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Title:
WIRE CONDUCTOR AND INSULATED WIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078430
Kind Code:
A1
Abstract:
A wire conductor and an insulated wire in which degradation in strength due to reduction in weight and diameter is improved and heat generation during conduction can be suppressed. The wire conductor (10a) is formed by stranding seven copper strands (12) and one stainless steel strand (14). The stainless steel strand (14) is formed to have a smaller elongation percentage and a larger cross-sectional area as compared with those of the copper strand (12). The wire conductor (10a) may be compressed circularly. Preferably, the cross-section area of the wire conductor (10a) is 0.3 mm2 or less. The wire conductor (10a) is an insulated wire obtained by coating the outer circumference with an insulator.

Inventors:
YOSHIMOTO JUN (JP)
KAMEI SHINJI (JP)
MORIKAWA TAKASHI (JP)
TSUKAMOTO SOICHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/065495
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
August 08, 2007
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO WIRING SYSTEMS (JP)
YOSHIMOTO JUN (JP)
KAMEI SHINJI (JP)
MORIKAWA TAKASHI (JP)
TSUKAMOTO SOICHIRO (JP)
International Classes:
H01B5/08; H01B7/00; H01B7/18
Foreign References:
JP2005093300A2005-04-07
JP2006032084A2006-02-02
JP2006032076A2006-02-02
JP2006032081A2006-02-02
JP2005158450A2005-06-16
JP2006185683A2006-07-13
JP2004288625A2004-10-14
JP2007059113A2007-03-08
Attorney, Agent or Firm:
UENO, Noboru (21-23 Sakae 3-chom, Naka-ku Nagoya-shi Aichi 08, JP)
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Claims:
 導電材料よりなる第一素線と、第一素線よりも低導電性で強度の高い導電材料よりなる第二素線とを撚り合わせてなる電線導体であって、
 前記第二素線は、前記第一素線よりも伸び率が小さく、かつ断面積が大きいことを特徴とする電線導体。
 前記第一素線は、銅、銅合金、アルミニウムおよびアルミニウム合金から選択される1種または2種以上の材料よりなり、前記第二素線は、鉄、ニッケルおよびステンレスから選択される1種または2種以上の材料よりなることを特徴とする請求項1に記載の電線導体。
 その伸び率が15%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の電線導体。
 前記第二素線の伸び率は、前記第一素線の伸び率の50~95%の範囲内にあることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電線導体。
 当該電線導体の断面積に対して、前記第二素線全体の断面積が10~90%の範囲内にあることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の電線導体。
 その断面積が0.3mm 2 以下であることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の電線導体。
 円形圧縮されていることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の特徴とする電線導体。
 請求項1から7のいずれかに記載の電線導体を用いてなることを特徴とする絶縁電線。
Description:
電線導体および絶縁電線

 本発明は、電線導体および絶縁電線に関 、さらに詳しくは、自動車用電線に好適に いられる電線導体および絶縁電線に関する のである。

 従来、自動車などの車両や電気・電子機 などの配線に用いられる絶縁電線としては タフピッチ銅などの銅からなる素線を複数 撚り合わせた電線導体を用いた絶縁電線が く使用されている。

 近年、自動車などの車両や電気・電子機 などの高性能化が進められており、各種制 回路等の増加に伴って、使用される絶縁電 の数は増加する傾向にある。

 ここで、自動車分野においては、省エネ ギーなどの観点から車両重量の軽量化が望 れている。そこで、車両重量の軽量化を図 一環として、絶縁電線の重量を軽量化する みがなされている。例えば、従来の絶縁電 では、通電容量に余裕があるので、電線導 を細径化することにより絶縁電線を軽量に ることが行なわれている。

 ところが、電線導体を細径化すると、絶 電線の強度が低下するという問題があった そこで、細径化された電線導体を有する絶 電線の強度を改善する試みがなされている

 例えば特開2004-207079号公報には、ステン スからなる素線を複数本と、銅からなる素 とを組み合わせて構成される自動車用の電 導体が開示されている。

 しかしながら、ステンレスは銅よりも導 率が低いので、ステンレスからなる素線は からなる素線よりも導体抵抗が大きい。そ ため、例えば電線導体に引張りや繰返し屈 などが生じて銅からなる素線が先に断線す と、通電時に電線が発熱しやすくなるとい 問題があった。

