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Title:
BASE-EQUIPPED INSULATING SHEET, MULTI-LAYER PRINTED CIRCUIT BOARD, SEMICONDUCTOR DEVICE, AND MULTI-LAYER PRINTED CIRCUIT BOARD MANUFACTURING METHOD
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123248
Kind Code:
A1
Abstract:
It is possible to provide a base-equipped insulating sheet in which the base can easily be peeled off from the insulating sheet without causing a crack or drop of the insulating layer when used for the insulating layer of the multi-layer printed circuit board. It is also possible to provide a multi-layer printed circuit board and a semiconductor device. The base-equipped insulating sheet is used to form an insulating layer of the multi-layer printed circuit board. An insulating layer is formed on the base by a resin component. The insulating layer is attached to an attachment surface with heat and pressure. After the insulating layer is heated and hardened, the base is peeled off from the insulating layer with a peeling-off intensity not greater than 0.2 kN/m. The insulating layer is peeled off from the base after heating and hardening. The insulation layer formed by the resin component is arranged on the base and the insulating layer is attached to the attachment surface while being heated by temperature of 60 to 160 degrees C and pressed with a pressure of 0.2 to 5 MPa for 0.5 to 15 minutes. At the temperature of 20 degrees C, the base can be peeled off from the insulating layer with a peeling-off intensity not greater than 0.05 kN/m.

Inventors:
KIMURA MICHIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055576
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
SUMITOMO BAKELITE CO (JP)
KIMURA MICHIO (JP)
International Classes:
H05K3/46
Foreign References:
JP2005286089A2005-10-13
JP2004249557A2004-09-09
JPH0623840A1994-02-01
JP2005263857A2005-09-29
JP2006274218A2006-10-12
JP2000223805A2000-08-11
Attorney, Agent or Firm:
KISHIMOTO, Tatsuhito et al. (3rd Floor Oak Building Kyobashi, 16-10, Kyobashi 1-chome, Chuou-k, Tokyo 31, JP)
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Claims:
 多層プリント配線板の絶縁層を形成するために用いられる基材付絶縁シートであって、
 樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設けられてなり、該絶縁層を被接着面に加熱加圧して接着し、且つ、上記絶縁層を加熱硬化させた後に、20℃において、上記絶縁層から上記基材を剥離する剥離強度が、0.2kN/m以下であり、絶縁層を加熱硬化後に基材から剥離して用いられるものであることを特徴とする基材付絶縁シート。
 上記絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2~5MPaで、0.5~15分間、加熱加圧することで、上記絶縁層を上記被接着面に接着し、且つ、140~240℃で30~120分間加熱することで、上記絶縁層を加熱硬化させた後に、上記絶縁層から上記基材を剥離する剥離強度が、0.2kN/m以下である、請求の範囲第1項に記載の基材付絶縁シート。
 上記基材は、剥離処理剤により剥離処理が施されたものである請求の範囲第1項または第2項に記載の基材付絶縁シート。
 上記剥離処理剤は、非シリコーン系の剥離処理剤である請求の範囲第3項に記載の基材付絶縁シート。
 上記剥離処理剤は、ウレタン結合を持つ化合物を含むものである請求の範囲第3項または第4項に記載の基材付絶縁シート。
 上記基材は、ポリエステル樹脂フィルムである請求の範囲第1項ないし第5項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記ポリエステル樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムである、請求の範囲第6項に記載の基材付絶縁シート。
 上記樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有するものである請求の範囲第1項ないし第7項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記樹脂組成物は、無機充填材を含有するものである請求の範囲第1項ないし第8項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記樹脂組成物は、イミダゾール化合物を含有するものである請求の範囲第1項ないし第9項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかに記載の基材付絶縁シートを、内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる多層プリント配線板。
 請求の範囲第11項に記載の多層プリント配線板をパッケージ用基板として用いてなる半導体装置。
 請求の範囲第1項ないし第10項のいずれかに記載の基材付絶縁シートと、内層回路板とを、該基材付絶縁シートの絶縁層を該内層回路板側にして重ね合わせ、上記樹脂組成物の硬化温度未満で加熱加圧し、多層プリント配線板前駆体を作製する工程と、
 上記多層プリント配線板前駆体を、上記樹脂組成物の硬化温度以上に加熱して上記絶縁層を硬化させた後、上記基材を剥離して多層プリント配線板を作製する工程と、
を備える、多層プリント配線板の作製方法。
 多層プリント配線板の絶縁層を形成するために用いられる基材付絶縁シートであって、
 樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設けられてなり、該絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2~5MPaで0.5~15分間、加熱加圧した時に、20℃において上記絶縁層から上記基材を剥離する剥離強度が、0.05kN/m以下であることを特徴とする基材付絶縁シート。
 上記基材は、剥離処理剤により剥離処理が施されたものである請求の範囲第14項に記載の基材付絶縁シート。
 上記剥離処理剤は、非シリコーン系の剥離処理剤である請求の範囲第15項に記載の基材付絶縁シート。
 上記剥離処理剤は、ウレタン結合を持つ化合物を含むものである請求の範囲第15項または第16項に記載の基材付絶縁シート。
 上記基材は、ポリエステル樹脂フィルムである請求の範囲第14項ないし第17項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記ポリエステル樹脂フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルムまたはポリエチレンナフタレートフィルムである、請求の範囲第18項に記載の基材付絶縁シート。
 上記樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有するものである請求の範囲第14項ないし第19項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記樹脂組成物は、無機充填材を含有するものである請求の範囲第14項ないし第20項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記樹脂組成物は、イミダゾール化合物を含有するものである請求の範囲第14項ないし第21項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 上記絶縁層を硬化させる前の上記剥離強度が0.05kN/m以下であり、絶縁層の硬化前に基材から剥離して用いられるものである、請求の範囲第14項ないし第22項のいずれかに記載の基材付絶縁シート。
 請求の範囲第14項ないし第23項のいずれかに記載の基材付絶縁シートを、内層回路板の片面または両面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる多層プリント配線板。
 請求の範囲第24項に記載の多層プリント配線板をパッケージ用基板として用いてなる半導体装置。
 請求の範囲第14項ないし第23項のいずれかに記載の基材付絶縁シートと、内層回路板とを、該基材付絶縁シートの絶縁層を該内層回路板側にして重ね合わせ、上記樹脂組成物の硬化温度未満で加熱加圧し、多層プリント配線板前駆体を作製する工程と、
 上記多層プリント配線板前駆体において、上記基材を上記絶縁層から剥離した後、上記樹脂組成物の硬化温度以上に加熱して上記絶縁層を硬化させ、多層プリント配線板を作製する工程と、
を備える、多層プリント配線板の作製方法。
Description:
基材付絶縁シート、多層プリン 配線板、半導体装置および多層プリント配 板の製造方法

 本発明は、基材付絶縁シート、多層プリ ト配線板、半導体装置および多層プリント 線板の製造方法に関するものである。

 近年、電子機器の高機能化等の要求に伴 、電子部品の高密度集積化、更には高密度 装化等が進んでおり、これらに使用される 密度実装対応のプリント配線板等は、従来 も増して、小型化かつ高密度化が進んでい 。このプリント配線板等の高密度化への対 として、ビルドアップ方式による多層プリ ト配線板が多く採用されている(例えば、特 許文献1参照。)。

 ビルドアップ方式による多層プリント配 板は、通常、樹脂組成物で構成される厚さ1 00μm以下の絶縁シートと導体回路層とを積層 形して製造される。また、導体回路層間の 続方法としては、従来のドリル加工に代わ て、レーザー法、フォト法等の加工により ビアホールの形成し、金属メッキ処理等に り絶縁層間の導通を図る等の方法が挙げら る。これらの方法は、小径のビアホールを 由に配置することで高密度化を達成するも であり、各々の方法に対応した各種ビルド ップ用層間絶縁材料が提案されている。

