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Title:
HONEYCOMB SEGMENTS JOINED BODY FOR DPF AND BONDING MATERIAL COMPOSITION FOR THE JOINED BODY
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/096569
Kind Code:
A1
Abstract:
Two or more honeycomb segments used for a diesel exhaust gas purifying filter (DPF) are integrated by a bonding material composition which is mainly composed of a filler having a specific heat of not less than 550 J/kg K and a colloidal silica. A bonding material layer composed of the bonding material composition has a heat capacity per unit volume of not less than 1.6 J/cm3 K at room temperature.

Inventors:
KAWAI MASAAKI (JP)
MORIMOTO KENJI (JP)
KODAMA SUGURU (JP)
SATO FUMIHARU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/050249
Publication Date:
August 14, 2008
Filing Date:
January 11, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NGK INSULATORS LTD (JP)
KAWAI MASAAKI (JP)
MORIMOTO KENJI (JP)
KODAMA SUGURU (JP)
SATO FUMIHARU (JP)
International Classes:
C04B37/00; B01D39/20
Domestic Patent References:
WO2003067041A12003-08-14
Foreign References:
JP2003117322A2003-04-22
JP2003254034A2003-09-10
Other References:
See also references of EP 2119688A4
Attorney, Agent or Firm:
WATANABE, Kazuhira (No.8 Kikuboshi Tower Building20-18, Asakusabashi 3-chom, Taito-ku Tokyo 53, JP)
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Claims:
 二つ以上の被接合物が接合材層を介して一体化されてなる接合体であって、前記接合材層の室温における単位体積当たりの熱容量が1.6J/cm 3 ・K以上である接合体。
 前記接合材層の室温における比熱が800J/kg・K以上で、かつ、かさ密度が1.50g/cm 3 以上である請求項1に記載の接合体。
 前記接合材層に、室温における比熱が550J/kg・K以上のフィラーが含まれる請求項1又は2に記載の接合体。
 前記接合材層が、前記フィラーと無機接着剤とを主成分とする接合材組成物によって形成されたものである請求項3に記載の接合体。
 前記無機接着剤がコロイダルシリカである請求項4に記載の接合体。
 前記フィラーが、SiC、Al 2 O 3 、Al 2 O 3 -SiO 2 、コージェライト、Si 3 N 4 、スピネル、TiO 2 、マイカ及びMgO-SiO 2 よりなる群から選ばれた何れか1種以上の材質を含むものである請求項3~5の何れか一項に記載の接合体。
 前記被接合物が、ハニカムセグメントである請求項1~6の何れか一項に記載の接合体。
 ディーゼル排ガス浄化用フィルターに使用される請求項7に記載の接合体。
 二つ以上の被接合物が接合材層を介して一体化されてなる接合体を製造するに際して、前記接合材層を形成するために使用され、乾燥硬化後の室温における単位体積当たりの熱容量が1.6J/cm 3 ・K以上である接合材組成物。
 主成分として室温における比熱が550J/kg・K以上のフィラーと無機接着剤とが含まれる原料を、混合、混練してペースト状にする接合材組成物の製造方法。
 前記原料に、更に副成分として有機バインダー、分散剤及び水が含まれる請求項10に記載の接合材組成物の製造方法。
 二つ以上の被接合物を、請求項9に記載の接合材組成物を用いて一体的に接合する接合体の製造方法。
 前記被接合物がハニカムセグメントである、請求項12に記載の接合体の製造方法。
Description:
[規則37.2に基づく発明の名称] DP F用ハニカムセグメント接合体及び該接合体 接合材組成物。

 本発明は、ハニカム構造体を構成するハ カムセグメントのような複数の被接合物を 接合し一体化してなる接合体、当該接合体 製造方法、当該接合体を得るための接合材 成物、及び当該接合材組成物の製造方法に する。

 排ガス用の捕集フィルター、例えば、デ ーゼルエンジン等からの排ガスに含まれて る粒子状物質(パティキュレート)を捕捉し 除去するためのディーゼルパティキュレー フィルター(DPF)として、ハニカム構造体が広 く使用されている。

