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Title:
CATALYST COMPOSITION, AND PROCESS FOR PRODUCTION OF CROSS-COUPLING COMPOUND USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/111414
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a catalyst composition comprising a fluoride of iron or cobalt and a nitrogenated heterocyclic compound represented by the general formula (1A) or (1B). (1A) or (1B) wherein R1 and R2 independently represent a substituted or unsubstituted aryl group or the like; R3 and R4 independently represent a hydrogen or the like; (I) represents a single or double bond; and X- represents a univalent anion. Also disclosed is a method for producing a cross-coupling compound, which comprises the step of reacting an organic halogen compound (3) with an organic magnesium compound (2) in the presence of the catalyst composition.

Inventors:
NAKAMURA MASAHARU (JP)
HATAKEYAMA TAKUJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/053751
Publication Date:
September 18, 2008
Filing Date:
March 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
UNIV KYOTO (JP)
TOSOH FINECHEM CORP (JP)
NAKAMURA MASAHARU (JP)
HATAKEYAMA TAKUJI (JP)
International Classes:
B01J31/30; C07C1/32; C07C15/14; C07C17/263; C07C25/18; C07C41/30; C07C43/205; C07C43/225; C07C209/68; C07C211/48; C07C319/20; C07C321/28; C07D233/02; C07D233/58; C07B61/00; C07D213/127; C07D317/12; C07D409/04
Domestic Patent References:
WO2005075384A12005-08-18
Foreign References:
JP2000229243A2000-08-22
JP2005534711A2005-11-17
JP2004091465A2004-03-25
JP2003212798A2003-07-30
JP2006151947A2006-06-15
Other References:
HATAKEYAMA T. ET AL.: "Iron-Catalyzed Selective Biaryl Coupling: Remarkable Suppression of Homocoupling by the Fluoride Anion", J. AM. CHEM. SOC., vol. 129, no. 32, 15 August 2007 (2007-08-15), pages 9844 - 9845
Attorney, Agent or Firm:
SAEGUSA, Eiji et al. (1-7-1 Doshomachi, Chuo-kuOsaka-sh, Osaka 45, JP)
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Claims:
 鉄又はコバルトのフッ化物及び一般式(1A)

[式中、R 1 及びR 2 は、同一又は異なっていてもよく、置換もしくは無置換のアリール基、ヘテロアリール基、アルキル基、シクロアルキル基、又はアダマンチル基を示す。
R 3 及びR 4 は、同一又は異なっていてもよく、水素;置換もしくは無置換のアリール基;ヘテロアリール基;アルキル基;シクロアルキル基;アダマンチル基;アルコキシ基;又はアルキル基及びアリール基からなる群より選ばれる3個の置換基を有するシリル基を示す。
R 3 とR 4 とは、これらが結合する炭素原子と共に、互いに結合して炭素またはヘテロ元素からなる飽和あるいは不飽和環構造を形成していてもよい。

は、単結合又は二重結合を示す。X - は、一価の陰イオンを示す。]
で示される含窒素複素環化合物を含むクロスカップリング反応用触媒組成物。
 鉄又はコバルトのフッ化物及び一般式(1B)

[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及び

は、上記に同じ。]
で示される含窒素複素環化合物を含むクロスカップリング反応用触媒組成物。
一般式(2)
R 5 -MgY 1   (2)
[式中、R 5 は、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、又はアルキル基を示す。Y 1 はハロゲンを示す。]で示される有機マグネシウム化合物と一般式(3)
R 6 -Y 2   (3)
[式中、R 5 は、置換もしくは無置換のアリール基、置換もしくは無置換のヘテロアリール基、アルキル基を示す。Y 1 はハロゲンまたはR 5 を示す。]
で示される有機ハロゲン化合物とを、請求項1又は請求項2のいずれかに記載の触媒組成物の存在下に、クロスカップリング反応させる、一般式(4)
R 5 -R 6   (4)
[式中、R 5 及びR 6 は、上記に同じ。]
で示されるクロスカップリング化合物を製造するための方法。
 反応系内に、脱プロトン化剤を添加してクロスカップリング反応を行うことを特徴とする請求項3に記載の方法。
 脱プロトン化剤が有機金属化合物、金属ヒドリド化合物、金属アルコキシドまたは金属アミドである、請求項4に記載の方法。
 R 5 がR 6 と相違する請求項3~5のいずれかに記載の方法。
鉄又はコバルトのフッ化物が、FeF 2 、FeF 3 、FeClF 2 、FeF 6 、CoF 2 またはCoF 3 である、請求項3~6のいずれかに記載の方法。
Description:
触媒組成物及びそれを用いたク スカップリング化合物の製造方法

 本発明は、有機合成化学において重要な ロスカップリング反応に対して、極めて有 な触媒及びそれを用いたクロスカップリン 化合物の製造法に関するものである。本発 の方法により、液晶材料や医薬中間体とし 有用な非対称ビアリール化合物等を効率的 製造することが可能となる。

 非対称ビアリール化合物は、芳香環に由 する安定性と電子物性ならびに固定された 子構造により、電子材料、医薬、農薬、各 機能性化合物及びこれらの合成中間体とし 非常に有用である。

 従来、非対称ビアリール化合物を製造す 方法としては、パラジウム触媒存在下での 有機ホウ素化合物と有機ハロゲン化合物と クロスカップリング反応が知られている(非 特許文献1、特許文献1)。しかしながらこの方 法は、触媒に高価なパラジウム触媒を必要と し、更に原料にも高価な有機ホウ素化合物を 必要とすることから、工業的製造法として満 足できるものではない。また、近年、ホウ素 の排水規制が強化されており、環境的な制約 もある。

 一方、より安価なクロスカップリング法 して、有機マグネシウム化合物と有機ハロ ン化合物とのクロスカップリング反応が知 れている(非特許文献2、特許文献2、特許文 3)。安価な有機マグネシウム化合物を用い 本法では、通常、触媒として、ニッケル触 又はパラジウム触媒が使用される。この方 で使用されるニッケル触媒は一般的に毒性 高く、またパラジウム触媒は高価なため、 業的製法として満足できるものではない。

 最近、有機マグネシウム化合物と有機ハロ ン化合物とのクロスカップリング反応に、 価で安全な鉄触媒を用いる合成法が提案さ た(非特許文献3)。非特許文献3には、触媒と して、塩化鉄又はアセチルアセトナト鉄を用 いることにより、アルキルマグネシウム化合 物と塩化アリール化合物の反応が収率良く進 行することが開示されている。但し、非特許 文献3の方法では、液晶材料や医薬中間体と て有用な非対称ビアリール化合物の合成を 率良く実施することは困難であり、本カッ リング法もまた、工業的製造法として満足 きるものではない。

特開2006-231318

特開平4-173756

特開2000-95713 Chemical Reviews,1995年,第95巻,p2457-2483 Journal of the American Chemical Society,1972年, 第94巻,p4374-4376 Journal of the American Chemical Society,2002年, 第124巻,p13856-13863

 本発明の目的は、従来の方法では工業的 満足できなかったクロスカップリング反応 対して、極めて有効な触媒及びそれを用い クロスカップリング化合物の製造法を提供 ることにある。

 本発明者らは、鉄又はコバルトのフッ化 及び特定の構造を有する含窒素複素環化合 を含む新規な触媒組成物が、有機マグネシ ム化合物と有機ハロゲン化合物とのクロス ップリング反応において極めて高活性を示 ことを見出した。

 従って、本発明は、以下の項に示すクロス ップリング反応用触媒組成物及びクロスカ プリング化合物の製造方法を提供する:
 項1.鉄又はコバルトのフッ化物及び一般式(1 A)


