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Title:
TREATMENT SOLUTION FOR INK JET TEXTILE PRINTING, INK JET TEXTILE PRINTING METHOD, AND PRODUCT PRINTED BY INK JET TEXTILE PRINTING
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084600
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a treatment solution for ink jet textile printing, which is less likely to remain on a cloth when being applied on the cloth. Specifically disclosed is a treatment solution for ink jet textile printing, which is intended to be applied on a cloth before the cloth is printed with an ink composition for ink jet textile printing. The treatment solution comprises at least the following components 1) to 4): 1) a water-soluble polyvalent metal salt; 2) at least one resin component selected from the group consisting of a nonionic resin emulsion, an anionic resin emulsion and a carboxymethylcellulose; 3) at least one surfactant component selected from the group consisting of a nonionic surfactant, an anionic surfactant and an amphoteric surfactant; and 4) an aqueous medium.

Inventors:
SATO YOICHI (JP)
OHASHI MASAKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073643
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SAKATA INX CORP (JP)
SATO YOICHI (JP)
OHASHI MASAKAZU (JP)
International Classes:
D06P5/00; B41J2/01; B41M5/00; D06M15/233; D06M15/263; D06M15/53
Domestic Patent References:
WO2009001589A12008-12-31
Foreign References:
JP2006152454A2006-06-15
JP2006124843A2006-05-18
JP2008266853A2008-11-06
Other References:
See also references of EP 2233634A4
Attorney, Agent or Firm:
YASUTOMI, Yasuo et al. (5-36 Miyahara,3-chome, Yodogawa-ku,Osaka-sh, Osaka 03, JP)
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Claims:
インクジェット捺染用インク組成物を印字する前に布帛に塗布され、少なくとも
1)水溶性多価金属塩、
2)ノニオン性樹脂エマルジョン、アニオン性樹脂エマルジョン及びカルボキシメチルセルロースからなる群より選択される少なくとも1種の樹脂成分、
3)ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤成分、並びに、
4)水性媒体
を含有することを特徴とするインクジェット捺染用処理液。
前記水溶性多価金属塩として、カルシウム塩類を用いる請求項1記載のインクジェット捺染用処理液。
前記カルシウム塩類が吸湿性を有するカルシウム塩類である請求項2記載のインクジェット捺染用処理液。
前記界面活性剤成分の含有量が、インクジェット捺染用処理液中に0.1~1.5質量%である請求項1~3のいずれかに記載のインクジェット捺染用処理液。
前記ノニオン系界面活性剤のHLBが13以上である請求項1~4のいずれかに記載のインクジェット捺染用処理液。
インクジェット捺染用処理液100質量部中に含まれる前記ノニオン性樹脂エマルジョンの固形分をA質量部、前記アニオン性樹脂エマルジョンの固形分をB質量部、前記カルボキシメチルセルロースの固形分をC質量部としたとき、下記式(1)を満足するように、それぞれの材料が配合されている請求項1~5のいずれかに記載のインクジェット捺染用処理液。
式(1)   0.1≦(A/3+B/3+C)≦1.7
(なお、式(1)の条件を満足する限り、A、B、Cは各々0質量部であってもよい)
請求項1~6のいずれかに記載のインクジェット捺染用処理液を、布帛の少なくともインクジェットインクの印字形成領域に付与する工程と、
該処理液を付与した布帛を加熱する工程と、
該処理液が付与された印字形成領域に、
(1)白色顔料、アニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子分散剤、ガラス転移温度が20℃以下のノニオン性樹脂エマルジョン及び/若しくはガラス転移温度が0℃以下のアニオン性樹脂エマルジョン、及び、水性媒体を含有するインクジェット捺染用白色インク組成物並びに/又は
(2)白色以外の顔料、アニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高分子分散剤、ガラス転移温度が0℃以下のノニオン性樹脂エマルジョン及び/若しくはガラス転移温度が0度以下のアニオン性樹脂エマルジョン、及び、水性媒体を含有する白色以外のインクジェット捺染用インク組成物を印字する工程と、
印字された布帛を加熱する工程と
を含むことを特徴とするインクジェット捺染方法。
インクジェット捺染用白色インク組成物を印字する工程の後、白色以外のインクジェット捺染用インク組成物を印字する工程を含む請求項7記載のインクジェット捺染方法。
請求項7又は8記載のインクジェット捺染方法により得られることを特徴とするインクジェット捺染物。
Description:
インクジェット捺染用処理液、 ンクジェット捺染方法及びインクジェット 染物

本発明は、布帛に塗布しても、跡残りの少 ないインクジェット捺染用処理液、及びその インクジェット捺染用処理液を使用し、印字 部分の布帛の風合が損なわれず、画像濃度( 像濃度又は白色度、画像の鮮明さ)が高く、 にインク塗膜の耐久性及び洗濯堅牢度に優 るインクジェット捺染方法、インクジェッ 捺染物に関する。

従来、布帛の捺染方法としては、手描きや スクリーン印刷方式が主体であったが、最近 では、極めて簡単に、そして、長尺の布帛に 対しても連続して染色が可能なインクジェッ ト記録方法を利用することが多くなっている 。また、利用されるインクも、着色剤として 、鮮明で再現できる色域も広い反面、耐光性 が低く、布帛に対する定着や水洗、廃液処理 等の後工程が煩雑となる染料に替えて、顔料 を用いた水性インクが注目されている。

例えば、白色の布帛にそのまま上記顔料を 用いた水性インクを印字する方法の他、濃色 に染色された布帛に対しても、抜染剤を用い て印字部分の布帛の色素をあらかじめ抜き、 その後、上記顔料を用いた水性インクを印字 する方法が主として行われている。なお、後 者のようなインクジェット捺染方法では、布 帛から色素を除いた、布帛そのもの色を白に 見立てているため、その部分に印字した場合 、画像の鮮明さが不十分になるという問題を 有している。

そこで、濃色の布帛であっても抜染せずに、 例えば、水溶性多価金属イオン、カチオン系 樹脂等のカチオン系化合物を含有する処理液 で処理した布帛の印字部分に、直接白色の顔 料型水性インクを用いて白色に染色し、その 上に印字される画像を鮮明に際立たせる方法 が提案されている(例えば、特許文献1~4参照) しかし、これらの方法では、十分な白色度 得られず、また、布帛の風合い、インク塗 の耐性、洗濯堅牢度等の性能もまだ不十分 あるという問題を有している。
更に、従来の処理液を使用した場合、布帛に 跡残り(跡残りとは、捺染物の処理剤塗布面 非画像部分に処理液由来の白い跡が残るこ をいう)が生じる問題もあった。

特開平7-119047号公報

特開2000-226781号公報

特開2001-098473号公報

特開2005-320656号公報

本発明の課題は、布帛に塗布しても、跡残 りの少ないインクジェット捺染用処理液、及 びそのインクジェット捺染用処理液を使用し 、印字部分の布帛の風合が損なわれず、画像 濃度(画像濃度又は白色度、画像の鮮明さ)が く、更にインク塗膜の耐久性及び洗濯堅牢 に優れるインクジェット捺染方法、インク ェット捺染物を提供することである。

本発明者らは、上記の課題を解決するために 鋭意検討した結果、水溶性多価金属塩、ガラ ス転移温度が0℃以下のノニオン性樹脂エマ ジョン及び水性媒体を含有する処理液で処 した布帛に、直接、樹脂エマルジィンを含 する白色の顔料型水性インクを用いて染色 る方法を提案している(例えば、特開2008-26685 3号公報参照)。このような本発明者らが先に 案した染色方法により、布帛の風合い、イ ク塗膜の耐性、洗濯堅牢度等の性能は改善 れるが、布帛に跡残りが生じる問題を充分 解決することができないことがあった。
そこで、本発明者らは、更に鋭意検討した結 果、布帛に付与する処理液として、少なくと も水溶性多価金属塩、ノニオン性樹脂エマル ジョン、アニオン性樹脂エマルジョン及びカ ルボキシメチルセルロースからなる群より選 択される少なくとも1種の樹脂成分、ノニオ 系界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び 性界面活性剤からなる群から選択される少 くとも1種の界面活性剤成分、並びに、水性 体を含有する処理液を使用して前処理した に、(1)インクジェット捺染用白色インク組 物として、白色顔料、アニオン性水溶性樹 を塩基性化合物で中和して得られる高分子 散剤、ガラス転移温度が20℃以下のノニオ 性樹脂エマルジョン及び/若しくはガラス転 温度が0℃以下のアニオン性樹脂エマルジョ ン、及び、水性媒体を含有するインクジェッ ト捺染用白色インク組成物並びに/又は(2)白 以外のインクジェット捺染用インク組成物 して、白色以外の顔料、アニオン性水溶性 脂を塩基性化合物で中和して得られる高分 分散剤、ガラス転移温度が0℃以下のノニオ 性樹脂エマルジョン及び/若しくはガラス転 移温度が0度以下のアニオン性樹脂エマルジ ン、及び、水性媒体を含有する白色以外の ンクジェット捺染用インク組成物を使用し 印字し、その後加熱することにより、白色 外のインクジェット捺染用インク組成物印 する場合は、好ましくは、インクジェット 染用白色インク組成物を印字する工程の後 白色以外のインクジェット捺染用インク組 物を印字し、その後加熱することにより、 記課題を解決し得ることを見出し、本発明 完成するに至った。

