Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
APPARATUS FOR REMOVAL OF CATION FROM PLATING SOLUTION ADDITIVE, AND METHOD FOR TREATMENT OF PLATING SOLUTION ADDITIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105489
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an apparatus for removing a cation from a plating solution additive comprising an aqueous solution containing an organic or inorganic acid salt, which can remove an undesirable cationic component such as sodium and potassium from the plating solution additive. In the apparatus, an aqueous RCOONa solution tank (1) is connected to a desalting chamber (13) in an electrodialysis unit (2) via a flow path (3). The desalting chamber (13) is connected to an aqueous RCOOH solution tank (4). A condensation chamber (14) in the electrodialysis unit (2) is connected to a sodium ion collection mechanism (5). When an aqueous RCOONa solution is supplied into the desalting chamber (13) in the electrodialysis unit (2), sodium is selectively removed through a cation exchange membrane, and an aqueous RCOOH solution is obtained as a processed solution because RCOO- cannot pass through a bipolar membrane. The processed solution can be used as a plating solution additive for a plating bath.

Inventors:
CHUUMAN TAKAAKI (JP)
ONOTA SEIICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053474
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 28, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
KURITA WATER IND LTD (JP)
CHUUMAN TAKAAKI (JP)
ONOTA SEIICHI (JP)
International Classes:
C25D21/14; B01D61/44; B01D61/48; B01J39/04; B01J41/04; C02F1/42; C02F1/469
Foreign References:
JP2005200714A2005-07-28
JPH1036310A1998-02-10
JPH07216571A1995-08-15
JPH09202984A1997-08-05
Attorney, Agent or Firm:
HAYAKAWA, Yuzi et al. (Suite 501 Hikawa-Annex No.29-5, Akasaka 6-chome, Minato-k, Tokyo 52, JP)
Download PDF:
Claims:
 陰極と陽極との間にカチオン交換膜とバイポーラ膜とで区画された脱塩室と濃縮室とを有する電気透析装置と、
 前記電気透析装置の脱塩室に連通した有機酸塩又は無機酸塩の水溶液からなるめっき液添加剤流路と、
 前記電気透析装置の濃縮室に連通したカチオン回収機構と
を備えることを特徴とする有機酸塩又は無機酸塩の水溶液からなるめっき液添加剤のカチオン除去装置。
 前記電気透析装置の脱塩室にカチオン交換体が充填されていることを特徴とする請求項1に記載のめっき液添加剤のカチオン除去装置。
 前記電気透析装置の濃縮室にイオン交換体が充填されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のめっき液添加剤のカチオン除去装置。
 前記めっき液添加剤流路の前記電気透析装置より上流側に保護フィルタを設けたことを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のめっき液添加剤のカチオン除去装置。
 前記めっき液添加剤流路の前記電気透析装置より下流側にさらにイオン交換器を設けたことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のめっき液添加剤のカチオン除去装置。
 有機酸塩又は無機酸塩の水溶液からなるめっき液添加剤からカチオンを選択的に除去する方法であって、
 陰極と陽極の間にカチオン交換膜とバイポーラ膜とで区画された脱塩室と濃縮室とを有する電気透析装置を用い、前記脱塩室に前記めっき液添加剤を流通させることによりカチオンを除去した処理液を得ることを特徴とするめっき液添加剤の処理方法。
 前記電気透析装置の電圧及び電流を制御することにより前記電気透析装置で処理した処理液のpHを管理して、有機酸とカチオンとの比率を制御することを特徴とする請求項6に記載のめっき液添加剤の処理方法。
Description:
めっき液添加剤のカチオン除去 置、及びめっき液添加剤の処理方法

 本発明は、めっき液添加剤からカチオン 選択的に除去する装置に関する。また、本 明はめっき液添加剤からカチオンを選択的 除去する処理方法に関する。

 硫酸銅めっき浴は、硫酸銅及び硫酸を基 的な原材料とし、そこに還元剤、錯化剤、 衝剤、光沢剤、平滑剤等の種々の添加剤を えることにより装飾めっきやプリント配線 の配線形成を行っている。また、これら添 剤の他に塩化物イオンも必要である。これ をそれぞれ適量添加することで所望とする 沢性、平滑性、物性を備えためっき被膜を 成することができる。

