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Patent Searching and Data


Title:
ALIPHATIC AMINE ALKYLENE OXIDE ADDUCT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041000
Kind Code:
A1
Abstract:
The object is to provide an aliphatic amine alkylene oxide adduct which shows a good color when used as a detergent, and which has a sufficiently sharp molecular weight distribution, high purity, and a low odor. Thus, disclosed is an aliphatic amine alkylene oxide adduct produced by adding m pieces of a group (A1O) and n pieces of a group (A2O) [wherein A1O and A2O independently represent an oxyethylene group and/or an oxypropylene group] to an adduct formed by a primary amine having a saturated or unsaturated hydrocarbon group having 4 to 24 carbon atoms and two moles of ethylene oxide. The aliphatic amine alkylene oxide adduct has a color that satisfies the following formula (1) or (2) as expressed by a Gardner color scale. When 1 ≤ m+n ≤ 15, Gardner color scale ≤ 0.5×(m+n+2)-1.5 (1) When 15 < m+n ≤ 100, Gardner color scale ≤ 6 (2)

Inventors:
YAMASHITA SEIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002563
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 18, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SANYO CHEMICAL IND LTD (JP)
YAMASHITA SEIJI (JP)
International Classes:
C07C217/08; C07C213/04; C11D1/44
Foreign References:
JP2003096186A2003-04-03
JP2005154370A2005-06-16
JPS5638323A1981-04-13
JP2008013465A2008-01-24
JP2007262249A2007-10-11
Other References:
See also references of EP 2192107A4
Attorney, Agent or Firm:
HAYASHI, Hiroshi (INTELLECTUAL PROPERTIES DEPT.,11-1, Ikkyo Nomoto-cho, Higashiyama-k, Kyoto-shi Kyoto 95, JP)
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Claims:
 下記一般化学式(1)で表わされ、そのガードナー色数による色調が下記数式(1)または(2)を満足することを特徴とする脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物。
  ガードナー色数≦0.5×(m+n+2)-1.5    (1)
           (但し1≦m+n≦15の場合)
  ガードナー色数≦6                  (2)
           (但し15<m+n≦100の場合)

[式中、R 1 は炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化水素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基であり、R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基である。A 1 OとA 2 Oはオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を表す。mは(A 1 O)の平均付加モル数、nは(A 2 O)の平均付加モル数を表し、それぞれ独立に0~50の数であり、1≦m+n≦100である。]
 下記一般化学式(2)で表わされ、ジメチルホルムアミドを溶離液としたゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)測定によるポリエチレングリコール検量線換算の分子量分布(重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比)が下記数式(3)または(4)を満足することを特徴とする脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物。
 Mw/Mn≦0.05×ln(r+s+2)+0.975  (3)
        (但し1≦r+s≦10の場合)
 Mw/Mn≦1.10                  (4)
        (但し10<r+s≦100の場合)

[式中、R 2 は炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化水素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基であり、R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基である。A 3 OとA 4 Oはオキシエチレン基および/またはオキシプロピレン基を表す。rは(A 3 O)の平均付加モル数、sは(A 4 O)の平均付加モル数を表し、それぞれ独立に0~50の数であり、1≦r+s≦100である。]
 上記一般化学式(2)中のA 3 OとA 4 Oがオキシエチレン基である請求項2記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物。
 ガスクロマトグラフ分析において、溶剤ピークと脂肪族アミンエチレンオキサイド2モル付加物のピークの間に検出されるすべてのピークの面積の合計量が0.1%以下(溶剤ピーク面積は計算から除外)である請求項1~3いずれか記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物。
 アルカリ金属含有量が1000ppm以下である請求項1~4いずれか記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物。
 請求項1~5いずれか記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物を必須成分とすることを特徴とする洗浄剤。
 炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化水素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基(R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基)と水素原子が結合した脂肪族第一級アミン1モルに対して平均付加モル数1.5~2.0モルのエチレンオキサイドを無触媒で反応(第1段目反応)させて得られた脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物(a)に、第4級アンモニウム塩を触媒として0.01~5重量%添加し、さらに3~100モルのアルキレンオキサイド(b)を反応(第2段目反応)させることを特徴とする請求項1~5いずれか記載の脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
Description:
脂肪族アミンアルキレンオキサ ド付加物

 本発明は、脂肪族アミンアルキレンオキ イド付加物、特に、アミノ基に直接結合し いるオキシアルキレン基がオキシエチレン であり、アルキレンオキサイドの合計付加 ル数が多くても従来になく色調が良好な脂 族アミンアルキレンオキサイド付加物に関 る。また、アルキレンオキサイドの付加量 3モル以上でも、不純物が少なく、臭気が良 好で、分子量分布(Mw/Mn比)の狭い脂肪族アミ アルキレンオキサイド付加物に関する。

 脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加物 特にエチレンオキサイド付加物は、界面活 剤及びその原料として用いられ、利用分野 界面活性剤、繊維の染色助剤、繊維柔軟仕 げ剤、殺菌剤、農薬展着剤、帯電防止剤、 膜表面改質剤など家庭用、工業用、農業用 多岐にわたっている。
 これらの脂肪族アミンアルキレンオキサイ 付加物は、一般的には、無触媒またはアル リ金属、アルカリ土類金属の水酸化物など アルカリ触媒の存在下において、脂肪族ア ンにアルキレンオキサイドを付加して製造 れている。エチレンオキサイド付加量が2モ ルまではアミノ基の活性度が高く、無触媒で 色の良好な付加物が得られることは古くから 知られている。
 無触媒で反応を行った場合は、原料アミン 4級化され、さらにホフマン分解によってア ルキル基が脱離を起こして着色の原因となる 物質を生成し、製造直後は良好な色調であっ ても、経日変化で着色が起こる。
 アルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化 などのアルカリ触媒を使用すると、さらに 調が悪く、特にエチレンオキサイドの付加 ル数が多くなるにつれて、着色が顕著にな という問題がある。

 また、従来の反応では原料の脂肪族アミ や反応途中のアルコキシレートが微量の水 などにより4級化し、熱によって4級アンモ ウム塩のホフマン分解が起こることで不純 を生成しアルキレンオキサイドの付加モル 布が広くなるという問題があった。さらに 解物による刺激臭があり、洗浄剤、特に家 用の洗浄剤用途には実用化されていない。

 かかる問題を解決するため、着色を防止 る方法として、低温で反応させる方法(例え ば特許文献1)、金属酸化物触媒または酸触媒 用いる方法(例えば特許文献2)などが提案さ ている。

 しかしながら、これらの方法であっても 色調の改善効果が得られるのはエチレンオ サイド付加モル数が少ない場合に限られ、 チレンオキサイドの付加モル数が2モルを超 えて多くなるにつれ、色調の改善効果は不十 分となる。また、洗浄剤用途として使用する には、洗浄力や泡立ち、泡切れ、無臭性が要 求されるが、純度、分子量分布、臭気対策が 未だ不十分なため利用されていない。

特開2003-96186号公報

特開2005-154370号公報

 本発明は、前記の従来における諸問題を解 し、以下の目的を達成することを課題とす 。即ち、本発明は、アルキレンオキサイド 特にエチレンオキサイド付加モル数が多く 色調が良好な脂肪族アミンアルキレンオキ イド付加物を提供することを目的とする。
 また、洗浄剤として使用するときに十分な 子量分布のシャープさを有し、純度が高く 低臭気性の脂肪族アミンアルキレンオキサ ド付加物、およびこれを必須成分とする洗 剤を提供することを目的とする。

 本発明者らは鋭意検討した結果、反応を 段階に分け、第1段目は無触媒で反応させた 上で、第2段目反応で特定の触媒を用いるこ で原料アミンの分解を抑制し、温度条件を 密にコントロールすることで、従来になく 調良好で、高純度かつ分子量分布のシャー な脂肪族アミンアルキレンオキサイド付加 が得られることを見出し、本発明を完成し 。

 すなわち、本願の第1発明は、下記一般化学 式(1)で表わされ、そのガードナー色数による 色調が下記数式(1)または(2)を満足することを 特徴とする脂肪族アミンアルキレンオキサイ ド付加物である。
1≦m+n≦15の場合は、
  ガードナー色数≦0.5×(m+n+2)-1.5    (1)
15<m+n≦100の場合は、
  ガードナー色数≦6                  (2)

[式中、R 1 は炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化 素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基であり、R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基である。A 1 OとA 2 Oはオキシエチレン基および/またはオキシプ ピレン基を表す。mは(A 1 O)の平均付加モル数、nは(A 2 O)の平均付加モル数を表し、それぞれ独立に0 ~50の数であり、m+n≧1である。]

 また、本願の第2発明は、下記一般化学式(2) で表わされ、ジメチルホルムアミド(DMF)を溶 液としたゲルパーミエーションクロマトグ フ(GPC)測定によるポリエチレングリコール(P EG)検量線換算の分子量分布(重量平均分子量Mw と数平均分子量Mnの比)が下記数式(3)または(4) を満足することを特徴とする脂肪族アミンア ルキレンオキサイド付加物である。
 Mw/Mn≦0.05×ln(r+s+2)+0.975  (3)
        (但し1≦r+s≦10の場合)
 Mw/Mn≦1.10                  (4)
        (但し10<r+s≦100の場合)