即ち、本発明は、(1)インクジェット捺染用イ ンク組成物を印字する前に布帛に塗布され、 少なくとも1)水溶性多価金属塩、2)ノニオン 樹脂エマルジョン、アニオン性樹脂エマル ョン及びカルボキシメチルセルロースから る群より選択される少なくとも1種の樹脂成 、3)ノニオン系界面活性剤、アニオン系界 活性剤及び両性界面活性剤からなる群から 択される少なくとも1種の界面活性剤成分、 びに、4)水性媒体を含有することを特徴と るインクジェット捺染用処理液に関する。
また、本発明は、(2)上記水溶性多価金属塩と して、カルシウム塩類を用いる上記(1)項に記 載のインクジェット捺染用処理液に関する。
また、本発明は、(3)上記カルシウム塩類が吸 湿性を有するカルシウム塩類である上記(2)項 に記載のインクジェット捺染用処理液に関す る。
また、本発明は、(4)上記界面活性剤成分の含 有量が、インクジェット捺染用処理液中に0.1 ~1.5質量%である上記(1)項~(3)項のいずれかに記 載のインクジェット捺染用処理液に関する。
また、本発明は、(5)上記ノニオン系界面活性 剤のHLBが13以上である上記(1)~(4)項のいずれか に記載のインクジェット捺染用処理液に関す る。
また、本発明は、(6)インクジェット捺染用処 理液100質量部中に含まれる前記ノニオン性樹 脂エマルジョンの固形分をA質量部、前記ア オン性樹脂エマルジョンの固形分をB質量部 前記カルボキシメチルセルロースの固形分 C質量部としたとき、下記式(1)を満足するよ うに、それぞれの材料が配合されている上記 (1)項~(5)項のいずれかに記載のインクジェッ 捺染用処理液に関する。
式(1)   0.1≦(A/3+B/3+C)≦1.7
(なお、式(1)の条件を満足する限り、A、B、C 各々0質量部であってもよい)
また、本発明は、(7)上記(1)~(6)項のいずれか 記載のインクジェット捺染用処理液を、布 の少なくともインクジェットインクの印字 成領域に付与する工程と、該処理液を付与 た布帛を加熱する工程と、該処理液が付与 れた印字形成領域に、(1)白色顔料、アニオ 性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得 れる高分子分散剤、ガラス転移温度が20℃以 下のノニオン性樹脂エマルジョン及び/若し はガラス転移温度が0℃以下のアニオン性樹 エマルジョン、並びに、水性媒体を含有す インクジェット捺染用白色インク組成物並 に/又は(2)白色以外の顔料、アニオン性水溶 性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる高 分子分散剤、ガラス転移温度が0℃以下のノ オン性樹脂エマルジョン及び/若しくはガラ 転移温度が0度以下のアニオン性樹脂エマル ジョン、及び、水性媒体を含有する白色以外 のインクジェット捺染用インク組成物を印字 する工程と、印字された布帛を加熱する工程 とを含むことを特徴とするインクジェット捺 染方法に関する。
また、本発明は、(8)インクジェット捺染用白 色インク組成物を印字する工程の後、白色以 外のインクジェット捺染用インク組成物を印 字する工程を含む上記(7)項に記載のインクジ ェット捺染方法に関する。
また、本発明は、(9)上記(7)項又は(8)項に記載 のインクジェット捺染方法により得られるこ とを特徴とするインクジェット捺染物に関す る。

なお、本明細書において、ガラス転移温度、 酸価、重量平均分子量、HLBは、以下の方法に より求めることができる。
(ガラス転移温度(Tg))
ガラス転移温度は、下記のwoodの式により求 た理論ガラス転移温度である。
Woodの式:1/Tg=
W1/Tg1+W2/Tg2+W3/Tg3+・・・・・・・・・+Wx/Tgx
(式中、Tg1~Tgxは共重合体を構成する単量体1、 2、3・・・xのそれぞれの単独重合体のガラス 転移温度、W1~Wxは単量体1、2、3・・・xのそれ ぞれの質量分率、Tgは理論ガラス転移温度を す。ただし、woodの式におけるガラス転移温 度は絶対温度である)
(酸価)
酸価は、共重合組成から計算により求めた理 論酸価である。
(重量平均分子量)
重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ ィー(GPC)法によって測定することができる。 例として、GPC装置としてWater 2690(ウォータ ズ社製)、カラムとしてPLgel 5μ MIXED-D(Polymer  Laboratories社製)を使用してクロマトグラフィ ーを行ない、ポリスチレン換算の重量平均分 子量として求めることができる。
(HLB)
HLBは、下記の一般式に基づいて計算したもの である。
HLB=20×(Mw/M)
(Mw:親水基部分の重量、M:界面活性剤の分子量 )

以下、本発明について更に詳細に説明する。
<インクジェット捺染用処理液>
まず、本発明のインクジェット捺染用処理液 について説明する。
インクジェット捺染用処理液としては、水溶 性多価金属塩、ノニオン性樹脂エマルジョン 、アニオン性樹脂エマルジョン及びカルボキ シメチルセルロースからなる群より選択され る少なくとも1種の樹脂成分、ノニオン系界 活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性界 活性剤からなる群から選択される少なくと 1種の界面活性剤成分、水性媒体を含有する ンクジェット捺染用処理液を使用できる。

上記水溶性多価金属塩としては、インクジェ ット捺染用処理液の分野の公知の化合物を使 用でき、例えば、Ca、Mg、Ba等のアルカリ土類 金属の解離性塩等が挙げられる。このような 化合物の代表的な例としては、例えば、硝酸 カルシウム、CaCl 2 、Ca(OH) 2 、(CH 3 COO) 2 Ca、MgCl 2 、Mg(OH) 2 、(CH 3 COO) 2 Mg、BaCl 2 等が挙げられる。なかでも、カルシウム塩類 が好ましい。特に好ましくは、処理液塗布面 の乾燥後における布帛上での塩の析出の問題 から硝酸カルシウム等の無色の結晶であり、 吸湿性を有するカルシウム塩類である。
上記処理液中における水溶性多価金属塩の含 有量は特に限定されず、例えば、処理液中に 水溶性多価金属塩が2~20質量%程度である。

上記樹脂成分としては、ノニオン性樹脂エマ ルジョン、アニオン性樹脂エマルジョン及び カルボキシメチルセルロースからなる群より 選択される少なくとも1種の樹脂が使用でき 。処理液の成分として、このような樹脂成 と吸湿性を有する水溶性多価金属塩と後述 るノニオン系界面活性剤を使用することに り、布帛の跡残りを良好に防止できる。ま 、当該処理液で処理し、インクジェットイ クの印字により捺染した場合、布帛の風合 、画像濃度、インク塗膜の耐性、洗濯堅牢 に優れた捺染物を得ることができる。
上記樹脂成分のなかでも、ノニオン性樹脂エ マルジョン、アニオン性樹脂エマルジョンが 好ましい。

上記ノニオン性樹脂エマルジョン、アニオ ン性樹脂エマルジョンとしては、樹脂成分と して、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、 スチレン系樹脂、スチレン-アクリル系樹脂( チレン-アクリル酸共重合体、スチレン-ア リル酸-アクリル酸アルキルエステル共重合 、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン -マレイン酸-アクリル酸アルキルエステル共 合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、ス チレン-メタクリル酸-アクリル酸アルキルエ テル共重合体、スチレン-マレイン酸-ハー エステル共重合体等)、ウレタン系樹脂、ポ エステル系樹脂、オレフィン系樹脂、酢酸 ニル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、エポ シ系樹脂等のものを挙げることができる。 かでも、アクリル系樹脂、メタクリル系樹 、スチレン系樹脂、スチレン-アクリル系樹 脂が好ましい。これらは単独で用いてもよく 、2種以上を併用してもよい。なお、より高 耐水性や洗濯堅牢性が要求される場合は、 れらエマルジョンに、風合いが低下しない 囲で、熱により架橋する架橋成分を導入さ ることが好ましい。

