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Title:
2,6-DI-TERT-BUTYLPHENOL DERIVATIVE AND MELANOGENESIS INHIBITOR COMPRISING 2,6-DI-TERT-BUTYLPHENOL DERIVATIVE AS THE ACTIVE INGREDIENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/139754
Kind Code:
A1
Abstract:
It is intended to provide a novel melanogenesis inhibitor which has a novel mother nucleus and can be added to a skin external preparation. More specifically, a melanogenesis inhibitor which contains a compound represented by the following general formula (A) or a pharmacologically acceptable salt thereof as the active ingredient. General formula (A) In the above general formula, Ra1 and Ra2 each independently represents a hydrogen atom or an alkyl group, and Ra3 represents an aromatic group.

Inventors:
YOKOYAMA KOUJI (JP)
KATAGIRI TAKAYUKI (JP)
KIMURA MAKOTO (JP)
SAITOH YUKO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/051618
Publication Date:
November 20, 2008
Filing Date:
February 01, 2008
Export Citation:
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Assignee:
POLA CHEM IND INC (JP)
YOKOYAMA KOUJI (JP)
KATAGIRI TAKAYUKI (JP)
KIMURA MAKOTO (JP)
SAITOH YUKO (JP)
International Classes:
A61K31/121; A61K8/35; A61P17/00; A61P43/00; A61Q19/02; C07C49/83; C07C49/84
Domestic Patent References:
WO2007094200A12007-08-23
Foreign References:
JPH06206805A1994-07-26
JPS63502281A1988-09-01
US3592931A1971-07-13
JPS62249939A1987-10-30
JPH09136811A1997-05-27
JPS62129212A1987-06-11
JPH10101543A1998-04-21
Other References:
PAVLICKOVA L. ET AL.: "Quinone methides and fuchsones. Part XIV. Preparation and reactions of 5,7-di-tert-butyl-1,2-diphenylspiro[2,5]octa-1,4,7-trien-6-one: a revision of the literature", COLLECTION OF CZECHOSLOVAK CHEMICAL COMMUNICATIONS, vol. 44, no. 6, 1979, pages 1810 - 1818
GEORGE N.Z. ET AL.: "New analogues of butylated hydroxytoluene as anti-inflammatory and antioxidant agents", BIOORGANIC & MEDICINAL CHEMISTRY, vol. 14, no. 16, 2006, pages 5616 - 5624, XP005534887
Attorney, Agent or Firm:
KAWAGUCHI, Yoshiyuki et al. (4-10 Higashi Nihonbashi 3-chom, Chuo-ku Tokyo 04, JP)
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Claims:
 下記一般式(A)で表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするメラニン生成抑制剤。
 但し、式中、Ra1、Ra2はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、Ra3は芳香族性を有する基をあらわす。
 前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(I)に表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩である、請求項1に記載のメラニン生成抑制剤。
Ra3は
 但し、式中、R1は独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、水酸基、メルカプト基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキルアミド基、スルフェニル基、スルホニル基乃至はハロゲン原子を表す。
 前記一般式(I)で表される化合物が、3,5-ジ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-メトキシベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2',4',6'-トリメチルベンゾフェノン、(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタレニルメタノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-クロロベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-メチルベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フルオロベンゾフェノン、3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択されるものである、請求項2に記載のメラニン生成抑制剤。
 前記一般式(A)に表される化合物が、下記一般式(II)に表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩である、請求項1に記載の、メラニン生成抑制剤。
 但し、式中、R2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。
 前記一般式(II)で表される化合物が、(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-(4'-メトキシビフェニル-4-イル)メタノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フェニルベンゾフェノン、及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択されるものである、請求項4に記載のメラニン生成抑制剤。
 前記一般式(A)に表される化合物が、下記一般式(III)で表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩である、請求項1に記載のメラニン生成抑制剤。
 但し、式中、R3は独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
 前記一般式(III)で表される化合物が、1-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジフェニルメタノンまたはその薬理学的に許容される塩である、請求項6に記載のメラニン生成抑制剤。
 請求項1~7のいずれかに記載のメラニン生成抑制剤を含有する、皮膚外用剤。
 下記一般式(II)で表される化合物又はその塩。
 但し、式中、R2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。
 下記式で表される3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フェニルベンゾフェノンまたはその塩。
下記式で表される(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-(4'-メトキシビフェニル-4-イル)メタノンまたはその塩。
 下記一般式(III)で表される化合物又はその塩。
 但し、式中、R3は独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。
 下記式で表される1-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジフェニルメタノンまたはその塩。
Description:
2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導 及び2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導体を有効 成分とするメラニン生成抑制剤

