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Title:
CATALYST AND PROCESS FOR PRODUCING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/128426
Kind Code:
A9
Abstract:
A catalyst in a granular form is provided which has crystalline surface parts having an increased effective area and has been improved in the crushing strength of the granules without the need of using a binder. A slurry containing a catalyst powder obtained by pulverizing a metallosilicate-containing raw material with a bead mill is dried by the spray drying method to obtain granules of the catalyst. The raw material may include a metallosilicate having pores substantially having a diameter of 4.5-6.5 angstroms. The raw material is preferably pulverized so that the metallosilicate comes to have a particle diameter of 1.0 µm or smaller in terms of 50%-cumulative frequency. The metallosilicate preferably has, deposited thereon, a metallic ingredient which comprises at least one member selected from rhenium, vanadium, molybdenum, tungsten, chromium, and compounds of these. The slurry is subjected to the drying step preferably after being aged. It is preferred to add polyvinyl alcohol to the slurry.

Inventors:
HATAGISHI TAKUYA
YAMADA TOMOHIRO
Application Number:
PCT/JP2009/057451
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
April 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MEIDENSHA ELECTRIC MFG CO LTD (JP)
HATAGISHI TAKUYA
YAMADA TOMOHIRO
International Classes:
B01J29/40; B01J37/00; C07C2/76; C07C15/00; C07B61/00
Attorney, Agent or Firm:
HASHIMOTO, Takeshi et al. (JP)
Hashimoto 剛 (JP)
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Claims:
 低級炭化水素から芳香族化合物と水素を生成するための触媒の製造方法であって、
 メタロシリケート含有原料をビーズミルにより微細化して得た触媒粉を含んだスラリーをスプレードライ法によって乾燥して前記触媒の造粒体を得ること
を特徴とする触媒の製造方法。
 前記メタロシリケート含有原料は実質的に4.5~6.5オングストローム径の細孔を有するメタロシリケートを含むことを特徴とする請求項1に記載の触媒の製造方法。
 メタロシリケートの粒子径が累積度数50%で1.0μm以下となるように前記メタロシリケート原料をビーズミルによって微細化することを特徴とする請求項1または2に記載の触媒の製造方法。
 前記メタロシリケートは、金属成分として、レニウム、バナジウム、モリブデン、タングステン、クロム及びその化合物から選ばれた少なくとも一種類以上が担持されたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
 前記モリブデンの担持量は前記触媒粉の全体量に対して2~12重量%であることを特徴とする請求項4に記載の触媒の製造方法。
 前記スラリーをエージングした後にスプレードライ法によって乾燥することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
 前記エージングは常温常圧の空気雰囲気のもとで前記スラリーを静置させることを特徴とする請求項6に記載の触媒の製造方法。
 前記スラリーに前記金属成分を添加することで、前記メタロシリケートに対して前記金属成分を担持させることを特徴とする請求項4から7のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
 前記スラリーにポリビニルアルコールを添加することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の触媒の製造方法。
 低級炭化水素から芳香族化合物と水素を生成するための触媒であって、
 請求項1から9のいずれか1項に記載の製造方法によってなることを特徴とする触媒。
Description:
触媒及びその製造方法

 この発明はメタンを主成分とする天然ガ 、バイオガス、メタンハイドレートの高度 用に関する。天然ガス、バイオガス、メタ ハイドレートは地球温暖化対策として最も 果的なエネルギー資源と考えられ、利用技 に関心が高まっている。メタン資源はその リーン性を活かして、次世代の新しい有機 源、燃料電池用の水素資源として注目され いる。本発明はメタンからプラスチック類 どの化学製品原料であるベンゼン及びナフ レン類を主成分とする芳香族化合物と高純 の水素ガスを効率的に製造するための触媒 学変換技術及び触媒製造方法に関する。

 メタンからベンゼン等の芳香族化合物と 素とを製造する方法としては触媒の存在下 メタンを反応させる方法が知られている。 の際の触媒としてはZSM-5系のゼオライトに 持されたモリブデンが有効とされている(非 許文献1、特許文献1、特許文献2)。しかしな がら、これらの触媒を使用した場合でも、炭 素の析出が多く炭素の析出により短時間に触 媒性能が劣化することやメタンの転換率が低 いという問題がある。

