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Title:
BLOCK COPOLYMER HAVING LOW PERMEABILITY TO FUEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119723
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a fluoroelastomer that, while maintaining cold resistance possessed by cold-resistant fluororubbers, has low hardness and very low permeability to a fuel. Also disclosed are a composition for peroxide vulcanization and an automotive component in a fuel system that has been molded using the composition. The fluoroelastomer is a peroxide vulcanizable fluoroelastomer. The fluoroelastomer is a block copolymer consisting of a fluoroelastomer segment (A) having either (1) a vinylidene fluoride/perfluoroalkyl vinyl ether copolymer composition ratio of 50 to 85/15 to 50% by mole or (2) a vinylidene fluoride/tetrafluoroethylene/perfluoroalkyl vinyl ether copolymer composition ratio of 45 to 85/1 to 30/15 to 30% by mole, and a fluoroelastomer segment (B) substantially incompatible with the fluoroelastomer segment (A) and contains an iodine atom.

Inventors:
FUKUOKA SHOJI (JP)
WASHINO KEIKO (JP)
NISHII SHUMI (JP)
OTA DAISUKE (JP)
KISHINE MITSURU (US)
Application Number:
PCT/JP2009/056084
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 26, 2009
Export Citation:
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Assignee:
DAIKIN IND LTD (JP)
FUKUOKA SHOJI (JP)
WASHINO KEIKO (JP)
NISHII SHUMI (JP)
OTA DAISUKE (JP)
KISHINE MITSURU (US)
International Classes:
C08F293/00; C08F214/18; C08K5/14; C08L27/12
Domestic Patent References:
WO2001016234A12001-03-08
Foreign References:
JPH07316246A1995-12-05
JPS5933313A1984-02-23
JP2002012705A2002-01-15
JPH0215873Y21990-04-27
JP2001011272A2001-01-16
JPH04270712A1992-09-28
JPH06329860A1994-11-29
JPS533495A1978-01-13
JPH0372556A1991-03-27
JPH06220143A1994-08-09
Attorney, Agent or Firm:
ASAHINA, Sohta (JP)
Asahi 奈 Muneta (JP)
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Claims:
 (1)フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の組成割合が50~85/15~50モル%、または(2)フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体の組成割合が45~85/1~30/14~30モル%のいずれかの組成を有する含フッ素エラストマーセグメント(A)と、
含フッ素エラストマーセグメント(A)と実質的に相溶性のない含フッ素エラストマーセグメント(B)のみからなるブロック共重合体であって、
ヨウ素原子を有するパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラストマー。
 フッ化ビニリデン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(1)がフッ化ビニリデン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体であり、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(2)がフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体である請求項1記載の含フッ素エラストマー。
 含フッ素エラストマーセグメント(B)が、(b1)テトラフルオロエチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体の組成割合が45~85/15~55モル%、(b2)テトラフルオロエチレン/エチレン/パーフルオロメチルビニルエーテル共重合体の組成割合が15~85/1~30/14~55モル%、および(b3)フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレンの組成割合が25~85/0~40/15~40モル%よりなる群から選ばれる少なくとも1種の共重合体である請求項1または2記載の含フッ素エラストマー。
 含フッ素エラストマーセグメント(A)の含有割合が、含フッ素エラストマー中60~95質量%であり、含フッ素エラストマーセグメント(B)の含有割合が、含フッ素エラストマー中5~40質量%である請求項1~3のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
 含フッ素エラストマーセグメント(A)の両末端に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を有する請求項1~4のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
 フッ素含有量が64.0~70.0質量%である請求項1~5のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
 示差走査熱量測定装置によって測定されるガラス転移温度を2つ有する請求項1~6のいずれかに記載の含フッ素エラストマー。
 (i)請求項1~7のいずれかに記載の含フッ素エラストマー、(ii)多官能性不飽和化合物および(iii)パーオキサイドを含むパーオキサイド加硫用組成物。
 請求項8記載のパーオキサイド加硫用組成物を用いて成形された燃料に接触する自動車部品。
 RI n (式中、nは1~2の整数であり、Rは炭素数1~8の飽和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基またはクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでいてもよい)で表される含ヨウ素化合物の存在下で、ラジカル重合を行うことを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
 含フッ素エラストマーセグメント(A)を重合した後に、含フッ素エラストマーセグメント(B)を重合することを特徴とする請求項10記載の含フッ素エラストマーの製造方法。
Description:
燃料低透過性ブロック共重合体

 本発明は、含フッ素エラストマーのブロ ク共重合体に関する。

 フッ化ビニリデン(VdF)をベースにパーフ オロアルキルビニルエーテル(PAVE)を共重合 せた耐寒性フッ素ゴムは、-25℃以下という 温条件下においても優れた耐寒性を示すが 自動車用途で要求される燃料低透過性にお てはVdF/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重 体やVdF/HFP/テトラフルオロエチレン(TFE)共重 体に比べて劣っており、耐寒性と燃料低透 性の両立が望まれている。