 本発明は、2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘 体を有効成分とするメラニン生成抑制剤に し、さらには該メラニン生成抑制剤を含む 膚外用剤、詳しくは化粧料等に関する。ま 更には、新規の2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘 導体に関する。

 皮膚におけるシミ、ソバカスや日焼け後 色素沈着は、皮膚内に存在する色素細胞(メ ラノサイト)の活性化によりメラニン生成が しく亢進した状態である。これらの皮膚色 トラブルを防止又は改善する目的で、アス ルビン酸類、過酸化水素、コロイド硫黄、 ルタチオン、ハイドロキノン、又はカテコ- 等を配合した皮膚外用剤(特に美白剤)が知 れている(例えば、非特許文献1及び2を参照) しかしながら、これらの美白剤は何れも、 白効果、安定性等の面から問題を有する場 が存したり、或いは、その効果が限られた 状にしか有効でなかったりする場合が存し おり、これらの効果のみでは充分とは言え い状況にあると言える。又、美白作用の機 としては、チロシナ-ゼ阻害効果、チロシナ -ゼ関連蛋白の分解、メラノサイトのデンド イトの伸長抑制によるメラニンの移送阻害 ど種々のものが存する。そのため阻害点が 数存すると同時に阻害の回避経路も存し、 一の阻害では充分には効果を奏さない場合 あった。また、それぞれの阻害に適した化 構造が存すると考えられる。更に、複数の 作の阻害はより高いメラニンの産生阻害に じるものであり、従って、新規母核のメラ ン産生抑制作用を有する物質を見いだすこ は、美白の効果を高める点と、新規機作の ラニン産生抑制作用を見いだす点で、有用 あると考えられる。この意味で、新規母核 メラニン産生抑制作用を有する物質の探索 求められていると言える。

 安定性等の面について述べれば、色素沈 症の予防又は改善に関し、アスコルビン酸 は、含水化粧料の如き水分を多く含む系に いては、酸化されやすく不安定化する場合 存し、皮膚外用剤(美白剤)を変色させる原 となり得る。また、過酸化水素は保存上の 定性の問題があり、グルタチオンやコロイ 硫黄は著しい異臭を放つ場合が存するため 白剤の成分として使用することは制約され 。さらに、ハイドロキノン、カテコ-ルは、 膚刺激性、アレルギ-性等に問題がある場合 がある。また、これらの美白剤は何れも、有 効に作用する場合があると同時に、作用しな い場合があることが知られている。さらに、 その原因については、詳細に知られていない のが現状である。

 ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導体の特定の化 合物は、有機感光体に代表される電子輸送機 能に優れた機能性有機化合物合成における重 要中間体(例えば、特許文献3を参照)として利 用されている。また、ジ-tert-ブチルフェノ- 誘導体の特定の化合物は、その抗酸化作用 より工業的な酸化防止剤(例えば、特許文献4 を参照)としても一般的に使用されている。 、スリソベンゾンやベンゾンと言ったベン フェノン類は紫外線吸収剤として化粧料な の皮膚外用剤で汎用されている原料である (例えば、特許文献5を参照)

  また、ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導体に 表されるフェノ-ル誘導体は、抗酸化作用( 特許文献1)や抗炎症作用(非特許文献2)等の生 物活性を示すことが知られている。また、ジ -tert-ブチルフェノ-ル誘導体に代表されるフ ノ-ル誘導体は、抗酸化作用(非特許文献1)や 炎症作用(非特許文献2)等の生物活性を示す とが知られている。

特表2006-507352号公報

特開昭58-192890号公報

特開2005-35980号広報

特開2003-192557号公報

特表2001-522790号公報 George N, Ziakas et. al、Bioorganic & Medic inal Chemistry, 14, 5616-5624 (2006) Shaukath Ara. Khanum et. al、 Biorganic &  Medicinal Chemistry Letters, 14, 5351-5355(2004) Theodora W. Green、Protective Groups in Organic Synthesis,A Wiley-Interscience Publication.: 1981, P173 -176 and P273-274 猿渡 健市 他、酸化防止剤ハンドブッ 、株式会社 大成社(昭和51年版)、P156-157

 本発明は、上記した状況に鑑みてなされ ものであり、皮膚外用剤の成分として好適 、新規母核を有するメラニン生成抑制剤を 供することを課題とする。

 本発明者らは、メラニン生成抑制作用を する新規母核を求めて、鋭意研究を重ねた 果、後記一般式(A)に表される化合物又はそ 塩が、色素細胞のメラニン生成に対して優 た抑制効果を有することを見出し、本発明 完成させるに至った。即ち、本発明は以下 通りである。

