金型42を 型締めし、溶融状態の樹脂をキャビティ43内 射出充満させ、樹脂を成形すると同時に成 樹脂の表面に転写シート1を接着させる。金 型を冷却又は自然放冷し、溶融状態の樹脂を 固化する。当該状態を(c)に示している。

 A金型41とB金型42を型開きする。型開きと 時又は型開き後に、(d)に図示したように、 離層22との境界面から基体シート21を剥がす 。そして、金型から加飾樹脂成形品3を取り す。加飾樹脂成形品を(e)に図示した。

 第二の形態は、前述の転写シートを用い 転写法により加飾樹脂成形品を製造する方 である。まず、樹脂成形品の表面に、転写 ートの接着層側を当接させる。次に、シリ ンラバーなどの耐熱ゴム状弾性体を備えた ール転写機、アップダウン転写機などの転 機を用い、耐熱ゴム状弾性体を介して転写 ートの基体シート側から熱と圧力とを加え 。当該操作により、接着層が被転写物表面 接着し、他の層も被転写物表面に転移する 冷却後に、基体シート1と剥離層2との境界 で剥離させつつ基体シートを剥がすと、転 が完了し、加飾樹脂成形品を得る。

 被転写物としては、樹脂成形品など各種 質からなるものを用いることができる。被 写物は、透明、半透明、不透明のいずれで よい。また、被転写物は、着色されていて 、着色されていなくてもよい。

<実施例1>
 基体シートであるPETフィルムの一方表面上 、メラミン樹脂を厚さ1μm全面に塗布し、そ の上に厚さ1μmの剥離層を形成し、その上に 均粒子径2μmのシリカ粒子を10重量%含有する ンカー層を厚さ1μm、アルミニウム薄膜層、 アクリル樹脂からなる接着層を厚さ3μm、グ ビア印刷法により順次形成し転写シートを た。アルミニウム薄膜層の厚さは10nmであっ 。

 次に、得られた転写シート使用して、成 同時転写法により加飾樹脂成形品を製造し 。得られた加飾樹脂成形品に三波長蛍光灯 ら可視光を照射したところ、干渉縞は観察 れなかった。

<比較例1>
 基体シートであるPETフィルムの一方表面上 、メラミン樹脂を厚さ1μm全面に塗布し、そ の上に厚さ1μmの剥離層を形成し、その上に ンカー層を1μm、アルミニウム薄膜層、アク ル樹脂からなる接着層を厚さ3μm、グラビア 印刷法により順次形成し転写シートを得た。 アルミニウム薄膜層の厚さは10nmであった。

 次に、得られた転写シート使用して、成 同時転写法により加飾樹脂成形品を製造し 。当該加飾樹脂成形品の光反射率、すなわ 、剥離層、アンカー層とアルミニウム薄膜 からなる積層構造体の光反射率は20%であっ 。得られた加飾樹脂成形品に三波長蛍光灯 ら可視光を照射したところ、その表面に干 縞が観察された。

<実施例2>
 基体シートであるPETフィルムの一方表面上 、メラミン樹脂を1μm全面に塗布し、その上 に厚さ1μmの剥離層を形成し、その上に平均 子径2μmのシリカ粒子を10重量%含有しアクリ 樹脂からなる艶層を厚さ3μm、アクリル樹脂 からなる接着層を厚さ3μmグラビア印刷法に り順次形成し転写シートを得た。

 次に、得られた転写シートを成形同時転 法に用いて加飾樹脂成形品を得た。得られ 加飾樹脂成形品は、その表面に三波長蛍光 から可視光を照射したところ、その表面に 渉縞が観察されなかった。

<比較例2>
 基体シートであるPETフィルムの一方表面上 、メラミン樹脂を1μm全面に塗布し、その上 に厚さ1μmの剥離層を形成し、その上にアク ル樹脂からなる艶層を厚さ3μm、アクリル樹 からなる接着層を厚さ3μm、グラビア印刷法 により順次形成し転写シートを得た。

 次に、得られた転写シート使用して、成 同時転写法により加飾樹脂成形品を製造し 。当該加飾樹脂成形品の光反射率、すなわ 、剥離層と艶層からなる積層構造体の光反 率は5%であった。得られた加飾樹脂成形品 三波長蛍光灯から可視光を照射したところ その表面に干渉縞が観察された。

 本発明は、携帯電話などの通信機器、自 車外装パーツ、自動車内部の情報機器、家 製品など、各種成形品において好適に用い ことができる。

 1  第一転写シート
 2  第二転写シート
 3  第一加飾樹脂成形品
 4  第二加飾樹脂成形品
 6  干渉縞防止剤
 13 反射・透過境界面
 21 基体シート
 22 剥離層
 23 アンカー層
 24 接着層
 26 金属薄膜層
 27 艶層
 41 A金型
 42 B金型
 61 入射光
 62 表面反射光
 63a、63b、63c 界面反射光
 271 顔料粒子