Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
DOPANT IMPLANTING METHOD AND DOPING APPARATUS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149686
Kind Code:
A1
Abstract:
A doping apparatus (3) is provided with a dopant holding section (32), which holds solid-state Ge at a normal temperature, liquefies the Ge in the vicinity of a surface of a semiconductor melt (S) and has a communication hole (321) formed for permitting the liquefied Ge to flow downward; a covering section (31) for covering the Ge held by the dopant holding section (32); and a ventilation hole (313) formed on the covering section (31) for ventilating air to and from the external. A dopant implanting method is provided with a step of filling the doping apparatus with a solid-state Ge dopant (D); a step of holding the doping apparatus (3) at a prescribed height from the surface of the semiconductor melt and liquefying the applied solid-state Ge dopant; and a step of doping a semiconductor melt (S) with the liquefied Ge from the communication hole (321).

Inventors:
NARUSHIMA YASUHITO (JP)
KAWAZOE SHINICHI (JP)
OGAWA FUKUO (JP)
KUBOTA TOSHIMICHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059508
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 23, 2008
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SUMCO TECHXIV CORP (JP)
NARUSHIMA YASUHITO (JP)
KAWAZOE SHINICHI (JP)
OGAWA FUKUO (JP)
KUBOTA TOSHIMICHI (JP)
International Classes:
C30B29/06; C30B15/04
Foreign References:
JPS59156993A1984-09-06
JPH097961A1997-01-10
JP2004175658A2004-06-24
JP2005336020A2005-12-08
JPH0585878A1993-04-06
JPH061688A1994-01-11
JPH08295591A1996-11-12
Attorney, Agent or Firm:
KINOSHITA & ASSOCIATES (Ogikubo TM building26-13, Ogikubo 5-chome,Suginami-k, Tokyo 51, JP)
Download PDF:
Claims:
 半導体融液中にゲルマニウム(Ge)をドープするドーパントの注入方法であって、
 常温で固体状のGeを保持するとともに、前記半導体融液表面近傍で液化させ、液化したGeを下方に流す連通孔が形成されたドーパント保持部と、このドーパント保持部に保持されたGeを覆う被覆部と、前記被覆部に形成され、外部との通気を行う通気孔とを備えたドーピング装置に、固体状のGeを装填する工程と、
 前記ドーピング装置を前記半導体融液表面から所定の高さに保持し、装填された固体状のGeを液化させる工程と、
 前記連通孔より前記半導体融液中に液化したGeをドーピングする工程とを実施することを特徴とするドーパントの注入方法。
 請求項1に記載のドーパントの注入方法において、
 前記Geを液化させる工程、及び、前記液化したGeをドーピングする工程の少なくともいずれかで前記連通孔を前記半導体融液に浸け込むことを特徴とするドーパントの注入方法。
 請求項1に記載のドーパントの注入方法において、
 前記ドーパント装置は、前記ドーパント保持部の下部に設けられ、前記連通孔から流れ出した液化したGeを前記半導体融液表面に導く導管を備え、
 前記Geを液化させる工程、及び、前記液化したGeをドーピングする工程の少なくともいずれかで前記導管を前記半導体融液に浸け込むことを特徴とするドーパントの注入方法。
 半導体融液中にゲルマニウム(Ge)をドープするドーパントの注入方法であって、
 常温で固体状のGeを保持するとともに、前記半導体融液表面近傍で液化させ、液化したGeを下方に流す長孔状の連通孔が形成されたドーパント保持部と、このドーパント保持部に保持されたGeを覆う被覆部と、前記ドーパント保持部の下部に設けられ、前記連通孔から流れ出した液化したGeを前記半導体融液表面に導く導管とを備えたドーピング装置に、固体状のGeを装填する工程と、
 前記ドーピング装置を前記半導体融液表面から所定の高さに保持し、装填された固体状のGeを液化させる工程と、
 前記連通孔より前記導管を介して前記半導体融液中に液化したGeをドーピングする工程とを実施することを特徴とするドーパントの注入方法。
 請求項4に記載のドーパントの注入方法において、
 前記Geを液化させる工程、及び、前記液化したGeを前記半導体融液にドーピングする工程の少なくともいずれかで前記導管を前記半導体融液に浸け込むことを特徴とするドーパントの注入方法。
 請求項5に記載のドーパントの注入方法において、
 前記ドーピング装置には、前記被覆部に外部との通気を行う通気孔が形成されていることを特徴とするドーパントの注入方法。
 半導体融液中にゲルマニウム(Ge)をドープするドーピング装置であって、
 常温で固体状のGeを保持するとともに、前記半導体融液表面近傍で液化させ、液化したGeを下方に流す連通孔が形成されたドーパント保持部と、このドーパント保持部に保持されたGeを覆う被覆部と、前記ドーパント保持部の下部に設けられ、前記連通孔から流れ出した液化したGeを前記半導体融液表面に導く導管とを備え、
 前記連通孔は、長孔状に形成されていることを特徴とするドーピング装置。
 請求項7に記載のドーピング装置において、
 前記被覆部には、外部との通気を行う通気孔が形成されていることを特徴とするドーピング装置。
Description:
ドーパントの注入方法、及びド ピング装置