 この問題を改善するために触媒の形状を 定床式の反応設備に使用できるペレットタ プにして、さらにペレットに含有する触媒 分の割合を高めて、効率的にメタンと反応 せることが検討されてきた。しかしながら 固定床反応式の場合、機械的強度の関係か 10%以上の無機及び有機粘結剤が必要不可欠 なり、また、寸法もミリ単位以上と制限さ るために問題があった。

 特許文献3に示されたような流動床式の反 応設備に適用できる粒子形状の触媒も考案さ れているが、耐磨耗性や耐衝撃性の観点から 粒子中に存在する触媒成分の割合は50%以下と なり、機械的強度の調整の固定床式のペレッ トタイプと比較して劣る。また、短時間で触 媒が失活するために、触媒の再生が必要不可 欠となる。

JOURNAL OF CATALYSIS,1997,pp.165,pp.150-161

特開平10-272366号公報

特開平11-60514号公報

特開昭61-266306号公報

 メタンの転換率を向上させるには反応ガ と触媒の接触効率の向上が不可欠であり、 媒の形状についても反応プロセスに大きな 響を与える。形状については大きく固定床 のペレット型の成型体と流動床及び移動床 の造粒体に分類される。ペレット型の成型 では、成型時に必要な触媒以外の材料、例 ば有機粘結材、無機粘結材、ガラス繊維、 孔材などが必要とされ、これらの添加物の 媒に与える影響も考慮する必要がある。

 造粒体の場合は、粒子径が数十~数百ミク ロンと小さく、反応ガスとの接触効率が高ま る利点がある一方、反応プロセスで造粒体自 体を流動する必要があることから耐磨耗性や 耐熱衝撃性に優れることが絶対条件となる。 これらを満たすために触媒材料以外に多くの 粘結材を造粒体に混合またはコーティングし なければならない。特に、特許文献3による 、原料ゼオライト粉末スラリーのみを噴霧 燥させた場合は一応の球状を呈した触媒の 粒体が得られるが、輸送等の動作及び振動 よって容易に破壊するので、原料ゼオライ 粉末の他に適当な結合剤を配合させなけれ ならない。

 そこで、前記課題を解決するための触媒 製造方法は、低級炭化水素から芳香族化合 と水素を生成するための触媒の製造方法で って、メタロシリケート含有原料をビーズ ルにより微細化して得た触媒粉を含んだス リーをスプレードライ法によって乾燥して 記触媒の造粒体を得る。

 また、前記課題を解決するための触媒は 前記製造方法によってなる触媒である。

 前記メタロシリケート含有原料としては 質的に4.5~6.5オングストローム径の細孔を有 するメタロシリケートを含むものがある。前 記メタロシリケート原料は前記メタロシリケ ートの粒子径が累積度数50%で1.0μm以下となる ようにビーズミルによって微細化するとよい 。前記メタロシリケートにはレニウム、バナ ジウム、モリブデン、タングステン、クロム 及びその化合物から選ばれた少なくとも一種 類以上の金属成分を担持するとよい。前記モ リブデンの担持量は前記触媒粉の全体量に対 して2~12重量%であるとよい。前記スラリーは ージングした後にスプレードライ法によっ 乾燥するとよい。前記エージングとしては 温常圧の空気雰囲気のもとでの静置が挙げ れる。前記スラリーに前記金属成分を添加 ることで、前記メタロシリケートに対して 記金属成分を担持させるとよい。さらに、 記スラリーにはポリビニルアルコール(以下 、PVAと称する)を添加してもよい。

 以上の発明に係る触媒の製造方法によれ 触媒の結晶表面部の有効面積が増大すると に結合剤を用いることなく触媒の造粒体の 壊強度が向上させた触媒を提供できる。

実施例1の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率1000倍)。 実施例1の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率20000倍)。 実施例2の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率1000倍)。 実施例2の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率20000倍)。 実施例4の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率1000倍)。 実施例4の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率5000倍)。 実施例4の造粒体の表面における元素(O, Al,Si,Mo)の分布を示したSEM写真(倍率1000倍)。 実施例4の造粒体の表面における元素(O, Al,Si,Mo)の分布を示したSEM写真(倍率10000倍)。 実施例5の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0k V,倍率1000倍)。 実施例5の造粒体のSEM写真(加速電圧15.0 kV,倍率5500倍)。 実施例5の造粒体の表面における元素(O ,Al,Si,Mo)の分布を示したSEM写真(倍率10000倍)。