[式中、R 1 及びR 2 は、同一又は異なっていてもよく、置換もし くは無置換のアリール基、ヘテロアリール基 、アルキル基、シクロアルキル基、又はアダ マンチル基を示す。
R 3 及びR 4 は、同一又は異なっていてもよく、水素;置 もしくは無置換のアリール基;ヘテロアリー 基;アルキル基;シクロアルキル基;アダマン ル基;アルコキシ基;又はアルキル基及びア ール基からなる群より選ばれる3個の置換基 有するシリル基を示す。
R 3 とR 4 とは、これらが結合する炭素原子と共に、互 いに結合して炭素またはヘテロ元素からなる 飽和あるいは不飽和環構造を形成していても よい。

は、単結合又は二重結合を示す。X - は、一価の陰イオンを示す。]
で示される含窒素複素環化合物を含むクロス カップリング反応用触媒組成物。

 項2.鉄又はコバルトのフッ化物及び一般 (1B)

[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及び

は、上記に同じ。]
で示される含窒素複素環化合物を含むクロス カップリング反応用触媒組成物。

 項3.一般式(2)
R 5 -MgY 1   (2)
[式中、R 5 は、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換のヘテロアリール基、アルキ ル基を示す。Y 1 はハロゲンまたはR 5 を示す。]
で示される有機マグネシウム化合物と一般式 (3)
R 6 -Y 2   (3)
[式中、R 6 は、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換のヘテロアリール基、アルケ ニル基を示す。Y 2 はハロゲンを示す。]
で示される有機ハロゲン化合物とを、請求項 1又は請求項2のいずれかに記載の触媒組成物 存在下に、クロスカップリング反応させる 一般式(4)
R 5 -R 6   (4)
[式中、R 5 及びR 6 は、上記に同じ。]
で示されるクロスカップリング化合物を製造 するための方法。

 項4.反応系内に、脱プロトン化剤を添加 てクロスカップリング反応を行うことを特 とする項3に記載の製造方法。

 項5. 脱プロトン化剤が有機金属化合物、 金属ヒドリド化合物、金属アルコキシドまた は金属アミドである、項4に記載の方法。

 項6. R 5 がR 6 と相違する項3~5のいずれかに記載の方法。

 項7. 鉄又はコバルトのフッ化物が、FeF 2 、FeF 3 、FeClF 2 、FeF 6 、CoF 2 またはCoF 3 である、項3~6のいずれかに記載の方法。

 本発明の製造方法により、従来満足でき かったクロスカップリング反応を工業的に 利に実施できる。特に、本発明の方法を用 れば、液晶材料や医薬中間体として有用な 対称ビアリール化合物等を高収率で製造す ことが可能となる。また、本発明により見 された触媒組成物は、パラジウムのような 価な金属元素を含まないため経済的でもあ 。

 本発明により見出された触媒組成物は、 来報告例のない新規な触媒組成物である。 のような新規な触媒組成物が、クロスカッ リング反応に高活性を示したことは、驚く きことである。

 以下、本発明を詳細に説明する。

  クロスカップリング反応用触媒組 成物
 本発明は、鉄又はコバルトのフッ化物及び
 一般式(1A)

[式中、R 1 及びR 2 は、同一又は異なっていてもよく、置換もし くは無置換のアリール基、ヘテロアリール基 、アルキル基、シクロアルキル基、又はアダ マンチル基を示す。
R 3 及びR 4 は、同一又は異なっていてもよく、水素;置 もしくは無置換のアリール基;ヘテロアリー 基;アルキル基;シクロアルキル基;アダマン ル基;アルコキシ基;又はアルキル基及びア ール基からなる群より選ばれる3個の置換基 有するシリル基を示す。
R 3 とR 4 とは、これらが結合する炭素原子と共に、互 いに結合して炭素またはヘテロ元素からなる 飽和あるいは不飽和環構造を形成していても よい。


は、単結合又は二重結合を示す。X - は、一価の陰イオンを示す。]
、又は
 一般式(1B)

[式中、R 1 、R 2 、R 3 、R 4 、及び


は、上記に同じ。]
で示される含窒素複素環化合物(以下、単に 窒素複素環化合物(1)と示すこともある)を含 クロスカップリング反応用触媒組成物を提 する。

 鉄のフッ化物としては、FeF 2 、FeF 3 、FeClF 2 、FeF 6 等を挙げることができる。鉄の酸化数は、通 常2又は3である。
上記のような鉄のフッ化物は、例えば塩化鉄 に,別のフッ化物源を加えて反応系中で鉄の ッ化物(FeF 2 、FeF 3 、FeClF 2 、FeF 6 等)を生成させてもよい。

 コバルトのフッ化物としては、CoF 2 、CoF 3 、CoClF 2 、CoF 6 等を挙げることができる。コバルトの酸化数 は、通常2又は3である。

 これらの鉄またはコバルトのフッ化物は 鉄またはコバルトの塩化物,臭化物,ヨウ化 とフッ化カリウム,フッ化ナトリウム等の金 フッ化物との混合によって得られる金属塩 含まれる。鉄またはコバルトのフッ化物は 無水物であってもよく水和物又は溶媒和物 あってもよい。

 鉄のフッ化物とコバルトのフッ化物は、 々単独で使用してもよく、これら2種以上の フッ化物を併用してもよい。

 これらの鉄またはコバルトのフッ化物は 溶媒への溶解度がより高い水和物を用いる とが好ましい。

 (鉄及び/又はコバルトのフッ化物)と一般 (1A)で示されるN-へテロサイクリック化合物 配合比率は、両者の合計を100重量部として 鉄及び/又はコバルトのフッ化物1~99重量部: 含窒素複素環化合物(1)99~1重量部、好ましく フッ化物5~50重量部:化合物(1)95~50重量部、よ り好ましくはフッ化物10~35重量部:化合物(1)90~ 65重量部である。

 一般式(1A)及び(1B)においてR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示されるアリール基としては、例えば 、炭素数5~18のアリールが挙げられ、具体的 は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ア トラセニル、ターフェニル等が含まれる。

 また、当該R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示されるアリール基は、1~9個、例えば 1~5個、特に1~3個の置換基を有していてもよい 。

 ここで、R 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示されるアリール基の置換基としては 、例えば、炭素数1~12のアルキル基及びアリ ル基からなる群より選ばれる3個の置換基を するシリル基、炭素数1~12のアルコキシ基、 炭素数6~12のアリールオキシ基等を挙げるこ ができる。

 炭素数1~12のアルキル基としては、メチル 、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル 、イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシ 、オクチル、デシル、ドデシル基等の直鎖 は分岐を有する炭素数1~12のアルキル基を挙 げることができる。

 アルキル基及びアリール基からなる群よ 選ばれる3個の置換基を有するシリル基とし ては、例えば、炭素数1~6(好ましくは1~4)のア キル基及び前記例示のアリール基からなる より選ばれる3個の置換基(3個の置換基は、 じでも異なっていてもよい)を有するシリル 基を挙げることができ、具体的には、トリメ チルシリル、トリエチルシリル、t-ブチルジ チルシリル、トリフェニルシリル、トリイ プロピルシリル基等が含まれる。

 炭素数1~6のアルキル基としては、メチル エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル イソブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシ 等の直鎖又は分岐を有する炭素数1~6のアル ル基を挙げることができる。

 炭素数1~12個のアルコキシ基としては、例え ば、アルキル部分が前記例示の炭素数1~12(好 しくは、1~6)のアルキル基であるアルコキシ を挙げることができ、具体的には、メトキシ 、エトキシ、イソプロポキシ、t-ブトキシな の直鎖又は分岐を有する炭素数1~12のアルコ キシ基を挙げることができる。
炭素数6~12個のアリールオキシ基としては、 えば、フェノキシ、ベンジロキシ、2,4,6-ト メチルフェノキシ基等が含まれる。

 従って、一般式(1A)及び(1B)においてR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示される置換基を有していてもよいア リール基としては、例えば、フェニル、ナフ チル、ビフェニル、アントラセニル、ターフ ェニル、2,4,6-トリメチルフェニル、2,6-ジイ プロピルフェニル、2,6-ジメトキシフェニル 2,4,6-トリメチルシリルフェニル基等を挙げ ことができる。

