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Patent Searching and Data


Title:
PNEUMATIC TIRE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/150941
Kind Code:
A1
Abstract:
A pneumatic tire having extended wear life achieved without an increase in the weight of the tire and also having enhanced wet braking performance.  A pneumatic tire is provided with a carcass layer mounted between a pair of bead sections, a belt layer embedded in a tread section, on the outer peripheral side of the carcass layer, and main grooves formed in the tread section so as to extend in the circumferential direction of the tire.  The maximum depth of the main grooves is from 8.5 mm to 15.0 mm, the ratio α of a section height SH of the actual tire to a section height SHstd calculated from the size of the tire is in the range of 0.97 ≤ α ≤ 0.99, the ground contact area ratio when the air pressure of the tire is 200 kPa and a tire load is 50% of a load capacity at the air pressure of 200 kPa is from 65% to 70%, and an average ground contact pressure under the measuring conditions is from 300 kPa to 400 kPa.

Inventors:
EBIKO MASAHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/059744
Publication Date:
December 17, 2009
Filing Date:
May 28, 2009
Export Citation:
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Assignee:
YOKOHAMA RUBBER CO LTD (JP)
EBIKO MASAHIRO (JP)
International Classes:
B60C9/08; B60C9/18; B60C9/22; B60C11/00; B60C11/01; B60C11/03; B60C11/04; B60C11/12; B60C15/06
Domestic Patent References:
WO2009078425A12009-06-25
Foreign References:
JPH05254310A1993-10-05
JP2000168316A2000-06-20
JP2000185526A2000-07-04
JPH0781305A1995-03-28
Attorney, Agent or Firm:
OGAWA, Shin-ichi et al. (JP)
Shin-ichi Ogawa (JP)
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Claims:
 一対のビード部間にカーカス層を装架し、トレッド部におけるカーカス層の外周側にベルト層を埋設すると共に、前記トレッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主溝を設けた空気入りタイヤにおいて、前記主溝の最大溝深さが8.5mm~15.0mmであり、タイヤサイズから算出されるセクションハイトSH std  に対する実タイヤのセクションハイトSHの比αが0.97≦α≦0.99の範囲にあり、空気圧を200kPaとして荷重を空気圧200kPa時の負荷能力の50%としたときの接地面積比率が65%~70%であり、その測定条件での平均接地圧Pが300kPa~400kPaであることを特徴とする空気入りタイヤ。
 前記トレッド部を構成するキャップコンパウンドの23℃でのJIS-A硬度が50~68であることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
 偏平率が65%~85%であり、タイヤ断面幅SWに対する最大接地幅GCWの比βが0.60≦β≦0.70の範囲にあることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の空気入りタイヤ。
 前記トレッド部のショルダーに位置するショルダー陸部の最大接地長さLsと、前記トレッド部のセンターに位置するセンター陸部の最大接地長さLcとが0.80≦Ls/Lc≦0.95の関係にあることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記実タイヤのセクションハイトSHが150mm~200mmであることを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 タイヤ子午線に沿って測定される平均トレッドラジアスRがタイヤ外径Dに対して0.70≦R/D≦0.90の関係にあることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記トレッド部に2層のベルト層を備え、これらベルト層のコード交差角度が44°~52°であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記トレッド部に2層のベルト層を備え、これらベルト層が互いに重なる部分の幅BWが最大接地幅GCWに対して0.90≦BW/GCW≦1.00の関係にあることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記ビード部におけるビードコア上にビードフィラーを備え、該ビードフィラーのビードヒールからの高さHが前記実タイヤのセクションハイトSHに対して0.20≦H/SH≦0.30の関係にあることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記トレッド部にシースルー構造を有する4本の主溝を備え、タイヤ赤道側に位置する主溝A1の中央位置からタイヤ赤道までの距離A1Lが最大接地幅GCWに対して0.05≦A1L/GCW≦0.15の関係にあり、ショルダー側に位置する主溝A2の中央位置からタイヤ赤道までの距離A2Lが最大接地幅GCWに対して0.25≦A2L/GCW≦0.40の関係にあることを特徴とする請求項1~9のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
 前記トレッド部におけるベルト層の外周側にベルトカバー層を備え、該ベルトカバー層の一方の端部を前記ベルト層よりもタイヤ幅方向外側に配置し、該ベルトカバー層の他方の端部を前記タイヤ赤道側の主溝A1と前記ショルダー側の主溝A2とで区分される陸部の下方域に配置したことを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤ。
 前記タイヤ赤道側の主溝A1と前記ショルダー側の主溝A2とを繋ぐ複数本のラグ溝を備え、該ラグ溝の中心線を互いに交差する2つの直線から構成し、該ラグ溝の中心線と前記主溝A1との交差角A1θが40°~60°であり、該ラグ溝の中心線と前記主溝A2との交差角A2θが60°~80°であることを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤ。
 前記主溝により区分される5列の陸部をそれぞれ複数のブロックから構成し、これらブロックにサイプを配置し、前記タイヤ赤道側の主溝A1,A1間に形成されるブロックではサイプの一端をブロック内で終端させる一方で他端を前記主溝A1に連通させ、前記タイヤ赤道側の主溝A1と前記ショルダー側の主溝A2との間に形成されるブロックではサイプの一端を前記主溝A1に連通させる一方で他端を前記主溝A2に連通させ、前記ショルダー側の主溝A2の外側に形成されるブロックではサイプの一端を前記主溝A2に連通させる一方で他端を接地端に連通させることを特徴とする請求項10に記載の空気入りタイヤ。
Description:
空気入りタイヤ