 本発明は、ドーパントの注入方法、及び ーピング装置に関する。

 CZ(チョクラルスキー)法による単結晶育成工 程においては、赤リン(P)、砒素(As)等の主ド パントの他に副ドーパントとしてゲルマニ ム(Ge)注入する方法が知られている。
 このGeは、常温では固体物であるため、従 は、坩堝内の半導体融液中に直接投下する 法が採用されていた。
 しかし、このように直接固体物を投下する 合、投下により半導体融液が飛散し、チャ バや炉内に付着したものが引き上げ中に落 し、単結晶化を阻害するという問題がある また、固体物が半導体融液中に投下される 、Geの投下により気体が巻き込まれ、それ ピンホールとなって単結晶の歩留まり(yield  rate)を悪化させるという問題がある。

 このため、特許文献1では、側壁部及び上 部が密閉され、下部に格子状の網が形成され た低融点ドーパント注入管にGe等の低融点ド パントを装填し、これを半導体融液内に浸 こむと、低融点ドーパントが半導体融液の で溶融し、半導体融液内部に溶け込ませる いう技術が提案されている(例えば、特許文 献1参照)。

特開2004-137140号公報

 しかしながら、前記特許文献1に記載の技術 では、ドーパント注入管の上部及び側壁部が 密閉され、ドーパント注入管の内部のガスの 逃げ道がないので、注入管を浸け込んだ際、 坩堝内の半導体融液を噴出させてしまう可能 性がある。
 また、同様に、注入管の上部及び側壁部が 閉されているため、注入管の引き上げ時に 部に半導体融液が吸い込まれ、半導体融液 固化し、注入管に割れが生じる可能性があ という問題がある。

 本発明の主な目的は、半導体融液中にGe ドープするドーパントの注入方法において 半導体融液の飛散をなくすことができ、か 引き上げ装置内部の汚染を防止することの きるドーパントの注入方法及びドーピング 置を提供することにある。

 本発明に係るドーパントの注入方法は、 導体融液中にゲルマニウム(Ge)をドープする ドーパントの注入方法であって、常温で固体 状のGeを保持するとともに、前記半導体融液 面近傍で液化させ、液化したGeを下方に流 連通孔が形成されたドーパント保持部と、 のドーパント保持部に保持されたGeを覆う被 覆部と、前記被覆部に形成され、外部との通 気を行う通気孔とを備えたドーピング装置に 、固体状のGeを装填する工程と、前記ドーピ グ装置を前記半導体融液表面から所定の高 に保持し、装填された固体状のGeを液化さ る工程と、前記連通孔より前記半導体融液 に液化したGeをドーピングする工程とを実施 することを特徴とする。

