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Title:
YELLOW TONER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/088034
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a yellow toner comprising toner particles containing at least a binder resin, a colorant, and a polar resin. The yellow toner is characterized in that the colorant is a dye compound having a specific structure, the recovery Z (25) of the toner is 40 to 80% as measured by a microcompression test at a temperature of 25°C, and, as measured with a differential scanning calorimetry (DSC) device, the toner has a glass transition temperature (TgA) of 40°C to 60°C and a maximum endothermic peak temperature (P1) of 70°C to 90°C, and the maximum endothermic peak temperature (P1) and the glass transition temperature (TgA) satisfy a relationship of 15°C ≤ P1 - TgA ≤ 50°C.

Inventors:
WATANABE SHUNTARO (JP)
MORIKI YUJI (JP)
NAKAYAMA KEN-ICHI (JP)
INABA KOJI (JP)
KATO MASAYOSHI (JP)
TANAKA MASATAKE (JP)
TOYODA TAKAYUKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/050123
Publication Date:
July 16, 2009
Filing Date:
January 08, 2009
Export Citation:
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Assignee:
CANON KK (JP)
WATANABE SHUNTARO (JP)
MORIKI YUJI (JP)
NAKAYAMA KEN-ICHI (JP)
INABA KOJI (JP)
KATO MASAYOSHI (JP)
TANAKA MASATAKE (JP)
TOYODA TAKAYUKI (JP)
International Classes:
G03G9/09; C09B29/42; G03G9/087; G03G9/097
Foreign References:
JPS57167353A1982-10-15
JP2005283725A2005-10-13
JPH0342676A1991-02-22
JP2007279666A2007-10-25
JP2000066445A2000-03-03
JP2007171221A2007-07-05
DE1644122A11971-05-13
Attorney, Agent or Firm:
SERA, Kazunobu et al. (6th floor4-10, Higashi Nihonbashi,3-chome, Chuo-ku, Tokyo 04, JP)
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Claims:
結着樹脂、着色剤、及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー粒子を有するイエロートナーであって、
前記着色剤が下記式(1)で表される構造を有する色素化合物であり、 
 
[式中、R 1 はアルキル基、又は、アリール基を表し、R 2 は水素原子、シアノ基、又は、-CONH 2 を表し、R 3 はアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、又は、-NR 8 R 9 (R 8 及びR 9 はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、アルケニル基、又は、アラルキル基を表す。又、-NR 8 R 9 は複素環を形成していても良い。)を表し、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、-CF 3 、-NO 2 、アルキル基、又は、アルキルオキシ基を表す。]
前記トナーに対する微小圧縮試験において、測定温度25℃で、前記トナー1粒子に負荷速度9.8×10 -5 N/secで2.94×10 -4 Nの最大荷重をかけ終えた後、0.1秒間放置した時点での変位量(μm)を最大変位量X 3(25) 、前記0.1秒間放置後、除荷速度9.8×10 -5 N/secで除荷し、荷重が0Nとなった時点での変位量(μm)を変位量X 4(25) としたとき、前記最大変位量X 3(25) と変位量X 4(25) との差である弾性変位量(X 3(25) -X 4(25) )の前記最大変位量X 3(25) に対する百分率である復元率Z(25)(%)[={(X 3(25) -X 4(25) )/X 3(25) }×100]が、
40≦Z(25)≦80
の関係を満足し、
前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)装置で測定されるガラス転移温度(TgA)が40℃乃至60℃であり、最大吸熱ピークの温度(P1)が70℃乃至90℃であり、前記最大吸熱ピークの温度(P1)と前記ガラス転移温度(TgA)とが、
15℃≦P1-TgA≦50℃
の関係を満足していることを特徴とするイエロートナー。
前記着色剤が、上記式(1)において、R 3 が-NR 8 R 9 であり、R 8 及びR 9 はそれぞれ独立して、アルキル基である色素化合物であることを特徴とする請求項1に記載のイエロートナー。 
前記着色剤が、上記式(1)において、R 1 がメチル基又はフェニル基である色素化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載のイエロートナー。
前記着色剤が、上記式(1)において、R 2 がシアノ基である色素化合物であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のイエロートナー。
前記トナーに対する微小圧縮試験において、測定温度50℃で、前記トナー1粒子に負荷速度9.8×10 -5 N/secで2.94×10 -4 Nの最大荷重をかけ終えた後、0.1秒間放置した時点での変位量(μm)を最大変位量X 3(50) 、前記0.1秒間放置後、除荷速度9.8×10 -5 N/secで除荷し、荷重が0Nとなった時点での変位量(μm)を変位量X 4(50) としたとき、最大変位量X 3(50) と変位量X 4(50) との差である弾性変位量(X 3(50) -X 4(50) )の前記最大変位量X 3(50) に対する百分率である復元率Z(50)[={(X 3(50) -X 4(50) )/X 3(50) }×100]が、
10≦Z(50)≦35
の関係を満足することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のイエロートナー。
前記トナーのフローテスター昇温法による100℃の粘度が3.0×10 3 Pa・s乃至2.0×10 4 Pa・sであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のイエロートナー。
前記トナー粒子が、重合性単量体、着色剤、及び極性樹脂を少なくとも含有する重合性単量体組成物を、水系媒体に分散させ、造粒し、該重合性単量体組成物中の重合性単量体を重合することによって製造されたトナー粒子であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のイエロートナー。
前記着色剤が、更にイエロー顔料を含有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のイエロートナー。
前記トナー粒子が、スルホン酸基、スルホン酸塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する重合体を含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のイエロートナー。
Description:
イエロートナー

 本発明は、電子写真法、静電記録法、静 印刷法、あるいはトナージェット記録法に いられるイエロートナーに関する。

 トナーによって可視画像を形成する方法 しては、電子写真法、静電記録法、静電印 法、あるいはトナージェット記録法等が知 れている。例えば、電子写真法では、一般 に光導電物質を含む感光体上に種々の手段 より静電荷の電気的潜像を形成する。次い 、潜像をトナーにより現像して、紙の如き 録材(転写材)にトナーを転写させる。その 、熱・圧力により記録材上にトナー画像を 着してプリント又は複写物を得る。

 近年、コンピュータ及びマルチメディア 発達により、オフィスから家庭まで幅広い 野で、更なる高精細フルカラー画像を出力 る手段が要望されている。電子写真法によ 画像形成装置は、フルカラー化、デジタル が進み、デザインスタジオなどのプロフェ ショナルユース、事務処理用カラー複写機 使用されるようになった。さらに、コンピ ータの出力としてのプリンタ、あるいは個 向けのパーソナルプリンタにも使用される うになった。ヘビーユーザーは、多数枚の 写、プリントによっても画質低下のない高 久性を要求する一方で、スモールオフィス 家庭では、高画質な画像を得ると共に、省 ペース・省エネルギーの観点から装置の小 化、廃トナーの再利用又は廃トナーレス(ク リーナーレス)、定着温度の低温化、写真画 に対応するための画像光沢性等が要望され いる。

 トナー粒子の製造方法には種々の方法があ 。例えば、粉砕法により製造される粉砕ト ーと、懸濁重合法や乳化凝集法により製造 れる重合トナーが知られている。
粉砕法は、結着樹脂、着色剤、荷電制御剤等 を含有する混合物を加熱ニーダー、二本ロー ル等の加熱混合可能な装置により溶融混練す る。次いで、溶融混練後に冷却固化したもの をボールミル、ジェットミル等の機械式ある いは空気衝突式の粉砕機にて粉砕、分級する ことによって所望の粒径を有するトナー粒子 を得る方法である。
 懸濁重合法は、懸濁安定剤を含む水相中に 合性単量体、着色剤、荷電制御剤、重合開 剤、その他の添加剤を均一に溶解又は分散 せた単量体を入れて、懸濁重合させる。つ で、濾別、乾燥して所望の粒径を有するト ー粒子を得る方法である。
 乳化重合法は、必要な添加剤の乳化液を加 た液中において単量体を乳化重合し、微粒 樹脂粒子を製造する。その後に、有機溶媒 凝集剤等を添加して会合させ、濾別、乾燥 て所望の粒径を有するトナー粒子を得る方 である。

 上述のニーズに対し、トナー材料の機能分 性のし易さから、粉砕法でのトナー製造方 よりも、水中で造粒する懸濁重合法などへ 期待が高まっている。
重合トナーにおける現像耐久性と定着性の両 立という観点では、トナーの粘弾性や溶融粘 度が重要となる。一般的に、現像装置内で機 械的な摩擦力を受けてトナーは劣化するので 、トナーの粘弾性や溶融粘度を高くする方が 有利である。しかし定着工程では消費エネル ギーを削減して低温定着や画像光沢性を実現 するために、トナーの粘弾性や溶融粘度を下 げなければならない。しかしながら、これは トナーの現像性や転写性を不利にするばかり か、温度50℃程度の環境下におけるトナーの 存安定性も低下させる。一方、定着工程に いては、トナー粒子中のワックス成分が瞬 に染み出し易い方が定着ローラとの離型性 良好になり好ましい。このように現像耐久 と定着性は相反する性能であるが、この両 を満足させる手法について検討されている

現像耐久性と定着性を両立させる試みとし て、示差走査熱量計(DSC)におけるトナーのDSC 線に着目したものがある。結着樹脂および 色剤を少なくとも含有するトナーにおいて 示差走査熱量計により測定されるDSC曲線の 2昇温過程に、該結着樹脂のガラス転移点付 近に少なくとも1つのピークが存在すること 特徴とするトナーが提案されている。(特許 献1)この手法で定着性を向上させることは きるが、一般に室温近辺での現像特性や耐 性を考慮した場合、さらなる改良が望まれ 。

一方で、トナー粒子の内部構造まで考慮して 、耐久性と定着性の両立を更に改善するため には、トナー1粒子単位の耐久性や定着性を 論することが必要となり、トナー1粒子単位 硬度(微小圧縮硬度)が有効な指標となる。 ナー粒子の硬度(微小圧縮硬度)は、トナー粒 子の変形度合い(弾性・塑性)を示す。従って 接触転写のように圧力がかかりトナー粒子 変形し得る転写工程を採用した系において 、トナーの微小圧縮硬度は、耐久性や定着 に加え、転写性に対しても有効な指標とな 得る。
例えば、低ガラス転移点を有する熱可塑性樹 脂から成る熱溶融性芯材(コア)と非晶質ポリ ステルを主成分とする外殻(シェル)から構 されるカプセル(コアシェル構造)トナーにお いて、トナー1粒子に荷重を負荷した際に圧 される変位量と荷重の関係を特定の範囲に 定することで、低温定着性、耐オフセット 、及び耐久性が両立できる(特許文献2、特許 文献3)。このカプセルトナーは、低ガラス転 点の芯材を比較的厚いシェル層で覆ってい 構造であるため加熱加圧定着工程には有効 あるが、軽負荷定着工程では低温定着性を 足することや高光沢な画像を得ることが難 い傾向にある。
また、結着樹脂に高分子量体と低分子量体を 存在させた樹脂粒子と着色剤粒子とを塩析/ 着させる工程を経る乳化凝集法で得られた ナーでは、トナー粒子にある一定の硬度を たせることが可能となる。そのため、この ナーは、非磁性一成分現像方式においても 良好な耐久安定性が維持される(特許文献4)
 しかしながら、この乳化凝集法によるトナ は、その樹脂粒子の構造が中心部から表層 向かうに従って各層を構成する樹脂の分子 が小さくなるように制御されている為、保 安定性や耐高温オフセット性が低下する場 がある。

 更に、トナー粒子の微小圧縮試験を行って られる荷重-変位曲線が変曲点を有し、且つ 、その変曲点の荷重が現像装置内でトナーが 受ける負荷よりも大きいことを特徴とするト ナーも提案されている。このトナーを用いる ことにより、定着工程では簡単に圧裂するも のの、現像器内の耐久性に優れ安定した帯電 特性が得られる(特許文献5)。
 しかしながら、このトナーは、定着工程で 定着性を満足し得るが、定着工程の軽負荷 あるいは高速化に対応する場合は、低温定 性を十分には満足できず、更には高い画像 沢性を得ることが難しい傾向にある。
 このように、現像耐久性と定着性を両立さ るための検討において、トナー粒子の内部 造まで言及した検討は多数行われているが 更なる高速化、及び高精細フルカラー画像 要求されている現状において、良好な定着 、画像高光沢性を維持した上で、高耐久性 高転写性、更には保存安定性を十分に満足 るトナーが望まれている。

