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Patent Searching and Data


Title:
FIXED UNIFORM-MOTION UNIVERSAL JOINT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150942
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a undercut-free-type, eight-ball, fixed uniform-motion universal joint which can enhance torque capacity at a high operating angle while ensuring durability at the time of a low operating angle. The undercut-free-type, eight-ball, fixed uniform-motion universal joint, wherein the center of a track groove (32) in an outer coupling member and the center of a track groove (32) in an inner coupling member are separated from the central plane (P) of the coupling to the opposite sides in the axial direction, and are offset to positions separated from the central axis (X) of the coupling to the radial opposite sides with respect to the track groove (32).  Assuming the distance between the center of a track groove (32) in the outer coupling member and the center of a ball (37) is (Rt), and the axial distance between the center of a track groove (32) in the outer coupling member and the central plane (P) of the coupling is (F), the ratio (R1) between the (F) and (Rt) satisfies the relation 0.061≦R1≦0.087; and assuming the radial offset, i.e. the distance from the center of the track groove (32) in the outer coupling member to the central axis (X) of the coupling, is (fr), the ratio (R3) between the (fr) and (Rt) satisfies the relation 0.07≦R3≦0.19.

Inventors:
SONE KEISUKE (JP)
OOBA HIROKAZU (JP)
YOSHIDA KAZUHIKO (JP)
ITOU KIYOHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059745
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
May 28, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
SONE KEISUKE (JP)
OOBA HIROKAZU (JP)
YOSHIDA KAZUHIKO (JP)
ITOU KIYOHIRO (JP)
International Classes:
F16D3/20; F16D3/2237
Foreign References:
JPH09317783A1997-12-09
JP2007270997A2007-10-18
JP2001097063A2001-04-10
JP2002541395A2002-12-03
JPH09317783A1997-12-09
JPH04228925A1992-08-18
JP2002541395A2002-12-03
JPH08128454A1996-05-21
JPS59106724A1984-06-20
Other References:
See also references of EP 2299136A4
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA Hideyoshi et al. (JP)
Hideyoshi Tanaka (JP)
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Claims:
 内径面に軸方向に延びる8本のトラック溝を形成した外側継手部材と、外径面に軸方向に延びる8本のトラック溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝とこれに対応する内側継手部材のトラック溝とが協働して形成される8本のトルク伝達ボールトラックと、該トルク伝達ボールトラックにそれぞれ配された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージとを備え、外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面に曲線部とストレート部を有するアンダーカットフリータイプの固定型等速自在継手であって、
 継手の作動角が0°の状態で、前記外側継手部材の軸線と前記内側継手部材の軸線とを含む直線を継手中心軸線、前記トルク伝達ボールの中心を含み、前記継手中心軸線と直交する平面を継手中心面としたとき、
 前記外側継手部材のトラック溝の中心と前記内側継手部材のトラック溝の中心とが、それぞれ、前記継手中心面から軸方向両側に離間し、かつ、前記継手中心軸線からこれらトラック溝に対して半径方向反対側に離間した位置にオフセットされているとともに、前記ケージの外球面中心とケージの内球面中心とを一致させ、
 前記外側継手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手部材のトラック溝の中心と前記トルク伝達ボールの中心との間の距離をRt、前記外側継手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手部材のトラック溝の中心と前記継手中心面との間の軸方向距離をFとしたとき、FとRtとの比R1(=F/Rt)が0.061≦R1≦0.087であり、かつ、前記外側継手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手部材のトラック溝の中心と前記継手中心軸線までの距離である半径方向オフセット量をfrとしたとき、frと前記Rtとの比R3(=fr/Rt)が0.07≦R3≦0.19であることを特徴とする固定型等速自在継手。
 内径面に軸方向に延びる8本のトラック溝を形成した外側継手部材と、外径面に軸方向に延びる8本のトラック溝を形成した内側継手部材と、外側継手部材のトラック溝とこれに対応する内側継手部材のトラック溝とが協働して形成される8本のトルク伝達ボールトラックと、該トルク伝達ボールトラックにそれぞれ配された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝達ボールを保持するポケットを有するケージとを備え、外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面に曲線部とストレート部を有するアンダーカットフリータイプの固定型等速自在継手であって、
 継手の作動角が0°の状態で、前記外側継手部材の軸線と前記内側継手部材の軸線とを含む直線を継手中心軸線、前記トルク伝達ボールの中心を含み、前記継手中心軸線と直交する平面を継手中心面としたとき、
 前記外側継手部材のトラック溝の中心と前記内側継手部材のトラック溝の中心とが、それぞれ、前記継手中心面から軸方向両側に離間し、かつ、前記継手中心軸線からこれらトラック溝に対して半径方向反対側に離間した位置にオフセットされ、
 ケージの外球面中心が継手中心面よりも内側継手部材のトラック溝の中心側に配置されるとともに、ケージの内球面中心が継手中心面よりも外側継手部材のトラック溝の中心側に配置されて、ケージの外球面中心又はケージの内球面中心と継手中心面までの軸方向距離をfcとし、トルク伝達ボールの中心から継手中心軸線までの距離をRとしたとき、fcとRとの比R2(=fc/R)が0.01以下とし、
 前記外側継手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手部材のトラック溝の中心と前記トルク伝達ボールの中心との間の距離をRt、前記外側継手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手部材のトラック溝の中心と前記継手中心面との間の軸方向距離をFとしたとき、FとRtとの比R1(=F/Rt)が0.044≦R1≦0.087であり、かつ、前記外側継手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手部材のトラック溝の中心と前記継手中心軸線までの距離である半径方向オフセット量をfrとしたとき、frと前記Rtとの比R3(=fr/Rt)が0.07≦R3≦0.19であることを特徴とする固定型等速自在継手。
 外側継手部材のトラック溝底面及び内側継手部材のトラック溝底面の曲線部を単一円弧としたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の固定型等速自在継手。
 FとRtとの比R1(=F/Rt)を0.071以下としたことを特徴とする請求項1~請求項3のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
 frとRtとの比R3(=fr/Rt)を0.15以上としたことを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
 自動車のドライブシャフトの連結に用いられる請求項1~請求項5のいずれか1項に記載の固定型等速自在継手。
Description:
固定型等速自在継手

