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Title:
AMORPHOUS SILICEOUS POWDER, PROCESS FOR PRODUCTION THEREOF, RESIN COMPOSITION, AND SEMICONDUCTOR ENCAPSULATION MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154186
Kind Code:
A1
Abstract:
A semiconductor encapsulation material which exhibits a low viscosity and further improved moldability in encapsulation even when highly loaded with an inorganic filler; an amorphous siliceous powder suitable for the preparation of a resin composition useful as the encapsulation material; and a process for the production of the amorphous siliceous powder. An amorphous siliceous powder having a content of Si and Al of 99.5mass% or above in terms of oxides, wherein the Al content in the particle size region of 15μm to less than 70μm is 100 to 30000ppm in terms of oxides; the Al content in the particle size region of 3μm to less than 15μm is 100 to 7000ppm in terms of oxides; and the Al content in the whole particle size region is 100 to 25000ppm in terms of oxides.  It is preferable that the (A)/(B) ratio of the Al content (A) in the particle size region of 15μm to less than 70μm to the Al content (B) in the particle size region of 3μm to less than 15μm be 1.0 to 20.

Inventors:
NISHI YASUHISA (JP)
SASAKI SYUJI (JP)
MURATA HIROSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/060914
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
June 16, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DENKI KAGAKU KOGYO KK (JP)
NISHI YASUHISA (JP)
SASAKI SYUJI (JP)
MURATA HIROSHI (JP)
International Classes:
C01B33/18; C08K3/36; C08L63/00; C08L101/00; C09K3/10; H01L23/29; H01L23/31
Domestic Patent References:
WO2007132771A12007-11-22
WO2007125891A12007-11-08
Foreign References:
JP2005239892A2005-09-08
JPH02227451A1990-09-10
JP2004059343A2004-02-26
Attorney, Agent or Firm:
SHOBAYASHI, Masayuki et al. (JP)
Right wood Masayuki (JP)
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Claims:
 15μm以上70μm未満の粒度域のAl含有量が酸化物換算で100~30000ppm、3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有量が酸化物換算で100~7000ppmであり、全粒度域のAl含有量が酸化物換算で100~25000ppmである、Si及びAlの酸化物換算の含有率が99.5質量%以上の非晶質シリカ質粉末。
 3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有量(B)に対する15μm以上70μm未満の粒度域のAl含有量(A)の比(A)/(B)が1.0~20である請求項1に記載の非晶質シリカ質粉末。
 頻度粒度分布において少なくとも二つの山を持つ多峰性の粒度分布を有し、第一の山の極大値が15~70μmの粒度域内、第二の山の極大値が3~10μmの粒度域内にあり、平均粒子径が5~50μmである請求項1又は2に記載の非晶質シリカ質粉末。
 可燃ガスと助燃ガスとによって形成された高温火炎中に、Al源物質を含む原料シリカ質粉末を噴射して製造する非晶質シリカ質粉末の製造方法であって、Al源物質のAl含有量が酸化物換算で100~30000ppmである平均粒子径が15~70μmの原料シリカ質粉末と、Al源物質のAl含有量が酸化物換算で100~7000ppmである平均粒子径が3~10μmの原料シリカ質粉末を別々のバーナーから噴射する請求項1~3のいずれか一項に記載の非晶質シリカ質粉末の製造方法。
 請求項1~3のいずれか一項に記載の非晶質シリカ質粉末と、樹脂とを含有してなる樹脂組成物。
 樹脂がエポキシ樹脂である請求項5に記載の樹脂組成物。
 請求項5又は6に記載の樹脂組成物を用いた半導体封止材。
Description:
非晶質シリカ質粉末、その製造 法、樹脂組成物、及び半導体封止材

 本発明は、非晶質シリカ質粉末、その製 方法及びその用途に関する。

 近年、地球環境保全への意識の高まりか 、半導体素子の封止に用いられる半導体封 材には、環境負荷の大きいアンチモン化合 や臭素化エポキシ樹脂などの有害な難燃剤 使用せずに難燃性を付与すること、鉛を含 しない鉛フリーハンダへの耐熱性を付与す ことなどが求められている。半導体封止材 主に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬化 、硬化促進剤、無機質充填材などから構成 れるが、上記のような要求特性を満たすた に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などに 香環を多く含む難燃性、耐熱性の高い構造 ものを適用する方法、無機質充填材を高充 する方法などがとられ、半導体封止材の封 時の粘度が上昇する傾向にある。

