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Title:
HEAT-EXPANDABLE MICROSPHERES, PROCESS FOR PRODUCTION OF THE SAME AND USES THEREOF
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050863
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides heat-expandable microspheres which are little lowered in heat expansion properties such as expansion ratio even when they have been subjected to thermal hysteresis prior to heat expansion, a process for the production of the same, and uses thereof. Heat-expandable microspheres which are each composed of a shell made from a thermoplastic resin and a component encapsulated therein, wherein the encapsulated component comprises a blowing agent having a boiling point not exceeding the softening point of the thermoplastic resin and a gas-escape inhibitor having a boiling point exceeding the softening point of the thermoplastic resin with the amount of the gas-escape inhibitor being 1wt% or above but below 30wt% based on the encapsulated component and the mean particle diameter is 1 to 100μm.

Inventors:
INOHARA TAKESHI (JP)
SHIRAKABE YOSHIAKI (JP)
YOSEJIMA IKUO (JP)
KITANO KENICHI (JP)
MASUDA TOSHIAKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002847
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 09, 2008
Export Citation:
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Assignee:
MATSUMOTO YUSHI SEIYAKU KK (JP)
INOHARA TAKESHI (JP)
SHIRAKABE YOSHIAKI (JP)
YOSEJIMA IKUO (JP)
KITANO KENICHI (JP)
MASUDA TOSHIAKI (JP)
International Classes:
C09K3/00; B01J13/14
Domestic Patent References:
WO2007072769A12007-06-28
WO2007046273A12007-04-26
WO2006030946A12006-03-23
WO1999043758A11999-09-02
Foreign References:
JP2007131688A2007-05-31
JP2004105858A2004-04-08
JP2003001098A2003-01-07
JP2002511900A2002-04-16
JPH05329360A1993-12-14
JPS56143229A1981-11-07
JP4226524B22009-02-18
US3615972A1971-10-26
JP2006213930A2006-08-17
JP2006096963A2006-04-13
JPS62201231A1987-09-04
Other References:
See also references of EP 2204428A4
Attorney, Agent or Firm:
MATSUMOTO YUSHI-SEIYAKU CO., LTD. (2-chome Yao-shi, Osaka 75, JP)
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Claims:
 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包される内包物とから構成される熱膨張性微小球であって、
 前記内包物が、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤および前記熱可塑性樹脂の軟化点超の沸点を有するガス抜け防止剤を含み、
 前記ガス抜け防止剤の重量割合が前記内包物の1重量%以上30重量%未満であり、
 平均粒子径が1~100μmである、
熱膨張性微小球。
 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包される内包物とから構成される熱膨張性微小球であって、
 前記内包物が、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤および前記熱可塑性樹脂の軟化点超の沸点を有するガス抜け防止剤を含み、
 前記ガス抜け防止剤の初留分の蒸留点が180℃以上であり、
 平均粒子径が1~100μmである、
熱膨張性微小球。
 前記ガス抜け防止剤がナフテンオイル、パラフィンオイルおよびアロマオイルから選ばれた少なくとも1種である、請求項1または2に記載の熱膨張性微小球。
 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包される内包物とから構成される熱膨張性微小球であって、
 前記内包物が、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤を必須成分として含み、
 平均粒子径が1~100μmであり、
 前記熱膨張性微小球の膨張開始温度をTs(℃)、その最大膨張倍率をA(倍)として、前記熱膨張性微小球に、(Ts-15)≦T<Tsを満足するT(℃)で予め10分間の熱処理を行った後に室温に戻し、次いで測定した最大膨張倍率をB(倍)としたとき、B/Aが0.7以上である、
熱膨張性微小球。
 前記熱膨張性微小球の熱処理前の真比重をd 0 とし、熱処理後の真比重をdとしたとき、d/d 0 が0.5~1.3の範囲にある、請求項4に記載の熱膨張性微小球。
 前記熱可塑性樹脂が重合性成分を重合して得られ、前記重合性成分が、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体および塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種をモノマー成分として含む、請求項1~5のいずれかに記載の熱膨張性微小球。
 最大膨張温度が120~240℃である、請求項1~6のいずれかに記載の熱膨張性微小球。
 前記外殻の外表面に付着した微粒子充填剤からさらに構成される、請求項1~7のいずれかに記載の熱膨張性微小球。
 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包される内包物とから構成される熱膨張性微小球の製造方法であって、
前記内包物が、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤および前記熱可塑性樹脂の軟化点超の沸点を有するガス抜け防止剤を含み、重合性成分と前記内包物とを分散させた水性分散媒中で、前記重合性成分を重合させる工程を含み、
 前記ガス抜け防止剤の重量割合が前記内包物の1重量%以上30重量%未満である、
熱膨張性微小球の製造方法。
 熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内包される内包物とから構成される熱膨張性微小球の製造方法であって、
前記内包物が、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤および前記熱可塑性樹脂の軟化点超の沸点を有するガス抜け防止剤を含み、重合性成分と前記内包物とを分散させた水性分散媒中で、前記重合性成分を重合させる工程を含み、
 前記ガス抜け防止剤の初留分の蒸留点が180℃以上である、
熱膨張性微小球の製造方法。
 前記ガス抜け防止剤がナフテンオイル、パラフィンオイルおよびアロマオイルから選ばれた少なくとも1種である、請求項9または10に記載の熱膨張性微小球の製造方法。
 前記重合性成分が、モノマー成分として、ニトリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレン系単量体、酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド系単量体、マレイミド系単量体および塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種を含む、請求項9~11のいずれかに記載の熱膨張性微小球の製造方法。
 微粒子充填剤を前記外殻の外表面に付着させる工程をさらに含む、請求項9~12のいずれかに記載の熱膨張性微小球の製造方法。
 請求項1~8のいずれかに記載の熱膨張性微小球および/または請求項9~13のいずれかに記載の熱膨張性微小球の製造方法で得られる熱膨張性微小球を加熱膨張させて得られる、中空微粒子。
 ジエン系ゴムを除く基材成分と、請求項1~8のいずれかに記載の熱膨張性微小球および/または請求項14に記載の中空微粒子とを含む、組成物。
 請求項15に記載の組成物を成形してなる、成形物。
Description:
熱膨張性微小球、その製造方法 よび用途

 本発明は熱膨張性微小球、その製造方法 よび用途に関する。

 熱可塑性樹脂を外殻として用いて、その軟 点以下の温度でガス状になる発泡剤をマイ ロカプセル化して得られる熱膨張性マイク カプセル(熱膨張性微小球)が種々検討され いる。たとえば、特許文献1には熱膨張性マ クロカプセルおよびその基本的な製造方法 開示されており、また、特許文献2には外殻 の厚さが均一な熱膨張性マイクロカプセルが 開示されている。さらに、特許文献3には、 殻を形成する熱可塑性樹脂に官能基同士の 橋が形成された熱膨張性マイクロカプセル よびその製造方法が開示されている。
 上記熱膨張性マイクロカプセルについて、 膨張を開始する温度以下ではあるが比較的 温の状態で保存した場合や、樹脂等との混 で発生した混合熱によって比較的高温の状 にさらされた場合、つまり、熱膨張する前 熱履歴が加えられた場合には、熱膨張性マ クロカプセルの最大膨張倍率が低下し、期 する熱膨張物性等が得られないという問題 あった。このために、熱膨張性マイクロカ セルを冷所で貯蔵する必要があり、熱膨張 マイクロカプセルを樹脂等と混練する場合 は、混練熱の発生による膨張倍率等の熱膨 物性の低下を避ける必要性から、混練温度 制御は欠かすことができなかった。

日本国特公昭42-26524号公報

米国特許第3615972号明細書

国際公開第99/43758号パンフレット

 本発明の課題は、熱膨張する前に熱履歴 加えられた場合であっても、膨張倍率等の 膨張物性の低下が抑制された熱膨張性微小 、その製造方法および用途を提供すること ある。

 本発明者らは、上記課題を解決するために 意検討した結果、発泡剤とともに熱可塑性 脂の軟化点超の沸点を有するガス抜け防止 を、内包物として内包した熱膨張性微小球 あれば、上記課題を解決することを見出し 本発明に到達した。
 すなわち、本発明にかかる熱膨張性微小球 、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内 される内包物とから構成される熱膨張性微 球であって、前記内包物が、前記熱可塑性 脂の軟化点以下の沸点を有する発泡剤およ 前記熱可塑性樹脂の軟化点超の沸点を有す ガス抜け防止剤を含み、平均粒子径が1~100μ mである。
 ここで、前記ガス抜け防止剤の重量割合が 記内包物の1重量%以上30重量%未満であると ましい。また、前記ガス抜け防止剤の初留 の蒸留点が180℃以上であると好ましい。

 前記ガス抜け防止剤の重量割合が前記内包 の1~80重量%であってもよい。
 前記ガス抜け防止剤がナフテンオイル、パ フィンオイルおよびアロマオイルから選ば た少なくとも1種であると好ましい。
 本発明にかかる熱膨張性微小球は、次に示 別の熱膨張性微小球の物性を有していても い。

 本発明にかかる別の熱膨張性微小球は、熱 塑性樹脂からなる外殻と、それに内包され 内包物とから構成される熱膨張性微小球で って、平均粒子径が1~100μmであり、前記内 物が、前記熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸 を有する発泡剤を必須成分として含み、前 熱膨張性微小球の膨張開始温度をTs(℃)、そ 最大膨張倍率をA(倍)として、前記熱膨張性 小球に、(Ts-15)≦T<Tsを満足するT(℃)で予 10分間の熱処理を行った後に室温に戻し、次 いで測定した最大膨張倍率をB(倍)としたとき 、B/Aが0.7以上である。
 前記熱膨張性微小球の熱処理前の真比重をd 0 とし、熱処理後の真比重をdとしたとき、d/d 0 が0.5~1.3の範囲にあると好ましい。

 前記熱可塑性樹脂が重合性成分を重合して られ、前記重合性成分が、ニトリル系単量 、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、カ ボキシル基含有単量体、スチレン系単量体 酢酸ビニル、(メタ)アクリルアミド系単量体 、マレイミド系単量体および塩化ビニリデン から選ばれた少なくとも1種をモノマー成分 して含むと好ましい。
 最大膨張温度が120~240℃であると好ましい。

 前記外殻の外表面に付着した微粒子充填剤 らさらに構成されると好ましい。
 本発明にかかる熱膨張性微小球の製造方法 、熱可塑性樹脂からなる外殻と、それに内 される内包物とから構成される熱膨張性微 球の製造方法であって、前記内包物が、前 熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸点を有する 泡剤および前記熱可塑性樹脂の軟化点超の 点を有するガス抜け防止剤を含み、重合性 分と前記内包物とを分散させた水性分散媒 で、前記重合性成分を重合させる工程を含 。
 ここで、前記ガス抜け防止剤の重量割合が 記内包物の1重量%以上30重量%未満であると ましい。また、前記ガス抜け防止剤の初留 の蒸留点が180℃以上であると好ましい。

 前記ガス抜け防止剤の重量割合が前記内包 の1~80重量%であってもよい。
 前記ガス抜け防止剤がナフテンオイル、パ フィンオイルおよびアロマオイルから選ば た少なくとも1種であると好ましい。

 前記重合性成分が、モノマー成分として、 トリル系単量体、(メタ)アクリル酸エステ 系単量体、カルボキシル基含有単量体、ス レン系単量体、酢酸ビニル、(メタ)アクリル アミド系単量体、マレイミド系単量体および 塩化ビニリデンから選ばれた少なくとも1種 含むと好ましい。
 微粒子充填剤を前記外殻の外表面に付着さ る工程をさらに含むと好ましい。

 本発明の中空微粒子は、上記熱膨張性微小 および/または上記熱膨張性微小球の製造方 法で得られる熱膨張性微小球を加熱膨張させ て得られる。
 本発明の組成物は、ジエン系ゴムを除く基 成分と、上記熱膨張性微小球および/または 上記中空微粒子とを含む。
 本発明の成形物は、上記組成物を成形して る。