 本発明が解決しようとする課題は、軽量 細径化に伴う強度低下を改善するとともに 万一断線しても通電時の発熱を抑止するこ が可能な電線導体および絶縁電線を提供す ことにある。

 本発明に係る電線導体は、導電材料より る第一素線と、第一素線よりも低導電性で 度の高い導電材料よりなる第二素線とを撚 合わせてなる電線導体であって、前記第二 線は、前記第一素線よりも伸び率が小さく かつ断面積が大きいことを要旨とするもの ある。

 この場合、前記第一素線は、銅、銅合金 アルミニウムおよびアルミニウム合金から 択される1種または2種以上の材料よりなり 前記第二素線は、鉄、ニッケルおよびステ レスから選択される1種または2種以上の材料 よりなるものを好適に示すことができる。

 このとき、上記電線導体は、その伸び率 15%以上であることが望ましい。

 そして、前記第二素線の伸び率は、前記 一素線の伸び率の50~95%の範囲内にあること 望ましい。

 さらに、当該電線導体の断面積に対して 前記第二素線全体の断面積が10~90%の範囲内 あることが望ましい。

 そして、上記電線導体は、その断面積が0.3m m 2 以下の細径電線に特に好適に用いることがで きる。

 さらに、上記電線導体は、円形圧縮され いても良い。

 一方、本発明に係る絶縁電線は、上記電 導体を用いてなることを要旨とするもので る。

 本発明に係る電線導体は、第一素線と第 素線よりも強度の高い第二素線とを撚り合 せて構成されているので、第一素線のみか なる電線導体よりも導体強度が高くなる。 れにより、例えば、電線導体を細径にして 量化する場合にも、電線導体の強度が低下 にくいので、軽量・細径化に伴う強度低下 改善することができる。

 そして、第二素線は、第一素線よりも伸 率が小さく、かつ断面積が大きいので、電 導体に引張り力が加わったときや、電線導 が繰返し屈曲されたときに、第一素線より 先に第二素線が断線するようになる。これ より、第一素線が断線するときには第二素 は断線しているので、通電時に第一素線が 一断線しても、低導電率で導体抵抗の高い 二素線に電流が流れやすくなって第二素線 発熱するのを抑止することができる。

 この場合、前記第一素線が、銅、銅合金 アルミニウムおよびアルミニウム合金から1 種または2種以上選択され、前記第二素線が 鉄、ニッケルおよびステンレスから1種また 2種以上選択されることにより、確実に上記 効果を奏する。

 このとき、上記電線導体の伸び率が15%以 であると、例えば、自動車用電線に好適に いることができる。

 そして、前記第二素線の伸び率が、前記 一素線の伸び率の50~95%の範囲内にあると、 線導体に引張り力が加わったときに、確実 第二素線から断線する。

 さらに、当該電線導体の断面積に対して 前記第二素線全体の断面積が10~90%の範囲内 あると、導体強度が一層優れる。

 そして、電線導体の断面積が0.3mm 2 以下の細径電線に用いることができるので、 例えば自動車分野などで、絶縁電線の軽量化 を図ることができる。

 さらに、上記電線導体が円形圧縮されれ 、素線間の隙間が少なくなるので、同じ断 積で見たときに、電線導体の細径化を図る とができる。

 一方、本発明に係る絶縁電線は、上記電線 体を用いているので、電線導体を細径化し も電線強度が高い。また、通電時に第一素 が万一断線しても、先に第二素線が断線し いるので、電線の発熱が抑止される。そし 、電線強度が高いことから、例えば、電線 体の断面積が0.3mm 2 以下の細径電線にも好適に用いることができ る。また、上記絶縁電線を例えば自動車分野 に用いれば、車両重量の軽量化に貢献するこ とができる。

本発明の一実施形態に係る電線導体を す断面図であり、素線8本で構成される電線 導体である。 本発明の一実施形態に係る電線導体を す断面図であり、素線9本で構成される電線 導体である。 屈曲試験方法を説明する図である。

 次に、本発明の実施形態について詳細に 明する。

 本発明に係る電線導体は、導電体となる 一素線と電線導体の強度を高める補強体と る第二素線とを撚り合わせてなる。電線導 は、1本以上の第一素線と、1本以上の第二 線とで構成される。

