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Patent Searching and Data


Title:
WINDING TYPE COIL AND ITS WINDING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096487
Kind Code:
A1
Abstract:
A winding type coil of such a winding structure that desired magnetic coupling can be attained between two wires wound simultaneously without causing any layer down, and its winding method. A common mode choke coil (1) comprises a magnetic core (2), outer electrodes (3A-3D), first and second wires (4A, 4B), and a magnetic top plate (5). The magnetic core (2) consists of a core portion (20), and first and second flange portions (21, 22); and the outer electrodes (3A-3D) are formed on the first and second flange portions (21, 22). The first wire (4A) is wound directly around the core portion (20), and the second wire (4B) is wound on the outside of the first wire (4A). They are wound in such a state that the first turn of the second wire (4B) touches the first turn of the first wire (4A) and the first flange portion (21).

Inventors:
HIRAI SHINYA (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/071382
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
November 02, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MURATA MANUFACTURING CO (JP)
HIRAI SHINYA (JP)
International Classes:
H01F17/04; H01F37/00; H01F27/28; H01F27/29; H01F41/06
Foreign References:
JP2006012989A2006-01-12
JPH02137206A1990-05-25
JP2006080434A2006-03-23
JP2004063697A2004-02-26
JPH09306769A1997-11-28
JP2004273490A2004-09-30
JP2003100531A2003-04-04
Attorney, Agent or Firm:
TSUKAHARA, Takakazu (22-3 Minami-cho Kawasaki-ku, Kawasaki-shi Kanagawa 15, JP)
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Claims:
 巻芯部及びこの巻芯部の両端部に設けられた第1及び第2の鍔部を有して成るコアと、上記第1及び第2の鍔部のそれぞれに形成された外部電極と、上記第1の鍔部側から第2の鍔部側に向かって上記巻芯部に巻き付けられ且つ各端部が上記外部電極まで引き出されて接合された第1及び第2の線材とを備える巻線型コイルであって、
 上記第1の線材は、上記巻芯部に直接巻き付けられ、
 上記第2の線材は、上記第1の線材の外側に巻き付けられ、その1巻き目の線材部が、上記第1の線材の1巻き目の線材部よりも上記第1の鍔部側に位置し且つこの第1の鍔部と第1の線材の1巻き目の線材部との双方に接触した状態で巻き付けられ、
 上記第1及び第2の線材の最終巻き線材部が、上記第2の鍔部と接触せずにこの第2の鍔部の手前で終了し、これら最終巻き線材部の端部が引き出されてこの第2の鍔部の外部電極に接合されている、
 ことを特徴とする巻線型コイル。
 巻芯部及びこの巻芯部の両端部に設けられた第1及び第2の鍔部を有して成るコアと上記第1及び第2の鍔部のそれぞれに形成された外部電極とを備える巻線型コイルの上記巻芯部に、第1及び第2の線材とを上記第1の鍔部側から第2の鍔部側に向かって巻き付け、これら第1及び第2の線材の各端部を上記外部電極に接合する巻線型コイルの巻線方法であって、
 上記第1の線材が上記巻芯部に直接巻き付き且つ上記第2の線材が上記第1の線材の外側に巻き付くように、これら第1及び第2の線材を同時に巻芯部に巻き付ける、
 ことを特徴とする巻線型コイルの巻線方法。
 請求項2に記載の巻線型コイルの巻線方法において、
 上記第2の線材の1巻き目の線材部が、上記第1の線材の1巻き目の線材部よりも上記第1の鍔部側に位置し且つこの第1の鍔部と第1の線材の1巻き目の線材との双方に接触した状態で巻き付けられるように、第1及び第2の線材を同時に巻芯部に巻き付ける、
 ことを特徴とする巻線型コイルの巻線方法。
 巻芯部及びこの巻芯部の両端部に設けられた第1及び第2の鍔部を有して成るコアと上記第1及び第2の鍔部のそれぞれに形成された外部電極とを備える巻線型コイルの上記巻芯部に、第1及び第2の線材とを上記第1の鍔部側から第2の鍔部側に向かって巻き付け、これら第1及び第2の線材の各端部を上記外部電極に接合する巻線型コイルの巻線方法であって、
 上記第1の線材を、上記第1の鍔部側から第2の鍔部側に向かって上記巻芯部に直接巻き付け、
 上記第2の線材を、上記第1の線材の外側に巻き付けると共に、その1巻き目の線材部を、上記第1の線材の1巻き目の線材部よりも上記第1の鍔部側に位置させ且つこの第1の鍔部と第1の線材の1巻き目の線材部との双方に接触させた状態で巻き付けた、
 ことを特徴とする巻線型コイルの巻線方法。
Description:
巻線型コイル及びその巻線方法