 本発明の熱膨張性微小球は、膨張倍率等の 膨張物性に優れており、熱膨張する前に熱 歴が加えられた場合であっても膨張倍率等 熱膨張物性の低下が抑制されている。
 本発明の熱膨張性微小球の製造方法は、膨 倍率等の熱膨張物性に優れ、熱膨張する前 熱履歴が加えられた場合であっても膨張倍 等の熱膨張物性の低下が抑制されている熱 張性微小球を効率よく製造することができ 方法である。

 本発明の中空微粒子は、上記熱膨張性微小 および/または上記製造方法で得られる熱膨 張性微小球を加熱膨張させて得られるので、 耐熱性が高く、高温雰囲気下における耐圧性 の向上が期待できる。また、本発明の中空微 粒子は、ガス抜けへたり等も少なく、過度の 加熱発泡を必要としないので従来品より黄変 の程度が小さい。
 本発明の組成物は、上記熱膨張性微小球お び/または中空微粒子を含むために、高い耐 熱性を有するので、組成物を加熱した場合に ガス漏れ等によるボイド発生等が抑制される 。また、再発泡、収縮による寸法の変化が少 ない。
 本発明の成形物は、上記組成物を成形して るので、黄変等が少ない。

本発明の熱膨張性微小球の一例を示す 略図である。

符号の説明

 1 熱可塑性樹脂からなる外殻
 2 内包物

〔熱膨張性微小球の製造方法〕
 本発明の製造方法は、熱可塑性樹脂からな 外殻と、それに内包される内包物とから構 される熱膨張性微小球の製造方法である。 発明の製造方法は、重合性成分と内包物と 分散させた水性分散媒中で、重合性成分を 合させる工程を含む。
 内包物は、熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸 を有する発泡剤および熱可塑性樹脂の軟化 超の沸点を有するガス抜け防止剤を含む。
 発泡剤は、熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸 を有する物質であれば特に限定はないが、 とえば、炭素数1~12の炭化水素およびそれら のハロゲン化物;テトラアルキルシラン;加熱 より熱分解してガスを生成する化合物等を げることができ、1種または2種以上を併用 てもよい。

 炭素数1~12の炭化水素としては、たとえば、 プロパン、シクロプロパン、プロピレン、ブ タン、ノルマルブタン、イソブタン、シクロ ブタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン 、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルヘ キサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘ プタン、シクロヘプタン、オクタン、イソオ クタン、シクロオクタン、2-メチルペンタン 2,2-ジメチルブタン、石油エーテル等の炭化 水素が挙げられる。これらの炭化水素は、直 鎖状、分岐状、脂環状のいずれでもよく、脂 肪族であるものが好ましい。
 炭素数1~12の炭化水素のハロゲン化物として は、塩化メチル、塩化メチレン、クロロホル ム、四塩化炭素等が挙げられる。

 テトラアルキルシランとしては、たとえば 炭素数1~5のアルキル基を有するシラン類を げることができ、たとえば、テトラメチル ラン、トリメチルエチルシラン、トリメチ イソプロピルシラン、トリメチル-n-プロピ シラン等が挙げられる。
 加熱により熱分解してガスを生成する化合 としては、たとえば、アゾジカルボンアミ 、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミ ン、4,4’-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒ ラジド)等が挙げられる。
 発泡剤の沸点は、熱可塑性樹脂の軟化点以 であれば特に限定はないが、好ましくは-30 ~120℃、さらに好ましくは-25℃~100℃、特に ましくは-20℃~80℃、最も好ましくは-15℃~60 である。沸点が低いと発泡剤の内包効率が 下し、熱履歴の影響を受けやすく、膨張性 の低下を招くことがある。また、発泡剤の 点が高い場合は、熱膨張性微小球内部での 化が起こり難く、膨張性能の低下を招くこ がある。

 ガス抜け防止剤は、熱膨張性微小球が熱膨 する前に熱履歴が加えられた場合に、内包 中の発泡剤が熱可塑性樹脂からなる外殻を 過して外部に抜け出ることを防止し、膨張 率等の熱膨張物性の低下を抑制する。
 この防止作用は、たとえば、ガス抜け防止 が熱可塑性樹脂の軟化点超の沸点を有する で、熱膨張性微小球内部で気化しにくく、 殻の内表面にそのコーティング膜が形成さ ることによって、熱膨張する前に熱履歴が えられた場合に、発泡剤が外殻を透過して 部に抜け出ることが、上記コーティング膜 よって妨げられることにより、ガス抜け防 効果が生じるものと考えられる。

 ガス抜け防止剤の(重量平均)分子量は、好 しくは110以上、より好ましくは120以上、さ に好ましくは150以上、特に好ましくは180以 、最も好ましくは200以上である。ガス抜け 止剤の分子量が110未満であると、ガス抜け 止効果が少なく、熱履歴の影響を受けやす ことがある。
 ガス抜け防止剤の沸点は、好ましくは100℃ 上、より好ましくは110℃以上、さらに好ま くは130℃以上、特に好ましくは150℃以上、 も好ましくは180℃以上である。ガス抜け防 剤の沸点が100℃未満であると、ガス抜け防 剤よりも、発泡剤としての寄与が大きくな 、結果的に必要以上の発泡剤が入った熱膨 性微小球となる。発泡剤量が適切でないと 膨張開始温度および最大膨張温度の低下、 張倍率等の熱膨張物性の低下を招くことが る。

 ガス抜け防止剤としては、熱可塑性樹脂の 化点超の沸点を有するものであれば、特に 定はないが、たとえば、炭化水素系化合物 カルボン酸系化合物、エステル系化合物、 ルコール系化合物等を挙げることができる ガス抜け防止剤は、これらの化合物の1種ま たは2種以上からなる。
 炭化水素系化合物としては、たとえば、脂 族炭化水素、芳香族炭化水素や、鉱物油由 の炭化水素混合物等を挙げることができる

 脂肪族炭化水素としては、たとえば、トリ カン、テトラデカン、ペンタデカン、ヘキ デカン、ヘプタデカン、オクタデカン、ノ デカン、エイコサン、ペンタコサン、トリ ンタン、テトラコンタン等を挙げることが きる。
 芳香族炭化水素としては、たとえば、ベン ン、ナフタレン、ビフェニル、o-またはn-テ ルフェニル、ドデシルベンゼン、テトラデシ ルベンゼン、ヘキサデシルベンゼン、ヘキシ ルナフタレン、ドデシルナフタレン等を挙げ ることができる。

 鉱物油由来の炭化水素混合物は、脂肪族炭 水素および/または芳香族炭化水素を含有す る混合物の蒸留物である。その(A)初留分の蒸 留点、(B)50%蒸留点および(C)95%蒸留点について は、特に限定はないが、蒸留点がそれぞれ以 下に示す1)~8)の範囲にあるとこの順でより好 しい(前に記載した範囲よりも後に記載した 範囲が好ましい)。
(A)初留分の蒸留点:
1)100℃以上、2)130℃以上、3)150℃以上、4)180℃ 上、5)190℃以上、6)200℃以上、7)220℃以上、8 )240℃以上。
(B)50%蒸留点:
1)120℃以上、2)150℃以上、3)180℃以上、4)190℃ 上、5)200℃以上、6)210℃以上、7)230℃以上、8 )250℃以上。
(C)95%蒸留点:
1)140℃以上、2)170℃以上、3)200℃以上、4)250℃ 上、5)270℃以上、6)280℃以上、7)290℃以上、8 )300℃以上。
 上記(A)~(C)のうちでも、(A)および(C)が重要で あり、(C)がより重要である。

 鉱物油由来の炭化水素混合物としては、た えば、パラフィンオイル等のパラフィン系 ロセスオイル、ナフテンオイル等のナフテ 系プロセスオイル、アロマオイル等の芳香 プロセスオイル、流動パラフィン、ペトロ ム、ギルソナイト、石油アスファルト等が げられる。
 上記において、初留分の蒸留点が100℃未満 あること、50%蒸留点が120℃未満あること、9 5%蒸留点が140℃未満であることのいずれかを たすときは、ガス抜け防止剤としての効果 低くなり、熱膨張する前に熱履歴が加えら ると、熱膨張性微小球の膨張倍率等の熱膨 物性の低下が大きくなる。また、熱膨張す 前に熱履歴が加えられない場合であっても 熱膨張物性が低い。

 パラフィンオイル中に含まれるパラフィン 造を持つ炭化水素の含有率(Cp)については、 特に限定はないが、好ましくは40%以上、さら に好ましくは50%以上、特に好ましくは60%以上 、最も好ましくは90%以上である。なお、パラ フィン構造を持つ炭化水素とは、飽和または 不飽和の鎖状炭化水素(直鎖および分岐)と、 の置換体とを含む有機化合物であることを 味する。
 ナフテンオイル中に含まれるナフテン構造 持つ炭化水素の含有率(Cn)については、特に 限定はないが、好ましくは50%以上、さらに好 ましくは60%以上、特に好ましくは70%以上、最 も好ましくは90%以上である。なお、ナフテン 構造を持つ炭化水素とは、シクロペンタン環 、シクロヘキサン環等のシクロアルカンおよ びその一部を、アルキル、カルボキシル基等 の置換体を含む有機化合物であることを意味 する。

 また、アロマオイル中に含まれるアロマ構 を持つ炭化水素の含有率(Ca)については、特 に限定はないが、好ましくは20%以上、さらに 好ましくは40%以上、特に好ましくは50%以上、 最も好ましくは90%以上である。なお、アロマ 構造とは、ベンゼン,ナフタレン,アントラセ 等の芳香族炭化水素とその誘導体を含む有 化合物であることを意味する。
 上記に示した3つの構造の含有率の測定は、 JIS K 2563により測定できる。
 パラフィンオイル、ナフテンオイルおよび ロマオイルの各オイルの動粘度(40℃)につい ては特に限定はないが、好ましくは400mm 2 /S以下、より好ましくは300mm 2 /S以下、さらに好ましくは200mm 2 /S以下、特に好ましくは100mm 2 /S以下、最も好ましくは30mm 2 /S以下である。上記動粘度が400mm 2 /S超である場合、各オイルの取扱いが困難で るだけでなく、球状油滴中の粘度が高くな 、内包物の効果的な内包化が困難となり、 果的に熱膨張性微小球の膨張倍率等の熱膨 物性の低下を招く。なお、動粘度の測定はJ IS K 2283により測定ができる。

 パラフィンオイルとしては、たとえば、 スモピュアセーフティー10、10M、22、32、46 68、100、150、コスモプロセス10,40,40C(コスモ 油(株)製);日石アイソゾール200、300、400(日本 石油化学(株)製);エクソンナフサNo.3、No.5、No. 6、No.7、エクソンオーダーレスソルベント、 クソンラバーソルベント(エクソン化学(株) );スーパーオイルK10、K22、K32、K46、K46N、K68 K100、K170、M10、M12、M22、M32、M46、M68、M100、M 150、M460、N7、N22、N32、N46、N56、N68、N100、N150 N320、N460、N1000、T10、T46、T68、Y22(新日本石 (株)製);IPソルベント1016、1620、2028、2835、ダ アナプロセスオイルPW-32、PW-90、PW-150、PW-380 、PS-32、PS-90、PS-430、PX-32、PX-90(出光石油化学 (株)製);シンタックPA-95、PA-100、PA-140(神戸油 学工業(株)製);スタノール40,43N,52,69,149,LP40,LP6 9,フレクソン845(エッソ石油(株)製);ルブフレ クス26,100,400(シェルジャパン(株)製);共石プ セスP-200,P-300,P-500(日鉱共石(株)製);サンパー( Sunper)110,115,120,130,150,180,2100,2210,2280(日本サン イル(株)製);フッコールP-200,P-400,P-500(富士興 (株)製);三菱10,三菱12(三菱石油(株)製)等が挙 げられる。