 第一素線は、導電材料により形成される 導電材料としては、例えば、銅、銅合金、 ルミニウム、アルミニウム合金などの通常 線導体として用いられる材料を例示するこ ができる。これらは、軟質・硬質のいずれ も良い。第一素線の伸び率は、特に限定さ るものではないが、例えば、自動車用電線 用いる場合には、15%以上であることが好ま い。なお、伸び率は、JIS C3002に基づいて測 定することができる。

 第一素線の断面積は、特に限定されるもの はないが、断面積が小さいほど電線重量を 量にすることができる。よって、通電容量 考慮しつつ、例えば、0.02mm 2 以下とすることが好ましい。また、第一素線 の本数も、特に限定されるものではなく、1 の第一素線の断面積と通電量とを考慮して めると良い。

 第二素線は、電線導体の強度を高める補 体となるものであり、第一素線よりも強度 高い材料により形成される。強度の高い材 とは、弾性係数が大きく、かつ降伏点応力 高い材料をいい、これらが第一素線よりも きい(高い)ため、同じ径・同じ本数におい 、第一素線のみからなる電線導体よりも第 素線と第二素線とからなる電線導体のほう 強度が高くなる。

 このような材料としては、例えば、鉄、 ッケル、ステンレスなどを例示することが きる。これらの材料は、上記第一素線より 導電性が低いため、導体抵抗が高くなって る。これらの材料は、軟質・硬質のいずれ も良いが、一般に熱処理温度が高いため、 処理している軟質のものを用いると、第二 線の熱処理工程が省略できるので、好まし 。

 より好ましい材料としては、ステンレス ある。腐食しにくく、長期間の使用におい 信頼性に優れるからである。ステンレスと ては、例えば、SUS304、SUS316などを例示する とができる。

 第二素線は、第一素線よりも伸び率が小 いものが良い。例えば電線導体に引張り力 加わり、電線導体全体で引張り応力を受け ときに、第一素線よりも先に断線しやすく るからである。第二素線の伸び率は、特に 定されないが、第一素線よりも先に確実に 線されやすくするには、第一素線の伸び率 50~95%の範囲内にあることが好ましい。なお 自動車用電線に用いる場合には、第二素線 伸び率は、15%以上であることが好ましい。

 また、第二素線は、第一素線よりも断面 が大きいものが良い。例えば電線導体が繰 し屈曲され、電線導体全体で曲げ応力を受 たときに、第一素線よりも先に断線しやす なるからである。なお、電線導体全体が円 圧縮されずに、各素線が断面円形を保って る場合には、断面積でなく素線径で比較し も良い。第二素線の本数は、特に限定され ものではない。電線導体の強度を高めるの 十分な量であれば良い。

 電線導体は、上記第一素線と上記第二素 とを組み合わせて構成される。組み合わせ しては、特に限定されないが、第一素線の 合が多くなると、強度は低下しやすいが、 電性が向上しやすくなる。一方、第二素線 割合が多くなると、導電性は低下しやすい 、強度が向上しやすくなる。そのため、導 性と強度向上効果とを考慮して、素線を組 合わせると良い。

 第一素線(第二素線)の割合は、当該電線 体の断面積に対する第一素線(第二素線)の断 面積で表される。第一素線(第二素線)の断面 は、1本以上の第一素線(第二素線)全体の断 積で表される。

 電線導体の導電性と強度とを考慮すると 第二素線の割合は、10~90%の範囲内にあるこ が好ましい。より好ましくは、10%~50%の範囲 内である。さらに好ましくは、20%~30%の範囲 である。10%未満では、電線導体の強度向上 果が低下しやすいからである。一方、90%を えると、導体抵抗が増大しやすいので、電 の許容電流が低下しやすくなり、また、50% 超えると、端子との圧着時に第二素線との 触面が増え、接触抵抗が増大しやすいので 発熱しやすくなり、電源線として用いにく なるからである。

 電線導体全体の断面積としては、特に限定 れるものではないが、0.3mm 2 以下であることが好ましい。電線導体の細径 化により電線重量の軽量化を図ることができ るからである。また、このように電線導体が 細径化されても、強度向上効果により強度維 持が可能だからである。なお、0.3mm 2 以下とは、公称の断面積であり、実際の断面 積が0.08~0.38mm 2 の範囲内にあるものを含む。

 電線導体は、円形圧縮されていても良い 円形圧縮は、例えば電線導体を撚り合わせ 状態で圧縮ダイスに通過させるなどして行 うことができる。上記電線導体が円形圧縮 れると、素線間の隙間が少なくなるので、 じ断面積で見たときに、電線導体の細径化 図ることができる。また、被覆の量を少な することができる。

