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Title:
OPERATING OIL FOR BUFFER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/123249
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an operating oil for a buffer, which comprises a lubricant base oil having an urea adduct vale (defined in the description) of 4 mass% or less and a viscosity index of 100 or greater. The operating oil can achieve all of viscosity-temperature property, shear stability and anti-foaming property at high levels.

Inventors:
AOKI TOORU (JP)
TAGAWA KAZUO (JP)
SHIRAHAMA SHINICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/055577
Publication Date:
October 16, 2008
Filing Date:
March 25, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORP (JP)
AOKI TOORU (JP)
TAGAWA KAZUO (JP)
SHIRAHAMA SHINICHI (JP)
International Classes:
C10M171/02; C10M101/02; C10M145/14; C10N20/02; C10N40/08
Domestic Patent References:
WO2005090528A12005-09-29
Foreign References:
JP2006521416A2006-09-21
JP2006509899A2006-03-23
JP2006241436A2006-09-14
JP2004528426A2004-09-16
JP2000345171A2000-12-12
JP2000345170A2000-12-12
JP2007186638A2007-07-26
JPH03285989A1991-12-17
JPH0586390A1993-04-06
JPH05247482A1993-09-24
JPH06220480A1994-08-09
JP2000119672A2000-04-25
JP2000044971A2000-02-15
JP2000109876A2000-04-18
JP2005314609A2005-11-10
Other References:
See also references of EP 2135929A4
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg. 10-6Ginza 1-chome, Chuo-k, Tokyo 61, JP)
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Claims:
 尿素アダクト値が4質量%以下であり且つ粘度指数が100以上である潤滑油基油を含有することを特徴とする緩衝器用作動油。
 粘度指数向上剤を更に含有することを特徴とする、請求項1に記載の緩衝器用作動油。
 前記粘度指数向上剤の含有量が、緩衝器用作動油全量基準で、ポリマー量として2.5質量%以下であることを特徴とする、請求項2に記載の緩衝器用作動油。
Description:
緩衝器用作動油

 本発明は緩衝器用作動油に関する。

 従来、緩衝器用作動油としては、例えば、 リα-オレフィン、エステル、シリコンオイ 、あるいは、深脱ろう基油などを用いたも が知られている。また、従来の緩衝器用作 油においては、各種添加剤を配合すること よりその特性の改善が図られている(例えば 特許文献1~9)。

特開平3-285989号公報

特開平5-86390号公報

特開平5-247482号公報

特開平6-220480号公報

特開2000-119672号公報

特開2000-044971号公報

特開2000-109876号公報

特開2000-119672号公報

特開2005-314609号公報

 しかしながら、上記従来の緩衝器用作動 は以下の点で改善の余地がある。

 すなわち、緩衝器用作動油には、低温に いても充分な緩衝作用あるいは減衰力を発 できることが必要であり、近年では、この うな低温特性に対する要求が一層厳しくな ている。例えば、低温において流動性が損 われず、しかも充分な緩衝作用あるいは減 力を得るためには、要求される温度におけ ブルックフィールド粘度が2000mPa・s以下で ることが好ましいとされている。そして、 年では-40℃の外気温下でもこの低温性能を 分満たす緩衝器用作動油が求められている

 従来の緩衝器用作動油において、-40℃に けるブルックフィールド粘度を2000mPa・s以 とするには、粘度の低い溶剤成分を配合し 基油粘度を下げ、粘度指数向上剤をある程 多量に配合する必要がある。しかし、溶剤 分を多量に配合すると潤滑性を悪化させる とになる。また、粘度指数向上剤を多量に 合すると、使用する間に粘度指数向上剤が ん断を受け、緩衝器用作動油の粘度が低下 てしまう。その結果、緩衝器用作動油に必 な粘度を維持できずに潤滑性を悪化させる けでなく、所定の減衰力を維持することが きなくなり、最悪の場合、緩衝器を交換せ るを得ない状況となってしまう。

 また、緩衝器用作動油には、過酷な条件 おける泡の発生を抑制し、減衰力の低下を 制できることが必要とされている。ところ 、従来の緩衝器用作動油の場合、消泡剤や 度指数向上剤をしても、十分な消泡性を長 間維持することは困難である。

 本発明は、このような実情に鑑みてなさ たものであり、その目的は、粘度-温度特性 、せん断安定性及び消泡性の全てを高水準で 達成することが可能な緩衝器用作動油を提供 することにある。

 上記課題を解決するために、本発明は、 素アダクト値が4質量%以下であり且つ粘度 数が100以上である潤滑油基油を含有するこ を特徴とする緩衝器用作動油(緩衝器用油圧 動油を包含する。)を提供する。

 なお、本発明でいう尿素アダクト値は以 の方法により測定される。秤量した試料油( 潤滑油基油)100gを丸底フラスコに入れ、尿素2 00g、トルエン360ml及びメタノール40mlを加えて 室温で6時間攪拌する。これにより、反応液 に尿素アダクト物として白色の粒状結晶が 成する。反応液を1ミクロンフィルターでろ することにより、生成した白色粒状結晶を 取し、得られた結晶をトルエン50mlで6回洗 する。回収した白色結晶をフラスコに入れ 純水300ml及びトルエン300mlを加えて80℃で1時 攪拌する。分液ロートで水相を分離除去し トルエン相を純水300mlで3回洗浄する。トル ン相に乾燥剤(硫酸ナトリウム)を加えて脱 処理を行った後、トルエンを留去する。こ ようにして得られた尿素アダクト物の試料 に対する割合(質量百分率)を尿素アダクト値 と定義する。

 また、本発明でいう粘度指数、並びに後 する40℃又は100℃における動粘度とは、そ ぞれJIS K 2283-1993に準拠して測定された粘度 指数及び40℃又は100℃における動粘度を意味 る。

 本発明の緩衝器用作動油に含まれる潤滑 基油は、尿素アダクト値及び粘度指数がそ ぞれ上記条件を満たすものであるため、潤 油基油自体が粘度-温度特性及び低温粘度特 性に優れるものである。そして、当該潤滑油 基油を含有する本発明の緩衝器用作動油によ れば、低温粘度特性の大幅な向上が実現でき 、低温時においても十分な緩衝作用や減衰力 を発現できる。また、本発明の緩衝器用作動 油によれば、上記の潤滑油基油自体が泡立ち 防止性能や消泡性に優れるため、泡の発生よ る緩衝器の減衰力低下を抑制することができ 、過酷な条件下においても優れた減衰力の維 持性を発揮できる。さらに、上記潤滑油基油 を用いることによって、より低粘度の基油又 は溶剤の使用量を削減できるとともに、粘度 指数向上剤の配合量も削減できるため、潤滑 性に優れるだけでなく、せん断安定性に優れ た組成物を得ることが可能となり、長期の使 用にも耐えうる十分な潤滑性と緩衝器の減衰 力を保持することが可能となる。

 なお、従来、水素化分解/水素化異性化に よる潤滑油基油の精製方法においては、ノル マルパラフィンからイソパラフィンへの異性 化率の向上が検討されているが、本発明者ら の検討によれば、単にノルマルパラフィンの 残存量を低減するだけでは低温粘度特性を十 分に改善することは困難である。すなわち、 水素化分解/水素化異性化により生成するイ パラフィンの中にも低温粘度特性に悪影響 及ぼす成分は含まれるが、従来の評価方法 おいてはその点について十分に認識されて ない。また、ノルマルパラフィン及びイソ ラフィンの分析にはガスクロマトグラフィ (GC)やNMRなどの分析手法が適用されるが、こ らの分析手法ではイソパラフィンの中から 温粘度特性に悪影響を及ぼす成分を分離又 特定することは、煩雑な作業や多大な時間 要するなど実用上有効であるとはいえない

 これに対して、本発明における尿素アダ ト値の測定においては、尿素アダクト物と て、イソパラフィンのうち低温粘度特性に 影響を及ぼす成分、さらには潤滑油基油中 ノルマルパラフィンが残存している場合の 該ノルマルパラフィンを精度よく且つ確実 捕集することができるため、潤滑油基油の 温粘度特性の評価指標として優れている。 お、本発明者らは、GC及びNMRを用いた分析 より、尿素アダクト物の主成分が、ノルマ パラフィン及び主鎖の末端から分岐位置ま の炭素数が6以上であるイソパラフィンの尿 アダクト物であることを確認している。

