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Title:
VEHICLE DRIVING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/069334
Kind Code:
A1
Abstract:
A vehicle driving device having a hydraulic circuit capable of efficiently supplying hydraulic pressure from an accumulator to a hydraulic servo in a short period while irreducibly minimizing the capacity of the accumulator. In the hydraulic circuit (50) provided for a gearless drive mechanism (30), the accumulator (56) is connected through an electromagnetic switch valve (55) with an oil path (62) connecting a clutch pressure control valve (53) with a manual valve (54). The oil path (62) has a one-way valve (71) for circulating oil only in a direction from the clutch pressure control valve (53) to the accumulator (56) and a clutch (C1) for forward movement. Then, the electromagnetic switch valve (55) makes an oil path (63) into a communicating state when an oil pump (51) is driven and makes the oil path (63) into a disconnecting state when the oil pump (51) is stopped.

Inventors:
OHSHIMA ATSUYA (JP)
TSUZUKI SHIGEO (JP)
YAMASHITA MITSUGI (JP)
SHIRASAKA HARUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/062257
Publication Date:
June 04, 2009
Filing Date:
July 07, 2008
Export Citation:
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Assignee:
AISIN AW CO (JP)
OHSHIMA ATSUYA (JP)
TSUZUKI SHIGEO (JP)
YAMASHITA MITSUGI (JP)
SHIRASAKA HARUKI (JP)
International Classes:
F16H61/00; F16H61/66; F16H59/08; F16H61/662
Foreign References:
JP2000213389A2000-08-02
JP2004116652A2004-04-15
JPH0535777B21993-05-27
JP2005351414A2005-12-22
Attorney, Agent or Firm:
COSMOS PATENT OFFICE (Nagoya Center Building2-2, Nishiki 2-chome 03, JP)
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Claims:
 油圧を発生させるオイルポンプと、油圧により制御される油圧サーボと、前記オイルポンプにより発生させた油圧を前記油圧サーボを作動させるために所定圧に制御する油圧制御弁と、運転者のシフトポジション操作に連動して油路を切り換えるマニュアルバルブと、前記オイルポンプにより発生させた油圧を蓄えるアキュムレータと、前記アキュムレータと前記油圧サーボとの間に接続する油路の遮断・連通状態を切り換える切換弁とを備え、前記マニュアルバルブが走行用ポジションに設定された状態で、前記オイルポンプが必要に応じて停止・駆動し、オイルポンプ駆動開始時に前記アキュムレータに蓄えられた油圧を前記油圧サーボへ供給する油圧回路を有する車両用駆動装置において、
 前記アキュムレータは、前記油圧制御弁と前記油圧サーボとの間を接続する油路に、前記切換弁を介して接続され、
 前記油圧制御弁と前記油圧サーボとの間を接続する油路に、前記油圧制御弁から前記アキュムレータ及び油圧サーボの方向へのみオイルを流す第1の一方向弁が設けられており、
 前記切換弁は、前記オイルポンプが駆動されているときに連通状態とされ、前記オイルポンプが停止しているときに遮断状態とされる
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 請求項1に記載する車両用駆動装置において、
 前記マニュアルバルブは、前記第1の一方向弁と前記油圧サーボとの間を接続する油路に配置されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 請求項2に記載する車両用駆動装置において、
 前記マニュアルバルブは、前記油圧サーボに油圧が不要となるシフトポジションに設定されたとき、前記マニュアルバルブから前記油圧サーボに作用している油圧をドレンする
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 請求項2又は請求項3に記載する車両用駆動装置において、
 前記マニュアルバルブと前記油圧サーボとは、不分岐の油路にてダイレクトに接続されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 請求項2又は請求項3に記載する車両用駆動装置において、
 前記アキュムレータは、前記マニュアルバルブと前記油圧サーボとの間を接続する油路に、前記切換弁を介して接続されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 請求項1から請求項5に記載するいずれか1つの車両用駆動装置において、
 前記油圧制御弁と前記油圧サーボとの間を接続する油路と前記アキュムレータとを接続する油路には、絞り弁が設けられた油路と、前記アキュムレータから前記油圧サーボの方向へのみオイルを流す第2の一方向弁が設けられた油路とが並列に配置されている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 請求項1から請求項6に記載するいずれか1つの車両用駆動装置は、プライマリプーリとセカンダリプーリを備えた無段変速機であって、
 前記油圧サーボは、前進用摩擦係合要素又は後進用摩擦係合要素であり、
 前記油圧制御弁は、クラッチ圧制御バルブであり、
 前記クラッチ圧制御バルブと、前記オイルポンプにより発生させた油圧を前記プーリへ供給するライン圧に調圧するライン圧レギュレータバルブとの間を接続する油路と、前記プーリとを接続する油路に、前記ライン圧レギュレータバルブから前記プーリの方向へのみオイルを流す第3の一方向弁が設けられている
ことを特徴とする車両用駆動装置。
 
Description:
車両用駆動装置

 本発明は、エンジン再始動時に油圧サー に対して油圧を迅速に供給して、例えば、 両発進を可能とする摩擦係合要素を速やか 係合させることができる車両用駆動装置に する。

 従来から、燃料の節約、排気エミッショ の低減、あるいは騒音の低減等を図るため 、走行中において所定の条件が成立したと にエンジンを自動停止させる機能(アイドリ ングストップ機能)を備える車両が実用化さ ている。このような車両では、例えば車速 ロ、アクセルオフ、ブレーキオン等の条件 すべて成立すると、エンジンが停止される うになっている。

 ここで、エンジンが停止すると、一般に ンジンと連結されているオイルポンプも停 する。このため、例えば、前進走行時に係 されるべき前進用クラッチ(油圧サーボ)に 給されているオイルも油路から抜けてしま 、前進用クラッチはその係合状態が解かれ しまった状態となってしまう。

 そして、運転者がアクセルペダルを踏ん 場合など、所定の再始動条件が成立すると 止したエンジンが再始動され、オイルポン も再始動する。このとき、エンジンの再始 とともに前進用クラッチが速やかに係合さ ないと、エンジンが吹き上がった状態で前 用クラッチが係合してしまって係合ショッ が発生してしまう。