(1)下記一般式(A)で表される化合物またはそ れらの薬理学的に許容される塩を有効成分と するメラニン生成抑制剤。

 但し、式中、Ra1、Ra2はそれぞれ独立に、水 原子またはアルキル基を表し、Ra3は芳香族 を有する基をあらわす。

(2)前記一般式(A)で表される化合物が、下記 一般式(I)に表される化合物またはそれらの薬 理学的に許容される塩である、(1)に記載のメ ラニン生成抑制剤。

Ra3は
 但し、式中、R1は独立に、アルキル基、ア ケニル基、アルキルオキシ基、水酸基、メ カプト基、トリフルオロメチル基、アミノ 、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基 カルボニル基、カルボキシル基、アルキル ミド基、スルフェニル基、スルホニル基乃 はハロゲン原子を表す。

(3)前記一般式(I)で表される化合物が、3,5- -tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノ 、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-メトキシ ベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロ シ-2',4',6'-トリメチルベンゾフェノン、(3,5- -tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-ナフタ ニルメタノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキ シベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒド キシ-4'-クロロベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブ チル-4-ヒドロキシ-4'-メチルベンゾフェノン 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フルオロベ ンゾフェノン、3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-4,4' -ジヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの 理学的に許容される塩から選択されるもの ある、(2)に記載のメラニン生成抑制剤。

(4)前記一般式(A)に表される化合物が、下記 一般式(II)に表される化合物またはそれらの 理学的に許容される塩である、(1)に記載の ラニン生成抑制剤。

 但し、式中、R2は、水素原子、アルキル基 アルコキシ基を表す。

(5)前記一般式(II)で表される化合物が、(3,5- ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-(4'-メト キシビフェニル-4-イル)メタノン、3,5-ジ-tert- チル-4-ヒドロキシ-4'-フェニルベンゾフェノ ン、及びそれらの薬理学的に許容される塩か ら選択されるものである、(4)に記載のメラニ ン生成抑制剤。

(6)前記一般式(A)に表される化合物が、下記 一般式(III)で表される化合物またはそれらの 理学的に許容される塩である、(1)に記載の ラニン生成抑制剤。

 但し、式中、R3は独立に、水素原子、アル ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表 。

(7)前記一般式(III)で表される化合物が、1-(3 ,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジ フェニルメタノンまたはその薬理学的に許容 される塩である、(6)に記載のメラニン生成抑 制剤。

(8)(1)~(7)のいずれかに記載のメラニン生成 制剤を含有する、皮膚外用剤。

(9)下記一般式(II)で表される化合物又はその 。
 但し、式中、R2は、水素原子、アルキル基 アルコキシ基を表す。

(10)下記式で表される3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒ ロキシ-4'-フェニルベンゾフェノンまたはそ の塩。

(11)下記式で表される(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒ ドロキシフェニル)-(4'-メトキシビフェニル-4- イル)メタノンまたはその塩。

(12)下記一般式(III)で表される化合物又はその 塩。
 但し、式中、R3は独立に、水素原子、アル ル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表 。

(13)下記式で表される1-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ドロキシフェニル)-2,2-ジフェニルメタノン たはその塩。

(14)メラニン生成抑制方法であって、下記 般式(A)で表される化合物を用いることを特 とする方法。

 但し、式中、Ra1、Ra2はそれぞれ独立に、水 原子またはアルキル基を表し、Ra3は芳香族 を有する基をあらわす。

(15)メラニン生成抑制のための、下記一般 (A)で表される化合物の使用。

 但し、式中、Ra1、Ra2はそれぞれ独立に、水 原子またはアルキル基を表し、Ra3は芳香族 を有する基をあらわす。

 本発明によれば、皮膚外用剤の成分とし 好適な、新規母核を有するメラニン生成抑 剤を提供することができる。

(1) 本発明のメラニン生成抑制剤の有効成分 ある2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導体
 本発明のメラニン生成抑制剤は、下記一般 (A)で表される化合物又はそれらの薬理学的 許容される塩を有効成分とすることを特徴 する。

 この様な一般式(A)に表される化合物とし は、大別して、以下に示す一般式(I)で表わ れる化合物、一般式(II)に表される化合物及 び一般式(III)に表される化合物が好適なもの して例示できる。

Ra3は

 勿論、一般式(A)に包含される化合物であ て、一般式(I)、(II)及び(III)で表される化合 の何れにも包含されない化合物を有効成分 するメラニン生成抑制剤も本発明の範囲で る。かかる化合物は何れも文献記載の化合 であり、具体的には、3,5-ジメチル-4-ヒドロ キシベンゾフェノン、3,5-ジメチル-4,4'-ジヒ ロキシベンゾフェノンが例示できる。これ の化合物は、文献に記載の方法に従って、 造することが出来る。