 耐寒性フッ素ゴムの燃料低透過性を向上 せるためには、フッ素含有量を高くして燃 との相溶性を悪くする方法があるが、この 合にはフッ素ゴムの耐寒性が犠牲になる。

 含フッ素エラストマーにフッ素樹脂成分 ブロック重合させた熱可塑性エラストマー 自動車燃料の低透過性に優れる。これはポ マー中の樹脂成分が燃料の透過を抑えるた と考えられている。しかし、このエラスト ーから得られる成形品は、低透過性を達成 るには樹脂成分の量を増やす必要があるこ から、硬度が上昇する、あるいは含フッ素 ラストマーの耐寒性が悪化するなど、ゴム しさを犠牲にしている。従って、本願の目 とする燃料低透過性と耐寒性を兼ね備えた 料にはなり得なかった。

 また、含フッ素エラストマーにパーフル ロエラストマーを、たとえば乳化液の状態 ブレンドすることで燃料低透過性を向上さ ることも可能であるが、この場合には燃料 透過性の向上の度合いが小さい。

 ところで特許文献1では、ヨウ素および/ たは臭素含有化合物の存在下に、TFEとPAVEで るパーフルオロメチルビニルエーテル(PMVE) 共重合反応させたのち、未反応モノマーを 出することなく、引続きこの反応系にTFEお びVdFを供給して重合反応を継続させる含フ 素共重合体の製造方法について開示されて る。特許文献1における製造方法は、共重合 体を高収率で製造することができ、生産性を 上げることができるが、耐寒性と燃料低透過 性の両立という課題の解決には至っていない 。

特開平3-122106号公報

 本発明は、耐寒性フッ素ゴムの耐寒性を 持したまま、低硬度で、燃料低透過性に優 たパーオキサイド加硫可能な含フッ素エラ トマー、パーオキサイド加硫用組成物およ 該組成物を用いて成形した燃料系の自動車 品を提供することを目的とする。

 本発明は、(1)フッ化ビニリデン(VdF)/パーフ オロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合体 組成割合が50~85/15~50モル%、または(2)VdF/テト ラフルオロエチレン(TFE)/PAVE共重合体の組成 合が45~85/1~30/14~30モル%のいずれかの組成を有 する含フッ素エラストマーセグメント(A)と、
含フッ素エラストマーセグメント(A)と実質的 に相溶性のない含フッ素エラストマーセグメ ント(B)のみからなるブロック共重合体であっ て、
ヨウ素原子を有するパーオキサイド加硫可能 な含フッ素エラストマーに関する。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)にお るVdF/PAVE共重合体(1)がVdF/パーフルオロメチ ビニルエーテル(PMVE)共重合体であり、VdF/TFE /PAVE共重合体(2)がVdF/TFE/PMVE共重合体であるこ が好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)は、( b1)テトラフルオロエチレン/パーフルオロメ ルビニルエーテル共重合体の組成割合が45~85 /15~55モル%、(b2)テトラフルオロエチレン/エチ レン/パーフルオロメチルビニルエーテル共 合体の組成割合が15~85/1~30/14~55モル%、および (b3)フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレ /ヘキサフルオロプロピレンの組成割合が25~ 85/0~40/15~40モル%よりなる群から選ばれる少な とも1種の共重合体であることが好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)の含 割合が、含フッ素エラストマー中60~95質量% あり、含フッ素エラストマーセグメント(B) 含有割合が、含フッ素エラストマー中5~40質 量%であることが好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)の両 端に、含フッ素エラストマーセグメント(B) 有することが好ましく、フッ素含有量が64.0 ~70.0質量%であることが好ましい。また、示差 走査熱量測定装置によって測定されるガラス 転移温度を2つ有することが好ましい。

 また、本発明は、(i)前記含フッ素エラス マー、(ii)多官能性不飽和化合物および(iii) ーオキサイドを含むパーオキサイド加硫用 成物にも関する。

 また、本発明は、前記パーオキサイド加 用組成物を用いて成形された燃料に接触す 自動車部品にも関する。特に耐寒性としてT R10が-20℃以下である部品に用いることが好ま しい。

 さらに、本発明は、RI n (式中、nは1~2の整数であり、Rは炭素数1~8の飽 和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基また はクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数 1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでい てもよい)で表される含ヨウ素化合物の存在 で、ラジカル重合を行うことを特徴とする 記の含フッ素エラストマーの製造方法にも する。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)を重 した後に、含フッ素エラストマーセグメン (B)を重合することがより好ましい。

 本発明によれば、耐寒性フッ素ゴムの耐 性を維持したまま、低硬度で、燃料低透過 に優れるパーオキサイド加硫可能な含フッ エラストマー、パーオキサイド加硫用組成 および該組成物を用いて成形した燃料系の 動車部品を提供することができる。

 本発明は、(1)フッ化ビニリデン(VdF)/パー ルオロアルキルビニルエーテル(PAVE)共重合 の組成割合が50~85/15~50モル%、または(2)VdF/テ トラフルオロエチレン(TFE)/パーフルオロアル キルビニルエーテル(PAVE)共重合体の組成割合 が45~85/1~30/14~30モル%のいずれかの組成を有す 含フッ素エラストマーセグメント(A)と、含 ッ素エラストマーセグメント(A)と実質的に 溶性のない含フッ素エラストマーセグメン (B)のみからなるブロック共重合体であって ヨウ素原子を有するパーオキサイド加硫可 な含フッ素エラストマーに関する。

