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Title:
COMPRESSOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175415
Kind Code:
A1
Abstract:
A compressor is provided with: a rotation shaft; a rotation body that is configured to rotate with rotation of the rotation shaft; a fixed body that is configured so as not to rotate with the rotation of the rotation shaft; a cylinder part that accommodates the rotation body and the fixed body; a vane; a compression chamber in which a fluid is sucked and compressed; an ejection chamber into which the fluid having been compressed by the compression chamber is introduced; an ejection port that penetrates the cylinder part and includes an overlapping region overlapping at least one of the fixed body and the rotation body; and a communication part that is provided at a position facing the overlapping region.

Inventors:
KOBAYASHI HIROYUKI (JP)
YAMAMOTO SHINYA (JP)
KONDO JUN (JP)
HONDA KAZUNARI (JP)
SAKAKIBARA KENGO (JP)
NAMIKI KEN (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007279
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 25, 2020
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA JIDOSHOKKI KK (JP)
International Classes:
F04C18/34; F04C18/344
Foreign References:
JPH11107954A1999-04-20
JP2006132347A2006-05-25
JPH0212083U1990-01-25
Attorney, Agent or Firm:
ONDA Makoto et al. (JP)
Download PDF:
Claims:
〇 2020/175415 55 卩(:170? 2020 /007279

請求の範囲

[請求項 1 ] 回転軸と、

前記回転軸の回転に伴って回転するように構成された回転体であっ て、 前記回転軸の軸方向に対して交差している回転体面、 ベーン溝、 及び、 前記回転軸の径方向に対して交差している回転体外周面を有す る回転体と、

前記回転軸の回転に伴って回転しないように構成された固定体であ って、 前記回転体面と前記軸方向に対向する固定体面、 及び、 前記径 方向に対して交差している固定体外周面を有する固定体と、

前記回転体及び前記固定体を収容するシリンダ部であって、 前記回 転体外周面及び前記固定体外周面の双方に対して前記径方向に対向す るシリンダ内周面を有するシリンダ部と、

前記べーン溝に挿入され、 前記回転体の回転に伴って前記軸方向に 移動しながら回転するように構成されたべーンと、 前記回転体面、 前記固定体面及び前記シリンダ内周面によって区画 され、 前記べーンが前記軸方向に移動しながら回転することによって 流体の吸入及び圧縮が行われる圧縮室と、

前記シリンダ部を間に配置した状態で前記圧縮室に対して前記径方 向外側に配置される吐出室であって、 前記圧縮室にて圧縮された流体 が導入される吐出室と、

前記シリンダ部を貫通する吐出ポートであって、 前記圧縮室は前記 吐出ポートを通じて前記吐出室と連通し、 前記吐出ポートは、 前記固 定体及び前記回転体の少なくとも一方と重なるオーバーラップ令頁域を 含む、 吐出ポートと、

前記オーバーラップ領域に対して対向する位置に設けられる連通部 であって、 前記オーバーラップ領域は前記連通部を通じて前記圧縮室 と連通する、 連通部と、

を備える、 圧縮機。 〇 2020/175415 56 卩(:170? 2020 /007279

[請求項 2] 前記固定体面は、

前記回転体面と当接する固定体当接面と、

前記固定体当接面に対して前記回転軸の周方向の両側にそれぞれ設 けられる 2つの湾曲面であって、 前記各湾曲面は、 前記固定体当接面 から前記周方向に離れるに従って前記回転体面から離れるように前記 軸方向に湾曲する、 湾曲面と、

を含み、

前記圧縮室は、

前記回転体面と前記固定体当接面との当接箇所に対して前記回転体 の回転方向における先行側に設けられる吸入空間と、 前記当接箇所に対して前記回転方向における後続側に設けられる圧 縮空間と、

を含み、

前記圧縮空間は、 前記当接箇所に近づくに従って前記軸方向に狭く なっており、

前記吐出ポートは、 前記シリンダ部における前記当接箇所よりも前 記回転方向における後続側に配置され、 且つ、 前記圧縮空間と連通し ており、

前記オーバーラップ領域は、 前記連通部を通じて前記圧縮空間と連 通している、

請求項 1 に記載の圧縮機。

[請求項 3] 前記吐出ポートは、 当該吐出ポートの外側から見て前記湾曲面の外 周縁である固定体エッジと重なっており、

前記オーバーラップ領域は、 前記吐出ポートが前記固定体と重なる 固定体オーバーラップ領域を含み、

前記連通部は、 前記湾曲面に形成された連通凹部を含み、 前記連通凹部は、 前記固定体外周面に開口する連通開口部を含み、 前記連通開口部は、 前記吐出ポートの外側から見て前記固定体オーバ 〇 2020/175415 57 卩(:170? 2020 /007279

—ラップ令頁域と重なっている、

請求項 2に記載の圧縮機。

[請求項 4] 前記連通凹部の断面積は、 前記連通開口部から前記固定体面の内周 側に向かうに従って徐々に小さくなっている、

請求項 3に記載の圧縮機。

[請求項 5] 前記吐出ポートは第 1吐出ポートであり、

前記連通凹部は、 前記第 1吐出ポートと連通する第 1連通凹部であ り、

前記圧縮機は、 さらに、

前記第 1吐出ポートよりも前記当接箇所から前記周方向に離れてい る第 2吐出ポートであって、 前記第 1吐出ポートと前記周方向に並ん でいる、 第 2吐出ポートと、

前記第 2吐出ポートと連通する第 2連通凹部と、 を備え、

前記固定体オーバーラップ領域は、 前記第 1吐出ポートが前記固定 体と重なる第 1固定体才ーパーラップ領域であり、 前記第 1固定体オーバーラップ領域は前記第 1連通凹部を通じて前 記圧縮室と連通し、

前記第 2吐出ポートは、 前記固定体と重なる第 2固定体オーバーラ ップ領域を含み、

前記第 2固定体オーバーラップ領域は前記第 2連通凹部を通じて前 記圧縮室と連通し、

前記連通開口部は、 前記第 1連通凹部が有する第 1連通開口部であ り、

前記第 1連通開口部は、 前記固定体外周面における前記第 1吐出ポ -卜の外側から見て前記第 1固定体オーバーラップ領域と重なり、 前記第 1連通凹部は、 前記第 1連通開口部から前記固定体面の内周 側に向けて延びており、 〇 2020/175415 58 卩(:170? 2020 /007279

前記第 2連通凹部は、 前記固定体外周面における前記第 2吐出ポー 卜の外側から見て前記第 2固定体オーバーラップ領域と重なる第 2連 通開口部を有し、 且つ、 前記第 2連通開口部から前記固定体面の内周 側に向けて延びており、

前記第 1連通凹部の延設方向の長さは、 前記第 2連通凹部の延設方 向の長さよりも長い、

請求項 3又は請求項 4に記載の圧縮機。

[請求項 6] 前記吐出ポートは、 当該吐出ポートの外側から見て、 前記回転体面 の外周縁である回転体エッジと重なつており、

前記オーバーラップ領域は、 前記吐出ポートが前記回転体と重なる 回転体オーバーラップ令頁域を含み、

前記連通部は、 前記回転体面と前記回転体外周面との間において、 前記回転軸の周方向に延びる面取り部を含む、

請求項 1〜 5のうちいずれか一項に圧縮機。

〇 2020/175415 卩(:170? 2020 /007279

59 補正された請求の範囲

[2020年 6月 24日(24.06.2020)国際事務局受理]

[請求項 1 ] (補正後) 回転軸と、

前記回転軸の回転に伴って回転するように構成された回転体であっ て、 前記回転軸の軸方向に対して交差している回転体面、 ベーン溝、 及び、 前記回転軸の径方向に対して交差している回転体外周面を有す る回転体と、

前記回転軸の回転に伴って回転しないように構成された固定体であ って、 前記回転体面と前記軸方向に対向する固定体面、 及び、 前記径 方向に対して交差している固定体外周面を有する固定体と、 前記回転体及び前記固定体を収容するシリンダ部であって、 前記回 転体外周面及び前記固定体外周面の双方に対して前記径方向に対向す るシリンダ内周面を有するシリンダ部と、

前記べーン溝に挿入され、 前記回転体の回転に伴って前記軸方向に 移動しながら回転するように構成されたべーンと、

前記回転体面、 前記固定体面及び前記シリンダ内周面によって区画 され、 前記べーンが前記軸方向に移動しながら回転することによって 流体の吸入及び圧縮が行われる圧縮室と、

前記シリンダ部を間に配置した状態で前記圧縮室に対して前記径方 向外側に配置される吐出室であって、 前記圧縮室にて圧縮された流体 が導入される吐出室と、

前記シリンダ部を貫通する吐出ポー トであって、 前記圧縮室は前記 吐出ポー トを通じて前記吐出室と連通し、 前記吐出ポー トは、 前記固 定休及び前記回転体の少なく とも一方と重なるオーバーラップ領域を 含む、 吐出ポー トと、

前記才 _バ_ラップ領域に対して対向する位置に設けられる連通部 であって、 前記オーバーラップ領域は前記連通部を通じて前記圧縮室 と連通する、 連通部と、

を備え、

補正された用紙 (条約第 19条) 5415 卩(:170? 2020 /007279

60

前記固定体面は、

前記回転体面と当接する固定体当接面と、

前記固定体当接面に対して前記回転軸の周方向の両側にそれぞれ設 けられる 2つの湾曲面であって、 前記各湾曲面は、 前記固定体当接面 から前記周方向に離れるに従って前記回転体面から離れるように前記 軸方向に湾曲する、 湾曲面と、

を含み、

前記圧縮室は、

前記回転体面と前記固定体当接面との当接箇所に対して前記回転体 の回転方向における先行側に設けられる吸入空間と、

前記当接箇所に対して前記回転方向における後続側に設けられる圧 縮空間と、

を含み、

前記圧縮空間は、 前記当接箇所に近づくに従って前記軸方向に狭く なっており、

前記吐出ポー トは、 前記シリンダ部における前記当接箇所よりも前 記回転方向における後続側に配置され、 且つ、 前記圧縮空間と連通し ており、

前記才 _バ_ラップ領域は、 前記連通部を通じて前記圧縮空間と連 通しており、

前記吐出ポー トは、 当該吐出ポー トの外側から見て前記湾曲面の外 周縁である固定体エッジと重なっており、

前記才 _バ_ラップ領域は、 前記吐出ポ_ 卜が前記固定体と重なる 固定体才 _バ _ラップ領域を含み、

前記連通部は、 前記湾曲面に形成された連通凹部を含み、 前記連通凹部は、 前記固定体外周面に開口する連通開口部を含み、 前記連通開口部は、 前記吐出ポー トの外側から見て前記固定体オーバ —ラップ領域と重なっている、 圧縮機。

補正された用紙 (条約第 19条) 〇 2020/175415 卩(:170? 2020 /007279

61

[請求項 2] (補正後) 前記連通凹部の断面積は、 前記連通開口部から前記固定体 面の内周側に向かうに従って徐々に小さくなっている、

請求項 1 に記載の圧縮機。

[請求項 3] (補正後) 前記吐出ポー トは第 1 吐出ポー トであり、

前記連通凹部は、 前記第 1 吐出ポ_ 卜と連通する第 1 連通凹部であ り、

前記圧縮機は、 さらに、

前記第 1 吐出ポー トよりも前記当接箇所から前記周方向に離れてい る第 2吐出ポー トであって、 前記第 1 吐出ポー トと前記周方向に並ん でいる、 第 2吐出ポー トと、

前記第 2吐出ポー トと連通する第 2連通凹部と、

を備え、

前記固定体才 _バ_ラップ領域は、 前記第 1 吐出ポ_ 卜が前記固定 体と重なる第 1 固定体オーバーラップ領域であり、

前記第 1 固定体才 _バ_ラップ領域は前記第 1 連通凹部を通じて前 記圧縮室と連通し、

前記第 2吐出ポー トは、 前記固定体と重なる第 2固定体オーバーラ ップ領域を含み、

前記第 2固定体才 _バ_ラップ領域は前記第 2連通凹部を通じて前 記圧縮室と連通し、

前記連通開口部は、 前記第 1 連通凹部が有する第 1 連通開口部であ り、

前記第 1 連通開口部は、 前記固定体外周面における前記第 1 吐出ポ - 卜の外側から見て前記第 1 固定体オーバーラップ領域と重なり、 前記第 1 連通凹部は、 前記第 1 連通開口部から前記固定体面の内周 側に向けて延びており、

前記第 2連通凹部は、 前記固定体外周面における前記第 2吐出ポー 卜の外側から見て前記第 2固定体オーバーラップ領域と重なる第 2連

補正された用紙 (条約第 19条) 〇 2020/175415 卩(:170? 2020 /007279

62

通開口部を有し、 且つ、 前記第 2連通開口部から前記固定体面の内周 側に向けて延びており、

前記第 1 連通凹部の延設方向の長さは、 前記第 2連通凹部の延設方 向の長さよりも長い、

請求項 1 又は請求項 2に記載の圧縮機。

[請求項 4] (補正後) 前記吐出ポー トは、 当該吐出ポー トの外側から見て、 前記 回転体面の外周縁である回転体エッジと重なっており、

前記才 _バ_ラップ領域は、 前記吐出ポー トが前記回転体と重なる 回転体オーバーラップ領域を含み、

前記連通部は、 前記回転体面と前記回転体外周面との間において、 前記回転軸の周方向に延びる面取り部を含む、

請求項 1 〜 3のうちいずれか一項に圧縮機。

[請求項 5] (削除)

[請求項 6] (削除)

補正された用紙 (条約第 19条)

Description:
\¥0 2020/175415 1 卩(:17 2020 /007279 明 細 書

発明の名称 : 圧縮機

技術分野

[0001 ] 本開示は、 圧縮機に関する。

背景技術

[0002] 例えば特許文献 1 には、 回転軸と、 複数のスリッ ト溝が形成されたロータ と、 複数のスリッ ト溝に摺動可能に嵌め込まれた複数のベーン と、 サイ ドプ レートと、 を備えたアキシャルべーン型圧縮機について 記載されている。 サ イ ドブレートには、 固定体面であるカム面が形成されている。 特許文献 1 に 記載のアキシャルべーン型圧縮機では、 回転軸及びロータの回転に伴い複数 のべーンが回転軸の軸方向に移動しながら回 転する。 これにより、 口一夕の 軸方向端面とカム面とによって区画された圧 縮室にて流体の吸入及び圧縮が 行われる。 また、 特許文献 1の圧縮機は、 固定体であるサイ ドブレートを回 転軸の軸方向に貫通する複数の吐出ポートを 有している。 各吐出ポートは、 吐出冷媒通路として使用される。 複数の吐出冷媒通路は、 サイ ドプレートの うち最も肉厚な部分である、 頂部に近い位置にある平面部に対応する部分 に 配置されている。

先行技術文献

特許文献

[0003] 特許文献 1 :特開 2 0 1 8 _ 4 4 4 8 3号公報

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0004] 回転体、 固定体及びべーンを用いて流体の吸入と圧縮 を行う圧縮機におい ては、 圧縮された流体の吐出に係る構成について未 だ改善の余地がある。 例 えば、 固定体を軸方向に貫通する吐出ポートを通じ て圧縮された流体を吐出 する場合は、 圧縮室と吐出室とを連通させる吐出ポートの 通路長が長くなり 易い。 そのため、 損失が大きくなり易い。 特に、 特許文献 1 に示すように、 〇 2020/175415 2 卩(:170? 2020 /007279

固定体の肉厚な部分に吐出ポートが設けら れていると、 吐出ポートの通路長 が長くなり易く、 損失が大きくなり易い。

[0005] 本開示の目的は、 圧縮された流体を好適に吐出できる圧縮機を 提供するこ とである。

課題を解決するための手段

[0006] 本開示の一態様に係る圧縮機は、 回転軸と、 前記回転軸の回転に伴って回 転するように構成された回転体であって、 前記回転軸の軸方向に対して交差 している回転体面、 ベーン溝、 及び、 前記回転軸の径方向に対して交差して いる回転体外周面を有する回転体と、 前記回転軸の回転に伴って回転しない ように構成された固定体であって、 前記回転体面と前記軸方向に対向する固 定体面、 及び、 前記径方向に対して交差している固定体外周 面を有する固定 体と、 前記回転体及び前記固定体を収容するシリン ダ部であって、 前記回転 体外周面及び前記固定体外周面の双方に対し て前記径方向に対向するシリン ダ内周面を有するシリンダ部と、 前記回転体に形成されたべーン溝に挿入さ れ、 前記回転体の回転に伴って前記軸方向に移動 しながら回転するように構 成されたベーンと、 前記回転体面、 前記固定体面及び前記シリンダ内周面に よって区画され、 前記べーンが前記軸方向に移動しながら回転 することによ って流体の吸入及び圧縮が行われる圧縮室と 、 前記シリンダ部を間に配置し た状態で前記圧縮室に対して前記回転軸の径 方向外側に配置される吐出室で あって、 前記圧縮室にて圧縮された流体が導入される 吐出室と、 前記シリン ダ部を貫通する吐出ポートであって、 前記圧縮室は前記吐出ポートを通じて 前記吐出室と連通し、 前記吐出ポートは、 前記固定体及び前記回転体の少な くとも一方と重なるオーバーラップ令頁域を 含む、 吐出ポートと、 前記オーバ —ラップ領域に対して対向する位置に設けら れる連通部であって、 前記才一 バーラップ領域は前記連通部を通じて前記圧 縮室と連通する、 連通部と、 を 備える。

