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Patent Searching and Data


Title:
ACOUSTIC ADJUSTMENT METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/090896
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an acoustic adjustment method which can easily adjust sound quality in accordance with various preferences of users or applications. The acoustic adjustment method subjects an audio signal to a predetermined adjustment before the signal is inputted to an acoustic output device. In this adjustment, the phase frequency characteristic of the audio signal is modified independently of the amplitude frequency characteristic.

Inventors:
MATSUMOTO YASUSHI
MAEDA KAZUAKI
Application Number:
PCT/JP2008/050832
Publication Date:
July 31, 2008
Filing Date:
January 22, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOA CORP (JP)
MATSUMOTO YASUSHI
MAEDA KAZUAKI
International Classes:
H03H17/06; H03G5/02; H03H17/02; H04R3/04
Foreign References:
JPH01160207A1989-06-23
JPH04116774A1992-04-17
JPH0795684A1995-04-07
JP2003168958A2003-06-13
Attorney, Agent or Firm:
PATENT CORPORATE BODY ARCO PATENT OFFICE (Bo-eki Bldg.123-1, Higashimachi, Chuo-ku,Kobe-sh, Hyogo 31, JP)
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Claims:
 音声信号に所定の調整を施してから音響出力装置に入力する音響調整方法であって、
 該調整において、該音声信号の位相周波数特性を振幅周波数特性とは独立して変更させる、音響調整方法。
 該調整において、任意の周波数範囲において該音声信号の位相周波数特性を変更させる、請求項1に記載の音響調整方法。
 該調整において、該音声信号の位相周波数特性を任意の位相周波数特性に基づいて変更させる、請求項1または2に記載の音響調整方法。
 該調整において、該音声信号の振幅周波数特性を位相周波数特性とは独立して変更させる、請求項1~3のいずれかに記載の音響調整方法。
 該調整において、該音声信号の振幅周波数特性を変更させることなく、位相周波数特性のみを変更させる、請求項1~3のいずれかに記載の音響調整方法。
 該調整において、該音響出力装置の位相周波数特性と総合することによって所望の位相周波数特性と同一となるような位相周波数特性に基づいて、該音声信号の位相周波数特性を変更させる、請求項1~5のいずれかに記載の音響調整方法。
 該音響出力装置がスピーカを有し、
 該調整において、該スピーカの位相周波数特性と総合することによって他の特定のスピーカの位相周波数特性と同一となるような位相周波数特性に基づいて、該音声信号の位相周波数特性を変更させる、請求項1~5のいずれかに記載の音響調整方法。
 該調整がデジタル信号処理によって施される、請求項1~7のいずれかに記載の音響調整方法。
 自身の位相周波数特性を振幅周波数特性とは独立して設定することができるフィルタ装置を用意し、
 該フィルタ装置に該音声信号を入力し、該フィルタ装置によって該調整を行わせることにより、該音声信号の位相周波数特性を振幅周波数特性とは独立して変更させる、請求項1に記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置は、任意の周波数範囲においてその位相周波数特性を振幅周波数特性とは独立して設定することができるように構成され、
 該調整において、該任意の周波数範囲において該音声信号の位相周波数特性を変更させる、請求項9に記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置は、その位相周波数特性として任意の位相周波数特性を設定することができるように構成され、
 該調整において、該音声信号の位相周波数特性を該任意の位相周波数特性に基づいて変更させる、請求項9または10に記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置は、その振幅周波数特性を位相周波数特性とは独立して設定することができるように構成され、
 該調整において、該音声信号の振幅周波数特性を位相周波数特性とは独立して変更させる、請求項9~11のいずれかに記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置は、その振幅周波数特性を変更させることなく、位相周波数特性のみを変更させることができるように構成され、
 該調整において、該音声信号の振幅周波数特性を変更させることなく、位相周波数特性のみを変更させる、請求項9~11のいずれかに記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置と該音響出力装置との総合の位相周波数特性が、所望の位相周波数特性と同一となるように、該フィルタ装置の位相周波数特性を設定する、請求項9~13のいずれかに記載の音響調整方法。
 該音響出力装置がスピーカを有し、
 該フィルタ装置と該スピーカとの総合の位相周波数特性が、他の特定のスピーカの位相周波数特性と同一となるように、該フィルタ装置の位相周波数特性を設定する、請求項9~13のいずれかに記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置による該調整がデジタル信号処理によって施される、請求項9~15のいずれかに記載の音響調整方法。
 該フィルタ装置が有限インパルス応答フィルタを有し、前記有限インパルス応答フィルタのフィルタ係数が変更されることによって該調整が行われる、請求項9に記載の音響調整方法。
 該任意の位相周波数特性は、中心周波数と周波数帯域幅と角度とを1または複数組指定することにより特定する、請求項3に記載の音響調整方法。
 該指定は、中心周波数と周波数帯域幅と角度とのそれぞれの数値を入力することにより行う、請求項18に記載の音響調整方法。
 該指定は、表示装置の画面上に表示された位相周波数特性曲線上の操作子であって、中心周波数と周波数帯域幅と角度とのそれぞれに対応する前記操作子を操作することにより行う、請求項18に記載の音響調整方法。

 該指定は、データとして予め作成された中心周波数と周波数帯域幅と角度とに基づいて行う、請求項18に記載の音響調整方法。
 該任意の位相周波数特性は、表示装置の画面上に所望の位相周波数特性曲線を描画することにより特定する、請求項3に記載の音響調整方法。
 該任意の位相周波数特性は、表示装置の画面上に予め表示される位相周波数特性曲線を操作することにより特定する、請求項3に記載の音響調整方法。
 該任意の位相周波数特性は、予め用意された複数の位相周波数特性の中から1つを選択することにより特定する、請求項3に記載の音響調整方法。
 該調整において、該音声信号の振幅周波数特性を任意の振幅周波数特性に基づいて変更させる、請求項1に記載の音響調整方法。
 該任意の振幅周波数特性は、中心周波数と周波数帯域幅と利得とを1または複数組指定することにより特定する、請求項25に記載の音響調整方法。
 該指定は、中心周波数と周波数帯域幅と利得とのそれぞれの数値を入力することにより行う、請求項26に記載の音響調整方法。
 該指定は、表示装置の画面上に表示された振幅周波数特性曲線上の操作子であって、中心周波数と周波数帯域幅と利得とのそれぞれに対応する前記操作子を操作することにより行う、請求項26に記載の音響調整方法。
 該指定は、データとして予め作成された中心周波数と周波数帯域幅と利得とに基づいて行う、請求項26に記載の音響調整方法。
 該任意の振幅周波数特性は、表示装置の画面上に所望の振幅周波数特性曲線を描画することにより特定する、請求項25に記載の音響調整方法。
 該任意の振幅周波数特性は、表示装置の画面上に予め表示される振幅周波数特性曲線を操作することにより特定する、請求項25に記載の音響調整方法。
 該任意の振幅周波数特性は、予め用意された複数の振幅周波数特性の中から1つを選択することにより特定する、請求項25に記載の音響調整方法。
Description:
音響調整方法

 本発明は、音声信号の位相周波数特性を 整する音響調整方法に関する。

 従来、音響装置では、そのシステム全体 振幅周波数特性及び位相周波数特性が平坦 直線状になるようにイコライズするために FIR(有限インパルス応答)フィルタを用いて るものがある。なお、位相周波数特性とは 一般に位相特性などと言われるものであっ 、周波数を横軸に位相を縦軸に記して表さ る特性のことを言う。また、振幅周波数特 とは、オーディオ業界において一般に周波 特性などと言われるものであって、周波数 横軸に振幅を縦軸に記して表される特性の とを言う。

 例えば、特許文献1には、FIRフィルタが用 いられて、スピーカから出力される音響の位 相周波数特性が直線性を有するようにFIRフィ ルタの係数が設定された構成が記載されてい る。

 一方、特許文献2には、オペアンプを用いて 構成された180度移相回路を少なくとも3段縦 接続した構成とし、可聴周波数の範囲にお る周波数の対数的な増加に対応して音声入 信号の位相を漸次遅らせて可聴周波数の範 においてトータルで450度~600度の範囲の位相 れを発生する位相周波数特性をもつ音質改 回路が示されている。

