NAKAGAWA YASUNOBU (JP)
NIJUKKEN TOSHIHIKO (JP)
NAKAGAWA YASUNOBU (JP)
JP2003064236A | 2003-03-05 | |||
JPH07138491A | 1995-05-30 | |||
JPH10316663A | 1998-12-02 | |||
JP2001081307A | 2001-03-27 | |||
JPH01123817A | 1989-05-16 |
下記式(1) で表されるブロックされたイソシアネート基を有するビニル単量体Aに対応するモノマー単位と、3~5員の環状エーテル基を有するビニル単量体Bに対応するモノマー単位を少なくとも含む共重合体。 |
ビニル単量体Aに対応するモノマー単位及びビニル単量体Bに対応するモノマー単位に加えて、下記式(2) で表される(メタ)アクリル酸エステル、芳香族ビニル化合物、ヒドロキシル基含有単量体、及びカルボキシル基含有単量体からなる群より選択された少なくとも1種の単量体に対応するモノマー単位を含む請求項1記載の共重合体。 |
本発明は、ブロックされたイソシアネー 基及び環状エーテル基を有する共重合体に する。本発明の共重合体は、塗料、コーテ ング剤、粘接着剤、電子材料用途(保護膜、 封止材料など)等に使用できる。
従来、熱や光により硬化して硬化塗膜を 成しうる組成物として、側鎖にエポキシ基 有する重合体を含む硬化性樹脂組成物、側 にイソシアネート基を有する重合体を含む 化性樹脂組成物、アルコキシシラン基を含 重合体に、酸、塩基、有機金属触媒等を添 した硬化性樹脂組成物などが知られている しかし、これらの硬化性樹脂組成物から得 れる硬化塗膜では、硬化性、基材への密着 、耐薬品性、保存安定性等の要求性能をす て満足させることはできない。
特開平1-123817号公報には、硬化物の物性 向上させる目的で、アルコキシシラン基含 ビニル単量体とオキシラン基含有ビニル単 体とを単量体成分として含有してなる共重 体に、キレート化合物及び多官能の脂環式 キシラン基を有する化合物を配合した硬化 組成物が開示されている。この硬化性組成 によれば、低温での架橋が可能であり、諸 性に優れた硬化物を得ることができる。し し、この硬化性組成物から得られる硬化塗 は、耐薬品性、特に耐アルカリ性について 性能が不十分である。
本発明の目的は、基材に対する密着に優 るとともに、耐薬品性、特に耐アルカリ性 優れた硬化物の得られる共重合体を提供す ことにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため 意検討した結果、ブロックされたイソシア ート基を有するビニル単量体とエポキシ基 の環状エーテル基を有するビニル単量体と 共重合体を含有する硬化性樹脂組成物を基 に塗布して硬化させると、基材に対する密 性に優れるとともに、耐薬品性、特に耐ア カリ性に優れた硬化塗膜が得られることを いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、下記式(1)
で表されるブロックされたイソシアネート基
を有するビニル単量体Aに対応するモノマー
位と、3~5員の環状エーテル基を有するビニ
単量体Bに対応するモノマー単位を少なくと
含む共重合体を提供する。
前記共重合体は、ビニル単量体Aに対応する
モノマー単位及びビニル単量体Bに対応する
ノマー単位に加えて、下記式(2)
で表される(メタ)アクリル酸エステル、芳香
ビニル化合物、ヒドロキシル基含有単量体
及びカルボキシル基含有単量体からなる群
り選択された少なくとも1種の単量体に対応
するモノマー単位を含んでいてもよい。
本発明の共重合体を含む硬化性樹脂組成 を硬化させることにより、基材や基板に対 て高い密着性を有するとともに、耐溶剤性 耐アルカリ性等の耐薬品性に優れた硬化物( 硬化皮膜等)を得ることができる。また、本 明の共重合体を含む硬化性樹脂組成物は硬 性及び保存安定性にも優れている。そのた 、塗料、コーティング剤、粘接着剤等とし 利用でき、特に電子材料分野で好適に使用 きる。
本発明の共重合体は、前記式(1)で表され ブロックされたイソシアネート基(以下、「 ブロックイソシアネート基」と称する場合が ある)を有するビニル単量体Aに対応するモノ ー単位と、3~5員の環状エーテル基を有する ニル単量体Bに対応するモノマー単位を少な くとも含む。ブロックイソシアネート基は熱 により脱ブロック化し、活性なイソシアネー ト基が生成する。この共重合体を含む硬化性 樹脂組成物を熱や活性エネルギー線により硬 化させると、前記イソシアネート基及び3~5員 の環状エーテル基が硬化に寄与して、諸物性 、特に基材密着性及び耐薬品性に優れた硬化 物を与える。
式(1)で表される単量体Aにおいて、R 1 は水素原子又はメチル基を示し、R 2 は炭素数1~8の2価の脂肪族飽和炭化水素基を す。R 3 はイソシアネート基のブロック剤R 3 Hの残基を示す。
R 2 における炭素数1~8の2価の飽和脂肪族炭化水 基としては、例えば、メチレン、エチレン トリメチレン、プロピレン、テトラメチレ 、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプ メチレン、オクタメチレン基等の直鎖状又 分岐鎖状の2価の飽和脂肪族炭化水素基(アル キレン基)が挙げられる。これらの中でも、 チレン、トリメチレン、プロピレン基等の 素数2~4の2価の飽和脂肪族炭化水素基が好ま い。
