Login| Sign Up| Help| Contact|

Patent Searching and Data


Title:
EDDY CURRENT EXAMINATION METHOD FOR INTERNAL FIN TUBE, DIFFERENTIAL COIL FOR EDDY CURRENT EXAMINATION, AND PROBE FOR EDDY CURRENT EXAMINATION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/078513
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is an eddy current examination method for an internal fin tube, which can detect a minute defect having appeared in the valley portion of the inner face of the tube even in case this inner face is heterogeneous in the tube circumference direction. The eddy current examination method is characterized by arranging a differential coil (2), which is so sized as can be arranged in the valley portion of the tube (P) and which is composed of a pair of coils (21 and 22) spaced in an axial direction (X), along the extending direction of the valley portion of the tube (P), and by moving the differential coil (2) relatively in the extending direction of the valley portion of the tube (P), thereby to detect the defect existing in the valley portion of the tube (P).

Inventors:
SAWAWATARI NAOKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/073369
Publication Date:
July 03, 2008
Filing Date:
December 04, 2007
Export Citation:
Click for automatic bibliography generation   Help
Assignee:
SUMITOMO METAL IND (JP)
SAWAWATARI NAOKI (JP)
International Classes:
G01N27/90
Foreign References:
JPH0473863U1992-06-29
JPS60189850U1985-12-16
JP2006177941A2006-07-06
JPH03285160A1991-12-16
JPH11211704A1999-08-06
JPS58166257A1983-10-01
JPH10274643A1998-10-13
JPH11211704A1999-08-06
JP2001033393A2001-02-09
JPS58166257A1983-10-01
JPH04290950A1992-10-15
Other References:
See also references of EP 2098860A4
Attorney, Agent or Firm:
OHNAKA, Minoru (3-6 Minamisemba 2-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 81, JP)
Download PDF:
Claims:
 管の内面に管周方向に交互に設けられ管軸方向に延びる山部及び谷部が形成された内面フィン付き管の渦流探傷方法であって、
 管の谷部内に配置され得る寸法を有すると共に、軸心方向に離間した一対のコイルからなる差動コイルを、管の谷部の延びる方向に沿って管の谷部内に配置し、管の谷部の延びる方向に相対移動させることにより、管の谷部に存在する欠陥を検出することを特徴とする内面フィン付き管の渦流探傷方法。
 前記コイルは、管の谷部内に配置された状態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略一定となり得るように、前記軸心方向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部に面する側の巻線が曲線状に巻回されていることを特徴とする請求項1に記載の内面フィン付き管の渦流探傷方法。
 前記コイルは、管の谷部内に配置された状態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略一定となり得るように、前記軸心方向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部に面する側の巻線が円弧状に巻回されていると共に、管軸に面する側の巻線が直線状に巻回されていることを特徴とする請求項2に記載の内面フィン付き管の渦流探傷方法。
 管の内面に管周方向に交互に設けられ管軸方向に延びる山部及び谷部が形成された内面フィン付き管の渦流探傷に用いる差動コイルであって、
 管の谷部内に配置され得る寸法を有すると共に、軸心方向に離間した一対のコイルからなり、
 前記コイルは、管の谷部の延びる方向に沿って管の谷部内に配置された状態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略一定となり得るように、前記軸心方向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部に面する側の巻線が曲線状に巻回されていることを特徴とする内面フィン付き管の渦流探傷用差動コイル。
 前記コイルは、管の谷部内に配置された状態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略一定となり得るように、前記軸心方向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部に面する側の巻線が円弧状に巻回されていると共に、管軸に面する側の巻線が直線状に巻回されていることを特徴とする請求項4に記載の内面フィン付き管の渦流探傷用差動コイル。
 管の内面に管周方向に交互に設けられ管軸方向に延びる山部及び谷部が形成された内面フィン付き管の渦流探傷方法であって、
 管の谷部内に配置され得る寸法を有すると共に、軸心方向に離間した一対のコイルからなる第1の差動コイルを、管の谷部の延びる方向に沿って管の谷部内に配置する一方、
 管の山部の頂部よりも管径方向内方に配置され得る寸法を有すると共に、軸心方向に離間した一対のコイルからなる第2の差動コイルを、管軸方向と略平行となるように管の山部の頂部よりも管径方向内方に配置し、
 前記第1の差動コイル及び前記第2の差動コイルを管の谷部の延びる方向に一体的に相対移動させることにより、第1の差動コイルで管の谷部に存在する欠陥を検出すると共に、第2の差動コイルで管の山部に存在する欠陥を検出することを特徴とする内面フィン付き管の渦流探傷方法。
 管の内面に管周方向に交互に設けられ管軸方向に延びる山部及び谷部が形成された内面フィン付き管の渦流探傷に用いるプローブであって、
 管の山部の頂部よりも管径方向内方に配置され得る寸法を有する円筒状の芯体と、
 前記芯体の外周面に取り付けられた第1の差動コイルと、
 前記芯体と前記第1の差動コイルとの間に介在し、前記第1の差動コイルを前記芯体の径方向外方に付勢する弾性体とを備え、
 前記第1の差動コイルは、管の谷部内に配置され得る寸法を有すると共に、軸心方向に離間した一対のコイルからなり、
 前記コイルは、前記芯体が管内に挿入されたときに、管の谷部の延びる方向に沿った状態で管の谷部内に配置されるように前記芯体に取り付けられると共に、前記管の谷部内に配置された状態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略一定となり得るように、前記軸心方向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部に面する側の巻線が曲線状に巻回されていることを特徴とする内面フィン付き管の渦流探傷用プローブ。
 管の山部の頂部よりも管径方向内方に配置され得る寸法を有すると共に、前記芯体の外周面に沿って巻線が巻回され、前記芯体の軸方向に離間した一対のコイルからなる第2の差動コイルを更に備えることを特徴とする請求項7に記載の内面フィン付き管の渦流探傷用プローブ。
Description:
内面フィン付き管の渦流探傷方 、渦流探傷用差動コイル及び渦流探傷用プ ーブ

 本発明は、内面フィン付き管の渦流探傷 法、渦流探傷用差動コイル及び渦流探傷用 ローブに関する。特に、本発明は、管の内 形状が管周方向に不均一な場合であっても 管内面の谷部(或いは、谷部と山部の双方) 発生した微小な欠陥(割れ状微小欠陥)を確実 に検出することが可能な内面フィン付き管の 渦流探傷方法、渦流探傷用差動コイル及び渦 流探傷用プローブに関する。

 エチレンの製造プラントに用いられる鋼 として、熱伝達効率を上げることを目的と 、その内面に断面形状(管軸方向に垂直な断 面形状)が三角丸ねじ山状で管軸方向に延び (管軸方向に平行な、或いは、管軸方向に対 て傾斜したらせん状の)複数条(通常、8~12条) のフィンを形成した所謂内面フィン付き管が 知られている。

 図1は、上記の内面フィン付き管の一例を 模式的に示す断面図である。図1に示すよう 、内面フィン付き管Pは、その内面が周方向 交互に設けられた山部(フィン)Mと谷部Rとか ら形成されている。このような内面フィン付 き管Pは、通常、高Cr-高NiのFe基合金を素材と 、遠心鋳造法やユジーンセジュルネ法に代 される熱間押し出し製管法によって製造さ る。

 しかし、上記内面フィン付き管Pを熱間押 し出し製管法で製造する場合には、素材の高 Cr-高NiのFe基合金が熱間加工性に劣るので、 部Mの形状、特にその頂部の形状が所定の形 になり難いという特性がある。このため、 部Mの形状が所定の形状になるように、例え ば押し出し比を大きくする等の対策が施され るが、この場合、谷部R(特に谷底部Rsのほぼ 央)において、管軸方向に延びる微小な割れ の欠陥Kが発生すると共に、山部Mにしわ疵 割れ等の欠陥が発生することがある。

 また、円筒状の素管を用いて、内面に形 するフィンの形状に合わせたフィンを有す マンドレルによる冷間圧延で内面フィン付 管Pを製造する場合には、山部Mや谷部Rに冷 圧延での割れや焼き付き等の欠陥が発生す ことがある。

 上記のような欠陥の発生を見逃すと、管P の使用中に重大事故を招く要因になる。従っ て、製品の出荷前に検査して欠陥を手入れ除 去する等の処置が必要であり、このための高 能率な非破壊検査方法が要望されている。

 従来より、内面フィン付き管の内面に発 した欠陥を検出する非破壊検査方法として 超音波探傷方法、蛍光浸透探傷方法、渦流 傷方法等が提案されている。

 超音波探傷方法として、例えば、日本国 開平10-274643号公報には、図5に示すように、 欠陥Kからの欠陥エコーを識別するのに障害 なる山部Mの側面からの形状エコーを過小に る方法が提案されている。具体的には、内 フィン付き管Pの内面の谷底部Rsの中央に対 て、谷底部Rsの中央を通る管の直径線Lとほ 直交する入射角θ(θ=90~70°)で、管の外面側 ら超音波ビームを入射する方法が提案され いる。

 上記の公報に記載の方法は、内面フィン き管Pの内面形状が管周方向でほぼ均一な場 合、具体的には谷底部Rsの谷部肉厚t(図1参照) がほぼ同じである場合には何らの問題も生じ ない。しかしながら、内面形状が管周方向で 不均一、すなわち谷底部Rsの管肉厚tが不均一 であると、山部Mの側面からの形状エコーと 陥Kからの欠陥エコーとの識別が困難になっ り、管肉厚tの不均一さが著しい場合には欠 陥Kを全く検出できなくなるという欠点があ 。

 また、日本国特開平11-211704号公報には、 面フィン付き管の内面の谷底部の中央に対 て、谷底部の中央を通る管の直径線とほぼ 交する角度(90~70°)で、管外面から超音波ビ ムを入射し、画像処理を用いて欠陥を検出 る技術が提案されている。具体的には、超 波ビームを入射することによって検出され 探傷信号を2値化処理して複数レベルの信号 に区分した上でBスコープ表示させ、このBス ープ表示画像を画像処理することによって 底部に発生した欠陥を検出する技術が提案 れている。

