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Title:
MAGNETIC RECORDING MEDIUM AND MAGNETIC RECORDING AND REPRODUCING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/050862
Kind Code:
A1
Abstract:
A magnetic disk medium (10) has a nonmagnetic substrate (12), a soft magnetic lining layer (soft magnetic layer) (14), and a magnetic recording layer (16). The magnetic recording layer (16) has annular concave portions (grooves) (18) each having a depth reaching the soft magnetic lining layer (14), which form annular recording tracks (20). Each recording track (20) has neck portions (narrowed portions) (22) formed with a predetermined period in a peripheral direction. Each narrowed portion (22) has a shape where the end portion (24) of the recording track (20) is concave toward the center portion. A period with which the narrowed portions (22) are formed is a period in which an interval between one narrowed portion (22) and another narrowed portion (22) is equivalent to a bit length.

Inventors:
KAWATO YOSHIAKI (JP)
HAGINOYA CHISEKI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/002842
Publication Date:
April 23, 2009
Filing Date:
October 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
HITACHI LTD (JP)
KAWATO YOSHIAKI (JP)
HAGINOYA CHISEKI (JP)
International Classes:
G11B5/65; G11B5/012; G11B5/64; G11B5/667; G11B5/673
Foreign References:
JP2007066475A2007-03-15
Attorney, Agent or Firm:
Polaire I.P.C. (Chuo-ku, Tokyo 32, JP)
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Claims:
 基板と、該基板の上部に設けられた磁気記録層とを有し、前記磁気記録層が複数の環状の記録トラックと、該記録トラックの間の非記録領域とに分割されている磁気記録媒体において、前記記録トラックの少なくとも片側の端部に、所定の周期で狭窄部を有することを特徴とする磁気記録媒体。
 前記記録トラックの両側の端部に、所定の周期で狭窄部を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
 前記所定の周期は、前記記録トラックのビット長に相当することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
 前記基板と前記磁気記録層の間に、軟磁性層を有することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
 前記磁気記録層はFePtまたはCoPtにCr,Ni,Cu,Nb,Ta,Bの中から選択される1種以上の元素が添加された合金の垂直磁気異方性薄膜であり、前記軟磁性層はCoNbZr、CoTaZrまたはCoFeTaZr合金であり、前記非記録領域は凹部であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
 前記磁気記録層はCo/Pd多層膜の人口格子型垂直磁気異方性薄膜であり、前記軟磁性層はCoNbZr、CoTaZrまたはCoFeTaZr合金であり、前記非記録領域は凹部であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
 前記磁気記録層の磁化状態は、前記狭窄部の少なくとも一部分を境界として変化していることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
 前記記録トラックの、線記録密度/トラック密度の比率が1より大きいことを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体。
 前記凹部に非磁性体が充填されていることを特徴とする請求項5記載の磁気記録媒体。
 前記凹部に非磁性体が充填されていることを特徴とする請求項6記載の磁気記録媒体。
 基板と、該基板の上部に設けられた磁気記録層とを有し、前記磁気記録層が複数の環状の記録トラックと、該記録トラックの間の非記録領域とに分割され、前記記録トラックの少なくとも片側の端部に、所定の周期で狭窄部を有する磁気記録媒体と、
 前記磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体の記録トラックに対してデータの記録・再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の所望の記録トラックに位置決めする位置決め機構とを有することを特徴とする磁気記録再生装置。
 前記記録トラックの両側の端部に、所定の周期で狭窄部を有することを特徴とする請求項11記載の磁気記録再生装置。
 前記所定の周期は、前記記録トラックのビット長に相当することを特徴とする請求項11記載の磁気記録再生装置。
 前記磁気記録層の磁化状態は、前記狭窄部の少なくとも一部分を境界として変化していることを特徴とする請求項11記載の磁気記録再生装置。
 前記磁気ヘッドは、前記磁気記録層に磁界を印加する主磁極と、該主磁極からの記録磁界の分布を整えるためのトレーリングシールドと、前記磁気記録層を加熱して一時的に保磁力を低下させるための加熱源とを有していることを特徴とする請求項11記載の磁気記録再生装置。
 前記磁気記録層はFePtまたはCoPtにCr,Ni,Cu,Nb,Ta,Bの中から選択される1種以上の元素が添加された合金の垂直磁気異方性薄膜であり、前記軟磁性層はCoNbZr、CoTaZrまたはCoFeTaZr合金であり、前記非記録領域は凹部であることを特徴とする請求項11記載の磁気記録再生装置。
 前記磁気記録層はCo/Pd多層膜の人口格子型垂直磁気異方性薄膜であり、前記軟磁性層はCoNbZr、CoTaZrまたはCoFeTaZr合金であり、前記非記録領域は凹部であることを特徴とする請求項11記載の磁気記録再生装置。
 前記記録トラックの、線記録密度/トラック密度の比率が1より大きいことを特徴とする請求項13記載の磁気記録再生装置。
 前記凹部に非磁性体が充填されていることを特徴とする請求項16記載の磁気記録再生装置。
 前記凹部に非磁性体が充填されていることを特徴とする請求項17記載の磁気記録再生装置。
 