イソシアネート基のブロック剤R 3 Hとしては、公知のイソシアネート基ブロッ 剤を用いることができ、例えば、ホルムア ドキシム、アセトアルドキシム、アセトキ ム、メチルエチルケトキシム、メチルイソ チルケトキシム、ジエチルケトキシム、シ ロヘキサノンオキシム、ジアセチルモノオ シム、ベンゾフェノンオキシムなどのオキ ム系ブロック剤;3,5-ジメチルピラゾールなど のピラゾール系ブロック剤;メタノール、エ ノール等のアルコール系ブロック剤;フェノ ル、クレゾールなどのフェノール系ブロッ 剤;ブチルメルカプタンなどのメルカプタン 系ブロック剤;アセトアニリド、ε-カプロラ タム、γ-ブチロラクタム等の酸アミド系ブ ック剤;マロン酸ジメチル、アセト酢酸メチ などの活性メチレン系ブロック剤;コハク酸 イミド、マレイン酸イミドなどのイミド系ブ ロック剤;尿素系ブロック剤;N-フェニルカル ミン酸フェニルなどのカルバミン酸系ブロ ク剤;ジフェニルアミン、アニリンなどのア ン系ブロック剤;エチレンイミン、ポリエチ レンイミン等のイミン系ブロック剤などが挙 げられる。
イソシアネート基のブロック剤としては 硬化性樹脂組成物の製造ラインにおいてゲ 化が生じないような安定性の高いブロック が好ましい。ブロック剤の脱ブロック温度 、例えば100~300℃、好ましくは150~250℃の範 である。上記のブロック剤のなかでも、オ シム系ブロック剤、ピラゾール系ブロック が好ましい。
特に好ましいブロック剤には、下記式(3)
で表されるオキシム系ブロック剤が含まれる
。
R 6 及びR 7 における炭素数1~8のアルキル基としては、例 えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロ ピル、ブチル、イソブチル、s-ブチル、t-ブ ル、ペンチル、ヘキシル、オクチル基等の 鎖状又は分岐鎖状アルキル基が挙げられる これらのなかでも、メチル、エチル、プロ ル基等の炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状ア キル基が好ましい。R 6 及びR 7 が互いに結合して隣接する炭素原子とともに 結合する環としては、例えば、シクロブタン 環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環等 の3~12員程度(好ましくは5又は6員)のシクロア カン環などが挙げられる。
式(1)で表されるビニル単量体Aの代表的な 例として、メタクリル酸2-[O-(1″-メチルプロ リデンアミノ)カルボキシアミノ]エチル(=2-( 1-メチルプロピリデンアミノオキシカルボニ アミノエチル)メタクリレート)[商品名「カ ンズMOI-BM」、昭和電工株式会社製、下記式( 1a)]、メタクリル酸2-(3,5-ジメチルピラゾール- 1-イル)カルボニルアミノエチル[商品名「カ ンズMOI-BP」、昭和電工株式会社製、下記式(1 b)]等が挙げられる。なお、商品名「カレンズ MOI-BM」の脱ブロック温度は、50%脱ブロック温 度が130℃、90%脱ブロック温度が150℃である。 また、商品名「カレンズMOI-BP」の脱ブロック 温度は、50%脱ブロック温度が100℃、90%脱ブロ ック温度が120℃である。
本発明の共重合体において、式(1)で表され
ビニル単量体Aに対応するモノマー単位の脱
ブロック化は以下のようにして進行する。こ
の脱ブロック化により生じたイソシアネート
基が硬化性基として作用する。イソシアネー
ト基は、主に基材に対する密着性の向上に寄
与する。
3~5員の環状エーテル基を有するビニル単 体Bには、オキシラン環(エポキシ基)含有重 性不飽和化合物、オキセタン環(オキセタニ ル基)含有重合性不飽和化合物、オキソラン (オキソラニル基)含有重合性不飽和化合物が 含まれる。
オキシラン環(エポキシ基)含有重合性不飽 化合物としては、例えば、オキシラニル(メ )アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレ ト、2-メチルグリシジル(メタ)アクリレート 、2-エチルグリシジル(メタ)アクリレート、2- オキシラニルエチル(メタ)アクリレート、2- リシジルオキシエチル(メタ)アクリレート、 3-グリシジルオキシプロピル(メタ)アクリレ ト、グリシジルオキシフェニル(メタ)アクリ レート等のオキシラン環(単環)を含む重合性 飽和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導 など);3,4-エポキシシクロヘキシル(メタ)ア リレート、3,4-エポキシシクロヘキシルメチ (メタ)アクリレート、2-(3,4-エポキシシクロ キシル)エチル(メタ)アクリレート、2-(3,4-エ ポキシシクロヘキシルメチルオキシ)エチル( タ)アクリレート、3-(3,4-エポキシシクロヘ シルメチルオキシ)プロピル(メタ)アクリレ トなどの3,4-エポキシシクロヘキサン環等の ポキシ基含有脂環式炭素環を含む重合性不 和化合物((メタ)アクリル酸エステル誘導体 ど);5,6-エポキシ-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプチル( タ)アクリレート等の5,6-エポキシ-2-ビシクロ [2.2.1]ヘプタン環を含む重合性不飽和化合物(( メタ)アクリル酸エステル誘導体など);エポキ シ化ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート[ 3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン-9-イル(メタ)アクリレート;3,4-エポキ トリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン-8-イル(メタ)アクリレート]、エポキ 化ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)ア クリレート[2-(3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン-9-イルオキシ)エチル(メタ)アクリレ ト;2-(3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン-8-イルオキシ)エチル(メタ)アクリレ ト]、エポキシ化ジシクロペンテニルオキシ チル(メタ)アクリレート、エポキシ化ジシ ロペンテニルオキシヘキシル(メタ)アクリレ ートなどの3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.0 2,6 ]デカン環を含む重合性不飽和化合物((メタ) クリル酸エステル誘導体など)などが挙げら る。他のオキシラン環(エポキシ基)含有重 性不飽和化合物として、エポキシ基を含む ニルエーテル化合物、エポキシ基を含むア ルエーテル化合物等を用いることもできる
オキセタン環(オキセタニル基)含有重合 不飽和化合物としては、例えば、オキセタ ル(メタ)アクリレート、3-メチル-3-オキセタ ル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-オキセタ ニル(メタ)アクリレート、(3-メチル-3-オキセ ニル)メチル(メタ)アクリレート、(3-エチル- 3-オキセタニル)メチル(メタ)アクリレート、2 -(3-メチル-3-オキセタニル)エチル(メタ)アク レート、2-(3-エチル-3-オキセタニル)エチル( タ)アクリレート、2-[(3-メチル-3-オキセタニ ル)メチルオキシ]エチル(メタ)アクリレート 2-[(3-エチル-3-オキセタニル)メチルオキシ]エ チル(メタ)アクリレート、3-[(3-メチル-3-オキ タニル)メチルオキシ]プロピル(メタ)アクリ レート、3-[(3-エチル-3-オキセタニル)メチル キシ]プロピル(メタ)アクリレートや、オキ タニル基を含むビニルエーテル化合物、オ セタニル基を含むアリルエーテル化合物な が挙げられる。
オキソラン環(オキソラニル基)含有重合 不飽和化合物としては、例えば、テトラヒ ロフルフリル(メタ)アクリレートや、オキソ ラニル基を含むビニルエーテル化合物、オキ ソラニル基を含むアリルエーテル化合物など が挙げられる。
本発明の共重合体において、3~5員の環状 ーテル基[オキシラン環(エポキシ基)、オキ タン環(オキセタニル基)、オキソラン環(オ ソラニル基)]は硬化性基として作用する。3~ 5員の環状エーテル基は、主に耐薬品性(耐溶 性、耐アルカリ性等)の向上に寄与する。
本発明の共重合体において、ビニル単量 Aに対応するモノマー単位及びビニル単量体 Bに対応するモノマー単位は、それぞれ、1種 あってもよく、2種以上存在していてもよい 。例えば、ビニル単量体Bに対応するモノマ 単位として、単環であるオキシラン環を含 重合性不飽和化合物((メタ)アクリル酸エス ル誘導体など)に対応するモノマー単位と、3 ,4-エポキシシクロヘキサン環等のエポキシ基 含有脂環式炭素環を含む重合性不飽和化合物 ((メタ)アクリル酸エステル誘導体など)に対 するモノマー単位とを組み合わせて用いる とができる。
ビニル単量体Aに対応するモノマー単位の 共重合体に占める割合は、例えば、1~95重量% 好ましくは3~70重量%、さらに好ましくは5~50 量%である。この割合が少なすぎると基材に 対する密着性が低下しやすく、多すぎるとビ ニル単量体Bに対応するモノマー単位の割合 相対的に少なくなるので、耐薬品性が低下 やすくなる。
ビニル単量体Bに対応するモノマー単位の 共重合体に占める割合は、例えば、5~99重量% 好ましくは30~97重量%、さらに好ましくは50~9 5重量%である。この割合が少なすぎると耐薬 性が低下しやすく、多すぎるとビニル単量 Aに対応するモノマー単位の割合が相対的に 少なくなるので、基材に対する密着性が低下 しやすくなる。
ビニル単量体Aに対応するモノマー単位と ビニル単量体Bに対応するモノマー単位の総 の共重合体に占める割合は、例えば、40重量 %~100重量%、好ましくは50~100重量%、さらに好 しくは60~100重量%である。
本発明の共重合体において、ビニル単量 Aに対応するモノマー単位とビニル単量体B 対応するモノマー単位の比率は、例えば、 者/後者(重量比)=1/99~99/1、好ましくは3/97~70/30 、さらに好ましくは5/95~50/50程度である。
本発明の共重合体は、ビニル単量体Aに対 応するモノマー単位とビニル単量体Bに対応 るモノマー単位のみで構成されていてもよ が、ビニル単量体Aに対応するモノマー単位 びビニル単量体Bに対応するモノマー単位に 加えて、他のモノマー単位を含んでいてもよ い。他のモノマー単位としては、ビニル単量 体A及びビニル単量体Bと共重合可能な重合性 量体に対応するモノマー単位であって、基 に対する密着性及び耐薬品性を損なわない うな構造単位であれば特に限定されない。