また、重合法におけるイエロートナーの分野 では、色再現性が良好で且つ使用環境下での 保存安定性、現像における耐久性に優れた着 色剤の開発が望まれている。特に、重合法で トナーを製造する製造においては、組成の均 一なトナー粒子を得るために、有機溶剤(ス レンなどの重合性単量体も含む)への高い溶 性を有する着色剤が望まれている。更に、 種重合法により製造するトナーにおいては 色剤等の添加物により重合が阻害されてし う場合があるため、着色剤が重合阻害を引 起こさないことも重要となる。従来イエロ トナー用の着色剤としては、モノアゾ系顔 (特許文献6及び特許文献7)や、ポリアゾ系顔 料(特許文献8及び特許文献9)が開示されてい 。しかし、これらの顔料は、耐光性が良好 あるものの、有機溶剤に対する溶解性及び 調の点で不十分である。
一方、有機溶剤に対する溶解性及び色調を向 上させる目的で、イエロートナー用の着色染 料として、C.I.Solvent Yellow 162に代表されるよ うなピリドンアゾ系染料を使用するトナーが 開示されている(特許文献10及び特許文献11)。 また、有機溶剤に対して高い溶解度を有する ピリドンアゾ系染料も開示されている(特許 献12)。

高画質達成のために、着色力の高い染料を使 用する提案がある。染料の中には、カルボキ シル基、水酸基、スルホン基など親水性の高 い官能基を含む色素化合物がある。このよう な染料を重合法トナーに用いる場合、染料が 水系媒体中に溶出する傾向があるためトナー 粒子表面に析出する可能性がある。そのため 、水系媒体中で造粒してトナー粒子を製造す る場合には、染料の利用に工夫が必要とされ ている(特許文献13)。
乳化重合法によるトナーの製造においては、 凝集/会合させる目的で加熱工程を経させて その時の着色粒子含有液(着色粒子分散液)の pHを7~12の範囲に調整して攪拌することが望ま しいとされている(特許文献14)。
さらに、分散安定剤含有水性分散媒のpHを5.5~ 8.5に調整後、懸濁重合させることで、高湿下 及び低湿下での耐久性、耐帯電部材汚染性に ついて良好な特性を持ち、高画質な画像を得 ることができる重合トナーも提案されている (特許文献15)。
上記提案に沿ってトナーの製造を行うことで 、染料が着色粒子表面に染み出すのを抑制で きるが、さらなる装置の高速化を考慮すると 、規制部材、感光体などの染料による汚染を 抑制するという点では今だ十分ではない。そ こで、良好な色調をもたらすとともに、優れ た耐光性を有する着色剤を含有し、良好な現 像耐久性と定着性とが両立されたイエロート ナーの開発が求められていた。

特開2004-184561号公報

特許第03003018号

特許第03391931号

特開2004-109601号公報

特開2005-300937号公報

特開2000-35696号公報

特開2003-149859号公報

特開2001-166540号公報

特開2004-234033号公報

特開平7-140716号公報

特開平3-42676号公報

特開平3-185074号公報

特開平06-222616号公報

特開平10-319624号公報

特許第03372805号

本発明の目的は、良好な現像性及び優れた 定着性を両立したイエロートナーを提供する ことである。

上記課題は以下の本発明によって解決される 。
第1の発明は、結着樹脂、着色剤、及び極性 脂を少なくとも含有するトナー粒子を有す イエロートナーであって、
前記着色剤が下記式(1)で表される構造を有す る色素化合物であり、
 
[式中、R 1 はアルキル基、又は、アリール基を表し、R 2 は水素原子、シアノ基、又は、-CONH 2 を表し、R 3 はアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、 アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、又 は、-NR 8 R 9 (R 8 及びR 9 はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基 、アリール基、アルケニル基、又は、アラル キル基を表す。又、-NR 8 R 9 は複素環を形成していても良い。)を表し、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原 子、-CF 3 、-NO 2 、アルキル基、又は、アルキルオキシ基を表 す。]
前記トナーに対する微小圧縮試験において、 測定温度25℃で、前記トナー1粒子に負荷速度 9.8×10 -5 N/secで2.94×10 -4 Nの最大荷重をかけ終えた後、0.1秒間放置し 時点での変位量(μm)を最大変位量X 3(25) 、前記0.1秒間放置後、除荷速度9.8×10 -5 N/secで除荷し、荷重が0Nとなった時点での変 量(μm)を変位量X 4(25) としたとき、前記最大変位量X 3(25) と変位量X 4(25) との差である弾性変位量(X 3(25) -X 4(25) )の前記最大変位量X 3(25) に対する百分率である復元率Z(25)(%)[={(X 3(25) -X 4(25) )/X 3(25) }×100]が、
40≦Z(25)≦80
の関係を満足し、
前記トナーは、示差走査熱量測定(DSC)装置で 定されるガラス転移温度(TgA)が40℃乃至60℃ あり、最大吸熱ピークの温度(P1)が70℃乃至9 0℃であり、前記最大吸熱ピークの温度(P1)と 記ガラス転移温度(TgA)とが、
15℃≦P1-TgA≦50℃
の関係を満足していることを特徴とするイエ ロートナーに関する。

本発明の好ましい形態によれば、良好な現 像性及び優れた定着性を両立したイエロート ナーが提供される。

電子写真装置の断面図である。 電子写真装置の現像部の拡大図である トナーに対する微小圧縮試験における 重-変位曲線である。 色素化合物D1のクロロホルム-d中、室温、400MH zにおける 1 H-NMRスペクトルを表す図である。

符号の説明

10    :潜像担持体(感光ドラム)
11    :潜像担持体接触帯電部材
12    :電源
13    :現像ユニット
14    :トナー担持体
15    :トナー供給ローラ
16    :規制部材
17    :非磁性トナー
23    :現像剤容器
24    :規制部材支持板金
27    :電源
101a~d:感光ドラム
102a~d:一次帯電手段
103a~d:スキャナー
104a~d:現像部
106a~d:クリーニング手段
108b  :給紙ローラ
108c  :レジストローラ
109a  :静電吸着搬送ベルト
109b  :駆動ローラ
109c  :固定ローラ
109d  :テンションローラ
110   :定着器
110c  :排出ローラ
113   :排出トレー
S     :記録媒体

先ず、本発明のトナーにおいて、着色剤とし て含有される下記式(1)で表される構造を有す る色素化合物について詳細に説明する。
 
[式中、R 1 はアルキル基、又は、アリール基を表し、R 2 は水素原子、シアノ基、又は、-CONH 2 を表し、R 3 はアルキルオキシ基、アルケニルオキシ基、 アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、又 は、-NR 8 R 9 (R 8 及びR 9 はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基 、アリール基、アルケニル基、又は、アラル キル基を表す。又、-NR 8 R 9 は複素環を形成していても良い。)を表し、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原 子、-CF 3 、-NO 2 、アルキル基、又は、アルキルオキシ基を表 す。]
 
本発明者らは、従来技術の課題を解決すべく 鋭意検討の結果、上記式(1)で表される構造を 有する色素化合物を含有する着色剤を用い、 且つ上記特性を有するトナーを製造すること により、良好な現像性及び優れた定着性を両 立したイエロートナーが提供されることを見 出して、本発明に至った。

上記式(1)中、R 1 は、アルキル基、又は、アリール基を表し、 例えば、以下のものが挙げられる。メチル基 、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基 n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基及 2-エチルヘキシル基、フェニル基及びナフチ ル基。R 1 は、上記のようなアルキル基、又はアリール 基を表すが、これらは、更に置換基により置 換されていても良い。置換基としては、アル キル基、ハロゲン原子、-CF 3 、及び、-NO 2 等の非イオン性基が好ましい。また、R 1 として特に好適なものは、メチル基又はフェ ニル基である。

上記式(1)中、R 2 は、水素原子、シアノ基、又は、-CONH 2 を表すが、耐光性及び原料入手の容易性の点 からシアノ基であることが好ましい。

上記式(1)中、R 3 は、アルキルオキシ基、アルケニルオキシ基 、アリールオキシ基、アラルキルオキシ基、 又は、-NR 8 R 9 を表す。
上記R 3 におけるアルキルオキシ基としては、特に限 定されるものではないが、例えば、以下のも のが挙げられる。メトキシ基、エトキシ基、 n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキ 基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、n-ペ チルオキシ基、iso-ペンチルオキシ基、n-ヘ シルオキシ基、iso-ヘキシルオキシ基、2-エ ルヘキシルオキシ基、3,5,5-トリメチルヘキ ルオキシ基、n-ヘプチルオキシ基、n-オクチ オキシ基、n-ノニルオキシ基、及び、シク ヘキシルオキシ基。

上記R 3 におけるアルケニルオキシ基としては、特に 限定されるものではないが、例えば、2-プロ ン-1-オキシ基、3-ブテン-2-オキシ基、1-ペン テン-3-オキシ基、及び、3,7-ジメチル-6-オク ン-1-オキシ基が挙げられる。

上記R 3 におけるアリールオキシ基としては、特に限 定されるものではないが、例えば、以下のも のが挙げられる。フェノキシ基、メチルフェ ノキシ基、ジメチルフェノキシ基、メトキシ フェノキシ基、クロロフェノキシ基、ブロモ フェノキシ基、フルオロフェノキシ基、トリ フルオロメチルフェノキシ基、ナフチルオキ シ基、及び、4-オクチルフェノキシ基。

上記R 3 におけるアラルキルオキシ基としては、特に 限定されるものではないが、例えば、ベンジ ルオキシ基、及び、ジフェニルメトキシ基が 挙げられる。

上記R 3 は、上記のようなアルキルオキシ基、アルケ ニルオキシ基、アリールオキシ基及びアラル キルオキシ基のいずれかを表すが、これらは 、更に置換基により置換されていても良い。 置換基としては、アルキル基、ハロゲン原子 、-CF 3 、-NO 2 等の非イオン性基が好ましい。

また、上記R 3 は-NR 8 R 9 であっても良い。該R 8 及びR 9 はそれぞれ独立して、水素原子、アルキル基 、アリール基、アルケニル基、又は、アラル キル基を表す。又、-NR 8 R 9 は、R 8 とR 9 とが連結し複素環を形成していても良い。

上記R 8 及びR 9 におけるアルキル基としては、特に限定され るものではないが、例えば、メチル基、エチ ル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブ ル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、n-ペンチ ル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、n- プチル基、n-オクチル基、2-エチルヘキシル 、n-ノニル基、n-デシル基、n-ウンデシル基 及び、n-ドデシル基等が挙げられる。

上記R 8 及びR 9 におけるアルケニル基としては、ビニル基、 1-プロペニル基、2-プロペニル基、1-ブテニル 基、2-ブテニル基、3-ブテニル基、1-シクロヘ キセニル基、及び、2-シクロヘキセニル基が げられる。

上記R 8 及びR 9 におけるアリール基としては、フェニル基、 及び、ナフチル基等が挙げられ、アラルキル 基としては、ベンジル基、及び、フェネチル 基等が挙げられる。

また、上記R 8 及びR 9 は窒素原子とともに複素環を形成していても 良い。R 8 及びR 9 が窒素原子とともに形成する複素環の具体例 としては、ピペラジン環、ピペリジン環、ピ ロリジン環、及び、モルホリン環等が挙げら れる。

上記R 8 及びR 9 は、上記のようなアルキル基、アリール基、 アルケニル基及びアラルキル基を表すが、こ れらは、更に置換基により置換されていても 良い。該置換しても良い置換基としては、ア ルキル基、ハロゲン原子、-CF 3 、及び、-NO 2 等の非イオン性基が好ましい。

上記R 3 として特に好適なものは、合成容易性の点か ら-NR 8 R 9 の場合である。更に、R 8 及びR 9 は、それぞれ独立して、アルキル基であるこ とが好ましい。更に、R 8 及びR 9 は、有機溶剤(スチレン等の重合性単量体も む)に対する溶解性の点からはR 8 及びR 9 の炭素数の合計が12以上であることが好まし 、製造容易性の点からは24以下であること 好ましい。

上記式(1)中、R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はそれぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原 子、-CF 3 、-NO 2 、アルキル基、又は、アルキルオキシ基を表 す。

上記R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 におけるハロゲン原子としては、フッ素原子 、塩素原子、臭素原子、及び、ヨウ素原子が 挙げられる。
上記R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 におけるアルキル基としては、特に限定され るものではないが、例えば、それぞれ以下の ものが挙げられる。メチル基、エチル基、n- ロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、se c-ブチル基、tert-ブチル基及び2-エチルヘキシ ル基。

