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Patent Searching and Data


Title:
ABRASIVES
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/078277
Kind Code:
A1
Abstract:
An abrasive characterized by comprising particles which are composed of both graphitic carbon and diamond and have a median diameter of 30 to 250nm and a specific gravity of 2.63 to 3.38g/cm3; and an abrasive characterized by comprising mixed particles consisting of both particles which are composed of both graphitic carbon and diamond and have a median diameter of 30 to 250nm and nano-sized diamond particles having a median diameter of 30 to 250nm with the average specific gravity of the mixed particles falling within the range of 2.63 to 3.38g/cm3.

Inventors:
SHIOZAKI SHIGERU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/071981
Publication Date:
June 25, 2009
Filing Date:
December 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
VISION DEV CO LTD (JP)
SHIOZAKI SHIGERU (JP)
International Classes:
C09K3/14; B24B37/04
Domestic Patent References:
WO2007052623A12007-05-10
Foreign References:
JP2005131711A2005-05-26
Attorney, Agent or Firm:
TAKAISHI, Kitsuma (67 Kagurazaka 6-chome, Shinjuku-ku Tokyo 25, JP)
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Claims:
グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン径が30~250 nmで、比重が2.63~3.38 g/cm 3 である粒子を有することを特徴とする研磨材。
請求項1に記載の研磨材において、前記比重が2.75~3.25 g/cm 3 であることを特徴とする研磨材。
グラファイト系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン径が30~250 nmの粒子、及びナノサイズダイヤモンドからなるメジアン径が30~250 nmの粒子からなる混合粒子を有し、前記混合粒子の平均比重が2.63~3.38 g/cm 3 であることを特徴とする研磨材。
請求項3に記載の研磨材において、前記平均比重が2.75~3.25 g/cm 3 であることを特徴とする研磨材。
請求項1~4のいずれかに記載の研磨材において、ガラス、セラミックス及びアルミニウムの研磨に用いることを特徴とする研磨材。
Description:
研磨材

 本発明は、傷の発生が少なく、研削、研 特性に優れた材料に関する。詳しくは、ガ ス、セラミックス、金属等の加工において 加工物の平坦度及び面粗度を整えて所定の 状及び寸法に仕上げる研削(ラップ)工程、 び研削された加工物をナノメーターレベル 要求される精度に研磨する工程で用いられ 研削・研磨材に関する。

 従来から、ガラス、セラミックス、金属 の研削(ラップ)には、遊離砥粒として研磨 、固定砥粒としてダイヤモンド工具が、研 (ポリッシング)には、遊離砥粒として酸化セ リウム、コロイダルシリカ等が用いられ、そ の他の加工形態として研磨パッドが使用され ている。

 精密機器分野において、ガラス、セラミ クス及び金属は様々な用途に用いられてい 。例えば、(a)結晶化ガラス、アモルファス ラス、アルミニウム等はハードディスク基 として、(b)合成石英ガラス、青板ガラス等 フォトマスク基板として、(c)サファイア、 化ガリウム(GaN)、炭化シリコン(SiC)、酸化亜 鉛(ZnO)等は発光ダイオード基板(LED基板)とし LEDバックライト使用の信号機、表示板、照 等に、(d)ノンアルカリガラスはフラットパ ルとして液晶テレビに、(e)青板ガラス、高 み点ガラス等はディスプレイガラス基板(PDP ラス基板)としてプラズマテレビ、携帯電話 、ゲーム機、パソコン等に、(f)水晶、PZT、チ タン酸バリウウム、ニオブ酸リチウム等は振 動子として通信機、携帯電話、時計等に、(g) 光学ガラス、クラウンガラス、フリントガラ ス等はレンズとして一眼レフカメラ、デジタ ルカメラ、天体望遠鏡、光学ドライブ用ピッ クアップ、眼鏡等に使用されているが、これ らガラス、セラミックス及び金属の精密加工 はラッピング・ポリッシング用両面機により 行われている。

 しかしながら、コストダウンの要求に伴 生産性を向上させるといった観点から、加 性に優れた研削・研磨素材が求められてい 。近年ダイヤモンドの優れた硬さが加工性 優れ、生産性を上げることが認められてき 。幸いなことに爆射法によって得られたダ ヤモンドは、一次粒子で4~7 nm及び二次粒子 で50~200 nmとナノメーター大きさの粒径を有 、加工性に優れ、極めて生産性が高く、か 近年益々要求されるようになった高品質の 工面(高い平坦度及び面粗度)を得ることがで きる素材として注目されている。

 ところが、硬くて加工性に優れ、生産性 高いナノメーター大きさのナノサイズダイ モンドを研削・研磨素材として用いた場合 近年要求される高度の平坦度及び面粗度に して、しばしば発生するいわゆるスクラッ と呼ばれる幅広の深い傷が問題であった。 因は、ナノメーター大きさのナノサイズダ ヤモンドの中に残存する、ナノメーター大 さに較べて極めて大きいミクロン大きさの 量の粗大粒子である。ダイヤモンドの特徴 ある硬さが逆に災いして、微量のミクロン きさの粗大ダイヤモンドが存在することで クラッチの原因となる。これらの粗大粒子 除去する工夫が続けられてきたが、工業生 レベルでは完全に除去することができてい い。

