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Title:
ULTRAVIOLET GENERATION DEVICE AND LIGHTING DEVICE USING SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/123258
Kind Code:
A1
Abstract:
High-intensity and high-efficient ultraviolet light is generated by applying polyphase alternating current discharge plasma in a multipole magnetic field to a light source for generating ultraviolet light and using mercury and general molecular gas other than rare gas. The interior of a planar container (3) is evacuated, and 1 Torr or less of molecular gas used for discharge light emission is filled or poured thereinto. A 12-phase alternating current power supply of 1 kw or less is connected to 12 split electrodes (1) and discharge electric energy is supplied thereto. Thus, plasma (P) by stable alternating-current glow discharge is generated along the surface of the split electrodes (1) covered with a barrier layer (2). As a result of discharge, light with a wavelength unique to molecular gas which contains ultraviolet light is emitted and extracted outward from a light extraction window (32).

Inventors:
MATSUMOTO KAZUNORI (JP)
TAIRA YUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/056800
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
April 01, 2009
Export Citation:
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Assignee:
TOYAMA PREFECTURE (JP)
MATSUMOTO KAZUNORI (JP)
TAIRA YUKI (JP)
International Classes:
H01J65/00; H01J61/12; F21V9/08; F21V9/16
Foreign References:
JP2001256923A2001-09-21
JP2005511281A2005-04-28
JPH1131480A1999-02-02
JPH08330079A1996-12-13
JP3772192B22006-05-10
JP3742866B22006-02-08
JP3472229B22003-12-02
JPS566364A1981-01-22
JP2002304970A2002-10-18
Other References:
YUKI TAIRA ET AL.: "Bunshisei Gus ni Okeru Takyoku Jibachu · Taso Koryu Hoden Plasma kara no Shigaisen Hakko", THE 55TH EXTENDED ABSTRACTS, vol. 1, 27 March 2008 (2008-03-27), pages 247, 30A - S-5
THE 5TH NATIONAL MEETING OF THE JAPAN SOCIETY OF APPLIED PHYSICS, March 2008 (2008-03-01), pages 247
RESEARCH REPORTS OF THE POSTGRADUATE ELECTRONIC SCIENCE AND TECHNOLOGY RESEARCH COURSE, pages 29
Attorney, Agent or Firm:
MAKI, Tetsuro et al. (JP)
Maki Tetsuro (JP)
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Claims:
 弱電離低温プラズマにより放電気体を励起して紫外線を発生するものにおいて、
 前記放電気体が一酸化窒素と希釈ガスの混合ガスであることを特徴とする紫外線発生装置。
 前記希釈ガスが化学的に安定なガスであることを特徴とする請求項1記載の紫外線発生装置。
 前記希釈ガスが一酸化窒素の励起準位より高い準安定準位をもつガスであることを特徴とする請求項1記載の紫外線発生装置。
 前記希釈ガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項1記載の紫外線発生装置。
 前記混合ガスの一酸化窒素濃度が5~50%であることを特徴とする請求項1記載の紫外線発生装置。
 前記弱電離低温プラズマを発生するプラズマ発生装置が、
 平面基板上に僅かな間隙を空けて敷き詰めたn枚のシート状の分割電極と、
 前記分割電極の表面を磁力線で覆うように多極磁場を形成する磁石と、
 前記分割電極に位相が1/n周期ずつずれて振幅が同じ大きさの放電電気エネルギーを供給する位相制御n相交流電源と、
から成ることを特徴とする請求項1記載の紫外線発生装置。
 前記紫外線を蛍光物質に当てて可視光線に変換することを特徴とする照明装置。
Description:
紫外線発生装置及びそれを用い 照明装置

 本発明は、高密度の弱電離低温プラズマ 効率的に安定して発生する新しい放電技術 利用した水銀レスの紫外線発生装置および の紫外線を照明に適用した照明装置に関す 。

 水素、キセノンやクリプトンの放電ガス ら得られる紫外・真空紫外線は、光化学工 、半導体製造プロセス、食品・医薬殺菌、 よび蛍光体の励起により可視光に返還され 照明装置などの様々な分野に広く使用され いる。しかし、水銀は地球環境に有害な物 であり、その使用が抑制されつつある。一 、キセノンやクリプトンガスは希少物質で り、その利用には限界がある。そのため水 や希ガス以外の一般的な分子性ガスを放電 体に使用した紫外・真空紫外線発生装置お び照明装置の開発が必要とされている。

