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Title:
ALUMINUM ALLOY FOIL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/041429
Kind Code:
A1
Abstract:
An aluminum alloy foil formed container is provided which is formed of a aluminum alloy foil single body having at least a specified electric specific resistance, is excellent in formability and corrosion resistance, and is suitable for cooking by an electromagnetic cooker. Molten aluminum alloy is cast to a thickness of up to 10mm at a cooling rate of at least 100°C /second, then the cast product is cold-rolled to a thickness of 50-300μm, then the rolled product is annealed at at least 300°C for a heating retaining time of up to 10 minutes to form an aluminum alloy foil, 50-200μm in thickness and at least 6.0 μΩcm in electric specific resistance, and it is press-formed to obtain an aluminum alloy foil formed container (10) having a bottom wall (11), a peripheral wall (12) and a flange (13). This container (10) is excellent in formability (especially pinhole resistance) and corrosion resistance, and has an electric resistance suitable for cooking by an electromagnetic cooker.

Inventors:
RO AKINORI (JP)
TADA HIROSHI (JP)
SAKON TAKAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/067181
Publication Date:
April 02, 2009
Filing Date:
September 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYO ALUMINIUM KK (JP)
TOYO ALUMINIUM EKCO PRODUCTS C (JP)
RO AKINORI (JP)
TADA HIROSHI (JP)
SAKON TAKAHIRO (JP)
International Classes:
C22C21/00; A47J27/00; A47J36/02; B65D81/34; C22F1/04; C22F1/00
Foreign References:
JPH0765942A1995-03-10
JP2003153802A2003-05-27
JPH05156412A1993-06-22
JPH055149A1993-01-14
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Bunji (Nipponbashi 1-chome Chuo-ku, Osaka-sh, Osaka 73, JP)
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Claims:
 アルミニウム合金の溶湯を100℃/秒以上の冷却速度で10mm以下の厚みに鋳造し、
 次いで50~300μmの厚みに冷間圧延し、
 次いで300℃以上の温度下での加熱保持時間を10分以内とする焼鈍を施した、
 厚みが50~200μm、電気比抵抗値が6.0μωcm以上のアルミニウム合金箔。
 平均結晶粒径が1~30μmである請求項1に記載のアルミニウム合金箔。
 0.5≦Mn≦3.0質量%のMnと、0.0001≦Cr<0.20質量%のCrと、0.2≦Mg≦1.8質量%のMgと、0.0001≦Ti≦0.6質量%のTiと、0<Cu≦0.005質量%のCuと、0<Si≦0.1質量%のSiと、0<Fe≦0.2質量%のFeとを含有し、残部がアルミニウムと不可避不純物とからなる請求項1または請求項2に記載のアルミニウム合金箔。
 請求項1から3のいずれかに記載のアルミニウム合金箔からなり、少なくとも底壁と、底壁から立ち上がる周壁とを有するアルミニウム合金箔成形容器。
 請求項4に記載のアルミニウム合金箔成形容器に食品を収納してなる食品包装体。
 アルミニウム合金の溶湯を100℃/秒以上の冷却速度で10mm以下の厚みに鋳造する工程と、
 次いで50~300μmの厚みに冷間圧延する工程と、
 次いで300℃以上の温度下での加熱保持時間を10分以内とする焼鈍を施す工程と、を含むアルミニウム合金箔の製造方法。
Description:
アルミニウム合金箔

 この発明は、電磁調理器による加熱調理 好適な食品包装体、およびこの食品包装体 容器として用いるアルミニウム合金箔成形 器、およびこの容器の素材であり、特定の 造方法により、特定の厚みおよび電気比抵 値を有するアルミニウム合金箔、およびこ アルミニウム合金箔の製造方法に関する。