 そこで、このような係合ショックを発生 せないようにするための技術が種々提案さ ている。そのうちの1つとして、例えば、自 動変速機の前進用クラッチと、前進用クラッ チに油圧を供給するために油圧を発生させる オイルポンプとを結ぶ油路に、油圧を蓄圧可 能なアキュムレータを分岐・設置しているも のがある(特許文献1)。そして、エンジン再始 動時に、アキュムレータに蓄えられた油圧を 前進用クラッチへ供給することにより、係合 ショックの発生を防止してエンジンの再始動 性を向上させている。

 また、アキュムレータを自動変速機の油 回路に分岐・設置し、さらにアキュムレー に対しオイルポンプ側に逆止弁を設けてい ものもある(特許文献2,3)。これにより、エ ジン停止時にアキュムレータから前進用ク ッチに油圧を常時供給して、自動変速機内 前進用クラッチを常時係合状態に維持する うにしている。

特開2000-313252号公報

特開平8-14076号公報

特開2005-226802号公報

 しかしながら、上記した特許文献1記載の 技術では、エンジン再始動時にアキュムレー タに蓄えられた油圧を前進用クラッチ(油圧 ーボ)へ短時間にて効率よく供給することが きないという問題があった。なぜなら、ア ュムレータに蓄えられた油圧を前進用クラ チ(油圧サーボ)に供給する際、その油圧が 進用クラッチ(油圧サーボ)にのみ供給されず に、プライマリレギュレータバルブにも供給 されてしまい、そこから油圧が漏れてしまう からである。

 また、前進用クラッチ(油圧サーボ)の手 に、第2アキュムレータ、第2切換弁、及び分 岐油路が設けられている。このため、アキュ ムレータに蓄えられた油圧を前進用クラッチ (油圧サーボ)に供給する際、これらが流体抵 を増加させるとともに、油路長を長くして まう。その結果、アキュムレータから前進 クラッチ(油圧サーボ)に油圧が供給される での時間が長くなってしまう。このことも アキュムレータに蓄えられた油圧を前進用 ラッチ(油圧サーボ)へ短時間にて効率よく供 給することができない原因の1つである。

 一方、特許文献2,3記載の技術のように、 ンジン停止時にアキュムレータから前進用 ラッチに油圧を常時供給して、自動変速機 の前進用クラッチを常時係合状態に維持す ことにより、油圧の供給遅れが発生しない め、係合ショックの問題を解消することが きる。ところが、この技術では、アキュム ータの容量を大きくする必要があるという 題があった。また、エンジン始動の際にト クコンバータの出口(タービン)側が停止状 となっているため、エンジンの回転をトル コンバータのオイルで吸収するしかなく、 ルクコンバータのオイルを撹拌しながらエ ジンを再始動させることになるので、スタ タ系に大きな負担が掛かってしまい、大き スタータが必要になるなど新たな問題も発 してしまう。

 そこで、本発明は上記した問題点を解決 るためになされたものであり、アキュムレ タの容量を必要最小限にしつつ、アキュム ータから油圧サーボに油圧を短時間にて効 よく供給することができる油圧回路を備え 車両用駆動装置を提供することを課題とす 。

 上記問題点を解決するためになされた本発 に係る車両用駆動装置は、油圧を発生させ オイルポンプと、油圧により制御される油 サーボと、前記オイルポンプにより発生し 油圧を前記油圧サーボを作動させるために 定値に調圧する油圧制御弁と、運転者のシ トポジション操作に連動して油路を切り換 るマニュアルバルブと、前記オイルポンプ より発生した油圧を蓄えるアキュムレータ 、前記アキュムレータと前記油圧サーボと 間を接続する油路の遮断・連通状態を切り える切換弁とを備え、前記マニュアルバル が走行用ポジションに設定された状態で、 記オイルポンプが必要に応じて停止・駆動 、オイルポンプ駆動開始時に前記アキュム ータに蓄えられた油圧を前記油圧サーボへ 給する油圧回路を有する車両用駆動装置に いて、前記アキュムレータは、前記油圧制 弁と前記油圧サーボとの間を接続する油路 、前記切換弁を介して接続され、前記油圧 御弁と前記油圧サーボとの間を接続する油 に、前記油圧制御弁から前記アキュムレー 及び油圧サーボの方向へのみオイルを流す 1の一方向弁が設けられており、前記切換弁 は、前記オイルポンプが駆動されているとき に連通状態とされ、前記オイルポンプが停止 しているときに遮断状態とされることを特徴 とする。
 なお、オイルポンプには、エンジンと連結 れている機械式のオイルポンプの他、エン ンに連結されていない電動式のオイルポン も含まれる。

 この車両用駆動装置では、オイルポンプ 駆動しているときには、オイルポンプによ 発生した油圧が、油圧制御弁により油圧サ ボを作動させるために所定圧に制御された 、油圧サーボに供給される。このとき、切 弁は連通状態とされているため、オイルポ プにより発生した油圧が、アキュムレータ 蓄えられる。そして、オイルポンプが停止 ると、切換弁が遮断状態とされるため、ア ュムレータに蓄えられた油圧が保持される この状態から、再びオイルポンプが駆動さ ると、切換弁が連通状態とされるため、ア ュムレータに蓄えられていた油圧が、油圧 ーボに供給される。このとき、アキュムレ タからの油圧は、油圧サーボの他、油圧制 弁方向へも供給されるが、このオイルの流 は第1の一方向弁により阻止される。すなわ ち、アキュムレータからの油圧が、油圧制御 弁から漏れることが確実に防止される。これ により、アキュムレータからの油圧は、油圧 サーボのみに供給されるので、アキュムレー タから油圧サーボに対して、油圧を短時間に て効率よく供給することができる。

 また、この車両用駆動装置では、オイル ンプが停止しているときにアキュムレータ ら前進用クラッチ(油圧サーボ)に油圧を常 供給していないので、アキュムレータの容 を大きくする必要もないし、大きなスター が必要になるなど新たな問題も発生しない つまり、アキュムレータとしては、オイル ンプの始動開始時にオイルポンプにより発 した油圧が油圧サーボに供給されるまでの 、油圧サーボを作動させることができるだ の容量を備えていればよい。

