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Patent Searching and Data


Title:
ANTIBODY CAPABLE OF BINDING TO TRUNCATED MUTANT CALRETICULIN, AND DIAGNOSTIC, PROPHYLACTIC OR THERAPEUTIC DRUG FOR MYELOPROLIFERATIVE NEOPLASMS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175689
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a diagnostic, prophylactic or therapeutic drug for myeloproliferative neoplasms. An antibody which can bind to a truncated mutant CALR protein and has an antigen-recognition site in (a) a polypeptide chain comprising the amino acid sequence represented by SEQ ID NO: 1 or (b) a polypeptide chain comprising such an amino acid sequence that one amino acid residue or several amino acid residues are deleted, substituted or added in SEQ ID NO: 1, or a functional fragment of the antibody; and a diagnostic, prophylactic or therapeutic drug for myeloproliferative neoplasms, which comprises the antibody.

Inventors:
ARAKI MARITO (JP)
KIHARA YOSHIHIKO (JP)
KOMATSU NORIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/008434
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 28, 2020
Export Citation:
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Assignee:
JUNTENDO EDUCATIONAL FOUND (JP)
MEIJI SEIKA PHARMA CO LTD (JP)
International Classes:
C07K16/30; G01N33/15; G01N33/50; G01N33/574
Domestic Patent References:
WO2016087514A12016-06-09
WO1996002576A11996-02-01
WO1993012227A11993-06-24
WO1992003918A11992-03-19
WO1994002602A11994-02-03
WO1994025585A11994-11-10
WO1996034096A11996-10-31
WO1996033735A11996-10-31
WO1992001047A11992-01-23
WO1992020791A11992-11-26
WO1993006213A11993-04-01
WO1993011236A11993-06-10
WO1993019172A11993-09-30
WO1995001438A11995-01-12
WO1995015388A11995-06-08
Foreign References:
JP2016537012A2016-12-01
US20170269092A12017-09-21
JP2017062127A2017-03-30
JP2016537012A2016-12-01
EP0239400A21987-09-30
JPH0159878B21989-12-20
Other References:
VANNUCCHI, A. M. ET AL.: "Calreticulin mutation- specific immunostaining in myeloproliferative neoplasms: pathogenetic insight and diagnostic value", LEUKEMIA, vol. 28, 2014, pages 1811 - 1818, XP002733584, DOI: 10.1038/leu.2014.100
KLAMPFL TGISSLINGER HHARUTYUNYAN AS ET AL.: "Somatic mutations of calreticulin in myeloproliferative neoplasms", THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE, vol. 369, 2013, pages 2379 - 90, XP002733585, DOI: 10.1056/NEJMoa1311347
NANGALIA JMASSIE CEBAXTER EJ ET AL.: "Somatic CALR mutations in myeloproliferative neoplasms with nonmutated JAK2", THE NEW ENGLAND JOURNAL OF MEDICINE, vol. 369, 2013, pages 2391 - 405, XP055148137, DOI: 10.1056/NEJMoa1312542
ARAKI MYANG YMASUBUCHI N ET AL.: "Activation of the thrombopoietin receptor by mutant calreticulin in CALR-mutant myeloproliferative neoplasms", BLOOD, vol. 127, 2016, pages 1307 - 16
ELF SABDELFATTAH NSCHEN E ET AL.: "Mutant Calreticulin Requires Both Its Mutant C-terminus and the Thrombopoietin Receptor for Oncogenic Transformation", CANCER DISCOV., vol. 6, 2016, pages 368 - 81, XP055527242, DOI: 10.1158/2159-8290.CD-15-1434
MARTY CPECQUET CNIVARTHI H ET AL.: "Calreticulin mutants in mice induce an MPL-dependent thrombocytosis with frequent progression to myelofibrosis", BLOOD, vol. 127, 2016, pages 1317 - 24, XP055527263, DOI: 10.1182/blood-2015-11-679571
VAINCHENKER WKRALOVICS R.: "Genetic basis and molecular pathophysiology of classical myeloproliferative neoplasms", BLOOD, vol. 129, 2017, pages 667 - 79, XP086677972, DOI: 10.1182/blood-2016-10-695940
KOMATSU N. ET AL., BLOOD, vol. 87, 1996, pages 4552 - 4556
SATO, K. ET AL., CANCER RES., vol. 53, 1993, pages 851 - 856
See also references of EP 3932952A4
Attorney, Agent or Firm:
THE PATENT CORPORATE BODY ARUGA PATENT OFFICE (JP)
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Claims:
\¥02020/175689 33 卩(:171?2020/008434 請求の範囲

[請求項 1 ] (a) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリべプチド鎖 、 又は (匕) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリべプチド鎖中に抗 原認識部位を有する、 切断後の変異型〇 !_ 蛋白質に結合する抗体 又はその機能的断片。

[請求項 2] 次の (〇) 、 ( 及び ) から選ばれる、 請求項 1記載の切断 後の変異型〇 !_ 蛋白質に結合する抗体又はその機能的断片。

(〇) 免疫グロブリン

それぞれ配列番号 1 7、 1 8及び 1 9に示されるアミノ酸配列、 又は 配列番号 1 7、 1 8及び 1 9に示されるアミノ酸配列において 1〜数 個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からな るポリペプチド、 かつ、 免疫グロブリン 0 0 R 2 それぞれ配列番号 2 6、 2 7及び 2 8に示されるア ミノ酸配列、 又は配列番号 2 6、 2 7及び 2 8に示されるアミノ酸配 列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体。

(¢0 免疫グロブリン

それぞれ配列番号 2 0、 2 1及び 2 2に示されるアミノ酸配列、 又は 配列番号 2 0、 2 1及び 2 2に示されるアミノ酸配列において 1〜数 個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からな るポリペプチド、 かつ、 免疫グロブリン 0 0 R 2 それぞれ配列番号 2 9、 3 0及び 3 1 に示されるア ミノ酸配列、 又は配列番号 2 9、 3 0及び 3 1 に示されるアミノ酸配 列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体。

(㊀) 免疫グロブリン 及び〇 それぞれ配列番号 2 3、 2 4及び 2 5に示されるアミノ酸配列、 又は \¥02020/175689 34 卩(:171?2020/008434

配列番号 2 3、 2 4及び 2 5に示されるアミノ酸配列において 1〜数 個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からな るポリペプチド、 かつ、 免疫グロブリン C D R 2 それぞれ配列番号 3 2、 3 3及び 3 4に示されるア ミノ酸配列、 又は配列番号 3 2、 3 3及び 3 4に示されるアミノ酸配 列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなるポリペプチドである抗体。

[請求項 3] 次の (〇 、 ( 0 ) 及び (巳) から選ばれる請求項 1又は 2記載の 切断後の変異型〇 !_ 蛋白質に結合する抗体又はその機能的断片。

(〇) 配列番号 5に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 5に示され るアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは 付加されたアミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1~1鎖、 及び配列番 号 8に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 8に示されるアミノ酸配 列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロプリン !_鎖を有する抗体。

( 0 ) 配列番号 6に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 6に示され るアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは 付加されたアミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1~1鎖、 及び配列番 号 9に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 9に示されるアミノ酸配 列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロプリン !_鎖を有する抗体。

( º ) 配列番号 7に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 7に示され るアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは 付加されたアミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1~1鎖、 及び配列番 号 1 0に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 1 0に示されるアミノ 酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加され たアミノ酸配列からなる免疫グロブリン V !_鎖を有する抗体。

[請求項 4] 切断型の変異型〇 !_ 蛋白質中の配列番号 1で表されるアミノ酸配 \¥02020/175689 35 卩(:171?2020/008434

列部分への結合において、 請求項 2又は 3記載の抗体と競合する抗体 又はその機能的断片。

[請求項 5] 請求項 1〜 4のいずれか 1項記載の抗体又はその機能的断片を含有 する医薬組成物。

[請求項 6] 骨髄増殖性腫瘍の診断、 予防又は治療薬である請求項 5記載の医薬 組成物。

[請求項 7] 生体試料中の次の (3) 又は (匕) のポリペプチドを検出すること を特徴とする変異型 0 !_ 蛋白質の検出方法。

(a)配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド

(b)配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリべプチド

[請求項 8] (a) 又は (匕 ) のポリベプチドの検出が、 請求項 1〜 4のいずれ か 1項に記載の抗体又はその機能的断片を用いる免疫学的検出である 請求項 7記載の変異型 0 !_ 蛋白質の検出方法。

[請求項 9] 次の (3) 又は (匕) のポリペプチドを認識する薬物をスクリーニ ングすることを特徴とする骨髄増殖性腫瘍治療薬のスクリーニング方 法。

(a) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド

(b) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリべプチド

[請求項 10] 生体試料中の次の (3) 又は (匕) のポリペプチドを検出すること を特徴とする骨髄増殖性腫瘍の診断方法。

(a) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチド

(b) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポリべプチド

[請求項 11 ] ( 3 ) 又は (匕 ) のポリベプチドの検出が、 請求項 1〜 4のいずれ か 1項記載の抗体又はその機能的断片を用いる免疫学的検出である請 求項 1 〇記載の診断方法。 \¥02020/175689 36 卩(:171?2020/008434

[請求項 12] 請求項 1〜 4のいずれか 1項記載の抗体又はその機能的断片を投与 することを特徴とする骨髄増殖性腫瘍の予防又は治療方法。

[請求項 13] 骨髄増殖性腫瘍の診断に用いるための、 請求項 1〜 4のいずれか 1 項記載の抗体又はその機能的断片。

[請求項 14] 請求項 1〜 4のいずれか 1項記載の抗体又はその機能的断片の、 骨 髄増殖性腫瘍診断薬製造のための使用。

Description:
\¥0 2020/175689 1 卩(:17 2020 /008434 明 細 書

発明の名称 :

切断型の変異型〇 3 丨 「 6 1 丨 (: II 丨 丨 11に結合する抗体、 及び骨髄増殖 性腫瘍の診断、 予防又は治療薬

技術分野

[0001 ] 本発明は、 骨髄増殖性腫瘍の診断、 予防及び治療薬に関する。

背景技術

[0002] フィラデルフィア染色体陰性骨髄増殖性腫瘍 ( 11 丨 丨 3〇1 6 1 11 丨 3 、 _

8) 遺伝子の第 9エクソンに、 塩基欠失や挿入が見出される (非特許文献 1 、 2) 。 変異遺伝子から産生される変異型 白質は、 トロ ンボポエチン受容体を恒常的に活性化するこ とで、 単独で骨髄増殖性腫瘍 (