特開2000-91865号公報

特開2005-143093号公報

 上記の特許文献1の技術では、スピーカか ら出力される音響の位相周波数特性が直線性 を有するように設定されている。また、特許 文献2の技術では、周波数の対数的な増加に 応して直線的な傾きで位相を遅らせるよう 構成されている。このようにこれらの従来 術では、予めどのような位相周波数特性に るかが定められているため、聴取者の好み 種々の用途等に応じて音質の調整を行うこ が困難である。

 本発明は上記のような課題を解決するた になされたもので、聴取者の好みや種々の 途等に応じて音質の調整を容易に行うこと できる音響調整方法を提供することを目的 している。

 上記目的を達成するために、本発明の音 調整方法は、音声信号に所定の調整を施し から音響出力装置に入力する音響調整方法 あって、該調整において、該音声信号の位 周波数特性を振幅周波数特性とは独立して 更させる。

 この方法によれば、位相周波数特性を振 周波数特性とは独立して変更させることに り、従来では実現できなかった音質の調整 可能になる。例えば、ある帯域において、 幅を変化させずに位相を進めることにより 位相を進めた帯域の音がより強調された聞 え方になり、かつ騒々しく聞こえなくなる ど従来では実現できなかった調整ができる うになり、聴取者の好みや種々の用途等に じて音質の調整を容易に行うことができる

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該調整において、任意の周波数範囲 おいて該音声信号の位相周波数特性を変更 せるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該調整において、該音声信号の位相 波数特性を任意の位相周波数特性に基づい 変更させるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該調整において、該音声信号の振幅 波数特性を位相周波数特性とは独立して変 させるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該調整において、該音声信号の振幅 波数特性を変更させることなく、位相周波 特性のみを変更させるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該調整において、該音響出力装置の 相周波数特性と総合することによって所望 位相周波数特性と同一となるような位相周 数特性に基づいて、該音声信号の位相周波 特性を変更させるようにしてもよい。この 法によれば、該音響出力装置によって該所 の位相周波数特性を模擬することができる

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該音響出力装置がスピーカを有し、 調整において、該スピーカの位相周波数特 と総合することによって他の特定のスピー の位相周波数特性と同一となるような位相 波数特性に基づいて、該音声信号の位相周 数特性を変更させるようにしてもよい。こ 方法によれば、該スピーカによって該他の 定のスピーカの位相周波数特性を模擬する とができる。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該調整がデジタル信号処理によって されるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、自身の位相周波数特性を振幅周波数 性とは独立して設定することができるフィ タ装置を用意し、該フィルタ装置に該音声 号を入力し、該フィルタ装置によって該調 を行わせることにより、該音声信号の位相 波数特性を振幅周波数特性とは独立して変 させるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該フィルタ装置は、任意の周波数範 においてその位相周波数特性を振幅周波数 性とは独立して設定することができるよう 構成され、該調整において、該任意の周波 範囲において該音声信号の位相周波数特性 変更させるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該フィルタ装置は、その位相周波数 性として任意の位相周波数特性を設定する とができるように構成され、該調整におい 、該音声信号の位相周波数特性を該任意の 相周波数特性に基づいて変更させるように てもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該フィルタ装置は、その振幅周波数 性を位相周波数特性とは独立して設定する とができるように構成され、該調整におい 、該音声信号の振幅周波数特性を位相周波 特性とは独立して変更させるようにしても い。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該フィルタ装置は、その振幅周波数 性を変更させることなく、位相周波数特性 みを変更させることができるように構成さ 、該調整において、該音声信号の振幅周波 特性を変更させることなく、位相周波数特 のみを変更させるようにしてもよい。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該フィルタ装置と該音響出力装置と 総合の位相周波数特性が、所望の位相周波 特性と同一となるように、該フィルタ装置 位相周波数特性を設定するようにしてもよ 。この方法によれば、該音響出力装置によ て該所望の位相周波数特性を模擬すること できる。

 また、上記の音響調整方法を実行するに たり、該音響出力装置がスピーカを有し、 フィルタ装置と該スピーカとの総合の位相 波数特性が、他の特定のスピーカの位相周 数特性と同一となるように、該フィルタ装 の位相周波数特性を設定するようにしても い。この方法によれば、該スピーカによっ 該他の特定のスピーカの位相周波数特性を 擬することができる。

 また、上記の音響調整方法を実行するにあ り、該フィルタ装置による該調整がデジタ 信号処理によって施されるようにしてもよ 。

 また、該フィルタ装置が有限インパルス応 フィルタを有し、前記有限インパルス応答 ィルタのフィルタ係数が変更されることに って該調整が行われるようにしてもよい。

 また、該任意の位相周波数特性は、中心周 数と周波数帯域幅と角度とを1または複数組 指定することにより特定するようにしてもよ い。

 また、該指定は、中心周波数と周波数帯 幅と角度とのそれぞれの数値を入力するこ により行うようにしてもよい。

 また、該指定は、表示装置の画面上に表 された位相周波数特性曲線上の操作子であ て、中心周波数と周波数帯域幅と角度との れぞれに対応する前記操作子を操作するこ により行うようにしてもよい。

 また、該指定は、データとして予め作成 れた中心周波数と周波数帯域幅と角度とに づいて行うようにしてもよい。

 また、該任意の位相周波数特性は、表示 置の画面上に所望の位相周波数特性曲線を 画することにより特定するようにしてもよ 。

 また、該任意の位相周波数特性は、表示 置の画面上に予め表示される位相周波数特 曲線を操作することにより特定するように てもよい。

 また、該任意の位相周波数特性は、予め 意された複数の位相周波数特性の中から1つ を選択することにより特定するようにしても よい。

 また、該調整において、該音声信号の振 周波数特性を任意の振幅周波数特性に基づ て変更させるようにしてもよい。

 また、該任意の振幅周波数特性は、中心 波数と周波数帯域幅と利得とを1または複数 組指定することにより特定するようにしても よい。

 また、該指定は、中心周波数と周波数帯 幅と利得とのそれぞれの数値を入力するこ により行うようにしてもよい。

 また、該指定は、表示装置の画面上に表 された振幅周波数特性曲線上の操作子であ て、中心周波数と周波数帯域幅と利得との れぞれに対応する前記操作子を操作するこ により行うようにしてもよい。

 また、該指定は、データとして予め作成 れた中心周波数と周波数帯域幅と利得とに づいて行うようにしてもよい。

 また、該任意の振幅周波数特性は、表示 置の画面上に所望の振幅周波数特性曲線を 画することにより特定するようにしてもよ 。

 また、該任意の振幅周波数特性は、表示 置の画面上に予め表示される振幅周波数特 曲線を操作することにより特定するように てもよい。

 また、該任意の振幅周波数特性は、予め 意された複数の振幅周波数特性の中から1つ を選択することにより特定するようにしても よい。

 本発明は、以上に説明した構成を有し、 取者の好みや種々の用途等に応じて音質の 整を容易に行うことができる音響調整方法 提供することができるという効果を奏する

 本発明の上記目的、他の目的、特徴、及 利点は、添付図面参照の下、以下の好適な 施態様の詳細な説明から明らかにされる。

図1は、本発明の実施形態の音響調整方 法を実行する音響調整装置を用いた音響装置 の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施形態におけるFIRフ ィルタの構成の一例を示す回路図である。 図3は、本発明の実施形態における第1 成例の操作入力部の表示画面を示す図であ 。 図4は、本発明の実施形態における第2 成例の操作入力部の表示画面を示す図であ 。 図5は、本発明の実施形態における第6 成例の操作入力部の表示画面を示す図であ 。 図6は、本発明の実施形態における第7 成例の操作入力部の表示画面を示す図であ 。 図7は、本発明の実施形態における第8 成例の操作入力部の表示画面を示す図であ 。