 本発明は、摩耗寿命を重視する場合に好 な空気入りタイヤに関し、更に詳しくは、 イヤ重量の増加を伴うことなく摩耗寿命の 長を可能にし、更にはウエット制動性能を 上することを可能にした空気入りタイヤに する。

 空気入りタイヤにおいて、摩耗寿命の延 が求められているが、その一方で、環境へ 負荷の低減、製造コストの低減、乗心地の 善等の理由から、タイヤの軽量化も強く求 られている。摩耗寿命を延長するには、ト ッド部のデザイン幅を増大させたり、トレ ド部の溝面積を減少させたり、トレッド部 厚くして溝深さを増大させるといった手法( 例えば、特許文献1参照)を用いることが一般 であるが、これら手法ではタイヤ重量の増 を招くことになる。そのため、摩耗寿命の 長とタイヤの軽量化とを両立することは難 い。

 しかも、近年では車両の高速化に対応す ために100km/hを超える走行速度でのウエット 制動性能を改善することも強く要望されてお り、このような要望に鑑みてトレッド部の溝 面積比率を増加させると摩耗寿命が益々短縮 されることになる。

特開2006-111122号公報

 本発明の目的は、タイヤ重量の増加を伴 ことなく摩耗寿命の延長を可能にし、更に ウエット制動性能を向上することを可能に た空気入りタイヤを提供することにある。

 上記目的を達成するための本発明の空気入 タイヤは、一対のビード部間にカーカス層 装架し、トレッド部におけるカーカス層の 周側にベルト層を埋設すると共に、前記ト ッド部にタイヤ周方向に延びる複数本の主 を設けた空気入りタイヤにおいて、前記主 の最大溝深さが8.5mm~15.0mmであり、タイヤサ ズから算出されるセクションハイトSH std  に対する実タイヤのセクションハイトSHの比 が0.97≦α≦0.99の範囲にあり、空気圧を200kPa して荷重を空気圧200kPa時の負荷能力の50%と たときの接地面積比率が65%~70%であり、その 測定条件での平均接地圧Pが300kPa~400kPaである とを特徴とするものである。

 本発明では、主溝の最大溝深さを比較的 きくする一方で、実タイヤのセクションハ トSHを比較的小さく設定し、所定の測定条 での接地面積比率を適正化することにより 平均接地圧Pを従来よりも大きくしている。 れにより、タイヤ重量の増加を伴うことな 摩耗寿命を延長し、更にはウエット制動性 を向上することが可能になる。

 本発明において、タイヤ重量の軽量化、 耗寿命の延長、ウエット制動性能も向上を り高い次元で達成するために、以下の構造 満足することが好ましい。

 即ち、トレッド部を構成するキャップコ パウンドの23℃でのJIS-A硬度は50~68であるこ が好ましい。偏平率は65%~85%であり、タイヤ 断面幅SWに対する最大接地幅GCWの比βは0.60≦ ≦0.70の範囲にあることが好ましい。トレッ 部のショルダーに位置するショルダー陸部 最大接地長さLsと、トレッド部のセンター 位置するセンター陸部の最大接地長さLcとは 0.80≦Ls/Lc≦0.95の関係にあることが好ましい 実タイヤのセクションハイトSHは150mm~200mmで ることが好ましい。タイヤ子午線に沿って 定される平均トレッドラジアスRはタイヤ外 径Dに対して0.70≦R/D≦0.90の関係にあることが 好ましい。