 本発明の緩衝器用作動油は、粘度指数向 剤を更に含有することが好ましい。この場 、粘度指数向上剤の含有量は、緩衝器用作 油全量基準で、ポリマー量として2.5質量%以 下であることが好ましい。

 本発明によれば、粘度-温度特性、せん断 安定性及び消泡性の全てを高水準で達成する ことが可能な緩衝器用作動油が提供される。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

 本発明の緩衝器用作動油は、尿素アダク 値が4質量%以下且つ粘度指数が100以上の潤 油基油(以下、「本発明にかかる潤滑油基油 という。)を含有する。

 本発明にかかる潤滑油基油の尿素アダク 値は、粘度-温度特性を損なわずに低温粘度 特性を改善する観点から、上述の通り4質量% 下であることが必要であり、好ましくは3.5 量%以下、より好ましくは3質量%以下、さら 好ましくは2.5質量%以下である。また、潤滑 油基油の尿素アダクト値は、0質量%でも良い しかし、十分な低温粘度特性と、より粘度 数の高い潤滑油基油を得ることができ、ま 脱ろう条件を緩和して経済性にも優れる点 、好ましくは0.1質量%以上、より好ましくは 0.5質量%以上、特に好ましくは0.8質量%以上で る。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の粘度 数は、粘度-温度特性の観点から、上述の通 り100以上であることが必要であり、好ましく は110以上、より好ましくは120以上、更に好ま しくは125以上、さらにより好ましくは130以上 、特に好ましくは140以上である。

 本発明にかかる潤滑油基油を製造するに し、ノルマルパラフィン、またはノルマル ラフィンを含有するワックスを含有する原 油を用いることができる。原料油は、鉱物 又は合成油のいずれであってもよく、ある はこれらの2種以上の混合物であってもよい 。

 また、本発明で用いられる原料油は、ASTM  D86又はASTM D2887に規定する潤滑油範囲で沸 するワックス含有原料であることが好まし 。原料油のワックス含有率は、原料油全量 基準として、好ましくは50質量%以上100質量% 下である。原料のワックス含有率は、核磁 共鳴分光法(ASTM D5292)、相関環分析(n-d-M)法(A STM D3238)、溶剤法(ASTM D3235)などの分析手法に よって測定することができる。

 ワックス含有原料としては、例えば、ラ ィネートのような溶剤精製法に由来するオ ル、部分溶剤脱ロウ油、脱瀝油、留出物、 圧ガスオイル、コーカーガスオイル、スラ クワックス、フーツ油、フィッシャー-トロ プシュ・ワックスなどが挙げられ、これらの 中でもスラックワックス及びフィッシャー- ロプシュ・ワックスが好ましい。

 スラックワックスは、典型的には溶剤ま はプロパン脱ロウによる炭化水素原料に由 する。スラックワックスは残留油を含有し るが、この残留油は脱油により除去するこ ができる。フーツ油は脱油されたスラック ックスに相当するものである。

 また、フィッシャー-トロプシュ・ワック スは、いわゆるフィッシャー-トロプシュ合 法により製造される。

 さらに、ノルマルパラフィンを含有する 料油として市販品を用いてもよい。具体的 は、パラフィリント(Paraflint)80(水素化フィ シャー-トロプシュ・ワックス)およびシェル MDSワックス質ラフィネート(Shell MDS Waxy Raffi nate)(水素化および部分異性化中間留出物合成 ワックス質ラフィネート)などが挙げられる

 また、溶剤抽出に由来する原料油は、常 蒸留からの高沸点石油留分を減圧蒸留装置 送り、この装置からの蒸留留分を溶剤抽出 ることによって得られるものである。減圧 留からの残渣は、脱瀝されてもよい。溶剤 出法においては、よりパラフィニックな成 をラフィネート相に残したまま抽出相に芳 族成分を溶解する。ナフテンは、抽出相と フィネート相とに分配される。溶剤抽出用 溶剤としては、フェノール、フルフラール よびN-メチルピロリドンなどが好ましく使 される。溶剤/油比、抽出温度、抽出される き留出物と溶剤との接触方法などを制御す ことによって、抽出相とラフィネート相と 分離の程度を制御することができる。

 上記の原料油について、得られる被処理物 尿素アダクト値が4質量%以下且つ粘度指数 100以上となるように、水素化分解/水素化異 化を行う工程を経ることによって、本発明 かかる潤滑油基油を得ることができる。水 化分解/水素化異性化工程は、得られる被処 理物の尿素アダクト値及び粘度指数が上記条 件を満たせば特に制限されない。本発明にお ける好ましい水素化分解/水素化異性化工程 、
 ノルマルパラフィンを含有する原料油につ て、水素化処理触媒を用いて水素化処理す 第1工程と、
 第1工程により得られる被処理物について、 水素化脱ロウ触媒を用いて水素化脱ロウする 第2工程と、
 第2工程により得られる被処理物について、 水素化精製触媒を用いて水素化精製する第3 程と
を備える。

 なお、従来の水素化分解/水素化異性化に おいても、水素化脱ロウ触媒の被毒防止のた めの脱硫・脱窒素を目的として、水素化脱ロ ウ工程の前段に水素化処理工程が設けられる ことはある。これに対して、本発明における 第1工程(水素化処理工程)は、第2工程(水素化 ロウ工程)の前段で原料油中のノルマルパラ フィンの一部(例えば10質量%程度、好ましく 1~10質量%)を分解するために設けられたもの あり、当該第1工程においても脱硫・脱窒素 可能であるが、従来の水素化処理とは目的 異にする。かかる第1工程を設けることは、 第3工程後に得られる被処理物(潤滑油基油)の 尿素アダクト値を確実に4質量%以下とする上 好ましい。

 上記第1工程で用いられる水素化触媒とし ては、6族金属、8-10族金属、およびそれらの 合物を含有する触媒などが挙げられる。好 しい金属としては、ニッケル、タングステ 、モリブデン、コバルトおよびそれらの混 物が挙げられる。水素化触媒は、これらの 属を耐熱性金属酸化物担体上に担持した態 で用いることができ、通常、金属は担体上 酸化物または硫化物として存在する。また 金属の混合物を用いる場合は、金属の量が 媒全量を基準として30質量%以上であるバル 金属触媒として存在してもよい。金属酸化 担体としては、シリカ、アルミナ、シリカ- アルミナまたはチタニアなどの酸化物が挙げ られ、中でもアルミナが好ましい。好ましい アルミナは、γ型またはβ型の多孔質アルミ である。金属の担持量は、触媒全量を基準 して、0.5~35質量%の範囲であることが好まし 。また、9-10族金属と6族金属との混合物を いる場合には、9族または10族金属のいずれ が、触媒全量を基準として、0.1~5質量%の量 存在し、6族金属は5~30質量%の量で存在する とが好ましい。金属の担持量は、原子吸収 光法、誘導結合プラズマ発光分光分析法ま は個々の金属について、ASTMで指定された他 方法によって測定されてもよい。

 金属酸化物担体の酸性は、添加物の添加 金属酸化物担体の性質の制御(例えば、シリ カ-アルミナ担体中へ組み入れられるシリカ 量の制御)などによって制御することができ 。添加物の例には、ハロゲン、特にフッ素 リン、ホウ素、イットリア、アルカリ金属 アルカリ土類金属、希土類酸化物、および グネシアが挙げられる。ハロゲンのような 触媒は、一般に金属酸化物担体の酸性を高 るが、イットリアまたはマグネシアのよう 弱塩基性添加物はかかる担体の酸性を弱く る傾向がある。

 水素化処理条件に関し、処理温度は、好ま くは150~450℃、より好ましくは200~400℃であ 、水素分圧は、好ましくは1400~20000kPa、より ましくは2800~14000kPaであり、液空間速度(LHSV) は、好ましくは0.1~10hr -1 、より好ましく0.1~5hr -1 であり、水素/油比は、好ましくは50~1780m 3 /m 3 、より好ましくは89~890m 3 /m 3 である。なお、上記の条件は一例であり、第 3工程後に得られる被処理物の尿素アダクト 及び粘度指数がそれぞれ上記条件を満たす めの第1工程における水素化処理条件は、原 、触媒、装置等の相違に応じて適宜選定す ことが好ましい。