IV! 1\!) を引き起こす腫瘍原性を有していることがす でに明らかにされてい る (非特許文献 3〜 6) 。

[0003] IV! 1\1患者で見出される 0八 !_ [¾遺伝子変異は、 必ず最終エクソンの限局 された場所におけるフレームシフト変異であ り、 フレームシフト変異による アミノ酸の読み枠のずれは、 必ず + 1である。 これらのことから、 変異型〇 八 !_ 蛋白質のカルボキシル末端には、 野生型に存在しない配列が存在し、 特にそのカルボキシル末端の 4 4アミノ酸は、 ほぼすベての変異型 0 蛋白質に共通している。 その例として、 1\/1 ? 1\1患者で見出される〇八!_ [¾遺 伝子変異の中で最も頻度の高い、 5 2塩基欠失型 I 5 2) 、 その次 に頻度が高い、 5塩基揷入型 ( I n s 5) のカルボキシル末端の配列を、 野生型 0八 !_ 蛋白質の当該領域と比較したものを図 1 に示した。

IV! 1\1を引き起こす原因である変異型 0 !_ 蛋白質は、 腫瘍細胞に発現 していることから、 フレームシフト変異により生じた変異型〇八 !_ 蛋白質 に特異的な配列は、 ネオ抗原として、 診断時のマーカーや、 治療標的となる 可能性が示唆されていた (特許文献 1〜 2) 。

先行技術文献

特許文献

[0004] 特許文献 1 :特表 201 6-53701 2号公報

特許文献 2 :国際公開第 201 6/0875 1 4号

非特許文献

[0005] 非特許文献 1 : KLampfL T, Giss Linger H, Harutyunyan AS, et al. Somatic mutations of calreticulin in mye Lopro L i ferat i ve neoplasms. The New En g Land journal of medicine. 2013; 369: 2379-90.

非特許文献 2 : Nangalia J, Massie CE, Baxter EJ, et al. Somatic CALR mu tat i ons in mye Lopro L i ferat i ve neoplasms with nonmutated JAK2. The New Eng Land journal of medicine. 2013; 369: 2391-405.

非特許文献 3 : Araki M, Yang Y, Masubuchi N, et al. Act i vat ion of the t hrombopo i et i n receptor by mutant calreticulin in CALR-mutant mye Lopro L i ferat i ve neoplasms. B Lood. 2016; 127 : 1307-16.

非特許文献 4 : ELf S, Abdelfattah NS, Chen E, et al. Mutant Calreticuli n Requires Both Its Mutant C-termi nus and the Thrombopo i et i n Receptor for Oncogenic Transformat ion. Cancer Discov. 2016; 6: 368-81.

非特許文献 5 : Marty C, Pecquet C, Nivarthi H, et al. Calreticulin muta nts in mice induce an MPL-dependent thrombocytosis with frequent prog ression to myelofibrosis. Blood. 2016; 127 : 1317-24.

非特許文献 6 : Vainchenker W, Kralovics R. Genetic basis and molecular pathophysiology of classical myeloproliferative neoplasms. B Lood. 201 7; 129: 667-79.

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0006] しかし、 前記のフレームシフ ト変異により出現する変異型 0 蛋白質 \¥02020/175689 3 卩(:171?2020/008434

に特異的な配列 (ネオ抗原) を認識する抗体では、 細胞抽出液や細胞表面に おける変異型〇八 1_ 蛋白質を正確に検出できないことが判明した 。

従って、 本発明の課題は、 1\/1 ? 1\1の変異型〇 1_[¾遺伝子及び蛋白質を正 確に検出することができる検出手段、 の診断、 予防又は治療薬、 及び |\/| 1\1治療薬のスクリーニング方法を提供するこ とにある。

課題を解決するための手段

[0007] 本発明者は、 変異型 0 蛋白質の機能解析をさらに重ねた結果、 発現 させた変異型 0 蛋白質の多くが、 変異型蛋白質に特異的な配列 (図 1 ) の中で切断され、 ネオ抗原と考えられていた配列の大部分が失 われた変異 型〇八 蛋白質が多く発現していることを発見した。 そこで、 ネオ抗原中 の、 切断部位よりアミノ末端側に位置する極めて 短いアミノ酸配列を特異的 に認識する抗体を作成したところ、 培養細胞のみならず、 患者末梢血細胞、 患者血小板においても、 切断された変異型 0 !_ 蛋白質の発現が確認され た。 さらに、 この抗体を用いると、 細胞表面における変異型 0 蛋白質 の検出感度が飛躍的に向上すること、 さらには優れた IV! 1\1治療効果が得ら れることが明らかになった。 これらのことから、 〇八!_[¾遺伝子変異を有す る IV! 1\1患者の診断や治療においては、 全長型 (未切断型) だけでなく、 切 断型を含む変異型 0八 !_ 蛋白質をも検出あるいは標的とすることで、 より 高性能の医薬品が開発できることが明らかに なった。 また、 変異型〇八!_[¾ 蛋白質の切断を阻害することで、 切断で失われる配列を標的とする医薬品の 効果を増強させることが可能であることが強 く示唆され、 本発明を完成した

[0008] すなわち、 本発明は、 次の [1] 〜 [1 4] を提供するものである。

[0009] [1] (3) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ ド鎖、 又は (匕) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換若し くは付加されたアミノ酸配列からなるポリべ プチド鎖中に抗原認識部位を有 する、 切断後の変異型〇 !_ 蛋白質に結合する抗体又はその機能的断片。

[2] 次の (〇) 、 (〇!) 及び ) から選ばれる、 [1] 記載の切断後の \¥02020/175689 4 卩(:171?2020/008434

変異型 0 1_ 蛋白質に結合する抗体又はその機能的断片。

(〇) 免疫グロブリン 〇〇[¾ 2及び〇〇[¾ 3が、 それぞ れ配列番号 1 7、 1 8及び 1 9に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 1 7 、 1 8及び 1 9に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失 、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リペプチド、 かつ、 免 疫グロブリン それぞれ配列番 号 2 6、 2 7及び 2 8に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 6、 2 7及 び 2 8に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リべプチドである抗体。

(¢0 免疫グロブリン 〇〇[¾ 2及び〇〇[¾ 3が、 それぞ れ配列番号 2 0、 2 1及び 2 2に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 0 、 2 1及び 2 2に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失 、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リペプチド、 かつ、 免 疫グロブリン それぞれ配列番 号 2 9、 3 0及び 3 1 に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 9、 3 0及 び 3 1 に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リべプチドである抗体。

(㊀) 免疫グロブリン 〇〇[¾ 2及び〇〇[¾ 3が、 それぞ れ配列番号 2 3、 2 4及び 2 5に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 3 、 2 4及び 2 5に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失 、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リペプチド、 かつ、 免 疫グロブリン それぞれ配列番 号 3 2、 3 3及び 3 4に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 3 2、 3 3及 び 3 4に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リべプチドである抗体。

[3] 次の (〇 、 (0) 及び (巳) から選ばれる [1] 又は [2] 記載の 切断後の変異型〇 !_ 蛋白質に結合する抗体又はその機能的断片。

(〇) 配列番号 5に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 5に示されるアミ \¥02020/175689 5 卩(:171?2020/008434

ノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1 ~ 1鎖、 及び配列番号 8に示されるアミ ノ酸配列、 又は配列番号 8に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミ ノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなる免 疫グロプリ ン !_鎖を有する抗体。

( 0 ) 配列番号 6に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 6に示されるアミ ノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1 ~ 1鎖、 及び配列番号 9に示されるアミ ノ酸配列、 又は配列番号 9に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミ ノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなる免 疫グロプリ ン !_鎖を有する抗体。

( º ) 配列番号 7に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 7に示されるアミ ノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロブリン▽! !鎖、 及び配列番号 1 0に示されるア ミノ酸配列、 又は配列番号 1 0に示されるアミノ酸配列において 1〜数個の アミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなる免 疫グロ ブリン V !_鎖を有する抗体。

[4] 切断型の変異型〇 !_ 蛋白質中の配列番号 1で表されるアミノ酸配 列部分への結合において、 [2] 又は [3] の抗体と競合する抗体又はその 機能的断片。

[5] [1] 〜 [4] のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片 を含有す る医薬組成物。

[6] 骨髄増殖性腫瘍の診断、 予防又は治療薬である [5] 記載の医薬組成 物。

[7] 生体試料中の次の ( 3 ) 又は (匕) のポリペプチドを検出することを 特徴とする骨髄増殖性腫瘍に関連する変異型 0 !_ 蛋白質の検出方法。

( a ) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ ド

( b ) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換若しく \¥02020/175689 6 卩(:171?2020/008434

は付加されたアミノ酸配列からなるポリべ プチド

[8] (3) 又は (13) のポリペプチドの検出が、 [1] 〜 [4] のいずれ かに記載の抗体又はその機能的断片を用いる 免疫学的検出である [7] 記載 の変異型〇 !_ 蛋白質の検出方法。

[9] 次の (3) 又は (13) のポリペプチドに結合する薬物をスクリーニ ン グすることを特徴とする骨髄増殖性腫瘍治療 薬のスクリーニング方法。

(a) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ ド

(b) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換若しく は付加されたアミノ酸配列からなるポリべプ チド

[1 0] 生体試料中の次の (3) 又は (13) のポリペプチドを検出すること を特徴とする骨髄増殖性腫瘍の診断方法。

(a) 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなるポリペプ ド

(b) 配列番号 1 において 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換若しく は付加されたアミノ酸配列からなるポリべプ チド

[1 1] (3) 又は (13) のポリペプチドの検出が、 [1] 〜 [4] のいず れかに記載の抗体又はその機能的断片を用い る免疫学的検出である [1 0] 記載の診断方法。

[1 2] [1] 〜 [4] のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片 を投与 することを特徴とする骨髄増殖性腫瘍の予防 又は治療方法。

[1 3] 骨髄増殖性腫瘍の診断に用いるための、 [1] 〜 [4] のいずれか に記載の抗体又はその機能的断片。

[1 4] [1] 〜 [4] のいずれかに記載の抗体又はその機能的断片 の、 骨 髄増殖性腫瘍診断薬製造のための使用。

発明の効果

[0010] 前記 (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中に抗原認識部位 (エピトープ) を有する抗体を用いれば、 変異型 0 !_ 蛋白質の切断によって生じた変異 型〇八 !_ 蛋白質を検出でき、 細胞表面における変異型 0八 !_ 蛋白質の検 出感度が飛躍的に向上する。 従って、 本発明の IV! 1\1診断薬を用いれば、 IV! P Nの検出感度が飛躍的に向上する。 また、 この抗体を用いれば、 MP Nが 特異的に予防又は治療できる。 また、 ( a ) 及び (b) のポリペプチドに結 合する薬物をスクリーニングすれば、 MP N治療薬をスクリーニングできる 図面の簡単な説明