 本発明の含フッ素エラストマーは、含フ 素エラストマーセグメント(A)と含フッ素エ ストマーセグメント(B)の2種のエラストマー セグメントのみからなるブロック共重合体で あるため、加硫物の硬度は低く抑えられ、圧 縮永久歪性も含フッ素エラストマーセグメン トと含フッ素樹脂のブロック共重合体と比べ ると良好である。

 含フッ素エラストマーは、エラストマー 来の融点を有さない。融点の測定方法とし は、たとえば、DSCによって、60~400℃の温度 囲で昇温スピード10℃/分でセカンドスキャ の熱収支を測定し、その範囲内でピークを 定することができない場合にエラストマー あると確認することができる。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)におけ (1)VdF/PAVE共重合体、または(2)VdF/TFE/PAVE共重 体におけるPAVEとしては、パーフルオロメチ ビニルエーテル(PMVE)やCF 2 =CFORfで表されるパーフルオロアルコキシビニ ルエーテル(ここでRfは1~2個のエーテル結合を 含む炭素数3~10個のパーフルオロエーテル基 意味する。具体的にはCF 2 =CFO(CF 2 O) l R 1 、CF 2 =CFO(CF 2 CF 2 O) m R 1 、CF 2 =CFO(CF 2 CF 2 CF 2 O) n R 1 、CF 2 =CFOCF 2 CF(CF 3 )OR 1 (R 1 は炭素数1~5のパーフルオロアルキル基、l、m nはそれぞれ1または2)などが例示される。) 、耐寒性、柔軟性が良好という点でより好 しい。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)がVdF/ PAVE共重合体(1)である場合、VdF/PAVE共重合体(1) の組成割合は、耐寒性、柔軟性が良好である という点から、50~85/15~50モル%であり、好まし くは55~80/20~45モル%である。

 また、含フッ素エラストマーセグメント( A)が、(2)VdF/TFE/PAVE共重合体である場合、VdF/TFE /PAVE共重合体(2)の組成割合は、耐寒性、柔軟 が良好であるという点から、45~85/1~30/14~30モ ル%であり、好ましくは50~80/5~25/16~28モル%、よ り好ましくは55~75/7~22/16~25モル%である。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)の数 均分子量(Mn)は、後にブロック共重合される 含フッ素エラストマーセグメント(B)の量にも よるが、得られるブロック共重合体の成型加 工性が良好であるという点、および含フッ素 エラストマーセグメント(B)の分散性を向上さ せる意味合いから、20,000以上が好ましく、30, 000以上がより好ましい。また、300,000以下が ましく、さらに200,000以下がより好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)の100 におけるムーニー粘度も、前記分子量と同 に得られるブロック共重合体の成型加工性 良好であるという点から、2以上が好ましく 、5以上がさらに好ましい。また、200以下が ましく、150以下がさらに好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)のフ 素含有量は、燃料低透過性が良好であると う点から、63.5質量%以上が好ましく、64.0質 %以上がより好ましく、64.5質量%以上がさら 好ましい。また、含フッ素エラストマーセ メント(A)のフッ素含有量は、耐寒性が良好 あるという点から、68.0質量%以下が好まし 、67.5質量%以下がより好ましく、67.0質量%以 がさらに好ましい。

 含フッ素エラストマー中の含フッ素エラ トマーセグメント(A)の含有割合は、耐寒性 向上するという点から、60質量%以上が好ま く、65質量%以上がより好ましく、70質量%以 がさらに好ましい。また、含フッ素エラス マーセグメント(A)の含有割合は、燃料低透 性が向上するという点から、含フッ素エラ トマー中95質量%以下が好ましく、90質量%以 がより好ましい。

 本発明のブロック共重合体における含フ 素エラストマーセグメント(B)は、燃料低透 性に優れるエラストマーセグメントであり かつ含フッ素エラストマーセグメント(A)と 質的に相溶性のないセグメントであるため マトリックスを形成する含フッ素エラスト ーセグメント(A)中に含フッ素エラストマー グメント(B)が微分散し、ミクロドメインを 成している。そのため、燃料が透過する時 迂回効果が発揮され、低透過性が実現でき ものと考えられる。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)とし は、その架橋物が含フッ素エラストマーセ メント(A)の架橋物より優れた燃料低透過性 有するポリマーで、さらにエラストマーと ては含フッ素エラストマー(A)と相溶性が低 、相分離するポリマーであればよい。相分 するというのは含フッ素エラストマーセグ ント(A)および(B)両方のポリマーを共存させ 時に、たとえばそれぞれのポリマーに起因 るガラス転移温度が観測されることを意味 る。