上記R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 はアルキルオキシ基でも良く、この場合も特 に限定されるものではないが、例えば、メト キシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プ ロポキシ基、n-ブトキシ基、iso-ブトキシ基、 tert-ブトキシ基、n-ペンチルオキシ基、iso-ペ チルオキシ基、n-ヘキシルオキシ基、iso-ヘ シルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基 3,5,5-トリメチルヘキシルオキシ基、n-ヘプチ ルオキシ基、n-オクチルオキシ基、n-ノニル キシ基、及び、シクロヘキシルオキシ基が げられる。

上記R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 は、上記のようなアルキル基又はアルキルオ キシ基を表すが、これらは、更に置換基によ り置換されていても良い。該置換基としては 、アルキル基、ハロゲン原子、-CF 3 、及び、-NO 2 等の非イオン性基が好ましい。
R 4 、R 5 、R 6 及びR 7 として好適なものは、原料入手の容易性及び 耐光性の点から水素原子である。

上記式(1)で示される構造を有する色素化合 物のそれぞれの置換基について説明したが、 上記式(1)で示される構造を有する色素化合物 としては、下記式(2)で表される構造を有する 色素化合物がより好ましい。

 
[式中、R 1 はメチル基、又は、フェニル基を表し、R 8 及びR 9 はそれぞれ独立して、アルキル基、又は、R 8 及びR 9 は窒素原子とともに形成される複素環を表し 、かつ、R 8 及びR 9 の炭素数の合計は12以上24以下である。]

上記式(1)または(2)で表される構造を有する 色素化合物は、公知の方法で合成することが 可能である。例えば、下記式(3)で表される構 造を有するジアゾ成分と、下記式(4)で表され る構造を有するピリドン化合物をジアゾカッ プリングすればよい。具体的には、まず、塩 酸中で、下記式(3)で表される構造を有するジ アゾ成分に亜硝酸ナトリウム水溶液を加えて ジアゾ化する。そして、ジアゾ化した後、こ れを下記式(4)で表される構造を有するピリド ン化合物と反応させてカップリング反応を行 う。さらに、必要に応じて反応物を再結晶法 やカラムクロマトグラフィによって精製する ことで所望の純度の上記式(1)または(2)で表さ れる構造を有する色素化合物を得ることがで きる。

 

 

次に、本発明のイエロートナー(以下、単に ナーともいう)について説明する。
本発明のイエロートナーは、結着樹脂、着色 剤及び極性樹脂を少なくとも含有するトナー 粒子を有するイエロートナーであって、該着 色剤が、上記式(1)で表される構造を有する色 素化合物であることを一つの特徴とする。

上記トナー粒子の製造方法としては、特に 限定されないが、例えば、粉砕法、懸濁重合 法、乳化重合法などが挙げられる。特に、懸 濁重合法や乳化重合法などのようにトナー粒 子製造過程において重合反応を伴う方法にお いては、重合阻害を引き起こさない上記式(1) で表される構造を有する色素化合物の使用は 好適である。

本発明のトナーに用いられる着色剤は、色 相角、彩度、明度、耐光性、OHP透明性、トナ ー中の分散性の点から選択される。前記着色 剤は、結着樹脂100質量部に対して、好ましく は1質量部乃至20質量部添加して用いられる。 また、上記式(1)で表される構造を有する色素 化合物の含有量は、結着樹脂100質量部に対し て、好ましくは0.5質量部乃至10質量部である

本発明のトナーにおいては、上記式(1)で表さ れる構造を有する色素化合物以外に、他の着 色剤としてイエロー顔料を含有することが好 ましい。
上記イエロー顔料としては、例えば、モノア ゾ系顔料あるいはジスアゾ系顔料あるいはポ リアゾ系顔料等が挙げられる。
具体的には、以下のものが挙げられる。C.I. グメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロ 13、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメン イエロー15、C.I.ピグメントイエロー17、C.I. グメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロ 74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメン イエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I. グメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロ 97、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメン イエロー110、C.I.ピグメントイエロー111、C.I .ピグメントイエロー120、C.I.ピグメントイエ ー127、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグ ントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー147 C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメント エロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピ グメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロ 174、C.I.ピグメントイエロー175、C.I.ピグメン トイエロー176、C.I.ピグメントイエロー180、C. I.ピグメントイエロー181、C.I.ピグメントイエ ロー185、C.I.ピグメントイエロー191、C.I.ピグ ントイエロー194。
その中でより好ましいものとしては、C.I.Pigme nt Yellow 74、C.I.Pigment Yellow 93、C.I.PigmentYellow  128、C.I.Pigment Yellow 155が挙げられる。
これらのイエロー顔料は、単独又は混合し更 には固溶体の状態で用いることができる。ま た、上記イエロー顔料の含有量は、結着樹脂 100質量部に対して、好ましくは1質量部乃至20 質量部である。

本発明のイエロートナーに用いられる結着 樹脂としては、一般的に用いられているスチ レン-アクリル共重合体、スチレン-メタクリ 共重合体、エポキシ樹脂、スチレン-ブタジ エン共重合体等が例示される。上記結着樹脂 の製造に用いられる重合性単量体としては、 ラジカル重合が可能なビニル系重合性単量体 を用いることが可能である。該ビニル系重合 性単量体としては、単官能性重合性単量体或 いは多官能性重合性単量体を使用することが できる。

上記結着樹脂の製造に用いられる重合性単 量体としては、以下のものが挙げられる。ス チレン;o-(m-、p-)メチルスチレン、m-(p-)エチル スチレンの如きスチレン系単量体;アクリル メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸 チル、メタクリル酸エチル、アクリル酸プ ピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸 チル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸オ チル、メタクリル酸オクチル、アクリル酸 デシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル ステアリル、メタクリル酸ステアリル、ア リル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、 クリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸2- チルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノ チル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタク ル酸ジエチルアミノエチルの如きアクリル エステル系単量体或いはメタクリル酸エス ル系単量体;ブタジエン、イソプレン、シク ロヘキセン、アクリロニトリル、メタクリロ ニトリル、アクリル酸アミド、メタクリル酸 アミドの如きエン系単量体。

これら重合性単量体は、単独、または、一 般的には出版物ポリマーハンドブック第2版II I-p139乃至192(John Wiley&Sons製)に記載の理論 ラス転移温度(Tg)を参考にして適宜混合して いられる。

本発明のイエロートナーは、トナーに対する 微小圧縮試験において、測定温度25℃で、ト ー1粒子に負荷速度9.8×10 -5 N/secで2.94×10 -4 Nの最大荷重をかけ終えた後、0.1秒間放置し 時点での変位量(μm)を最大変位量X 3(25) 、0.1秒間放置後、除荷速度9.8×10 -5 N/secで除荷し、荷重が0Nとなった時点での変 量(μm)を変位量X 4(25) 、最大変位量X 3(25) と変位量X 4(25) との差である弾性変位量(X 3(25) -X 4(25) )の最大変位量X 3(25) に対する百分率である復元率[={(X 3(25) -X 4(25) )/X 3(25) }×100]をZ(25)(%)としたとき、Z(25)が、40≦Z(25)≦ 80、の関係を満足していることを特徴とする 好ましくは40≦Z(25)≦70、より好ましくは40 Z(25)≦60である。

また、本発明のイエロートナーは、トナーに 対する微小圧縮試験において、測定温度50℃ 、トナー1粒子に負荷速度9.8×10 -5 N/secで2.94×10 -4 Nの最大荷重をかけ終えた後、0.1秒間放置し 時点での変位量(μm)を最大変位量X 3(50) 、0.1秒間放置後、除荷速度9.8×10 -5 N/secで除荷し、荷重が0Nとなった時点での変 量(μm)を変位量X 4(50) 、最大変位量X 3(50) と変位量X 4(50) との差である弾性変位量(X 3(50) -X 4(50) )の最大変位量X 3(50) に対する百分率である復元率[={(X 3(50) -X 4(50) )/X 3(50) }×100]をZ(50)(%)としたときに、Z(50)が、10≦Z(50) ≦35、の関係を満足することが好ましい。よ 好ましくは15≦Z(50)≦35、特に好ましくは20 Z(50)≦30である。

図3を参照しながら微小圧縮試験の測定方法 ついて説明する。
図3は微小圧縮試験で本発明のイエロートナ を測定した際のプロファイル(荷重-変位曲線 )であり、横軸はトナーが変形した変位量、 軸はトナーにかけている荷重量を表してい 。
本発明における微小圧縮試験は、(株)エリオ クス製 超微小硬度計ENT1100を用いた。使用 子は20μm×20μm四方の平圧子を用いて測定し 。1-1は試験を始める前の最初の状態であり 最大荷重2.94×10 -4 Nに対し、9.8×10 -5 N/secのスピードで荷重を掛けた。最大荷重に 達直後は1-2の状態であり、このときの変位 をX 2 (μm)とした。1-2の状態で0.1秒の間その荷重で 置した。放置終了直後の状態が1-3を示して り、このときを最大変位量X 3 (μm)とし、さらに最大荷重を経て9.8×10 -5 N/secのスピードで除荷し、荷重が0Nになった きが1-4の状態である。このときの変位量をX 4 (μm)とした。
上記Z(25)(以下、復元率Z(25)ともいう)は、最大 変位量X 3 と変位量X 4 との差である弾性変位量(X 3 -X 4 )の最大変位量X 3 に対する百分率である復元率[={(X 3 -X 4 )/X 3 }×100]として求めた。更にZ(50)(以下、復元率Z( 50)ともいう)の値は、上述のように、温度50℃ で測定することを除いて、上記Z(25)の測定方 と同様にして測定した値である。

実際の測定はセラミックセル上にトナーを塗 布し、トナーがセル上に分散するように微弱 なエアーを吹き付ける。そのセルを装置にセ ットして測定する。
また測定の際にはセルを温度制御が可能な状 態にし、このセルの温度を測定温度とした。 すなわち、Z(25)はセルの温度を25℃として測 し、Z(50)はセルの温度を50℃として測定した 本発明における微小圧縮試験においては、 ルの上にトナーを分散させた後、セルを本 に設置した。その後、セルが測定温度に到 してから10分以上放置した後、測定を開始 た。
測定は装置に付帯する顕微鏡を覗きながら測 定用画面(横幅:160μm 縦幅:120μm)にトナーが1 で存在しているものを選択した。変位量の 差を極力無くすため、トナーの個数平均粒 d1の±0.2μmのものを選択して測定した。なお 測定用画面から任意のトナーを選択するが 測定画面上でのトナー粒子径の測定手段は 微小硬度計ENT1100付帯のソフトを用いてトナ ー粒子の長径と短径を測定し、それらから求 められるアスペクト比[(長径+短径)/2]の値がd1 の±0.2μmとなるトナーを選択して測定した。
測定データに関しては任意の粒子100個を選ん で測定し、測定結果として得られたZ(25)、及 Z(50)について、最大値、最小値からそれぞ 10個を除いた残り80個をデータとして使用し その80個の相加平均値としてZ(25)、及びZ(50) 求めた。

また、トナーの個数平均粒径(d1)の測定方法 以下の通りである。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチュ ーブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度 分布測定装置「コールター・カウンター Mult isizer 3」(登録商標、ベックマン・コールタ 社製)を用いる。測定条件の設定及び測定デ タの解析は、付属の専用ソフト「ベックマ ・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベッ マン・コールター社製)を用いる。尚、測定 実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナト リウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1 量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用で る。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専 用ソフトの設定を行った。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画 において、コントロールモードの総カウン 数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールタ ー社製)を用いて得られた値を設定する。「 値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すこと 、閾値とノイズレベルを自動設定する。ま 、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解 をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャ チューブのフラッシュ」にチェックを入れ 。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定 」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒 径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60 μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカー に前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルス ンドにセットし、スターラーロッドの撹拌 反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、 用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」 能により、アパーチャーチューブ内の汚れ 気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水 液約30mlを入れる。この中に分散剤として「 コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イ ン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の 密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、 光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量 に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度 ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超 波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」 (日科機バイオス社製)を準備する。超音波分 器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加 する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビ ーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作 動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液 の液面の共振状態が最大となるようにビーカ ーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波 を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ 記電解水溶液に添加し、分散させる。そし 、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。 尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が 10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸 底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分 散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定 濃度が約5%となるように調整する。そして、 定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトに て解析を行い、個数平均粒径(d1)を算出する 尚、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したと きの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の 「平均径」が個数平均粒径(d1)である。