 上記添加剤の代表的なものとしては、ビス( 3-スルホプロピル)ジスルフィド2ナトリウム のスルホン酸ナトリウム基(-SO 3 Na)を有するスルホン酸塩や、還元剤として次 亜リン酸ナトリウム及び水素化ホウ素ナトリ ウム、錯化剤としてクエン酸塩、酒石酸塩及 び乳酸塩、pH調整剤として酢酸塩、プロピオ 酸塩、アンモニウム塩等、種々の強電解質 塩類がめっき浴には添加される。

 これらめっき浴の添加剤は、その形状安 性や運搬のしやすさからナトリウムやカリ ムの塩化合物を用いられる場合が多いが、 れらの添加剤における有効成分は対イオン ある酸であるため、ナトリウムやカリウム 必要ではない。このため、対イオンのアニ ンは有効成分として消費される一方、ナト ウムイオンやカリウムイオン等のカチオン 次第に蓄積されることになる。このように っき浴中に不要なカチオンが蓄積されると めっき浴のバランスが崩れ、めっきのふく 、はがれ等の外観不良が生じる。このため 他の薬剤の添加等による運転管理手法でめ き浴を制御できなくなると、排水として廃 している。

 しかしながら、このめっき浴排水は、前 したカチオンだけでなく、酸、塩基等を多 に含んでいるので、排水としては環境負荷 非常に大きく、その環境負荷の低減が望ま ている。そこで、めっき液添加剤からナト ウムやカリウム等の不要なカチオン成分を らかじめ除去し、めっき浴に蓄積されるカ オンを少なくすることが種々検討されてい 。

 例えば、めっき液添加剤水溶液をカチオ 交換樹脂で処理することにより、カチオン 選択的に除去することが考えられるが、カ オン交換樹脂は、そのイオン交換容量によ て除去できるカチオンの量が決まっており 所定量のカチオンを除去すると破過してし う。そのため、ある程度カチオンを吸着し らカチオン交換樹脂カラムを交換して樹脂 再生する必要があるが、めっき液添加剤水 液はカチオン濃度が非常に高いので、短期 にカチオン交換樹脂カラムの交換が必要と り、非常に手間とコストがかかるという問 点がある。

 また、電気透析機を用いることで、薬品 使わずに樹脂を再生し、しかも連続的にカ オンを除去しためっき液添加剤水溶液を得 ことが考えられる。しかしながら、めっき 添加剤は強電解質であるので、これを電気 析機で除去するためには印加する電流密度 上げる必要があり、そうすると水素イオン 移動してしまうため、本来移動させたいカ オンの移動が妨げられ、カチオン濃度を一 以下にすることができないという問題点が る。

 さらに、電極(陽極及び陰極)の間に複数 アニオン交換膜とカチオン交換膜とを交互 配列して脱塩室と濃縮室とを交互に形成し 電気脱イオン装置を用いることが考えられ 。しかしながら、この手法ではアニオンと チオンとの両方をそれぞれのイオン交換膜 透過させることで分離する必要があるが、 子量が200を超えるような対イオンである酸 透過しにくく、必要な酸やアルカリを得る とができない問題がある。

 本発明は、このような実状に鑑みてなさ たものであり、有機酸塩又は無機酸塩の水 液からなるめっき液添加剤からナトリウム カリウム等のカチオン成分を選択的にかつ 率よく除去することの可能なめっき液添加 からカチオンを除去する装置を提供するこ を目的とする。また、本発明は有機酸塩又 無機酸塩の水溶液からなるめっき液添加剤 らナトリウムやカリウム等の不要なカチオ 成分を選択的に、かつ効率良く除去する処 方法を提供することを目的とする。