 従って、本発明の目的は、ガラス、セラ ックス及び金属の研削及び研磨加工におい 、加工性(生産性)に優れ、高度な平坦度及 面粗度を達成でき、かつスクラッチ傷の発 の少ない研磨素材を提供することである。

 上記目的に鑑み鋭意研究の結果、本発明 は、グラファイト系炭素とダイヤモンドと らなるナノメーター大きさの粒子、又は前 ナノメーター大きさの粒子にナノサイズダ ヤモンドを添加した混合粒子を用いること より、ガラス、セラミックス等の加工性、 工面の平坦度及び面粗度を劣化させないで スクラッチ傷の発生を著しく低減できるこ を見出し、本発明に想到した。

 すなわち、本発明の研磨材は、グラファイ 系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン が30~250 nmで、比重が2.63~3.38 g/cm 3 である粒子を有することを特徴とする。

 前記比重は2.75~3.25 g/cm 3 であるのが好ましい。

 本発明のもう一つの研磨材は、グラファイ 系炭素とダイヤモンドとからなるメジアン が30~250 nmの粒子、及びナノサイズダイヤモ ンドからなるメジアン径が30~250 nmの粒子か なる混合粒子を有し、前記混合粒子の平均 重が2.63~3.38 g/cm 3 であることを特徴とする。

 前記平均比重は2.75~3.25 g/cm 3 であるのが好ましい。

 本発明の研磨材は、ガラス、セラミック 及びアルミニウムの研磨に用いるのが好ま い。

 本発明のグラファイト系炭素とダイヤモ ドとからなるナノメーター大きさの粒子、 は前記ナノメーター大きさの粒子にナノサ ズダイヤモンドを添加した混合粒子を有す 研磨材は、ガラス、セラミックス、金属等 加工性に優れ、高度の平坦度及び面粗度を する加工面が得られ、かつスクラッチ傷の 生が少ないので、結晶化ガラス、アモルフ スガラス、アルミニウム(Ni-P薄膜付き)等の ードディスク基板、合成石英ガラス、青板 ラス等のフォトマスク基板、ノンアルカリ ラスのフラットパネル(液晶テレビ)、発光 イオード基板(LED基板)、青板ガラス、高歪み 点ガラス等のディスプレイガラス基板(PDPガ ス基板:プラズマテレビ、携帯電話、ゲーム 、パソコン他に使用)の研削及び研磨に好適 である。

本発明の研磨材に用いるグラファイト- ダイヤモンド粒子の製造工程の一例を示す模 式図である。

[1] 研磨材
(1) グラファイト系炭素とダイヤモンドとか なるナノメーター大きさの粒子
 グラファイト系炭素とダイヤモンドとから るナノメーター大きさの粒子(以下「グラフ ァイト-ダイヤモンド粒子」とも言う。)は爆 法で製造される。この粒子は、ダイヤモン の表面をグラファイト系炭素が覆ったコア/ シェル構造を有しており、グラファイト系炭 素の表面には-COOH、-OH等の親水性官能基が多 存在し、水、アルコール、エチレングリコ ル等の-OH基を有する溶媒との親和性が極め 良好であり、これらの溶媒にすみやかに分 する。中でも水に対する分散性が最も良い

 グラファイト-ダイヤモンド粒子は、0.001~ 0.1質量%程度の濃度の水分散液として用いる が好ましい。この水分散液を、両面機によ ラップ・ポリッシング工程で不織布等に滴 しながら、ガラス、セラミックス、アルミ ウム(Ni-P薄膜付き)等の表面の精密研磨加工 行う。

 グラファイト-ダイヤモンド粒子は、比重が 2.63~3.38 g/cm 3 である場合に加工性が良くかつスクラッチの 発生が抑えられる。グラファイト-ダイヤモ ド粒子の比重は、好ましくは2.75~3.25 g/cm 3 である。ダイヤモンドの比重を3.50 g/cm 3 、グラファイトの比重を2.25 g/cm 3 として、ダイヤモンドとグラファイトの割合 を計算すると、比重2.63 g/cm 3 はダイヤモンド30容積%及びグラファイト70容 %の組成を有する粒子に相当し、比重3.38 g/c m 3 はダイヤモンド90容積%及びグラファイト10容 %の組成を有する粒子に相当する。同様に比 重が2.75 g/cm 3 はダイヤモンド40容積%及びグラファイト60容 %の、比重3.25 g/cm 3 はダイヤモンド80容積%及びグラファイト20容 %の組成を有する粒子に相当する。なお比重 2.87 g/cm 3 はダイヤモンド50容積%及びグラファイト50容 %の組成を有する粒子に相当する。比重が2.6 3 g/cm 3 未満であると、スクラッチはほとんど発生し ないが、ダイヤモンド量が少ないため加工性 に劣る。また、比重が3.38 g/cm 3 を越えると、加工性は極めて良いが、スクラ ッチが多く発生する。