 次に、より具体的な電線導体の構成につ て、図1~図2を参照して説明する。

 図1には、8本の素線で構成される電線導 を示す。図1(a)に示す電線導体10aは、7本の第 一素線12と1本の第二素線14との組み合わせ例 ある。中心に第二素線14が配置され、この 二素線14を囲むように7本の第一素線12が配置 されている。第二素線14は、第一素線12より 断面積が大きく形成されている。図1(b)に示 電線導体10bは、図1(a)に示す電線導体10aを円 形圧縮したものである。電線導体10aと比較し て、第一素線12と第一素線12と間や第一素線12 と第二素線14との間の隙間が少なくなってい ので、電線導体10bは電線導体10aよりも細径 なっている。第二素線14は、第一素線12より も硬いので、第一素線12よりも潰れにくく、 ぼ円形を保っている。

 図2には、9本の素線で構成される電線導 を示す。図2(a)に示す電線導体20aは、8本の第 一素線12と1本の第二素線14との組み合わせ例 ある。中心に第二素線14が配置され、この 二素線14を囲むように8本の第一素線12が配置 されている。第二素線14は、第一素線12より 断面積が大きく形成されている。図2(b)に示 電線導体20bは、図1(a)に示す電線導体20aを円 形圧縮したものである。電線導体20aと比較し て、第一素線12と第一素線12と間や第一素線12 と第二素線14との間の隙間が少なくなってい ので、電線導体20bは電線導体20aよりも細径 なっている。第二素線14は、第一素線12より も硬いので、第一素線12よりも潰れにくく、 ぼ円形を保っている。

 上記電線導体を作製するには、例えば、 望の本数の第一素線と第二素線とをそれぞ 用意して撚り合わせると良い。このとき、 り合わせ前や撚り合わせ後において、伸線 圧縮などの冷間加工や熱処理を行なっても い。

 第一素線および第二素線の伸び率は、伸 ・圧縮などの冷間加工や熱処理、材料の組 などにより調整可能である。冷間加工によ 加工硬化するので、素線の伸びを下げるこ ができ、熱処理により素線の伸びを高める とができる。また、断面積は、伸線・圧縮 どの冷間加工などにより調整可能である。

 第一素線および第二素線は、撚り合わさ る前に目的とする伸び率および断面積に調 されていても良いし、伸線、圧縮、熱処理 どによる伸び率および断面積の変化を見込 で材料の選択をし、撚り合わせた後の伸線 圧縮、熱処理などにより目的とする伸び率 よび断面積に調整されても良い。

 すなわち、あらかじめ目的とする伸び率 よび断面積にそれぞれ調整された第一素線 よび第二素線とを撚り合わせて電線導体を 成しても良いし、第一素線と第二素線とを り合わせた後、伸線・圧縮などの冷間加工 熱処理などを施すことにより、目的とする び率および断面積に調整しても良い。

 撚り合わせ後に伸び率および断面積を調 する例としては、例えば、銅素線を第一素 とし、ステンレス素線を第二素線として具 的に説明すると、目的とする伸び率および 面積に調整された1本の軟質のステンレス素 線と、熱処理されていない7本の硬質の銅素 とを撚り合わせた後、銅素線の伸び率がス ンレス素線の伸び率よりも高くなるように 処理を施すことを示すことができる。

 熱処理温度は、300~500℃の範囲内が好まし い。300℃未満では、冷間加工による加工硬化 が除去されにくいので、伸びの向上効果が得 られにくいからである。一方、500℃を超える と、引張強度の向上効果が得られにくいから である。

 熱処理は、各種軟化炉を用いて行なうこ ができる。軟化炉の様式は、電線導体に所 の特性が得られれば、特に限定はされない バッチ式軟化炉であっても良いし、連続式 化炉であっても良い。バッチ式軟化炉とし は、例えばベル型軟化炉などを例示するこ ができる。一方、連続式軟化炉としては、 えば通電連続軟化炉、パイプ連続軟化炉、 周波連続軟化炉などを例示することができ 。

 次に、本発明に係る絶縁電線について説 する。

 本発明に係る絶縁電線は、上記電線導体 外周を絶縁体で被覆してなる。絶縁体は、1 層としても良いし、2層以上としても良い。2 以上とする場合、各層は同種であっても良 し、異種であっても良い。