このような共重合体が含んでいてもよい のモノマー単位を形成しうる単量体として 前記式(2)で表される(メタ)アクリル酸エス ル、芳香族ビニル化合物、ヒドロキシル基 有単量体、カルボキシル基含有単量体が挙 られる。これらの単量体は単独で又は2種以 を組み合わせて使用できる。
式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステル おいて、R 4 は水素原子又はメチル基を示し、R 5 は炭化水素基置換オキシ基を有していてもよ い炭素数1~15(好ましくは、炭素数1~12)の炭化 素基を示す。R 5 における炭素数1~15の炭化水素基として、メ ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ ル、イソブチル、s-ブチル、t-ブチル、ペン ル、ヘキシル、オクチル、2-エチルヘキシ 、デシル基等のアルキル基;シクロヘキシル ジシクロペンタニル、イソボルニル基等の 環式炭化水素基;フェニル基等のアリール基 ;ベンジル、1-フェニルエチル、2-フェニルエ ル基等のアラルキル基;これらが2以上結合 た基等が挙げられる。
炭素数1~15の炭化水素基が有していてもよ い炭化水素基置換オキシ基としては、例えば 、メトキシ、エトキシ基等のアルコキシ基( えば、炭素数1~10のアルコキシ基);フェノキ 基等のアリールオキシ基;シクロヘキシルオ シ基、ジシクロペンタニルオキシ基等の脂 式炭化水素基置換オキシ基;ベンジルオキシ 基等のアラルキルオキシ基などの炭素数1~15( ましくは、炭素数1~12)の炭化水素基置換オ シ基などが挙げられる。
式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステ の代表的な例として、例えば、メチル(メタ) アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、 チル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル (メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリ ート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、 ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジ クロペンタニルオキシエチル(メタ)アクリ ート、イソボニル(メタ)アクリレート、ベン ジル(メタ)アクリレート、フェニルエチル(メ タ)アクリレートなどが挙げられる。
芳香族ビニル化合物としては、例えば、 チレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエ 、ビニルナフタレン、ビニルビフェニルな が挙げられる。
ヒドロキシル基含有単量体としては、例 ば、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート 、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2 ,3-ジヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4 -ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6-ヒ ロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8-ヒド ロキシオクチル(メタ)アクリレート等のヒド キシアルキル(メタ)アクリレート、4-ヒドロ キシメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレー 、ポリアルキレングリコールモノ(メタ)ア リレート等の、多価アルコールとアクリル またはメタクリル酸とのモノエステル化物 上記多価アルコールとアクリル酸またはメ クリル酸とのモノエステル化物にε-カプロ クトンを開環重合した化合物(ダイセル化学 業株式会社製、プラクセルFAシリーズ、プ クセルFMシリーズ等)やエチレンオキサイド 若しくはプロピレンオキサイドを開環重合 たヒドロキシル基含有化合物などが挙げら る。
カルボキシル基含有単量体としては、例 ば、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げ れる。
式(2)で表される(メタ)アクリル酸エステ 、芳香族ビニル化合物、ヒドロキシル基含 単量体、及びカルボキシル基含有単量体か なる群より選択された少なくとも1種の単量 に対応するモノマー単位の共重合体に占め 割合は、一般に、0~60重量%(例えば、5~60重量 %)、好ましくは0~50重量%(例えば、5~50重量%)、 らに好ましくは0~40重量%(例えば、5~40重量%) ある。