 ナフテンオイルとしては、たとえば、コ モピュアセーフティー46N、68N、(コスモ石油 (株)製);ナフテゾールL、ナフテゾールM、ナフ テゾールH、クリセフオイルH8、H22、H46、H56、 H68、H150、H220、H320、F8、F22、F46、F56、F68、F150 、F220、F320(日本石油化学(株)製);ダイアナプ セスオイルNS-24、NS-100、NM-26、NM-68、NM-150、NM -280、NP-24、NU-80、NF-90(出光興産(株)製);エッソ プロセスオイル725、765(エッソ石油(株)製);シ タックN-40、N-60、N-70、N-75、N-85(神戸油化学 業(株)製);シェルフレックス371JY、371N、451、 N-40、22、22R、32R、100R、100S、100SA、220RS、220S 260、320R、680(シェルジャパン(株)製);共石プ セスR-50、R-200、R-1000(日鉱共石(株)製);サンセ ン(Sunthene)310、380、410、415、420、430、450、480 3215、4130、4240、Ciro Light R.P.O.(日本サンオイ ル(株)製);コウモレックス2号、コウモレック F22、AF-4、AF-5、AF-6、AF-7(日本石油(株)製);フ コール1150N、1400N(以上、富士興産(株)製);三 20(三菱石油(株)製);ナプレックス32、38(モー ル石油(株)製);ペトレックスPN-3(山文油化(株 )製)等が挙げられる。

 アロマオイルとしては、たとえば、SAS-296 、コンデンサーオイルS、SAS-LH(日本石油化学( 株)製);ダイアナプロセスオイルAC-12、AC-460、A E-24、AE-50、AE-200、AH-16、AH-58(出光興産(株)製); エッソプロセスオイル110、120(エッソ石油(株) 製);シンタックHA-10、HA-15、HA-30、HA-35(神戸油 学工業(株)製);コスモプロセス40A(コスモ石 (株)製);デュートレックス729UK、739(シェルジ パン(株)製);共石プロセスX100-A、X100(日鉱共 (株)製);JSO Aroma790(日本サン石油(株)製);コウ モレックス200、300、700(日本石油(株)製);アロ ックス#1、#3、#5(富士興産(株)製);ヘビープ セス油 三菱34、三菱38、三菱44(三菱石油(株) 製);モービルゾールK,22,30,130(モービル石油(株 )製);VivaTec400、500(H&R製);ペトレックスLPO-R,L PO-V,PF-1,PF-2(山文油化(株)製)等が挙げられる。

 カルボン酸系化合物としては、脂肪酸カル ン酸、芳香族カルボン酸等を挙げることが きる。カルボン酸系化合物は、モノカルボ 酸であっても、ポリカルボン酸であっても い。
 脂肪酸カルボン酸としては、たとえば、ブ ン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン 、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ドデ ン酸、テトラデカン酸、ペンタデカン酸、 キサデカン酸、ヘプタデカン酸、オクタデ ン酸、ノナデカン酸、イコサン酸、ドコサ 酸、テトラドコサン酸、ヘキサドコサン酸 オクタドコサン酸等の飽和脂肪酸(これらの (立体)異性体も含む);クロトン酸、ミリスト イン酸、エライジン酸、ガドレイン酸、エ カ酸、9-ヘキサデセン酸、シス-9-オクタデセ ン酸、11-オクタデセン酸、シス,シス-9,12-オ タデカジエン酸、9,12,15-オクタデカトリエン 酸、6,9,12-オクタデカトリエン酸、9,11,13-オク タデカントリエン酸、8,11-イコサジエン酸、5 ,8,11-イコサトリエン酸、5,8,11,14-イコサテト エン酸、シス-15-テトラドコサン等の不飽和 肪酸等が挙げられる。

 芳香族系カルボン酸化合物としては、たと ば、安息香酸、(1-または2-)ナフトエ酸、フ ル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニコ ン酸、イソニコチン酸、(2-または3-)フロ酸 ケイ皮酸、アントラニル酸、ヘミメトリ酸 トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン 、プレーニト酸、ピロメリト酸、メリト酸 ジフェン酸、キシリル酸、ヘメリト酸、メ チレン酸、メシチレン酸 、プレーニチル 、γ-イソジュリル酸、ジュリル酸、β-イソ ュリル酸、α-イソジュリル酸、クミン酸、 ム酸、ウビト酸、ヒドロアトロパ酸、アト パ酸、ヒドロケイ皮酸、ケイ皮酸、サリチ 酸、アニス酸、クレオソート酸、β-レソル ル酸、ゲンチジン酸、γ-レソルシル酸、プ トカテク酸、α-レソルシル酸、バニリン酸 イソバニリン酸、ベラトルム酸、オルセリ 酸、没食子酸、シリング酸、アサロン酸、 ンデル酸、バニルマンデル酸、ホモアニス 、ホモプロトカテク酸、ホモバニリン酸、 モイソバニリン酸、ホモベラトルム酸、ホ フタル酸、ホモイソフタル酸、ホモテレフ ル酸、フタロン酸、イソフタロン酸、テレ タロン酸、ベンジル酸、アトロラクチン酸 トロパ酸、メリロト酸、フロレト酸、ヒド カフェー酸、ヒドロフェルラ酸、ヒドロイ フェルラ酸、ウンベル酸、カフェー酸、フ ルラ酸、イソフェルラ酸、シナピン酸、フ ロイル、イソフタロイル、テレフタロイル トルオイル、キシロイル、クモイル、ヒド アトロポイル、アトロポイル、ヒドロシン モイル、シンナモイル、サリチロイル、ア ソイル、クレオソトイル、o-ピロカテクオイ ル、β-レソルシロイル、ゲンチソイル、γ-レ ソルシロイル 、プロトカテクオイル、α-レ ルシロイル、バニロイル、イソバニロイル o-ベラトロイル、ベラトロイル、ガロイル シリンゴイル、マンデロイル、バニルマン ロイル、ホモゲンチソイル、ホモバニロイ 、ホモベラトロイル、ベンジロイル、トロ イル、カフェオイル、フェルロイル、過安 香酸、イブプロフェン、ケトプロフェン、 ェルビナク等が挙げられる。
 アルコール系化合物は、直鎖アルコールお び分岐鎖アルコールのいずれでもよく、ま 、飽和アルコールおよび不飽和アルコール いずれでもよい。

 アルコール系化合物としては、たとえば、2 -ブタノール、t-ブタノール、アミルアルコー ル、n-ヘキサノール、シクロヘキサノール、2 -エチルブタノール、n-オクタノール等のモノ オール類;グリセリン等の多価アルコール類;3 -メトキシ-3-メチルブタノール、1-メトキシ-2- プロパノール、1-ブトキシエトキシプロパノ ル等のアルコキシアルコール類;エチレング リコール、ジエチレングリコール、プロピレ ングリコール、ジプロピレングリコール、ポ リエチレングリコール、ポリプロピレングリ コール、ポリオキシエチレン-ポリオキシプ ピレングリコール等の(ポリ)アルキレングル コール類;エチレングリコールモノメチルエ テル、エチレングリコールモノエチルエー ル、エチレングリコールモノ-n-プロピルエ テル、エチレングリコールモノイソプロピ エーテル、エチレングリコールモノ-n-ブチ エーテル、エチレングリコールモノ-t-ブチ エーテル、ジエチレングリコールモノメチ エーテル、ジエチレングリコールモノエチ エーテル、ジエチレングリコールモノ-n-プ ピルエーテル、ジエチレングリコールモノ ソプロピルエーテル、ジエチレングリコー モノ-n-ブチルエーテル、トリエチレングリ ールモノメチルエーテル、トリエチレング コールモノエチルエーテル、トリエチレン リコールモノ-n-プロピルエーテル、トリエ レングリコールモノイソプロピルエーテル トリエチレングリコールモノ-n-ブチルエー ル、プロピレングリコールモノエチルエー ル、プロピレングリコールモノ-n-プロピル ーテル、プロピレングリコールモノ-n-ブチ エーテル、ジプロピレングリコールモノメ ルエーテル、ジプロピレングリコールモノ チルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコー ルモノエーテル類等が挙げられる。
 エステル系化合物としては、上記カルボン 系化合物をアルコールでエステル化された のが挙げられる。このようなアルコールと ては、たとえば、炭素数1~18の脂肪族アルコ ールや、炭素数2~10のグリコール等を挙げる とができるが、上記で説明したアルコール 化合物であってもよい。

 エステル系化合物としては、たとえば、酢 エステル、プロピオン酸エステル、酪酸エ テル、イソ吉草酸エステル等の脂肪族モノ ルボン酸とアルコールからなる脂肪族酸エ テル類;アジピン酸エステル、コハク酸エス テル、グルタル酸エステル等の脂肪族ジカル ボン酸とアルコールからなる脂肪族エステル 類;安息香酸エステル等の芳香族モノカルボ 酸とアルコールからなる芳香族酸エステル ;フタル酸エステル、フマル酸エステル等の 香族ジカルボン酸とアルコールからなる芳 族酸エステル類等が挙げられる。ここで、 ルコールとしては、炭素数1~18の脂肪族一価 アルコール;エチレングリコール、プロピレ グリコール等のアルキレングリコール類、 リセリン等の多価アルコール等が挙げられ 直鎖、分岐鎖のいずれを有していてもよい
 エステル系化合物は、モノエステル、ジエ テル、トリエステル等が含まれる。

 ガス抜け防止剤は、熱膨張性微小球が懸濁 合より作成されることから、非極性である とが望ましい。非極性を表す指標として、 への溶解度を挙げることができる。ガス抜 防止剤の水への溶解度は、好ましくは20g/L 下、さらに好ましくは10g/L以下、特に好まし くは7g/L以下、最も好ましくは5g/L以下である
 内包物に対するガス抜け防止剤の重量割合 ついては、特に限定はないが、以下に示す1 )~8)の範囲にあるとこの順でより好ましい(前 記載した範囲よりも後に記載した範囲が好 しい)。
1)1~80重量%、2)3~60重量%、3)5~50重量%、4)7~40重量 %、5)10~30重量%、6)11~29重量%、7)12~25重量%、8)15~ 20重量%である。

 内包物に対するガス抜け防止剤の重量割合 、1重量%以上30重量%未満であってもよい。
 ガス抜け防止剤の重量割合が内包物の1重量 %未満であると、熱膨張性微小球の熱処理に する耐性が得られにくくなり、熱膨張する に熱履歴が加えられた場合に熱膨張物性が 下することがある。一方、ガス抜け防止剤 重量割合が内包物の80重量%超になると、熱 張する前に熱履歴が加えられた場合に、熱 張性微小球の熱膨張倍率の低下が阻止され 効果が高まるとも考えられる。しかしなが 、内包物に占める発泡剤の重量割合が低下 、熱膨張に寄与する成分が減少するので、 膨張性微小球が本来有するべき熱膨張性が なわれる。

 重合性成分は、重合開始剤存在下で重合す ことによって、熱膨張性微小球の外殻を形 する熱可塑性樹脂となる成分である。重合 成分は、単量体成分を必須とし架橋剤を含 ことがある成分である。
 単量体成分は、一般には、重合性二重結合 1個有する(ラジカル)重合性単量体と呼ばれ いる成分を含み、特に限定はないが、たと ば、アクリロニトリル、メタクリロニトリ 、α-クロルアクリロニトリル、α-エトキシ クリロニトリル、フマロニトリル等のニト ル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸、イ タコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコ ン酸等のカルボキシル基含有単量体;塩化ビ リデン;塩化ビニル、臭化ビニル、弗化ビニ 等のハロゲン化ビニル系単量体;酢酸ビニル 、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニ ルエステル系単量体;メチル(メタ)アクリレー ト、エチル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メ )アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレ ト、t-ブチル(メタ)アクリレート、プロピル (メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリ レート、ドデシル(メタ)アクリレート、2-エ ルヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル (メタ)アクリレート、2-クロルエチル(メタ)ア クリレート、フェニル(メタ)アクリレート、 ソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘ シル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)ア リレート、β-カルボキシエチルアクリレー 、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、 2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等 (メタ)アクリル酸エステル系単量体;スチレ 、α-メチルスチレン、クロロスチレン等の チレン系単量体;アクリルアミド、置換アク ルアミド、メタクリルアミド、置換メタク ルアミド等のアクリルアミド系単量体;N-フ ニルマレイミド、N-(2-クロロフェニル)マレ ミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ラウ リルマレイミド等のマレイミド系単量体;ス レン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン p-メチルスチレン、p-エチルスチレン、2,4- メチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert- ブチルスチレン、p-n-ヘキシルスチレン、p-n- クチルスチレン、p-n-ノニルスチレン、p-n- シルスチレン、p-n-ドデシルスチレン、n-メ キシスチレン、p-フェニルスチレン、p-クロ スチレン、3,4-ジクロルスチレン等のスチレ ン系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレ 、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオ フイン系単量体;ビニルメチルエーテル、ビ ルエチルエーテル、ビニルイソブチルエー ル等のビニルエーテル系単量体;ビニルメチ ルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイ ソプロペニルケトン等のビニルケトン系単量 体;N-ビニルピロール、N-ビニルカルバゾール N-ビニルインドール、N-ビニルピロリドン等 のN-ビニル系単量体、ビニルナフタリン塩等 挙げることができる。カルボキシル基含有 量体については、一部または全部のカルボ シル基が重合時に中和されていてもよい。 お、(メタ)アクリルは、アクリルまたはメ クリルを意味する。マレイミド系単量体は 窒素原子に置換基を有する構造のN-置換マレ イミド系単量体であると好ましい。

