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Patent Searching and Data


Title:
POLYMER HEATING ELEMENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/104361
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a polymer heating element wherein the flexibility and the feeling of use and reliability of a planar heating element at the time of attachment to an appliance are enhanced while reducing the cost by providing a low resistance polymer resistor which can be formed thin. A polymer heating element comprises an electrically insulating substrate (2), at least a pair of electrodes (3, 3') consisting of a plurality of thin metal wires arranged on the electrically insulating substrate (2), a polymer resistor (4) which is not in direct contact with the pair of electrodes (3, 3') and having PTC characteristics, and conductive layers (5, 5') which are in contact with both the electrodes (3, 3') and the polymer resistor (4). The conductive layers (5, 5') contain at least a resin component, a conductor component and an additive component.

Inventors:
NAKAJIMA KEIZO
UMEDA AKIHIRO
ISHII TAKAHITO
UNO KATSUHIKO
FUKUDA HIROSHI
Application Number:
PCT/JP2009/000434
Publication Date:
August 27, 2009
Filing Date:
February 04, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
NAKAJIMA KEIZO
UMEDA AKIHIRO
ISHII TAKAHITO
UNO KATSUHIKO
FUKUDA HIROSHI
International Classes:
H05B3/14; A47C7/74; H05B3/03; H05B3/20
Domestic Patent References:
WO2007110976A12007-10-04
Foreign References:
JPH01186782A1989-07-26
JP2002371699A2002-12-26
Other References:
See also references of EP 2247157A4
Attorney, Agent or Firm:
OGURI, Shohei et al. (JP)
Shohei Oguri (JP)
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Claims:
 電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に配設された複数本の金属細線で構成される少なくとも一対の電極と、前記一対の電極とは直接接触しないPTC特性を有する高分子抵抗体と、前記電極と前記高分子抵抗体との双方に接触する導電層とを具備し、前記導電層が少なくとも樹脂成分と導電体成分と添加剤成分とを含む高分子発熱体。
 前記導電層の樹脂成分が、金属親和性を示す官能基を有する請求項1記載の高分子発熱体。
 電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に配設された複数本の金属細線で構成される少なくとも一対の電極と、前記一対の電極とは直接接触しないPTC特性を有する高分子抵抗体と、前記電極と前記高分子抵抗体との双方に接触する導電層とを具備し、前記導電層が少なくとも架橋性樹脂成分と導電体成分とを含む高分子発熱体。
 前記導電層が、架橋性樹脂成分と導電体成分と溶融張力向上剤成分とを含有する請求項3記載の高分子発熱体。
 前記導電層の架橋性樹脂成分が、反応性添加剤により架橋されている請求項3または4記載の高分子発熱体。
 前記導電層の導電体成分の重量比率が、導電層重量に対して50重量%以上80重量%以下含まれる請求項1または3記載の高分子発熱体。
 前記導電層の導電体成分が、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、カーボン繊維、導電性セラミック繊維、導電性ウィスカ、金属繊維、導電性無機酸化物、導電性ポリマー繊維の少なくとも一種から選ばれる導電体からなる請求項1、3、6のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 前記導電層の添加剤成分が、リン系、窒素系、シリコーン系の少なくとも1種の難燃剤を含有する請求項1記載の高分子発熱体。
 前記導電層の比抵抗が0.01~500ω・cmである請求項1~8のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 電気絶縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に配設されたPTC特性を有する高分子抵抗体と、前記高分子抵抗体とは直接接触しない複数本の金属細線で構成される少なくとも一対の電極と、前記高分子抵抗体と前記電極との双方に接触する導電層から形成されてなる高分子発熱体において、前記導電層がPTC特性を示す高分子発熱体。
 前記高分子抵抗体と前記電極との間隔が0.01mm~3mmの範囲である請求項10記載の高分子発熱体。
 前記導電層がPTC特性として、80℃における抵抗値が20℃における抵抗値に対して10倍以下となる請求項10記載の高分子発熱体。
 前記導電層の比抵抗に対する前記高分子抵抗体の比抵抗の比率が80℃以下の温度領域において100倍以下となる請求項10~12のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 前記導電層が前記電極に対して平行である請求項10~13のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 前記導電層の組成物と前記電極を構成する金属細線とを共押出成形してなる請求項10~14のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 前記電極が、錫めっき銅、銀含有銅、銀銅合金の少なくとも1種を含む金属細線である請求項1、3、10のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 前記電気絶縁性基材が樹脂フィルム、織布、不織布の少なくとも1種からなる請求項1、3、10のいずれか1項に記載の高分子発熱体。
 請求項1~17のいずれか1項記載の高分子発熱体を搭載した自動車用座席装置。
Description:
高分子発熱体

 本発明は、高分子抵抗体のジュール熱を 用した高分子発熱体に関し、更に詳しくは 長期信頼性を有し、かつ低コストで作成で る高分子発熱体に関するものである。

 従来から面状発熱体の発熱部として、カ ボンブラックや金属粉末、グラファイトな の導電性物質を樹脂に分散して得られたも が知られている。

 なかでも導電性物質と樹脂との組合せに り、自己温度制御機能を示すPTC発熱体(正の 抵抗温度特性を意味する英語Positive Temperature  Coefficientの略を意味する)を用いた場合には 温度制御回路が不要となり、部品点数を少 くできるなど、メリットのあるデバイスと て知られている。

 これらの構成は、図7,8に示すように、セ ミックや絶縁処理された金属板など、筺体 造としての機能を有するベース材101上に、 電性インキ組成物を印刷、あるいは塗布し 得られる電極102と、これにより給電される 置に抵抗体インク組成物を印刷、あるいは 布して得られる抵抗体103とを設け、発熱体1 04を形成していた。図7は発熱体の平面図、図 8は図7のX-Y断面図である。

 従来から、印刷により高分子抵抗体を形成 てこれを発熱体として用いた例としては、 ・霜除去用として自動車のドアミラーや、 面台のミラー、床暖房器具等がある(例えば 特許文献1参照)。

特開2002-371699号公報

 前記従来の構成では、用いられる抵抗体 成物の比抵抗は通常1000ω・cm以上であり、 のため櫛形電極のように非常に近接して給 する構成となっていた。また通常、櫛形電 は銀ペーストを用い、印刷・乾燥により形 されるので、その使用量が多くなるため高 なものとなっていた。

 高分子抵抗体をインクとして作製したも は、塗布量調整により数十ミクロンメート 程度の薄膜状に発熱部を形成できるので、 分子発熱体としての柔軟性を発揮すること 容易である。しかしながら、インク状の高 子抵抗体を塗布する面としては、平滑で含 することがなく、かつ腰のあるポリエステ フィルムなどの電気絶縁性基材を用いる必 があり、柔軟性を損ねる結果となっていた また、高分子発熱体の給電部として、高価 導電性ペーストを櫛型電極として多量に用 る必要があるため、コストが高いという欠 を有していた。

 一方、押し出し成型に用いる抵抗体では インクに供するものに比べてミリメートル 位の厚肉となり、柔軟性に欠けるとともに 電極ケーブル間が近接した構成となり面状 熱体と言えるものでななかった。Tダイ押し 出し加工やカレンダー加工などの薄肉成型法 もあるが、これらの加工法に適した高分子抵 抗体の提案はされていない。

 上記従来の技術の問題点に鑑み、本発明 解決しようとする課題は、薄肉成型可能な 抵抗を示す高分子抵抗体を提供した場合、 状発熱体の使用感と信頼性を向上させると もに低コスト化を図った高分子発熱体を提 することにある。

 前記従来の課題を解決するための本発明 高分子発熱体は、第1の態様として、電気絶 縁性基材と、前記電気絶縁性基材上に配置さ れた複数本の金属細線で構成される少なくと も一対の電極と、前記一対の電極とは直接接 触しないPTC特性を有する高分子抵抗体と、前 記電極と前記高分子抵抗体との双方に接触す る導電層とを具備し、前記導電層が少なくと も樹脂成分と導電体成分と添加剤成分とを含 むものである。

 また、本発明の高分子発熱体は、第2の態 様として、電気絶縁性基材と、前記電気絶縁 性基材上に配置された複数本の金属細線で構 成される少なくとも一対の電極と、前記一対 の電極とは直接接触しないPTC特性を有する高 分子抵抗体と、前記電極と前記高分子抵抗体 との双方に接触する導電層とを具備し、前記 導電層が少なくとも架橋性樹脂成分と導電体 成分とを含むものである。

 また、本発明の高分子発熱体は、第3の態 様として、電気絶縁性基材と、前記電気絶縁 性基材上に配設されたPTC特性を有する高分子 抵抗体と、前記高分子抵抗体とは直接接触し ない複数本の金属細線で構成される少なくと も一対の電極と、前記高分子抵抗体と前記電 極との双方に接触する導電層から形成されて なる高分子発熱体において、前記導電層がPTC 特性を示すものである。