 一般に単原子からなる水銀やキセノンガス の低圧のグロー放電では放射される光のス クトルは不連続で、放電気体特有の波長を つ線スペクトルとなる。これは電子で励起 れた原子が緩和する場合に特定のエネルギ 状態の準位間を遷移し、これに伴って光を 射するためである。
 一方、2個以上の原子から成る分子性ガスに おける低圧グロー放電では放射される光のス ペクトルは連続になる。これは電子励起エネ ルギー状態に分子間の振動および回転励起状 態が加わり、エネルギー準位間の遷移が連続 となるためである。従って、分子性ガスから 効率よく紫外線放射を得るためには適当なエ ネルギー遷移状態をもつ分子性ガスを種々選 択する必要がある。
 また、グロー放電プラズマにおいて分子性 スを十分な強さで効果的に励起するために 、高出力・高効率のプラズマ発生装置が必 となる。

 本出願人は、特開平8-330079号公報に開示さ た低コストで大容量の放電(弱電離低温プラ マ)を安定して発生できる低周波交流電源と して、位相が配列(制御・調整)された複数個 交流出力からなる位相制御多出力型交流電 装置を先に出願し、さらに、この電源を用 て、特許3772192号公報に開示された放電を効 率的に発生させるための電極と、特許3742866 公報に開示された磁場の構成方法を出願し 。電極の構成方法は、電極を熱伝導性のよ 絶縁シートを介して冷却された装置内壁に 着固定する方法であり、磁場の構成方法は 装置外壁に複数の磁石を取り付けて電極表 付近にプラズマの流出を抑える多極磁場を 成する方法である。
 本出願人は、さらに特許第3472229号公報に開 示された位相制御多相交流電源を用いて放電 を効率的に発生させる壁密着電極と多極磁場 を使用することにより、省エネルギー効果の 高い、高出力・高効率の放電型照明装置を出 願している。

特開平8-330079号公報

特許3772192号公報

特許3742866号公報

特許第3472229号公報

 本発明は、多極磁場中の多相交流放電プ ズマを紫外発生光源へ応用し、地球環境に 害な水銀を用いずに分子性ガスを用いて、 輝度で高効率な紫外線を発生させることを 的になされたものである。

 そのため本発明は、弱電離低温プラズマで 子性ガスの放電気体を励起して紫外線を発 するものにおいて、放電気体が一酸化窒素 希釈ガスの混合ガスであることを最も主要 特徴とする。
 以下に関連文献を示す。
1) 特開昭56-6364、「窒素/酸素封入物を有する 低圧中空陰極ランプ」、ミヒヤエル・ツエヘ パウアー(ドイツ連邦共和国)他、
2) 特開2002-304970、位相制御多電極型交流放電 光源、松本和憲
3) 第5回応物学会講演予稿集p.247、2008/3
4) 静岡大学大学院電子科学研究科研究報告(2 9)
 なお、これら関連文献に記載はないが、一 化窒素ガスNOが、150nmから230nmにわたる紫外 域において、γスペクトルと呼ばれる吸収 いは発光スペクトル(分子ポテンシャル曲線) を有することは、従来より知られている。
関連文献1)は、NOガスのみを用いて放電によ 紫外線を放射させる場合で、封入してあるNO ガスが放電により解離し組成が変わるので、 それを防ぐ方法が提案されている。また、金 属電極が剥き出しになっており、NOから解離 た酸素が金属電極と反応して金属電極がな なってしまうことを防止するため、金属電 を酸化物金属で被覆し放電管内部へ挿入す ことが記載されている。
 関連文献4)は、一酸化窒素NOそのものを用い ないで、窒素N2と酸素O2の混合ガスにおける 電を利用する方法である。すなわち、放電 より、窒素分子および酸素分子をそれぞれ 素原子Nおよび酸素原子Oに解離し、一酸化窒 素NOを合成する方法である。
 一方、関連文献2)および文献3)は本発明者等 の出願および発表で、本発明に使用する電源 に関する文献であるが、本発明に関わること は開示されていない。
 本発明の特徴は、一酸化窒素NOに窒素を混 することによって、初めてNOからの実用レベ ルの強度で効果的紫外線を放射させることが できる点である。このような本発明は上記関 連文献1)~4)とは全く異なる。