 従って、この車両用駆動装置によれば、 キュムレータの容量を必要最小限にしつつ アキュムレータから油圧サーボに油圧を短 間にて効率よく供給することができる。

 本発明に係る車両用駆動装置においては 前記マニュアルバルブは、前記第1の一方向 弁と前記油圧サーボとの間を接続する油路に 配置されていることが望ましい。

 そして、本発明に係る車両用駆動装置に いては、前記マニュアルバルブは、前記油 サーボに油圧が不要となるシフトポジショ に設定されたとき、前記マニュアルバルブ ら前記油圧サーボに作用している油圧をド ンすることがより好ましい。

 このようにマニュアルバルブを配置する とにより、Pレンジ、Nレンジなど非走行ポ ションに設定された状態において、油圧サ ボに油圧が不要になったときに、マニュア バルブから油圧を確実にドレンすることが きる。このため、オイルポンプと油圧サー との間を接続する油路に、オイルポンプか 油圧サーボの方向へのみオイルを流す第1の 方向弁が設けられていても、油圧サーボの 圧不要時には、油圧サーボから確実に油圧 抜くことができる。これにより、必要以上 油圧サーボに油圧が作用する状態が維持さ ないため、油圧サーボの信頼性や耐久性を なうことがない。

 本発明に係る車両用駆動装置においては 前記マニュアルバルブと前記油圧サーボと 、不分岐の油路にてダイレクトに接続され いることが望ましい。

 このような構成により、オイルポンプの 動開始時にアキュムレータから油圧サーボ 油圧を供給する際、油圧サーボにオイルが れて行くときの抵抗を極力減らすことがで るとともに、油路長を短くすることができ 。従って、より短時間で非常に効率よく、 キュムレータから油圧サーボへ油圧を供給 ることができる。

 あるいは、本発明に係る車両用駆動装置 おいて、前記アキュムレータは、前記マニ アルバルブと前記油圧サーボとの間を接続 る油路に、前記切換弁を介して接続されて ることも好ましい。

 このような構成により、アキュムレータ 油圧サーボとを近付けて配置することがで るため、アキュムレータから油圧サーボへ 油路長をより短くすることができる。従っ 、より短時間で非常に効率よく、アキュム ータから油圧サーボへ油圧を供給すること できる。

 本発明に係る車両用駆動装置においては 前記油圧制御弁と前記油圧サーボとの間を 続する油路と前記アキュムレータとを接続 る油路には、絞り弁が設けられた油路と、 記アキュムレータから前記油圧サーボの方 へのみオイルを流す第2の一方向弁が設けら れた油路とが並列に配置されていることが望 ましい。

 このような構成により、オイルポンプが停 してアキュムレータに蓄えられた油圧を利 するときには、アキュムレータから第2の一 方向弁が設けられた油路を介して、アキュム レータから油圧サーボに対して速やかに(高 に)油圧を供給することができる。
 一方、オイルポンプ駆動中は、絞り弁が設 られた油路を介して、オイルポンプにより 生させた油圧がアキュムレータに供給され ため、アキュムレータにゆっくりと(低速に て)油圧が蓄えられていく。従って、オイル ンプの駆動開始時に、アキュムレータに蓄 られた油圧が油圧サーボに供給された直後 アキュムレータに蓄えられていた油圧が低 した状態において、オイルポンプにより発 する油圧が、アキュムレータの蓄圧に多く 用されることがない。このため、オイルポ プの駆動開始時にオイルポンプにより発生 る油圧を、油圧サーボに速やかに(高速に)供 給することができる。これにより、アキュム レータに要求される容量をさらに小さくする ことができる。

 本発明に係る車両用駆動装置においては 前記車両用駆動装置が、プライマリプーリ セカンダリプーリを備えた無段変速機であ て、前記油圧サーボは、前進用摩擦係合要 又は後進用摩擦係合要素であり、前記油圧 御弁は、クラッチ圧制御バルブであり、前 クラッチ圧制御バルブと、前記オイルポン により発生した油圧を前記プーリへ供給す ライン圧に調圧するライン圧レギュレータ ルブとの間を接続する油路と、前記プーリ を接続する油路に、前記ライン圧レギュレ タバルブから前記プーリの方向へのみオイ を流す第3の一方向弁が設けられていること が望ましい。

 このように本発明を無段変速機に適用す ことにより、オイルポンプが停止している きに、オイルの漏れ量が比較的少ないプー において、油圧制御弁側へのオイルの漏れ 第3の一方向弁により防止することができる 。これにより、プーリにおける油圧の低下を 防止することができる。そして、オイルポン プ停止中において、オイルの漏れ量が大きい 摩擦係合要素に対しては、オイルポンプ駆動 開始時にアキュムレータに蓄えられた油圧を 速やかに供給することができる。これらのこ とから、オイルポンプ駆動開始時に、摩擦係 合要素及びプーリに対して適切に油圧を供給 することができる。これにより、摩擦係合要 素の係合ショックの発生、及びプーリに対す るベルトの滑りの発生を確実に防止すること ができる。

 なお、第3の一方向弁は、ライン圧レギュレ ータバルブとセカンダリプーリとの間を接続 する油路に設けることが好ましい。
 オイルポンプ駆動開始時において、プライ リプーリにはほとんど油圧が作用していな ても良い状態であり、セカンダリプーリは 圧が作用している必要がある。このため、 カンダリプーリ側に一方向弁を設けて、セ ンダリプーリからの油圧抜けを抑制するこ により、ベルトの滑りを確実に防止するこ ができるからである。

 本発明に係る車両用駆動装置によれば、 記した通り、アキュムレータの容量を必要 小限にしつつ、アキュムレータから油圧サ ボに油圧を短時間にて効率よく供給するこ ができる。

第1の実施の形態に係る車両駆動システ ムの概略構成を示す構成図である。 無段変速機に備わる油圧回路を示す図 ある。 制御部によるエンジン停止処理の内容 示すフローチャートである。 制御部によるエンジン再始動処理の内 を示すフローチャートである。 第2の実施の形態に係る車両駆動システ ムにおける油圧回路を示す図である。 第3の実施の形態に係る車両駆動システ ム(有段自動変速機)における油圧回路を示す である。

 以下、本発明の車両用駆動装置を具体化 た最も好適な実施の形態について、図面に づき詳細に説明する。

(第1の実施の形態)
 まず、第1の実施の形態について説明する。 第1の実施の形態は、本発明を無段変速機(CVT) を備える車両駆動システムに適用したもので ある。そこで、第1の実施の形態に係る車両 動システムについて、図1を参照しながら説 する。図1は、第1の実施の形態に係る車両 動システムの概略構成を示す構成図である