 アルミニウム箔成形容器に麺類、鍋物等の 品を収納してなる食品包装体は、別途容器 移し変えることなく、そのまま加熱調理し 喫食でき、喫食後は容器を使い捨てできる め、便利であり、コンビニエンスストアで 売されるなどして広く普及している。
 従来は、これらの食品包装体を、ガスコン 等にかけることにより、直火で加熱調理す のが一般的であったが、近年は、火災に対 る安全性などから電磁調理器が急速に普及 てきており、電磁調理器による加熱調理が 能な食品包装体が要請されている。

 このような電磁調理器の加熱の原理は、概 以下の通りである。
 電磁調理器に内蔵されたコイルに交流電流 流し、その上に金属製の容器を置くと、磁 線の変化により電磁誘導が起こり、磁力線 変化を妨げる向きに容器の底面に渦電流が 生する。
 この渦電流が容器に流れると、容器の素材 ある金属の持つ電気抵抗によってジュール が発生し、容器に収納された食品が加熱さ るという仕組みである。

 ところが、従来のガスコンロ等で加熱する めの食品包装体のアルミニウム箔成形容器 電磁調理器で使用すると、加熱の効率が悪 なることがあった。
 また、一般消費者に「鍋確認ランプ」等で られている、電磁調理器が動作可能か否か 判断する基準は製造者により異なるため、 部のメーカーや型番の電磁調理器にアルミ ウム箔成形容器が使用できないことがあっ 。

 これらの問題を解決するためには、アルミ ウム箔成形容器の電気抵抗値を上げて、発 性能を向上させたり、電磁調理器の種類に らず動作させたりする必要がある。
 電気抵抗値を上げる最も簡単な方法はアル ニウム箔の厚みを薄くすることであるが、 まりに薄くすると、アルミニウム箔成形容 の強度が低下し、食品を保持できなかった 変形したりするおそれがある。
 電気抵抗値を上げる他の方法として、不純 の添加があるが、容器に収納された食品は 分を含んでいることが多く、不純物の添加 よりアルミニウム箔成形容器の耐食性が劣 と、容器が変色したり腐食孔から内容物が れたりするおそれがある。
 このように、箔の厚みを薄くしたり、不純 の添加量を増やしたりするにも限界がある

 そこで、以下に述べるように、電磁調理器 よる加熱調理に適するように改良されたア ミニウム箔成形容器が種々考案されている
 例えば特許文献1には、2枚以上のアルミニ ム箔を積層してその外面に断熱層を設けた ルミニウム箔成形容器が開示されている。
 また、特許文献2には、鉄箔とアルミニウム 箔を重ね合せて成形した容器が開示されてい る。
 特許文献3には、少なくとも底面を平面状に 形成すると共に、その厚さを12μm~96μmに形成 たアルミニウム箔成形容器が開示されてい 。
 特許文献4には、0.15~0.35重量%のSiと、2.2~2.8 量%のMgと、0.10~0.35重量%のCrと、合計で1.5重 %以下の微量元素と、100重量%中残部がAlより るアルミニウム箔成形容器が開示されてい 。
 また、0.15~0.35重量%のSiと、1.0~1.8重量%のMnと 、0.8~1.8重量%のMgと、合計で1.5重量%以下の微 元素と、100重量%中残部がAlよりなるアルミ ウム箔成形容器とが開示されている。
 特許文献5には、少なくとも底壁が2枚以上 アルミニウム箔を積層してなり、かつ積層 れた箔同士は一部で互いに接触しているア ミニウム箔成形容器が開示されている。
 特許文献6には、0.1~2.0質量%のMgと、0.03~0.5質 量%のCrを含有し、100質量%中残部がAlおよび不 可避不純物からなるアルミニウム合金芯材の 片面または両面に、0.01~0.05質量%のCrと、0.05~0 .5質量%のTiを含有し、100質量%中残部がAlおよ 不可避不純物からなるアルミニウム合金皮 を被覆した複合アルミニウム箔からなる成 容器が開示されている。