 第1工程において水素化処理された後の被 処理物は、そのまま第2工程に供してもよい 、当該被処理物についてストリッピングま は蒸留を行い、被処理物(液状生成物)からガ ス生成物を分離除去する工程を、第1工程と 2工程との間に設けることが好ましい。これ より、被処理物に含まれる窒素分及び硫黄 を、第2工程における水素化脱ロウ触媒の長 期使用に影響を及ぼさないでレベルにまで減 らすことができる。ストリッピング等による 分離除去の対象は主として硫化水素およびア ンモニアのようなガス異物であり、ストリッ ピングはフラッシュドラム、分留器などの通 常の手段によって行うことができる。

 また、第1工程における水素化処理の条件 がマイルドである場合には、多環芳香族分が 通過する可能性があるが、これらの異物は、 第3工程における水素化精製により除去され もよい。

 また、第2工程で用いられる水素化脱ロウ 触媒は、結晶質又は非晶質のいずれの材料を 含んでもよい。結晶質材料としては、例えば 、アルミノシリケート(ゼオライト)またはシ コアルミノホスフェート(SAPO)を主成分とす 、10または12員環通路を有するモレキュラー シーブが挙げられる。ゼオライトの具体例と しては、ZSM-22、ZSM-23、ZSM-35、ZSM-48、ZSM-57、フ ェリエライト、ITQ-13、MCM-68、MCM-71などが挙げ られる。また、アルミノホスフェートの例と しては、ECR-42が挙げられる。モレキュラーシ ーブの例としては、ゼオライトベータ、およ びMCM-68が挙げられる。これらの中でも、ZSM-48 、ZSM-22およびZSM-23から選ばれる1種又は2種以 を用いることが好ましく、ZSM-48が特に好ま い。モレキュラーシーブは好ましくは水素 にある。水素化脱ロウ触媒の還元は、水素 脱ロウの際にその場で起こり得るが、予め 元処理が施された水素化脱ロウ触媒を水素 脱ロウに供してもよい。

 また、水素化脱ロウ触媒の非晶質材料と ては、3族金属でドープされたアルミナ、フ ッ化物化アルミナ、シリカ-アルミナ、フッ 物化シリカ-アルミナ、シリカ-アルミナなど が挙げられる。

 脱ロウ触媒の好ましい態様としては、二 能性、すなわち、少なくとも1つの6族金属 少なくとも1つの8-10族金属、またはそれらの 混合物である金属水素添加成分が装着された ものが挙げられる。好ましい金属は、Pt、Pd たはそれらの混合物などの9-10族貴金属であ 。これらの金属の装着量は、触媒全量を基 として好ましくは0.1~30質量%である。触媒調 製および金属装着方法としては、例えば分解 性金属塩を用いるイオン交換法および含浸法 が挙げられる。

 なお、モレキュラーシーブを用いる場合 水素化脱ロウ条件下での耐熱性を有するバ ンダー材料と複合化してもよく、またはバ ンダーなし(自己結合)であってもよい。バ ンダー材料としては、シリカ、アルミナ、 リカ-アルミナ、シリカとチタニア、マグネ ア、トリア、ジルコニアなどのような他の 属酸化物との二成分の組合せ、シリカ-アル ミナ-トリア、シリカ-アルミナ-マグネシアな どのような酸化物の三成分の組合せなどの無 機酸化物が挙げられる。水素化脱ロウ触媒中 のモレキュラーシーブの量は、触媒全量を基 準として、好ましくは10~100質量%、より好ま くは35~100質量%である。水素化脱ロウ触媒は 噴霧乾燥、押出などの方法によって形成さ る。水素化脱ロウ触媒は、硫化物化または 硫化物化した態様で使用することができ、 化物化した態様が好ましい。

 水素化脱ロウ条件に関し、温度は好ましく 250~400℃、より好ましくは275~350℃であり、 素分圧は好ましくは791~20786kPa(100~3000psig)、よ り好ましくは1480~17339kPa(200~2500psig)であり、液 空間速度は好ましくは0.1~10hr -1 、より好ましくは0.1~5hr -1 であり、水素/油比は好ましくは45~1780m 3 /m 3 (250~10000scf/B)、より好ましくは89~890m 3 /m 3 (500~5000scf/B)である。なお、上記の条件は一例 であり、第3工程後に得られる被処理物の尿 アダクト値及び粘度指数がそれぞれ上記条 を満たすための第2工程における水素化脱ロ 条件は、原料、触媒、装置等の相違に応じ 適宜選定することが好ましい。

 第2工程で水素化脱ロウされた被処理物は 、第3工程における水素化精製に供される。 素化精製は、残留ヘテロ原子および色相体 除去に加えて、オレフィンおよび残留芳香 化合物を水素化により飽和することを目的 するマイルドな水素化処理の一形態である 第3工程における水素化精製は、脱ロウ工程 カスケード式で実施することができる。

 第3工程で用いられる水素化精製触媒は、 6族金属、8-10族金属又はそれらの混合物を金 酸化物担体に担持させたものであることが ましい。好ましい金属としては、貴金属、 に白金、パラジウムおよびそれらの混合物 挙げられる。金属の混合物を用いる場合、 属の量が触媒を基準にして30質量%もしくは れ以上であるバルク金属触媒として存在し もよい。触媒の金属含有率は、非貴金属に いては20質量%以下、貴金属については1質量 %以下が好ましい。また、金属酸化物担体と ては、非晶質または結晶質酸化物のいずれ あってもよい。具体的には、シリカ、アル ナ、シリカ-アルミナまたはチタニアのよう 低酸性酸化物が挙げられ、アルミナが好ま い。芳香族化合物の飽和の観点からは、多 質担体上に比較的強い水素添加機能を有す 金属が担持された水素化精製触媒を用いる とが好ましい。

 好ましい水素化精製触媒として、M41Sクラ スまたは系統の触媒に属するメソ細孔性材料 を挙げることができる。M41S系統の触媒は、 いシリカ含有率を有するメソ細孔性材料で り、具体的には、MCM-41、MCM-48およびMCM-50が げられる。かかる水素化精製触媒は15~100Å 細孔径を有するものであり、MCM-41が特に好 しい。MCM-41は、一様なサイズの細孔の六方 系配列を有する無機の多孔質非層化相であ 。MCM-41の物理構造は、ストローの開口部(細 のセル径)が15~100Åの範囲であるストローの 束のようなものである。MCM-48は、立方体対称 を有し、MCM-50は、層状構造を有する。MCM-41は 、メソ細孔性範囲の異なるサイズの細孔開口 部で製造することができる。メソ細孔性材料 は、8族、9族または10族金属の少なくとも1つ ある金属水素添加成分を有してもよく、金 水素添加成分としては、貴金属、特に10族 金属が好ましく、Pt、Pdまたはそれらの混合 が最も好ましい。

 水素化精製の条件に関し、温度は好ましく 150~350℃、より好ましくは180~250℃であり、 圧は好ましくは2859~20786kPa(約400~3000psig)であ 、液空間速度は好ましくは0.1~5hr -1 、より好ましくは0.5~3hr -1 であり、水素/油比は好ましくは44.5~1780m 3 /m 3 (250~10,000scf/B)である。なお、上記の条件は一 であり、第3工程後に得られる被処理物の尿 素アダクト値及び粘度指数がそれぞれ上記条 件を満たすための第3工程における水素化生 条件は、原料や処理装置の相違に応じて適 選定することが好ましい。

 また、第3工程後に得られる被処理物につ いては、必要に応じて、蒸留等により所定の 成分を分離除去してもよい。

 上記の製造方法により得られる本発明に かる潤滑油基油においては、尿素アダクト 及び粘度指数がそれぞれ上記条件を満たせ 、その他の性状は特に制限されないが、本 明にかかる潤滑油基油は以下の条件を更に たすものであることが好ましい。