 一般式(1A)及び(1B)においてR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示されるヘテロアリール基としては、 例えば、窒素、酸素及び硫黄からなる群より 選択される少なくとも1個(好ましくは1~4個)の ヘテロ原子を含む5~6員環のヘテロアリールを 挙げることができ、具体的には、フリル、チ エニル、ピリジル、ピリミジル等が含まれる 。

 一般式(1A)及び(1B)においてR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示されるアルキル基としては、例えば 、前記例示の炭素数1~12のアルキル基(好まし は炭素数1~8のアルキル基)を挙げることがで き、具体的には、メチル、エチル、プロピル 、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t-ブ ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシ 、ドデシル基等の直鎖又は分岐を有する炭 数1~12のアルキル基が含まれる。

 一般式(1A)及び(1B)においてR 1 、R 2 、R 3 及びR 4 として示されるシクロアルキル基としては、 炭素数3~12(好ましくは炭素数5~7)のシクロアル キル基を挙げることができ、例えば、シクロ プロピル、シクロブチル、シクロペンチル、 シクロヘキシル、シクロオクチル、シクロデ シル、シクロドデシル基等が含まれる。

 一般式(1A)及び(1B)においてR 3 及びR 4 として示されるアルコキシ基としては、前記 例示の炭素数1~12個のアルコキシ基を挙げる とができる。

 一般式(1A)及び(1B)においてR 3 及びR 4 として示されるアルキル基及びアリール基か らなる群より選ばれる3個の置換基を有する リル基としては、例示のアルキル基及びア ール基からなる群より選ばれる3個の置換基 有するシリル基を挙げることができる。

 R 3 とR 4 が、これらが結合する炭素原子と共に互いに 結合して形成される「炭素またはヘテロ元素 からなる飽和あるいは不飽和環構造」として は、ベンゼン、チオフェン、フラン、ピロー ル、シクロヘキサン、イミダゾール、ピラン 、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、ピリダ ジン、チアゾール、オキサゾール、イソオキ サゾール、チアジアゾール、ピロリジン、ピ ラゾリン、イミダゾリン、ピペリジン、ピペ ラジン、モルホリンなどが挙げられる。

 X - で示される一価の陰イオンとしては、例えば 、F - 、Cl - 、Br - 、I - 、[OSO 2 CH 3 ] - 、[OSO 2 CF 3 ] - 、[OSO 2 C 6 H 4 CH 3 ] - 、[N(SO 2 CF 3 ) 2 ] - 、[N(SO 2 C 6 H 4 CH 3 ) 2 ] - 、[N(SO 2 CH 3 ) 2 ] - 、BF 4 - 、BAr 4 - 、PF 6 - 、AsF 6 - 、SbF 6 - 、C 6 F 5 - 、ClO 4 - 、またはメトキシド、エトキシド、t-ブトキ  ド、フェノキシド等のアルコキシドを挙 ることができる。

 一般式(1A)または一般式(1B)で表される含 素複素環化合物としては、例えば、1,3-ビス( 2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾリニウ クロリド、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェ ル)イミダゾリニウムテトラフルオロボレー ト、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イ ダゾリジン-2-イリデン、1,3-ビス(2,6-ジイソ ロピルフェニル)イミダゾリウムクロリド、1 ,3-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)イミダゾ リウムテトラフルオロボレート、1,3-ビス(2,6- ジイソプロピルフェニル)イミダゾール-2-イ デン、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イ ダゾリニウムクロリド、1,3-ビス(2,4,6-トリメ チルフェニル)イミダゾリニウムテトラフル ロボレート、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニ ル)イミダゾリジン-2-イリデン、1,3-ビス(2,4,6- トリメチルフェニル)イミダゾリウムクロリ 、1,3-ビス(2,4,6-トリメチルフェニル)イミダ リウムテトラフルオロボレート、1,3-ビス(2,4 ,6-トリメチルフェニル)イミダゾール-2-イリ ン、1,3-ジ-tert-ブチルイミダゾリニウムクロ ド、1,3-ジ-tert-ブチルイミダゾリニウムテト ラフルオロボレート、1,3-ジ-tert-ブチルイミ ゾリジン-2-イリデン、1,3-ジ-tert-ブチルイミ ゾリウムクロリド、1,3-ジ-tert-ブチルイミダ ゾリウムテトラフルオロボレート、1,3-ジ-tert -ブチルイミダゾール-2-イリデン、1,3-ビス(1- ダマンチル)イミダゾリニウムテトラフルオ ロボレート、1,3-ビス(1-アダマンチル)イミダ リウムテトラフルオロボレート、1,3-ビス(1- アダマンチル)ベンズイミダゾリニウムテト フルオロボレート等を挙げることができる

 前記含窒素複素環化合物の中では、例えば 対応するR 1 及びR 2 が置換基(好ましくは、炭素数1~6のアルキル )を1~3個有するアリール基(好ましくはフェニ ル基)又はアルキル基(好ましくは、炭素数1~6 アルキル基)を示し、R 3 及びR 4 が水素を示す含窒素複素環化合物が好ましい 。

 前記含窒素複素環化合物は、いずれも公 の化合物であるか、公知の方法に準じて容 に製造できる。

 また、前記鉄またはコバルトのフッ化物 前記含窒素複素環化合物との使用割合は、 者1モルに対して、後者が、通常1~5モル、好 ましくは1~3モル程度である。

 一般式(2)の化合物は、Y 1 がR 5 を表す場合、R 5 2 Mgの組成を持つ有機マグネシウム化合物にな 。

 尚、本発明のクロスカップリング反応用 媒組成物には、組成物中に鉄及び/又はコバ ルトのフッ化物及び含窒素複素環化合物が夫 々存在している状態のものだけでなく、上記 のように、これらの化合物の少なくとも1部 錯化して存在している状態のものも含まれ 。

 また、本発明のクロスカップリング反応 触媒組成物は、鉄及び/又はコバルトのフッ 化物及び含窒素複素環化合物のみからなって いても、有機リン化合物をさらに含んでいて もよい。

 有機リン化合物としては、例えば、ホス ィン、ホスファイト等を挙げることができ 。

 ホスフィンとしては、例えば、トリフェ ルホスフィン、トリメチルホスフィン、ト シクロヘキシルホスフィン、トリt-ブチル スフィン、ビスジフェニルホスフィノエタ ,ビスジフェニルホスフィノプロパン等を挙 ることができる。

 ホスファイトとしては、例えば、トリメ キシホスファイト、トリエトキシホスファ ト、トリフェノキシホスファイト等を挙げ ことができる。

 前記有機リン化合物と含窒素複素環化合 との配合割合は、前者1モルに対して、後者 が、通常1~5モル、好ましくは2~3モル程度であ る。

 本発明のクロスカップリング反応用触媒 成物は、さらに任意成分として、アミン化 物(ピリジン、トリエチルアミン、N,N,N’,N -テトラメチルエチレンジアミン等)、典型金 属ハロゲン化物(塩化亜鉛、臭化亜鉛、ヨウ ナトリウム等)、不飽和炭化水素(エチレン、 スチレン、ブタジエン、シクロオクタジエン 、ノルボルナジエン,ジフェニルアセチレン )等を含んでいてもよい。

 本発明のクロスカップリング反応用触媒 成物が上記任意成分を含む場合、例えば、 成物中の鉄又はコバルトのフッ化物及び含 素複素環化合物の含有量は、合計1~99重量% 範囲で適宜設定できる。

  クロスカップリング化合物の製造 方法
 本発明は、一般式(2)
R 5 -MgY 1   (2)
[式中、R 5 は、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換のヘテロアリール基、アルキ ル基を示す。Y 1 はハロゲンまたはR 5 を示す。]
で示される有機マグネシウム化合物(以下、 機マグネシウム化合物(2)と示すこともある)
一般式(3)
R 6 -Y 2   (3)
[式中、R 6 は、置換もしくは無置換のアリール基、置換 もしくは無置換のヘテロアリール基、又はア ルケニル基を示す。
Y 2 はハロゲンを示す。]
で示される有機ハロゲン化合物(以下、有機 ロゲン化合物(3)と示すこともある)とを、前 クロスカップリング反応用触媒組成物の存 下に、クロスカップリング反応させる、一 式(4)
R 5 -R 6   (4)
[式中、R 5 及びR 6 は、上記に同じ。]
で示されるクロスカップリング化合物を製造 するための方法を提供する。