本発明の共重合体の好ましい態様として (i)ビニル単量体Aに対応するモノマー単位と ビニル単量体Bに対応するモノマー単位を合 で全モノマー単位の50重量%以上(特に60重量% 上)含む共重合体、(ii)ビニル単量体Aに対応 るモノマー単位及びビニル単量体Bに対応す るモノマー単位に加えて、式(2)で表される( タ)アクリル酸エステル(特に、メタクリル酸 メチル)に対応するモノマー単位を全モノマ 単位の5~60重量%(好ましくは5~50重量%、さらに 好ましくは5~40重量%)含む共重合体、(iii)ビニ 単量体Aに対応するモノマー単位及びビニル 単量体Bに対応するモノマー単位に加えて、 ドロキシル基含有単量体に対応するモノマ 単位を全モノマー単位の5~60重量%(好ましく 5~50重量%、さらに好ましくは5~40重量%)含む共 重合体、(iv)ビニル単量体Aに対応するモノマ 単位及びビニル単量体Bに対応するモノマー 単位に加えて、カルボキシル基含有単量体に 対応するモノマー単位を全モノマー単位の5~6 0重量%(好ましくは5~50重量%、さらに好ましく 5~40重量%)含む共重合体が挙げられる。
本発明の共重合体は、前記式(1)で表され ブロックイソシアネート基を有するビニル 量体Aと、3~5員の環状エーテル基を有するビ ニル単量体Bと、必要に応じて他の共重合性 量体とを含む単量体混合物を重合(共重合)に 付すことにより製造できる。
重合に用いられる重合開始剤としては、 常のラジカル開始剤が使用できる。例えば 2,2″-アゾビスイソブチロニトリル、2,2″- ゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2″- ゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニト ル)、ジメチル-2,2″-アゾビス(2-メチルプロ オネート)、2,2-アゾビス(イソ酪酸)ジメチル ジエチル-2,2″-アゾビス(2-メチルプロピオ ート)、ジブチル-2,2″-アゾビス(2-メチルプ ピオネート)等のアゾ化合物、ベンゾイルペ オキシド、ラウロイルペルオキシド、t-ブ ルペルオキシピバレート、1,1-ビス(t-ブチル ルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物 、過酸化水素などが挙げられる。過酸化物を ラジカル重合開始剤として使用する場合、還 元剤を組み合わせてレドックス型の開始剤と してもよい。上記のなかでもアゾ化合物が好 ましく、特に、2,2″-アゾビスイソブチロニ リル、2,2″-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニ リル)、2,2-アゾビス(イソ酪酸)ジメチルが好 しい。
重合開始剤の使用量は、円滑な共重合を なわない範囲で適宜選択できるが、通常、 単量体成分及び重合開始剤の総量に対して 1~30重量%程度であり、好ましくは5~25重量%程 度である。
本発明においては、ラジカル重合におい 一般的に使用されている連鎖移動剤を併用 てもよい。具体例としては、チオール類(n- デシルメルカプタン、n-オクチルメルカプ ン、n-ブチルメルカプタン、tert-ブチルメル プタン、n-ラウリルメルカプタン、メルカ トエタノール、メルカプトプロパノール、 リエチレングリコールジメルカプタン等)、 オール酸類(メルカプトプロピオン酸、チオ 安息香酸、チオグリコール酸、チオリンゴ酸 等)、アルコール類(イソプロピルアルコール )、アミン類(ジブチルアミン等)、次亜燐酸 類(次亜燐酸ナトリウム等)、α-メチルスチ ンダイマー、タービノーレン、ミルセン、 モネン、α-ピネン、β-ピネン等を挙げるこ ができ、連鎖移動剤の量は全ラジカル重合 単量体の量に対して、好ましくは0.001~3重量% である。連鎖移動剤を使用する場合は、予め 重合性ビニル単量体に混合させておくことが 好ましい。
重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合 塊状-懸濁重合、乳化重合など、スチレン系 ポリマーやアクリル系ポリマーを製造する際 に用いる慣用の方法により行うことができる 。これらのなかでも溶液重合が好ましい。モ ノマー、重合開始剤は、それぞれ、反応系に 一括供給してもよく、その一部又は全部を反 応系に滴下してもよい。例えば、一定温度に 保持したモノマーと重合溶媒の混合液中に、 重合開始剤を重合溶媒に溶解した溶液を滴下 して重合する方法や、予め単量体、重合開始 剤を重合溶媒に溶解させた溶液を、一定温度 に保持した重合溶媒中に滴下して重合する方 法(滴下重合法)などを採用できる。
重合溶媒は単量体組成等に応じて適宜選択 きる。重合溶媒として、例えば、エーテル( ジエチルエーテル;エチレングリコールモノ はジアルキルエーテル、ジエチレングリコ ルモノ又はジアルキルエーテル、プロピレ グリコールモノ又はジアルキルエーテル、 ロピレングリコールモノ又はジアリールエ テル、ジプロピレングリコールモノ又はジ ルキルエーテル、トリプロピレングリコー モノ又はジアルキルエーテル、1,3-プロパン オールモノ又はジアルキルエーテル、1,3-ブ タンジオールモノ又はジアルキルエーテル、 1,4-ブタンジオールモノ又はジアルキルエー ル、グリセリンモノ,ジ又はトリアルキルエ テル等のグリコールエーテル類などの鎖状 ーテル;テトラヒドロフラン、ジオキサン等 の環状エーテルなど)、エステル(酢酸メチル 酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソアミル 乳酸エチル、3-メトキシプロピオン酸メチ 