符号の説明

 1 音響調整装置
 2 D/A変換器
 3 増幅器
 4 スピーカ
11 FIRフィルタ
12 演算制御部
13 操作入力部

 以下、本発明の好ましい実施の形態を、 面を参照しながら説明する。

 図1は、本発明の実施形態の音響調整方法 を実行する音響調整装置を用いた音響装置の 構成の一例を示すブロック図である。

 この音響装置は、フィルタ装置である音 調整装置1と、音響調整装置1に接続されたD/ A(デジタル/アナログ)変換器2と、音響調整装 1の後段にD/A変換器2を介して接続された音 出力装置とが備えられている。

 音響出力装置には、D/A変換器2に接続され た増幅器3と、増幅器3に接続されたスピーカ4 とが備えられている。

 音響調整装置1には、FIR(有限インパルス 答)フィルタ11と、フィルタ係数設定手段と て機能する演算制御部12と、変更特性指定手 段として機能する操作入力部13とが備えられ いる。この音響調整装置1のFIRフィルタ11が 音響装置の外部入力端子INとD/A変換器2とを 続する信号線の途中に挿入されている。

 FIRフィルタ11では、デジタル信号処理が われ、例えばマイクロホンから出力される ナログ音声信号がA/D変換されたデジタル音 信号、あるいはCDプレーヤ等の記録媒体再生 装置から出力されるデジタル音声信号が、音 響装置の外部入力端子INを介して入力される FIRフィルタ11にて所定の処理(フィルタリン )が施された信号は、D/A変換器2に入力され アナログ信号に変換され、さらに増幅器3に って電力増幅されてスピーカ4へ出力され、 スピーカ4から拡声音(音響信号)として出力さ れる。

 図2は、FIRフィルタ11の構成の一例を示す 路図である。

 このFIRフィルタ11には、n個の縦続接続され 遅延回路21と、(n+1)個の乗算器22と、加算器2 3とを備えている。各遅延回路21では、それぞ れの入力信号をサンプリング周期だけ遅延さ せて出力し、各乗算器22では、それぞれに対 して設定されるフィルタ係数h k (k=0~n)を入力信号に乗算して出力し、各乗算 22の出力が加算器23で加算されて出力される このようなFIRフィルタ11では、フィルタ係 h k を設定することによって振幅周波数特性(以 、「振幅特性」という)と位相周波数特性(以 下、「位相特性」という)とが定まる。

 ここで、位相特性とは、周波数を横軸に 相を縦軸に記して表される特性のことを言 。また、振幅特性とは、周波数を横軸に振 (例えば、ゲイン)を縦軸に記して表される 性のことを言う。

 演算制御部12は、例えばマイクロコンピュ タによって構成され、操作入力部13の操作に 応じたフィルタ係数h k を導き出してFIRフィルタ11に設定する。各フ ルタ係数h k は各乗算器22の利得として設定される。後述 第1~第3構成例の場合には、演算制御部12は 操作入力部13の操作によって指定された振幅 特性及び位相特性に応じたフィルタ係数h k を算出し、FIRフィルタ11に設定する。この場 、その周波数特性(振幅特性及び位相特性) 情報を逆高速フーリエ変換(逆FFT)等を行うこ とによってフィルタ係数h k を求めることができる。

 操作入力部13では、操作者によって、例 ばFIRフィルタ11に設定される振幅特性及び位 相特性を指定するための操作が行われる。操 作入力部13は、後述の第1~第3構成例の場合に 、例えば、液晶ディスプレイとペンタブレ トとを統合した液晶ペンタブレット等を用 て構成される。この場合、振幅特性と位相 性を入力するための表示画面が表示され、 インティングデバイスとしてスタイラスペ を用いる。

 以下、各構成例について述べるが、各構 例では、操作入力部13及び演算制御部12の構 成が異なり、他の構成については同じである 。

 (第1構成例)
 図3は、第1構成例の操作入力部13の表示画面 を示す図である。

 この図3に示された表示画面31の場合、そ 画面の左側下部領域が振幅特性を指定する めの振幅特性指定領域であり、左側上部領 が指定される振幅特性を振幅特性曲線34で 示する振幅特性表示領域である。また、画 の右側下部領域が位相特性を指定するため 位相特性指定領域であり、右側上部領域が 定される位相特性を位相特性曲線35で表示す る位相特性表示領域である。

 振幅特性指定領域には、例えば可聴周波 (20Hz~20kHz)の範囲内で予め設定された複数の 波数の各々におけるゲイン(利得)を設定す ためのゲイン調整用操作子32が表示されてい る。同様に、位相特性指定領域には、上記の 可聴周波数の範囲内で予め設定された複数の 周波数の各々における位相を設定するための 位相調整用操作子33が表示されている。例え 、上記の予め設定された複数の周波数が10 とした場合には、図中、左から右へ並んだ イン調整用操作子32及び位相調整用操作子33 それぞれは、左から順に、例えば、31Hz、62H z、125Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kH zの周波数のものに対応する。また、これら 周波数の数値については、表示画面31に表示 されるが、図3ではその図示を省略している

 操作者はスタイラスペンを用いて、所望 振幅特性となるように各ゲイン調整用操作 32の位置を上下に移動(ドラッグ)させて各周 波数におけるゲインを設定する。同様に、所 望の位相特性となるように各位相調整用操作 子33の位置を上下に移動させて各周波数にお る位相を設定する。そして、各ゲイン調整 操作子32の位置に対応する振幅特性曲線34が 表示され、各位相調整用操作子33の位置に対 する位相特性曲線35が表示される。なお、 ゲイン調整用操作子32,各位相調整用操作子33 は、一度も設定が行われていない初期状態と しては、例えば、各周波数におけるゲインあ るいは位相が0に設定された状態として表示 れる。

 以上に述べた図3に示す表示画面31が表示さ る操作入力部13では、例えば表示画面31上の 「確定」ボタン(図示せず)をスタイラスペン 触れることにより、各ゲイン調整用操作子3 2の位置を示す表示情報と、各位相調整用操 子33の位置を示す表示情報とを演算制御部12 出力する。これにより、FIRフィルタ11に設 しようとする振幅特性と位相特性とが操作 力部13によって指定される。演算制御部12で 、各ゲイン調整用操作子32の表示情報を振 特性情報に変換するとともに各位相調整用 作子33の表示情報を位相特性情報に変換した 後、それらの振幅特性情報と位相特性情報と に基づき、逆FFT等の演算を行うことによりフ ィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。な 、各ゲイン調整用操作子32の表示情報は、 い間隔の周波数(前述のように例えば31Hz、62H z、・・・・、8kHz、16kHz)についての情報であ ため、演算制御部12では、これらの周波数 すき間の周波数に関する振幅情報(ゲイン)を 補間して振幅特性情報を求める。同様に、各 位相調整用操作子33の表示情報も、広い間隔 周波数(前述のように例えば31Hz、62Hz、・・ ・、8kHz、16kHz)についての情報であるため、 演算制御部12では、これらの周波数のすき間 周波数に関する位相情報を補間して位相特 情報を求める。

 なお、一旦ゲインあるいは位相の設定を行 、次に設定を変更するとき、その変更前に 、各ゲイン調整用操作子32,各位相調整用操 子33はその直前に設定されたときの状態で る変更前の状態が表示される。その状態か 各操作子32,33を上下に移動させて設定を変更 する。このとき、各操作子32,33の位置に対応 て表示される振幅特性曲線34及び位相特性 線35の他、変更前の振幅特性曲線34a及び位相 特性曲線35aを表示しておくようにしてもよい 。これにより、変更前の振幅特性及び位相特 性と新たに設定しようとする振幅特性及び位 相特性との比較が容易になる。

 なお、各ゲイン調整用操作子32,各位相調整 操作子33は、上記のように画面上に表示さ るものではなく、操作者が実際に手で操作 るハードウェアで構成されるようにしても い。

 なお、振幅特性情報とは、例えば振幅特 曲線34のグラフで示されるような振幅特性 表す数値列のデータであり、位相特性情報 は、例えば位相特性曲線35のグラフで示され るような位相特性を表す数値列のデータであ る。

 (第2、第3構成例)
 図4は、第2構成例の操作入力部13の表示画面 を示す図である。

 この図4に示された表示画面41の場合、そ 上半分の上部領域が振幅特性を指定するた の領域(振幅特性表示領域)であり、下半分 下部領域が位相特性を指定するための領域( 相特性表示領域)である。