 グラファイト-ダイヤモンド粒子は、メジ アン径が30~250 nmであると加工性が良好で、 つスクラッチの発生も抑えられる。

(2) ナノサイズダイヤモンド
 ナノサイズダイヤモンドは、前記グラファ ト-ダイヤモンド粒子を更に精製し、グラフ ァイトを除去したものであり、比重が3.38 g/c m 3 より大きいものである。ナノサイズダイヤモ ンドの比重は、好ましくは3.45 g/cm 3 以下である。ナノサイズダイヤモンドのメジ アン径は30~250 nmであるのが好ましく、50~150  nmであるのがより好ましい。

 ナノサイズダイヤモンドを単独で用いると クラッチが問題となるため、混合粒子の平 比重が2.63~3.38 g/cm 3 となるように、グラファイト-ダイヤモンド 子とナノサイズダイヤモンド粒子とを混合 て用いる。混合粒子の平均比重は、好まし は2.75~3.25 g/cm 3 である。ナノサイズダイヤモンド粒子の使用 量は、グラファイト-ダイヤモンド粒子との 合粒子の平均比重が前記の範囲にあればど ような量でも良いが、グラファイト-ダイヤ ンド粒子に対して、0~100容量%であるのが好 しく、0~50容量%であるのが更に好ましく、0~ 10容量%であるのが最も好ましい。

(3) 用途
 グラファイト-ダイヤモンド粒子、又はグラ ファイト-ダイヤモンド粒子にナノサイズダ ヤモンドを添加した混合粒子を含む研磨材 、ガラス、セラミックス、金属等の研磨に ましく用いられ、特に結晶化ガラス、アモ ファスガラス、アルミニウム(Ni-P薄膜付き) のハードディスク基板、合成石英ガラス、 板ガラス等のフォトマスク基板、ノンアル リガラスのフラットパネル(液晶テレビ)、発 光ダイオード基板(LED基板)、青板ガラス、高 み点ガラス等のディスプレイガラス基板(PDP ガラス基板)の研磨に好適に用いられる。

[2]製造方法
 グラファイト系炭素とダイヤモンドとから る粒子(グラファイト-ダイヤモンド粒子)は 爆射法によって合成された粗ダイヤモンド( 以下、「ブレンドダイヤモンド」又は「BD」 も云う)を精製することによって得られる。 ナノサイズダイヤモンド[以下UDD(Ultra Dispersed  Diamonds:超分散ダイヤモンド)と言うこともあ る。]は、前記粗ダイヤモンドを更に精製す ことによって得られる。爆射法としては、Sc ience,Vol.133,No.3467(1961), pp1821-1822、特開平1-23431 1号、特開平2-141414号、Bull.Soc. Chim.Fr.Vol.134(199 7).pp875-890、Diamond and Related materials Vol.9(2000) ,pp861-865、Chemical Physics Letters,222(1994) pp343-346 、Carbon,Vol.33, No.12(1995), pp1663-1671、Physics of  the Solid State,Vol.42,No.8(2000),PP1575-1578、Carbon Vo l.33, No.12(1995), pp1663-1671、K.Xu.Z.Jin,F.Wei and T. Jiang,Energetic Materials, 1,19(1993)(in Chinese)、特 昭63-303806号、特開昭56-26711号、英国特許第115 4633号、特開平3-271109号、特表平6-505694号(WO93/1 3016号)、炭素,第22巻,No.2,189~191頁(1984)、Van Thie i. M. & Rec.,F. H., J. Appl. Phys. 62, pp. 176 1~1767(1987)、特表平7-505831号(WO94/18123号)及び米 特許第5861349号等に記載の方法を用いること ができる。グラファイト-ダイヤモンド粒子 比重は、爆射条件及びBDの精製度を調節する ことにより調節することができる。

(1) 爆射条件によるグラファイトとダイヤモ ドの比率の制御
 炭素原子をグラファイト構造からダイヤモ ド構造に変換するためには、高温及び高圧 態が必要である。爆薬の爆射は、反応系内 置かれた炭素原料をダイヤモンド構造に変 するのに必要な高圧及び高温状態を容易に 生させる。ダイヤモンド合成操作で、印加 れていた圧力が瞬時に開放されたときに、 (温度)が残存していると生成したダイヤモ ド構造をグラファイト構造に戻してしまう 反応系中の生成済みダイヤモンド構造がグ ファイト構造に戻る温度は、高圧が解除さ た場合、例えば典型的には常圧では約2000℃ あるため、すみやかにこの温度以下に冷却 る必要がある。