図面の簡単な説明

[0007] [図 1 ]圧縮機の概要を示す概略図。 〇 2020/175415 3 卩(:170? 2020 /007279

[図 2]図 1の圧縮機における主要な構成の分解斜視図

[図 3]図 2とは反対側から見た主要な構成の分解斜視 。

[図 4]図 1の圧縮機における主要な構成の断面図。

[図 5]図 1の圧縮機における主要な構成の側面図。

[図 6]図 4の 6 _ 6線に沿った断面図。

[図 7]図 4の 7 _ 7線に沿った断面図。

[図 8]図 1の圧縮機におけるフロント吐出ポートの正 図。

[図 9]図 8の 9— 9線に沿った断面図。

[図 10]図 1の圧縮機におけるフロントシリンダ、 フロント弁、 及びフロント リテーナの分解斜視図。

[図 1 1]図 1の圧縮機における回転体、 両固定体、 及びべーンを模式的に示す 展開図。

[図 12]図 1 1 とは別の位相における回転体、 両固定体、 及びべーンを模式的 に示す展開図。

[図 13]第 1変更例の圧縮機が有する連通部を示す分解 視図。

[図 14]図 1 3の連通部を説明するためのフロント吐出ポ トの正面図。

[図 15]図 1 4の 1 5 - 1 5線に沿った断面図。

[図 16]第 2変更例のベーンを示す斜視図。

[図 17]図 1 6のべーンの分解斜視図。

[図 18]図 1 6のべーンと両固定体面との当接態様を模式 に示す断面図。

[図 19]第 3変更例の圧縮機を模式的に示す断面図。

発明を実施するための形態

[0008] 以下、 圧縮機の一実施形態について図面を用いて説 明する。 なお、 本実施 形態の圧縮機は、 例えば車両用であり、 詳細には車両に搭載されて使用され る。 圧縮機は、 例えば車両用空調装置に用いられるものであ り、 本圧縮機の 圧縮対象の流体はオイルを含む冷媒である。 なお、 図 1 については回転軸 1 2、 回転体 6 0、 両固定体 9 0 , 1 1 0を側面図で示す。 また、 図 6及び図 7においては、 複数のベーン 1 3 1 を模式的に断面図で示す。 〇 2020/175415 4 卩(:170? 2020 /007279

[0009] 図 1 に示すように、 圧縮機 1 0は、 ハウジング 1 1 と、 回転軸 1 2と、 電 動モータ 1 3と、 インバータ 1 4と、 シリンダ部であるフロントシリンダ 3 0と、 リアプレート 4 0と、 回転体 6 0と、 フロント固定体 9 0と、 リア固 定体 1 1 0と、 を備えている。

[0010] ハウジング 1 1は、 例えば全体として筒状であり、 外部から吸入された流 体が吸入される吸入口 1 1 3及び圧縮された流体が吐出される吐出口 1 1 匕 を有している。 回転軸 1 2、 電動モータ 1 3、 インバータ 1 4、 フロントシ リンダ 3 0、 リアプレート 4 0、 回転体 6 0、 両固定体 9 0 , 1 1 0は、 ハ ウジング 1 1内に収容されている。

[001 1 ] ハウジング 1 1は、 フロントハウジング部材 2 1 と、 リアハウジング部材

2 2と、 インバータカバー 2 5とを備えている。

[0012] フロントハウジング部材 2 1は、 周壁と周壁の軸方向一端に配置された端 壁とを有するとともに、 リアハウジング部材 2 2に向けて開口する開口端を 有している。 吸入口 1 1 3は、 例えば、 フロントハウジング部材 2 1の周壁 のうち開口端よりも端壁に近い位置に設けら れている。 但し、 吸入口 1 1 3 の位置は任意である。

[0013] 筒状のリアハウジング部材 2 2は、 リアハウジング端壁 2 3と、 リアハウ ジング端壁 2 3からフロントハウジング部材 2 1 に向けて延びるリアハウジ ング周壁 2 4とを有する。 フロントハウジング部材 2 1 とリアハウジング部 材 2 2とは、 互いに開口端同士が向き合う状態で結合され てユニッ ト化され ている。 吐出口 1 1 匕は、 リアハウジング周壁 2 4に設けられている。 但し 、 吐出口 1 1 13の位置は任意である。

[0014] インバータカバー 2 5は、 フロントハウジング部材 2 1 に対してリアハウ ジング部材 2 2とは反対側に配置されている。 インバータカバー 2 5は、 フ ロントハウジング部材 2 1の端壁に突き合せられた状態でフロントハ ジン グ部材 2 1 に固定されている。 インバータカバー 2 5内には、 インバータ 1 4が収容されている。 インバータ 1 4は、 電動モータ 1 3を駆動させる。

[0015] 図 1 に示すように、 フロントシリンダ 3 0は、 リアプレート 4 0と協働し 〇 2020/175415 5 卩(:170? 2020 /007279

て両固定体 9 0 , 1 1 0及び回転体 6 0を収容する。 フロントシリンダ 3 0 は、 リアハウジング部材 2 2の周壁 2 4よりも小径の筒状体であり、 リアハ ウジング端壁 2 3に向けて開口している。

[0016] フロントシリンダ 3 0は、 フロントシリンダ端壁 3 1 と、 フロントシリン ダ端壁 3 1からリアハウジング端壁 2 3に向けて延びるフロントシリンダ周 壁 3 2と、 を有している。

[0017] 図 1及び図 2に示すように、 フロントシリンダ端壁 3 1は、 回転軸 1 2の 軸方向 に段差状となっており、 中央側に配置されている第 1端壁 3 1 3と 、 回転軸 1 2の径方向 [¾において第 1端壁 3 1 3の外側であって且つ第 1端 壁 3 1 3に対してリアハウジング端壁 2 3に向かって偏倚した位置に配置さ れている第 2端壁 3 1 匕とを有している。 第 1端壁 3 1 3には、 回転軸 1 2 が揷通可能なフロント揷通孔 3 1 〇が形成されており、 回転軸 1 2は、 フロ ント挿通孔 3 1 〇に挿通されている。

[0018] 図 1 に示すように、 フロントシリンダ周壁 3 2は、 リアハウジング部材 2

2の内側に入り込んでいる。 フロントシリンダ周壁 3 2は、 内周面であるフ ロントシリンダ内周面 3 3と、 フロントシリンダ内周面 3 3とは反対側に配 置されたフロントシリンダ外周面 3 4と、 を有している。

[0019] フロントシリンダ内周面 3 3及びフロントシリンダ外周面 3 4は、 例えば 回転軸 1 2の軸方向 に延びる軸線を有する円筒面である。 フロントシリン ダ外周面 3 4は、 リアハウジング周壁 2 4の内周面と径方向 に当接してい る。

[0020] フロントシリンダ外周面 3 4には、 吐出室八 1 を区画するための吐出凹部

3 5が形成されている。 吐出凹部 3 5は、 フロントシリンダ外周面 3 4の軸 方向両端部の間に形成されており、 径方向内側に向けて凹んでいる。 吐出凹 部 3 5とリアハウジング周壁 2 4とによって、 圧縮された流体が存在する吐 出室八 1が区画されている。 吐出室八 1は、 回転軸 1 2の軸方向 に延びる 軸線を有する円筒状である。 吐出室八 1は、 吐出口 1 1 13と連通している。 吐出室八 1内の圧縮された流体は、 吐出口 1 1 13から吐出される。 〇 2020/175415 6 卩(:170? 2020 /007279

[0021 ] フロントシリンダ 3 0は、 径方向外側に張り出した膨出部 3 6を有する。

膨出部 3 6は、 フロントシリンダ端壁 3 1及びフロントシリンダ周壁 3 2の 双方に跨る位置に設けられている。 膨出部 3 6は、 フロントシリンダ外周面 3 4から径方向外側に膨出している。 フロントハウジング部材 2 1 とリアハ ウジング部材 2 2とは、 膨出部 3 6を挟んだ状態で互いに結合されている。 両ハウジング部材 2 1 , 2 2によってフロントシリンダ 3 0の軸方向 の位 置ずれが規制されている。

[0022] 図 1 に示すように、 ハウジング 1 1内には、 フロントハウジング部材 2 1 及びフロントシリンダ端壁 3 1 によって区画されたモータ室八 2が設けられ ており、 モータ室八 2に電動モータ 1 3が収容されている。 電動モータ 1 3 は、 インバータ 1 4から駆動電力を供給されることにより、 回転軸 1 2を、 矢印 IV!で示す方向、 詳細には電動モータ 1 3から両固定体 9 0 , 1 1 0を見 て時計回りの方向 (以下、 「回転方向 1\/1」 という。 ) に回転させる。

[0023] 吸入口 1 1 3はモータ室八 2を区画するフロントハウジング部材 2 1 に設 けられているため、 吸入口 1 1 3から吸入された流体はハウジング 1 1内の モータ室 2に吸入される。 つまり、 モータ室 2内には吸入された流体が 存在する。 換言すれば、 モータ室 2は、 流体が吸入される吸入室といえる

[0024] 本実施形態の圧縮機 1 0では、 インバータ 1 4、 電動モータ 1 3、 フロン 卜固定体 9 0、 回転体 6 0、 リア固定体 1 1 0が軸方向 に沿ってこの順に 並んでいる。 但し、 これらの部品の位置は任意であり、 例えばインバータ 1 4が電動モータ 1 3に対して径方向外側に配置されていてもよ 。

[0025] リアプレート 4 0は板状 (本実施形態では円板状) であり、 その板厚方向 が軸方向 に一致するようにリアハウジング部材 2 2内に収容されている。 リアプレート 4 0の外径は、 例えばフロントシリンダ外周面 3 4 (又はリア ハウジング周壁 2 4の内周面) の径と同一である。 リアプレート 4 0は、 リ アハウジング部材 2 2に嵌まっており、 リアハウジング部材 2 2に支持され ている。 〇 2020/175415 7 卩(:170? 2020 /007279

[0026] リアプレート 4 0は、 フロントシリンダ端壁 3 1 とは別体である。 フロン トシリンダ 3 0とリアプレート 4 0とは、 フロントシリンダ周壁 3 2の先端 咅6 (開口端) がリアプレート 4 0に突き合わせられるようにして組み付けら れており、 リアブレート 4 0によってフロントシリンダ 3 0の開口部分が塞 がれている。

[0027] 詳細には、 リアプレート 4 0のうちフロントシリンダ周壁 3 2の先端部と 軸方向 に対向する箇所にはプレート窪み 4 2が形成されている。 プレート 窪み 4 2は、 全周に亙って形成されている。 フロントシリンダ 3 0とリアプ レート 4 0とは、 フロントシリンダ周壁 3 2の先端部がプレート窪み 4 2に 嵌合した状態で互いに取り付けられている。

[0028] リアプレート 4 0は、 ハウジング 1 1 に支持されている。 より詳細には、 リアプレート 4 0は、 フロントシリンダ 3 0と、 ハウジング 1 1の一部であ るリアハウジング端壁 2 3とによって挟持されている。 なお、 リアプレート 4 0はハウジング 1 1 に支持されていればよく、 その具体的な支持態様は任 意である。

[0029] リアプレート 4 0は、 軸方向 に直交する板面である第 1 プレート面 4 3 及び第 2プレート面 4 4を有している。 第 1 プレート面 4 3は、 リアハウジ ング端壁 2 3とは反対側を向いている。 第 2プレート面 4 4は、 リアハウジ ング端壁 2 3と軸方向 に対向している。 なお、 本実施形態では、 プレート 窪み 4 2が形成されているので、 第 1 プレート面 4 3は第 2プレート面 4 4 よりも小さい。

[0030] なお、 本明細書において 「対向」 とは、 特に説明がない限り、 技術的に矛 盾しない範囲内において、 2つの部材が隙間を介して互いに向き合う態 と 、 2つの部材が互いに当接している態様とを含 。 例えば、 第 2プレート面 4 4とリアハウジング端壁 2 3とは、 互いから離間していてもよいし、 互い に当接していてもよい。 また、 「対向」 とは、 互いに向き合う 2つの面が一 部において互いに当接して、 その他の部分において互いから離間している 態 様を含む。 〇 2020/175415 8 卩(:170? 2020 /007279

[0031 ] 図 1 に示すように、 圧縮機 1 0は、 回転軸 1 2を回転可能に支持するシャ フト軸受 5 1 , 5 3を備えている。

[0032] フロントシャフト軸受 5 1は、 フロントハウジング部材 2 1の端壁に設け られたボス部 5 2に取り付けられている。 ボス部 5 2は、 フロントハウジン グ部材 2 1の端壁から突出したリング形状である。 フロントシャフト軸受 5 1は、 ボス部 5 2に対して径方向内側に配置されており、 回転軸 1 2の軸方 向両端部である両シャフト端部 1 2 3 , 1 2 13のうちフロントシャフト端部 1 2 3を回転可能に支持している。

[0033] リアブレート 4 0の中央部には、 回転軸 1 2が揷通されたリア揷通孔 4 1 が形成されている。 リア揷通孔 4 1の径は、 リアシャフト端部 1 2匕の径と 同一またはそれよりも大きい。 リアシャフト端部 1 2匕がリア揷通孔 4 1 に 揷通されている。

[0034] リアシャフト軸受 5 3は、 リア揷通孔 4 1の内壁面に設けられ、 リアシャ フト端部 1 2匕を回転可能に支持している。 リアシャフト軸受 5 3は、 例え ばリア揷通孔 4 1の内壁面に形成されたコーティング層から 成されたコー ティング軸受である。

[0035] コーティング層については任意であり、 例えば熱硬化性樹脂や潤滑剤を含 む層でもよい。 また、 リアシャフト軸受 5 3は、 コーティング層から形成さ れたコーティング軸受に限られず任意であり 、 例えば他の滑り軸受、 或いは 転がり軸受などでもよい。 なお、 図 1等においては、 リアシャフト軸受 5 3 を実際よりも厚く示す。

[0036] 以上のとおり、 本実施形態では、 両シャフト端部 1 2 3 , 1 2匕が両シャ フト軸受 5 1 , 5 3によって回転可能に支持されている。 ここで、 フロント シャフト軸受 5 1がフロントハウジング部材 2 1のボス部 5 2に取り付けら れている点、 及び、 リアシャフト軸受 5 3が形成されているリアプレート 4 0がリアハウジング部材 2 2に支持されている点を鑑みれば、 回転軸 1 2は 、 両シャフト軸受 5 1 , 5 3によって、 ハウジング 1 1 に対して回転可能に 支持されているといえる。 なお、 本実施形態では、 回転軸 1 2は円柱状であ \¥0 2020/175415 9 卩(:17 2020 /007279

る。

[0037] 図 1 に示すように、 リアハウジング端壁 2 3は、 回転軸 1 2と軸方向 に 対向する位置に、 ハウジング凹部 5 4を有する。 ハウジング凹部 5 4は、 例 えばリアシャフト端部 1 2匕よりも一回り大きく形成された円形の凹 であ る。 リアシャフト端部 1 2匕の一部は、 ハウジング凹部 5 4内に入り込んで いる。

[0038] 圧縮機 1 0は、 ハウジング凹部 5 4内に設けられたリングプレート 5 5を 備え、 リングプレート 5 5は、 回転軸 1 2の軸方向 の位置ずれを規制する 。 リングプレート 5 5は、 例えばハウジング凹部 5 4の内径と同一の外径を 有する平板リングであり、 ハウジング凹部 5 4に嵌合している。 リングプレ —卜 5 5は、 リアシャフト端部 1 2匕とハウジング凹部 5 4の底面との間に 設けられている。 回転軸 1 2のうちフロントシャフト端部 1 2 3 を除いた部 分は、 フロントシャフト軸受 5 1 とリングプレート 5 5とによって軸方向 に挟まれている。 これにより、 回転軸 1 2の軸方向 の移動が規制されてい る。 但し、 寸法誤差に対処すべく、 リングプレート 5 5とリアシャフト端部 1 2匕との間に若干の隙間が形成されていても い。

[0039] 図 1 に示すように、 ハウジング 1 1内には、 フロントシリンダ 3 0とリア プレート 4 0とによって区画された収容室八 3が形成されており、 収容室八 3内に回転体 6 0及び両固定体 9 0 , 1 1 0が収容されている。

[0040] モータ室八 2と収容室八 3とは、 ハウジング 1 1内において軸方向 に並 んでいる。 そして、 モータ室八 2と収容室八 3とは、 フロントシリンダ端壁 3 1 によって仕切られており、 モータ室 2内に吸入された流体が収容室八 3に流れ込まないようになっている。 フロントシリンダ端壁 3 1は、 モータ 室八 2内に吸入された流体が収容室 3に流れ込みにくくなるようにモータ 室八 2と収容室 3とを仕切る仕切壁部である。 回転軸 1 2は、 仕切壁部で あるフロントシリンダ端壁 3 1 を貫通することによって、 モータ室八 2と収 容室八 3との双方に亙って配置されている。 また、 リアプレート 4 0は、 収 容室八 3を区画するのに用いられている区画部であ 。 〇 2020/175415 10 卩(:170? 2020 /007279

[0041 ] 次に、 図 2〜図 5などを用いて回転体 6 0について詳細に説明する。 なお 、 図 5に示す回転体 6 0は、 図 4とは異なる回転位置に配置されている状態 、 すなわち異なる位相で示す。

[0042] 回転体 6 0は、 回転軸 1 2の回転に伴って回転方向 1\/1に回転する。 回転体

6 0は、 その回転中心軸線が回転軸 1 2の中心軸線と一致するようにハウジ ング 1 1内に配置されている。 つまり、 回転体 6 0は、 回転軸 1 2と同軸と なるように配置されている。 このため、 本圧縮機 1 0は、 偏芯運動ではなく 、 軸心運動を行う構造を有する。