 本発明は、固定型等速自在継手に関し、 に、連結した駆動側と従動側の2軸間での角 度変位にのみ許容するタイプであって、自動 車や各種産業機械の動力伝達系において使用 される8個のトルク伝達ボールを備えたアン ーカットフリータイプの固定型等速自在継 に関する。

 固定型等速自在継手には、ツェッパ型(BJ) (例えば特許文献1)やアンダーカットフリー型 (UJ)等がある。

 ツェッパタイプの固定型等速自在継手は 図13に示すように、内球面1に複数のトラッ 溝2が円周方向等間隔に軸方向に沿って形成 された外側継手部材としての外輪3と、外球 4に外輪3のトラック溝2と対をなす複数のト ック溝5が円周方向等間隔に軸方向に沿って 成された内側継手部材としての内輪6と、外 輪3のトラック溝2と内輪6のトラック溝5との に介在してトルクを伝達する複数のボール7 、外輪3の内球面1と内輪6の外球面4との間に 介在してボール7を保持するケージ8とを備え いる。ケージ8には、ボール7が収容される 部9が周方向に沿って複数配設されている。

 ケージ8は外輪3の内球面及び内輪6の外球 とそれぞれ球面接触している。外輪3と内輪 6のトラック溝2,5のボール中心軌跡線の曲率 心(O2,O1)はそれぞれ継手中心Ojに対して対称 位置にある。言い換えれば、曲率中心O1と曲 率中心O2は継手中心Ojから互いに逆方向に等 離、軸方向にオフセットしている。すなわ 、外輪3のトラック溝2を継手中心Ojから継手 心軸線Xに沿って継手開口側に所定距離だけ オフセットさせ、内輪6のトラック溝5を継手 心Ojから継手中心軸線Xに沿って継手奥部側 所定距離だけオフセットさせている。ここ 、継手中心軸線Xは、継手の作動角が0°の状 態で、外輪3の軸線と内輪6の軸線とを含む直 である。継手中心面は、トルク伝達ボール7 の中心を含み、継手中心軸線と直交する平面 である。継手中心Ojは、継手中心面と継手中 軸線との交点である。

 このため、外輪3のトラック溝2と内輪6の ラック溝5とで形成されトルク伝達ボールト ラックは、軸方向の一方から他方へ向かって 徐々に広がったくさび形状を呈する。各ボー ル7はこのくさび状のトルク伝達ボールトラ ク内に収容され、外輪3と内輪6との間でトル クを伝達する。すべてのボール7を継手平面( 動角の二等分線に垂直な平面)に保持するた めケージ8が組み込まれている。

 また、ツェッパタイプの固定型等速自在 手には、6個のトルク伝達ボールを備えた構 造のものが技術標準として長年にわたって使 用され、性能・信頼性等の面で多くのユーザ の支持を得てきた。しかしながら、本出願人 は、この技術標準としての6個ボールのツェ パジョイントと同等以上の強度、負荷容量 よび耐久性を確保しつつ、高効率で抜本的 軽量・コンパクト化を図った8個ボールのツ ッパジョイントを開発し、既に提案した(例 えば下記の特許文献1)。

 次に、UJタイプの固定型等速自在継手は 図14に示すように、内径面11に複数のトラッ 溝12が円周方向等間隔に軸方向に沿って形 された外側継手部材としての外輪13と、外径 面14に外輪13のトラック溝12と対をなす複数の トラック溝15が円周方向等間隔に軸方向に沿 て形成された内側継手部材としての内輪16 、外輪13のトラック溝12と内輪16のトラック 15との間に介在してトルクを伝達する複数の ボール17と、外輪13の内径面11と内輪16の外径 14との間に介在してボール17を保持するケー ジ18とを備えている。ケージ18には、ボール17 が収容される窓部19が周方向に沿って複数配 されている。

 この場合、外輪13のトラック溝12は、トラ ック溝ボール中心軌跡線が円弧部となる奥側 トラック溝12aと、トラック溝ボール中心軌跡 線が外輪軸線と平行なストレート部となる開 口側トラック溝12bとからなる。奥側トラック 溝12aは、その曲率中心O2を継手中心Ojから軸 向に外輪13の開口側にずらしている。また、 内輪16のトラック溝15は、トラック溝ボール 心軌跡線が内輪軸線と平行なストレート部 なる奥側トラック溝15aと、トラック溝ボー 中心軌跡線が円弧部となる開口側トラック 15bとからなる。開口側トラック溝15bの曲率 心O1を継手中心Ojから軸方向に外輪13の奥側 ラック溝12aの曲率中心O2と反対側の奥側に等 距離Fだけ離して設けている。

 このように、全域を円弧形状としている ェッパタイプに対して、UJタイプの外輪13の トラック形状は、開口側がストレート形状の アンダーカットフリーとなっている。このた め、BJタイプに比べて開口部でボール位置が 径側にあるためシャフト(内輪に嵌入される シャフト)と外輪13のトラック溝12との干渉角 大きくなり、UJタイプはBJタイプに比べてよ り大きい作動角がとれる。また、UJタイプの 輪13のトラック形状は、開口側においてス レート形状となっているために、ボール17の 半径方向の移動量が外径側方向に大きくなり 、それに対応してボール17を保持するためケ ジ18の外径も大きくすることになる。この とから外輪13の内球面径は大きくなる。

 しかしながら、UJタイプは、外輪13の内径 面(内球面)を大きくすることで、外輪13の円 トラック溝が開口側にオフセットしている とによって、奥側のトラック深さは浅くな 。このため、前記したように外輪13の内球面 を大きくすると奥側トラック溝深さは更に浅 くなる。ここで、トラック深さとは、回転状 態でジョイント内部力解析を行い、一回転中 でトラック内を軸方向および接触角方向に移 動するボールの接触楕円が最も球面に近づく 位置でのボール接触点から球面までの距離と して現した。