また、上記ノニオン性樹脂エマルジョン、 アニオン性樹脂エマルジョンのガラス転移温 度は、布帛の風合の点から20℃以下であるこ が好ましく、更に処理液中の樹脂エマルジ ンの総樹脂量が3質量%を超える場合は、上 ノニオン性樹脂エマルジョン、アニオン性 脂エマルジョンのガラス転移温度は0℃以下 あることが好ましい。処理液中の樹脂エマ ジョンの総樹脂量が3質量%を超える場合、 脂エマルジョンのガラス転移温度が0℃より きいと、布帛の風合いが低下する傾向にあ 。

上記カルボキシメチルセルロースとしては 、インクジェットインクの分野で使用される 公知のものが使用でき、その中でも跡残り、 風合の点から分子量の小さいものが好ましい 。

上記樹脂成分の使用量としては、インクジェ ット捺染用処理液100質量部中に含まれる上記 ノニオン性樹脂エマルジョンの固形分をA質 部、上記アニオン性樹脂エマルジョンの固 分をB質量部、上記カルボキシメチルセルロ スの固形分をC質量部としたとき、下記式(1) を満足するように、それぞれの材料が配合さ れることが好ましい。
式(1)   0.1≦(A/3+B/3+C)≦1.7
なお、式(1)の条件を満足する限り、A、B、Cは 各々0質量部であってもよい。
使用量が少ないと白色度の向上と洗濯堅牢度 の向上の効果が少なくなり、一方、上記使用 量の範囲を超えると布帛の風合いが低下する 問題が生じるおそれがある。

次に、界面活性剤成分について説明する。
本発明のインクジェット捺染用処理液に含有 させる界面活性剤成分としては、ノニオン系 界面活性剤、アニオン系界面活性剤及び両性 界面活性剤からなる群から選択される少なく とも1種である。
ノニオン系界面活性剤とは、極性基としてイ オン性の基を含まない界面活性剤であり、例 えば、アセチレングリコールのエチレンオキ サイド及び/又はプロピレンオキサイド付加 等のアセチレングリコール系界面活性剤(具 的には、2,4,7,9-テトラメチル-5-デシン-4,7,- オール、3,6-ジメチル-4-オクチン-3,6-ジオー 等のエチレンオキサイド及び/又はプロピレ オキサイド付加物等)、アセチレンアルコー ルのエチレンオキサイド及び/又はプロピレ オキサイド付加物等のアセチレンアルコー 系界面活性剤(具体的には、3,5-ジメチル-1-ヘ キサン-3-オール等のエチレンオキサイド及び /又はプロピレンオキサイド付加物等)、ポリ キシエチレンノニルフェニルエーテル、ポ オキシエチレンオクチルフェニルエーテル ポリオキシエチレンドデシルフェニルエー ル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエ テル、ポリオキシエチレンオレイルエーテ 、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、 リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリ キシアルキレンアルキルエーテル等のエー ル系;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリ オキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオ キシエチレンジステアリン酸エステル、ソル ビタンラウレート、ソルビタンモノステアレ ート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタ ンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノ オレエート、ポリオキシエチレンステアレー ト等のエステル系;ジメチルポリシロキサン のポリエーテル変性シロキサン系界面活性 ;その他フッ素アルキルエステル、パーフル ロアルキルカルボン酸塩等の含フッ素系界 活性剤等が挙げられる。
また、アニオン系界面活性剤とは、分子中に アニオン性の部位を有する界面活性剤であり 、例えば、ポリオキシエチルアルキルエーテ ル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェ ニルエーテル硫酸塩等が挙げられる。
また、両性界面活性剤とは、分子中にカチオ ン性の部位とアニオン性の部位とを有する界 面活性剤であり、例えば、2-アルキル-N-カル キシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダリニ ムベタイン等のカルボキシベタイン型、ア ノカルボン酸塩等が挙げられる。

上記界面活性剤成分としては、なかでも、 ノニオン系界面活性剤が本発明のインクジェ ット捺染用処理液の経時安定性の観点から好 ましい。このようなノニオン系界面活性剤と しては、HLBが13以上のノニオン系界面活性剤 好ましく、ポリオキシエチレンアルキルエ テル、アセチレングリコールのエチレンオ サイド付加物が特に好ましい。

また、上記界面活性剤成分のインクジェッ ト捺染用処理液中の含有量は、0.1~1.5質量%で ることが好ましい。含有量が0.1質量%より小 さいと処理剤が布へ均一に付与されず、印刷 ムラの原因になるおそれがある。一方、1.5質 量%より大きいと洗濯堅牢度が低下するおそ がある。

上記水性媒体としては、特に限定はなく、 従来からインクジェット捺染方法の処理液に 使用されている水、又は水と水混和性溶剤と の混合物等を使用することができる。上記水 混和性溶剤の具体例としては、エタノール、 プロパノール等の低級アルコール類、グリセ リン等の多価アルコール類、(ポリ)エチレン リコール、(ポリ)プロピレングリコール等 (ポリ)アルキレングリコールとそのアルキル エーテル類等が例示でき、これらは1種又は2 以上を併用してもよい。

また、本発明の処理液には、性能が低下しな い範囲で従来からインクジェット捺染方法の 処理液に使用されている水溶性高分子を含有 させることもできる。
上記水溶性高分子の例としては、トウモロコ シ、小麦等のデンプン物質、アラビヤゴム、 ローカストビーンガム、トラガカントガム、 グアーガム、タマリンド種子等の多糖類、ゼ ラチン、カゼイン等のタンパク質物質、タン ニン系物質、リグニン系物質等の公知の天然 水溶性高分子が挙げられる。また、合成高分 子としては、例えば、公知のポリビニルアル コール系化合物、ポリエチレンオキサイド系 化合物等が挙げられる。

本発明の処理液は、上記水性媒体に、上記 水溶性多価金属塩、樹脂成分(ノニオン性樹 エマルジョン等)、ノニオン系界面活性剤、 要に応じて水溶性高分子を添加し、公知の 段にて攪拌することにより得ることができ 。

<インクジェット捺染方法>
次に、インクジェット捺染方法について説明 する。
インクジェット捺染方法としては、例えば、 上記のインクジェット捺染用処理液を、布帛 の少なくともインクジェットインクの印字形 成領域に付与する工程と、該処理液を付与し た布帛を加熱する工程と、該処理液が付与さ れた印字形成領域に、(1)インクジェット捺染 用白色インク組成物として、白色顔料、アニ オン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して 得られる高分子分散剤、ガラス転移温度が20 以下のノニオン性樹脂エマルジョン及び/若 しくはガラス転移温度が0℃以下のアニオン 樹脂エマルジョン、及び、水性媒体を含有 るインクジェット捺染用白色インク組成物 びに/又は(2)白色以外のインクジェット捺染 インク組成物として、白色以外の顔料、ア オン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和し 得られる高分子分散剤、ガラス転移温度が0 ℃以下のノニオン性樹脂エマルジョン及び/ しくはガラス転移温度が0度以下のアニオン 樹脂エマルジョン、及び、水性媒体を含有 る白色以外のインクジェット捺染用インク 成物を印字する工程と、印字された布帛を 熱する工程とを含む方法を挙げることがで 、白色以外のインクジェット捺染用インク 成物印字する場合は、好ましくは、インク ェット捺染用白色インク組成物を印字する 程の後、白色以外のインクジェット捺染用 ンク組成物を印字する工程と、印字された 帛を加熱する工程とを含む方法を挙げるこ ができる。

(インクジェット捺染方法において使用する 料)
〔布帛〕
まず、布帛としては、従来から使用されてい る任意のものを適用でき、例えば、綿、絹、 麻、レーヨン、アセテート、ナイロン又はポ リエステル繊維からなる布帛、これら繊維の 2種以上からなる混紡布帛等が使用できる。
〔インクジェット捺染用処理液〕
インクジェット捺染用処理液は、上記で説明 したものを利用できる。

〔インクジェット捺染用インク〕
インクジェット捺染用インク組成物としては 、従来から使用されているものも使用できる が、顔料、高分子分散剤、ノニオン性樹脂エ マルジョン及び/又はアニオン性樹脂エマル ョン、並びに、水性媒体を含有するものが 適に利用できる。

[インクジェット捺染用白色インク組成物(構 材料及び製法)]
上記インクジェット捺染用白色インク組成物 としては、着色成分である白色顔料と、アニ オン性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して 得られる高分子分散剤と、ノニオン性樹脂エ マルジョン及び/又はアニオン性樹脂エマル ョンと、水性媒体とを含有するものが使用 きる。