[0043] 回転体 6 0は、 回転軸 1 2が揷通された回転体筒部 6 1 と、 回転体筒部 6

1から径方向外側に向けて延びる回転体リン 部 7 0と、 を備えている。

[0044] 回転体筒部 6 1は、 回転軸 1 2と一体回転するように回転軸 1 2に取り付 けられている。 これにより、 回転軸 1 2の回転に伴って、 回転体 6 0が回転 する。 なお、 回転軸 1 2に対する回転体筒部 6 1の取付態様は任意であり、 例えば圧入によって回転体筒部 6 1が回転軸 1 2に固定されてもよいし、 回 転軸 1 2及び回転体筒部 6 1 に跨って挿入される固定ピンによって回転体 筒 部 6 1が回転軸 1 2に固定されてもよい。 また、 キー等の連結部材によって 回転体筒部 6 1 と回転軸 1 2とが連結される構成でもよいし、 回転体筒部 6 1 と回転軸 1 2とが、 一方に設けられた凹部に他方に設けられた凸 部が係合 することによって結合されてもよい。

[0045] 回転体筒部 6 1は、 例えば軸方向 に延びる軸線を有する円筒体である。

回転体筒部 6 1は、 例えば回転軸 1 2の径と同一又はそれよりも大きい内径 を有している。 回転体筒部

に対向している。

[0046] 回転体筒部 6 1は、 軸方向 に延びる軸線を有する筒部外周面 6 2を有し ている。 筒部外周面 6 2は、 径方向外側に凸となるように湾曲しており、 本 実施形態では円筒面である。

[0047] 図 2〜図 4に示すように、 回転体リング部 7 0は、 回転体筒部 6 1の軸方 向両端部である両回転体端部 6 1 3 , 6 1 間の任意の位置 (本実施形態で 〇 2020/175415 1 1 卩(:170? 2020 /007279

は中央部付近) に設けられている。

[0048] 回転体リング部 7 0は、 軸方向 に板厚を有する円環板状の部材であり、 軸方向両端面、 すなわちフロント回転体面 7 1及びリア回転体面 7 2を有し ている。 両回転体面 7 1 , 7 2はリング状である。 両回転体面 7 1 , 7 2は 、 軸方向 に対して交差しており、 本実施形態では軸方向 に直交する平坦 面である。 このため、 それぞれ回転体面 7 1 , 7 2の外周縁である回転体エ ッジ 7 1 7 2 3 は、 径方向外側から見て直線状であり、 周方向全体に亘 って軸方向 の位置が一定となっている。 本実施形態では、 回転体エッジ 7 1 3 , 7 2 3は、 リング外周面 7 3の軸方向 の両端である。

[0049] 回転体リング部 7 0の外周面であるリング外周面 7 3は、 径方向 に対し て交差する面であり、 フロントシリンダ内周面 3 3と径方向 に対向してい る。 本実施形態のリング外周面 7 3は、 周方向全体に亙って軸方向 の長さ が一定の円筒面である。 リング外周面 7 3とフロントシリンダ内周面 3 3と は互いに当接していてもよいし、 微小な隙間を介して互いから離間していて もよい。 本実施形態では、 リング外周面 7 3が 「回転体外周面」 に対応する

[0050] 図 4に示すように、 圧縮機 1 0は、 回転体 6 0を軸方向 から支持するス ラスト軸受 8 1 , 8 2を備えている。 両スラスト軸受 8 1 , 8 2は、 回転体 筒部 6 1の軸方向両側に配置されており、 回転体筒部 6 1 を軸方向 から挟 んでいる。

[0051 ] 詳細には、 フロントスラスト軸受 8 1は、 フロントシリンダ端壁 3 1が段 差状に形成されていることによって生じたス ペースに配置されている。 フロ ントスラスト軸受 8 1は、 フロントシリンダ端壁 3 1 に支持された状態で、 回転体筒部 6 1 (詳細にはフロント回転体端部 6 1 を軸方向 から支持 している。

[0052] リアスラスト軸受 8 2は、 リアプレート 4 0に形成されたスラスト収容凹 部 8 3内に配置されている。 スラスト収容凹部 8 3は、 リア揷通孔 4 1の内 壁面のうち第 1 プレート面 4 3に近接した部分に形成されている。 リアスラ 〇 2020/175415 12 卩(:170? 2020 /007279

スト軸受 82は、 リアプレート 40に支持された状態で、 回転体筒部 6 1 ( 詳細にはリア回転体端部 6 1 匕) を軸方向 から支持している。

[0053] 両スラスト軸受 81 , 82は円板状であり、 両スラスト軸受 81 , 82に は回転軸 1 2が揷通されている。 本実施形態では、 両スラスト軸受 81 , 8 2の内周面と回転軸 1 2の外周面とは互いに当接している。 よって、 両スラ スト軸受 81 , 82は、 回転軸 1 2と径方向 に当接することによって回転 軸 1 2を支持している。 ただし、 両スラスト軸受 81 , 82は回転軸 1 2か ら径方向 に離間していてもよい。

[0054] 両固定体 90, 1 1 0は、 回転体リング部 70の軸方向両側に配置されて いる。 換言すれば、 両固定体 90, 1 1 0は、 回転体リング部 70をそれら の間に配置した状態で軸方向 に離間して配置されている。 あるいは、 回転 体リング部 70は、 両固定体 90, 1 1 0の間に配置されている。

[0055] 両固定体 90, 1 1 0は、 回転軸 1 2の回転に伴って回転しないようにフ ロントシリンダ 30 (換言すればハウジング 1 1) に固定されている。 例え ば、 フロントシリンダ周壁 32を貫通する締結具 (図示略) を用いてフロン トシリンダ周壁 32と固定体 90, 1 1 0とを締結することによって、 固定 体 90, 1 1 0がフロントシリンダ 30に固定されている。

[0056] ただし、 これに限られず、 フロントシリンダ 30に対する両固定体 90,

1 1 0の固定態様は任意であり、 固定態様は例えば圧入又は嵌合でもよい。 また、 フロント固定体 90とフロントシリンダ端壁 3 1 とを締結する締結部 が 1つ又は複数設けられていてもよいし、 リア固定体 1 1 0とリアプレート 40とを締結する締結部が 1つ又は複数設けられていてもよい。

[0057] 両固定体 90, 1 1 0の構成について詳細に説明する。 なお、 本実施形態 では、 両固定体 90, 1 1 0は同一形状である。

[0058] 図 1〜図 4に示すように、 両固定体 90, 1 1 0のうちフロントシリンダ 端壁 3 1 に近い位置、 換言すればモータ室 2に近い位置、 に配置されてい るフロント固定体 90は、 例えばリング状 (本実施形態では円環状) であり 、 回転軸 1 2が揷入されたフロント固定体揷入孔 9 1 を有している。 本実施 \¥0 2020/175415 13 卩(:17 2020 /007279

形態では、 フロント固定体揷入孔 9 1は、 フロント固定体 9 0を軸方向 に 貫通した貫通孔である。 フロント固定体 9 0は、 回転軸 1 2がフロント固定 体揷入孔 9 1 に揷入された状態でフロントシリンダ 3 0内に配置されている

[0059] フロント固定体 9 0は、 径方向 に対して交差している面であって、 フロ ントシリンダ内周面 3 3と径方向 に対向するフロント固定体外周面 9 2を 有している。 本実施形態では、 フロント固定体外周面 9 2とフロントシリン ダ内周面 3 3とは互いに当接している。 ただし、 これに限られず、 フロント シリンダ内周面 3 3とフロント固定体外周面 9 2とは互いから離間していて もよい。

[0060] フロント固定体 9 0は、 フロントシリンダ端壁 3 1 と軸方向 に対向する フロント背面 9 3を備えている。 フロント背面 9 3とフロントシリンダ端壁 3 1の内側底面 3 1 とは、 互いから離間していてもよいし、 互いに当接し ていてもよい。

[0061 ] 図 1〜図 4に示すように、 両固定体 9 0 , 1 1 0のうち区画部である固定 体 1 1 0は、 リアプレート 4 0に近い位置、 換言すればモータ室八 2から離 れている側、 に配置されている。 リア固定体 1 1 0は、 フロント固定体 9 0 と同様に、 リング状 (本実施形態では円環状) であり、 回転軸 1 2が挿入さ れたリア固定体揷入孔 1 1 1 を有している。 本実施形態では、 リア固定体揷 入孔 1 1 1は、 リア固定体 1 1 0を軸方向 に貫通した貫通孔である。 リア 固定体 1 1 0は、 回転軸 1 2がリア固定体揷入孔 1 1 1 に揷入された状態で フロントシリンダ 3 0内に配置されている。 つまり、 本実施形態では、 回転 軸 1 2は両固定体 9 0 , 1 1 0を軸方向 に貫通している。

[0062] リア固定体 1 1 0は、 径方向 に対して交差している面であってフロント シリンダ内周面 3 3と径方向 に対向するリア固定体外周面 1 1 2を有して いる。 本実施形態では、 リア固定体外周面 1 1 2とフロントシリンダ内周面 3 3とは互いに当接している。 すなわち、 フロントシリンダ内周面 3 3は、 リング外周面 7 3及び両固定体外周面 9 2 , 1 1 2に対して径方向 に対向 〇 2020/175415 14 卩(:170? 2020 /007279

している。 ただし、 これに限られず、 フロントシリンダ内周面 3 3とリア固 定休外周面 1 1 2とは互いに離間していてもよい。

[0063] リア固定体 1 1 0は、 リアプレート 4 0の第 1 プレート面 4 3と軸方向 に対向するリア背面 1 1 3を備えている。 リア背面 1 1 3と第 1 プレート面 4 3とは互いから離間していてもよいし、 互いに当接していてもよい。

[0064] 図 4に示すように、 回転体 6 0は、 回転体筒部 6 1が固定体揷入孔 9 1 ,

1 1 1 に揷入されることによって固定体 9 0 , 1 1 0に支持されている。

[0065] 詳細には、 回転体筒部 6 1のフロント回転体端部 6 1 3は、 フロント固定 体揷入孔 9 1 に揷入されており、 フロント固定体 9 0を貫通している。

[0066] フロント固定体揷入孔 9 1は、 回転体筒部 6 1 (詳細には筒部外周面 6 2 ) に対応する形状及び大きさを有する。 本実施形態のフロント固定体揷入孔 9 1は、 円筒状の回転体筒部 6 1 に対応して、 軸方向 から見て円形である 。 フロント固定体揷入孔 9 1の直径は筒部外周面 6 2の直径と同一又はそれ よりも若干大きい。 フロント回転体端部 6 1 3は、 フロント固定体揷入孔 9 1の内壁面に形成されたフロント回転体軸受 9 4によって、 フロント固定体 9 0に回転可能に支持されている。

[0067] 同様に、 リア回転体端部 6 1 匕は、 リア固定体揷入孔 1 1 1 に揷入されて おり、 リア固定体 1 1 0を貫通している。

[0068] リア固定体揷入孔 1 1 1は、 回転体筒部 6 1 (詳細には筒部外周面 6 2) に対応する形状及び大きさを有する。 本実施形態のリア固定体揷入孔 1 1 1 は、 円筒状の回転体筒部 6 1 に対応して、 軸方向 から見て円形である。 そ して、 リア固定体揷入孔 1 1 1の直径は筒部外周面 6 2の直径と同一又はそ れよりも若干大きい。 リア回転体端部 6 1 匕は、 リア固定体揷入孔 1 1 1の 内壁面に形成されたリア回転体軸受 1 1 4によって、 リア固定体 1 1 0に回 転可能に支持されている。

[0069] つまり、 両回転体端部 6 1 3 , 6 1 匕は、 両回転体軸受 9 4 , 1 1 4を介 して両固定体 9 0 , 1 1 0に支持されている。 これにより、 回転体 6 0が両 固定体 9 0 , 1 1 0に対して支持され、 両固定体 9 0 , 1 1 0に対する回転 〇 2020/175415 15 卩(:170? 2020 /007279

体 60の位置ずれを抑制できる。

[0070] また、 両回転体端部 6 1 3, 6 1 は、 回転体 60の軸方向両端部を構成 している。 このため、 両回転体軸受 94, 1 1 4によって、 回転体 60の軸 方向両端部が支持されている。 これにより、 回転体 60が安定して保持され ている。

[0071] 更に、 固定体揷入孔 9 1 , 1 1 1が回転体筒部 6 1 に対応するように形成 されているため、 固定体揷入孔 9 1 , 1 1 1の内壁面と筒部外周面 62との 間に形成される隙間が小さい又はそのよう隙 間が生じにくい。

[0072] 回転体軸受 94, 1 1 4は、 例えば固定体揷入孔 9 1 , 1 1 1の内壁面に 形成されたコーティング層により構成された コーティング軸受である。 図 4 等においては、 回転体軸受 94, 1 1 4を実際よりも厚く示す。 なお、 回転 体軸受 94, 1 1 4の具体的な構成は、 コーティング軸受に限られず任意で あり、 例えば他の滑り軸受、 或いは転がり軸受などでもよい。

[0073] フロント固定体 90は、 フロント回転体面 7 1 と軸方向 に対向している フロント固定体面 1 〇〇を有している。 フロント固定体面 1 00は、 フロン 卜背面 93とは反対側の板面である。 フロント固定体面 1 00は、 リング状 であり、 本実施形態では軸方向 から見て円環状である。

[0074] 図 3に示すように、 フロント固定体面 1 00は、 軸方向 と交差 (本実施 形態では直交) する第 1 フロント平坦面 1 01及び第 2フロント平坦面 1 0 2と、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02を繫ぐ 2つのフロント湾曲面 1 03 と、 を備えている。

[0075] 図 4に示すように、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02は、 軸方向 にずれ ている。 詳細には、 固定体当接面である第 2フロント平坦面 1 02は、 第 1 フロント平坦面 1 01 よりもフロント回転体面 7 1 に近い位置に配置されて おり、 フロント回転体面 7 1 に対して当接している。 なお、 フロント固定体 面 1 00のうち第 2フロント平坦面 1 02以外の部分は、 フロント回転体面 7 1から離間している。

[0076] 両フロント平坦面 1 01 , 1 02は、 フロント固定体 90の周方向に離間 〇 2020/175415 16 卩(:170? 2020 /007279

して配置されており、 例えば両者は 1 80 ° 互いにずれている。 本実施形態 では、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02は扇状である。 なお、 以降の説明に おいて、 両固定体 90, 1 1 0の周方向位置を角度位置ともいう。

[0077] 2つのフロント湾曲面 1 03はそれぞれ扇状である。 図 3に示すように、

2つのフロント湾曲面 1 03は、 軸方向 から見て径方向に対向するように 配置されている。 両フロント湾曲面 1 03は同 _ 形状である。

[0078] 各フロント湾曲面 1 03は、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02を繫いでい る。 詳細には、 両フロント湾曲面 1 03のうち一方は、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02の周方向の第 1端部同士を繫いでおり、 他方は、 両フロント平 坦面 1 01 , 1 02の周方向の第 2端部同士を繫いでいる。

[0079] 各フロント湾曲面 1 03と第 1 フロント平坦面 1 01 との境界部分の角度 位置を第 1角度位置 0 1 とし、 各フロント湾曲面 1 03と第 2フロント平坦 面 1 02との境界部分の角度位置を第 2角度位置 02とする。 図 3において は、 各角度位置 0 1 , 02を破線で示すが、 実際には境界部分ではフロント 湾曲面 1 03とフロント平坦面 1 01 , 1 02とは滑らかに連続している。

[0080] 各フロント湾曲面 1 03は、 周方向位置、 換言すればフロント固定体 90 の角度位置、 に応じて軸方向 の位置が変化する湾曲面である。 詳細には、 各フロント湾曲面 1 03は、 第 1角度位置 0 1から第 2角度位置 02に近づ くにしたがって徐々にフロント回転体面 7 1 に近づくように軸方向 に湾曲 している。 換言すれば、 2つのフロント湾曲面 1 03は、 第 2フロント平坦 面 1 02に対して周方向の両側に設けられ、 第 2フロント平坦面 1 02から 周方向に離れるに従って徐々にフロント回転 体面 7 1から離れるように軸方 向 に湾曲している。

[0081] 本実施形態では、 フロント湾曲面 1 03は、 フロント回転体面 7 1 に対し て凹となるように軸方向 に湾曲しているフロント凹面 1 033と、 フロン 卜回転体面 7 1 に向けて凸となるように軸方向 に湾曲しているフロント凸 面 1 0313と、 を有している。

[0082] フロント凹面 1 033は、 第 2フロント平坦面 1 02よりも第 1 フロント 〇 2020/175415 17 卩(:170? 2020 /007279

平坦面 1 0 1側に配置されており、 フロント凸面 1 0 3匕は、 第 1 フロント 平坦面 1 0 1 よりも第 2フロント平坦面 1 0 2の近くに配置されている。 フ ロント凹面 1 0 3 3とフロント凸面 1 0 3匕とは繫がっている。 つまり、 フ ロント湾曲面 1 0 3は、 変曲点を有する湾曲面である。

[0083] なお、 フロント凸面 1 0 3匕が占める角度範囲とフロント凹面 1 0 3 3が 占める角度範囲とは同一であってもよいし、 異なっていてもよい。 また、 変 曲点の位置は任意である。 また、 フロント湾曲面 1 0 3は波状に湾曲してい る湾曲面である。 この点に着目すれば、 フロント固定体面 1 0 0は波状に湾 曲している部分を含むフロントウェーブ面で ある。