 第1の実施の形態に係る駆動システムには、 図1に示すように、エンジン10と、無段変速機 30と、システムを統括的に制御する制御部40 、エンジン10、無段変速機30、及び車両の状 などを検出するための各種センサとが備わ ている。
 エンジン10には、インジェクタ11、スタータ 12、イグナイタ13が設けられている。そして エンジン10の出力軸に、無段変速機30が接続 れている。

 エンジン10の各気筒には、インテークマ ホールド15およびエキゾーストマニホールド 16が接続されている。そして、インテークマ ホールド15には、アクセルペダルと連動の ロットルバルブ17が設けられている。スロッ トルバルブ17には、その開度を検出するスロ トル位置センサ17aと、全閉状態を検出する イドルスイッチ17bとが設けられている。ま 、インジェクタ11は、燃料リレー21を介して 、スタータ12はスタータリレー22を介して、 グナイタ13は点火リレー23を介してそれぞれ 御部40に接続されている。

 無段変速機30は、公知のベルト式無段変 機である。この無段変速機30は、エンジン10 出力が図示しないトルクコンバータ、前後 切替クラッチ等を介して入力される入力軸 備えており、入力軸に後述するプライマリ ーリ31が設けられている。プライマリプー 31は、それぞれ入力軸に同軸的かつ一体回転 可能に設けられた固定シーブと可動シーブと で構成されている。可動シーブは、固定シー ブが入力軸に対し固定されているのに対し、 入力軸の軸線方向に変位可能とされている。 固定シーブと可動シーブとの対向面は、それ ぞれ円錐面とされており、プライマリプーリ 31に巻き掛けられるVベルトを挟み込むように なっている。

 また、無段変速機30は、入力軸と平行に 置された出力軸を備えており、出力軸に後 するセカンダリプーリ32が設けられている。 セカンダリプーリ32も、プライマリプーリ31 同様の構成をなしており、セカンダリプー 32に巻き掛けられるVベルトを挟み込むよう なっている。

 このように無段変速機30では、プライマ プーリ31及びセカンダリプーリ32に、Vベルト が巻き掛けられており、Vベルトを介して入 軸から出力軸に動力が伝達されるようにな ている。そして、それぞれのプーリにおい 可動シーブの固定シーブに対する位置を、 述する油圧回路50により制御される油圧によ って保持または変更することにより、Vベル のプライマリプーリ31への巻き掛け半径と、 Vベルトのセカンダリプーリ32への巻き掛け半 径とを維持又は変更して、入力軸と出力軸と の回転速度比すなわち減速比を維持又は変更 するようになっている。

 さらに、無段変速機30には、運転者の操 により設定されたシフトポジション(レンジ) を検知するシフトポジションスイッチ35と、 進軸に連結される無段変速機30の出力軸の 転速度に基づき車速を検出する車速センサ36 とが設けられている。また、無段変速機30に 、変速機内のオイルの温度を検出する油温 ンサ37が設けられている。

 制御部40は、各種機器を制御するCPU、予 各種の数値やプログラムが書き込まれたROM 及び演算過程の数値やフラグが所定の領域 書き込まれるRAMなどを備えている。なお、 述するエンジン停止処理やエンジン再始動 理のプログラムは、制御部40内のROMに予め書 き込まれている。

 この制御部40には、イグナイタ13の点火一 次コイル13a、クランクポジションセンサ14、 ロットル位置センサ17a、アイドルスイッチ1 7b、イグニッションスイッチ18、シフトポジ ョンスイッチ35、車速センサ36、CVT油温セン 37、Gセンサ19a、水温センサ19b、バッテリ電 センサ19c、ブレーキペダルスイッチ19d、ブ ーキマスタシリンダ圧センサ19e、吸気温セ サ19f、吸入空気量センサ19g等が接続されて る。また、制御部40には、後述するように 段変速機30に設けられた電磁切換弁55が接続 れている。そして、制御部40では、各種ス ッチ及びセンサからの信号に基づいて各種 算を実行し、点火カット及び点火信号、燃 カット及び燃料噴射信号、スタータ駆動信 、電磁切換弁55の駆動信号などを出力するよ うになっている。

 ここで、無段変速機30に備わる油圧回路50 について、図2を参照しながら説明する。図2 、無段変速機に備わる油圧回路を示す図で る。図2に示すように、油圧回路50には、オ ルポンプ51と、ライン圧レギュレータバル 52と、クラッチ圧制御バルブ53と、マニュア バルブ54と、電磁切換弁55と、アキュムレー タ56と、シフトコントロールバルブ57と、セ ンダリシーブ圧コントロールバルブ58とが備 わっている。そして、このような油圧回路50 、前進用クラッチC1、後進用ブレーキB1、及 びプライマリプーリ31とセカンダリプーリ32 接続されている。

 オイルポンプ51は、無段変速機30全体の油 圧源となり、エンジン10の駆動力により油圧 発生するものである。ライン圧レギュレー バルブ52は、オイルポンプ51で発生した油圧 をプライマリプーリ31及びセカンダリプーリ3 2のプーリ位置を制御するために所定圧に制 するものである。クラッチ圧制御バルブ53は 、前進用クラッチC1及び後進用ブレーキB1(油 サーボ)を作動させるために所定圧に制御す るものである。マニュアルバルブ54は、運転 のシフトポジション操作に連動して油路を り換えるものである。アキュムレータ56は オイルポンプ51で発生してクラッチ圧制御バ ルブ53により調圧された油圧を一時的に蓄え ものである。

 この油圧回路50においては、オイルポン 51とライン圧レギュレータバルブ52とが、油 60によって接続されている。そして、ライ 圧レギュレータバルブ52とクラッチ圧制御バ ルブ53とが、油路61によって接続されている ここで、油路61は、油路67,68に分岐しており 各油路67,68には、それぞれプライマリプー 31、セカンダリプーリ32が接続されている。 り詳細には、油路67は、シフトコントロー バルブ57を介してプライマリプーリ31に接続 れており、油路68は、一方向弁73及びセカン ダリシーブ圧コントロールバルブ58を介して カンダリプーリ32に接続されている。