 この発明は、2本の線材がコアに巻き付け られて成るチップ状の巻線型コイル及びその 巻線方法に関するものである。

 第1従来例の巻線型コイルとして、例えば特 許文献1に開示のコモンモードチョークコイ が揚げられる。このコモンモードチョーク イルは、第1の線材をコアの巻芯部に巻き付 てその両端部を巻芯部両端の鍔部に固定し 後、第2の線材を第1の線材の上から巻き付 て、その両端を鍔部に固定した構成を成す
 かかる構成により、差動伝送路上の差動信 を通過させると共に、侵入したコモンモー ノイズを除去する。
 また、第2従来例の巻線型コイルとして、例 えば特許文献2に開示のコイル部品がある。 の巻線型コイルは、上記第1従来例と異なり 第1及び第2の線材をペアにして巻芯部に同 に巻き付けて形成している。

特開2006-121013号公報

特開2005-166935号公報

 しかし、上述した従来の巻線型コイルでは のような問題がある。
 図13は、第1従来例に係る巻線型コイルが有 る問題点を説明するための概略断面図であ 、図14は、第2従来例に係る巻線型コイルが する問題点を説明するための概略断面図で る。なお、理解を容易にするため、黒丸を 1の線材で示し、白丸を第2の線材で示す。 た、図14において、黒丸及び白丸内の数字は 、その線材が何巻き目の線材であるかを示し ている。
 第1従来例の巻線型コイル100では、図13の黒 で示すように、第1の線材121をコア110の巻芯 部111に鍔部112側から鍔部113側に向かって直接 巻き付けた後、同図の白丸で示すように、第 2の線材122を第1の線材121の上から巻回する。 のため、同一の巻線作業を2度行わなければ ならず、量産性に劣る。
 また、第2の線材122を第1の線材121の上に巻 するので、第2の線材122の1巻き目の線材部122 -1を、第1の線材121の1巻き目の線材部121-1と2 目の線材部121-2との間に載せる巻構造となる 。このため、第2の線材122の最終巻の線材部12 2-nが第1の線材121上に載らず、巻芯部111に直 巻き付けなければならない。つまり、第2の 材122の最終巻の線材122-nにおいて、所謂段 ちが発生する。かかる段落ちが存在すると 所定の差動信号を入力したときに、出力さ るノイズパワーの比率が高くなり、ノイズ 去効果が劣化するおそれがある。
 さらに、かかる段落ちにより、最終巻の分 けコイルの巻数を犠牲にしなければならな 。このため、巻数を稼ぐことができず、取 できるインダクタンス値の幅が狭くなる。

 一方、第2従来例の巻線型コイル150では、図 14に示すように、1巻き目の第1の線材121と第2 線材122とを、巻芯部111に並べて巻き付けた 、2巻き目の第1の線材121が1巻き目の第2の線 材122の後段に並び、且つ2巻き目の第2の線材1 22が1巻き目の第1及び第2の線材121,122の上に位 置するように、第1及び第2の線材121,122を同時 に巻き付ける。3巻き目以降も、2巻き目と同 に巻き付けていくことになる。
 したがって、かかる巻線方法であると、2巻 き目以降の第1及び第2の線材121,122の距離dが 要以上に大きくなっており、コイルとして バランスが悪い。このため、第1及び第2の線 材121,122間の磁気結合が弱まって、ノイズへ モード変換が生じやすくなり、期待するノ ズ除去効果を得られないおそれがある。

 この発明は、上述した課題を解決するた になされたもので、同時巻線された2本の線 材間に所望の磁気的結合を得ることができる だけでなく、段落ちも生じない巻線構造の巻 線型コイル及びその巻線方法を提供すること を目的とする。