 これらのビルドアップ方式用の基材付絶 シートは、導体回路層に加熱圧着し、絶縁 を半硬化させる前または半硬化させた後ま は硬化させた後、ビアホール形成の前に基 を絶縁シートから剥離することになるが、 縁シートと基材との密着力が強すぎると、 離のプロセスが困難になる上、絶縁層のひ 割れや脱落などを引き起こすという問題が った。特に、基材を剥離せずに絶縁層の硬 を行い、その後に基材を剥離する場合、絶 層の硬化が均一に進み、絶縁層の平坦性が 上するというメリットがあるが、硬化時の 熱により、絶縁シートと基材との密着力が くなりすぎ、剥離のプロセスが困難になる 、絶縁層のひび割れや基材の付着残りなど 引き起こすという問題があった。

特開平07-106767号公報

 本発明は、多層プリント配線板の絶縁層 用いた場合に、作業性が良く、信頼性の高 多層プリント配線板を製造することができ 基材付絶縁シート、多層プリント配線板、 導体装置および多層プリント配線板の製造 法を提供するものである。

 このような目的は、下記の本発明[1]~[26]に り達成される。
 [1]多層プリント配線板の絶縁層を形成する めに用いられる基材付絶縁シートであって 樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設け れてなり、該絶縁層を被接着面に加熱加圧 て接着し、且つ、上記絶縁層を加熱硬化さ た後に、20℃において、上記絶縁層から上 基材を剥離する剥離強度が、0.2kN/m以下であ 、絶縁層を加熱硬化後に基材から剥離して いられるものであることを特徴とする基材 絶縁シート。
 [2]上記絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2~5MPa 、0.5~15分間、加熱加圧することで、上記絶 層を上記被接着面に接着し、且つ、140~240℃ 30~120分間加熱することで、上記絶縁層を加 硬化させた後に、上記絶縁層から上記基材 剥離する剥離強度が、0.2kN/m以下である、[1] 項に記載の基材付絶縁シート。
 [3]上記基材は、剥離処理剤により剥離処理 施されたものである[1]または[2]項に記載の 材付絶縁シート。
 [4]上記剥離処理剤は、非シリコーン系の剥 処理剤である[3]項に記載の基材付絶縁シー 。
 [5]上記剥離処理剤は、ウレタン結合を持つ 合物を含むものである[3]または[4]項に記載 基材付絶縁シート。
 [6]上記基材は、ポリエステル樹脂フィルム ある[1]から[5]項のいずれかに記載の基材付 縁シート。
 [7]上記ポリエステル樹脂フィルムは、ポリ チレンテレフタレートフィルムまたはポリ チレンナフタレートフィルムである、[6]項 記載の基材付絶縁シート。
 [8]上記樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有 るものである[1]から[7]項のいずれかに記載 基材付絶縁シート。
 [9]上記樹脂組成物は、無機充填材を含有す ものである[1]から[8]項のいずれかに記載の 材付絶縁シート。
 [10]上記樹脂組成物は、イミダゾール化合物 を含有するものである[1]から[9]項のいずれか に記載の基材付絶縁シート。

 [11] [1]から[10]項のいずれかに記載の基材 付絶縁シートを、内層回路板の片面または両 面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる多層 プリント配線板。

 [12] [11]項に記載の多層プリント配線板を パッケージ用基板として用いてなる半導体装 置。

 [13] [1]から[10]項のいずれかに記載の基材付 絶縁シートと、内層回路板とを、該基材付絶 縁シートの絶縁層を該内層回路板側にして重 ね合わせ、上記樹脂組成物の硬化温度未満で 加熱加圧し、多層プリント配線板前駆体を作 製する工程と、上記多層プリント配線板前駆 体を、上記樹脂組成物の硬化温度以上に加熱 して上記絶縁層を硬化させた後、上記基材を 剥離して多層プリント配線板を作製する工程 と、を備える、多層プリント配線板の作製方 法。
 [14]多層プリント配線板の絶縁層を形成する ために用いられる基材付絶縁シートであって 、樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設け られてなり、該絶縁層を被接着面に60~160℃、 0.2~5MPaで0.5~15分間、加熱加圧した時に、20℃ おいて、上記絶縁層から上記基材を剥離す 剥離強度が、0.05kN/m以下であることを特徴と する基材付絶縁シート。
 [15]上記基材は、剥離処理剤により剥離処理 が施されたものである[14]項に記載の基材付 縁シート。
 [16]上記剥離処理剤は、非シリコーン系の剥 離処理剤である[15]項に記載の基材付絶縁シ ト。
 [17]上記剥離処理剤は、ウレタン結合を持つ 化合物を含むものである[15]または[16]項に記 の基材付絶縁シート。
 [18]上記基材は、ポリエステル樹脂フィルム である[14]ないし[17]項のいずれかに記載の基 付絶縁シート。
 [19]上記ポリエステル樹脂フィルムは、ポリ エチレンテレフタレートフィルムまたはポリ エチレンナフタレートフィルムである、[18] に記載の基材付絶縁シート。
 [20]上記樹脂組成物は、エポキシ樹脂を含有 するものである[14]ないし[19]項のいずれかに 載の基材付絶縁シート。
 [21]上記樹脂組成物は、無機充填材を含有す るものである[14]ないし[20]項のいずれかに記 の基材付絶縁シート。
 [22]上記樹脂組成物は、イミダゾール化合物 を含有するものである[14]ないし[21]項のいず かに記載の基材付絶縁シート。
 [23]上記絶縁層を硬化させる前の上記剥離強 度が0.05kN/m以下であり、絶縁層の硬化前に基 から剥離して用いられるものである[14]ない し[22]項のいずれかに記載の基材付絶縁シー 。

 [24] [14]から[23]項のいずれかに記載の基 付絶縁シートを、内層回路板の片面または 面に重ね合わせて加熱加圧成形してなる多 プリント配線板。

 [25] [24]項に記載の多層プリント配線板を パッケージ用基板として用いてなる半導体装 置。

 [26] [14]から[23]項のいずれかに記載の基 付絶縁シートと、内層回路板とを、該基材 絶縁シートの絶縁層を該内層回路板側にし 重ね合わせ、上記樹脂組成物の硬化温度未 で加熱加圧し、多層プリント配線板前駆体 作製する工程と、上記多層プリント配線板 駆体において、上記基材を上記絶縁層から 離した後、上記樹脂組成物の硬化温度以上 加熱して上記絶縁層を硬化させ、多層プリ ト配線板を作製する工程と、を備える、多 プリント配線板の作製方法。

 本発明は、多層プリント配線板の絶縁層を 成するために用いられる基材付絶縁シート あって、樹脂組成物からなる絶縁層が基材 に設けられてなり、該絶縁層を被接着面に 熱加圧して接着し、且つ、上記絶縁層を加 硬化させた後に、上記絶縁層から上記基材 剥離する剥離強度が、0.2kN/m以下であり、絶 縁層を加熱硬化後に基材から剥離して用いら れるものであることを特徴とする基材付絶縁 シート、並びに、多層プリント配線板の絶縁 層を形成するために用いられる基材付絶縁シ ートであって、樹脂組成物からなる絶縁層が 基材上に設けられてなり、該絶縁層を被接着 面に60~160℃、0.2~5MPaで0.5~15分間、加熱加圧し 時に、20℃において、上記絶縁層から上記 材を剥離する剥離強度が、0.05kN/m以下である ことを特徴とする基材付絶縁シートを提供す るものである。
 本発明の基材付絶縁シートを多層プリント 線板の絶縁層に用いることにより、作業性 良く、不具合を起こすことなく、高密度で 細な回路形成が可能な多層プリント配線板 製造することができる。また特に、システ ・イン・パッケージ(SiP)等に用いられるパ ケージ基板と呼ばれる基板に好適に用いる とができる。パッケージ基板は、プリント 線板と半導体素子との間で、プリント配線 と半導体素子との信号伝達の仲介役として くため、高密度な微細回路形成が要求され が、本発明の基材付絶縁シートを用いるこ でパッケージ基板に要求される高密度な微 回路形成が可能となる。さらに本発明の基 付絶縁シートを用い製造されたパッケージ 板に半導体素子を搭載してなる半導体装置 信頼性に優れる。