 ここで、R 5 で示されるアリール基としては、炭素数5~12 アリール基を挙げることができ、具体的に 、シクロペンタジエニル、フェニル、ナフ ル、ビフェニル等が含まれる。

 当該R 5 で示されるアリール基は、1~6個(好ましくは1~ 3個)の置換基を有していてもよい。

 R 5 で示されるアリール基の置換基としては、例 えば、前記例示の炭素数1~12のアルキル基、 記例示の炭素数1~12のアルコキシ基、前記例 のシクロアルキル基、アダマンチル基、ハ ゲン等を挙げることができる。

 ハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素 ヨウ素等を挙げることができる。

 R 5 で示されるヘテロアリール基としては、例え ば、窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択 される少なくとも1個(好ましくは1~4個)のヘテ ロ原子を含む5~12員環のヘテロアリールを挙 ることができ、具体的には、チエニル、フ ル、ピリジル、ピリミジニル、フェナント リニル、ピロリル、イソオキサゾリル、イ チアゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、 ミダゾリル、キノリニル、イソキノリニル ナフチリジニル、インドリル等が含まれる

 当該R 5 で示されるヘテロアリール基は、1~6個(好ま くは1~3個)の置換基を有していてもよい。

 R 5 で示されるヘテロアリール基の置換基として は、例えば、前記例示の炭素数1~12のアルキ 基、前記例示の炭素数1~12のアルコキシ基、 記例示のシクロアルキル基、アダマンチル 、前記例示のハロゲン等を挙げることがで る。

 R 5 で示されるアルキル基としては、例えば、前 記例示の炭素数1~12のアルキル基を挙げるこ ができる。

 Y 1 で示されるハロゲンとしては、フッ素、塩素 、臭素、ヨウ素等を挙げることができ、好ま しくは臭素である。

 前記有機マグネシウム化合物(2)の中では、 えば、対応するR 5 が、置換基[好ましくは、炭素数1~12(好ましく は炭素数1~6)のアルキル基、ハロゲン、また 炭素数1~12(好ましくは炭素数1~6)のアルコキ 基]を1~3個有するかまたは無置換のアリール (好ましくはフェニル基またはナフチル基); テロアリール基(好ましくはチエニル基);ま は炭素数1~12(好ましくは炭素数1~6)のアルキ 基を示す有機マグネシウム化合物(2)が好ま い。

 前記有機マグネシウム化合物(2)は、いず も公知の化合物であるか、公知の方法に準 て容易に製造できる化合物である。

 R 6 で示されるアリール基としては、例えば、シ クロペンタジエニル、フェニル、ナフチル、 ビフェニル、アントラセニル等の炭素数5~18 アリール基を挙げることができる。

 ここで、R 6 で示されるアリール基は、1~10個(好ましくは1 ~5個)の置換基を有していてもよい。

 R 6 で示されるアリール基の置換基としては、例 えば、前記例示の炭素数1~12のアルキル基;前 例示の炭素数1~12のアルコキシ基;アルキル アリール及びアリールアルキルからなる群 り選ばれる1~2個の置換基を有するアミノ基; 記例示のハロゲン;炭素数1~12のアルキルチ 基;またはジオキソラニル基等を挙げること できる。

 アルキル、アリール及びアリールアルキ からなる群より選ばれる1~2個の置換基を有 るアミノ基としては、例えば、前記例示の 素数1~12のアルキル基;炭素数5~12のアリール ;及び炭素数5~12のアリール基で1~3個置換さ た前記例示の炭素数1~12のアルキル基からな 群より選ばれる置換基を1~2個有するアミノ を挙げることができる。より具体的には、 チルアミノ、ジメチルアミノ、エチルアミ 、ジエチルアミノ、n-プロピルアミノ、イ プロピルアミノ、n-ブチルアミノ、sec-ブチ アミノ、tert-ブチルアミノ、イソブチルアミ ノ、n-ペンチルアミノ、イソペンチルアミノ ネオペンチルアミノ、1-エチルプロピルア ノ、n-ヘキシルアミノ、1,2,2-トリメチルプロ ピルアミノ、2-エチルブチルアミノ、3,3-ジメ チルブチルアミノ、イソヘキシルアミノ、3- チルペンチルアミノ、フェニルアミノ、ベ ジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジベンジ アミノ基等が含まれる。

 炭素数1~12のアルキルチオ基としては、例 えば、アルキル部分が前記例示の炭素数1~12 直鎖又は分岐を有するアルキル基であるア キルチオ基を挙げることができる。

 R 6 で示されるヘテロアリール基としては、例え ば、窒素、酸素及び硫黄からなる群より選択 される少なくとも1個(好ましくは1~4個)のヘテ ロ原子を有する5~14員環のヘテロアリールを げることができ、具体的には、チエニル、 リジル、キノリル、2-フェニルピリジル、フ ェナントロリニル、ターピリジル、ピロリル 、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキ サゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、キノ リニル、イソキノリニル、ナフチリジニル、 インドリル等が含まれる。

 ここで、R 6 で示されるヘテロアリール基は、1~10個(好ま くは1~5個)の置換基を有していてもよい。

 R 6 で示されるヘテロアリール基の置換基として は、R 6 で示されるアリール基の置換基と同様の基を 挙げることができる。

 R 6 で示されるアルケニル基としては、例えば、 二重結合を1~3個有する炭素数2~8(好ましくは 素数2~4)の直鎖または分岐を有するアルケニ 基を挙げることができ、トランス体及びシ 体の両者を包含する。より具体的には、ビ ル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチル- 1-プロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチ ル-2-プロペニル、1-ブテニル、2-ブテニル、3- ブテニル、2-ペンテニル、1-ペンテニル、3-ペ ンテニル、4-ペンテニル、1,3-ブタジエニル、 1,3-ペンタジエニル、2-ペンテン-4-イル、1-ヘ セニル、2-ヘキセニル、5-へキセニル、3-ヘ セニル、4-へキセニル、3,3-ジメチル-1-プロ ニル、2-エチル-1-プロペニル、1,3,5-ヘキサ リエニル、1,3-ヘキサジエニル、1,4-ヘキサジ エニル、α-スチリル、β-スチリル基等が含ま れる。

 Y 2 で示されるハロゲンとしては、フッ素、塩素 、臭素、ヨウ素等を挙げることができ、好ま しくは塩素、臭素である。

 前記有機ハロゲン化合物(3)の中では、例え 、対応するR 6 が、置換基[好ましくは、炭素数1~12(好ましく は炭素数1~6)のアルキル基、炭素数1~12(好まし くは炭素数1~6)のアルコキシ基、炭素数1~12(好 ましくは炭素数1~6)のアルキル基を1~2個有す アミノ基、ハロゲン、炭素数1~12(好ましくは 炭素数1~6)のアルキルチオ基、またはジオキ ラニル基]を1~3個有するかまたは無置換のア ール基(好ましくはフェニル基);またはヘテ アリール基(好ましくはピリジル基)を示す 機ハロゲン化合物(3)が好ましい。

 前記有機ハロゲン化合物(3)は、いずれも 知の化合物であるか、公知の方法に準じて 易に製造できる化合物である。

 本発明の方法において、前記有機ハロゲ 化合物(3)と本発明の触媒組成物中の鉄又は バルトのフッ化物との使用割合は、前者1モ ルに対して、後者が、通常0.01~0.20モル、好ま しくは0.02~0.10モル程度である。

 本発明の方法において、カルベン化合物 ある一般式(1B)で示される含窒素複素環化合 物(以下、単に含窒素複素環化合物(1B)と示す ともある)を含むカップリング反応触媒組成 物を用いる場合、含窒素複素環化合物(1B)は 鉄又はコバルトのフッ化物と錯体を形成し 触媒として作用する。