[0011] [図 1]変異型 C A L R蛋白質の特徴を示す図である。 骨髄増殖性腫瘍患者の発 症原因である C A L R遺伝子変異は、 + 1 フレームシフト変異であり、 その 結果できる変異型 C A L R蛋白質のカルボキシル末端には、 変異型蛋白質に 共通したアミノ酸配列が見出される。 S P :シグナル配列、 N : N ドメイン 、 P : P ドメイン。 矢印は、 野生型 (WT) と異なるアミノ酸配列が始まる 部分を示している。

[図 2]C A L R蛋白質のアミノ末端側と変異型 C A L R蛋白質のカルボキシル 末端側の配列を認識する抗体を示す図である 。 CAL R蛋白質のアミノ末端 側の配列を認識する抗体は、 変異型 C A L R蛋白質の変異箇所よりアミノ末 端側のアミノ酸配列を認識する市販の抗体 (抗 CAL R抗体) である。 また 、 変異型 C A L R蛋白質のカルボキシル末端の配列を認識す 抗体は、 C A L R蛋白質のカルボキシル末端側に塩基配列の 異により新たに形成された アミノ酸配列を認識する市販の抗体 (抗変異型 C A L R抗体) である。

[図 3]U T- 7/T P〇細胞 (Kom a t s u N. e t a I . , B I 〇〇 d, 1 996, 87, 4552-4556) から分泌された蛋白質を、 図 2 の抗体を用いてイムノブロッ ト解析した結果を示す図である。 v e cは、 発 現べクターのみを導入した細胞であることか ら、 U T- 7/T P〇細胞 /C AL R (WT) と同様に内在性の C A L R蛋白質が検出される。 D e l 5 2型と I n s 5型では、 抗変異型 C A L R抗体により検出される全長型の 変異型 C A L R蛋白質よりも分子量の小さな変異型 C A L R蛋白質が、 抗 C A L R抗体でのみ検出される (図中のアスタリスク) 。 なお、 I n s 5型 では、 全長型の変異型 C A L R蛋白質は、 内在性の野生型 C A L R蛋白質と ほぼ同じ位置に泳動されるため、 抗 CAL R抗体で、 特異的に検出すること \¥02020/175689 8 卩(:171?2020/008434

ができない。

[図 4]変異型 0八 1_ 蛋白質の代表的な 0 6 丨 5 2型と 丨 n s 5型のアミ ノ (1\1) 末端とカルボキシル (〇 末端に 1_八〇タグ ( 1_八〇_ I 3 9 ) を融合した蛋白質の模式図を示す。 変異型特異的配列を黒色で、 1_八〇 タグを斜線で図示した。

[図 5]抗 1_ 〇抗体を用いたフローサイ トメ トリー解析により、 細胞表面上 における変異型〇八 1_ 蛋白質の量を測定した結果を示す図である。 切断の 有無によらず、 タグの残存する 1\1末端に 1_ 〇タグを配した変異型〇八1_

8蛋白質を発現する細胞では、 変異型 0 1_ 蛋白質特異的配列内で生じる 切断により <3末端 1_ ◦が切り落とされる細胞に比べて、 強いシグナルが 検出された。 なお、 口 6 丨 5 2型の発現量が丨 n 3 5型よりも低いこと による差が見られる。

[図 6]変異型 蛋白質特異的配列 (黒色) 内で生じる蛋白質の切断部位 よりもアミノ末端側にある、 変異型特異的配列を認識する抗体を示す。

[図 7]図 6の抗体を用いて、 図 3で用いた細胞をフローサイ トメ トリー解析し た結果を示す。 1_ 〇タグの付加した位置による、 認識力の違いが消失し た。 なお、 口 6 丨 5 2型の発現量が丨 n 3 5型よりも低いことによる差 が見られる。

[図 8]骨髄増殖性腫瘍患者細胞における切断型 0 1_ 蛋白質の検出を示す図 である。 変異型〇 1_ 蛋白質特異的配列内で生じる蛋白質の切断部 位より もアミノ末端側にあるアミノ酸配列を認識す る抗体を用いて、 患者細胞より 調製した細胞抽出液をイムノブロッ ト法で解析した。 遺伝子変異を 有する骨髄増殖性腫瘍患者の末梢血単核球細 胞や血小板において、 当該抗体 で認識できる切断型の変異型 0 1_ 蛋白質の発現が検出された。

[図 9]クローン巳 3、 0 6 , ◦ 1抗体いずれも全長型と切断型の変異型 0八 1_ 蛋白質を認識することを示す図である。 リ丁_ 7 /丁 〇細胞から分泌さ れた蛋白質を、 クローン巳 3抗体と、 クローン〇6、 〇 1抗体を用いてイム ノブロッ ト解析した結果を示す図である。 アミノ末端のシグナル配列の下流 \¥02020/175689 9 卩(:171?2020/008434

に 1_八〇タグを付加した 0 6 I 5 2型と l n s 5型の全長型と、 より 低分子量の切断型の両方が、 抗 1_ 〇抗体と同様に、 巳 3、 0 6 , ずれの抗体を用いても検出される。

[図 10]クローン巳 3、 0 6 , ◦ 1抗体いずれも細胞表面の変異型 0 !_[¾蛋 白質を認識することを示す図である。 !_八◦タグを付加した 0 6 I 5 2 型あるいは丨 门 3 5型の変異型 0八 1_ 蛋白質を発現する11丁_ 7 /丁

〇細胞、 発現べクターのみを導入した 11丁_ 7 /丁 〇/ 6 〇細胞に対し て、 クローン巳 3抗体と、 クローン〇6、 ◦ 1抗体を用いたフローサイ トメ トリー解析を行い、 細胞表面上における変異型〇 !_ 蛋白質の量を測定し た結果を示す図である。 なお、 丨 5 2型は、 丨 n s 5型よりも、 発 現量が低いために、 変異の型によるシグナル強度の差が見られる 。

[図 1 1]クローン巳 3、 〇6、 蛋白質に対する結合 能の評価結果を示す図である。 クローン巳 3抗体と、 クローン0 6、 体、 コントロールのラッ ト I ◦を用いて、 0 6 I 5 2型の変異型〇八 !_

8蛋白質に対する結合特異性を巳 !_ 丨 3 法により評価した。 クローン巳 3 、 〇6、 〇 1抗体、 いずれも濃度依存的な変異型 0 蛋白質との特異的 な結合が検出された。

[図 12]クローン巳 3抗体と抗体の作成に用いた抗原に対する結 強度を、 表 面プラズモン共鳴解析法により評価した結果 を示す図である。 クローン巳 3 抗体と抗体の作成に用いた抗原に対する結合 強度を、 表面プラズモン共鳴解 析法により評価した。

[図 13八]イムノブロッ ト法による、 クローン巳 3、 〇6、 ◦ 1抗体の抗原認識 配列の同定結果を示す図である。 〇 ø I 5 2型の変異型〇八 蛋白質に おいて、 図中に記したアミノ酸をアラニン (八) に置換した蛋白質を発現し 、 それぞれの抗体の反応性をイムノブロッ ト法を用いて評価した。 丨 3 〇 1は、 アミノ酸置換をしていない口 6 丨 5 2型の変異型〇八 1_ 蛋白質 を示している。 黒太線で囲まれたアミノ酸は、 抗体の作成に使用した抗原配 列を示している。 \¥02020/175689 10 卩(:171?2020/008434

[図 138]巳 1_ 丨 3八法による、 クローン巳3、 〇6、 〇 1抗体の抗原認識配列 の同定結果を示す図である。 図 1 3八と同じ蛋白質に対するそれぞれの抗体 の反応性を、 巳 !_ 丨 3八法を用いて評価した。 丨 n I 3〇 Iは、 アミノ酸置 換をしていない 丨 5 2型の変異型 0八 !_[¾蛋白質を示している。 黒太 線で囲まれたアミノ酸は、 抗体の作成に使用した抗原配列を示している 。

[図 14]本発明抗体 (巳 3、 0 6 , 0 1) の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示 す図である。

[図 15]本発明抗体 (巳 3、 0 6 , 0 1) の軽鎖可変領域のアミノ酸配列を示 す図である。

[図 16]本発明抗体 (巳 3、 0 6 , 0 1) の重鎖可変領域の塩基配列を示す図 である。

[図 17]本発明抗体 (巳 3、 0 6 , 0 1) の軽鎖可変領域の塩基配列を示す図 である。

[図 18]巳 3マウスキメラ抗体による IV! 1\1モデルマウスに対する治療効果を 示す図である。 〇 ø I 5 2型の変異型 0 蛋白質を発現させた造血幹 細胞を移植して作出した骨髄増殖性腫瘍モデ ルマウス 0 6 I 5 2マウス) 、 あるいはコントロールべクターを導入した造 血幹細胞を移植 して作成したコントロールマウスに、 移植後 9週目から、 毎週、 巳 3キメラ 抗体あるいは、 溶媒 ( 巳3) を投与し、 骨髄増殖性腫瘍モデルマウスに特 徴的な血小板増多の抑制効果を評価した。

発明を実施するための形態

[0012] 本発明の |\/| に関連する変異型 0 !_ 蛋白質の検出及び診断方法並び に IV! 1\1の予防又は治療の標的として用いられる前 記 (3) 又は (匕) のポ リペプチドは、 変異型〇八 蛋白質に特異的な配列 (図 1中の変異型〇八 !_ 蛋白質に共通する 4 4アミノ酸) 中で切断されて残存するカルボキシル 末端側のポリペプチドである。

野生型 蛋白質は、 図 1 に示すアミノ酸配列 (配列番号 2) を有す る。 また、 遺伝子変異の中で最も頻度の高い 5 2塩基欠失型 \¥02020/175689 11 卩(:171?2020/008434