 上記の公報に記載の技術によれば、欠陥 深さが大きい場合には、画像上で欠陥エコ と形状エコーとの識別が可能である。しか ながら、欠陥の深さが小さい場合には、両 コーの識別が難しく、欠陥の判断を誤る虞 ある。さらに、画像化や画像処理が必要な め、高速検査への適用が難しく、処理装置 コストが高くなるといった欠点がある。

 また、蛍光浸透探傷方法として、例えば 日本国特開2001-33393号公報には、次のような 方法が提案されている。すなわち、まず最初 に、内面フィン(ひれ)付き管の内面にノズル 挿入し、このノズルから蛍光浸透液を噴霧 て、内面フィン付き管の全長の内面に蛍光 透液を塗布する。次に、蛍光浸透液の所定 浸透時間が経過した後、内面フィン付き管 内面に別のノズルを挿入し、このノズルか 水又は洗浄液を噴霧する。これにより、疵 浸透した蛍光浸透液は疵の内部に残され、 面に付着した余剰の蛍光浸透液は除去され 。次に、余剰の蛍光浸透液が除去された内 フィン付き管の内面を乾燥させた後、検査 ッドを挿入しながら、可視光を含む紫外線 内面フィン付き管の内面に照射する。そし 、検査ヘッドが備えるカメラヘッドで前記 射された管の内面を撮影し、モニタに映し された画像によって欠陥の有無を判断する 法である。

 上記の公報に記載の方法は、蛍光浸透液 塗布、除去、乾燥という手間の掛かる作業 必要であるため、高能率を要求される検査 は適さないという欠点がある。

 また、渦流探傷方法は、被検査面に存在 る欠陥を高能率に検出することができるた 、管内面の非破壊検査方法として広く用い れている。しかしながら、一般的ないわゆ 内挿コイルを用いた渦流探傷方法では、内 コイルと内面フィン付き管の谷底部との距 が長くなるため、谷底部に存在する微小な 陥を検出することは困難である。

 このため、例えば、日本国特開昭58-166257 公報には、先端部に検出コイルが埋め込ま 、検出コイルから適長離隔した位置に標準 イルが埋め込まれた構造の渦流探傷用プロ ブを螺旋状の溝(内面フィン付き管の谷部に 相当)に沿って走査する、いわゆる標準比較 式のコイルを用いた渦流探傷方法が提案さ ている。

 しかしながら、上記の公報に記載のよう 標準比較方式のコイルを用いた渦流探傷方 では、検出コイルのリフトオフ変動や管の 面形状変化等に起因したノイズが発生し易 、S/N比が低下して欠陥を見逃す虞がある。

 また、日本国特開平4-290950号公報には、 面螺旋ひれ付き管の内面検査用ヘッドが提 されている。この内面検査用ヘッドは、管 回りに回動自在に設けた角錐ミラーに映さ た管内周面をTVカメラで撮像して目視観察に 供すると同時に、管の谷部にそれぞれ係合し 相対向するフィンを一組として渦流探傷用の コイルが巻回された渦流探傷センサーを兼ね るガイドを使用して渦流探傷する。そして、 上記の公報には、渦流探傷センサーにより、 管の谷底部に存在する欠陥を検出すると記載 されている。

 しかしながら、上記の公報に記載のよう コイル、すなわち管の螺旋状の谷部に沿っ 巻回されたコイルでは、コイルの表面積が きいため、微小欠陥の検出には適さない。

 本発明は、以上に説明した従来技術の問 点を解決するべくなされたものであり、内 フィン付き管の内面形状が管周方向に不均 な場合であっても、管内面の谷部(或いは、 谷部と山部の双方)に発生した微小な欠陥を 実に検出することが可能な内面フィン付き の渦流探傷方法、渦流探傷用差動コイル及 渦流探傷用プローブを提供することを課題 する。

 前記課題を解決するべく、本発明は、管 内面に管周方向に交互に設けられ管軸方向 延びる山部及び谷部が形成された内面フィ 付き管の渦流探傷方法であって、管の谷部 に配置され得る寸法を有すると共に、軸心 向に離間した一対のコイルからなる差動コ ルを、管の谷部の延びる方向に沿って管の 部内に配置し、管の谷部の延びる方向に相 移動させることにより、管の谷部に存在す 欠陥を検出することを特徴とする内面フィ 付き管の渦流探傷方法を提供するものであ 。