 このようなハニカム構造体は、例えば、 化珪素(SiC)等からなる多孔質の隔壁によっ 区画、形成された流体の流路となる複数の ルが中心軸方向に互いに並行するように配 された構造を有している。また、隣接した ルの端部は、交互に(市松模様状に)目封じさ れている。すなわち、一のセルは、一方の端 部が開口し、他方の端部が目封じされており 、これと隣接する他のセルは、一方の端部が 目封じされ、他方の端部が開口している。

 このような構造とすることにより、一方 端部から所定のセル(流入セル)に流入させ 排ガスを、多孔質の隔壁を通過させること よって流入セルに隣接したセル(流出セル)を 経由して流出させ、隔壁を通過させる際に排 ガス中の粒子状物質(パティキュレート)を隔 に捕捉させることによって、排ガスの浄化 することができる。

 このようなハニカム構造体(ハニカムフィ ルター)を長期間継続して使用するためには 定期的にフィルターに再生処理を施す必要 ある。すなわち、フィルター内部に経時的 堆積したパティキュレートにより増大した 力損失を低減させてフィルター性能を初期 態に戻すため、フィルター内部に堆積した ティキュレートを燃焼させて除去する必要 ある。このフィルター再生時には大きな熱 力が発生し、この熱応力がハニカム構造体 クラックや破壊等の欠陥を発生させるとい 問題があった。この熱応力に対する耐熱衝 性の向上の要請に対応すべく、複数のハニ ムセグメントを接合材層にて一体的に接合 ることにより熱応力を分散、緩和する機能 持たせた分割構造のハニカム構造体が提案 れ、その耐熱衝撃性をある程度改善するこ ができるようになった。

 このような複数のハニカムセグメントを接 材層にて一体的に接合したハニカム構造体 例として、ハニカムセグメントを接合する 合材層の熱膨張率α L と、ハニカムセグメントの熱膨張率α F とが、0.01<|α L F |/α F <1.0の関係を有するハニカムフィルターが 示されている(特許文献1参照)。また、他の として、ハニカムフィルターを構成する各 ニカムセグメントの軸方向に垂直な断面に いて、中央部の熱容量を周辺部の熱容量に して高くしたハニカムフィルターが開示さ ている(特許文献2参照)。

 ところで、特許文献1に開示されたハニカ ム構造体においては、排ガス浄化の目的でハ ニカム構造体上に触媒を担持させた場合に、 当該触媒をその活性温度まで迅速に昇温させ るべく、接合材層の単位体積当たりの熱容量 を低くすることが提案されているが、このよ うに接合材層を低熱容量化した場合には、フ ィルターの再生処理時などにハニカム構造体 が耐久温度以上に上昇(異常昇温)し、寿命が くなるおそれがある。

 また、特許文献2に開示されたハニカム構造 体は、フィルターの再生時において周辺部よ り高温化しやすい断面中央部の熱容量を、周 辺部の熱容量より高くして、温度分布の不均 一による熱応力の発生を緩和するために、断 面中央部に位置するハニカムセグメントの隔 壁や接合材層の厚さを、周辺部に位置するハ ニカムセグメントの隔壁や接合材層の厚さよ り厚くしているが、この方法では、ハニカム 構造体の周辺部に比べて中央部の排ガス流量 が減少する傾向にあるため、ハニカム構造体 の性能に与える影響をより小さくできるよう な熱応力緩和対策が求められている。

国際公開第03/067041号パンフレット

特開2003-254034号公報

 本発明は、このような従来の事情に鑑み なされたものであり、その目的とするとこ は、二つ以上の被接合物が接合材層を介し 一体化されてなる接合体であって、接合体 特性に悪影響を与えることなく、接合体中 部の異常昇温を抑えることができるものを 供することを、その主要な目的とするもの ある。

 上記目的を達成するため、本発明によれ 、以下の接合体、接合材組成物、接合材組 物の製造方法及び接合体の製造方法が提供 れる。

[1] 二つ以上の被接合物が接合材層を介して 体化されてなる接合体であって、前記接合 層の室温における単位体積当たりの熱容量 1.6J/cm 3 ・K以上である接合体。