 ここで、ドーパント保持部によりGeを所定 位置に保持する高さ寸法としては、Geの融点 近傍となるような高さ寸法にするのが望まし く、例えば、半導体融液の温度が1412℃の場 、Geの融点958.8℃になるような高さ位置とす のが好ましい。
 この発明によれば、Geをドーピング装置に 填し、このドーピング装置内で半導体融液 熱によりGeを液化させた後、連通孔から半導 体融液中に液化したGeをドーピングしている この際、ドーピング装置の被覆部に外部と 通気を行う通気孔が形成されているため、 覆部で囲まれた内部の空間と外部の空間の 力が調整され、液化したGeが滞留すること 防止して、液化したGeを連通孔から速やかに 半導体融液中にドーピングすることができる 。また、通気孔によりドーパント保持部のGe 覆う被覆部内部の空間が密閉されないので 滴下後に半導体融液がドーピング装置内部 吸い込まれ、ドーピング装置に割れが生じ こともない。

 以上において、Geを液化させる工程、及び 前記液化したGeをドーピングする工程の少な くともいずれかで前記連通孔を前記半導体融 液に浸け込むのが好ましい。
 この発明によれば、Geを液化させる工程、 び、前記液化したGeをドーピングする工程の 少なくともいずれかで連通孔を半導体融液に 浸け込むことにより、固体状のGe等を直接半 体融液に投入した場合のように、半導体融 が飛散することがなく、引き上げ装置内部 汚染することもない。

 本発明では、前記ドーパント装置は、前記 ーパント保持部の下部に設けられ、前記連 孔から流れ出した液化したGeを前記半導体 液表面に導く導管を備えている場合、導管 半導体融液に浸け込まなくてもよいが、前 Geを液化させる工程、及び、前記液化したGe ドーピングする工程の少なくともいずれか 前記導管を前記半導体融液に浸け込むのが ましい。
 この発明によれば、Geを液化させる際、導 を浸け込んでおくことにより、連通孔を半 体融液中に浸け込む際に液化したGeがシリコ ン融液に落下した際に液ハネが発生すること がなく、炉内を汚染することがない。

 また、本発明に係るドーパントの注入方 は、半導体融液中にゲルマニウム(Ge)をドー プするドーパントの注入方法であって、常温 で固体状のGeを保持するとともに、前記半導 融液表面近傍で液化させ、液化したGeを下 に流す長孔状の連通孔が形成されたドーパ ト保持部と、このドーパント保持部に保持 れたGeを覆う被覆部と、前記ドーパント保持 部の下部に設けられ、前記連通孔から流れ出 した液化したGeを前記半導体融液表面に導く 管とを備えたドーピング装置に、固体状のG eを装填する工程と、前記ドーピング装置を 記半導体融液表面から所定の高さに保持し 装填された固体状のGeを液化させる工程と、 前記連通孔より前記導管を介して前記半導体 融液中に液化したGeをドーピングする工程と 実施することを特徴とする。

 ここで、Geを液化させる工程、及び、前記 化したGeをドーピングする工程のいずれにお いても導管を半導体融液に浸け込まなくても よいが、少なくともいずれかの工程で浸け込 むのが好ましく、さらに、いずれの工程でも 導管を浸け込んでおくのがより好ましい。尚 、連通孔の浸け込みを行わない場合には、液 化したGeが半導体融液に落下して液ハネによ 炉内が汚染されることを防止するために、 管があった方がより望ましい。
 この発明によれば、Geをドーピング装置に 填し、このドーピング装置内で半導体融液 熱によりGeを液化させた後、液化したGeを、 管を介して半導体融液に導いているので、 体のGe等を直接半導体融液に投入した場合 ように、半導体融液が飛散することがなく 引き上げ装置内部での単結晶化が悪くなる ともない。また、半導体融液にはドーピン 装置の下端しか浸け込まないので、半導体 液中に不純物の混入する可能性をより防止 ることができる。