 以下に、本発明の基材付絶縁シート、多層 リント配線板及び半導体装置について詳細 説明する。
 本発明の第1の基材付絶縁シートは、多層プ リント配線板の絶縁層を形成するために用い られる基材付絶縁シートであって、樹脂組成 物からなる絶縁層が基材上に設けられてなり 、該絶縁層を被接着面に加熱加圧して接着し 、且つ、上記絶縁層を加熱硬化させた後に、 20℃において、上記絶縁層から上記基材を剥 する剥離強度が、0.2kN/m以下であり、絶縁層 を加熱硬化後に基材から剥離して用いられる ものであることを特徴とするものである。

 また、本発明の第1の多層プリント配線板は 、上記本発明の第1の基材付絶縁シートを、 層回路板の片面または両面に重ね合わせて 熱加圧成形してなるものである。
 さらに、本発明の第1の半導体装置は、上記 本発明の第1の多層プリント配線板をシステ ・イン・パッケージ等の半導体装置を構成 るパッケージ用基板として好適に使用する とができるものであり、該パッケージ用基 に半導体素子を実装してなる半導体装置は 頼性に優れる。
 また、本発明の第1の多層プリント配線板の 製造方法は、上記本発明の第1の基材付絶縁 ートと、内層回路板とを、該基材付絶縁シ トの絶縁層を該内層回路板側にして重ね合 せ、上記樹脂組成物の硬化温度未満で加熱 圧し、多層プリント配線板前駆体を作製す 工程と、上記多層プリント配線板前駆体を 上記樹脂組成物の硬化温度以上に加熱して 記絶縁層を硬化させた後、上記基材を剥離 て多層プリント配線板を作製する工程と、 備えるものである。

 本発明の第2の基材付絶縁シートは、多層 プリント配線板の絶縁層を形成するために用 いられる基材付絶縁シートであって、樹脂組 成物からなる絶縁層が基材上に設けられてな り、該絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2~5MPaで0 .5~15分間、加熱加圧した時に、20℃において 上記絶縁層から上記基材を剥離する剥離強 が、0.05kN/m以下であることを特徴とするもの である。

 また、本発明の第2の多層プリント配線板は 、上記本発明の第2の基材付絶縁シートを、 層回路板の片面または両面に重ね合わせて 熱加圧成形してなるものである。
 さらに、本発明の第2の半導体装置は、上記 本発明の第2の多層プリント配線板をシステ ・イン・パッケージ等の半導体装置を構成 るパッケージ用基板として好適に使用する とができるものであり、該パッケージ用基 に半導体素子を実装してなる半導体装置は 頼性に優れる。
 また、本発明の第2の多層プリント配線板の 製造方法は、上記本発明の第2の基材付絶縁 ートと、内層回路板とを、該基材付絶縁シ トの絶縁層を該内層回路板側にして重ね合 せ、上記樹脂組成物の硬化温度未満で加熱 圧し、多層プリント配線板前駆体を作製す 工程と、上記多層プリント配線板前駆体に いて、上記基材を上記絶縁層から剥離した 、上記樹脂組成物の硬化温度以上に加熱し 上記絶縁層を硬化させ、多層プリント配線 を作製する工程と、を備えるものである。

 まず、本発明の基材付絶縁シートについて 明する。
 本発明の基材付絶縁シートは、基材上に樹 組成物よりなる絶縁層を形成することで得 れる。なお本発明に用いる「基材」とは金 箔または樹脂フィルムを意味し、後に具体 を挙げて説明する。
 また、本発明において、剥離強度の測定は 例えば、精密万能試験機(オートグラフAG-IS 島津製作所製)を用い測定することができる 。剥離強度は、20℃において、幅1cmの基材の を一部引き剥がして、その先端をつかみ具 つかみ、引っ張り方向が被接着面に接着し 絶縁層に対して垂直になる方向に、5mm/minの 速さで連続的に30mm剥がしたときの平均値(n=2 上)とした。
 また、本発明において、被接着面とは、基 付絶縁シートの絶縁層と接着させる面であ 、絶縁層と基材とを剥離する際に、絶縁層 剥離しない剥離強度で該絶縁層を接着する 被接着面を提供するものとしては、多層プ ント配線板を構成する内層回路板の他、特 限定されず用いることができる。絶縁層と 材の剥離強度を測定するために、上記条件 満たす被接着面を提供する試験用ピース基 を用いることもできる。

 本発明の第1の基材付絶縁シートは、多層 プリント配線板の絶縁層を形成するために用 いられる基材付絶縁シートであって、樹脂組 成物からなる絶縁層が基材上に設けられてな り、該絶縁層を被接着面に加熱加圧して接着 し、且つ、上記絶縁層を加熱硬化させた後に 、20℃において、上記絶縁層から上記基材を 離する剥離強度が、0.2kN/m以下であり、絶縁 層を加熱硬化後に基材から剥離して用いられ るものであることを特徴とするものである。

 樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設け れてなる基材付絶縁シートにおいて、該絶 層を被接着面に加熱加圧して接着し、且つ 上記絶縁層を加熱硬化させた後、該絶縁層 ら基材を剥離する場合、上記剥離強度が上 上限値(0.2kN/m)を超えると、多層プリント配 板製造時において、基材と絶縁層とを剥離 ることが非常に困難で、基材を絶縁層から 離することができない場合や、剥離の際に 縁層にひび割れが発生する場合がある。
 これに対して本発明の第1の基材付絶縁シー トは、該絶縁層を被接着面に加熱加圧して接 着し、且つ、上記絶縁層を加熱硬化させた後 においても、絶縁層から基材を無理なく剥離 することができるため、作業性に優れると共 に、絶縁層のひび割れや脱落などが生じにく い。すなわち、表面平滑性の高い絶縁層を提 供することができる。ゆえに、本発明により 提供される絶縁層の表面には、微細な配線回 路を精度よく形成することができ、また、後 述の粗化処理工程においてその表面に微細な 凹凸形状を高い均一性で多数形成することが できる。

 本発明の第1の基材付絶縁シートにおいて、 上記剥離強度は、0.001~0.1kN/mの範囲であるこ が好ましく、0.005~0.05kN/mの範囲であることが 最も好ましい。上記剥離強度が上記下限値未 満であると、基材と絶縁層との密着力が弱く 、例えば、多層プリント配線板製造時におい て、内層回路基板に基材付絶縁シートを積層 後、加熱硬化を行う前に、基材が剥離して、 絶縁層の表面に異物が付着し、不具合が生じ る場合がある。
 本発明の第1の基材付絶縁シートにおいて、 絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2~5MPaで0.5~15分 、加熱加圧した後であって、絶縁層の加熱 化前における、絶縁層と基材との剥離強度 、0.001~0.05kN/mの範囲、特に0.005~0.03kN/mの範囲 であることが好ましい。

 本発明の第1の基材付絶縁シートにおいて、 絶縁層を被接着面に加圧加熱して接着させる 条件は特に限定されないが、加熱温度60~160℃ 、加圧0.2~5MPaで、0.5~15分間保持することが好 しく、特に加熱温度80~120℃、加圧1~3MPaで、1 ~5分間保持することが好ましい。
 また、絶縁層を加熱硬化させる硬化温度条 は、特に限定されないが、140℃~240℃で絶縁 層を硬化させることが好ましく、更に好まし くは150℃~200℃、最も好ましくは160℃~180℃で る。加熱時間は、特に限定されないが、30~1 20分間が好ましく、特に、45~90分間が好まし 。