 当該実施形態において、前記有機ハロゲ 化合物(3)と前記有機マグネシウム化合物(2) の使用割合は、前者1当量に対して、通常1~3 当量、好ましくは1.1~1.5当量程度である。

 一方、本発明の方法において、一般式(1A) で示される含窒素複素環化合物(以下、単に 窒素複素環化合物(1A)と示すこともある)を含 むカップリング反応触媒組成物を用いる場合 、含窒素複素環化合物(1A)は、有機マグネシ ム化合物(2)によって、脱プロトン化されて 含窒素複素環化合物(1B)となり、鉄又はコバ トのフッ化物と錯体を形成する。

 従って、含窒素複素環化合物として含窒 複素環化合物(1A)を用いる場合、前記有機マ グネシウム化合物(2)は、ハロゲン化芳香族化 合物と結合する原料化合物としての必要量に 加えて、含窒素複素環化合物(1A)の脱プロト 化に必要な量もあわせて反応系に添加する 要がある。

 当該実施形態において、前記有機ハロゲ 化合物(3)と前記有機マグネシウム化合物(2) の使用割合は、前者1当量に対して、通常1~3 当量、好ましくは1.1~2.0当量程度である。

 本発明の方法においては、触媒組成物を め調製した後に反応系に添加しても、反応 中で含窒素複素環化合物(1)及び鉄又はコバ トのフッ化物(及び必要に応じてリン化合物 等)を混合してもよい。

 従って、本発明の方法において、鉄又は バルトのフッ化物;含窒素複素環化合物;有 ハロゲン化合物(3);及び有機マグネシウム化 物(2)を混合する順番は特に限定されない。 たこれらの化合物を、全て一度に混合して 、これらのうち2種類又は3種類を予め混合 、残りの化合物と混合する等してもよい。

 本発明の方法におけるクロスカップリン 反応は、用いる溶媒等の条件により異なる 、アルゴン又は窒素雰囲気下で通常0~150℃ 好ましくは60~120℃で、通常6~48時間、好まし は12~36時間行われる。

 また、本発明方法の好ましい実施形態に いて、上記反応系内に、脱プロトン化剤を らに存在させていてもよい。

 予め脱プロトン化剤により含窒素複素環 合物(1A)、フッ化鉄あるいはフッ化コバルト の水和物を脱プロトン化しておくことにより 、有機マグネシウム化合物(2)は、その分、含 窒素複素環化合物(1A)、及び/またはフッ化鉄 しくはフッ化コバルトの水和物の脱プロト 化のために消費されなくなる。従って、有 マグネシウム化合物(2)の使用量を減らすこ ができる。

 この場合、前記有機ハロゲン化合物(3)と 記有機マグネシウム化合物(2)との使用割合 、前者1当量に対して、通常1~3当量、好まし くは1.1~1.5当量程度である。

 脱プロトン化剤を用いる場合、含窒素複 環化合物(1A)及び脱プロトン化剤を、有機マ グネシウム化合物(2)より先に反応系に添加し て、含窒素複素環化合物(1A)の脱プロトン化 完了させておく限り、試薬を混合する順番 限定されない。

 脱プロトン化剤としては、含窒素複素環 合物(1A)を脱プロトン化できるものであれば 特に限定されないが、例えば、グリニャール 試薬、アルキルリチウムなどの有機金属化合 物、金属ヒドリド化合物、金属アルコキシド 、金属アミドが挙げられる。

 グリニャール試薬としては、メチルマグ シウムハライド、エチルマグネシウムハラ ド、フェニルマグネシウムハライド等が挙 られる。

 アルキルリチウムとしては、メチルリチ ム、n-ブチルリチウムなどが挙げられる。

 金属ヒドリド化合物としては、NaH、KHな が挙げられる。

 金属アルコキシドとしては、ナトリウム トキシド、ナトリウムエトキシド、カリウ t-ブトキシドなどが挙げられる。

 金属アミドとしては、リチウムアミド、 トリウムアミド,カリウムアミドなどが挙げ られる。

 含窒素複素環化合物(1A)と脱プロトン化剤 との使用割合は、前者1モルに対して、後者 、通常1~2モル、好ましくは1~1.2モル程度であ る。

 フッ化鉄あるいはフッ化コバルトの水和 中に含まれる水分子と脱プロトン化剤との 用割合は、前者1モルに対して、後者が、通 常1~1.5モル、好ましくは1~1.2モル程度である

 脱プロトン化剤としてグリニャール試薬 用いる場合、上記範囲より多く添加してし うと、脱プロトン化剤自体が、有機ハロゲ 化合物(3)と反応して、副生成物が生じてし う。

 当該脱プロトン化剤による含窒素複素環 合物(1A)、フッ化鉄あるいはフッ化コバルト の水和物の脱プロトン化は、通常0~60℃、好 しくは0~30℃で、通常1~48時間、好ましくは3~1 2時間行われる。

 本発明の反応は、通常、反応に悪影響を ぼさない慣用の溶媒、例えば、テトラヒド フラン(THF)、ジエチルエーテル、テトラヒ ロピラン(THP)、1,4-ジオキサン、ジブチルエ テル、メチルシクロヘキシルエーテル、1,2- メトキシエタン等のエーテル系溶媒;N,N-ジ チルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミ 、ジメチルスルホキシド、N-メチルピペラ ン(NMP)、ヘキサメチルホスホリルアミド(HMPA) 等の非プロトン性極性溶媒;塩化メチレン、 化エチレン、1,2-ジクロロベンゼン等のハロ ン化炭化水素系溶媒;ベンゼン、トルエン、 キシレン、メシチレン等の芳香族系溶媒又は 他の有機溶媒中で行われる。

 反応混合物からの目的となるクロスカッ リング化合物の分離及び精製は、各種クロ トグラフィー、蒸留或いは再結晶等通常行 れる分離手段及び精製手段により容易に達 される。

 その際、クロスカップリング反応用組成 としてホスフィン化合物等の有機リン化合 を含まないものを用いる実施形態が、クロ カップリング化合物の容易な分離・精製の 点から好ましい。

 以下に、実施例を掲げて、本発明をより 層明らかにする。

  実施例1: 4-メチルビフェニルの調 製
 FeF 3 ・3H 2 O(5.01mg、0.03mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(38.4mg 0.09mmol)に、アルゴン雰囲気下、0°Cで、エチ マグネシウムブロミドのTHF溶液(0.167mL、1.08M 、0.18mmol)を添加した。以下の操作もアルゴン 雰囲気下で行った。THF(0.10mL)を加え、反応容 の内壁をリンスした。室温で5時間攪拌した 後、混合物に、0℃で、クロロベンゼン(112.6mg 、1.0mmol)及びp-トリルマグネシウムブロミド THF溶液(1.18mL、1.02M、1.2mmol)を添加し、60℃で 24時間反応させた。周囲温度まで冷却した 、反応混合物に、飽和酒石酸ナトリウムカ ウム水溶液2.0mLを添加した。Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物をフロリジルパッド(100-200メッシュ ナ カライテスク株式会社)を用いて濾過した。 部標準としてウンデカン(42.2μL、0.2mmol)を用 て、ガスクロマトグラフィー分析を実施し (収率98%)。溶媒を減圧下に除去した後、粗 成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ペン ン)で精製して、無色液体として標題化合物 を得た(0.163g、収率97%、>99%純度(GC分析))。