 本発明では低抵抗を示す高分子抵抗体を 膜に形成することを基本とするものである この構成により、高分子抵抗体に給電する 極間を櫛形構成とする必要性はなくなり、 い間隔で電極を配置することが可能となり 電極の使用量を低減するとともに高分子抵 体をパターン化する必要がないため低コス の面状発熱体を提供できる。

 本発明における導電層の役割としては主 3点ある。

 すなわち、その第1点は、電極自身に被覆 を設けることによる耐屈曲性の向上である。 電極のみを屈曲する場合に比べると被覆して いる樹脂がバッファー的な効果を示し耐屈曲 特性が改善されることを我々は既に突き止め ている。

 また、第2点は、導電層を介した電極部と 高分子抵抗体部との密着性改善である。金属 電極を高分子抵抗体に直接熱融着などした場 合には、その圧着時の条件にも寄るが、高分 子抵抗体にクラックが入る場合がある。しか し、導電層を介した場合には導電層の樹脂成 分が存在するために、例えば予め電極を導電 層で被覆したものを押出し成形しておき、そ の被覆つきの導電電極を高分子抵抗体に融着 した場合には、クラックなどが入ることなく 良好な密着性、接着性が得られることがわか った。

 さらに、第3点は、仮に金属線からなる電 極部の一部が断線あるいは断線に近い状態に なり電流集中が生じたとしても、導電層の導 電成分として、高分子抵抗体とは組成の異な る成分、例えば無機系の導電材料や金属系材 料などといった燃えにくい材質を用いること により、発煙発火に至らないバリア効果を示 すことが可能である。

 本発明においてはこれらの3つの役割に注 目し、長期使用時においても、電極部と高分 子抵抗体部との間での電流供給を妨げること なく、導電層としての機能を維持し続けるこ とを可能とするものである。

 本発明の第2の態様は特に上記2つ目の役 に注目したものである。つまり、導電層が 易に熱変化、構造変化しないことが重要な 件であり、種々の樹脂組成などを考慮した 果、導電層の樹脂成分として架橋性樹脂成 を含む組成が上記条件を満たすことを見出 、本発明に至った。架橋処理した樹脂の場 は架橋処理をしていない樹脂に比べると樹 の構造安定性、熱安定性に優れ、導電層と ての役割のひとつである低抵抗特性を長期 わたり維持することが可能である。

 本発明の第3の態様では、導電層の材料組 成を高分子抵抗体の材料組成と類似、あるい は比較的似たようなものを選ぶことによって 、導電層と高分子抵抗体の熱変化、構造変化 が近いものとなり、長期にわたり界面部位に おいて亀裂などの生じない構成とすることが できることを見出し、本発明に至った。すな わち導電層の材料組成においても、高分子抵 抗体と同様にPTC特性を示す材料組成にするこ とにより、本発明の目的を達成させることが 可能となる。

 導電層と同様の機能を果たすものとして 導電性の被覆材があるが、本発明において 、電極と導電層、及び導電層と高分子抵抗 のそれぞれが接着、密着された状態であれ 良く、電極自身の被覆の状態は問わない。 果として電極部が導電層により全面が覆わ たものであっても良いし、また一部のみが われたような状態であっても構わない。

 本発明によれば、薄膜かつ低抵抗の面状 熱体を提供できるとともに、使用感と信頼 も高めることができ、しかも低コスト化を 進できるものである。

本発明の実施の形態1~6における高分子 熱体の構成を示す平面図 図1のX-Y断面図 本発明の実施の形態1~8における高分子 熱体を取りつけた自動車の座席装置を示す 視側面図 図3に示す座席の透視正面図 (a)本発明の実施の形態7における高分子 発熱体の平面図、(b)同高分子発熱体の断面図 、(c)同高分子発熱体の拡大図 (a)本発明の実施の形態8における高分子 発熱体の平面図、(b)同高分子発熱体の断面図 、(c)同高分子発熱体の拡大図 従来の発熱体を示す平面図 図7のX-Y断面図

符号の説明

 1、51、61 高分子発熱体
 2、52、62 電気絶縁性基材
 3、3’、53、53’、63、63’ 電極
 4、54、64 高分子抵抗体
 5、5’、55、55’、65、65’ 導電層
 6 座席装置
 7 座部
 8 背もたれ
 9 座席基材
 10 座席表皮

 第1の発明は、電気絶縁性基材と、前記電 気絶縁性基材上に配設された複数本の金属細 線で構成される少なくとも一対の電極と、前 記一対の電極とは直接接触しないPTC特性を有 する高分子抵抗体と、前記電極と前記高分子 抵抗体との双方に接触する導電層とを具備し 、前記導電層が少なくとも樹脂成分と導電体 成分と添加剤成分とを含むものであり、抵抗 体組成物に給電する電極間を櫛形構成とする 必要性はなくなり、広い間隔で電極を配置す ることが可能となり、電極の使用量を低減す るとともに高分子抵抗体をパターン化する必 要がないため低コストの面状発熱体を提供で きる。

 また、複雑な工法を必要とせず、Tダイや カレンダーロール法などによって得た高分子 抵抗体や導電層を電極と共に電気絶縁性基材 に熱融着などによって貼り合わせることによ って容易に作製できる。

 さらに複数本の金属細線からなる電極と 分子抵抗体との間に設けた導電層が、電極 び高分子抵抗体との密着性を仲介する役割 果たし、金属細線を直接高分子抵抗体に貼 合せた場合に比較して、屈曲性などの耐久 能を向上させることができる。

 第2の発明は、特に第1の発明の高分子発 体において、導電層の樹脂成分が、金属親 性を示す官能基を有するものであり、導電 と電極となる金属との界面での接触状態を 好に保つことができるため、発熱特性の良 な発熱体を容易に得ることができる。

 第3の発明は、電気絶縁性基材と、前記電 気絶縁性基材上に配置された複数本の金属細 線で構成される少なくとも一対の電極と、前 記一対の電極とは直接接触しないPTC特性を有 する高分子抵抗体と、前記電極と前記高分子 抵抗体との双方に接触する導電層とを具備し 、前記導電層が少なくとも架橋性樹脂成分と 導電体成分を含むものであり、導電層の樹脂 成分が架橋性樹脂成分で構成されるため、熱 安定性に優れ、長期的に変化の少ない導電層 を得ることができる。また、複数本の金属細 線からなる電極と高分子抵抗体との間に設け た導電層が、電極及び高分子抵抗体との密着 性を仲介する役割を果たし、金属細線を直接 高分子抵抗体に貼り合せた場合に比較して、 屈曲性などの耐久性能を向上させることがで きる。

 第4の発明は、特に第3の発明の高分子発 体において、前記導電層が、架橋性樹脂成 と導電体成分と溶融張力向上剤成分とを含 することによって、樹脂成分と導電体成分 混練分散加工時に導電体成分等の分散性が 上すると共に、溶融樹脂の張力を向上させ ことができ、反応性架橋剤とのバランスで 脂の成形性を低下させることなく、所望の 分を有する樹脂組成物を容易に得ることが 能となる。

 第5の発明は、特に第3または第4の発明の 分子発熱体において、導電層の架橋性樹脂 分が、反応性添加剤により架橋されてなる のであり、樹脂成分と導電体成分を混練、 散させながら架橋反応を進行させることが きるため、工法的にも簡便な手法で導電層 成物を作成できる。

 第6の発明は、特に第1または第3の発明の 分子発熱体において、導電層の導電体成分 重量比率が、導電層重量に対して50重量%以 80重量%以下含まれるものである。

 導電体をこの重量比率で導電層中に含む め、金属細線からなる電極が断線した際に いても、樹脂成分よりも導電体成分が多く 在することにより、断線が生じ電流が集中 た場合にも、スパーク発生を抑制できる。 た、80重量%以下とすることにより樹脂成分 らびに添加剤成分は、20重量%以上含まれる ととなるため、導電層としての屈曲性や、 る程度の柔軟性を保持することができる。

 第7の発明は、特に第1、第3、第6のいずれ か1つの発明の高分子発熱体において、導電 の導電体成分が、カーボンブラック、グラ ァイト、カーボンナノチューブ、カーボン 維、導電性セラミック繊維、導電性ウィス 、金属繊維、導電性無機酸化物、導電性ポ マー繊維の少なくとも一種から選ばれる導 体を含むものであり、導電体の原料が比較 安価にかつ安定して入手できるため、高品 でコストを抑えた高分子発熱体を提供でき 。