 また、ボール7,17のケージ8,18での保持と ラック深さの確保から、同じサイズにおい UJタイプはツェッパタイプに比べてボール径 を大きく、またボールのピッチ円PCD、延いて は外輪外径も大きくしている。

 図14に示すUJタイプでは、外輪奥側トラッ ク深さの確保に効果のあるケージオフセット 形状としている。すなわち、継手中心Ojに対 て、ケージ18の外球面18aの中心O4を軸方向開 口側へfcだけオフセットさせ、ケージ18の内 面18bの中心O3を軸方向奥側へfcだけオフセッ させている。このようなケージオフセット イプを、トラック方向ケージオフセットと ぶ。

 近年、6個ボールタイプに比べ外径がコン パクト化された8個ボールのUJタイプの継手も 提案されている(特許文献1)。8個ボールのUJタ イプの継手は、6個ボールよりも小さいボー 径としているため、ボールの大きさ,個数に らずPCRとオフセット量とで決まる前記の半 方向移動量に相当するケージの半径方向寸 (厚み)を確保できるようにオフセット量を さく設定するとともに、図14に示すように、 ケージオフセットを採用している。ここで、 PCRとは、外輪のトラック溝の円弧中心または 内輪のトラック溝の円弧中心とボールの中心 とを結ぶ線分の長さである。

 そして、このような8個のUJタイプではさ なる耐久性向上には、高角時の向上が重要 課題とされている。

 ところで、従来には、6個ボールのツェッ パタイプにおいて、トラック溝の中心を継手 中心軸線から該トラック溝に対して半径方向 反対側に離間した位置にオフセットさせるこ とが開示されている(特許文献2、特許文献3、 及び特許文献4)。

 特許文献2では、外輪のトラック溝を、継 手中心を中心とする開口側第1案内溝と、継 中心から半径方向反対側にオフセットされ 点を中心とする奥側第2案内溝とで形成して る。また、内輪のトラック溝を、継手中心 ら継手中心軸線に沿って奥側にオフセット れた点を中心とする奥側第2トラック溝と、 この奥側第2案内溝の中心からさらに半径方 反対にオフセットされた点を中心とする開 側第2案内溝とで形成している。

 このような構成とすることにより、外輪 奥側第1案内溝の溝深さが大きくなる。また 、内輪の開口側第2案内溝の部分で内輪の肉 が大きくなる。このため、継手が高作動角 取ったとき、ボールが外輪の奥側第1案内溝 乗り上げて該溝のエッジ部分が欠けてしま ことがなくなり、また、ボールからの負荷 よって内輪が損傷してしまうことがなくな 。

 特許文献3では、外輪のトラック溝の中心 と内輪のトラック溝の中心を、それぞれ、直 径方向面(継手中心面)から軸方向両側に等距 だけ離間し、かつ、継手中心軸線から半径 向反対側に所定量だけ離間した位置にオフ ットさせている。このような構成とするこ により、継手が最大作動角を取り、ボール 外輪のトラック溝の入口縁部に極めて接近 た状態において、ボールとトラック溝との 触力が小さくなる。このため、トラック溝 入口縁部の損傷が防止される。

 特許文献4では、外輪のトラック溝及び内 輪のトラック溝の溝中心線の曲率中心が、継 手中心面の両側に偏心され、かつ溝中心線と 軸心とを含む平面上でこの軸心を越えた反対 側にあるように設定している。これによって 、継手角の最大許容角度を大きくでき、外輪 の外径を大きくすることなく強度を確保する ようにしている。

 また、従来には、走行特性等に影響を与 ることことなく最大屈曲角度を増大できる うにするものがある(特許文献5)。すなわち 特許文献5では、走行路の基底と継手回転軸 線との間の距離を、最大値を取る点から出発 して、軌跡曲線の接線と継手回転軸線との間 の交差角が単調に増加するようにしたもので ある。

特開平9-317783号公報

特開平4-228925号公報

特表2002-541395号公報

特開平8-128454号公報

特開昭59-106724号公報

 ツェッパタイプの等速自在継手において トラック溝の中心の軸方向オフセット量(ト ラック溝の中心と継手中心面との軸方向距離 )を小さくし、あるいは、半径方向オフセッ 量(トラック溝の中心と継手中心軸線との半 方向距離)を設けると、継手回転中のトラッ ク荷重(トルク伝達ボールとトラック溝との 触部に作用する荷重)のピーク値が上昇する 向がみられる。引用文献2、3では、6個ボー のゼッパジョイントについて、トラック溝 中心に半径方向オフセットを設けているが これは最大作動角又はその近傍の高作動角 でのトラック溝側壁部分の損傷防止に配慮 たものである。このため、低作動角域及び 作動角域での耐久性確保の課題は全く考慮 れていない。

 特に、前記特許文献2~特許文献4に記載の のでは、いずれも6個ボールであり、しかも 、トラック溝が単一の円弧部から構成される ものである。また、特許文献5においても、6 ボールであり、しかも、トラック溝のスト ート部を有さないものである。このため、8 個ボールでのUJタイプの等速自在継手におい 、低作動角時の耐久性を確保しつつ、高作 角でのトルク容量の向上を図ることが可能 ものは従来には存在しなかった。

 本発明の課題は、低作動角時の耐久性を 保しつつ、高作動角でのトルク容量の向上 図ることが可能な8個ボールでのアンダーカ ットフリータイプの固定型等速自在継手を提 供することにある。