 本発明は、放電気体に一酸化窒素と希釈 スの混合ガスを用いるので、低電力でも強 紫外線が得られ、これを蛍光物質に照射す ことにより高輝度で高効率な水銀レスの照 装置を実現できる。

 以下、本発明の実施の形態について説明 る。

 図1に、本発明を実施した照明装置の断面図 を示す。
 照明装置は、12枚のシート状の分割電極1を かな間隙aを空けてバリア層2の中に埋め込 、平面容器3の底面の基板31に密着固定する
 基板31の対向面は、内側を蛍光体bで被膜し 光取り出し窓32で覆い、平面容器3を密閉し 低圧放電室を形成する。
 分割電極1は、できるだけ面積を大きくして 基板31全体を覆うように配置する。
 バリア層2は、例えば石英ガラスや窒化ホウ 素のような電気絶縁性と熱伝導性の良好な材 質のものを使用して絶縁体層を形成する。

 基板31の外側は、隣り合う極性を逆にして 列した12+1本の棒状の磁石4を間隙aに沿って 着して固定する。磁石4の矢印は磁極の方向 示す。これにより、磁力線が分割電極1の表 面を覆うように多極磁場を形成する。
 磁石4を取り付けた基板31の外側は磁気シー ド板5で覆い、磁力線を外部に発散させない で内部に集中させる。

 多極磁場の磁石4は、永久磁石の代わりに電 磁コイルを用いてもよい。
 あるいは、ラバー・マグネットなどのシー 状の磁石4をバリア層2と基板31の間に挟み込 んだり、基板31の外側に張り付けて多極磁場 形成してもよい。これにより、磁石4の厚み が薄くなる分、照明装置の形状を薄くコンパ クトに形成できる。

 ここで、磁石4と分割電極1との位置関係 任意であるが、図1では磁石4を分割電極1と 割電極1との間隙aの真後ろに置く場合を示す 。このとき、多極磁場は分割電極1の表面が 力線で覆われるように形成されるので、プ ズマPが分割電極1の表面近傍に効果的に閉じ 込められる。このように表面の薄い層にプラ ズマPを閉じ込めると、分子性ガスの励起が まりその薄い層から強い紫外線が放射でき 。

 12枚の分割電極1には、図2に示すように、分 割電極1の一端に取り付けた給電端子11を介し て位相が1/12周期ずつずれていて振幅が同じ きさの12相交流電源6を接続する。
 12相交流電源6は、周波数や振幅および位相( 波形を含む)が制御された低周波交流電源を 形結線して構成し、電源全体は絶縁トラン などにより浮遊電位のままにしておき、放 を分割電極1間のみに発生させる。
 電源の相数は、4相以上であれば相数が増え るにつれて電位分布の一様領域、すなわち電 界の一様領域は増加するが、12相以上になる その増加傾向が飽和するため、12相が実用 な範疇である。