 重合性成分を構成するこれらのラジカル重 性単量体は、1種または2種以上を併用して よい。これらの内でも、重合性成分が、ニ リル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系 単量体、カルボキシル基含有単量体、スチレ ン系単量体、酢酸ビニル、(メタ)アクリルア ド系単量体、マレイミド系単量体および塩 ビニリデンから選ばれた少なくとも1種を含 むと好ましい。
 重合性成分がニトリル系単量体を必須成分 して含むと、熱膨張性微小球の外殻を構成 る熱可塑性樹脂の耐熱性や耐溶剤性が向上 るために好ましい。

 また、重合性成分がニトリル系単量体と共 塩化ビニリデンおよび/または(メタ)アクリ 酸エステル系単量体をさらに含むと好まし 。塩化ビニリデンを含むとガスバリヤー性 向上する。重合性成分が(メタ)アクリル酸 ステル系単量体を含むと膨張挙動をコント ールし易くなる。
 重合性成分がニトリル系単量体と共にカル キシル基含有単量体をさらに含むと、耐熱 や耐溶剤性が向上するとともに、熱可塑性 脂のガラス転移温度が高くなり、熱膨張性 小球を高温で熱膨張させることができるた に好ましい。重合性成分が、ニトリル系単 体およびカルボキシル基含有単量体と共に 化ビニリデンおよび/または(メタ)アクリル エステル系単量体をさらに含んでいてもよ 。

 上記において、重合性成分がマレイミド系 量体をさらに含む場合は、熱膨張性微小球 着色が少ないために好ましい。
 重合性成分を構成する個々のラジカル重合 単量体の割合については特に限定はないが 下記(A)~(F)においては、以下に示す重量割合 が好ましい。

(A)重合性成分が塩化ビニリデンを必須成分と して含む場合
 塩化ビニリデンの重量割合は、単量体成分 対して、好ましくは10重量%以上であり、さ に好ましくは20重量%以上であり、特に好ま くは30重量%以上であり、最も好ましくは40 量%以上である。
(B)重合性成分が塩化ビニリデンと共にニトリ ル系単量体および(メタ)アクリル酸エステル 単量体を必須成分として含む場合
 塩化ビニリデンの重量割合は、単量体成分 対して、好ましくは90~9重量%であり、より ましくは85~13重量%、さらに好ましくは80~15重 量%であり、特に好ましくは75~20重量%であり 最も好ましくは70~30重量%である。ニトリル 単量体の重量割合は、単量体成分に対して 好ましくは9~90重量%であり、より好ましくは 13~85重量%、さらに好ましくは15~80重量%であり 、特に好ましくは20~70重量%であり、最も好ま しくは25~60重量%である。(メタ)アクリル酸エ テル系単量体の重量割合は、単量体成分に して、好ましくは1~20重量%であり、より好 しくは2~19重量%、さらに好ましくは3~18重量% 特に好ましくは4~16重量%、最も好ましくは5~ 15重量%である。

(C)重合性成分がニトリル系単量体と共に(メ )アクリル酸エステル系単量体を必須成分と て含む場合
 ニトリル系単量体の重量割合は、単量体成 に対して、好ましくは30~99重量%であり、よ 好ましくは35~98重量%、さらに好ましくは40~9 7重量%であり、特に好ましくは45~96重量%であ 、最も好ましくは50~95重量%である。(メタ) クリル酸エステル系単量体の重量割合は、 量体成分に対して、好ましくは70~1重量%であ り、より好ましくは65~1.5重量%、さらに好ま くは60~2重量%であり、特に好ましくは55~2.5重 量%であり、最も好ましくは50~3重量%である。
(D)重合性成分がマレイミド系単量体を必須成 分として含む場合
 マレイミド系単量体の重量割合は、単量体 分に対して、好ましくは0.1~60重量%であり、 さらに好ましくは0.3~55重量%以上であり、特 好ましくは0.5~50重量%以上であり、最も好ま くは1~45重量%以上である。

(E)重合性成分がカルボキシル基含有単量体を 必須成分として含む場合
 カルボキシル基含有単量体の重量割合は、 量体成分に対して、好ましくは5重量%以上 あり、さらに好ましくは10重量%以上であり 特に好ましくは15重量%以上であり、最も好 しくは20重量%以上である。
(F)重合性成分がニトリル系単量体と共にカル ボキシル基含有単量体を必須成分として含む 場合
 ニトリル系単量体の重量割合は、単量体成 に対して、好ましくは20~95重量%であり、よ 好ましくは25~90重量%、さらに好ましくは30~8 5重量%であり、特に好ましくは35~80重量%であ 、最も好ましくは40~70重量%である。カルボ シル基含有単量体の重量割合は、単量体成 に対して、好ましくは4~80重量%であり、よ 好ましくは9~70重量%、さらに好ましくは13~60 量%であり、特に好ましくは18~55重量%であり 、最も好ましくは25~50重量%である。

 単量体成分がカルボキシル基含有単量体を 須成分として含む場合(すなわち、上記(E)お よび(F)の場合)、単量体成分に含まれるカル キシル基含有単量体以外の単量体として、 ルボキシル基含有単量体のカルボキシル基 反応する単量体を含有していてもよい。単 体成分がカルボキシル基含有単量体と共に カルボキシル基含有単量体のカルボキシル と反応する単量体を含む場合は、耐熱性が らに向上し、高温における膨張性能が向上 る。
 カルボキシル基含有単量体のカルボキシル と反応する単量体としては、たとえば、N- チロール(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチ アミノエチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメ ルアミノプロピル(メタ)アクリレート、マグ ネシウムモノ(メタ)アクリレート、ジンクモ (メタ)アクリレート、ビニルグリシジルエ テル、プロペニルグリシジルエーテル、グ シジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピ ル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル( タ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキ プロピル(メタ)アクリレート等を挙げるこ ができる。カルボキシル基含有単量体のカ ボキシル基と反応する単量体の重量割合は 単量体成分に対して、好ましくは0.1~10重量% あり、より好ましくは1~8重量%であり、さら に好ましくは1.5~7重量%、特に好ましくは2~6重 量%、最も好ましくは3~5重量%である。

 なお、単量体成分がハロゲン、酸素、窒素 どを有する単量体を含む場合は、重合時に 成する熱膨張性微小球の凝集や重合反応器 のスケール発生を効果的に防止することが きる。
 重合性成分は、上記単量体成分以外に、重 性二重結合を2個以上有する重合性単量体( 橋剤)を含んでいてもよい。架橋剤を用いて 合させることにより、熱膨張後の内包され 発泡剤の保持率(内包保持率)の低下が抑制 れ、効果的に熱膨張させることができる。

 架橋剤としては、特に限定はないが、たと ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレ 等の芳香族ジビニル化合物;メタクリル酸ア リル、トリアクリルホルマール、トリアリル イソシアネート、エチレングリコールジ(メ )アクリレート、ジエチレングリコールジ(メ タ)アクリレート、トリエチレングリコール (メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ( タ)アクリレート、1,9-ノナンジオールジ(メ )アクリレート、1,10-デカンジオールジ(メタ )アクリレート、PEG#200ジ(メタ)アクリレート PEG#400ジ(メタ)アクリレート、PEG#600ジ(メタ) クリレート、ネオペンチルグリコールジ(メ )アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メ )アクリレート、トリメチロールプロパント リメタクリレート、グリセリンジメタクリレ ート、ジメチロール-トリシクロデカンジア リレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキ サアクリレート、ネオペンチルグリコールア クリル酸安息香酸エステル、トリメチロール プロパンアクリル酸安息香酸エステル、2-ヒ ロキシ-3-アクリロイロキシプロピルメタク レート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチ グリコールジアクリレート、ジトリメチロ ルプロパンテトラアクリレート、2-ブチル-2 -エチル-1,3-プロパンジオールジアクリレート 等のジ(メタ)アクリレート化合物を挙げるこ ができる。これらの架橋剤は、1種または2 以上を併用してもよい。上記で、「PEG#○○ ジ(メタ)アクリレート」と表記されている 連の化合物は、ポリエチレングリコールジ( タ)アクリレートで、そのポリエチレングリ コール部分の平均分子量が○○○であること を意味する。
 架橋剤は必須成分ではないので、その量に いては、特に限定はないが、架橋の程度、 殻に内包された発泡剤の内包保持率、耐熱 および熱膨張性を考慮すると、単量体成分1 00重量部に対して、架橋剤の量が以下に示す1 )~6)の範囲にあるとこの順でより好ましい(前 記載した範囲よりも後に記載した範囲が好 しい)。
1)0.01~5重量部、2)0.03~3重量部、3)0.05~2.5重量部 4)0.1~2重量部、5)0.3~1.5重量部、6)0.4~1重量部 ある。

 本発明の製造方法においては、重合性成分 重合開始剤の存在下で重合させることが好 しい。
 重合開始剤としては、特に限定はないが、 とえば、パーオキシジカーボネート、パー キシエステル、ジアシルパーオキサイド等 過酸化物;アゾ化合物等を挙げることができ る。これらの重合開始剤は、1種または2種以 を併用してもよい。なお、重合開始剤とし は、ラジカル重合性単量体に対して可溶な 溶性の重合開始剤が好ましい。

 これらの重合開始剤のうちでも、パーオキ ジカーボネートが好ましく、熱膨張性微小 内部に樹脂粒が生成することが抑制され、 殻の厚みが理論値よりも薄くなりにくくな 、得られる熱膨張性微小球の膨張倍率が高 なる。また、パーオキシジカーボネートの 手し易さや、重合性成分の(共)重合性、外 を構成する熱可塑性樹脂構造のランダム化 の効果を考慮すると、ジイソプロピルパー キシジカーボネート、ビス(4-t-ブチルシクロ ヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ-sec- ブチルパーオキシジカーボネートおよびジ-2- エチルヘキシルパーオキシジカーボネートか らなる群より選ばれた少なくとも1種がさら 好ましく、ジ-sec-ブチルパーオキシジカーボ ネートおよびジ-2-エチルヘキシルパーオキシ ジカーボネートから選ばれた少なくとも1種 特に好ましい。
 重合開始剤の量については、特に限定はな が、前記単量体成分100重量部に対して0.3~8 量部であると好ましく、より好ましくは0.4~7 .5重量部、さらに0.5~7.7重量部、特に好ましく は0.5~6重量部、最も好ましくは0.8~5重量部で る。

 重合開始剤がパーオキシジカーボネートと に他の開始剤を含む場合、パーオキシジカ ボネートが重合開始剤に占める割合が大き ほど得られる効果も高い。パーオキシジカ ボネートが重合開始剤に占める割合は、60 量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ま く、80重量%以上がさらに好ましく、90重量% 上が特に好ましく、100重量%が最も好ましい 。
 本発明の製造方法において、連鎖移動剤、 機顔料、表面が疎水性処理された無機顔料 無機粒子等をさらに使用してもよい。

 本発明では、水性分散媒は重合性成分およ 発泡剤等の油性混合物を分散させるイオン 換水を主成分とする媒体であり、アルコー 等の親水性有機性の溶媒をさらに含有して よい。水性分散媒の使用量については、特 限定はないが、重合性成分100重量部に対し 、100~1000重量部の水性分散媒を使用するの 好ましい。
 水性分散媒は、電解質をさらに含有しても い。電解質としては特に限定はないが、た えば、塩化リチウム、塩化ナトリウム、塩 カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシ ム、炭酸水素ナトリウム、硫酸リチウム、 酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネ ウム、硫酸アンモニウム、炭酸ナトリウム 安息香酸等を挙げることができる。これら 電解質は、1種または2種以上を併用しても い。電解質の含有量については、特に限定 ないが、水性分散媒100重量部に対して0.1~50 量部含有するのが好ましい。