 一般式(I)に表される化合物は、一般式(I) おいてR1は独立に、アルキル基、アルケニ 基、アルキルオキシ基、水酸基、メルカプ 基、トリフルオロメチル基、アミノ基、ア キルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カル ニル基、カルボキシル基、アルキルアミド 、スルフェニル基、スルホニル基乃至はハ ゲン原子を表す。前記アルキル基は炭素数1~ 6のものが好ましく、より好ましくは1~4のも であり、例えば、メチル基 、エチル基、プ ロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル 基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基 シクロプロピルメチル基等が好適に例示で 、前記アルケニル基は炭素数2~6のものが好 しく、例えば、エテニル基、プロペニル基 ブテニル基等が好ましく例示でき、アルキ アミノ基におけるアルキル基は炭素数1~4の のが好ましく、例えば、メチル基 、エチ 基、プロピル基、シクロプロピル基、イソ ロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブ チル基、シクロプロピルメチル基等が好適に 例示でき、アルキルアミド基におけるアルキ ル基は炭素数1~4のものが好ましく、例えば、 メチル基、エチル基等が好適に例示できる。 ハロゲン原子としては、ヨウ素原子、塩素原 子、臭素原子、フッ素原子が好ましく例示で き、特に塩素原子が好ましく例示できる。

 一般式(I)に表される化合物のうち、好ま いものを具体的に例示すれば、3,5-ジ-tert-ブ チル-4-ヒドロキシベンゾフェノン、3,5-ジ-tert -ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フルオロベンゾフェ ン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-クロ ベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロ シ-4'-メチルベンゾフェノン、3,5-ジ-tert-ブ ル-4-ヒドロキシ-4'-メトキシベンゾフェノン 3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2',4',6'-トリ チルベンゾフェノン、 3,5-ジ-tert-ブチル-4,4' -ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3',5,5'-テト -tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノ 、(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)- 2-ナフタレニルメタノンが好適に例示できる これらの内、特に好ましいものは3,5-ジ-tert- ブチル-4,4'-ジヒドロキシベンゾフェノンであ る。これはかかる化合物が特にメラニン産生 抑制作用に優れるためである。一般式(I)で表 される2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導体はそ ままで本発明のメラニン生成抑制剤に使用 ることもできるが、アルカリを用いて塩と 、使用することも可能である。たとえば、 トリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属 、カルシウム塩、マググシウム塩等のアル リ土類金属塩が好ましく例示できる。

 一般式(II)に表わされる化合物は何れも新 規化合物である。ここで、一般式(II)におい R2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基 を表す。かかるアルキル基における炭素数は 1~4が好ましく、例えば、メチル基 、エチル 、プロピル基、シクロプロピル基、イソプ ピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブ ル基、シクロプロピルメチル基等が好適に 示でき、アルコキシ基における炭素数は1~4 好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ 等が具体的に好ましく例示できる。

 一般式(II)に表される化合物のうち、好ま しいものを具体的に例示すれば、3,5-ジ-tert- チル-4-ヒドロキシ-4'-フェニルベンゾフェノ 、(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)- (4'-メトキシビフェニル-4-イル)メタノンが好 に例示できる。これらの内、特に好ましい のは(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニ )-(4'-メトキシビフェニル-4-イル)メタノンで る。これはかかる化合物が特にメラニン産 抑制作用に優れるためである。一般式(II)で 表される2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル誘導体は のままで本発明のメラニン生成抑制剤に使 することもできるが、アルカリを用いて塩 し、使用することも可能である。たとえば ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金 塩、カルシウム塩、マググシウム塩等のア カリ土類金属塩が好ましく例示できる。

 一般式(III)で表わされる化合物は何れも 規化合物である。ここで、一般式(III)におい てR3は独立に、水素原子、アルキル基、アル キシ基又はハロゲン原子を表す。かかるア キル基における炭素数は1~4が好ましく、例 ば、メチル基 、エチル基、プロピル基、 クロプロピル基、イソプロピル基、n-ブチル 基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロプロ ピルメチル基等が好適に例示でき、アルコキ シ基における炭素数は1~4が好ましく、例えば 、メトキシ基、エトキシ基等が具体的に好ま しく例示でき、ハロゲン原子としては、ヨウ 素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子な どが好ましく例示でき、塩素原子が特に好ま しく例示できる。