I 5 2) は、 図 1 に示すアミノ酸配列 (配列番号 3) を有する。 また、 〇 八!_ [¾遺伝子変異の中で、 次に頻度の高い 5塩基揷入型 ( I n s 5) は、 図 1 に示すアミノ酸配列 (配列番号 4) を有する。 また、 図 1中の枠で囲ん だ領域は、 変異型 0 蛋白質に共通するアミノ酸配列である。 切断型の 変異型〇八!_ [¾蛋白質は、 この共通領域のアミノ末端側のわずか 1 3アミノ 酸のみを含む。 この共通領域が切断され切断型の変異型〇 !_ 蛋白質が生 じること、 共通領域の大部分が変異型〇 !_ 蛋白質から失われることは、 本発明者が初めて見出したことである。

[0013] ポリペプチド (3) は、 配列番号 1で表されるアミノ酸配列からなる。 ポ リペプチド (匕) における、 1若しくは数個のアミノ酸が欠失、 置換若しく は付加されたアミノ酸配列としては、 配列番号 1 において 1〜 4個のアミノ 酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列が好ま しく、 1〜 3個のア ミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列がより 好ましい。 より 具体的には、 配列番号 1のカルボキシ末端側から 3アミノ酸が欠失したアミ ノ酸配列がより好ましい。 また、 ポリペプチド (匕) のアミノ酸配列と配列 番号 1のアミノ酸配列の同一性は、 8 0 %以上が好ましく、 8 5 %以上がよ り好ましく、 9 0 %以上がさらに好ましい。

[0014] 本発明の |\/| に関連する変異型 0 !_ 蛋白質の検出方法及び IV! 1\1診 断、 予防、 治療方法においては、 生体試料中の前記 (3) 又は (匕) のポリ ペプチドに結合する抗体又はその機能的断片 が用いられる。

[0015] 前記抗体としては、 (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中に抗原認識部位 (エピトープ) を有する抗体であればよいが、 切断型の変異型 0 蛋白 質にのみ結合するものであっても、 切断型の変異型 0 !_ 蛋白質と全長型 の変異型〇 !_ 蛋白質の両方に結合するものであってもよく 、 切断型の変 異型 0 !_ 蛋白質と全長型の変異型 0 !_ 蛋白質の両方に結合する 「変 異型 蛋白質」 に特異的な抗体であることが好ましい。 具体例として は、 次の (〇 、 (¢0 及び ) から選ばれる抗体が挙げられる。

(〇) 免疫グロブリン 〇〇 [¾ 2及び〇〇 [¾ 3が、 それぞ \¥0 2020/175689 12 卩(:171? 2020 /008434

れ配列番号 1 7、 1 8及び 1 9に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 1 7 、 1 8及び 1 9に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失 、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リペプチド、 かつ、 免 疫グロブ それぞれ配列番 号 2 6、 2 7及び 2 8に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 6、 2 7及 び 2 8に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リべプチドである抗体。

(¢0 免疫グロブ 〇〇[¾ 2及び〇〇[¾ 3が、 それぞ れ配列番号 2 0、 2 1及び 2 2に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 0 、 2 1及び 2 2に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失 、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リペプチド、 かつ、 免 疫グロブ それぞれ配列番 号 2 9、 3 0及び 3 1 に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 9、 3 0及 び 3 1 に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リべプチドである抗体。

(㊀) 免疫グロブリン 〇〇[¾ 2及び〇〇[¾ 3が、 それぞ れ配列番号 2 3、 2 4及び 2 5に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 2 3 、 2 4及び 2 5に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失 、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リペプチド、 かつ、 免 疫グロブ それぞれ配列番 号 3 2、 3 3及び 3 4に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 3 2、 3 3及 び 3 4に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなるポ リべプチドである抗体。

[0016] 前記配列番号 1 7〜 3 4に示されるアミノ酸配列における、 1〜数個のア ミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列として は、 配列番号 1 7〜 3 4において 1〜 4個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミ ノ酸配列が好ましく、 1〜 3個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加された アミノ酸配列がより好ましく、 1〜 2個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付 \¥02020/175689 13 卩(:171?2020/008434

加されたアミノ酸配列がさらに好ましい。 また、 配列番号 1 7〜 3 4に示さ れるアミノ酸配列と、 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加された アミノ酸配列の同一性は、 8 0 %以上が好ましく、 8 5 %以上がより好まし く、 9 0 %以上がさらに好ましい。

[0017] 前記の (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中に抗原認識部位 (エピトープ ) を有する抗体としては、 さらに次の (〇 、 (0) 及び (巳) から選ばれ る抗体であるのが好ましい。

(〇) 配列番号 5に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 5に示されるアミ ノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1 ~ 1鎖、 及び配列番号 8に示されるアミ ノ酸配列、 又は配列番号 8に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミ ノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなる免 疫グロプリ ン !_鎖を有する抗体。

(0) 配列番号 6に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 6に示されるアミ ノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロブリン V 1 ~ 1鎖、 及び配列番号 9に示されるアミ ノ酸配列、 又は配列番号 9に示されるアミノ酸配列において 1〜数個のアミ ノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなる免 疫グロプリ ン !_鎖を有する抗体。

(º) 配列番号 7に示されるアミノ酸配列、 又は配列番号 7に示されるアミ ノ酸配列において 1〜数個のアミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたア ミノ酸配列からなる免疫グロブリン▽! !鎖、 及び配列番号 1 0に示されるア ミノ酸配列、 又は配列番号 1 0に示されるアミノ酸配列において 1〜数個の アミノ酸が欠失、 置換、 若しくは付加されたアミノ酸配列からなる免 疫グロ ブリン V !_鎖を有する抗体。

[0018] 前記配列番号 5〜 1 0に示されるアミノ酸配列における、 1〜数個のアミ ノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列として は、 配列番号 5〜 1 0において 1〜 1 0個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたアミノ 酸配列が好ましく、 1〜 8個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加されたア ミノ酸配列がより好ましく、 1〜 5個のアミノ酸が欠失、 置換若しくは付加 されたアミノ酸配列がさらに好ましい。 また、 配列番号 5〜 1 0に示される アミノ酸配列と、 配列番号 5〜 1 0に示されるアミノ酸配列の 1〜数個が欠 失、 置換若しくは付加されたアミノ酸配列の同一 性は、 80 %以上が好まし く、 85 %以上がより好ましく、 90 %以上がさらに好ましい。

[0019] 本発明の抗体は、 前記 (c) 〜 (e) の各 CD Rの配列、 又は (C) 〜 (

E) の免疫グロプリン V H領域及び V L領域の配列を有するものであって、 これらの領域以外の領域のアミノ酸配列は特 に制限されない。 従って、 本発 明の抗体は、 ヒト抗体のようなラッ ト以外の哺乳動物抗体でもよく、 ヒト化 抗体でもよい。 より具体的には、 ヒト以外の哺乳動物、 例えば、 ラッ ト抗体 の重鎖、 軽鎖の可変領域とヒト抗体の重鎖、 軽鎖の定常領域からなるキメラ 抗体であっても良く、 この様な抗体はラッ ト抗体の可変領域をコードする D NAをヒト抗体の定常領域をコードする DNAと連結し、 これを発現べクタ —に組み込んで宿主に導入し産生させること により得ることができる。 ヒト 化抗体は、 再構成 ( r e s h a p e d) ヒト抗体とも称され、 ヒト以外の晡 乳動物、 たとえばラッ ト抗体の C D Rをヒト抗体の C D Rへ移植したもので あり、 その一般的な遺伝子組換え手法も知られてい る。 具体例として、 ラッ 卜抗体の C D Rとヒト抗体のフレームワーク領域 (f r amewo r k r e g i o n ; F R) を連結するように設計した D N A配列を、 末端部に才一 パーラップする部分を有するように作製した 数個のオリゴヌクレオチドから PCR法により合成する。 得られた DNAをヒト抗体定常領域をコードする DN Aと連結し、 次いで発現べクターに組み込んで、 これを宿主に導入し産 生させることにより得られる (欧州特許出願公開番号 E P 239400、 国 際特許出願公開番号 WO 96/02576参照) 。 CD Rを介して連結され るヒト抗体の F Rは、 CD Rが良好な抗原結合部位を形成するものが選 さ れる。 必要に応じ、 再構成ヒト抗体の CD Rが適切な抗原結合部位を形成す るように抗体の可変領域の F Rのアミノ酸を置換してもよい (S a t o, K e t a I . , C a n c e r R e s, 1 993, 53, 85 1 — 856

[0020] また、 ヒト抗体の取得方法も知られている。 例えば、 ヒトリンパ球を i n

V I I 「〇で所望の抗原又は所望の抗原を発現する 細胞で感作し、 感作リ ンパ球をヒトミエローマ細胞、 例えば II 266と融合させ、 抗原への結合活 性を有する所望のヒト抗体を得ることもでき る (特公平 1 —59878参照 ) 。 また、 ヒト抗体遺伝子の全てのレパートリーを有す るトランスジェニッ ク動物を所望の抗原で免疫することで所望の ヒト抗体を取得することができ る ( 093/1 2227, 092/039 1 8, 094/02602 , \^/〇94/25585, \^/〇96/34096, \^/〇96/33735参 照) 。 さらに、 ヒト抗体ライブラリーを用いて、 パンニングによりヒト抗体 を取得する技術も知られている。 例えば、 ヒト抗体の可変領域を _ 本鎖抗体 ( 3〇 V) としてファージデイスプレイ法によりファー ジの表面に発現さ せ、 抗原に結合するファージを選択することがで きる。 選択されたファージ の遺伝子を解析すれば、 抗原に結合するヒト抗体の可変領域をコード する口 八配列を決定することができる。 抗原に結合する 3〇 Vの〇 八配列が 明らかになれば、 当該配列を適当な発現べクターを作製し、 ヒト抗体を取得 することができる。 これらの方法は既に周知であり、 \^/〇92/01 047 , 092/2079 1 , 093/062 1 3, 093/1 1 236, \^/〇93/1 9 1 72, 〇 95/01 438, 〇 95/1 5388を参 考にすることができる。

[0021] 抗体のクラスは特に限定されず、 丨 9 〇、 I 9 1\/1、 丨 9 八、 丨 9 0あるい は I 9巳等のいずれのアイソタイプを有する抗体 も包含する。 精製の容易 性等を考慮すると好ましくは I 9◦である。

[0022] 機能的断片としては、 抗体断片 (フラグメント) 等の低分子化抗体や抗体 の修飾物が挙げられる。 抗体断片の具体例としては、 例えば、 3匕、 3 匕, 、 (3匕, ) 2、 、 3。 、 ソなどを挙げること ができる。 \¥02020/175689 16 卩(:171?2020/008434