 水性分散媒が重合助剤をさらに含有すると く、重合中の凝集微小球の生成が抑制され り、繰り返し圧縮耐久性を有する中空微粒 となる熱膨張性微小球を製造できたりする で、好ましい。重合助剤としては、亜硝酸 トリウム、亜硝酸カリウム等の亜硝酸アル リ金属塩や、塩化第一スズ、塩化第二スズ 塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、水 性アスコルビン酸およびその誘導体、水溶 1,1-置換化合物類等が挙げられる。これらの 中でも、亜硝酸アルカリ金属塩、水溶性1,1- 換化合物類が好ましい。その含有量は、単 体成分100重量部に対して、好ましくは0.0001~1 重量部、さらに好ましくは0.0003~0.1重量部で る。
 水溶性1,1-置換化合物類は、水酸基、カルボ ン酸(塩)基およびホスホン酸(塩)基から選ば た親水性官能基とヘテロ原子とが同一の炭 原子に結合した構造を有する。

 ここで、カルボン酸(塩)基とは、カルボン 基またはカルボン酸塩基を意味する。カル ン酸基はカルボキシル基(-COOH)であり、カル ン酸塩基はカルボキシル基のプロトンが、 属原子、1~4級アミン基、アンモニウム基(-NH 4 + )等で置き換わった基である。また、ホスホ 酸(塩)基とは、ホスホン酸基またはホスホン 酸塩基を意味する。ホスホン酸基は-PO 3 H 2 であり、ホスホン酸塩基はホスホン基の少な くとも1つのプロトンが、金属原子、1~4級ア ン基、アンモニウム基(-NH 4 + )等で置き換わった基である。
 水溶性1,1-置換化合物類としては、特に限定 はないが、たとえば、親水性官能基がカルボ ン酸(塩)基で、ヘテロ原子が窒素原子である 造を有したアミノポリカルボン酸(塩)類や 親水性官能基がホスホン酸(塩)基で、ヘテロ 原子が窒素原子である構造を有したアミノポ リホスホン酸(塩)類等を挙げることができる

 アミノポリカルボン酸(塩)類としては、特 限定はないが、たとえば、エチレンジアミ 四酢酸(その塩も含む)、ヒドロキシエチルエ チレンジアミン三酢酸(その塩も含む)、ジエ レントリアミン五酢酸(その塩も含む)、ジ ドロキシエチルエチレンジアミン二酢酸(そ 塩も含む)、1,3-プロパンジアミン四酢酸(そ 塩も含む)、ジエチレントリアミン五酢酸( の塩も含む)、トリエチレンテトラアミン六 酸(その塩も含む)、ニトリロ三酢酸(その塩 含む)、グルコン酸(その塩も含む)、ヒドロ シエチルイミノ二酢酸(その塩も含む)、L-ア スパラギン酸-N,N-ジ二酢酸(その塩も含む)、 カルボキシメチルグルタミン酸(その塩も含 )、1,3-ジアミノ-2-ヒドロキシプロパン四酢 (その塩も含む)、ジヒドロキシエチルグリシ ン(その塩も含む)等のアミノポリカルボン酸; これらの金属塩;これらのアンモニウム塩等 挙げることができる。これらのアミノポリ ルボン酸(塩)類は、1種または2種以上を併用 てもよい。
 アミノポリホスホン酸(塩)類としては、特 限定はないが、たとえば、アミノトリメチ ンホスホン酸(その塩も含む)、ヒドロキシエ タンホスホン酸(その塩も含む)、ヒドロキシ チリデン二ホスホン酸(その塩も含む)、ジ ドロキシエチルグリシン(その塩も含む)、ホ スホノブタン三酢酸(その塩も含む)、メチレ ホスホン酸(その塩も含む)ニトリロトリス チレンホスホン酸(その塩も含む)、エチレン ジアミン四(メチレンホスホン酸)(その塩も含 む)等のアミノポリホスホン酸;これらの金属 ;これらのアンモニウム塩等を挙げることが できる。これらのアミノポリホスホン酸(塩) は、1種または2種以上を併用してもよい。

 上記アミノポリカルボン酸塩類やアミノポ ホスホン酸塩類とは、アミノポリカルボン やアミノポリホスホン酸の金属塩類、アミ 塩類、アンモニウム塩類等を意味する。
 上記金属塩類は、酸性基であるカルボン酸 やホスホン酸基の少なくとも1つのプロトン が金属原子で置き換わった化合物である。こ こで、金属原子としては、たとえば、リチウ ム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属 (周期表における1族金属);ベリリウム、マグ シウム、カルシウム、ストロンチウム、バ ウム等のアルカリ土類金属(周期表における2 族金属);鉄、銅、マンガン、亜鉛、コバルト の遷移金属等を挙げることができる。これ の金属原子なかでも、ナトリウム、カリウ 等が好ましい。

 上記アミン塩類とは、酸性基であるカルボ 酸基やホスホン酸基の少なくとも1つのプロ トンがアミンと反応して得られた化合物等で ある。アミン塩類は、酸性基であるカルボン 酸基やホスホン酸基の少なくとも1つのプロ ンが1~4級アミン基で置き換わった化合物と 現することもできる。
 また、その他の水溶性1,1-置換化合物類とし ては、特に限定はないが、たとえば、親水性 官能基がカルボン酸(塩)基で、ヘテロ原子が 素原子である構造を有した2-カルボキシピ ジン、オロチン酸、キノリン酸、ルチジン 、イソシンコメロン酸、ジピコリン酸、ベ ベロン酸、フサル酸、オロト酸等;親水性官 基が水酸(塩)基で、ヘテロ原子が窒素原子 ある構造を有した2-ヒドロキシピリジン、6- ドロキシニコチン酸、シトラジン酸等;親水 性官能基がカルボン酸(塩)基で、ヘテロ原子 硫黄原子である構造を有したチオジグリコ ル酸等の化合物を挙げることができる。

 水溶性1,1-置換化合物類において、親水性官 能基がカルボン酸(塩)基および/またはホスホ ン酸(塩)基であり、ヘテロ原子が窒素原子お び/または硫黄原子であると、好ましい。
 水性分散媒は、分散安定剤や分散安定補助 をさらに含有していてもよい。

 分散安定剤としては、特に限定はないが、 とえば、コロイダルシリカ、コロイダル炭 カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化 ルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化第 鉄、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、蓚酸 ルシウム、メタケイ酸カルシウム、炭酸カ シウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム リン酸カルシウム、リン酸マグネシウム、 ン酸アルミニウム、リン酸亜鉛等のリン酸 、ピロリン酸カルシウム、ピロリン酸アル ニウム、ピロリン酸亜鉛等のピロリン酸塩 アルミナゾル等の難水溶性無機化合物の分 安定剤を挙げることができる。これらの分 安定剤は、1種または2種以上を併用しても く、得られる熱膨張性微小球の粒子径と重 時の分散安定性等を考慮してその種類が適 選択される。なかでも、第三リン酸カルシ ム、複分解生成法により得られるピロリン マグネシウム、ピロリン酸カルシウムや、 ロイダルシリカが好ましい。
 分散安定剤の配合量については、目的とす 粒子径により適宜決定され、特に限定され いが、重合性成分100重量部に対して、好ま くは0.1~20重量部、さらに好ましくは2~10重量 部である。

 分散安定補助剤としては、特に限定はない 、たとえば、高分子タイプの分散安定補助 、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面 性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性 面活性剤等の界面活性剤を挙げることがで る。これらの分散安定補助剤は、1種または 2種以上を併用してもよく、得られる熱膨張 微小球の粒子径と重合時の分散安定性等を 慮して、適宜選択される。
 高分子タイプの分散安定補助剤としては、 とえば、ジエタノールアミンと脂肪族ジカ ボン酸の縮合生成物、ゼラチン、ポリビニ ピロリドン、メチルセルロース、ポリエチ ンオキサイド、ポリビニルアルコール等を げることができる。

 分散安定補助剤の配合量は、特に限定され いが、重合性成分100重量部に対して、好ま くは0.0001~5重量部、さらに好ましくは0.0003~2 重量部である。
 水性分散媒は、たとえば、イオン交換水等 水に、電解質、重合助剤、分散安定剤、分 安定補助剤等を配合して調製される。重合 の水性分散媒のpHは、適宜決められる。重 時の水性分散媒は、酸性、中性、アルカリ のいずれでもよいが、酸性または中性が好 しく、酸性がさらに好ましい。重合時の水 分散媒のpHは、通常2~13、好ましくは2~10、よ 好ましくは2~8、さらに好ましくは2~6.5、特 好ましくは2~6、最も好ましくは2~4である。

 本発明の製造方法では、単量体成分を必須 し架橋剤を含むことがある重合性成分、発 剤、重合開始剤、水を必須とする水性分散 、電解質、水溶性添加剤等の重合助剤、分 安定剤、分散補助安定剤等の上記で説明し 各成分を混合して、重合性成分を重合させ ことによって行われる。これらの各成分の 合順序等については特に限定はなく、水性 散媒に溶解または分散し得る成分をあらか め配合しておき、他の成分と配合してもよ 。
 本発明では、所定粒子径の球状油滴が調製 れるように重合性成分および発泡剤等の油 混合物を水性分散媒中に乳化分散させる。

 油性混合物を乳化分散させる方法としては たとえば、ホモミキサー(たとえば、特殊機 化工業株式会社製)、ホモディスパー(たとえ 、特殊機化工業株式会社製)等により攪拌す る方法や、スタティックミキサー(たとえば 株式会社ノリタケエンジニアリング社製)等 静止型分散装置を用いる方法、膜乳化法、 音波分散法、マイクロチャネル法等の一般 な分散方法を挙げることができる。
 次いで、油性混合物が球状油滴として水性 散媒に分散された分散液を加熱することに り、懸濁重合を開始する。重合反応中は、 散液を攪拌するのが好ましく、その攪拌は たとえば、単量体の浮上や重合後の熱膨張 微小球の沈降を防止できる程度に緩く行え よい。

 重合温度は、重合開始剤の種類によって自 に設定されるが、好ましくは30~100℃、さら 好ましくは40~90℃、特に好ましくは50~85℃の 範囲で制御される。反応温度を保持する時間 は、0.1~20時間程度が好ましい。重合初期圧力 については特に限定はないが、ゲージ圧で0~5 .0MPa、さらに好ましくは0.1~3.0MPa、特に好まし くは0.2~2.0MPaの範囲である。
 重合反応終了後、所望により、分散安定剤 塩酸等により分解し、得られた生成物(熱膨 張性微小球)を吸引濾過、遠心分離、遠心濾 等の操作により、分散液から単離する。さ に、得られた熱膨張性微小球の含水ケーキ 水洗し、乾燥して熱膨張性微小球を得るこ ができる。

 本発明の製造方法では、強磁性体が実質的 存在しない条件下で重合させることが好ま い。強磁性体の存在下で重合を行った場合 得られる熱膨張性微小球は強磁性を有する うになり、強磁性という特性によって、そ 用途が大幅に制限されることがある。また 強磁性体は通常、黒色や灰色に着色してい ので、重合釜を汚染したり、強磁性体が外 を形成する熱可塑性樹脂に取り込まれたり 内包物に含まれたりして、得られる熱膨張 微小球が黒色や灰色に着色することがある で、白色や淡色の組成物への利用が困難に る。このような理由から、強磁性体の存在 での重合は好ましくない。
 強磁性体が実質的に存在しないとは、強磁 体が内包物全体の5重量%以下であることを 味し、好ましくは3重量%以下、さらに好まし くは1重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以下 、最も好ましくは0重量%である。