 一般式(III)に表される化合物のうち、好 しいものを具体的に例示すれば、1-(3,5-ジ-ter t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2,2-ジフェニ メタノンが好適に例示できる。これはかか 化合物が特にメラニン産生抑制作用に優れ ためである。一般式(III)で表される2,6-ジ-ter t-ブチルフェノ-ル誘導体はそのままで本発明 の化粧料に使用することもできるが、アルカ リを用いて塩とし、使用することも可能であ る。たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等 のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マググシ ウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましく例 示できる。

 一般式(I)に表される2,6-ジ-tert-ブチルフェノ -ル誘導体は、例えば、以下のような手順で 成することができる。
 まず、2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル(Aldrich)と 所望の化合物に対応するベンゾイルクロリ (和光純薬)をモル比2:1で塩化メチレン等の溶 媒に溶解する。溶媒は、有機溶媒であれば特 に限定されない。その後、塩化アルミニウム 等のルイス酸を触媒として加える。ルイス酸 として塩化アルミニウムの他、例えば、塩化 鉄、三フッ化ホウ素等を使用することができ る。その後、室温(0℃~40℃)にて1時間~24時間 拌し、反応液を有機溶剤にて抽出する。抽 した有機層を乾燥させ、溶媒を減圧蒸留し シリカゲルカラムクロマトグラフィーによ 精製することで所望の化合物を得ることが きる。

 一般式(II)、(III)に表される2,6-ジ-tert-ブチ ルフェノ-ル誘導体も、それぞれ一般式(I)に される化合物の製造手順と同様に製造する とができる。

 斯くして得られた一般式(A)に表される化 物又はその塩は、皮膚の細胞において優れ メラニン生成抑制作用を発揮する。この為 メラニン生成抑制剤の有効成分として使用 ることができる。かかる有効成分の薬効と ては、メラニンの生成を抑制し、以て、美 効果を奏することが好ましく例示できる。 の様な作用を奏するには、一般式(A)で表さ る化合物及びその塩を、メラニン生成抑制 中に、総量で0.01~10質量%含有する。より好 しくは0.3~3質量%含有することが好ましい。

 本発明のメラニン生成抑制剤のメラニン 成抑制効果は、メラニン合成過程において 異的に細胞に取り込まれるチオウラシルを いて測定することができる。例えば、放射 ラベルをしたチオウラシルを細胞内に取り んだ量を測定することで、検出される放射 量が少ないほどメラニン生成量が少なく、 ラニン抑制作用が大きいと判断することが きる。

 この様な、一般式(A)に表される化合物及 その塩には、抗菌作用、溶剤作用、紫外線 収作用などのメラニン生成抑制作用以外の 用を奏するものも存在する。一般式(A)に表 れる化合物及びその塩は、紫外部に広範囲 つ吸収係数が高く吸収ピークを有するので これを利用して紫外線吸収剤としても応用 きる。紫外部吸収作用とメラニン生成抑制 用とを有することは、黒化の予防と改善の2 つの作用を兼ね備えることであり、本発明の メラニン生成抑制剤は、化粧料などの皮膚外 用剤として使用することが好ましい。なお本 発明において、皮膚外用剤におけるメラニン 生成抑制剤の含有量は、0.01質量%~10質量%。好 ましくは、0.3質量%~3質量%である。