本発明で用いた微小圧縮試験の方法は、トナ ーに対し最大荷重2.94×10 -4 Nをかけるものである。該方法は、従来の測 法と比較して小さな荷重をかけてトナー表 近傍の硬さ及び復元率を測定するものであ 。
上記トナーに対する微小圧縮試験において、 復元率Z(25)の値を本発明の範囲内にすること 、トナー低温定着性と耐久性の両立を実現 ることができる。復元率Z(25)の値を本発明 範囲とすることで、トナー粒子は最適な硬 のシェル層を有するため耐久性が向上する 共に、コア層を十分に柔らかく設計するこ ができ、低温定着性や画像光沢性等の向上 実現することができる。また、トナー粒子 おいてコアシェル構造が形成され、コア層 シェル層との密着性が高く、常温ではトナ の加圧時の外的要因に対する強靭性が大き 。これにより、トナーの加熱時にコア成分( にワックス)がブリード性を有することによ って、保存性が向上している。

更に本発明のトナーにおいて、復元率Z(25)の が40以上であることで、現像機装置内で受 るストレスによるトナーの変形が起こりに くなる。また高温オフセット性が向上する
一方、復元率Z(25)の値が80未満であることで 定着工程においてワックスのブリード性が 下することなく、低温側でのオフセットが 生しにくくなり低温定着性に優れる。また 画像光沢性も向上する。また、トナー粒子 面が固すぎることがないため、トナー粒子 面への外添剤の付着が容易になり、多数枚 プリントアウトを行うとトナー表面の外添 が遊離しにくくなり、現像性や転写性が向 する傾向にある。

また本発明のトナーは、測定温度50℃での復 率Z(50)の値を10乃至35とすることで、高温高 時におけるトナー担持体とトナー規制部材 摺擦によるトナーの劣化をより良好に抑制 ることができる。
上記復元率Z(25)及び復元率Z(50)は、例えば下 手法を用いることで上記関係を満足させる とが可能であるがこれらに限定されるもの はない。
(1)トナー粒子を水系媒体中で製造する場合に 、トナー粒子に後述する極性樹脂を含有させ 、極性樹脂によるシェル層を形成させる。こ のとき該極性樹脂は、コア層を形成する結着 樹脂との相溶性を考慮して選定する。
(2)水系媒体中でコア粒子を製造した後、極性 樹脂を構成するモノマーを添加してシード重 合することによりシェル層を形成する。
(3)コア粒子よりも体積平均粒径が小さい極性 樹脂微粒子をコア粒子に機械的に付着させる 。あるいは水系媒体中でコア粒子よりも体積 平均粒径が小さい極性樹脂微粒子をコア粒子 に付着させた後、加熱工程によって固着させ る。

本発明においては、Z(25)の値が前述の関係を たしていても、良好な定着性を達成するた には、トナーの示差走査熱量測定(DSC)装置 測定されるガラス転移温度(TgA)が40℃乃至60 であり、トナーの示差走査熱量測定(DSC)装置 で測定される最大吸熱ピークの温度(P1)が70℃ 乃至90℃であることが重要である。
更に、上記TgA及びP1が、15℃≦P1-TgA≦50℃、の 関係を満足することが重要であり、上記規定 を満たすことにより、トナーの加熱加圧時に おける結着樹脂の転写材への付着力を一層高 めることができる。よって、トナーの低温定 着性を向上させることができる。
上記TgAの好ましい範囲は40℃乃至55℃であり より好ましい範囲は40℃乃至50℃である。
また、上記P1の好ましい範囲は70℃乃至85℃で あり、より好ましい範囲は70℃乃至80℃であ 。
さらに、上記P1-TgAの好ましい範囲は15℃乃至4 0℃であり、より好ましい範囲は20℃乃至40℃ ある。

上記TgAが40℃乃至60℃の場合には、低温での 着におけるトナーの紙との付着力が向上し 低温定着性が向上する。
また、P1が70℃乃至90℃の場合には、ワックス の適度なブリード性により高温時の巻きつき 性が向上する。さらにワックスによるトナー の可塑効果にて紙との付着力が向上し、低温 定着性が向上する。
さらに、P1とTgAとの温度差が15℃乃至50℃の場 合には、ワックスのトナー表面へのブリード が最適化され、トナーの定着可能温度領域が 広がり、また巻きつき性が向上する。さらに 紙との付着力が向上し、低温定着性が向上す る。
なお、上記TgA、P1及び(P1-TgA)は、ワックスの 類及び添加量、結着樹脂の種類及び添加量 調整することで上記範囲に調節することが 能であるがこれらに限定されるものではな 。

上記TgA、及びP1の測定は、示差走査熱量計(DSC 測定装置)Q1000(TAインスツルメンツジャパン社 製)を用い、ASTM D3418-82に準じて、以下の方法 及び条件で測定した。
<測定条件及び方法>
(1)モジュレーティッドモードを使用。
(2)温度20℃で5分間平衡を保つ。
(3)1.0℃/minのモジュレーションを使用し、温 140℃まで1℃/minで昇温。
(4)温度140℃で5分間平衡を保つ。
(5)温度20℃まで降温。
測定サンプルは約3mgを精密に秤量する。それ をアルミニウム製のパン中に入れ、対照用に 空のアルミパンを用い、測定範囲20~140℃の間 で、昇温速度1℃/minで測定を行う。昇温1回目 のDSC曲線のピーク位置から上記TgA、及びP1を めた。具体的には、ガラス転移温度(TgA)は 昇温1回目のDSC曲線において比熱変化の現れ 前後のベースラインの中間点を結ぶ線とDSC 線の交点の温度とした。
また、トナーの最大吸熱ピーク温度(P1)は、 熱ピークの中で極大の値を示す温度のこと ある。複数個の吸熱ピークが存在する場合 は、吸熱ピークの領域におけるベースライ からの高さが一番高いものを最大吸熱ピー とした。

本発明のトナーは、フローテスター昇温法に よる温度100℃の粘度(以下、溶融粘度ともい )が3.0×10 3 Pa・s乃至2.0×10 4 Pa・sであることが好ましい。より好ましくは 、3.0×10 3 Pa・s乃至1.0×10 4 Pa・sである。トナーの溶融粘度が、3.0×10 3 Pa・s乃至2.0×10 4 Pa・sの場合には、適度なワックスのブリード 性により定着器における巻きつきなどが防止 される。さらに紙との付着力が向上して、低 温定着性が向上する。上記溶融粘度は、トナ ーの結着樹脂のガラス転移温度やワックスの 最大吸熱ピークの温度を調整することで上記 関係を満たすことが可能であるが、これらに 限定されるものではない。

本発明のトナーにおいては、Z(25)の値が上 範囲を満足しており、コアシェル構造が形 されていると共にコア層とシェル層の密着 が高い。そのため、上記の規定の溶融粘度 満たすような溶融粘度が比較的に低く設定 れているトナーにおいても、耐久性や保存 定性の低下が生じにくい。

上記トナーの溶融粘度は以下の方法で測定し た。
本発明におけるトナーの溶融粘度は、上述の ようにトナーのフローテスター昇温法による 100℃の粘度である。測定は、フローテスター CFT-500D(株式会社島津製作所製)を用い、該装 の操作マニュアルに従い、下記の条件で行 た。
・サンプル  :約1.1gのトナーを秤量し、これ を加圧成型器で成型してサンプルとする。
・ダイ穴径  :0.5mm
・ダイ長さ  :1.0mm
・シリンダ圧力:9.807×10 5 Pa
・測定モード :昇温法
・昇温速度  :4.0℃/min
上記の方法により、温度50℃乃至200℃におけ トナーの粘度(Pa・s)を測定し、温度100℃の 度(Pa・s)を求めた。

本発明に用いられるトナー粒子は、重合性 単量体、着色剤、及び極性樹脂を少なくとも 含有する重合性単量体組成物を、水系媒体中 で重合することによって製造されたトナー粒 子であることが好ましい。上記トナー粒子は 、懸濁重合法により製造されたトナー粒子で あることがより好ましい。

本発明に用いられるトナー粒子を懸濁重合 法等により直接トナー粒子を製造する場合に は、重合性単量体組成物中に極性樹脂を含有 させたうえで、重合反応を行う。これによっ て、トナー粒子となる重合性単量体組成物と 水系分散媒体の呈する極性のバランスに応じ て、添加した極性樹脂がトナー粒子の表面に 薄層のシェルを形成し、コアシェル構造を有 するトナー粒子が得られる。

即ち、極性樹脂を添加することは、コアシェ ル構造のシェル部の強度を制御することがで きる。そのため、トナーの耐久性と定着性の 最適化することができる。
本発明に用いられる極性樹脂は、酸価が3.0mgK OH/g乃至40.0mgKOH/gであり、ピーク分子量が3,000 至250,000であり、Mw/Mnの値が1.3乃至4.0である 質を有するものであれば特に限定されない 具体的には、上記性質を有するポリカーボ ート樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹 、スチレン-アクリル酸共重合体、スチレン -メタクリル酸共重合体、スチレン-マレイン 共重合体が挙げられる。特に極性樹脂とし 、酸価が3.0mgKOH/g乃至40.0mgKOH/gであり、ピー 分子量が3,000乃至50,000であり、Mw/Mnの値が1.3 乃至3.0であるスチレン-メタクリル酸共重合 、スチレン-アクリル酸共重合体がトナー製 時の添加量を自由に制御できるので好まし 。極性樹脂の好ましい添加量は、結着樹脂1 00質量部に対して1質量部乃至30質量部である 添加量が上記の範囲内であれば、トナーの 電量分布をシャープに維持でき、また良好 定着性を得ることができるため好ましい。

また、極性樹脂として、スチレン-メタク ル酸共重合体、又はスチレン-アクリル共重 体を用いた場合、トナーの結着樹脂との相 性が良好になる。その結果、極性樹脂が、 ナー粒子表面から中心に向け傾斜性をもっ 存在しやすくなりコア層とシェル層との密 性が高まり、トナーの耐久性がより向上す 傾向にある。

また、上記水系媒体中で重合することによっ てトナー粒子を製造する場合には、水系媒体 中にトナー粒子がさらされる過程で、水系媒 体のpHや分散剤によりトナー粒子表面が影響 受ける。これによりトナー粒子内の着色剤 トナー粒子表面上に析出してくる可能性が る。これに対し、本発明に用いられる上記 (1)で表される構造を有する色素化合物を使 し、上記P1とTgAとの関係を本発明の範囲内 することで、トナーの保存安定性を向上さ ることができる。また、極性樹脂によって シェル層が確実に形成されることにより、 色剤のトナー粒子内での保持が適切に成さ る。そして、トナー粒子表面上の着色剤の 出が抑制されることで、現像工程における 制部材や感光体に対する着色剤による汚染 軽減できる。
さらに、着色剤がトナー粒子表面に析出しに くくなることは、着色剤のトナー粒子内部へ の内包化が出来ることでもあるため、着色剤 の耐光性も良化する。これは、トナー粒子表 面の樹脂が光の透過を遮断し、着色剤へのダ メージを少なくするものであると考えられる 。
上記式(1)で表される構造を有する色素化合物 を用いた場合に、上記効果が出現する詳細な 理由については不明であるが、本発明者らは 以下のように考えている。
R 3 が結合しているカルボニル基(-CO-)の酸素原子 と、R 2 のパラ位に位置するヒドロキシ基(-OH)の水素 子との間に、弱い水素結合が発生する。こ により該色素化合物は熱や光による劣化が こり難くなり、耐光性が向上する。加えて 該色素化合物の分解生成物が成長の起点と る部材汚染を、効果的に抑制することがで る。
更に、該色素化合物を用いたトナーは、長期 にわたる使用においてもZ(25)およびZ(50)の値 好適な範囲に維持しつづけることが可能と る。前記効果が出現する詳細な理由につい は不明であるが、上述の水素結合と極性樹 との相互作用が生じ、それがトナーの耐久 に有効に作用しているものと本発明者らは えている。
なお、該水素結合は弱いので、該色素化合物 は全体として非極性物質としての挙動を示す 。そのため、該色素化合物は水系媒体のよう な極性媒体中に移行、拡散することが起こり 難い。結果としてトナーの着色力の低下や部 材汚染を効果的に抑制することができる。 