 本発明の第1の固定型等速自在継手は、内 径面に軸方向に延びる8本のトラック溝を形 した外側継手部材と、外径面に軸方向に延 る8本のトラック溝を形成した内側継手部材 、外側継手部材のトラック溝とこれに対応 る内側継手部材のトラック溝とが協働して 成される8本のトルク伝達ボールトラックと 、該トルク伝達ボールトラックにそれぞれ配 された8個のトルク伝達ボールと、トルク伝 ボールを保持するポケットを有するケージ を備え、外側継手部材のトラック溝底面及 内側継手部材のトラック溝底面に曲線部と トレート部を有するアンダーカットフリー イプの固定型等速自在継手であって、継手 作動角が0°の状態で、前記外側継手部材の 線と前記内側継手部材の軸線とを含む直線 継手中心軸線、前記トルク伝達ボールの中 を含み、前記継手中心軸線と直交する平面 継手中心面としたとき、前記外側継手部材 トラック溝の中心と前記内側継手部材のト ック溝の中心とが、それぞれ、前記継手中 面から軸方向両側に離間し、かつ、前記継 中心軸線からこれらトラック溝に対して半 方向反対側に離間した位置にオフセットさ ているとともに、前記ケージの外球面中心 ケージの内球面中心とを一致させ、前記外 継手部材のトラック溝の中心又は前記内側 手部材のトラック溝の中心と前記トルク伝 ボールの中心との間の距離をRt、前記外側継 手部材のトラック溝の中心又は前記内側継手 部材のトラック溝の中心と前記継手中心面と の間の軸方向距離をFとしたとき、FとRtとの R1(=F/Rt)が0.061≦R1≦0.087であり、かつ、前記 側継手部材のトラック溝の中心又は前記内 継手部材のトラック溝の中心と前記継手中 軸線までの距離である半径方向オフセット をfrとしたとき、frと前記Rtとの比R3(=fr/Rt)が0 .07≦R3≦0.19であるものである。

 また、本発明の第2の固定型等速自在継手 は、内径面に軸方向に延びる8本のトラック を形成した外側継手部材と、外径面に軸方 に延びる8本のトラック溝を形成した内側継 部材と、外側継手部材のトラック溝とこれ 対応する内側継手部材のトラック溝とが協 して形成される8本のトルク伝達ボールトラ ックと、該トルク伝達ボールトラックにそれ ぞれ配された8個のトルク伝達ボールと、ト ク伝達ボールを保持するポケットを有する ージとを備え、外側継手部材のトラック溝 面及び内側継手部材のトラック溝底面に曲 部とストレート部を有するアンダーカット リータイプの固定型等速自在継手であって 継手の作動角が0°の状態で、前記外側継手 材の軸線と前記内側継手部材の軸線とを含 直線を継手中心軸線、前記トルク伝達ボー の中心を含み、前記継手中心軸線と直交す 平面を継手中心面としたとき、前記外側継 部材のトラック溝の中心と前記内側継手部 のトラック溝の中心とが、それぞれ、前記 手中心面から軸方向両側に離間し、かつ、 記継手中心軸線からこれらトラック溝に対 て半径方向反対側に離間した位置にオフセ トされ、ケージの外球面中心が継手中心よ も内側継手部材のトラック溝の中心側に配 されるとともに、ケージの内球面中心が継 中心よりも外側継手部材のトラック溝の中 側に配置されて、ケージの外球面中心又は ージの内球面中心と継手中心面までの軸方 距離をfcとし、トルク伝達ボールの中心から 継手中心軸線までの距離をRとしたとき、fcと Rとの比R2(=fc/R)が0.01以下とし、前記外側継手 材のトラック溝の中心又は前記内側継手部 のトラック溝の中心と前記トルク伝達ボー の中心との間の距離をRt、前記外側継手部 のトラック溝の中心又は前記内側継手部材 トラック溝の中心と前記継手中心面との間 軸方向距離をFとしたとき、FとRtとの比R1(=F/R t)が0.044≦R1≦0.087であり、かつ、前記外側継 部材のトラック溝の中心又は前記内側継手 材のトラック溝の中心と前記継手中心軸線 での距離である半径方向オフセット量をfr したとき、frと前記Rtとの比R3(=fr/Rt)が0.07≦R3 ≦0.19であるものである。

 常用角(作動角6°)においては、前記R1値が 小さいほどトラック深さが深くなり、R3値が さいほどトラック深さが深くなる。ここで トラック深さとは、回転状態でジョイント 部力解析を行い、一回転中でトラック内を 方向および接触角方向に移動するボールの 触楕円が最も球面に近づく位置でのボール 触点から球面までの距離である。ボール接 点から球面部までの距離は大きいほど耐久 は良くなる。

 外側継手部材のトラック溝の中心(曲線部 の曲率中心)に半径方向オフセットを設ける とにより、半径方向オフセットを設けない 合に比べて、トラック溝の継手奥部側部分 溝深さが相対的に大きくなる。そのため、 ラック溝の継手奥部側壁部の剛性が増大す 。これにより、継手が高作動角を取って、 ルク伝達ボールがトラック溝の継手奥部側 寄った位置でトルクを伝達する場合、トラ ク溝の継手奥部側壁部のエッジ部分の変形 抑制され、高作動角域での継手の捩り強度 向上する。また、高作動角域でのトルク容 が増大し、トラック溝の継手奥部側壁部で エッジロードが減少する結果、高作動角域 の継手の耐久性が向上する。ここで、トル 容量とは、継手がある作動角を取りつつト クを伝達する際に、トルク伝達ボールとト ック溝との接触部の接触楕円の端部が、ト ック溝のエッジ線と重なるトルクである。

 また、R2を0.01以下とすることによって、 ージの開口側の肉厚が薄くなるのを防止で る。R1値が小さいほどPV値(ボールとトラッ 間の滑り速度とトラック荷重を乗じたもの) 小さくなる。PV値が小さいほど耐久性は良 なる。

 この固定型等速自在継手において、外側 手部材のトラック溝底面及び内側継手部材 トラック溝底面に曲線部を単一円弧とする が好ましい。これは、加工が容易で製造コ トが安価となるからである。また、FとRtと 比R1(=F/Rt)を0.071以下とするのが好ましく、fr とRtとの比R3(=fr/Rt)を0.15以上とするのが好ま い。