 本発明の皮膚外用剤においては、前記メ ニン生成抑制剤以外に、通常皮膚外用剤で 用される、任意の成分を含有することが出 る。この様な任意の成分としては、例えば マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモ コシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、 マシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油 ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤ 油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミ ロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬 ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワック 類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタ ン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、 ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等 の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン 、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン 、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン 等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステ リルアルコール、イソステアリルアルコー 、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノ ル、ミリスチルアルコール、セトステアリ アルコール等の高級アルコール等;イソオク タン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、 イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン 酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ-2-エチルヘ キシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステア リル、ジ-2-エチルヘキサン酸エチレングリコ ール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール 、ジ-2-ヘプチルウンデカン酸グリセリン、ト リ-2-エチルヘキサン酸グリセリン、トリ-2-エ チルヘキサン酸トリメチロールプロパン、ト リイソステアリン酸トリメチロールプロパン 、テトラ-2-エチルヘキサン酸ペンタンエリト リット等の合成エステル油類;ジメチルポリ ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシ キサン;オクタメチルシクロテトラシロキサ 、デカメチルシクロペンタシロキサン、ド カメチルシクロヘキサンシロキサン等の環 ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン 、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキ ル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロ キサン等の変性ポリシロキサン等のシリコー ン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸 トリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラ ウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタ ノールアミンエーテル等のアニオン界面活性 剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウ 、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミン キサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダ リン系両性界面活性剤(2-ココイル-2-イミダ リニウムヒドロキサイド-1-カルボキシエチ キシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活 剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、ス ホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の 両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステ 類(ソルビタンモノステアレート、セスキオ イン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類 (モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレ グリコール脂肪酸エステル類(モノステアリ ン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ 誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POE ルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモ オレエート、モノステアリン酸ポリオキエ レンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エ ステル類(POE-ソルビットモノラウレート等)、 POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE-グリセリ モノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステ ル類(ポリエチレングリコールモノオレート POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル (POE2-オクチルドデシルエーテル等)、POEアル キルフェニルエーテル類(POEノニルフェニル ーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアル ルエーテル類(POE・POP2-デシルテトラデシル ーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・ 硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒ シ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキル ルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエ チレングリコール、グリセリン、1,3-ブチレ グリコール、エリスリトール、ソルビトー 、キシリトール、マルチトール、プロピレ グリコール、ジプロピレングリコール、ジ リセリン、イソプレングリコール、1,2-ペン ンジオール、2,4-ヘキサンジオール、1,2-ヘ サンジオール、1,2-オクタンジオール等の多 アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリ ウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類 ;表面を処理されていても良い、マイカ、タ ク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム 炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸 化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、 ;表面を処理されていても良い、ベンガラ、 酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、 青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表 を処理されていても良い、雲母チタン、魚 箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レ ーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号 、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、 色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、 色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑 色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類 ;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエ ストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香 系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸 収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系 外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収 剤;糖系紫外線吸収剤;2-(2'-ヒドロキシ-5'-t-オ チルフェニル)ベンゾトリアゾール、4-メト シ-4'-t-ブチルジベンゾイルメタン等の紫外 吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等 の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導 、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミ テート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタ ンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミ B15又はその誘導体等のビタミンB類;α-トコフ ェロール、β-トコフェロール、γ-トコフェロ ール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類 ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、 ンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタ ン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤な が好ましく例示できる。

 これらの必須成分、任意成分を常法に従 て処理し、ローション、乳液、エッセンス クリーム、パック化粧料、洗浄料などに加 することにより、本発明の皮膚外用剤は製 できる。本発明の皮膚外用剤としては、皮 に外用で適用されるものであれば特段の限 はなく応用でき、例えば、医薬部外品を含 化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が ましく例示できる。

 以下に、本発明について、実施例を挙げ 更に詳細に説明を加えるが、本発明がかか 実施例にのみ、限定されないことは言うま もない。

<製造例1>化合物1の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル(2.06g, 10.0mmol)(Aldr ich)及びベンゾイルクロリド(1.45g,10.3mmol)(和光 純薬)を塩化メチレン(12 mL)(和光純薬)に溶解 、塩化アルミニウム(1.40g,10.5mmol)(和光純薬) 加えた後、室温にて3時間撹拌した。攪拌後 の反応液を氷水に注ぎ、塩化メチレン(和光 薬)にて抽出した。抽出した有機層を無水硫 ナトリウム(和光純薬)にて乾燥させた後、 った溶媒を減圧留去した。乾燥物及び溶媒 残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフ -(展開液:クロロホルム)で精製し、得られた 画から、化合物1(収量1.74g,収率56%)を得た。 性値及び構造式を以下に示す。
mp.124-126℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.45(18H、s)、5.73(1H、s)、7.42-7.60(3H、m)、7.73( 2H、s)、7.75(2H、d、J=8.1Hz)
IR(cm -1 ):3484、2950、1643、1107.
3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゾフェノ (化合物1)

<製造例2>化合物2の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び4-フルオロベ ンゾイルクロリドを用い、化合物1の製造と 様の方法により、化合物2を得た(収率9%)。示 性値及び構造式を以下に示す。
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.45(18H、s)、5.73(1H、s)、7.10-7.18(2H、m)、7.68( 2H、s)、7.78-7.83(2H、m)
IR(cm -1 ):3485、2956、1642、1597、1106

3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フルオロベ ゾフェノン(化合物2)

<製造例3>化合物3の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び4-クロロベン ゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方 により、化合物3を得た(収率5%)。示性値及び 構造式を以下に示す。
mp.163-165℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.45 (18H、s)、5.78(1H、s)、 7.47(2H、d、J=7.2Hz )、7.69(2H、s)、7.72(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm -1 ): 3528、2958、1643、1594、1108.