Description:
磁気記録媒体および磁気記録再 装置

 本発明は、超高密度磁気記録技術におけ ビット位置画定型の磁気記録媒体(ビットパ ターン媒体)およびこれを用いた磁気記録再 装置に関わる。

 情報処理技術の発達に促され、様々な分 でディジタル化が急速に進行しつつある。 来ディジタル機器の代表格であったパーソ ルコンピュータやサーバに加え、家電・オ ディオ・医療機器などでも大量のディジタ データを貯える必要性が高まってきた。こ ら膨大なデータを蓄えるため、不揮発性フ イルシステムの中核である磁気ディスク装 (HDD)はこれまでにも増して急速な大容量化 求められている。磁気ディスク装置の大容 化とは、面記録密度即ち媒体上に記録する ット密度をより高めることを意味する。

 現在実用化されているHDDでは、面内記録 垂直記録いずれの記録方式においても強磁 多結晶薄膜からなる記録媒体が用いられて る。図11は、従来の磁気記録媒体における 録状態の模式図である。従来の多結晶薄膜 高い一軸磁気異方性をもつ磁性粒子101と、 れを取り囲む非磁性体102からなるのが一般 である。情報を記録するための基本操作は 記録媒体上の任意の位置に局所的な磁界を 加し、磁化極性を適当なタイミングで反転 せることで磁化がほぼ180°変化する境界(磁 遷移103)を形成することであり、この磁化遷 103をディジタル情報の1に対応させている。 また、この磁化遷移103付近における漏洩磁界 分布の空間変化を適当な磁界センサで検出す ることがデータ再生に相当する。実際には、 この記録再生動作の前後に符号化・復号化な どの処理を経てHDDにおける情報の入出力が行 われている。

 さて、記録密度とはすなわち磁化遷移103 単位面積内にいくつ書き込めるかであり、 れを高めるには磁化遷移103の一つひとつを かに急峻かつスムースに形成できるかが最 重要となる。この磁化遷移103は通常、図11 示したように、結晶粒界に沿ったジグザグ ミクロ構造を有している。そしてこのジグ グの平均的な幅(遷移幅)が、いわば磁化遷移 の急峻性を表しているということができる。 この幅が広すぎる場合、ビットの間隔を詰め られないために記録密度が増えないというだ けでなく、再生信号に大きなノイズが加わる ので、低いビット誤り率(BER)での安定した読 取りができないという問題がある。それゆ 現行の磁気記録システムにおいては、遷移 が記録密度を制限する最も大きな要因のひ つとなっている。

 磁化遷移103の幅を狭くするには様々な手 が考えられる。特に媒体材料からのアプロ チとしては、磁性粒子101を小さくすること ジグザグを縮小することが第一に重要であ 。しかしながら磁性粒子101を過度に微細化 ると、磁気異方性エネルギー(磁化を一方向 に向けておこうとするエネルギー)に対する エネルギー(磁化を不安定化させるエネルギ )の大きさが無視できなくなり、記録した時 の磁化状態を長期間(通常約10年)保存してお ことが困難となる。また、これを防ぐため 磁性粒子101の磁気異方性エネルギーを大き しすぎると、磁気ヘッドからの記録磁界に る磁化反転が困難になり、正確に情報を書 込むことが出来なくなってしまう。