 斯かる発明によれば、軸心方向に離間し 一対のコイルからなる差動コイルを、管の 部の延びる方向に沿って管の谷部内に配置 、管の谷部の延びる方向に相対移動させる( 管を固定し差動コイルを移動させるか、或い は、差動コイルを固定し管を移動させる)。 のため、一般的な内挿コイルを用いる場合 比べて各コイルと管の谷底部との距離が短 なり、欠陥を精度良く検出することが可能 ある。また、一対のコイルの軸心方向と管 延びる方向とを平行にした場合は、各コイ によって生じる渦電流の方向が管の谷部の びる方向と直交することになる。このため 谷部(特に谷底部のほぼ中央)に発生した管軸 方向(より具体的には、谷部の延びる方向)に びる欠陥を精度良く検出することが可能で る。また、本発明では、いわゆる自己比較 式の差動コイル(各コイルでの検出信号の差 を出力するコイル)を用いる。このため、標 比較方式のコイルを用いる場合と比べて、 イルの相対移動に伴うリフトオフ変動や管 内面形状の変化等に起因したノイズが少な なり(欠陥信号とノイズ信号との周波数弁別 し易くなり)、S/N比が大きくなるので、微小 な欠陥を検出することが可能である。

 なお、本発明において、「管軸方向に延 る山部及び谷部が形成された内面フィン付 管」とは、管軸方向に対して平行に延びる 部及び谷部が形成された内面フィン付き管 みならず、管軸方向に対して傾斜しながら びる螺旋状の山部及び谷部が形成された内 フィン付き管をも含む意味である。また、 ィンの数も通常は8~12条だが、これに限るも のではない。

 好ましくは、前記コイルは、管の谷部内 配置された状態で前記谷部の被探傷領域と 間隔が略一定となり得るように、前記軸心 向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部 面する側の巻線が曲線状に巻回される。

 斯かる好ましい構成によれば、コイルが の谷部内に配置された状態でコイルと谷部 被探傷領域との間隔が略一定となり得るよ に、コイルの軸心方向に直交する断面視で イルの谷底部に面する側の巻線が曲線状に 回される。このため、被探傷領域内の何れ 領域に対してもコイルのリフトオフを略一 に保つことができ、リフトオフの差異に起 したノイズの発生を抑制可能である。また 被探傷領域内の何れの領域に対してもコイ の検出感度を略一定に保つことが可能であ 。

 なお、本発明において、「谷部の被探傷 域」とは、谷部を形成する管の内側面の内 欠陥を検出する対象となる部位を意味する 例えば、谷底部及びその近傍部位が被探傷 域とされる。また、「コイルと谷部の被探 領域との間隔」とは、コイルを形成する巻 と谷部の被探傷領域との最短距離を意味す 。コイルの谷底部に面する側の巻線をどの うな曲線状に巻回するかは、探傷する管の 部の被探傷領域の断面形状(谷部の延びる方 向に直交する断面形状)に応じて、適宜決定 ればよい。

 好ましくは、前記コイルは、管の谷部内 配置された状態で前記谷部の被探傷領域と 間隔が略一定となり得るように、前記軸心 向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部 面する側の巻線が円弧状に巻回されている 共に、管軸に面する側の巻線が直線状に巻 される。

 内面フィン付き管の谷底部及びその近傍 位の断面形状(谷部の延びる方向に直交する 断面形状)は、円弧状に設計される場合が多 。従って、このような谷底部及びその近傍 位を被探傷領域とする場合には、前記好ま い構成のように、コイルの谷底部に面する の巻線を円弧状に巻回することにより、コ ルと谷部の被探傷領域との間隔を略一定と ることが可能である。一方、コイル全体の 面積に対する欠陥の面積(コイルに対向する の面積)の比率が大きければ、コイルで検出 される欠陥信号は大きくなる性質がある。従 って、前記好ましい構成のように、探傷に直 接影響しない管軸に面する側(すなわち、谷 部に面する側とは反対側)の巻線を直線状に 回することにより、巻線全体を円弧状に巻 する場合に比べてコイルの表面積を低減す ことができ、欠陥信号を大きくすることが きるため、結果的にS/N比を高めることが可 である。

 また、前記課題を解決するべく、本発明 、管の内面に管周方向に交互に設けられ管 方向に延びる山部及び谷部が形成された内 フィン付き管の渦流探傷に用いる差動コイ であって、管の谷部内に配置され得る寸法 有すると共に、軸心方向に離間した一対の イルからなり、前記コイルは、管の谷部の びる方向に沿って管の谷部内に配置された 態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略一 となり得るように、前記軸心方向に直交す 断面視で、前記谷部の谷底部に面する側の 線が曲線状に巻回されていることを特徴と る内面フィン付き管の渦流探傷用差動コイ としても提供される。

 好ましくは、前記コイルは、管の谷部内 配置された状態で前記谷部の被探傷領域と 間隔が略一定となり得るように、前記軸心 向に直交する断面視で、前記谷部の谷底部 面する側の巻線が円弧状に巻回されている 共に、管軸に面する側の巻線が直線状に巻 される。