 第8の発明は、特に第1の発明の高分子発 体において、導電層の添加剤成分が、リン 、窒素系、シリコーン系の少なくとも1種の 燃剤を含有することによって、外部から加 された場合においてもまた電極線が断線し 局部的に温度上昇などが生じても、発煙発 を抑制することができる高分子発熱体を提 することができる。

 第9の発明は、特に第1~第8のいずれか1つ 発明の高分子発熱体において、導電層の比 抗が0.01~500ω・cmに設定したもので、導電層 の発熱ロスなどが少なく、電気的にも安定 た高分子発熱体を作成できる。

 0.01ω・cmよりも小さくするためには導電 の比率を高める必要があるが、その場合バ ンダとなる樹脂比率が低くなるため金属と 密着性が低下してしまう。また、500ω・cmよ も大きくなると、電圧を印加した際に高分 抵抗体よりも導電層の抵抗値が大きくなり 導電層のみが発熱し、面状発熱体を得るこ ができない。

 第10の発明は、電気絶縁性基材と、前記 気絶縁性基材上に配置されたPTC特性を有す 高分子抵抗体と、前記高分子抵抗体とは直 接触しない複数本の金属細線で構成される なくとも一対の電極と、前記高分子抵抗体 前記電極との双方に接触する導電層から形 されてなる高分子発熱体において、前記導 層がPTC特性を示すものであり、熱安定性に れ、長期的に変化の少ない導電層を得るこ ができる。また、複数本の金属細線からな 電極と高分子抵抗体との間に設けた導電層 、電極及び高分子抵抗体との密着性を仲介 る役割を果たし、金属細線を直接高分子抵 体に貼り合せた場合に比較して、屈曲性な の耐久性能を向上させることができる。

 第11の発明は、特に第10の発明の高分子発 熱体において、高分子抵抗体と電極との間隔 が0.01mm~3mmの範囲であるものであり、その間 存在する導電層が金属電極と高分子抵抗体 の緩衝材的な役割を果たすと共に、電圧印 時に大きな抵抗となることなく、スムーズ 高分子抵抗体の発熱を実現できる。0.01mmよ も間隔が狭くなると、工法のばらつきにも るが、電極となる金属と高分子抵抗体が直 接触することになり、上記で説明した3つ目 役割の発煙発火に対するバリア効果を充分 発揮させることが難しい。また3mmよりも大 くなると、導電層の比抵抗にも依存するが 電層での発熱ロスが大きくなり、高分子抵 体としての特性として好ましくない。

 第12の発明は、特に第10の発明の高分子発 熱体において、導電層がPTC特性として、80℃ おける抵抗値が20℃における抵抗値に対し 10倍以下となるものである。導電層に関して も高分子抵抗体と同様のPTC特性を有する類似 材料組成にすることにより、相互の密着性な どを改善することができるが、一方、導電層 自身のPTC特性として高温状態でのPTC変化倍率 が大きくなると、高分子抵抗体の抵抗値特性 に影響を及ぼす場合がある。従ってある一定 倍率以下のPTC特性を有することが好ましく、 本発明においては一般に発熱温度として比較 的高温レベルであるが、80℃付近の発熱状態 においても、PTC特性としての抵抗値変化倍 が20℃に対して10倍以下となることがより好 ましいとした。

 第13の発明は、特に第10~第12のいずれか1 の発明の高分子発熱体において、導電層の 抵抗に対する高分子抵抗体の比抵抗の比率 80℃以下の温度領域において100倍以下となる ものである。高分子抵抗体と導電層の比抵抗 値が等しい場合でも、被覆層は間隔が狭いた め抵抗値としては約1/1000程度と考えられるこ とから、本発明で定義した抵抗比率の関係で あれば、導電層の抵抗が高分子抵抗体の発熱 を阻害することなく、良好な発熱体を得るこ とができる。

 第14の発明は、特に第10~第13のいずれか1 の発明の高分子発熱体において、導電層が 極に対して平行であることを特徴とするも であり、電圧印加方向に対して、導電層が 一の厚み、幅で存在することになるので、 分子発熱体にはどの領域においてもほぼ等 い電圧が印加されることになり、均一発熱 良好な発熱体を得ることが可能となる。

 第15の発明は、特に第10~第14のいずれか1 の発明の高分子発熱体において、導電層の 成物と電極を構成する金属細線とを共押出 形してなるもので、予め、導電層と電極で 出成形しておくことにより電極と導電層の 着性を向上させることができる。このよう 作成した導電層を有する電極を高分子抵抗 と熱融着などにより発熱体として成形する とができるため、比較的簡易な方法で発熱 を得ることができる。

 第16の発明は、特に第1、第3、第10のいず か1つの発明の高分子発熱体において、電極 が錫めっき銅、銀含有銅、銀銅合金の少なく とも1種を含む金属細線よりなり、柔軟性、 曲性に優れるため、良好な発熱特性を有す 高分子発熱体を長期に渡り提供することが きる。

 第17の発明は、特に第1、第3、第10のいず か1つの発明の高分子発熱体において、電気 絶縁性基材が樹脂フィルム、織布、不織布の 少なくとも1種からなり、使用感や長期信頼 に優れた高分子発熱体を得ることができる

 第18の発明は、これら第1~17記載の高分子 熱体を例えば座部、背もたれ部の少なくと 一方に配置し、暖房用熱源として自動車用 席装置に搭載したものである。

 以下、本発明の実施の形態について、図 を参照しながら説明する。なお、この実施 形態によって本発明が限定されるものでは い。

 (実施の形態1)
 図1,2において、高分子発熱体1は、電気絶縁 性基材2上に、一対の電極3,3’、高分子抵抗 4、及び導電層5,5’を含んで構成される。

 例えば、電気絶縁性基材2は、ポリエステ ル繊維で作製されたニードルパンチタイプの もので、難燃剤が含浸処理された不織布を用 いることができる。

 一対の電極3,3’としては、線径0.06mmの銀 合金線を15本撚って得たものであり、不織 上の所定位置に熱融着処理して得た。

 電極3,3’とは直接接触しないように高分 抵抗体4を同様に熱融着により配置し、その 後、前記高分子抵抗体4と電極3,3’とを接触 せるための導電層5,5’が熱融着により形成 てある。なお、電極3,3’に給電するための ード線は省略した。

 このとき、高分子抵抗体4は以下の材料、 手順により混練物を作成後、カレンダー加工 によりフィルム状に加工したものを使用した 。

 すなわち、高分子抵抗体4は、結晶性樹脂 として、エチレン・メタアクリル酸メチル共 重合体(商品名「アクリフトCM5021」、融点67℃ 、住友化学(株)製)30部と、エチレン・メタア リル酸共重合体(商品名「ニュクレルN1560」 融点90℃、三井・デュポンポリケミカル(株) 製)30部と、エチレン・メタアクリル酸共重合 体金属配位物(商品名「ハイミラン1702」、融 90℃、三井・デュポンポリケミカ(株)製)40部 とで構成した。

 この結晶性樹脂35重量%と、反応性樹脂(商 品名「ボンドファースト7B」、住友化学(株) )2重量%と、2種類の導電体として、カーボン ラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒 径21nm、デグサ社製)25重量%と、グラファイ (商品名「GR15」、鱗状黒鉛、日本黒鉛(株)製) 18重量%と、難燃剤(商品名「レオフォスRDP」 リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製 )20重量%により混練物Aを作製した。

 次に、エラストマーとして、スチレン系 可塑性エラストマー(商品名「タフテックM19 43」)、旭化成エンジニアリング(株)製)40重量% と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒 子径75nm、三菱化学(株)製)45重量%と、炭化タ グステン(井澤金属(株)製)13重量%と、溶融張 向上剤として、メタアクリル酸アルキル・ クリル酸アルキル共重合物と4フッ化エチレ ン共重合物との混合物(商品名「メタブレンA3 000」、三菱レイヨン(株)製)2重量%から混練物B を作製した。

 そして、混練物Aと混練物Bとを等量と、 型剤として変性シリコーンオイル2重量%と流 動性付与剤として、メタアクリル酸アルキル ・アクリル酸アルキル共重合物2重量%とを混 して高分子抵抗体4を作製した。

 導電層5,5’は、樹脂成分として、エチレ 酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレック スEV150」、三井・デュポンポリケミカル(株) )21重量%と、金属親和性を示す官能基として 水マレイン酸を含む樹脂(商品名「ボンダイ ンLX4110」、エチレン-アクリル酸エステル-無 マレイン酸三元共重合樹脂、住友化学(株) )9重量%を、導電体として、導電性ウィスカ( 品名「FTL-110」、針状酸化チタン、石原産業 (株)製)45重量%、カーボンブラック(商品名「 リンテックスL」、1次粒子径21nm、デグサ社 )15重量%、難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、 リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製) 10重量%により混練物を得、厚み100μmのフィル ムを作成して得た。比抵抗は5ω・cmであった