 また、連通孔を長孔状とすることにより、 面張力等の影響により液化したGeをドーパ ト保持部に滞留させることなく、速やかに 導体融液に導くことができる。
 さらに、Geを液化させる工程、及び、液化 たGeをドーピングする工程のいずれでも導管 を浸け込んでおくことにより、Geの液化を促 することができる上、導管により液化したG eが半導体融液に落下しても、液ハネによる 内汚染を防止できるため、ドーパントの注 手順を簡略化できる。

 以上において、前記ドーピング装置には、 記被覆部に外部との通気を行う通気孔が形 されているのが好ましい。
 この発明によれば、ドーパント保持部のGe 覆う被覆部内部の空間が密閉されないので 液化したGeが被覆部内部の空間の減圧状態に よって滴下しにくくなったり、滴下後に半導 体融液がドーピング装置内部に吸い込まれ、 ドーピング装置に割れが生じることもない。

 本発明に係るドーピング装置は、常温で固 状のGeを保持するとともに、前記半導体融 表面近傍で液化させ、液化したGeを下方に流 す連通孔が形成されたドーパント保持部と、 このドーパント保持部に保持されたGeを覆う 覆部と、前記ドーパント保持部の下部に設 られ、前記連通孔から流れ出した液化したG eを前記半導体融液表面に導く導管とを備え 前記連通孔は、長孔状に形成されているこ を特徴とする。
 また、以上において、前記被覆部には、外 との通気を行う通気孔が形成されているの 好ましい。
 このようなドーピング装置であれば、前述 たドーパントの注入方法に係る発明に好適 用いることができる。

本発明の第1実施形態に係る引き上げ装 置の構造を示す模式断面図。 前記実施形態におけるドーピング装置 構造を表す図。 前記実施形態におけるドーピング装置 によるドーピング方法を説明するための模式 図。 前記実施形態におけるドーピング装置 によるドーピング方法を説明するための模式 図。 本発明の第2実施形態に係る引き上げ装 置の構造を示す模式断面図。 前記実施形態におけるドーピング装置 構造を表す図。 前記実施形態におけるドーピング装置 構成する主ドーパント収容部の構造を表す 。 前記実施形態におけるドーピング装置 構成する副ドーパント収容部の構造を表す 。 前記実施形態におけるドーピング装置 よるドーピング方法を説明するための模式 。 前記実施形態における効果を説明する めのグラフ。 前記実施形態における効果を説明する ためのグラフ。 前記実施形態の変形となるドーピン 装置によるドーピング方法を説明するため 模式図。 前記実施形態の変形となるドーピン 装置によるドーピング方法を説明するため 模式図

符号の説明

 1…引き上げ装置、2…装置本体、3、4、5 ドーピング装置、20…チャンバ、21…坩堝、2 2…加熱部、23…引き上げ部、24…シールド、2 5…断熱筒、26…支持軸、31…被覆部、32…ド パント保持部、33…導管、34…支持部、41… ドーパント収容部、42…副ドーパント収容部 、43…案内部、44…支持部、211…第一坩堝、21 2…第二坩堝、311…胴部、312…蓋部、313…孔 321…連通孔、411…胴部、412…底部、412A…爪 413…蓋部、413A…開口部、414…突起、421…筒 状体、421A…突起、421B…孔、422…ドーパント 持部、422A…連通孔、431…胴部、432…蓋部、 433…係止突起、D…Geドーパント、D1…主ドー ント、D2…副ドーパント、H…高さ寸法、H1 高さ寸法、H2…高さ寸法、S…シリコン融液