[0084] ウェーブ形状のフロント固定体面 1 0 0に対応するように、 フロント固定 体 9 0の厚さ (軸方向 の長さ) は、 角度位置に応じて連続的に変化してい る。 詳細には、 フロント固定体面 1 0 0の厚さは、 第 2フロント平坦面 1 0 2に対応する部分が最も厚く、 第 1 フロント平坦面 1 0 1 に対応する部分が 最も薄い。 フロント固定体 9 0におけるフロント湾曲面 1 0 3に対応する部 分は、 第 2フロント平坦面 1 0 2から第 1 フロント平坦面 1 0 1 に向かうに 従って徐々に厚さが薄くなっている。

[0085] フロント固定体外周面 9 2の軸方向 の長さは、 角度位置に応じて連続的 に変化している。 詳細には、 フロント固定体外周面 9 2は、 円筒状のベース 面 9 2 8と、 ベース面 9 2 8からフロント回転体面 7 1 に向けて突出し且つ 角度位置に応じて突出寸法が異なる突出面 9 2 と、 を有している。 ベース 面 9 2 3の軸方向 の長さは、 角度位置に関わらず一定であり、 フロント固 定休 9 0の最小厚さと同一である。 突出面 9 2匕は、 第 2フロント平坦面 1 0 2に対応する部分から第 1 フロント平坦面 1 0 1 に対応する部分に向かう に従って徐々に突出寸法が短くなっている。 突出面 9 2 13は、 第 1 フロント 平坦面 1 0 1 に対応する部分には配置されていない。

[0086] フロント湾曲面 1 0 3の外周縁であるフロント固定体エッジ 1 0 4は、 周 方向に沿って軸方向 における位置が変化している。 フロント湾曲面 1 0 3 がフロント凹面 1 0 3 3とフロント凸面 1 0 3匕とを有するため、 フロント 〇 2020/175415 18 卩(:170? 2020 /007279

固定体エッジ 1 04は、 径方向外側から見て正弦波状を有する。 フロント固 定体エッジ 1 04は、 フロント固定体外周面 92とフロント湾曲面 1 03と の境界である。

[0087] リア固定体 1 1 0は、 リア回転体面 72と軸方向 に対向するリア固定体 面 1 20を有している。 リア固定体面 1 20は、 リア背面 1 1 3とは反対側 の板面である。 リア固定体面 1 20は、 軸方向 から見て閉じたリング状で あり、 本実施形態では円環状である。

[0088] 本実施形態では、 リア固定体面 1 20は、 フロント固定体面 1 00と同一 形状である。 図 2に示すように、 リア固定体面 1 20は、 軸方向 と交差 ( 本実施形態では直交) する第 1 リア平坦面 1 2 1及び第 2リア平坦面 1 22 と、 両リア平坦面 1 2 1 , 1 22を繫ぐ 2つのリア湾曲面 1 23と、 を備え ている。

[0089] 図 4に示すように、 両リア平坦面 1 2 1 , 1 22は、 軸方向 にずれてい る。 詳細には、 固定体当接面である第 2リア平坦面 1 22は、 第 1 リア平坦 面 1 2 1 よりもリア回転体面 72に近い位置に配置されており、 リア回転体 面 72に対して当接している。 なお、 リア固定体面 1 20のうち第 2リア平 坦面 1 22以外の部分は、 リア回転体面 72から離間している。

[0090] 両リア平坦面 1 2 1 , 1 22は、 リア固定体 1 1 0の周方向に離間して配 置されており、 例えば 1 80 ° 互いにずれている。 本実施形態では、 両リア 平坦面 1 2 1 , 1 22は扇状である。

[0091] 2つのリア湾曲面 1 23はそれぞれ扇状である。 2つのリア湾曲面 1 23 は、 軸方向 から見て径方向に対向するように配置されて いる。 両リア湾曲 面 1 23のうち一方は、 両リア平坦面 1 2 1 , 1 22の周方向の第 1端部同 士を繫いでおり、 他方は、 両リア平坦面 1 2 1 , 1 22の周方向の第 2端部 同士を繫いでいる。

[0092] 2つのリア湾曲面 1 23は、 第 2リア平坦面 1 22に対して周方向の両側 に設けられ、 第 2リア平坦面 1 22から周方向に離れるに従って徐々にリア 回転体面 72から離れるように軸方向 に湾曲している。 〇 2020/175415 19 卩(:170? 2020 /007279

[0093] 両固定体面 1 00, 1 20は、 回転体リング部 70をそれらの間に配置し た状態で、 軸方向 に離間して向き合っているとともに、 互いに角度位置が 1 80 ° ずれた状態で配置されている。

[0094] 両固定体面 1 00, 1 20間の軸方向 の距離は、 その角度位置 (換言す れば周方向位置) に関わらず一定である。 詳細には、 図 4に示すように、 第 1 フロント平坦面 1 01 と第 2リア平坦面 1 22とが軸方向 に対向してお り、 第 2フロント平坦面 1 02と第 1 リア平坦面 1 2 1 とが軸方向 に対向 している。 そして、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02間の軸方向 のずれ量 と、 両リア平坦面 1 2 1 , 1 22間のずれ量とは同一となっている。 以降、 両フロント平坦面 1 01 , 1 02間の軸方向 のずれ量及び両リア平坦面 1 2 1 , 1 22間のずれ量を単に 「ずれ量 1」 という。

[0095] また、 フロント湾曲面 1 03の湾曲具合と、 リア湾曲面 1 23の湾曲具合 とは同一となっている。 つまり、 フロント湾曲面 1 03とリア湾曲面 1 23 とは、 その角度位置に応じて対向距離が変動しない ように同一方向に湾曲し ている。 これにより、 両固定体面 1 00, 1 20間の対向距離は、 いずれの 角度位置であっても一定となっている。

[0096] なお、 第 1 リア平坦面 1 2 1、 第 2リア平坦面 1 22、 リア湾曲面 1 23 の具体的な形状については、 第 1 フロント平坦面 1 01、 第 2フロント平坦 面 1 02、 及び両フロント湾曲面 1 03と同様であるため、 詳細な説明を省 略する。 同様に、 リア固定体外周面 1 1 2、 及び、 リア湾曲面 1 23の外周 縁であるリア固定体エッジ 1 24の具体的な形状は、 フロント固定体外周面 92、 フロント固定体エッジ 1 04と同様であるため、 詳細な説明を省略す る。

[0097] 両固定体 90, 1 1 0及び回転体 60の周方向は回転軸 1 2の周方向と一 致しており、 両固定体 90, 1 1 0及び回転体 60の径方向は回転軸 1 2の 径方向 と一致しており、 両固定体 90, 1 1 0及び回転体 60の軸方向は 回転軸 1 2の軸方向 と一致している。 このため、 回転軸 1 2の周方向、 径 方向 8及び軸方向 は、 適宜、 回転体 60の周方向、 径方向及び軸方向と読 〇 2020/175415 20 卩(:170? 2020 /007279

み替えてよいし、 両固定体 9 0 , 1 1 0の周方向、 径方向及び軸方向と読み 替えてもよい。

[0098] なお、 以降の説明において、 フロント回転体面 7 1 と第 2フロント平坦面

1 0 2との当接箇所をフロント当接箇所 チともいう。 フロント当接箇所 干は第 2フロント平坦面 1 0 2と同様に扇状である。 リア回転体面 7 2と第 2リア平坦面 1 2 2との当接箇所をリア当接箇所 「ともいう。 リア当接箇 所 「は第 2リア平坦面 1 2 2と同様に扇状である。

[0099] 図 4に示すように、 圧縮機 1 0は、 流体の吸入及び圧縮が行われる圧縮室 八 4 , 八 5を備えている。 両圧縮室八 4 , 八 5は、 収容室八 3内に設けられ ており、 詳細には軸方向 において回転体リング部 7 0における軸方向両側 に配置されている。

[0100] フロント圧縮室八 4は、 フロントシリンダ内周面 3 3、 フロント回転体面

7 1及びフロント固定体面 1 0 0によって区画されており、 より詳細には、 これらの面 7 1 , 1 0 0と筒部外周面 6 2とによって区画されている。

[0101 ] リア圧縮室八 5は、 フロントシリンダ内周面 3 3、 リア回転体面 7 2及び リア固定体面 1 2 0によって区画されており、 より詳細には、 これらの面 7 2 , 1 2 0と、 筒部外周面 6 2とによって区画されている。 本実施形態では 、 フロント圧縮室八4とリア圧縮室八 5とは同じ大きさである。

[0102] 両圧縮室八 4 , 八 5と吐出室八 1 とは、 フロントシリンダ周壁 3 2をそれ らの間に配置した状態で径方向 [¾に対向している。 すなわち、 吐出室八 1は 、 フロントシリンダ側壁部 3 2を間に配置した状態で両圧縮室 4 , 5の 径方向外側に配置されている。

[0103] 本実施形態では、 吐出室八 1は、 フロント圧縮室八4の一部と径方向 に 対向している一方、 リア圧縮室 5の全体と径方向 に対向しているが、 こ れに限られない。 要は、 吐出室八 1は、 フロント圧縮室八 4の少なくとも一 部と径方向 8に対向し且つリア圧縮室 5の少なくとも一部と径方向 に対 向するように軸方向 に延びていればよい。

[0104] 図 2〜 5に示すように、 圧縮機 1 0は、 回転体 6 0に形成された複数 (3 〇 2020/175415 21 卩(:170? 2020 /007279

つ) のべーン溝 1 3 0と、 ベーン溝 1 3 0それぞれ揷入された複数 (3つ) のべーン 1 3 1 と、 を備えている。

[0105] ベーン溝 1 3 0は、 回転体リング部 7 0に形成されている。 ベーン溝 1 3

0は、 回転体リング部 7 0を軸方向 に貫通しており、 両回転体面 7 1 , 7 2に向かって開口している。 ベーン溝 1 3 0は、 軸方向 及び径方向 の双 方と直交する方向に幅を有して径方向 に延びており、 径方向外側に向けて 開口している。 一方、 ベーン溝 1 3 0は、 回転体筒部 6 1 には形成されてい ない。 ベーン溝 1 3 0は、 周方向に互いに離間して対向する一対の側面 を有 している。

[0106] 回転体リング部 7 0は、 回転体筒部 6 1 に対して径方向外側に位置する部 分である。 このため、 回転体リング部 7 0の径方向内側には回転体筒部 6 1 が存在する。 すなわち、 回転体リング部 7 0は、 筒部外周面 6 2に設けられ 、 筒部外周面 6 2から径方向外側に突出している部分である

[0107] ベーン 1 3 1は、 全体として矩形板状である。 ベーン 1 3 1は、 両固定体

9 0 , 1 1 0 (換言すれば両固定体面 1 0 0 , 1 2 0) の間に配置されてい る。 ベーン 1 3 1は、 ベーン溝 1 3 0の幅方向、 換言すれば軸方向 及び径 方向 8の双方と直交する方向に厚さを有する。

[0108] ベーン 1 3 1の両板面は、 それぞれべーン溝 1 3 0の両側面とは、 周方向 (換言すればべーン溝 1 3 0の幅方向) において互いに対向している。 ベー ン溝 1 3 0の幅 (換言すればべーン溝 1 3 0の両側面の距離) は、 ベーン 1 3 1の板厚と同一又はそれよりも若干広いとよ 。 ベーン溝 1 3 0に揷入さ れているベーン 1 3 1は、 ベーン溝 1 3 0の両側面によって挟まれている。 ベーン 1 3 1は、 ベーン溝 1 3 0に沿って軸方向 に移動することが許容さ れている。 本実施形態では、 ベーン 1 3 1、 詳細にはベーン 1 3 1の軸方向 両端部が両固定体面 1 〇〇, 1 2 0と当接している。

[0109] 複数のベーン溝 1 3 0は、 周方向に等間隔に配置されており、 詳細には互 いに 1 2 0 ° ずれた位置に配置されている。 これに対応させて、 複数のベー ン 1 3 1が周方向に等間隔に配置されている。 〇 2020/175415 22 卩(:170? 2020 /007279

[0110] 回転体 60が回転することに伴ってベーン 1 3 1が回転方向 1\/1に回転する

。 すると、 両固定体面 1 00, 1 20に当接しているべーン 1 3 1は、 湾曲 している両固定体面 1 00, 1 20に沿って軸方向 に移動する (揺動する ) 。 つまり、 ベーン 1 3 1は、 軸方向 に移動しながら回転する。 これによ り、 ベーン 1 3 1が、 フロント圧縮室八4に入り込んだり、 リア圧縮室八5 に入り込んだりする。 すなわち、 ベーン溝 1 30は、 回転体 60の回転に伴 ってべーン 1 3 1 を回転させつつ、 ベーン 1 3 1 を両圧縮室八 4, 八 5に配 置させる。

[0111] ベーン 1 3 1の軸方向 の移動距離 (換言すれば揺動距離) は両フロント 平坦面 1 01 , 1 02間 (又は両リア平坦面 1 2 1 , 1 22間) の軸方向 の変位量、 すなわちずれ量 1である。 また、 ベーン 1 3 1は、 回転体 60 の回転中、 両固定体面 1 00, 1 20と継続して当接しており、 断続的な当 接、 詳細には離間と当接との繰り返しが生じにく い。

[0112] 図 6に示すように、 フロント圧縮室八4は、 3つのべーン 1 3 1 によって

3つのパーツ室、 すなわち第 1 フロント圧縮室八43、 第 2フロント圧縮室 A4 b s 及び第 3フロント圧縮室八 4〇に仕切られている。

[0113] 説明の便宜上、 3つのパーツ室のうち第 2フロント平坦面 1 02に対して 回転方向 !\/!における先行側に配置されているパーツ を第 1 フロント圧縮室 八43とする。

[0114] また、 3つのパーツ室のうち、 第 1 フロント圧縮室八43に対して回転方 向1\/1における後続側に配置されているパー 室を第 2フロント圧縮室八 4匕 とする。 第 2フロント圧縮室八 4匕の少なくとも一部は、 第 2フロント平坦 面 1 02に対して回転方向 1\/1における後続側に配置されている。

[0115] また、 3つのパーツ室のうち、 周方向において第 1 フロント圧縮室八43 及び第 2フロント圧縮室八413の間に配置されている ーツ室を第 3フロン 卜圧縮室 4〇とする。 第 3フロント圧縮室 4〇は、 第 1 フロント圧縮室 八 43に対して回転方向 IV!における先行側であって且つ第 2フロント圧縮室 AA bに対して回転方向 !\/!における後続側に配置されている。 〇 2020/175415 23 卩(:170? 2020 /007279

[01 16] なお、 以降の説明において、 「回転方向 IV!における先行側」 及び 「回転方 向1\/1における後続側」 をそれぞれ、 単に 「先行側」 及び 「後続側」 という場 合がある。

[01 17] 各フロント圧縮室 4 3〜 4〇は、 1 2 0 ° の角度範囲に亙って形成さ れている。 つまり、 各フロント圧縮室八 4 3〜八 4〇は、 周方向に延びてお り、 その周方向の長さは、 1 2 0 ° の角度範囲に対応する。

[01 18] なお、 厳密には、 複数のベーン 1 3 1のうち 1つが第 2フロント平坦面 1

0 2に当接している場合、 そのべーン 1 3 1はフロント圧縮室八 4に入り込 んでいない。 この場合、 第 2フロント平坦面 1 0 2に当接しているべーン 1 3 1の周方向両側にある空間は、 フロント当接箇所 干によって仕切られて 、 相互連通を遮断されている。 このため、 複数のベーン 1 3 1のうち 1つが 第 2フロント平坦面 1 0 2に当接している場合であっても、 フロント圧縮室 八 4は、 3つのパーツ室に仕切られている。 本実施形態では、 説明の便宜上 、 複数のベーン 1 3 1のうち 1つが第 2フロント平坦面 1 0 2に当接してい る場合であっても、 フロント圧縮室八4は、 3つのべーン 1 3 1 によってフ ロント圧縮室八 4 3 ~八4〇に仕切られているものとする。

[01 19] 図 7に示すように、 フロント圧縮室八 4と同様に、 リア圧縮室八 5は、 3 つのべーン 1 3 1 によって、 第 1 リア圧縮室八 5 3と、 第 1 リア圧縮室八 5 3に対して後続側に配置されている第 2リア圧縮室 5匕と、 第 1 リア圧縮 室八 5 3に対して先行側に配置されている第 3リア圧縮室 5〇と、 に仕切 られている。 第 1 リア圧縮室八 5 3、 第 2リア圧縮室八 5匕、 第 3リア圧縮 室八 5〇は、 第 1 フロント圧縮室八4 3、 第 2フロント圧縮室八 4匕、 第 3 フロント圧縮室 4〇と同様であるため、 詳細な説明を省略する。

[0120] 次に、 圧縮室 4 , 5への流体の吸入と圧縮された流体の吐出と 係る 構成について説明する。 なお、 図 4においてはフロント吸入ポート 1 4 0及 びリア吸入ポート 1 7 0を模式的に示す。 また、 フロント圧縮室八4への流 体の吸入と圧縮された流体の吐出に係る構成 と、 リア圧縮室 5への流体の 吸入と圧縮された流体の吐出に係る構成とは 基本的には同一である。 〇 2020/175415 24 卩(:170? 2020 /007279