、3-エトキシプロピオン酸エチル、C 5-6 シクロアルカンジオールモノ又はジアセテー ト、C 5-6 シクロアルカンジメタノールモノ又はジアセ テート等のカルボン酸エステル類;エチレン リコールモノアルキルエーテルアセテート エチレングリコールモノ又はジアセテート ジエチレングリコールモノアルキルエーテ アセテート、ジエチレングリコールモノ又 ジアセテート、プロピレングリコールモノ ルキルエーテルアセテート、プロピレング コールモノ又はジアセテート、ジプロピレ グリコールモノアルキルエーテルアセテー 、ジプロピレングリコールモノ又はジアセ ート、1,3-プロパンジオールモノアルキルエ テルアセテート、1,3-プロパンジオールモノ 又はジアセテート、1,3-ブタンジオールモノ ルキルエーテルアセテート、1,3-ブタンジオ ルモノ又はジアセテート、1,4-ブタンジオー ルモノアルキルエーテルアセテート、1,4-ブ ンジオールモノ又はジアセテート、グリセ ンモノ,ジ又はトリアセテート、グリセリン ノ又はジC 1-4 アルキルエーテルジ又はモノアセテート、ト リプロピレングリコールモノアルキルエーテ ルアセテート、トリプロピレングリコールモ ノ又はジアセテート等のグリコールアセテー ト類又はグリコールエーテルアセテート類な ど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノ 、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン ど)、アミド(N,N-ジメチルアセトアミド、N,N- ジメチルホルムアミドなど)、スルホキシド( メチルスルホキシドなど)、アルコール(メ ノール、エタノール、プロパノール、C 5-6 シクロアルカンジオール、C 5-6 シクロアルカンジメタノールなど)、炭化水 (ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族 化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シ ロヘキサン等の脂環式炭化水素など)、これ らの混合溶媒などが挙げられる。重合温度は 、例えば30~150℃程度の範囲で適宜選択できる 。
上記方法により本発明の共重合体が生成 る。共重合体の重量平均分子量は、例えば5 00~100000、好ましくは1000~40000、さらに好まし は2000~30000程度である。共重合体の分散度(重 量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は1~3程度であ る。
上記方法で得られた重合液は、必要に応 て固形分濃度を調整したり、溶媒交換した 、濾過処理を施した後、さらに必要に応じ 、硬化触媒[熱酸発生剤(熱硬化触媒、熱カ オン重合開始剤)、光酸発生剤(光硬化触媒、 光カチオン重合開始剤)]、硬化剤、硬化促進 、添加剤(充填剤、消泡剤、難燃剤、酸化防 止剤、紫外線吸収剤、低応力化剤、可とう性 付与剤、ワックス類、樹脂、架橋剤、ハロゲ ントラップ剤、レベリング剤、濡れ改良剤な ど)を配合することにより、硬化性樹脂組成 を得ることができる。また、重合により生 したポリマーを沈殿又は再沈殿等により精 し、この精製したポリマーを、前記適宜な 加物とともに用途に応じた溶媒に溶解する とにより、硬化性樹脂組成物を得ることも きる。
前記硬化触媒のうち、熱酸発生剤として 、例えば、サンエイドSI-45、同左SI-47、同左 SI-60、同左SI-60L、同左SI-80、同左SI-80L、同左SI -100、同左SI-100L、同左SI-145、同左SI-150、同左S I-160、同左SI-110L、同左SI-180L(以上、三新化学 業社製品、商品名)、CI-2921、CI-2920、CI-2946、 CI-3128、CI-2624、CI-2639、CI-2064(以上、日本曹達( 株)社製品、商品名)、CP-66、CP-77(旭電化工業 製品、商品名)、FC-520(3M社製品、商品名)など に代表されるジアゾニウム塩、ヨードニウム 塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、セレ ニウム塩、オキソニウム塩、アンモニウム塩 等を使用できる。
光酸発生剤としては、例えば、サイラキ アUVI-6970、サイラキュアUVI-6974、サイラキュ アUVI-6990、サイラキュアUVI-950(以上、米国ユ オンカーバイド社製、商品名)、イルガキュ 261(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製 、商品名)、SP-150、SP-151、SP-170、オプトマーSP -171(以上、旭電化工業株式会社製、商品名)、 CG-24-61(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社 製、商品名)、DAICATII(ダイセル化学工業社製 商品名)、UVAC1591(ダイセル・サイテック(株) 製、商品名)、CI-2064、CI-2639、CI-2624、CI-2481、 CI-2734、CI-2855、CI-2823、CI-2758(以上、日本曹達 製品、商品名)、PI-2074(ローヌプーラン社製 商品名、ペンタフルオロフェニルボレート ルイルクミルヨードニウム塩)、FFC509(3M社製 品、商品名)、BBI-102、BBI-101、BBI-103、MPI-103、T PS-103、MDS-103、DTS-103、NAT-103、NDS-103(ミドリ化 社製、商品名)、CD-1012(米国、Sartomer社製、 品名)などに代表されるジアゾニウム塩、ヨ ドニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウ 塩、セレニウム塩、オキソニウム塩、アン ニウム塩等を使用できる。