 次に、本発明の実施形態について、図面に づいて説明する。
 〔第1実施形態〕
 〔1〕全体構成
 図1には、本発明の第1実施形態に係る引き げ装置1が示されている。
 引き上げ装置1は、引き上げ装置本体2と、 ーピング装置3とを有する。
 引き上げ装置本体2は、チャンバ20と、この ャンバ20内に配置された坩堝21と、この坩堝 21に熱を放射して加熱する加熱部22と、引き げ部23と、シールド24と、断熱筒25とを備え 。

 チャンバ20内には上方から下方に向かって 活性ガス、例えば、アルゴンガスが導入さ る。また、チャンバ20内の圧力は制御可能と なっている。ドーピングを行なう際には、チ ャンバ20内の圧力を、5332Pa以上、79980Pa以下と する。
 坩堝21は、半導体ウェハの原料である多結 のシリコンを融解し、シリコンの融液とす ものである。坩堝21は、有底の円筒形状であ り石英製の第一坩堝211と、この第一坩堝211の 外側に配置され、第一坩堝211を収納する黒鉛 製の第二坩堝212とを備えている。坩堝21は、 定の速度で回転する支持軸26に支持されて る。

 加熱部22は、坩堝21の外側に配置されており 、坩堝21を加熱して、坩堝21内のシリコンを 解する。
 引き上げ部23は、坩堝21上部に配置されてお り、種子結晶又はドーピング装置3が取り付 られる。引き上げ部23は回転可能に構成され ている。
 断熱筒25は、坩堝21及び加熱部22の周囲を取 囲むように配置されている。
 シールド24は、加熱部22からドーピング装置 3に向かって放射される輻射熱を遮断する熱 蔽用シールドである。このシールド24は、ド ーピング装置3の周囲を取り巻くように配置 れており、融液の表面を覆うように設置さ ている。このシールド24は、下端側の開口部 が上端側の開口部より小さくなった円錐形状 となっている。

 〔2〕ドーピング装置3の構造
 ドーピング装置3は、坩堝21内で融解したシ コン融液中に、固体状のゲルマニウム(Ge)を 液化させて注入するものであり、図2に示さ るように、被覆部31、ドーパント保持部32、 管33及び支持部34を備えて構成され、支持部 34の上端が装置本体2の引き上げ部23に取り付 られる(図1参照)。
 被覆部31は、装置本体2内でドーパントの注 を行う際に、内部に収容されたドーパント 保護する部分であり、両端が開口された円 状体からなる胴部311と、この胴部311の上端 を塞ぐ蓋部312とを備えている。
 蓋部312は、ドーパントを内部に収納するた に、胴部311と着脱可能に構成され、その上 には、支持部34が突設されている。
 また、胴部311の側面には、被覆部31の内外 連通させる孔313が形成されている。

 ドーパント保持部32は、被覆部31内に収容さ れたGeドーパントを保持する部分であり、被 部31の胴部311の下端面を塞ぐ円錐状に構成 れ、円錐状の底部中央に円形の連通孔321が 成された漏斗である。
 連通孔321は、固体状のGeドーパントが脱落 ないように、Geドーパントの粒径よりも小さ な孔径に設定されるが、この連通孔321の孔径 が小さすぎると、液化したGeドーパントの表 張力により、Geドーパントを完全に坩堝21内 に投入できないことがある。
 導管33は、ドーパント保持部32上のGeドーパ トが液化した際、外部に飛散させずに、シ コン融液に導く部分であり、被覆部31の径 りも小さな円筒状体から構成され、その上 は、ドーパント保持部32の円錐外周面に接合 されている。
 このようなドーピング装置3を構成する被覆 部31、ドーパント保持部32、及び導管33は、す べて透明石英で構成され、各部を互いに熱等 で接合することにより組み立てられる。

 〔3〕引き上げ装置1によるGeドーパントの注 入方法
 次に、前述した構造の引き上げ装置1によっ てシリコン融液S中にGeドーパントDをドープ る方法について説明する。
 まず、被覆部31の蓋部312を取り外し、内部 固体状のGeドーパントDを装填する。この状 でGeドーパントDは、ドーパント保持部32で引 っ掛かり保持される。
 次に、蓋部312を胴部311に取り付けた後、ド ピング装置3を装置本体2の引き上げ部23に取 り付ける。