 また、前記課題を解決するべく、本発明 、管の内面に管周方向に交互に設けられ管 方向に延びる山部及び谷部が形成された内 フィン付き管の渦流探傷方法であって、管 谷部内に配置され得る寸法を有すると共に 軸心方向に離間した一対のコイルからなる 1の差動コイルを、管の谷部の延びる方向に 沿って管の谷部内に配置する一方、管の山部 の頂部よりも管径方向内方に配置され得る寸 法を有すると共に、軸心方向に離間した一対 のコイルからなる第2の差動コイルを、管軸 向と略平行となるように管の山部の頂部よ も管径方向内方に配置し、前記第1の差動コ ル及び前記第2の差動コイルを管の谷部の延 びる方向に一体的に相対移動させることによ り、第1の差動コイルで管の谷部に存在する 陥を検出すると共に、第2の差動コイルで管 山部に存在する欠陥を検出することを特徴 する内面フィン付き管の渦流探傷方法とし も提供される。

 斯かる発明によれば、第1の差動コイル( 述した差動コイルに相当)で谷部(特に谷底部 のほぼ中央)に発生した欠陥を精度良く検出 ることが可能である。また、軸心方向に離 した一対のコイルからなる第2の差動コイル 、管軸方向と略平行となるように管の山部 頂部よりも管径方向内方に配置し、管の谷 の延びる方向(山部の延びる方向に相当)に 対移動させる(管を固定し第2の差動コイルを 移動させるか、或いは、第2の差動コイルを 定し管を移動させる)。このため、山部(特に 頂部のほぼ中央)に発生した欠陥を精度良く 出することが可能である。なお、第2の差動 イルの一対のコイルの軸心方向と管軸方向 を平行にした場合は、各コイルによって生 る渦電流の方向が管の山部の延びる方向と 交することになる。このため、山部(特に頂 部のほぼ中央)に発生した管軸方向(より具体 には、山部の延びる方向)に延びる欠陥を精 度良く検出することが可能である。また、差 動コイルを用いるため、標準比較方式のコイ ルを用いる場合と比べて、コイルの相対移動 に伴うリフトオフ変動や管の内面形状変化等 に起因したノイズが少なくなり(欠陥信号と イズ信号との周波数弁別がし易くなり)、S/N が大きくなるので、微小な欠陥を検出する とが可能である。そして、本発明によれば 第1の差動コイル及び第2の差動コイルを管 谷部の延びる方向(管の山部の延びる方向)に 一体的に相対移動させるため、谷部と山部の 双方に発生した欠陥を同時に検出することが 可能である。

 さらに、前記課題を解決するべく、本発 は、管の内面に管周方向に交互に設けられ 軸方向に延びる山部及び谷部が形成された 面フィン付き管の渦流探傷に用いるプロー であって、管の山部の頂部よりも管径方向 方に配置され得る寸法を有する円筒状の芯 と、前記芯体の外周面に取り付けられた第1 の差動コイルと、前記芯体と前記第1の差動 イルとの間に介在し、前記第1の差動コイル 前記芯体の径方向外方に付勢する弾性体と 備え、前記第1の差動コイルは、管の谷部内 に配置され得る寸法を有すると共に、軸心方 向に離間した一対のコイルからなり、前記コ イルは、前記芯体が管内に挿入されたときに 、管の谷部の延びる方向に沿った状態で管の 谷部内に配置されるように前記芯体に取り付 けられると共に、前記管の谷部内に配置され た状態で前記谷部の被探傷領域との間隔が略 一定となり得るように、前記軸心方向に直交 する断面視で、前記谷部の谷底部に面する側 の巻線が曲線状に巻回されていることを特徴 とする内面フィン付き管の渦流探傷用プロー ブとしても提供される。

 斯かる発明によれば、管軸方向に対して 行に延びる山部及び谷部が形成された内面 ィン付き管の場合には、芯体を管軸方向に 対移動させることにより、弾性体によって 勢された第1の差動コイルを、管の谷部内に おいて被探傷領域領域との間隔が略一定とな る状態で、管の谷部の延びる方向に相対移動 させることができる。また、管軸方向に対し て傾斜しながら延びる螺旋状の山部及び谷部 が形成された内面フィン付き管の場合には、 芯体を管軸方向に相対移動させると共に管周 方向に相対回転させることにより、弾性体に よって付勢された第1の差動コイルを、管の 部内において被探傷領域領域との間隔が略 定となる状態で、管の谷部の延びる方向に 対移動させることができる。これにより、 部に発生した管軸方向(谷部の延びる方向)に 延びる欠陥を精度良く検出することが可能で ある。

 好ましくは、前記渦流探傷用プローブは 管の山部の頂部よりも管径方向内方に配置 れ得る寸法を有すると共に、前記芯体の外 面に沿って巻線が巻回され、前記芯体の軸 向に離間した一対のコイルからなる第2の差 動コイルを更に備える。

 斯かる好ましい構成によれば、芯体を管 方向に相対移動(或いは、これに加えて管周 方向に相対回転)させることにより、第1の差 コイルで谷部に発生した欠陥を検出すると 時に、第2の差動コイルで山部に発生した欠 陥を検出することが可能である。