 本発明にかかる潤滑油基油における飽和 の含有量は、潤滑油基油全量を基準として 好ましくは90質量%以上、より好ましくは93 量%以上、更に好ましくは95質量%以上である また、当該飽和分に占める環状飽和分の割 は、好ましくは0.1~50質量%、より好ましくは 0.5~40質量%、更に好ましくは1~30質量%、特に好 ましくは5~20質量%である。飽和分の含有量及 当該飽和分に占める環状飽和分の割合がそ ぞれ上記条件を満たすことにより、粘度-温 度特性及び熱・酸化安定性を達成することが でき、また、当該潤滑油基油に添加剤が配合 された場合には、当該添加剤を潤滑油基油中 に十分に安定的に溶解保持しつつ、当該添加 剤の機能をより高水準で発現させることがで きる。更に、飽和分の含有量及び当該飽和分 に占める環状飽和分の割合がそれぞれ上記条 件を満たすことにより、潤滑油基油自体の摩 擦特性を改善することができ、その結果、摩 擦低減効果の向上、ひいては省エネルギー性 の向上を達成することができる。

 なお、飽和分の含有量が90質量%未満であ と、粘度-温度特性、熱・酸化安定性及び摩 擦特性が不十分となる傾向にある。また、飽 和分に占める環状飽和分の割合が0.1質量%未 であると、潤滑油基油に添加剤が配合され 場合に、当該添加剤の溶解性が不十分とな 、潤滑油基油中に溶解保持される当該添加 の有効量が低下するため、当該添加剤の機 を有効に得ることができなくなる傾向にあ 。更に、飽和分に占める環状飽和分の割合 50質量%を超えると、潤滑油基油に添加剤が 合された場合に当該添加剤の効き目が低下 る傾向にある。

 本発明において、飽和分に占める環状飽 分の割合が0.1~50質量%であることは、飽和分 に占める非環状飽和分が99.9~50質量%であるこ と等価である。ここで、非環状飽和分には ルマルパラフィン及びイソパラフィンの双 が包含される。本発明の潤滑油基油に占め ノルマルパラフィン及びイソパラフィンの 合は、尿素アダクト値が上記条件を満たせ 特に制限されないが、イソパラフィンの割 は、潤滑油基油全量基準で、好ましくは50~9 9.9質量%、より好ましくは60~99.9質量%、更に好 ましくは70~99.9質量%、特に好ましくは80~99.9質 量%である。潤滑油基油に占めるイソパラフ ンの割合が前記条件を満たすことにより、 度-温度特性及び熱・酸化安定性をより向上 せることができ、また、当該潤滑油基油に 加剤が配合された場合には、当該添加剤を 分に安定的に溶解保持しつつ、当該添加剤 機能を一層高水準で発現させることができ 。

 なお、本発明でいう飽和分の含有量とは ASTM D 2007-93に準拠して測定される値(単位: 量%)を意味する。

 また、本発明でいう飽和分に占める環状 和分及び非環状飽和分の割合とは、それぞ ASTM D 2786-91に準拠して測定されるナフテン 分(測定対象:1環~6環ナフテン、単位:質量%)及 アルカン分(単位:質量%)を意味する。

 また、本発明でいう潤滑油基油中のノルマ パラフィンの割合とは、前記ASTM D 2007-93に 記載された方法により分離・分取された飽和 分について、以下の条件でガスクロマトグラ フィー分析を行い、当該飽和分に占めるノル マルパラフィンの割合を同定・定量したとき の測定値を、潤滑油基油全量を基準として換 算した値を意味する。なお、同定・定量の際 には、標準試料として炭素数5~50のノルマル ラフィンの混合試料が用いられ、飽和分に めるノルマルパラフィンは、クロマトグラ の全ピーク面積値(希釈剤に由来するピーク 面積値を除く)に対する各ノルマルパラフィ ンに相当に相当するピーク面積値の合計の割 合として求められる。
(ガスクロマトグラフィー条件)
カラム:液相無極性カラム(長さ25mm、内径0.3mm 、液相膜厚さ0.1μm)
昇温条件:50℃~400℃(昇温速度:10℃/min)
キャリアガス:ヘリウム(線速度:40cm/min)
スプリット比:90/1
試料注入量:0.5μL(二硫化炭素で20倍に希釈し 試料の注入量)

 また、潤滑油基油中のイソパラフィンの 合とは、前記飽和分に占める非環状飽和分 前記飽和分に占めるノルマルパラフィンと 差を、潤滑油基油全量を基準として換算し 値を意味する。

 飽和分の分離方法、あるいは環状飽和分 非環状飽和分等の組成分析の際には、同様 結果が得られる類似の方法を使用すること できる。例えば、上記の他、ASTM D 2425-93に 記載の方法、ASTM D 2549-91に記載の方法、高 液体クロマトグラフィ(HPLC)による方法、あ いはこれらの方法を改良した方法等を挙げ ことができる。

 なお、本発明にかかる潤滑油基油におい 、原料として、燃料油水素化分解装置から られるボトム留分を用いた場合には、飽和 の含有量が90質量%以上、該飽和分に占める 状飽和分の割合が、30~50質量%、該飽和分に める非環状飽和分の割合が50~70質量%、潤滑 基油中のイソパラフィンの割合が40~70質量% 粘度指数が100~135、好ましくは120~130の基油 得られるが、尿素アダクト値が上記条件を たすことで、本発明の効果、特に低温粘度 性の大幅な向上が実現でき、低温時におい も十分な緩衝作用や減衰力を発現できる緩 器用作動油を得ることができる。また、本 明にかかる潤滑油基油において、原料とし ワックス含有量が高い原料(例えばノルマル ラフィン含有量が50質量%以上)であるスラッ クワックス、フィッシャー-トロプシュワッ スを用いた場合には、飽和分の含有量が90質 量%以上、該飽和分に占める環状飽和分の割 が、0.1~40質量%、該飽和分に占める非環状飽 分の割合が60~99.9質量%、潤滑油基油中のイ パラフィンの割合が60~99.9質量%、粘度指数が 100~170、好ましくは135~160の基油が得られるが 尿素アダクト値が上記条件を満たすことで 本願発明の効果、特に高粘度指数と低温粘 特性に極めて優れた特性を有する潤滑油組 物を得ることができる。

 また、20℃における屈折率をn 20 、100℃における動粘度をkv100で表すとき、本 明にかかる潤滑油基油についてのn 20 -0.002×kv100は、好ましくは1.435~1.450、より好ま しくは1.440~1.449、更に好ましくは1.442~1.448、 層好ましくは1.444~1.447である。n 20 -0.002×kv100を前記範囲内とすることにより、 れた粘度-温度特性及び熱・酸化安定性を達 することができ、また、当該潤滑油基油に 加剤が配合された場合には、当該添加剤を 滑油基油中に十分に安定的に溶解保持しつ 、当該添加剤の機能をより高水準で発現さ ることができる。更に、n 20 -0.002×kv100を前記範囲内とすることにより、 滑油基油自体の摩擦特性を改善することが き、その結果、摩擦低減効果の向上、ひい は省エネルギー性の向上を達成することが きる。

 なお、n 20 -0.002×kv100が前記上限値を超えると、粘度-温 特性、熱・酸化安定性及び摩擦特性が不十 となり、更には、潤滑油基油に添加剤が配 された場合に当該添加剤の効き目が低下す 傾向にある。また、n 20 -0.002×kv100が前記下限値未満であると、潤滑 基油に添加剤が配合された場合に、当該添 剤の溶解性が不十分となり、潤滑油基油中 溶解保持される当該添加剤の有効量が低下 るため、当該添加剤の機能を有効に得るこ ができなくなる傾向にある。

 なお、本発明でいう20℃における屈折率(n 20 )とは、ASTM D1218-92に準拠して20℃において測 される屈折率を意味する。また、本発明で う100℃における動粘度(kv100)とは、JIS K 2283 -1993に準拠して100℃において測定される動粘 を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油におけ 芳香族分は、潤滑油基油全量を基準として 好ましくは5質量%以下、より好ましくは0.05~ 3質量%、更に好ましくは0.1~1質量%、特に好ま くは0.1~0.5質量%である。芳香族分の含有量 上記上限値を超えると、粘度-温度特性、熱 酸化安定性及び摩擦特性、更には揮発防止 及び低温粘度特性が低下する傾向にあり、 に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合 当該添加剤の効き目が低下する傾向にある また、本発明の潤滑油基油は芳香族分を含 しないものであってもよいが、芳香族分の 有量を0.05質量%以上とすることにより、添 剤の溶解性を更に高めることができる。