 そして、装置本体2の引き上げ部23の上下位 を調整して、図3Aに示されるように、ドー ング装置3の導管33の下端をシリコン融液Sに け込んで、GeドーパントDがシリコン融液Sの 液面から所定の高さ寸法Hとなるようにする
 高さ寸法Hは、シリコン融液Sの熱でGeドーパ ントを液化させるために、Geの融点近傍とな 高さ寸法とするのが好ましく、固体状のGe ーパントがその融点958.8℃程度になるような 位置とするのが好ましい。
 GeドーパントDが略液化したが、表面張力の 係で導管33内を流下しない場合、図3Bに示さ れるように、ドーピング装置3をさらに下降 せ、ドーパント保持部32の連通孔321をシリコ ン融液Sの液面に浸け込み、液化したGeドーパ ントDをシリコン融液S中に拡散させる。尚、G eドーパントDが連通孔321から適切に導管33を して流下するのであれば、浸け込みを行う 要は必ずしもない。
 GeドーパントDの注入が終了したら、主ドー ントである赤燐や砒素によるシリコン融液S のドープを行う。

 〔第2実施形態〕
 次に、本発明の第2実施形態について説明す る。尚、以下の説明では、既に説明した部分 と同一の部分等については、同一符号を付し てその説明を省略する。
 前述の第1実施形態では、ドーピング装置3 よってGeドーパントを液化させてシリコン融 液S中に注入した後、赤燐、砒素の主ドーパ トのドーピングを行っていた。
 これに対して、第2実施形態では、図4に示 れるように、主ドーパントである赤燐、砒 等の常温では固体だが、シリコンの融点近 で気化するドーパントD1と、副ドーパントで あるGeドーパントD2を、同時にシリコン融液 に注入することのできるドーピング装置4を いている点が相違する。

 〔1〕ドーピング装置4の構造
 ドーピング装置4は、図5に示されるように 主ドーパント収容部41、副ドーパント収容部 42、案内部43、及び支持部44を備えて構成され 、主ドーパント収容部41の下に副ドーパント 容部42が取り付けられ、主ドーパント収容 41及び副ドーパント収容部42の外側を覆うよ に案内部43が設けられ、案内部43の上面に支 持部44が設けられ、支持部44の上端が引き上 装置1の引き上げ部23に取り付けられる(図4参 照)。

 主ドーパント収容部41は、主ドーパントD1を 収容する部分であり、有底の円筒状体から構 成されている。
 より詳細に説明すると、図6に示されるよう に、主ドーパント収容部41は、円筒状の胴部4 11と、この胴部411の下端面を塞ぐ底部412と、 部411の上端面に設けられる蓋部413とを備え 構成される。
 胴部411の上部近傍の外周面には、複数の突 414が突出して設けられている。
 底部412は、胴部411の下端面を塞ぎ、収容さ た主ドーパントD1を支持する部分である。 の底部412の下面周縁には、鉤状の爪412Aが複 下方に突出して設けられている。
 蓋部413は、胴部411の上端面を塞ぐように設 られるが、略中央には、主ドーパントD1が 化した際、ドーパントガスを下方に導くた の開口部413Aが形成されている。

 副ドーパント収容部42は、図7に示されるよ に、主ドーパント収容部41の胴部411よりも の小さな筒状体421と、この筒状体421の内部 間部分に設けられるドーパント保持部422と 備えて構成される。筒状体421は、ドーパン 保持部422から下側が導管とされ、上側がGeド ーパントD2が収納される被覆部とされる。
 筒状体421は、上下に開口された円筒状体と て構成され、この筒状体421の外周面上端に 、複数の突起421Aが突出して設けられている 。また、この筒状体421のドーパント保持部422 で区画される下側の部分には、筒状体421の内 外を貫通する孔421Bが1箇所形成されている。