[2] 前記接合材層の室温における比熱が800J/kg ・K以上で、かつ、かさ密度が1.50g/cm 3 以上である[1]に記載の接合体。

[3] 前記接合材層に、室温における比熱が5 50J/kg・K以上のフィラーが含まれる[1]又は[2] 記載の接合体。

[4] 前記接合材層が、前記フィラーと無機 着剤とを主成分とする接合材組成物によっ 形成されたものである[3]に記載の接合体。

[5] 前記無機接着剤がコロイダルシリカで る[4]に記載の接合体。

[6] 前記フィラーが、SiC、Al 2 O 3 、Al 2 O 3 -SiO 2 、コージェライト、Si 3 N 4 、スピネル、TiO 2 、マイカ及びMgO-SiO 2 よりなる群から選ばれた何れか1種以上の材 を含むものである[3]~[5]の何れかに記載の接 体。

[7] 前記被接合物が、ハニカムセグメント ある[1]~[6]の何れかに記載の接合体。

[8] ディーゼル排ガス浄化用フィルターに 用される[7]に記載の接合体。

[9] 二つ以上の被接合物が接合材層を介して 体化されてなる接合体を製造するに際して 前記接合材層を形成するために使用され、 燥硬化後の室温における単位体積当たりの 容量が1.6J/cm 3 ・K以上である接合材組成物。

[10] 主成分として室温における比熱が550J/k g・K以上のフィラーと無機接着剤とが含まれ 原料を、混合、混練してペースト状にする 合材組成物の製造方法。

[11] 前記原料に、更に副成分として有機バ インダー、分散剤及び水が含まれる[10]に記 の接合材組成物の製造方法。

[12] 二つ以上の被接合物を、[9]に記載の接 合材組成物を用いて一体的に接合する接合体 の製造方法。

[13] 前記被接合物がハニカムセグメントで ある、[12]に記載の接合体の製造方法。

 本発明の接合体は、その接合材層が従来 接合体の接合材層に比して高い熱容量を有 るため、例えばフィルター再生時のような 酷な熱環境下においても、接合材層にて熱 効果的に吸収でき、接合体の特性に悪影響 与えることなく、接合体中央部の異常昇温 抑えることができる。また、本発明の接合 組成物は、乾燥硬化後において高い熱容量 有するものであるため、これを使用して接 材層を形成することにより、前記のような 果を有する耐久性に優れた接合体が得られ 。本発明の接合材組成物の製造方法によれ 、前記のような高い熱容量を持った接合材 成物を製造することができる。本発明の接 体の製造方法によれば、優れた耐久性を有 る接合体を製造することができる。

本発明に係る接合体(ハニカム構造体) 実施形態の一例を示す斜視概略図である。 本発明に係る接合体(ハニカム構造体) 実施形態の一例を示す要部拡大図である。 本発明に係る接合体(ハニカム構造体) 構成する被接合物(ハニカムセグメント)の斜 視概略図である。 図3におけるA-A線断面図である。

符号の説明

1:ハニカム構造体、2:ハニカムセグメント 4:コーティング材、5:セル、6:隔壁、7:充填材 、9:接合材層。

 以下、本発明を具体的な実施形態に基づ 説明するが、本発明は、これに限定されて 釈されるもではなく、本発明の範囲を逸脱 ない限りにおいて、当業者の知識に基づい 、種々の変更、修正、改良を加え得るもの ある。

 本発明の接合体は、二つ以上の被接合物が 合材層を介して一体化されてなるものであ て、前記接合材層の室温における単位体積 たりの熱容量が1.6J/cm 3 ・K以上であることを、その主要な特徴とす ものである。

 前記のとおり、本発明の接合体は、その接 材層の室温における単位体積当たりの熱容 が1.6J/cm 3 ・K以上、好ましくは1.7J/cm 3 ・K以上、更に好ましくは1.8J/cm 3 ・K以上であり、このような高熱容量の接合 層を介して、ハニカムセグメント等の被接 物が一体的に接合され、ハニカムフィルタ 等の接合体となっていることにより、例え フィルター再生時のような過酷な熱環境下 おいても、接合材層にて熱を効果的に吸収 て、接合体中央部の異常昇温を抑えること でき、その結果、接合体内の温度勾配が減 して、優れた耐久性を発揮する。