 上記課題を解決するために、請求項1の発明 は、巻芯部及びこの巻芯部の両端部に設けら れた第1及び第2の鍔部を有して成るコアと、 1及び第2の鍔部のそれぞれに形成された外 電極と、第1の鍔部側から第2の鍔部側に向か って巻芯部に巻き付けられ且つ各端部が外部 電極まで引き出されて接合された第1及び第2 線材とを備える巻線型コイルであって、第1 の線材は、巻芯部に直接巻き付けられ、第2 線材は、第1の線材の外側に巻き付けられ、 の1巻き目の線材部が、第1の線材の1巻き目 線材部よりも第1の鍔部側に位置し且つこの 第1の鍔部と第1の線材の1巻き目の線材部との 双方に接触した状態で巻き付けられ、第1及 第2の線材の最終巻き線材部が、第2の鍔部と 接触せずにこの第2の鍔部の手前で終了し、 れら最終巻き線材部の端部が引き出されて の第2の鍔部の外部電極に接合されている構 とした。
 かかる構成により、外部電極を差動伝送路 接続して、差動信号を入力すると、第1の鍔 部の外部電極から入力した差動信号は、巻芯 部に巻き付けられた第1及び第2の線材を通っ 、第2の鍔部の外部電極に出力される。
 このとき、第2の線材の1巻き目の線材部が 第1の線材の1巻き目の線材部よりも第1の鍔 側に位置し且つこの第1の鍔部と第1の線材の 1巻き目の線材部との双方に接触した状態で き付けられているので、各巻き目の第1及び 2の線材が互いに接触した状態で巻き付けら れた状態になっている。このため、上記第2 来例の巻線型コイルに比べて、各巻き目の 1及び第2の線材間が一様に近接し、第1及び 2の線材間の磁気的結合が強まっている。こ 結果、良好なノイズ除去効果を発揮する。
 また、かかる構成により、第2の線材の最終 巻き線材部が第1の線材の最終巻き線材部よ も第1の鍔部側に位置することとなり、第2の 線材の全ての線材が、段落ちすることなく、 第1の線材からの外側に巻き付けられた状態 なっている。この結果、入力された差動信 は、ノイズにモード変換されずにそのまま 力される。

 請求項2の発明は、巻芯部及びこの巻芯部の 両端部に設けられた第1及び第2の鍔部を有し 成るコアと第1及び第2の鍔部のそれぞれに 成された外部電極とを備える巻線型コイル 巻芯部に、第1及び第2の線材とを第1の鍔部 から第2の鍔部側に向かって巻き付け、これ 第1及び第2の線材の各端部を外部電極に接 する巻線型コイルの巻線方法であって、第1 線材が巻芯部に直接巻き付き且つ第2の線材 が第1の線材の外側に巻き付くように、これ 第1及び第2の線材を同時に巻芯部に巻き付け る構成とした。
 かかる構成により、上記した従来の技術の うに同一工程を繰り返す必要がなく、第1及 び第2の線材を一度に同時に巻芯部に巻き付 ることができるので、その分製造時間の短 を図ることができる。

 請求項3の発明は、請求項2に記載の巻線型 イルの巻線方法において、第2の線材の1巻き 目の線材部が、第1の線材の1巻き目の線材部 りも第1の鍔部側に位置し且つこの第1の鍔 と第1の線材の1巻き目の線材との双方に接触 した状態で巻き付けられるように、第1及び 2の線材を同時に巻芯部に巻き付ける構成と た。
 かかる構成により、各巻き目の第1及び第2 線材を、近接させ接触させた状態で同時に 芯部に巻き付けることができるので、第1及 第2の線材間の磁気的結合が強く、しかも、 第2の線材の第1の線材からの段落ちがない巻 型コイルを製造することができる。また、 落ちのない分、線材の巻き数を増加させる とができる。

 請求項4の発明は、巻芯部及びこの巻芯部 の両端部に設けられた第1及び第2の鍔部を有 て成るコアと第1及び第2の鍔部のそれぞれ 形成された外部電極とを備える巻線型コイ の巻芯部に、第1及び第2の線材とを第1の鍔 側から第2の鍔部側に向かって巻き付け、こ ら第1及び第2の線材の各端部を外部電極に 合する巻線型コイルの巻線方法であって、 1の線材を、第1の鍔部側から第2の鍔部側に かって巻芯部に直接巻き付け、第2の線材を 第1の線材の外側に巻き付けると共に、その 1巻き目の線材部を、第1の線材の1巻き目の線 材部よりも第1の鍔部側に位置させ且つこの 1の鍔部と第1の線材の1巻き目の線材部との 方に接触させた状態で巻き付けた構成とす 。