 トレッド部には2層のベルト層を備え、こ れらベルト層のコード交差角度が44°~52°であ ること好ましい。また、トレッド部には2層 ベルト層を備え、これらベルト層が互いに なる部分の幅BWが最大接地幅GCWに対して0.90 BW/GCW≦1.00の関係にあることが好ましい。

 ビード部におけるビードコア上にはビー フィラーを備え、該ビードフィラーのビー ヒールからの高さHが実タイヤのセクション ハイトSHに対して0.20≦H/SH≦0.30の関係にある とが好ましい。

 トレッド部にはシースルー構造を有する4 本の主溝を備え、タイヤ赤道側に位置する主 溝A1の中央位置からタイヤ赤道までの距離A1L 最大接地幅GCWに対して0.05≦A1L/GCW≦0.15の関 にあり、ショルダー側に位置する主溝A2の 央位置からタイヤ赤道までの距離A2Lが最大 地幅GCWに対して0.25≦A2L/GCW≦0.40の関係にあ ことが好ましい。

 トレッド部におけるベルト層の外周側に ベルトカバー層を備え、該ベルトカバー層 一方の端部をベルト層よりもタイヤ幅方向 側に配置し、該ベルトカバー層の他方の端 をタイヤ赤道側の主溝A1とショルダー側の 溝A2とで区分される陸部の下方域に配置する ことが好ましい。

 タイヤ赤道側の主溝A1とショルダー側の 溝A2とを繋ぐ複数本のラグ溝を備え、該ラグ 溝の中心線を互いに交差する2つの直線から 成し、該ラグ溝の中心線と主溝A1との交差角 A1θが40°~60°であり、該ラグ溝の中心線と主 A2との交差角A2θが60°~80°であることが好ま い。

 主溝により区分される5列の陸部はそれぞ れ複数のブロックから構成し、これらブロッ クにサイプを配置し、タイヤ赤道側の主溝A1, A1間に形成されるブロックではサイプの一端 ブロック内で終端させる一方で他端を主溝A 1に連通させ、タイヤ赤道側の主溝A1とショル ダー側の主溝A2との間に形成されるブロック はサイプの一端を主溝A1に連通させる一方 他端を主溝A2に連通させ、ショルダー側の主 溝A2の外側に形成されるブロックではサイプ 一端を主溝A2に連通させる一方で他端を接 端に連通させることが好ましい。

図1は本発明の実施形態からなる空気入 りタイヤを示す子午線断面図である。 図2は本発明の実施形態からなる空気入 りタイヤのトレッドパターンを示す展開図で ある。 図3は本発明の実施形態からなる空気入 りタイヤにおける接地領域を示す平面図であ る。 図4は本発明の実施形態からなる空気入 りタイヤのトレッドパターンを拡大して示す 展開図である。

 以下、本発明の構成について添付の図面 参照しながら詳細に説明する。図1は本発明 の実施形態からなる空気入りタイヤを示す子 午線断面図であり、図2はそのトレッドパタ ンを示す展開図である。

 図1において、1はトレッド部、2はサイド ォール部、3はビード部である。図1に示す うに、一対のビード部3,3間には引き揃えら た複数本のカーカスコードを含む2層のカー ス層4A,4Bが装架されている。カーカスコー は、特に限定されるものではないが、レー ン、ポリエステル、ナイロン、芳香族ポリ ミド等からなる有機繊維コードを使用する 良い。カーカス層4A,4Bのタイヤ周方向に対す るコード角度は75°~90°の範囲に設定されてい る。タイヤ内側に位置するカーカス層4Aはそ 端部がビードコア5の廻りにタイヤ内側から 外側へ巻き上げられ、ビードコア5上に配置 れたゴム組成物からなるビードフィラー6を み込んでいる。一方、タイヤ外側に位置す カーカス層4Bはその端部がビードコア5及び ードフィラー6よりもタイヤ幅方向外側に配 置されている。