 上記課題を解決するために、第1に本発明 は、陰極と陽極との間にカチオン交換膜とバ イポーラ膜とで区画された脱塩室と濃縮室と を有する電気透析装置と、前記電気透析装置 の脱塩室に連通した有機酸塩又は無機酸塩の 水溶液からなるめっき液添加剤流路と、前記 電気透析装置の濃縮室に連通したカチオン回 収機構とを備えることを特徴とするめっき液 添加剤のカチオン除去装置を提供する(発明1) 。

 ここで、本明細書における有機酸塩又は 機酸塩の水溶液からなるめっき液添加剤と 、錯化剤、還元剤、物性改善剤(光沢性、展 性、延性、硬度等を改善するもの)等のめっ 液添加剤のうち有機酸又は無機酸とナトリ ム、カリウム等のアルカリ金属又はアルカ 土類金属との塩により構成されるものの水 液である。具体的には、錯化剤としては、 チレンジアミン四酢酸塩、シュウ酸塩、酒 酸塩等が挙げられる。また、還元剤として 、次亜リン酸塩等が挙げられる。物性改善 としては、ナフタリン酸塩、亜鉛酸塩等が げられる。

 また、バイポーラ膜とは、カチオン交換 とアニオン交換膜とが貼り合わさった構造 有する複合膜の一種である。このバイポー 膜は、水の電気分解に用いる隔膜として、 は酸とアルカリとの中和生成物である塩の 溶液から酸とアルカリとを再生する際の分 膜等として従来から広く使用されている公 のイオン交換膜であり、種々の製造方法が 案されている。

 本発明においては、このようなバイポー 膜を電気透析装置の陰極側にカチオン交換 面が、陽極側にアニオン交換膜面が位置す ように濃縮室内に設置する。このようなバ ポーラ膜内では、理論水電解電圧(0.83V)以上 の電圧を印加することによって、水解離が発 生するので電流が流れる。

 上記発明(発明1)によれば、電気透析装置 脱塩室に有機酸塩又は無機酸塩の水溶液か なるめっき液添加剤を供給することにより 有機酸塩又は無機酸塩を構成するナトリウ イオンやカリウムイオン等のカチオンがカ オン交換膜から排出されることで除去され 。また、対イオンであるスルホン酸イオン クエン酸イオン等の有機酸又は無機酸のイ ン(アニオン)はバイポーラ膜の脱塩室側が チオン交換膜であるので透過せず、そのま 残存することになる。このようにして、有 酸塩又は無機酸塩の水溶液からなるめっき 添加剤からカチオンを選択的に除去するこ ができる。しかも、バイポーラ膜内では水 解離が起こるため脱塩室内には水素イオン 補充され、イオンバランスも保たれること なる。一方、濃縮室には、脱塩室からのカ オンと、バイポーラ膜内での水解離により じた水酸イオンとにより水酸化物の水溶液 排出されることになる。このとき、カチオ 成分が電極表面の膜面等に析出するおそれ あるときには、濃縮室に酸を流す等してpHを 調整することで、これを防止する。

 上記発明(発明1)においては、前記電気透 装置の脱塩室にカチオン交換体が充填され いるのが好ましい(発明2)。かかる発明(発明 2)によれば、電気透析装置に印加される電圧 低くて済み、しかも脱塩室内のカチオンの 度分極が抑制されるので、カチオンをさら 効率的に除去することができる。

 このように脱塩室にイオン交換体が充填 れた電気透析装置は、電気脱イオン装置と ばれているが、本明細書中において電気透 装置は、電気脱イオン装置をも含む概念と て定義することとする。なお、上記発明(発 明1,2)においては、前記電気透析装置の濃縮 には、イオン交換体が充填されていてもよ (発明3)。

 また、上記発明(発明1~3)においては、前 めっき液添加剤流路の前記電気透析装置よ 上流側に保護フィルタが設けられているこ が好ましい(発明4)。

 有機酸塩又は無機酸塩は、pHによっては 性塩として析出してしまうことがあるが、 記発明(発明4)によれば、運転条件を変動し も電気透析装置に固形分が混入されるのを 止することができる。