 強磁性体としては、たとえば、第一鉄、第 鉄、亜鉛、マンガン、ニッケル、コバルト カルシウム、銅等の金属の水溶性塩(たとえ ば、塩化物、硫酸塩等)や、これらの金属の 化物等を挙げることができる。
 上記酸化物としては、フェライト、マグネ イト等が挙げられる。その具体例としては [FeO] 1-n ・[Fe 2 O 3 ] n 、[FeO] 1-n ・[ZnO] n ・Fe 2 O 3 、[MnO]  1-n ・[ZnO] n ・Fe 2 O 3 、[NiO] 1-n ・[ZnO] n ・Fe 2 O 3 、[CoO] 1-n ・[FeO] n ・Fe 2 O 3 等がある。

 本発明の熱膨張性微小球の製造方法は、微 子充填剤を外殻の外表面に付着させる工程 さらに含むことがある。熱膨張性微小球に いて、その外殻の外表面に微粒子充填剤が 着していると、使用時における分散性の向 や流動性改善が図られる。
 微粒子充填剤は、有機系及び無機系充填剤 いずれでもよく、その種類および量は、使 目的に応じて適宜選定される。

 有機系充填剤としては、たとえば、ステア ン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウ 、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸バリウ 、ステアリン酸リチウム等の金属セッケン ;ポリエチレンワックス、ラウリン酸アミド 、ミリスチン酸アミド、パルミチン酸アミド 、ステアリン酸アミド、硬化ひまし油等の合 成ワックス類;ポリアクリルアミド、ポリイ ド、ナイロン、ポリメタクリル酸メチル、 リエチレン、ポリテトラフルオロエチレン の樹脂粉体等が挙げられる。
 無機系充填剤としては、層状構造を有する の、たとえば、タルク、マイカ、ベントナ ト、セリサイト、カーボンブラック、二硫 モリブデン、二硫化タングステン、弗化黒 、弗化カルシウム、窒化ホウ素等;その他、 シリカ、アルミナ、雲母、炭酸カルシウム、 水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、水酸 化マグネシウム、リン酸マグネシウム、硫酸 バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、セラミ ックビーズ、ガラスビーズ、水晶ビーズ等が 挙げられる。

 これらの微粒子充填剤は、1種または2種以 を併用してもよい。
 微粒子充填剤の平均粒子径は、付着前の熱 張性微小球の平均粒子径の1/10以下であるこ とが好ましい。ここで、平均粒子径とは、一 次粒子における平均粒子径を意味する。

 熱膨張性微小球への微粒子充填剤の付着量 、特に限定はないが、微粒子充填剤による 能を十分に発揮でき、熱膨張性微小球の真 重の大きさ等を考慮すると、付着前の熱膨 性微小球100重量部に対して、好ましくは0.1~ 95重量部、さらに好ましくは0.5~60重量部、特 好ましくは5~50重量部、最も好ましくは8~30 量部である。
 微粒子充填剤の付着は、付着前の熱膨張性 小球と微粒子充填剤とを混合することによ て行うことができる。混合については、特 限定はなく、容器と攪拌羽根といった極め 簡単な機構を備えた装置を用いて行うこと できる。また、一般的な揺動または攪拌を える粉体混合機を用いてもよい。粉体混合 としては、たとえば、リボン型混合機、垂 スクリュー型混合機等の揺動攪拌または攪 を行える粉体混合機を挙げることができる また、近年、攪拌装置を組み合わせたこと より効率のよい多機能な粉体混合機である ーパーミキサー(株式会社カワタ製)及びハ スピードミキサー(株式会社深江製)、ニュー グラマシン(株式会社セイシン企業製)、SVミ サー(株式会社神鋼環境ソリューション社製) 等を用いてもよい。

〔熱膨張性微小球およびその用途〕
 本発明の熱膨張性微小球は、図1に示すよう に、熱可塑性樹脂からなる外殻(シェル)1とそ れに内包される内包物(コア)2とから構成され たコア-シェル構造をとっており、熱膨張性 小球は微小球全体として熱膨張性(微小球全 が加熱により膨らむ性質)を示す。
 内包物は、熱可塑性樹脂の軟化点以下の沸 を有する発泡剤を必須とする。内包物は、 泡剤とともに、前記熱可塑性樹脂の軟化点 の沸点を有するガス抜け防止剤をさらに含 すると好ましい。

 本発明の熱膨張性微小球において、熱可塑 樹脂、重合して熱可塑性樹脂となる重合性 分、内包物を構成する発泡剤およびガス抜 防止剤や、これらの比率(たとえば、ガス抜 け防止剤の内包物に対する重量割合)等の詳 い説明は、前述の製造方法に記載したとお である。
 熱膨張性微小球の平均粒子径については、 途に応じて自由に設計することができるた に特に限定されないが、通常1~100μm、好ま くは2~80μm、さらに好ましくは3~60μm、特に好 ましくは5~50μm以上である。

 熱膨張性微小球の粒度分布の変動係数CV 、特に限定されないが、好ましくは35%以下 さらに好ましくは30%以下、特に好ましくは25 %以下である。変動係数CVは、以下に示す計算 式(1)および(2)で算出される。

(式中、sは粒子径の標準偏差、<x>は平均 子径、x i  はi番目の粒子径、nは粒子の数である。)
 本発明の熱膨張性微小球では、その膨張開 温度をTs(℃)、その最大膨張倍率をA(倍)とし て、この熱膨張性微小球に、(Ts-15)≦T<Tsを 足するT(℃)で予め10分間の熱処理を行った に室温に戻し、次いで測定した最大膨張倍 をB(倍)としたとき、たとえば、B/Aが0.70以上 あり、好ましくは0.80以上、さらに好ましく は0.85以上、特に好ましくは0.90以上、最も好 しくは0.95以上である。B/Aが0.7未満であると 、熱処理時にガス抜け等が原因による膨張倍 率の低下があることを示し、最終用途での十 分な軽量化ができない。ここで、室温とは15~ 30℃を意味する。

 上記熱処理前の熱膨張性微小球の真比重をd 0 とし、上記熱処理後の真比重をdとしたとき d/d 0 は、好ましくは0.5~1.3、さらに好ましくは0.6~1 .2、特に好ましくは0.8~1.1である。d/d 0 が、1.3超であると、熱膨張性微小球の内包物 中の発泡剤が熱可塑性樹脂からなる外殻を透 過して外部に抜け出る、いわゆるガス抜けが 発生し、膨張倍率が低下する。一方、d/d 0 が、0.5未満であると、熱膨張性微小球の膨張 が既に開始されていることを示し、高温にお いて膨張余力が小さくなる。
 熱膨張性微小球は、以下の諸物性をさらに すると好ましい。

 熱膨張性微小球に封入された内包物の内包 については、用途に応じて自由に設計する とができるために特に限定されないが、熱 張性微小球の重量に対して、好ましくは2~60 重量%、さらに好ましくは5~50重量%、特に好ま しくは8~45重量%である。
 熱膨張性微小球の最大膨張温度については 特に限定はなく、用途によって適宜選択さ るが、以下に示す1)~6)の範囲にあるとこの でより好ましい(前に記載した範囲よりも後 記載した範囲が好ましい)。
1)120~240℃、2)150~230℃、3)160~225℃、4)170~220℃、 5)180~215℃、6)190~210℃

 熱膨張性微小球の最大膨張温度が120℃未満 あると、常温における保存が困難となるこ がある。一方、熱膨張性微小球の最大膨張 度が240℃超であると、十分な膨張倍率が得 れにくくなることがある。
 熱膨張性微小球を最大膨張条件において膨 させて得られる中空微粒子の真比重(最大膨 張時最低真比重 d max )については、特に限定はないが、以下に示 1)~7)の範囲にあるとこの順でより好ましい( に記載した範囲よりも後に記載した範囲が ましい)。
1)0.002~0.035g/cc、2)0.003~0.03g/cc、3)0.005~0.025g/cc、4 )0.007~0.024g/cc、5)0.01~0.023g/cc、6)0.013~0.02g/cc、7)0 .013~0.02g/cc。
 また、上記熱処理前の熱膨張性微小球の真 重(d 0 )および上記最大膨張時最低真比重(d max )より求められる最大膨張時の膨張倍率(d 0 /d max ;単位:倍)については、以下に示す1)~6)の範囲 あるとこの順でより好ましい(前に記載した 範囲よりも後に記載した範囲が好ましい)。
1)15倍以上、2)20倍以上、3)25倍以上、4)30倍以 、5)40倍以上、6)50倍以上。
 熱膨張性微小球の最大膨張時の膨張倍率(d 0 /d max )が15倍未満である場合、十分な膨張倍率が得 られていないことを示し、熱膨張性微小球の 使用条件やその用途に制約が生ずることがあ る。

 熱膨張性微小球は、上記製造方法でも詳し 説明したが、強磁性体を実質的に含まない うが好ましい。熱膨張性微小球が強磁性体 実質的に含まないとは、強磁性体が内包物 体の5重量%以下であることを意味し、好ま くは3重量%以下、さらに好ましくは1重量%以 、特に好ましくは0.1重量%以下、最も好まし くは0重量%である。
 熱膨張性微小球が、その外殻の外表面に付 した微粒子充填剤からさらに構成されると ましい。

 本発明の熱膨張性微小球および/または本発 明の製造方法で得られた熱膨張性微小球を加 熱膨張させることによって、熱膨張した微小 球(中空微粒子)を製造できる。中空微粒子の 造方法については、特に限定はなく、乾式 熱膨張法、湿式加熱膨張法のいずれでもよ 。
 乾式加熱膨張法としては、特開2006-213930号 報に記載されている内部噴射方法を挙げる とができる。この内部噴射方法は、熱膨張 微小球を含む気体流体を、出口に分散ノズ を備え且つ熱風流の内側に設置された気体 入管に流し、前記分散ノズルから噴射させ 工程(噴射工程)と、前記気体流体を前記分散 ノズルの下流部に設置された衝突板に衝突さ せ、熱膨張性微小球を前記熱風流中に分散さ せる工程(分散工程)と、分散した熱膨張性微 球を前記熱風流中で膨張開始温度以上に加 して膨張させる工程(膨張工程)とを含む乾 加熱膨張法である。内部噴射方法では、原 となる熱膨張性微小球の外殻を構成する熱 塑性樹脂の種類にかかわらず均一物性の中 微粒子を得ることができるので好ましい。

 また、別の乾式加熱膨張法としては、特開2 006-96963号公報に記載の方法等がある。湿式加 熱膨張法としては、特開昭62-201231号公報に記 載の方法等がある。
 中空微粒子の平均粒子径については、用途 応じて自由に設計することができるために に限定はないが、好ましくは1~1000μm、さら 好ましくは5~800μm、特に好ましくは10~500μm ある。また、中空微粒子の粒度分布の変動 数CVについても、特に限定はないが、30%以下 が好ましく、さらに好ましくは27%以下、特に 好ましくは25%以下である。
 中空微粒子の繰り返し圧縮耐久性について 、特に限定はないが、好ましくは60%以上、 らに好ましくは65%以上、特に好ましくは70% 上である。中空微粒子の繰り返し圧縮耐久 が60%未満であると、中空微粒子の耐圧性が く、比重低下が十分でないことがある。な 、中空微粒子の繰り返し圧縮耐久性の上限 は100%である。

 本発明の組成物は、ジエン系ゴムを除く基 成分と、熱膨張性微小球および/また中空微 粒子とを含む。
 ジエン系ゴムを除く基材成分としては特に 定はないが、たとえば、不飽和重合型樹脂 開環重合型樹脂等の重合型樹脂;付加縮合型 樹脂、ポリ縮合型樹脂、ポリ付加型樹脂等の 縮合型樹脂;繊維素系樹脂、タンパク質系樹 等の半合成高分子物;セメント類、セラミッ ス構造体等の無機物等が挙げられる。これ の基材成分は1種または2種以上を併用して よい。