[0023] また、 本発明の抗体のうち、 前記 (3) 又は (匕) のポリペプチドの検出 に用いる抗体はこれらのポリペプチドに結合 すればよい。 一方、 の予 防又は治療に用いる抗体は、 前記 ( 3) 又は (匕) のポリべプチドに結合し 、 細胞傷害活性を有する抗体が好ましい。

[0024] 切断型の変異型 0 1_ 蛋白質に結合する抗体としては、 配列番号 1で表 される配列を有するポリべプチド鎖に結合す る抗体であればよいが、 切断型 の変異型〇 !_ 蛋白質中の配列番号 1で表されるアミノ酸配列部分への結 合において、 少なくとも前記抗体又はその機能的断片のい ずれか一つと競合 する抗体であることが好ましい。

[0025] ここで、 前記検出に用いられる生体試料としては、 例えば被験者から採取 された生体試料であって、 (3) 又は (匕) のポリペプチドが含まれる試料 が挙げられる。 具体的には、 全血、 血槳、 血清、 リンパ球、 リンパ液、 血小 板、 単核球、 顆粒球、 唾液や尿などの体液、 骨髄生検により得られる組織標 本 (骨髄液、 骨髄組織) などが挙げられる。

[0026] (a) 又は (匕) のポリペプチドの検出手段としては、 液体クロマトグラ フィー質量分析法、 免疫学的法、 特異的結合能を有する低/中分子や核酸あ るいは核酸誘導体を用いた方法等が挙げられ るが、 簡便かつ測定感度が高い 免疫学的方法が好ましい。

[0027] 免疫学的方法としては、 (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中に抗原認識 部位 (エピトープ) を有する抗体又はその機能的断片を用いる免 疫学的方法 が好ましい。 (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中のエピトープとしては、 (a) 又は (匕) のポリペプチド鎖中に存在する配列であれば よく、 (3) 又は (13) のポリペプチド鎖中の連続する 3アミノ酸以上のアミノ酸を有す るペプチドが好ましく、 (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中の連続する 5 アミノ酸以上のアミノ酸を有するぺプチドが より好ましい。

[0028] 免疫学的方法に用いる抗体は、 例えば (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖 中の連続する 3アミノ酸以上のアミノ酸を有するぺプチド 抗原として用い て得られる抗体であればよく、 ポリクローナル抗体であっても、 モノクロー \¥02020/175689 17 卩(:171?2020/008434

ナル抗体であってもよいが、 モノクローナル抗体が好ましい。 ここでモノク 口ーナル抗体は、 例えば (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中の連続する 3 アミノ酸以上のアミノ酸を有するペプチドを 感作することにより得られた抗 体産生細胞と骨髄腫細胞とを細胞融合させて ハイプリ ドーマを作成し、 目的 とする抗体を産生するクローンを選択し、 この細胞を増殖させて製造するこ とができる。

[0029] 免疫学的方法としては、 イムノクロマト法、 酵素標識免疫学的測定法 (巳

I 八) 、 ラジオイムノアッセイ ([¾ 丨 八) 、 凝集法、 比濁法、 フローサイ ト メ トリー法、 組織免疫染色法、 ウェスタンプロッ ト等のイムノブロッ ト法等 のいずれも用いることができる。 ここでイムノブロッ ト法は、 ポリペプチド をメンプレンに転写し、 メンブレン上のポリべプチドを抗体で検出す る方法 である。 抗体の検出には、 酵素標識、 蛍光標識等が用いられる。

[0030] 生体試料中に (3) 又は (匕) のポリペプチドが検出されれば、 当該生体 試料は骨髄増殖性腫瘍患者由来の生体試料で あると判定することができる。

[0031 ] 本発明の 診断薬は、 前記 (3) 又は (匕) のポリペプチド鎖中に抗 原認識部 (エピトープ) を有する抗体を含有する。 この抗体は、 前述の抗体 であるのが好ましい。

また、 本発明の IV! 診断薬には、 前記抗体の他、 緩衝液、 測定実施プロ トコール等が含まれていてもよい。

[0032] 本発明の IV! 1\1予防又は治療薬等の医薬組成物は、 前記の抗体を含有すれ ばよいが、 薬学的に許容しうる担体とともに、 混合、 溶解、 乳化、 カプセル 封入、 凍結乾燥等により、 製剤化して製造することができる。

[0033] 本発明の医薬組成物の予防又は治療対象とな る IV! 1\1は、 変異型 が検出される IV! 1\1であるのが好ましい。

[0034] 経口投与用の好適な製剤は、 本発明抗体を、 水、 生理食塩水のような希釈 剤に有効量溶解させた液剤、 有効量を固体や顆粒として含んでいるカプセ ル 剤、 顆粒剤、 散剤又は錠剤、 適当な分散媒中に有効量を懸濁させた懸濁液 剤 、 有効量を溶解させた溶液を適当な分散媒中に 分散させ乳化させた乳剤等で \¥02020/175689 18 卩(:171?2020/008434

ある。

[0035] 非経口投与用には、 本発明抗体を、 薬学的に許容しうる溶媒、 賦形剤、 結 合剤、 安定化剤、 分散剤等とともに、 注射用溶液、 懸濁液、 乳剤、 クリーム 剤、 軟膏剤、 吸入剤、 坐剤等の剤形に製剤化することができる。 注射用の処 方においては、 本発明の抗体を水性溶液、 好ましくはハンクス溶液、 リンゲ ル溶液、 又は生理的食塩緩衝液等の生理学的に適合性 の緩衝液中に溶解する ことができる。 さらに、 本発明の医薬は、 油性又は水性のべヒクル中で、 懸 濁液、 溶液、 又は乳濁液等の形状をとることができる。 あるいは、 本発明抗 体を粉体の形態で製造し、 使用前に滅菌水等を用いて水溶液又は懸濁液 を調 製してもよい。 吸入による投与用には、 本発明抗体を粉末化し、 ラクトース 又はデンプン等の適当な基剤とともに粉末混 合物とすることができる。 坐剤 処方は、 本発明抗体をカカオバター等の慣用の坐剤基 剤と混合することによ り製造することができる。 さらに、 本発明の治療剤は、 ポリマーマトリクス 等に封入して、 持続放出用製剤として処方することができる 。

[0036] 本発明の IV! 1\1治療薬のスクリーニング法は、 前記 ( 3 ) 又は (匕) のポ リペプチドを認識する抗体や蛋白質、 低/中分子、 核酸あるいは核酸誘導体 をスクリーニングすることを特徴とする。 具体的には、 (3) 又は (匕) の ポリベプチドを認識する抗体を用いた抗体依 存性細胞傷害活性や補体依存性 細胞傷害活性を有する抗体医薬の開発が挙げ られる。 前記本発明の抗体が、 本発明のスクリーニング法により得られた、 抗体医薬の例である。 この他に も、 (3) 又は ) のポリペプチドに特異的に結合する低分子あ るいは中 分子化合物、 核酸あるいは核酸誘導体、 蛋白質などを作出し、 殺細胞効果を 有する低分子あるいは中分子化合物、 核酸あるいは核酸誘導体、 蛋白質など を腫瘍細胞特異的に送達する抗腫瘍薬の開発 が挙げられる。

実施例

[0037] 次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説 明するが、 本発明はこれら実 施例に何ら限定されない。

[0038] [試験例 1 ] ( 1 ) 材料及び試験方法

[ 1 ] 抗 C A L R抗体

Ce l l S i g n a l i n g T e c h n o l o g y社製ウサギモノク 口ーナル抗体クローン D 3 E 6 (C a t # 1 2238)

[0039] [2] 抗変異型 CAL R抗体

D i a n〇 V a社製マウスモノクローナル抗体クローン C A L 2 (C a t #D I A-C A L)

[0040] [3] 切断部位よりもアミノ末端側の変異型 C A L R蛋白質を認識する抗体 配列番号 1 に含まれるアミノ酸配列 (R RMMRTKMR) のカルボキシ ル末端あるいはアミノ末端にシステインを付 加したべプチドを合成し、 キヤ リアー蛋白質キーホールリンぺッ トへモシアニン (Ke y h o l e L i m p e t H e mo c y a n i n ; KL H) と結合させてから、 8週齢のメス の WKY/丨 z mラッ トに免疫し、 追加免疫後にリンパ球を回収した。 リン パ球をマウスミエローマ S P 2細胞と P EG法により細胞融合させてから、 選択培地で培養しハイプリ ドーマを取得した。 培養上清中の抗体の特異性を 、 免疫したペプチドや精製蛋白質を用いた E L 丨 S A法によりスクリーニン グすることで、 切断型を含む変異型 C A L R蛋白質に結合する抗体を産生す るハイプリ ドーマ (クローン B3、 C6及び G 1 ) を取得した。 これらのハ イブリ ドーマから産生された抗体を精製し、 試験に用いた (B3抗体、 C6 抗体及び G 1抗体) 。

[0041] [4] 試験方法

ヒト巨核芽球性白血病細胞株 U T_ 7/T P〇に、 D e l 52あるいは I n s 5型の変異型 C A L R蛋白質を発現させることで腫瘍性に増殖す U T- 7/T P O/C A L R D e l 52、 U T- 7/T P O/C A L R I n s 5細胞と、 コントロールとして野生型 C A L Rを発現させた U T -7/T PO/CAL R (WT) 、 遺伝子導入に使用したベクターのみを導 入した U T— 7/T P〇/v e c細胞を、 6. 0 X 1 0 5 個/ m Lの密度で〇 p t i M E M培地 (T h e r mo F i s h e r社 C a t #3 1 98507 \¥02020/175689 20 卩(:171?2020/008434

0) に播種し、 5 %〇〇 2 存在下において 37 °〇で 32時間培養した。 この際 、 \^/丁と11丁一7/丁 〇/ 6〇細胞は、

1 0门 9/|111_ トロンボポエチン (丁 1"1 「〇〇113〇 〇 I ㊀!: I 门 ; 79 〇) を含む培地で培養した。 培養液から細胞を遠心分離 (1 5, 0009 X 1 0分、 4 ° 〇 により除去した培養上清を取得し、 得られた分画を還元剤存 在下で加熱処理したあと、 303ポリアクリルアミ ド電気泳動法によりゲル 上に展開した上で、 ポリビリニデンジフルオライ ド ( 〇 ) 膜に電気的 に転写し、 5%スキムミルクを含む丁巳 3 -丁溶液 (〇. 1 %Twe e n -

20、 塩化ナトリウム、 50〇11\/1 丁 1^ 1 3 -1 ~ 1〇 1、 1 ~ 17.