 また、クラッチ圧制御バルブ53とマニュ ルバルブ54とが、油路62によって接続されて る。そして、マニュアルバルブ54と前進用 ラッチC1とが、油路65によって接続され、マ ュアルバルブ54と後進用ブレーキB1とが、油 路66によって接続されている。これにより、 ニュアルバルブ54がDポジション(レンジ)に 定されている場合には、油路62と油路65とが 通し、油路66とドレンEXとが接続されるよう になっている。また、マニュアルバルブ54がR ポジションに設定されている場合には、油路 62と油路66とが連通し、油路65とドレンEXとが 続されるようになっている。さらに、マニ アルバルブ54がN,Pポジションに設定されて る場合には、油路62が油路65,66のいずれとも 断され、油路65,66とドレンEXとが接続される ようになっている。これにより、マニュアル バルブ54によって、前進用クラッチC1に油圧 不要となるポジション(Dポジション以外)の きには、前進用クラッチC1に作用している油 圧がドレンEXから抜け、後進用ブレーキB1に 圧が不要となるポジション(Rポジション以外 )のときには、後進用ブレーキB1に作用してい る油圧がドレンEXから抜けるようになってい 。

 ここで、油路65,66はともに、不分岐の(分 部分を有さない)油路であり、このような油 路65,66によって前進用クラッチC1、後進用ブ ーキB1がダイレクトにマニュアルバルブ54に 続されている。

 そして、油路62には、一端がアキュムレ タ56に接続されている油路63が接続されてい 。そして、油路62には、油路63との接続点と クラッチ圧制御バルブ53との間に、クラッチ 制御バルブ53からマニュアルバルブ54への方 向にのみオイルを流す一方向弁71が設けられ いる。

 油路63には、電磁切換弁55が設けられてい る。この電磁切換弁55は、制御部40によって 閉制御されており、オイルポンプ51が駆動し ているときに開状態とされ、オイルポンプ51 停止しているときに閉状態とされる。つま 、油路63は、電磁切換弁55の開閉により連通 ・遮断されるようになっている。また、油路 63には、油路62との接続点と電磁切換弁55との 間にオリフィス74が設けられている。そして オリフィス74をバイパスするように分岐油 64が設けられている。この分岐油路64には、 キュムレータ56から油路62への方向にのみオ イルを流す一方向弁72が配置されている。こ により、アキュムレータ56に油圧が蓄えら るときには、オイルが油路63を通過し、アキ ュムレータ56から蓄えられた油圧を供給する きには、オイルが分岐油路64を通過するよ になっている。

 続いて、上記のような構成を備える車両 動システムの作用について説明する。本実 の形態に係る車両駆動システムでは、車両 走行時にエンジン10の駆動力によってオイ ポンプ51が駆動され、油圧回路50に油圧が供 される。そして、無段変速機30では、シフ コントロールバルブ57、セカンダリシーブ圧 コントロールバルブ58により制御される油圧 よって、プライマリプーリ31、セカンダリ ーリ32のそれぞれの可動シーブの固定シーブ に対する位置が保持又は変更されることによ り、Vベルトのプライマリプーリ31への巻き掛 け半径と、Vベルトのセカンダリプーリ32への 巻き掛け半径とが維持又は変更されて、減速 比が維持又は変更(変速)される。このとき、 イルポンプ51で発生した油圧は、無段変速 30の他、油路60,61,62,63を通じてアキュムレー 56に供給されている。

 ここで、本実施の形態に係る車両駆動シ テムでは、所定の条件が満たされると、制 部40によりエンジン10が一時的に停止される 。このエンジン停止処理について、図3を参 しながら説明する。図3は、制御部によるエ ジン停止処理の内容を示すフローチャート ある。

 まず、制御部40により、車速がゼロであ か否かが判断される(ステップ1)。具体的に 、車速センサ36からの車速信号に基づき、制 御部40のCPUによって車速がゼロであるか否か 判断される。このとき、制御部40により車 がゼロであると判断された場合には(S1:YES)、 続いてエンジン回転数が所定回転数以下であ るか否かが判断される(ステップ2)。具体的に は、制御部40に入力されるクランクポジショ センサ14からのエンジン回転数信号に基づ 、制御部40のCPUによってエンジン回転数が所 定回転数以下であるか否かが判断される。ス テップ2における所定回転数としては、例え 、アイドル回転数よりも少し高い回転数を 定すればよい。一方、制御部40により車速が ゼロでないと判断された場合には(S1:NO)、エ ジン10が停止されることなく、この処理ルー チンは終了する。

 ステップ2の処理にて、制御部40によりエ ジン回転数が所定回転数以下であると判断 れた場合には(S2:YES)、続いてアクセル開度 ゼロであるか否かが判断される(ステップ3) 一方、制御部40によりエンジン回転数が所定 回転数以下でないと判断された場合には(S2:NO )、エンジン10が停止されることなく、この処 理ルーチンは終了する。

 ステップ3では具体的に、スロットル位置 センサ17aからのアクセル開度信号に基づき、 制御部40のCPUによってアクセル開度がゼロで るか否かが判断される。なお、アクセル開 がゼロであるか否かの判断に、アイドルス ッチ17bからの出力信号を付加するようにし もよい。このステップ3の処理にて、制御部 40によりアクセル開度がゼロであると判断さ た場合には(S3:YES)、続いてブレーキスイッ がONされているか否かが判断される(ステッ 4)。一方、制御部40によりアクセル開度がゼ でないと判断された場合には(S3:NO)、エンジ ン10が停止されることなく、この処理ルーチ は終了する。

 ステップ4では具体的に、ブレーキペダル スイッチ19dからの出力信号に基づき、制御部 40のCPUによってブレーキペダルスイッチがON れているか否かが判断される。なお、ブレ キペダルスイッチがONされているか否か、つ まり車両のブレーキ装置が作動しているか否 かの判断をより正確に行うために、ブレーキ マスタシリンダ圧センサ19eからの検出信号を も考慮するようにしてもよい。この場合には 例えば、ブレーキペダルスイッチがONされて り、かつブレーキマスタシリンダ圧センサ1 9eにより検出される圧力が所定値以上である 合にのみ、ブレーキスイッチがONされてい と判断するようにすればよい。

 このようなステップ4の処理にて、制御部 40によりブレーキスイッチがONされていると 断された場合には(S4:YES)、続いてその他のエ ンジン停止条件が成立しているか否かが判断 される(ステップ5)。一方、制御部40によりブ ーキスイッチがONされていないと判断され 場合には(S4:NO)、エンジン10が停止されるこ なく、この処理ルーチンは終了する。