 爆薬の爆射による衝撃波の伝播速度は通常0 .8~12 km/sec程度であるため、通常の大きさの 応系が高圧に維持される時間はたかだか10 -5 ~10 -6 secの短時間であり、極小反応単位が高圧に維 持される時間は10 -8 ~10 -9  secにすぎない。生成したダイヤモンド構造 保持するためには、反応系の密閉状態を瞬 に開放して、ダイヤモンド構造がグラファ ト構造に変換される温度(約2000℃)以下に急 する必要があるが、このような短時間で精 良く温度を制御することは困難である。従 て、爆射条件のみを制御して工業レベルで ラファイト系炭素とダイヤモンドの割合を 宜変えたグラファイト-ダイヤモンド粒子を 製造することは困難である。

 爆射後の反応容器内を急速に冷却しグラ ァイト量を調節する技術が、特表平7-505831 (WO94/18123号)に記載されている。特表平7-505831 号(WO94/18123号)には、トリニトロトルエン(TNT)/ シクロトリメチレントリニトロアミン(RDX)=60/ 40を爆薬として用いた場合の爆発温度(3500~4000  K)から、爆発の後に生成物を7000度/分の程度 の速度で350 Kまで冷した場合、炭素相は70~80 量%の立方晶相(ダイヤモンド)を含んで生成 、反対に冷却速度が200度/分より低い場合、 生成物は二酸化炭素と水蒸気と反応して完全 にCOに変わってしまうと記載されている。つ り爆射による反応後の容器内のガスの冷却 度を調節することにより、ブレンドダイヤ ンド中のグラファイトとダイヤモンドの組 比を制御することができる。冷却速度は、 なるガス放出条件を用い、爆発容積と爆発 ャンバー容積を変えること、及び反応容器 の氷量又は水量を変えることによって調節 ることができる。

 更には、グラファイト-ダイヤモンド粒子 のグラファイト系炭素とダイヤモンドの割合 を制御する方法としては、特許公開2003-146637 に記載の方法で得られた最終工程の精製UDD( 超分散ダイヤモンド)を部分的にグラファイ に変える方法がある。窒素などの不活性ガ 下、酸素雰囲気下、又は真空下で、700~1200℃ で、1~30分加熱することによって、ダイヤモ ド表面を覆うグラファイト量を変えたグラ ァイト-ダイヤモンド粒子を得ることができ 。

 しかし特表平7-505831号(WO94/18123号)や特許 開2003-146637号に記載の方法は、原理的には可 能であるが、工業レベルで行うには品質の安 定性の確保が難しく、生産コストも高い。本 発明はこれらの方法によってもグラファイト 量の調節が可能であるが、これらの方法に限 定されず、後述の爆射合成後のBD精製時にグ ファイト量調節する方法が好ましい。

(2)精製条件によるグラファイトとダイヤモン ドとの比率の制御
 爆射法で得られたBDは、数10~数100 nmの径を するUDD(超分散ダイヤモンド)、グラファイ 系炭素及び非グラファイト炭素からなり、1. 7~7 nm径の極小さなナノクラスター大きさの イヤモンド単位(ナノメーター大きさのダイ モンド)が強固に凝集した凝集体である。つ まり最低4個、通常十数個~数百個の、場合に っては数千個のナノメーター大きさのダイ モンドの強固な凝集体である。BDは極少量 アモルファス、グラファイト及び非グラフ イト炭素超微粒子(1.5 nm以下)を含有する。

 BDの不純物は、(i)水溶性電解質(ionized)、(i i)ダイヤモンド表面に化学結合した加水分解 の基及びイオン性の物質(官能性表面基の塩 等)、(iii)水不溶性の物質(表面に付着した不 物、不溶性塩、不溶性酸化物)、(iv)揮発性物 質、(v)ダイヤモンド結晶格子中に包含される か又はカプセル化された物質に分けることが できる。

 前記(i)の水溶性電解質は水洗により除去 きるが、より効果的に除去するにはイオン 換樹脂で処理するのが好ましい。前記(iii) 水不溶性の不純物は、金属、金属酸化物、 属カーバイド、金属塩(硫酸塩、シリケート カーボネート等)のような分離したミクロ粒 子、分離できない表面塩、表面金属酸化物等 からなる。これらを除去するには、酸によっ て可溶性の形に変換するのが好ましい。前記 (iv)の揮発性不純物は、通常0.01 Pa程度の真空 中で、250~400℃で熱処理することにより除去 ることができる。

 本発明で用いるグラファイト-ダイヤモン ド粒子は、必ずしも不純物を完全に除去する 必要はないが、前記(i)~(iii)の不純物を40~95%除 去するのが好ましい。グラファイトとダイヤ モンドとの比率は、前記爆射法の条件を変更 すること、及び/又はBDの精製条件を変更する ことによって調節することができる。