3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-クロロベン フェノン(化合物3)

<製造例4>化合物4の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び4-メチルベン ゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方 により、化合物4を得た(収率15%)。示性値及 構造式を以下に示す。
mp.144-146℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.45 (18、s)、2.44(3H、s)、7.26(2H、d、J=7.2Hz) 7.07(2H、s)、7.09(2H、d、J=7.2Hz) 
IR(cm -1 ):3523、2958、1642、1111.

3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-メチルベン フェノン(化合物4)

<製造例5>化合物5の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び4-メトキシベ ンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の 法により、化合物5を得た(収率36%)。示性値 び構造式を以下に示す。
mp.107-108℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.46(18H、s)、3.89(3H、s)、5.68(1H、s)、6.97(2H、 d、J=7.2Hz)、7.69(2H、s)、7.83(2H、d、J=7.2Hz).
IR(cm -1 ):3527、2958、1635、1116.

3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-メトキシベ ゾフェノン(化合物5)

<製造例6>化合物6の合成
2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び2,4,6-トリメチ ベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様 の方法により、化合物6を得た(収率6%)。示性 及び構造式を以下に示す。
mp.135-137℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.43(18H、s)、2.09(6H、s)、2.32(3H、s)、5.75(1H、 s)、6.88(2H、s)、6.78(2H、s).
IR(cm -1 ):3519、2957、1644、1105.

3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-2',4',6'-トリメ ルベンゾフェノン(化合物6)

<製造例7>化合物7の合成
 ジメチルホルムアミド(3mL)(和光純薬)にナト リウムエタンチオレ-ト(0.34g,4.04mmol)(Fluka)を氷 冷下撹拌しながら加えた。化合物5(0.53g,1.56mmo l)を加え、4時間還流した後、室温にて一晩撹 拌した。反応液を1.0(N)希塩酸に注ぎ、塩化メ チレンにて抽出した。有機層を希塩酸及び水 にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾 燥した。溶媒を減圧留去した。残留物をシリ カゲルカラムクロマトグラフィ-(展開液:n-へ サン:酢酸エチル=7:3)に付し、化合物7を0.24  g(収率47%)得た。示性値及び構造式を以下に示 す。
mp.165-167℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.45(18H、s)、5.69(1H、s)、6.93(2H、d、J=7.2Hz)、 7.68(2H、s)、7.76(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm -1 ):3588、2956、1597、1236、1107.

3,5-ジ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシベンゾフ ノン(化合物7)    

<製造例8>化合物8の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び3,5-ジ-tert-ブ ル-4-ヒドロキシベンゾイルクロリドを用い 化合物1と同様の方法により、化合物8を得 (収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.224-227℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.47(36H、s)、5.66(2H、s)、7.70(4H、s).
IR(cm -1 ):3570、2957、1639、1108.

3,3',5,5'-テトラ-tert-ブチル-4,4'-ジヒドロキシ ンゾフェノン(化合物8)

<製造例9>化合物9の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び2-ナフチルク ロリド用い、化合物1と同様の方法により、 合物9を得た(収率40%)。示性値及び構造式を 下に示す。
mp.166-168℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.46(18H、s)、5.75(1H、s)、7.52-7.65(2H、m)、7.78( 2H、s)、7.90-7.98(4H、m)、8.27(1H、s).
IR(cm -1 ):3632、2954、1651、1225.

(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2-ナ フタレニルメタノン(化合物9)

<実施例1>化合物10の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び4-ビフェニル カルボニルクロリドを用い、化合物1と同様 方法により、化合物10を得た(収率40%)。示性 及び構造式を以下に示す。
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.47(18H、s)、5.73(1H、s)、7.36-7.55(3H、m)、7.64- 7.75(4H、m)、7.78(2H、s)、 7.86-7.88(2H、m).    
IR(cm -1 ): 3619、 2958、 1647、1118.

3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシ-4'-フェニルベ ゾフェノン(化合物10)

<実施例2>化合物11の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及び4'-メトキシ フェニルカルボン酸を用い、化合物1と同様 方法により、化合物11を得た(収率28%)。示性 値及び構造式を以下に示す。
mp.150-152℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.47(18H、s)、3.87(3H、s)、7.03(2H、d、J=7.2Hz)、 7.62-7.69(4H、m)、7.74(2H、s)、7.88(2H、d、J=7.2Hz).

(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-(4'- トキシビフェニル-4-イル)メタノン(化合物11 )

<実施例3>化合物12の合成
 2,6-ジ-tert-ブチルフェノ-ル及びジフェニル 酸クロリドを用い、化合物1と同様の方法に り、化合物12を得た(収率16%)。示性値及び構 造式を以下に示す。
mp.170-174℃
1 H-NMR(CDCl 3 ):δ1.39 (18H、s)、5.69(1H、s)、5.98(1H、s)、7.21-7.2 5(10H、s)、7.89(2H、s). 
IR(cm -1 ):3610、2955、1661、1152.