 この問題を解決するため、いわば究極の 気記録媒体として考えられているのがビッ パターン媒体(BPM:Bit Patterned Media)である。 れは図12に示すように、ディスク面上にデ タを記録しうる領域(以下、有効領域200と呼 )と記録不可能な領域(以下、無効領域202と ぶ)を、装置へ組み込む前にあらかじめ画定 た記録媒体である。BPMの製法としては、何 かのリソグラフィ技術を用いることになる 、図11のように凹凸をつけることで凹部分 無効領域202にする方法が一般的であるが、 の方法以外にも、媒体記録層の一部分の磁 を変化させる(例えば組成・ないし膜構造を 化させて保磁力を小さくする)ことで実質的 に無効領域202とするような作製法も可能であ る。このBPMを用いた場合、磁気的に孤立した ひとつの有効領域200そのもの、または隣り合 う二つの有効領域200間の無効領域202が1ビッ に対応しており、この有効領域内の磁化は 界印加によってほぼ一斉スイッチするよう 材料・構造・寸法が設計されている。従っ BPMにおける磁化遷移は自動的にこの有効領 21間に生成されることとなり、パターン形成 過程の精度内で磁化遷移をいくらでも急峻に することが可能となる。このような媒体の概 念は1970年代から提案されており(非特許文献1 )、多結晶薄膜媒体に対する原理的な優位性 既に明らかとなっている(特許文献1)。

特開2004-164692号公報 J.ElectrochemSoc.121, No.3, 110C (1973)

 上記したアイランド状のBPMは原理的に高密 記録に適しているが、実用化するには次の うな困難が存在すると考えられている。こ ような媒体が製品に適用されるのは1Tb/in 2 を超える面記録密度であるとみられているが 、この場合、各アイランドのサイズは20nm以 と非常に小さい。またトラックに沿う方向 トラックに交差する方向を同時にパターニ グする必要があるため、最小加工寸法の制 からビット密度とトラック密度をほぼ同じ しなければならない。このため1Tb/in 2 での線記録密度は1000kFCI程度となり、現行製 (面記録密度100Gb/in 2 程度)以下にまで低下させなければならない HDDにおける線記録密度は内部転送レートを めるキーパラメータのひとつであり、線記 密度の低下はBPMを適用した場合に、製品HDD パフォーマンスを大幅に抑制しなければな ない可能性が高いことを意味している。

 また、このような数十nm程度のサイズを する強磁性粒子の磁化は、外部磁界に対し 一斉回転モードで反転することがよく知ら ている。この磁化反転時には歳差運動とい みそすり運動が必ず付随するため、反転に かる時間(磁化スイッチング時間)には原理的 な下限が存在する。従って、上記の低線記録 密度を補償するためにディスク回転数増加で 転送レートを向上しようとしても、磁化スイ ッチング時間により制限されてしまうことに なる。

 更に記録媒体作製上の問題も考えられる。 常、半導体デバイスでは基板片面上に10 3 ~10 4 組程度のパターンを作製するが、アイランド 状BPMにおいては基板両面に約10 13 個もの莫大な数の微細パターンを高精度に形 成しなければならない。しかも基板1枚のコ トは半導体デバイスのそれに対して一万分 一から十万分の一と考えられるため、桁違 の低コストと高歩留りが要求されることと る。

 本発明の目的は、ビットパターン媒体にお て、線記録密度/トラック密度の比率(BAR)を1 より十分大きくすることである。
  本発明の他の目的は、磁気記録再生装置 おいて、転送レートを記録密度に応じて高 ることである。

 上記目的を達成するために、本発明の磁気 録媒体においては、基板と、基板の上部に けられた磁気記録層とを有し、磁気記録層 複数の環状の記録トラックと、記録トラッ の間の非記録領域とに分割されており、記 トラックの少なくとも片側の端部に、所定 周期で狭窄部を有するものである。
  前記狭窄部は、記録トラックの両側の端 に設けられるのが望ましい。
  前記所定の周期は、前記記録トラックの ット長に相当するものである。
  上記他の目的を達成するために、本発明 磁気記録再生装置においては、上記磁気記 媒体と、磁気記録媒体を駆動する媒体駆動 と、磁気記録媒体の記録トラックに対して ータの記録・再生を行う磁気ヘッドと、磁 ヘッドを磁気記録媒体の所望の記録トラッ に位置決めする位置決め機構とを有するも である。

 本発明によれば、記録トラック上に繋が たデータ領域とすることで、ビットパター 媒体の線記録密度/トラック密度の比率(BAR) 1より十分大きくすることができる。また、 磁気記録再生装置の転送レートを、記録密度 に応じて高めることができる。