 一方、電子機器の小型軽量化、高性能化 要求に対応して、半導体の内部構造は、素 の薄型化、金線の小径化、ロングスパン化 配線ピッチの高密度化が急速に進展してい 。このような半導体を、高粘度化した半導 封止材を用いて封止すると、金線変形、金 切断、半導体素子の傾斜、狭隙未充填など 不良を増大させる結果となる。このため、 導体封止材には、難燃性を付与しつつ、封 時の粘度を低下させ、成形不良を低減する とが強く求められている。

 これらの要求を満たすべく、半導体封止 に使用するエポキシ樹脂やフェノール樹脂 化剤を改良する手法などによって、低粘度 を図り、成形性を向上させるといった手法 とられている(特許文献1、2)。また、硬化促 進剤側からの改良としては、エポキシ樹脂の 硬化開始温度を上昇させる目的で、硬化性を 抑制する成分を用いて反応性の基質を保護す る、いわゆる潜在化と呼ばれる手法がとられ ている(特許文献3、4)。無機質充填材側から 改良としては、高充填しても封止材の粘度 上昇しないように、粒度分布を調整する方 などがとられている(特許文献5、6)。しかし がら、これらの手法では低粘度効果、成形 向上効果は十分ではなく、無機質充填材を 充填でき、かつ封止時の粘度を低下させ、 形性を更に向上させた半導体封止材は未だ い。

特開2007-231159号公報

特開2007-262385号公報

特開2006-225630号公報

特開2002-284859号公報

特開2005-239892号公報

WO/2007/132771号公報

 本発明の目的は、無機質充填材を高充填 ても、封止時の粘度が低く、成形性を更に 上させた樹脂組成物、特に半導体封止材を 供することであり、その調製に好適な非晶 シリカ質粉末を提供することである。

 本発明は、15μm以上70μm未満の粒度域のAl 有量が酸化物換算で100~30000ppm、3μm以上15μm 満の粒度域のAl含有量が酸化物換算で100~7000 ppmであり、全粒度域のAl含有量が酸化物換算 100~25000ppmである、Si及びAlの酸化物換算の含 有率が99.5質量%以上の非晶質シリカ質粉末で る。本発明においては、3μm以上15μm未満の 度域のAl含有量(B)に対する15μm以上70μm未満 粒度域のAl含有量(A)の比(A)/(B)が1.0~20である とが好ましい。また、頻度粒度分布におい 少なくとも二つの山を持つ多峰性の粒度分 を有し、第一の山の極大値が15~70μmの粒度 内、第二の山の極大値が3~10μmの粒度域内に り、平均粒子径が5~50μmであることが好まし い。

 さらに、本発明は、可燃ガスと助燃ガス によって形成された高温火炎中に、Al源物 を含む原料シリカ質粉末を噴射して製造す 非晶質シリカ質粉末の製造方法であって、Al 源物質のAl含有量が酸化物換算で100~30000ppmで る平均粒子径が15~70μmの原料シリカ質粉末 、Al源物質のAl含有量が酸化物換算で100~7000pp mである平均粒子径が3~10μmの原料シリカ質粉 を別々のバーナーから噴射することを特徴 する本発明の非晶質シリカ質粉末の製造方 である。

 さらに、本発明は、本発明の非晶質シリ 質粉末と、樹脂とを含有してなる樹脂組成 である。樹脂組成物に用いる樹脂としては エポキシ樹脂が好ましい。さらに、本発明 、これらの樹脂組成物を用いた半導体封止 である。

 本発明によれば、流動性、粘度特性、成 性に優れた樹脂組成物、特に半導体封止材 提供することができる。また、そのような 脂組成物を調製するのに好適な非晶質シリ 質粉末を提供することができる。

 本発明の非晶質シリカ質粉末は、15μm以 70μm未満の粒度域のAl含有量が酸化物換算で1 00~30000ppm、3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有 が酸化物換算で100~7000ppmであり、全粒度域の Al含有量が酸化物換算で100~25000ppmである。各 度域、及び全粒度域のAl含有量を上述の範 にすることにより、流動性、粘度特性、成 性に優れた封止材を調製することが可能と る。