 ドーパント保持部422は、2枚の板状体を谷状 に組合せた構成を有し、2枚の板状体のなす は、例えば、略90度とされる。このドーパン ト保持部422の板状体の下端部分には、隙間が 設けられ、この隙間が連通孔422Aとなる。
 連通孔422Aは、筒状体421の円筒の直径方向に 沿って延びる長孔状に形成されている。尚、 この連通孔422Aの幅寸法は、収容されるGeドー パントD2の粒径よりも小さく設定され、例え 、略3mm程度の幅寸法に設定されている。尚 この連通孔422Aの幅寸法が小さすぎると、液 化したGeドーパントの表面張力により、Geド パントを完全に坩堝21内に投入できないこと がある。

 案内部43は、引き上げ装置1内で上方から下 に流れる不活性ガスが主ドーパント収容部4 1に直接吹き付けられることを防止するとと に、主ドーパントD1から気化したドーパント ガスをシリコン融液Sに導くために設けられ 胴部431、蓋部432とを備えて構成される。
 胴部431は、主ドーパント収容部41及び副ド パント収容部42を囲む大径の円筒状体として 構成され、胴部431の上端内面には、係止突起 433が複数突出して設けられている。
 蓋部432は、胴部431の上面を塞ぐ円板状体か 構成され、その外周縁は、胴部431の外周面 り突出している。また、この蓋部432の上面 中心には、前述した支持部44が突設されて る。

 このような構造のドーピング装置4を構成す る主ドーパント収容部41、副ドーパント収容 42、案内部43は、基本的には、石英部材で構 成されるが、主ドーパント収容部41の複数の 起414、及び、案内部43の係止突起433は、石 部材で形成してもよいが、石英部材同士の 触面で欠け等が発生することがあるため、 ーボン等で形成してもよい。
 一方、主ドーパント収容部41の爪412A、副ド パント収容部42の突起421Aは、突起414及び係 突起433の係合部分に対して、下方に位置し 高温となるため、石英部材で形成するのが ましい。

 〔2〕ドーピング装置4の組立方法
 このようなドーピング装置4を組み立てるに 際しては、図5に示されるように、まず、案 部43の係止突起433に主ドーパント収容部41の 起414を引っ掛け、さらに、主ドーパント収 部41の下面の爪412Aに副ドーパント収容部42 突起421Aを引っ掛け、副ドーパント収容部42 主ドーパント収容部41に吊り下げるような状 態で組み立てる。

 この際、図6に示されるように、主ドーパン ト収容部41の爪412Aが設けられていない部分に 、図7に示されるように、副ドーパント収容 42の突起421Aを挿入し、その後、副ドーパン 収容部42を回転させて爪412Aに突起421Aを引っ けることができる。
 また、このように主ドーパント収容部41に ドーパント収容部42が吊り下げられた状態で は、底部412の下面と、筒状体421の上端面との 間に僅かな隙間が形成され、副ドーパント収 容部42の被覆部に相当する部分の内外間の通 が確保されることとなる。

 〔3〕ドーピング装置4によるドーパント注 方法
 次に、前述した構造の引き上げ装置1によっ てシリコン融液S中に主ドーパントD1及び副ド ーパントD2をドープする方法について、図8を 参照して説明する。
 まず、案内部43を引き上げ装置1の引き上げ 23に取り付けた後、主ドーパント収容部41内 に主ドーパントD1を装填し、案内部43に主ド パント収容部41を装着する。
 次に、副ドーパント収容部42に副ドーパン D2を装填し、主ドーパント収容部41の下部に ドーパント収容部42を吊り下げる。
 ドーピング装置4の組立が終了したら、装置 本体2の引き上げ部23を降下させ、副ドーパン ト収容部42の筒状体421の下端をシリコン融液S に浸け込む。尚、案内部43の胴部431の下端は け込まなくても浸け込んでもよい。