 なお、ここでいう芳香族分の含有量とは ASTM D 2007-93に準拠して測定された値を意味 する。芳香族分には、通常、アルキルベンゼ ン、アルキルナフタレンの他、アントラセン 、フェナントレン及びこれらのアルキル化物 、更にはベンゼン環が四環以上縮合した化合 物、ピリジン類、キノリン類、フェノール類 、ナフトール類等のヘテロ原子を有する芳香 族化合物などが含まれる。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の%C p は、好ましくは80以上、より好ましくは82~99 更に好ましくは85~98、特に好ましくは90~97で る。潤滑油基油の%C p が80未満の場合、粘度-温度特性、熱・酸化安 定性及び摩擦特性が低下する傾向にあり、更 に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合に 当該添加剤の効き目が低下する傾向にある。 また、潤滑油基油の%C p が99を超えると、添加剤の溶解性が低下する 向にある。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の%C N は、好ましくは20以下、より好ましくは15以 、更に好ましくは1~12、特に好ましくは3~10で ある。潤滑油基油の%C N が20を超えると、粘度-温度特性、熱・酸化安 定性及び摩擦特性が低下する傾向にある。ま た、%C N が1未満であると、添加剤の溶解性が低下す 傾向にある。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の%C A は、好ましくは0.7以下、より好ましくは0.6以 下、更に好ましくは0.1~0.5である。潤滑油基 の%C A が0.7を超えると、粘度-温度特性、熱・酸化 定性及び摩擦特性が低下する傾向にある。 た、本発明にかかる潤滑油基油の%C A は0であってもよいが、%C A を0.1以上とすることにより、添加剤の溶解性 を更に高めることができる。

 更に、本発明にかかる潤滑油基油における% C P と%C N との比率は、%C P /%C N が7以上であることが好ましく、7.5以上であ ことがより好ましく、8以上であることが更 好ましい。%C P /%C N が7未満であると、粘度-温度特性、熱・酸化 定性及び摩擦特性が低下する傾向にあり、 に、潤滑油基油に添加剤が配合された場合 当該添加剤の効き目が低下する傾向にある また、%C P /%C N は、200以下であることが好ましく、100以下で あることがより好ましく、50以下であること 更に好ましく、25以下であることが特に好 しい。%C P /%C N を200以下とすることにより、添加剤の溶解性 を更に高めることができる。

 なお、本発明でいう%C P 、%C N 及び%C A とは、それぞれASTM D 3238-85に準拠した方法(n -d-M環分析)により求められる、パラフィン炭 数の全炭素数に対する百分率、ナフテン炭 数の全炭素数に対する百分率、及び芳香族 素数の全炭素数に対する百分率を意味する つまり、上述した%C P 、%C N 及び%C A の好ましい範囲は上記方法により求められる 値に基づくものであり、例えばナフテン分を 含まない潤滑油基油であっても、上記方法に より求められる%C N が0を超える値を示すことがある。

 また、本発明にかかる潤滑油基油のヨウ 価は、好ましくは0.5以下であり、より好ま くは0.3以下、更に好ましくは0.15以下であり 、また、0.01未満であってもよいが、それに 合うだけの効果が小さい点及び経済性との 係から、好ましくは0.001以上、より好ましく は0.05以上である。潤滑油基油のヨウ素価を0. 5以下とすることで、熱・酸化安定性を飛躍 に向上させることができる。なお、本発明 いうヨウ素価とは、JIS K 0070「化学製品の 価、ケン化価、ヨウ素価、水酸基価及び不 ン化価」の指示薬滴定法により測定したヨ 素価を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油におけ 硫黄分の含有量は、その原料の硫黄分の含 量に依存する。例えば、フィッシャートロ シュ反応等により得られる合成ワックス成 のように実質的に硫黄を含まない原料を用 る場合には、実質的に硫黄を含まない潤滑 基油を得ることができる。また、潤滑油基 の精製過程で得られるスラックワックスや ろう過程で得られるマイクロワックス等の 黄を含む原料を用いる場合には、得られる 滑油基油中の硫黄分は通常100質量ppm以上と る。本発明にかかる潤滑油基油においては 熱・酸化安定性の更なる向上及び低硫黄化 点から、硫黄分の含有量が10質量ppm以下で ることが好ましく、5質量ppm以下であること より好ましく、3質量ppm以下であることが更 に好ましい。

 また、コスト低減の点からは、原料とし スラックワックス等を使用することが好ま く、その場合、得られる潤滑油基油中の硫 分は50質量ppm以下が好ましく、10質量ppm以下 であることがより好ましい。なお、本発明で いう硫黄分とは、JIS K 2541-1996に準拠して測 される硫黄分を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油におけ 窒素分の含有量は、特に制限されないが、 ましくは5質量ppm以下、より好ましくは3質 ppm以下、更に好ましくは1質量ppm以下である 窒素分の含有量が5質量ppmを超えると、熱・ 酸化安定性が低下する傾向にある。なお、本 発明でいう窒素分とは、JIS K 2609-1990に準拠 て測定される窒素分を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の動粘度 、その100℃における動粘度は、好ましくは1 .5~20mm 2 /s、より好ましくは2.0~11mm 2 /sである。潤滑油基油の100℃における動粘度 1.5mm 2 /s未満の場合、蒸発損失の点で好ましくない また、100℃における動粘度が20mm 2 /sを超える潤滑油基油を得ようとする場合、 の収率が低くなり、原料として重質ワック を用いる場合であっても分解率を高めるこ が困難となるため好ましくない。

 本発明においては、100℃における動粘度が 記の範囲にある潤滑油基油を蒸留等により 取し、使用することが好ましい。
(I)100℃における動粘度が1.5mm 2 /s以上3.5mm 2 /s未満、より好ましくは2.0~3.0mm 2 /sの潤滑油基油

 また、本発明にかかる潤滑油基油の40℃に ける動粘度は、好ましくは6.0~80mm 2 /s、より好ましくは8.0~50mm 2 /sである。本発明においては、40℃における 粘度が下記の範囲にある潤滑油留分を蒸留 により分取し、使用することが好ましい。 のような動粘度範囲にある潤滑油基油の粘 指数は、100以上であり、好ましくは110以上 より好ましくは120以上、さらに好ましくは12 5以上であり、好ましくは150以下、より好ま くは140以下、さらに好ましくは130以下であ 。

 上記潤滑油基油(I)は、尿素アダクト値及 粘度指数がそれぞれ上記条件を満たすこと より、粘度グレードが同じ従来の潤滑油基 と比較して、粘度-温度特性と低温粘度特性 とを高水準で両立することができ、特に、低 温粘度特性に優れ、粘性抵抗や撹拌抵抗を著 しく低減することができる。また、流動点降 下剤を配合することにより、-40℃におけるBF 度を2000mPa・s以下とすることができる。な 、-40℃におけるBF粘度とは、JPI-5S-26-99に準拠 して測定された粘度を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の20℃ おける屈折率は、潤滑油基油の粘度グレー にもよるが、例えば、上記潤滑油基油(I)の 折率は、好ましくは1.455以下、より好ましく は1.453以下、更に好ましくは1.451以下である 屈折率が前記上限値を超えると、その潤滑 基油の粘度-温度特性及び熱・酸化安定性、 には揮発防止性及び低温粘度特性が低下す 傾向にあり、また、当該潤滑油基油に添加 が配合された場合に当該添加剤の効き目が 下する傾向にある。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の流動 は特に制限されないが、例えば、上記潤滑 基油(I)の屈折率は、好ましくは-10℃以下、 り好ましくは-12.5℃以下、更に好ましくは-1 5℃以下である。流動点が前記上限値を超え と、その潤滑油基油を用いた潤滑油全体の 温流動性が低下する傾向にある。なお、本 明でいう流動点とは、JIS K 2269-1987に準拠し て測定された流動点を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の-40℃ おけるBF粘度は特に制限されないが、例え 、上記潤滑油基油(I)の-40℃におけるBF粘度は 、より好ましくは8000mPa・s以下であり、更に ましくは6000mPa・s以下、特に好ましくは5000m Pa・s以下である。-40℃におけるBF粘度が前記 限値を超えると、その潤滑油基油を用いた 滑油全体の低温流動性が低下する傾向にあ 。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の15℃に ける密度(ρ 15 )は、潤滑油基油の粘度グレードによるが、 記式(1)で表されるρの値以下であること、す なわちρ 15 ≦ρであることが好ましい。
ρ=0.0025×kv100+0.816  (1)
[式中、kv100は潤滑油基油の100℃における動粘 度(mm 2 /s)を示す。]