[0121 ] 図 2〜 4 , 6に示すように、 圧縮機 1 0は、 フロント圧縮室八4に吸入さ れる流体が通るフロント吸入ポート 1 4 0を備えている。 フロント吸入ポー 卜 1 4 0は、 例えばフロントシリンダ 3 0に形成されており、 詳細にはフロ ントシリンダ端壁 3 1及びフロントシリンダ周壁 3 2の双方に亘って軸方向 に延びている。

[0122] また、 フロント吸入ポート 1 4 0は、 フロントシリンダ周壁 3 2に沿って 周方向に延びており、 軸方向 から見て円弧状に形成されている。 フロント 吸入ポート 1 4 0の少なくとも一部は、 第 1 フロント圧縮室八 4 3に対して 径方向外側に配置されている。 換言すれば、 第 1 フロント圧縮室 4 3 は、 フロント吸入ポート 1 4 0の径方向内側にある空間の一部又は全部を む。 第 1 フロント圧縮室八4 3は、 フロント吸入ポート 1 4 0と連通しており、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3とは連通していない。

[0123] フロント吸入ポート 1 4 0は、 モータ室八 2に開口しているとともにフロ ント圧縮室八 4に開口している。 フロント吸入ポート 1 4 0によって、 モー 夕室八 2とフロント圧縮室八 4とが連通されている。

[0124] 詳細には、 図 6に示すように、 フロント吸入ポート 1 4 0は、 第 1 フロン 卜圧縮室八 4 3と連通する位置に開口したフロント吸入開 部 1 4 0 3を有 している。 フロント吸入開口部 1 4 0 3は、 フロントシリンダ内周面 3 3の うちフロント当接箇所 チ (換言すれば第 2フロント平坦面 1 0 2) の周方 向中央部に対応する位置から回転方向 1\/1に延びている。 フロント吸入開口部 1 4 0 3の延設長さは、 例えば各フロント圧縮室八 4 3 ~八4〇の周方向の 長さとほぼ同一でもよい。 つまり、 フロント吸入開口部 1 4 0 3は、 フロン トシリンダ内周面 3 3のうちフロント当接箇所 干の周方向中央部に対応す る位置からベーン 1 3 1の周方向間隔とほぼ同一長さだけ周方向に びてい てもよい。

[0125] また、 第 2フロント平坦面 1 0 2の周方向中央部の角度位置を 0 ° とし、 その 0 ° の角度位置から回転方向 1\/1に角度が増えるものとする。 この場合、 フロント吸入開口部 1 4 0 3は、 例えば少なくとも、 第 2フロント平坦面 1 〇 2020/175415 25 卩(:170? 2020 /007279

0 2の先行側の端部から 1 2 0 ° の角度位置までの範囲に亙って形成されて いるとよい。

[0126] 図 6 , 8〜 1 0に示すように、 圧縮機 1 0は、 フロント圧縮室八4にて圧 縮された流体を吐出室 1 に向けて吐出させる吐出通路である複数のフ ロン 卜吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を備えている。

[0127] 図 6に示すように、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 周方向に沿っ て並んでいる。 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロントシリンダ周 壁 3 2のうちフロント当接箇所 チ (換言すれば第 2フロント平坦面 1 0 2 ) よりも回転方向 1\/1における後続側の位置に配置されている

[0128] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の少なくとも一部は、 第 2フロント圧 縮室 4匕よりも径方向外側に配置されている。 換言すれば、 第 2フロント 圧縮室八 4匕は、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3より径方向内側にある 空間の一部又は全部を含む。 第 3フロント圧縮室八 4〇は、 回転体 6 0の回 転に伴ってフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3と連通しない状態から、 フロ ント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3と連通する状態に移行する。

[0129] ここで、 フロント圧縮室八 4における吸入及び圧縮と、 フロント当接箇所 干との関係について着目すると、 フロント当接箇所 チに対して先行側の 空間では、 常に流体の吸入が行われており、 フロント当接箇所 干に対して 後続側の空間では、 常に流体の圧縮が行われている。 つまり、 フロント圧縮 室八 4は、 流体が吸入される吸入空間 3チ 1 と、 流体の圧縮が行われる圧縮 空間 3チ 2と、 を含む。 吸入空間 3チ 1は、 フロント当接箇所 チに対して 回転方向 IV!における先行側に位置する。 圧縮空間 3チ 2は、 フロント当接箇 所 チに対して回転方向 IV!における後続側に位置する。

[0130] ベーン 1 3 1が第 2フロント平坦面 1 0 2に当接している場合には、 第 1 フロント圧縮室八 4 3が吸入空間 3干 1 になる。 ベーン 1 3 1が第 2フロン 卜平坦面 1 0 2に当接していない場合には、 第 2フロント圧縮室 4匕にお けるフロント当接箇所 チよりも先行側の空間が吸入空間 3チ 1 になる。 吸 入空間 3チ 1の容積は、 ベーン 1 3 1の回転に伴って増加する。 吸入空間 3 〇 2020/175415 26 卩(:170? 2020 /007279

干 1は、 フロント吸入ポート 1 4 0と連通しており、 吸入空間 3干 1 にはフ ロント吸入ポート 1 4 0を通じて流体が導入される。

[0131 ] 圧縮空間 3干 2は、 第 2フロント圧縮室八 4匕であり、 より詳細には、 第

2フロント圧縮室八 4匕におけるフロント当接箇所 干よりも後続側の空間 である。 換言すれば、 圧縮空間 3干 2は、 第 2フロント圧縮室八 4匕と第 3 フロント圧縮室八 4〇とを仕切るベーン 1 3 1 と、 フロント当接箇所 干と によって囲まれた空間である。

[0132] 圧縮空間 3干 2は、 フロント当接箇所 干に向かうに従って徐々に軸方向 に狭くなっている。 このため、 圧縮空間 3干 2の容積は、 ベーン 1 3 1の 回転に伴って減少する。 圧縮空間 3チ 2内には、 圧縮された流体が存在して いる。 このため、 圧縮空間 3干 2内の圧力は、 吸入空間 3干 1内の圧力より も高い。 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 圧縮空間 3干 2と連通して いる。

[0133] ベーン 1 3 1の位置 (位相) に関わらず、 圧縮空間 3干 2と吸入空間 3干

1 との連通は、 フロント当接箇所 干によって遮断されている。 これにより 、 圧縮空間 3チ 2から吸入空間 3チ 1への圧縮された流体の漏れが規制され ている。 これにより、 フロント吸入ポート 1 4 0とフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3との連通が規制されている。 つまり、 フロント当接箇所 干は、 圧縮空間 3 チ 2から吸入空間 3 チ 1への流体の移動を規制するシール部とし て用いられる。

[0134] 第 2フロント圧縮室八 4匕の周方向の長さは、 第 2フロント平坦面 1 0 2 の周方向の長さよりも長い。 そのため、 位相によっては第 2フロント圧縮室 八 4匕が吸入空間 3チ 1及び圧縮空間 3チ 2の双方として用いられる場合が ある。

[0135] リア当接箇所 「についても同様である。 すなわち、 図 7に示すように、 リア圧縮室 5は、 流体が吸入される吸入空間 3 「 1 と、 流体が圧縮される 圧縮空間 3 「 2と、 を含む。 吸入空間 3 「 1は、 リア当接箇所 「に対して 回転方向 !\/!における先行側に位置する。 圧縮空間 3 「 2は、 リア当接箇所 \¥0 2020/175415 27 卩(:17 2020 /007279

「に対して回転方向 IV!における後続側に位置する。

[0136] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の詳細な構成について以下に説明する

[0137] 図 6等に示すように、 フロントシリンダ外周面 3 4は、 円周面の一部を切 り欠くことによって形成されたフロント座面 1 4 4を有する。 フロント座面 1 4 4は、 圧縮空間 3チ 2の径方向外側、 詳細にはフロント圧縮室 4と吐 出室 1 との間に位置する。 フロント座面 1 4 4は、 フロント当接箇所 干 よりも回転方向 1\/1における後続側に位置する。 フロント座面 1 4 4は、 径方 向 に対して直交するように軸方向 に延びる平坦面である。

[0138] フロントシリンダ周壁 3 2において、 フロント座面 1 4 4とフロントシリ ンダ内周面 3 3との間の部分がフロント取付座部 1 4 5である。 つまり、 フ ロントシリンダ周壁 3 2は、 フロント座面 1 4 4を有するフロント取付座部 1 4 5を備える。

[0139] フロントシリンダ内周面 3 3が湾曲面であり、 フロント座面 1 4 4が平坦 面であるので、 フロント取付座部 1 4 5は、 周方向に沿って厚さ (径方向の 寸法) が変化している。 詳細には、 フロント取付座部 1 4 5の厚さは、 軸方 向 から見てフロント座面 1 4 4の両端よりも中央の方が薄くなっている。

[0140] 図 6及び図 8に示すように、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロ ント取付座部 1 4 5のフロント座面 1 4 4に開口している。 フロント吐出ポ —卜 1 4 1〜 1 4 3は、 この順にフロント当接箇所 干から離れるように周 方向に並んでいる。 このため、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1は、 フロント 吐出ポート 1 4 2 , 1 4 3と比較して最もフロント当接箇所 干に近い位置 にある。 つまり、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2及び第 3フロント吐出ポー 卜 1 4 3は、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1 よりもフロント当接箇所 干か ら周方向に離れている。

[0141 ] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロントシリンダ 3 0 (詳細には フロント取付座部 1 4 5) を貫通している。 フロント圧縮室 4は、 フロン 卜吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を通じて吐出室八 1 と連通している。 フロント 〇 2020/175415 28 卩(:170? 2020 /007279

吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 例えばフロント取付座部 1 4 5の厚さ方向、 詳細にはフロント座面 1 4 4と直交する方向に、 フロント取付座部 1 4 5を 貫通している。

[0142] 既に説明したとおり、 フロント取付座部 1 4 5の厚さが周方向に沿って変 化しているため、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の少なくとも _部は、 フロント取付座部 1 4 5の相対的に厚さが異なる部分を貫通してい 。 この ため、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の少なくとも一部の通路長さは、 周方向に沿って変化する。 本実施形態では、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2 は、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1 よりもフロント座面 1 4 4の中央寄りに 配置されている。 そのため、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2は第 1 フロント 吐出ポート 1 4 1 よりも肉薄な部分を貫通している。 このため、 第 2フロン 卜吐出ポート 1 4 2の通路長さは、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の通路長 さよりも短い。 すなわち、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2は、 フロント取付 座部 1 4 5のうち第 1 フロント吐出ポート 1 4 1が貫通する部分よりも厚さ が薄い部分を貫通している、 肉薄部ポートである。 同様に、 第 1 フロント吐 出ポート 1 4 1は、 フロント取付座部 1 4 5のうち第 2フロント吐出ポート 1 4 2が貫通する部分よりも厚さが厚い部分を貫 している、 肉厚部ポート である。

[0143] 本実施形態では、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1及び第 2フロント吐出ポ —卜 1 4 2の各々は、 径方向 に沿う長さ (厚さ) が周方向に変化している 。 肉薄部ポートである第 2フロント吐出ポート 1 4 2の最大長さ (厚さ) が 、 肉厚部ポートである第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の最小長さ (厚さ) よ りも小さくなっている。

[0144] 図 8に示すように、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の断面形状は、 例 えば円形状である。 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の直径は、 径方向 (言 い換えれば、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の軸方向) において一定である 。 つまり、 本実施形態の第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の流路断面積は、 径 方向 に沿って変化することなく一定である。 第 2フロント吐出ポート 1 4 〇 2020/175415 29 卩(:170? 2020 /007279

2及び第 3フロント吐出ポート 1 4 3についても同様である。

[0145] 第 2フロント吐出ポート 1 4 2及び第 3フロント吐出ポート 1 4 3の流路 断面積は、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の流路断面積よりも大きい。 詳細 には、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2及び第 3フロント吐出ポート 1 4 3の 直径は、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の直径よりも大きい。 なお、 本実施 形態では、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2及び第 3フロント吐出ポート 1 4 3は同一の大きさに形成されている。

[0146] 図 8に示すように、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロント固定 体エッジ 1 0 4に沿って軸方向 における位置が変化するように、 周方向に 並んでいる。

[0147] フロント固定体エッジ 1 0 4とフロント回転体エッジ 7 1 8との中間点を 結んだ線が中間ライン L n 2である。 中間ライン !_ n 2は、 軸方向 におけ る位置が周方向に変化するように延びており 、 径方向外側から見て正弦波状 となっている。

[0148] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の中心を通るラインが中心ライン !_门

1である。 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 中心ライン !_ 1がフロ ント回転体エッジ 7 1 3及びフロント固定体エッジ 1 0 4よりも中間ライン 1_ 2の近くに位置するように、 配列されている。 このため、 フロント吐出 ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 軸方向 における位置が互いに若干ずれながら配 列されている。 すなわち、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の配列方向は 、 周方向 (回転方向 IV!) に対して傾斜している。 換言すれば、 フロント吐出 ポート 1 4 1〜 1 4 3の配列方向と軸方向 とは直交しておらず、 傾斜して いる。

[0149] 本実施形態では、 中心ライン !_ n 1 と中間ライン !_ n 2とはほぼ一致して いる。 「中心ライン !_ 1がフロント回転体エッジ 7 1 3及びフロント固定 体エッジ 1 0 4よりも中間ライン !_ n 2の近くに位置する」 とは、 中心ライ ン!_ n 1が中間ライン !_ n 2と一致していることを含む。

[0150] 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の直径 (軸方向の寸法) は、 例えば第 1 フ 〇 2020/175415 30 卩(:170? 2020 /007279

ロント吐出ポート 1 4 1が設けられている位置におけるフロント回 体エッ ジ 7 1 3及びフロント固定体エッジ 1 0 4間の軸方向 の距離よりも大きい 。 両エッジ 7 1 1 0 4間の軸方向 の距離は、 フロント圧縮室 4の軸 方向 の長さである。 そのため、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の直径 (軸 方向の寸法) は、 フロント圧縮室八 4の軸方向 の長さよりも大きい。

[0151 ] 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1は、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の外側 から見て、 フロント回転体エッジ 7 1 8及びフロント固定体エッジ 1 0 4の 双方と重なっている。 すなわち、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1は、 フロン 卜圧縮室 4を超えてフロント圧縮室 4の軸方向両側に延びており、 回転 体 6 0及びフロント固定体 9 0の双方に対して重なっている。

[0152] 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1は、 フロント固定体 9 0と重なる第 1固定 体才ーバーラップ領域 0 3 1 と、 回転体 6 0と重なる第 1回転体才ーバーラ ップ領域 を有している。

[0153] 第 1固定体才ーバーラップ領域〇 3 1は、 フロント固定体エッジ 1 0 4よ りも回転体 6 0から離れる方向に張り出した領域である。 換言すれば、 第 1 固定体才ーバーラップ領域〇 3 1は、 フロント圧縮室八4よりもフロント固 定休外周面 9 2に向けて張り出した領域である。

[0154] 第 1回転体才ーバーラップ領域〇匕 1は、 フロント回転体エッジ 7 1 3よ りもフロント固定体 9 0から離れる方向に張り出した領域である。 換言すれ ば、 第 1回転体才ーバーラップ領域〇匕 1は、 フロント圧縮室八 4よりもリ ング外周面 7 3に向けて張り出した領域である。

[0155] 第 2フロント吐出ポート 1 4 2及び第 3フロント吐出ポート 1 4 3につい ても同様である。 すなわち、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2は、 フロント固 定休 9 0と重なる第 2固定体オーバーラップ領域 0 3 2と、 回転体 6 0と重 なる第 2回転体才ーバーラップ領域〇匕 2と、 を有している。 第 3フロント 吐出ポ _卜 1 4 3は、 フロント固定体 9 0と重なる第 3固定体才ーバーラッ プ領域〇 3 3と、 回転体 6 0と重なる第 3回転体才ーバーラップ領域〇匕 3 と、 を有している。 〇 2020/175415 31 卩(:170? 2020 /007279

[0156] 本実施形態では、 固定体才ーバーラップ領域〇 3 1〜〇 3 3の形状は互い に異なっているとともに、 回転体才ーバーラップ領域〇匕 1 ~〇匕 3の形状 も互いに異なっている。

[0157] 図 8及び図 9に示すように、 圧縮機 1 0は、 固定体才ーパーラップ領域〇

3 1 ~〇 3 3に対してそれぞれ径方向に対向するフロン 連通凹部 1 5 1〜 1 5 3を備えている。 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれ固定体 オーバーラップ領域 0 3 1 3 3をフロント圧縮室 4 (詳細には圧縮空 間 3干 2) に連通させる第 1〜第 3連通部 (または連通凹部) である。

[0158] フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 フロント湾曲面 1 0 3に開口してい る。 周方向に並ぶフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3に対応するように、 フ ロント連通凹部 1 5 1 ~ 1 5 3は周方向に並んでいる。 詳細には、 フロント 当接箇所 干から離れる方向に、 第 1 フロント連通凹部 1 5 1、 第 2フロン 卜連通凹部 1 5 2及び第 3フロント連通凹部 1 5 3の順に配置されている。 第 1固定体才ーパーラップ領域〇 3 1は第 1 フロント連通凹部 1 5 1 と対向 しており、 ト連通凹部 1 5 2と対向しており、 第 3固定体才ーバーラップ領域〇 3 3は第 3フロント 連通凹部 1 5 3と対向している。

[0159] 固定体才ーバーラップ領域〇 3 1 ~〇 3 3は、 対応するフロント連通凹部

1 5 1〜 1 5 3と径方向 に並んでいる。 換言すると、 固定体オーバーラッ プ領域〇 3 1 ~〇 3 3は、 対応するフロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3と、 フ ロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向に並んでいる。