 以上詳しく説明したように、請求項1の発 明に係る巻線型コイルによれば、各巻き目の 第1及び第2の線材が接触した状態で近接し、 かも段落ちすることなく巻き付けられた構 になっているので、入力された差動信号の イズへのモード変換がほとんどなく、この 果、出力されるノイズパワーの比率を低く て、ノイズ除去効果を向上させることがで るという優れた効果がある。

 また、請求項2及び請求項3の発明に係る 線型コイルの巻線方法によれば、製造時間 短縮を図ることができ、その結果、巻線型 イルの量産性の向上を図ることができると う効果がある。

 請求項3及び請求項4の発明に係る巻線型 イルの巻線方法によれば、ノイズ除去効果 高い巻線型コイルを提供することができる また、段落ちのない分、線材の巻き数を稼 ことができるので、取得できるインダクタ ス値の幅を広くすることができるという効 がある。

この発明の一実施例に係る巻線型コイ を示す斜視図である。 図1の矢視A-A断面図である。 底面を示す平面図である。 図2の矢視B-B断面図である。 コモンモードチョークコイルの巻線構 を説明するための部分拡大概略断面図であ 。 この実施例のコモンモードチョークコ ルを製造する方法を示す工程図である。 コア形成工程及び電極形成工程を説明 るための正面図である。 巻き初めの位置決め作業を示す概略平 図である。 図8の部分拡大図である。 線材の同時巻き付け作業を示す概略平 面図である。 線材接合作業を示す概略平面図である 。 コモンモードチョークコイルの作用及 び効果を説明するための斜視図である。 第1従来例に係る巻線型コイルが有す 問題点を説明するための概略断面図である 第2従来例に係る巻線型コイルが有す 問題点を説明するための概略断面図である

符号の説明

 1…コモンモードチョークコイル、 2…磁 性コア、 3A~3D…外部電極、 4A…第1の線材、  4A1…1巻き目の線材部、 4A10,4B10…最終巻き の線材部、 4Aa,4Ba,4Ab,4Bb…端部、 4B…第2の 線材、 4B1…1巻き目の線材部、 5…磁性天板 、 20…巻芯部、 21…第1の鍔部、 21a,22a…脚 部、 22…第2の鍔部、 S1…コア形成工程、 S 2…電極形成工程、 S3…巻線工程、 S4…天板 接合工程。

 以下、この発明の最良の形態について図 を参照して説明する。

 図1は、この発明の一実施例に係る巻線型 コイルを示す斜視図であり、図2は、図1の矢 A-A断面図であり、図3は、底面を示す平面図 である。

 この実施例の巻線型コイルは、表面実装 のコモンモードチョークコイルであり、図1 及び図2に示すように、磁性コア2と4つの外部 電極3A~3Dと第1及び第2の線材4A,4Bと磁性天板5 を備えている。

 図1に示すように、磁性コア2は、中央の 芯部20とその両端の第1及び第2の鍔部21,22と 構成されている。

 外部電極3A~3Dは、第1及び第2の鍔部21,22の下 に形成されている。
 具体的には、図3に示すように、外部電極3A, 3Bが第1の鍔部21の脚部21a,21bにそれぞれ形成さ れ、外部電極3C,3Dが第2の鍔部22の脚部22a,22bに それぞれ形成されている。

 第1及び第2の線材4A,4Bは、それぞれ銅線を 絶縁膜で被覆して成るラインであり、図2に すように、第1の鍔部21側から第2の鍔部22側 向かうように、磁性コア2の巻芯部20に巻き けられている。そして、図3に示すように、 1及び第2の線材4A,4Bの端部4Aa,4Baが外部電極3A ,3B側に引き出されて、外部電極3A,3Bにそれぞ 接合されると共に、第1及び第2の線材4A,4Bの 端部4Ab,4Bbが外部電極3C,3D側に引き出されて、 外部電極3C,3Dにそれぞれ接合されている。