なお、本発明において、ピーク分子量および 分子量分布は以下の測定方法で測定した。ま ず測定試料は以下のようにして作成した。
サンプル調製は、測定対象のトナーとテトラ ヒドロフラン(THF)とを5mg/mlの濃度で混合し、 温にて5時間放置した後、充分に振とうし、 試料の合一体がなくなるまでTHFと試料を良く 混ぜた。更に室温にて24時間静置した。その 、サンプル処理フィルター(マイショリディ スクH-25-2 東ソー社製、エキクロディスク25CR ゲルマン サイエンスジャパン社製)を通過さ せたものをゲルパーミエーションクロマトグ ラフィー(GPC)の試料として調製した。
調製された試料の分子量分布及びピーク分子 量は、GPC測定装置(HLC-8120GPC 東ソー社製)を用 い、該装置の操作マニュアルに従い、下記の 測定条件で測定した。
<測定条件>
装置    :高速GPC「HLC8120 GPC」(東ソー社製)
カラム   :Shodex KF-801、802、803、804、805、806 、807の7連(昭和電工社製)
溶離液 :THF
流速 :1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量 :0.10ml
また、試料の分子量の算出にあたって、検量 線は、標準ポリスチレン樹脂(東ソー社製TSK  スタンダード ポリスチレン F-850、F-450、F-28 8、F-128、F-80、F-40、F-20、F-10、F-4、F-2、F-1、A- 5000、A-2500、A-1000、A-500)により作成した分子 較正曲線を使用した。

また、本発明において、極性樹脂の酸価(mgKOH /g)は以下の方法で測定し、以下の算出式から 求めた。
酸価=〔(サンプル終点-ブランク終点)×1.009×56 ×1/10〕/試料質量
(試料調製)
200mlビーカーにサンプル1.0gを精秤し、スター ラーで攪拌しながらトルエン120mlに溶解し、 らにエタノール30mlを加える。
(装置)
装置としては、電位差自動滴定装置AT-400WIN( 都電子工業株式会社製)を用いた。装置の設 は、有機溶剤に溶解する試料を対象とする 使用するガラス電極と比較電極は、有機溶 対応のものを使用した。
pHガラス電極は、商品コード#100-H112(京都電子 工業株式会社製)を用いた。コルク型比較電 は、商品コード#100-R115(京都電子工業株式会 製)を用いた。内部液は3.3mol/KCl溶液を使用 た。
(測定手順)
前記調製した試料を前記装置のオートサンプ ラーにセットし、前記電極を試料溶液中に浸 した。次に滴定液(0.1mol/リットル-KOH(エタノ ル溶液))を試料溶液上にセットし、0.05mlずつ 自動間欠滴定で滴下し、滴下量を測定し、上 式にて酸価を算出した。 

本発明のトナーは、離型剤を含有してもよい 。上記離型剤としては以下のものが挙げられ る。パラフィンワックス、マイクロクリスタ リンワックス、ペトロラタム如きの石油系ワ ックス及びその誘導体;モンタンワックス及 その誘導体;フィッシャートロプシュ法によ 炭化水素ワックス及びその誘導体;低分子量 ポリエチレンワックス、低分子量ポリプロピ レンワックスの如きポリオレフィンワックス 及びその誘導体、カルナバワックス、キャン デリラワックスの如き天然ワックス及びその 誘導体。
誘導体としては酸化物や、ビニル系モノマー とのブロック共重合物、グラフト変性物など が挙げられる。
さらには、以下のものが挙げられる。高級脂 肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン の如き脂肪酸;酸アミドワックス;エステルワ ックス;硬化ヒマシ油及びその誘導体;植物系 ックス;動物性ワックス。
この中で特に、離型性に優れるという観点か らエステルワックス及び炭化水素ワックスが 好ましい。
更に本発明のトナーにおいてコアシェル構造 を制御し易く本発明の効果を発現しやすくす るためには、炭化水素系ワックスを用いるこ とがより好ましい。

上記離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部 に対し、5質量部乃至25質量部であることが好 ましい。離型剤の含有量が、5質量部乃至25質 量部の場合には、トナーの加熱加圧時に適度 な離型剤のブリード性を持てることにより、 巻きつき性が向上する。さらに、現像時や転 写時のトナーが受けるストレスに対してもト ナー表面への離型剤の露出が少なく、トナー 粒子の均一な摩擦帯電性を得ることができる 。

上記結着樹脂の製造に用いられる重合開始剤 としては、以下のものが挙げられる。2,2’- ゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’- アゾビスイソブチロニトリル、1,1’-アゾビ (シクロヘキサン-1-カルボニトリル)、2,2’- ゾビス-4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリ ル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ 系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペル キシド、メチルエチルケトンペルオキシド ジイソプロピルペルオキシカーボネート、 メンヒドロペルオキシド、2,4-ジクロロベン イルペルオキシド、ラウロイルペルオキシ 、tert-ブチル-パーオキシピバレートの如き 酸化物系重合開始剤。
上記重合開始剤の使用量は、目的とする重合 度により変化するが、一般的には、重合性ビ ニル系単量体100質量部に対して、3質量部乃 20質量部である。重合開始剤の種類は、重合 法により若干異なるが、10時間半減期温度を 考に、単独又は混合して使用される。

本発明において、帯電制御や水系媒体中の 造粒安定化を主目的として、スルホン酸基、 スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を 側鎖に持つ重合体が用いられることが好まし い。その中で特にスルホン酸基、スルホン酸 塩基若しくはスルホン酸エステル基を有する 重合体または共重合体を用いることが好まし い。本発明のトナーを懸濁重合法にて製造す る場合、上記高分子を添加することによって 、造粒安定化は基より重合段階でのトナー粒 子のコアシェル構造が促進される。そのため トナーの耐久性と定着性の両立を一層高める ことができる。

上記重合体を製造するためのスルホン酸基 、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基 を有する単量体は、スチレンスルホン酸、2- クリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸 2-メタクリルアミド-2-メチルプロパンスル ン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスル ン酸やそれらのアルキルエステルが例示で る。

本発明に用いられるスルホン酸基、スルホ ン酸塩基又はスルホン酸エステル基を含有す る重合体は、上記単量体の単重合体であって も構わないが、上記単量体と他の単量体との 共重合体であっても構わない。上記単量体と 共重合体をなす単量体としては、ビニル系重 合性単量体があり、単官能性重合性単量体或 いは多官能性重合性単量体を使用することが 出来る。

本発明のトナーには、必要に応じて荷電制御 剤を添加しても良いが、発色性の点から無色 のものが好ましい。該荷電制御剤として、例 えば、4級アンモニウム塩構造のもの、カリ クスアレーン構造を有するものなどが挙げ れる。荷電制御剤の配合は、荷電特性の安 化、現像システムに応じた摩擦帯電量のコ トロールに貢献する。
荷電制御剤としては、公知のものが利用でき 、特に帯電スピードが速く、かつ、一定の帯 電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ま しい。さらに、トナーを直接重合法により製 造する場合には、重合阻害性が低く、水系分 散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御 剤が特に好ましい。

上記荷電制御剤の例として、トナーを負荷 電性に制御するものとしては、有機金属化合 物、キレート化合物が挙げられる。具体的に は、モノアゾ金属化合物;アセチルアセトン 属化合物;芳香族オキシカルボン酸、芳香族 イカルボン酸、オキシカルボン酸、ダイカ ボン酸系の金属化合物;芳香族オキシカルボ ン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びそ の金属塩、無水物、エステル類;ビスフェノ ル等のフェノール誘導体類が挙げられる。 らに、尿素誘導体、金属含有サリチル酸系 合物、金属含有ナフトエ酸系化合物、ホウ 化合物、4級アンモニウム塩、カリックスア ーン、樹脂系帯電制御剤等が挙げられる。

一方、トナーを正荷電性に制御するものと しては、以下のものが挙げられる。ニグロシ ン及び脂肪酸金属塩等によるニグロシン変性 物;グアニジン化合物;イミダゾール化合物;ト リブチルベンジルアンモニウム-1-ヒドロキシ -4-ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアン モニウムテトラフルオロボレート等の4級ア モニウム塩、及びこれらの類似体であるホ ホニウム塩等のオニウム塩及びこれらのレ キ顔料;トリフェニルメタン染料及びこれら レーキ顔料(レーキ化剤としては、燐タング ステン酸、燐モリブデン酸、燐タングステン モリブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没 食子酸、フェリシアン化物、フェロシアン化 物など);高級脂肪酸の金属塩;樹脂系荷電制御 剤。

本発明のトナーは、これら荷電制御剤を単独 で或いは2種類以上組み合わせて含有するこ ができる。
これら荷電制御剤の中でも、本発明の効果を より向上させるためには、金属含有サリチル 酸系化合物が好ましく、特にその金属がアル ミニウムもしくはジルコニウムであることが 好ましい。
最も好ましい荷電制御剤としては、3,5-ジ-tert -ブチルサリチル酸アルミニウム化合物が挙 られる。

上記荷電制御剤の配合量は、結着樹脂100質量 部に対して、0.01質量部乃至20質量部であるこ とが好ましく、より好ましくは0.5質量部乃至 10質量部である。
しかしながら、本発明のトナーには、荷電制 御剤の添加は必須ではなく、トナーの層厚規 制部材やトナー担持体との摩擦帯電を積極的 に利用することでトナー中に必ずしも荷電制 御剤を含ませる必要はない。

本発明において、トナーの流動性改善(流 性向上剤)及びトナーの帯電均一化の目的で 無機微粒子、有機微粒子を外部添加しても い。外部添加される微粒子としては、シリ 微粒子、チタニア微粒子などが好ましく用 られる。なお、これらは個数平均一次粒子 が4nm乃至80nmのものが好ましく、10nm乃至50nm ものがより好ましい。該外部添加される微 子は、トナー粒子100質量部に対して、0.1質 部乃至20質量部添加されることが好ましい

本発明に用いられるトナー粒子に外部添加 される無機微粒子としては、シリカ微粒子が 好ましく、個数平均一次粒径が4nm乃至80nmの リカ微粒子であることがより好ましい。シ カ微粒子の個数平均一次粒径が上記範囲に ることで、トナーの流動性が向上すると共 、トナーの保存安定性も良好になる傾向に る。

上記シリカ微粒子の例としては、ケイ素ハロ ゲン化物の蒸気相酸化により生成された乾式 シリカ又はヒュームドシリカと称される乾式 シリカ、及び水ガラス等から製造される湿式 シリカの両者が含まれる。シリカ微粒子とし ては、表面及びシリカ微粒子の内部にあるシ ラノール基が少なく、またNa 2 O、SO 3 2- 等の製造残滓の少ない乾式シリカの方が好ま しい。また乾式シリカは、製造工程において 例えば、塩化アルミニウム、塩化チタンの如 き他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロゲン 化合物と共に用いることによって、シリカと 他の金属酸化物の複合微粒子を得ることも可 能である。本発明におけるシリカ微粒子とし ては、それら複合微粒子も包含する。

また、上記微粒子は疎水化処理によって、 トナーの帯電量の調整、環境安定性の向上、 高湿環境下での特性の向上等の機能を付与す ることができるので、疎水化処理された微粒 子を用いることが好ましい。トナーに添加さ れた微粒子が吸湿すると、トナーとしての帯 電量が低下する傾向にあり、現像性や転写性 の低下が生じる可能性がある。

上記微粒子を疎水化処理する処理剤の例と しては、未変性のシリコーンワニス、各種変 性シリコーンワニス、未変性のシリコーンオ イル、各種変性シリコーンオイル、シラン化 合物、シランカップリング剤、その他有機ケ イ素化合物、有機チタン化合物が含まれる。 これら処理剤は単独、或いは併用しても良い 。中でも、シリコーンオイルにより処理され た微粒子が好ましい。より好ましくは、微粒 子をカップリング剤で疎水化処理すると同時 或いは処理した後に、シリコーンオイルによ り処理することである。疎水化処理微粉体は 、高湿環境下でもトナー粒子の摩擦帯電量を 高く維持し、選択現像性を低減する上でよい 。

上記懸濁重合法における水系分散媒体調製時 に使用する分散剤としては、公知の無機系及 び有機系の分散剤を用いることができる。
無機系の分散剤としては、以下のものが挙げ られる。
リン酸三カルシウム、リン酸マグネシウム、 リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸マグ ネシウム、炭酸カルシウム、水酸化カルシウ ム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ ム、メタケイ酸カルシウム、硫酸カルシウム 、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、ア ルミナ。

一方、有機系の分散剤としては、例えば、 ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセ ルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロ ース、エチルセルロース、カルボキシメチル セルロースのナトリウム塩、デンプンが挙げ られる。

また、上記水系分散媒体調製時には、市販 のノニオン、アニオン、カチオン型の界面活 性剤の利用も可能である。上記界面活性剤と しては、以下のものが挙げられる。ドデシル 硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウ ム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル 硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラ ウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム 、オレイン酸カルシウム。