[式中、R 2 は炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化 素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基であり、R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基である。A 3 OとA 4 Oはオキシエチレン基および/またはオキシプ ピレン基を表す。rは(A 3 O)の平均付加モル数、sは(A 4 O)の平均付加モル数を表し、それぞれ独立に0 ~50の数であり、1≦r+s≦100である。]

 本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサ ド付加物は、不純物や着色が少なく、分子 分布がシャープで純度が高く、低臭気であ ことから、帯電防止剤、繊維処理剤、衣類 洗剤、塗料樹脂用改質剤などに好適に用い ことができる。特に、着色が原因で従来は 用が避けられてきた分野でより好適に使用 きる。

 本願の第1発明の脂肪族アミンアルキレン オキサイド付加物と第2発明の脂肪族アミン ルキレンオキサイド付加物は、それぞれ下 一般化学式(1)と(2)で表わされる。

[式中、R 1 は炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化 素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基であり、R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基である。A 1 OとA 2 Oはオキシエチレン基および/またはオキシプ ピレン基を表す。mは(A 1 O)の平均付加モル数、nは(A 2 O)の平均付加モル数を表し、それぞれ独立に0 ~50の数であり、1≦m+n≦100である。]

[式中、R 2 は炭素数が4~24の飽和もしくは不飽和の炭化 素基またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基であり、R 4 は炭素数1~18の飽和炭化水素基である。A 3 OとA 4 Oはオキシエチレン基および/またはオキシプ ピレン基を表す。rは(A 3 O)の平均付加モル数、sは(A 4 O)の平均付加モル数を表し、それぞれ独立に0 ~50の数であり、1≦r+s≦100である。]

 上記一般化学式(1)と(2)中のR 1 とR 2 は、直鎖または分岐鎖でもよい炭素数が4~24 飽和もしくは不飽和の炭化水素基、またはR 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表される。
飽和または不飽和の炭化水素基としては、直 鎖または分岐鎖でもよく、炭素数が通常4~24 ある。好ましくは直鎖で炭素数6~18の飽和炭 水素基である。
 また、R 4 OCH 2 CH 2 CH 2 で表されるアルコキシプロピル基としては、 炭素数が通常1~18、好ましくは3~18、さらに好 しくは3~12である。

 原料となる脂肪族第一アミンの具体例とし は、n-ブチルアミン、ヘキシルアミン、シ ロヘキシルアミン、オクチルアミン、デシ アミン、ウンデシルアミン、ドデシルアミ 、トリデシルアミン、テトラデシルアミン ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン ヘプタデシルアミン、オクタデシルアミン ノナデシルアミン、イコシルアミン、ヘン コシルアミン、ドコシルアミン、トリコシ アミン、テトラコシルアミン、オクタデセ ルアミン、オクタデカジエニルアミンや、 れらの混合物である牛脂アミン、硬化牛脂 ミン、ヤシ油アミン、パーム油アミン、大 油アミン等動植物油由来の脂肪族第1アミン: 3-メトキシプロピルアミン、3-エトキシプロ ルアミン、3-プロポキシプロピルアミン、3- ソプロポキシプロピルアミン、3-ブトキシ ロピルアミン、3-イソブトキシプロピルアミ ン、3-(2-エチルヘキシル)プロピルアミン、3- シロキシプロピルアミン、3-アミン、3-ステ アリロキシプロピルアミン等;アルコキシプ ピルアミンを挙げることができる。
 脂肪族第1アミンは1種または2種以上の混合 を用いてもよい。また、これらの脂肪族第1 アミンは蒸留精製してあることが望ましい。
 上記アルコキシプロピルアミンはアクリロ トリルに脂肪族アルコールを付加反応させ ニトリル基を水素還元して第一アミンとし ものが使用できる。

 本願の第3発明は、上記の脂肪族アミンアル キレンオキサイド付加物の製造方法である。 本発明の製造方法は、この脂肪族第一級アミ ン1モルに対して、平均付加モル数1.5~2.0モル エチレンオキサイドを無触媒で反応させる 1段目反応、および得られた脂肪族アミンエ チレンオキサイド付加物に、第4級アンモニ ム塩を触媒として0.01~5重量%添加し、さらに3 ~100モルのアルキレンオキサイドを反応させ 第2段目反応から構成されることを特徴とす 。
 原料の脂肪族第1アミンから本願第1発明の 肪族アミンアルキレンオキサイド付加物ま は本第2発明の脂肪族アミンアルキレンオキ イド付加物を製造する第1段目の反応は、通 常、無触媒でエチレンオキサイドを付加させ る。
 エチレンオキサイドの平均付加モル数は1.5~ 2.0であり、好ましくは1.7~2.0モルである。

 第1段目反応の反応温度は、通常80~120℃であ り、好ましくは95~115℃である。反応温度が80 未満では付加反応の誘導期間が長くなり生 性が低下する。
反応温度が120℃を超えると、不純物が生成し 、この時点では色は付かないが、第2段目の 応に影響を与え、目的生成物の脂肪族アミ アルキレンオキサイド付加物が着色、着臭 、分子量分布も広くなる。