 前記等速自在継手は、例えば自動車のド イブシャフトの連結に用いられる。

 本発明によれば、高作動角時において外 奥側のトルク容量が増えるため、トラック 壁面の剛性が向上し、トラックエッジ部の 形が抑えられ、捩り強度が向上する。高作 角時において外輪奥側のトラック深さが増 るため、乗り上げトルクが向上し、エッジ ードが減少し、高作動角での耐久性が向上 る。常用角(作動角6°)では、従来並みのト ック深さを確保でき、耐久性は従来と同等 それ以上となる。特にR1=0.071以下とするとト ラック深さはより深く、PV値も低くなり耐久 が向上する。このように、この固定型の等 自在継手では、高い耐久性要求に適用でき のでサイズダウンが図れ、軽量となり、ま 低コスト化にもなる。また、R1=0.087以下と て従来品より低い値とすると、軸方向のボ ルからケージへの荷重および、ボールの半 方向移動量が減少するなどによりトルク伝 効率が向上する。

本発明の第1実施形態を示す固定型等速 自在継手の断面図である。 前記固定型等速自在継手の断面図であ 。 前記固定型等速自在継手のトラック溝 状の説明図である。 本発明の第2実施形態を示す固定型等速 自在継手の断面図である。 前記固定型等速自在継手の断面図であ 。 折り曲げ状態の断面図である。 作動角と作動角方向のトルクとの関係 示すグラフ図である。 R1と作動角方向のトルクとの関係を示 グラフ図である。 R1と外輪トラック深さとの関係を示す ラフ図である。 R3と外輪トラック深さとの関係を示す ラフ図である。 R1と外輪PV値との関係を示すグラフ図 ある。 R3とトラック深さとの関係を示すグラ 図である。 ツェッパタイプの固定型等速自在継手 の断面図である。 従来のアンダーカットフリータイプの 固定型等速自在継手の断面図である。

以下、本発明の実施形態を図面に従って説 明する。

 この実施形態の固定型等速自在継手は、 えば自動車のドライブシャフトの固定側(車 輪側)に配置されるもので、図1と図2に示すよ うに、内径面31に複数(8個)のトラック溝32が 周方向等間隔に軸方向に沿って形成された 側継手部材としての外輪33と、外径面34に外 33のトラック溝32と対をなす複数(8個)のトラ ック溝35が円周方向等間隔に軸方向に沿って 成された内側継手部材としての内輪36と、 輪33のトラック溝32と内輪36のトラック溝35と が協働して形成される8本のボールトラック それぞれ配された8個のトルク伝達ボール37 、外輪33の内径面31と内輪36の外径面34との間 に介在してボール37を保持するケージ38とを えている。ケージ38には、ボール37が収容さ る窓部39が周方向に沿って複数配設されて る。なお、内輪36の内径面に軸部を連結する ための歯型(セレーション又はスプライン)36a 形成している。

 外輪33のトラック溝32は、トラック溝ボー ル中心軌跡線が曲線部(円弧部)となる奥側ト ック溝32aと、トラック溝ボール中心軌跡線 外輪軸線と平行なストレート部となる開口 トラック溝32bとからなる。また、内輪36の ラック溝35は、トラック溝ボール中心軌跡線 が内輪軸線と平行なストレート部となる奥側 トラック溝35aと、トラック溝ボール中心軌跡 線が曲線部(円弧部)となる開口側トラック溝3 5bとからなる。

 外輪33のトラック溝32や内輪36のトラック 35は、鍛造加工のみ、又は鍛造加工後の削 加工等にて成形したゴシックアーチ状であ 。図3に示すように、ゴシックアーチ状とす ことによって、トラック溝32、35とボール37 アンギュラ接触となっている。すなわち、 ール37は、外輪33のトラック溝32と2点C11,C12 接触し、内輪36のトラック溝35と2点C21,C22で 触する形状となっている。ボール37の中心Ob 継手中心Ojを通る線分P1に対するボール37の 心Obと各トラック溝32,35との接触点C11,C12,C21, C22とのなす角度が、接触角αである。各接触 C11,C12,C21,C22の接触角αはすべて等しく設定 れている。

 図1と図2においては、継手の作動角θが0° の状態を示しており、この状態では、外輪33 軸線と内輪36の軸線とが直線X上で一致し、 た、全てのトルク伝達ボール37の中心Obを含 む平面Pは直線Xと直交する。以下、直線Xを継 手中心軸線X、平面Pを継手中心面P、継手中心 面Pと継手中心軸線Xとの交点を継手中心Ojと う。

 図2に示すように、外輪33のトラック溝32 奥側トラック溝32aの中心(曲率中心)O2は、継 中心面Pから継手開口側(図2で右側)に軸方向 距離Fだけ離間し、かつ、継手中心軸線Xから のトラック溝32に対して半径方向反対側に 径方向距離frだけ離間した位置にオフセット されている。また、内輪36のトラック溝35の 口側トラック溝35bの中心O1は、継手中心面P ら継手奥部側(同図で左側)に軸方向距離Fだ 離間し、かつ、継手中心軸線Xからこのトラ ク溝35に対して半径方向反対側に半径方向 離frだけ離間した位置にオフセットされてい る。

 以下、トラック溝32,35の中心O2、O1と継手 心面Pとの軸方向距離(F)を軸方向オフセット 量F、曲率中心O2、O1と継手中心軸線Xとの半径 方向距離(fr)を半径方向オフセット量frという 。尚、この実施形態において、外輪33のトラ ク溝32と内輪36のトラック溝35とは、軸方向 フセット量Fが相等しく、また、半径方向オ フセット量frが相等しい。

 また、この実施形態では、ケージ38の外 面38aの中心O4、および、ケージ38の内球面38b 中心O3は、いずれも、継手中心Oj上にある。

 図1に示すように、外輪33のトラック溝32 中心(曲率中心)O2又は内輪36のトラック溝35の 中心(曲率中心)O1とトルク伝達ボール37の中心 Obとの間の距離をRtとし、外輪33のトラック溝 32の中心O2又は内輪36のトラック溝35の中心O1 継手中心面Pとの間の軸方向距離(前記軸方向 オフセット量)をFとしたとき、FとRtとの比R1(= F/Rt)が0.061≦R1≦0.087であるように設定する。 のため、このR1はオフセット(軸方向オフセ ト)の程度を表す値と呼ぶことができる。