 絶縁体としては、例えば、ポリ塩化ビニ 、ポリエチレン、ポリプロピレン、PFA樹脂 ETFE(エチレン四フッ化エチレン共重合体)樹 、FEP(フッ化エチレンプロピレン)樹脂等の ッ素樹脂などを例示することができる。被 の厚さは、特に制限はないが、例えば電線 量を軽量化するには、0.2mmまでの範囲内が好 ましい。

 絶縁体には、必要に応じて、各種添加剤 配合されていても良い。このような添加剤 しては、例えば、酸化防止剤、金属不活性 剤、加工助剤(滑剤、ワックス等)などを例 することができる。

 上記絶縁電線は、例えば、押出機(単軸、 二軸)、バンバリミキサー、加圧ニーダー、 ールなどの通常用いられる混練機を用いて 練した絶縁体材料を、通常の押出成形機な を用いて電線導体の外周に押出被覆するな して製造することができる。

 以下に本発明を実施例により具体的に説 するが、本発明はこれらによって限定され ものではない。

(実施例1)
 伸び率20~25%、素線径0.13mmの軟質銅素線7本と 、伸び率15~18%、素線径0.21mmの軟質ステンレス 素線(SUS304)1本とを撚り合わせて電線導体を作 製し、電線導体の外周を厚さ0.2mmでポリオレ ィン混和物により被覆して絶縁電線を作製 た。

(実施例2)
 軟質銅素線8本とした以外、実施例1と同様 して、電線導体および絶縁電線を作製した

 以上のように作製した各絶縁電線につい 、引張試験および屈曲試験を行った。その 果を表1に示す。また、以下に各試験方法お よび評価方法について説明する。

(評価方法)
 電線引張試験
 JIS C 3002に準拠して行なった。すなわち、 縁電線を400mmの長さに切り出し、23℃にて試 験片の両端を引張試験機のチャックに取り付 けた後、引っ張り速度200mm/分で引っ張り、素 線が断線した時の荷重および先に断線した素 線を調べた。

 導体引張試験
 絶縁電線に変えて、絶縁電線内の電線導体 みについて、上記電線引張試験と同様の引 試験を行なった。

 屈曲試験
 図3に示した試験方法にて行なった。すなわ ち、絶縁電線を300mmの長さに切り出し、23℃ て試験片32の一端に500gの錘34を吊り下げ、他 端を、屈曲半径R=6mm、屈曲角度±90°、屈曲速 1往復/sec.で繰返し屈曲させた。1往復を1回 し、電線導体の導通がなくなった(素線が全 断線した)ときの屈曲回数を測定した。また 、先に断線した素線を調べるために、屈曲回 数100回ごとに試験を停止し、電線被覆を剥が して素線切れの有無を調べた。

 実施例1および実施例2では、引張試験お び屈曲試験において、それぞれステンレス 線が先に断線した。すなわち、本実施例に る電線導体および絶縁電線によれば、電線 体に引張り力が加わったときや、電線導体 繰返し屈曲されたときに、ステンレス素線 先に断線する。よって、銅素線が断線した きにはステンレス素線はすでに断線してい ので、導体抵抗の高いステンレス素線に電 が流れやすくなってこのステンレス素線が 熱するのを抑止できることを確認した。

 また、本実施例に係る電線導体の断面積は0 .14mm 2 であり、導体引張試験での破断荷重は、両実 施例とも60N以上であった。これにより、公称 断面積が0.3mm 2 以下の細径電線にも適用可能な強度を有して いることを確認し、軽量・細径化に伴う強度 低下を改善できることを確認した。

 以上、本発明の実施の形態について詳細 説明したが、本発明は上記実施の形態に何 限定されるものではなく、本発明の要旨を 脱しない範囲で種々の改変が可能である。

 例えば、実施例では、あらかじめ目的と る伸び率を有する素線を用いて電線導体を 成しているが、これ以外にも、例えば硬質 銅素線と軟質のステンレス素線とを組み合 せ、撚った後に熱処理して銅素線を所望の び率にしても同様の結果が得られることは うまでもない。また、実施例では、第一素 が銅で第二素線がステンレスについて示し いるが、第一素線が銅合金、アルミニウム またはアルミニウム合金よりなり、第二素 が鉄、ニッケルまたはSUS304以外のステンレ よりなる場合であっても同様の結果が得ら ることは勿論である。