 グラファイト-ダイヤモンド粒子の製造工 程の一例を図1に模式的に示すが、これらの 法に限定されるものではない。この例にお るグラファイト-ダイヤモンド粒子の製造方 は、(A)爆薬の爆射によりで爆射式初期BDを 造する工程、(B)生成した初期BDを回収して酸 化性分解により電気雷管等の混入金属、炭素 等の夾雑物を分解する酸化性分解処理工程、 (C)酸化性分解処理により精製したBDを酸化性 ッチング処理して主にBD表面を被覆する硬 炭素を除去しグラファイト-ダイヤモンド粒 とする酸化性エッチング処理工程、(D)酸化 エッチング処理してなるグラファイト-ダイ ヤモンド粒子を含む硝酸水溶液に、それ自身 揮発性の又はその分解反応生成物が揮発性の 塩基性材料を加えて中和し、二次凝集体であ るグラファイト-ダイヤモンド凝集体を一次 子である個々のグラファイト-ダイヤモンド 子にする中和反応工程、(E)中和反応工程を て生成したグラファイト-ダイヤモンド粒子 の反応懸濁液を水により充分にデカンテーシ ョンする傾斜工程、(F)傾斜工程を経たグラフ ァイト-ダイヤモンド粒子懸濁液に硝酸を加 洗浄して静置し、得られたグラファイト-ダ ヤモンド粒子を含む下層懸濁液を上層排液 ら抜き取る洗浄工程、(G)洗浄されたグラフ イト-ダイヤモンド粒子懸濁液を遠心分離す る工程、及び(H)遠心分離されたグラファイト -ダイヤモンド粒子分散液を所望pH及び所望濃 度に調製する工程からなる。グラファイト- イヤモンド粒子の分散液は、通常4~10のpH、 ましくは5~8のpH、より好ましくは6~7.5のpHを する。

(A) 爆射式初期BD製造工程
 水と多量の氷1を満たした純チタン製の耐圧 容器2に、電気雷管6を装着した爆薬5[この例 はTNT(トリニトロトルエン)/HMX(シクロテトラ チレンテトラニトラミン)=50/50を使用]を胴 に収納せる片面プラグ付き鋼鉄製パイプ4を 平に沈め、この鋼鉄製パイプ4に鋼鉄製のヘ ルメット3を被覆して、爆薬5を爆裂させ、反 生成物としての初期BDを容器2中の水及び氷 から回収する。

(B) BD酸化性分解処理工程
 回収した初期BDを55~56質量%の濃HNO 3 と共に、例えば14気圧150~180℃のオートクレー ブ7中で、10~30分間酸化性分解処理し、炭素系 夾雑物、無機夾雑物、残存金属等の不純物を 分解する。

(C) 酸化性エッチング処理工程
 酸化性エッチング処理は、酸化性分解処理 たBD表面を被覆する硬質炭素をできるだけ 去するため、一般に酸化性分解処理よりも に厳しい条件(通常、18気圧、200~240℃)で行う 。このような条件で10~30分処理すると、BD表 を被覆する硬質炭素、すなわちグラファイ を徹底的に除去することができる。本発明 は、BD表面を被覆するグラファイトを徹底的 に除去することが目的ではなく、残存グラフ ァイト量を調節することが目的であるため、 温度及び圧力の処理条件を緩和させて行う。 例えば13気圧、120~150℃、0.5~3時間処理の条件 酸化性エッチング処理することで、硬質炭 を除去する速度を遅くして、非ダイヤモン 炭素(グラファイト)量を適宜調整したグラ ァイト-ダイヤモンド粒子を作製することが きる。酸化性エッチング処理後の液は、通 pH2~6.95の酸性である。

 前記BD酸化性分解処理の条件(14気圧、150~1 80℃、10~30分)や、前記酸化性エッチング処理 条件(13気圧、120~150℃、0.5~3時間)は限定され るものではなく、適宜変更することが可能で ある。酸化性エッチング処理の条件は、温度 、圧力、時間の組み合わせによっては変わり うるので、特に限定されないが、12~18気圧、1 20~150℃、0.5~3時間であるのが好ましい。

(D) 中和反応工程
 中和反応工程は、従来法にない特徴的操作 1つである。酸化性エッチング処理をされた グラファイト-ダイヤモンド粒子を含む硝酸 溶液に、それ自身揮発性の又はその分解反 生成物が揮発性の塩基性物質を加えて、例 ば、200~220℃、20気圧の条件で10~30分間還流し 中和反応させる。塩基性物質の添加により、 被処理液はpHが2~6.95から7.05~12に上昇する。こ の中和反応は、凝集したグラファイト-ダイ モンド粒子内にカチオン(アニオンより一般 にイオン半径が小さい)が浸透して、粒子内 に残存する硝酸を攻撃することにより、小爆 発を伴う激しい中和反応、分解反応、不純物 脱離溶解反応、ガス生成反応及び表面官能基 生成反応を生起し、その結果ガスの発生及び 昇圧昇温によりグラファイト-ダイヤモンド 集体を個々のグラファイト-ダイヤモンド粒 に解体する。この工程で、グラファイト-ダ イヤモンド粒子の大きな比表面積及び孔部吸 着空間が形成されるものと思われる。