 しかし、特許文献1に記載の容器は、冷凍保 存に適しておらず、また断熱層が紙等の場合 、空焚きしたときに燃焼する危険がある。
 また、特許文献2に記載の容器は、製造工程 が複雑になるうえ重量が大きくなる問題があ る。
 特許文献3および4に記載の容器は、十分な 抗値に至っていないため、一部の電磁調理 では加熱調理できないという問題があった
 特許文献5に記載の容器は、容器底壁の積層 されたアルミニウム箔の接触面積が異なれば 抵抗値も異なってくるため、例えば、内容物 充填時に底面が変形して接触面積が増せば抵 抗値が小さくなり、必要な抵抗値が得られな くなる。
 特許文献6に記載の容器は、芯材と皮材の組 成が異なれば加工性も異なるため、合わせ箔 として得られる容器の形状が限定的となり、 意匠性に富んだ容器を求める市場の要求に応 えることができず、また、工数もかさむため 使い捨てのアルミニウム箔容器としては高価 なものとなる問題がある。

 また、本出願人による先の出願である特願2 007-57474号には、100質量%中に、93質量%以上のAl と、2~5質量%のMgと、0.2~1.0質量%のCrと、0.01~3.0 質量%のMnと、0.005~0.6質量%のTiと、0.005質量%以 下のCuと、0.1質量%以下のSiと、0.2質量%以下の Feとを含有し、電気比抵抗値が5~10μωcmである アルミニウム合金を用いたアルミニウム箔成 型容器が記載されている
 しかし、この場合、アルミニウム箔にはAl-C r-Mn系の硬く粗大な金属間化合物が晶出する め、アルミニウム箔から容器を成型する際 、ピンホール等の欠陥が発生する可能性も えられ、耐ピンホール性につき、改良の余 が残されていた。

 このように、いずれも問題点あるいは改良 余地を抱えているが、上記した問題は、一 以上の電気比抵抗値を持つアルミニウム合 箔単体で形成され、成形性および耐食性に れた、電磁調理器による加熱調理に好適な ルミニウム合金箔成形容器を考案すること できれば、すべて解決することができる。

実開昭61-194293号公報

特開平7-33133号公報

特開2002-51906号公報

特開2003-153802号公報

特開2004-379号公報

特開2002-19835号公報

 そこで、この発明は、一定以上の電気比 抗値を持つアルミニウム合金箔単体で形成 れ、成形性および耐食性に優れた、電磁調 器による加熱調理に好適なアルミニウム合 箔成形容器等を提供することをその課題と る。

 本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、特 の製造方法により、特定の厚みおよび電気 抵抗値を有するアルミニウム合金箔が優れ 性質を有することを見出し、この発明を完 するに至った。
 具体的には、この発明にかかるアルミニウ 合金箔を、アルミニウム合金の溶湯を100℃/ 秒以上の冷却速度で10mm以下の厚みに鋳造し 次いで50~300μmの厚みに冷間圧延し、次いで30 0℃以上の温度下での加熱保持時間を10分以内 とする焼鈍を施して、厚みが50~200μm、電気比 抵抗値が6.0μωcm以上としたのである。

 上記のようなアルミニウム合金箔は、成 性(特に耐ピンホール性)および耐食性に優 、電気比抵抗値もこの合金箔から容器を成 した場合に、その電気抵抗が電磁調理器に る加熱調理に好適なものとなっている。

 また、発明にかかるアルミニウム合金箔成 容器であって、少なくとも底壁と、底壁か 立ち上がる周壁とを有するものをこのアル ニウム合金箔から形成したのである。
 さらに、発明にかかる食品包装体を、この ルミニウム合金箔成形容器に食品を収納し 形成したのである。
 ここで、このアルミニウム合金箔の焼鈍は 350℃以上での保持時間を1分以内とするのが 好ましい。
 また、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径 、1~30μmであるのがなお好ましい。

 このアルミニウム合金箔の組成は、0.5≦M n≦3.0質量%のMnと、0.0001≦Cr<0.20質量%のCrと 0.2≦Mg≦1.8質量%のMgと、0.0001≦Ti≦0.6質量% Tiと、0<Cu≦0.005質量%のCuと、0<Si≦0.1質 %のSiと、0<Fe≦0.2質量%のFeとを含有し、残 がアルミニウムと不可避不純物であるのが らに好ましい。