 この際の主ドーパントD1の融液面から高さ 法H1は、主ドーパントD1の気化を促す高さ寸 とするのが好ましく、例えば、赤燐の場合 あれば略400mm程度とするのが好ましい。
 一方、副ドーパントD2の融液面からの高さ 法H2は、副ドーパントD2の液化が促進される さ寸法とするのが好ましく、例えば、略10~2 0mm程度とするのが好ましい。

 ドーピング装置4を上記の位置で保持すると 、シリコン融液Sの熱によって主ドーパントD1 が気化してドーパントガスが主ドーパント収 容部41の内部に生成し、蓋部413の開口部413Aか ら外部に放出される。放出されたドーパント ガスは、案内部43の蓋部432で反射して、胴部4 31に沿って下方に案内され、シリコン融液Sに 吹き付けられ、シリコン融液S内に拡散され 。
 一方、副ドーパントD2は、シリコン融液Sの によって液化し、ドーパント保持部422の連 孔422Aから筒状体421の内面を経由して、シリ コン融液S内に拡散される。

 〔4〕効果の確認
 前述した手順によってシリコン融液Sに副ド ーパントD2及び主ドーパントD1である赤燐の 時ドープを行い、その後、ドープされたシ コン融液Sの引き上げを行ってインゴットを た。
 この際、シリコンのチャージ量23kgに対して 、赤燐のドープ量は150g、Geのドープ量は150g あった。

 引き上げられたインゴットのトップ部分の ン濃度が狙い値に対してどのような値とな ているかを確認したところ、図9に示される ような分布であり、狙い値に対して大きなバ ラツキは認められなかった。
 一方、引き上げられたインゴットのトップ 分のGe濃度が狙い値に対してどのような値 なっているかを確認したところ、図10に示さ れるような分布であり、狙い値に対して極め てバラツキの少ないものであった。
 これらの結果より、本実施形態のドーピン 装置4によって、赤燐及びGeを同時にドーピ グすることを確認することができ、狙い抵 率に対して大きなバラツキを生じることな ドーピングできることが確認された。

 〔実施形態の変形〕
 尚、本発明は、前述した各実施形態に限定 れるものではなく、次に示すような変形を 含むものである。
 前述した実施形態では、赤燐、砒素等の副 ーパントとしてGeを採用していたが、例え 、硼素(B)を主ドーパントとして副ドーパン としてGeを採用する場合、シリコン素材と共 にボロンを坩堝内に投入し、溶解させた後、 Geを前述した方法で注入すればよい。

 また、前記第2実施形態では、同時期に2種 のドーパントの投入を行うドーピング装置4 連通孔422Aが長孔状のドーパント保持部422を 備えた副ドーパント収容部42を採用していた 、これに限らない。
 すなわち、副ドーパント収容部42をGeドープ 用に単独で使用してもよい。尚、その際には 、副ドーパント収容部42の上端面は蓋部材等 閉塞してドーピングを行うのが好ましい。

 さらに、前記第1実施形態では、導管33を備 たドーピング装置3を用いて、GeドーパントD をドーピングしていたが、本発明はこれに限 られない。
 すなわち、図11Aおよび図11Bに示されるよう 、導管を有しないドーピング装置5を用いて 、GeドーパントDをドーピングしてもよい。こ の場合、図11Aに示されるように、第1実施形 と同様にシリコン融液Sの液面から所定高さH の高さで一定時間保持してGeドーパントDを液 化させ、GeドーパントDが略液化されたら、連 通孔321をシリコン融液Sに浸け込む。これに り、液化したGeドーパントDがシリコン融液S 滴下することがないので、液ハネ等による き上げ装置内部の汚染を防止できる。
 その他、本発明の実施の際の具体的な構造 び手順等は、本発明の目的を達成できる範 で他の構造等としてもよい。

 本発明は、ドーパントの注入方法、及び ーピング装置に利用することができる。