 上記発明(発明1~4)においては、前記めっ 液添加剤流路の前記電気透析装置より下流 にさらにイオン交換器を設けることができ (発明5)。かかる発明(発明5)によれば、電気 析装置でのカチオンの脱塩率が低く添加剤 理液中に残存するカチオンが多いい場合に カチオン樹脂等によるイオン交換器を設置 てポリッシングを行うことで、カチオンの 塩率を向上させることができる。

 第2に本発明は、陰極と陽極との間にカチ オン交換膜とバイポーラ膜とで区画された脱 塩室と濃縮室とを有する電気透析装置を用い 、前記脱塩室に有機酸塩又は無機酸塩の水溶 液からなるめっき液添加剤を流通させること によりカチオンを選択的に除去した処理液を 得ることを特徴とするめっき液添加剤の処理 方法を提供する(発明6)。

 上記発明(発明6)によれば、電気透析装置 脱塩室に有機酸塩又は無機酸塩の水溶液か なるめっき液添加剤を流通させることによ 、有機酸塩又は無機酸塩を構成するカチオ がカチオン交換膜から排出されることで、 該カチオンを除去することができる。

 上記発明(発明6)においては、前記電気透 装置の電圧及び電流を制御することにより 記電気透析装置で処理した処理液のpHを管 して、有機酸とカチオンとの比率を制御す ことが好ましい(発明7)。

 このように電気透析装置で処理した処理 のpHにより処理液の有機酸とカチオンとの 率を制御することができるので、所望の組 のめっき液添加剤としての処理液を得るこ ができる。

 本発明のめっき液添加剤の処理方法によ ば、有機酸塩又は無機酸塩の水溶液からな めっき液添加剤から該有機酸塩又は無機酸 を構成するカチオンを選択的に除去し、こ 処理後の添加剤をめっき浴に添加すること 、めっき浴中に当該添加剤に起因するカチ ンが溜まるのを抑制することができ、めっ 浴の交換頻度を減少させることができる。

図1は、本発明の一実施形態に係るめっ き液添加剤のカチオン除去装置を示す概略系 統図である。 図2は、前記めっき液添加剤のカチオン 除去装置の電気透析装置を示す概略図である 。 図3は、前記電気透析装置におけるイオ ンの流れを示す概略図である。 図4は、本発明の他の実施形態に係るめ っき液添加剤のカチオン除去装置の電気透析 装置におけるイオンの流れを示す概略図であ る。 図5は、実施例1及び比較例1における処 液のナトリウムイオン濃度の変化を示すグ フである。

符号の説明

2…電気透析装置
3…流路(めっき液添加剤流路)
5…ナトリウムイオン回収機構
7…保護フィルタ
11…バイポーラ膜
11A…カチオン交換膜層
11B…アニオン交換膜層
12…カチオン交換膜
13…脱塩室
14…濃縮室
15…カチオン交換樹脂(カチオン交換体)
16…混合樹脂(アニオン交換樹脂とカチオン交 換樹脂との混合樹脂,イオン交換体)

 以下、本発明の一実施形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明の一実施形態に係るめっき液 添加剤のカチオン除去装置を示す概略系統図 である。

 本実施形態に係るカチオン除去装置は、め き液添加剤として有機酸であるクエン酸ナ リウム水溶液からNaを除去するナトリウム 去装置である。なお、本明細書中及び図中 おいては、便宜上、クエン酸ナトリウムを RCOONa」と、クエン酸を「RCOOH」と、クエン酸 イオンを「RCOO - 」と表すことがある。

 本実施形態に係るクエン酸ナトリウム水 液のナトリウム除去装置は、クエン酸ナト ウム(RCOONa)水溶液貯槽1と、電気透析装置2と 、クエン酸(RCOOH)水溶液貯槽4とを備えてなる

 RCOONa水溶液貯槽1は、図示しない送液ポン プと保護フィルタ7を有するめっき液添加剤 路たる流路3により電気透析装置2の脱塩室13 連通しており、この流路3はさらに脱塩室13 らクエン酸(RCOOH)水溶液貯槽4に連通してい 。