 塩基性材料としては、アンモニア、ヒド ジン、メチルアミン、ジメチルアミン、ト メチルアミン、エチルアミン、ジエチルア ン、トリエチルアミン、エタノールアミン プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジ ロピルアミン、アリルアミン、アニリン、N ,N-ジメチルアニリン、ジイソプロピルアミン 、ジエチレントリアミンやテトラエチレンペ ンタミンのようなポリアルキレンポリアミン 、2-エチルヘキシルアミン、シクロヘキシル ミン、ピペリジン、ホルムアミド、N,N-メチ ルホルムアミド、尿素等を挙げることができ る。例えば、塩基性材料をしてアンモニアを 使用した場合、硝酸と以下のような各種ガス 発生反応が進行する。

HNO 3  + NH 3  → NH 4 NO 3  → N 2 O + 2H 2 O N 2 O → N 2  + (O) 3HNO 3  + NH 3 →NH 4 NO 2  + N 2 O 3  + H 2 O + O 2 + (O) NH 4 NO 2  → N 2  + 2H 2 O N 2 O 3 + NH 3  → 2N 2  + 3H 2 O N 2 O 3 → N 2  + O 2  + (O) NH 4 NO 2  + 2NH 3 →2N 2  + H 2 O + 3H 2  H 2  + (O)→ H 2 O HCl + NaOH → Na +  + Cl -  + H 2 O HCl + NH 3 → NH 4 +  + Cl -  NH 4 +  →NH 3 + H +  H 2 SO 4  + 2NH 3 →N 2 O + SO 2 + NO 2
発生したN 2 、O 2 、N 2 O、H 2 O、H 2 、SO 2 ガスは系外に放出されるので、残存物による 系に対する影響はほとんどなくなる。

(E) 傾斜工程
 前記中和反応工程を経て生成されたグラフ イト-ダイヤモンド粒子の反応懸濁液に水を 加えてデカンテーションを必要回数(例えば3 以上)繰り返し行う。

(F) 洗浄工程
 前記傾斜工程を経たグラファイト-ダイヤモ ンド粒子懸濁液に硝酸を加え撹拌(例えば、 カニカルマグネチックスターラーを使用)し 浄して静置し、上層排液と下層懸濁液に分 、グラファイト-ダイヤモンド粒子を含む下 層懸濁液を抜き取る。例えば、グラファイト -ダイヤモンド粒子含有液1 kgに対して水50 kg 加えた場合、上層排液と下層懸濁液とは明瞭 に層分離しないが、グラファイト-ダイヤモ ド粒子を含む下層懸濁液の容量は、上層排 の容量のほぼ1/4程度である。

(G) 遠心分離工程
 槽の底部から回収されたグラファイト-ダイ ヤモンド粒子懸濁液を、例えば20,000 rpmの超 心分離機により遠心分離する。遠心分離に り濃縮されたグラファイト-ダイヤモンド粒 子分散液は、所望により(H)グラファイト-ダ ヤモンド粒子分散液調製工程で濃度調整、 は(J)グラファイト-ダイヤモンド粒子微粉末 製工程で乾燥する。

(H)グラファイト-ダイヤモンド粒子分散液調 工程
 遠心分離により濃縮されたグラファイト-ダ イヤモンド粒子分散液を、水等の溶媒で希釈 し濃度調節する。

(J)グラファイト-ダイヤモンド粒子微粉末作 工程
 遠心分離により濃縮されたグラファイト-ダ イヤモンド粒子分散液を乾燥し、グラファイ ト-ダイヤモンド粒子微粉末を作製する。

 グラファイト-ダイヤモンド粒子分散液は 、pH 4~10、好ましくはpH5~8、より好ましくはpH 6~7.5に調節する。液中に分散しているグラフ イト-ダイヤモンド粒子は、ほとんどが2~250 nmの粒径(数基準で80%以上、重量基準で70%以 が2~250 nmの範囲にある)であって狭分散形で る。分散液中のグラファイト-ダイヤモンド 粒子濃度は0.05~16%、好ましくは0.1~12%、より好 ましくは1~10%である。

 図1では便宜上、例えば(B)BD酸化性分解処 工程と(C)酸化性エッチング処理工程とを別 場所で別の容器で実行するかのように示さ ているが、これら各工程は、同一場所及び/ 又は同一容器で実行してもよい。(E)傾斜工程 と(F)洗浄工程との場合も同様である。容器は 耐圧容器を用いる。

[3]粒子の比重測定法
 グラファイト-ダイヤモンド粒子、又はグラ ファイト-ダイヤモンド粒子及びナノダイヤ ンド粒子の混合粒子の真比重は以下の操作 より測定できる。
1.試料を比重ビンに入れ、蓋をした状態で秤 し重量を求める。
2.蒸留水を試料の少し上位まで入れ、煮沸法 気泡を完全に除去する。
3.25℃蒸留水を入れ、恒温槽(25℃)に10分間入 て、基線まで満たす。
4.恒温槽から比重ビンを取り出し、外側の水 を良く拭き取った後秤量し重量を測る。
5.比重ビンをよく洗浄し、25℃の蒸留水のみ 入れ、恒温槽(25℃)に10分間入れて、基線ま 満たし、4と同様に重量を測定する。
6.上記操作で得た値から以下の式(1)により真 重ρを求める。