5) と室温で 1時間反応させてから、 野生型と変異型の両方を認識する抗体

(ウサギモノクローナル抗体口 3巳 6,

31 # 1 2238) あるいは、 変異型のカルボキシル末端配列を認識する市 販の抗体 (マウスモノクローナル抗体〇八 !_ 2,

0 I 八一〇八1_— 250) を含む 5 %巳 3八/丁巳 3—丁溶液と 4 °〇にお いて一晚反応させた。 丁巳 3_丁溶液による洗浄を行なった後、 ペルオキシ ダーゼ標識された抗ウサギ丨 9◦抗体 (S a n t a

〇-2030) あるいはペルオキシダーゼ標識された抗マウ ス 丨 抗体 (

3311 I 3 2005) を含む 5%スキムミルク

/丁巳3_丁溶液中において、 室温で 1時間反応を行なった。 〇 膜を 丁巳3_丁溶液で洗浄した後に、 ペルオキシダーゼ発光試薬 (丁 6 「 〇 I 3(16 「 3〇 I 61^ 1: I 干 I 〇社〇 3 #34094) と反応させ て得られたシグナルを、 II 3 丨 〇 撮像装置 (\/ 丨 丨 匕 6 「一 !_〇リ 「〇1 3 I 社製) を使用して検出した。

[0042] アミノ末端のシグナル配列の下流にヒスチジ ンタグを揷入した口 6 丨 5

2型の変異型 0 1_ 蛋白質を、 1 ~ 1 293丁細胞内で発現させて、 分泌 された変異型〇 !_ [¾蛋白質を含む培養上清を遠心分離 (1 5, 0009 X 1 〇分、 4°〇 により調製した。 得られた上清を 1 ~ 1 丨 3丁 「 3 カラム (◦ 巳ヘルスケア社〇 31 # 1 753 1 901) にアプライし、 20 1\/1イミダ ゾールを含有する精製バッファー (0. 3M塩化ナトリウム、 25 mM T r i s— HC I、 p H 7. 4) でカラムを洗浄後、 50mMイミダゾールを 含有する精製バッファーを用いて変異型 C A L R蛋白質を精製した。 精製蛋 白質は、 2— n i t r o— 5— t h i o c y a n o b e n z o i c a c i d (NTCB) と反応させることでシステイン残基をシアノ 化した後、 アル カリ性条件下で断片化した後、 マトリックス支援レーザー脱離イオン化飛行 時間型質量分析計を用いて、 蛋白質断片の質量を同定し、 D e I 52型の 変異型 C A L R蛋白質のぺプチド配列情報から、 切断部位を決定した。

[0043] アミノ末端のシグナル配列の下流に F LAGタグで標識、 あるいは、 カル ボキシル末端を F LAGタグで標識した D e 丨 52型あるいは I n s 5 型の変異型 C A L R蛋白質を、 UT— 7/T PO細胞において発現させ、 ウ シ胎児非働化血清 1 〇%を含む丨 s c o v e’ s Mo d i f i e d D u I b e c c o’ s ( I M D M) 培地を用いて、 5 %C〇 2 存在下において 37 で培養した。 増殖期の細胞 1 X 1 0 5 個を P B S (1 37 m M塩化ナトリウ ム、 27 mM塩化カリウムを含むリン酸緩液) で洗浄後に 2% F BS/P BS溶液中で、 マウス抗 DYKDDDDK t a g抗体 (富士フイルム和光 純薬社 C a t #01 4-22383) あるいは、 切断部位よりもアミノ末端 側を認識するラッ ト抗変異型 C A L R抗体と、 氷上で 30分間反応させた。 反応後、 2%F BS/P BS溶液を用いて細胞を洗浄したあと、 2次抗体と して、 それぞれ抗マウス I g G— A l e x a F l u o r 647 (T h e r mo F i s h e r S c i e n t i f i c社 C a t #A 2 1 235) と 抗ラッ ト I g G— A l e x a F l u o r 647 (T h e r mo F i s h e r S c i e n t i f i c社 C a t #A2 1 247) を 2%F BS/P B S溶液中において氷上で 30分間反応させた。 反応終了後に遠心により回 収した細胞に、 2%パラホルムアルデヒドを含む P B S溶液を、 氷上で 1 5 分反応させた。 最後に、 2%F BS/P BS溶液を加えてから、 遠心分離 ( 400 g X5分、 4 ° C) し、 上清を廃棄することで細胞を洗浄し、 2 % F B S/P B S溶液を 300 M L加え、 FACS C a l i b u r (B D b i o s c i e n c e s社製) を用いてフローサイ トメ トリー解析により、 シグ ナルを定量した。

[0044] ヒト末梢血単核球細胞は、 凝固防止剤の含まれるスピッツ管に採血され た 末梢血を遠心分離 (500 g X 1 0分、 4 ° C) して得られる細胞画分を P B S溶液に懸濁した上で、 リンパ球分離液 L ym p h o s e p (MP b i o me d i c a l s社 C a t # 1 1 44481 5) の上に重層し、 遠心分離 ( 1 500 r pmX30分、 室温) することでバフィーコートを取得した。 得 られたバフィーコートに P BS溶液を加え、 再懸濁した後、 遠心分離 (1 5 〇〇 r pmX 1 0分、 室温) し、 上清を除去することで、 末梢血単核球細胞 を取得した。 得られた細胞を R 丨 PA溶液 (1 50mM塩化ナトリウム、 1 mM E DTA、 1 %N P-40、 1 %デオキシコール酸ナトリウム、 2 m Mオルトバナジン (V) 酸ナトリウム、 1 OmM /S-グリセロリン酸、 1 g/mLアプロチニン、 2 g/mL E— 64、 l yLt g/m Lロイぺプ チン、 0. 67 g /m Lベスタチン、 0. 67 g /m Lぺプスタチン、

43. 5 M g/m L PMS F、 20 mM T r i s -HC I、 p H 7. 4 ) に懸濁した後、 超音波破砕してから、 遠心分離 (1 5000 g X l 5分、 4 ° 〇 して上清を回収し、 細胞抽出液を調製した。 得られた細胞抽出液を還 元剤存在下で加熱処理したあと、 S D Sポリアクリルアミ ド電気泳動法によ りゲル上に展開した上で、 ポリピリニデンジフルオライ ド ( P V D F) 膜に 電気的に転写し、 5%スキムミルクを含む丁巳3_丁溶液と室温で1 間反 応させてから、 切断部位よりもアミノ末端側を認識するラッ ト抗変異型 CA L R抗体を含む 5%BS A/T BS— T溶液と 4°Cにおいて一晚反応させた 。 T BS— T溶液による洗浄を行なった後、 ペルオキシダーゼ標識された抗 ラッ ト I g G抗体 (S a n t a C r u z社 C a t # s c— 2006) を含 む 5%スキムミルク/丁巳3_丁溶液と室温で1時間反 応を行なった。 PV D F膜を T BS— T溶液で洗浄した後に、 ペルオキシダーゼ発光試薬と反応 させて得られたシグナルを、 F U S I ON撮像装置を使用して検出した。

[0045] 血小板は、 E DT Aを含むスピッツ管に採血された末梢血を遠 分離 ( 5 00 g X 1 0分、 4 ° C) して得られる上清を、 遠心分離 (200 OX g、 1 5分、 4 ° 〇 して得られた沈殿物を、 血小板洗浄溶液 (1 OmMクエン酸ナ トリウム、 1 50 mM塩化ナトリウム、 1 mM E DTA、 1 %デキストロ —ス、 p H 7. 4) 50 O M Lで 2回リンスすることで調製した。 得られた 血小板を R 丨 P A溶液に懸濁した後、 超音波破砕してから、 遠心分離 (1 5 000 g X l 5分、 4 ° 〇 して上清を回収し、 細胞抽出液を調製した。 得ら れた細胞抽出液を還元剤存在下で加熱処理し たあと、 S D Sポリアクリルア ミ ド電気泳動法によりゲル上に展開した上で、 ポリビリニデンジフルオライ ド (PVD F) 膜に電気的に転写し、 5%スキムミルクを含む丁巳3_丁溶 液と室温で 1時間反応させてから、 切断部位よりもアミノ末端側を認識する ラッ ト抗変異型 CAL R抗体 (B3抗体) を含む 5%BSA/T BS_ H§ 液と 4 °Cにおいて一晚反応させた。 T B S _ T溶液による洗浄を行なった後 、 ペルオキシダーゼ標識された抗ラッ ト 丨 g G抗体 (S a n t a C r u z 社 C a t # s c— 2006) を含む 5 %スキムミルク/ T B S— T溶液と室 温で 1時間反応を行なった。 P V D F膜を T B S _ T溶液で洗浄した後に、 ペルオキシダーゼ発光試薬と反応させて得ら れたシグナルを、 F US I ON 撮像装置を使用して検出した。

[0046] (2) 結果

ヒト巨核芽球性白血病細胞株 U T_ 7/T P〇に、 D e l 52あるいは I n s 5型の変異型 C A L R蛋白質を発現させることで腫瘍性に増殖す U T- 7/T P O/C A L R D e l 52、 U T- 7/T P O/C A L R I n s 5細胞と、 コントロールとして野生型 C A L Rを発現させた U T -7/T PO/CAL R (WT) 、 遺伝子導入に使用したベクターのみを導 入した UT_7/T P〇/v e cの培養上清中に含まれる C A L R蛋白質を 、 野生型と変異型の両方を認識する抗体 (モノクローナル抗体 D3 E 6, C e l l S i g n a l i n g社 C a t # 1 2238) と、 変異型のカルボキ シル末端配列を認識する市販の抗体 (モノクローナル抗体 C A L 2, D i a n o v a社 C a t # D I A-CAL-250) で評価した (図 2) 。 その \¥02020/175689 24 卩(:171?2020/008434

結果、 図 2に示すように、 野生型と変異型 0 蛋白質を認識する抗体 ( 巳3抗体) を用いたイムノブロッ トにおいて、 変異型〇八 1_ 蛋白質を発現 する細胞では、 内在性の の他に、 変異型抗体で認識できないバンド が検出された (図 3) 。

[0047] 1\1丁〇巳を用いてシステイン残基のアミノ末 端側で断片化したペプチド断 片のうち、 変異型 蛋白質 I 5 2型を使用) の切断型にのみ 見出されたペプチド断片の分子量として、 2 5 8 2 7 . 7と 2 5 4 1 8 . 4 を得た。 この数値と、 切断されたシステイン残基の位置から求めた 推定分子 量を比較することで、 〇 ø I 5 2型の変異型 0 蛋白質の切断部位と して、 3 8〇番目のメチオニン残基と 3 8 1番目のアルギニン残基の間と、