 不飽和重合型樹脂として、たとえば、ポリ チレン、エチレン共重合体(エチレン-酢酸 ニル共重合体等)、ポリプロピレン、エチレ プロピレンゴム、ポリブテン、ポリイソブ レン、4-メチルペンテン-1樹脂、ピペリン樹 脂、石油樹脂、スチロール樹脂、クマロン- ンデン樹脂、テンペル樹脂等の炭化水素系 脂;(メタ)アクリル樹脂、グリシジルメタク レート等の反応型(メタ)アクリル樹脂、ポリ アクリロニトリル、ポリシアノアクリレート 、ポリアクリルアミド、(メタ)アクリル酸樹 及びその塩等のアクリル酸系樹脂;酢酸ビニ ル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリビニル アセタール系樹脂、ポリビニルエーテル等の 酢酸ビニル、ビニルアルコール系樹脂;塩化 ニル樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体 塩化ビニリデン樹脂、フッ素樹脂等の含ハ ゲン系樹脂;ポリビニルカルバゾール、ポリ ビニルピロリドン、ポリビニルピリジン、ポ リビニルイミダゾール等の含窒素ビニル共重 合体等が挙げられる。
 開環重合型樹脂としては、たとえば、ポリ キシメチレン、ポリエチレンオキサイド、 リエチレングリコール、ポリプロピレンオ サイド、ポリプロピレングリコール、ヒド ンゴム、三環オキサイド重合物、ペントン 脂等のポリエーテル類;ポリエチレンイミン 類等が挙げられる。

 付加縮合樹脂としては、たとえば、フェノ ル-ホルマリン樹脂、クレゾール-ホルマリ 樹脂、変成フェノール樹脂、フェノール-フ フラール樹脂、レゾルシン樹脂等のフェノ ル系樹脂;尿素樹脂、変成尿素樹脂、メラミ ン樹脂、グアナミン樹脂、アニリン樹脂、ス ルホンアミド樹脂等のアミノ樹脂;キシレン 脂、トルエン樹脂、アルキルベンゼン樹脂 の芳香族炭化水素系樹脂;ケトン樹脂類等が げられる。
 ポリ縮合型樹脂としては、たとえば、飽和 ルキード樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、 リルエステル樹脂、ポリカーボネート、ポ リン酸エステル、ポリスルホネート、ポリ ルホン等のポリエステル樹脂;6-ナイロン、6 ,6-ナイロン、変成ナイロン、6,10-ナイロン、 結晶性ナイロン、芳香族ナイロン繊維、含 素環ポリアミド、ポリイミド、重合脂肪酸 リアミド、ポリアミノ酸等のポリアミド型 脂;シリコン樹脂、変成シリコン樹脂、反応 性シリコン樹脂等のケイ素樹脂;フラン樹脂 が挙げられる。

 ポリ付加型樹脂としては、たとえば、線状 リウレタン、アクリルウレタン樹脂、ポリ レタンゴム、ポリウレタン接着剤、ポリウ タン塗料等のポリウレタン樹脂;グリシジル 型エポキサイド、ビスフェノール型エポキシ 樹脂等のエポキシ樹脂等が挙げられる。
 繊維素系樹脂としては、たとえば、硝酸繊 素、酢酸セルロース、酪酸繊維素、酢酸繊 素等のエステル化繊維素;メチル繊維素、エ チル繊維素、ベンジル繊維素、カルボキシメ チルセルロース、ヒドロキシルエチルセルロ ース、シアノエチルセルロース、アクリルア ミドセルロース等のエーテル繊維素等が挙げ られる。

 タンパク質系樹脂としては、たとえば、カ インプラスチック、大豆カゼイン可塑物、 ゼイン繊維、デンプン-酢酸ビニル系樹脂等 が挙げられる。
 セメント類としては、たとえば、ポルトラ ドセメント、高炉セメント、フライアッシ セメント、マグネシアセメント、アルミナ メント等が挙げられる。

 セラミックス構造体としては、たとえば、 記セメント類を配合したモルタル、コージ ライト、炭化ケイ素等を主成分とするもの が挙げられる。
 基材成分から除かれるジエン系ゴムとして 、天然ゴム、ポリイソプレンゴム、ポリブ ジエンゴム、スチレンブタジエン共重合体 ム、アクリロニトリル-ブタジエン共重合体 ゴム等を挙げることができる。本発明の組成 物はジエン系ゴムを含有しない。

 本発明の組成物に含まれる熱膨張性微小球 よび/また中空微粒子の重量割合については 、特に限定はないが、基材成分の0.1~60重量% あると好ましく、0.5~50重量%であるとより好 しく、1~40重量%であるとさらに好ましく、3~ 30重量%であると特に好ましく、5~15重量%であ と最も好ましい。
 本発明の組成物は、これらの基材成分と熱 張性微小球および/また中空微粒子とを混合 することによって調製することができる。

 本発明の組成物の用途としては、たとえば 成形用組成物、塗料組成物、ワックス組成 、粘土/陶器組成物、繊維組成物、接着剤組 成物、粘着剤組成物、シーリング組成物、粉 体組成物、バインダー組成物等を挙げること ができる。本発明の組成物はタイヤ用ゴム組 成物ではない。
 本発明の成形物は、この組成物を成形して られる。本発明の成形物としては、たとえ 、成形品や塗膜等の成形物等を挙げること できる。本発明の成形物では、軽量性、多 性、吸音性、断熱性/熱伝導性、電気伝導度 、意匠性、衝撃吸収性、強度等の諸物性が向 上している。

 以下の実施例および比較例で本発明を詳細 説明するが、本発明はこれに限定されるも ではない。
 以下の実施例および比較例で製造した熱膨 性微小球および中空微粒子等について、次 示す要領で物性を測定し、さらに性能を評 した。

〔平均粒子径と粒度分布の測定〕
 レーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社  HEROS&RODOS)を使用した。乾式分散ユニッ の分散圧は5.0bar、真空度は5.0mbarで乾式測定 法により測定し、D 50 値を平均粒子径とした。

〔真比重の測定〕
 熱膨張性微小球およびこれを熱膨張させて られる中空微粒子の真比重は、以下の測定 法で測定した。
 真比重は環境温度25℃、相対湿度50%の雰囲 下においてイソプロピルアルコールを用い 液浸法(アルキメデス法)により測定した。

 具体的には、容量100ccのメスフラスコを空 し、乾燥後、メスフラスコ重量(WB 1 )を秤量した。秤量したメスフラスコにイソ ロピルアルコールをメニスカスまで正確に たした後、イソプロピルアルコール100ccの充 満されたメスフラスコの重量(WB 2 )を秤量した。
 また、容量100ccのメスフラスコを空にし、 燥後、メスフラスコ重量(WS 1 )を秤量した。秤量したメスフラスコに約50cc 粒子を充填し、粒子の充填されたメスフラ コの重量(WS 2 )を秤量した。そして、粒子の充填されたメ フラスコに、イソプロピルアルコールを気 が入らないようにメニスカスまで正確に満 した後の重量(WS 3 )を秤量した。そして、得られたWB 1 、WB 2 、WS 1 、WS 2 およびWS 3 を下式に導入して、粒子の真比重(d)を計算し た。
d={(WS 2 -WS 1 )×(WB 2 -WB 1 )×100}/{(WB 2 -WB 1 )-(WS 3 -WS 2 )}
 上記で、粒子として熱膨張性微小球または 空微粒子を用いて、それぞれの真比重を計 した。

〔膨張開始温度(Ts)および最大膨張温度(Tm)の 定〕
 測定装置として、DMA(動的粘弾性測定装置:DM A Q800型、TA instruments社製)を使用した。熱膨 性微小球または熱処理後熱膨張性微小球0.5m gを直径6.0mm(内径5.65mm)、深さ4.8mmのアルミカ プに入れ、微小球層上部に直径5.6mm、厚み0.1 mmのアルミ蓋をのせ試料を準備した。その試 に上から加圧子により0.01Nの力を加えた状 でサンプル高さを測定した。加圧子により0. 01Nの力を加えた状態で、20℃から300℃まで10 /minの昇温速度で加熱し、加圧子の垂直方向 おける変位量を測定した。正方向への変位 始温度を膨張開始温度とし、最大変位量を したときの温度を最大膨張温度とした。以 の〔熱処理方法〕で示す熱処理前の熱膨張 微小球の正方向への最大変位量をa、処理後 の最大変位量をbとし、熱処理前の熱膨張性 小球の最大膨張倍率をA(倍)、熱処理後の熱 張性微小球の最大膨張倍率をB(倍)としたと に、この場合はB/A=b/aの関係が成り立つので aおよびbを測定して、B/Aを計算した。

〔最大膨張時最低真比重の測定〕
 アルミ箔で縦12cm、横13cm、高さ9cmの底面の らな箱を作製し、その中に熱膨張性微小球1. 0gを均一になるように入れ、上記膨張開始温 の測定により得られた膨張開始温度から5℃ ずつ温度を上昇させ、各温度で1分間加熱し 後、膨張した熱膨張性微小球(中空微粒子)の 真比重を上記測定方法にしたがって測定した 。それらの中で最低真比重を示したものを最 大膨張時最低真比重(d max )とした。

〔最大膨張時の膨張倍率の評価〕
 最大膨張時の膨張倍率(倍)は、上記真比重 測定と同様にして測定した熱処理前の熱膨 性微小球の真比重(d 0 )と、上記最大膨張時最低真比重(d max )とから下式で算出した。
 最大膨張時の膨張倍率(倍)=d 0 /d max

〔熱処理方法〕
 上記平らな箱に熱膨張性微小球1.0gを均一に なるように入れ、上記膨張開始温度の測定に より得られた膨張開始温度(Ts)未満、且つ(Ts-1 5)以上の温度範囲にて、各温度で10分間加熱 た。処理後、常温(室温)に戻した熱膨張性微 小球の真比重(d)と熱処理前の熱膨張性微小球 の真比重(d 0 )をそれぞれ、上記方法により測定し、d/d 0 を求めた。

〔繰り返し圧縮耐久性の測定〕
 中空微粒子10.0mgを直径6mm(内径5.65mm)および さ4.8mmのアルミカップに入れ、中空微粒子層 の上部に直径5.6mmおよび厚み0.1mmのアルミ蓋 載せたものを試料とする。次いで、DMA(DMAQ800 型、TA instruments社製)を使用し、この試料に25 ℃の環境下で加圧子によりアルミ蓋の上部か ら2.5Nの力を加えた状態での中空微粒子層の さL 1 を測定する。その後、中空微粒子層を2.5Nか 18Nまで10N/minの速度で加圧後、18Nから2.5Nまで 10N/minの速度で除圧する操作を、8回繰り返し 後、加圧子によりアルミ蓋上部から2.5Nの力 を加えた状態の中空微粒子層の高さL 2 を測定する。そして、次式に示すように、測 定した中空微粒子層の高さL 1 とL 2 との比を繰り返し圧縮耐久性と定義する。
 繰り返し圧縮耐久性(%)=(L 2 /L 1 )×100

〔実施例1-1〕
 イオン交換水600gに、塩化ナトリウム100g、 リカ有効成分量が20重量%であるコロイダル リカ80g、ポリビニルピロリドン0.1gおよびエ レンジアミン四酢酸・4Na塩の1%水溶液0.5gを えた後、得られた混合物のpHを2.8~3.2に調整 、水性分散媒を調製した。
 これとは別に、アクリロニトリル180g、メタ クリロニトリル70g、イソボルニルメタクリレ ート15g、エチレングリコールジメタクリレー ト1.5g、発泡剤としてのイソペンタン75g、ガ 抜け防止剤としてのナフテンオイル9gおよび 2,2’-アゾビスイソブチロニトリル1gを混合し て油性混合物を調製した。水性分散媒と油性 混合物を混合し、得られた混合液をホモミキ サー(特殊機化工業社製、TKホモミキサー)に り、回転数5000rpmで5分間分散して、懸濁液を 調製した。この懸濁液を容量1.5リットルの加 圧反応器に移して窒素置換をしてから反応初 期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温度70 で20時間重合した。重合後、重合生成物を濾 過、乾燥して、熱膨張性微小球を得た。

〔実施例1-2~1-3および比較例1-1〕
 実施例1-1において、ナフテンオイル量をそ ぞれ表1に示す量に変更する以外は実施例1-1 と同様の手順で熱膨張性微小球をそれぞれ得 た。

〔比較例1-2〕
 実施例1-1において使用した発泡剤およびガ 抜け防止剤の代わりに、イソドデカン(沸点 177℃;初留分の蒸留点177℃以下;動粘度1.35mm 2 /S;重量平均分子量170.34)を使用する以外は実 例1-1と同様の手順で熱膨張性微小球を得た 但し、得られた熱膨張性微小球についてDMA 定行ったが、膨張しないために膨張開始温 および最大膨張温度の測定ができなかった 表1においてイソドデカンはガス抜け防止剤 して示す。