 発明に係る触媒の製造方法はメタロシリ ート含有原料をビーズミルにより微細化且 高分散化された触媒含有スラリーにおいて スラリー調製の直後または一定時間エージ グした後にスプレードライにより造粒体に 換している。前記エージングは常温常圧の 気雰囲気のもとでスラリーを静置させれば い。

 (1)触媒担体
 メタロシリケート含有原料はレニウム、バ ジウム、モリブデン、タングステン、クロ 及びその化合物から選ばれた少なくとも一 類以上の金属成分を触媒材料として含み、 つこの触媒材料を担持する担体として実質 に4.5~6.5オングストローム径の細孔を有する メタロシリケートを含む。前記メタロシリケ ートは特開2004-97891号公報に例示されている 具体的にはメタロシリケート(多孔質メタロ リケート)としては、例えばアルミノシリケ ートの場合、シリカおよびアルミナから成り 多孔質体であるモレキュラーシーブ5A,フォジ ャサイト(NaYおよびNaX),ZSM-5,MCM-22が挙げられる 。また、リン酸を主成分とする多孔質体でALP O-5,VPI-5等の6~13オングストロームのミクロ細 やチャンネルからなることを特徴とするゼ ライト担体や、シリカを主成分とし一部ア ミナを成分として含むメゾ細孔(10~1000オング ストローム)の筒状細孔(チャンネル)で特徴付 けられるFSM-16やMCM-41等のメゾ細孔多孔質担体 などが例示できる。さらに、前記アルミナシ リケートの他に、シリカおよびチタニアから なるメタロシリケート等も触媒として用いる ことができる。

 (2)担持金属の触媒担体への担持
 担体であるメタロシリケートに所定濃度の リブデンを含浸担持する方法が好ましい。 記モリブデンはその担持量が焼成後の触媒 体量に対して2~12重量%となることが好まし 。

 また、前記スラリーにはPVAを添加すると い。ビーズミルにより微細化した触媒粉を んだスラリーをスプレードライ法によって 燥して得た造粒体を焼成する場合、焼成時 造粒体内でガスが発生し、球状の粒子が破 して、球状の粒子に欠陥が生じてしまう現 が起こる。そこで、PVAを添加すると、焼成 にPVAが気化除去されることにより造粒体に かい穴が多数できる。この気孔から前記ガ が外部に逃げることにより前記突発を防止 き欠損が生じないようにすることができる 前記PVAの添加量はスラリー中のメタロシリ ートに対して0.1~1重量%が好ましい。

 (3)触媒粉の微細化
 メタロシリケート原料または前記金属成分 担持したメタロシリケートをビーズミルに り1ミクロン以下に微細化したスラリーを調 製する方法について述べる。メタロシリケー ト原料または前記金属成分を担持したメタロ シリケート(以下、触媒粉)をスラリー溶液と る水に対し、例えば触媒粉:水=1:4となるよ に秤量する。混合比率はこれに限定される のではなく、使用するメタロシリケートの 性により適宜調整することが好ましい。そ 際のスラリー粘度は100cps以下が好ましい。 媒粉と水を混合する際には予めミキサー内 水を全量投入して攪拌した状態で触媒粉を0. 4~1kg/分程度に調整して投入する。これよりも 早いと触媒粉が凝集し、ミキサー内で沈降す るので好ましくない。この際のミキサーの羽 形状及び回転数は任意に設定できるものが使 用される。
特に羽形状及び回転数は限定しない。

 ビーズミルに使用する粉砕用ビーズはジ コニアが好ましい。

 上記仕様のビーズミルを使用して、スラ ー循環用のホースポンプを起動して、触媒 の微細化を行う。微細化はビーズ径及び時 と共に調整することが可能である。前記メ ロシリケート原料は前記メタロシリケート 粒子径が累積度数50%で1.0μm以下となるよう ビーズミルによって微細化するとよい。例 ば平均粒子径42μmのZSM-5原料の場合、1時間 粉砕時間で0.3μmへの微細化が可能となる。 媒粉を微細化したスラリーは閉鎖系から開 系へ供給ラインを切り替えることで回収さ る。

 (4)造粒について
 スラリー中の触媒粉をスプレードライ装置 て乾燥及び造粒する方法について述べる。( 3)で調製したスラリーは直接スプレードライ 置によって乾燥及び造粒するかまたは一定 間(例えば6日間)エージングしてから使用す ことが好ましい。スプレードライヤーの型 は特に限定しないが、下方噴霧並流方式が ましい。ノズルは2流体ノズル方式が好まし く、オリフィス径はスラリーの粘度や触媒粉 の粒子形状により適宜変更することが好まし い。スプレードライヤーの操作条件はスラリ ー粘度やスラリー中の触媒粉の粒度により適 宜調整する。その操作条件は特に限定するも のではない。