 以下、本発明の実施例による磁気記録媒体 構成と製造方法を図面を参照して詳細に説 する。
  図1は磁気記録媒体が磁気ディスク媒体で る場合の基本構成を示す模式図である。図2 は平面図である。磁気ディスク媒体10は、非 性基板12と、軟磁性裏打ち層(軟磁性層)14と 磁気記録層16を基本構成とする。磁気記録 16には、軟磁性層14に達する深さの環状の凹 (溝)18が設けられ、これにより、複数の環状 の記録トラック20が形成されている。記録ト ック20には、周方向に所定の周期で、くび 部(狭窄部)22が形成されている。狭窄部22は 記録トラック20の端部24が、中心部へ向かっ 窪んだ形状であり、狭窄部22が形成される 期は、狭窄部22と狭窄部22の間がビット長に 当する周期である。

 上記磁気ディスク媒体10は、次のように て作製することができる。非磁性基板12とし ては、化学強化ガラス基板、あるいはNiPめっ きを施したアルミ基板が好適である。非磁性 基板12の上に、スパッタリングにより、CoNbZr 金、CoTaZr合金またはCoFeTaZr合金の軟磁性層14 を形成する。続いて、軟磁性層14の上に、FePt またはCoPtに、Cr,Ni,Cu,Nb,Ta,Bの中から選択され 1種以上の元素が、組成比20%以下の範囲で添 加された合金の磁気記録層16を形成する。こ 磁気記録層16は、面内に交換結合した垂直 気異方性薄膜である。次に、磁気記録層16の 上にレジストあるいはSOG(Spin on glass)など、 や熱で硬化するマスク材料を塗布し、電子 描画によりこのマスク材料をパターニング て、環状の溝を形成する。このとき、マス 材料の溝と溝の間のランド部の狭窄部を形 する位置において、電子線のパワーをアッ する。電子線のパワーをアップすることに り、マスク材料のランド部に狭窄部を形成 ることができる。次に、パターニングした スク材料をマスクとしてイオンミリング、 応性イオンエッチング(RIE)または湿式エッ ング法を用いて、磁気記録層16と軟磁性層14 一部をエッチングし、マスク材料を剥離・ 浄により除去することにより、図1及び図2 示す磁気ディスク媒体10を作製することがで きる。

 上記のようにして作製した磁気ディスク 体10に、記録磁界を印加した場合、磁気記 層16が面内に交換結合した垂直磁気異方性薄 膜であるため、記録トラック20の狭窄部22と 窄部22の間のビット領域に磁壁が発生する。 磁壁は回転しながら高速に移動し、狭窄部22 トラップされて、90゜磁壁の磁化遷移が形 される。この磁気ディスク媒体10は、狭窄部 22でビット位置が画定されるので、ビットパ ーン媒体ということができる。磁壁状の磁 遷移とすることで、記録過程における磁化 転は一斉回転モードではなく、磁壁移動モ ドとなるため、磁化の歳差運動によるスイ チングに比較して、磁化のスイッチングが 速に行われる。また、電子線描画によりマ クパターンを形成する際に、電子線のパワ アップの周期を短くすることにより、図3に 示すように、ビット長を短くすることができ る。ビット長を短くすることにより、線記録 密度(BPI)が向上する。従来は、最小加工寸法 制限から、線記録密度を1000kFCI以上に高め ことは困難であったが、上記実施例によれ 、電子線のパワーアップの周期を短くする とで容易に線記録密度を高くすることがで る。さらに、作製プロセスとしては、従来 ディスクリートトラック媒体のプロセスに いために、プロセス上の大きな変更はなく 低コストで安価な磁気ディスク媒体を作製 ることができる。

 図4に、上記実施例による磁気ディスク媒体 10と、図12に示した従来のビットパターン媒 の、線記録密度、BAR、面記録密度を示す。 来のビットパターン媒体の最小加工寸法(12.7 nm)をランド幅(記録トラック幅)とし、実施例 よる磁気ディスク媒体の最小加工寸法(12.7nm )を(W W +W N )/2とした。この最小加工寸法において、従来 のビットパターン媒体の1Tb/in 2 での線記録密度は1000kFCI程度であるが、実施 による磁気ディスク媒体では1955kFCI程度で り、約2倍に高めることができる。また、BAR 従来のビットパターン媒体が1であるのに対 して、実施例による磁気ディスク媒体では2.3 である。したがって、面記録密度は約1.5倍ま で高めることができている。熱ゆらぎ係数は 、従来の184に対して実施例では197であり、面 記録密度が約1.5倍になっても熱ゆらぎ耐性は 低下していないことがわかる。