  ρ=[(W-P)・dw]/[(W1-P)-(W2-P)] ・・・(1)
ここで、
W:比重ビン+試料の重量、
W1:比重ビンに蒸留水のみを満たした時の重量 、
W2:比重ビンに試料と蒸留水を満たし、完全に 気泡を満たした(空気を除いた)時の重量、
P: 比重ビンの重量、及び
dw:測定時の温度における水の比重である。

 本発明を実施例により更に詳細に説明す が、本発明はそれらに限定されるものでは い。

実施例1~5及び比較例1~2
 図1に示す製造方法に従って、グラファイト -ダイヤモンド粒子を作製した。(A)の爆射は TNT(トリニトロトルエン)とRDX(シクロトリメ レントリニトロアミン)を60/40の比で含む0.65k gの爆発物を3 m 3 の爆発チャンバー内で爆発させて生成するBD 保存するための雰囲気を形成した後、同様 条件で2回目の爆発を起こしBDを合成した。 発生成物が膨張し熱平衡に達した後、15 mm 断面を有する超音速ラバルノズルを通して3 5秒間ガス混合物をチャンバーより流出させ 。チャンバー壁との熱交換及びガスにより われた仕事(断熱膨張、気化)のため、混合物 の冷却速度は280℃/分であった。サイクロン 捕獲した生成物(黒色の粉末、BD)の比重は2.55  g/cm 3 であった。このBDは比重から計算して、76容 %のグラファイト系炭素と24容積%のダイヤモ ドからなっていると推定された。

 このBDを60質量%硝酸水溶液と混合し、160 、14気圧、20分の条件で、(B)の酸化性分解処 を行った後、(C)の酸化性エッチング処理の 件のみを表1に示すように変更し、以下(D)の 中和[210℃、20気圧、20分還流]、(E)の傾斜によ る分離、(F)の洗浄[35質量%硝酸で洗浄]、(G)の 心分離、(H)のBD懸濁液調整は同様にして、 ラファイト系炭素とダイヤモンドとからな 比重の異なるナノメーター大きさのグラフ イト-ダイヤモンド粒子を作製した。比較例2 がナノサイズダイヤモンド(UDD)であり、他は ラファイト-ダイヤモンド粒子である。

実施例6~8
 比較例1のグラファイト-ダイヤモンド粒子 び比較例2のナノサイズダイヤモンド(UDD)を 表2に示す比(容量比)で混合した混合粒子を 製した。

<研磨試験1>
 これらグラファイト-ダイヤモンド粒子の0.0 1質量%含有の純水分散溶液に、粒子重量に対 加工促進剤としてコハク酸を1質量%添加し pHを5.5に調整した。この分散液を用いて、以 下の方法で研削(ラップ)済みの磁気ディスク 基板を被研磨物として研磨試験を行った。

研磨条件
(a)被研磨物:φ2.5インチ結晶化ガラス・ディス ク
(b)加工枚数:15枚
(c)研磨機:両面研磨機(定盤径φ700 mm)
(d)研磨パッド:BELLATRIX N0048(カネボウ株式会社 製)
(e)荷重:100 g/cm 2
(f)上定盤回転数:24 rpm
(g)下定盤回転数:16 rpm
(h)研磨用分散物供給量:150 cc/min.

 加工時間は、比較例2の分散液を使用した ときに取り代が3μm(両面)になる時間を、実施 例1~5及び比較例1に適用した。具体的には、 較例2の分散液を用いて下記方法により予め 磨速度を求めておき、取り代が一定(両面合 わせてで3μm)となるよう研磨速度を設定した

<研磨速度の測定>
 研磨試験後の磁気ディスク用基板を洗浄、 燥した後、研磨加工の前後で磁気ディスク 基板の重量を測定し、その差(重量減)と磁 ディスク用基板の面積、ならびに加工時間 り研磨速度を測定した。

<スクラッチの測定>
 有限会社ビジョンサイテック製の微細欠陥 視化検査装置MicroMAX(マイクロマックス)OSA610 0を使用して測定した。

 加工性は、比較例2のUDD(超分散ダイヤモ ド。ダイヤモンドが約93容量%、グラファイ が7容量%)を使用したときの加工量を1.00とし 相対値で示した。スクラッチ発生状況は、 記ハードディスク基板の両面の記録箇所に 生したスクラッチ数の1面辺りの平均値(個 )、及び5 mm以上の長いスクラッチの1面辺り 平均値(個数)を評価した。結果を表1及び表2 に示す。

注(1):比較例2の分散液を用いたときの加工量 1.00とした相対値。
注(2):ハードディスク基板の1面辺りに発生し スクラッチの平均値。
注(3):ハードディスク基板の1面辺りに発生し 5 mm以上のスクラッチの平均値。

注(1):比較例2の分散液を用いたときの加工量 1.00とした相対値。
注(2):ハードディスク基板の1面辺りに発生し スクラッチの平均値。
注(3):ハードディスク基板の1面辺りに発生し 5 mm以上のスクラッチの平均値。
注(4):比較例1のグラファイト-ダイヤモンド粒 子及び比較例2のナノサイズダイヤモンドの 合比