 また、電気透析装置2の濃縮室14には、図 しない送液ポンプを備えた流路としてのカ オン回収機構たるナトリウム(Na)イオン回収 機構5が連通している。なお、電気透析装置2 陽極室Cには、循環流路6が連通していて、 解離により生じた水酸イオンが酸化されて 素ガスが発生する。

 上述したようなナトリウム除去装置にお て、電気透析装置2は、図2及び図3に示すよ に電極(陽極,陰極)の間に、バイポーラ膜11 カチオン交換膜12とを、バイポーラ膜11が両 となるように交互に配列して脱塩室13と濃 室14とを交互に形成してなる。バイポーラ膜 11は、陰極側すなわち脱塩室13に面するよう してカチオン交換膜層11A側が位置しており 陽極側すなわち濃縮室13に面するようにして アニオン交換膜層11B側が位置している。なお 、電気透析装置2の両端には、陽極とバイポ ラ膜11とで区画された陽極室(図示せず)と、 極とバイポーラ膜11とで区画された陽極室( 示せず)とが形成されている。

 ここで、本発明において用いるバイポーラ 11及びカチオン交換膜12としては、従来公知 のものを適宜使用することができ、それぞれ 塩の分離、水解離に有効な膜を選択すればよ い。バイポーラ膜11としては、カチオン交換 層11Aとアニオン交換膜層11Bとを有し、水解 することができるものであればよい。また カチオン交換膜12としてはカチオンを透過 能なもので、スルホ基(-SO 3 H)のような酸性を示す官能基を含むものであ ば従来のいかなる膜でもよい。

 脱塩室13及び濃縮室14には、メッシュスペ ーサーを挿入するか、イオン交換体を充填す る。イオン交換体を充填した方が、より電圧 が低くなり、また濃度分極が緩和されるので 好ましい。このイオン交換体は、従来公知の ものでよく、イオン交換樹脂やイオン交換繊 維、又は任意の基材に放射線、電子線グラフ ト重合した後にイオン交換基を導入すること により製造したイオン交換体でよい。その中 では、安価なコストで入手可能なイオン交換 樹脂が好ましい。

 具体的には、脱塩室13にはカチオン交換 としてのカチオン交換樹脂15が充填されてい るのが好ましい。これにより電気透析装置2 電圧が低くて済み、しかも脱塩室13中のナト リウム(カチオン)の濃度分極が抑制されるの 、ナトリウムイオンをさらに効率的に除去 ることができる。また、濃縮室14には、イ ン交換体としてのアニオン交換樹脂が単独 充填されているのが好ましいが、本実施形 のようにアニオン交換樹脂とカチオン交換 脂との混合樹脂16が充填されていてもよい。

 このような構成につき、その作用につい 説明する。RCOONa水溶液貯槽1から流路3を経 して電気透析装置2の脱塩室13にRCOONa水溶液 通水する。

 このとき電気透析装置2には、所定の直流 電圧を印加し電流を流しているので、脱塩室 13内ではナトリウムイオンが陰極側に移動し カチオン交換膜12を通過して濃縮室14に排出 される。

 また、バイポーラ膜11内では下記式(1)の水 離が生じるが、脱塩室13ではバイポーラ膜11 カチオン交換膜層11A側が面しているので、 素イオンが脱塩室13内に供給される。
H 2 O → OH -  + H +  ・・・(1)

 対イオンであるクエン酸イオン(RCOO - )は陽極側へ移動するが、バイポーラ膜11の脱 塩室13側がカチオン交換膜層11Aであり、通過 ることができないため、脱塩室13内に残存 る。そして、この結果得られるクエン酸(RCOO H)水溶液が処理液としてクエン酸(RCOOH)水溶液 貯槽4に貯留される。