 本発明によれば、管の内面形状が管周方 に不均一な場合であっても、管内面の谷部( 或いは、谷部と山部の双方)に発生した微小 欠陥を確実に検出することが可能である。

図1は、内面フィン付き管の一例を模式 的に示す断面図である。 図2は、本発明に係る渦流探傷用プロー ブの一構成例を概略的に示す図であり、図2(a )は正面図を、図2(b)は管内に挿入された状態 表す側面図を示す。 図3は、図2に示す差動コイルを拡大し 示す正面図である。 図4は、本発明に係る渦流探傷用プロー ブの他の構成例を概略的に示す正面図である 。 図5は、従来の内面フィン付き管の超音 波探傷方法を説明する模式的断面図である。

 以下、添付図面を適宜参照しつつ、本発 の実施形態について説明する。

 図2は、本発明に係る内面フィン付き管の 渦流探傷方法を実施するために管内に挿入さ れる渦流探傷用プローブの一構成例を概略的 に示す図であり、図2(a)は正面図を、図2(b)は 内に挿入された状態を表す側面図を示す。 2に示すように、本実施形態に係る渦流探傷 用プローブ(以下、適宜「プローブ」という)1 00は、内面フィン付き管Pの山部の頂部よりも 管径方向内方に配置され得る寸法を有する円 筒状の芯体1と、芯体1の外周面に取り付けら た第1の差動コイル2と、芯体1と第1の差動コ イル2との間に介在し、第1の差動コイル2を芯 体1の径方向外方に付勢する弾性体3とを備え いる。本実施形態に係る渦流探傷用プロー 100は、管軸方向に平行な10条のフィン(山部) が形成された管Pの全ての谷部を一度に探傷 きるように、芯体1の周方向に等間隔で取り けられた、10個の第1の差動コイル2と、10個 弾性体3とを備えている。

 芯体1には、コネクタ11を介して外部(交流 電源等)から交流電流が入力され、この交流 流が第1の差動コイル2に供給されるように構 成されている。また、第1の差動コイル2の検 信号は、コネクタ11を介して外部(探傷器等) に出力されるように構成されており、この検 出信号に基づいて探傷が行われる。なお、芯 体1の少なくとも外表面は、第1の差動コイル2 によって生じる電磁場に対する影響が少ない ように、樹脂等の絶縁材料から形成するのが 好ましい。

 第1の差動コイル2は、管Pの谷部内に配置 れ得る寸法を有すると共に、軸心が略一致 且つ軸心方向(図2(a)中に矢符Xで示す方向)に 離間した一対のコイル21、22からなる。本実 形態に係る第1の差動コイル2(コイル21、22)は 、管Pの谷部内に配置された状態(図2(b)に示す 状態)で、谷部の被探傷領域(本実施形態では 谷底部及びその近傍領域)との間隔が略一定 となり得るように、軸心方向Xに直交する断 視で、谷部の谷底部に面する側の巻線が曲 状に巻回されている。具体的には、本実施 態での管Pの谷底部及びその近傍部位の断面 状が円弧状に設計されているため、第1の差 動コイル2は、谷部の谷底部に面する側の巻 が円弧状(本実施形態では、半円弧状)に巻回 されていると共に、管軸に面する側の巻線が 直線状に巻回されている。さらに具体的には 、第1の差動コイル2の巻線は、管Pの山部高さ h(図1参照)の半分以下の高さ(芯体1の径方向の 寸法)を有する半円弧状に巻回されている。

 各コイル21、22は、樹脂等の絶縁材料や非 磁性の金属材料などから形成された芯材4に 回されている。芯材4は、下面が弾性体3に固 定されており、弾性体3によって芯体1の径方 外方に付勢される。これにより、芯材4に巻 回された第1の差動コイル2(コイル21、22)も芯 1の径方向外方に付勢される。なお、本実施 形態での管Pの谷部は管軸方向に平行に延び いるため、第1の差動コイル2は、その軸心方 向が芯体1の軸方向(管P内にプローブ100が挿入 されたとき、この芯体1の軸方向は管Pの管軸 向と略平行になる)と略平行になるように芯 体1に取り付けられている。これにより、管P にプローブ100を挿入したときに、第1の差動 コイル2は、その軸心方向と管Pの谷部の延び 方向とが略平行となる状態で管Pの谷部内に 配置され、谷部の延びる方向に相対移動する ことになる。

 本実施形態では、少なくともコイル21、22 の外表面が、コイル21、22を保護するための 縁材(例えば、絶縁テープ等を用いてもよい) で被覆されている。コイル21、22は弾性体3に って芯体1の径方向外方に付勢されているた め、管P内にプローブ100を挿入したときに、 コイル21、22を被覆する絶縁材が管Pの谷部の 被探傷領域に常時押し付けられることになる 。これにより、探傷時にプローブ100を管軸方 向に相対移動させても、各コイル21、22と管P 谷部の被探傷領域との間隔を略一定に保つ とが可能である。

 或いは、コイル21、22を巻回した部位以外 の芯材4の部位が、コイル21、22の外表面(コイ ル21、22の外表面を絶縁材で被覆する場合に 絶縁材の外表面)よりも芯体1の径方向外方に 突出した構成を採用することも可能である。 この場合、管P内にプローブ100を挿入したと には、芯材4の上記突出部が管Pの谷部の被探 傷領域に常時押し付けられることになる。斯 かる構成によっても、探傷時にプローブ100を 管軸方向に相対移動させるときに、各コイル 21、22と管Pの谷部の被探傷領域との間隔を略 定に保つことが可能である。