 また、このような高熱容量の接合材層を いれば、接合体中央部の異常昇温を抑える めに、中央部に位置するハニカムセグメン の隔壁や接合材層の厚さを、周辺部に位置 るハニカムセグメントの隔壁や接合材層の さより厚くするといった、接合体の特性(例 えば、接合体を排ガス浄化用のフィルターと して用いた場合の排ガスの流れ)に悪影響を えるおそれのある対策を講じる必要がなく る。

 本発明の接合体の接合材層は、室温におけ 比熱が800J/kg・K以上で、かつ、かさ密度が1. 50g/cm 3 以上であることが好ましく、このような比熱 とかさ密度とを有することにより、接合体の 耐久性をより向上させることができる。

 本発明の接合体の接合材層は、室温におけ 比熱が550J/kg・K以上、好ましくは600J/kg・K以 上、更に好ましくは700J/kg・K以上のフィラー( 粒子や粉状の物質)を含むものであることが ましい。使用するフィラーの比熱が550J/kg・K 未満では、単位体積当たりの熱容量が1.6J/cm 3 ・K以上の接合材層を得ることが難しい。具 的なフィラーの材質としては、例えば、SiC Al 2 O 3 、Al 2 O 3 -SiO 2 、コージェライト、Si 3 N 4 、スピネル、TiO 2 、マイカ、MgO-SiO 2 などが好適なものとして挙げられる。これら は1種のみを単独で用いても良いし、複数種 組み合わせて用いても良いし、これ以外の 質と組み合わせて用いても良い。また、繊 状、板状といったアスペクト比の高い形状 粒子をフィラーに用いると、接合材層の機 的特性を向上させることができる。

 本発明の接合体の接合材層は、前記のよ な室温における比熱が550J/kg・K以上のフィ ーと無機接着剤とを主成分とするものであ ことが好ましい。なお、ここで「フィラー 無機接着剤とを主成分とする」とは、フィ ーと無機接着剤とを合わせた量が、接合材 全体の55vol%以上であることを意味するもの する。

 無機接着剤の具体的な材質としては、例 ば、コロイダルシリカ(シリカゾル)、コロ ダルアルミナ(アルミナゾル)、その他各種金 属酸化物ゾル、エチルシリケート、水ガラス 、シリカポリマー、リン酸アルミニウム等が 挙げられるが、接着力、フィラーとのなじみ やすさ、化学的安定性、耐熱性等に優れてい ることから、特に、コロイダルシリカを用い ることが好ましい。

 本発明の接合体を構成する被接合物は、 に限定されるものではないが、例えば、セ ミックス構造体を得るためのセラミックス 材が好適な被接合物として挙げられ、特に ニカム構造体を得るためのハニカムセグメ トが好適な被接合物として挙げられる。こ ようなハニカムセグメントを接合して得ら たハニカム構造体は、例えば、フィルター 再生処理時において過酷な熱環境に晒され 、ディーゼル排ガス浄化用フィルターなど 用途に好適に使用することができる。

 本発明の接合材組成物は、二つ以上の被接 物が接合材層を介して一体化されてなる接 体を製造するに際して、前記接合材層を形 するために使用されるものであって、乾燥 化後の室温における単位体積当たりの熱容 が1.6J/cm 3 ・K以上であることを、その特徴とする。接 体を製造するに際し、このような接合材組 物を使用して接合材層を形成すれば、前記 ような効果を有する耐久性に優れた本発明 接合体が得られる。

 本発明の接合材組成物の製造方法は、主 分として室温における比熱が550J/kg・K以上 フィラーと無機接着剤とを所定の割合で含 原料に、必要に応じて、有機バインダー(例 ば、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチ ルセルロース(CMC)等)、分散剤、水等を加え、 それをミキサー等の混練機を使用して混合、 混練してペースト状にするものである。