3 7 7番目のメチオニン残基と 3 7 8番目のアルギニン残基の間、 を同定し た。

[0048] アミノ末端のシグナル配列の下流に !_八〇タグで標識、 あるいは、 カル ボキシル末端を !_八〇タグで標識した 0 6 丨 5 2型あるいは丨 n s 5 型の変異型 0 蛋白質を、 リ丁ーァ/丁 〇細胞において発現させ、 細 胞表面における、 変異型 0 蛋白質の発現について、 抗 !_ 〇抗体を 用いたフローサイ トメ トリー解析を行うと、 アミノ末端の !_八〇タグを有 する変異型 0 蛋白質を発現する細胞では、 カルボキシル末端を !_八 ◦タグ標識した変異型 0 蛋白質を発現する細胞に比べて、 より強いシ グナルが得られた (図 4、 5) 。 次に、 切断部位よりもアミノ末端側で、 か つ変異型〇 !_ 蛋白質に特異的な配列を含むぺプチドを免疫 して得られた 抗体を用いて、 図 4、 5の解析に用いた細胞株のフローサイ トメ トリー解析 を行うと、 !_八〇タグの付加位置による検出量の違いが 失した (図 6、 7) 。 これにより、 変異型〇八 蛋白質に特異的な配列中で切断されて残 存するカルボキシル末端側に抗原認識部位を 設定することが、 より高感度な 検査薬あるいは、 より強力な治療薬の創作に重要であることが 示された。

[0049] 実際に、 切断部位よりもアミノ末端側の変異型 特異的抗体を用い て、 0 !_ 遺伝子変異陽性の患者から得られた末梢血単 核球や血小板の細 胞抽出液をイムノブロッ ト法を用いて解析したところ、 細胞株の場合と同様 に、 切断された変異型 C A L R蛋白質の発現が確認された (図 8) 。 これら のことから、 実際に、 患者細胞でも、 同様の切断が生じていること、 切断さ れて残存するカルボキシル末端側に抗原認識 部位を設定することが、 より高 感度な検査薬あるいは、 より強力な治療薬の創作に重要であることが 示され た。

[0050] [試験例 2 ]

(1) 3種の抗体が、 全長型と切断型の変異型 C A L R蛋白質を認識するこ との確認

アミノ末端のシグナル配列の下流に F LAGタグを揷入した D e 丨 52 型あるいは丨 n s 5型の変異型 C A L R蛋白質を発現する U T_ 7/T P 〇細胞を培養し、 分泌された変異型 C A L R蛋白質を含む培養上清を遠心分 離 (1 , 600 g X5分、 4°〇 により調製した。 得られた培養上清を S D Sと還元剤存在下で加熱処理したあと、 S DSポリアクリルアミ ド電気泳動 法によりゲル上に展開した上で、 ポリピリニデンジフルオライ ド ( P V D F ) 膜に電気的に転写し、 5%スキムミルクを含む丁巳3_丁溶液と室温で1 時間反応させてから、 ラッ トクローン B 3、 C6、 G 1抗体、 あるいはマウ ス抗 DYKDDDDK t a g抗体 (富士フイルム和光純薬社 C a t # 01 4-22383) を含む 5%BS A/T BS— T溶液と 4°Cにおいて一晚反 応させた。 T BS— T溶液による洗浄を行なった後、 それぞれ、 ペルオキシ ダーゼ標識されたヤギ抗ラッ ト I g G抗体 (J a c k s o n I mm u n o R e s e a r c h I n c . 社 C a t # 1 1 2— 035— 003) 、 ある いはペルオキシダーゼ標識されたヤギ抗マウ ス 丨 g G抗体 (J a c k s o n I mm u n o R e s e a r c h I n c. 社 C a t # 1 1 5— 035— 003) を含む 5 %スキムミルク /T BS— T溶液と室温で 1時間反応を行 なった。 PVD F膜を T BS— T溶液で洗浄した後に、 ペルオキシダーゼ発 光試薬と反応させて得られたシグナルを、 F US I ON撮像装置を使用して 検出した。 その結果、 図 9に示すように、 クローン B 3、 C6、 G 1抗体いずれも全 長型と切断型の変異型 C A L R蛋白質を認識することが確認された。

[0051] (2) 3種の抗体が、 細胞表面の変異型 C A L R蛋白質を認識することの確 認

アミノ末端のシグナル配列の下流に F LAGタグで標識した D e 丨 52 型あるいは丨 n s 5型の変異型 C A L R蛋白質を、 UT—7/T PO細胞 において発現させ、 ウシ胎児非働化血清 1 0%を含む丨 M DM培地を用いて 、 5%C〇 2存在下において 37 ° Cで培養した。 増殖期の細胞 1 X 1 〇 5 個を P BSで洗浄後に 2% F BS/P BS溶液中で、 マウス抗 DYKDDDD K t a g抗体 (富士フイルム和光純薬社 C a t #01 4— 22383) あ るいは、 ラッ トクローン B 3、 C6、 G 1抗体と、 氷上で 30分間反応させ た。 反応後、 2%F BS/P BS溶液を用いて細胞を洗浄したあと、 2次抗 体として、 それぞれ抗マウス I g G-A l e x a F l u o r 647 (T h e r mo F i s h e r S c i e n t i f i c社 C a t #A 2 1 235 ) と抗ラッ ト l g G _ A l e x a F l u o r 647 (T h e r mo F i s h e r S c i e n t i f i c社 C a t #A2 1 247) を 2% F B S/P B S溶液中において氷上で 30分間反応させた。 反応終了後に遠心に より回収した細胞に、 4%パラホルムアルデヒドを含む P B S溶液を、 氷上 で 1 5分反応させた。 最後に、 2%F BS/P BS溶液を加えてから、 遠心 分離 (400 g X5分、 4°C) し、 上清を廃棄することで細胞を洗浄し、 2 %F B S/P B S溶液を 300 M L加え、 FACS C a l i b u r (B D b i o s c i e n c e s社製) を用いてフローサイ トメ トリー解析により 、 シグナルを定量した。

その結果、 図 1 0に示すように、 クローン B 3、 C6、 G 1抗体いずれも 、 細胞表面の変異型 C A L R蛋白質を認識することが確認された。

[0052] [試験例 3]

(抗体の抗原結合力の評価)

(1 ) E L I S Aによる抗原結合力の評価 1 ウエル当たり精製した 1 00 n gの D e 丨 52型の変異型 C A L R蛋 白質、 あるいはコントロールの B S Aを吸着させた E L 丨 S Aプレート (住 友べークライ ト C a t #MS - 8896 F) を、 5 m g/m L BSAを 含む P B Sで室温において 1時間反応させた。 P B Sでウエルを洗浄したの ち、 0、 6. 25、 1 2. 5、 25、 50、 1 00、 200、 400、 80 O n g/mLのクローン B3、 C6、 G 1抗体、 あるいはラッ ト I g G (S a n t a C r u z社 C a t # 2026) と 5 m g/mL BSAを含む P B Sを、 室温で 1時間反応させた。 P B Sでウエルを洗浄したのち、 1 6 n g /m Lのペルオキシダーゼ標識されたヤギ抗ラッ ト I g G抗体 (J a c k s o n I mm u n o R e s e a r c h I n c. 社 C a t # 1 1 2— 0 35— 003) と 5 m g/mL BSAを含む P B Sを、 室温で 1時間反応 させた。 T BS— T溶液でウエルを洗浄したのち、 TMB溶液 (ナカライテ スク C a t # 05298— 80) を添加して、 室温で 1 5分間反応させて から、 1 M硫酸水溶液を添加し、 450 n mと 620 n mの吸光度を測定し 、 吸光度の差を求めた上で、 コントロールの B S Aで得られた値を減じた値 を算出した。

その結果、 図 1 1 に示すように、 本発明の抗体 (B3、 C6、 G 1) は、 いずれも変異型 C A L R蛋白質と低濃度から結合することがわかる

[0053] (2) 表面プラズモン共鳴解析による抗原結合力の 評価

表面プラズモン共鳴解析装置 B i a c o r e T 200 (G Eヘルスケア 社) に表面プラズモン共鳴解析用のセンサーチッ プ (GEヘルスケア社 C a t # B R 1 00530) を装填してから、 H BS-E Pバッファー (GEへ ルスケア社 C a t # B R 1 00669) で平衡化した。 Ac e t a t e 5 . 5 (G Eヘルスケア社 C a t # B R 1 00352) で 1 O^g/mLの濃 度に調製したクローン B 3抗体を、 Am i n e c o u p l i n g k i t (G Eヘルスケア社 C a t # B R 1 00050) を用いて、 固定化量が 20 0 R Uとなるよう固定化した。 続いて、 H BS— E Pバッファーにより 20 、 1 0、 5、 2. 5、 1. 25 n Mの濃度に調製した、 配列番号 1 に含まれ るアミノ酸配列 (R RMMRTKMR) のアミノ末端にシステインを付加し たべプチドを用いて、 表面プラズモン共鳴を測定し、 B i a c o r e T 20 0 E v a l u a t i o n S o f t wa r eにより解離定数を取得した。 その結果、 図 1 2に示すように、 本発明の抗体は、 変異型 CAL R蛋白質 と強力に結合することがわかる。

[0054] [試験例 4]

(抗体の抗原認識部位の同定)

クローン B 3、 C6、 G 1抗体が C A L R変異蛋白質上で抗原に用いたア ミノ酸配列を認識することを確認した。 抗原に用いたアミノ酸とその周辺の アミノ酸を 1つずつアラニンに置換した変異型 C A L R蛋白質に対するそれ それの抗体の反応性をイムノブロッ ト法 (図 1 3 A) と E L 丨 S A法 (図 1 3 B) を用いて評価した。