  実施例2: 2-メトキシ-2’-メチルビ フェニルの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(5.01mg、0.03mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(38.4mg 0.09mmol)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチ マグネシウムブロミドのTHF溶液(0.167mL、1.08M 、0.18mmol)を添加した。以下の操作もアルゴン 雰囲気下で行った。THF(0.10mL)を加え、反応容 の内壁をリンスした。室温で5時間攪拌した 後、混合物に、0℃で1-メトキシ-2-クロロベン ゼン(142.6mg、1.0mmol)及びo-トリルマグネシウム ブロミドのTHF溶液(1.50mL、0.80M、1.2mmol)を添加 、80℃で、24時間、反応させた。周囲温度ま で冷却した後、反応混合物に飽和酒石酸ナト リウムカリウム水溶液2.0mLを添加した。Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物を、フロリシルパッド(100-200メッシュ ナカライテスク株式会社)を用いて濾過した 減圧下に溶媒を除去した後、粗生成物を、 リカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン中、 15、30及び50%トルエン)で精製して、無色液体 して、標題化合物を得た(0.178g、収率90%、> ;99%純度(GC分析))。

  実施例3: 4-メトキシ-4’-メチルビ フェニルの調製
 出発物質として、p-トリルマグネシウムブ ミドのTHF溶液(1.18mL、1.02M、1.2mmol)及び1-メト シ-4-クロロベンゼン(142.6mg、1.0mmol)を用い、 1.0mmolスケールで、実施例2と同様にして、反 させた。条件;60℃、24時間。シリカゲルカ ムクロマトグラフィー(ヘキサン中、15、30及 び50%トルエン)後、白色固体として、標題化 物を得た(0.182g、収率92%、>99%純度(GC分析))

  実施例4: 4-ブチル-4’-フルオロビ フェニルの調製
 出発物質として4-フルオロフェニルマグネ ウムブロミドのTHF溶液(1.46mL、1.03M、1.5mmol)及 び4-ブチルクロロベンゼン(168.7mg、1.0mmol)を用 い、FeF 3 ・3H 2 O(6.68mg、0.04mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(51.2mg 0.12mmol)を用いて、1.0mmolスケールで、実施例2 と同様にして、反応させた。条件;60℃、24時 。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ペ ンタン)後に、白色固体として、標題化合物 得た(0.199g、収率87%>97%純度(GC分析))。

  実施例5: ビフェニル-3-イル-ジメ ルアミンの調製
 出発物質として、フェニルマグネシウムブ ミド(1.19mL、1.01M、1.2mmol)のTHF溶液及び3-クロ ロ-N,N-ジメチルアニリン(155.6mg、1.0mmol)を用い 、1.0mmolスケールで、実施例2と同様にして、 応させた。条件;60℃、24時間。シリカゲル ラムクロマトグラフィー(ヘキサン中、50及 100%トルエン)後、無色液体として、標題化合 物を得た(0.185g、収率94%、>98%純度(GC分析))

  実施例6: 4-フルオロ-4’-メトキシ ビフェニルの調製
 出発物質として、p-メトキシフェニルマグ シウムブロミドのTHF溶液(1.88mL、0.64M、1.2mmol) 及び1-クロロ-4-フルオロベンゼン(130.6mg、1.0mm ol)を用い、1.0mmolスケールで、実施例2と同様 して、反応させた。条件;60℃、24時間。シ カゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン 、15、30及び50%トルエン)後に、白色固体と て、標題化合物を得た(0.184g、収率91%、>99% 純度(GC分析))。

  実施例7: 1-(2-メトキシフェニル) フタレンの調製
 出発物質として、1-ナフチルマグネシウム ロミドのTHF溶液(4.62mL、0.26M、1.2mmol)、1-クロ -2-メトキシベンゼン(142.6mg、1.0mmol)、FeF 3 ・3H 2 O(8.34mg、0.05mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(64.1mg 0.15mmol)を用い、1.0mmolスケールで、実施例2と 同様にして、反応させた。条件;70℃、48時間 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ サン中、10、20及び40%トルエン)後に、白色固 として、標題化合物を得た(0.215g、収率92%、 >99%純度(GC分析))。

  実施例8: 2-(2-メトキシフェニル) フタレンの調製
 出発物質として、2-ナフチルマグネシウム ロミドのTHF溶液(1.47mL、1.02M、1.5mmol)、1-クロ -2-メトキシベンゼン(142.6mg、1.0mmol)を用い、 1.0mmolスケールで、実施例2と同様にして、反 させた。条件;70℃、48時間。シリカゲルカ ムクロマトグラフィー(ヘキサン中、10、20及 び40%トルエン)後に、白色固体として、標題 合物を得た(0.224g、収率96%、>99%純度(GC分析 ))。

  実施例9: 2-(ビフェニル-4-イル)-[1, 3]ジオキソランの調製
 出発物質として、フェニルマグネシウムブ ミドのTHF溶液(1.34mL、1.01M、1.35mmol)及び2-ク ロフェニル-[1,3]ジオキソラン(184.6mg、1.0mmol) 用い、1.0mmolスケールで、実施例2と同様に て、反応させた。条件;70℃、48時間。シリカ ゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中 5、10及び20%ジエチルエーテル)後に、白色固 として、標題化合物を得た(0.199g、収率88%、 >99%純度(GC分析))。

  実施例10: 3,4-ジフルオロ-4’-メト キシビフェニルの調製
 出発物質として、p-メトキシフェニルマグ シウムブロミドのTHF溶液(2.34mL、0.64M、1.5mmol) 、4-クロロ-1,2-ジフルオロベンゼン(148.6mg、1.0 mmol)、FeF 3 ・3H 2 O(8.34mg、0.05mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(64.1mg 0.15mmol)を用い、1.0mmolスケールで、実施例2と 同様にして、反応させた。条件;60℃、24時間, さらに80℃、12時間。シリカゲルカラムクロ トグラフィー(ヘキサン中、15、30及び50%トル エン)後に、白色固体として、標題化合物を た(0.215g、収率92%、>99%純度(GC分析))。

  実施例11: 2-(2,4,6-トリメチルフェ ル)-ピリジンの調製
 出発物質としてメシチルマグネシウムブロ ドのTHF溶液(0.974mL、0.77M、0.75mmol)及び2-ブロ ピリジン(158.0mg、1.0mmol)を用い、FeF 3 ・3H 2 O(5.01mg、0.03mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(38.4mg 0.09mmol)を用い、1.0mmolスケールで、実施例2と 同様にして、反応させた。条件;90℃、24時間 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ サン中、10及び20%EtOAc)後に、黄色液体として 標題化合物を得た(0.150g、収率76%、>99%純 (GC分析))。

  実施例12: 2-(チエニル-2-イル)-ピ ジンの調製
 出発物質として2-チエニルマグネシウムブ ミドのTHF溶液(1.50mL、1.00M、1.5mmol)及び2-ブロ ピリジン(79.0mg、0.5mmol)を用い、FeF 3 ・3H 2 O(5.01mg、0.03mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(38.4mg 0.09mmol)を用い、0.5mmolスケールで、実施例2と 同様にして、反応させた。条件;80℃、24時間 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ サン中、10及び20%EtOAc)後に、黄色液体として 標題化合物を得た(0.060g、収率74%、>99%純 (GC分析))。

  実施例13: 2,4,6-トリメチルビフェ ルの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(5.01mg、0.03mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(38.4mg 0.09mmol)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチ マグネシウムブロミドのTHF溶液(0.167mL、1.08M 、0.18mmol)を添加した。以下の操作もアルゴン 雰囲気下で行った。THF(0.10mL)を加え、反応容 の内壁をリンスした。10時間後、混合液に 0℃で、メシチルマグネシウムブロミドのTHF 液(1.02mL、1.18M、1.2mmol)を添加した。減圧下 、溶媒を除去した。得られた粘性の液体を ルエン(1.0mL)に溶解し、ついで、0℃で、クロ ロベンゼン(112.6mg、1.0mmol)を添加した。反応 、120℃で24時間、行わせた。周囲温度まで冷 却した後、飽和酒石酸ナトリウムカリウム水 溶液2.0mLを加えた。Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物を、フロリシルパッド(100-200メッシュ ナカライテスク株式会社)で濾過した。内部 準としてウンデカン(42.2μL、0.2mmol)を用い、 ガスクロマトグラフィー分析を行った(収率93 %)。減圧下に溶媒を除去した後、粗生成物をG PCで精製して、無色液体として標題化合物を た(0.174g、収率89%、>99%純度(GC分析))。