上記白色顔料としては、二酸化チタンや酸化 亜鉛等の遮蔽性の高い白色顔料を挙げること ができる。なかでも、白色顔料としては、高 い遮光性が得られる点から、二酸化チタンが 好ましい。二酸化チタンとしては、従来から インクジェット用インクに使用されているも ので、ルチル型、アナターゼ型等の各種の二 酸化チタンを、アルミナ/シリカ(質量比)=100/0 ~33.3/66.7の表面処理剤で表面被覆処理した、 均粒子径0.21~0.28μm、吸油量15~33のものが好ま しい。ここで、吸油量は、JIS K5101に規定さ ている吸油量である。
上記顔料の含有量は、上記インクジェット捺 染用インク組成物中に、好ましくは10~30質量% の範囲である。

上記高分子分散剤としては、アニオン性水 溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得られる 高分子分散剤、好ましくはガラス転移温度0~8 0℃のアニオン性水溶性樹脂を塩基性化合物 中和して得られる高分子分散剤が使用でき 。

上記アニオン性水溶性樹脂としては、例え ば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸 、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸 モノアルキルエステル、シトラコン酸、無水 シトラコン酸、シトラコン酸モノアルキルエ ステル等のカルボキシル基含有不飽和単量体 (開環してカルボキシル基を与える酸無水物 含有不飽和単量体を含む)の1種又は2種以上 、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルト エン等のスチレン系単量体、ベンジルメタ リレート、ベンジルアクリレート等のアラ キルメタクリレート又はアクリレート、メ ルメタクリレート、ブチルメタクリレート 2-エチルヘキシルメタクリレート、ステアリ ルメタクリレート、ラウリルメタクリレート 、メチルアクリレート、ブチルアクリレート 、2-エチルヘキシルアクリレート、ステアリ アクリレート、ラウリルアクリレート等の ルキルメタクリレート又はアクリレート等 ら選択される不飽和単量体の1種又は2種以 との混合物を反応させて得られる共重合体 好ましくはガラス転移温度0~80℃なるように 択した単量体の混合物を反応させて得られ 共重合体等が例示できる。

このようなアニオン性水溶性樹脂の具体例 としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステ -(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン-(メ )アクリル酸共重合体、スチレン-(メタ)アク ル酸-(メタ)アクリル酸アルキルエステル共 合体、スチレン-マレイン酸-(メタ)アクリル 酸アルキルエステル共重合体、スチレン-マ イン酸ハーフエステル共重合体、スチレン- レイン酸ハーフエステル-(メタ)アクリル酸 ルキルエステル共重合体、スチレン-(メタ) クリル酸-(メタ)アクリル酸アルキルエステ -ベンジル(メタ)アクリレート共重合体等が げられる。

なお、上記アニオン性水溶性樹脂のガラス 転移温度が0℃未満の場合は顔料分散粒子同 の融着が発生しやすくなり、保存安定性と 出安定性が低下し、一方80℃を超えると得ら れる捺染物の風合いが低下するおそれがある 。

更に、これらのアニオン性水溶性樹脂の中 でも、水性媒体への溶解性と得られる染色物 の耐水性の点から、酸価100~300mgKOH/gのものが ましく、白色顔料の顔料分散性、顔料分散 定性の点から重量平均分子量5,000~30,000のも が好ましい。

上記塩基性化合物としては、水酸化ナトリ ウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸 化物、トリエチルアミン、モノエタノールア ミン、トリエタノールアミン、トリエチレン ジアミン等の有機塩基性化合物を挙げること ができる。これらは単独で用いてもよく、2 以上を併用してもよい。

上記高分子分散剤の使用量は、上記白色顔 料100質量部に対して好ましくは10~40質量部、 り好ましくは15~30質量部である。高分子分 剤の使用量が10質量部未満の場合は、水性媒 体への顔料分散性が低下し、一方40質量部を える場合は、粘度が高くなるため、後述す ノニオン性樹脂エマルジョン、アニオン性 脂エマルジョンの配合量や後述する水性媒 の配合量等が制限されるため洗濯堅牢性、 出安定性が低下するおそれがある。

上記白色インキ組成物において、ノニオン 性樹脂エマルジョンとしてはガラス転移温度 20℃以下のもの、アニオン性樹脂エマルジョ としてはガラス転移温度が0℃以下のものが 使用できる。ノニオン性樹脂エマルジョンの ガラス転移温度が20℃より大きい場合、アニ ン性樹脂エマルジョンのガラス転移温度が0 ℃より大きい場合は、布帛の風合いが低下す るおそれがある。

また、上記高分子分散剤に対するノニオン性 樹脂エマルジョン、アニオン性樹脂エマルジ ョンの使用量(質量比)は、下記式(2)~(4)の範囲 を満足するように使用することが望ましい。 ここで、ノニオン性樹脂エマルジョン、アニ オン性樹脂エマルジョンの使用量は同時にゼ ロではない。
式(2)   (高分子分散剤):[(ノニオン性樹脂エ ルジョン)+(アニオン性樹脂エマルジョン)]=1 :3~1:10
式(3)   (ノニオン性樹脂エマルジョン)/(高 子分散剤)≦8
式(4)   (アニオン性樹脂エマルジョン)/(高 子分散剤)≦12

上記白色インキ組成物において、上記高分 子分散剤に対するノニオン性樹脂エマルジョ ンとアニオン性樹脂エマルジョンの合計使用 量の質量比が前者1に対して後者が3より小さ 場合は十分な洗濯堅牢性が得られず、一方 者1に対して後者が10より大きい場合は、イ ク粘度の制約から十分な顔料濃度が確保で ない、或いは処理液に対する凝集・析出が 十分となり、高い画像濃度が得られなくな 傾向がある。

このようなノニオン性樹脂エマルジョン及び アニオン性樹脂エマルジョンとしては、例え ば、上記処理液で述べたノニオン性樹脂エマ ルジョン、アニオン性樹脂エマルジョンと同 様のもの(なお、より高い耐水性や洗濯堅牢 が要求される場合は、これらエマルジョン 、風合いが低下しない範囲で、熱により架 する架橋成分を導入させたものが好ましい) 使用できる。
上記白色インキ組成物において、上記水性媒 体としては特に限定されず、例えば、上記処 理液で述べた水性媒体と同様のものを使用で きる。

上記白色インク組成物において、白色顔料 、高分子分散剤、ノニオン性樹脂エマルジョ ン、アニオン性樹脂エマルジョンを合わせた 総固形分は、インクジェット捺染用白色イン ク組成物中に25~45質量%の範囲であることが好 ましい。25質量%未満である場合は、布帛に印 字した印字物の印字濃度が低下し、一方45質 %を超えると粘度が高くなる傾向にあり、吐 出安定性が低下する傾向がある。

上記白色インク組成物は、良好な吐出安定性 が得られる点から界面活性剤を含むことが好 ましく、例えば、アニオン性界面活性剤、ノ ニオン性界面活性剤を使用できる。
界面活性剤の使用量は、上記白色インク組成 物中に0.1~2.0質量%の範囲であることが好まし 。0.1質量%より小さいと十分な界面活性(表 張力を下げる)効果が得られず、一方、2.0質 %より大きいと吐出安定性が低下する傾向に ある。
尚、界面活性剤としては、吐出安定性、発泡 ・起泡の少ないインク組成物が得られる点か らノニオン系界面活性剤が好ましく、具体的 には上記処理液で述べたノニオン系界面活性 剤と同様のものを使用できる。

また、上記白色インク組成物には、必要に応 じて、粘度調整剤、消泡剤、成膜助剤等の各 種添加剤を添加することもできる。
更に得られるインクジェット捺染用白色イン ク組成物の粘度としては、5~20mPa・sの範囲で ることが好ましい。

本発明におけるインクジェット捺染用白色 インク組成物は、従来一般に用いられる方法 により製造することができ、例えば、白色顔 料、高分子分散剤、水性媒体、必要に応じて 、界面活性剤、粘度調整剤、消泡剤等を混合 し、各種分散・攪拌機(例えば、ビーズミル ボールミル、サンドミル、アトライター、 ールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ 、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、 高圧ホモジナイザー、パールミル等)を利用 て分散し、更に残りのノニオン性樹脂エマ ジョン及び/又はアニオン性樹脂エマルジョ ン等の材料を添加混合してインクジェット捺 染用白色インク組成物を得る方法等が挙げら れる。

[白色以外のインクジェット捺染用インク組 物(構成材料及び製法)]
上記白色以外のインクジェット捺染用インク 組成物としては、着色成分である白色以外の 着色顔料と、アニオン性水溶性樹脂を塩基性 化合物で中和して得られる高分子分散剤と、 ノニオン性樹脂エマルジョン及び/又はアニ ン性樹脂エマルジョンと、水性媒体とを含 するものが使用できる。