 本発明による効果の発現理由を説明すれ 以下のとおりである。すなわち、シリカの 造中、例えば-O-Si-O-Al-O-Si-O-のように、Siの 置にAlが置換すると、Siの配位数とAlの配位 との違いから、その点が強力な固体酸点と る。半導体封止材には、非晶質シリカ質粉 以外に、エポキシ樹脂、フェノール樹脂硬 剤、硬化促進剤が使用される。半導体封止 を一般的な熱硬化温度(成形温度)150℃~200℃ 度に加熱すると、硬化促進剤によりフェノ ル樹脂硬化剤のプロトンが引き抜かれ、エ キシ樹脂とフェノール樹脂硬化剤とのアニ ン重合連鎖反応が進行し、封止材が熱硬化 ていく。本発明の非晶質シリカ質粉末を使 した場合、加熱により、固体酸点に配位し いたプロトンが放出される。このプロトン アニオン重合末端に結合し、重合連鎖反応 一時停止する結果、封止材における熱硬化 応が遅延するという現象が起こる。すなわ 、本発明の非晶質シリカ質粉末により、封 材中の樹脂の熱硬化反応を遅延させること 可能となり、成型時の流動性、粘度特性に れた封止材を調製することができる。

 15μm以上70μm未満の粒度域のAl含有量が酸化 換算で100ppm未満であると、固体酸点の形成 が少なくなるために、樹脂の熱硬化反応を 延させる効果が不十分となる。一方、Al含 量が酸化物換算で30000ppmを超えると、非晶質 シリカ質粉末表面がほぼ完全にAl 2 O 3 で覆われる状態となるため、やはり固体酸点 の形成量が少なくなり、樹脂の熱硬化反応を 遅延させる効果が不十分となる。15μm以上70μ m未満の粒度域の好ましいAl含有量は酸化物換 算で500~20000ppm、さらに好ましくは1000~15000ppm ある。

 3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有量が酸 物換算で100ppm未満であると、固体酸点の形 量が少なくなるために、樹脂の熱硬化反応 遅延させる効果が不十分となる。一方、7000p pmを超えると、非晶質シリカ質粉末表面に配 したエポキシ鎖の数が多くなるため、非晶 シリカ質粉末の転がり抵抗が大きくなり、 形時の流動性、粘度特性が悪化する。なお 15μm以上70μm未満の粒度域においても非晶質 シリカ質粉末表面にエポキシ鎖が配位するが 、粒子自体の質量が大きいため、エポキシ鎖 の配位による転がり抵抗の影響を無視するこ とが出来るのに対し、3μm以上15μm未満の粒度 域においては、粒子の質量が小さいためにエ ポキシ鎖の配位による転がり抵抗の影響を大 きく受ける。すなわち、エポキシ鎖の配位に よる転がり抵抗の増大の影響よりも、固体酸 形成による樹脂の熱硬化反応を遅延させる効 果がより大きく発現するように、3μm以上15μm 未満の粒度域においては、Al含有量を酸化物 算で100~7000ppmにすることが重要である。3μm 上15μm未満の粒度域の好ましいAl含有量は酸 化物換算で200~5000ppm、さらに好ましくは350~300 0ppmである。

 全粒度域のAl含有量が酸化物換算で100ppm 満であると、固体酸点の形成量が少なくな ために、樹脂の熱硬化反応を遅延させる効 が不十分となる。25000ppmを超えると、樹脂等 に高充填させたときに増粘し、流動性と成形 性が悪化する。更に、樹脂との混合時に使用 するニーダー、ロールや、成型時に用いる金 型の磨耗も激しくなるので好ましくない。全 粒度域の好ましいAl含有量は300~18000ppm、さら 好ましくは500~12000ppmである。

 本発明の非晶質シリカ質粉末は、Si及びAlの 酸化物換算の含有率が99.5質量%以上である。S i及びAlの酸化物換算の含有率が99.5質量%未満 すなわち、SiO 2 及びAl 2 O 3 以外の含有率が0.5質量%を超えると、半導体 止材とした際に、必要でない不純物となる 質が増えてしまうため、好ましくない。例 ば不純物の一部がイオンとなり溶出し成形 に悪影響を与えるおそれがある。Si及びAlの 化物換算の含有率は、好ましくは99.6質量% 上、さらに好ましくは99.7質量%以上である。