 本発明に係る触媒の製造方法よればナノ イズの触媒粉の微細化により触媒の結晶表 部の有効面積が増大すると共に結合剤を添 させなくても触媒の造粒体の圧壊強度が向 させた触媒を提供できる。したがって、転 造粒方法では困難であった球状粒子の製造 容易に可能となる。また、無機粘結材が不 または大幅に低減し、造粒体に含まれる触 粉への金属担持が容易となる。

 さらに、微細化触媒粉含有スラリーに前 金属成分を添加して前記金属成分を前記触 粉に含浸させることで触媒粉への均一な金 担持が容易となると共に造粒体の流動性が れ且つ圧壊強度を向上させた触媒を提供で る。そして、前記スラリーにPVAが添加され ことで、造粒体の圧壊強度がさらに高くな 。

 以下に発明に係る実施例及び比較例を示 た。

 (比較例1)
 比較例1に係る触媒粉は平均粒子径31μm、結 径0.08μmを有するメタロシリケートの一種で あるプロトン型のZSM-5を用いた。粒子径及び 晶径は電子顕微鏡写真から任意に選択した 子の平均値を算出することにより計測した 溶媒に精製水を用いて触媒粉原料の固形分 度が20重量%となるようにスラリーを調製し 。

 そして、このスラリーを1時間攪拌した後に スプレードライ装置(ヤマト科学株式会社製, 式DL-41)によって造粒した。操作条件は入口 度230~240℃、出口温度90℃に設定後、乾燥空 量0.8m 3 /min、ノズル噴霧空気圧力0.1MPa、スラリー送 量20g/minで乾燥及び造粒した。得られた造粒 は空気中で120℃、20時間乾燥した。造粒体 強度については、JIS Z8841に準拠して、個々 粒子の圧壊強度を計測した。得られた造粒 15個の圧壊強度を測定した。表3に示したよ にいずれの造粒体についても測定機の測定 界値である0.06gf/mm 2 未満であった。

 (実施例1)
 実施例1に係る触媒粉は平均粒子径42μm、結 径5μmを有するメタロシリケートの1種ZSM-5を 用いた。触媒粉原料はアンモニア型であり、 所定の温度で焼成処理してプロトン型に変換 した。本実施例に使用したZSM-5について金属 持は行わなかった。

 先ず、触媒粉のビーズミルによる微細化 法について説明する。触媒粉を1kgに対し精 水4kgを秤量し、精製水を攪拌容器に全量投 した。攪拌機の羽根を回転しながら、触媒 を400g/分で全量投入し、スラリー循環ポン を起動させ、スラリーの循環及び粉砕を開 した。開始後から15分経過毎にスラリーを一 部抜き取り、スラリー粘度及び触媒粉の粒度 分布を測定した。触媒粉の粒度分布の経時変 化を表1に示した。粉砕開始から1時間で循環 ンプを停止し、系内のスラリーを採取した 投入したスラリー重量5kgに対して、回収し スラリーは3.76kgであった。

 次に、触媒粉のスプレードライ装置による 粒方法について説明する。先に調製したス リーを5日間エージングした。前記エージン グでは常温常圧の空気雰囲気のもとでスラリ ーを静置させた。その後、攪拌容器にて攪拌 した。入口温度230~240℃、出口温度90℃に設定 後、乾燥空気風量0.8m 3 /min、ノズル噴霧空気圧力0.1MPa、スラリー送 量20g/minの条件でスプレードライ装置(ヤマト 科学株式会社製,型式DL-41)によって乾燥及び 粒を開始した。得られた造粒体は、空気中 120℃、20時間乾燥した。乾燥後のSEM(走査型 子顕微鏡)写真を図1に示した。また、造粒体 の圧壊強度の結果(10点平均値)を表3に示した

 (実施例2)
 実施例2に係る触媒粉は平均粒子径39μm、結 径4.2μmを有するメタロシリケートの1種ZSM-5 用いた。以降の調製条件は実施例1と同様で ある。また、ビーズミルにより微細化した触 媒粉の粒度分布変化を表2に示し、スプレー ライ装置(ヤマト科学株式会社製,型式DL-41)に よる造粒体のSEM写真を図2に示した。尚、表3 は開示されていないが実施例2に係る造粒体 の圧壊強度は実施例1に係る造粒体の圧壊強 とほぼ同等となることが確認された。