 本発明の接合体の製造方法は、二つ以上 被接合物を、前記本発明の接合材組成物を いて一体的に接合するものである。具体的 は、被接合物の外壁面に、本発明の接合材 成物を所望の厚さとなるように塗布し、そ 上に別の被接合物を載置する工程を繰り返 て、被接合物の積層体を作製し、適宜、外 より圧力を加えるなどして、全体を接合さ た後、乾燥させる。また、乾燥後には、必 に応じて接合体の外周を所定形状に加工し 加工後の外周面にコーティング材を塗布し 再度乾燥させるようにしても良い。

 次に、本発明の接合体が複数のハニカム グメント(被接合物)を接合してなるハニカ 構造体である場合について、具体的な構成 を挙げて説明する。

 図1及び図2に示すように、ハニカム構造 1は、多孔質の隔壁6によって区画、形成され た流体の流路となる複数のセル5が中心軸方 に互いに並行するように配設された構造を し、それぞれが全体構造の一部を構成する ともに、ハニカム構造体1の中心軸に対して 直な方向に組み付けられることによって全 構造を構成することになるハニカムセグメ ト2が、本発明の接合材組成物から形成され た接合材層9によって一体的に接合されたハ カムセグメント接合体として構成されてな ものである。

 接合材層9によって一体的に接合されたハ ニカムセグメント2は、接合後、その全体の 面形状が円形、楕円形、三角形、正方形、 の他の所望の形状となるように研削加工さ 、外周面がコーティング材4によって被覆さ る。なお、このハニカム構造体1を、DPFとし て用いる場合には、図3及びそのA-A断面図で る図4に示すように、ハニカムセグメント2の 各セル5を、それぞれ一方の端部において、 填材7により交互に目封じしておく。

 所定のセル5(流入セル)においては、図3、 4における左端部側が開口している一方、右 部側が充填材7によって目封じされており、 れと隣接する他のセル5(流出セル)において 、左端部側が充填材7によって目封じされる が、右端部側が開口している。このような目 封じにより、図2に示すように、ハニカムセ メント2の端面が市松模様状を呈するように る。

 図4においては、ハニカムセグメント2の 側が排ガスの入口となる場合を示し、排ガ は、目封じされることなく開口しているセ 5(流入セル)からハニカムセグメント2内に流 する。セル5(流入セル)に流入した排ガスは 多孔質の隔壁6を通過して他のセル5(流出セ )から流出する。そして、隔壁6を通過する に排ガス中のスートを含む粒子状物質(パテ キュレート)が隔壁6に捕捉される。このよ にして、排ガスの浄化を行うことができる このような捕捉によって、ハニカムセグメ ト2の内部にはスートを含むパティキュレー が経時的に堆積して圧力損失が大きくなる め、スート等を燃焼させる再生処理が定期 に行われる。なお、図2~4には、全体の断面 状が正方形のハニカムセグメント2を示すが 、三角形、六角形等の形状であってもよい。 また、セル5の断面形状も、三角形、六角形 円形、楕円形、その他の形状であってもよ 。

 図2に示すように、接合材層9は、本発明 接合材組成物から形成されており、ハニカ セグメント2の外周面に塗布されて、ハニカ セグメント2同士を接合するように機能する 。接合材層9の塗布は、隣接しているそれぞ のハニカムセグメント2の外周面に行っても いが、隣接したハニカムセグメント2の相互 間においては、対応した外周面の一方に対し てだけ行ってもよい。このような対応面の片 側だけへの塗布は、接合材層9の使用量を節 できる点で好ましい。接合材層9の塗布する 向は、ハニカムセグメント外周面内の長手 向、ハニカムセグメント外周面内の長手に 直な方向、ハニカムセグメント外周面に垂 な方向など、特に限定されるものではない 、ハニカムセグメント外周面内の長手方向 向かって塗布するのが好ましい。接合材層9 の厚さは、ハニカムセグメント2の相互間の 合力を勘案して決定され、例えば、0.5~3.0mm 範囲で適宜選択される。

 本実施形態に用いられるハニカムセグメ ト2の材料としては、強度、耐熱性の観点か ら、炭化珪素(SiC)、炭化珪素(SiC)を骨材とし かつ珪素(Si)を結合材として形成された珪素- 炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェラ イト、ムライト、アルミナ、スピネル、炭化 珪素-コージェライト系複合材、リチウムア ミニウムシリケート、チタン酸アルミニウ 、Fe-Cr-Al系金属からなる群から選択される少 なくとも一種から構成された物を挙げること ができる。中でも、炭化珪素(SiC)又は珪素-炭 化珪素系複合材料から構成されてなるものが 好ましい。