 図5に、実施例による磁気ディスク媒体10 、図12に示した従来のビットパターン媒体 、線記録密度と磁化のスイッチング時間の 係をシミュレーションにより求めた結果を す。従来のビットパターン媒体の磁化反転 歳差運動であるため、反転にかかる時間に 下限が存在し、線記録密度を高くしてもス ッチング時間は短くならない。実施例によ 磁気ディスク媒体は、記録過程が磁壁移動 ードなので、スイッチング時間が非常に短 、2500kFCI以上の高線記録密度では従来のビッ トパターン媒体の約10分の1である。したがっ て、このような実施例による磁気ディスク媒 体を磁気ディスク装置に使用することにより 、データの転送レートを飛躍的に向上するこ とができる。

 上記実施例による磁気ディスク媒体10で 、磁気記録層16をFePtまたはCoPtに、Cr,Ni,Cu,Nb,T a,Bの中から選択される1種以上の元素が、組 比20%以下の範囲で添加された合金による面 に交換結合した垂直磁気異方性薄膜とした 、Co/Pd多層膜の人口格子型垂直磁気異方性薄 膜とすることもできる。また、磁気記録層16 は、軟磁性層14に達する深さの環状の凹部( )18を形成して、複数の環状の記録トラック2 0を形成したが、溝18はその深さが軟磁性層14 達することなく、磁気記録層16にのみ形成 てもよい。あるいは、非磁性基板に環状の 凸を形成し、その上部に軟磁性層と磁気記 層を積層することにより、磁気記録層に非 性基板の凹凸を反映させることもできる。 た、狭窄部22を記録トラックの両端部に形成 したが、磁壁をトラップできるのであれば狭 窄部を片側の端部にのみ形成してもよい。ま た、溝18及び狭窄部22の形成に電子線描画法 用いたが、レーザ露光あるいはインプリン 技術を用いることもできる。また、溝18に非 磁性体を充填し、平坦化した表面にカーボン 等の保護膜を形成してもよい。保護膜を形成 することにより、磁気記録層及び軟磁性層の 腐食を防止することができ、さらに磁気ディ スク媒体上を浮上する磁気ヘッドの浮上特性 を安定化することができる。

 以上説明したように、本発明の実施例によ ば、記録トラック上に繋がったデータ領域 することで、ビットパターン媒体の線記録 度/トラック密度の比率を1より十分大きく ることができ、1Tb/in 2 を超える超高記録密度を実現することができ る。また、磁壁状の磁化遷移とすることで、 記録過程は一斉回転モードの磁化反転ではな く磁壁移動モードとなるため、磁化のスイッ チング時間を短縮することができる。さらに 、作製プロセスとしてはBPMに先立つ技術であ るディスクリートトラック媒体に近いため、 プロセス上の大きな変更がなく、低コストで 安価な磁気ディスク媒体を作製することがで きる。

 図6は、上記実施例による磁気ディスク媒 体を組み込んだ磁気ディスク装置の概略構成 図である。磁気ディスク媒体10は、スピンド モータ(媒体駆動部)35の回転軸に装着されて 回転駆動される。磁気ヘッド31はサスペンシ ン32に支持され、アクチュエータ(位置決め 構)33により磁気ディスク媒体10の所望の記 トラック20に位置決めされて磁気情報の読み 書きを行う。アクチュエータ33は、機構制御 45によりフィードバック制御される。外部 ンターフェイス44を通して入力されたユーザ データは、コントローラ43及びデータ符号・ 号系42で磁気記録系に好適な方法で符号化 整形され、記録再生プリアンプ41において記 録電流に変換され、この電流が磁気ヘッド31 記録素子を励磁することで磁気ディスク媒 10の記録トラック20にビットが書き込まれる 。ここで1ビットの長さは、記録トラック20の 2つの狭窄部22の間の領域となる。逆に書き込 まれたビット領域から出る漏洩磁界は、磁気 ヘッド31の再生素子がセンスすることで電気 号に変換され、記録再生プリアンプ41及び ータ符号・復号系42で磁気記録系に好適な方 法で波形整形・復号化処理がなされユーザデ ータが再現される。