 なお、各コイル21、22と管Pの谷部の被探 領域との間隔は、2mm以下に設定することが ましい。また、同一断面(谷部の延びる方向 直交する断面)における被探傷領域内の各領 域の前記間隔の差は、1mm以下に設定すること が好ましい。具体的には、これらの設定値が 得られるように、コイル21、22の断面形状(軸 方向と直交する断面形状)や、絶縁材の厚み (或いは、芯材4の突出部の高さ)を決定すれば よい。また、各コイル21、22の巻線幅(図3に符 号aで示す寸法)や巻線間隔(図3に符号bで示す 法)は、これらが小さいほど、第1の差動コ ル2で検出される欠陥信号の周波数が高周波 にシフトするため、これよりも低周波域の 分が多いノイズ信号との周波数弁別がし易 なる(差動コイル2の検出信号にハイパスフ ルターを適用することによりS/N比が向上す )という点で有利である。さらに、各コイル2 1、22の巻線幅aが小さい方が、同じ欠陥に対 て、(コイルに対向する面の欠陥面積)/(コイ の表面積)が大きいため、小さな欠陥に対す る各コイル21、22の検出信号が大きくなり、 陥検出性能が向上する。ただし、各コイル21 、22の巻線幅aが小さすぎると、巻線幅aを超 る長さの欠陥に対して各コイル21、22の検出 号が飽和し、大きな欠陥を過小評価してし う場合がある。また、巻線間隔bが小さすぎ ると、プローブ100を相対移動させて探傷する ときに、差動コイル2の検出信号が小さくな 、欠陥が過小評価されるという欠点が生じ 。従って、各コイル21、22の巻線幅aや巻線間 隔bは、検出対象とする欠陥の大きさや種類 に応じて適宜決定すればよい。

 弾性体3としては、好ましくは非磁性の金 属材料等から形成されたバネや、ゴム等が用 いられる。弾性体3の高さ(芯体1の径方向の寸 法)は、管P内にプローブ100を挿入したときに 各コイル21、22を被覆する絶縁材(或いは、 材4の突出部)が管Pの谷部の被探傷領域に常 押し付けられる状態(すなわち、弾性体3が収 縮した状態)となるように適宜決定すればよ 。

 なお、本実施形態に係る渦流探傷用プロ ブ100は、芯体1の外周面に取り付けられた10 の案内部材5を備えている。各案内部材5は 各第1の差動コイル2の取付位置に対して芯体 1の軸方向に離間した位置に取り付けられて り、第1の差動コイル2が巻回されている芯材 4と同種の芯材、及び、芯材4を支持する弾性 3と同種の弾性体を具備する。プローブ100が 案内部材5を備えることにより、管P内にプロ ブ100を挿入したときに、案内部材5の芯材が 管Pの谷部に押し付けられるため、芯体1の軸 向と管Pの管軸方向との平行度を安定化させ ることが可能である。

 また、案内部材5に代えて、差動コイル2 同様の差動コイルを設けてもよく、その場 は管の谷部の被探傷領域を重複して探傷す ことになるため、より一層欠陥の見逃しを ぐことができる。

 以上に説明した構成を有する渦流探傷用 ローブ100の芯体1を管P内に挿入する(芯体1を 管Pの管軸方向に相対移動させる)ことにより 第1の差動コイル2も芯体1と共に、管Pの谷部 の延びる方向(管軸方向)に相対移動し、これ より谷部に存在する欠陥を検出することが 能である。

 なお、本実施形態では、管Pの全て(10条) 谷部を一度に探傷できるように、プローブ10 0が10個の第1の差動コイル2を備える構成につ て説明したが、本発明は必ずしもこれに限 ものではなく、第1の差動コイル2の一部を 内部材5に置換した構成を採用してもよい。 なわち、管Pの谷部の数よりも少ない個数の 第1の差動コイル2を備えるプローブとするこ も可能である。例えば、1個の第1の差動コ ル2を備える構成(残りの9個は案内部材5)を採 用して、全ての谷部について探傷する場合に は、1条の谷部について探傷が終了した後に プローブを管Pから抜き取り、未探傷の谷部 沿って第1の差動コイル2が相対移動可能と るように芯体1を管周方向に相対回転させて 順次探傷を繰り返せばよい。

 また、本実施形態では、谷部が管軸方向 平行に延びている管Pが被探傷材である場合 を例示したため、軸心方向が芯体1の軸方向 略平行になるように第1の差動コイル2が芯体 1に取り付けられた構成について説明した。 かしながら、管軸方向に対して傾斜しなが 延びる螺旋状の山部及び谷部が形成された 面フィン付き管が被探傷材である場合には 谷部の傾斜角度に応じて、第1の差動コイル2 の軸心方向を芯体1の軸方向に対して傾けた 態で取り付けることもできる。その場合は 芯体1を管軸方向に相対移動させると共に管 方向に相対回転させれば、谷部が管軸方向 平行に延びている管Pと同様に探傷可能であ る。すなわち、第1の差動コイル2を、管の谷 内において被探傷領域領域との間隔が略一 となる状態で、管の谷部の延びる方向に相 移動させることが可能である。