 表1及び表2に示した結果を下記の基準に り評価し表3に示す。併せてHORIBA LB-500測定 たメジアン径を表3に示す。メジアン径(d50) 、粉体をある粒子径から2つに分けたとき、 きい側と小さい側が等量となる径を示す。 こで、品質を重要視し、加工量の1割以内の 低下(◎の評価)は許容範囲とした。

加工性
◎;加工量が0.90以上 1.00以下
○;加工量が0.75以上 0.90未満
×;加工量が0.75未満

スクラッチ性
◎;スクラッチ数が50個未満
○;スクラッチ数が50個以上100個未満
×;スクラッチ数が100個以上

 グラファイト-ダイヤモンド粒子の比重が2.6 3~3.38 g/cm 3 であると加工性が良く,かつスクラッチの発 が抑えられることが分かる。グラファイト- イヤモンド粒子の比重は、好ましくは2.75~3. 25 g/cm 3 である。比重が2.63 g/cm 3 未満であると、スクラッチの発生が極めて少 なく非常に良好であるが、ダイヤモンド量が 少なくて加工性に劣る。また比重が3.38 g/cm 3 を越えると、加工性は極めて良いが、スクラ ッチの発生が多くなり好ましくないことが理 解される。また、グラファイト-ダイヤモン 粒子とナノサイズダイヤモンド粒子とから る混合粒子を用いた研磨材も、グラファイ -ダイヤモンド粒子からなる研磨材と同様、 の平均比重が2.63~3.38 g/cm 3 の範囲内にあると加工性が良く,かつスクラ チの発生が抑えられることが分かる。

比較例4
 (C)の酸化性エッチング処理の条件を150℃、1 3気圧、1時間処理、(D)の中和条件を200℃、20 圧、10分還流と前より優しい条件にした以外 は、実施例1~5及び比較例1~2と同様にして、比 重2.85 g/cm 3 、メジアン径(d50)が288 nmの試料を得た。2.85  g/cm 3 の比重は、ダイヤモンド48容積%及びグラファ イト52容積%のグラファイト-ダイヤモンド粒 に相当する。

比較例3及び実施例9~13
 比較例4の試料をビーズミルで粉砕して、表 4に示すように21 nm、30 nm、51 nm、107 nm、153 nm及び250 nm(それぞれ、比較例3及び実施例9~1 3)の試料を作製した。

<研磨試験2>
 実施例9~13及び比較例2~4で得られたグラファ イト-ダイヤモンド粒子の0.01質量%含有の純水 分散溶液に、粒子重量に対し加工促進剤とし てコハク酸を1質量%添加し、pHを3.5に調整し 水溶液を用い、研削(ラップ)済みの3.5インチ 径の120ギガバイト用アルミニウム・ハードデ ィスク基板(下地硬化層として、無電解Ni-Pメ キ層8μm付き。Ni:P=90:10)を被研磨物として、 磨用分散物供給量を300 cc/min.と変更した以 研磨試験1と同様にして研磨試験を行った。

 研磨試験2で用いた3.5インチ径のハードデ ィスク基板の面積は、研磨試験1で用いた2.5 ンチ径の基板の倍に相当するため、研磨用 散物の供給量を研磨試験1の倍の300cc/min.にし て研磨を行った。また加工時間は、比較例2 分散液を使用したときに取り代が3μm(両面) なる時間を、3.5インチ径の120ギガバイト用 ルミニウム・ハードディスク基板を用いて 定し、実施例9~13及び比較例3~4の分散液を使 した場合に適用した。

 メジアン径、加工性、スクラッチ数、5 m m以上のスクラッチ数は実施例1と同様にして 価した。結果を表4に示す。

注(1):比較例2の分散液を用いたときの加工量 1.00とした相対値。
注(2):ハードディスク基板の1面辺りに発生し スクラッチの平均値。
注(3):ハードディスク基板の1面辺りに発生し 5 mm以上のスクラッチの平均値。

 表4に示した結果を下記の基準により評価 した結果及びメジアン径を表5に示す。加工 は実施例1~5及び比較例1~2と同じ評価基準で るが、スクラッチ性は基板の面積が倍にな たので、数値範囲を倍とした。

加工性
◎;加工量が0.90以上 1.00以下
○;加工量が0.75以上 0.90未満
×;加工量が0.75未満

スクラッチ性
◎;スクラッチ数が100個未満
○;スクラッチ数が100個以上200個未満
×;スクラッチ数が200個以上

 グラファイト-ダイヤモンド粒子のメジア ン径(d50)が、30~250 nmであると加工性が良くか つスクラッチの発生が抑えられることが分か った。メジアン径は好ましくは、50~150 nmで る。メジアン径(d50)が30 nm未満であると、ス クラッチの発生が極めて少なく非常に良好で あるが、加工性に劣る。また、メジアン径(d5 0)が250 nmを越えると、加工性は極めて良いが 、スクラッチの発生が多くなり好ましくない ことが分かる。