 この発明を方法的観点から考察すると、 ルミニウム合金の溶湯を100℃/秒以上の冷却 速度で10mm以下の厚みに鋳造する工程と、次 で50~300μmの厚みに冷間圧延する工程と、次 で300℃以上の温度下での加熱保持時間を10分 以内とする焼鈍を施す工程と、を含むアルミ ニウム合金箔の製造方法であることが理解さ れる。

 上述した工程を経て、上述した厚みおよ 電気比抵抗値を有するアルミニウム合金箔 形成したことにより、アルミニウム合金箔 体で形成され、成形性および耐食性に優れ 、電磁調理器による加熱調理に好適なアル ニウム合金箔成形容器等を得ることができ 。

アルミニウム合金箔成形容器の斜視図 アルミニウム合金箔成形容器の(a)は平 図、(b)は(a)のII-II矢印断面図

符号の説明

10 アルミニウム合金箔成形容器
11 底壁
12 周壁
13 フランジ

 図1および図2に示す実施形態のアルミニウ 合金箔成形容器10は、アルミニウム合金箔単 体を公知の方法により成形したものであって 、角丸正方形の底壁11と、底壁11周縁から広 って立ち上がる周壁12と、周壁12上縁から水 に張り出したフランジ13とからなる。
 図示のように、底壁11には多数のエンボス 形成され、周壁12には多数の縦リブが形成さ れ、フランジ13の外周には縁巻きが設けられ いる。
 このアルミニウム合金箔成形容器10は、麺 、鍋物等の食品を収納した状態で、主とし 電磁調理器による加熱調理に用いられる。
 ここで底壁11の投影面積は、約70~255cm が好ましい。70cm 未満では電磁調理器による加熱ができず(温 が上がらない)、255cm を越えると容器としての強度が不充分となる からである。
 なお、この容器10は、ガスコンロ等の直火 よる加熱調理に用いることも無論可能であ 。

 アルミニウム合金箔の厚みは50~200μmが好ま く、60~100μmであるのがさらに好ましい。
 50μm未満ではアルミニウム合金箔成形容器10 の強度が低下し、食品を保持できなかったり 変形したりするおそれがあり、200μmを超える と成形容器への加工が困難になるおそれがあ るからである。
 また、50μm未満では、容器に成形する際に く粗大な金属間化合物等を起点にピンホー 等の欠陥が発生するおそれがあり、200μmを えると、所望の電気抵抗値が得られにくく るからである。

 アルミニウム合金箔成形容器10のアルミニ ム合金箔の電気比抵抗値は、6.0μωcm以上、 ましくは6~10μωcm、より好ましくは6.5~10μωcm ある。
 電気比抵抗値が6.0μωcm未満であると、電磁 理器の使用に必要な抵抗値を得るためにア ミニウム合金箔の厚みを薄くしなければな ず、成形容器10の強度が低下し、内容物を 持できなかったり変形したりするおそれが るからである。
 電気比抵抗値の上限は特に限定されないが 一般に10μωcm程度である。
 比抵抗寄与率の大きい合金元素の固溶や加 歪の導入により電気比抵抗値を大きくする とができるが、電気比抵抗値が10μωcmを超 ると、成形容器への加工が困難になるおそ があるからである。

 所望の電気比抵抗値を持つアルミニウム 金箔は、所定の組成を有する溶湯を調製し 後、100℃/秒以上の冷却速度で10mm以下の厚 に鋳造したアルミニウム合金に冷間圧延を して厚み50~300μmに圧延し、300℃以上での加 保持時間が10分以内の焼鈍を施した後、必要 であればさらに冷間圧延を施して厚みを50~200 μmとすることにより得ることができる。