[0055] (1) イムノブロッ ト法

D e l 52型の変異型 C A L R蛋白質の 367番目のスレオニン (T) から 378番目のアルギニン (R) までの領域のアミノ酸を、 1 アミノ酸ず つアラニン (A) に置換した蛋白質、 あるいは置換を行わなかった蛋白質を H E K 293 T細胞内で発現させて、 分泌された変異型 C A L R蛋白質を含 む培養上清を遠心分離 ( 1 , 600 g X5分、 4 ° 〇 により調製した。 得ら れた蛋白質溶液を、 S DSと還元剤存在下で加熱処理したあと、 S DSポリ アクリルアミ ド電気泳動法によりゲル上に展開した上で、 P V D F膜に電気 的に転写し、 5%スキムミルクを含む丁巳3_丁溶液と室温で1 間反応さ せてから、 ペルオキシダーゼ標識したクローン B 3、 C6、 G 1抗体あるい は、 マウス抗 C A L R抗体 (a b c a m社 C a t # a b 22683) を含む 5%BS A/T BS— T溶液と 4°Cにおいて一晚反応させた。 マウス抗 CA L R抗体と反応させた P VD F膜は、 T BS— T溶液による洗浄を行なった 後、 ペルオキシダーゼ標識された抗マウス 丨 g G抗体 (J a c k s o n I mm u n o R e s e a r c h I n c. 社 C a t # 1 1 5— 035— 00 3) を含む 5 %スキムミルク /T BS— T溶液中において、 室温で 1時間反 応を行なった。 続いて、 すべての PVD F膜を T BS— T溶液で洗浄した後 に、 ペルオキシダーゼ発光試薬 (T h e r mo F i s h e r S c i e n t i f i c社 C a t # 34094) と反応させて得られたシグナルを、 F U S I 0 N撮像装置 (V i I b e r-L o u r m a t社製) を使用して検出し た。

その結果、 図 1 3 Aに示すように、 本発明の抗体が、 配列番号 1の 1番目 のアルギニンから 9番目のアルギニンの間を認識していること わかる。

[0056] (2) E L I S A法

上記の方法で調製した変異型 C A L R蛋白質を吸着させた E L 丨 SAプレ —卜を、 5 m g/mL B S Aを含む P B Sで室温において 1時間反応させ た。 P B Sでウエルを洗浄したのち、 200 n g/m Lのクローン B 3、 C 6、 G 1抗体、 あるいはマウス抗 C A L R抗体 (S a n t a 〇 「リ å社〇 a t # s c- 373863) と 5 m g/mL BS Aを含む P BSを、 室温 で 1時間反応させた。 P B Sでウエルを洗浄したのち、 1 6 n g/mLのぺ ルオキシダーゼ標識されたヤギ抗ラッ ト I g G抗体 (J a c k s o n I m m u n o R e s e a r c h I n c. 社 C a t # 1 1 2— 035— 003 ) あるいはヤギ抗マウス I g G抗体 (S a n t a C r u z社 C a t # s c — 2005) と 5 m g/mL B S Aを含む P B Sを、 室温で 1時間反応さ せた。 T BS— T溶液でウエルを洗浄したのち、 T MB溶液を添加して、 室 温で 1 5分間反応させてから、 1 M硫酸水溶液を添加し、 450 n mと 62 O n mの吸光度を測定し、 吸光度の差を求めた。

その結果、 図 1 3 Bに示すように、 本発明の抗体が、 配列番号 1の 1番目 のアルギニンから 9番目のアルギニンの間を認識していること わかる。

[0057] [試験例 5 ]

(本発明抗体の配列情報の決定)

本発明の抗体 (B3、 C6、 G 1 ) の重鎖及び軽鎖の配列情報を、 抗体を 産生する細胞から、 P u r e L i n c RNA M i n i キッ ト (T h e r mo F i s h e r社 C a t # 1 2 1 83025) を使用して、 m R N Aを調 製した。 得られた mRN Aを錶型に、 重鎖あるいは軽鎖特異的な逆転写ブラ イマーを用いて、 R a p i d am p l i f i c a t i o n o f c DN A e n d s法により c D N Aを合成した後、 プラスミ ドにクローニングし た。 得られたプラスミ ドをサンガーシークエンス解析することで、 重鎖と軽 鎖の c DN Aの全長配列を決定した。

その結果を、 図 1 4〜図 1 7及び配列番号 5〜 34に示す。

[0058] 図 1 4は、 本発明抗体 (B3、 C6、 G 1) の重鎖可変領域のアミノ酸配 列を示す。 図 1 5は、 本発明抗体 (B3、 C6、 G 1) の軽鎖可変領域のア ミノ酸配列を示す。 図 1 6は、 本発明抗体 (B3、 C6、 G 1) の重鎖可変 領域の塩基配列を示す。 図 1 7は、 本発明抗体 (B3、 C6、 G 1) の軽鎖 可変領域の塩基配列を示す。

[0059] 配列番号 5は、 B 3抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す 配列番号

6は、 C 6抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す 配列番号 7は、 G 1 抗体の重鎖可変領域のアミノ酸配列を示す。 配列番号 8は、 B 3抗体の軽鎖 可変領域のアミノ酸配列を示す。 配列番号 9は、 C 6抗体の軽鎖可変領域の アミノ酸配列を示す。 配列番号 1 0は、 G 1抗体の軽鎖可変領域のアミノ酸 配列を示す。

配列番号 1 1は、 B 3抗体の重鎖可変領域の塩基配列を示す。 配列番号 1 2は、 C 6抗体の重鎖可変領域の塩基配列を示す。 配列番号 1 3は、 G 1抗 体の重鎖可変領域の塩基配列を示す。 配列番号 1 4は、 B 3抗体の軽鎖可変 領域の塩基配列を示す。 配列番号 1 5は、 C 6抗体の軽鎖可変領域の塩基配 列を示す。 配列番号 1 6は、 G 1抗体の軽鎖可変領域の塩基配列を示す。

[0060] 配列番号 1 7は、 B 3抗体の V Hの C D R 1のアミノ酸配列を示す。 配列 番号 1 8は、 B 3抗体の V Hの C D R 2のアミノ酸配列を示す。 配列番号 1 9は、 B 3抗体の V Hの C D R 3のアミノ酸配列を示す。 配列番号 20は、

C 6抗体の V Hの C D R 1のアミノ酸配列を示す。 配列番号 2 1は、 C6抗 体の V Hの C D R 2のアミノ酸配列を示す。 配列番号 22は、 C6抗体の V Hの C D R 3のアミノ酸配列を示す。 配列番号 23は、 〇 1抗体の 1 ~ 1の〇 D R 1のアミノ酸配列を示す。 配列番号 24は、 〇 1抗体の 1 ~ 1の〇〇 [¾ 2 のアミノ酸配列を示す。 配列番号 25は、 G 1抗体の V Hの C D R 3のアミ ノ酸配列を示す。 配列番号 26は、 B 3抗体の VLの CD R 1のアミノ酸配 列を示す。 配列番号 27は、 B 3抗体の V Lの C D R 2のアミノ酸配列を示 す。 配列番号 28は、 B 3抗体の V Lの C D R 3のアミノ酸配列を示す。 配 列番号 29は、 C 6抗体の V Lの C D R 1のアミノ酸配列を示す。 配列番号 30は、 C 6抗体の V Lの C D R 2のアミノ酸配列を示す。 配列番号 3 1は 、 C 6抗体の V Lの C D R 3のアミノ酸配列を示す。 配列番号 32は、 G 1 抗体の VLの CD R 1のアミノ酸配列を示す。 配列番号 33は、 G 1抗体の V Lの C D R 2のアミノ酸配列を示す。 配列番号 34は、 〇 1抗体の 1_の CD R 3のアミノ酸配列を示す。

[0061] [試験例 6]

(治療効果の評価)

クローン B 3抗体の重鎖と軽鎖の可変領域と、 対応するマウス 丨 g G2 a の重鎖と軽鎖の定常領域を融合したキメラ B 3抗体を作成し、 D e l 52 型の C A L R変異遺伝子を発現する造血幹細胞を移植し 作出した骨髄増殖 性腫瘍モデルマウスに投与し、 キメラ抗体による治療効果を評価した。

クローン B 3抗体の重鎖可変領域とマウス 丨 g G 2 aの定常領域をコード する遺伝子配列あるいは、 クローン B 3抗体の軽鎖可変領域とマウイムノグ ロプリン Kの定常領域をコードする遺伝子配列を連結 て、 B 3マウスキメ ラ重鎖と軽鎖遺伝子を組み込んだ発現べクタ ーを、 E x p i CHO—S細胞 (T h e r mo F i s h e r社 C a t #A29 1 27) に導入し、 E x p i CH〇 E x p r e s s i o n培地 (T h e r mo F i s h e r社 C a t #

A 29 1 0001 ) を用いて、 5%〇〇 2 存在下において37°〇で、 1 0日培 養した。 遠心分離 (4, 000 g X30分、 4 ° 〇 により培養上清を回収し てから、 H i T r a p P r o t e i n G H Pカラム (G Eヘルスケア社 C a t # 29048581 ) にキメラ抗体を吸着させたあと、 0. 1 M G l y c i n e-HC I (p H 2. 7) を用いて溶出し、 1 M T r i s -H \¥02020/175689 32 卩(:171?2020/008434

〇 1 ( 1 ~ 1 9. 0) により中和した溶出画分を、 巳3に透析して巳3マ ウスキメラ抗体を調製した。

巳 3マウスキメラ抗体による治療効果の評価に 、 骨髄移植モデルマウス を用いた。 8から 1 0週齢の巳 6. 0045. 1 コンジエニックマウス (三 協ラボ) の大腿骨から骨髄細胞を精製し、 ?(3標識抗〇_ !< 丨 1抗体で標 識される〇— 1< 丨 1:陽性細胞を分取してから、 1 9、 004, 00 8、 0036, 001 1 匕陰性で、 001 1 7と 3 〇 3 1陽性の !_ 3<細胞を分取し、 0 ø I 52型の変異型

を発現す ベクター、 あるいはコントロール のべクタ—を包含するレトロウイルスを感染 させた。 感染 72時間後に、 1 匹あたり 4000個の !_ 3<細胞を、 6グレイ X 2回の放射線を照射した 8 から 1 0週齢の〇57巳 !_/6」マウス (オリエンタル酵母) に移植し、 末 梢血中の血小板数を多項目自動血球計数装置 (シスメックス社 Ca t # p 〇〇 1 ~ 1- 1 00 1 干 †) により経時的に測定し、 移植 2ヶ月目に、 変異型 0 1_ 遺伝子の発現により引き起こされる骨髄増殖 性腫瘍の表現型 である血小板増多を確認してから、 移植後 9週目より毎週、 上記の巳 3マウ スキメラ抗体を 1匹あたり 250 9、 あるいは溶媒 ( 巳3) を投与し、 巳 3マウスキメラ抗体に特異的な血小板増多の 制効果を評価した。

その結果、 図 1 8に示すように、 本発明抗体は、 に対して優れた治 療効果を示した。