 本発明の非晶質シリカ質粉末のAl、及びSiの 酸化物換算の含有率は、例えば蛍光X線分析 で測定することが出来る。すなわち、非晶 シリカ質粉末1gに四ホウ酸リチウム5g及び剥 剤(50%臭化リチウム水溶液)30μlを加えて、110 0℃で20分間溶融し、ガラスビードを作成する 。これを蛍光X線装置(例えば理学電機工業社 「Primus2」)を用いて測定し、SiO 2 又はAl 2 O 3 の標準試料から作成した検量線からそれぞれ の含有率の定量を行った。X線管球としてロ ウム(Rh)を使用し、直径30mmの照射径、3.0kWの 力で測定を行った。なお、各粒度域のAl含 量を測定する際は、目開き70μmの篩、目開き 15μmの篩を用いた篩い操作、及び孔径3μmのメ ンブランフィルターを用いたろ過操作の組合 せによって15μm以上70μm未満の粒度域、及び 3μm以上15μm未満の粒度域の非晶質シリカ質 末を回収し、それぞれの粒度域における定 を行った。

 本発明の非晶質シリカ質粉末は、3μm以上 15μm未満の粒度域のAl含有量(B)に対する15μm以 上70μm未満の粒度域のAl含有量(A)の比、(A)/(B) 1.0~20であることがより好ましい。(A)/(B)が1.0 未満であると15μm以上70μm未満の粒度域のAl含 有量よりも3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有 の方が多いことを意味し、この場合、上述 た3μm以上15μm未満の粒度域の粒子のエポキ 鎖の配位による転がり抵抗の増大の影響が 著となり好ましくない。(A)/(B)が20を超える 、15μm以上70μm未満の粒度域のAl含有量の方 3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有量よりも20 倍を超えて多くなることを意味し、各粒度域 の固体酸点の偏析により、半導体封止材とし た際の非晶質シリカ質粉末の分散性が悪くな り、成形性を悪化させるおそれがあるため好 ましくない。好ましい(A)/(B)比は1.5~17、さら 好ましくは2.0~15である。

 本発明の非晶質シリカ質粉末は、頻度粒 分布において少なくとも二つの山を持つ多 性の粒度分布を有するものであることがよ 好ましい。すなわち、レーザー回折散乱式 度分布測定機(「モデルLS-230」(ベックマン ールター社製))にて測定された粒度において 、少なくとも二つの山を持つ多峰性の粒度分 布を有し、第一の山の極大値が15~70μmの粒度 内、第二の山の極大値が3~10μmの粒度域内に あることが好ましい。これによって、非晶質 シリカ質粉末の密充填構造の形成が容易とな り、成型時の流動性、粘度特性を向上するこ とが更に容易となる。また、本発明の非晶質 シリカ質粉末は、平均粒子径が5~50μmである とが好ましい。平均粒子径が5μm未満である 成形性が悪化するので好ましくない。一方 50μmを超えると半導体チップの損傷、ワイ ー切断、金型ゲート部詰まりなどを起こす れが高くなる。好ましい平均粒子径は8~40μm 特に10~35μmである。また、最大粒子径は、21 3μm以下であることが好ましく、更に好まし は134μm以下である。

 レーザー回折散乱式粒度分布測定用試料 調製は、媒体に水を用い、PIDS(Polarization Int ensity Differential Scattering)濃度を45~55質量%に調 整し、200W出力の超音波ホモジナイザーに1分 かけて行った。粒度分布の解析は0.04~2000μm 範囲を粒子径チャンネルがlog(μm)=0.04の幅で 116分割にして行った。水の屈折率には1.33を い、非晶質シリカ質粉末の屈折率には1.46を いた。測定した粒度分布において、累積質 が50%となる粒子径が平均粒子径、累積質量 100%となる粒子径が最大粒子径である。