 さらに、本実施形態では、谷部に存在す 欠陥を検出するための渦流探傷用プローブ1 00の構成について説明したが、山部に存在す 欠陥をも検出する場合には、図4に示すよう な渦流探傷用プローブ100Aを用いればよい。

 図4は、渦流探傷用プローブの他の構成例 を概略的に示す正面図である。図4に示すよ に、本構成例のプローブ100Aは、前述した図2 に示すプローブ100が具備する構成に加えて、 管の山部の頂部よりも管径方向内方に配置さ れ得る寸法を有すると共に、芯体1の外周面 沿って巻線が巻回され、芯体1の軸方向に離 した一対のコイル61、62からなる第2の差動 イル6を備える構成である。

 このプローブ100Aによれば、芯体1を管軸 向に相対移動(或いは、これに加えて管周方 に相対回転)させることにより、第1の差動 イル2で谷部に発生した欠陥を検出すると同 に、第2の差動コイル6で山部に発生した欠 を検出することが可能である。

 なお、コイル61、62と管の山部の頂部との 間隔が大きすぎると、コイルの検出感度が低 下するため、コイル61、62の寸法(芯体1の径方 向の寸法)は、管Pの山部相当径d2(図1参照)よ も若干小さい程度に設定することが好まし 。

 また、第1の差動コイル2及び第2の差動コ ル6に同時に交流電流を通電する場合には、 各差動コイル2、6によってそれぞれ生じる電 場が互いに干渉することを抑制するため、 いに異なる探傷周波数(各コイル2、6に通電 る交流電流の周波数)を用いることが好まし い。

 以下、実施例を示すことにより、本発明 特徴をより一層明らかにする。

 管軸方向に平行な10条のフィンが形成さ た内面フィン付き管(材質:Fe-Cr-Ni合金、外径D :56.6mm、谷部肉厚t:6.35mm、山部高さh:6.35mm、図1 参照)の谷底部に人工きずを設け、本発明に る渦流探傷方法による探傷試験を行った。

 具体的には、人工きずとして、長さ(管軸 方向の寸法)が25mmで、幅が(管軸方向に直交す る方向の寸法)0.5mm及び1.0mmの2種類について、 各々深さが0.3mm、0.5mm、0.8mm及び1.0mmの4種類( 8種類)のノッチを設けた。また、径が1.6mm及 2.2mmの2種類の貫通ドリルホールも設けた。 れら10種類の人工きずを谷底部の延びる方 に並べて設け、図2に示す渦流探傷用プロー 100を管軸方向に移動させて順次探傷した。 だし、本実施例では、図2に示す10個の第1の 差動コイル2の内、人工きずが設けられた谷 部に対応する1個の第1の差動コイル2の検出 号のみを用いた。第1の差動コイル2は、管の 谷底部に面する側の巻線が管の被探傷領域( 底部及びその近傍領域)と相似形となるよう 半円弧状に巻回されていると共に、管軸に する側の巻線が直線状に巻回されている半 弧状のものを用いた。また、第1の差動コイ ル2を被覆する絶縁材の厚みを約0.5mmとするこ とにより、第1の差動コイル2と管Pの谷部の被 探傷領域との間隔を約0.5mmの一定値に保つよ にした。

 また、第1の差動コイル2を構成するコイル21 、22の巻線幅、巻線間隔、探傷周波数を、下 の表1に示す2つの条件に設定して試験を行 た。

 以上に説明した探傷試験の結果を表2に示す 。なお、表2に示す「差動コイル(1:1:1)」は、 イル21、22の巻線幅:巻線間隔:巻線幅=1mm:1mm:1 mmである差動コイル2を意味し、「差動コイル (5:2:5)」は、コイル21、22の巻線幅:巻線間隔: 線幅=5mm:2mm:5mmである差動コイル2を意味する また、探傷試験の結果は、差動コイル2で検 出した人工きずの信号の大きさ(S)とノイズ信 号の大きさ(N)との比(S/N比)で評価した。

 表2に示すように、人工きずが貫通ドリル ホールの場合には、十分なS/N比が得られた。 一方、人工きずがノッチの場合、きずが小さ くなるに従ってS/N比は低下し、S/N比<5.0と るものもあった。ただし、コイル21、22の巻 幅や巻線間隔を小さく設定すれば(本実施例 では、巻線幅=1mm、巻線間隔=1mm)S/N比は比較的 高くなり、幅0.5mmで深さ0.5mmの微小なノッチ あっても、S/N比≧5.0が得られた。この程度 微小なきずに対してS/N比≧5.0が得られれば 実用的には問題なく、本発明に係る渦流探 方法によって精度の高い欠陥検出が可能で るといえる。