 このとき、図示しないナトリウムイオン ンサ等により処理液のナトリウムイオン濃 を測定し、脱塩室13で除去しきれなかった トリウムイオンを計測する。そして、例え 、図1中に破線で示すようにRCOOH水溶液貯槽4 らRCOONa水溶液貯槽1への流路を設けておくこ とで、残留ナトリウムイオン濃度が高い場合 には、RCOOH水溶液貯槽4からRCOONa水溶液貯槽1 処理液を環流して、所望とするナトリウム オンン濃度の処理液が得られるまで循環さ ればよい。

 また、流路3の脱塩室13の出口側にカチオ 交換樹脂等のカチオン除去機能を備えたイ ン交換器を設けて、処理水のポリッシング 行うことで、ナトリウムイオンの除去率を 上させてもよい。

 一方、濃縮室14には、ナトリウムイオン 収機構5により図示しない純水貯槽に貯留さ た純水を通水する。この濃縮室14には脱塩 13から排出されたナトリウムイオンが流入し てくる。

 また、バイポーラ膜11内では上記式(1)の 解離が生じ、濃縮室14には、バイポーラ膜11 アニオン交換膜層11B側が面しているので、 酸イオンが濃縮室14内に供給される。この 果、濃縮室14からは水酸化ナトリウム(NaOH)水 溶液が排出される。

 なお、図示しない陽極室は、陽極とバイポ ラ膜11とで区画されており、陽極室には、 ニオン交換膜層11Bが面しているので、水酸 物イオン(OH - )のみが陽極室内に供給されるが、この水酸 物イオンは、陽極で酸化されて酸素ガス(O 2 )として外部環境に排出される。

 一方、図示しない陰極室は、陰極とバイポ ラ膜11とで区画されており、陰極室側がカ オン交換膜層11Aであるので、水素イオン(H + )のみが供給されるが、この水素イオンは、 極で還元されて水素ガス(H 2 )として外部環境に排出される。

 上述したようなクエン酸ナトリウム水溶 からのナトリウムイオンの選択的除去方法 おいては、電気透析装置2において印加する 電圧及び電流を制御することにより、処理液 のpHを管理して、処理液としてのクエン酸(RCO OH)水溶液におけるクエン酸とナトリウムとの 比率を制御することが好ましい。電気透析装 置2で処理した処理液を図示しないpHセンサの データに基づき制御することで、所望の組成 のめっき液添加剤を得ることができる。

 さらに、本実施形態のように電気透析装 2の上流側に保護フィルタ7を設けるのが好 しい。これにより、電気透析装置2の誤動作 運転条件の変動、又は処理対象となるめっ 液添加剤の変更等によりpH等が急激に変動 、有機酸塩又は無機酸塩が酸性塩として析 したとしても、電気透析装置2にこれらの析 物が混入しないようになっている。この保 フィルタ7孔径は、0.45μm~100μmであるのが好 しく、特に0.2μm~50μmが好ましい。

 上述したような本実施形態のカチオン除 装置によれば、クエン酸ナトリウム水溶液 らナトリウムイオンだけを選択的に除去し 処理液を調製し、これをめっき液添加剤と てめっき浴に添加することができるので、 っき浴に当該添加剤に起因したカチオンが まるのを抑制することができ、めっき浴の 換頻度を減少させることができる。

 以上説明した実施形態は、本発明の理解 容易にするために記載されたものであって 本発明を限定するために記載されたもので ない。したがって、上記実施形態に開示さ た各要素は、本発明の技術的範囲に属する ての設計変更や均等物をも含む趣旨である

 例えば、上記実施形態においては、めっき 添加剤としてクエン酸ナトリウムの場合に いて説明してきたが、有機酸又は無機酸の であれば、同様に塩に由来するカチオンを 去できることはいうまでもなく、スルホン ナトリウム基(-SO 3 Na)を有するナトリウム塩や、次亜リン酸ナト リウム、水素化ホウ素ナトリウム、酒石酸ナ トリウム、又はこれらの酸基のカリウム塩等 を水溶液として同様に処理することができる 。