 トレッド部1におけるカーカス層4の外周 にはタイヤ周方向に対して傾斜する複数本 補強コードを含む2層のベルト層7A,7Bが配置 れている。ベルト層7A,7Bの補強コードは、特 に限定されるものではないが、スチールコー ドを用いると良い。更に、ベルト層7A,7Bの外 側にはタイヤ周方向に配向する補強コード 含む少なくとも1層のベルトカバー層8が配 されている。ここでは、ベルトカバー層8は ルト層7A,7Bの端部を覆う部分では積層構造 有し、タイヤ赤道Eに近い部分では単層構造 なっている。ベルトカバー層8の補強コード は、特に限定されるものではないが、ポリエ ステル、ナイロン、芳香族ポリアミド等から なる有機繊維コードを使用すると良い。また 、トレッド部1はアンダートレッドゴム層1Aと キャップトレッドゴム層1Bとを積層した構造 なっている。

 図2に示すように、トレッド部1にはタイ 周方向に延長すると共にシースルー構造を する4本の主溝A1,A1,A2,A2が形成されている。 こで、2本の主溝A1はタイヤ赤道側に位置し 残りの2本の主溝A2はショルダー側に位置し いる。また、シースルー構造とは主溝をタ ヤ周方向に投影したときに連続空間が形成 れている構造である。より具体的には、主 A1,A2が図示のようにジグザグ形状を有する場 合であっても、その幅方向の中央位置にはシ ースルー部分が残存するようになっている。

 トレッド部1には、4本の主溝により5列の 部10,20,20,30,30が形成されている。つまり、 レッド部1のセンター位置には陸部10が配置 れ、陸部10の外側には陸部20が配置され、ト ッド部1のショルダー位置には陸部30が配置 れている。

 センター陸部10には、タイヤ幅方向に延 る複数本のラグ溝11が形成され、これらラグ 溝11により複数のブロック12が区画されてい 。各ブロック12にはラグ溝11と実質的に平行 延びる複数本のサイプ13が形成されている なお、サイプとは溝幅0.3mm~1.4mmの細溝を意味 する。

 また、センター陸部10の外側に位置する 部20には、タイヤ幅方向に延びる複数本のラ グ溝21が形成され、これらラグ溝21により複 のブロック22が区画されている。各ブロック 22にはラグ溝21と実質的に平行に延びる複数 のサイプ23が形成されている。

 更に、ショルダー陸部30には、タイヤ幅 向に延びる複数本のラグ溝31が形成され、こ れらラグ溝31により複数のブロック32が区画 れている。各ブロック32にはラグ溝31と実質 に平行に延びる複数本のサイプ33が形成さ ている。

 なお、上記トレッドパターンは米国のゴ 製造業者協会(RMA)に規定されるスノー用タ ヤの定義を満足するものである。即ち、シ ルダー陸部30のラグ溝31は接地端から少なく も1/2インチ以上トレッドセンター方向に延 、その溝幅が1/16インチ以上であり、タイヤ 周方向に対する傾斜角度が35°~90°の範囲にあ る。

 上述のように構成される空気入りタイヤ おいて、主溝A1,A2の最大溝深さは8.5mm~15.0mm 範囲に設定されている。このような最大溝 さは比較的大きく設定することにより、摩 寿命を延長し、ウエット制動性能を向上す ことができる。

 タイヤサイズから算出されるセクションハ トSH std  に対する実タイヤのセクションハイトSHの比 は0.97≦α≦0.99の範囲に設定されている。通 、オールシーズン用タイヤはスノー性能の 保や摩耗寿命の確保のために溝深さを大き するが、その一方でセクションハイトSHを クションハイトSH std  よりも大きくすることが一般的である。これ に対して、本実施形態のタイヤではセクショ ンハイトSHを意図的に小さく設定することで 地面積比率を適正化し、平均接地圧Pを制御 している。タイヤサイズから算出されるセク ションハイトSH std  (mm)は、(タイヤ断面幅の呼び)×(偏平率)から 出される。一方、実タイヤのセクションハ トSH(mm)は、タイヤを標準リム(メジャーリム) に装着し、空気圧を200kPaとした状態で測定さ れる。つまり、上記内圧充填状態でタイヤの 外周長(mm)を測定し、その外周長から外径(mm) 算出したとき、実タイヤのセクションハイ SHは(外径-リム径の呼び×25.4mm)/2から求める とができる。