 ハニカムセグメント2の作製は、例えば、 上述の材料から適宜選択したものに、メチル セルロース、ヒドロキシプロポキシルセルロ ース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボ キシメチルセルロース、ポリビニルアルコー ル等のバインダー、造孔材、界面活性剤、溶 媒としての水等を添加して、可塑性の坏土と し、この坏土を上述の形状となるように押出 成形し、次いで、マイクロ波、熱風等によっ て乾燥した後、焼結することにより行うこと ができる。

 セル5の目封じに用いる充填材7としては ハニカムセグメント2と同様の材料を用いる とができる。充填材7による目封じは、例え ば、目封じをしないセル5をマスキングした 態で、ハニカムセグメント2の端面をスラリ 状の充填材に浸漬することにより開口して るセル5に充填することにより行うことがで きる。充填材7の充填は、ハニカムセグメン 2の成形後における焼成前に行っても、焼成 に行ってもよいが、焼成前に行う方が、焼 工程が1回で終了するため好ましい。

 以上のようなハニカムセグメント2の作製 の後、ハニカムセグメント2の外周面にペー ト状の接合材組成物を塗布し、接合材層9を 成して、所定の立体形状(ハニカム構造体1 全体構造)となるように複数のハニカムセグ ント2を組み付け、この組み付けた状態で圧 着した後、加熱乾燥する。このようにして、 複数のハニカムセグメント2が一体的に接合 れた接合体が作製される。その後、この接 体を上述の形状に研削加工し、外周面をコ ティング材4によって被覆し、加熱乾燥する このようにして、図1に示すハニカム構造体 1が作製される。コーティング材4の材質とし は、接合材層9と同様のものを用いることが できる。コーティング材4の厚さは、例えば 0.1~1.5mmの範囲で適宜選択される。

 以下、本発明を実施例に基づいて更に詳 に説明するが、本発明はこれらの実施例に 定されるものではない。

(ハニカムセグメントの作製)
 SiC粉末及び金属Si粉末を80:20の質量割合で混 合し、これに造孔材、有機バインダー、界面 活性剤及び水を添加して混練し、可塑性の坏 土を得た。この坏土を押出成形し、乾燥して 、隔壁の厚さが310μm、セル密度が約46.5セル/c m 2 (300セル/平方インチ)、断面が一辺35mmの正四 形、長さが254mmのハニカムセグメント成形体 を得た。このハニカムセグメント成形体を、 端面が市松模様状を呈するように、セルの端 部を目封止した。すなわち、隣接するセルが 、互いに反対側の端部で封じられるように目 封止を行った。目封止用の充填材には、ハニ カムセグメントと同様の材料を用いた。こう してセルの端部を目封止し、乾燥させた後、 大気雰囲気にて約400℃で脱脂し、その後、Ar 活性雰囲気にて約1450℃で焼成して、SiC結晶 粒子がSiで結合された、多孔質のハニカムセ メントを得た。

(接合材組成物の調製)
 表1に示す条件で、1種又は2種のフィラーと 機バインダーとを混合したものに、無機接 剤、分散剤及び水を更に混合し、ミキサー て30分間混練を行い、組成の異なるペース 状の接合材組成物(実施例1~15、比較例1~4)を れぞれ得た。このとき、ペースト粘度が20~80 Pa・sとなるように水の添加量を調整した。な お、表1中におけるフィラーと無機接着剤の 合は、これらの合計を100としたときの、そ ぞれのvol%で表示した。また、有機バインダ 、分散剤及び水は外配で適量加えた。