 一方、本発明の第2の基材付絶縁シートは 、多層プリント配線板の絶縁層を形成するた めに用いられる基材付絶縁シートであって、 樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設けら れてなり、該絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2 ~5MPaで0.5~15分間、加熱加圧した時に、20℃に いて、上記絶縁層から上記基材を剥離する 離強度が、0.05kN/m以下であることを特徴とす るものである。第2の基材付絶縁シートは、 型的には、絶縁層の硬化前において、上記 離強度が0.05kN/m以下であり、絶縁層を硬化前 に基材から剥離して用いられるものである。

 樹脂組成物からなる絶縁層が基材上に設け れてなる基材付絶縁シートにおいて、絶縁 を被接着面に60~160℃、0.2~5MPaで0.5~15分間、 熱加圧した時の上記剥離強度、特に、硬化 の絶縁層から基材を剥離する剥離強度が、 記上限値(0.05kN/m)を超えると、多層プリント 線板製造時において、基材と絶縁層とを剥 することが非常に困難で、基材を絶縁層か 剥離することができない場合や、剥離の際 絶縁層にひび割れが発生する場合がある。
 これに対して本発明の第2の基材付絶縁シー トは、絶縁層を被接着面に60~160℃、0.2~5MPaで0 .5~15分間、加熱加圧した後、絶縁層から基材 無理なく剥離することができるため、作業 に優れると共に、絶縁層のひび割れや脱落 どが生じにくい。すなわち、表面平滑性の い絶縁層を提供することができる。ゆえに 本発明により提供される絶縁層の表面には 微細な配線回路を精度よく形成することが き、また、後述の粗化処理工程においてそ 表面に微細な凹凸形状を高い均一性で多数 成することができる。

 本発明の第2の基材付絶縁シートにおいて、 上記剥離強度は、0.001~0.03kN/mの範囲であるこ が好ましく、0.005~0.02kN/mの範囲であること 最も好ましい。また、第2の基材付絶縁シー は、絶縁層と被接触面との加熱加圧条件が 80~120℃、1~3MPaで1~5分間の場合でも、上記剥 強度が上記範囲内であることが好ましい。
 剥離強度が上記下限値未満であると、基材 絶縁層との密着力が弱く、例えば、多層プ ント配線板製造時において、内層回路基板 基材付絶縁シートを積層後、絶縁層の加熱 化前に、基材が剥離して、絶縁層の表面に 物が付着し、不具合が生じる場合がある。 た、剥離強度が上記下限値未満であると、 材付絶縁シートの保管時などに基材が以前 離し、取り扱い性の低下や絶縁層の表面に 物が付着するという問題が生じ易い。

 以下、本発明の第1及び第2の基材付絶縁シ トを構成する基材及び絶縁層について説明 ていく。
 本発明の基材付絶縁シートに用いる基材は 剥離処理剤により剥離処理が施されている とが好ましい。剥離処理が施されていない 合、絶縁層を構成する樹脂組成物によって 、基材と絶縁層との剥離強度が大きくなり ぎる場合があり、基材を絶縁層から剥離す ことができないことや、剥離の際に絶縁層 ひび割れが発生することがある。

 上記剥離処理剤は、特に限定されないが 例えば、非シリコーン系の剥離処理剤を好 に用いることができる。非シリコーン系の 離処理剤は剥離強度が大きくなりすぎるこ が無く、また小さくなりすぎることもない め好適である。非シリコーン系の剥離処理 としては熱硬化型ポリエステル樹脂、アミ アルキレッド樹脂、ウレタン系樹脂等が挙 られる。

 中でも、非シリコーン系の剥離処理剤と て、ウレタン結合を持つ化合物を含むこと 好ましい。ウレタン結合を持つ化合物は絶 シートの成分と反応して不具合を起こすこ がなく、時間の経過による密着力の変化が さい。ウレタン結合を持つ化合物としては チレン/ビニルアルコール共重合体とアルキ ルイソシアネートの反応生成物やエチレンオ キシド付加ポリエチレンイミンとアルキルイ ソシアネートの反応生成物等が挙げられる。

 基材を上記剥離処理剤で剥離処理する方法 しては、特に限定されないが、例えば、剥 処理剤を適当な有機溶媒に溶解または分散 せた塗工液を調製し、該塗工液をロールコ ター、キスコーター、グラビアコーター、 ロットダイコーター、スクイズコーターな の適宜の塗工手段で、剥離処理すべき面に 工し乾燥する方法が挙げられる。
 剥離処理層の処理量は、特に制限されない 、例えば、0.01~5g/m 2 、好ましくは0.1~2g/m 2 の範囲である。この範囲であれば、剥離処理 層を均一に形成しやすく、またべたつきも防 止でき、取扱いが容易である。

 本発明の基材付絶縁シートに用いられる基 は、特に限定されないが、例えば、ポリエ テル樹脂、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂 どの耐熱性を有した熱可塑性樹脂フィルム あるいは、銅及び/又は銅系合金、アルミ及 び/又はアルミ系合金、鉄及び/又は鉄系合金 銀及び/又は銀系合金等の金属箔などを用い ることが出来る。これらの中でもポリエステ ル樹脂フィルムが最も好ましい。ポリエステ ル樹脂は強度や耐熱性が高く、吸湿性が少な いなど、絶縁シートの基材として適した特性 を持つ。ポリエステル樹脂フィルムとしては ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレン テレフタレート、ポリトリメチレンテレフタ レート、ポリエチレンナフタレート、ポリブ チレンナフタレート等が挙げられる。
 上記基材の厚みは、特に限定されないが、1 0~70μmのものを用いると、基材付絶縁シート 製造する際の取扱い性が良好であり好まし 。
 なお、本発明の基材付絶縁シートを製造す にあたっては、絶縁シートと接合される側 絶縁基材表面の凹凸は極力小さいものであ ことが好ましい。これにより、本発明の作 を効果的に発現させることができる。

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形 する樹脂組成物は、エポキシ樹脂を1種以上 含有することが好ましい。これにより、耐熱 性、熱分解性を付与することができるととも に、基材付絶縁シートを製造する時の製膜性 や、多層プリント配線板製造時に内層回路基 板への密着性を向上させることができる。

 上記エポキシ樹脂は、特に限定されない 、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂 、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフ ノールS型エポキシ樹脂、フェノールノボラ ク型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノ ラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポ シ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシ ロペンタジエン型エポキシ樹脂、フェノー 類とフェノール性水酸基を有する芳香族ア デヒドとの縮合物のエポキシ化物、トリグ シジルイソシアヌレート、脂環式エポキシ 脂など公知慣用のものを、単独あるいは2種 以上組み合わせて使用することができる。ま た、反応性希釈剤としての単官能エポキシ樹 脂を含有していてもよい。これらの中でも特 にフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ア ルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂 、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型 エポキシ樹脂が好ましい。これにより、難燃 性、吸湿半田耐熱性を向上させることができ る。

 上記エポキシ樹脂の含有量としては、特に 定されないが、樹脂組成物全体に対して5~80 重量%であることが好ましい。さらに好まし は10~60重量%である。
 エポキシ樹脂の含有量が上記下限値未満で ると、吸湿半田耐熱性、密着性を向上させ 効果が小さい場合がある。また、上記上限 を超えると、分散性が悪くなることがある め好ましくない。エポキシ樹脂の含有量を 記範囲内とすることにより、これらの特性 バランスに優れたものとすることができる

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形 する樹脂組成物は、一種類以上の無機充填 を含有することが好ましい。無機充填材と ては、特に限定されないが、例えば、シリ 、タルク、アルミナ、ガラス、マイカ、水 化アルミニウム等があげられる。無機充填 としては、これらの中の1種類を単独で用い ることもできるし、2種類以上を併用したり ることもできる。中でもシリカが好ましい さらに好ましくは溶融シリカである。溶融 リカは他の無機充填材と比較して低膨張性 優れている。シリカの形状としては例えば 破砕状、球状などがあるが、球状であるも が好ましい。球状であると樹脂組成物中に ける無機充填材含有量を多くすることがで 、その場合でも流動性に優れている。また 必要に応じて他の無機充填材も含有させる とができる。