 上記空気入りタイヤにおいて、タイヤを 準リム(メジャーリム)に装着し、空気圧を20 0kPaとして荷重を空気圧200kPa時の負荷能力の50 %とした測定条件での接地面積比率は65%~70%と り、その測定条件での平均接地圧Pが300kPa~40 0kPaとなるように設計されている。平均接地 Pを従来よりも大きくすることにより、タイ 重量の増加を伴うことなくウエット制動性 を向上することが可能になる。更には、外 を小さくすることで接地長が短くなるので 地面内における総摩擦エネルギーを低減す ことができ、摩耗寿命を延長することが可 になる。

 図3は上記空気入りタイヤにおける接地領 域を示すものである。図3において、接地境 線Xで囲まれた領域の面積を接地面積GCAとし その接地境界線Xで囲まれた領域における接 地部分の総面積を実接地面積ACAとしたとき、 接地面積比率はACA/GCA×100%から求められる。 た、平均接地圧Pは負荷荷重を実接地面積ACA 除した値である。

 上記空気入りタイヤにおいて、トレッド 1を構成するキャップコンパウンドの23℃で JIS-A硬度は50~68の範囲に設定されている。こ れにより、ウエット制動性能と摩耗寿命とを 高い次元で両立することが可能になる。ここ で、キャップコンパウンドのJIS-A硬度が50未 であるとブロック剛性不足からウエット制 性能が低下し、逆に68を超えると摩耗寿命の 確保が困難になる。

 上記空気入りタイヤにおいて、偏平率は6 5%~85%であり、タイヤ断面幅SWに対する最大接 幅GCWの比βは0.60≦β≦0.70の範囲に設定され いる。これにより、タイヤの軽量化と摩耗 命とを高い次元で両立することが可能にな 。ここで、比βが0.60未満であるとトレッド ザイン幅が過小となるため摩耗寿命の確保 困難になり、逆に0.70を超えるとタイヤの軽 量化が困難になる。

 図3に示すように、トレッド部1のショル ーに位置するショルダー陸部30の最大接地長 さLsと、トレッド部1のセンターに位置するセ ンター陸部10の最大接地長さLcとは0.80≦Ls/Lc 0.95の関係を満たしている。これにより、ウ ット制動性能と摩耗寿命とを高い次元で両 することが可能になる。ここで、矩形比(Ls/ Lc)が0.80未満であるとセンターウエアを生じ 傾向が強くなるため摩耗寿命の確保が困難 なり、逆に0.95を超えると制動時にセンター 域での接地性を十分に確保することができ くなるためウエット制動性能の向上が困難 なる。

 上記空気入りタイヤにおいて、セクショ ハイトSHは150mm~200mmの範囲に設定されている 。これにより、タイヤの軽量化とウエット制 動性能とを高い次元で両立することが可能に なる。ここで、セクションハイトSHが150mm未 であるとタイヤ重量の軽減効果が不十分に り、逆に200mmを超えるとタイヤ剛性の低下に よりウエット制動性能の向上が困難になる。

 上記空気入りタイヤにおいて、タイヤ子 線に沿って測定される平均トレッドラジア Rはタイヤ外径Dに対して0.70≦R/D≦0.90、より 好ましくは、0.75≦R/D≦0.85の関係を満たして る。これにより、ウエット制動性能と摩耗 命とを高い次元で両立することが可能にな 。ここで、R/Dが0.70未満であるとセンターウ エアを生じる傾向が強くなるため摩耗寿命の 確保が困難になり、逆に0.9を超えると制動時 にセンター領域での接地性を十分に確保する ことができなくなるためウエット制動性能の 向上が困難になる。

 なお、平均トレッドラジアスR及びタイヤ 外径Dは空気圧を200kPaとしたときに測定され ものである。平均トレッドラジアスRを測定 る場合、タイヤ子午線に沿ってトレッド表 にラジアスゲージを当てるが、その際、最 ショルダー側の主溝よりもセンター側に位 する全ての陸部がラジアスゲージに接する うにして測定を行う。