 この実施例のコモンモードチョークコイル1 は、第1及び第2の線材4A,4Bの巻線構造に特徴 ある。
 図4は、図2の矢視B-B断面図であり、図5は、 モンモードチョークコイル1の巻線構造を説 明するための部分拡大概略断面図である。な お、この図においては、理解を容易にするた め、第1の線材4Aの断面を黒丸で表示し、第2 線材4Bの断面を白丸で表示した。また、図5 おいて、黒丸及び白丸内の数字は、その線 が何巻き目の線材であるかを示している。
 図4に示すように、1巻き目の線材部4A1が第1 鍔部21の近傍に配置された状態で、第1の線 4Aが、第2の鍔部22に向かって巻芯部20に直接 巻き付けられている。そして、第2の線材4Bが 、この第1の線材4Aの外側に巻き付けられてい る。

 具体的には、図5に示すように、第2の線材4B の1巻き目の線材部4B1が、第1の線材4Aの1巻き の線材部4A1よりも第1の鍔部21側に寄った位 に配置されている。さらに、この1巻き目の 線材部4B1は、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A 1に圧接され且つ第1の鍔部21の内面にも圧接 れた状態で巻き付けられている。
 このように、第2の線材4Bが第1の線材4Aより 前位置(第1の鍔部21側の位置)から巻き始め れているため、2巻き目の線材部4B2が2巻き目 の線材部4A2と近接し、上側に接触した状態と なる。すなわち、2巻き目の線材部4A2,4B2は、 心間距離dという狭い距離で接触している。 3巻き目以降の線材部4A3,4B3~4A10~4B10も、一様に 中心間距離dという狭い距離で接触している したがって、図13に示した第2従来例の巻線 コイルと異なり、全巻き目の線材部4A1,4B1~4A1 0~4B10が、一様に近接して接触しているので、 線材間の磁気結合のバランスが非常によい。
 また、かかる巻き構造により、第2の線材4B その最終巻き目の線材部4B10も第1の線材4Aの 最終巻き目の線材部4A10よりも前側に位置す こととなる。すなわち、図13に示した第1従 例の巻線型コイルと異なり、最終巻き目の 材部4B10が、段落ちせずに、第1の線材4A上に 実に載置された状態で巻き付けられている
 また、第1及び第2の線材4A,4Bの最終巻き目の 線材部4A10,4B10は、第2の鍔部22の手前で終了し 、第2の鍔部22に接触していない。かかる状態 で、図3に示したように、これら第1及び第2の 線材4A,4Bの最終巻き目の線材部4A10,4B10の端部4 Ab,4Bbが引き出されて、第2の鍔部22の外部電極 3C,CDにそれぞれ接合されている。

 図1に示す磁性天板5は、第1及び第2の鍔部 21,22の上面に架けられ、図示しない接着剤で れら第1及び第2の鍔部21,22の上面に接合され ている。

 次に、この実施例のコモンモードチョーク イル1の製造方法について説明する。
 図6は、この実施例のコモンモードチョーク コイル1を製造する方法を示す工程図である
 図6に示すように、この製造方法は、コア形 成工程S1と電極形成工程S2と巻線工程S3と天板 接合工程S4とを備えている。

 コア形成工程S1は、コモンモードチョーク イル1の磁性コア2を形成する工程である。
 図7は、コア形成工程S1及び電極形成工程S2 説明するための正面図である。
 図7の(a)に示すように、コア形成工程S1では 磁性体を成形し焼成することで、巻芯部20 第1及び第2の鍔部21,22とを有する磁性コア2を 形成する。

 電極形成工程S2は、図7の(b)に示すように 磁性コア2の第1及び第2の鍔部21,22の下部に 部電極3A~3Dを形成する工程である。具体的に は、Ag等のペーストを、第1及び第2の鍔部21,22 の脚部21a,21b,22a,22bにディップ等して、膜層を 形成し、この膜層の表面に湿式メッキを施し て、Ni等のメッキ層を形成することにより、 部電極3A~3Dを形成する。