上記白色以外の着色顔料としては、黒色顔 料としてのカーボンブラック、白色以外の有 機顔料等が使用できる。例えば、白色以外の 有機顔料としては、アゾレーキ、不溶性アゾ 顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料等の アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔 料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料 、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イ ソインドリノン顔料、キナフタロン顔料等の 多環式顔料、塩基性反応型レーキ、酸性染料 型レーキ等の染料レーキ、ニトロ顔料等を挙 げることができる。特に、鮮明な色相の表現 を可能とする点から、C.I.Pigment Red 2、3、5、 16、23、31、49、57、63、122、123等の赤色系顔料 ;C.I. Pigment Blue 1、2、15:3、16、17等の青色系 料;C.I.Pigment Yellow 3、4、5、7、17、50、51、74 、81、98、105、180等の黄色系顔料等が使用で る。上記白色以外のインクジェット捺染用 ンク組成物において、上記白色以外の着色 料の含有量は、インク組成物中に、好まし は10~30質量%の範囲である。

上記白色以外のインクジェット捺染用イン ク組成物において、高分子分散剤としては、 例えば、重量平均分子量5,000~30,000のアニオン 性水溶性樹脂を塩基性化合物で中和して得ら れる高分子分散剤を使用できる。上記アニオ ン性水溶性樹脂のガラス転移温度は40~90℃が ましく、酸価は100~300mgKOH/gが好ましい。こ で、アニオン性水溶性樹脂としては、例え 、上記白色インク組成物のアニオン性水溶 樹脂で述べたモノマーと同様のモノマーを 上記範囲のガラス転移温度、酸価となるよ に選択し、上記範囲の重量平均分子量とな ように反応して得られる共重合体を使用で る。また、この共重合体の具体例も上記白 インク組成物で述べたものと同様のものが げられる。

上記白色以外のインクジェット捺染用イン ク組成物におけるアニオン性水溶性樹脂は、 ガラス転移温度が50~90℃、酸価が130~240mgKOH/g 重量平均分子量が8,000~20,000であることがよ 好ましい。

なお、アニオン性水溶性樹脂の酸価が100mgK OH/g未満の場合は水性媒体中への樹脂の溶解 が低下し、一方300mgKOH/gを超えると得られる 帛に印字した印字物の耐水性が低下するお れがある。また、アニオン性水溶性樹脂の ラス転移温度が40℃未満の場合は、顔料分 粒子同士の凝集により保存安定性と吐出安 性が低下し、一方90℃を超えると得られる捺 染物の風合いが低下するおそれがある。また 、アニオン性水溶性樹脂の重量平均分子量が 5,000未満の場合は顔料分散安定性が低下し、 方30,000を超えると水性媒体中への顔料分散 が低下するおそれがある。

上記塩基性化合物としては、上記白色インク 組成物の高分子分散剤で述べたものと同様の ものを使用できる。
上記高分子分散剤の使用量は、白色以外の着 色顔料100質量部に対して10~40質量部が好まし 、より好ましくは15~30質量部である。10質量 部未満の場合は、水性媒体への顔料分散性が 低下し、一方40質量部を超える場合は、粘度 高くなるため、後述するアニオン性樹脂エ ルジョン、ノニオン性樹脂エマルジョンの 合量や後述する水性媒体の配合量等が制限 れるため洗濯堅牢性、吐出安定性が低下す おそれがある。

上記白色以外のインクジェット捺染用イン ク組成物において、アニオン性樹脂エマルジ ョン、ノニオン性樹脂エマルジョンとしては 、ガラス転移温度が0℃以下のアニオン性樹 エマルジョン及び/又はガラス転移温度0℃以 下のノニオン性樹脂エマルジョンが使用でき る。樹脂エマルジョンのガラス転移温度が0 より大きい場合は、布帛の風合いが低下す おそれがある。

また、上記白色以外のインクジェット捺染用 インク組成物において、上記白色以外の有色 顔料に対するアニオン性樹脂エマルジョン、 ノニオン性樹脂エマルジョンの使用量(固形 質量比)は、下記式(5)の範囲を満足するよう 使用することが好ましい。ここで、アニオ 性樹脂エマルジョン、ノニオン性樹脂エマ ジョンの使用量は同時にゼロではない。
式(5)  (白色以外の有色顔料):〔(アニオン性 脂エマルジョン)+(ノニオン性樹脂エマルジ ン)〕=1:3~1:6
白色以外の有色顔料に対するアニオン性樹脂 エマルジョンとノニオン性樹脂エマルジョン の合計使用量(固形分質量比)が前者1に対して 後者が3より小さい場合は十分な洗濯堅牢性 得られず、一方、前者1に対して後者が6より 大きい場合は、インク粘度・配合枠の制約か ら十分な顔料濃度が確保できない、或いはイ ンク中の総固形分が高くなることにより吐出 安定性が得られなくなる傾向がある。

このようなアニオン性樹脂エマルジョン及 びノニオン性樹脂エマルジョンとしては、例 えば、上記処理液で述べたアニオン性樹脂エ マルジョン、ノニオン性樹脂エマルジョンと 同様のもの(なお、より高い耐水性や洗濯堅 性が要求される場合は、これらエマルジョ に、風合いが低下しない範囲で、熱により 橋する架橋成分を導入させものが好ましい) 使用できる。

上記白色以外のインクジェット捺染用インク 組成物は、良好な吐出安定性が得られる点か ら界面活性剤を含むことが好ましく、例えば 、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活 性剤を使用できる。
界面活性剤の使用量は、上記インク組成物中 に0.1~2.0質量%の範囲であることが好ましい。0 .1質量%より小さいと十分な界面活性(表面張 を下げる)効果が得られず、一方、2.0質量%よ り大きいと吐出安定性が低下する傾向にある 。
尚、界面活性剤としては、吐出安定性、発泡 ・起泡の少ないインク組成物が得られる点か らノニオン系界面活性剤が好ましく、具体的 には上記処理液で述べたノニオン系界面活性 剤と同様のものを使用できる。

上記白色以外のインクジェット捺染用イン ク組成物において、上記水性媒体としては特 に限定されず、例えば、上記処理液で述べた 水性媒体と同様のものを使用できる。

上記白色以外のインクジェット捺染用イン ク組成物において、白色以外の有色顔料、高 分子分散剤、樹脂エマルジョンを合わせた総 固形分は、インク組成物中に10~35質量%の範囲 であることが好ましい。10質量%未満である場 合は、布帛に印字した印字物の印字濃度が低 下し、一方35質量%を超えると吐出安定性が低 下する傾向にある。

また、上記白色以外のインクジェット捺染用 インク組成物には、必要に応じて、粘度調整 剤、消泡剤、成膜助剤等の各種添加剤を添加 することもできる。
更に得られる白色以外のインクジェット捺染 用インク組成物の粘度は2~20mPa・sの範囲であ ことが好ましい。また、上記白色以外のイ クジェット捺染用インク組成物の表面張力 25~45mN/mの範囲であることが好ましい。

以上の材料を用いて上記白色以外のインク ジェット捺染用インク組成物を製造するには 、一般的な方法により行うことができ、例え ば、白色以外の有色顔料、高分子分散剤、界 面活性剤、水性媒体、必要に応じて、粘度調 整剤、消泡剤等を混合し、各種分散・攪拌機 (例えば、ビーズミル、ボールミル、サンド ル、アトライター、ロールミル、アジテー 、ヘンシェルミキサー、コロイドミル、超 波ホモジナイザー、超高圧ホモジナイザー パールミル等)を利用して分散し、更に残り 樹脂エマルジョン等の材料を添加混合して る方法等が挙げられる。

次に、インクジェット捺染方法について、そ の好ましい実施形態に基づき具体的に説明す る。インクジェット捺染方法の好ましい形態 の一例としては、下記(1)及び(2)の方法が挙げ られる。
(1)布帛を上記のインクジェット捺染用処理液 で処理し、加熱した後、インクジェット記録 用ヘッドでインクジェット捺染用白色インク 組成物を用いて、記録信号に対応した印字を 行うことにより白い画像を形成し、更に、必 要に応じて、その白い画像の上に、上記白色 以外のインクジェット捺染用インク組成物を 用いて記録信号に対応した印字を行った後、 加熱することにより画像を定着させ形成する 方法。
(2)布帛を上記のインクジェット捺染用処理液 で処理し、加熱した後、インクジェット記録 用ヘッドで白色以外のインクジェット捺染用 インク組成物を用いて、画像信号に対応した 印字を行った後、加熱することにより画像を 定着させ形成する方法。

尚、上記インクジェット捺染用処理液を布帛 に付与する(処理する)方法としては、布帛を 理液に浸漬する方法、布帛の全面又は部分( インクジェットインクの印字領域)に各種塗 機で塗布する方法等が挙げられる。上記処 液を付与した布帛の加熱は乾燥が主目的で り、加熱条件は特に限定されず、例えば、10 0~180℃程度で行うことができる。処理液の付 量は乾燥後重量で10~200g/m 2 の範囲が適当である。処理液の付与量が上記 範囲より少ないと白色度の向上が十分でなく 、洗濯堅牢性が十分でない傾向があり、一方 上記範囲を超えると、風合いが損なわれる傾 向がある。