[0160] フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれ、 フロント固定体外周面 9

2に開口する第 1〜第 3連通開口部 1 5 1 3 ~ 1 5 3 3を有している。 連通 開口部 1 5 1 3 ~ 1 5 3 3は、 それぞれ、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の外側から見て、 対応する固定体オーバーラップ領域 0 3 1 と重 なっている。

[0161 ] 「フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の外側から見る」 とは、 フロント吐 出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向 (換言すれば延設方向) における外側か 〇 2020/175415 32 卩(:170? 2020 /007279

らそれぞれフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を見ることを意味する。 また 、 「フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の外側から見る」 とは、 吐出室八 1 の中から又は径方向 外側からそれぞれフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3 を見ることと同じである。

[0162] 連通開口部 1 5 1 3 ~ 1 5 3 3は、 それぞれ、 例えば対応する固定体オー バーラップ領域 0 3 1 ~ 0 3 3の全体と重なるとよい。 本実施形態では、 図 8に示すように、 連通開口部 1 5 1 3 ~ 1 5 3 3は、 対応する固定体オーバ —ラップ領域 と同様の形状を有する。

[0163] フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれ連通開口部

3 3からフロント固定体面 1 0 0の内周側に向けて延びるように、 フロント 固定体面 1 0 0の一部を断面円弧状に切り欠いた切り欠き ある。 本実施形 態では、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 対応するフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向に延びている。 つまり、 フロント連通凹部 1 5 1 〜 1 5 3の延設方向は、 対応するフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通 方向と一致している。

[0164] 本実施形態のフロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれ連通開口部 1

5 1 3 ~ 1 5 3 3からフロント固定体面 1 0 0の内周側に向かうに従って徐 々に断面積が小さくなっている。 本実施形態では、 フロント連通凹部 1 5 1 〜 1 5 3は、 それぞれ連通開口部 1 5 1 3〜 1 5 3 3を基端として、 徐々に 先細りとなるように、 対応するフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方 向に延びている。

[0165] 図 6に示すように、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3の延設方向の長さ !_

1〜 1- 3は、 互いに異なっている。 詳細には、 第 1固定体オーバーラップ領 と連通する第 1 フロント連通凹部 1 5 1の長さ !_ 1は、 第 2固定体 オーバーラップ領域〇 3 2と連通する第 2フロント連通凹部 1 5 2の長さ !_ 2よりも長い。 また、 第 2フロント連通凹部 1 5 2の長さ !_ 2は、 第 3固定 体オーバーラップ領域 0 3 3と連通する第 3フロント連通凹部 1 5 3の長さ !_ 3よりも長い。 すなわち、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 フロント 〇 2020/175415 33 卩(:170? 2020 /007279

当接箇所 干に近いものほど、 長くなっている。

[0166] 圧縮空間 3干 2は、 フロント当接箇所 干に近づくに従って、 軸方向 に おける幅が小さくなる。 そのため、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 圧 縮空間 3干 2の軸方向 における幅が小さい箇所に存在するものほど 、 長く なっている。 但し、 本実施形態では、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 フロント湾曲面 1 0 3における径方向 [¾の中央よりも外周側にのみ配置され ており、 フロント固定体 9〇を径方向 に貫通してはいない。

[0167] 図 9及び図 1 0に示すように、 圧縮機 1 0は、 フロント吐出ポート 1 4 1 〜 1 4 3を開閉させるフロント弁 1 6 1 と、 フロント弁 1 6 1の開度を調整 するフロントリテーナ 1 6 2と、 を備えている。

[0168] フロント弁 1 6 1及びフロントリテーナ 1 6 2は、 フロント座面 1 4 4に 設けられている。 フロント弁 1 6 1及びフロントリテーナ 1 6 2は、 ボルト 巳によってフロント座面 1 4 4に固定されている。 ボルト巳は、 フロント弁 1 6 1及びフロントリテーナ 1 6 2の双方を貫通しているとともに、 フロン 卜座面 1 4 4に形成されたネジ穴 1 4 4 3に螺合している。

[0169] フロント弁 1 6 1は、 通常はフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を塞いで いる。 フロント圧縮室八4 (詳細には圧縮空間 3チ 2) の圧力が閾値を超え ると、 フロント弁 1 6 1が開く。 すなわち、 フロント弁 1 6 1は、 フロント 吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を塞いでいる状態からフロント吐出ポート 1 4 1 〜 1 4 3を開放する状態に移行する。 これにより、 フロント圧縮室八4にて 圧縮された流体が吐出室 1 に吐出される。 この場合、 フロント弁 1 6 1の 開度は、 フロントリテーナ 1 6 2によって一定の範囲を超えないように規制 される。

[0170] 図 2〜 4に示すように、 圧縮機 1 0は、 リア圧縮室八 5に流体を吸入する リア吸入ポート 1 7 0を備えている。 リア吸入ポート 1 7 0は、 例えばフロ ントシリンダ 3 0に形成されている。 詳細には、 リア吸入ポート 1 7 0は、 フロントシリンダ端壁 3 1及びフロントシリンダ周壁 3 2の双方に亘るよう に軸方向 に延びている。 〇 2020/175415 34 卩(:170? 2020 /007279

[0171 ] また、 図 7に示すように、 リア吸入ポート 1 7 0は、 フロントシリンダ周 壁 3 2に対応するように、 周方向に延びる円弧状の開口を有する。 リア吸入 ポート 1 7 0の少なくとも一部は、 第 1 リア圧縮室八 5 3に対して径方向外 側に配置されている。 換言すれば、 第 1 リア圧縮室八 5 3は、 リア吸入ポー 卜 1 7〇の径方向内側にある空間の一部又は全部 含む。

[0172] リア吸入ポート 1 7 0は、 モータ室八 2に開口しているとともにリア圧縮 室八5に開口している。 リア吸入ポート 1 7 0を通じて、 モータ室八2はリ ア圧縮室 5と連通している。

[0173] 詳細には、 図 7に示すように、 リア吸入ポート 1 7 0は、 第 1 リア圧縮室 八5 3と連通するリア吸入開口部 1 7〇 3 を有している。 リア吸入開口部 1 7 0 3は、 フロントシリンダ内周面 3 3のうち第 2リア平坦面 1 2 2の周方 向中央部に対応する位置から回転方向 IV!に延びる。

[0174] リア吸入ポート 1 7 0及びりア吸入開口部 1 7 0 3 は、 第 2リア平坦面 1

2 2の周方向中央部に対応する位置から、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3、 フロント弁 1 6 1及びフロントリテーナ 1 6 2と干渉しない範囲内で、 回転方向 IV!に延びている。

[0175] ただし、 これに限られず、 リア吸入ポート 1 7 0及びリア吸入開口部 1 7

0 3の周方向の長さを、 フロント吸入ポート 1 4 0及びフロント吸入開口部 1 4 0 3の周方向の長さと同一にしてもよい。 この場合、 リア吸入ポート 1 7 0及びリア吸入開口部 1 7 0 3が、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3等 と干渉しないように、 フロント弁 1 6 1等の軸方向 の長さを短く したり、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の位置をずらして配置したり、 第 2フロ ント平坦面 1 〇 2の角度範囲を狭く したりするとよい。

[0176] 本実施形態の圧縮機 1 0は、 2つの圧縮室 4 , 5にそれぞれ対応する ように、 2つの吸入ポート 1 4 0 , 1 7 0を備えている。 フロント吸入ポー 卜 1 4 0とリア吸入ポート 1 7 0とは、 互いに連通しないように周方向にず れて配置されており、 詳細には両者は 1 8 0 ° ずれた位置に配置されている 。 これにより、 例えば両圧縮室 4 , 5のうち一方の圧縮室における流体 〇 2020/175415 35 卩(:170? 2020 /007279

の吸入に起因して、 他方の圧縮室における流体の吸入量が減少す るといった 、 両吸入ポート 1 40, 1 70が連通していることに起因する不都合を抑 できる。

[0177] 圧縮機 1 0は、 リア圧縮室八 5にて圧縮された流体を吐出室八 1 に向けて 吐出させるリア吐出ポート 1 7 1〜 1 73と、 連通部であるリア連通凹部 1 74〜 1 76 (第 1〜第 3連通凹部) と、 リア弁 1 77と、 リアリテーナ 1 78と、 を備えている。 リア吐出ポート 1 7 1〜 1 73、 リア連通凹部 1 7 4〜 1 76、 リア弁 1 77、 リアリテーナ 1 78の具体的な構成については 、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 43、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 53、 リア弁 1 77、 リアリテーナ 1 78と同様であるため、 詳細な説明を省略す る。 なお、 上述した説明における 「フロント」 を 「リア」 に読み替えてもよ い。

[0178] 明細書および請求の範囲において、 「第 1」 、 「第 2」 、 「第 3」 などの 用語は、 同様な構成要素を区別するために使用するも のであり、 必ずしも特 定の連続する、 または時系列に従った順番を表すために使用 するのではない 。 例えば、 請求の範囲の 「第 1吐出ポート」 は第 1吐出ポート 1 4 1 , 1 7 1であってもよいし、 第 2吐出ポート 1 42, 1 72であってもよい。 同様 に、 請求の範囲の 「第 1連通凹部」 は第 1連通凹部 1 5 1 , 1 74であって もよいし、 第 2連通凹部 1 52, 1 75であってもよい。 同様に、 請求の範 囲の 「第 2吐出ポート」 は第 2吐出ポート 1 42, 1 72であってもよいし 、 第 3吐出ポート 1 43であってもよい。 また、 請求の範囲の 「第 2連通凹 部」 は第 2連通凹部 1 52, 1 75であってもよいし、 第 3連通凹部 1 53 , 1 76であつてもよい。

[0179] 次に、 図 1 1及び図 1 2を用いて、 本実施形態の作用として圧縮機 1 0の 一連の動作について説明する。 図 1 1及び図 1 2は、 回転体 60、 固定体 9 0, 1 1 0、 及びべーン 1 3 1 を模式的に示す展開図であり、 両図は回転体 60及びべーン 1 3 1の位相が異なっている。 図 1 1及び図 1 2では、 各ポ —卜 1 40〜 1 43, 1 70〜 1 73を模式的に示す。 〇 2020/175415 36 卩(:170? 2020 /007279

[0180] 図 1 1及び図 1 2に示すように、 電動モータ 1 3によって回転軸 1 2が回 転すると、 それに伴って回転体 6 0が回転する。 これにより、 複数のベーン 1 3 1は、 周方向における互いの位置関係を維持した状 態で、 両固定体面 1 〇〇, 1 2 0に沿って軸方向 に移動しながら回転する。 図 1 1及び図 1 2 では、 複数のベーン 1 3 1は、 紙面左右方向に移動しながら下方に移動する 。 これにより、 各フロント圧縮室 4 3〜 4〇及び各リア圧縮室 5 3〜 八 5〇において容積変化が生じて、 流体の吸入、 圧縮又は膨張が行われる。 つまり、 ベーン 1 3 1は、 軸方向 に移動しながら回転することによって、 圧縮室 4 , 5において流体の吸入及び圧縮を行わせる。

[0181 ] 詳細には、 第 2フロント圧縮室八 4匕のうちフロント当接箇所 干よりも 先行側に位置する空間と、 第 1 フロント圧縮室 4 3 とでは、 容積が増加し てフロント吸入ポート 1 4 0から流体の吸入が行われる。

[0182] 一方、 圧縮空間 3干 2と第 3フロント圧縮室八4〇とでは、 回転体 6 0の 回転に伴って容積が減少して、 流体の圧縮が行われる。 詳細には、 第 3フロ ント圧縮室 4〇にて流体が圧縮され、 第 3フロント圧縮室 4〇にて圧縮 された流体は、 圧縮空間 3チ 2にて更に圧縮される。 そして、 圧縮空間 3干 2にて圧縮された流体は、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を通じて吐出 室八 1 に吐出される。 リア圧縮室八 5についても同様である。

[0183] 以上のとおり、 回転体 6 0及びべーン 1 3 1が回転することによって各圧 縮室八 4 , 八 5では、 3つのパーツ室において 4 8 0 ° を 1周期とする吸入 及び圧縮のサイクル動作が繰り返し行われる 。 詳細には、 各圧縮室 4 , 八 5では、 0 ° 〜 2 4 0 ° の位相に亙って流体の吸入又は膨張が行われ 、 2 4 0 ° 〜 4 8 0 ° の位相に亙って流体の圧縮が行われる。

[0184] 例えば、 第 2フロント平坦面 1 0 2の周方向中央部の角度位置を 0 ° とし 、 当該周方向中央部に第 1のべーン 1 3 1が配置されているとする。 また、 この 0 ° の角度位置から回転方向 1\/1に角度が増えるものとする。 この場合、 第 1のべーン 1 3 1が 0 ° の角度位置から 2 4 0 ° の角度位置に到達するま では、 第 1のべーン 1 3 1 に対して後続側に位置するフロント圧縮室八 4に 〇 2020/175415 37 卩(:170? 2020 /007279

おいて流体の吸入が行われる。

[0185] 特に、 フロント吸入開口部 1 4 0 3は、 少なくとも第 2フロント平坦面 1

0 2の先行側の端部から 1 2 0 ° の角度位置までの範囲に亙って形成されて いるため、 第 1のべーン 1 3 1が 2 4 0 ° の角度位置に到達するまで、 流体 の吸入が行われる。 これにより、 パーツ室にて流体の膨張が行われることを 回避でき、 効率の向上を図ることができる。

[0186] そして、 上記第 1のべーン 1 3 1 よりも後続側にある第 2のべーン 1 3 1 が 1 2 0 ° の角度位置から 3 6 0 ° の角度位置に到達するまでは、 第 2のべ —ン 1 3 1 に対して先行側に位置するパーツ室において 流体の圧縮が行われ る。

[0187] 3つのフロント圧縮室八 4 3〜八 4〇は、 位相が互いに異なる圧縮室であ る。 つまり、 フロント回転体面 7 1、 フロント固定体面 1 0 0、 筒部外周面 6 2及びフロントシリンダ内周面 3 3によって区画された空間は、 複数のベ —ン 1 3 1 によって、 位相が互いに異なる 3つの圧縮室に仕切られている。 本実施形態では、 回転体 6 0が 4 8 0 ° 回転する間に、 フロント側の 3つの 圧縮室、 及び、 リア側の 3つの圧縮室のそれぞれにおいて流体の吸入 び圧 縮が行われる。

[0188] なお、 上記では、 3つのフロント圧縮室八 4 8〜八 4〇を、 複数のベーン

1 3 1 によって仕切られるものとするとともにフロ ント吸入ポート 1 4 0及 びフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3との位置関係で規定して説明したが、 これに限られない。 例えば、 仮に 1つの圧縮室の 1周期について着目して説 明すると以下のとおりである。

[0189] 第 1のべーン 1 3 1がフロント当接箇所 干に対して先行側に移動するこ とによって、 第 1のべーン 1 3 1 に対して後続側に、 フロント吸入ポート 1 4 0と連通する圧縮室が形成される。 当該圧縮室は、 ベーン 1 3 1が回転す るに従って、 フロント吸入ポート 1 4 0と連通している状態を維持しつつ容 積を増加させる。 これにより、 圧縮室にて流体の吸入が行われる。

[0190] その後、 第 2のべーン 1 3 1がフロント当接箇所 干に対して先行側に移 〇 2020/175415 38 卩(:170? 2020 /007279

動することによって、 圧縮室が第 1 のべーン 1 3 1 と第 2のべーン 1 3 1 と によって区画される。 第 2のべーン 1 3 1がフロント吸入開口部 1 4 0 3の 先行側の端部に到達するまで、 圧縮室にて流体の吸入が行われる。

[0191 ] その後、 第 2のべーン 1 3 1がフロント吸入開口部 1 4 0 3の先行側の端 部を超えてさらに移動すると、 圧縮室はフロント吸入ポート 1 4 0と連通し なくなり、 更に回転体 6 0が回転すると圧縮室がフロント吐出ポート 1 4 1 〜 1 4 3と連通する。 また、 この段階において圧縮室の容積は回転体 6 0の 回転に伴って減少するため、 圧縮室では流体の圧縮が行われる。 そして、 第 2のべーン 1 3 1が第 2フロント平坦面 1 0 2に当接する位置に到達するこ とによって、 圧縮室の容積が 「0」 となり、 圧縮室での吸入及び圧縮の 1周 期が終了する。

[0192] 固定体才ーバーラップ領域〇 3 1 ~〇 3 3は、 それぞれフロント連通凹部

1 5 1〜 1 5 3を通じて、 フロント圧縮室八 4 (詳細には圧縮空間 3干 2) と連通している。 これにより、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3における フロント圧縮室 4に対して開口している面積 (以下、 単に 「開口面積」 と もいう。 ) が大きくなっている。 換言すれば、 固定体オーバーラップ領域〇 3 1〜0 3 3が圧縮された流体を吐出する部分として機 する。 リア連通凹 咅 1 7 4〜 1 7 6についても同様である。

[0193] 以上詳述した本実施形態によれば以下の効果 を奏する。 なお、 以下の説明 では、 説明の便宜上、 基本的にはフロント側の構成について説明す るが、 リ ア側の構成についても同様の効果を奏する。