 また、外輪33のトラック溝32の中心(曲率 心)O2又は内輪36のトラック溝35の中心(曲率中 心)O1と継手中心軸線Xまでの距離である半径 向オフセット量をfrとしたとき、frとRtとの R3(=fr/Rt)が0.07≦R3≦0.19であるように設定する 。このため、R3をオフセット(半径方向オフセ ット)の程度を表す値と呼ぶことができる。

 次に、図4と図5は本発明の第2の実施形態 示している。図5に示すうに、ケージ38の外 面中心O4が継手中心Ojよりも内輪36のトラッ 溝の中心O1側に配置されるともに、ケージ38 の内球面中心O3が継手中心Ojよりも外輪33のト ラック溝の中心O2側に配置されている。すな ち、ケージ38の外球面中心O4とケージ38の内 面中心O3とが、継手中心Ojに対して軸線方向 にそれぞれfcだけオフセットされている。こ ようなケージオフセットタイプのものを、 14のトラック方向ケージオフセットと呼ぶ に対向して、反トラック方向ケージオフセ トと呼ぶ。

 この場合も、図5に示すように、外輪33の ラック溝32の奥側トラック溝32aの中心(曲率 心)O2は、継手中心面Pから継手開口側に軸方 向距離Fだけ離間し、かつ、継手中心軸線Xか このトラック溝32に対して半径方向反対側 半径方向距離frだけ離間した位置にオフセッ トされている。また、内輪36のトラック溝35 開口側トラック溝35bの中心O1は、継手中心面 Pから継手奥部側に軸方向距離Fだけ離間し、 つ、継手中心軸線Xからこのトラック溝35に して半径方向反対側に半径方向距離frだけ 間した位置にオフセットされている。

 FとRtとの比R1(=F/Rt)が0.044≦R1≦0.087である うに設定するとともに、frとRtとの比R3(=fr/Rt )が0.07≦R3≦0.19であるように設定する。また ケージ38の外球面中心O4(外輪33の内径面中心 )又はケージ39の内球面中心O3(内輪36の外径面 心)と継手中心面Pまでの軸方向距離をfcとし 、トルク伝達ボール37の中心Obから継手中心 線Xまでの距離をRとしたとき、fcとRとの比R2( =fc/R)が0.01以下とする。なお、図4と図5に示す 固定型等速自在継手の他の構成は前記図1と 2に示す固定型等速自在継手と同様であるの 、それらの説明を省略する。

 第1の実施形態や第2の実施形態のように、 径方向にオフセットしている構造は、従来 よりさらに小さいオフセット量まで作動性 良好となる。これは、主に隙間により発生 る内輪36の継手中心Ojからのズレ量が従来品 比べ小さいためである。このことは、本発 品は従来品よりトラック溝が継手中心軸線X より半径方向外側に位置していることに起因 して、作動角を取った状態での8個のトラッ 荷重の発生するトラックの箇所
が従来品と開発品で異なっており、このこと から内輪36を支えるボールの位置関係の違い より内輪36のずれる方向及びずれる量が異 ってくるためである。

 次に前記比R1(=F/Rt)の最適範囲について説 する。図6に示すように、捩りトルクなしと して作動角方向に作動角-20°から+20°までシ フトを折り曲げる。すなわち、折り曲げた きの作動角方向の折り曲げ抵抗トルク値に して機構解析により算出した。

 この場合、継手内部隙間については、ボ ル37と内輪36のトラック溝35及びボール37と 輪33のトラック溝32の隙間量は、通常この種 固定型等速自在継手において量産されてい ものの隙間とした。なお、外輪33の内球面( 径面)31とケージ外球面隙間は、実際より小 い隙間とし、内輪36の外球面(外径面)34とケ ジ内球面38bとの隙間は通常のものより大き 隙間量とした。また、ケージ38の窓部39とボ ール37間についても通常の負の隙間よりも小 い負の隙間としている。すなわち、作動角 向の折り曲げ抵抗トルク値が発生し易い、 動性が悪くなる条件としている。

 図7に半径方向にオフセットしていない従 来構造の8個ボール(トラック中心方向にケー オフセットしている)の前記解析結果を示し ている。図7において、細線がR1を0.070とした 合を示し、太線がR1を0.078とした場合を示し 、中線がR1を0.087とした場合を示している。 の図7からわかるように、R1を0.070とした場合 と、R1を0.078とした場合とにおいて、作動角 +7.5°付近からトルク値が立ち上がり+13°でピ ーク値が確認される。また、解析結果からR1 が0.087のときはトルクは発生しておらずス ースに作動しており、R1値が小さくなると折 り曲げ抵抗トルクが増加する。すなわち、こ の解析条件の隙間の従来品は、R1値が0.087ま は作動性が良好であるが、それより小さく ると作動性が悪くなる。

 次に図8は、同じ隙間条件で本発明品につ いてR1値を可変し、R1値に対する前記解析か 最大トルク値を従来品と比較した結果を示 ている。図8において、実線は従来品(半径方 向にオフセットさせないトラック溝で、ケー ジオフセット形状のもの)を示し、1点鎖線は 記図1に示す本発明品(本発明品Aと呼ぶ)を示 し、破線は図4に示す本発明品(本発明品Bと呼 ぶ)を示している。従来品は図14に示すように 、トラック方向ケージオフセットタイプであ り、R2=0.0096とし、R3=0としている。また、発 品Aは図1に示すように、ケージオフセット無 しタイプであって、R2=0とし、R3=0.167としてい る。発明品Bは図4に示すように、反トラック 向ケージオフセットタイプであり、R2=0.0095 し、R3=0.167としている。

 このように、本発明品である半径方向に フセットしている構造は、従来品よりさら 小さいオフセット量まで作動性が良好とな 。これは、主に隙間により発生する内輪の ョイント中心からのズレ量が開発品は従来 に比べ小さいためである。このことは、発 品は従来品よりトラックが中心軸より半径 向外側に位置していることに起因して、作 角を取った状態での8個のトラック荷重の発 生するトラックの箇所が従来品と開発品で異 なっているためである。すなわち、内輪を支 えるボールの位置関係の違いにより内輪のず れる方向及びずれる量が異なってくるためで ある。