 そのような含フッ素エラストマーとして VdFをベースとした含フッ素エラストマーやT FEをベースとした含フッ素エラストマー、あ いはエチレン(Et)をベースとした含フッ素エ ラストマーがあげられるが、その中では(b1)TF E/PMVE共重合体、(b2)TFE/Et/PMVE共重合体、(b3)VdF/T FE/ヘキサフルオロプロピレン(HFP)共重合体が のポリマー自体が燃料低透過性に優れる、 るいは含フッ素エラストマー(A)とブロック 重合しやすい点で好ましい。中でもVdF/PMVE 重合体およびVdF/TFE/PMVE共重合体とより親和 の低い(VdFを含まない)TFE/PMVE共重合体(b1)がよ り好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)にお る(b1)TFE/PMVE共重合体の組成割合は、柔軟性 および燃料低透過性が良好であるという点 ら、好ましくは50~85/15~50モル%であり、より ましくは55~80/20~45モル%である。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)にお る(b2)TFE/Et/PMVE共重合体の組成割合も、同様 柔軟性、および燃料低透過性が良好である いう点から、好ましくは15~85/1~30/14~55モル% あり、より好ましくは20~75/5~25/20~50モル%であ る。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)にお る(b3)VdF/TFE/HFP共重合体の組成割合は、同様 柔軟性および燃料低透過性が良好であると う点から、好ましくは25~85/0~40/15~40モル%で り、より好ましくは30~70/10~40/15~35モル%であ 。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)の数 均分子量(Mn)は、測定できないために明らか ではないが含フッ素エラストマー(A)中に微分 散可能な流動性を有する必要がある。

 含フッ素エラストマーセグメント(B)のフ 素含有量は、燃料低透過性が良好であると う点から、65.0質量%以上が好ましく、68.0質 %以上がより好ましく、70質量%以上がさらに 好ましい。また、含フッ素エラストマーセグ メント(B)のフッ素含有量は、耐寒性や柔軟性 が良好であるという点から、74.0質量%以下が ましく、73.5質量%以下がより好ましい。

 含フッ素エラストマー中の含フッ素エラ トマーセグメント(B)の含有割合は、燃料低 過性が良好であるという点から、5質量%以 が好ましく、10質量%以上がより好ましく、12 質量%以上がさらに好ましい。また、含フッ エラストマーセグメント(B)の含有割合は、 寒性が向上する、柔軟性が良好であるとい 点から、含フッ素エラストマー中40質量%以 が好ましく、35質量%以下がより好ましく、32 質量%以下がさらに好ましい。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)と含 ッ素エラストマーセグメント(B)は、互いに 溶しないため、2つのガラス転移温度が観測 される。もし含フッ素エラストマーセグメン ト(A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)が 相溶すると、燃料低透過性は向上するが、ガ ラス転移温度が大幅に上昇し、目標とする耐 寒性を得ることができない。含フッ素エラス トマーセグメント(A)と含フッ素エラストマー セグメント(B)は互いに相溶しないため、マト リックスとなる含フッ素エラストマーセグメ ント(A)の耐寒性フッ素ゴムの特徴である耐寒 性が発揮される。また燃料低透過性の含フッ 素エラストマーセグメント(B)がミクロに分散 されることにより燃料低透過性が実現される 。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)と含 ッ素エラストマーセグメント(B)のブロック 重合体のガラス転移温度は、たとえば、示 走査熱量測定(DSC)装置によって測定される ブロック共重合体において-50℃~150℃の温度 囲で昇温スピード10℃/分でセカンドスキャ の熱収支を測定し、変極点として検知され ものを中点法により求めることができる。

 含フッ素エラストマーセグメント(A)由来 ガラス転移温度は、耐寒性が良好であると う点から、含フッ素エラストマーセグメン (B)由来のガラス転移温度よりも低い温度で ることが好ましく、具体的には、-33℃~-20℃ が好ましく、-32℃~-24℃がより好ましい。ま 、含フッ素エラストマーセグメント(B)由来 ガラス転移温度は、燃料低透過性が良好で るという点から、含フッ素エラストマーセ メント(A)由来のガラス転移温度よりも高い 度であることが好ましく、具体的には、-20 ~+10℃が好ましく、-15℃~+5℃がより好ましい

 含フッ素エラストマーセグメント(A)と含 ッ素エラストマーセグメント(B)のブロック 重合体の数平均分子量(Mn)は、測定できない 場合も多いが通常用いられるフッ素ゴムの分 子量と同じ20,000~300,000の範囲であれば問題は い。

 また、含フッ素エラストマーセグメント( A)と含フッ素エラストマーセグメント(B)から るブロック共重合体の100℃におけるムーニ 粘度は、成型加工性が良好であるという点 ら、5以上が好ましく、10以上がより好まし 。また、ブロック共重合体の100℃における ーニー粘度は、同様に成型加工性が良好で るという点から、150以下が好ましく、120以 がより好ましく、100以下がさらに好ましい

 含フッ素エラストマーセグメント(A)およ 含フッ素エラストマーセグメント(B)からな ブロック共重合体のフッ素含有量は、燃料 透過性が良好であるという点から、64.0質量 %以上が好ましく、65.0質量%以上がより好まし い。また、ブロック共重合体のフッ素含有量 は、燃料低透過性が良好であるという点から 、70.0質量%以下が好ましく、69.0質量%以下が り好ましい。

 ブロック共重合体の形態としては、含フッ エラストマーセグメント(A)および含フッ素 ラストマーセグメント(B)の構成は、A-Bタイ 、B-A-Bタイプ、A-B-Aタイプ、-(B-A) n -タイプのものがあげられる。特に制約され ものではないが、燃料低透過性に優れる含 ッ素エラストマーセグメント(B)を微分散し いという点から、含フッ素エラストマーセ メント(A)の両末端に、含フッ素エラストマ セグメント(B)を有するB-A-Bタイプが好ましい 。