上記水系分散媒体調製時に使用する分散剤と しては、無機系の難水溶性の分散剤が好まし く、しかも酸に可溶性である難水溶性無機分 散剤を用いることがより好ましい。
上記難水溶性無機分散剤を用い、水系分散媒 体を調製する場合に、これらの分散剤の使用 量は、重合性ビニル系単量体100質量部に対し て、0.2質量部乃至2.0質量部であることが好ま しい。また、本発明においては、重合性単量 体組成物100質量部に対して300質量部乃至3,000 量部の水を用いて水系分散媒体を調製する とが好ましい。

本発明において、上記のような難水溶性無 機分散剤が分散された水系分散媒体を調製す る場合には、市販の分散剤をそのまま用いて 分散させてもよい。また、細かい均一な粒度 を有する分散剤粒子を得るために、水等の液 媒体中で、高速撹拌下、上記難水溶性無機分 散剤を生成させて水系分散媒体を調製しても よい。例えば、リン酸三カルシウムを分散剤 として使用する場合、高速撹拌下でリン酸ナ トリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混 合してリン酸三カルシウムの微粒子を形成す ることで、好ましい分散剤を得ることができ る。

次に、本発明に用いられる画像形成方法の例 について図1及び図2を用いて説明する。
図1は、電子写真プロセスを用いたタンデム のカラープリンタの断面図である。

図1において、101(101a~101d)は図示矢印方向(反 計方向)に所定のプロセススピードで回転す 潜像担持体としてのドラム型の電子写真感 体(以下、感光ドラムと称する)である。感 ドラム101a、101b、101c、101dは順にカラー画像 イエロー(Y)成分、マゼンタ(M)成分、シアン( C)成分、ブラック(Bk)成分のそれぞれを分担す るものである。
以下、Y、M、C、Bkの各画像形成装置をそれぞ ユニットa、ユニットb、ユニットc、ユニッ dと呼ぶ。
これらの感光ドラム101a~101dは、不図示のドラ ムモータ(直流サーボモータ)によって回転駆 されるが、各感光ドラム101a~101dにそれぞれ 立した駆動源を設けても良い。尚、ドラム ータの回転駆動は不図示のDSP(デジタルシグ ナルプロセッサ)によって制御され、その他 制御は不図示のCPUによって行われる。
また、静電吸着搬送ベルト109aは、駆動ロー 109bと固定ローラ109c、109e及びテンションロ ラ109dに張架されており、駆動ローラ109bによ って矢印方向に回転駆動され、記録媒体Sを 着して搬送する。

以下、4色のうち、ユニットa(イエロー)を例 して説明する。
感光ドラム101aはその回転過程で1次帯電手段1 02aにより所定の極性及び電位に一様に1次帯 処理される。そして、感光ドラム101aに対し レーザービーム露光手段(以下、スキャナー と称する)103aにより光像露光がなされ、該感 ドラム101a上に画像情報の静電潜像が形成さ れる。
次に、現像部104aによってトナー像が感光ド ム101a上に形成され、静電潜像が可視化され 。同様な工程が他の3色(マゼンタ(B)、シア (C)及びブラック(Bk))についてもそれぞれ実施 される。
そして、4色のトナー像は、所定のタイミン で給紙ローラ108bにより搬送されてきた記録 体Sを停止、再搬送するレジストローラ108c より同期され、感光ドラム101a~101dと静電吸 搬送ベルト109aとのニップ部において記録媒 Sにトナー像が順次転写される。また、これ と同時に記録媒体Sへのトナー像転写後の感 ドラム101a~101dはクリーニング手段106a、106b、 106c、106dによって転写残トナー等の残存付着 が除去され、繰り返し作像に供される。
4つの感光ドラム101a~101dからトナー像が転写 れた記録媒体Sは、駆動ローラ109b部において 静電吸着搬送ベルト109a面から分離されて定 器110に送り込まれ、定着器110においてトナ 像が定着された後、排出ローラ110cによって 出トレー113に排出される。

次に現像部の拡大図(図2)を用いて、非磁性一 成分接触現像方式での画像形成方法の具体例 を説明する。図2において、現像ユニット13は 、一成分現像剤としての非磁性トナー17を収 した現像剤容器23と、現像剤容器内の非磁 トナーを撹拌する撹拌部材25と、現像剤容器 23内の長手方向に延在する開口部に位置し潜 担持体(感光ドラム)10と、対向設置されたト ナー担持体14とを備え、潜像担持体10上の静 潜像を現像して可視化するようになってい 。潜像担持体接触帯電部材11は潜像担持体10 当接している。潜像担持体接触帯電部材11 バイアスは電源12により印加されている。
トナー担持体14は、上記開口部にて図2に示す 右略半周面を現像剤容器23内に突入し、左略 周面を現像剤容器23外に露出して横設され いる。この現像剤容器23外へ露出した面は、 図2のように現像ユニット13の図中左方に位置 する潜像担持体10に当接している。また、現 剤容器から非磁性トナーが洩れないように ール部材26が設けられている。
トナー担持体14は矢印方向に回転駆動され、 像担持体10の周速は50乃至200mm/s、トナー担 体14の周速は潜像担持体10の周速に対して1乃 至2倍の周速で回転させている。
トナー担持体14の上方位置には、SUS等の金属 や、ウレタン、シリコーン等のゴム材料、 ネ弾性を有するSUS又はリン青銅の金属薄板 基体とし、トナー担持体14への当接面側に ム材料を接着したもの等からなる規制部材16 が、規制部材支持板金24に支持され、自由端 の先端近傍をトナー担持体14の外周面に面 触にて当接するように設けられており、そ 当接方向としては、当接部に対して先端側 トナー担持体14の回転方向上流側に位置する いわゆるカウンター方向になっている。規制 部材16の一例としては、厚さ1.0mmの板状のウ タンゴムを規制部材支持板金24に接着した構 成で、トナー担持体14に対する当接圧(線圧) 、適宜設定したものである。当接圧は、好 しくは、20~300N/mである。なお、当接圧の測 は、摩擦係数が既知の金属薄板を3枚当接部 挿入し、中央の1枚をばねばかりで引き抜い た値から換算する。なお、規制部材16は当接 側にゴム材料などを接着したものの方がト ーとの付着性の面で、長期使用において規 部材へのトナーの融着、固着を抑制できる め望ましい。また規制部材16は、トナー担 体14に対する当接状態を、先端を当接させる エッジ当接とすることも可能である。なお、 エッジ当接とする場合は、トナー担持体との 接点におけるトナー担持体の接線に対する規 制部材の当接角を40度以下になるよう設定す とトナーの層規制の点で更に望ましい。

トナー供給ローラ15(15aは芯金)は、規制部材16 のトナー担持体14表面との当接部に対しトナ 担持体14の回転方向上流側に当接され、か 回転可能に支持されている。このトナー供 ローラ15のトナー担持体14に対する当接幅と ては、1~8mmが有効で、またトナー担持体14に 対してその当接部において相対速度を持たせ ることが好ましい。
この現像部において、トナー担持体14上に薄 形成されたトナー層は、図2に示す電源27に ってトナー担持体14と潜像担持体10の両者間 に印加された直流バイアスによって、潜像担 持体10上の静電潜像にトナー像として現像さ る。

本発明を以下に示す実施例により具体的に 説明する。以下にトナー粒子の製造方法につ いて記載する。しかしながら、該実施例によ って本発明はなんら限定されるものではない 。なお、実施例中及び比較例中の部および% 特に断りがない場合、全て質量基準である

(色素化合物の合成)
下記のようにして、上記式(1)に該当する下記 式D1で表される色素化合物を得た。 

 

o-ニトロ安息香酸10質量部にクロロホルム10 0質量部を加え、窒素雰囲気下、塩化チオニ 29質量部を滴下し、滴下終了後、60℃で1時間 反応させた。得られた反応混合物を10℃以下 氷冷し、トリエチルアミン9質量部及びジ(2- エチルヘキシル)アミン15質量部を滴下し、滴 下終了後、80℃で2時間反応させた。反応終了 後、クロロホルムで抽出し、溶液を濃縮する ことにより中間体である下記式C1で示される 合物18質量部を得た。

 
上記式C1で示される化合物10質量部にエタノ ル50質量部を加え、更に20%水硫化ナトリウム 水溶液18質量部を加え75℃で1時間反応させた 反応終了後、クロロホルムで抽出し、溶液 濃縮することにより中間体である下記式C2 示される化合物7.4質量部を得た。

 
上記式C2で示される化合物5.9質量部に、濃塩 3.4質量部、メタノール59質量部を加えて10℃ 以下に氷冷した。この溶液に、亜硝酸ソーダ 1.4質量部を水2.0質量部に溶解させたもの添加 して同温度で1時間反応させた。次いでスル ァミン酸0.5質量部を加えて更に20分間撹拌し た(ジアゾニウム塩溶液)。
次に、下記式C3で示される化合物2.7質量部に N,N-ジメチルホルムアミド25質量部を加えて 解させた後、メタノール20質量部を加えた のを、氷冷下10℃以下に保持した前記ジアゾ ニウム塩溶液に加えた。

 
その後、飽和炭酸ソーダ水溶液を加えてpHを5 ~6にし、10℃以下で2時間反応させた。反応終 後、溶媒を留去してカラムクロマトグラフ により精製することで、上記式D1で示され 色素化合物5.2質量部を得た。
得られた上記式D1で示される色素化合物(以下 、単に色素化合物D1ともいう)に対して、高速 液体クロマトグラフィ(HPLC)(LC2010A、(株)島津 作所製)を用いて純度検定を行った。さらに 飛行時間型質量分析計(TOF-MS)(LC/MSD TOF、Agile nt Technologies社製)及び核磁気共鳴分光分析装 (NMR)(ECA-400、日本電子(株)製)を用いて構造決 定を行った。なお、上記式D1で示される色素 合物の質量分析を行う際、上記式D1で示さ る色素化合物をイオン化させる方法として 、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)を用い た。

[色素化合物D1についての分析結果]
<HPLCの結果>
(溶離液=CH 3 OH:H 2 O=90:10、流速=1.0ml/min、検出波長=254nm)保持時間 =9.6分、純度=99.5面積%
<ESI-TOF-MSの結果>
m/z=522.3458(M + )
< 1 H NMR(400MHz、CDCl 3 、室温)の結果(図4参照のこと)>
δ[ppm]=8.59(1H,s),7.87(1H,d),7.54-7.49(1H,m),7.30(2H,m),3.5 2(2H,s),3.25(2H,d),2.64(3H,s),1.86-1.82(1H,m),1.51-0.63(30H, m)
< 13 C NMR(100MHz、CDCl 3 、室温)の結果>
δ[ppm]=10.30,10.52,13.86,14.02,16.83,22.87,23.05,23.20,23.8 2,28.27,28.52,30.02,30.53,36.81,37.13,47.21,52.66,101.79,113 .93,117.10,123.84,126.04,126.21,127.99,130.95,139.53,159.79, 159.98,160.83,169.08

上記合成例に準じた方法で、下記式(1)中、R 1 ~R 7 が、それぞれ表1に示したものとなるように 成して、色素化合物D2~D16を得た。尚、純度 低いものに関しては、繰り返し精製を行い 度を高め、最終的には高純度な化合物を得 。これらの色素化合物D2~D16の構造は、前記 た色素化合物D1と同様にして、HPLC分析、質 分析及びNMR分析で確認した。なお、表1にお て「Ph」はフェニル基を、「Me」はメチル基 を意味する。また上記色素化合物D1の 1 H-NMRスペクトルのチャートを図4に示す。 

 

 

下記式(2)中、R’ 1 ~R’ 8 が、それぞれ表2に示したものであるE1~E11の 較化合物を上記色素化合物D1の合成例に準じ た方法で合成した。該比較化合物(E1~E11)、及 上記色素化合物(D1~D16)を着色剤として、下 手順によってイエロートナーを製造した。

 

 