 ここで、ステップ5の処理におけるその他 のエンジン停止条件としては、例えば、Gセ サ19aからの出力信号に基づく登坂・傾斜判 (傾斜角が所定値以下の場合に条件成立)、水 温センサ19bからの出力信号に基づくエンジン 水温判定(水温が所定範囲の場合に条件成立) バッテリ電圧センサ19cの出力信号に基づく ッテリ電圧判定(バッテリ電圧が所定値以上 の場合に条件成立)、油温センサ37からの出力 信号に基づくCVT油温判定(CVT油温が所定範囲 場合に条件成立)、前回のエンジン始動から 経過時間(所定時間以上の場合に条件成立) 車速履歴(所定値以上の場合に条件成立)など を挙げることができる。

 そして、ステップ5の処理にて、その他の エンジン停止条件がすべて成立している場合 、つまりステップ1~5の処理においてすべて肯 定の場合には(S5:YES)、電磁切換弁55がOFFされ 後(ステップ6)、エンジン10が停止させられる (ステップ7)。具体的には、制御部40からエン ン停止信号を構成する燃料カット信号、点 カット信号が、燃料リレー21、点火リレー23 にそれぞれ出力される。これにより、イグナ イタ13から点火プラグに高電圧が供給されな ようにするとともに、インジェクタ11から 料が噴射されないようにして、エンジン10を 停止させる。一方、その他のエンジン停止条 件がすべて成立していない場合には(S5:NO)、 ンジン10が停止されることなく、この処理ル ーチンは終了する。

 ここで、エンジン10の停止によりオイル ンプ51も停止するため、油圧回路50に油圧が 給されなくなるが、電磁切換弁55がOFFされ 油路63が遮断されているので、アキュムレー タ56には油圧が蓄えられている。そして、上 のようにエンジン10が一時停止されると、 御部40において、エンジン10の再始動処理ル チンが実行される。そこで、このエンジン 一時停止後における再始動処理について、 4を参照しながら説明する。図4は、制御部 よるエンジン再始動処理の内容を示すフロ チャートである。

 まず、制御部40により、エンジン10が停止 中であるか否かが判断される(ステップ10)。 のとき、制御部40によりエンジン10が停止中 あると判断された場合には(S10:YES)、マニュ ルバルブ54のポジションがDレンジに設定さ ているか否かが判断される(ステップ11)。こ の判断は、シフトポジションスイッチ35から 出力信号に基づいて行われる。なお、制御 40によりエンジン10が停止中でないと判断さ れた場合には(S10:NO)、エンジン10の再始動は 要であるから、この処理ルーチンは終了す 。

 ステップ11の処理にて、制御部40によりマ ニュアルバルブ54のポジションがDレンジに設 定されていると判断された場合には(S11:YES)、 エンジン再始動条件が成立しているか否かが 判断される(ステップ12)。一方、制御部40によ りマニュアルバルブ54のポジションがDレンジ に設定されていないと判断された場合には(S1 1:NO)、この処理ルーチンは終了する。ここで ステップ11の処理におけるエンジン再始動 件としては、例えば、車速がゼロであるこ 、ブレーキスイッチがOFFであること、アク ル開度がゼロでないことなどを挙げること できる。

 そして、ステップ12の処理にて、エンジ 再始動条件が成立している場合には(S12:YES) 電磁切換弁55がONされた後(ステップ13)、エン ジン10が再始動される(ステップ14)。具体的に は、制御部40からエンジン再始動信号を構成 る燃料噴射信号、点火信号、およびスター 駆動信号が、燃料リレー21、点火リレー23、 及びスタータリレー22にそれぞれ出力される これにより、スタータ12が駆動され、イグ イタ13から点火プラグに高電圧が供給される とともに、インジェクタ11から燃料が噴射さ て、エンジン10が再始動される。一方、エ ジン再始動条件が成立していない場合には(S 12:NO)、この処理ルーチンは終了する。

 このようにエンジン10が再始動されると には、エンジン始動直前に電磁開閉弁55がON れるので、油路63が連通状態となる。この め、アキュムレータ56と油路62とが連通する これにより、アキュムレータ56に蓄えられ 油圧が油路63,64から油路62に供給される。な 、油路63にはオリフィス74が設けられている ため、アキュムレータ56からの油圧は、油路6 4を介して(オリフィス74をバイパスして)油路6 2に供給される。

 油路62に供給された油圧は、マニュアル ルブ54を介して油路65から前進用クラッチC1 供給される。ここで、油路62と油路63との接 点とクラッチ圧制御バルブ53との間には一 向弁71が設けられているため、油路62に供給 れた油圧が、クラッチ圧制御バルブ53から けることがない。これにより、アキュムレ タ56からの油圧は、前進用クラッチC1のみに 給されるので、アキュムレータ56から前進 クラッチC1に対して、油圧を短時間にて効率 よく供給することができる。

 また、オイルポンプ51が停止していると にアキュムレータ56から前進用クラッチC1に 圧を常時供給していないので、アキュムレ タ56の容量を大きくする必要もないし、大 なスタータが必要になることもない。つま 、アキュムレータ56としては、オイルポンプ 51の始動開始時にオイルポンプ51で発生した 圧が前進用クラッチC1に供給されるまでの間 だけ、前進用クラッチC1に油圧を供給するこ ができるだけの容量を備えていればよい。

 従って、本実施の形態に係る車両駆動シ テムによれば、アキュムレータ56の容量を 要最小限にしつつ、エンジン再始動時にア ュムレータ56から前進用クラッチC1に油圧を 時間にて効率よく供給することができる。 た、マニュアルバルブ54と前進用クラッチC1 とが、不分岐の油路65にてダイレクトに接続 れているので、エンジン再始動時に、アキ ムレータ56から前進用クラッチC1へ油圧を供 給する際、前進用クラッチC1にオイルが流れ 行くときの抵抗を極力減らすことができる ともに、油路長を短くすることができる。 のため、より一層短時間で非常に効率よく アキュムレータ56から前進用クラッチC1へ油 圧を供給することができる。