 なお、ρ 15 >ρとなる場合、粘度-温度特性及び熱・酸 安定性、更には揮発防止性及び低温粘度特 が低下する傾向にあり、また、潤滑油基油 添加剤が配合された場合に当該添加剤の効 目が低下する傾向にある。

 例えば、上記潤滑油基油(I)のρ 15 は、好ましくは0.825以下、より好ましくは0.82 0以下である。

 なお、本発明でいう15℃における密度と 、JIS K 2249-1995に準拠して15℃において測定 れた密度を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油のアニリ 点(AP(℃))は、下記式(2)で表されるAの値以上 であること、すなわちAP≧Aであることが好ま しい。
A=4.3×kv100+100  (2)
[式中、kv100は潤滑油基油の100℃における動粘 度(mm 2 /s)を示す。]

 なお、AP<Aとなる場合、粘度-温度特性 び熱・酸化安定性、更には揮発防止性及び 温粘度特性が低下する傾向にあり、また、 滑油基油に添加剤が配合された場合に当該 加剤の効き目が低下する傾向にある。

 例えば、上記潤滑油基油(I)のアニリン点 、好ましくは108℃以上、より好ましくは110 以上である。(削除)なお、本発明でいうア リン点とは、JIS K 2256-1985に準拠して測定さ れたアニリン点を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油のNOACK 発量は、特に制限されないが、例えば、上 潤滑油基油(I)のNOACK蒸発量は、好ましくは50 量%以下、より好ましくは45質量%以下、更に 好ましくは40質量%以下であり、また、好まし くは20質量%以上、好ましくは25質量%以上、さ らに好ましくは30質量%以上である。NOACK蒸発 が前記下限値の場合、低温粘度特性の改善 困難となる傾向にある。また、NOACK蒸発量 それぞれ前記上限値を超えると、潤滑油の 発損失量が多くなり、緩衝器内の作動油が 足することになる。なお、本発明でいうNOACK 蒸発量とは、ASTM D 5800-95に準拠して測定さ た蒸発損失量を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油の蒸留 状は、ガスクロマトグラフィー蒸留で、初 点(IBP)が290~440℃、終点(FBP)が430~580℃である とが好ましく、かかる蒸留範囲にある留分 ら選ばれる1種又は2種以上の留分を精留す ことにより、上述した好ましい粘度範囲を する潤滑油基油(I)を得ることができる。

 例えば、上記潤滑油基油(I)の蒸留性状に し、その初留点(IBP)は、好ましくは260~340℃ より好ましくは270~330℃、更に好ましくは280 ~320℃である。また、10%留出温度(T10)は、好ま しくは310~390℃、より好ましくは320~380℃、更 好ましくは330~370℃である。また、50%留出点 (T50)は、好ましくは340~440℃、より好ましくは 360~430℃、更に好ましくは370~420℃である。ま 、90%留出点(T90)は、好ましくは405~465℃、よ 好ましくは415~455℃、更に好ましくは425~445 である。また、終点(FBP)は、好ましくは430~49 0℃、より好ましくは440~480℃、更に好ましく 450~490℃である。また、T90-T10は、好ましく 60~140℃、より好ましくは70~130℃、更に好ま くは80~120℃である。また、FBP-IBPは、好まし は140~200℃、より好ましくは150~190℃、更に ましくは160~180℃である。また、T10-IBPは、好 ましくは40~100℃、より好ましくは50~90℃、更 好ましくは60~80℃である。また、FBP-T90は、 ましくは5~60℃、より好ましくは10~55℃、更 好ましくは15~50℃である。

 潤滑油基油(I)のIBP、T10、T50、T90、FBP、T90- T10、FBP-IBP、T10-IBP、FBP-T90を上記の好ましい範 囲に設定することで、低温粘度の更なる改善 と、蒸発損失の更なる低減とが可能となる。 なお、T90-T10、FBP-IBP、T10-IBP及びFBP-T90のそれ れについては、それらの蒸留範囲を狭くし ぎると、潤滑油基油の収率が悪化し、経済 の点で好ましくない。

 なお、本発明でいう、IBP、T10、T50、T90及 FBPとは、それぞれASTM D 2887-97に準拠して測 定される留出点を意味する。

 また、本発明にかかる潤滑油基油におけ 残存金属分は、製造プロセス上余儀なく混 する触媒や原料に含まれる金属分に由来す ものであるが、かかる残存金属分は十分除 されることが好ましい。例えば、Al、Mo、Ni 含有量は、それぞれ1質量ppm以下であること が好ましい。これらの金属分の含有量が上記 上限値を超えると、潤滑油基油に配合される 添加剤の機能が阻害される傾向にある。

 なお、本発明でいう残存金属分とは、JPI- 5S-38-2003に準拠して測定される金属分を意味 る。

 また、本発明にかかる潤滑油基油は、そ 動粘度に応じて以下に示すRBOT寿命を示すこ とが好ましい。例えば、上記潤滑油基油(I)の RBOT寿命は、好ましくは290min以上、より好ま くは300min以上、更に好ましくは310min以上で る。RBOT寿命がそれぞれ前記下限値未満の場 、潤滑油基油の粘度-温度特性及び熱・酸化 安定性が低下する傾向にあり、更に、潤滑油 基油に添加剤が配合された場合には当該添加 剤の効き目が低下する傾向にある。

 なお、本発明でいうRBOT寿命とは、潤滑油 基油にフェノール系酸化防止剤(2,6-ジ-tert-ブ ル-p-クレゾール;DBPC)を0.2質量%添加した組成 物について、JIS K 2514-1996に準拠して測定さ たRBOT値を意味する。

 本発明の緩衝器用作動油においては、本 明にかかる潤滑油基油を単独で用いてもよ 、また、本発明にかかる潤滑油基油を他の 油の1種又は2種以上と併用してもよい。な 、本発明にかかる潤滑油基油と他の基油と 併用する場合、それらの混合基油中に占め 本発明にかかる潤滑油基油の割合は、30質量 %以上であることが好ましく、50質量%以上で ることがより好ましく、70質量%以上である とが更に好ましい。

 本発明にかかる潤滑油基油と併用される他 基油としては、特に制限されないが、鉱油 基油としては、例えば100℃における動粘度 1~100mm 2 /sの溶剤精製鉱油、水素化分解鉱油、水素化 製鉱油、溶剤脱ろう基油などが挙げられる

 また、合成系基油としては、ポリα-オレ ィン又はその水素化物、イソブテンオリゴ ー又はその水素化物、イソパラフィン、ア キルベンゼン、アルキルナフタレン、ジエ テル(ジトリデシルグルタレート、ジ-2-エチ ルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペ ート、ジトリデシルアジペート、ジ-2-エチル ヘキシルセバケート等)、ポリオールエステ (トリメチロールプロパンカプリレート、ト メチロールプロパンペラルゴネート、ペン エリスリトール2-エチルヘキサノエート、 ンタエリスリトールペラルゴネート等)、ポ オキシアルキレングリコール、ジアルキル フェニルエーテル、ポリフェニルエーテル が挙げられ、中でも、ポリα-オレフィンが ましい。ポリα-オレフィンとしては、典型 には、炭素数2~32、好ましくは6~16のα-オレ ィンのオリゴマー又はコオリゴマー(1-オク ンオリゴマー、デセンオリゴマー、エチレ -プロピレンコオリゴマー等)及びそれらの水 素化物が挙げられる。