 この面状発熱体を構成する高分子発熱体1 は、図3,4に示したように、例えば、自動車の 座席装置6である座部7及び背もたれ8に基材2 を上部として取り付けて使用されるもので る。

 座部7及び背もたれ8の吊り込み部(図示せ )に対応するために中央部や周縁部に吊り込 むための耳部(基材2の延長部)が設けられるが 、ここでは省略している。

 また、このような高分子発熱体1を装着し た座部7及び背もたれ8は、一般的に座席に腰 けた人体による荷重がかかった時に変形し 荷重がかからなくなると復元するウレタン ット等の座席基材9と座席表皮10を備えてい 。従って、座部7及び背もたれ8の座席基材9 に高分子抵抗体4側を、座席表皮10に基材2側 を配置して取り付けられる薄い面状発熱体で ある高分子発熱体1も、前記した座部7及び背 たれ8の変形に対応して相似の変形をしなけ ればならない。

 そのために、種々の発熱パターンの設計 そのための電極3,3’並びに導電層5,5’の配 形状を変更する必要があることは言うまで ないが、ここでは省略している。

 電極3,3’は、相対向するように幅の広い 対(電気的に正側と負側)を高分子発熱体1の 手方向の外側部に沿って配置し、これに接 するように配設した導電層5,5’を介して高 子抵抗体4に電流が流れ、発熱する。

 本実施の形態において、高分子抵抗体4は PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上 昇し、所定の温度になるように自己温度調節 機能を有するようになり、温度コントロール が不要で安全性の高い面状発熱体としての機 能を有するようになる。

 また、自動車の座席装置6に組み込まれる 面状発熱体のカーシートヒーターとしては着 座感や難燃性を満足することができる。

 着座感は、紙のような音鳴り感がなく、 席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5% 伸びに対して7kgf以下の荷重であることで満 できる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。

 チュービングヒータを発熱体とするもの 、温度制御器を必要として、ON-OFF制御で通 を制御して発熱温度を制御している。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体では、発熱温度が40℃~50 の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 傍に近接して配置することができる。発熱 度が低く、座席近傍であることより、速熱 と外部への放熱ロスを低減できることによ 省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材2に難燃性不織布を 用いて、また、高分子抵抗体4、導電層5,5’ 難燃剤を配合することで難燃性を実現でき 。

 難燃性は、高分子発熱体単品での自動車 内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 はもとより自己消火するものや、標線間の 焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 が10重量%以上あれば適合できることを確認 た。

 本実施の形態で得た高分子発熱体を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と50 ℃のヒートサイクル試験を実施した。

 その結果、それぞれ、500時間、200時間、2 00回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以 であった。この要因としては、反応性樹脂 よる架橋反応により結晶性樹脂そのもの、 よび結晶性樹脂と導電体との結合を図った とに起因していると考えられた。

 優れたPTC特性を発揮するために、複数の 電体を組み合わせることと、海島構成とす ことを本実施の形態では適用している。そ メカニズムの詳細は現時点では不明である 以下のように推察している。

 まず、PTC特性を有する抵抗体組成物とす ためには、用いる結晶性樹脂は、その融点 発熱飽和温度以上の近傍にあるものを選択 る必要がある。

 導電体としては、できるだけ少ない添加 で所定の抵抗値を達成することが求められ が、そうした導電体は一般的には導電性カ ボンブラックと呼ばれるもので、1次粒子径 が約20nm以下でストラクチャー(葡萄の房のよ に1次粒子の集合体のことをいう。吸油量で 相関付けられている)の発達した構造のもの あるが、そうした導電性カーボンブラック は一方で、PTC特性を発現しにくいという欠 を有していた。

 これは、導電性カーボンブラックではス ラクチャーが発達して、結晶性樹脂の温度 よる比容積の変化(これがPTC特性発現の主因 と言われている)によってもストラクチャー 導電パスが切断されにくいことによるとい れている。

 一方で、1次粒子径の大きいカーボンブラ ックは優れたPTC特性を有することを発明者ら は知見として得ていた。

 また、グラファイトのような導電体は、 ーボンブラックに比べるとさらに粒子径が きく、かつ鱗片のような層状構造を有する と、さらに、金属やセラミックなどの導電 は、粒子径が大きく、無定形の優れた導電 (小さい体積固有抵抗(カーボンやグラファ ト系の100分の1以下))を有することを発明者 は知見として得ていた。これらの複数の導 体を組み合わせることで、厚みが約100ミク ンメートル以下で、面積抵抗が400ω/□以下 比抵抗が3ω・cm以下の抵抗を有するとともに 、PTC特性のひとつの指標となる、温度に対す る抵抗値変化倍率において、20℃の抵抗値に する50℃の抵抗値の比が1.5以上、20℃の抵抗 値に対する80℃の抵抗値の比が5以上の抵抗体 組成物とすることができた。

 こうした低抵抗でありながら優れたPTC特 を発揮できたメカニズムの詳細は不明であ が、結晶性樹脂と複数の導電体を組み合わ たことによる新規な導電パスの形成と、難 剤を液状としたことで、液体の大きな熱膨 係数を利用することができたことによると えている。

 また、モンタン酸部分けん化エステルな のワックス、さらには他のワックス等の可 剤や分散剤を必要に応じて用いても良いこ は言うまでもない。

 また、導電体の形状としてはウィスカ形 のものを用いて実施したが、球状やその他 ガ形状のものでも構わない。

 さらに、本実施の形態では高分子抵抗体4 と電極3,3’が同一平面内では重ねあわない配 置で示したが、導電層5,5’を介して接触する ような形態であれば積層された配置であって も構わない。

 (実施の形態2)
 本発明の実施の形態2における高分子発熱体 においては、実施の形態1と同様の構造のも を用いた。

 例えば、電気絶縁性基材2は、ポリエステ ル繊維で作製されたファインエンボス加工し たもので、難燃剤が含浸処理された不織布を 用いることができる。

 一対の電極3,3’としては、線径0.08mmの錫 っき銅線を19本撚って得たものであり、不 布上の所定位置に熱融着処理し得た。電極3, 3’とは直接接触しないように高分子抵抗体4 同様に熱融着により配置し、その後、電極3 ,3’及び高分子抵抗体4を接触させるための導 電層5,5’を熱融着することにより高分子発熱 体1を得た。なお、電極3,3’に給電するため リード線は省略した。

 このとき、高分子抵抗体4は実施の形態1 同様の方法で加工したものを使用した。

 導電層5,5’は、樹脂成分として、エチレ 酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレック スEV150」、三井・デュポンポリケミカル(株) )21重量%と、金属親和性を示す官能基を含む 脂(商品名「タフテックM1943」(水添スチレン 系熱可塑性エラストマーの変性タイプ、旭化 成(株)製)9重量%を、導電体として、導電性ウ スカ(商品名「FTL-110」、針状酸化チタン、 原産業(株)製)30重量%、カーボンブラック(商 名「ファーネスブラック#10B」、粒子径84nm 三菱化学(株)製)30重量%、難燃剤(商品名「レ フォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃剤 味の素(株)製)10重量%により混練物を得、厚 100μmのフィルムを作成して得た。比抵抗は6 ω・cmであった。

 本実施の形態において、高分子抵抗体4は PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上 昇し、所定の温度になるように自己温度調節 機能を有するようになり、温度コントロール が不要で安全性の高い面状発熱体としての機 能を有するようになる。

 また、自動車用座席装置に組み込まれる 状発熱体のカーシートヒーターとしては着 感や難燃性を満足することができる。

 着座感は、紙のような音鳴り感がなく、 席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5% 伸びに対して7kgf以下の荷重であることで満 できる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。

 チュービングヒータを発熱体とするもの 、温度制御器を必要として、ON-OFF制御で通 を制御して発熱温度を制御している。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体では、発熱温度が40℃~50 の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 傍に近接して配置することができる。発熱 度が低く、座席近傍であることより、速熱 と外部への放熱ロスを低減できることによ 省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材2に難燃性不織布を 用いて、また、高分子抵抗体4、導電層5,5’ 難燃剤を配合することで難燃性を実現でき 。

 難燃性は、高分子発熱体単品での自動車 内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 はもとより自己消火するものや、標線間の 焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 が10重量%以上あれば適合できることを確認 た。

 本実施の形態で得た高分子発熱体を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と50 ℃のヒートサイクル試験を実施した。

 その結果、それぞれ、500時間、200時間、2 00回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以 であった。

 この要因としては、反応性樹脂による架 反応により結晶性樹脂そのもの、および結 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起 していると考えられた。