硬化触媒の添加量は、硬化性樹脂組成物 の前記共重合体(樹脂分)に対して、例えば0. 05~10重量%、好ましくは0.5~5重量%である。硬化 触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使 できる。
こうして得られる硬化性樹脂組成物は、 化により基材や基板に対して高い密着性を するとともに、耐溶剤性や耐アルカリ性等 耐薬品性に優れた硬化物(硬化皮膜等)を得 ことができる。そのため、塗料、コーティ グ剤、粘接着剤等として有用であり、特に 子材料分野で好適に使用できる。
上記硬化性樹脂組成物を硬化させること より諸物性に優れた硬化物が得られる。例 ば、上記硬化性樹脂組成物を、スピンコー ー、スリットコーターなどの方式によって 各種基材又は基板へ塗工して塗膜を形成し 後、該塗膜を硬化させることにより硬化物 得ることができる。基材又は基板としては ガラス、セラミック、シリコンウエハ、金 、プラスチックなどが挙げられる。スピン ーターやスリットコーター等による塗工は 知の方法により行うことができる。
塗膜の硬化は加熱すること、あるいは活 エネルギー線を照射し露光すること、又は 光後に加熱することにより行われる。上記 化性樹脂組成物を熱により硬化させる場合 加熱温度は50℃から260℃の範囲、好ましく 80℃から240℃の範囲である。また、上記硬化 性樹脂組成物を光により硬化させる場合、露 光には種々の波長の光線、例えば、紫外線、 X線、g線、i線、エキシマレーザーなどが使用 される。硬化後の塗膜の厚みは、用途によっ て適宜選択できるが、一般には0.1~40μm、好ま しくは0.3~20μm、より好ましくは0.5~10μm程度で ある。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳
に説明するが、本発明はこれらの実施例に
り限定されるものではない。なお、生成し
共重合体の重量平均分子量(ポリスチレン換
算)及び分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子
Mn)は、以下の条件にて測定した。
装置:検出器:RID-10A(島津製作所)
ポンプ:LC-10ADVP(島津製作所)
システムコントローラー:SCL-10AVP(島津
作所)
デガッサー:DGU-14A(島津製作所)
オートインジェクター:SIL-10AF(島津製作
所)
カラム:Waters Styragel HR3, Styragel HR4, Styragel
HR5 計3本
移動相:THF
流量:1mL/min
温度:オーブン(40℃)、RI(40℃)
検出器:RI POLARITY(+)
注入量:50μL
実施例1
還流冷却器、滴下ロート及び撹拌機を備え
1Lのフラスコ内に窒素を適量流して窒素雰
気とし、プロピレングリコールモノメチル
ーテルアセテート100重量部を入れ、撹拌し
がら80℃まで加熱した。次いで、該フラスコ
内に、メタクリル酸3,4-エポキシシクロヘキ
ルメチル(商品名「サイクロマーM100」、ダイ
セル化学工業株式会社製)60重量部、メタクリ
ル酸2-[O-(1″-メチルプロピリデンアミノ)カル
ボキシアミノ]エチル(商品名「カレンズMOI-BM
、昭和電工株式会社製)40重量部を、プロピ
ングリコールモノメチルエーテルアセテー
30重量部に溶解した溶液を滴下ポンプを用
て約4時間かけて滴下した。一方、重合開始
2,2″-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)
5重量部をプロピレングリコールモノメチル
ーテルアセテート90重量部に溶解した溶液を
別の滴下ポンプを用いて約4時間かけてフラ
コ内に滴下した。重合開始剤の滴下が終了
た後、約4時間同温度に保持し、その後室温
で冷却して、固形分32.6重量%の共重合体溶
を得た。生成した共重合体の重量平均分子
Mwは9000、分散度1.80であった。
実施例2
単量体組成を、メタクリル酸3,4-エポキシシ
クロヘキシルメチル(商品名「サイクロマーM1
00」、ダイセル化学工業株式会社製)60重量部
メタクリル酸2-[O-(1″-メチルプロピリデン
ミノ)カルボキシアミノ]エチル(商品名「カ
ンズMOI-BM」、昭和電工株式会社製)20重量部
メタクリル酸2-ヒドロキシエチル(HEMA)20重量
に変更する以外は、実施例1と同様の操作を
行い、固形分32.6重量%の共重合体溶液を得た
生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9300
分散度1.86であった。
実施例3
単量体組成を、メタクリル酸3,4-エポキシシ
クロヘキシルメチル(商品名「サイクロマーM1
00」、ダイセル化学工業株式会社製)60重量部
メタクリル酸2-[O-(1″-メチルプロピリデン
ミノ)カルボキシアミノ]エチル(商品名「カ
ンズMOI-BM」、昭和電工株式会社製)20重量部