 上部の振幅特性表示領域には、例えば可 周波数の範囲内において設定される振幅特 を示すためのライン(振幅特性線)42が表示さ れる。このライン42は、初期状態として、例 ば、可聴周波数の全範囲においてゲインが0 に設定された状態である。あるいは、これ以 外の状態に設定されてあってもよい。操作者 はスタイラスペンを用いて、ライン42の任意 箇所をドラッグすることにより所望の振幅 性を示すライン42を形成する。

 下部の位相特性表示領域には、例えば可 周波数の範囲内において設定される位相特 を示すためのライン(位相特性線)43が表示さ れる。このライン43は、初期状態として、例 ば、可聴周波数の全範囲において位相が0に 設定された状態である。あるいは、これ以外 の状態に設定されてあってもよい。操作者は スタイラスペンを用いて、ライン43の任意の 所をドラッグすることにより所望の位相特 を示すライン43を形成する。

 なお、上記の第2構成例の操作入力部13では 任意のライン42,43を変形させて所望の特性 示すライン42,43を形成するようにしたが、例 えば、初期状態の表示画面41を、図4において ライン42,43以外のものが表示され、ライン42,4 3のみが表示されていない画面とし、操作者 スタイラスペンを用いて所望の特性を示す イン42,43を描画するようにしてもよい(これ 、第3構成例の操作入力部13とする)。

 以上に述べた図4に示す表示画面41が表示さ る第2及び第3構成例の操作入力部13では、例 えば表示画面41上の「確定」ボタン(図示せず )をスタイラスペンで触れることにより、ラ ン42の表示情報と、ライン43の表示情報とを 算制御部12へ出力する。これにより、FIRフ ルタ11に設定しようとする振幅特性と位相特 性とが操作入力部13によって指定される。演 制御部12では、ライン42の表示情報を振幅特 性情報に変換するとともにライン43の表示情 を位相特性情報に変換した後、それらの振 特性情報と位相特性情報とに基づき、逆FFT の演算を行うことによりフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 上記の図3、図4に示すような表示画面を 示するように構成された第1、第2及び第3構 例の操作入力部13を用いた場合には、操作者 は、表示画面上で所望するFIRフィルタ11の振 特性と位相特性とを容易に指定することが 能になる。

 (第4構成例)
 次に、第4構成例について説明する。この第 4構成例では、演算制御部12には、例えば演算 制御部12を構成するマイクロコンピュータの 部メモリからなる記憶部を有しており、こ にFIRフィルタ11に関する複数の振幅特性情 と複数の位相特性情報とを予め格納(記憶)し ておく。そして、操作入力部13を操作するこ によって、記憶部に格納されたものの中か 所望の振幅特性情報及び位相特性情報を選 するように構成されている。この第4構成例 の場合の操作入力部13には、例えば、複数の 幅特性のそれぞれに対応する振幅特性指定 タン及び複数の位相特性のそれぞれに対応 る位相特性指定ボタンが設けられている。 れらの指定ボタンは、押しボタン式等の実 に人間の手で選択操作するものであっても いし、タッチパネルに表示され、指やスタ ラスペンで触れることにより選択されるも であってもよく、いずれの場合も振幅特性 び位相特性を指定するための操作が容易で る。操作入力部13では、選択された振幅特 指定ボタンに対応する振幅特性の選択信号 、選択された位相特性指定ボタンに対応す 位相特性の選択信号とを演算制御部12へ出力 する。演算制御部12では、それぞれの選択信 に対応する振幅特性情報と位相特性情報と 記憶部から読み出し、それらの振幅特性情 と位相特性情報とに基づき、逆FFT等の演算 行うことによりフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 また、上記の第4構成例において、演算制 御部12内の記憶部の記憶している情報の書き えができるように操作入力部13を構成して いてもよい。例えば、演算制御部12の記憶部 には、増幅器3やスピーカ4により構成される 響出力装置に応じたFIRフィルタ11の振幅特 情報と位相特性情報とが記憶されている場 に、音響出力装置を他の音響出力装置に変 した場合に、前記他の音響出力装置に応じ FIRフィルタ11の位相特性情報及び振幅特性情 報に書き換えるようにすればよい。この場合 、操作入力部13に、フラッシュメモリ、CD等 記録媒体の情報を読み取る読取り手段を設 ておき、記録媒体から読み取った新しい振 特性情報と位相特性情報を記憶部に格納(記 )するように構成すればよい。記録媒体は、 音響調整装置あるいは音響装置の製造会社等 から配布されたものであってもよいし、ユー ザがパソコン(パーソナルコンピュータ)を操 して音響調整装置あるいは音響装置の製造 社等のホストコンピュータから、新しい振 特性情報と位相特性情報のファイルをダウ ロードして記録媒体に記録したものであっ もよい。

 (第5構成例)
 次に、第5構成例について説明する。この第 5構成例では、操作入力部13には、例えば、FIR フィルタ11の初期状態(例えばゲインが0)ある は直前に設定された振幅特性から、予め設 された複数の周波数の各々におけるゲイン 増加するための振幅増加周波数指定ボタン びゲインを減少するための振幅減少周波数 定ボタンが各周波数に対応して設けられて るとともに、FIRフィルタ11の初期状態(例え 位相が0)あるいは直前に設定された位相特 から、予め設定された複数の周波数の各々 おける位相を進めるための位相進相周波数 定ボタン及び位相を遅らせるための位相遅 周波数指定ボタンが各周波数に対応して設 られている。上記の予め設定された複数の 波数が10個とした場合には、振幅増加周波数 指定ボタン、振幅減少周波数指定ボタン、位 相進相周波数指定ボタン及び位相遅相周波数 指定ボタンがそれぞれ10個ずつ設けられ、そ ぞれの指定ボタンは、例えば、31Hz、62Hz、12 5Hz、250Hz、500Hz、1kHz、2kHz、4kHz、8kHz、16kHzの 波数のものに対応する。これらの指定ボタ は、押しボタン式等の実際に人間の手で選 操作するものであってもよいし、タッチパ ルに表示され、指やスタイラスペンで触れ ことにより選択されるものであってもよい

 この場合、操作入力部13では、ある振幅 加周波数指定ボタンがn回選択操作されると 選択された振幅増加周波数指定ボタンに対 する選択信号を演算制御部12へn回出力し、 る振幅減少周波数指定ボタンがn回選択操作 されると、選択された振幅減少周波数指定ボ タンに対応する選択信号を演算制御部12へn回 出力する。また、ある位相進相周波数指定ボ タンがn回選択操作されると、選択された位 進相周波数指定ボタンに対応する選択信号 演算制御部12へn回出力し、ある位相遅相周 数指定ボタンがn回選択操作されると、選択 れた位相遅相周波数指定ボタンに対応する 択信号を演算制御部12へn回出力する。

 演算制御部12では、直前に設定されてい FIRフィルタ11の振幅特性に対して、選択信号 がn回出力された振幅増加周波数指定ボタン 対応する周波数のゲインを所定値×nの分増 させるとともに、選択信号がn回出力された 幅減少周波数指定ボタンに対応する周波数 ゲインを所定値×nの分減少させることによ 変更後の振幅特性を定める情報を求め、そ 情報に基づいて振幅特性情報を求める。上 所定値は、予め定められた値である。各振 増加周波数指定ボタン及び振幅減少周波数 定ボタンの選択信号によって得られる変更 の振幅特性を定める情報は、広い間隔の周 数(前述のように例えば31Hz、62Hz、・・・・ 8kHz、16kHz)についての情報であるため、演算 制御部12では、これらの周波数のすき間の周 数に関する振幅情報(ゲイン)を補間して振 特性情報を求める。