 解析結果からAタイプ(発明品A)よりもBタ プ(発明品B)のほうがより小さいR1値まで作動 性が良好となることがわかる。そして、本発 明品Aでは、R1として0.061以上が作動性良好と うことができ、本発明品Bでは、R1として0.04 5以上が作動性良好ということができる。

 次に、常用角(6°)での耐久試験条件のと の外輪33のトラック深さの値を図9と図10に示 す。図9はR1と外輪33のトラック深さとの関係 示し、この図9において、●はケージオフセ ット無しのAタイプであり、R2=0とし、R3=0.167 し、特に、○はR1=0.087である(つまり、A2タイ プである)。■は反トラック方向ケージオフ ットのBタイプであり、R2=0.0095とし、R3=0.167 し、特に、□はR1=0.071である。▲はケージオ フセット無しのAタイプであり、R2=0とし、R3=0 .221とし、特に、△はR1=0.096である(つまりA1タ イプである)。図9において、*は従来品を示し ている。この従来品は、R1=0.087であり、R2=0.00 96であり、R3=0である。

 図10はR3と外輪33のトラック深さとの関係 示し、この図9において、○はA2タイプであ 、R3=0.167であり、R1=0.087であり、R2=0である ▲はAタイプであり、R3=0.221であり、R1=0.087で あり、R2=0である。

 常用角(6°)においては、R1値が小さいほど トラック深さが深くなり、またR3値が小さい どトラック深さが深くなる。尚、Bタイプ( ージオフセット品)は、小さいR1値が採れる とから有利である。ここでトラック深さと 、回転状態で継手内部力解析を、大きいト クの常用角(作動角6°)耐久条件で行い、一回 転中でトラック内を軸方向および接触角α方 に移動するボールの接触楕円51が最も球面 近づく位置でのボール接触点から球面まで 距離L(図3参照)である。

 常用角耐久試験では、特にトルクが大き 試験において、トラック上の荷重が大きい とによりボール接触楕円51が大きくなり、 輪33の内径面にこの接触楕円51がはみ出して ッジロードから剥離が発生しており、耐久 の向上にはボール接触点から球面部までの 離Lは大きいほど耐久性は良くなる。

 次に図11は、常用角(6°)耐久試験条件での 解析結果からの外輪のPV値を示す。PV値は、 ールとトラック間の滑り速度とトラック荷 を乗じたものである。このPV値が小さいほど 耐久性は良くなる。解析結果からR1値が小さ ほどPV値が小さくなる。しかし、R1値0.071以 ではPV値の減少は鈍化する。なお、Bタイプ( ケージオフセット品)は、小さいR1値が採れる ことから有利である。また、内輪36のPV値は R1値を小さくすることで外輪とは逆に大きく なる関係がある、このため、内輪36のPV値増 による内輪耐久性の低下が懸念される。R1値 0.071では、内輪の不具合は認められていない なお、図11における各■、□、▲、△、● ○の発明品は図9に示す各■、□、▲、△、 、○と同じタイプの固定型等速自在継手を している。

 次に図12は、作動角46°でトルク250Nmを負 したときの解析結果からのトラック深さを している。図12において、□は反トラック方 向ケージオフセットのBタイプであり、R1=0.071 であり、R2=0.0095であり、R3=0.167である(つまり 、B1タイプである)。●はケージオフセット無 しのAタイプであり、R1=0.087とし、R2=0とし、 に、○はR3=0.167である(つまり、A2タイプであ る)。▲はケージオフセット無しのAタイプで り、R1=0.096、R2=0とし、特に、△はR3=0.221で る(つまりA1タイプである)。

 このように、作動角46°においては、R3値 大きいほどトラック深さは深くなり、またR 1値については小さいほどトラック深さは深 なる。R1値0.087では、R3値が0.07になると従来 同等の深さとなる。

 なお、従来品と前記各発明品のタイプ別のR 1、R2、R3の値、およびケージオフセットの種 を表1に示した。また、従来におけるR1、R2 R3も、比R1(=F/Rt)であり、比R2(=fc/R)であり、比 R3(=fr/Rt)である。

 前記図7から図12から分かるように、R1の 適の範囲では、Aタイプでは、0.061~0.087であ 、Bタイプでは、0.044~0.087である。この場合 下界値は、図8から分かるように、作動性の 界値である。上限値は、後述する常用角耐 試験結果及びトラック深さが従来品以上に 保できる範囲である。特に、Aタイプでは、 0.061~0.071とし、Bタイプでは、0.044~0.071とする がさらに好適な範囲となる。これは、図11 ら、PV値が従来品以下となる範囲としている 。この上限範囲とすることでさらにトラック 深さが大きくなりさらに耐久性が向上する。

 R2としては0.01以下が好ましい。R2が0.01を えると、ケージ38の開口側(継手開口側)の肉 厚が薄くなり、強度が低下するおそれがある からである。

 R3としては0.07~0.19が好ましい。すなわち 図12から分かるように、好適なR1値の0.087に いて、トラック深さを従来品なみに確保で る範囲の0.07以上とする。また、後述する常 角耐久時のトラック深さから従来品並みに 保できる0.19以下とする(図10参照)。特に、R3 を0.15~0.19とするのがより好ましい。0.15は、 12における本発明品A1のトラック深さのレベ をR1=0.087に対応するR3値としたものである。

 本発明では、外輪33のトラック溝32の中心 (曲線部の曲率中心)に半径方向オフセットを けることにより、半径方向オフセットを設 ない場合に比べて、トラック溝32の継手奥 側部分の溝深さが相対的に大きくなる。そ ため、トラック溝32の継手奥部側壁部の剛性 が増大することになる。このため、継手が高 作動角を取って、トルク伝達ボール37がトラ ク溝32の継手奥部側に寄った位置でトルク 伝達する場合、トラック溝32の継手奥部側壁 部のエッジ部分の変形が抑制され、高作動角 域での継手の捩り強度が向上する。また、高 作動角域でのトルク容量が増大する。ここで 、トルク容量とは、継手がある作動角を取り つつトルクを伝達する際に、トルク伝達ボー ル37とトラック溝32との接触部の接触楕円の 部が、トラック溝32のエッジ線と重なるトル クである。