 本発明の含フッ素エラストマーであるブ ック共重合体は、ヨウ素原子を有しパーオ サイド加硫が可能である。ヨウ素原子を有 る含フッ素エラストマーの製造方法として 、得られる重合体の分子量分布が狭く、分 量の制御が容易である点、末端にヨウ素原 を導入することができる点から、公知のヨ 素移動重合法が好ましい。

 たとえば、実質的に無酸素下で、ヨウ素 合物、好ましくはジヨウ素化合物の存在下 、前記のエラストマーセグメントを構成す 単量体を加圧下で撹拌しながらラジカル開 剤の存在下、水媒体中での乳化重合、懸濁 合あるいは溶液重合を行う方法があげられ 。

 使用するヨウ素化合物の代表例としては、 とえば、RI n (式中、nは1~2の整数であり、Rは炭素数1~8の飽 和もしくは不飽和のフルオロ炭化水素基また はクロロフルオロ炭化水素基、または炭素数 1~3の炭化水素基であり、酸素原子を含んでい てもよい)で示される化合物などをあげるこ ができる。

 具体的には、モノヨードメタン、1-ヨード タン、1-ヨード-n-プロパン、ヨウ化イソプロ ピル、ジヨードメタン、1,2-ジヨードエタン 1,3-ジヨード-n-プロパン、I(CF 2 CF 2 ) n I(式中、nは1以上の整数である)で示される化 物などを用いることが好ましい。

 このようなヨウ素化合物を用いて得られ 含フッ素エラストマーには、ヨウ素原子が 入される(たとえば、特開昭53-125491号公報お よび特開昭63-304009号公報参照)。

 本発明の含フッ素エラストマーは、ヨウ 移動重合法を含む常法により製造すること でき、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合 などの重合法により製造することができる 重合時の温度、時間などの重合条件として 、単量体の種類や目的とするエラストマー より適宜決定すればよい。乳化剤、分子量 整剤、pH調整剤などを添加してもよい。分 量調整剤は、初期に一括して添加してもよ し、連続的にまたは分割して添加してもよ 。

 乳化重合に使用される乳化剤としては、 範囲なものが使用可能であるが、重合中に こる乳化剤分子への連鎖移動反応を抑制す 観点から、フルオロカーボン鎖または、フ オロポリエーテル鎖を有するカルボン酸の 類が望ましい。また、反応性乳化剤の使用 望ましい。

 重合に用いるラジカル重合開始剤として 、特に制限はなく公知の有機及び無機の過 化物を用いることが可能である。たとえば 溶性の有機過酸化物としてはジイソプロピ パーオキシジカーボネート、ジsec-ブチルパ ーオキシジカーボネートなどのジアルキルパ ーオキシカーボネート類、t-ブチルパーオキ ブチレート、t-ブチルパーオキシピバレー などのパーオキシエステル類、ジt-ブチルパ ーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイ ド類などがあげられる。

 無機の過酸化物としては、カルボキシル基 たはカルボキシル基を生成し得る基(たとえ ば、酸フルオライド、酸クロライド、CF 2 OHなどがあげられる。これらはいずれも水の 在下にカルボキシル基を生ずる)をエラスト マー末端に存在させ得るものが好ましく、具 体例としては、たとえば過硫酸アンモニウム (APS)、過硫酸カリウム(KPS)などがあげられる

 重合系内のpH調整剤としては、リン酸塩 炭酸塩、ホウ酸塩などの緩衝能を有する電 質物質、あるいは水酸化ナトリウム、水酸 カリウム、水酸化アンモニウムなどがあげ れる。

 分子量調整剤としては、前記であげられ ヨウ素化合物があげられる。

 重合反応混合物から重合生成物を単離す 方法として、たとえば塩化マグネシウム、 化カルシウム、塩化ナトリウム、硫酸マグ シウム、硫酸バリウムなどの金属塩を添加 て凝析させる方法があげられる。

 また、前記重合方法により、含フッ素エ ストマーセグメント(A)を重合した後、含フ 素エラストマーセグメント(B)を重合するこ によりブロック共重合体を製造することが 含フッ素エラストマーセグメント(B)の分散 を向上させる点で好ましい。

 また、本発明は、(i)前記含フッ素エラス マー、(ii)多官能性不飽和化合物および(iii) ーオキサイドからなるパーオキサイド加硫 組成物にも関する。

 多官能性不飽和化合物(ii)としては、パーオ キシラジカルおよびポリマーラジカルに対し て反応活性を有する化合物であればよく、た とえば、CH 2 =CH-、CH 2 =CHCH 2 -、CF 2 =CF-などの官能基を有する多官能性化合物が げられる。具体的には、たとえば、トリア ルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレ ト(TAIC)、トリメタアリルイソシアヌレート TAICプレポリマー、トリアクリルホルマール トリアリルトリメリテート、N,N’-n-フェニ ンビスマレイミド、ジプロパルギルテレフ レート、ジアリルフタレート、テトラアリ テレフタレートアミド、トリアリルホスフ ート、ビスマレイミド、フッ素化トリアリ イソシアヌレート(1,3,5-トリス(2,3,3-トリフ オロ-2-プロペニル)-1,3,5-トリアジン-2,4,6-ト オン)、トリス(ジアリルアミン)-S-トリアジ 、亜リン酸トリアリル、N,N-ジアリルアクリ アミド、1,6-ジビニルドデカフルオロヘキサ ン、ヘキサアリルホスホルアミド、N,N,N’,N -テトラアリルテトラフタラミド、N,N,N’,N’ -テトラアリルマロンアミド、トリビニルイ シアヌレート、2,4,6-トリビニルメチルトリ ロキサン、トリ(5-ノルボルネン-2-メチレン) アヌレート、トリアリルホスファイトなど あげられる。これらの中でも、加硫性、加 物の物性が良好であるという点から、トリ リルイソシアヌレート(TAIC)が好ましい。