また、上記インクジェットプリンタとして は、公知のインクジェットプリンタを使用で きる。また、画像が形成された後の加熱定着 は、布帛を、例えば約100~180℃の温度で約30~12 0秒間加熱し、布帛へ画像を定着させること より行うことができる。この布帛への加熱 、アイロン、ドライヤー、乾燥器等の公知 加熱手段を適宜用いて行うことができる。

本発明のインクジェット捺染用処理液は、 布帛に付与しても跡残りの少ないものである 。また、有色布帛の上に抜色せずに、このイ ンクジェット捺染用処理液を塗布し、処理液 が付与された印字形成領域にインクジェット 捺染用白色インク組成物を印字し、必要に応 じ、その上に白色以外のインクジェット捺染 用インク組成物を印字するインクジェット捺 染方法及び布帛の上に、このインクジェット 捺染用処理液を塗布し、処理液が付与された 印字形成領域に白色以外のインクジェット捺 染用インク組成物を印字刷るインクジェット 捺染方法は、得られる画像濃度(白色度、鮮 な発色)が高く、更に布帛の風合を損なうこ なく、印字後の塗膜耐久性及び洗濯堅牢度 優れる染色物を提供することができる。

以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に 説明するが、本発明はこれらの実施例のみに 限定されるものではない。なお、特に断りの ない限り、「%」は「質量%」を意味し、「部 は「質量部」を意味する。

<二酸化チタンの特性値>
(平均1次粒子径)
透過型電子顕微鏡写真を基にして画像解析装 置にて測定した。
(吸油量)
JIS K5010に基づき測定した。

<実施例のインクジェット捺染用処理液の 製>
(インクジェット捺染用処理液1)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、 セチレングリコールのエチレンオキサイド 加物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部 を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 液1を得た。

(インクジェット捺染用処理液2)
水88.7部に、塩化カルシウム5部、ガラス転移 度-30℃のノニオン性スチレン-アクリル系自 己架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニー 966A、ニチゴー・モビニール(株)製、固形分4 5%)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、アセチレ ングリコールのエチレンオキサイド付加物、 川研ファインケミカル(株)製)の0.3部、を加え て攪拌し、インクジェット捺染用処理液2を た。

(インクジェット捺染用処理液3)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、ポリオキシエチレンアルキ エーテル(HLB14.5、商品名:サンノニックSS-120 三洋化成工業社製)の0.3部、を加えて攪拌し 、インクジェット捺染用処理液3を得た。

(インクジェット捺染用処理液4)
水89.7部に、硝酸カルシウム4水和物4部、ガラ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モ ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製、 固形分45%)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、 セチレングリコールのエチレンオキサイド 加物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部 を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 液4を得た。

(インクジェット捺染用処理液5)
水73.7部に、硝酸カルシウム4水和物20部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、 セチレングリコールのエチレンオキサイド 加物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部 を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 液5を得た。

(インクジェット捺染用処理液6)
水89.0部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)0.7部、アセチレノールE100(HLB13.5、 セチレングリコールのエチレンオキサイド 加物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部 を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 液6を得た。

(インクジェット捺染用処理液7)
水78.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)11.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、 アセチレングリコールのエチレンオキサイド 付加物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部 、を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 理液7を得た。

(インクジェット捺染用処理液8)
水83.9部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、 セチレングリコールのエチレンオキサイド 加物、川研ファインケミカル(株)製)の0.1部 を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 液8を得た。

(インクジェット捺染用処理液9)
水83.0部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、 セチレングリコールのエチレンオキサイド 加物、川研ファインケミカル(株)製)の1.0部 を加えて攪拌し、インクジェット捺染用処 液9を得た。

(インクジェット捺染用処理液10)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度0℃のノニオン性アクリル系自己 橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニール73 1、ニチゴー・モビニール社製、固形分46質量 %)6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、アセチレ グリコールのエチレンオキサイド付加物、 研ファインケミカル(株)製)の0.3部、を加え 攪拌し、インクジェット捺染用処理液10を た。

(インクジェット捺染用処理液11)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-38℃のアニオン性アクリル系自 架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニール 952B、ニチゴー・モビニール(株)製、固形分46 量%)の6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、ア チレングリコールのエチレンオキサイド付 物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部、 加えて攪拌し、インクジェット捺染用処理 11を得た。

(インクジェット捺染用処理液12)
水89.0部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-38℃のアニオン性アクリル系自 架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニール 952B、ニチゴー・モビニール(株)製、固形分46 量%)の0.7部、アセチレノールE100(HLB13.5、ア チレングリコールのエチレンオキサイド付 物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部、 加えて攪拌し、インクジェット捺染用処理 12を得た。

(インクジェット捺染用処理液13)
水78.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-38℃のアニオン性アクリル系自 架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニール 952B、ニチゴー・モビニール(株)製、固形分46 量%)の11.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、ア チレングリコールのエチレンオキサイド付 物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部、 加えて攪拌し、インクジェット捺染用処理 13を得た。

(インクジェット捺染用処理液14)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-6℃のアニオン性アクリル系自己 架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニール7 18A、ニチゴー・モビニール(株)製、固形分45 量%)の6.0部、アセチレノールE100(HLB13.5、アセ チレングリコールのエチレンオキサイド付加 物、川研ファインケミカル(株)製)の0.3部、を 加えて攪拌し、インクジェット捺染用処理液 14を得た。

(インクジェット捺染用処理液15)
水89.2部に、硝酸カルシウム4水和物10部、カ ボキシメチルセルロース(商品名:CMCダイセル 、ダイセル化学工業(株)製)の0.5部、アセチレ ノールE100(HLB13.5、アセチレングリコールのエ チレンオキサイド付加物、川研ファインケミ カル(株)製)の0.3部、を加えて攪拌し、インク ジェット捺染用処理液15を得た。

(インクジェット捺染用処理液16)
水89.6部に、硝酸カルシウム4水和物10部、カ ボキシメチルセルロース(商品名:CMCダイセル 、ダイセル化学工業(株)製)の0.1部、アセチレ ノールE100(HLB13.5、アセチレングリコールのエ チレンオキサイド付加物、川研ファインケミ カル(株)製)の0.3部、を加えて攪拌し、インク ジェット捺染用処理液16を得た。

(インクジェット捺染用処理液17)
水88.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、カ ボキシメチルセルロース(商品名:CMCダイセル 、ダイセル化学工業(株)製)の1.0部、アセチレ ノールE100(HLB13.5、アセチレングリコールのエ チレンオキサイド付加物、川研ファインケミ カル(株)製)の0.3部、を加えて攪拌し、インク ジェット捺染用処理液17を得た。

(インクジェット捺染用処理液18)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、ポリオキシエチレンアルキ エーテル硫酸ナトリウム(サンデッドEND、三 洋化成工業(株)製)の0.3部、を加えて攪拌し、 インクジェット捺染用処理液18を得た。

(インクジェット捺染用処理液19)
水83.7部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、2-エチル-N-カルボキシメチ -N-ヒドロキシエチルイミダリニウムベタイ (レボン105、三洋化成工業(株)製)の0.3部、を えて攪拌し、インクジェット捺染用処理液1 9を得た。

<比較例のインクジェット捺染用処理液の 製>
(インクジェット捺染用処理液20)
水95部に、塩化カルシウム5部を加えて攪拌し 、インクジェット捺染用処理液20を得た。

(インクジェット捺染用処理液21)
水84.0部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-30℃のノニオン性スチレン-アク ル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商品名: ビニール966A、ニチゴー・モビニール(株)製 固形分45%)6.0部、を加えて攪拌し、インクジ ット捺染用処理液21を得た。

(インクジェット捺染用処理液22)
水84.0部に、硝酸カルシウム4水和物10部、ガ ス転移温度-38℃のアニオン性アクリル系自 架橋性樹脂エマルジョン(商品名:モビニール 952B、ニチゴー・モビニール(株)製、固形分46 量%)の6.0部、を加えて攪拌し、インクジェ ト捺染用処理液22を得た。

(インクジェット捺染用処理液23)
水89.5部に、硝酸カルシウム4水和物10部、カ ボキシメチルセルロース(商品名:CMCダイセル 、ダイセル化学工業(株)製)の0.5部、を加えて 攪拌し、インクジェット捺染用処理液23を得 。