 本発明を実施した照明装置は以上のような 成で、平面容器3内を排気装置(不図示)によ て真空排気し、放電発光に用いる分子性ガ 1Torr以下を封入あるいは流入する。
 この分子性ガスがすなわち放電気体であっ 、本発明では一酸化窒素と希釈ガスの混合 スを用いる。希釈ガスとしては化学的に安 なガスで、一酸化窒素の励起準位~6eVよりわ ずかに高い準安定準位をもつガスを用いる。
具体的には窒素ガスが最適である。理由は、 窒素ガスが300nm以下の紫外線を放射する一酸 窒素の励起エネルギーよりわずかに高いエ ルギー準位に準安定状態をもつことによる
 図10に、一酸化窒素のポテンシャル曲線図 示すが、本発明における紫外線は、分光記 でA2σ+と表されるエネルギー準位から、X2πr 表される準位に、一酸化窒素の電子状態が 移する時に放射される。この間のエネルギ 差はおよそ6eVで、波長~200nmをもつ光子のエ ルギーに対応する。
 図11および12に、主要分子および原子の準安 定準位を示す。窒素分子N2には、A3σuという 安定準位が存在し、そのエネルギーは6.17eV 、その寿命は1.3~2.6秒と長く、通常の寿命が1 0-12秒程度で有るのに比べ非常に長いことが かる。また、窒素分子の分子量は28、一酸化 窒素の分子量は30で、同じような重さを持つ めこの二つが衝突した場合には、エネルギ の授受が効率よく行われる。すなわち準安 状態A3σuにあるN2が6.17eVのエネルギーをもっ て、基底状態にあるNOに衝突した場合、NOは ネルギー6eVをもつA2σ+なる準位へ、効率よく 励起されることになる。このレベルから基底 状態に遷移する時、~200nm附近に紫外線が放射 されることになる。
 窒素ガスの替わりに同じような準安定準位 もつArガスで希釈した場合、図13の下図に示 すように、純NOの場合と紫外線放射強度はあ り変わらない。これは、アルゴンの準安定 位のエネルギーレベルが~12eVと高く、たと NOを6eVに励起しても、残りのおよそ6eVが無駄 になるためであり、また、原子量も40とNOの30 より1.3倍も大きいことが要因である。
 窒素ガスおよびArガスの他にはキセノンガ がある。キセノンXeは一酸化窒素の励起準位 ~6eVよりわずかに高いエネルギー準位8.32eVに 安定準位があるため、窒素ガスとほぼ同等 効果が期待できる。しかしXeは原子量が131あ り、一酸化窒素の分子量30よりもかなり重い 従って、両者を比べた場合、窒素分子ガス( 分子量28)のほうが、キセノンガスより軽いた め、希釈ガスには適しているといえる。
 なお、図13の上図には、関連文献4)に示され た従来技術の空気を模擬した窒素・酸素混合 ガスを用いた場合の本発明者等のデータを示 す。これから明らかなように空気を模擬した 場合のNOからの放射は大変小さいことが判か 。この原因は、混入した酸素が、一酸化窒 NOをより安定な二酸化窒素NO2へと簡単に変 させてしまい、NOの絶対量が大幅に少なくな ることに起因する。すなわち、窒素分子ガス に一酸化窒素をわずかに混入させた場合のみ 、NOから実用的な強度で紫外線が放射され、 のことは、本発明により初めて明らかとな た。
 一酸化窒素の希釈ガスとして窒素が有効な 由は、主封入ガスである窒素分子は、放電 より一酸化窒素分子から解離した酸素と直 に再結合されるため、一酸化窒素ガスの放 による組成変化が回避され、その結果、安 して強い紫外線が得られることになる。
 分子性ガスとして、これまで様々な化合物 研究・試験されてきた。特に、常温か、少 加熱して気体状態になる炭素C,窒素N、酸素O 、イオウS,セレンSe、テルルTeなどの化合物が 試されてきたが、大きな問題点は、放電状態 において化合物が解離し装置内に固形の別の 化合物ができ、分子性ガスの組成が初期状態 とは変化してしまったり、光取り出し窓が雲 ってしまうということが大きな問題点であっ た。