 上記無機充填材の含有量は特に限定され いが、樹脂組成物中に20重量%以上80重量%以 の割合であることが好ましい。さらに好ま い含有量は、25重量%以上70重量%以下であり 最も好ましくは30重量%以上60重量%以下であ 。無機充填材含有量が上記上限値を超える 樹脂組成物の流動性が極めて悪くなるため ましくない場合があり、上記下限値未満で ると樹脂組成物からなる絶縁層の強度が十 でなく、好ましくない場合がある。

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形成 る樹脂組成物は、硬化促進剤としてイミダ ール化合物を含有することが好ましい。さ に好ましくは、樹脂組成物に含有される樹 成分と相溶性のあるイミダゾール化合物で る。このようなイミダゾール化合物を用い ことにより、エポキシ樹脂の反応を効果的 促進させることができ、また、イミダゾー 化合物の配合量を少なくしても同等の特性 付与することができる。
 さらに、このようなイミダゾール化合物を いた樹脂組成物は、樹脂成分との間で微小 マトリックス単位から高い均一性で硬化さ ることができる。これにより、多層プリン 配線板に形成された樹脂層の絶縁性、耐熱 を高めることができる。

 上記イミダゾール化合物としては、特に 定されないが、例えば、1‐ベンジル‐2‐ チルイミダゾール、1‐ベンジル‐2-フェニ イミダゾール、2-フェニル-4-メチルイミダゾ ール、2‐エチル‐4‐メチルイミダゾール、2 ,4‐ジアミノ‐6‐[2'‐メチルイミダゾリル‐ (1')]‐エチル‐s‐トリアジン、2,4‐ジアミノ ‐6‐(2'‐ウンデシルイミダゾリル)‐エチル s‐トリアジン、2,4‐ジアミノ‐6‐[2'‐エ ル‐4‐メチルイミダゾリル‐(1')]‐エチル s‐トリアジン等を挙げることができる。

 これらの中でも、1‐ベンジル‐2‐メチ イミダゾール、1‐ベンジル‐2‐フェニルイ ミダゾール、及び、2‐エチル‐4‐メチルイ ダゾールから選ばれるイミダゾール化合物 あることが好ましい。これらのイミダゾー 化合物は、特に優れた相溶性を有すること 、均一性の高い硬化物が得られるとともに 絶縁層表面に微細かつ均一な粗化面を形成 ることができるので、絶縁層表面に微細な 体回路を容易に形成することができるとと に、多層プリント配線板に高い耐熱性を発 させることができる。イミダゾール化合物 含有量としては特に限定されないが、絶縁 中の樹脂成分の合計に対して、0.01~5重量%が 好ましく、特に0.05~3重量%が好ましい。これ より、特に耐熱性を向上させることができ 。

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形成 る樹脂組成物は、必要に応じてフェノキシ 脂を含有することができる。フェノキシ樹 は、分子量が1.0×10 4 以上の高分子量エポキシ樹脂であり、エポキ シ樹脂と構造が似ているため相溶性が良く、 また接着性も良好な特徴を有する。分子量が 大きいほどフィルム形成性が容易に得られ、 また接着時の流動性に影響する溶融粘度を広 範囲に設定できる。分子量は1.0×10 4 ~7.0×10 4 の範囲のものが好ましい。分子量が上限値を 超えると溶剤への溶解性が悪くなり、樹脂ワ ニスの調製が困難になるため好ましくない。
 フェノキシ樹脂の含有量としては特に限定 れないが、樹脂組成物全体の1~40重量%であ ことが好ましい。さらに好ましくは5~30重量% である。これにより、製膜性が良く、外観上 も均一な絶縁シートを得ることができる。

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形 する樹脂組成物は、必要に応じてシアネー 樹脂及び/又はそのプレポリマーを含有する ことができる。これらの成分は、樹脂組成物 の難燃性を向上させるのに有効である。シア ネート樹脂及び/又はそのプレポリマーの入 方法としては特に限定されないが、例えば ハロゲン化シアン化合物とフェノール類と 反応させ、必要に応じて加熱等の方法でプ ポリマー化することにより得ることができ 。また、このようにして調製された市販品 用いることもできる。

 上記シアネート樹脂及び/又はそのプレポリ マーは、特に限定されないが、例えば、ノボ ラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネ ト樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シ アネート樹脂等のビスフェノール型シアネー ト樹脂などを挙げることができる。
 本発明の基材付絶縁シートにおいて、上記 アネート樹脂の含有量は特に限定されない 、樹脂組成物全体に対して5~50重量%である とが好ましい。さらに好ましくは10~40重量% ある。これにより、シアネート樹脂が有す 耐熱性、難燃性をより効果的に発現させる とができる。

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形 する樹脂組成物は、必要に応じてフェノー 系硬化剤を含有することができる。フェノ ル系硬化剤としては、特に限定されないが 例えばフェノールノボラック樹脂、アルキ フェノールノボラック樹脂、ビスフェノー Aノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン型 フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹 脂、ポリビニルフェノール類など公知慣用の ものを、単独あるいは2種以上組み合わせて 用することができる。フェノール系硬化剤 使用すれば難燃性、接着性が向上する。

 本発明の基材付絶縁シートの絶縁層を形 する樹脂組成物は、以上に説明した成分の か、必要に応じて、イミダゾール系、チア ール系、トリアゾール系、シランカップリ グ剤等の密着性付与剤、シリコーン系、フ 素系、高分子系の消泡剤及び/又はレベリン グ剤、酸化チタン、カーボンブラック等の着 色剤といった添加剤を含有することができる 。

 ここで、樹脂組成物からなる絶縁層を基材 に形成する方法としては特に限定されない 、例えば、樹脂組成物を溶剤などに溶解・ 散させて樹脂ワニスを調製して、各種コー ー装置を用いて樹脂ワニスを基材に塗工し 後、これを乾燥する方法、樹脂ワニスをス レー装置により基材に噴霧塗工した後、こ を乾燥する方法、などが挙げられる。
 樹脂ワニスを調製する方法としては、例え 、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、 速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せ 断分散方式、および自転公転式分散方式な の各種混合機を用いて、樹脂組成物と溶剤 混合、攪拌する方法が挙げられる。また、 記コーター装置は、特に限定されないが、 えば、ロールコーター、バーコーター、ナ フコーター、グラビアコーター、ダイコー ー、コンマコーターおよびカーテンコータ などを用いることができる。中でも、ダイ ーター、ナイフコーター、およびコンマコ ターを用いることが好ましい。これにより ボイドがなく、均一な絶縁樹脂層の厚みを する基材付絶縁シートを効率よく製造する とができる。

 上記樹脂ワニスの調製に用いられる溶剤と ては特に限定されないが、例えば、アルコ ル類、エーテル類、アセタール類、ケトン 、エステル類、アルコールエステル類、ケ ンアルコール類、エーテルアルコール類、 トンエーテル類、ケトンエステル類、及び エステルエーテル類などを用いることがで る。
 上記樹脂ワニス中の固形分含有量としては に限定されないが、30~80重量%が好ましく、 に40~70重量%が好ましい。

 本発明の基材付絶縁シートにおいて、樹 組成物から構成される絶縁層の厚さとして 特に限定されないが、10~100μmであることが ましい。さらに好ましくは20~80μmである。 れにより、この基材付絶縁シートを用いて 層プリント配線板を製造する際に、内層回 の凹凸を充填して成形することができると もに、好適な絶縁層厚みを確保することが きる。また、基材付絶縁シートにおいては 絶縁層の割れ発生を抑え、裁断時の粉落ち 少なくすることができる。

 次に、本発明の基材付絶縁シートを用いた 層プリント配線板について説明する。
 上記多層プリント配線板は、上記基材付絶 シートを内層回路板の片面又は両面に重ね わせて加熱加圧成形してなるものである。