 ポリα-オレフィンの製法は特に制限され いが、例えば、三塩化アルミニウム又は三 ッ化ホウ素と、水、アルコール(エタノール 、プロパノール、ブタノール等)、カルボン またはエステルとの錯体を含むフリーデル クラフツ触媒のような重合触媒の存在下、α -オレフィンを重合する方法が挙げられる。

 また、本発明の緩衝器用作動油は、粘度 数向上剤を更に含有することが好ましい。 度指数向上剤としては、潤滑油の粘度指数 上剤として通常用いられる任意の化合物が 用可能であり、例えば、各種メタクリル酸 ステルから選ばれる1種又は2種以上のモノ ーの重合体又は共重合体若しくはその水添 などのいわゆる非分散型粘度指数向上剤、 はさらに窒素化合物を含む各種メタクリル エステルを共重合させたいわゆる分散型粘 指数向上剤、非分散型又は分散型エチレン- -オレフィン共重合体(α-オレフィンとしては プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン等が例示 きる。)若しくはその水素化物、ポリイソブ レン若しくはその水添物、スチレン-ジエン 共重合体の水素化物、スチレン-無水マレイ 酸エステル共重合体及びポリアルキルスチ ン等が挙げられる。

 粘度指数向上剤の重量平均分子量は、例 ば分散型及び非分散型ポリメタクリレート 場合では、通常5,000~1,000,000、好ましくは100, 000~900,000のものが、ポリイソブチレン又はそ 水素化物の場合は通常800~500,000、好ましく 1,000~400,000のものが、エチレン-α-オレフィン 共重合体又はその水素化物の場合は通常800~50 0,000、好ましくは3,000~200,000のものが用いられ る。

 本発明においては、上記粘度指数向上剤 中から任意に選ばれた1種類あるいは2種類 上の化合物を任意の量で含有させることが きる。

 上記の粘度指数向上剤の中では、粘度指 向上効果及び低温粘度特性の改善効果に優 る点で、ポリメタクリレート系粘度指数向 剤を用いることが好ましい。また、ポリメ クリレート系粘度指数向上剤の重量平均分 量は、好ましくは1万~30万、より好ましくは 4万~25万、更に好ましくは10万~20万である。ポ リメタクリレート系粘度指数向上剤の重量平 均分子量を前記下限値以上とすることにより 、より高い粘度指数向上効果及び低温粘度特 性の改善効果を得ることができ、また、前記 上限値以下とすることによってせん断安定性 に優れた組成物を得ることができる。

 粘度指数向上剤の含有量は、通常組成物 準で0.1~20質量%であるが、本発明においては 、緩衝器用作動油全量基準で、粘度指数向上 剤に含まれるポリマー量として、好ましくは 2.5質量%以下、より好ましくは2質量%以下、さ らに好ましくは1.5質量%以下、特に好ましく 1質量%以下であり、また、好ましくは0.01質 %以上、より好ましくは0.1質量%以上である。 粘度指数向上剤に含まれるポリマー量として 、2.5質量%以下とすることでせん断安定性に り優れた組成物を得ることができ、0.01質量% 以上とすることで、低温粘度特性改善効果が より高まる。

 また、本発明の緩衝器用作動油は、上記 粘度指数向上剤の他に、緩衝器用作動油に 用される任意の添加剤を配合することがで る。かかる潤滑油添加剤としては、具体的 は、酸化防止剤、無灰分散剤、極圧剤又は 耗防止剤、摩擦調整剤、流動点降下剤、金 不活性化剤、消泡剤、金属系清浄剤、腐食 止剤、防錆剤、抗乳化剤、シール膨潤剤、 色剤などが挙げられる。これらの添加剤は 1種を単独で用いてもよく、また、2種以上 組み合わせて用いてもよい。

 酸化防止剤としては、潤滑油の酸化防止 として通常用いられる任意の化合物が使用 能であり、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-p-クレ ゾール、4,4’-メチレンビス(2,6-ジ-tert-ブチル フェノール)、オクチル-3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4- ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3-メチ ル-5-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル置換脂 酸エステル類等のフェノール系酸化防止剤 フェニル-α-ナフチルアミン、アルキルフェ ニル-α-ナフチルアミン、ジアルキルジフェ ルアミン等のアミン系酸化防止剤等が挙げ れる。

 これらの酸化防止剤は、緩衝器用作動油 量基準で、通常0.01~5質量%の範囲で本発明の 緩衝器用作動油に含有させることが可能であ る。

 無灰分散剤としては、潤滑油の無灰分散 として通常用いられる任意の化合物が使用 能であり、例えば、炭素数40~400のアルキル 又はアルケニル基を有するコハク酸イミド ベンジルアミン、ポリアミン等及びそれら ホウ素化合物、リン化合物、硫黄化合物、 酸素有機化合物等により変性された誘導体 が挙げられる。本発明においては、数平均 子量が700~2500、好ましくは900~1500のアルキル 基又はアルケニル基を少なくとも1つ有する ハク酸イミド、中でもビスタイプの該コハ 酸イミドを含有することが望ましい。

 これら無灰分散剤は、緩衝器用作動油全 基準で、通常0.01~20質量%の範囲で本発明の 衝器用作動油に含有させることが可能であ が、本発明においては、好ましくは0.01~5質 %、より好ましくは1質量%以下、特に好まし は0.5質量%以下である。

 摩耗防止剤としては、潤滑油の摩耗防止剤 して通常用いられる任意の化合物が使用可 であり、例えば、リン及び/又は硫黄含有摩 耗防止剤等が挙げられ、例えば、(チオ)リン エステル類、(チオ)亜リン酸エステル類、 れらの誘導体、これら金属塩、これらのア ン塩、及びジスルフィド類、硫化オレフィ 類、硫化油脂類、ジチオカーバメート、ジ オカルバミン酸亜鉛等の硫黄含有化合物等 挙げられる。本発明においては、ジアルキ ジチオリン酸亜鉛、炭素数1~30、好ましくは 素数4~24、より好ましくは炭素数8~20のアル ル基又はアルケニル基を有する亜リン酸エ テル及び/又はリン酸エステルを含有させる とが望ましく、炭素数8~20のアルキル基又は アルケニル基を有する亜リン酸エステル(例 ばジ(2-エチルヘキシル)ハイドロジェンホス ァイトやジオレイルハイドロジェンホスフ イト等)を含有させることが特に望ましい。
これらの摩耗防止剤は、緩衝器用作動油全量 基準で、通常0.01~5質量%の範囲で本発明の緩 器用作動油に含有させることが可能である

 摩擦調整剤としては、潤滑油用の摩擦調 剤として通常用いられる任意の化合物が使 可能であり、例えば、炭素数6~30のアルキル 基又はアルケニル基、特に炭素数6~30の直鎖 ルキル基又は直鎖アルケニル基を分子中に なくとも1個有する、脂肪族アルコール、脂 族エーテル、脂肪族アミン、脂肪酸、脂肪 エステル、サルコシン類等の窒素を含む脂 酸及びこれらの誘導体等の摩擦調整剤等が げられる。本発明においては、炭素数12~20 アルキル基又はアルケニル基を有する脂肪 又はその誘導体を含有することが好ましく 該脂肪酸と多価アルコールとのエステル(例 ばグリセリンオレエート等)を含有すること が特に望ましい。これらの摩擦調整剤は、通 常、緩衝器用作動油全量基準で、0.01~5質量% 範囲で含有させることが可能である。

 流動点降下剤としては、潤滑油の流動性 上剤として通常用いられる任意の化合物が 用可能であり、例えば、ポリメタクリレー 系流動性向上剤等が挙げられる。

 金属不活性化剤としては、イミダゾリン ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾー 、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾト アゾール又はその誘導体、1,3,4-チアジアゾ ルポリスルフィド、1,3,4-チアジアゾリル-2,5 -ビスジアルキルジチオカーバメート、2-(ア キルジチオ)ベンゾイミダゾール、及びβ-(o- ルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル 等が挙げられる。