1-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)-2,2 -ジフェニルメタノン(化合物12)

<試験例1> 化合物1のメラニン生成抑制試 験
 メラニン合成過程において特異的に細胞に り込まれるチオウラシル(試験では 14 Cラベルしたチオウラシルを使用)を用いて、 合物1のメラニン生成抑制作用を評価した。 24ウェルのプレートを使用し、その内の15ウ ルにメラノサイト培養用完全培地(倉敷紡績 式会社製)を2mlずつ入れ、各ウェルにそれぞ れ1.5×10 4 個/cm 2 の濃度でヒト正常メラノサイト(倉敷紡績株 会社製)を播種した。5%二酸化炭素雰囲気下 37℃で24時間培養を行った。その後、全ての ェルについて、以下の条件で培地交換した 即ち3ウェルは新しいメラノサイト培養用完 全培地(コントロール)、3ウェルずつ合計9ウ ルには1.0×10 -3 mM、2.0×10 -3 mM、4.0×10 -3 mM濃度で化合物1を含むメラノサイト培養用完 全培地、さらに別の3ウェルはチロシナーゼ 害剤として知られるフェニルチオウレアを0. 1mM濃度で含むメラノサイト培養用完全培地で あった。更に、これらの15ウェルに 14 C-チオウラシル( 14 Cラベルしたチオウラシル)を0.25×10 -6 Ci(キュリー)添加した。そして上記培養条件 同様の条件で更に3日間培養した。培養終了 、各ウェルから培養液を除去し、PBS(リン酸 緩衝生理食塩水)で洗浄後、トリプシン及びED TA含有培地を使用して、ウェル底面より細胞 剥離して、細胞懸濁液とし、遠心分離にて 胞を回収した。細胞数は血球計算板を用い カウントした。その後、各ウェルから回収 た細胞における 14 C-チオウラシル量(放射線量)を液体シンチレ ションカウンター(アロカ株式会社)にて測定 した。コントロールのウェルから回収した細 胞の放射線量に対する、被検物質を含む培地 で培養した細胞の放射線量の百分率をそれぞ れ求め、メラニン量(%)とした。すなわち、各 細胞内に取り込まれた放射線量性が小さい程 、メラニン量が小さく、メラニン抑制力価が 大きいとすることができる。

 表1の結果より、化合物1は、濃度依存的な ラニン生成抑制作用を示した。また、0.1mMの フェニルチオウレアと4.0×10 -3 mMの化合物1は、同等のメラニン生成抑制力価 を示した。これより化合物1は、ポジティブ ントロールであるフェニルチオウレアに比 て、20倍以上強いメラニン生成抑制力価を有 することが分かる。フェニルチオウレアは毒 性の面で実用には向かないが、非常にメラニ ン産生抑制作用の強い物質として知られてお り、この様な実験ではポジティブコントロー ルとして使用される。ここで、組成物におけ る化合物1の濃度に関して、4×10 -3 mMは、約0.00012%に相当する。

<試験例2>
 試験例1と同様の手技で、フェニルチオウレ アのポジティブコントロールは除いて、化合 物2~12について、メラニン産生抑制作用を検 した。結果を表2に示す。この表2より、化合 物2~12も化合物1と同様に優れたメラニン産生 制作用を有することがわかる。

<実施例4>
 以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外 剤である化粧料(ロ-ション)を作製した。即 、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解 せ、攪拌冷却し、ロ-ション1を得た。同様に して、化合物1を水に置換した比較例1、アル チンに置換した比較例2も作製した。

<試験例3>
 ロ-ション1、比較例1及び比較例2を用いて、 黒化改善作用を調べた。自由意志で参加した パネラーの上腕内側部に2cm×2cmの部位を4つ設 け、1.2MEDの紫外線を1日1回、3日連続して3回 射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続 してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置 部位とした。塗布終了後24時間にコニカミノ タ株式会社製の色彩色差計(CR300)にて標準白 色板との色差を求め、これらより、無処置部 位のL値に対するδLを算出した。結果を表4に す。これより、本発明の皮膚外用剤である 粧料は優れた美白作用を有することがわか 。これは前記の優れたメラニン産生抑制作 によるものである。

<実施例4>
 実施例6と同様にローション2~12を作製した これらは何れも優れたメラニン生成抑制作 を示した。

本発明のメラニン生成抑制剤は、美白化粧 料などの皮膚外用剤に応用できる。