<インクジェット捺染用白色インク、イン ジェット捺染用青色インクの調製>
[高分子分散剤溶液の調製]
(高分子分散剤溶液1の調製)
ガラス転移温度40℃、重量平均分子量10,000、 価150mgKOH/gの固形アクリル酸/n-ブチルアクリ レート/ベンジルメタクリレート/スチレン共 合体25部を水酸化ナトリウム3.2部と水71.8部 混合溶液に溶解させて固形分25%の高分子分 剤溶液1を得た。

(高分子分散剤溶液2の調製)
ガラス転移温度60℃、重量平均分子量10,000、 価150mgKOH/gの固形アクリル酸/n-ブチルアクリ レート/ベンジルメタクリレート/スチレン共 合体25部を水酸化ナトリウム3.2部と水71.8部 混合溶液に溶解させて固形分25%の高分子分 剤溶液2を得た。

[インクジェット捺染用インクベースの調製]
(インクジェット捺染用白色インクベースの 製)
上記高分子分散剤溶液1の36部に水19部を加え 合し、酸化チタン分散用樹脂ワニスを調製 、更に酸化チタン(CR-90、アルミナシリカ処 、平均一次粒子径0.25μm、吸油量21ml/100g、石 原産業(株)製)45部を加えて撹拌混合後、湿式 ーキュレーションミルで練肉を行ない、イ クジェット捺染用白色インクベースを得た

(インクジェット捺染用水性青色インクベー の調製)
上記高分子分散剤溶液2の16質量部に水64質量 を加え混合し、青色顔料分散用樹脂ワニス 調製し、更に青色顔料(PB15:3、LIONOL BLUE FG-7 330、東洋インキ(株)製)20質量部を加えて撹拌 合後、湿式サーキュレーションミルで練肉 行ない、インクジェット捺染用水性青色イ クベースを得た。

(インクジェット捺染用水性黄色インクベー の調製)
上記高分子分散剤溶液2の16質量部に水64質量 を加え混合し、青色顔料分散用樹脂ワニス 調製し、更に黄色顔料(PY74、Brilliant Yellow 5 GX、クライアント製)20質量部を加えて撹拌混 後、湿式サーキュレーションミルで練肉を ない、インクジェット捺染用水性黄色イン ベースを得た。

(インクジェット捺染用水性赤色インクベー の調製)
上記高分子分散剤溶液2の16質量部に水64質量 を加え混合し、青色顔料分散用樹脂ワニス 調製し、更に赤色顔料(PR122、CROMOPHTAL PINK P T、チバ製)20質量部を加えて撹拌混合後、湿 サーキュレーションミルで練肉を行ない、 ンクジェット捺染用水性赤色インクベース 得た。

(インクジェット捺染用水性黒色インクベー の調製)
上記高分子分散剤溶液2の16質量部に水64質量 を加え混合し、青色顔料分散用樹脂ワニス 調製し、更に黒色顔料(PBk7 MA100、三菱化学 製)20質量部を加えて撹拌混合後、湿式サー ュレーションミルで練肉を行ない、インク ェット捺染用水性黒色インクベースを得た

(インクジェット捺染用白色インク1)
上記インクジェット捺染用白色インクベース の33.3部に、ガラス転移温度-30℃のノニオン スチレン-アクリル系自己架橋性樹脂エマル ョン(商品名:モビニール966A、ニチゴー・モ ニール(株)製、固形分45%)33.3部、グリセリン 20部、アセチレノールE100(アセチレングリコ ルのエチレンオキサイド付加物、川研ファ ンケミカル(株)製)1部、水12.4部を撹拌混合し てインクジェット捺染用白色インク1を得た

(インクジェット捺染用白色インク2)
上記インクジェット捺染用白色インクベース の33.3部に、ガラス転移温度-38℃のアニオン アクリル系自己架橋性樹脂エマルジョン(商 名:モビニール952B、ニチゴー・モビニール( )製、固形分46質量%)33.3部、グリセリン20部 アセチレノールE100(アセチレングリコールの エチレンオキサイド付加物、川研ファインケ ミカル(株)製)1部、水12.4部を撹拌混合してイ クジェット捺染用白色インク2を得た。

(インクジェット捺染用青色インク1)
上記インクジェット捺染用水性青色インクベ ースの17.5質量部に、ガラス転移温度-30℃の ニオン性スチレン-アクリル系自己架橋性樹 エマルジョン(商品名:モビニール966A、ニチ ー・モビニール(株)製、固形分45質量%)の35 量部、グリセリンの20質量部、アセチレノー ルE100(アセチレングリコールのエチレンオキ イド付加物、川研ファインケミカル(株)製) 1質量部、水の26.5質量部を攪拌してインク ェット捺染用水性青色インク1を得た。

(インクジェット捺染用青色インク2)
上記インクジェット捺染用水性青色インクベ ースの17.5質量部に、ガラス転移温度-38℃の ニオン性アクリル系自己架橋性樹脂エマル ョン(商品名:モビニール952B、ニチゴー・モ ニール(株)製、固形分46質量%)の35質量部、グ リセリンの20質量部、アセチレノールE100(ア チレングリコールのエチレンオキサイド付 物、川研ファインケミカル(株)製)の1質量部 水の26.5質量部を攪拌してインクジェット捺 染用水性青色インク2を得た。

(インクジェット捺染用黄色インク1)
上記インクジェット捺染用水性黄色インクベ ースの15質量部に、ガラス転移温度-30℃のノ オン性スチレン-アクリル系自己架橋性樹脂 エマルジョン(商品名:モビニール966A、ニチゴ ー・モビニール(株)製、固形分45質量%)の30質 部、グリセリンの30質量部、アセチレノー E100(アセチレングリコールのエチレンオキサ イド付加物、川研ファインケミカル(株)製)の 1質量部、水の24質量部を攪拌してインクジェ ット捺染用水性黄色インク1を得た。

(インクジェット捺染用黄色インク2)
上記インクジェット捺染用水性黄色インクベ ースの15質量部に、ガラス転移温度-38℃のア オン性アクリル系自己架橋性樹脂エマルジ ン(商品名:モビニール952B、ニチゴー・モビ ール(株)製、固形分46質量%)の35質量部、グ セリンの30質量部、アセチレノールE100(アセ レングリコールのエチレンオキサイド付加 、川研ファインケミカル(株)製)の1質量部、 水の24質量部を攪拌してインクジェット捺染 水性黄色インク2を得た。

(インクジェット捺染用赤色インク1)
上記インクジェット捺染用水性赤色インクベ ースの20質量部に、ガラス転移温度-30℃のノ オン性スチレン-アクリル系自己架橋性樹脂 エマルジョン(商品名:モビニール966A、ニチゴ ー・モビニール(株)製、固形分45質量%)の40質 部、グリセリンの20質量部、アセチレノー E100(アセチレングリコールのエチレンオキサ イド付加物、川研ファインケミカル(株)製)の 1質量部、水の19質量部を攪拌してインクジェ ット捺染用水性赤色インク1を得た。

(インクジェット捺染用赤色インク2)
上記インクジェット捺染用水性赤色インクベ ースの20質量部に、ガラス転移温度-38℃のア オン性アクリル系自己架橋性樹脂エマルジ ン(商品名:モビニール952B、ニチゴー・モビ ール(株)製、固形分46質量%)の40質量部、グ セリンの20質量部、アセチレノールE100(アセ レングリコールのエチレンオキサイド付加 、川研ファインケミカル(株)製)の1質量部、 水の19質量部を攪拌してインクジェット捺染 水性赤色インク2を得た。

(インクジェット捺染用黒色インク1)
上記インクジェット捺染用水性黒色インクベ ースの30質量部に、ガラス転移温度-30℃のノ オン性スチレン-アクリル系自己架橋性樹脂 エマルジョン(商品名:モビニール966A、ニチゴ ー・モビニール(株)製、固形分45質量%)の46.7 量部、グリセリンの20質量部、アセチレノー ルE100(アセチレングリコールのエチレンオキ イド付加物、川研ファインケミカル(株)製) 1質量部、水の23質量部を攪拌してインクジ ット捺染用水性黒色インク1を得た。

(インクジェット捺染用黒色インク2)
上記インクジェット捺染用水性黒色インクベ ースの30質量部に、ガラス転移温度-38℃のア オン性アクリル系自己架橋性樹脂エマルジ ン(商品名:モビニール952B、ニチゴー・モビ ール(株)製、固形分46質量%)の46.7質量部、グ リセリンの20質量部、アセチレノールE100(ア チレングリコールのエチレンオキサイド付 物、川研ファインケミカル(株)製)の1質量部 水の23質量部を攪拌してインクジェット捺 用水性黒色インク2を得た。

<インクジェット捺染用水性白色インクの 刷>
綿100%の黒色布帛に上記処理液1~23を、A4サイ あたり10g含浸させた後に加熱乾燥し、SPECTRA 製ヘッドを搭載した評価用プリンターを用 て、インクジェット捺染用水性白色インク1 又は2を、ベタ印字が4回重なるような態様で 字し、その後ヒートプレス機を用いて印字 行った部分を180℃の温度で30秒間加熱して インクジェット捺染用水性白色インクを布 に定着させ、実施例1~33、比較例1~4の捺染物 得た。