 また、電気透析装置2としては、図2及び 3に示すような構成のものに限らず、図4に示 すように一対のバイポーラ膜11間にアニオン 換膜12Aとカチオン交換膜12Bとを配置して3室 を1ユニットとする構成とし、中央を脱塩室13 、陽極側をアニオン濃縮室14A、陰極側をカチ オン濃縮室14Bとした構成としてもよい。この 場合には脱塩室13からは純水が、アニオン濃 室14Aからはクエン酸(RCOOH)水溶液が、カチオ ン濃縮室14Bからは水酸化ナトリウム(NaOH)水溶 液が排出されるので、アニオン濃縮室14Aの排 出水を処理液として利用すればよい。

 以下、実施例によって本発明を具体的に 明するが、本発明は、下記の各実施例に何 限定されるものではない。

〔実施例1〕
[1]電気透析装置
 電気透析装置2のイオン交換膜及びイオン交 換体として以下のものを用いた。
(1)カチオン交換膜12;ネオセプタ(登録商標)CMB( アストム社製)
(2)バイポーラ膜11;ネオセプタ(登録商標)BP-1E( ストム社製)
(3)脱塩室13に充填したカチオン交換樹脂;SK1B( 菱化学社製)
(4)濃縮室14に充填したカチオン交換樹脂;SK1B( 菱化学社製)

 実施例1で使用した電気透析機2の仕様は以 の通りである。
(1)脱塩室の室数:1室
(2)ナトリウムイオンの透過できるカチオン交 換膜12の総膜面積:1.7dm 2
(3)脱塩室:100mLのカチオン交換樹脂を充填

[2]試験条件及び結果
 図1及び図2に示す装置において、クエン酸 トリウム(RCOONa)水溶液の代わりにスルホン酸 ナトリウム水溶液(濃度5g/L)を用い、電気透析 機2の脱塩室13の入り口側ナトリウムイオン濃 度600ppm、印加する電流密度0.71A/dm 2 、LV(線速度)16m/hの条件で、8Lのスルホン酸ナ リウム水溶液を3時間循環させたときのナト リウムイオン濃度の変化を測定した。
 結果を図5に示す。

〔比較例1〕
[1]電気透析装置
 比較例1の電気透析機の仕様は以下の通りで ある。
(1)市販の電気透析機(アストム社製,商品名:ア シライザー,実施例1と同じカチオン交換膜と ニオン交換膜を交互に配置して濃縮室、脱 室、濃縮室のユニットを複数形成したもの)
(2)脱塩室の室数:10室
(3)ナトリウムイオンの透過できるカチオン交 換膜12の総膜面積:14.6dm 2
(4)脱塩室:イオン交換樹脂を充填せず

[2]試験条件及び結果
 上記電気透析機を用いて、実施例1と同様の 条件で8Lのスルホン酸ナトリウム水溶液(濃度 5g/L)を3時間循環させたときのナトリウムイオ ン濃度の変化を測定した。
 結果を図5にあわせて示す。

 図5から明らかなように、実施例1のめっ 液添加剤のカチオン除去装置では、約30分と 短時間でNa濃度を20ppm以下にすることができ のに対し、従来の電気透析機を用いた比較 1では、3時間処理した後であってもNa濃度を1 80ppm程度までしか低減できなかった。

 また、実施例1では100mLのカチオン交換樹 を用いているが、このカチオン交換樹脂の 論Na除去量は2meq/mLなので、理論上4.6gのナト リウムイオンしか除去できない。一方、実施 例1では8Lの溶液においてナトリウム濃度が600 ppmから20ppmにまで低減しており、計算上約4.8g のナトリウムを除去したことになる。これら のことから本実施例のめっき液添加剤のカチ オン除去装置では、脱塩室13に充填したカチ ン交換樹脂のイオン吸着量を超えて、カチ ンの除去が可能であることがわかる。

 本発明のめっき液添加剤のカチオン除去 置及びめっき液添加剤の処理方法は、例え 、プラズマディスプレイ用の銅箔製造ライ で使用する銅/コバルトめっき液等のめっき 浴の添加剤の処理に好適である。