 具体的には、上記本発明の第1または第2の 材付絶縁シートの絶縁層側と内層回路板と 合わせて、真空加圧式ラミネーター装置な を用いて真空加熱加圧成形させ、その後、 風乾燥装置等で絶縁層を加熱硬化させるこ により多層プリント配線板を得ることがで る。
 ここで加熱加圧成形する条件としては特に 定されないが、一例を挙げると、温度60~160 、圧力0.2~5MPaで実施することができる。こ とき、加熱加圧保持時間としては、例えば 0.5~15分間程度でよい。また、絶縁層を加熱 化させる条件としては特に限定されないが 一例を挙げると、温度140~240℃、時間30~120分 で実施することができる。
 尚、上記のように、多層プリント配線板の 造工程において、基材付絶縁シートと内層 路板とを真空加熱加圧成形した後、絶縁層 加熱硬化する場合、第2の基材付絶縁シート を用いる場合には、典型的には、真空加熱加 圧成形後であって、絶縁層の加熱硬化前に、 絶縁層から基材を剥離することになる。

 あるいは、上記本発明の第1または第2の 材付絶縁シート(第2の基材付絶縁シートを用 いる場合には、典型的には、基材付絶縁シー トから基材を剥離したもの)の絶縁層側を内 回路板に重ね合わせ、これを平板プレス装 などを用いて加熱加圧成形することにより 絶縁層を硬化させ、多層プリント配線板を ることができる。ここで加熱加圧成形する 件としては特に限定されないが、一例を挙 ると、温度140~240℃、圧力1~4MPaで実施するこ ができる。

 上記多層プリント配線板を得る際に用い れる内層回路板は、例えば、銅張積層板の 面に、エッチング等により所定の導体回路 形成し、導体回路部分を黒化処理したもの 好適に用いることができる。

 上記で得られた多層プリント配線板は、 らに、絶縁層の硬化前又は硬化後、基材を 離除去して、絶縁樹脂層表面を過マンガン 塩、重クロム酸塩等の酸化剤などにより粗 処理した後、金属メッキにより新たな導電 線回路を形成することができる。本発明の 材付絶縁シートから形成された絶縁樹脂層 、上記粗化処理工程において、その表面に 細な凹凸形状を高い均一性で多数形成する とができ、また、絶縁樹脂層表面の平滑性 高いため、微細な配線回路を精度よく形成 ることができるものである。

 次に、本発明の多層プリント配線板をパッ ージ用基板として用いた半導体装置につい 説明する。
 上記半導体装置は、上記にて得られた多層 リント配線板に配線回路を形成したパッケ ジ用基板に半導体チップを実装し、封止樹 によって封止することによって製造する。 導体チップの実装方法、封止方法は特に限 されない。例えば、半導体素子とパッケー 用基板とを用い、フリップチップボンダー どを用いて基板上の接続用電極部と半導体 子の金属バンプの位置合わせを行ったあと IRリフロー装置、熱板、その他加熱装置を いて半田バンプを融点以上に加熱し、基板 の多層プリント配線板と半田バンプとを溶 接合することにより接続し、基板と半導体 子との間に液状封止樹脂を充填し、硬化さ ることで半導体装置を得ることができる。
 本発明の多層プリント配線板は、製造時、 細配線加工が容易なためパッケージ用基板 して使用することにより、実装信頼性に優 、且つ熱衝撃性に優れた半導体装置を製造 ることができる。

 以下、本発明を実施例および比較例により 細に説明する。
 実施例及び比較例において用いた原材料は 下の通りである。
(1)剥離処理剤A/非シリコーン系剥離処理剤:一 方社油脂工業株式会社製・「ピーロイル1050
(2)剥離処理剤B/シリコーン系剥離処理剤:信越 化学工業株式会社製・「KS-776A」
(3)無機充填材/アドマテックス社製・「SO-25H 、平均粒子径0.5μm
(4)エポキシ樹脂A/ビフェニルジメチレン型エ キシ樹脂:日本化薬株式会社製・「NC-3000」 エポキシ当量275、重量平均分子量1000
(5)エポキシ樹脂B/テトラメチルビフェニル型 ポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン株式会 社製・「YX-4000」、エポキシ当量185、重量平 分子量700
(6)フェノキシ樹脂/ビスフェノールA型エポキ 樹脂とビスフェノールF型エポキシ樹脂との 共重合体であり、末端部はエポキシ基を有し ている:ジャパンエポキシレジン株式会社製 「jER4275」重量平均分子量60000
(7)シアネート樹脂/ノボラック型シアネート 脂:ロンザジャパン株式会社製・「プリマセ トPT‐30」、重量平均分子量700
(8)フェノール系硬化剤/ビフェニルアルキレ 型ノボラック樹脂:明和化成株式会社製「MEH- 7851-3H」、水酸基当量220
(9)硬化促進剤/イミダゾール化合物:四国化成 業株式会社製・「キュアゾール1B2PZ(1‐ベン ジル‐2‐フェニルイミダゾール)」
(10)カップリング剤A:エポキシシラン型カップ リング剤(GE東芝シリコーン株式会社製、A-187)

 <実施例1>
(1)基材の剥離処理
 アセトンで希釈した剥離処理剤Aの溶液を、 基材であるポリエチレンテレフタレート(PET) ィルム(三菱化学ポリエステルフィルム製、 厚さ38μm)の片面に、グラビアコーターを用い て0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。

(2)樹脂ワニスの調製
 エポキシ樹脂A40.0重量部、フェノキシ樹脂19 .8重量部、硬化促進剤0.2重量部をメチルエチ ケトンに溶解、分散させた。さらに、無機 填材40.0重量部とカップリング剤A0.2重量部 添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌 して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した 。

(3)基材付絶縁シートの製造
 上記で表面処理した基材の剥離処理面に、 記で得られた樹脂ワニスを、コンマコータ 装置を用いて乾燥後の絶縁フィルムの厚さ 40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾 装置で5分間乾燥して、基材付絶縁シートを 造した。

(4)多層プリント配線板の製造
 所定の内層回路が両面に形成された内層回 基板の表裏に、上記で得られた基材付絶縁 ートの絶縁層面を内側にして重ね合わせ、 れを、真空加圧式ラミネーター装置を用い 、温度100℃、圧力1MPaにて1分間真空加熱加 成形させ、絶縁シートから基材を剥離した これを、熱風乾燥装置にて170℃で60分間加熱 し絶縁層を硬化させた。
 なお、内層回路基板としては、下記のもの 使用した。
・絶縁層:ハロゲンフリー FR-4材、厚さ0.4mm
・導体層:銅箔厚み18μm、L/S=120/180μm、クリア ンスホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm

(5)パッケージ基板の製造
 上記多層プリント配線板の絶縁層に炭酸レ ザー装置を用いて開口部を設け、電解銅め きにより絶縁層表面に外層回路形成を行い 外層回路と内層回路との導通を図った。な 、外層回路は、半導体素子を実装するため 接続用電極部を設けた。
 その後、最外層にソルダーレジスト(太陽イ ンキ社製PSR4000/AUS308)を形成し、露光・現像に より半導体素子が実装できるよう接続用電極 部を露出させ、ニッケル金メッキ処理を施し 、50mm×50mmの大きさに切断し、パッケージ基 を得た。

(6)半導体装置の製造
 半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚 0.8mm)は、半田バンプはSn/Pb組成の共晶で形成 され、回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友 ークライト社製CRC-8300)で形成されたものを 用した。半導体装置の組み立ては、まず、 田バンプにフラックス材を転写法により均 に塗布し、次にフリップチップボンダー装 を用い、上記パッケージ基板上に加熱圧着 より搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バ ンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友 ークライト社製、CRP-4152S)を充填し、液状封 樹脂を硬化させることで半導体装置を得た 尚、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条 で硬化させた。

 <実施例2>
 エポキシ樹脂A35.0重量部、エポキシ樹脂B15.0 重量部、フェノール硬化剤14.9重量部、硬化 進剤0.1重量部をメチルエチルケトンに溶解 分散させた。さらに、無機充填材35.0重量部 添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪 して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製し 。
 この樹脂ワニスを用い、実施例1と同様にし て、基材付絶縁シート、多層プリント配線板 及び半導体装置を得た。