メタクリル酸メチル20重量部に変更する以外
は、実施例1と同様の操作を行い、固形分32.6
量%の共重合体溶液を得た。生成した共重合
体の重量平均分子量Mwは9300、分散度1.86であ
た。
実施例4
単量体組成を、メタクリル酸3,4-エポキシシ
クロヘキシルメチル(商品名「サイクロマーM1
00」、ダイセル化学工業株式会社製)60重量部
メタクリル酸2-[O-(1″-メチルプロピリデン
ミノ)カルボキシアミノ]エチル(商品名「カ
ンズMOI-BM」、昭和電工株式会社製)20重量部
メタクリル酸20重量部に変更する以外は、実
施例1と同様の操作を行い、固形分32.6重量%の
共重合体溶液を得た。生成した共重合体の重
量平均分子量Mwは9300、分散度1.86であった。
実施例5
エポキシ基含有モノマーを「サイクロマーM
100」からメタクリル酸グリシジルに変更する
以外は、実施例1と同様の操作を行い、固形
32.6重量%の共重合体溶液を得た。生成した共
重合体の重量平均分子量Mwは9300、分散度1.86
あった。
実施例6
単量体組成を、メタクリル酸3,4-エポキシシ
クロヘキシルメチル(商品名「サイクロマーM1
00」、ダイセル化学工業株式会社製)30重量部
メタクリル酸グリシジル30重量部、メタク
ル酸2-[O-(1″-メチルプロピリデンアミノ)カ
ボキシアミノ]エチル(商品名「カレンズMOI-BM
」、昭和電工株式会社製)20重量部、メタクリ
ル酸2-ヒドロキシエチル20重量部に変更する
外は、実施例1と同様の操作を行い、固形分3
2.5重量%の共重合体溶液を得た。生成した共
合体の重量平均分子量Mwは9800、分散度1.80で
った。
比較例1
単量体組成をすべて「サイクロマーM100」に
変更する以外は、実施例1と同じ操作を行い
固形分32.3重量%の共重合体溶液を得た。生成
した共重合体の重量平均分子量Mwは9800、分散
度1.86であった。
比較例2
単量体組成をすべて「カレンズMOI-BM」に変
する以外は、実施例1と同じ操作を行い、固
形分32.0重量%の共重合体溶液を得た。生成し
共重合体の重量平均分子量Mwは9500、分散度1
.85であった。
比較例3
単量体組成を、メタクリル酸3,4-エポキシシ
クロヘキシルメチル(商品名「サイクロマーM1
00」、ダイセル化学工業株式会社製)60重量部
γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ン(商品名「SZ6030」、東レ・ダウコーニング
株式会社製)40重量部に変更する以外は、実施
例1と同じ操作を行い、固形分31.5重量%の共重
合体溶液を得た。生成した共重合体の重量平
均分子量Mwは9800、分散度1.85であった。
評価試験
(1)評価用試験片の作製
基材に、各実施例及び比較例で得られた共
合体溶液(硬化性樹脂組成物)をスピンコー
ーで塗布したのち、100℃のホットプレート
3分間加熱後、80℃のオーブン中で30分間加熱
し、さらに220℃のオーブン中で30分間加熱す
ことで各評価用試験片を作製した。基材と
て、ガラス板とステンレス板を用いた。
(2)密着性
実施例及び比較例において、耐溶剤性試験
実施した箇所についてJIS K-5600-5-6に準拠し
基材からの剥離により密着性を測定した。
た、JIS K5600-5-6 8.3 表1 試験結果の分類で
定された分類に従って下記基準に基づいて
価した。
◎・・・試験結果の分類の「0」であった
○・・・試験結果の分類の「1」であった
△・・・試験結果の分類の「2」であった
×・・・試験結果の分類の「3」「4」であ
た。
(3)耐溶剤性
実施例及び比較例において、ガラス板で作
した評価用試験片へ、イソプロピルアルコ
ル(IPA)、メチルエチルケトン(MEK)、N―メチ
ピロリドン(NMP)をそれぞれ1滴づつ滴下し、10
分間放置した。その後水洗し、溶剤を滴下し
た箇所が全く変化していなかったら◎、僅か
に溶剤の跡が残るが、拭き取れば消えるよう
であれば○、溶剤の跡が残り、拭き取っても
消えないようであれば△、全面的に変色して
いたら×とした。ステンレス板で作製した評
用試験片を用いた場合も同様の結果が得ら
た。
(4)耐アルカリ性
実施例及び比較例において、ガラス板で作
した評価用試験片へ、1重量%NaOH水溶液を1滴
ずつ滴下し、10分間放置した。その後水洗し
1重量%NaOH水溶液を滴下した箇所が全く変化
ていなかったら◎、僅かに滴下した跡が残
が、拭き取れば消えるようであれば○、滴
した跡が残り、拭き取っても消えないよう
あれば△、全面的に変色していたら×とし
。
評価試験の結果を表1に示す。
表より明らかなように、実施例の共重合 溶液から得られた硬化塗膜は、基材(ガラス 及びステンレス)に対する密着性、耐溶剤性 耐アルカリ性の何れの点でも優れていた。 れに対し、比較例1の共重合体溶液から得ら た硬化塗膜は基材に対する密着性が、比較 2の共重合体溶液から得られた硬化塗膜は耐 溶剤性が、比較例3の共重合体溶液から得ら た硬化塗膜は耐溶剤性及び耐アルカリ性が それぞれ劣っていた。
本発明の共重合体を含む硬化性樹脂組成 を硬化させることにより、基材や基板に対 て高い密着性を有するとともに、耐溶剤性 耐アルカリ性等の耐薬品性に優れた硬化物( 硬化皮膜等)を得ることができる。そのため 塗料、コーティング剤、粘接着剤等として 用でき、特に電子材料分野で好適に使用で る。