[0194] (1) 圧縮機 1 0は、 回転軸 1 2と、 回転軸 1 2の回転に伴って回転する 回転体 6 0と、 回転軸 1 2の回転に伴って回転しないフロント固定体 9 0と 、 回転体 6 0及びフロント固定体 9 0を収容するシリンダ部であるフロント シリンダ 3 0と、 備えている。 回転体 6 0は、 軸方向 に対して交差してい るフロント回転体面 7 1 と、 径方向 に対して交差している回転体外周面で あるリング外周面 7 3と、 を有している。 フロント固定体 9 0は、 フロント 回転体面 7 1 と軸方向 に対向するフロント固定体面 1 0 0と、 径方向 に 〇 2020/175415 39 卩(:170? 2020 /007279

対して交差しているフロント固定体外周面 9 2と、 を有している。 フロント シリンダ 3 0のフロントシリンダ周壁 3 2は、 リング外周面 7 3及びフロン 卜固定体外周面 9 2の双方に対して径方向 に対向しているフロントシリン ダ内周面 3 3を有している。

[0195] 圧縮機 1 0は、 回転体 6 0が有するベーン溝 1 3 0に揷入されたべーン 1

3 1 と、 フロント回転体面 7 1、 フロント固定体面 1 0 0及びフロントシリ ンダ内周面 3 3によって区画されたフロント圧縮室八 4と、 フロントシリン ダ 3 0を間に配置した状態でフロント圧縮室 4に対して径方向外側に配置 された吐出室八 1 と、 を備えている。 フロント圧縮室八4では、 回転体 6 0 の回転に伴ってベーン 1 3 1が軸方向 に移動しながら回転することによっ て流体の吸入及び圧縮が行われる。

[0196] 圧縮機 1 0は、 フロントシリンダ 3 0を貫通するフロント吐出ポート 1 4

1〜 1 4 3を備え、 フロント圧縮室八 4はフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を通じて吐出室八 1 と連通している。 フロント圧縮室八 4にて圧縮された 流体は、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を通じて吐出室八 1 に導入され る。

[0197] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロント固定体 9 0及び回転体 6

0の少なくとも一方 (本実施形態では双方) と重なるオーバーラップ領域〇 3 1 ~〇 3 3 , 〇匕 1 ~〇匕 3を含む。 圧縮機 1 0は、 固定体才ーバーラッ プ領域 0 3 1 3 3とそれぞれ径方向 に沿って並ぶフロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3を備える。 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 対応する固定 体才ーバーラップ領域 をフロント圧縮室 4と連通させる連 通部である。

[0198] 吐出室八 1は、 フロントシリンダ 3 0を間に配置した状態でフロント圧縮 室八 4に対して径方向外側に配置されている。 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロント固定体 9 0ではなく、 フロントシリンダ 3 0に形成され ている。 すなわち、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3を設けるためにはフ ロントシリンダ 3 0を貫通すればよいので、 通路長を短くできる。 例えば本 〇 2020/175415 40 卩(:170? 2020 /007279

実施形態では、 各フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の通路長をフロントシ リンダ周壁 3 2の厚さ以下にできる。 したがって、 死容積の低減を図ること ができ、 それを通じて各フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3内にある圧縮さ れた流体がフロント圧縮室 4内に逆流することによって生じる損失を低 できる。

[0199] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3をフロントシリンダ 3 0に設けると、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の一部が回転体 6 0又はフロント固定体 9 0 (詳細にはリング外周面 7 3又はフロント固定体外周面 9 2 ) によって 塞がれる場合がある。 すると、 流体を吐出させるための開口の面積が小さく なり、 圧縮された流体が円滑に吐出されず、 過圧縮という不都合が懸念され る。

[0200] この点、 本実施形態によれば、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3を通じて 、 それぞれ固定体オーバーラップ領域 0 3 1 3 3がフロント圧縮室八 4 に連通している。 これにより、 圧縮された流体は固定体オーバーラップ領域 〇 3 1 ~〇 3 3内に流入できる。 したがって、 流体を吐出させるための開口 の面積を大きく して、 圧縮された流体を吐出室 1 に円滑に導入させること ができる。 つまり、 固定体才ーパーラップ領域〇 3 1 3 3を圧縮された 流体の吐出に寄与するものとして使用するこ とができる。 よって、 過圧縮を 抑制できる。 以上のことから、 圧縮された流体を好適に吐出させることがで きる。

[0201 ] ( 2 ) フロント固定体面 1 0 0は、 フロント回転体面 7 1 と当接するフロ ント固定体面 1 0 0と、 フロント固定体面 1 0 0に対して周方向の両側に設 けられる 2つのフロント湾曲面 1 0 3と、 を含む。 2つのフロント湾曲面 1 0 3は、 フロント固定体面 1 0 0から周方向に離れるに従ってフロント回転 体面 7 1から離れるように軸方向 に湾曲している。 フロント圧縮室八 4は 、 流体の吸入が行われる吸入空間 3チ 1 と、 流体の圧縮が行われる圧縮空間 3干 2と、 を含む。 吸入空間 3干 1は、 フロント回転体面 7 1 と第 2フロン 卜平坦面 1 0 2との当接箇所であるフロント当接箇所 チに対して回転方向 〇 2020/175415 41 卩(:170? 2020 /007279

IV!における先行側に位置する。 圧縮空間 3干 2は、 フロント当接箇所 干に 対して回転方向 IV!における後続側に位置する。

[0202] かかる構成によれば、 フロント固定体面 1 0 0にフロント回転体面 7 1 と 当接する第 2フロント平坦面 1 0 2が設けられ、 その当接箇所であるフロン 卜当接箇所 チの両側に吸入空間 3チ 1 と圧縮空間 3チ 2とが配置される。 これにより、 ベーン 1 3 1の位相に関わらず、 吸入空間 3干 1 と圧縮空間 3 干 2との間の連通を遮断することができる。 これにより、 圧縮空間 3干 2内 の圧縮された流体が吸入空間 3チ 1内に漏れることを抑制できる。

[0203] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロントシリンダ 3 0 (詳細には フロントシリンダ周壁 3 2) におけるフロント当接箇所 干よりも後続側に 設けられており、 圧縮空間 3チ 2と連通している。 これにより、 圧縮空間 3 干 2内にて圧縮された流体がフロント吐出ポー 1 4 1〜 1 4 3を通って吐 出室 1 に導入される。

[0204] ここで、 圧縮空間 3干 2においてフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3とフ ロント当接箇所 チとの間にある圧縮された流体は、 吐出室八 1 に向けて吐 出されず、 損失となる。 当該損失を低減するためには、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3をフロント当接箇所 干の近くに配置することが考えられる 。 しかしながら、 圧縮空間 3干 2は、 フロント当接箇所 干に向かうに従っ て徐々に軸方向 に狭くなっている。 そのため、 フロント吐出ポート 1 4 1 〜 1 4 3をフロント当接箇所 干の近くに配置しようとすると、 才ーバーラ ップ領域〇 3 1 ~〇 3 3 , 〇匕 1 ~〇匕 3が大きくなり、 フロント吐出ポー 卜 1 4 1〜 1 4 3の開口面積を大きくすることができない。

[0205] この点、 本実施形態の圧縮機 1 0は、 固定体オーバーラップ領域 1〜 〇 3 3をそれぞれフロント圧縮室八 4と連通させるフロント連通凹部 1 5 1 〜 1 5 3を有する。 これにより、 圧縮空間 3干 2内に残留する圧縮された流 体を低減するためにフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3をフロント圧縮室八 4における比較的狭い部分に設けた場合であ ても開口面積を確保できる。 そのため、 過圧縮を抑制できる。 〇 2020/175415 42 卩(:170? 2020 /007279

[0206] (3) フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 43は、 それぞれフロント吐出ポー 卜 1 4 1〜 1 43の外側から見て、 フロント湾曲面 1 03の外周縁であるフ ロント固定体エッジ 1 04と重なっている。 すなわち、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 43は、 フロント固定体 90と重なる固定体才ーバーラップ領域 〇 3 1 ~〇 33をそれぞれ有している。 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 53は 、 フロント湾曲面 1 03に開口している。 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 53 は連通開口部 1 5 1 3~ 1 533をそれぞれ有している。 連通開口部 1 5 1 3~ 1 533は、 それぞれ、 フロント固定体外周面 92におけるフロント吐 出ポート 1 4 1〜 1 43の外側から見て、 固定体才ーバーラップ令頁域〇 8 1 ~〇 83と重なっている。

[0207] かかる構成によれば、 圧縮された流体の一部は、 フロント連通凹部 1 5 1 〜 1 53内を通って、 それぞれ連通開口部 1 5 1 1 533から固定体才 —バーラップ領域〇 3 1 ~〇 33内に流入し、 吐出室八 1 に吐出される。 こ れにより、 上述した効果を奏する。

[0208] 特に、 本実施形態では、 連通部であるフロント連通凹部 1 5 1〜 1 53が 、 回転体 60ではなく、 フロント固定体 90のフロント湾曲面 1 03に形成 されている。 フロント固定体 90は、 フロントシリンダ 30と同じく回転し ない。 したがって、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 53と、 これらとそれぞれ 対応するフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 43との相対位置は、 回転体 60の 回転に伴って変動しない。 よって、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 53が対応 するフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 43と連通した状態を容易に維持できる

[0209] (4) 連通開口部 1 5 1 3~ 1 533は、 それぞれ、 対応する固定体オー パーラップ領域〇 と同一の形状を有する。

[0210] かかる構成によれば、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 53の体積の増大化を 抑制しつつ、 開口面積を大きくできる。

[0211] (5) フロント連通凹部 1 5 1 ~ 1 53の断面積は、 それぞれ連通開口部

1 5 1 3~ 1 533からフロント固定体面 1 00の内周側に向かうに従って 〇 2020/175415 43 卩(:170? 2020 /007279

徐々に小さくなっている。

[0212] かかる構成によれば、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3の体積を小さくす ることができる。 これにより、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3を形成する ことに起因する損失を低減できる。

[0213] 詳述すると、 ベーン 1 3 1がフロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3上を通過す る際、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3内には圧縮された流体が残存する。 残存した圧縮された流体は、 圧縮前の圧縮空間 3チ 2に流れ込み膨張する。 そのため、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3内に残存する圧縮された流体は 損失となる。

[0214] この点、 本実施形態によれば、 連通開口部 1 5 1 3 〜 1 5 3 3 の面積を大 きく確保しつつ、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3の体積を小さくできる。 これにより、 過圧縮を抑制しつつ、 フロント連通凹部 1 5 1 ~ 1 5 3内に残 存する圧縮された流体の量を低減することが できる。

[0215] ( 6 ) フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれフロント吐出ポート

1 4 1〜 1 4 3の貫通方向に延びている。

[0216] かかる構成によれば、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3内に導入された流 体は、 それぞれフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向に沿うように 整流されてから、 対応するフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3に流れ込み易 い。 これにより、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3内にて圧縮された流体 の流れが乱れることを抑制でき、 より円滑に圧縮された流体を吐出室 1へ 導入できる。

[0217] ( 7 ) フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は周方向に沿って並んでいる。

フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 第 1固定体才ーバーラップ令頁域〇 8 1 を有する第 1 フロント吐出ポート 1 4 1 と、 第 2固定体才ーバーラップ令頁 域〇 3 2を有する第 2フロント吐出ポート 1 4 2と、 を含む。 第 2フロント 吐出ポート 1 4 2は、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1 よりもフロント当接箇 所 チから周方向に離れた位置にある。

[0218] 複数のフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3が設けられている場合には、 1 〇 2020/175415 44 卩(:170? 2020 /007279

つの吐出ポートのみが設けられている場合 と比較して、 流路断面積を広く確 保することができる。 これにより、 過圧縮をより抑制できる。

[0219] また、 圧縮機 1 0は、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3にそれぞれ対応 するフロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3を備えている。 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれ連通開口部 らフロント固定体 面 1 0 0の内周側に向けて延びている。 そして、 第 1固定体才ーバーラップ とフロント圧縮室 4とを連通させる第 1 フロント連通凹部 1 5 1の延設方向の長さ !- 1は、 第 2固定体才ーバーラップ領域〇 3 2とフロン 卜圧縮室 4とを連通させる第 2フロント連通凹部 1 5 2の延設方向の長さ I- 2よりも長い。

[0220] 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1は、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2よりも 、 圧縮空間 3チ 2が軸方向 に狭い位置に配置されている。 これに対応する ように、 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1 に対応する第 1 フロント連通凹部 1 5 1の長さ !_ 1が、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2に対応する第 2フロント 連通凹部 1 5 2の長さ !_ 2よりも長くなっている。 これにより、 第 1 フロン 卜吐出ポート 1 4 1 に圧縮された流体を導き易くなっている。 したがって、 第 2フロント吐出ポート 1 4 2よりも圧縮された流体が流れ込みにくい第 1 フロント吐出ポート 1 4 1 に対して圧縮された流体を好適に導くことが でき る。

[0221 ] ( 8 ) フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 フロント固定体エッジ 1 0

4に沿って配置されているため、 軸方向 における位置が互いに異なる。 こ れにより、 固定体才ーパーラップ領域〇 3 1 3 3を小さくできるため、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3を小さくできる。 したがって、 フロント連 通凹部 1 5 1〜 1 5 3の体積を小さくできる。

[0222] ( 9 ) フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の中心を結ぶラインがフロント 中心ライン !- 1^ 1である。 フロント中心ライン !_ 1は、 フロント回転体エ ッジ 7 1 3及びフロント固定体エッジ 1 0 4よりもフロント中間ライン

2の近くに配置されている。 〇 2020/175415 45 卩(:170? 2020 /007279

[0223] フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の中心がいずれもフロント中間ライン

!_门 2の近くに配置されているため、 才ーバーラップ令頁域〇 1 ~〇 3 , 〇匕 1 ~〇匕 3を小さくできる。 これにより、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3の体積を小さくできる。

[0224] 上記実施形態は以下のように変更してもよい 。 なお、 上記実施形態及び以 下の各別例は、 技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせ てもよい。 また 、 フロント側の構成に関する別例については、 対応するリア側の構成につい ても同様に変更可能である。 例えば、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3及 びフロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3に関する別例については、 リア吐出ポー 卜 1 7 1〜 1 7 3及びリア連通凹部 1 7 4 ~ 1 7 6についても同様に変更可 能である。

[0225] 〇 図 1 3〜 1 5に示す第 1変更例のように、 圧縮機 1 0は、 連通部とし て、 リング外周面 7 3とフロント回転体面 7 1 との間に形成され、 周方向に 延びたフロント面取り部 2 0 1 を備えていてもよい。 フロント面取り部 2 0 1は、 例えば第 2フロント平坦面 1 0 2の角度範囲より小さい角度範囲に亘 って形成されており、 ベーン溝 1 3 0 (換言すればべーン 1 3 1) に対して 回転方向 !\/!における先行側に配置されているとよい また、 フロント面取り 部 2 0 1は、 複数のフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3が形成されている角 度範囲よりも大きな角度範囲に亙って形成さ れているとよい。 なお、 第 1変 更例の圧縮機 1 〇は、 周方向に互いに離間して配置された複数 (3つ) のべ —ン溝 1 3 0に対応するように、 周方向に互いに離間して配置された複数 ( 3つ) のフロント面取り部 2 0 1 を有する。

[0226] 図 1 4に示すように、 フロント面取り部 2 0 1は、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の径方向内側に配置された場合に回転体オ バーラップ領域〇 匕 1 ~〇匕 3と重なる。 つまり、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3がリン グ外周面 7 3と重なることを避けるために、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の径方向内側にフロント面取り部 2 0 1 を配置している。

[0227] かかる構成によれば、 回転体オーバーラップ領域 0匕 1 匕 3は、 フロ 〇 2020/175415 46 卩(:170? 2020 /007279

ント面取り部 2 0 1 の形成に伴って生じる隙間 2 0 2 (切り欠き、 図 1 5参 照) を通じて、 フロント圧縮室 4 (詳細には圧縮空間 3 チ 2) と連通する 。 これにより、 圧縮された流体は、 隙間 2 0 2を通じて回転体オーバーラッ プ領域〇匕 1 ~〇匕 3内に流入できる。 したがって、 回転体才ーバーラップ 領域 0 13 1 〜0匕 3が圧縮された流体の吐出に寄与することが き、 それを 通じて過圧縮を抑制できる。

[0228] 第 1変更例では、 フロント面取り部 2 0 1 が形成されている角度範囲は、 第 2フロント平坦面 1 0 2の角度範囲よりも小さいため、 隙間 2 0 2を通じ て吸入空間 3 チ 1 が圧縮空間 3 チ 2と連通することを抑制できる。

[0229] 更に、 第 1変更例では、 フロント面取り部 2 0 1 はべーン溝 1 3 0 (換言 すればベーン 1 3 1 ) に対して回転方向 1\/1における先行側に配置されている ため、 圧縮空間 3 干 2が狭くなる圧縮工程の後半のタイミングで フロント 面取り部 2 0 1 がフロント吐出ポート 1 4 1 〜 1 4 3の径方向内側に配置さ れる。 これにより、 隙間 2 0 2を通じて吸入空間 3 干 1 と圧縮空間 3 干 2と が連通することを抑制しつつ、 好適なタイミングで回転体オーバーラップ領 域〇匕 1 ~〇匕 3を圧縮空間 3 干 2に対して開放させることができる。

[0230] リア側についても同様である。 すなわち、 図 1 3に示すように、 圧縮機 1

〇は、 連通部である複数 (3つ) のリア面取り部 2 0 3を備えていてもよい 。 各リア面取り部 2 0 3は、 リング外周面 7 3とリア回転体面 7 2との間に おいて、 周方向に延びている。