 この磁気ディスク装置においては、磁気デ スク媒体10の面記録密度が高くなると同時 線記録密度も高くなっているので(従来の約2 倍)、データの転送レートを面記録密度に応 て高めることができる。また、記録過程は 壁移動モードとなるため、磁化のスイッチ グ時間の制限を受けることなくデータの転 レートを高めることができる。これらの効 により、1Tb/in 2 を超える超高記録密度、高転送レートの磁気 ディスク装置を実現することができる。

 本発明の第2の実施例における磁気ディスク 装置のうち、特にヘッド・媒体に関わる部分 の断面図を図7に示す。磁気ヘッド31は記録層 に磁界を印加する強磁性体からなる主磁極51 記録磁界の分布を整えるためのトレーリン シールド52に加え、磁気ディスク媒体の磁 記録層16を加熱して一時的に保磁力を低下さ せるための加熱源となるレーザ光源55および 導波路56を有している。記録時のみ保磁力 低下させることができるので、常温では比 的大きな磁気異方性を有する記録層材料を いる事ができ、記録された情報の長期安定 を高めて磁気ディスク装置の信頼性を高め ことができた。また、ビット記録部分に形 される磁壁の幅(ヘッド移動方向の磁壁サイ )は磁気異方性を高めるほど狭く出来るため 、そのぶん線記録密度を高める事が出来る。 図8にはビット誤り率の線記録密度依存性を した。ここで磁気記録層16の磁気異方性を現 す異方性磁界Hkを変化させて調べた。なお異 性磁界は室温においてディスク面内方向に 界を印加して測定した磁化曲線に現れる飽 磁界で定義している。磁気ディスク装置に 要とされるビット誤り率は10 -4 以下とされているので、異方性磁界Hkを大き するほど到達線記録密度は向上しているこ がわかる。しかしながら、磁気ヘッドから 生可能な磁界の強度には限度があるためHk 大きくしすぎると磁気記録層16の磁化を反転 させることができずビット誤り率は低下する と考えられる。本実施例ではHk=17kOe(1360kA/m)に おいて2400kBPIという高い線記録密度を実現す ことができた。

 なお、図7においては主磁極51とトレーリ グシールド52の間に加熱源を配置したが、 9のようにトレーリングシールド52よりも更 トレーリング側に配置しても同等の効果が られ、また図10のように主磁極51よりリーデ ング側に配置してもほぼ同じ特性が得られ いる。磁極と加熱源の配置はヘッドや記録 生系全体の設計から最適な組合せを選択す 事ができる。

 以上のように本発明に係る磁気記録媒体は 超高密度磁気記録技術におけるビット位置 定型の磁気記録媒体(ビットパターン媒体) して有用である。また、この媒体を搭載し 磁気記録再生装置は、1Tb/in 2 を超える超高記録密度、高転送レートの磁気 記録再生装置として有用である。

本発明の実施例による磁気ディスク媒 の構成を示す模式図である。 図1に示す実施例による磁気ディスク媒 体の平面模式図である。 実施例による磁気ディスク媒体の線記 密度を高くした場合の平面模式図である。 実施例による磁気ディスク媒体と従来 体の線記録密度とBARと面記録密度を示す図 ある。 実施例による磁気ディスク媒体と従来 体の線記録密度と磁化のスイッチング時間 の関係を示す図である。 実施例による磁気ディスク媒体を搭載 た磁気ディスク装置の概略構成図である。 第2の実施例における磁気ディスク媒体 と磁気ヘッド部分を拡大した断面図である。 第2の実施例におけるビット誤り率特性 を示した図である。 第2の実施例における磁気ヘッドの別の 構成を示した断面図である。 第2の実施例における磁気ヘッドの別 構成を示した断面図である。 従来の磁気ディスク媒体における磁気 記録状態の模式図である。 従来のビットパターン媒体の斜視図で ある。

符号の説明

10…磁気ディスク媒体、12…非磁性基板、14… 軟磁性裏打ち層、16…磁気記録層、18…凹部( )、20…記録トラック、22…狭窄部、24…記録 トラックの端部、31…磁気ヘッド、32…サス ンション、33…アクチュエータ、35…スピン ルモータ、41…記録再生プリアンプ、42…デ ータ符号・復号系、43…コントローラ、44… 部インターフェイス、45…機構制御系、51… 気ヘッド主磁極、52…トレーリングシール 、55…レーザ光源、56…光導波路。