 また、演算制御部12では、直前に設定さ ているFIRフィルタ11の位相特性に対して、選 択信号がn回出力された位相進相周波数指定 タンに対応する周波数の位相を所定角度×n 分進めるとともに、選択信号がn回出力され 位相遅相周波数指定ボタンに対応する周波 の位相を所定角度×nの分遅らせることによ 変更後の位相特性を定める情報を求め、そ 情報に基づいて位相特性情報を求める。上 所定角度は、予め定められた値である。各 相進相周波数指定ボタン及び位相遅相周波 指定ボタンの選択信号によって得られる変 後の位相特性を定める情報は、広い間隔の 波数(前述のように例えば31Hz、62Hz、・・・ 、8kHz、16kHz)についての情報であるため、演 算制御部12では、これらの周波数のすき間の 波数に関する位相情報を補間して位相特性 報を求める。

 さらに、演算制御部12では、上記のように て求めた振幅特性情報と位相特性情報とに づき、逆FFT等の演算を行うことによりフィ タ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 この第5構成例の操作入力部13を用いた場合 振幅を変更したい周波数に対応する振幅増 周波数指定ボタン及び振幅減少周波数指定 タンを押す等の簡単な操作によってFIRフィ タ11の振幅特性を変更することができる。 た、位相を変更したい周波数に対応する位 進相周波数指定ボタン及び位相遅相周波数 定ボタンを押す等の簡単な操作によってFIR ィルタ11の位相特性を変更することができる 。

 (第6構成例)

 図5は、第6構成例の操作入力部13の表示画面 を示す図である。

 ここでは、操作入力部13は、例えば、表 画面101を有する液晶ディスプレイと、キー ード及びマウス等を用いて構成される。

 この図5に示された表示画面101の場合、そ の画面の左側領域に振幅特性曲線102等を表示 する振幅特性表示領域が配置され、画面の右 側領域に位相特性曲線103等を表示する位相特 性表示領域が配置されている。

 振幅特性表示領域の下方には、設定ポイ ト番号(No.)、中心周波数(f)、周波数帯域幅(Q )、中心周波数におけるゲイン(G)を指定する めのそれぞれの操作ボタン104a、104b、105a、10 5b、106a、106b、107a、107bと、指定された値が表 示されるボックス104、105、106、107とが表示さ れている。同様に、位相特性表示領域の下方 には、設定ポイント番号(No.)、中心周波数(f) 周波数帯域幅(Q)、中心周波数における角度( D)を指定するためのそれぞれの操作ボタン108a 、108b、109a、109b、110a、110b、111a、111bと、指 された値が表示されるボックス108、109、110 111とが表示されている。

 操作者は、所望の振幅特性となるように 各設定ポイント番号(例えば、1、2、3、・・ ・)ごとに、中心周波数、周波数帯域幅、中 周波数におけるゲインを設定する。操作者 、例えばマウスを用いて、増加ボタン104a及 減少ボタン104bをクリックすることで、ボッ クス104に表示される設定ポイント番号を増加 及び減少させることができる。また、増加ボ タン105a及び減少ボタン105bをクリックするこ で、ボックス105に表示される中心周波数を 加及び減少させることができる。また、増 ボタン106a及び減少ボタン106bをクリックす ことで、ボックス106に表示される周波数帯 幅を増加及び減少させることができる。ま 、増加ボタン107a及び減少ボタン107bをクリッ クすることで、ボックス107に表示されるゲイ ンを増加及び減少させることができる。

 操作入力部13では、以上の操作により設定 れる各設定ポイント番号ごとの、中心周波 、周波数帯域幅及びゲインからなる各振幅 定情報を、演算制御部12へ出力する。演算制 御部12では、各振幅設定情報に基づいて振幅 性情報を求める。この振幅特性情報に基づ て振幅特性曲線102を表示するための表示情 を作成し、操作入力部13の表示画面101に振 特性曲線102を表示させる。

 また操作者は、所望の位相特性となるよう 、各設定ポイント番号(例えば、1、2、3、・ ・・)ごとに、中心周波数、周波数帯域幅、 心周波数における角度を設定する。操作者 、例えばマウスを用いて、増加ボタン108a及 減少ボタン108bをクリックすることで、ボッ クス108に表示される設定ポイント番号を増加 及び減少させることができる。また、増加ボ タン109a及び減少ボタン109bをクリックするこ で、ボックス109に表示される中心周波数を 加及び減少させることができる。また、増 ボタン110a及び減少ボタン110bをクリックす ことで、ボックス110に表示される周波数帯 幅を増加及び減少させることができる。ま 、増加ボタン111a及び減少ボタン111bをクリッ クすることで、ボックス111に表示される角度 を増加及び減少させることができる。

 操作入力部13では、以上の操作により設定 れる各設定ポイント番号ごとの、中心周波 、周波数帯域幅及び角度からなる各位相設 情報を、演算制御部12へ出力する。演算制御 部12では、各位相設定情報に基づいて位相特 情報を求める。この位相特性情報に基づい 位相特性曲線103を表示するための表示情報 作成し、操作入力部13の表示画面101に位相 性曲線103を表示させる。

 さらに、演算制御部12では、求めた振幅特 情報と位相特性情報とに基づき、逆FFT等の 算を行うことによりフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 また、設定を変更するための操作中に、そ 変更前の振幅特性曲線102a及び位相特性曲線 103aを表示しておくようにしてもよい。これ より、変更前の振幅特性及び位相特性と新 に設定しようとする振幅特性及び位相特性 の比較が容易になる。

 また、設定を変更するための操作中に、表 画面101の振幅特性表示領域に目標とする振 特性曲線を表示し、位相特性表示領域に目 とする位相特性曲線を表示しておくように てもよい。これにより、目標とする振幅特 曲線及び目標とする位相特性曲線と重なる うに振幅特性曲線及び位相特性曲線を作成 ることで、これらの作成が容易になる。

 なお、振幅特性を設定するための操作ボタ (104a、104b)、(105a、105b)、(106a、106b)、(107a、10 7b)及び、位相特性を設定するための操作ボタ ン(108a、108b)、(109a、109b)、(110a、110b)、(111a、1 11b)に代えて、例えば図3の操作子32、33で示さ れるようなスライドバー等を用いてもよい。 さらに、これらの操作ボタンやスライドバー 等の操作子は、上記のように画面上に表示さ れるものではなく、操作者が実際に手で操作 する、ハードウェアで構成されるようにして もよい。

 (第7構成例)

 図6は、第7構成例の操作入力部13の表示画面 を示す図である。

 この図6に示された表示画面131の場合、その 上部領域が指定する振幅特性を示す振幅特性 曲線を作成するための振幅特性描画領域であ り、下部領域が指定する位相特性を示す位相 特性曲線を作成するための位相特性描画領域 である。

 操作入力部13は、例えば、表示画面131を する液晶ディスプレイと、キーボード及び ウス等を用いて構成される。

 操作入力部13によって操作開始の指令を えると、表示画面131の振幅特性描画領域に いて、周波数軸上の所定の周波数の位置に 予め定めた形状及び大きさの山形の振幅特 曲線141が表示されるとともに、位相特性描 領域においても同様に、予め定めた形状及 大きさの山形の位相特性曲線151が表示され 。

 振幅特性曲線141は、2つの操作子142、143を 有している。操作子142は振幅特性曲線141の中 央のピーク位置に設けられており、操作子143 は振幅特性曲線141の中途の位置に設けられて いる。操作子142は、マウスによってカーソル を操作子142に合わせて画面の上下方向及び左 右方向に移動(ドラッグ)させることができる また、操作子143は、マウスによってカーソ を操作子143に合わせて画面の左右方向に移 (ドラッグ)させることができる。

 操作子142を上下方向に移動させることで 幅特性曲線141のピークのゲインを調整する とができる。例えば、振幅特性曲線141の操 子142を上方向にドラッグすると、例えば振 特性曲線141aで示すように相似形の状態に拡 大し、マウスの釦を離すと、即ちドロップす ると、その位置で拡大を停止させる。また、 操作子142を下方にドラッグすると、図示して いないが、振幅特性曲線141を相似形の状態で 縮小する。

 また、操作子142を左右方向に移動させる とで振幅特性曲線141のピークのゲインとな 周波数(中心周波数)を変更することができ 。例えば拡大された振幅特性曲線141aの操作 142を右方向にドラッグすると、例えば振幅 性曲線141bで示すように振幅特性曲線141aが 平方向に移動し、ドロップした点で移動が 止する。