 また本実施の形態では高分子抵抗体4と電 極3,3’が同一平面内では重ねあわない配置で 示したが、導電層5,5’を介して接触するよう な形態であれば積層された配置であっても構 わない。

 (実施の形態3)
 本発明の実施の形態3における高分子発熱体 においては、実施の形態1と同様の構造のも を用いた。

 例えば、電気絶縁性基材2は、ポリエステ ル繊維で作製されたファインエンボス加工し たもので、難燃剤が含浸処理された不織布を 用いることができる。

 一対の電極3,3’としては、線径0.06mmの3% を含む銀銅合金線を19本平行配置して得たも のであり、不織布上の所定位置に熱融着処理 し得た。電極3,3’とは直接接触しないように 高分子抵抗体4を同様に熱融着により配置し その後、電極3,3’及び高分子抵抗体4を接触 せるための導電層5,5’を熱融着することに り高分子発熱体1を得た。なお電極3,3’に給 電するためのリード線は省略した。

 このとき、高分子抵抗体4は実施の形態1 同様の方法で加工したものを使用した。

 導電層5,5’は、実施の形態1と同様のもの を用いた。

 本実施の形態において、高分子抵抗体4は PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上 昇し、所定の温度になるように自己温度調節 機能を有するようになり、温度コントロール が不要で安全性の高い面状発熱体としての機 能を有するようになる。

 また、自動車用座席装置に組み込まれる 状発熱体のカーシートヒーターとしては着 感や難燃性を満足することができる。

 着座感は、紙のような音鳴り感がなく、 席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5% 伸びに対して7kgf以下の荷重であることで満 できる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。

 チュービングヒータを発熱体とするもの 、温度制御器を必要として、ON-OFF制御で通 を制御して発熱温度を制御している。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体では、発熱温度が40℃~50 の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 傍に近接して配置することができる。発熱 度が低く、座席近傍であることより、速熱 と外部への放熱ロスを低減できることによ 省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材2に難燃性不織布を 用いて、また、高分子抵抗体4、導電層5,5’ 難燃剤を配合することで難燃性を実現でき 。

 難燃性は、高分子発熱体単品での自動車 内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 はもとより自己消火するものや、標線間の 焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 が10重量%以上あれば適合できることを確認 た。

 本実施の形態で得た高分子発熱体を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と50 ℃のヒートサイクル試験を実施した。

 その結果、それぞれ、500時間、200時間、2 00回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以 であった。

 この要因としては、反応性樹脂による架 反応により結晶性樹脂そのもの、および結 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起 していると考えられた。

 また本実施の形態では高分子抵抗体4と電 極3,3’が同一平面内では重ねあわない配置で 示したが、導電層5,5’を介して接触するよう な形態であれば積層された配置であっても構 わない。

 (実施の形態4)
 本発明の実施の形態4における高分子発熱体 においては、図1,2に示した実施の形態1と同 の構造のものを用いた。

 高分子抵抗体4は下記の材料、手順により 混練物を作成後、カレンダー加工によりフィ ルム状に加工したものを使用した。

 すなわち、高分子抵抗体4は、結晶性樹脂 として、エチレン・メタアクリル酸メチル共 重合体(商品名「アクリフトCM5021」、融点67℃ 、住友化学株式会社製)30部と、エチレン・メ タアクリル酸共重合体(商品名「ニュクレルN1 560」、融点90℃、三井・デュポンポリケミカ 株式会社製)30部と、エチレン・メタアクリ 酸共重合体金属配位物(商品名「ハイミラン 1702」、融点90℃、三井・デュポンポリケミカ 株式会社製)40部とで構成した。

 この結晶性樹脂35重量%と、反応性樹脂(商 品名「ボンドファースト7B」、住友化学株式 社製)2重量%と、2種類の導電体として、カー ボンブラック(商品名「プリンテックスL」、1 次粒子径21nm、デグサ株式会社製)25重量%と、 ラファイト(商品名「GR15」、鱗状黒鉛、日 黒鉛株式会社製)18重量%と、難燃剤(商品名「 レオフォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃 剤、味の素株式会社製)20重量%により混練物A 作製した。

 次に、エラストマーとして、スチレン系 可塑性エラストマー(商品名「タフテックM19 43」)、旭化成エンジニアリング株式会社製)40 重量%と、カーボンブラック(商品名「#10B」、 1次粒子径75nm、三菱化学株式会社製)45重量%と 、炭化タングステン(井澤金属(株)製)13重量% 、溶融張力向上剤として、メタアクリル酸 ルキル・アクリル酸アルキル共重合物と4フ 化エチレン共重合物との混合物(商品名「メ タブレンA3000」、三菱レイヨン株式会社製)2 量%から混練物Bを作製した。

 そして、混練物Aと混練物Bとを等量と、 型剤として変性シリコーンオイル2重量%と流 動性付与剤として、メタアクリル酸アルキル ・アクリル酸アルキル共重合物2重量%とを混 して高分子抵抗体4を作製した。

 導電層5,5’は、樹脂成分として、エチレ 酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレック スEV150」、三井・デュポンポリケミカル株式 社製)21重量%と、金属親和性を示す官能基と して無水マレイン酸を含む樹脂(商品名「ボ ダインLX4110」、エチレン-アクリル酸エステ -無水マレイン酸三元共重合樹脂、住友化学 株式会社製)10重量%を、導電体として、導電 ウィスカ(商品名「FTL-110」、針状酸化チタン 、石原産業株式会社製)40重量%、カーボンブ ック(商品名「プリンテックスL」、1次粒子 21nm、デグサ株式会社製)15重量%、難燃剤(商 名「レオフォスRDP」、リン酸エステル系液 難燃剤、味の素株式会社製)10重量%、反応性 加剤(商品名「パーヘキサ25B-40」、2,5-ジメ ル-2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキサン、日 油脂株式会社製)4重量%により混練物を得、 み100μmのフィルムを作成して得た。比抵抗 5ω・cmであった。

 この面状発熱体を構成する高分子発熱体1 は、図3,4に示したように、暖房用熱源として 自動車の座席装置6の座部7及び背もたれ8に基 材2側を上部として取り付けて使用されるも である。

 座部7及び背もたれ8の吊り込み部(図示せ )に対応するために中央部や周縁部に吊り込 むための耳部(基材2の延長部)が設けられるが 、ここでは省略している。

 また、このような高分子発熱体1を装着し た座部7及び背もたれ8は、一般的に座席に腰 けた人体による荷重がかかった時に変形し 荷重がかからなくなると復元するウレタン ット等の座席基材9と座席表皮10とを備えて る。従って、座部7及び背もたれ8の座席基 9上に高分子抵抗体4側を、座席表皮10に基材2 側を配置して取り付けられる薄い面状発熱体 である高分子発熱体1も、それらの変形に対 して相似の変形をしなければならない。

 そのために、種々の発熱パターンの設計 そのための電極3,3’並びに導電層5,5’の配 形状を変更する必要があることは言うまで ないが、ここでは省略している。

 電極3,3’は、相対向するように幅の広い 対(電気的に正側と負側)を高分子発熱体1の 手方向の外側部に沿って配置し、これに接 するように配設した導電層5,5’を介し、高 子抵抗体4に電流が流れ、発熱する。

 本実施の形態において、高分子抵抗体4は PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上 昇し、所定の温度になるように自己温度調節 機能を有するようになり、温度コントロール が不要で安全性の高い面状発熱体としての機 能を有するようになる。

 また、自動車の座席装置6に組み込まれる 面状発熱体のカーシートヒーターとしては着 座感や難燃性を満足することができる。

 着座感は、紙のような音鳴り感がなく、 席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5% 伸びに対して7kgf以下の荷重であることで満 できる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。

 チュービングヒータを発熱体とするもの 、温度制御器を必要として、ON-OFF制御で通 を制御して発熱温度を制御している。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮10とはある程度の距離をおい 配置する必要があるのに対して、本実施の 態の高分子発熱体1では、発熱温度が40℃~50 の範囲に自己制御されるので、座席表皮10 傍に近接して配置することができる。発熱 度が低く、座席近傍であることより、速熱 と外部への放熱ロスを低減できることによ 省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材2に難燃性不織布を 用いて、また、高分子抵抗体4、導電層5,5’ 難燃剤を配合することで難燃性を実現でき 。

 難燃性は、高分子発熱体1単品での自動車 用内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 性はもとより自己消火するものや、標線間の 燃焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 足する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 量が10重量%以上あれば適合できることを確認 した。

 本実施の形態で得た高分子発熱体1を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と5 0℃のヒートサイクル試験を実施した。

 その結果、それぞれ、500時間、200時間、2 00回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以 であった。