 そして12枚の分割電極1に1kw以下の位相制御1 2出力交流電源を接続して放電電気エネルギ を供給する。
 これにより、図1に示すように、バリア層2 覆われた分割電極1の表面に沿って安定な交 グロー放電によるプラズマPが生じる。
 12枚の分割電極1に12相の交流電圧を印加す と、放電は1周期の間に分割電極1間を1回り るので、1秒間に放電が印加周波数だけ回転 る。このため、どの時刻においても何れか 分割電極1間で放電が起こり、低周波の交流 放電にも拘わらず高周波点灯のような連続放 電が発生する。放電の結果生じたプラズマP 、多極磁場によって狭くて薄い領域に閉じ められ、電気的に中性な分子性ガス(中性ガ )のプラズマによる衝突励起が盛んになり、 励起中性ガスからの発光密度と発光効率が高 まる。
 このような連続放電の結果、紫外線を含む 子性ガス特有の波長を持つ光が電極全体に たって安定して且つ空間的に一様に放射さ る。この紫外線が光取り出し窓32の内側に 布された蛍光体bにより可視光に変換される プラズマ領域が薄く発光層の厚さが薄いた 、光は再吸収されず高輝度になる。
 分割電極の寸法や配置は図1に限らない。ま た交流電源の相数も12に限らない。分割電極 寸法、配置や交流電源の相数またその電力 大きさは、紫外線の放射が被照射物に最適 なるよう、適宜調整する。
 発生した紫外線は蛍光物質に当てて可視光 変換し照明装置とするほか、加熱による変 を嫌う食品や医薬品の殺菌に利用でき、ま 光化学反応に応用できる。

 以下、本発明の実施例(実験結果)について 明する。
 実験は、本発明の照明装置に30w以下、40kHz インバータ式12相交流電源6を接続し、真空 気した同装置に下記3種類の分子性ガス0.17~0. 3Torrを入れて行った。
 放電発光スペクトルは、光ファイバ式多チ ンネル分光器で計測した。

 図3に、3種類の分子性ガスにおける多極磁 中の放電発光スペクトルを示す。
 図3(a)、(b)および(c)は、分子性ガスとしてそ れぞれ窒素、一酸化窒素および窒素希釈(90%) 酸化窒素(10%)ガスを用いた場合のスペクト である。ここで、縦軸は標準光源で校正さ た分光放射束密度[uW/cm 2 /nm]である。
 図3(a)の窒素ガスの場合、従来報告されてい るように300nm~380nmの波長域からの紫外線放射 観測された。
 図3(b)、(c)の一酸化窒素ガスの場合、この実 験は本出願人によって初めて試みられたが、 200nm~380nmの波長域からの紫外線放射が観測さ た。
 さらに、図4に示すように、一酸化窒素を窒 素で希釈し、一酸化窒素濃度が10%程度の時、 この領域からの紫外線放射が最も大きくなる ことが分かった。
 ここで、図4の縦軸は放射束密度[uW/cm 2 ]、横軸は一酸化窒素濃度NO/N 2 +NO[%]である。
 この図4から、放射束密度は、窒素希釈一酸 化窒素ガスの一酸化窒素濃度が5~50%の範囲内 とき大きく、この範囲外のとき小さいこと わかる。これは一酸化窒素濃度が5%未満だ 、紫外線発光の主体である一酸化窒素分子 数が不足するためであり、逆に50%を超過す と、希釈ガスである窒素分子から一酸化窒 が効果的に励起されにくくなるためである 考えられる。

 図5に、3種類の分子性ガスにおける圧力に する分光放射束密度を紫外領域(200nm~380nm)で 分して求めた放射束密度を示す。ここで、 のデータは窒素分子、▲印のデータは一酸 窒素および■印のデータは窒素希釈一酸化 素(10%)の場合の放射束密度である。また、 線で結ばれた□印のデータは磁場無しにお る窒素希釈一酸化窒素(10%)の場合のそれであ る。
 磁場無しの場合、圧力が下がってもほとん 変化が無かった。
 一方、多極磁場中の場合、圧力が下がるに れ紫外線発光強度が増大した。
 これは、圧力が下がるとプラズマ-中性ガス 衝突が減少し、磁場によるプラズマ閉じ込め 効果が強くなるからである。ここで、図3、 4および図5における多極磁場はマルチレース 型の多極磁場である。
 窒素希釈一酸化窒素混合ガスの圧力が0.3Torr における紫外線放射密度の大きさは、同装置 において水銀を用いた場合に観測された値よ り1.5倍も大きくなった。
 一酸化窒素の希釈ガスとしてアルゴンガス 試みたが、紫外線の放射は窒素希釈の場合 り小さかった。