 <実施例3>
 アセトンで希釈した剥離処理剤Aの溶液を、 基材であるポリエチレンナフタレート(PEN)フ ルム(帝人デュポンフィルム製、厚さ38μm)の 片面に、グラビアコーターを用いて0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。
 エポキシ樹脂A50.0重量部、フェノキシ樹脂15 .0重量部、フェノール硬化剤4.7重量部、硬化 進剤0.3重量部をメチルエチルケトンに溶解 分散させた。さらに、無機充填材30.0重量部 を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪 して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製し 。
 その後、この樹脂ワニスと上記剥離処理剤A によって剥離処理された基材を用い、実施例 1と同様にして、基材付絶縁シート、多層プ ント配線板及び半導体装置を得た。

 <実施例4>
 アセトンで希釈した剥離処理剤Bの溶液を、 基材であるポリエチレンテレフタレートフィ ルム(三菱化学ポリエステルフィルム製、厚 38μm)の片面に、グラビアコーターを用いて0. 5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。
 その後、実施例1の樹脂ワニスと、上記剥離 処理剤Bによって剥離処理された基材を用い 実施例1と同様にして、基材付絶縁シート、 層プリント配線板及び半導体装置を得た。

 <実施例5>
 アセトンで希釈した剥離処理剤Bの溶液を、 基材であるポリエチレンナフタレートフィル ム(帝人デュポンフィルム製、厚さ38μm)の片 に、グラビアコーターを用いて0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。
 エポキシ樹脂A15.0重量部、フェノキシ樹脂5. 0重量部、シアネート樹脂14.9重量部、硬化促 剤0.1重量部をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、無機充填材65.0重量部を 添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌 て、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した
 この樹脂ワニスと、上記剥離処理剤Bによっ て剥離処理された基材を用い、実施例1と同 にして、基材付絶縁シート、多層プリント 線板及び半導体装置を得た。

 <比較例1>
 実施例1の樹脂ワニスと、剥離処理されてい ない基材(ポリエチレンテレフタレートフィ ム、三菱化学ポリエステルフィルム製、厚 38μm)を用い、実施例1と同様にして、基材付 縁シート、多層プリント配線板及び半導体 置を得た。

 <比較例2>
 実施例2の樹脂ワニスと、剥離処理されてい ない基材(ポリエチレンテレフタレートフィ ム、三菱化学ポリエステルフィルム製、厚 38μm)を用い、実施例1と同様にして、基材付 縁シート、多層プリント配線板及び半導体 置を得た。

 <比較例3>
 実施例3の樹脂ワニスと、剥離処理されてい ない基材(ポリエチレンナフタレートフィル 、帝人デュポンフィルム製、厚さ38μm)を用 、実施例1と同様にして、基材付絶縁シート 多層プリント配線板及び半導体装置を得た

 実施例1~5および比較例1~3で得られた基材 絶縁シート、及び、多層プリント配線板、 導体装置について、特性の評価を行った。 果を表1に示す。

 評価方法は下記のとおりである。
(1)基材の剥離強度
 上記多層プリント配線板の製造工程におい 、基材付絶縁シートを内層回路基板に積層 、絶縁層から基材を引き剥がす際の引き剥 し強度を精密万能試験機(オートグラフAG-IS 島津製作所製)を用い、20℃の環境において 幅1cmの基材の先端を一部引き剥がして、つ み具でつかみ、引っ張り方向が試料面(内層 回路基板に接着した絶縁層)に垂直になる方 に、5mm/minの速さで連続的に30mm剥がして、そ の平均値を取ることにより測定した。
(2)基材への樹脂転写
 上記多層プリント配線板の製造工程におい 、基材を剥離後に、顕微鏡にて基材表面を 察し、基材への樹脂転写の有無を確認した
 各符号は以下の通りである。
 ○:樹脂の転写が観察されなかったもの
 ×:転写が観察されたもの

(3)絶縁層の外観評価
 上記多層プリント配線板の絶縁層について 顕微鏡にて観察を行った。
 各符号は以下の通りである。
 ○:外観の良好なもの
 ×:ひび割れや欠損などの不良が観察された の
(4)実装信頼性試験
 実装信頼性は、上記半導体装置を、温度85 、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後、260℃ フローを3回行い、超音波深傷検査装置で半 体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠 を評価した。
 各符号は以下の通りである。
 ◎:良好 剥離、バンプ欠損なし
 ○:実質上問題なし アンダーフィル周辺に 小剥離のみ、バンプ欠損なし
 △:実質上使用不可 10%以上の剥離およびバ プ欠損
 ×:使用不可 80%以上の剥離、およびバンプ 損

(5)熱衝撃性試験
 上記半導体装置をフロリナート中で-55℃10 、125℃10分、-55℃10分を1サイクルとして、100 0サイクル処理し、テストピースにクラック 発生していないか目視で観察した。
 各符号は以下の通りである。
 ○:クラック発生なし
 ×:クラック発生

 実施例1~5は、絶縁層と基材との剥離強度が0 .05kN/m以下である本発明の基材付絶縁シート 、これを用いた多層プリント配線板、半導 装置である。
 実施例1~5はいずれも、基材への樹脂転写が く、絶縁層の外観が良好であり、信頼性の い半導体装置の作製が可能なものであった
 比較例1~3は、絶縁層と基材との剥離強度が0 .05kN/mを超えるため、絶縁シートがひび割れ り、基材へ樹脂転写が起こったりするとい 問題があり、半導体装置の評価において、(4 )実装信頼性試験、(5)熱衝撃性試験ともに不 が見られた。

 <実施例6>
(1)基材の剥離処理
 アセトンで希釈した剥離処理剤Aの溶液を、 ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱 学ポリエステルフィルム製、厚さ38μm)の片 に、グラビアコーターを用いて0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。

(2)樹脂ワニスの調製
 エポキシ樹脂A35.0重量部、シアネート樹脂24 .8重量部、硬化促進剤0.2重量部をメチルエチ ケトンに溶解、分散させた。さらに、無機 填材40.0重量部を添加して、高速攪拌装置を 用いて10分間攪拌して、固形分50重量%の樹脂 ニスを調製した。

(3)基材付絶縁シートの製造
 上記で表面処理した基材の剥離処理面に、 記で得られた樹脂ワニスを、コンマコータ 装置を用いて乾燥後の絶縁フィルムの厚さ 40μmとなるように塗工し、これを150℃の乾 装置で5分間乾燥して、基材付絶縁シートを 造した。

(4)多層プリント配線板の製造
 所定の内層回路が両面に形成された内層回 基板の表裏に、上記で得られた基材付絶縁 ートの絶縁シート面を内側にして重ね合わ 、これを、真空加圧式ラミネーター装置を いて、温度100℃、圧力1MPaにて1分間、真空 熱加圧成形させた。これを、熱風乾燥装置 て170℃で60分間加熱し硬化させた後、絶縁シ ートから基材を剥離し、評価用の多層プリン ト配線板を得た。
 なお、内層回路基板としては、下記のもの 使用した。
絶縁層:ハロゲンフリー FR-4材、厚さ0.4mm
導体層:銅箔厚み18μm、L/S=120/180μm、クリアラ スホール1mmφ、3mmφ、スリット2mm

(5)パッケージ基板の製造
 上記多層プリント配線板の絶縁層に炭酸レ ザー装置を用いて開口部を設け、電解銅め きにより絶縁層表面に外層回路形成を行い 外層回路と内層回路との導通を図った。な 、外層回路は、半導体素子を実装するため 接続用電極部を設けた。
 その後、最外層にソルダーレジスト(太陽イ ンキ社製PSR4000/AUS308)を形成し、露光・現像に より半導体素子が実装できるよう接続用電極 部を露出させ、ニッケル金メッキ処理を施し 、50mm×50mmの大きさに切断し、パッケージ基 を得た。