 鋳造時の冷却速度を100℃/秒以上とするのは 、添加した合金元素の晶出を抑制して固溶を 促進し、電気比抵抗を6μωcm以上にするため ある。
 また、鋳造厚さを10mm以下の厚みとするのは 、板厚中心部の鋳造時の冷却速度を100℃/秒 上にするためである。
 このような鋳造方法としては、種々の連続 造圧延法、例えば(1)平行な鋼製ベルトと両 のブロックとの間に作られるモールドに注 するベルト式、(2)上記ベルトの代わりに連 ブロックを用いる連結ブロック式、(3)一対 ローラーの間にセラミック製ノズルで注湯 る双ロール式等が挙げられる。
 なお、冷間圧延後の箔厚を50~300μmとするの 、焼鈍までに十分な加工歪を付与して平均 晶粒径を制御するためである。

 得られた冷間圧延箔は、成形容器への加工 容易にするため、300~600℃で焼鈍を行う。
 このとき、300℃以上での保持時間を10分以 とするのは、添加した合金元素の析出を抑 して固溶を促進し、電気比抵抗を6μωcm以上 するためである。
 より好ましくは、350℃以上での保持時間を1 分以内とし、保持時間の下限は約1秒である
 このような焼鈍方法としては連続焼鈍ライ (CAL)等が挙げられる。

 また、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径 限定的ではないが、1~30μmとすることが好ま しく、5~20μm、さらには5~10μmとすることがよ 好ましい。
 30μmを超えると成形容器への加工が困難に るおそれがあるからであり、また平均結晶 径は小さい方が好ましいが、通常は1μm程度 あるからである。
 このようなアルミニウム合金箔は、100℃/秒 以上の冷却速度で10mm以下の厚さに鋳造した ルミニウム合金を50~300μmに冷間圧延し焼鈍 ることにより得ることができる。
 なお、本発明でいう結晶粒径とは、冷間圧 方向に対して垂直方向の結晶粒の最大幅を う。

 アルミニウム合金箔の組成は特に限定さ ないが、Alに、0.5≦Mn≦3.0質量%のMnと、0.0001 ≦Cr<0.20質量%のCrと、0.2≦Mg≦1.8質量%のMgと 、0.0001≦Ti≦0.6質量%のTiと、0<Cu≦0.005質量% のCuと、0<Si≦0.1質量%のSiと、0<Fe≦0.2質 %のFeとを含有するとより好ましい。

 Mnが0.5質量%未満であると、電磁調理用の 形容器10として必要な電気比抵抗値が得ら ず、また、3.0質量%を超えると強度が大きく りすぎて容器10の成型が困難になるおそれ ある。

 Crが0.0001質量%未満であると、電磁調理用 成形容器10として必要な電気比抵抗値が得 れず、また、0.20質量%以上となると他の添加 元素とともに硬く粗大な金属間化合物を晶出 させるため、アルミニウム合金箔から容器を 成型する際に、ピンホール等の欠陥が発生す るおそれがある。

 Mgが0.2質量%未満であると、電磁調理用の 形容器10として必要な強度が得られず、1.8 量%を超えると、強度が大きくなりすぎて容 10の成型が困難になるおそれがある。

 Tiが0.0001質量%未満であると、電磁調理用の 形容器10として必要な電気比抵抗値が得ら ず、アルミニウム合金箔の平均結晶粒径が きくなり容器10の成型が困難になるおそれが ある。
 また、0.6質量%を超えると強度が大きくなり すぎて容器10の成型が困難になるおそれがあ 。

 Cuが0.005質量%を超えると、成形容器10に収納 する食品によってはアルミニウム合金箔が変 色したり腐食孔が形成されたりするおそれが ある。
 Cu含有率の下限は特に限定されないが、一 に0.0005質量%程度である。

 Siが0.1質量%を超えると、成形容器10に収納 る食品によってはアルミニウム合金箔が変 したり腐食孔が形成されたりするおそれが る。
 Si含有率の下限は特に限定されないが、一 に0.0005質量%程度である。