 さらに、油路63にはオリフィス74が設けら れ、そのオリフィス74をバイパスするように 列配置された油路64が設けられている。そ て、油路64には、アキュムレータ56から油路6 2の方向へのみオイルを流す一方向弁72が設け られている。このため、エンジン10の再始動 にアキュムレータ56に蓄えられた油圧を利 するときには、アキュムレータ56から一方向 弁72が設けられた油路64を介して、アキュム ータ56から前進用クラッチC1に対して速やか (高速に)油圧を供給することができる。

 一方、オイルポンプ51が駆動中は、オリ ィス74が設けられた油路63を介して、オイル ンプ51で発生した油圧がアキュムレータ56に 供給される。これにより、アキュムレータ56 は、ゆっくりと(低速にて)油圧が蓄えられ いく。従って、エンジン10の再始動時におけ るオイルポンプ51の駆動開始時には、アキュ レータ56に蓄えられた油圧が前進用クラッ C1に供給された直後、アキュムレータ56に蓄 られていた油圧が低下した状態において、 イルポンプ51で発生する油圧が、アキュム ータ56の蓄圧に多く使用されることがない。 このため、オイルポンプ51の駆動開始時にオ ルポンプ51で発生する油圧を、前進用クラ チC1に速やかに(高速に)供給することができ 。これにより、アキュムレータ56に要求さ る容量をさらに小さくすることができる。

 また、油路68には、セカンダリシーブ圧 ントロールバルブ58の上流側に、ライン圧レ ギュレータバルブ52からセカンダリプーリ32 方向へのみオイルを流す一方向弁73が設けら れている。これにより、オイルポンプ51が停 しているときに、セカンダリプーリ32から イン圧レギュレータバルブ52へのオイル漏れ を防止することができる。従って、セカンダ リプーリ32における油圧の低下を防止するこ ができる。

 なお、オイルポンプ51が停止している間 、プライマリプーリ31からライン圧レギュレ ータバルブ52へのオイル漏れが発生するおそ がある。しかしながら、エンジン10が停止 れてオイルポンプ51が停止するような状態で は、プライマリプーリ31にはほとんど油圧が 用していなくても良い状態であり、セカン リプーリ32にのみ油圧が作用していれば良 。このため、プライマリプーリ31からのオイ ル漏れはほとんど発生しない。仮に、プライ マリプーリ31からのオイル漏れが発生したと ても、そのオイル漏れが、オイルポンプ51 駆動開始時におけるVベルトの滑りの要因と ることはない。

 そして、上記したように、オイルポンプ5 1が停止しているときには、一方向弁73により セカンダリプーリ32からの油圧抜けが抑制さ ている。このため、エンジン10の再始動時 おいては、セカンダリプーリ32には適切な油 圧が作用しているので、無段変速機30におけ Vベルトの滑りが確実に防止される。

 また、マニュアルバルブ54がPレンジある はNレンジの非走行ポジションに設定された 状態において、前進用クラッチC1若しくは後 用ブレーキB1、又はその両方が、ドレンEXに 接続される。これにより、オイルポンプ51と ニュアルバルブ54との間を接続する油路62に 、オイルポンプ51からマニュアルバルブ54の 向へのみオイルを流す一方向弁71が設けられ ていても、前進用クラッチC1若しくは後進用 レーキB1に、又はその両方において、油圧 不要になるときには、それらから確実に油 を抜くことができる。従って、必要以上に 進用クラッチC1、後進用ブレーキB1に油圧が 用する状態が維持されないため、それらの 頼性や耐久性を損なうことがない。

 以上、詳細に説明したように第1の実施の 形態に係る車両駆動システムによれば、クラ ッチ圧制御バルブ53とマニュアルバルブ54と 接続する油路62に対して、油路63,64により電 切換弁55を介してアキュムレータ56を接続す るとともに、油路63と油路62との接続点とク ッチ圧制御バルブ53との間に、クラッチ圧制 御バルブ53からマニュアルバルブ54の方向へ みオイルを流す一方向弁71を設けている。そ して、オイルポンプ51が駆動されているとき は、制御部40が電磁切換弁55をONして油路63 連通状態にし、オイルポンプ51が停止してい るときには、制御部40が電磁切換弁55をOFFし 油路63を遮断状態にする。

 これにより、オイルポンプ51が駆動して るときに、オイルポンプ51で発生した油圧が アキュムレータ56に蓄えられる。そして、エ ジン10が停止されてオイルポンプ51が停止す ると、電磁切換弁55が遮断状態とされるため アキュムレータ56に蓄えられた油圧が保持 れる。この状態から、エンジン10が再始動さ れ再びオイルポンプ51が駆動されると、アキ ムレータ56に蓄えられていた油圧が、前進 クラッチC1に供給される。このとき、一方向 弁71により、アキュムレータ56からの油圧が クラッチ圧制御弁53から漏れることが確実に 防止される。また、オイルポンプ51が停止し いるときにアキュムレータ56から前進クラ チC1に油圧を常時供給していないので、アキ ュムレータ56の容量を小さくすることができ 。よって、第1の実施の形態に係る車両駆動 システムによれば、アキュムレータ56の容量 必要最小限にしつつ、アキュムレータ56か 前進用クラッチC1に油圧を短時間にて効率よ く供給することができる。

(第2の実施の形態)
 次に、第2の実施の形態について説明する。 第2の実施の形態は、第1の実施の形態と基本 な構成をほぼ同じくするが、無段変速機に わる油圧回路の構成が異なっている。この め以下では、第1の実施の形態と共通する構 成については図面に同じ符号を付してその説 明を適宜省略し、相違する構成を中心に第2 実施の形態に係る車両駆動システムにおけ 油圧回路について、図5を参照しながら説明 る。図5は、第2の実施の形態に係る車両駆 システムにおける油圧回路を示す図である

 図5に示すように、油圧回路50aにおいては 、アキュムレータ56が接続されている油路63 、マニュアルバルブ54と前進用クラッチC1と 接続する油路65aに接続されている。つまり 第1の実施の形態に比べ、油路63が前進用ク ッチC1により近接した位置に配置されてい のである。これにより、アキュムレータ56か ら前進用クラッチC1までの油路長が短縮され いる。