 表1及び表2の結果により、短時間で均一 ナノレベルの触媒粉の微細化が可能となる とがわかる。さらに、微細化した触媒粉を プレー乾燥することにより、図1及び図2に示 すような緻密で球状の造粒体が得られる。ま た、表3の結果から明らかなようにスラリー 単にスプレー乾燥して得たナノサイズ(結晶 80nm)の比較例1の触媒粉よりも、ビーズミル よって微細化した触媒粉含有スラリーをエ ジングした後にスプレー乾燥した実施例1の 造粒体の方が高い圧壊強度を得られる。さら に、実施例1の造粒体は含有する触媒粉が微 化されて結晶表面の面積が増大しているの 反応ガスとの接触効率が増加し、流動床プ セスのような高流速条件での反応に対して 効率的な触媒造粒体として寄与できること 示された。尚、メタロシリケートの粒子径 累積度数50%で1.0μm以下特に0.5μm以下となる うに前記メタロシリケート原料をビーズミ によって微細化すれば前記圧壊強度が得ら ることも確認された。

 (実施例3)
 実施例3に係る触媒粉は平均粒子径42μm、結 径5μmを有するメタロシリケートの1種ZSM-5を 用いた。触媒粉原料はアンモニア型であり、 所定の温度で焼成処理してプロトン型に変換 した。本実施例に使用したZSM-5について金属 持は行わなかった。

 先ず、触媒粉のビーズミルによる微細化 法について説明する。触媒粉を5kgに対し精 水20kgを秤量し、精製水を攪拌容器に全量投 入した。攪拌機の羽根を回転しながら、触媒 粉を400g/分で全量投入し、スラリー循環ポン を起動させ、スラリーの循環及び粉砕を開 した。粉砕開始から1時間で結晶径0.2μmまで 微粉砕して循環ポンプを停止した後、系内の スラリーを採取した。投入したスラリー重量 25kgに対して、回収したスラリーは18.9kgであ た。

 次に、触媒粉のスプレードライ装置による 粒方法について説明する。先に調製したス リーを5日間エージングした。前記エージン グでは常温常圧の空気雰囲気のもとでスラリ ーを静置させた。その後、攪拌容器にて攪拌 した。入口温度230~240℃、出口温度90℃に設定 後、乾燥空気風量0.8m 3 /min、ノズル噴霧空気圧力0.1MPa、スラリー送 量20g/minの条件でスプレードライ装置(ヤマト 科学株式会社製,型式DL-41)によって乾燥及び 粒を開始した。得られた造粒体は、空気中 120℃、20時間乾燥した。その後、550℃のもと で5時間焼成した。

 前記得られた造粒体の強度については、JIS Z8841に準拠する測定法によって15個の造粒体 圧壊強度を測定した。測定結果を表4に示し た。造粒体の平均圧壊強度は60.8gf/mm 2 以下であった。

 造粒体の流動性については、JIS Z2504、JIS  R6126に準拠するカサ密度測定法(タッピング 行うことにより、カサ減りの仕方から流動 の指数を得る)に基づいた。川上式タップ密 度測定法に準拠して測定した。測定結果を表 5に示した。川上式流動性指数は、数値が小 いほど流動性が良好であることを示すもの ある。造粒体の流動性指数は0.38であった。

 (実施例4)
 実施例4に係る触媒粉はメタシリケートに金 属成分としてモリブデンを担持させている。 尚、本実施例の触媒の製造方法はビーズミル によって微細化した触媒粉に金属成分を含浸 担持させる手順を有すること以外は実施例3 係る触媒の製造方法と同じである。

 先ず、触媒粉をビーズミルにより微細化 た後の、担持金属を含浸担持する方法につ て説明する。実施例3と同じ条件で調製した スラリー2kgを5日間エージングして、その後 拌容器にて攪拌した。そして、このスラリ 中に、200gの水に7モリブデン酸アンモニウム 42gを溶解した水溶液を投入し、3時間攪拌し 。