 本発明の非晶質シリカ質粉末は、下記方 で測定された非晶質率が95%以上であること 好ましい。非晶質率は、粉末X線回折装置( えばRIGAKU社製商品名「モデルMini Flex」)を用 い、CuKα線の2θが26°~27.5°の範囲においてX線 折分析を行い、特定回折ピークの強度比か 測定した。シリカ粉末の場合、結晶質シリ は、26.7°に主ピークが存在するが、非晶質 リカではピークは存在しない。非晶質シリ と結晶質シリカが混在していると、結晶質 リカの割合に応じた26.7°のピーク高さが得 れるので、結晶質シリカ標準試料のX線強度 に対する試料のX線強度の比から、結晶質シ カ混在比(試料のX線回折強度/結晶質シリカ X線回折強度)を算出し、式、非晶質率(%)=(1- 晶質シリカ混在比)×100から非晶質率を求め 。

 本発明の非晶質シリカ質粉末の平均球形度 0.80以上であることが好ましい。これによっ て、半導体封止材中の転がり抵抗が小さくな り、流動性、成形性を向上させることができ る。平均球形度は、実体顕微鏡(例えばニコ 社製商品名「モデルSMZ-10型」)等にて撮影し 粒子像を画像解析装置(例えばマウンテック 社製商品名「MacView」)に取り込み、写真から 子の投影面積(A)と周囲長(PM)から測定する。 周囲長(PM)に対応する真円の面積を(B)とする 、その粒子の球形度はA/Bとなるので、試料 周囲長(PM)と同一の周囲長を持つ真円を想定 ると、PM=2πr、B=πr 2 であるから、B=π×(PM/2π) 2 となり、個々の粒子の球形度は、球形度=A/B=A ×4π/(PM) 2 となる。このようにして得られた任意の粒子 200個の球形度を求め、その平均値を平均球形 度とした。球形度の上記以外の測定方法とし て、粒子像分析装置(例えばシスメックス社 商品名「モデルFPIA-3000」)にて定量的に自動 測された個々の粒子の円形度を用い、式、 形度=(円形度) 2 に基づいて換算して求めることも挙げられる 。

 次に、本発明の非晶質シリカ質粉末の製 方法について説明する。本発明の製造方法 、可燃ガスと助燃ガスとによって形成され 高温火炎中に、Al源物質を含む原料シリカ 粉末を噴射して製造する非晶質シリカ質粉 の製造方法であって、Al源物質のAl含有量が 化物換算で100~30000ppmである平均粒子径が15~7 0μmの原料シリカ質粉末と、Al源物質のAl含有 が酸化物換算で100~7000ppmである平均粒子径 3~10μmの原料シリカ質粉末を別々のバーナー ら噴射することを特徴とする非晶質シリカ 粉末の製造方法である。本発明の製造方法 得られる非晶質シリカ質粉末の平均粒子径 Al源物質のAl含有量は、原料シリカ質粉末の 平均粒子径、及びAl含有量と、ほぼ同程度と る。そのため、原料シリカ質粉末の平均粒 径とAl源物質のAl含有量は上述した範囲を逸 脱すると、本発明の非晶質シリカ質粉末を製 造することが困難となる。また、平均粒子径 が15~70μm及び3~10μmの原料シリカ質粉末が上述 した範囲のAl含有量のAl源物質を含んでいて 、それらを同じバーナーから噴射すると、Al 源物質の拡散により、15μm以上70μm未満の粒 域のAl含有量が酸化物換算で100~30000ppm、3μm 上15μm未満の粒度域のAl含有量が酸化物換算 100~7000ppmである本発明の非晶質シリカ質粉 の要件を満足することが困難となる。

 原料シリカ質粉末には、高純度珪石、高 度珪砂、石英、水晶など天然に産出するシ カ含有鉱物の粉末や、沈降シリカ、シリカ ルなど合成法により製造された高純度シリ 粉末などを使用することができるが、コス や入手のしやすさを考慮すると、珪石粉末 最も好ましい。珪石粉末は、振動ミル、ボ ルミルなどの粉砕機で粉砕された、様々な 子径のものが市販されており、所望の平均 子径の珪石粉末を適宜選択すればよい。