 この要因としては、反応性樹脂による架 反応により結晶性樹脂そのもの、および結 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起 していると考えられた。

 優れたPTC特性を発揮するために、複数の 電体を組み合わせることと、海島構成とす ことを本実施の形態では適用している。

 そのメカニズムの詳細は現時点では不明 あるが以下のように推察している。

 まず、PTC特性を有する抵抗体組成物とす ためには、用いる結晶性樹脂は、その融点 発熱飽和温度以上の近傍にあるものを選択 る必要がある。

 導電体としては、できるだけ少ない添加 で所定の抵抗値を達成することが求められ が、そうした導電体は一般的には導電性カ ボンブラックと呼ばれるもので、1次粒子径 が約20nm以下でストラクチャー(葡萄の房のよ に1次粒子の集合体のことをいう。吸油量で 相関付けられている)の発達した構造のもの あるが、そうした導電性カーボンブラック は一方で、PTC特性を発現しにくいという欠 を有していた。

 これは、導電性カーボンブラックではス ラクチャーが発達して、結晶性樹脂の温度 よる比容積の変化(これがPTC特性発現の主因 と言われている)によってもストラクチャー 導電パスが切断されにくいことによるとい れている。

 一方で、1次粒子径の大きいカーボンブラ ックは優れたPTC特性を有することを発明者ら は知見として得ていた。

 また、グラファイトのような導電体は、 ーボンブラックに比べるとさらに粒子径が きく、かつ鱗片のような層状構造を有する と、さらに、金属やセラミックなどの導電 は、粒子径が大きく、無定形の優れた導電 (小さい体積固有抵抗(カーボンやグラファ ト系の100分の1以下))を有することを発明者 は知見として得ていた。これらの複数の導 体を組み合わせることで、厚みが約100ミク ンメートル以下で、面積抵抗が400ω/□以下 比抵抗が3ω・cm以下の抵抗を有するとともに 、PTC特性のひとつの指標となる、温度に対す る抵抗値変化倍率において、20℃の抵抗値に する50℃の抵抗値の比が1.5以上、20℃の抵抗 値に対する80℃の抵抗値の比が5以上の抵抗体 組成物とすることができた。

 こうした低抵抗でありながら優れたPTC特 を発揮できたメカニズムの詳細は不明であ が、結晶性樹脂と複数の導電体を組み合わ たことによる新規な導電パスの形成と、難 剤を液状としたことで、液体の大きな熱膨 係数を利用することができたことによると えている。

 また、導電体の形状としてはウィスカ形 のものを用いて実施したが、球状やその他 ガ形状のものでも構わない。

 さらに本実施の形態では高分子抵抗体4と 電極3,3’が同一平面内では重ねあわない配置 で示したが、導電層5,5’を介して接触するよ うな形態であれば積層された配置であっても 構わない。

 (実施の形態5)
 実施の形態5における高分子発熱体において は、実施の形態4と同様の構造のものを用い 。

 例えば、電気絶縁性基材2は、ポリエステ ル繊維で作製されたファインエンボス加工し たもので、難燃剤が含浸処理された不織布を 用いることができる。

 一対の電極3,3’としては、線径0.08mmの錫 っき銅線を19本撚って得たものであり、不 布上の所定位置に熱融着処理し得た。

 電極3,3’とは直接接触しないように高分 抵抗体4を同様に熱融着により配置し、その 後、電極3,3’及び高分子抵抗体4を接触させ ための導電層5,5’を熱融着することにより 分子発熱体1を得た。なお、電極3,3’に給電 るためのリード線は省略した。

 このとき、高分子抵抗体4は実施の形態4 同様の方法で加工したものを使用した。

 導電層5,5’は、樹脂成分として、エチレ 酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレック スEV150」、三井・デュポンポリケミカル株式 社製)21重量%と、金属親和性を示す官能基を 含む樹脂(商品名「タフテックM1943」(水添ス レン系熱可塑性エラストマーの変性タイプ 旭化成株式会社製)9重量%を、導電体として 導電性ウィスカ(商品名「FTL-110」、針状酸化 チタン、石原産業株式会社製)30重量%、カー ンブラック(商品名「ファーネスブラック#10B 」、粒子径84nm、三菱化学株式会社製)25重量% 難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、リン酸エ ステル系液状難燃剤、味の素株式会社製)10重 量%、反応性添加剤(商品名「プレンアクトKR44 」、チタネート系カップリング剤、味の素フ ァインテクノ株式会社製)5重量%により混練物 を得、厚み100μmのフィルムを作成して得た。 比抵抗は6ω・cmであった。

 本実施の形態において、高分子抵抗体4は PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上 昇し、所定の温度になるように自己温度調節 機能を有するようになり、温度コントロール が不要で安全性の高い面状発熱体としての機 能を有するようになる。

 また、自動車用座席装置に組み込まれる 状発熱体のカーシートヒーターとしては着 感や難燃性を満足することができる。

 着座感は紙のような音鳴り感がなく、座 表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5%の びに対して7kgf以下の荷重であることで満足 きる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。

 チュービングヒータを発熱体とするもの 、温度制御器を必要として、ON-OFF制御で通 を制御して発熱温度を制御している。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体1では、発熱温度が40℃~50 ℃の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 近傍に近接して配置することができる。発熱 温度が低く、座席近傍であることより、速熱 性と外部への放熱ロスを低減できることによ る省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材2に難燃性不織布を 用いて、また、高分子抵抗体4、導電層5,5’ 難燃剤を配合することで難燃性を実現でき 。

 難燃性は、高分子発熱体1単品での自動車 用内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 性はもとより自己消火するものや、標線間の 燃焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 足する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 量が10重量%以上あれば適合できることを確認 した。

 本実施の形態で得た高分子発熱体1を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と5 0℃のヒートサイクル試験を実施した。

 その結果、それぞれ、500時間、200時間、2 00回後も抵抗値変化率はいずれも初期の30%以 であった。

 この要因としては、反応性樹脂による架 反応により結晶性樹脂そのもの、および結 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起 していると考えられた。

 また、本実施の形態では高分子抵抗体4と 電極3,3’が同一平面内では重ねあわない配置 で示したが、導電層5,5’を介して接触するよ うな形態であれば積層された配置であっても 構わない。

 (実施の形態6)
 実施の形態6における高分子発熱体において は、実施の形態4と同様の構造のものを用い 。

 例えば、電気絶縁性基材2は、ポリエステ ル繊維で作製されたファインエンボス加工し たもので、難燃剤が含浸処理された不織布を 用いることができる。

 一対の電極3,3’としては、線径0.06mmの3% を含む銀銅合金線を19本平行配置して得たも のであり、不織布上の所定位置に熱融着処理 し得た。

 電極3,3’とは直接接触しないように高分 抵抗体4を同様に熱融着により配置し、その 後、電極3,3’及び高分子抵抗体4を接触させ ための導電層5,5’を熱融着することにより 分子発熱体1を得た。なお、電極3,3’に給電 るためのリード線は省略した。

 このとき、高分子抵抗体4は実施の形態4 同様の方法で加工したものを使用した。

 導電層5,5’は、樹脂成分として、エチレ -メタクリレート共重合体(商品名「CG4002」 住友化学株式会社製)17重量%と、エチレン系 ポリマー(商品名「アクリフトWH206」(エチレ ン-メチルメタクリレート共重合体、三井住 化学株式会社製)7重両%を、導電体として、 電性ウィスカ(商品名「FTL-110」、針状酸化チ タン、石原産業株式会社製)40重量%、カーボ ブラック(商品名「ファーネスブラック#10B」 、粒子径84nm、三菱化学株式会社製)12重量%、 ーボンブラック(商品名「プリンテックスL 、1次粒子径21nm、デグサ株式会社製)12重量% 難燃剤(商品名「レオフォスRDP」、リン酸エ テル系液状難燃剤、味の素株式会社製)10重 %、反応性添加剤(商品名「プレンアクトKR44 、チタネート系カップリング剤、味の素フ インテクノ株式会社製)2重量%、溶融張力向 剤(商品名「メタブレンA-3000」、三菱レイヨ ン株式会社製)により混練物を得、厚み100μm フィルムを作成して得た。比抵抗は6ω・cmで あった。

 本実施の形態において、高分子抵抗体4は PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が上 昇し、所定の温度になるように自己温度調節 機能を有するようになり、温度コントロール が不要で安全性の高い面状発熱体としての機 能を有するようになる。

 また、自動車用座席装置に組み込まれる 状発熱体のカーシートヒーターとしては着 感や難燃性を満足することができる。

 着座感は紙のような音鳴り感がなく、座 表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5%の びに対して7kgf以下の荷重であることで満足 きる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。