  実施例14: 1-エチル-2-メトキシベ ゼンの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(5.01mg、0.03mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピル ェニル)イミダゾリニウムクロリド(38.4mg、0. 09mmol)及び1-クロロ-2-メトキシベンゼン(142.6mg 1.0mmol)、に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エ ルマグネシウムブロミドのTHF溶液(1.39mL、1.0 8M、1.5mmol)を添加、60℃で、24時間反応させた 周囲温度まで冷却した後、飽和酒石酸ナト ウムカリウム水溶液2.0mLを加えた。Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物を、フロリシルパッド(100-200メッシュ ナカライテスク株式会社)で濾過した。内部 準としてウンデカン(42.2μL、0.2mmol)を用いて 、ガスクロマトグラフィー分析を実施した( 率94%)。溶媒を減圧下に除去した後、粗生成 をシリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン 中,2及び5%ジエチルエーテル)で精製して、無 液体として標題化合物を得た(0.120g、収率88% 、>99%純度(GC分析))。

  実施例15: 2-メトキシ-2’-メチル フェニルの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(8.34mg、0.05mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピル ェニル)イミダゾリウムクロリド(63.8mg、0.15m mol)及びトリフェニルホスフィン(13.1mg、0.05mmo l)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチルマグ ネシウムブロミドのTHF溶液(0.324mL、1.08M、0.35m mol)を添加した。以下の操作もアルゴン雰囲 下で行った。室温で6時間攪拌した後、混合 に、1-クロロ-2-メトキシベンゼン(142.6mg、1.0 mmol)及びo-トリルマグネシウムブロミドのTHF 液(1.88mL、0.80M、1.5mmol)を添加した。60℃で24 間、次いで80℃で12時間、反応させた。周囲 度まで冷却した後、反応混合物に飽和酒石 ナトリウムカリウム水溶液2.0mLを添加した Et 2 Oを用いて、水層を5回抽出した。合わせた有 抽出物を、フロリシルパッド(100-200メッシ 、ナカライテスク株式会社)を用いて濾過し 。減圧下で溶媒を除去した後、粗生成物をC H 2 Cl 2 (1.0mL)に溶解した。室温でm-クロロ過安息香酸 (MCPBA)(0.06mmol)を添加し、反応混合物を30分間 拌した。減圧下で溶媒を除去した後、粗生 物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ ン中、15、30及び50%トルエン)により精製し 、白色固体として、標題化合物を得た(0.188g 収率95%、>99%純度(GC分析))。

  実施例16: 1-(2-メトキシフェニル) フタレンの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(8.34mg、0.05mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピル ェニル)イミダゾリウムクロリド(63.8mg、0.15m mol)及びトリフェニルホスフィン(13.1mg、0.05mmo l)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチルマグ ネシウムブロミドのTHF溶液(0.324mL、1.08M、0.35m mol)を添加した。以下の操作もアルゴン雰囲 下で行った。室温で6時間攪拌した後、混合 に、1-クロロ-2-メトキシベンゼン(142.6mg、1.0 mmol)及び1-ナフチルマグネシウムブロミドのTH F懸濁液(2.34mL、0.64M、1.5mmol)を添加した。60℃ 24時間、次いで80℃で12時間、反応させた。 囲温度まで冷却した後、反応混合物に飽和 石酸ナトリウムカリウム水溶液2.0mLを添加 た。Et 2 Oを用いて、水層を5回抽出した。合わせた有 抽出物を、フロリシルパッド(100-200メッシ 、ナカライテスク株式会社)を用いて濾過し 。減圧下で溶媒を除去した後、粗生成物をC H 2 Cl 2 (1.0mL)に溶解した。室温でm-クロロ過安息香酸 (MCPBA)(0.06mmol)を添加し、反応混合物を30分間 拌した。減圧下で溶媒を除去した後、粗生 物を、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキ ン中、15、30及び50%トルエン)により精製し 、白色固体として、標題化合物を得た(0.215g 収率92%、>99%純度(GC分析))。

  実施例17: 4-ブチル-4’-フルオロ フェニルの調製
 出発物質として4-フルオロフェニルマグネ ウムブロミドのTHF溶液(1.46mL、1.03M、1.5mmol)及 び4-ブチルクロロベンゼン(168.7mg、1.0mmol)を用 い、FeF 3 ・3H 2 O(8.34mg、0.05mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピル ェニル)イミダゾリウムクロリド(63.8mg、0.15m mol)及びトリフェニルホスフィン(13.1mg、0.05mmo l)を用いて、1.0mmolスケールで、実施例15と同 にして、反応させた。条件;60℃、24時間、 いで80℃、12時間。シリカゲルカラムクロマ グラフィー(ペンタン)後に、白色固体とし 、標題化合物を得た(0.201g、収率88%>98%純度 (GC分析))。

  実施例18: 2-フルオロ-4’-メトキ ビフェニルの調製
 出発物質としてp-メトキシフェニルマグネ ウムブロミドのTHF溶液(2.34mL、0.64M、1.5mmol)及 び1-クロロ-2-フルオロベンゼン(130.6mg、1.0mmol) を用い、1.0mmolスケールで、実施例15と同様に 、反応させた。条件;60℃、24時間、次いで80 、12時間。シリカゲルカラムクロマトグラフ ィー(ヘキサン中、15、30及び50%トルエン)後に 、白色固体として標題化合物を得た(0.135g、 率68%、>97%純度(GC分析))。

  実施例19: 4’-ブチル-3,4-ジフルオ ロビフェニルの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(12.51mg、0.075mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリウムクロリド(95.7mg、0.2 25mmol)及びトリフェニルホスフィン(19.7mg、0.07 5mmol)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチル グネシウムブロミドのTHF溶液(0.486mL、1.08M、0 .525mmol)を添加した。以下の操作もアルゴン雰 囲気下で行った。室温にて6時間攪拌した後 混合物に、1-ブチル-4-クロロベンゼン(84.3mg 0.5mmol)及び3,4-ジフルオロフェニルマグネシ ムブロミドのTHF溶液(1.53mL、0.98M、1.5mmol)を添 加した。60℃で24時間、次いで80℃で12時間、 応させた。周囲温度まで冷却した後、飽和 石酸ナトリウムカリウム水溶液2.0mLを添加 た。水層をEt 2 Oを用いて5回抽出した。合わせた有機抽出物 、フロリシルパッド(100-200メッシュ、ナカ イテスク株式会社)を用いて濾過した。内部 準として、ウンデカン(42.2μL、0.2mmol)を用い 、ガスクロマトグラフィー分析を実施した( 率84%)。減圧下で溶媒を除去した後、粗生成 を、GPCで精製して、無色液体として標題化 物を得た(0.095g、収率77%、>99%純度(GC分析)) 。
1 H NMR δ 0.93(t,J=7.4Hz,3H,CH 2 CH 3 ),1.38(quint,J=7.4Hz,2H,CH 2 CH 3 ),1.62(quint,J=7.4Hz,2H,CH 2 CH 2 CH 3 ),2.63(t,J=7.4Hz,2H,CH 2 (CH 2 ) 2 CH 3 ),7.11-7.42(m,5H,aromatic CH); 13 C NMR δ 13.9,22.4,33.6,35.2,115.7(d, 2 J C-F =17.8Hz),117.4(d, 2 J C-F =17.8Hz),122.7(dd, 4 J C-F =3.4, 3 J C-F =5.4Hz),126.7(2C),129.0(2C),136.4(d, 4 J C-F =2.8Hz),138.3(dd, 4 J C-F =3.9, 3 J C-F =6.1Hz),142.7,148.3(dd, 2 J C-F =12.8Hz, 1 J C-F =247.5Hz),151.9(dd, 2 J C-F =12.8Hz, 1 J C-F =247.5Hz).Anal.calcd for C 16 H 16 F 2 C,78.02;H,6.55.found C,78.03;H,6.62。