 本発明においては、Al源物質が酸化アル ニウム粉末であることが好ましい。Al源物質 としては、酸化アルミニウム、水酸化アルミ ニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウ ム、アルミニウム有機化合物などが挙げられ るが、酸化アルミニウムが原料シリカ質粉末 の融点と近いため、バーナーから噴射した際 に原料シリカ質粉末の表面に融着しやすく、 不純物含有率も少ないため最も好ましい。ま た、酸化アルミニウム粉末の平均粒子径は0.0 1~10μmであることが好ましい。平均粒子径が0. 01μm未満だと粉末が凝集しやすく、シリカ質 末と融着した際の組成が不均質になる傾向 あり、同様に10μmを超えてもシリカ質粉末 融着した際の組成が不均質になる。好まし 平均粒子径の範囲は、0.03~8μm、さらに好ま くは0.05~5μmである。

 可燃ガスと助燃ガスとによって形成され 高温火炎中に、Al源物質を含む原料シリカ 粉末を噴射して製造する装置としては、例 ばバーナーを備えた炉体に捕集装置が接続 れたものが使用される。炉体は、開放型ま は密閉型、あるいは縦型、横型のいずれで っても良い。捕集装置には、重力沈降室、 イクロン、バッグフィルター、電気集塵機 の一つ以上が設けられ、その捕集条件を調 することによって、製造した非晶質シリカ 粉末を捕集することができる。その一例を せば、特開平11-57451号公報、特開平11-71107号 報などである。

 本発明の樹脂組成物は、本発明の非晶質 リカ質粉末と、樹脂とを含有してなる樹脂 成物である。樹脂組成物中の非晶質シリカ 粉末の含有率は10~95質量%であり、さらに好 しくは30~90質量%である。

 樹脂としては、エポキシ樹脂、シリコー 樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユ ア樹脂、不飽和ポリエステル、フッ素樹脂 ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー ルイミド等のポリアミド、ポリブチレンテ フタレート、ポリエチレンテレフタレート のポリエステル、ポリフェニレンスルフィ 、芳香族ポリエステル、ポリスルホン、液 ポリマー、ポリエーテルスルホン、ポリカ ボネイト、マレイミド変成樹脂、ABS樹脂、A AS(アクリロニトリルーアクリルゴム・スチレ ン)樹脂、AES(アクリロニトリル・エチレン・ ロピレン・ジエンゴム-スチレン)樹脂等を 用することができる。

 これらの中、半導体封止材を調製するた には、1分子中にエポキシ基を2個以上有す エポキシ樹脂が好ましい。それを例示すれ 、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、 ルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂 フェノール類とアルデヒド類のノボラック 脂をエポキシ化したもの、ビスフェノールA ビスフェノールF及びビスフェノールSなど グリシジルエーテル、フタル酸やダイマー などの多塩基酸とエポクロルヒドリンとの 応により得られるグリシジルエステル酸エ キシ樹脂、線状脂肪族エポキシ樹脂、脂環 エポキシ樹脂、複素環式エポキシ樹脂、ア キル変性多官能エポキシ樹脂、β-ナフトー ノボラック型エポキシ樹脂、1,6-ジヒドロキ ナフタレン型エポキシ樹脂、2,7-ジヒドロキ シナフタレン型エポキシ樹脂、ビスヒドロキ シビフェニル型エポキシ樹脂、更には難燃性 を付与するために臭素などのハロゲンを導入 したエポキシ樹脂等である。中でも、耐湿性 や耐ハンダリフロー性の点からは、オルソク レゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスヒ ドロキシビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタ レン骨格のエポキシ樹脂等が好適である。

 本発明の樹脂組成物は、エポキシ樹脂の 化剤、又はエポキシ樹脂の硬化剤とエポキ 樹脂の硬化促進剤を含むものである。エポ シ樹脂の硬化剤としては、例えばフェノー 、クレゾール、キシレノール、レゾルシノ ル、クロロフェノール、t-ブチルフェノー 、ノニルフェノール、イソプロピルフェノ ル、オクチルフェノール等の群から選ばれ 1種又は2種以上の混合物をホルムアルデヒド 、パラホルムアルデヒド又はパラキシレンと ともに酸化触媒下で反応させて得られるノボ ラック型樹脂、ポリパラヒドロキシスチレン 樹脂、ビスフェノールAやビスフェノールS等 ビスフェノール化合物、ピロガロールやフ ログルシノール等の3官能フェノール類、無 水マレイン酸、無水フタル酸や無水ピロメリ ット酸等の酸無水物、メタフェニレンジアミ ン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ フェニルスルホン等の芳香族アミン等をあげ ることができる。エポキシ樹脂と硬化剤との 反応を促進させるために、上記した例えばト リフェニルホスフィン、ベンジルジメチルア ミン、2-メチルイミダゾール等の硬化促進剤 使用することができる。