 巻線工程S3は、第1及び第2の線材4A,4Bを磁性 ア2の巻芯部20に巻き付ける工程であり、巻 初めの位置決め作業と同時巻き付け作業と 材接合作業とで成る。なお、この巻線工程S 3は、請求項2及び請求項3の発明に係る巻線型 コイルの巻線方法を具体的に実行する工程で もある。
 図8は、巻き初めの位置決め作業を示す概略 平面図であり、図9は、図8の部分拡大図であ 。
 第1及び第2の線材4A,4Bの巻き初めの位置決め 作業は、図8に示すように、ノズル221,222から り出された第1の線材4A,第2の線材4Bを、線チ ャック210に把持させた後、ノズル221,222を独 に移動させることによって、ガイドピン211,2 12に引っ掛けてから、巻治具200に把持された 性コア2まで導く。
 そして、第1の線材4A,第2の線材4Bを、磁性コ ア2の第1の鍔部21に係合させるようにして、 部電極3A,3B上に位置させる。しかる後、ノズ ル221,222をそれぞれ独立に移動させることに り、図9に示すように、第1の線材4Aを、磁性 ア2の巻芯部20に当接させると共に第1の鍔部 21の近傍に位置させる。そして、第2の線材4B 、第1の線材4Aの上側に当接させると共に第1 の鍔部21の内面にも当接させる。すなわち、 5で示したように、第2の線材4Bの1巻き目の 材部4B1を、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A1 りも第1の鍔部21側に寄った位置に配置する そして、1巻き目の線材部4B1が、第1の線材4A の1巻き目の線材部4A1と第1の鍔部21の内面と 接触した状態になるように、第1及び第2の線 材4A,4Bの位置決めを行う。

 かかる状態から、第1及び第2の線材4A,4Bの同 時巻き付け作業を実行する。
 図10は、線材の同時巻き付け作業を示す概 平面図である。
 図10(a)に示すように、磁性コア2を巻治具200 共に矢印方向に回転させ、第1及び第2の線 4A,4Bを磁性コア2の巻芯部20部分に同時に、し かも第2の線材4Bが第1の線材4Aの上側に接触す るように、並列に巻き付けていく。この際、 ノズル221,222は、巻線の進行に伴い、磁性コ 2の中心軸方向(図の下方向)に移動させる。
 このように、ノズル221,222を移動させること で、第1及び第2の線材4A,4Bが第1の鍔部21側か 第2の鍔部22側に向かって巻芯部20に隙間なく 巻線されていく。これにより、図5に示した うに、下側の第1の線材4Aが巻芯部20に直接巻 き付くと同時に、第2の線材4Bが、第1の線材4A と接触した状態で、第1の線材4Aの外側に巻き 付く。しかも、第2の線材4Bの1巻き目の線材 4B1が、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A1と第1 の鍔部21とに接触した状態で、1巻き目の線材 部4A1よりも第1の鍔部21に位置する。

 そして、図10(b)に示すように、第1及び第2の 線材4A,4Bの最終巻き目の線材部4A10,4B10が第2の 鍔部22の手前に来たら、巻治具200の回転を終 ると共に、ノズル221,222を移動させて、第1 び第2の線材4A,4Bを第2の鍔部22に係合させる さらに、ノズル221,222を移動させることによ 、第1及び第2の線材4A,4Bをアーム230のガイド ピン241,242にそれぞれ引っ掛ける。この際、 1及び第2の線材1,2が第2の鍔部22の外部電極3C, 3Dに重なるようにする。
 このように、第1及び第2の線材4A,4Bを最終巻 きまで巻き付けることで、図5に示したよう 、第1及び第2の線材4A,4Bとが、近接した状態 バランス良く巻き付けられる。
 また、第2の線材4Bの最終巻き目の線材部4B10 が第1の線材4Aの最終巻き目の線材部4A10の手 (第1の鍔部21側)に位置し、最終巻き目の線材 部4B10が、段落ちすることなく、第1の線材4A に巻き付けられる。

 かかる状態で、線材接合作業を実行する。
 線材接合作業は、第1及び第2の線材4A,4Bを外 部電極3A~3Dに接合する作業である。
 図11は、線材接合作業を示す概略平面図で る。
 図11に示すように、線材接合作業は、第1の 部21の外部電極3A,3Bに当接している第1及び 2の線材4A,4Bの部分(図3の端部4Aa,4Baに対応す 部分)と、第2の鍔部22の外部電極3C,3Dに当接 ている第1及び第2の線材4A,4Bの部分(図3の端 4Ab,4Bbに対応する部分)とを、熱圧着等の工法 により溶着して、外部電極3A~3Dに固定する。 かる後、第1及び第2の線材4A,4Bを外部電極3A~ 3Dの箇所で切断することで、図3に示したよう に、第1及び第2の線材4A,4Bの各端部4Aa,4Ba,4Ab,4B bが外部電極3A~3Dにそれぞれ接合したコモンモ ードチョークコイル1を得る。