 本発明における第2段目の反応には、触媒と して第4級アンモニウム塩を用いる。
この第4級アンモニウム塩としては、テトラ チルアンモニウムクロライド、テトラエチ アンモニウムクロライド、テトラメチルア モニウムヒドロキシド、テトラエチルアン ニウムヒドロキシド、プロピルトリメチル ンモニウムクロライド、ブチルトリメチル ンモニウムクロライド、シクロヘキシルト メチルアンモニウムクロライド、オクチル リメチルアンモニウムクロライド、ラウリ トリメチルアンモニウムクロライド、DBUの チルクロライドによる4級化物などが挙げら る。

 これらの中で、触媒効率および環境排出 観点から、分子量が小さくハロゲンを含ま い低級アルキル(炭素数1~4)の4級アンモニウ 塩、例えばテトラメチルアンモニウムヒド キシド、ブチルトリメチルアンモニウムヒ ロキシド、DBUメチル化物のヒドロキシドが 適に使用でき、さらにテトラメチルアンモ ウムヒドロキシドがより好適に使用できる

 テトラメチルアンモニウム塩の添加量と ては、脂肪族第1級アミンアルキレンオキサ イド付加物の仕上がり時の合計量に対して0.0 1~5重量%が適当である。好ましくは0.02~1重量% あり、より好ましくは0.05~0.5重量%である。

 本発明において第2段目の反応に用いられる アルキレンオキサイドA 1 O、A 2 O、A 3 O、A 4 Oとしては、エチレンオキサイド、プロピレ オキサイドが挙げられ、1種または2種を混合 して使用することができる。
 これらのうち、エチレンオキサイドが特に 適に使用できる。また、2種のアルキレンオ キサイドを用いる場合、ブロック状に付加し ていてもランダム状に付加していてもよいが 、オキシエチレン鎖とオキシプロピレン鎖の 含有比率(モル比)は100/0~80/20が好ましく、100/0 ~90/10がさらに好ましい。プロピレンオキサイ ドの付加モル数が多くなると反応速度が低下 し、生産性が悪くなる。

 アルキレンオキサイドの付加モル数m、n、r sはそれぞれ独立に0~50モルであり、好まし は3~30モルである。
 m+n、r+sはそれぞれ1~100モルである。100モル 超えると反応速度が低下して長時間を要す ようになり、生産性が低下する。

 本発明において第2段目の反応温度は、通常 50~105℃であり、好ましくは70~95℃である。反 温度が50℃未満では反応が遅く生産性が低 する。
 反応途中で、アルキレンオキサイドが存在 る状況で温度が105℃を超えると、触媒の4級 アンモニウム塩や原料の第一級アミンに水な どがさらに付加した4級化物の分解物(例えば 不飽和炭化水素、ケチミンなど不特定多数 分解物)とアルキレンオキサイドとの副反応 が起こり、著しく着色し、不純物が多く分子 量分布も広くなる。

 第1段目のエチレンオキサイドの付加反応 および第2段目のアルキレンオキサイドの付 反応においては、圧力条件は特に限定され 、通常のアルキレンオキサイド付加反応の 件で行うことができるが、温度コントロー の観点から-0.1~0.3MPaで行うのが好ましい。

 本願の第1発明の脂肪族アミンアルキレンオ キサイド付加物は、その色調が下記の数式(1) または(2)を満足する。
1≦m+n≦15の場合は、
 ガードナー色数 ≦ 0.5×(m+n+2)-1.5   (1)
15<m+n≦100の場合は
 ガードナー色数 ≦ 6                 (2)

 本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサイ 付加物は、製造直後の色調が良好であるだ ではなく、長期間色調を保持していること 特長である。
 一般の製造法による脂肪族アミンアルキレ オキサイド付加物では、製造直後に通常着 している(後述する比較例1~4)。
本発明で第2段目反応後に触媒の加熱分解工 と減圧除去工程を省略したときには、2段目 応直後の色調は良好であっても、経日によ 着色が著しく悪くなる。
 これに対して、本発明の脂肪族アミンアル レンオキサイド付加物は、製造後の貯蔵中 着色、および実際の使用時の加熱による着 がほとんど認められない。

 本発明において、ガードナー色数はJIS K0 071-2(国際規格ではISO4630-1:2004)に記載された方 法により行う。また、ガードナー色数が1以 のものはハーゼン単位色数を測定する。な 、色調値のハーゼン単位色数300がガードナ 色数1とほぼ同等であり、ハーゼン単位色数3 00以下はガードナー色数1以下に相当する。