 上記空気入りタイヤにおいては、トレッ 部1に2層のベルト層7A,7Bが埋設されているが 、これらベルト層7A,7Bのコード交差角度は44° ~52°の範囲に設定されている。これにより、 エット制動性能と摩耗寿命とを高い次元で 立することが可能になる。ここで、コード 差角度が44°未満であると制動時にセンター 領域での接地性を十分に確保することができ なくなるためウエット制動性能の向上が困難 になり、逆に52°を超えるとセンターウエア 生じる傾向が強くなると同時にベルト層の 内曲げ剛性が小さくなるため摩耗寿命の確 が困難になる。

 また、ベルト層7A,7Bが互いに重なる部分 幅BWは最大接地幅GCWに対して0.90≦BW/GCW≦1.00 関係を満たしている。これにより、摩耗寿 を更に改善することが可能になる。ここで BW/GCWが0.90未満であるとショルダーでのベル ト剛性が不足するためショルダー摩耗を生じ 易くなり、逆に1.00を超えるとセンターウエ を生じる傾向が強くなるため摩耗寿命の確 が困難になる。

 上記空気入りタイヤにおいては、ビード 3におけるビードコア5上にビードフィラー6 配置されているが、該ビードフィラー6のビ ードヒールからの高さHはセクションハイトSH に対して0.20≦H/SH≦0.30の関係を満たしている 。H/SHを0.30以下とすることにより、少ないゴ ボリュームでタイヤ断面幅SWを大きくする とが可能となる。ここで、H/SHが0.20未満であ るとタイヤ剛性の低下により操縦安定性の確 保が困難になり、逆に0.30を超えるとタイヤ 軽量化が不十分になる。

 上記空気入りタイヤにおいては、トレッ 部1にシースルー構造を有する4本の主溝A1,A2 が形成されているが、図4に示すように、タ ヤ赤道側に位置する主溝A1の中央位置からタ イヤ赤道Eまでの距離A1Lが最大接地幅GCWに対 て0.05≦A1L/GCW≦0.15の関係を満たし、ショル ー側に位置する主溝A2の中央位置からタイヤ 赤道Eまでの距離A2Lが最大接地幅GCWに対して0. 25≦A2L/GCW≦0.40の関係を満たしている。これ より、ウエット制動性能と摩耗寿命とを高 次元で両立することが可能になる。ここで A1L/GCW又はA2L/GCWが小さ過ぎるとセンター部の トレッド剛性が不足してセンターウエアを生 じ易くなるため摩耗寿命の確保が困難になり 、逆にA1L/GCW又はA2L/GCWが大き過ぎるとセンタ 部の溝面積比率の低下及びショルダー部の レッド剛性の低下によりウエット制動性能 向上が困難になる。

 主溝A1,A2はジグザグ形状を有しているが 各ブロック12,22,32の主溝に面するエッジは直 線状をなし、そのエッジのタイヤ周方向に対 する傾斜角度が3°~10°であることが好ましい これにより、良好なエッジ効果が得られる めウエット制動性能を向上することができ 。

 上記空気入りタイヤにおいては、トレッ 部1におけるベルト層7A,7Bの外周側にベルト バー層8が配置されているが、該ベルトカバ ー層8の一方の端部はベルト層7A,7Bよりもタイ ヤ幅方向外側に配置され、該ベルトカバー層 8の他方の端部はタイヤ赤道側の主溝A1とショ ルダー側の主溝A2とで区分される陸部20の下 域に配置されている。これにより、接地形 及び接地圧分布を最適化し、ウエット制動 能と摩耗寿命とを高い次元で両立すること 可能になる。なお、陸部20の下方域に配置さ れるベルトカバー層8のエッジから主溝A1,A2ま での最短距離は5mm以上にすることが望ましい 。この最短距離が5mm未満であるとグルーブク ラックを生じ易くなる。

 上記空気入りタイヤにおいては、タイヤ 道側の主溝A1とショルダー側の主溝A2とを繋 ぐ複数本のラグ溝21が形成されているが、図4 に示すように、ラグ溝21の中心線は互いに交 する2つの直線から構成されている。そして 、ラグ溝21の中心線と主溝A1との交差角A1θ(ラ グ溝21の中心線の主溝A1側の線分のタイヤ周 向に対する傾斜角度)は40°~60°の範囲に設定 れ、ラグ溝21の中心線と主溝A2との交差角A2 (ラグ溝21の中心線の主溝A2側の線分のタイヤ 周方向に対する傾斜角度)は60°~80°の範囲に 定されている。これにより、ブロック剛性 確保とエッジ効果の最適化を実現し、ウエ ト制動性能と摩耗寿命とを高い次元で両立 ることが可能になる。