 このような油圧回路50aにおいても、第1の 実施の形態で説明したように、オイルポンプ 51が駆動しているときに、オイルポンプ51で 生した油圧がアキュムレータ56に蓄えられる 。そして、エンジン10が停止されてオイルポ プ51が停止すると、電磁切換弁55がOFFされて 油路63が遮断状態とされるため、アキュムレ タ56に蓄えられた油圧が保持される。この 態から、エンジン10が再始動され再びオイル ポンプ51が駆動されると、電磁切換弁55がONさ れて油路63が連通状態にされる。このため、 キュムレータ56と油路65aとが連通する。こ により、アキュムレータ56に蓄えられた油圧 が油路63,64から油路65aに供給される。なお、 路63にはオリフィス74が設けられているため 、アキュムレータ56からの油圧は、油路64を して(オリフィス74をバイパスして)油路65aに 給されて、前進用クラッチC1に供給される

 ここで、油路65aに供給された油圧は、マ ュアルバルブ54を介して油路62にも供給され るが、油路62には一方向弁71が設けられてい ため、油路62に供給された油圧が、クラッチ 圧制御バルブ53から抜けることはない。これ より、アキュムレータ56からの油圧は、前 用クラッチC1のみに供給される。そして、ア キュムレータ56から前進用クラッチC1までの 路長が短縮されているので、アキュムレー 56から前進用クラッチC1に油圧を効率よく供 することができ、その供給時間をより短縮 ることができる。また、第2の実施の形態に 係る車両駆動システムでも、第1の実施の形 で説明したその他の効果も得ることができ 。

 よって、第2の実施の形態に係る車両駆動 システムによれば、アキュムレータ56の容量 必要最小限にしつつ、アキュムレータ56か 前進用クラッチC1に油圧をより短時間で効率 よく供給することができる。

(第3の実施の形態)
 最後に、第3の実施の形態について説明する 。第3の実施の形態は、第1及び第2の施の形態 とは異なり、有段自動変速機(有段AT)に対し 本発明を適用したものである。しかしなが 、第3の実施の形態の基本的な構成は、第2の 実施の形態とほぼ同じくし、無段変速機30の わりに有段自動変速機80が備わり(図1参照) そこに設けられた油圧回路の構成が異なっ いる。このため以下では、第2の実施の形態 共通する構成については図面に同じ符号を してその説明を適宜省略し、相違する構成 中心に第3の実施の形態に係る車両駆動シス テムにおける油圧回路について、図6を参照 ながら説明する。図6は、第3の実施の形態に 係る車両駆動システム(有段自動変速機)にお る油圧回路を示す図である。なお、ここで 前進用クラッチC1がDレンジのすべての前進 で係合する場合を例示している。

 図6に示すように、油圧回路50bにおいては 、クラッチ圧制御バルブが設けられておらず 、ライン圧レギュレータバルブ52とマニュア バルブ54bとが油路62により接続されている そして、この油路62には分岐油路62bが設けら れており、この分岐油路62bもマニュアルバル ブ54bに接続されている。

 そして、マニュアルバルブ54bは、油路65a より前進用クラッチC1に接続されるととも 、油路65b,66によりシフトバルブ・制御バル ユニット81に接続されている。シフトバルブ ・制御バルブユニット81は、有段自動変速機8 0に備わるクラッチC2,C3、ブレーキB1,B2の係合 開放を制御するものである。このため、ク ッチC2とシフトバルブ・制御バルブユニッ 81とが油路82により接続され、クラッチC3と フトバルブ・制御バルブユニット81とが油路 83により接続され、ブレーキB1とシフトバル ・制御バルブユニット81とが油路84により接 され、ブレーキB2とシフトバルブ・制御バ ブユニット81とが油路85により接続されてい 。これにより、マニュアルバルブ54bがDレン ジに設定されているときに、車両の走行状況 に応じたシフトバルブ・制御バルブユニット 81の油圧制御によって、クラッチC2,C3、ブレ キB1,B2の係合・開放の組み合わせパターンが 変更され、有段自動変速機80において所定段 変速されるようになっている。

 このような油圧回路50bにおいても、第2の 実施の形態で説明したように、オイルポンプ 51が駆動しているときに、オイルポンプ51で 生した油圧がアキュムレータ56に蓄えられる 。そして、エンジン10が停止されてオイルポ プ51が停止すると、電磁切換弁55がOFFされて 油路63が遮断状態とされるため、アキュムレ タ56に蓄えられた油圧が保持される。この 態から、エンジン10が再始動され再びオイル ポンプ51が駆動されると、電磁切換弁55がONさ れて油路63が連通状態にされる。このため、 キュムレータ56と油路65aとが連通する。こ により、アキュムレータ56に蓄えられた油圧 が油路63,64から油路65aに供給される。なお、 路63にはオリフィス74が設けられているため 、アキュムレータ56からの油圧は、油路64を して(オリフィス74をバイパスして)油路65aに 給されて、前進用クラッチC1に供給される

 ここで、油路65aに供給された油圧は、マ ュアルバルブ54bを介して油路62にも供給さ るが、油路62には一方向弁71が設けられてい ため、油路62に供給された油圧が、ライン レギュレータバルブ52から抜けることはない 。これにより、アキュムレータ56からの油圧 、前進用クラッチC1のみに供給される。そ て、アキュムレータ56から前進用クラッチC1 での油路長が短いので、アキュムレータ56 ら前進用クラッチC1に油圧を効率よく供給す ることができ、その供給時間を短くすること ができる。また、上記した第1,2の実施の形態 で得られるその他の効果については、無段変 速機におけるVベルトの滑り防止効果を除い 、第3の実施の形態に係る車両駆動システム おいても、同様の効果を得ることができる

 よって、第3の実施の形態に係る車両駆動 システムによれば、有段自動変速機80を備え いる場合でも、アキュムレータ56の容量を 要最小限にしつつ、アキュムレータ56から前 進用クラッチC1に油圧を短時間で効率よく供 することができる。

 なお、上記した実施の形態は単なる例示 すぎず、本発明を何ら限定するものではな 、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改 、変形が可能であることはもちろんである 例えば、第3の実施の形態において、油路63 油路65aに接続するように配置しているが、 1の実施の形態のように油路62(マニュアルバ ルブ54aと一方向弁71との間)に接続するように 配置してもよい。

 また、上記した実施の形態では、エンジン1 0と連結されている機械式のオイルポンプ51を 例示したが、エンジンに連結されていない電 動式のオイルポンプを備える車両駆動システ ムに対しても本発明を適用することができる 。