 このように本発明では、高作動角時にお て外輪奥側のトルク容量が増えるため、ト ック溝壁面の剛性が向上し、トラックエッ 部の変形が抑えられ、捩り強度が向上する 高作動角時において外輪奥側のトラック深 が増えるため、乗り上げトルクが向上し、 ッジロードが減少し、高作動角での耐久性 向上する。常用角では、従来並みのトラッ 深さを確保でき、耐久性は従来と同等かそ 以上となる。特にR1=0.071以下とするとトラ ク深さはより深く、PV値も低くなり耐久性が 向上する。このように、この固定型の等速自 在継手では、高い耐久性要求に適用できるの でサイズダウンが図れ、軽量となり、また低 コスト化にもなる。また、R1=0.087以下として 来品より低い値とすると、軸方向のボール3 7からケージ38への荷重および、ボール37の半 方向移動量が減少するなどにより効率が向 する。このため、本発明の固定型等速自在 手は自動車のドライブシャフト用に最適と る。

 以上、本発明の実施形態につき説明した 、本発明は前記実施形態に限定されること く種々の変形が可能であって、例えば、軸 向オフセット量、径方向オフセット量、ケ ジオフセット量等は、R1、R2、及びR3が前記 適な値となる範囲で任意に設定できる。ま 、半径方向オフセットによる作動性の向上 よりR1値を低く設定できることから、ケー 38の外球面中心O4を継手中心Ojよりも外輪33の トラック溝32の中心O2側に配置するとともに ケージ38の内球面中心O3が継手中心Ojよりも 輪36のトラック溝35の中心O1側に配置するも であってもよい。本発明にかかる固定型等 自在継手は、ドライブシャフト用に限るも ではなく、プロペラシャフト、さらには他 各種の産業機械の動力伝達系に使用できる なお、図1に示す固定型等速自在継手であっ も、図4に示す固定型等速自在継手であって も、トラック溝32,35の曲線部を単一円弧とし いるが、複数の円弧でもって形成してもよ 。曲線部を単一円弧であれば、加工が容易 製造コストが安価となる利点がある。

 実施例1
 大きなトルク条件での常用角(作動角6°)耐 試験を行って、その結果を次の表2に表した この場合、従来品のサンプルを2個(従来品No ,1、従来品No,2)製作し、前記発明品A1のサンプ ルを2個(発明品A1No,1、発明品A1No,2)製作し、前 記発明品A2及び発明品Bのサンプルをそれぞれ 4個(発明品A2No,1、発明品A2No,2、発明品A2No,3、 明品A2No,4、発明品B1No,1、発明品B1No,2、発明 B1No,3、発明品B1No,4)製作した。トルク834Nm、 転速度230r/minの条件で耐久試験を行なった

 表2において、△は不具合が生じたものの 継続運転が可能な状態を示し、×は不具合が きく継続運転できない状態を示している。 転時間138時間で、従来品No,1、従来品No,2に 内輪が損傷する不具合(継続運転が可能な不 合)が生じたのに対して、発明品にはこのよ うな不具合が生じなかった。また、運転時間 276時間で、発明品A1No,1に、外輪とボールに大 きな不具合が生じて、継続運転できない状態 となり、発明品A1No,2に、ボールに大きな不具 合が生じて、継続運転できない状態となった 。また、この運転時間276時間で、発明品A2No,1 、発明品A2No,3、及び発明品A2No,4に外輪が損傷 する不具合(継続運転が可能な不具合)が生じ 。なお、各発明品についての解析からのト ック深さを、前記図9と図10のグラフ図の裏 けとなり、図11のPV値の裏づけとなっている 。

 このように、従来品は内輪から不具合が 生しているが、発明品は、内輪の不具合は 生していない。これは、半径方向にオフセ トしているため内輪の円弧部半径が大きい めトラック主曲率が大きく、これにより面 が低下するためである、発明品については トラック深さ及びPVの解析結果と同様に、 輪に発生する不具合はトラック深さが深い ど又PV値が低いほど耐久性は良くなることが 確認された。発明品は耐久性において、従来 品より良好であることがわかる。

 実施例2
次に高角での耐久試験を行い、その結果を次 の表3に表した。この場合、従来品のサンプ を2個(従来品No,1、従来品No,2)製作し、発明品 A1、発明品A2、及び発明品Bのサンプルを2個( 明品A1No,1、発明品A1No,2、発明品A2No,1、発明 A2No,2発明品B1No,1、発明品B1No,2、)製作した。 ルク549Nm,角度0~46°(揺動),回転速度80r/minの条 件で耐久試験を行なった。

 運転時間3.7時間で、従来品No,1及び従来品 No,2は、外輪の奥側において、トラック欠け よる不具合を生じた。運転時間7.4時間で、 明品A1No,1及び発明品A1No,2は、外輪の奥側に いて、トラック欠けによる不具合を生じた 運転時間14.8時間で、発明品A2No,1及び発明品A 2No,2は、外輪の奥側において、トラック欠け よる不具合を生じた。発明品B1No,1及び発明 B1No,2は、運転時間18.5時間を過ぎても不具合 が生じなかった。このように、発明品は従来 品よりも耐久性が向上していることが分かる 。特に、発明品B1が優れる。

 本発明にかかる固定型等速自在継手は、 ライブシャフト用に限るものではなく、プ ペラシャフト、さらには他の各種の産業機 の動力伝達系に使用できる。トラック溝の 線部を単一円弧で構成しても、複数の円弧 もって構成してもよい。曲線部を単一円弧 あれば、加工が容易で製造コストが安価と る利点がある。

 32,35 トラック溝
 37 トルク伝達ボール
 38 ケージ