 上記空気入りタイヤにおいては、陸部10,2 0,30をそれぞれ複数のブロック12,22,32から構成 し、これらブロック12,22,32にサイプ13,23,33が 成されているが、タイヤ赤道側の主溝A1,A1間 に形成されるブロック12ではサイプ13の一端 ブロック12内で終端させる一方で他端を主溝 A1に連通させ、タイヤ赤道側の主溝A1とショ ダー側の主溝A2との間に形成されるブロック 22ではサイプ23の一端を主溝A1に連通させる一 方で他端を主溝A2に連通させ、ショルダー側 主溝A2の外側に形成されるブロック32ではサ イプ33の一端を主溝A2に連通させる一方で他 を接地端CEに連通させている。これにより、 ブロック剛性の確保とエッジ効果の最適化を 実現し、ウエット制動性能と摩耗寿命とを高 い次元で両立することが可能になる。

  以上、本発明の好ましい実施形態につ て詳細に説明したが、添付の請求の範囲に って規定される本発明の精神及び範囲を逸 しない限りにおいて、これに対して種々の 更、代用及び置換を行うことができると理 されるべきである。

 タイヤサイズ265/70R16で、図1に示すタイヤ構 造及び図2に示すトレッドパターンを有する 気入りタイヤにおいて、主溝の最大溝深さ タイヤサイズから算出されるセクションハ トSH std  に対する実タイヤのセクションハイトSHの比 、タイヤ外径Dに対する平均トレッドラジア Rの比R/D、空気圧を200kPaとして荷重を空気圧 200kPa時の負荷能力の50%としたときの接地面積 比率、その測定条件での平均接地圧P、タイ 断面幅SWに対する最大接地幅GCWの比β、セン ー陸部の最大接地長さLcに対するショルダ 陸部の最大接地長さLsの比Ls/Lcを表1のように 設定した実施例1~6のタイヤをそれぞれ製作し た。対比のため、同一タイヤサイズで従来構 造を有する空気入りタイヤ(従来例)を用意し 。

  これら試験タイヤについて、下記試験 法により、タイヤ重量、ウエット制動性能 摩耗寿命を評価し、その結果を表1に併せて した。

 タイヤ重量:
 試験タイヤの重量を測定した装着した。評 結果は、測定値の逆数を用い、従来例を100 する指数にて示した。この指数値が大きい ど軽量であることを意味する。

 ウエット制動性能:
 試験タイヤをリムサイズ16×8.0Jのホイール 嵌合して排気量3000ccクラスの車両(SUV)に装着 し、空気圧200kPaの条件で、湿潤状態のテスト コースにて速度120km/hの走行状態から制動し 制動距離を測定した。このような測定を各 験タイヤについて5回行って制動距離の平均 を求めた。評価結果は、測定値の逆数の用 、従来例を100とする指数にて示した。この 数値が大きいほどウエット制動性能が優れ ることを意味する。

 摩耗寿命:
 試験タイヤをリムサイズ16×8.0Jのホイール 嵌合して排気量3000ccクラスの車両(SUV)に装着 し、空気圧200kPaの条件で、テストコースを平 均速度40km/hで12000km走行した後、その時点で 各主溝の溝深さを測定し、各主溝の新品時 び摩耗時の溝深さに基づいて推定摩耗寿命 算出した。評価結果は、従来例を100とする 数にて示した。この指数値が大きいほど摩 寿命が長いことを意味する。

 この表1に示すように、実施例1~6のタイヤ は、従来例との対比において、タイヤ重量が 小さく、ウエット制動性能が優れていると共 に、摩耗寿命が長いものであった。

 1 トレッド部
 1A アンダートレッドゴム層
 1B キャップトレッドゴム層
 2 サイドウォール部
 3 ビード部
 4,4B カーカス層
 5 ビードコア
 6 ビードフィラー
 7A,7B ベルト層
 8 ベルトカバー層
 A1,A2 主溝
 10,20,30 陸部
 11,21,31 ラグ溝
 12,22,32 ブロック
 13,23,33 サイプ