 本願の第2発明の脂肪族アミンアルキレンオ キサイド付加物は、ジメチルホルムアミド(DM F)を溶離液としたゲルパーミエーションクロ トグラフ(GPC)測定によるポリエチレングリ ール(PEG)検量線換算の分子量分布(重量平均 子量Mw/数平均分子量Mn)が下記の数式(3)また (4)を満足するものである。
1≦r+s≦10の場合は
 Mw/Mn≦0.05×ln(r+s+2)+0.975   (3)
10<r+s≦100の場合は         
 Mw/Mn≦1.10                   (4)

 GPC測定方法は次のとおりである。
 <GPCの測定条件>
 機種     : HLC-8220GPC (東ソー株式会社製)
 カラム    : Guardcolumn α
          TSKgel α-M (いずれも東ソー株 会社製)
 カラム温度  : 40℃
 検出器    : RI
 溶離液    : LiBr0.01M含有DMF
 試料濃度   : 0.125%
 注入量    : 100μl
 検量線用試料 : ポリエチレングリコール
(東ソー製;TSK STANDARD POLYETHYLENE OXIDE)

 本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサイ 付加物中に含まれる臭気成分となる不純物 ガスクロマトグラフ(GC)によって確認できる 。
 不純物の中には、未反応の脂肪族アミンや 熱による分解生成物があり、GC分析におい 、溶剤ピークと脂肪族アミンエチレンオキ イド2モル付加物のピークの間に検出される この検出されるピークの合計量は、通常0.1% 以下、好ましくは0.05%以下、さらに好ましく 検出されないことである。
 不純物ピークは、臭気悪化の原因となるが 本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサイ 付加物は不純物ピークが少ないので、臭気 良好である。

 上記のGC測定条件は次のとおりである。
<GCの測定条件>
 機種     : GC-1700(株式会社島津製作所製)
 カラム    : キャピラリー Rtx-5 (30m)
 注入口温度  : 300℃
 検出器    : FID (温度300℃)
 オーブン   : 初期温度90℃、保持時間0分 昇温速度10℃/分
          最終温度300℃
 注入量    : 1μl (試料をメタノールで5倍 希釈)

 本発明の第2段目のアルキレンオキサイドの 付加反応の後、触媒分解時の着色を防止する 目的で水素化ホウ素ナトリウムなどの還元剤 を添加してもよい。
 還元剤の種類としては、水素化ホウ素ナト ウムのほか、水素化ホウ素リチウム、水素 ホウ素カリウム、水素化アルミニウムリチ ムなどが挙げられる。
 還元剤の添加量は脂肪族アミンアルキレン キサイド付加物に対して10~1000ppmあれば十分 であり、20~100ppmが好ましく、20~50ppmがさらに ましい。
 還元剤の添加温度は70℃以下で、できる限 空気(酸素)が混入しない方法がよい。さらに は、40℃以下であれば30分以内に添加後の不 性ガス置換を終えれば着色は起こらない。

 本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサ ド付加物は、アルカリ金属含有量が1000ppm以 下であることが好ましい。アルカリ金属含有 量が1000ppmを超えると経日変化で着色が起こ 。

 以下に、本発明について実施例を挙げて具 的に説明するが、本発明はこれらに限定さ るものではない。
<実施例1>
 ラウリルアミン(ファーミン20D、花王株式会 社製)222g(1.2モル)を1Lオートクレーブに仕込み 、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95 に昇温した。同温度にてエチレンオキサイ 105.6g(2.4モル、アミン1モルに対して2.0モル) オートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならない うにして、徐々に滴下した。約1.5時間の誘 期間を経て90~110℃の範囲で温度コントロー を行ない、計4時間で反応させた。滴下終了 後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始 と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
 得られたラウリルアミンのエチレンオキサ ド2.0モル付加物にテトラメチルアンモニウ ヒドロキシド25%水溶液3.2gを空気が混入しな いように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した 。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイ 422.4g(9.6モル、アミン1モルに対して8.0モル) プロピレンオキサイド69.6g(1.2モル、アミン1 モルに対して1.0モル)をオートクレーブ内圧 0.2MPa以上にならないようにして、温度を70~90 ℃に温度コントロールし、4時間かけて滴下 た。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内 圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反 を行った。さらに、150~170℃で1時間減圧(20to rr)処理を行なった。
 得られたラウリルアミンのエチレンオキサ ド10モル/プロピレンオキサイド1モル付加物 (A-1)の色調はガードナー1であった。これは式 (1)においてm+n=9に相当し右辺の計算値が4とな り式(1)を満たしている。
 得られたラウリルアミンのエチレンオキサ ド10モル/プロピレンオキサイド1モル付加物 (A-1)のMw/Mn測定値は1.063、r+s=9を数式(3)に入れ 算すると右辺は1.085となり、数式(3)を満足 る。また、GC分析においては不純物ピークは 検出されず、臭気も良好であった。