(ハニカム構造体の作製)
 ハニカムセグメントの外壁面に、接合材組 物を、塗布方向をハニカムセグメントの長 方向として厚さ約1mmとなるようにコーティ グして接合材層を形成し、その上に別のハ カムセグメントを載置する工程を繰り返し 縦横4個×4個に組み合わせた16個のハニカム グメントからなるハニカムセグメント積層 を作製し、適宜、外部より圧力を加えるな して、全体を接合させた後、140℃で2時間乾 燥してハニカムセグメント接合体を得た。得 られたハニカムセグメント接合体の外周を円 筒状に切断後、その外周面にコーティング材 を塗布し、700℃で2時間、乾燥硬化させ、ハ カム構造体を得た。

(接合体の接合材層の評価)
 接合材組成物に使用したフィラーの比熱、 びに得られたハニカム構造体(接合体)の接 材層の比熱、かさ密度及び単位体積当りの 容量(何れも室温における値)を以下のように して求め、更にフィルター再生試験を行って 耐久性を評価した。その結果を表1に示す。

[フィラーの比熱]
 表1の各フィラーを株式会社パーキンエルマ ー製の示差走査熱量測定装置Pyris1(商品名)に 測定した。

[接合材層の比熱]
 ハニカム構造体から接合材層の部分を10mm×1 0mm×1mmの板状に切り出し、JIS R1611に準じて測 定した。

[接合材層のかさ密度]
 ハニカム構造体から接合材層の部分を10mm×1 0mm×1mmの板状に切り出し、アルキメデス法に り算出した。

[接合材層の単位体積当りの熱容量]
 以下の式から接合材層の単位体積当りの熱 量を算出した。
 単位体積当りの熱容量(J/cm 3 ・K)=比熱(J/kg・K)×かさ密度(g/cm 3 )/1000

[フィルター再生試験]
 ハニカム構造体の外周部に把持材としてセ ミック製無膨張マットを巻き、SUS409製のキ ニング用缶体に押し込んでキャニング構造 とした後、ディーゼル燃料軽油の燃焼によ 発生させたスートを含むパティキュレート 含んだ燃焼ガスを、ハニカム構造体の一方 端面(排ガス流入端面)より流入させ、反対 の端面(排ガス流出端面)より流出させること により、パティキュレートをハニカム構造体 内に捕集した。その後、一旦室温まで放冷し てから、ハニカム構造体の排ガス流入端面よ り800℃で一定割合の酸素を含む燃焼ガスを流 入させることにより、スートを燃焼除去する フィルター再生試験を実施した。

 まず、比較例2の接合材組成物を用いて作 製したハニカム構造体について、フィルター 再生試験を行ない、外観上クラックが入った 水準のパティキュレート堆積量を基準量と決 めた。その後、実施例1~15並びに比較例1、3及 び4の接合材組成物を用いて作製したハニカ 構造体について、基準量のパティキュレー を堆積させてフィルター再生試験を行なっ 。試験後、目視及び光学顕微鏡にてハニカ 構造体の外観におけるクラックの有無を確 し、目視及び光学顕微鏡の何れにおいても ラックが確認されないものを「○」、目視 はクラックが確認できず、光学顕微鏡での クラックが確認できるものを「△」、目視 び光学顕微鏡の何れにおいてもクラックが 認できるものを「×」とした。

 表1に示すとおり、乾燥硬化後の室温におけ る単位体積当りの熱容量が1.6J/cm 3 ・Kに満たない比較例1~4の接合材組成物を用 て接合材層を形成し、作製したハニカム構 体は、フィルター再生試験により目視及び 学顕微鏡の何れにおいてもクラックが確認 れた。これに対し、乾燥硬化後の室温にお る単位体積当りの熱容量が1.6J/cm 3 ・K以上である実施例1~15の接合材組成物を用 て接合材層を形成し、作製したハニカム構 体には、少なくとも目視で確認できるクラ クは発生しておらず、特に乾燥硬化後の室 における比熱が800J/kg・K以上で、かつ、か 密度が1.50g/cm 3 以上である実施例1~9及び11~15の接合材組成物 用いて接合材層を形成し、作製したハニカ 構造体は、光学顕微鏡による観察でもクラ クの発生は認められず、高い耐久性を示し 。

 本発明は、複数の被接合物を接合し一体 して得られる接合体、例えば、DPF等の用途 使用される、複数のハニカムセグメントを 体化して得られるハニカム構造体に好適に 用することができる。