 多官能性不飽和化合物(ii)の含有量は、加 硫物の圧縮永久ひずみ性や強度特性が良好で あるという点から、含フッ素エラストマー(i) 100質量部に対して0.5質量部以上が好ましく、 1.0質量部以上がより好ましい。また、多官能 性不飽和化合物(ii)の含有量は、金型汚れを ぐという点から、含フッ素エラストマー(i)10 0質量部に対して6.0質量部以下が好ましく、5. 0質量部以下がより好ましい。

 パーオキサイド(iii)は、一般には熱や酸 還元系の存在下で容易にパーオキシラジカ を発生するものがよく、たとえば1,1-ビス(t- チルパーオキシ)-3,5,5-トリメチルシクロヘ サン、2,5-ジメチルヘキサン-2,5-ジヒドロキ パーオキド、ジ-t-ブチルパーオキシド、t-ブ チルクミルパーオキシド、ジクミルパーオキ シド、α,α'-ビス(t-ブチルパーオキシ)-p-ジイ プロピルベンゼン、2,5-ジメチル-2,5-ジ(t-ブ ルパーオキシ)ヘキサン、2,5-ジメチル-2,5-ジ (t-ブチルパーオキシ)ヘキシン-3、ベンゾイル パーオキシド、t-ブチルパーオキシベンゼン 2,5-ジメチル-2,5-ジ(ベンゾイルパーオキシ) キサン、t-ブチルパーオキシマレイン酸、t- チルパーオキシイソプロピルカーボネート どがあげられる。それらの中で、好ましい のとしてはジアルキル化合物である。一般 活性-O-O-の量、分解温度などから種類なら に使用量が選ばれる。

 パーオキサイド(iii)の含有量は、充分な 硫速度が得られるという点から、含フッ素 ラストマー(i)100質量部に対して0.5質量部以 が好ましく、1.0質量部以上がより好ましい また、パーオキサイド(iii)の含有量は、充分 な特性が得られるという点から、含フッ素エ ラストマー(i)100質量部に対して10.0質量部以 が好ましく、5.0質量部以下がより好ましい

 本発明のパーオキサイド加硫用組成物に いて、必要に応じて加硫性エラストマー組 物に配合される通常の添加物、たとえば充 剤、加工助剤、可塑剤、着色剤などを配合 ることができる。また、前記のものとは異 る常用の加硫剤や加硫促進剤を1種またはそ れ以上配合してもよい。また、本発明の効果 を損なわない範囲において、別種のエラスト マーを混合して使用してもよい。

 本発明のパーオキサイド加硫用組成物は 一般的な充填剤を含有してもよい。

 一般的な充填剤としては、ポリアリレー 、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、 リフェニレンスルフィド、ポリオキシベン エート、ポリテトラフルオロエチレン粉末 どのエンジニアリングプラスチック製の有 物フィラー;酸化アルミニウム、酸化ケイ素 、酸化イットリウム、酸化チタンなどの金属 酸化物フィラー;炭化ケイ素、炭化アルミニ ムなどの金属炭化物フィラー、窒化ケイ素 窒化アルミニウムなどの金属窒化物フィラ ;フッ化アルミニウム、フッ化カーボン、硫 バリウム、カーボンブラック、シリカ、ク ー、タルクなどの無機物フィラーがあげら る。

 これらの中でも、モンモリロナイトに代 されるような層状鉱物は燃料低透過性を向 させるため有用である。

 また、前記無機フィラー、有機フィラー 単独で、または2種以上を組み合わせて配合 してもよい。

 本発明のパーオキサイド加硫用組成物は 前記の各成分を、通常のゴム用加工機械、 とえば、オープンロール、バンバリーミキ ー、ニーダーなどを用いて混合することに り調製することができる。この他、密閉式 合機を用いる方法やエマルジョン混合から 凝析する方法によっても調製することがで る。

 本発明における加硫条件としては、特に 定されるものではなく、通常の含フッ素エ ストマー組成物の加硫条件下で行うことが きる。たとえば、前記加硫用組成物を金型 入れ、加圧下において120~250℃(好ましくは18 0~220℃)で1~120分間保持することによって、プ ス加硫を行い、続いて160~300℃(好ましくは18 0~250℃、より好ましくは180~200℃)の炉中で0~48 間(好ましくは4~24時間)保持することによっ オーブン加硫を行うと、加硫物を得ること できる。

 また、本発明は、前記のパーオキサイド 硫用組成物を用いて成形された燃料に接触 る自動車部品にも関する。燃料に接触する 動車部品の具体例としては、たとえば、タ クガスケット、エアーインテークマニホー ドガスケットなどのガスケット類、燃料配 のコネクターO-リング、インジェクターO-リ ングなどのOリング類、燃料ポンプ用ダイア ラム、その他の燃料系部品に用いられるパ キン、シール材などがあげられるが、これ に限定されるものではない。