<実施例2>
 ココナット(ヤシ油)アミン(ファーミンCS、 王株式会社製)191g(1.0モル)を1Lオートクレー に仕込み、アルゴンガスで置換してから減 にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレン オキサイド88g(2.0モル、アミン1モルに対して2 .0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にな らないようにして、徐々に滴下した。約1.5時 間の誘導期間を経て90~110℃の範囲で温度コン トロールを行ない、計4時間で反応させた。 下終了後、95℃でオートクレーブの内圧が滴 下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行 た。
 得られたココナットアミンのエチレンオキ イド2.0モル付加物にテトラメチルアンモニ ムヒドロキシド25%水溶液3.2gを空気が混入し ないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水し た。温度を70℃に下げてからエチレンオキサ ド220g(5.0モル、アミン1モルに対して5.0モル) とプロピレンオキサイド58g(1.0モル、アミン1 ルに対して1.0モル)をオートクレーブ内圧が 0.2MPa以上にならないようにして、温度を70~90 に温度コントロールし、4時間かけて滴下し た。滴下終了後、70℃でオートクレーブの内 が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反 を行った。さらに、150~170℃で1時間減圧(20tor r)処理を行なった。
 得られたココナットアミンのエチレンオキ イド7モル/プロピレンオキサイド1モル付加 (A-2)の色調はガードナー1であった。これは (1)においてm+n=6に相当し右辺の計算値が2.5 なり式(1)を満たしている。
 得られたココナットアミンのエチレンオキ イド7モル/プロピレンオキサイド1モル付加 (A-2)のMw/Mn測定値は1.049、r+s=6を数式(3)に入 計算すると右辺は1.065となり、数式(3)を満足 する。また、GC分析においては不純物ピーク 検出されず、臭気も良好であった。

<実施例3>
 硬化牛脂アミン(アミンABT-R、日本油脂株式 社製)207.2g(0.8モル)を1Lオートクレーブに仕 み、アルゴンガスで置換してから減圧にし 95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサ イド70.4g(1.6モル、アミン1モルに対して2.0モ )をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならな ようにして、徐々に滴下した。約2時間の誘 導期間を経て90~110℃の範囲で温度コントロー ルを行ない、計5時間で反応させた。滴下終 後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始 時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド2.0モル付加物に、テトラメチルアンモニ ムヒドロキシド25%水溶液4.2gを、空気が混入 しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水 した。温度を70℃に下げてからエチレンオキ イド422.4g(9.6モル、アミン1モルに対して12.0 ル)とプロピレンオキサイド92.8g(1.6モル、ア ミン1モルに対して2.0モル)をオートクレーブ 圧が0.2MPa以上にならないようにして、温度 70~90℃に温度コントロールし、6時間かけて 下した。滴下終了後、70℃でオートクレー の内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30 分反応を行った。さらに、160~170℃で1時間減 (20torr)処理を行なった。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド14モル/プロピレンオキサイド2モル付加物 (A-3)の色調はガードナー3であった。これは式 (1)においてm+n=14に相当し右辺の計算値が5.5と なり式(1)を満たしている。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド14モル/プロピレンオキサイド2モル付加物 (A-3)のMw/Mn測定値は1.078、r+s=14の場合、数式(3) の右辺は1.10であり、数式(3)を満足する。ま 、GC分析においては不純物ピークは検出され ず、臭気も良好であった。

<実施例4>
 ラウリルアミン(ファーミン20D、花王株式会 社製)222g(1.2モル)を1Lオートクレーブに仕込み 、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95 に昇温した。同温度にてエチレンオキサイ 105.6g(2.4モル、アミン1モルに対して2.0モル) オートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならない うにして、徐々に滴下した。約1.5時間の誘 期間を経て90~110℃の範囲で温度コントロー を行ない、計4時間で反応させた。滴下終了 後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始 と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
 得られたラウリルアミンのエチレンオキサ ド2.0モル付加物にテトラメチルアンモニウ ヒドロキシド25%水溶液3.2gを空気が混入しな いように添加し、95℃にて1時間減圧脱水した 。温度を70℃に下げてからエチレンオキサイ 422.4g(9.6モル、アミン1モルに対して8.0モル) オートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならない うにして、温度を70~90℃に温度コントロー し、4時間かけて滴下した。滴下終了後、70 でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同 圧力を示すまで30分反応を行った。さらに、 150~170℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
 得られたラウリルアミンのエチレンオキサ ド10モル付加物(A-4)の色調はガードナー2で った。これは式(1)においてm+n=8に相当し右辺 の計算値が2.5となり式(1)を満たしている。
 得られたラウリルアミンのエチレンオキサ ド10モル付加物(A-4)のMw/Mn測定値は1.053、r+s=8 を数式(3)に入れ計算すると右辺は1.063となり 数式(3)を満足する。また、GC分析において 不純物ピークは検出されず、臭気も良好で った。