 図6に、2種類の分子性ガスにおける多極磁 中の放電発光スペクトルを示す。
 図6(a)、(b)は、分子性ガスとしてそれぞれ水 素、水素希釈(90%)一酸化炭素(10%)ガスを用い 場合のスペクトルである。ここで、ガス圧 は0.3Torrであり、縦軸は標準光源で校正され 分光放射束密度[μW/cm 2 /nm]である。
 図6(a)の水素ガス、図6(b)の水素希釈一酸化 素ガスともに、~300nm以下の短波長域からの 外線放射が観測された。ここで、一酸化炭 ガスから200nm以下に強い真空紫外線が放射さ れることが一般的に知られているので、本実 験でもこの領域の紫外線が放射されていると 考えられる。実験において200nm以下のスペク ルを観測できない理由は、実験で使用した 1に示す光取り出し窓は真空紫外線を透過で きない石英窓であり、また利用した分光器は 真空紫外線を計測できないからである。
 図7に示すように、一酸化炭素を水素で希釈 し一酸化炭素濃度が10%程度の時、この領域か らの紫外線放射が最も大きくなることが分か った。
 ここで、図7の縦軸は放射束密度[μW/cm 2 ]、横軸は一酸化炭素濃度CO/H 2 +CO[%]である。ここで、図6および図7における 極磁場は二重櫛型の多極磁場である。
 図7から、放射束密度は、水素希釈一酸化炭 素ガスの一酸化炭素濃度が1~15%の範囲内のと 大きく、この範囲外のとき小さいことがわ る。これは一酸化炭素濃度が1%未満だと、 外・真空紫外線発光の主体である一酸化炭 分子の数が不足するためであり、逆に15%を 過すると、希釈ガスである水素分子から一 化炭素が効果的に励起されにくくなるため あると考えられる。
 一酸化炭素ガスの場合、茶色の炭素膜が光 り出し窓32に生じたが、分子性ガスに水素 釈一酸化炭素ガスを用いることにより、一 化炭素が解離して生ずる炭素膜の形成が抑 された。

 さらに、多極磁場の構成を変えて、図8(a)に 示すように、棒状の磁石4のS極・N極をレース ・トラック状に配置したマルチレース型磁場 と、図8(b)に示すように、2組の櫛の歯を噛合 たような形に配置した二重櫛型磁場の比較 験を行った。ここでは、窒素ガスを用いた 合のデータのみ示す。
図9に示すように、圧力が下がるにつれ紫外 可視領域ともに発光強度が増し、図9(a)に示 マルチレース型磁場の方が、図9(b)に示す二 重櫛型磁場より発光強度が数倍強くなった。 ここで、図9における■および□印のデータ 紫外領域の放射束密度であり、分光放射束 度を波長200nm~380nmの範囲で積分して求めたも のである。また、同図における●および○印 のデータは可視領域のそれであり、分光放射 束密度を波長380nm~780nmの範囲で積分したもの ある。更に、図9における実線は多極磁場中 の場合で、破線は磁場無しの場合である。

本発明を実施した紫外線発生装置の断 図である。 本発明を実施した紫外線発生装置の電 接続図である。 3種類の分子性ガスによる発光スペクト ルの変化を示す図である。 窒素に対する一酸化窒素の濃度による 外線強度の変化を示す図である。 磁場の有無における圧力による紫外線 光分布を示す図である。 2種類の分子性ガスによる発光スペクト ルの変化を示す図である。 水素に対する一酸化炭素の濃度による 外線強度の変化を示す図である。 マルチレース・二重櫛型磁場の構成図 ある。 マルチレース・二重櫛型磁場における 力による発光分布を示す図である。 一酸化窒素のポテンシャル曲線図であ る。 主要原子の準安定準位を示す。 主要分子の準安定準位を示す。 2種類の分子性ガスによる発光スペク ルの変化を示す図で、上図は関連文献4)に示 す空気を模擬した窒素・酸素混合ガスの場合 を、また下図はArで希釈した一酸化窒素ガス 場合をそれぞれ示す。

 1   分割電極
 2   バリア層
 3   平面容器
 31  基板
 32  光取り出し窓
 4   磁石
 5   磁気シールド板
 6   12相交流電源
 a   間隙
 b   蛍光体
 P   プラズマ