 つぎに本発明を実施例を挙げて説明する 、本発明はかかる実施例のみに限定される のではない。

 本明細書で採用している測定法について 以下にまとめた。

<フッ素含有量>
  19 F-NMRにて測定されたポリマー組成から計算に って求める。

<ムーニー粘度>
 ASTM-D1646およびJIS K6300に準拠して測定する
測定機器   :ALPHA TECHNOLOGIES社製のMV2000E型
ローター回転数:2rpm
測定温度   :100℃

<100%モジュラス(M100)>
 各組成物をつぎの標準加硫条件で1次プレス 加硫および2次オーブン加硫して、厚さ2mmの ートとし、JIS-K6251に準じて測定する。
(標準加硫条件)
混練方法  :ロール練り
プレス加硫 :160℃で10分
オーブン加硫:180℃で4時間

<引張破断強度(Tb)および引張破断伸び(Eb)> ;
 各組成物を標準加硫条件で1次プレス加硫お よび2次オーブン加硫して、厚さ2mmのシート し、JIS-K6251に準じて測定する。

<硬度(Hs)>
 各組成物を標準加硫条件で1次プレス加硫お よび2次オーブン加硫して、厚さ2mmのシート し、JIS-K6253に準じて測定する。

<耐寒性(TR10)>
 ASTM D1329に準拠してUeshima社製のTR試験機に 測定する。

<燃料透過性>
 各組成物を標準加硫条件で1次プレス加硫お よび2次オーブン加硫して、厚さ0.5mmのシート とし、ASTM E96に準拠したカップ法にてCE20を いて40℃で燃料透過係数を測定する。燃料透 過係数が小さいほど燃料低透過性において優 れる。

<ガラス転移温度(Tg)>
 METTLER TOLEDO社製のDSCにて測定し、10mgのポリ マーを-50~150℃の温度範囲で昇温スピード10℃ /分、セカンドスキャンの条件で熱収支を測 し、変極点として検知された2つのピークか 、中点法により求める。

参考例1(VdF/TFE/PMVE共重合体の重合)
 内容積30リットルのステンレススチール製 ートクレーブに、純水15kg、乳化剤としてC 7 F 15 COONH 4 を30.0g、リン酸水素ニナトリウムを1.3g仕込み 、系内を窒素ガスで充分に置換し脱気したの ち、150rpmで攪拌しながら、80℃に昇温し、VdF TFEおよびPMVEをVdF/TFE/PMVE=64/8/28モル%で、内圧 が0.80MPa・Gになるように仕込んだ。ついで、 硫酸アンモニウム(APS)の42.5mg/ml濃度の水溶 20m1を窒素圧で圧入して反応を開始した。

 重合の進行により内圧が、0.75MPa・Gまで降 した時点で、I(CF 2 CF 2 ) 2 Iを24.9g窒素圧にて圧入した。ついで圧力が0.8 5MPa・Gになるように、VdF、TFEおよびPMVEの混合 ガス(VdF/TFE/PMVE=68/12/20モル%)をそれぞれ圧入し た。

 以後、VdF、TFEおよびPMVEの混合ガス(VdF/TFE/ PMVE=68/12/20モル%)を圧入し、0.75~0.85MPa・Gの間 、昇圧、降圧を繰り返した。また3時間毎にA PSを追加し、重合終了までに、840mg追加した

 重合反応の開始から14時間後、VdF、TFEお びHFPの合計仕込み量が5.0kgになった時点で、 オートクレーブを冷却し、未反応モノマーを 放出して固形分濃度27.7質量%の水性分散体20.9 kgを得た。その後、30rpmで攪拌しながら、80℃ に昇温し、5時間熱処理を行った。

 得られた分散液の一部を2.0kgの硫酸アル ニウムを用いて凝析し、純水で充分に洗浄 た後、80℃で8時間、120℃で12時間熱風乾燥さ せ、433gのポリマーを得た。

 分析の結果、この重合体のモノマー単位 成は、VdF/TFE/PMVE=67/14/19モル%で、100℃でのム ーニー粘度は25であり、フッ素含有量は、65.3 質量%であり、DSCにて測定したガラス転移温 は-31℃であった。

参考例2(VdF/TFE/PMVE共重合体の重合)
 反応開始前にオートクレーブに仕込むVdF、T FE、およびPMVEの混合ガスの組成をVdF/TFE/PMVE=40 /15/45モル%に、反応開始後に圧入するVdF、TFE およびPMVEの混合ガスの組成をVdF/TFE/PMVE=57/20/ 23モル%に変更する以外は参考例1と同様の手 で重合を行った。重合反応の開始から13.6時 後、VdF、TFEおよびPMVEの合計仕込み量が5.0kg なった時点で、オートクレーブを冷却し、 反応モノマーを放出して固形分濃度24.2質量 %の水性分散体20.5kgを得た。その後、30rpmで攪 拌しながら、80℃に昇温し、5時間熱処理を行 った。参考例1と同様に処理して436gのポリマ を得た。

 分析の結果、この重合体のモノマー単位 成は、VdF/TFE/PMVE=59/18/23モル%で、100℃でのム ーニー粘度は28であり、フッ素含有量は66.3質 量%であり、DSCにて測定したガラス転移温度 -25℃であった。