[0231 ] 〇 第 1変更例において、 面取り部 2 0 1 , 2 0 3の具体的な形状及び位 置は任意に変更できる。 例えば、 フロント面取り部 2 0 1 は全周に亙って形 成されていてもよい。 また、 フロント面取り部 2 0 1 は、 フロント吐出ポー 卜 1 4 1 〜 1 4 3の角度範囲よりも小さな角度範囲に亙って 成されていて もよい。

[0232] 〇 圧縮機 1 0は、 フロント連通凹部 1 5 1 〜 1 5 3とフロント面取り部

2 0 1 との双方を備えていてもよいし、 いずれか一方のみを備えていてもよ い。 〇 2020/175415 47 卩(:170? 2020 /007279

[0233] 〇 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の数は任意に変更でき、 例えば 1 つでもよい。 また、 フロント連通凹部の数はフロント吐出ポート の数よりも 少なくてもよい。 例えば、 3つのフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3が設け られている構成において、 第 1 フロント連通凹部 1 5 1のみを設けてもよい し、 第 1 フロント連通凹部 1 5 1及び第 2フロント連通凹部 1 5 2の 2つを 設けてもよい。

[0234] 〇 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の形状は任意に変更でき、 例えば 周方向に延びたオーバル形状又は円弧形状で もよい。 この場合、 フロント連 通凹部 1 5 1〜 1 5 3も周方向に延びるとよい。

[0235] 〇 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3の形状は任意に変更できる。

[0236] 例えば、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 断面積が一定の半円柱状で あってもよい。 また、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3は、 それぞれフロン 卜吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向ではなく径方向内側に向けて延 て いてもよい。 フロント連通凹部

は互いに同一でもよいし、 フロント当接箇所 干に近いものほど短く設定さ れていてもよい。

[0237] 〇 各フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向は任意であり、 例え ば径方向 8でもよい。 換言すれば、 各フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は 、 フロントシリンダ 3 0のシリンダ周壁 3 2を径方向 に貫通するものであ ってもよい。 この場合、 「フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の外側」 は、 「径方向外側」 となる。 かかる構成において、 フロント連通凹部 1 5 1 ~ 1 5 3は、 径方向 に延びていてもよいし、 フロント座面 1 4 4と直交する方 向に延びていてもよい。

[0238] すなわち、 フロント連通凹部 1 5 1〜 1 5 3の延設方向と、 フロント吐出 ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向とはそれぞれ一致していてもよ し、 異な っていてもよい。

[0239] 〇 固定体才ーバーラップ領域〇 3 1 ~〇 3 3とフロント連通凹部 1 5 1 〜 1 5 3とは、 それそれ、 圧縮された流体が流れることができるように 連通 〇 2020/175415 48 卩(:170? 2020 /007279

していればよく、 両者が並ぶ方向は、 径方向 又はフロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の貫通方向に限られず任意である。

[0240] 〇 連通開口部 1 5 1 3 ~ 1 5 3 3の形状は任意に変更でき、 例えばフロ ント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3の外側から見て、 固定体才ーバーラップ領域 0 3 1〜〇 3 3よりも小さくてもよいし、 大きくていてもよい。

[0241 ] 〇 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 固定体才ーバーラップ令頁域〇

3 1 ~〇 3 3又は回転体才ーバーラップ領域〇匕 1 ~〇匕 3のいずれか一方 のみを有してもよい。 要は、 フロント吐出ポート 1 4 1〜 1 4 3は、 それぞ れ、 両才ーバーラップ領域〇 3 1〜〇 3 3 , 〇匕 1〜〇匕 3のうち少なくと も一方を有していればよい。

[0242] 〇 第 1 フロント吐出ポート 1 4 1の少なくとも一部がフロント当接箇所 干に対して重なっていてもよい。 この場合、 第 1 フロント連通凹部 1 5 1 の少なくとも一部が第 2フロント平坦面 1 0 2に形成されていてもよい。 つ まり、 第 1 フロント連通凹部 1 5 1は、 第 2フロント平坦面 1 0 2とフロン 卜湾曲面 1 〇 3との双方に亘っていてもよい。 これにより、 圧縮空間 3干 2 内に残留する圧縮された流体をより低減でき る。

[0243] 〇 図 1 6〜 1 8に示す第 2変更例のように、 ベーン 1 3 1は、 複数の部 品で構成されていてもよい。 例えば、 ベーン 1 3 1は、 ベーン 1 3 1の軸方 向 の移動に関わらずベーン溝 1 3 0内にあるべーン本体 2 4 0と、 ベーン 本体 2 4 0に対して軸方向両側にそれぞれ設けられた ップシール 2 5 0 ,

2 6 0と、 を有していてもよい。 ベーン 1 3 1は、 ベーン本体 2 4 0と両チ ップシール 2 5 0 , 2 6 0とが組み合わせられることによって、 固定体面 1 0 0 , 1 2 0に向けて凸となった板である。 この場合、 両チップシール 2 5 0 , 2 6 0がそれぞれべーン 1 3 1の軸方向両端に配置されて、 チップシー ル 2 5 0 , 2 6 0がそれぞれ固定体面 1 0 0 , 1 2 0と当接する。

[0244] 板状のベーン本体 2 4 0はべーン溝 1 3 0内に揷入されている。 ベーン本 体 2 4 0はべーン溝 1 3 0の幅方向に幅を有する。 ベーン本体 2 4 0は、 軸 方向 における両端に、 それぞれ端面 2 4 1 , 2 4 3を有している。 ベーン 〇 2020/175415 49 卩(:170? 2020 /007279

本体 240は例えば金属製である。

[0245] チップシール 250, 260は、 例えば樹脂製であり、 それぞれ、 固定体 面 1 00, 1 20に当接するシール本体部 25 1 , 26 1 を有している。 シ —ル本体部 25 1 , 26 1は、 それぞれ固定体面 1 00, 1 20に向けて凸 となるように湾曲している。

[0246] チップシール 250, 260は、 それぞれシール本体部 25 1 , 26 1か らベーン本体 240に向けて突出した取付凸部 252, 262を有している 。 ベーン本体 240の端面 24 1 , 243は、 それぞれ取付凸部 252, 2 62が挿入可能な取付溝 242, 244を有する。 取付凸部 252, 262 がそれぞれ取付溝 242, 244に揷入されることによって、 チップシール 250, 260は、 ベーン本体 240に対して移動可能な状態でベーン本体 240に取り付けられている。

[0247] また、 図 1 8に示すように、 両チップシール 250, 260とべーン本体

240との間には、 流体が入り込む背圧空間 253, 263がそれぞれ形成 されている。 チップシール 250, 260は、 それぞれ背圧空間 253, 2 63内の流体によって固定体面 1 00, 1 20に向けて押圧される。 これに より、 チップシール 250, 260がそれぞれ固定体面 1 00, 1 20に当 接する。 これにより、 ベーン 1 3 1 と固定体面 1 00, 1 20との間をシー ルすることができる。

[0248] 第 2変更例において、 両チップシール 250, 260のいずれか一方を省 略してもよい。 つまり、 フロント側又はリア側のいずれか一方のみに チップ シールが設けられていてもよい。 この場合、 ベーン本体 240におけるチッ プシールが設けられていない方の端部が、 固定体面と当接するとよい。 つま り、 ベーン 1 3 1は、 2部品で構成されていてもよい。

[0249] 〇 第 2フロント平坦面 1 02の形状は扇状に限られず、 任意に変更する ことができる。 例えば、 第 2フロント平坦面 1 02は、 一定の幅を有して径 方向 に延びる矩形であってもよい。 つまり、 フロント当接箇所 干の形状 は扇状に限られず任意に変更することができ る。 〇 2020/175415 50 卩(:170? 2020 /007279

[0250] 〇 回転体面 7 1 , 7 2は軸方向 に対して傾斜していてもよい。 この場 合、 両フロント平坦面 1 0 1 , 1 0 2及び両リア平坦面 1 2 1 , 1 2 2は、 軸方向 に直交する平坦面であってもよいし、 それぞれ回転体面 7 1 , 7 2 と面接触するように回転体面 7 1 , 7 2と同一傾斜角度で傾斜していてもよ い。

[0251 ] 〇 回転体筒部 6 1の一部が切り欠かれたり突出していたりす 構成でも よい。 また、 回転体筒部 6 1は、 円筒形状、 つまり断面円形状であったが、 これに限られず、 断面非円形状であってもよい。 固定体揷入孔 9 1 , 1 1 1 は、 その内壁面と回転体筒部 6 1 との隙間が小さくなるように回転体筒部 6 1の形状に対応させて形成されていればよく 円形状に限られない。 なお、 回転体筒部 6 1の一部が切り欠き部分を有する場合には、 別部材が切り欠き 部分に嵌め込まれていてもよい。

[0252] 〇 回転体は、 回転体面 7 1 , 7 2から軸方向 にはみ出した部分を有さ ない円板状であって、 両固定体 9 0 , 1 1 0によって支持されていない構成 でもよい。 この場合、 フロント圧縮室 4は、 回転軸 1 2の外周面によって 区画されるとよい。 すなわち、 フロント圧縮室八 4は、 筒部外周面 6 2によ って区画される構成に限られない。 リア圧縮室八 5についても同様である。

[0253] 〇 シャフト軸受 5 1 , 5 3の数は 2つに限られず、 1つでもよい。 例え ば、 リアシャフト軸受 5 3を省略してもよい。 また、 シャフト軸受を 3つ以 上設けてもよい。

[0254] 〇 本実施形態では、 収容室八 3が、 フロントシリンダ 3 0及びリアプレ —卜 4 0によって区画されていたが、 これに限られず、 収容室八 3を区画す る具体的な構成は任意に変更できる。

[0255] 例えば、 圧縮機 1 0は、 フロントシリンダ 3 0に代えて板状のフロントプ レートを備え、 リアブレート 4 0に代えて周壁及び端壁を有するリアシリン ダを備える構成でもよい。 この場合、 リアシリンダとフロントプレートとが 突き合わせられることによって収容室八 3が区画される。

[0256] また、 圧縮機 1 0は、 筒状の 2つのシリンダを備え、 両者によって収容室 〇 2020/175415 51 卩(:170? 2020 /007279

八 3が区画される構成でもよい。 また、 リアプレート 4 0を省略して、 フロ ントシリンダ 3〇とリアハウジング端壁 2 3とによって収容室八 3が区画さ れてもよい。

[0257] 〇 圧縮室 4 , 5は、 回転体面 7 1 , 7 2及び固定体面 1 0 0 , 1 2

0によって区画されていればよく、 圧縮室八4 , 八5を区画するのに用いら れる他の面については任意である。 例えば、 フロントシリンダ 3 0を省略し て、 リアハウジング部材 2 2 (又はハウジング 1 1) が回転体 6 0及び両固 定休 9 0 , 1 1 0を収容する構成では、 圧縮室八 4 , 八 5は、 フロントシリ ンダ内周面 3 3に代えて、 リアハウジング部材 2 2の内周面によって区画さ れてもよい。 この場合、 リアハウジング部材 2 2又はハウジング 1 1がシリ ンダ部であり、 リアハウジング部材 2 2の内周面がシリンダ内周面である。 また、 圧縮室 4 , 5は、 筒部外周面 6 2に代えて、 回転軸 1 2の外周面 によって区画される構成でもよい。

[0258] 〇 フロント固定体 9 0とフロントシリンダ 3 0とが一体形成されていて もよいし、 リア固定体 1 1 0とリアプレート 4 0とが一体形成されていても よい。

[0259] 〇 フロントシリンダ端壁 3 1 とフロントシリンダ周壁 3 2とが別体であ ってもよい。 また、 フロントシリンダ端壁 3 1 を省略してもよい。 この場合 、 フロントシリンダ周壁 3 2がシリンダ部である。

[0260] 〇 吸入空間 3チ 1 , 3 「 1 に流体を導入させるための構成は、 実施形態 の構成に限られず任意に変更できる。 例えば、 吸入ポート及び吐出ポートの 少なくとも一方を固定体 9 0 , 1 1 0に設けてもよい。

[0261 ] 〇 両固定体 9 0 , 1 1 0は互いに同一形状であったが、 これに限られず 、 例えばフロント固定体 9 0の直径がリア固定体 1 1 0の直径よりも長くて もよいし、 短くてもよい。 この場合、 両固定体 9 0 , 1 1 0の形状に合わせ て、 フロントシリンダ内周面 3 3が段差を有してもよいし、 フロント固定体 9 0を収容するフロントシリンダと、 リア固定体 1 1 0を収容するリアシリ ンダとを別々に設けてもよい。 つまり、 両圧縮室八 4 , 八 5の容積は互いに 〇 2020/175415 52 卩(:170? 2020 /007279

同一でもよいし、 互いに異なってもよい。

[0262] 〇 実施形態の圧縮機 1 0には 2つの圧縮室八 4 , 八 5が設けられていた が、 これに限られない。

[0263] 例えば、 図 1 9に示す第 3変更例のように、 リア固定体 1 1 0、 リア圧縮 室八 5、 リア吸入ポート 1 7 0及びリア吐出ポート 1 7 1〜 1 7 3を省略し てもよい。 この場合、 フロント固定体面 1 0 0が第 1 フロント平坦面 1 0 1 を有さなくてもよい。

[0264] かかる構成においては、 例えばべーン 1 3 1 をフロント固定体 9 0に向け て付勢する付勢部 3 0 0を設けるとよい。 付勢部 3 0 0は、 回転体 6 0の回 転に伴って回転できるように、 例えば回転体筒部 6 1 に設けられた付勢支持 部 3 0 1 によって支持されているとよい。 付勢支持部 3 0 1は、 例えば回転 体筒部 6 1のリア回転体端部 6 1 に設けられ、 径方向外側に突出した板状 である。 これにより、 ベーン 1 3 1は、 回転体 6 0の回転に伴って、 フロン 卜固定体面 1 0 0と当接した状態を維持しつつ軸方向 に移動しながら回転 する。 なお、 リア側の構成を省略するのに代えて、 フロント側の構成を省略 してもよい。 換言すれば、 固定体は 1つでもよい。

[0265] 〇 固定体揷入孔 9 1 , 1 1 1は、 回転軸 1 2が揷入されていれば貫通孔 である必要はなく、 非貫通でもよい。

[0266] 〇 両スラスト軸受 8 1 , 8 2の少なくとも一方を省略してもよい。 すな わち、 スラスト軸受 8 1 , 8 2は必須ではない。

[0267] 〇 両回転体軸受 9 4 , 1 1 4の少なくとも一方を省略してもよい。

[0268] 〇 吐出室八 1は、 軸方向 に延びる軸線を有する円筒の形状である必要 はない。 例えば、 吐出室八 1は軸方向 から見て(3字形状であってもよいし 、 2つの吐出室 1が対向配置される構成でもよい。 換言すれば、 吐出室八 1は、 周方向の少なくとも一部の範囲に亙って形成 される構成でもよい。

[0269] 〇 ベーン 1 3 1の数は任意に変更でき、 例えば 1枚でもよいし、 2枚で もよいし、 4枚以上でもよい。 なお、 ベーン 1 3 1が 1枚の場合、 フロント 圧縮室八 4は、 フロント当接箇所 チ、 及び、 ベーン 1 3 1 によって、 吸入 〇 2020/175415 53 卩(:170? 2020 /007279

が行われる吸入室と、 圧縮が行われる圧縮室とに仕切られる。

[0270] 〇 フロント固定体面 1 0 0のうちフロント回転体面 7 1 と当接する部分 (固定体当接面) は、 第 2フロント平坦面 1 0 2のように平坦面でなくても よい。 リア固定体面 1 2 0についても同様である。 但し、 シール性の観点に 着目すれば、 平坦面であるほうが好ましい。

[0271 ] 〇 フロント湾曲面 1 0 3は、 第 2フロント平坦面 1 0 2から周方向に離 れるに従って徐々にフロント回転体面 7 1から離れるように湾曲していたが 、 これに限られない。 例えば、 フロント湾曲面 1 0 3は、 その途中位置にお いて、 フロント回転体面 7 1 との距離が一定となる部分を有していてもよ い 。 つまり、 フロント圧縮室八 4は、 全体としてフロント当接箇所 干に近づ くに従って軸方向 に狭くなっていればよく、 軸方向 における長さが一定 となる部分を含んでいてもよい。 リア湾曲面 1 2 3及びリア圧縮室 5につ いても同様である。

[0272] 〇 固定体当接面は必須ではない。 例えば第 2フロント平坦面 1 0 2は、 微小な隙間を介してフロント回転体面 7 1から離間していてもよい。

[0273] 〇 ハウジング 1 1の具体的な形状については任意に変更する とができ る。

[0274] 〇 回転軸 1 2の具体的な形状は任意に変更することがで る。 例えば、 回転軸 1 2の少なくとも一部が中空状であってもよい 、 角柱状であっても よい。

[0275] 〇 電動モータ 1 3及びインバータ 1 4を省略してもよい。 つまり、 電動 モータ 1 3及びインバータ 1 4は圧縮機 1 0において必須ではない。 この場 合、 例えばべルト駆動等によって回転軸 1 2が回転するとよい。

[0276] 〇 圧縮機 1 0は、 空調装置以外に用いられてもよい。 例えば、 圧縮機 1 〇は、 燃料電池車両に搭載された燃料電池に対して 圧縮空気を供給するのに 用いられてもよい。 つまり、 圧縮機 1 0の圧縮対象の流体は、 オイルを含む 冷媒に限られず、 任意に変更することができる。

[0277] 〇 圧縮機 1 0の搭載対象は、 車両に限られず任意に変更することができ \¥0 2020/175415 54 卩(:17 2020 /007279

る。