 チュービングヒータを発熱体とするもの 、温度制御器を必要として、ON-OFF制御で通 を制御して発熱温度を制御している。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体1では、発熱温度が40℃~50 ℃の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 近傍に近接して配置することができる。発熱 温度が低く、座席近傍であることより、速熱 性と外部への放熱ロスを低減できることによ る省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材2に難燃性不織布を 用いて、また、高分子抵抗体4、導電層5,5’ 難燃剤を配合することで難燃性を実現でき 。

 難燃性は、高分子発熱体1単品での自動車 用内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不性 はもとより自己消火するものや、標線間の燃 焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満足 する必要があり、少なくとも難燃剤の充填量 が10重量%以上あれば適合できることを確認し た。

 本実施の形態で得た高分子発熱体1を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と5 0℃のヒートサイクル試験を実施した。その 果、それぞれ、500時間、200時間、200回後も 抗値変化率はいずれも初期の30%以内であっ 。

 この要因としては、反応性樹脂による架 反応により結晶性樹脂そのもの、および結 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起 していると考えられた。

 また、本実施の形態では高分子抵抗体4と 電極3,3’が同一平面内では重ねあわない配置 で示したが、導電層5,5’を介して接触するよ うな形態であれば積層された配置であっても 構わない。

 (実施の形態7)
 図5は、本発明の実施の形態7における高分 発熱体の概略構成図を示すものであり、図5( a)は平面図、図5(b)は図5(a)におけるX-Y断面図 図5(c)は図5(b)における破線部で囲んだ電極お よび導電部の拡大図である。図5において、 熱体51の構成は以下の通りである。高分子発 熱体51は、電気絶縁性基材52上に、一対の電 53、53’及び、高分子抵抗体54、及び導電層55 、55’を含む。

 例えば、電気絶縁性基材52は、ポリエス ル繊維で作製されたニードルパンチタイプ もので、難燃剤が含浸処理された不織布を いることができる。高分子抵抗体54を熱融着 により配置し、その後、導電層55、55’で予 被覆処理した電極53、53’を、電極53、53’と 高分子抵抗体54が直接接触することがないよ に導電層55、55’を熱融着させ高分子発熱体 51を得た。このとき電極53、53’としては、直 径0.06mmの錫メッキ銅線を19本撚って得たもの ある。なお電極53、53’に給電するためのリ ード線は省略した。

 このとき、高分子抵抗体54は下記の材料 手順により混練物を作成後、カレンダー加 によりフィルム状に加工したものを使用し 。

 高分子抵抗体54は、結晶性樹脂として、 チレン・メタアクリル酸メチル共重合体(商 名「アクリフトCM5021」、融点67℃、住友化 (株)製)30部と、エチレン・メタアクリル酸共 重合体(商品名「ニュクレルN1560」、融点90℃ 三井・デュポンポリケミカル(株)製)30部と エチレン・メタアクリル酸共重合体金属配 物(商品名「ハイミラン1702」、融点90℃、三 ・デュポンポリケミカ(株)製)40部とで構成 た。

 この結晶性樹脂35重量%と、反応性樹脂(商 品名「ボンドファースト7B」、住友化学(株) )2重量%と、2種類の導電体として、カーボン ラック(商品名「プリンテックスL」、1次粒 径21nm、デグサ社製)25重量%と、グラファイ (商品名「GR15」、鱗状黒鉛、日本黒鉛(株)製) 18重量%と、難燃剤(商品名「レオフォスRDP」 リン酸エステル系液状難燃剤、味の素(株)製 )20重量%により混練物Aを作製した。

 次に、エラストマーとして、スチレン系 可塑性エラストマー(商品名「タフテックM19 43」)、旭化成エンジニアリング(株)製)40重量% と、カーボンブラック(商品名「#10B」、1次粒 子径75nm、三菱化学株製)45重量%と炭化タング テン(井澤金属(株)製)13重量%と、溶融張力向 上剤として、メタアクリル酸アルキル・アク リル酸アルキル共重合物と4フッ化エチレン 重合物との混合物(商品名「メタブレンA3000 、三菱レイヨン(株)製)2重量%から混練物Bを 製した。

 そして、混練物Aと混練物Bとを等量と、 型剤として変性シリコーンオイル2重量%と流 動性付与剤として、メタアクリル酸アルキル ・アクリル酸アルキル共重合物2重量%とを混 して高分子抵抗体54を作製した。

 導電層55、55’は、樹脂成分として、エチ レン-メタクリレート共重合体(商品名「CG4002 、住友化学(株)製)17重量%と、エチレン系コ リマー(商品名「アクリフトWH206」(エチレン -メチルメタクリレート共重合体、三井住友 学(株)性)7重両%を、導電体として、導電性ウ ィスカ(商品名「FTL-110」、針状酸化チタン、 原産業(株)製)38重量%、カーボンブラック(商 品名「ファーネスブラック#10B」、粒子径84nm 三菱化学(株)製)12重量%、カーボンブラック( 商品名「プリンテックスL」、1次粒子径21nm、 デグサ社製)12重量%、難燃剤として(商品名「 オフォスRDP」、リン酸エステル系液状難燃 、味の素(株)製)10重量%、反応性添加剤とし (商品名「プレンアクトKR44」、チタネート カップリング剤、味の素ファインテクノ(株) 性)2重量%、溶融張力向上剤として(商品名「 タブレンA-3000」、三菱レイヨン(株))2重量%に より混練物を得た。これを錫メッキ銅からな る金属細線(直径0.05mm)を19本撚って得たもの 電極53、53’としたものと共押出成形し、電 部と導電層部が一体となった導電性被覆電 を得た。

 このとき導電層の比抵抗は1ω・cm、PTC特 としては20℃の抵抗値に対する80℃の抵抗値 率は、1.8、80℃における導電層抵抗値に対 る高分子抵抗体の抵抗値比率は2.0であった

 この面状発熱体を構成する高分子発熱体5 1は、図3および図4に示したように、座席暖房 用ヒータとして自動車の座席装置6である座 7及び背もたれ8に基材52側を上部として取り けて使用されるものである。

 座部7及び背もたれ8の吊り込み部(図示せ )に対応するために中央部や周縁部に吊り込 むための耳部(基材52の延長部)が設けられる 、ここでは省略している。

 また、このような高分子発熱体51を装着 た座部7及び背もたれ8は、一般的に座席に腰 掛けた人体による荷重がかかった時に変形し 、荷重がかからなくなると復元するウレタン パット等の座席基材9と座席表皮10を備えてい る。従って、座部7及び背もたれ8の座席基材9 上に高分子抵抗体54側を、座席表皮10に基材52 側を配置して取り付けられる薄い面状発熱体 である高分子発熱体51も、前記した座部7及び 背もたれ8の変形に対応して相似の変形をし ければならない。

 そのために、種々の発熱パターンの設計 そのための電極53、53’並びに導電層55、55 の配置形状を変更する必要があることは言 までもないが、ここでは省略している。

 電極53、53’は、相対向するように幅の広 い一対(電気的に正側と負側)を高分子発熱体5 1の長手方向の外側部に沿って配置し、これ 接触するように配設した導電層55、55’を介 、高分子抵抗体54に電流が流れ、発熱する

 本実施の形態において、高分子抵抗体54 PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が 昇し、所定の温度になるように自己温度調 機能を有するようになり、温度コントロー が不要で安全性の高い面状発熱体としての 能を有するようになる。

 また、自動車の座席装置6に組み込まれる 面状発熱体のカーシートヒーターとしては着 座感や難燃性を満足することができる。

 着座感は、紙のような音鳴り感がなく、 席表皮材と同等の伸び特性、すなわち、5% 伸びに対して7kgf以下の荷重であることで満 できる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。チュービングヒータを発熱体と るものは、温度制御器を必要として、ON-OFF 御で通電を制御して発熱温度を制御してい 。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体では、発熱温度が40℃~50 の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 傍に近接して配置することができる。発熱 度が低く、座席近傍であることより、速熱 と外部への放熱ロスを低減できることによ 省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材52に難燃性不織布 用いて、また、高分子抵抗体54、導電層55、5 5’に難燃剤を配合することで難燃性を実現 きる。

 難燃性は、高分子発熱体単品での自動車 内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 はもとより自己消火するものや、標線間の 焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 が10重量%以上あれば適合できることを確認 た。

 本実施の形態で得た高分子発熱体を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と50 ℃のヒートサイクル試験を実施した。その結 果、それぞれ、500時間、200時間、200回後も抵 抗値変化率はいずれも初期の30%以内であった 。この要因としては、反応性樹脂による架橋 反応により結晶性樹脂そのもの、および結晶 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起因 していると考えられた。そのメカニズムの詳 細は現時点では不明であるが以下のように推 察している。