<実施例5>
 ココナット(ヤシ油)アミン(ファーミンCS、 王株式会社製)229.2g(1.2モル)を1Lオートクレー ブに仕込み、アルゴンガスで置換してから減 圧にし、95℃に昇温した。同温度にてエチレ オキサイド105.6g(2.4モル、アミン1モルに対 て2.0モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上 ならないようにして、徐々に滴下した。約1 .5時間の誘導期間を経て90~110℃の範囲で温度 ントロールを行ない、計4時間で反応させた 。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内圧 滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応 行った。
 得られたココナットアミンのエチレンオキ イド2.0モル付加物にテトラメチルアンモニ ムヒドロキシド25%水溶液3.2gを空気が混入し ないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水し た。温度を70℃に下げてからエチレンオキサ ド264g(6.0モル、アミン1モルに対して5.0モル) をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にならない ようにして、温度を70~90℃に温度コントロー し、4時間かけて滴下した。滴下終了後、70 でオートクレーブの内圧が滴下開始時と同 圧力を示すまで30分反応を行った。さらに 150~170℃で1時間減圧(20torr)処理を行なった。
 得られたココナットアミンのエチレンオキ イド7モル付加物(A-5)の色調はガードナー1以 下であったので、ハーゼン単位色数を測定し たところ160であった。これは式(1)においてm+n =5に相当し右辺の計算値が2.5となり式(1)を満 している。
 得られたココナットアミンのエチレンオキ イド7モル付加物(A-5)のMw/Mn測定値は1.039、r+s =5を数式(3)に入れ計算すると右辺は1.044とな 、数式(3)を満足する。また、GC分析において は不純物ピークは検出されず、臭気も良好で あった。

<実施例6>
 硬化牛脂アミン(アミンABT-R、日本油脂株式 社製)207.2g(0.8モル)を1Lオートクレーブに仕 み、アルゴンガスで置換してから減圧にし 95℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサ イド70.4g(1.6モル、アミン1モルに対して2.0モ )をオートクレーブ内圧が0.3MPa以上にならな ようにして、徐々に滴下した。約2時間の誘 導期間を経て90~110℃の範囲で温度コントロー ルを行ない、計5時間で反応させた。滴下終 後、95℃でオートクレーブの内圧が滴下開始 時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド2.0モル付加物に、テトラメチルアンモニ ムヒドロキシド25%水溶液4.2gを、空気が混入 しないように添加し、95℃にて1時間減圧脱水 した。温度を70℃に下げてからエチレンオキ イド563.2g(12.8モル、アミン1モルに対して16.0 モル)をオートクレーブ内圧が0.2MPa以上にな ないようにして、温度を70~90℃に温度コント ロールし、6時間かけて滴下した。滴下終了 、70℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時 と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。さ に、160~170℃で1時間減圧(20torr)処理を行なっ た。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド18モル付加物(A-6)の色調はガードナー4あ た。これは式(2)を満たしている。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド18モル付加物(A-6)のMw/Mn測定値は1.069、r+s=1 6の場合、数式(4)の右辺は1.10であり、数式(4) 満足する。また、GC分析においては不純物 ークは検出されず、臭気も良好であった。

<比較例1>
 硬化牛脂アミン(アミンABT-R、日本油脂株式 社製)259g(1モル)を1Lオートクレーブに仕込み 、アルゴンガスで置換してから140℃に昇温し た。無触媒で140℃にてエチレンオキサイド440 g(10モル)を5時間かけて圧入した。滴下終了後 、140℃でオートクレーブの内圧が滴下開始時 と同じ圧力を示すまで30分反応を行った。
 得られた硬化牛脂アミンエチレンオキサイ 10モル付加物(C-1)からは未反応のエチレンオ キサイドは検出されなかったが、色調はガー ドナー色数15であった。また、Mw/Mn測定値は1. 138、r+s=8の場合、数式(3)の右辺は1.08であり、 数式(3)を満足しない。また、GC分析において 純物ピークが多数検出され、不快な臭気が った。

<比較例2>
 硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会 社製)259g(1モル)および水酸化カリウム1.05gを1L オートクレーブに仕込み、アルゴンガスで置 換してから95℃に昇温した。85℃にてエチレ オキサイド440g(10モル)を10時間かけて滴下し 。85℃でオートクレーブの内圧が滴下開始 と同じ圧力を示すまで3時間反応を行った。
 得られた硬化牛脂アミンエチレンオキサイ 10モル付加物(C-2)の色調はガードナー色数5 あった。また、Mw/Mn測定値は1.136、r+s=8の場 、数式(3)の右辺は1.08であり、数式(3)を満足 ない。また、GC分析において不純物ピーク 多数検出され、不快な臭気があった。