 本発明の樹脂組成物には、更に以下の成分 必要に応じて配合することができる。すな ち、低応力化剤として、シリコーンゴム、 リサルファイドゴム、アクリル系ゴム、ブ ジエン系ゴム、スチレン系ブロックコポリ ーや飽和型エラストマー等のゴム状物質、 種熱可塑性樹脂、シリコーン樹脂等の樹脂 物質、更にはエポキシ樹脂、フェノール樹 の一部又は全部をアミノシリコーン、エポ シシリコーン、アルコキシシリコーンなど 変性した樹脂など、シランカップリング剤 して、γ-グリシドキシプロピルトリメトキ シラン、β-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エ ルトリメトキシシラン等のエポキシシラン アミノプロピルトリエトキシシラン、ウレ ドプロピルトリエトキシシラン、N-フェニ アミノプロピルトリメトキシシラン等のア ノシラン、フェニルトリメトキシシラン、 チルトリメトキシシラン、オクタデシルト メトキシシラン等の疎水性シラン化合物や ルカプトシランなど、表面処理剤として、Zr キレート、チタネートカップリング剤、アル ミニウム系カップリング剤など、難燃助剤と して、Sb 2 O 3 、Sb 2 O 4 、Sb 2 O 5 など、難燃剤として、ハロゲン化エポキシ樹 脂やリン化合物など、着色剤として、カーボ ンブラック、酸化鉄、染料、顔料など、更に は離型剤として、天然ワックス類、合成ワッ クス類、直鎖脂肪酸の金属塩、酸アミド類、 エステル類、パラフィンなどである。

 本発明の樹脂組成物は、上記各材料の所 量をブレンダーやヘンシェルミキサー等に りブレンドした後、加熱ロール、ニーダー 一軸又は二軸押し出し機等により混練した のを冷却後、粉砕することによって製造す ことができる。

 本発明の半導体封止材は、樹脂組成物が ポキシ樹脂を含有してなるものであり、エ キシ樹脂の硬化剤とエポキシ樹脂の硬化促 剤とを含む組成物からなるものである。本 明の半導体封止材を用いて半導体を封止す には、トランスファーモールド法、真空印 モールド法等の常套の成形手段が採用され 。

 実施例1~28 比較例1~12
 平均粒子径の異なる種々の原料シリカ質粉 (珪石粉末)を準備し、種々の種類及び量のAl 源物質を添加して混合した後に、特開平11-574 51号公報に記載された装置に、2本バーナーを 配置させた装置を用いて、一方のバーナーか らは平均粒子径が10~72μmの原料シリカ質粉末( 原料1)、もう一方のバーナーからは平均粒子 が2~16μmの原料シリカ質粉末(原料2)を噴射し 、火炎中で溶融、球状化処理して、種々の非 晶質シリカ質粉末を製造した。なお、非晶質 シリカ質粉末の15μm以上70μm未満の粒度域のAl 含有量、3μm以上15μm未満の粒度域のAl含有量 全粒度域のAl含有量の調整は、各粒度域の 料シリカ質粉末に添加するAl源物質の量、種 々の平均粒子径の原料シリカ質粉末の火炎へ の供給量を調整することによって行った。ま た、非晶質シリカ質粉末の平均粒子径及び粒 度分布の調整は、それぞれの原料シリカ質粉 末の平均粒子径、火炎への供給量を調整する ことによって、平均球形度、非晶質率は原料 シリカ質粉末の火炎への供給量や火炎温度な どによって行った。なお、火炎の形成には、 LPG、酸素ガスを用い、原料粉末をバーナーま で搬送するキャリアガスにも酸素ガスを使用 した。それらの条件と、得られた非晶質シリ カ質粉末の特性を表1~6に示す。