 次に、触媒粉のスプレードライ装置による 粒方法について説明する。上記調製したス リーを入口温度230~240℃、出口温度90℃に設 後、乾燥空気風量0.8m 3 /min、ノズル噴霧空気圧力0.1MPa、スラリー送 量20g/minの条件でスプレードライ装置(ヤマト 科学株式会社製,型式DL-41)によって乾燥及び 粒を開始した。得られた造粒体は、空気中 120℃、20時間乾燥した。その後、550℃のもと で5時間焼成した。

 造粒体の圧壊強度の結果(10点平均値)を表 4に、流動性指数の結果を表5に示した。圧壊 度及び流動性指数の測定は実施例3と同じ方 法で行った。また、焼成後の造粒体のSEM写真 を図5(倍率1000倍)、図6(倍率5000倍)に示した。 らに、造粒体の表面における元素(O,Al,Si,Mo) 分布を示したSEM写真を図7(倍率1000倍)、図8( 率10000倍)に示した。

 (実施例5)
 本実施例の触媒の製造方法は7モリブデン酸 アンモニウム水溶液が投入されたスラリーに 対してさらにPVA水溶液を添加する手順を有す ること以外は実施例4に係る触媒の製造方法 同じである。

 すなわち、実施例3と同じ条件で調製した スラリー2kgを5日間エージングして、その後 拌容器にて攪拌した。そして、このスラリ 中に、200gの水に7モリブデン酸アンモニウム 42gを溶解した水溶液を投入した。さらに、PVA 10%水溶液を8g添加し3時間攪拌した。以降の造 粒方法は実施例4に係る触媒の造粒手順と同 である。

 造粒体の圧壊強度の結果(10点平均値)を表 4に、流動性指数の結果を表5に示した。圧壊 度及び流動性指数の測定は実施例3と同じ方 法で行った。また、焼成後の造粒体のSEM写真 を図9(倍率1000倍)、図10(倍率5500倍)に示した。 さらに、造粒体の表面における元素(O,Al,Si,Mo) の分布を示したSEM写真(倍率10000倍)を図11に示 した。

 表4の結果より、実施例3のようなナノサ ズの原料スラリーをスプレー乾燥し焼成す よりも、そのスラリーにモリブデンを含浸 持してスプレー乾燥し焼成して得た実施例4 造粒体が高い圧壊強度を有することがわか 。さらに、PVAを添加してスプレー乾燥し焼 して得た実施例5の造粒体がより高い圧壊強 度を有することがわかる。

 表5の結果によると、実施例4,5の触媒は、 その流動性指数が実施例3の触媒と比較して ずれも小さいことから、流動性に優れた造 体であることがわかる。

 実施例4の造粒体では、図5~図8に示すよう に緻密で球状の造粒体が得られる。さらに、 PVAを添加した実施例5に係る触媒の製造方法 よれば図9~図11に示すように欠陥(窪み)の少 い造粒体が得られること確認された。造粒 中の触媒粉は微細化により結晶表面の面積 増大するので、反応ガスとの接触効率が増 し、流動床プロセスのような高流速条件で 反応に対しても効率的な触媒造粒体として 与できる。

 また、図7,図8,図11の元素分布写真において 「O Ka1」の写真は酸素の分布を示す。「Al  Ka1」の写真はアルミニウムの分布を示す。「 Si Ka1」の写真はケイ素の分布を示す。「Mo L a1」の写真はモリブデンの分布を示す。写真 白い部分が元素の分布を示している。以上 写真によると造粒体の表面に対して金属元 成分(Al,Mo)が均一に分布された状態で担持さ れているが確認できる。尚、実施例に用いら れたゼオライトの主成分はAlO 3 とSiO 2 であり、主原料のSiO 2 /Al 2 O 3 比が40であるため、Siが一面に濃く分布して るのが確認できる。

 以上の実施例の結果から明らかなように 発明の触媒の製造方法によれば、ビーズミ によるナノサイズの触媒粉の微細化により 触媒の結晶表面部の有効面積が増大する。 た、転動造粒方法では困難であった球状粒 の製造が容易に可能となる。さらに、無機 結材が不要または大幅に低減できる。そし 、微細化触媒粉を含有したスラリーにモリ デンに例示される金属成分が添加されるこ で前記触媒粉に対して前記金属成分を含浸 せることで造粒体に含まれる触媒粉への均 な金属担持が容易となる。さらには、造粒 の流動性を良好にすることができる。さら は、造粒体の圧壊強度が高くなる。特に、P VAを添加することにより、さらに圧壊強度を めることができる。