<比較例3>
 オクチルアミン(ファーミン08D、花王株式会 社製)258g(2.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み 、アルゴンガスで置換してから減圧にし、130 ℃に昇温した。同温度にてエチレンオキサイ ド176g(4.0モル、アミン1モルに対して2.0モル) 徐々に滴下した。約1時間の誘導期間を経て1 30~160℃の範囲で計3時間で反応させた。滴下 了後、130℃でオートクレーブの内圧が滴下 始時と同じ圧力を示すまで30分反応を行った 。
 得られたオクチルアミンのエチレンオキサ ド2.0モル付加物にN,N-ジメチルドデシルアミ ン1.0gを空気が入らないように添加し、95℃に て1時間減圧脱水した。エチレンオキサイド44 0g(10.0モル、アミン1モルに対して5.0モル)を温 度110~130℃にコントロールし、2時間かけて滴 した。滴下終了後、120℃でオートクレーブ 内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30 反応を行った。
 得られたオクチルアミンのエチレンオキサ ド7モル付加物(C-3)の色調はガードナー8であ った。また、Mw/Mn測定値は1.086、r+s=5の場合、 数式(3)の右辺は1.06であり、数式(3)を満足し い。また、GC分析において不純物ピークが多 数検出され、不快な臭気があった。

<比較例4>
 硬化牛脂アミン(ファーミン86T、花王株式会 社製)259g(1.0モル)を1Lオートクレーブに仕込み 、アルゴンガスで置換してから減圧にし、95 に昇温した。同温度にてエチレンオキサイ 83.6g(1.9モル)をオートクレーブ内圧が0.3MPa以 上にならないようにして、徐々に滴下した。 約2時間の誘導期間を経て90~110℃の範囲で温 コントロールを行ない、計5時間で反応させ 。滴下終了後、95℃でオートクレーブの内 が滴下開始時と同じ圧力を示すまで30分反応 を行った。
 得られた硬化牛脂アミンのエチレンオキサ ド1.9モル付加物に、N,N-ジメチルラウリルア ミン4.2gを、空気が混入しないように添加し 95℃にて1時間減圧脱水した。温度を70℃に下 げてからエチレンオキサイド356.4g(8.1モル)を 下しようとしたが反応活性が低く、オート レーブ内圧が0.2MPa未満では反応が進行せず 0.2MPaを超えてエチレンオキサイド濃度を高 して反応させたところ、105℃以下では温度 ントロールできなかった。最高到達温度120 に達した。滴下終了後、105℃でオートクレ ブの内圧が滴下開始時と同じ圧力を示すま 30分反応を行った。ここで、得られた硬化 脂アミンのエチレンオキサイド10モル付加物 の色調はハーゼン単位色数180であった。これ を、130~160℃で1時間減圧(20torr)処理を行なっ ところ、得られた硬化牛脂アミンのエチレ オキサイド10モル付加物(C-4)の色調はガード ー6であった。また、Mw/Mn測定値は1.106、r+s=8 の場合、数式(3)の右辺は1.08であり、数式(3) 満足しない。また、GC分析において不純物ピ ークが若干検出され、不快な臭気が少し残っ た。

 実施例で得られた(A-1)~(A-6)および比較例 得られた(C-1)~(C-4)を使用して、以下の洗浄試 験を実施した。

 <洗浄試験>
 牛脂に指示薬としてスダンIII(赤色色素)を0. 1%添加し、この2.5gを磁性の皿(直径25cm)に塗布 したものを、各試料3g、水(炭酸カルシウム3.5 mg/lの硬水27gを染み込ませたスポンジを用い 20℃でこすり洗いし、皿から牛脂がきれいに 取れなくなるまでの洗浄できた皿の枚数を確 認した。同時に、手のヌルツキと手に残存す る臭気の有無を確認した。結果を表1に示す

 以上の結果から、実施例1~6で得られた脂 族アミンアルキレンオキサイド付加物は、 の色調が式(1)または(2)を満足し、その分子 分布が数式(3)または(4)のいずれかを満足し 臭気が良好であることが明らかであり、従 のものよりも洗浄力が高いことがわかる。 た、手に対する臭気付着性がないことから 台所洗剤などの家庭用洗浄剤用途に適用で ることがわかる。

 本発明の脂肪族アミンアルキレンオキサ ド付加物は不純物や着色が少なく、また長 にわたって安定であり、また、従来のもの 比べ分子量分布がシャープであることから 帯電防止剤、繊維処理剤、衣類用洗剤、塗 樹脂用改質剤などに好適に用いることがで る。特に、臭気が良好で、従来のものに比 分子量分布がシャープなことから洗浄力が い洗浄剤として好適に使用することができ 。