 操作子143を左右方向に移動させることで 幅特性曲線141の周波数帯域幅を変更するこ ができる。例えば最大ゲイン及びその周波 が移動された振幅特性曲線141bの操作子143を 右方向に向かって水平にドラッグすると、振 幅特性曲線141cとして示すように、振幅特性 線の傾きが緩やかになる。即ち、周波数帯 幅が大きくなる。また、操作子143を左方向 ドラッグすると、振幅特性曲線141の傾きは 峻となる。即ち、周波数帯域幅が小さくな 。このような傾きの変更は、ドロップする で継続する。

 以上のような操作によって振幅特性曲線 作成することにより、1つの設定ポイントに おける、中心周波数、周波数帯域幅及びゲイ ンからなる振幅設定情報が決められる。また 、以上のような操作を例えば複数回繰り返す ことにより、例えば可聴周波数範囲における 振幅特性曲線を作成(描画)し、それに対応す 複数の設定ポイントの各々における、中心 波数、周波数帯域幅及び中心周波数におけ ゲインからなる振幅設定情報が決められる

 また、位相特性曲線151も、2つの操作子152 、153を有している。操作子152は、位相特性曲 線151の中央のピーク位置に設けられており、 操作子153は位相特性曲線151の中途の位置に設 けられている。操作子152は、マウスによって カーソルを操作子152に合わせて画面の上下方 向及び左右方向に移動(ドラッグ)させること できる。また、操作子153は、マウスによっ カーソルを操作子153に合わせて画面の左右 向に移動(ドラッグ)させることができる。

 操作子152を上下方向に移動させることで 相特性曲線151のピークの角度(位相)を調整 ることができる。例えば、位相特性曲線151 操作子152を上方向にドラッグすると、例え 位相特性曲線151aで示すように相似形の状態 拡大し、ドロップすると、その位置で拡大 停止させる。また、操作子152を下方にドラ グすると、図示していないが、位相特性曲 151を相似形の状態で縮小する。

 また、操作子152を左右方向に移動させる とで位相特性曲線151のピークの角度となる 波数(中心周波数)を変更することができる 例えば拡大された位相特性曲線151aの操作子1 52を右方向にドラッグすると、例えば位相特 曲線151bで示すように位相特性曲線151aが水 方向に移動し、ドロップした点で移動が停 する。

 操作子153を左右方向に移動させることで位 特性曲線151の周波数帯域幅を変更すること できる。例えば最大角度及びその周波数が 動された位相特性曲線151bの操作子153を右方 向に向かって水平にドラッグすると、位相特 性曲線151cとして示すように、位相特性曲線 傾きが緩やかになる。即ち、周波数帯域幅 大きくなる。また、操作子153を左方向にド ッグすると、位相特性曲線151の傾きは急峻 なる。即ち、周波数帯域幅が小さくなる。 のような傾きの変更は、ドロップするまで 続する。

 以上のような操作によって位相特性曲線を 成することにより、1つの設定ポイントにお ける、中心周波数、周波数帯域幅及びゲイン からなる位相設定情報が決められる。また、 以上のような操作を例えば複数回繰り返すこ とにより、例えば可聴周波数範囲における位 相特性曲線を作成(描画)し、それに対応する 数の設定ポイントの各々における、中心周 数、周波数帯域幅及び中心周波数における 度からなる位相設定情報が決められる。

 操作入力部13では、以上の操作により設定 れた各設定ポイントにおける振幅設定情報 び各設定ポイントにおける位相設定情報を 演算制御部12へ出力する。演算制御部12では 各振幅設定情報に基づいて振幅特性情報を めるとともに各位相設定情報に基づいて位 特性情報を求め、求めた振幅特性情報と位 特性情報とに基づき、逆FFT等の演算を行う とによりフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 また、設定を変更するための操作中に、表 画面131の振幅特性描画領域に変更前の振幅 性曲線を表示し、位相特性描画領域に変更 の位相特性曲線を表示しておくようにして よい。これにより、変更前の振幅特性及び 相特性と新たに設定しようとする振幅特性 び位相特性との比較が容易になる。

 また、設定を変更するための操作中に、 示画面131の振幅特性描画領域に目標とする 幅特性曲線を表示し、位相特性描画領域に 標とする位相特性曲線を表示しておくよう してもよい。これにより、目標とする振幅 性曲線及び目標とする位相特性曲線と重な ように振幅特性曲線及び位相特性曲線を作 することで、これらの作成が容易になる。 の場合、目標とする振幅特性曲線及び目標 する位相特性曲線を表示するための情報は 例えば、演算制御部12の記憶部に格納され いる。

 (第8構成例)

 図7は、第8構成例の操作入力部13の表示画面 を示す図である。

 ここでは、操作入力部13は、例えば、表示 面161を有する液晶ディスプレイと、キーボ ド及びマウス等を用いて構成される。

 この図7に示された表示画面161の場合、そ れぞれ表形式の振幅特性設定ファイル及び位 相特性設定ファイルが表示される。これら両 方のファイルの設定ポイント番号(No.)は、1、 2、3、・・・の順に予め表示されるようにな ている。

 操作者は、例えばキーボード等を操作し 、振幅特性設定ファイルの中心周波数(f)、 波数帯域幅(Q)、中心周波数におけるゲイン( G)の欄に所望の値を入力する。同様に、位相 性設定ファイルの中心周波数(f)、周波数帯 幅(Q)、中心周波数における角度(D)の欄に所 の値を入力する。

 操作入力部13では、振幅特性設定ファイル 入力された各設定ポイント番号ごとの、中 周波数、周波数帯域幅及びゲインからなる 振幅設定情報と、位相特性設定ファイルに 力された各設定ポイント番号ごとの、中心 波数、周波数帯域幅及び角度からなる各位 設定情報とを、演算制御部12へ出力する。演 算制御部12では、各振幅設定情報に基づいて 幅特性情報を求めるとともに、各位相設定 報に基づいて位相特性情報を求める。さら 、演算制御部12では、求めた振幅特性情報 位相特性情報とに基づき、逆FFT等の演算を うことによりフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 なお、この第8構成例では、操作入力部13に 、振幅特性設定ファイル及び位相特性設定 ァイルを作成するようにしたが、音響調整 置以外のパソコン等を用いて振幅特性設定 ァイル及び位相特性設定ファイルを作成し 音響調整装置にアップロードするようにす ば、音響調整装置の操作入力部13に表示画 161を表示するためのディスプレイ等を備え 必要がなく、音響調整装置を簡単な構成と 、小型化できる。

 また、音響調整装置以外のパソコンや設定 機器において、前述の図5や図6のような表 画面を表示できる構成とし、第6、第7構成例 と同様にして設定される振幅設定情報及び位 相設定情報をファイル化して振幅特性設定フ ァイル及び位相特性設定ファイルを作成し、 それらを音響調整装置にアップロードするよ うにしてもよい。

 また、演算制御部12の記憶部に、複数の振 特性に対応する複数の振幅特性設定ファイ の情報(複数の振幅特性特定情報)と、複数の 位相特性に対応する複数の位相特性設定ファ イルの情報(複数の位相特性特定情報)とを予 格納しておき、先述の第4構成例のように、 操作入力部13を、記憶部に格納されたものの から所望の振幅特性特定情報及び位相特性 定情報を選択するように構成してもよい。 の場合、演算制御部12では、操作入力部13の 操作に応じて振幅特性特定情報と位相特性特 定情報とを記憶部から読み出し、読み出した 振幅特性特定情報(1または複数の振幅設定情 からなる情報)に基づいて振幅特性情報を求 めるとともに、位相特性特定情報(1または複 の位相設定情報からなる情報)に基づいて位 相特性情報を求め、さらに、振幅特性情報と 位相特性情報とに基づいてフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 以上、第1~第8構成例のいずれの場合でも、 定する周波数範囲において、例えば位相特 を平坦にするためのボタン、メニュー等を けておいてもよい。これにより平坦な位相 性(例えば設定する全周波数範囲において角 度が0)の設定が容易になる。同様に、設定す 周波数範囲において、例えば振幅特性を平 にするためのボタン、メニュー等を設けて いてもよい。これにより平坦な振幅特性(設 定する周波数範囲において振幅が一定)の設 が容易になる。