 得られた非晶質シリカ質粉末の非晶質率 いずれも99%以上、平均球形度は0.80以上であ った。これらの非晶質シリカ質粉末の半導体 封止材の充填材としての特性を評価するため 、表1~6に示した配合割合で、各成分を配合し 、ヘンシェルミキサーにてドライブレンドし た後、同方向噛み合い二軸押出混練機(スク ュー径D=25mm、L/D=10.2、パドル回転数50~120rpm、 吐出量3.0kg/Hr、混練物温度98~100℃)で加熱混練 した。混練物(吐出物)をプレス機にてプレス て冷却した後、粉砕して半導体封止材を製 し、粘度特性(キュラストメータートルク) 成形性(ワイヤー変形率)及び流動性(スパイ ルフロー)を以下に従って評価した。それら 結果を表1~表3に示した。エポキシ樹脂とし は、エポキシ樹脂1:ビフェニルアラルキル エポキシ樹脂(日本化薬社製NC-3000P)、エポキ 樹脂2:ビフェニル型エポキシ樹脂(ジャパン ポキシレジン社製YX-4000H)を使用した。フェ ール樹脂としては、フェノール樹脂1:ビフ ニルアラルキル樹脂(日本化薬社製:MEH-7851SS) フェノール樹脂2:フェノールアラルキル樹 (三井化学社製ミレックスXLC-4L)を使用した。 カップリング剤としては、カップリング剤1: ポキシシラン(信越化学工業社製:KBM-403)、カ ップリング剤2:フェニルアミノシラン(信越化 学工業社製:KBM-573)を使用した。硬化促進剤と しては、硬化促進剤1:トリフェニルホスフィ (北興化学工業社製:TPP)、硬化促進剤2:テト フェニルホスホニウム・テトラフェニルボ ート(北興化学工業社製:TPP-K)を使用した。ま た、離型剤としてカルナバワックス(クラリ ント社製)を使用した。

 (1)粘度特性(キュラストメータートルク)
 上記で得られた半導体封止材の粘度特性を のようにして測定した。キュラストメータ (例えばJSRトレーディング社製商品名「キュ ラストメーター モデル3P-S型」)を用い、半 体封止材を110℃に加熱した際の30秒後のトル クを粘度指数とした。この値が小さいほど、 粘度特性が良好であることを示す。

 (2)成形性(ワイヤー変形率)
 上記で得られた半導体封止材の成形性をつ のようにして測定した。BGA用基板に、ダイ タッチフィルムを介して、サイズ8mm×8mm×0.3 mmの模擬半導体素子を2枚重ね、金ワイヤーで 接続した後、各半導体封止材を使用し、トラ ンスファー成形機を用いて、パッケージサイ ズ38mm×38mm×1.0mmに成形後、175℃で8時間養生し て、BGA型半導体を作製した。半導体の金ワイ ヤーの部分を軟X線透過装置で観察し、金ワ ヤー変形率を測定した。金ワイヤー変形率 、封止前のワイヤー最短距離Xおよび、封止 のワイヤーの最大変位量Yを測定し、(Y/X)×10 0(%)として求めた。この値は12本の金ワイヤー 変形率の平均値とした。なお、金ワイヤーの 径は直径30μm、平均長さは5mmである。トラン ファー成形条件は、金型温度175℃、成形圧 7.4MPa、保圧時間90秒とした。この値が小さ ほど、ワイヤー変形量が小さく、成形性が 好であることを示す。

 (3)流動性(スパイラルフロー)
 EMMI-I-66(Epoxy Molding Material Institute;Society of Plastic Industry)に準拠したスパイラルフロー 定用金型を取り付けたトランスファー成形 を用い、各半導体封止材のスパイラルフロ 値を測定した。なお、トランスファー成形 件は、金型温度175℃、成形圧力7.4MPa、保圧 間120秒とした。この値が大きいほど、流動 が良好であることを示す。

 実施例と比較例の対比から明らかなよう 、本発明の非晶質シリカ質粉末によれば、 較例よりも流動性、粘度特性、成形性に優 た樹脂組成物、特に半導体封止材を調製す ことができる。

 本発明の非晶質シリカ質粉末は、自動車 携帯電子機器、パソコン、家庭電化製品等 使用される半導体封止材、半導体が搭載さ る積層板などの充填材として使用される。 た、本発明の樹脂組成物は、半導体封止材 他に、ガラス織布、ガラス不織布、その他 機基材に含浸硬化させてなる例えばプリン 基板用のプリプレグや、各種エンジニアプ スチックス等として使用できる。




 
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