<インクジェット捺染用水性青色インクの 刷>
綿100%の白色布帛に上記処理液1、3、10、11、14 、21を、A4サイズあたり10g含浸させた後に加 乾燥し、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用 リンターを用いて、インクジェット捺染用 性青色インク1又は2を、ベタ印字し、その ヒートプレス機を用いて印字を行った部分 180℃の温度で30秒間加熱して、インクジェッ ト捺染用水性青色インクを布帛に定着させ、 実施例34~43、比較例5、6の捺染物を得た。

<インクジェット捺染用水性黄色インクの 刷>
綿100%の白色布帛に上記処理液1、21を、A4サイ ズあたり10g含浸させた後に加熱乾燥し、SPECTR A社製ヘッドを搭載した評価用プリンターを いて、インクジェット捺染用水性黄色イン 1又は2を、ベタ印字し、その後ヒートプレス 機を用いて印字を行った部分を180℃の温度で 30秒間加熱して、インクジェット捺染用水性 色インクを布帛に定着させ、実施例44、45、 比較例7、8の捺染物を得た。

<インクジェット捺染用水性赤色インクの 刷>
綿100%の白色布帛に上記処理液1、21を、A4サイ ズあたり10g含浸させた後に加熱乾燥し、SPECTR A社製ヘッドを搭載した評価用プリンターを いて、インクジェット捺染用水性赤色イン 1又は2を、ベタ印字し、その後ヒートプレス 機を用いて印字を行った部分を180℃の温度で 30秒間加熱して、インクジェット捺染用水性 色インクを布帛に定着させ、実施例46、47、 比較例9、10の捺染物を得た。

<インクジェット捺染用水性黒色インクの 刷>
綿100%の白色布帛に上記処理液1、21を、A4サイ ズあたり10g含浸させた後に加熱乾燥し、SPECTR A社製ヘッドを搭載した評価用プリンターを いて、インクジェット捺染用水性黒色イン 1又は2を、ベタ印字し、その後ヒートプレス 機を用いて印字を行った部分を180℃の温度で 30秒間加熱して、インクジェット捺染用水性 色インクを布帛に定着させ、実施例48、49、 比較例11、12の捺染物を得た。

<白色染色物>
(画像濃度)
実施例1~33、比較例1~4の各捺染物の明度を色 計(コニカミノルタ(株)製、商品番号:DR-321)を 用いて測定した。その結果を表1~2に示す。
◎:L * が80以上
○:L * が70以上80未満
△:L * が50以上70未満
×:L * が50未満

(塗膜耐性)
実施例1~33、比較例1~4の各捺染物を5回引っ張 伸ばして(各回とも限度まで引っ張り伸ばす )、塗膜の割れ、剥離を目視にて評価した。 の結果を表1~2に示す。
◎:塗膜の割れ、剥離が見られない
○:塗膜の剥離は見られないが、割れが僅か 見られる
△:塗膜の剥離は見られないが、割れが発生 る
×:塗膜の割れ、剥離が見られる

(洗濯堅牢度)
実施例1~33、比較例1~4の各捺染物を家庭用洗 機で通常の洗濯(洗濯条件:通常モードでの洗 濯→脱水→乾燥)を5回実施し、各捺染物の洗 前と洗濯後の明度を色差計(コニカミノルタ (株)製、商品番号:DR-321)を用いて測定し、洗 前の明度(L * )の初期値からの変化率を測定し評価した。 の結果を表1~2に示す。
◎:洗濯後において画像濃度が初期値の90%以 を保つもの
○:洗濯後において画像濃度が初期値の80%以 90%未満のもの
△:洗濯後において画像濃度が初期値の70%以 80%未満のもの
×:洗濯後において画像濃度が初期値の70%未満 のもの

(風合い)
実施例1~33、比較例1~4の各捺染物を手で触り 価した。その結果を表1~2に示す。
◎:捺染物が容易に折れ曲がり、綿100%の黒色 帛そのものの柔らかさに近いもの
○:捺染物が容易に折れ曲がるが、布帛その のよりも若干ごわつきを感じるもの
△:捺染物がごわつきを感じるもの
×:捺染物が自由に折れ曲がらない程固いもの

(処理液の跡残り)
実施例1~33、比較例1~4の各捺染物の処理液の 残りを下記基準にて評価した。その結果を 1~2に示す。
◎:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処 液由来の跡残りが見られないもの
○:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処 液由来の跡残りが若干見られるがほとんど にならないもの
△:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処 液由来の跡残りが見られるもの
×:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処理 液由来の跡残りが非常に目立つもの

<白色以外の染色物>
(画像濃度)
実施例34~49、比較例5~12の各捺染物のベタ部の 画像濃度(OD値)を、マクベス濃度計(マクベス 製、商品番号:TD-931)を用いて評価した。そ 結果を表3~4に示す。

(塗膜耐性)
実施例34~49、比較例5~12の各捺染物を5回引っ り伸ばして(各回とも限度まで引っ張り伸ば )、塗膜の割れ、剥離を目視にて評価した。 その結果を表3~4に示す。
◎:塗膜の割れ、剥離が見られない
○:塗膜の剥離は見られないが、割れが僅か 見られる
△:塗膜の剥離は見られないが、割れが発生 る
×:塗膜の割れ、剥離が見られる

(洗濯堅牢度)
実施例34~49、比較例5~12の各捺染物を家庭用洗 濯機で通常の洗濯(洗濯条件:通常モードでの 濯→脱水→乾燥)を5回実施し、各捺染物の 濯前と洗濯後の画像濃度(OD値)を、マクベス 度計(マクベス社製、商品番号:TD-931)を用い 測定し、洗濯前の初期値からの変化率を測 し評価した。その結果を表3~4に示す。
◎:洗濯後において画像濃度が初期値の90%以 を保つもの
○:洗濯後において画像濃度が初期値の80%以 90%未満のもの
△:洗濯後において画像濃度が初期値の70%以 80%未満のもの
×:洗濯後において画像濃度が初期値の70%未満 のもの

(風合い)
実施例34~49、比較例5~12の各捺染物を手で触り 評価した。その結果を表3~4に示す。
◎:捺染物が容易に折れ曲がり、綿100%の黒色 帛そのものの柔らかさに近いもの
○:捺染物が容易に折れ曲がるが、布帛その のよりも若干ごわつきを感じるもの
△:捺染物がごわつきを感じるもの
×:捺染物が自由に折れ曲がらない程固いもの

(処理液の跡残り)
実施例34~49、比較例5~12の各捺染物の処理液の 跡残りを下記基準にて評価した。その結果を 表3~4に示す。
◎:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処 液由来の跡残りが見られないもの
○:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処 液由来の跡残りが若干見られるがほとんど にならないもの
△:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処 液由来の跡残りが見られるもの
×:捺染物の処理液塗布面の非画像部分に処理 液由来の跡残りが非常に目立つもの

本発明の捺染用処理液で処理し、次いでイ ンクジェットにて印字した場合、処理液の跡 残りを防止できるとともに、画像濃度、塗膜 耐性、洗濯堅牢度、風合いに優れた捺染物を 得ることが可能であった。一方、ノニオン系 界面活性剤や樹脂成分を使用しなかった場合 は、処理液の跡残りが発生し、洗濯堅牢度に 劣ることもあった。

<インクジェット捺染用白色インクの印字 、インクジェット捺染用青色インクの印字&g t;
綿100%の黒色布帛に上記処理液1又は処理液20 、A4サイズあたり10g含浸させた後に加熱乾燥 し、SPECTRA社製ヘッドを搭載した評価用プリ ターを用いて、インクジェット捺染用水性 色インク1を、ベタ印字が4回重なるような態 様で印字し、次いで、該ベタ印字領域に、イ ンクジェット捺染用青色インクをベタ印字し 、その後ヒートプレス機を用いて180℃の温度 で30秒間加熱して、インクジェット捺染用白 インク及びインクジェット捺染用青色イン を布帛に定着させた捺染物を得た。

処理液1を使用して得られた捺染物は、布 上に処理液の跡残りはなく、色物の布帛の 合が損なわれず、塗膜耐久性及び洗濯堅牢 に優れ、且つ得られる画像の鮮明さに優れ ものであった。処理液20を使用して得られた 捺染物は、跡残りが発生し、色物の布帛の風 合が悪く、且つ得られる画像の鮮明さに劣る ものであった。

本発明のインクジェット捺染用処理液及び インクジェット捺染方法は、布帛の捺染方法 に好適に適用できる。