 本実施形態では、フィルタ係数の設定に り振幅特性と位相特性とをそれぞれ個別的 設定することができるFIRフィルタ11を用い そのFIRフィルタ11の振幅特性と位相特性とを 個別的に設定することにより聴取者の好みや 種々の用途等に応じてスピーカ4から出力さ る音質の調整を容易に行うことができる。 に、ある周波数の位相を遅らせる、あるい 進めることにより、スピーカ4から出力され 音質の調整を行うことが可能になる。

 上記のように本実施形態では、音響調整 FIRフィルタ11を用いている。つまりデジタ 信号処理の技術を用いている。

 そして、上記のような操作入力部13を用 てFIRフィルタ11の位相特性を設定することが できるようにしているので、これまでの音響 調整方法では実現することのできなかったよ うな種々の音響調整が可能となる。上記のよ うにFIRフィルタ11を用いているため、任意の 相特性を設定することができる。つまり、 周波数毎に任意の位相特性を持たせること できる。しかも、任意の周波数範囲におい のみ、位相特性を調整するということも可 である。例えば、100Hzから200Hzまでの周波数 範囲においてのみ、入力された音声信号に対 して位相の変化を施し、他の周波数範囲にお いては位相を変化させないようにすることも できる。

 また、上記のような操作入力部13を用い FIRフィルタ11の位相特性と振幅特性とを設定 することができるようにしているので、位相 特性と振幅特性の設定を、それぞれ独立して 行うことができる。つまり、FIRフィルタ11に に設定されている振幅特性を変更させるこ なく、位相特性のみを既に設定されている 性(位相特性)から別の特性(位相特性)に変更 させることもできる。

 また、これとは反対に、FIRフィルタ11に に設定されている位相特性を変更させるこ なく、振幅特性のみを既に設定されている 性(振幅特性)から別の特性(振幅特性)に変更 せることもできる。

 さらに、FIRフィルタ11に既に設定されて る位相特性と振幅特性の両方を、別の特性 変更させることもできる。

 また、FIRフィルタ11に対して、周波数に らず一定のゲインを与えるような振幅特性 設定しておき、音声信号の位相特性のみに 化を与えるように、FIRフィルタ11の位相特性 を設定することもできるし、FIRフィルタ11に 定する位相特性を種々に変更して行くこと できる。

 特に、振幅を変化させずに位相を進める とにより、位相を進めた帯域の音がより強 された聞こえ方になり、かつ騒々しく聞こ なくなるなど従来では実現できなかった調 ができるようになる。さらに、振幅特性の 更と組み合わせて位相特性を変更できるた 、それぞれに効果的な設定が可能となり、 り複雑で自由な音響調整が可能となる。

 また、ある所望の位相特性を、入力され 音声信号に施したいような場合は、次のよ にすればよい。つまり、増幅器3やスピーカ 4により構成される音響出力装置と、FIRフィ タ11との総合の位相特性が、前記所望の位相 特性と同一となるように、FIRフィルタ11の位 特性を設定すればよいのである。より具体 に説明すると、増幅器3やスピーカ4で構成 れる音響出力装置の位相特性と、前記所望 位相特性との差分を、FIRフィルタ11の位相特 性として設定すればよいのである。入力され る音声信号に対して、振幅特性には変化を与 えず、位相特性にのみ変化を与えるようにし てもよい。また、位相特性を所望のものにす ると同時に、入力される音声信号に対して所 望の振幅特性を同時に施したいなら、増幅器 3やスピーカ4で構成される音響出力装置の振 特性と、前記所望の振幅特性との差分を、F IRフィルタ11の振幅特性として設定すればよ 。

 例えば、先述の第1構成例~第3構成例及び第6 ~第8構成例では、操作入力部13によってFIRフ ルタ11の位相特性及び振幅特性を指定するよ うにしたが、増幅器3やスピーカ4により構成 れる音響出力装置とFIRフィルタ11との総合 位相特性及び振幅特性を指定するように構 してもよい。この場合、演算制御部12の記憶 部に、音響出力装置の位相特性情報と振幅特 性情報とを格納しておく。そして、演算制御 部12において、操作入力部13によって指定さ た位相特性を表す情報と音響出力装置の位 特性情報との差分を求め、それをFIRフィル 11の位相特性情報とし、表示画面上で指定さ れた振幅特性を表す情報と音響出力装置の振 幅特性情報との差分を求め、それをFIRフィル タ11の振幅特性情報とする。さらに、演算制 部12では、上記のようにして求めたFIRフィ タ11の振幅特性情報と位相特性情報とに基づ き、逆FFT等の演算を行うことによりフィルタ 係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 この場合、演算制御部12の記憶部に記憶 れている音響出力装置の位相特性情報と振 特性情報とは、増幅器3及びスピーカ4により 構成される音響出力装置の特性を、公知の測 定手段で測定することによって得た情報であ る。演算制御部12では、記憶部に記憶してい 情報の書き換えが可能であり、音響出力装 を他の音響出力装置に変更した場合に、前 他の音響出力装置の位相特性情報及び振幅 性情報を記憶部に記憶して用いればよい。 の場合、例えば、操作入力部13に、フラッ ュメモリ、CD等の記録媒体の情報を読み取る 読取り手段を設けておき、記録媒体から読み 取った他の音響出力装置の振幅特性情報と位 相特性情報を記憶部に格納(記憶)するように 成すればよい。記録媒体は、音響調整装置 るいは音響装置の製造会社等から配布され ものであってもよいし、ユーザがパソコン( パーソナルコンピュータ)を操作して音響調 装置あるいは音響装置の製造会社等のホス コンピュータから、新しい振幅特性情報と 相特性情報のファイルをダウンロードして 録媒体に記録したものであってもよい。

 また、先述の第4構成例では、操作入力部13 複数の位相特性指定ボタン及び複数の振幅 性指定ボタンをFIRフィルタ11の位相特性及 振幅特性を指定(選択)するために用いるよう に構成したが、音響出力装置とFIRフィルタ11 の総合の位相特性及び振幅特性を指定(選択 )するために用いるように構成してもよい。 の場合、演算制御部12の記憶部に、複数の位 相特性指定ボタン及び複数の振幅特性指定ボ タンによって指定される音響出力装置とFIRフ ィルタ11との総合の位相特性情報及び振幅特 情報と、音響出力装置の位相特性情報及び 幅特性情報とを格納しておく。そして、演 制御部12において、位相特性指定ボタンに って指定された位相特性情報と音響出力装 の位相特性情報との差分を求め、それをFIR ィルタ11の位相特性情報とし、振幅特性指定 ボタンによって指定された振幅特性情報と音 響出力装置の振幅特性情報との差分を求め、 それをFIRフィルタ11の振幅特性情報とする。 らに、演算制御部12では、上記のようにし 求めたFIRフィルタ11の振幅特性情報と位相特 性情報とに基づき、逆FFT等の演算を行うこと によりフィルタ係数h k を求め、それをFIRフィルタ11に設定する。

 この場合、演算制御部12の記憶部に記憶 れている音響出力装置の位相特性情報と振 特性情報とは、増幅器3及びスピーカ4により 構成される音響出力装置の特性を、公知の測 定手段で測定することによって得た情報であ る。演算制御部12では、記憶部に記憶してい 情報の書き換えが可能であり、音響出力装 を他の音響出力装置に変更した場合に、前 他の音響出力装置の位相特性情報及び振幅 性情報を記憶部に記憶して用いればよい。 た、位相特性指定ボタン及び振幅特性指定 タンによって指定される音響出力装置とFIR ィルタ11との総合の位相特性及び振幅特性 情報も書き換えることができる。このよう 記憶部の情報を書き換えるための構成は、 述の場合と同様、操作入力部13に、フラッシ ュメモリ、CD等の記録媒体の情報を読み取る 取り手段を設けておき、記録媒体から読み った新しい情報を記憶部に格納(記憶)する うに構成すればよい。