(実施例1)
下記手順によってイエロートナーを製造した 。
下記の材料をプロペラ式攪拌装置にて100r/min 溶解して溶解液を調製した。
・スチレン                           70.0質量部
・n-ブチルアクリレート                     30.0質量部
・スルホン酸基含有樹脂(アクリルベースFCA-1 001-NS、藤倉化成製)
                                  2.0質量部
・極性樹脂(スチレン/メタクリル酸/メタクリ ル酸メチル/α-メチルスチレン共重合体)(スチ レン:メタクリル酸:メタクリル酸メチル:α-メ チルスチレン=80.85:2.50:1.65:15.00(質量基準)、Mp= 19,700、Mw=7,900、酸価=12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)             20.0質量部
・色素化合物D1                           6.0質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE-88、オリエント 学製)       2.0質量部
・融点77℃の炭化水素系ワックス(HNP-51、日本 精蝋社製) 8.0質量部
前記溶解液を温度60℃に加温した後にTK式ホ ミキサー(特殊機化工業製)にて、9,000r/minに 攪拌し、溶解、分散した。
また、イオン交換水500部に塩化マグネシウム 12.0部を溶解した塩化マグネシウム水溶液に イオン交換水100部に水酸化ナトリウム7部を 解した水酸化ナトリウム水溶液を撹拌しな ら徐々に添加し、水酸化マグネシウムコロ ドを含有する水系媒体を調製した。
前記水系媒体中に前記溶解液を投入し、温度 60℃にてTK式ホモミキサーを用いて15,000r/minで 10分間攪拌し、造粒した。これに重合開始剤2 ,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)8.5 部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した 。
その後、プロペラ式攪拌装置に移して100r/min 攪拌しつつ、温度65℃で5時間反応させた後 温度80℃まで昇温して5時間反応を行った。 合反応終了後、該粒子を含むスラリーを冷 し、スラリーの15倍の水量で洗浄し、濾過 乾燥の後、分級によって粒子径を調整して エロートナー粒子を得た。
上記イエロートナー粒子100質量部に対して、 流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオ イル(20%)で処理され、トナー粒子と同極性(負 極性)に摩擦帯電する疎水性シリカ微粉体(個 平均1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m 2 /g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池 )で3,000r/minで15分間混合してイエロートナー1 を得た。イエロートナー1の物性を表3に示す

(実施例2乃至16)
実施例1において、色素化合物D1を表2の色素 合物D2乃至D16に変更することを除いて、実施 例1と同様にしてイエロートナーを製造した 得られたトナーをイエロートナー2乃至16と た。イエロートナー2乃至16の物性を表3に示 。

(実施例17)
実施例1において、スチレンの添加量を65.0質 部に、n-ブチルアクリレートの添加量を35.0 量部に、融点が75℃の炭化水素系ワックス( イバー TM 103、東洋ペトロライト社製)に変更すること 除いて、実施例1と同様にしてイエロートナ を製造した。得られたトナーをイエロート ー17とした。イエロートナー17の物性を表3 示す。

(実施例18)
実施例1において、スルホン酸基含有樹脂(ア リルベースFCA-1001-NS、藤倉化成製)を添加し いことを除いて、実施例1と同様にしてイエ ロートナーを製造した。得られたトナーをイ エロートナー18とした。イエロートナー18の 性を表3に示す。

(実施例19)
実施例1において、炭化水素系ワックスの代 りに融点75℃のべヘン酸ベヘニル(エステル ックス)を8.0質量部添加することを除いて、 施例1と同様にしてイエロートナーを製造し た。得られたトナーをイエロートナー19とし 。イエロートナー19の物性を表3に示す。

(実施例20)
実施例1において、炭化水素系ワックスの添 量を3.0質量部にすることを除いて、実施例1 同様にしてイエロートナーを製造した。得 れたトナーをイエロートナー20とした。イ ロートナー20の物性を表3に示す。

(実施例21)
実施例1において、炭化水素系ワックスの添 量を20.0質量部にすることを除いて、実施例1 と同様にしてイエロートナーを製造した。得 られたトナーをイエロートナー21とした。イ ロートナー21の物性を表3に示す。

(実施例22)
実施例1において、極性樹脂としてスチレン/ タクリル酸/メタクリル酸メチル/ブチルア リレート共重合体(スチレン:メタクリル酸: タクリル酸メチル:ブチルアクリレート=84.00: 2.50:1.50:12.00(質量基準)、Mp=55,000、Mw=53,000、酸 =11.5mgKOH/g、Mw/Mn=2.0)を20.0質量部添加するこ を除いて、実施例1と同様にしてイエロート ーを製造した。得られたトナーをイエロー ナー22とした。イエロートナー22の物性を表 3に示す。

(実施例23)
実施例1において、ターシャリードデシルメ カプタンを1.0質量部添加することを除いて 実施例1と同様にしてイエロートナーを製造 た。得られたトナーをイエロートナー23と た。イエロートナー23の物性を表3に示す。

(実施例24)
実施例1において、スチレンの添加量を78.0質 部、n-ブチルアクリレートの添加量を22.0質 部に変更することを除いて、実施例1と同様 にしてイエロートナーを製造した。得られた トナーをイエロートナー24とした。イエロー ナー24の物性を表3に示す。

(実施例25)
実施例1において、極性樹脂としてスチレン/ タクリル酸/メタクリル酸メチル/ブチルア リレート共重合体(スチレン:メタクリル酸: タクリル酸メチル:ブチルアクリレート=72.0:2 .50:1.50:24.0(質量基準)、Mp=95,700、Mw=101,900、酸 =11.4mgKOH/g、Mw/Mn=2.9)を20.0質量部添加すること を除いて、実施例1と同様にしてイエロート ーを製造した。得られたトナーをイエロー ナー25とした。イエロートナー25の物性を表3 に示す。

(実施例26)
実施例1において、6.0質量部の色素化合物D1を 、3質量部の色素化合物D1及び3質量部のC.I.Pigm ent Yellow 93に変更することを除いて、実施例 1と同様にしてイエロートナーを製造した。 られたトナーをイエロートナー26とした。イ エロートナー26の物性を表3に示す。

(実施例27)
下記手順によってイエロートナーを製造した 。
〔樹脂微粒子分散液の調製〕
・スチレン                          70.0質量部
・n-ブチルアクリレート                    30.0質量部
・スルホン酸基含有樹脂(アクリルベースFCA-1 001-NS、藤倉化成製)
                                 2.0質量部
上記の成分を混合溶解し、他方、非イオン性 界面活性剤(ノニポール400、花王製)6質量部、 アニオン性界面活性剤(ネオゲンSC、第一工業 製薬製)10質量部をイオン交換水 500gに溶解し たものをフラスコ中に収容し、上記の混合溶 液を添加して分散し乳化して、10分間ゆっく と攪拌・混合しながら、過硫酸アンモニウ 4質量部を溶解したイオン交換水溶液50質量 を投入した。次いで、系内を十分に窒素で 換した後、フラスコを攪拌しながらオイル スで系内が70℃になるまで加熱して、5時間 のまま乳化重合を継続した。これによりア オン性樹脂微粒子分散液を得た。

〔着色剤粒子分散液の調製〕
・色素化合物D1                         6.0質量部
・非イオン性界面活性剤(ノニポール400、花 製)       1.0質量部
・イオン交換水                       100.0質量部
上記成分を混合溶解し、ホモジナイザー(IKA  製ウルトラタラックス)により10分間分散し、 着色剤粒子分散液を得た。

〔離型剤粒子分散液の調製〕
・融点77℃の炭化水素系ワックス(HNP-51、日本 精蝋社製)8.0質量部
・カチオン性界面活性剤(サニゾールB50、花 製)       5.0質量部
・イオン交換水                       200.0質量部
上記成分を95℃に加熱して、IKA 製ウルトラ ラックスT50 で十分に分散した後、圧力吐出 型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤粒子 分散液を得た。

〔シェル形成用微粒子分散液の調製〕
実施例1で用いた極性樹脂20.0質量部を酢酸エ ル50.0質量部に溶解させた。その溶解液をIKA 製ウルトラタラックスT50で乳化させながら、 温度80℃で加熱して6時間保持することで脱溶 剤を行い、シェル形成用微粒子分散液を得た 。

〔トナー粒子の作成〕
上記樹脂微粒子分散液、上記着色剤粒子分散 液、上記離型剤粒子分散液、及びポリ塩化ア ルミニウム1.2重量部を混合して、丸型ステン レス製フラスコ中でIKA製のウルトラタラック スT50を用い十分に混合・分散した後、加熱用 オイルバスでフラスコを攪拌しながら51℃ま 加熱した。51℃で60分保持した後、ここに上 記シェル形成用微粒子分散液を添加した。そ の後、濃度0.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液 用いて系内のpHを6.5に調整した後、ステン ス製フラスコを密閉し、攪拌軸のシールを 力シールして攪拌を継続しながら97℃まで加 熱して3時間保持した。反応終了後、冷却し 濾過、イオン交換水で十分に洗浄した後、 ッチェ式吸引濾過により固液分離を行った 固形分をさらに40℃のイオン交換水3Lを用い 再分散し、15分間300rpmで攪拌・洗浄した。 の洗浄操作をさらに5回繰り返した後、ヌッ ェ式吸引濾過によりNo.5A ろ紙を用いて固液 分離を行った。次いで真空乾燥を12時間継続 てトナー粒子を得た。上記トナー粒子100部 対して、流動性向上剤として、ジメチルシ コーンオイル(20%)で処理され、トナー粒子 同極性(負極性)に帯電する疎水性シリカ微粉 体(個数平均1次粒子径:10nm、BET比表面積:170m 2 /g)2.0部をヘンシェルミキサー(三井三池製)で3 ,000r/minで15分間混合してイエロートナー27を た。このイエロートナー27の物性を表3に示 。

(実施例28)
TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を具備し 反応容器中にイオン交換水710質量部に0.1mol/L のNa 3 (PO 4 ) 2 水溶液580質量部を投入し60℃に加温した後、 リアミックス(乳化機)を用い、12,000回転/分 て撹拌した。これに1.0mol/LのCaCl 2 水溶液88質量部を添加し、Ca 3 (PO 4 ) 2 を含むpH5.0のリン酸とカルシウムの化合物の 系媒体を得た。
一方、分散質としては、まず、下記処方のう ち、C.I.Pigment Yellow 93とスチレン単量体100質 部を、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を 用い3時間分散し、着色剤分散液を得た。次 、該着色剤分散液に下記処方の残り全てを 加し、温度60℃に加温し30分間溶解混合した これに、重合開始剤である2,2’-アゾビス(2, 4-ジメチルバレロニトリル)8質量部を溶解し 重合性単量体組成物を調製した。
・スチレン単量体                        160質量部
・2-エチルヘキシルアクリレート単量体             40質量部
・色素化合物D1                          6質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE-88、オリエント 学製)      2質量部
・プロピレンオキサイド変性ビスフェノール Aとイソフタル酸との重縮合物
(ガラス転移温度(Tg)=65℃、重量平均分子量(Mw) =10000、数平均分子量(Mn)=6000)                     10質量部
・エステルワックス(融点70℃、数平均分子量 (Mn)=700) 25質量部
・ジビニルベンゼン(純度55%)                0.5質量部
上記重合性単量体組成物を前記水系分散媒中 に投入し、回転数を維持しつつ15分間造粒し 。その後、高速撹拌機からプロペラ撹拌羽 に撹拌機を変え、内温を60℃で重合を5時間 続させた後、内温を80℃に昇温させ8時間重 を継続させた。重合反応終了後、80℃かつ 圧下で残存単量体を留去した後、30℃まで冷 却し、重合体微粒子分散液を得た。
次に、重合体微粒子分散液を洗浄容器に移し 、撹拌しながら、希塩酸を添加し、pH1.5で2時 間撹拌して、Ca 3 (PO 4 ) 2 を含むリン酸とカルシウムの化合物を溶解さ せた後に、濾過器で固液分離し、重合体微粒 子を得た。これを水中に投入して攪拌し、再 び分散液とした後に、濾過器で固液分離した 。重合体微粒子の水への再分散と固液分離と を、Ca 3 (PO 4 ) 2 を含むリン酸とカルシウムの化合物が十分に 除去されるまで繰り返し行った。その後に、 最終的に固液分離した重合体微粒子を、乾燥 機で十分に乾燥してイエロートナー粒子を得 た。上記トナー粒子100質量部に対して、流動 性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル (20%)で処理され、トナー粒子と同極性(負極性 )に帯電する疎水性シリカ微粉体(個数平均1次 粒子径:10nm、BET比表面積:170m 2 /g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池 )で3,000r/minで15分間混合してイエロートナー2 8を得た。イエロートナー28の物性を表3に示 。