 消泡剤としては、例えば、シリコーン、 ルオロシリコーン、及びフルオロアルキル ーテル等が挙げられる。

 金属系清浄剤としては、アルカリ金属又 アルカリ土類金属のスルホネート、フィネ ト、サリシレート及びホスホネート等が挙 られる。

 腐食防止剤としては、例えば、ベンゾト アゾール系、トリルトリアゾール系、チア アゾール系、及びイミダゾール系化合物等 挙げられる。

 防錆剤としては、例えば、石油スルホネ ト、アルキルベンゼンスルホネート、ジノ ルナフタレンスルホネート、アルケニルコ ク酸エステル、及び多価アルコールエステ 等が挙げられる。

 抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシ チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチ ンアルキルフェニルエーテル、及びポリオ シエチレンアルキルナフチルエーテル等の リアルキレングリコール系非イオン系界面 性剤等が挙げられる。

 これらの添加剤を本発明の緩衝器用油圧 動油に含有させる場合には、その含有量は 衝器用作動油全量基準で、流動点降下剤、 属系清浄剤、腐食防止剤、防錆剤、抗乳化 ではそれぞれ0.005~5質量%、金属不活性化剤 は0.005~1質量%、消泡剤では0.0005~1質量%の範囲 で通常選ばれる。

 本発明の緩衝器用油圧作動油の動粘度は、 に制限はないが、40℃における動粘度は、 常3~60mm 2 /s、好ましくは6~20mm 2 /s、特に好ましくは8~15mm 2 /sである。

 本発明の緩衝器用油圧作動油の-40℃にお るブルックフィールド粘度は、この温度に いても十分な緩衝作用や減衰力が得られる めに、好ましくは2000mPa・s以下であり、よ 好ましくは1700mPa・s以下であり、さらに好ま しくは1400mPa・s以下であり、特に好ましくは1 200mPa・s以下である。

 本発明の緩衝器用油圧作動油においては 石油学会法JPI-5S-29-06の条件でせん断したと 、せん断前の100℃における動粘度に対する ん断後の100℃における動粘度の低下率が、1 0%以下であることが好ましく、8%以下である とがより好ましく、6%以下であることが更に 好ましい。なお、ここでいうせん断後の動粘 度の低下率は、せん断前の100℃における動粘 度とせん断後の100℃における動粘度との差を せん断前の100℃における動粘度で除した値に 100を乗じることによって求められる。

 以下、実施例及び比較例に基づき本発明 更に具体的に説明するが、本発明は以下の 施例に何ら限定されるものではない。

 [実施例1]
 実施例1においては、まず、溶剤精製基油を 精製する工程において減圧蒸留で分離した留 分を、フルフラールで溶剤抽出した後で水素 化処理し、次いで、メチルエチルケトン-ト エン混合溶剤で溶剤脱ろうした。溶剤脱ろ の際に除去され、スラックワックスとして られた粗ワックス分(以下、「WAX1」という。 )を、潤滑油基油の原料油として用いた。WAX1 性状を表1に示す。

 次に、WAX1を原料油とし、水素化処理触媒 を用いて水素化処理を行った。このとき、原 料油中のノルマルパラフィンの分解率が10質 %以下となるように、反応温度および液空間 速度を調整した。また、水素化処理後の被処 理物の硫黄分は10質量ppm以下、窒素分は3ppm以 下であった。

 次に、上記の水素化処理により得られた 処理物について、貴金属含有量0.1~5重量%に 整されたゼオライト系水素化脱ロウ触媒を い、315℃~325℃の温度範囲で水素化脱ロウを 行った。

 更に、上記の水素化脱ロウにより得られ 被処理物(ラフィネート)について、水素化 成触媒を用いて水素化精製を行った。その 蒸留により軽質分および重質分を分離して 表2に示す組成及び性状を有する潤滑油基油D 1を得た。表2中、「尿素アダクト物中のノル ルパラフィン由来成分の割合」は、尿素ア クト値の測定の際に得られた尿素アダクト についてガスクロマトグラフィー分析を実 することによって得られたものである(以下 、同様である。)。

 [実施例2]
 実施例2においては、まず、溶剤精製基油を 精製する工程において減圧蒸留で分離した留 分を、フルフラールで溶剤抽出した後で水素 化処理し、次いで、メチルエチルケトン-ト エン混合溶剤で溶剤脱ろうした。溶剤脱ろ の際に除去され、スラックワックスとして られたワックス分をさらに油分が5質量%とな るように脱油して得られた精製ワックス分( 下、「WAX2」という。)を、潤滑油基油の原料 油として用いた。WAX2の性状を表1に示す。

 次に、WAX1の代わりにWAX2を用いたこと以 は実施例1と同様にして、水素化処理、水素 脱ロウ、水素化精製及び蒸留を行い、表2に 示す組成及び性状を有する潤滑油基油D2を得 。

 [実施例3]
 実施例3においては、パラフィン含量が95質 %であり、20から80までの炭素数分布を有す フィッシャートロプシュ合成により得られ FTワックス(以下、「WAX3」という。)を用いた 。WAX3の性状を表1に示す。

 次に、WAX1の代わりにWAX2を用いたこと以 は実施例1と同様にして、水素化処理、水素 脱ロウ、水素化精製及び蒸留を行い、表2に 示す組成及び性状を有する潤滑油基油D3を得 。

 また、表3には、比較例1、2として、従来 水素化分解鉱油R1及び従来の溶剤精製鉱油R2 の性状を併記した。

 [実施例4~8、比較例3~8]
 実施例4~8及び比較例3~8においては、それぞ 潤滑油基油D1、R1、R2及び下記の潤滑油基油R 3、並びに下記の添加剤を用いて、表4、5に示 す組成を有する作動油を調製した。
潤滑油基油R3:石油系ソルベント(40℃における 動粘度:3.2mm 2 /s、15℃における密度:0.82g/cm 3 )
粘度指数向上剤A:ポリメタクリレート系粘度 数向上剤(重量平均分子量:16万、ポリマー含 有量65質量%)
粘度指数向上剤B:ポリメタクリレート系粘度 数向上剤(重量平均分子量:5万、ポリマー含 量75質量%)
粘度指数向上剤C:ポリメタクリレート系粘度 数向上剤(重量平均分子量:2万、ポリマー含 量75質量%)
添加剤パッケージ:コハク酸イミド系分散剤 ジ(2-エチルヘキシル)ハイドロジェンホスフ イト、グリセリンモノオレートの混合物。

 次に、実施例4~8及び比較例3~8の作動油に いて以下の試験を実施した。

(ブルックフィールド粘度の測定)
 JPI-5S-26-99に準拠した方法により、-40℃にお るブルックフィールド粘度(BF粘度)を測定し た。得られた結果を表4、5に示す。

(せん断安定性試験)
 JPI-5S-29-06に準拠した方法により、10kHz、28μm 、1時間の条件でせん断安定性試験を行い、 ん断試験前の100℃における動粘度と、せん 試験後の試験油の100℃における動粘度とか 、100℃における動粘度低下率を求めた。得 れた結果を表4、5に示す。動粘度低下率が小 さいほどせん断安定性に優れ、過酷な条件下 においても、緩衝器用油圧作動油として必要 な動粘度を維持できるとともに、動粘度低下 による緩衝器の減衰力低下を抑制しやすくな る。

(泡立ち性試験)
 JIS K2518に準拠した方法により25℃において 立ち性試験を行い、泡立ち量(ml)と、その泡 が消失するまでの時間(秒)を測定した。得ら た結果を表4、5に示す。泡立ち量が少なく 泡時間が短いほど、緩衝器用油圧作動油と て使用した場合には、緩衝器の減衰力を低 させにくい優れた組成物を得ることができ 。

 表4、5に示した結果から明らかなとおり 実施例4~8の作動油組成物は、粘度指数が高 低温粘度特性にも優れており、その一方で せん断安定性が非常に優れていることがわ る。また、実施例4~8における潤滑油基油D1の 代わりに潤滑油基油D2又はD3を用いて作動油 調製し、同様の試験を実施したところ、こ らの作動油についても、粘度指数が高く低 粘度特性にも優れており、その一方で、せ 断安定性が非常に優れていることが確認さ た。