 Feが0.2質量%を超えると、成形容器10に収納 る食品によってはアルミニウム合金箔が変 したり腐食孔が形成されたりするおそれが る。
 Fe含有率の下限は特に限定されないが、一 に0.0005質量%程度である。

 アルミニウム合金の主たる組成であるAlは 伝熱性に優れ、軽量であり、安価であり、 工が容易であることなどから使い捨て容器 原料として広く用いられている。
 ここで、一般にアルミニウムの製錬、精製 溶製過程でFe、Si、Cu、Ti、V、Ga等の元素が 純物元素として混入するが、種々の品質(品 )のアルミニウムを組み合わせ配合すること によってそれらの元素の含有量を調整できる 。
 この発明におけるアルミニウム合金は、こ ように不純物元素を調整した後に、有意元 としてある種の元素を添加配合することに り製造される。

 以下に実施例および比較例を示して、発明 特徴を一層明確にする。ただし、この発明 範囲は、これら実施例に限定されるもので ない。
 実施例および比較例には、表1に示す組成の アルミニウム合金を用いた。なお、箔の組成 分析はICP発光分光分析装置を用いて行った。

 実施例および比較例にかかるアルミニウ 合金箔は、アルミニウム合金溶湯を調製し 後、表2に示す条件で鋳造、圧延および焼鈍 を施して厚さ100μmの試料とした。

 表2中下線が付されている数値は、発明に かかるアルミニウム合金箔の、鋳造時の冷却 速度、鋳造厚み、焼鈍の加熱保持時間の範囲 外であることを示す。

 次に、表3に、実施例および比較例にかか るアルミニウム合金箔の電気比抵抗の値、平 均結晶粒径、耐食性および成形性のテストの 結果を示す。

 なお、実施例および比較例で得られた試料 電気比抵抗および平均結晶粒径は、次のよ に測定した。
 まず、電気比抵抗は、温度293Kにおいて直流 四端子法で測定し、表3中下線が付されてい 数値は、発明にかかるアルミニウム合金箔 電気比抵抗の範囲外であることを示す。
 つぎに、平均結晶粒径は、光学顕微鏡によ 撮った結晶粒写真から任意の100個の結晶粒 ついて、冷間圧延方向に対して垂直方向の 晶粒の最大幅を測定してその平均値として めた。
 表3中下線が付されている数値は、発明にか かるアルミニウム合金箔の特に好ましい平均 結晶粒径の範囲外であることを示す。

 また、耐食性は、10cm×17cmのプラスチック製 バットに醤油500mlを入れ、3cm×6cmの試料を浸 し20℃で10日間保持した後、表面の腐食状態 目視で観察することにより評価した。
 表3中○は変色が認められないことを、×は 食孔が認められることを示す。

 さらに、成形性Aは、30cm×30cmの試料各100枚 、図1および図2に示す形状にプレス成形し、 各成形容器の外観を目視観察することにより 評価した。
 表3中○は底壁および底壁から立ち上がる周 壁に割れが認められる成形容器が全くないこ とを、×は割れが認められる成形容器が一つ 上あることを示す。
 また、成形性Bは、30cm×30cmの試料各100枚を 図1および図2に示す形状にプレス成形し、各 成形容器をピンホール検出機でピンホールの 有無を確認することにより評価した。
 表3中○はピンホールが検出された成形容器 が全くないことを、×はピンホールが検出さ た成形容器が一つ以上あることを示す。

 表3から、実施例においては、いずれも成形 性および耐食性に優れ、電気比抵抗が電磁調 理器による加熱調理に十分な値を示している 。
 特に、実施例においては、成形性Bのテスト からわかるように、成型時における耐ピンホ ール性が非常にすぐれている。

 これに対して、比較例2においては、成形 性Aが劣り、比較例1、2においては、成形性B 劣り、比較例3、4においては、耐食性に劣り 、比較例2、3、4においては電気比抵抗が小さ く発熱性が不十分であり、いずれの比較例も 実施例より劣ることがわかる。