(実施例29)
以下に記した粉砕法によってトナーを製造し た。
・スチレン-ブチルアクリレート共重合体           100.0質量部
(スチレン:ブチルアクリレート共重合比=69:31( 質量基準)、Mp=22,000、Mw=35,000、Mw/Mn=2.4、Tg=45℃ )
・スルホン酸基含有樹脂(アクリルベースFCA-1 001-NS、藤倉化成製)
                                 2.0質量部
・色素化合物D1                         6.0質量部
・負荷電制御剤(ボントロンE-88、オリエント 学製)     1.0質量部
・融点77℃の炭化水素系ワックス(HNP-51、日本 精蝋社製) 8.0質量部
上記混合物を、125℃に加熱された二軸エクス トルーダーで溶融混練して、冷却した混練物 をハンマーミルで粗粉砕した。前記粗粉砕物 を機械式粉砕機であるターボ工業社製ターボ ミルT-250型を用いて粉砕、分級してイエロー ナー粒子を得た。更に実施例1で用いたスチ レン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/α-メ チルスチレン共重合体(スチレン:メタクリル :メタクリル酸メチル:α-メチルスチレン=80.8 5:2.50:1.65:15.0(質量基準)、Mp=19,700、Mw=7,900、酸 =12.0mgKOH/g、Mw/Mn=2.1)と同一組成の樹脂微粒子 (個数平均粒子径:300nm)20.0質量部をトナー粒子 に添加して、「ハイブリダイゼーション・シ ステム」(奈良機械製)で処理することでトナ 粒子表面に極性樹脂のシェル構造を形成し イエロートナー粒子を得た。
前記イエロートナー粒子100質量部に対して、 流動性向上剤として、シリコーンオイルで処 理され、トナー粒子と同極性(負極性)に帯電 る疎水性シリカ微粉体(個数平均1次粒子径:1 0nm、BET比表面積:170m 2 /g)2.0質量部をヘンシェルミキサー(三井三池 製)で5分間混合してイエロートナー29を得た イエロートナー29について物性を表3に示す

(比較例1)
実施例1において、ジビニルベンゼンを2.0質 部添加して重合を行うことを除いて、実施 1と同様にしてイエロートナーを製造した。 られたトナーをイエロートナー30とした。 エロートナー30の物性を表3に示す。

(比較例2)
実施例1において、スチレンの添加量を55.0質 部、n-ブチルアクリレートの添加量を45.0質 部に変更することを除いて、実施例1と同様 にしてイエロートナーを製造した。得られた トナーをイエロートナー31とした。イエロー ナー31の物性を表3に示す。

(比較例3)
実施例1において、スチレンの添加量を80.0質 部に、n-ブチルアクリレートの添加量を20.0 量部に、ワックス成分を融点88℃の炭化水 系ワックス(OX-WEISSEN-8、日本精蝋社製)に変更 することを除いて、実施例1と同様にしてイ ロートナーを製造した。得られたトナーを エロートナー32とした。イエロートナー32に いて物性を表3に示す。

(比較例4)
実施例1において、ワックス成分を融点55℃の 炭化水素系ワックス(WEISSEN-T-0453、日本精蝋社 製)に変更することを除いて、実施例1と同様 してイエロートナーを製造した。得られた ナーをイエロートナー33とした。イエロー ナー33について物性を表3に示す。

(比較例5)
実施例1において、融点105℃の炭化水素系ワ クス(LUVAX-1151,日本精蝋社製)に変更すること 除いて、実施例1と同様にして製造した。得 られたトナーをイエロートナー34とする。イ ロートナー34について物性を表3に示す。

(比較例6乃至15)
実施例1において、色素化合物D1を色素化合物 E1乃至E7、および色素化合物E9乃至E11に変更す ることを除いて、実施例1と同様にしてイエ ートナーを製造した。得られたトナーをイ ロートナー35乃至44とした。イエロートナー3 5乃至44について物性を表3に示す。
なお、着色剤として色素化合物D1の代わりに 素化合物E8を用いて、同じ条件でトナー粒 を作製したところ、重合阻害が起こりトナ 粒子を得ることはできなかった。

 

(イエロートナーの評価)
以下に本発明で用いた評価方法及び評価基準 について述べる。
上記実施例及び比較例で製造されたイエロー トナー(表4参照)の150gをLBP5400(キヤノン製)の 像器に充填して評価を行った。なお、前記LB Pは単色の出力が可能なように改造して画像 評価を行った。
評価においては、評価機の濃度検知補正を用 い、印字比率1%のチャートにて連続出力を実 した。総出力枚数が20000枚(Xerox4024、LETTERサ ズ、75g紙、ゼロックス社製)の時に下記の画 像評価を各環境下で行った。具体的には高温 高湿環境(30℃、80RH%)、常温常湿環境(20℃、60% RH)、低温低湿環境(10℃、20%RH)で検討した。

(1)現像性の評価 
(a)画像濃度低下率
20000枚出力耐久評価終了時、ベタ全域画像(ト ナー載り量0.55mg/cm 2 )を10枚出力し、20001枚目と20010枚目の画像濃 低下率を測定する。画像濃度は「マクベス 射濃度計 RD918」(マクベス製)を用いて、原 濃度が白地部分の画像に対する相対濃度を 定した。
(濃度低下率)=(20001枚目の画像濃度-20010枚目の 画像濃度)/(20001枚目の画像濃度)×100
A:濃度低下率が3%未満であり、実使用上全く 題ないレベル。
B:濃度低下率が3%以上7未満。
C:濃度低下率が7%以上10%未満。
D:濃度低下率が10%以上。

(b)カブリ
評価方法は白地部分を有する画像を出力し、 「REFLECTMETER MODELTC-6DS」(東京電色製)により測 定した。出力画像の白地部分の白色度(反射 Ds(%))と転写紙の白色度(平均反射率Dr(%))の差 ら、カブリ濃度(%)(=Dr(%)-Ds(%))を算出し、20000 枚出力耐久評価終了時の画像カブリを評価し た。フィルターは、グリーンライトフィルタ ーを用いた。
A:0.5%未満。
B:0.5%以上1.0%未満。
C:1.0%以上3.0%未満。
D:3.0%以上。

(c)細線再現性
20000枚出力耐久評価終了時、特定の文字「驚 の文字パターンを厚紙(128g/m 2 )のA4用紙に出力された際の文字部分の中抜け を目視により評価した。
A:全く発生しない。
B:ほとんど発生せず。
C:若干の中抜けが見られる。
D:顕著な中抜けが見られる。

(d)ドット再現性
20000枚出力耐久評価終了時、ハーフトーン全 画像(トナー載り量0.20mg/cm 2 )を1枚出力中に強制的に本体電源を切り、現 された感光ドラム上のドット再現性を確認 た。光学顕微鏡で100倍に拡大したものを目 しながら評価を行った。以下に判定基準を す。
A:ドット再現性は良好である。
B:ドット再現性に若干の乱れが生じる。
C:ドット再現性に乱れが生じる。
D:ドット再現性の乱れが顕著である。

(2)部材付着の評価
(a)トナー担持体の汚染
トナー担持体の周方向のスジ及びトナー飛散 の確認は、上記20000枚出力耐久評価終了時に タ全域画像(トナー載り量0.55mg/cm 2 )を1枚出力した後、現像容器を分解しトナー 持体の表面及び端部を目視して行った。以 に判定基準を示す。
A:トナー担持体の表面や端部には、トナー破 や色素化合物の付着によるフィルミングや 方向のスジなどが全く無いレベル。
B:トナー担持体の表面や端部に、トナー破壊 色素化合物の付着によるフィルミングなど 若干発生するレベル。
C:トナー担持体の端部には、トナー破壊や色 化合物の付着による周方向のスジが端部で5 乃至10本見受けられるレベル。
D:トナー担持体の表面にトナーが周方向に融 し、担持体の端部が削れてトナーが漏れて るレベル。

(b)規制部材の汚染
規制部材の汚染の確認は、上記20000枚出力耐 評価終了時に、ハーフトーン全域画像(トナ ー載り量0.20mg/cm 2 )を1枚出力した後、現像容器を分解し規制部 を目視して行った。ハーフトーン画像上に いて任意の2cm×2cm四方で、細かい縦スジの 生の有無を目視で評価した。以下に判定基 を示す。
A:規制部材にトナーの融着物はなく、画像上 スジが全くない。
B:規制部材にトナーの融着物が若干あり、画 上にスジが1乃至4本ある。
C:規制部材にトナーの融着物があり、画像上 スジが5乃至9本ある。
D:規制部材にトナーの融着物があり、画像上 スジが10本以上である。

(3)転写性の評価
20000枚出力耐久評価終了時に、ハーフトーン 域画像(トナー載り量0.20mg/cm 2 )及びベタ全域画像(トナー載り量0.55mg/cm 2 )を1枚出力して評価した。以下に判定基準を す。
A:ハーフトーン画像及びベタ画像ともに1ペー ジ内の均一性が優れているレベル。
B:ハーフトーン画像にて1ページ内の均一性の 若干劣るものが認められるレベル。
C:ハーフトーン画像及びベタ画像とも1ページ 内の均一性の若干劣るものが認められるレベ ル。
D:ハーフトーン画像及びベタ画像ともに1ペー ジ内の均一性が劣るレベル。

(4)定着性の評価
20000枚出力耐久評価終了時に、マシンおよび ナーを充填したカートリッジを各環境下で2 4時間放置後に前記評価機を用いて、200μm幅 横線パターン(横幅200μm、間隔100μm)を1枚出 して、出力画像を定着性の評価に用いた。 着性の評価は、画像を100g荷重でシルボン紙 よって5往復こすり、画像のはがれを反射濃 度の低下率(%)の平均で評価した。
反射濃度の測定には「マクベス反射濃度計 R D918」(マクベス社製)を用いた。評価には表面 平滑度10〔sec〕以下のボンド紙を用いた。以 に評価基準を示す。
A:濃度低下率5%未満。
B:濃度低下率5%以上10%未満。
C:濃度低下率10%以上。
D:シルボン紙で擦る前の評価画像に定着不良 発生している。

(5)耐光性の評価
耐光性は、20000枚出力耐久評価終了時に、ト ー載り量が0.6乃至0.7mg/cm 2 のベタ画像を10枚作成し、カーボンアークラ プを光源とした紫外線オートフェードメー ー「FAL-AU」(スガ試験機社製)を用い、「JIS  K 7102」に準じて評価した。最大照射時間を80 時間とし、光照射前後の画像濃度の維持率を 算出し、画像の耐光性を評価した。画像濃度 維持率(%)が100%に近い程、耐光性に優れるこ になる。
A:95%以上。
B:90%以上、95%未満。
C:80%以上、90%未満。
D:80%未満。

(6)紙-OHT色相差の評価
紙-OHT色相差の評価は以下のように実施した
透過光の色空間測定については、20000枚出力 久評価終了時に得られた画像をオーバーヘ ドプロジェクター(OHP:3M社製 9550)にて透過 像とし、白色壁面に投影した画像を、分光 射輝度計(フォトリサーチ社製 PR650)にて測 した。
そしてその白色壁面に投影した画像の色相角 h * (OHP)と紙上におけるベタ部の色相角h * (紙)との角度差δh * を下記に示すように定義し、4段階評価で示 た。
A:δh * ≦5
B:5<δh * ≦10
C:10<δh * ≦15
D:δh * >15

(評価試験例1乃至16)
イエロートナー1乃至16について上記評価を実 施した結果、各項目において良好な結果が得 られた。評価結果を表4に示す。

(評価試験例17乃至29)
イエロートナー17乃至29について上記評価を 施した結果、使用上問題ないレベルの結果 得られた。評価結果を表4に示す。

(比較評価試験例1)
イエロートナー30について上記評価を実施し 。各項目の結果が著しく悪化した。これは ナーのZ(25)、Z(50)およびトナーの100℃の粘度 が大きいためであると推測される。評価結果 を表4に示す。

(比較評価試験例2)
イエロートナー31について上記評価を実施し 。各項目の結果が著しく悪化した。これは ナーのTgAが低く、トナーの100℃の粘度が小 いためであると推測される。評価結果を表4 に示す。

(比較評価試験例3)
イエロートナー32について上記評価を実施し 。各項目の結果が著しく悪化した。これは ナーのTgAが高く、トナーの100℃の粘度が大 いためであると推測される。評価結果を表4 に示す。

(比較評価試験例4)
イエロートナー33について上記評価を実施し 。各項目の結果が著しく悪化した。これは P1及び(P1-TgA)が小さいためと推測される。評 価結果を表4に示す。

(比較評価試験例5)
イエロートナー34について上記評価を実施し 。各項目の結果が著しく悪化した。これは P1及び(P1-TgA)が大きいためと推測される。評 価結果を表4に示す。

(比較評価試験例6乃至15)
イエロートナー35乃至44について上記評価を 施した。これは着色剤として、色素化合物E1 乃至E7、および色素化合物E9乃至E11を用いた とによると推測される。各項目の結果が著 く悪化した。評価結果を表4に示す。