 まず、PTC特性を有する抵抗体組成物とす ためには、用いる結晶性樹脂は、その融点 発熱飽和温度以上の近傍にあるものを選択 る必要がある。

 導電体としては、できるだけ少ない添加 で所定の抵抗値を達成することが求められ が、そうした導電体は一般的には導電性カ ボンブラックと呼ばれるもので、1次粒子径 が約20nm以下でストラクチャー(葡萄の房のよ に1次粒子の集合体のことをいう。吸油量で 相関付けられている)の発達した構造のもの あるが、そうした導電性カーボンブラック は一方で、PTC特性を発現しにくいという欠 を有していた。

 これは、導電性カーボンブラックではス ラクチャーが発達して、結晶性樹脂の温度 よる比容積の変化(これがPTC特性発現の主因 と言われている)によってもストラクチャー 導電パスが切断されにくいことによるとい れている。

 一方で、1次粒子径の大きいカーボンブラ ックは優れたPTC特性を有することを発明者ら は知見として得ていた。

 また、グラファイトのような導電体は、 ーボンブラックに比べるとさらに粒子径が きく、かつ鱗片のような層状構造を有する と、さらに、金属やセラミックなどの導電 は、粒子径が大きく、無定形の優れた導電 (小さい体積固有抵抗(カーボンやグラファ ト系の100分の1以下))を有することを発明者 は知見として得ていた。これらの複数の導 体を組み合わせることで、厚みが約100ミク ンメートル以下で、面積抵抗が400ω/□以下 比抵抗が3ω・cm以下の抵抗を有するとともに 、PTC特性のひとつの指標となる、温度に対す る抵抗値変化倍率において、20℃の抵抗値に する50℃の抵抗値の比が1.5以上、20℃の抵抗 値に対する80℃の抵抗値の比が5以上の抵抗体 組成物とすることができた。

 こうした低抵抗でありながら優れたPTC特 を発揮できたメカニズムの詳細は不明であ が、結晶性樹脂と複数の導電体を組み合わ たことによる新規な導電パスの形成と、難 剤を液状としたことで、液体の大きな熱膨 係数を利用することができたことによると えている。

 また、導電体の形状としてはウィスカ形 のものを用いて実施したが、球状やその他 ガ形状のものでも構わない。

 さらに本実施の形態では高分子抵抗体54 に導電層55、55’を介して電極53、53’を配置 したが、導電層を介して接触するような形態 であればどのような配置であっても構わない 。

 (実施の形態8)
 図6は、本発明の実施の形態8における高分 発熱体の概略構成図を示すものであり、図6( a)は平面図、図6(b)は図6(a)におけるX-Y断面図 図6(c)は図6(b)における破線部で囲んだ電極お よび導電部の拡大図である。図6において、 熱体61の構成は以下の通りである。高分子発 熱体61は、電気絶縁性基材62上に、一対の電 63、63’及び、高分子抵抗体64、及び導電層65 、65’を含む。

 例えば、電気絶縁性基材62は、ポリエス ル繊維で作製されたニードルパンチタイプ もので、難燃剤が含浸処理された不織布を いることができる。導電層65、65’で予め被 処理した電極63、63’を、電極63、63’と高 子抵抗体64が直接接触することがないように 導電層65、65’を電気絶縁性基材62に所定の間 隔を保持しながら熱融着させ、その上に高分 子抵抗体64を熱融着により配置し、高分子発 体61を得た。このとき電極63、63’としては 直径0.06mmの銀銅合金線を19本撚って得たも である。なお電極63、63’に給電するための ード線は省略した。また図6では、高分子抵 抗体64は、電気絶縁性基材62と離れたように 示されているが、実際は電極63、63’同士の 隔が充分に広いこと(少なくとも50mm以上、 ましくは100mm~200mm程度)と、導電層65、65’の みが薄いため(少なくとも0.01mm以上、好まし くは0.1~0.5mm程度)、充分電気絶縁性基材上に 融着されることとなる。

 このとき、高分子抵抗体64は実施の形態7 同様の方法で加工したものを使用した。

 導電層65、65’は、樹脂成分として、エチ レン酢酸ビニル共重合体(商品名「エバフレ クスEV150」、三井・デュポンポリケミカル( )製)21重量%と、金属親和性を示す官能基を含 む樹脂(商品名「タフテックM1943」(水添スチ ン系熱可塑性エラストマーの変性タイプ、 化成(株)製)9重量%を、導電体として、導電性 ウィスカ(商品名「FTL-110」、針状酸化チタン 石原産業(株)製)40重量%、カーボンブラック( 商品名「ファーネスブラック#10B」、粒子径84 nm、三菱化学(株)製)15重量%、難燃剤として(商 品名「レオフォスRDP」、リン酸エステル系液 状難燃剤、味の素(株)製)10重量%、反応性添加 剤として(商品名「プレンアクトKR44」、チタ ート系カップリング剤、味の素ファインテ ノ(株)性)5重量%により混練物を得た。これ 銀銅合金からなる金属細線(直径0.06mm)を19本 って得たものを電極63、63’としたものと共 押出成形し、電極部と導電層部が一体となっ た導電性被覆電極を得た。

 このとき導電層の比抵抗は2ω・cm、PTC特 としては20℃の抵抗値に対する80℃の抵抗値 率は、2.5、80℃における導電層抵抗値に対 る高分子抵抗体の抵抗値比率は1.5であった

 本実施の形態において、高分子抵抗体64 PTC特性を有し、温度が上昇すると抵抗値が 昇し、所定の温度になるように自己温度調 機能を有するようになり、温度コントロー が不要で安全性の高い面状発熱体としての 能を有するようになる。

 また、自動車用座席装置に組み込まれる 状発熱体のカーシートヒーターとしては着 感や難燃性を満足することができる。

 着座感は、紙のような音鳴り感がなく、 席表皮材と同等の伸び特性、すなわち5%の びに対して7kgf以下の荷重であることで満足 きる。

 また、PTC特性を有する面状発熱体として 熱性と省エネ性を、従来のチュービングヒ タを発熱体とするものに比べて発揮するこ ができる。チュービングヒータを発熱体と るものは、温度制御器を必要として、ON-OFF 御で通電を制御して発熱温度を制御してい 。

 ON時のヒータ線温度は約80℃まで上昇する ため、座席表皮材とはある程度の距離をおい て配置する必要があるのに対して、本実施の 形態の高分子発熱体では、発熱温度が40℃~50 の範囲に自己制御されるので、座席表皮材 傍に近接して配置することができる。発熱 度が低く、座席近傍であることより、速熱 と外部への放熱ロスを低減できることによ 省エネ性を実現できる。

 また、電気絶縁性基材62に難燃性不織布 用いて、また、高分子抵抗体64、導電層65、6 5’に難燃剤を配合することで難燃性を実現 きる。

 難燃性は、高分子発熱体単品での自動車 内装材難燃規格FMVSS302規格(水平着火で不燃 はもとより自己消火するものや、標線間の 焼速度が80mm/min以下であれば適合する)を満 する必要があり、少なくとも難燃剤の充填 が10重量%以上あれば適合できることを確認 た。

 本実施の形態で得た高分子発熱体を、80 炉中放置試験、150℃炉中放置試験、-20℃と50 ℃のヒートサイクル試験を実施した。その結 果、それぞれ、500時間、200時間、200回後も抵 抗値変化率はいずれも初期の30%以内であった 。この要因としては、反応性樹脂による架橋 反応により結晶性樹脂そのもの、および結晶 性樹脂と導電体との結合を図ったことに起因 していると考えられた。

 さらに本実施の形態8では高分子抵抗体64 下に導電層65、65’を介して電極63、63’を 置したが、導電層を介して接触するような 態であればどのような配置であっても構わ い。

 また、本実施の形態7及び8においては、 抗体の上側の保護層を省略した形で図示し が、耐水性や耐摩耗性を考慮した上でそれ 上側の保護層を設けていても構わない。

 なお、本発明は、本発明の趣旨ならびに 囲を逸脱することなく、明細書の記載、並 に周知の技術に基づいて、当業者が様々な 更、応用することも本発明の予定するとこ であり、保護を求める範囲に含まれる。

 本出願は、2008年2月18日出願の日本特許出 願(特願2008-035583)、2008年10月16日出願の日本特 許出願(特願2008-267014)、2008年12月12日出願の日 本特許出願(特願2008-316382)、に基づくもので り、その内容はここに参照として取り込ま る。

 以上のように、本発明にかかる高分子発 体は、柔軟性に富み、信頼性が高く、暖房 発熱体として自動車の座席装置、ハンドル 置、その他の部位の暖房に供することがで るものである。




 
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