 ここで、演算制御部12の記憶部に格納され 、音響出力装置とFIRフィルタ11との総合の位 相特性及び振幅特性の情報は、音響装置が用 いられる各種の用途に応じた位相特性や振幅 特性の情報である。このような情報としては 、例えば、音響装置を用いて演説を行う場合 、すなわち、入力端子INにマイクロホンから 音声信号がA/D変換されて入力されるように 成され、そのマイクロホンを用いて演説す 場合に、演説者の話声を明瞭に聴取者に聞 せるのに適した位相特性情報や振幅特性情 がある。また、音響装置を用いて非常用の 送を行う場合、すなわち、入力端子INにCDプ レーヤ等の記録媒体再生装置から出力される デジタル音声信号が入力されるように構成さ れ、非常用のアナウンスが放送される場合に 、聴取者がその非常用のアナウンスの内容を 聞き取りやすい等、それに適した位相特性情 報や振幅特性情報がある。また、音響装置を 用いて音楽(BGM)を流す場合、すなわち、入力 子INにCDプレーヤ等の記録媒体再生装置から 出力されるデジタル音声信号が入力されるよ うに構成され、楽曲等が放送される場合に、 その放送が耳障りにならない等、それに適し た位相特性情報や振幅特性情報などがある。

 また、このような演算制御部12の記憶部に 納される情報は、「スピーチ用の情報」、 音楽(ポップス)用の情報」、「音楽(ロック) の情報」といった音源別に分類された情報 して記憶されて選択されるようにしてあっ もよいし、「店舗のBGM用の情報」、「音楽 賞用の情報」及び「街頭演説用の情報」と った用途別に分類された情報として記憶さ て選択されるようにしてあってもよいし、 はっきり」、「柔らかに」といったイメー 別に分類された情報として記憶されて選択 れるようにしてあってもよい。

 また、スピーカ4以外の他の特定のスピー カの位相特性を、音響調整装置1を用いて模 することもできる。そのためには、スピー 4と音響調整装置1との総合の位相特性が、前 記他の特定のスピーカの位相特性と同一とな るように、音響調整装置1の位相特性を設定 ればよい。

 つまり、他の特定のスピーカの位相特性 、既設のスピーカ4の位相特性とがわかって いれば、それらのスピーカの位相特性の差分 をFIRフィルタ11の位相特性として設定するこ により、既設のスピーカ4にて他の特定のス ピーカの位相特性を模倣することができる。 ここで、振幅特性については必ずしも、他の 特定のスピーカの振幅特性と既設のスピーカ 4の振幅特性との差分がFIRフィルタ11の振幅特 性と等しくなるように設定しなくても、他の 特定のスピーカの位相特性と既設のスピーカ 4の位相特性との差分がFIRフィルタ11の位相特 性と等しくなるように設定することにより、 既設のスピーカ4にて他の特定のスピーカを る程度模倣することができる。

 なお、他の特定のスピーカの振幅特性と 既設のスピーカ4の振幅特性とがわかってい る場合に、それらのスピーカの振幅特性の差 分をFIRフィルタ11の振幅特性として設定して 既設のスピーカ4にて他の特定のスピーカの 位相特性のみならず、振幅特性も併せて模倣 するようにしてもよい。

 演算制御部12は、前述のように記憶部を しており、ここにスピーカの周波数特性情 等を格納することができるようになってい 。

 演算制御部12の記憶部には、スピーカ4の 相特性情報と振幅特性情報とが格納されて る。この位相特性情報と振幅特性情報とは スピーカ4の特性を、公知の測定手段で測定 することによって得た情報である。

 また、スピーカ4ではない、他の特定のス ピーカの位相特性情報と振幅特性情報も、演 算制御部12の記憶部に格納されている。この 相特性情報と振幅特性情報も、該他の特定 スピーカの特性を、公知の測定手段で測定 ることによって得た情報である。

 このように演算制御部12は、FIRフィルタ11 とスピーカ4とによって、他の特定のスピー の位相特性や振幅特性を模擬するのに必要 情報を、全て有している。そして、これら 情報から、演算制御部12が、FIRフィルタ11に 定すべき位相特性情報や振幅特性情報を算 し、さらにフィルタ係数を算出し、FIRフィ タ11に設定することによって、既設のスピ カ4にて他の特定のスピーカを模倣すること できる。この場合、他の特定のスピーカの 相特性や振幅特性を模擬するのに必要な情 を、演算制御部12の記憶部に予め格納して くことにより、操作入力部13を用いることな く、すなわち、操作入力部13が無い構成であ ても、既設のスピーカ4にて他の特定のスピ ーカを模倣することが可能である。また、演 算制御部12の記憶部に、上記のFIRフィルタ11 設定すべき位相特性情報や振幅特性情報に づいて算出できるフィルタ係数を予め記憶 ておけば、演算制御部12ではそのフィルタ係 数をFIRフィルタ11に設定するだけで、既設の ピーカ4にて他の特定のスピーカを模倣する ことができる。

 以上に述べたように、演算制御部12の記 部には、スピーカの特性の情報や、音響装 の各種の用途に応じた所望の特性(位相特性 振幅特性)の情報を格納することができる。 例えば、音響装置を用いて演説を行う場合は 、演説者の音声が聴取者に明瞭に聞こえるこ とが重要である。話声を明瞭に聴取者に聞か せるのに適した位相特性情報や振幅特性情報 を演算制御部12の記憶部に格納しておけば、 響装置の用途(演目)に応じた位相特性や振 特性をFIRフィルタ11に設定することができる 。演算制御部12の記憶部に、例えば、話声を 瞭に聞かせるのに適した位相特性情報や振 特性情報と、増幅器3やスピーカ4により構 される音響出力装置の位相特性情報や振幅 性情報とを予め格納しておけば、話声を明 に聞かせるのに適した位相特性や振幅特性 、FIRフィルタ11と音響出力装置との総合され た位相特性や振幅特性によって実現されるよ うに、演算制御部12が、FIRフィルタ11に設定 べき位相特性情報や振幅特性情報を算出し さらにフィルタ係数を算出し、FIRフィルタ11 に設定することによって、話声を明瞭に聞か せるのに適した位相特性や振幅特性を実現す ることができる。この場合、話声を明瞭に聞 かせるのに適した位相特性や振幅特性を実現 するのに必要な情報を、演算制御部12の記憶 に予め格納しておくことにより、操作入力 13を用いることなく、すなわち、操作入力 13が無い構成であっても、話声を明瞭に聞か せるのに適した位相特性や振幅特性を実現す ることが可能である。また、演算制御部12の 憶部に、上記のFIRフィルタ11に設定すべき 相特性情報や振幅特性情報に基づいて算出 きるフィルタ係数を予め記憶しておけば、 算制御部12ではそのフィルタ係数をFIRフィル タ11に設定するだけで、話声を明瞭に聞かせ のに適した位相特性や振幅特性を実現する とができる。同様に、音響装置を用いて非 用の放送を行う場合や、音響装置を用いて 楽(BGM)を流す場合なども、それぞれの場合 適した位相特性情報や振幅特性情報を演算 御部12の記憶部に格納しておけば、音響装置 の用途に応じた位相特性や振幅特性をFIRフィ ルタ11に設定することができる。

 なお、上記の実施形態において、音響調 装置1にD/A変換器2を含めてもよい。また、 力端子INにアナログ音声信号が入力される場 合には、入力端子INとFIRフィルタ11との間にA/ D(アナログ/デジタル)変換器を挿入すればよ が、このA/D変換器を音響調整装置1に含めて よい。

 また、音響調整装置1において、FIRフィル タ11に入出力される音声信号の振幅特性を変 させずに、位相特性のみを調整するように 成してもよい。この場合、操作入力部13に いて、FIRフィルタ11の振幅特性を調整するた めの構成は不要である。

 上記説明から、当業者にとっては、本発 の多くの改良や他の実施形態が明らかであ 。従って、上記説明は、例示としてのみ解 されるべきであり、本発明を実行する最良 態様を当業者に教示する目的で提供された のである。本発明の精神を逸脱することな 、その構造及び/又は機能の詳細を実質的に 変更できる。

 本発明は、聴取者の好みや種々の用途等 応じて音質の調整を容易に行うための音響 整方法として有用である。