 したがって、上記のような巻線工程S3を適 することで、同一工程を繰り返す必要がな 、第1及び第2の線材4A,4Bを、一度に同時に磁 コア2の巻芯部20に巻き付けることができる で、その分製造時間の短縮を図ることがで る。その結果、コモンモードチョークコイ 1の量産性が向上する。
 また、第1及び第2の線材4A,4Bが近接した状態 でバランス良く巻き付けられるので、線材間 の磁気結合が高まり、モード変換のない、良 好なノイズ除去効果を発揮するコモンモード チョークコイル1を得ることができる。
 そして、第2の線材4Bの最終巻き目の線材部4 B10を、段落ちさせることなく、第1の線材4A上 に巻き付けることができるので、高特性のコ モンモードチョークコイル1を製造すること できる。また、段落ちのない分、第1及び第2 の線材4A,4Bの巻き数を少なくとも1巻き分は増 加させることができる。この結果、所望イン ダクタンス値のコモンモードチョークコイル 1を得ることができる。

 天板接合工程S4は、磁性天板5を磁性コア2に 接合する工程である。
 具体的には、磁性天板5を、巻線工程S3で形 された磁性コア2の第1及び第2の鍔部21,22の 面に架け、磁性天板5と第1及び第2の鍔部21,22 との間に、例えば熱硬化型エポキシ接着剤や 磁性粉を含んだ接着剤を介在させて、磁性天 板5を第1及び第2の鍔部21,22に接合する。

 次に、この実施例のコモンモードチョーク イルが示す作用及び効果について説明する
 図12は、コモンモードチョークコイル1の作 及び効果を説明するための斜視図である。
 図12に示すように、この実施例のコモンモ ドチョークコイル1を差動伝送路301,302に実装 することができる。
 そして、コモンモードノイズが差動伝送路3 01,302から外部電極3A,3Bを通じてコモンモード ョークコイル1内に入力されると、コモンモ ードチョークコイル1が大きなインピーダン を有したインダクタとして機能し、コモン ードノイズを除去する。
 一方、互いに逆位相の差動信号S,-Sを外部電 極3A,3B側から入力すると、外部電極3A,3Bに入 した差動信号S,-Sは、第1及び第2の線材4A,4Bを それぞれ通って、外部電極3C,3Dから差動伝送 301,302に出力される。このとき、第1及び第2 線材4A,4Bが近接した状態でバランス良く巻 付けられるので、線材間の磁気結合が高ま 、しかも、第2の線材4Bに段落ちがないので 入力された差動信号S,-Sは、ノイズにモード 換されずにそのまま差動伝送路301,302に出力 されることとなる。すなわち、この実施例の コモンモードチョークコイル1から出力され ノイズパワーの比率は非常に低く、優れた イズ除去効果を発揮する。

 なお、この発明は、上記実施例に限定され ものではなく、発明の要旨の範囲内におい 種々の変形や変更が可能である。
 例えば、上記実施例では、巻線型コイルの 線方法として、第1及び第2の線材4A,4Bを巻芯 部20に同時に巻き付けるだけでなく、図5で示 したように、第2の線材4Bの1巻き目の線材部4B 1を、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A1よりも 1の鍔部21側に寄った位置に配置した。そし 、さらに、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A1 と第1の鍔部21とに接触するようにして、第1 び第2の線材4A,4Bを巻芯部20に巻き付けた。し かし、かかる巻線方法だけでなく、第1及び 2の線材4A,4Bを同時に巻芯部20に巻き付けるだ けの巻線方法も、この発明の範囲内に含まれ ることは勿論である。
 また、逆に、第1及び第2の線材4A,4Bを、同時 でなく、それぞれ1本ずつ巻芯部20に巻き付け ることにより、第2の線材4Bの1巻き目の線材 4B1を、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A1より 第1の鍔部21側に寄った位置に配置すると共 、第1の線材4Aの1巻き目の線材部4A1と第1の 部21とに接触させるようにして、段落ちを防 止した巻線方法も、この発明の範囲内に含ま れる。




 
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