〔実施例2-1〕
 イオン交換水500gに、塩化ナトリウム150g、 ジピン酸-ジエタノールアミン縮合物3g、ア ミナ水和物のコロイド水溶液40gを加えた後 均一に混合してこれを水相とする。
 アクリロニトリル100g、メタクリロニトリル 20g、メタクリル酸70g、メタクリルアミド10g、 スチレン10g、PEG#200ジメタクリレート1.0g、2,2 -アゾビスイソブチロニトリル1g、発泡剤と てのイソブタン40gおよびイソオクタン20g、 ス抜け防止剤としてのナフテンオイル9gを 合し、油性混合物を調製した。水性分散媒 油性混合物を混合し、得られた混合液をホ ミキサー(特殊機化工業社製、TKホモミキサ )により、回転数7000rpmで2分間分散して、懸 液を調製した。この懸濁液を容量1.5リット の加圧反応器に移して窒素置換をしてから 応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ重合温 度70℃で20時間重合した。重合後、重合生成 を濾過、乾燥して、熱膨張性微小球を得た

〔実施例2-2~2-8および比較例2-1~2-3〕
 実施例2-1において、発泡剤およびガス抜け 止剤をそれぞれ表1に示す種類および量に変 更する以外は実施例2-1と同様の手順で熱膨張 性微小球をそれぞれ得た。
 比較例2-2および2-3で得られた熱膨張性微小 については、TsおよびTmを測定できた。しか しながら、最大膨張時の膨張倍率(d 0 /d max )が低く、実施例2-1~2-8と比較して膨張性能が しく低い。また、熱処理前後の膨張倍率の 化(B/A)も低く、熱処理によるガス抜け等が 因と考えられる膨張倍率の低下がみられた また、熱処理前後における熱膨張性微小球 真比重(d/d 0 )も大きな変化を示した。比較例2-2では、d/d 0 が大きく、熱処理前後の膨張倍率の変化(B/A) 低下し、熱処理により発泡剤の抜け等が発 したことを示している。また、比較例2-3で 、d/d 0 が小さいので、熱処理により意図しない発泡 が発生したことを示している。

〔実施例3-1〕
 イオン交換水600gに、ポリビニルピロリドン 0.1g、シリカ有効成分量が20重量%であるコロ ダルシリカ80g、およびエチレンジアミン四 酸・4Na塩の1%水溶液0.5gを加えた後、得られ 混合物のpHを2.8~3.2に調整し、水性分散媒を 製した。均一に混合してこれを水相とする
 アクリロニトリル100g、塩化ビニリデン180g メタクリル酸メチル15g、PEG#200ジメタクリレ ト1.0g、ジイソプロピルパーオキシジカーボ ネート(パーロイルIPP-50、純度50%)3g、発泡剤 してのイソブタン50g、ガス抜け防止剤とし のナフテンオイル9gを混合し、油性混合物を 調製した。水性分散媒と油性混合物を混合し 、得られた混合液をホモミキサー(特殊機化 業社製、TKホモミキサー)により、回転数7000r pmで2分間分散して、懸濁液を調製した。この 懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に移し て窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaにし、 80rpmで攪拌しつつ重合温度50℃で20時間重合し た。重合後、重合生成物を濾過、乾燥して、 熱膨張性微小球を得た。

〔実施例3-2および比較例3〕
 実施例3-1において、発泡剤およびガス抜け 止剤をそれぞれ表1に示す種類および量に変 更する以外は実施例3-1と同様の手順で熱膨張 性微小球をそれぞれ得た。

〔実施例4-1〕
 イオン交換水500gに、塩化ナトリウム150g、 リカ有効成分量が20重量%であるコロイダル リカ50g、およびエチレンジアミン四酢酸・4N a塩の1%水溶液0.5gを加えた後、得られた混合 のpHを2.8~3.2に調整し、水性分散媒を調製し 。均一に混合してこれを水相とする。
 アクリロニトリル70g、メタクリロニトリル7 0g、メタクリル酸70g、エチレングリコールジ タクリレート3g、アゾビス(2,4-ジメチルバレ ロニトリル)1g、発泡剤としてのイソペンタン 40gおよびイソオクタン20g、ガス抜け防止剤と してのナフテンオイル9gを混合し、油性混合 を調製した。水性分散媒と油性混合物を混 し、得られた混合液をホモミキサー(特殊機 化工業社製、TKホモミキサー)により、回転数 5000rpmで2分間分散して、懸濁液を調製した。 の懸濁液を容量1.5リットルの加圧反応器に して窒素置換をしてから反応初期圧0.5MPaに 、80rpmで攪拌しつつ重合温度60℃で20時間重 した。重合後、重合生成物を濾過、乾燥し 、熱膨張性微小球を得た。

〔実施例4-2および比較例4〕
 実施例4-1において、発泡剤およびガス抜け 止剤をそれぞれ表1に示す種類および量に変 更する以外は実施例4-1と同様の手順で熱膨張 性微小球をそれぞれ得た。

〔実施例5〕
 イオン交換水500gに、塩化ナトリウム90g、シ リカ有効成分量が20重量%であるコロイダルシ リカ50g、およびジエチレントリアミン五酢酸 ・5Na塩の1%水溶液2.0gを加えた後、得られた混 合物のpHを2.8~3.2に調整し、水性分散媒を調製 した。均一に混合してこれを水相とする。
 アクリロニトリル170g、メタクリロニトリル 80g、イソボルニルメタクリレート20g、N-フェ ルマレイミド15g、エチレングリコールジメ クリレート1.5g、アゾビス(2,4-ジメチルバレ ニトリル)1g、発泡剤としてのイソペンタン9 0g、ガス抜け防止剤としてのパラフィンオイ 9gを混合し、油性混合物を調製した。水性 散媒と油性混合物を混合し、得られた混合 をホモミキサー(特殊機化工業社製、TKホモ キサー)により、回転数7000rpmで1分間分散し 、懸濁液を調製した。この懸濁液を容量1.5 ットルの加圧反応器に移して窒素置換をし から反応初期圧0.5MPaにし、80rpmで攪拌しつつ 重合温度70℃で20時間重合した。重合後、重 生成物を濾過、乾燥して、熱膨張性微小球 得た。

〔比較例5〕
 パラフィンオイルを使用しない以外は実施 5と同様の手順で熱膨張性微小球を得た。
 以上の実施例および比較例で得られた熱膨 性微小球について、平均粒子径、膨張開始 度(Ts)および最大膨張温度(Tm)、d 0 /d max を測定し、その結果を表1に示す。また、こ らの熱膨張性微小球について、それぞれ表1 示す条件で熱処理を行った後、B/Aおよびd/d 0 を測定した。その結果も表1に示す。

 上記実施例および比較例で使用したナフテ オイル、アロマオイルおよびパラフィンオ ルの物性は以下のとおり。
 ナフテンオイル/初留分の蒸留点:210℃、動 度(40℃):3.4mm 2 /S、Cp:92%、重量平均分子量:180
 アロマオイル/初留分の蒸留点:290℃、動粘 (40℃):24.7mm 2 /S、Ca:95%、重量平均分子量:200
 パラフィンオイル/初留分の蒸留点:206℃、 粘度(40℃):2.5mm 2 /S、Cn:90%、重量平均分子量:214

〔実施例6-1〕(組成物、未膨張PVC塗膜の作製)
 実施例1-1で得られた熱膨張性微小球1重量部 に対してポリ塩化ビニル(PVC、新第一塩化ビ ル社製)25重量部とジイソニルフタレート(新 本理化社製)50重量部と炭酸カルシウム(備北 粉化工業社製)25重量部を加えてコンパウンド を調製した。調製したコンパウンドを1.5mm厚 で0.8mm厚みの電着塗装鉄板上に敷いたテフ ン(登録商標)製のシート(EGF-500-10)上に塗工し てギヤ式オーブンにて120℃×10分間熱処理し コンパウンドをゲル化させ、テフロン製の ートから剥がした。このようにして、未膨 PVC塗膜を作製した。
 上記未膨張PVC塗膜を、ギヤ式オーブン中で1 70℃×10分間加熱して、膨張PVC塗膜を得た。
 未膨張PVC塗膜の比重(A)と膨張PVC塗膜の比重( B)をそれぞれ計測して、発泡前後の軽量化率( =(A-B)×100/A)を計算し、軽量性を評価した。

〔実施例6-2~6-3および比較例6〕
 実施例6-2~6-3および比較例6では、実施例6-1 用いた熱膨張性微小球を表2に示す実施例ま は比較例で得られたものにそれぞれ変更す 以外は、実施例6-1と同様にして未膨張PVC塗 を作製し、評価を行った。
 実施例6-1~6-3および比較例6の結果を以下の 2に示す。

 上記表2から、ガス抜け防止剤を使用した 熱膨張性微小球(実施例6-1~6-3)については、低 比重化が可能であった。それに対して、比較 例6においては加熱後塗膜の軽量化率が低下 た。またガス抜け等が原因となる表面の荒 がみられた。

〔実施例7-1〕(成形物)
 ポリプロピレン(密度0.9g/cm 3 、メルトフローレート14g/10分、230℃)97重量% 実施例2-1により得られた熱膨張性微小球3重 %を混合し、型締力約80トン、スクリュー径3 2mmを有する射出成形機(日精樹脂工業株式会 製TS-100)を用いて、それぞれ、200℃、220℃、2 40℃の射出温度、約1000kg/cm 3 の射出圧力で射出し、直径98mm、厚み3mmの円 状成形物を得た。
 ポリプロピレンの比重0.9(g/cc)と、熱膨張性 小球を添加した成形物の比重(A)とから、成 物の軽量化率(=(0.9-A)×100/0.9)を計算し、熱膨 張性微小球を使用した場合における成形物軽 量化度合いを評価した。

〔実施例7-2および比較例7-1~7-2〕
 実施例7-2および比較例7-1~7-2では、実施例7-1 で用いた熱膨張性微小球を表3に示す実施例 たは比較例で得られたものそれぞれ変更す 以外は、実施例7-1と同様にして円盤状成形 を作製し、評価を行った。
 実施例7-1~7-2および比較例7-1~7-2の結果を以 の表3に示す。

 上記表3から、ガス抜け防止剤を使用した 熱膨張微小球については、軽量化率が高かっ た。ポリプロピレンが加熱されるスクリュー 内にてガス抜けが防止され膨張性が維持され ているものと考えられる。また、比較例7-1~7- 2の成形物は実施例7-1~7-2に比較して黄変が激 くみられた。

〔実施例8〕(中空微粒子)
 実施例1-1で得られた熱膨張性微小球1kgと重 炭酸カルシウム(白石カルシウム株式会社製 、ホワイトンSBアカ、平均粒子径:1.8μm)4kgをSV ミキサー(神鋼環境ソリューション株式会社 、内容量:30L)に投入し、10分間混合した。そ 後、得られた混合物をジャケット温度150℃ 設定した、レーディゲミキサー(株式会社マ ツボー製)に投入し、混合物の温度が130℃に 達した時点で冷却し、無機粉体複合中空微 子を得た。
 得られた無機粉体複合中空微粒子の平均粒 径および真比重を測定し、この中空微粒子 用いて、中空微粒子の耐圧性の指標となる り返し圧縮耐久性の評価を行った。結果を 4に示す。

〔比較例8〕
 実施例1-1で得られた熱膨張性微小球を比較 1で得られた熱膨張性微小球に変更する以外 は実施例8と同様にして、無機粉体複合中空 粒子を得て、その平均粒子径および真比重 測定し、繰り返し圧縮耐久性の評価を行っ 。結果を表4に示す。

 上記表4から、本発明での熱膨張性微小球 から作成した中空微粒子は耐圧性に優れてい ることが分かる。

 本発明の熱膨張性微小球では、熱膨張す 前に熱履歴が加えられた場合であっても熱 張物性の低下が抑制される。しかも、本発 の中空微粒子は、ガス抜けへたり等も少な 、過度の加熱発泡を必要としないので従来 より黄変の程度が小さい。本発明の組成物 、加熱した場合にガス漏れ等によるボイド 生等が抑制され、再発泡、収縮による寸法 変化が少なく有用である。