  実施例20: 2-(2,4,6-トリメチルフェ ル)ピリジンの調製
 FeF 3 ・3H 2 O(4.17mg、0.025mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピル フェニル)イミダゾリウムクロリド(31.9mg、0.07 5mmol)、及びトリフェニルホスフィン(15.0mg、0. 025mmol)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチル マグネシウムブロミドのTHF溶液(0.162mL、1.08M 0.175mmol)を添加した。以下の操作もアルゴン 囲気下で行った。室温で6時間攪拌した後、 混合液にメシチルマグネシウムブロミドのTHF 溶液(0.974mL、0.77M、0.75mmol)を室温で添加した 減圧下で、溶媒を除去した。得られた粘性 液体をトルエン(1.0mL)に溶解し、次いで、室 で、2-ブロモピリジン(79.0mg、0.5mmol)を添加 、100℃で、12時間反応させた。周囲温度まで 冷却した後、飽和酒石酸ナトリウムカリウム 水溶液2.0mLを添加した。Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物をフロリシルパッド(100-200メッシュ、 カライテスク株式会社)で濾過した。減圧下 溶媒を除去した後、粗生成物をシリカゲル ロマトグラフィー(ヘキサン中、10及び20%EtOA c)で精製して、無色液体として、標題化合物 得た(0.087g、収率90%、>99%純度(GC分析))。

  実施例21: 2-(2,4,6-トリメチルフェ ル)ピリジンの調製
 2-ブロモピリジンに替えて2-クロロピリジン (56.8mg、0.5mmol)を用い、実施例20と同様にして 標題化合物を得た(0.067g、収率70%)。

  実施例22 4-メチルビフェニルの調 製
 CoF 2 ・4H 2 O(3.38mg、0.02mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリニウムクロリド(25.6mg 0.06mmol)に、アルゴン雰囲気下、0°Cで、クロ ベンゼン(45.0mg、0.4mmol)及びp-トリルマグネ ウムブロミドのTHF溶液(0.98mL、1.02M、1.0mmol)を 添加し、60℃で、24時間反応させた。周囲温 まで冷却した後、反応混合物に、飽和酒石 ナトリウムカリウム水溶液1.0mLを添加した。 Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物をフロリジルパッド(100-200メッシュ ナ カライテスク株式会社)を用いて濾過した。 部標準としてウンデカン(42.2μL、0.2mmol)を用 て、ガスクロマトグラフィー分析を実施し (収率91%)。溶媒を減圧下に除去した後、粗 成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ペン ン)で精製して、無色液体として標題化合物 を得た(0.059g、収率88%、>99%純度(GC分析))。

  実施例23: 3,4-ジフルオロ-4’-メト キシビフェニルの調製
 CoF 2 ・4H 2 O(17.0mg、0.10mmol)及び1,3-ビス(2,6-ジイソプロピ フェニル)イミダゾリウムクロリド(85.4mg、0. 20mmol)に、アルゴン雰囲気下、0℃で、エチル グネシウムブロミドのTHF溶液(0.55mL、08M、0.6 0mmol)を添加した.以下の操作もアルゴン雰囲 下で行った。室温にて4時間攪拌した後、混 物に、及び4-クロロ-1,2-ジフルオロベンゼン (297.0mg、2.0mmol)、及びp-メトキシフェニルマグ ネシウムブロミドのTHF溶液(3.40mL、0.88M、3.0mmo l)を添加し,60℃で12時間反応させた。周囲温 まで冷却した後、飽和塩化アンモニウム水 液2.0mLを添加した。水層をEt 2 Oを用いて5回抽出した。合わせた有機抽出物 、フロリシルパッド(100-200メッシュ、ナカ イテスク株式会社)を用いて濾過した。減圧 で溶媒を除去した後、粗生成物をシリカゲ クロマトグラフィー(ヘキサン中,5%トルエン )で精製して、白色固体として標題化合物を た(0.428g、収率97%、>98%純度(GC分析))。

  実施例24: 4-チオフェン-2-イルー リジンの調製
出発物質として2-チエニルマグネシウムブロ ドのTHF溶液(3.00mL、1.00M、3.0mmol)及び2-ブロモ ピリジン(316.0mg、2.0mmol)を用い、CoF 2 ・4H 2 O(20.3mg、0.12mmol)、1,3-ビス(2,6-ジイソプロピル ェニル)イミダゾリウムクロリド(102.3mg、0.24 mmol)を用いて、2.0mmolスケールで、実施例23と 様にして、反応させた。条件;80℃、24時間 シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキ ン中,5%酢酸エチル)後に、黄色固体として、 標題化合物を得た(0.303g、収率94%>98%純度(GC 析))。

  実施例25
 表1に記載の触媒,添加剤及び反応条件を用 、実施例22と同様にして、4-メチルビフェニ を調製した。尚、表1~4において、「mol%」は 、有機ハロゲン化合物(3)に対するmol%を示す Phは、フェニル基、Tolはトリル基を示す。aca cはアセチルアセトネートを示す。また、SIPr HCl、IPr・HCl、IPr、I-t-Bu・HCl及びPPh 3 は、下記の化合物を示す:

a 反応は、0.4mmolスケールで実施した。
b 収率は、内部標準としてウンデカンを用いて GC分析により測定した。
c 収率は、p-トリルマグネシウムブロミドの量 基づく。
d 反応は、60℃で24時間、80℃で12時間行った。
e 反応は、60℃で48時間行った。

  実施例26
 表2に記載の原料及び反応条件を用い、実施 例2と同様にして、表2記載の芳香族化合物を 製した。

a 反応は、0.5,あるいは1.0mmolスケールで実施し 。
b 単離収率。
c GC収率。
d 反応は、トルエン中で行った。
e 鉄触媒を4mol%用いた。
f 鉄触媒を5mol%用いた。
g 鉄触媒を6mol%用いた。

  実施例27
 表3に記載の原料及び反応条件を用い、実施 例15と同様にして、表3記載のビフェニル化合 物を調製した。


a 反応は、0.5~1.0mmolスケールで実施した。
b 単離収率。
c 鉄触媒を7mol%用い,反応は、トルエン中で、120 ℃で36時間行った。
d GC収率。
e 鉄触媒を15mol%用いた。
f 反応は、トルエン中で、100℃で12時間行った
g 鉄触媒を7mol%用い,反応は、60℃で36時間行っ 。

  実施例28
 表4に記載の原料及び反応条件を用い、実施 例15と同様にして、表4記載のビフェニル化合 物を調製した。

a 反応は、1.0~2.0mmolスケールで実施した。
b 単離収率。

  実施例29: 4-メチルビフェニルの 製
 FeCl 3 のTHF溶液(0.80mL、0.10M、0.08mmol)に対し,アルゴ 雰囲気下、0°CでKFのメタノール溶液(0.64mL、0 .50M、0.32mmol)を添加した.以下の操作もアルゴ 雰囲気下で行った。15分攪拌した後、THF及 メタノールを減圧下に除去し、1,3-ビス(2,6- イソプロピルフェニル)イミダゾリニウムク リド(102.5mg、0.24mmol)、クロロベンゼン(180.1mg 、1.6mmol)及びp-トリルマグネシウムブロミド THF溶液(3.54mL、1.13M、4.0mmol)を添加した。THF(0. 50mL)を加え、反応容器の内壁をリンスした。6 0℃で、24時間反応させた。周囲温度まで冷却 した後、反応混合物に、飽和酒石酸ナトリウ ムカリウム水溶液2.0mLを添加した。Et 2 Oを用いて水層を5回抽出した。合わせた有機 出物をフロリジルパッド(100-200メッシュ ナ カライテスク株式会社)を用いて濾過した。 部標準としてウンデカン(84.4μL、0.4mmol)を用 て、ガスクロマトグラフィー分析を実施し (収率92%)。溶媒を減圧下に除去した後、粗 成物をシリカゲルクロマトグラフィー(ペン ン)で精製して、無色液体として標題化合物 を得た(0.247g、収率92%、>98%純度(GC分析))。