(6)半導体装置の製造
 半導体素子(TEGチップ、サイズ15mm×15mm、厚 0.8mm)は、半田バンプはSn/Pb組成の共晶で形成 され、回路保護膜はポジ型感光性樹脂(住友 ークライト社製CRC-8300)で形成されたものを 用した。半導体装置の組み立ては、まず、 田バンプにフラックス材を転写法により均 に塗布し、次にフリップチップボンダー装 を用い、上記パッケージ基板上に加熱圧着 より搭載した。次に、IRリフロー炉で半田バ ンプを溶融接合した後、液状封止樹脂(住友 ークライト社製、CRP-4152S)を充填し、液状封 樹脂を硬化させることで半導体装置を得た 尚、液状封止樹脂は、温度150℃、120分の条 で硬化させた。

 <実施例7>
 エポキシ樹脂A30.0重量部、エポキシ樹脂B20.0 重量部、フェノール硬化剤14.9重量部、硬化 進剤0.1重量部をメチルエチルケトンに溶解 分散させた。さらに、無機充填材35.0重量部 添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪 して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製し 。
 この樹脂ワニスを用い、実施例6と同様にし て、基材付絶縁シート、多層プリント配線板 及び半導体装置を得た。

 <実施例8>
 アセトンで希釈した剥離処理剤Aの溶液を、 基材であるポリエチレンナフタレートフィル ム(帝人デュポンフィルム製、厚さ38μm)の片 に、グラビアコーターを用いて0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。
 エポキシ樹脂A50.0重量部、フェノキシ樹脂10 .0重量部、フェノール硬化剤9.7重量部、硬化 進剤0.3重量部をメチルエチルケトンに溶解 分散させた。さらに、無機充填材30.0重量部 を添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪 して、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製し 。
 この樹脂ワニスと、上記剥離処理剤Aによっ て剥離処理された基材を用い、実施例6と同 にして、基材付絶縁シート、多層プリント 線板及び半導体装置を得た。

 <実施例9>
 アセトンで希釈した剥離処理剤Bの溶液を、 ポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱 学ポリエステルフィルム製、厚さ38μm)の片 に、グラビアコーターを用いて0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。
 その後、実施例6の樹脂ワニスと、上記剥離 処理剤Bによって剥離処理された基材を用い 実施例6と同様にして、基材付絶縁シート、 層プリント配線板及び半導体装置を得た。

 <実施例10>
 アセトンで希釈した剥離処理剤Bの溶液を、 基材であるポリエチレンナフタレートフィル ム(帝人デュポンフィルム製、厚さ38μm)の片 に、グラビアコーターを用いて0.5g/m 2 となるよう塗工し、90℃の乾燥装置で1分間乾 燥して、基材の剥離処理を行った。
 エポキシ樹脂A15.0重量部、フェノキシ樹脂10 .0重量部、シアネート樹脂9.9重量部、硬化促 剤0.1重量部をメチルエチルケトンに溶解、 散させた。さらに、無機充填材65.0重量部を 添加して、高速攪拌装置を用いて10分間攪拌 て、固形分50重量%の樹脂ワニスを調製した
 この樹脂ワニスと、上記剥離処理剤Bによっ て剥離処理された基材を用い、実施例6と同 にして、基材付絶縁シート、多層プリント 線板及び半導体装置を得た。

 <比較例4>
 実施例6の樹脂ワニスと、剥離処理されてい ない基材(ポリエチレンテレフタレートフィ ム、三菱化学ポリエステルフィルム製、厚 38μm)とを用い、実施例6と同様にして、基材 絶縁シート、多層プリント配線板及び半導 装置を得た。

 <比較例5>
 実施例7の樹脂ワニスと、剥離処理されてい ない基材(ポリエチレンテレフタレートフィ ム、三菱化学ポリエステルフィルム製、厚 38μm)とを用い、実施例6と同様にして、基材 絶縁シート、多層プリント配線板及び半導 装置を得た。

 <比較例6>
 実施例8の樹脂ワニスと、剥離処理されてい ない基材(ポリエチレンナフタレートフィル 、帝人デュポンフィルム製、厚さ38μm)とを い、実施例6と同様にして、基材付絶縁シー 、多層プリント配線板及び半導体装置を得 。

 実施例6~10および比較例4~6で得られた基材 付絶縁シート、多層プリント配線板及び半導 体装置について、特性の評価を行った。結果 を表2に示す。

 評価方法は下記のとおりである。
(1)基材の剥離強度
 上記多層プリント配線板の製造工程におい 、基材付絶縁シートを内層回路基板に積層 、絶縁層を硬化させた後、絶縁層から基材 引き剥がす際の引き剥がし強度を精密万能 験機(オートグラフAG-IS、島津製作所製)を用 い、20℃の環境において、幅1cmの基材の先端 一部引き剥がして、つかみ具でつかみ、引 張り方向が試料面(内層回路基板に接着した 絶縁層)に垂直になる方向に、5mm/minの速さで 続的に30mm剥がして、その平均値を取ること により測定した。
(2)回路上の平坦性
 上記多層プリント配線板の絶縁層表面の凹 を表面粗さ測定装置で計測した。
 各符号は以下の通りである。
 ○:段差が1μm未満のもの
 ×:段差が1μm以上のもの
 なお、段差とは絶縁層下に内層回路がある 分と絶縁層下に内層回路のない部分に生じ 高さの差である。

(3)基材の付着
 基材を剥離した後、顕微鏡にて、剥離後の 材表面を観察し、基材の付着残りの有無を 認した。
 各符号は以下の通りである。
 ○:付着残りの無いもの
 ×:付着残りが見られたもの
(4)リフロー耐熱性試験
 上記半導体装置の半導体素子を実装する前 パッケージ用基板を用い、260℃リフロー炉 通し、パッケージ基板の膨れの有無を目視 て確認した。パッケージ用基板は、リフロ 炉に10回通した。
 各符号は以下の通りである。
 ◎:10回繰り返しても膨れなし
 ○:7~9回目で膨れ発生
 △:4~6回目で膨れ発生
 ×:3回目までに膨れ発生

(5)実装信頼性試験
 実装信頼性は、上記半導体装置を、温度85 、湿度85%の雰囲気下で100時間放置後、260℃ フローを3回行い、超音波深傷検査装置で半 体素子裏面の剥離、および半田バンプの欠 を評価した。
 各符号は以下の通りである。
 ◎:良好 剥離、バンプ欠損なし
 ○:実質上問題なし アンダーフィル周辺に 小剥離のみ、バンプ欠損なし
 △:実質上使用不可 10%以上の剥離およびバ プ欠損
 ×:使用不可 80%以上の剥離、およびバンプ 損
(6)熱衝撃性試験
 上記半導体装置をフロリナート中で-55℃10 、125℃10分、-55℃10分を1サイクルとして、100 0サイクル処理し、テストピースにクラック 発生していないか目視で確認した。
 各符号は以下の通りである。
 ○:クラック発生なし
 ×:クラック発生

 実施例6~10は、絶縁層を加熱硬化後に、絶縁 層から基材を剥離する際の剥離強度が0.2kN/m 下である本発明の基材付絶縁シートと、こ を用いた多層プリント配線板及び半導体装 である。
 実施例6~10はいずれも、回路上の平坦性が良 好であり、基材の付着残りがなく、リフロー 耐熱性にも優れ、信頼性の高い半導体装置の 作製が可能なものであった。
 比較例4~6は、絶縁層を加熱硬化させた後に 絶縁層から基材を剥離する際の剥離強度が0 .2kN/mを超えるため、基材の付着残りが起こる という問題があり、リフロー耐熱性試験にお いて膨れが見られた。また半導体装置の評価 において、(5)実装信頼性試験、(6)熱衝撃性試 験ともに不良が見られた。

 本発明の基材付絶縁シートによれば、小 化、薄型化要求へ対応し、かつ低コストで 扱いに優れたプリント配線板を提供でき、 た高密度で微細配線が要求される半導体パ ケージ用基板を提供することもできる。