実施例1(VdF/TFE/PMVEとTFE/PMVEとのブロック共重 体)
 着火源をもたない内容積3リットルのステン レススチール製オートクレーブに、参考例1 得られたディスバージョンを1390gおよび純水 を210g、乳化剤としてC 7 F 15 COONH 4 を1.8g仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換 脱気したのち、600rpmで撹拌しながら、65℃に 昇温し、TFEおよびPMVEをTFE/PMVE=74/26モル%で、 圧が0.83MPa・Gになるように仕込んだ。ついで 、過硫酸アンモニウム(APS)を112mg/mlの濃度の 溶液2mlを窒素圧で圧入して反応を開始した

 重合の進行にともないTFEおよびPMVEをTFE/PM VE=62/38モル%となるような比率で圧入し、0.80~0 .75MPa・Gの間で、昇圧、降圧を繰り返した。 た3時間毎にAPSを追加し、重合終了までに、2 .8g追加した。

 重合反応の開始から16時間後、TFEおよびPM VEの合計仕込み量が68gになった時点で、オー クレーブを冷却し、未反応モノマーを放出 て固形分濃度26.3質量%の水性分散体1655gを得 た。

 得られた分散液を硫酸アルミニウムを用 て凝析し、純水で充分に洗浄した後、80℃ 8時間、120℃で12時間熱風乾燥させ、433gのポ マーを得た。得量より算出される、得られ ポリマーにおけるTFE/PMVEセグメントの含有 は、ポリマー中15質量%であった。

 得られたポリマー(ブロック共重合体)に ける100℃でのムーニー粘度およびフッ素含 量、ガラス転移温度を表1に示す。

 前記ゴム状の含フッ素共重合体100質量部 対し、ミキシングロールにてカーボンブラ ク(N990)を20質量部、TAICを3質量部、パーヘキ サ25Bを1.5質量部の比率で混練りし、加硫用組 成物を得た。得られた加硫用組成物を標準加 硫条件でプレス加硫して、さらにオーブン加 硫を行った後の物性は表1のとおりであり、 寒性、燃料低透過性、柔軟性に優れる成形 が得られた。

実施例2(VdF/TFE/PMVEとTFE/PMVEとのブロック共重 体)
 用いたディスパージョンを参考例2で得られ たものに代え、その仕込み量を1590gに、純水 仕込み量をなしにする以外は実施例1と同様 に重合を行った。

 固形分濃度26.5%の水性分散体1670gを得た。 実施例1と同様に凝析、乾燥を行い、439gのポ マーを得た。得量より算出される、得られ ポリマーにおけるTFE/PMVEセグメントの含有 は15質量%であった。

 得られたポリマー(ブロック共重合体)に ける100℃でのムーニー粘度およびフッ素含 量、ガラス転移温度を表1に示す。

 前記ゴム状の含フッ素共重合体を実施例1 と同様に混練り、加硫を行い、物性を調べた 。結果は表1に示したとおりであり、耐寒性 燃料低透過性、柔軟性に優れる成形品が得 れた。

実施例3(VdF/TFE/PMVEとVdF/TFE/HFPとのブロック共 合体)
 内容積3リットルのステンレススチール製オ ートクレーブに、参考例1で得られたディス ージョン1390gおよび純水210g、乳化剤としてC 7 F 15 COONH 4 を1.8g仕込み、系内を窒素ガスで充分に置換 脱気したのち、600rpmで攪拌しながら、80℃に 昇温し、VdF、TFE、HFPの混合ガス(VdF/TFE/HFP=7/18/ 75モル%)を、内圧が1.57MPa・Gになるように仕込 んだ。ついで、過硫酸アンモニウム(APS)の6mg/ mlの濃度の水溶液2mlを窒素圧で圧入して反応 開始した。

 重合の進行にともない、VdF、TFEおよびHFP 混合ガス(VdF/TFE/HFP=36/31/33モル%)を、1.50~1.55MP a・Gの間で、昇圧、降圧を繰り返した。

 重合反応の開始から3時間後、VdF、TFEおよ びHFPの混合ガス(VdF/TFE/HFP=36/31/33モル%)の合計 込み量が68gになった時点で、オートクレー を冷却し、未反応モノマーを放出して固形 濃度23.0質量%の水性分散体1735gを得た。

 得られた分散液を硫酸アルミニウムを用 て凝析し、純水で充分に洗浄した後、80℃ 8時間、120℃で12時間熱風乾燥させ、397gのポ マーを得た。得量より算出される、得られ ポリマーにおけるVdF/TFE/HFPセグメントの含 量は、ポリマー中15質量%であった。また、Vd F/TFE/HFPセグメントのフッ素含有量は73質量%で あった。

 得られたポリマー(ブロック共重合体)に ける100℃でのムーニー粘度およびフッ素含 量、ガラス転移温度を表1に示す。

 このポリマーを実施例1と同様の方法で成 形品を作成し、その特性を調べた。結果を表 1に示す。

比較例1
 参考例1で得られたVdF/TFE/PMVE共重合体を用い て実施例1と同様の方法で成形品を作成し、 の特性を調べた。結果を表1に示す。表1に示 すように、燃料透過性が大きいことがわかる 。