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Patent Searching and Data


Title:
HUMIDIFIER AND FUEL CELL SYSTEM USING THE SAME
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072283
Kind Code:
A1
Abstract:
A humidifier (16) includes: a hollow thread module (42) through which a gas to be humidified flows; and a cylindrical case (30) for containing the hollow thread module (42). An introduction opening (32) for introducing a humidification gas into a flow path (30h) is formed on the circumferential surface of one end of the case (30) while an exhaust opening for exhausting the humidification gas from the flow path (30h) is formed on the circumferential surface of the other end of the case (30). The case (30) has a curved portion (37). The hollow thread module (42) is curved along the shape of the curved portion (37).

Inventors:
KOBAYASHI SUSUMU
HATANO SUSUMU
Application Number:
PCT/JP2008/003580
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
KOBAYASHI SUSUMU
HATANO SUSUMU
International Classes:
H01M8/04; F24F6/00; F24F6/04; H01M8/10
Foreign References:
JPH11128652A1999-05-18
JP2004006100A2004-01-08
JPH09290020A1997-11-11
JP2007147139A2007-06-14
JP3134524U2007-08-16
JP2006231205A2006-09-07
JPH07217952A1995-08-18
JP2004006100A2004-01-08
Attorney, Agent or Firm:
KAMADA, Koichi (UMEDA PLAZA BLDG. ANNEX4-3-25, Nishitenma, Kita-k, Osaka-shi Osaka 47, JP)
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Claims:
 被加湿ガスが内部を流通する中空糸モジュールと、
 前記中空糸モジュールを収容する筒状のケースとを備え、
 前記ケース内に加湿ガスを導入するための導入口が前記ケースの一端側の周面に形成され、前記ケースから前記加湿ガスを排出するための排出口が前記ケースの他端側の周面に形成され、
 前記導入口が形成されている位置での前記ケースの底面が、前記導入口から前記排出口に向かう経路上で上面へと切り替わるように形状が定められた湾曲部分を前記ケースが含み、その湾曲部分に沿う形状に前記中空糸モジュールが湾曲している、加湿装置。
 前記湾曲部分が180°の角度の円弧状をなすように前記ケースが湾曲している、請求項1に記載の加湿装置。
 前記導入口が前記排出口よりも上方に位置する設置状態において、前記導入口が上方に向かって開口している、請求項1に記載の加湿装置。
 前記導入口が前記排出口よりも上方に位置する設置状態において、前記排出口が下方に向かって開口している、請求項1に記載の加湿装置。
 前記導入口が前記排出口よりも上方に位置する設置状態において、前記排出口が上方に向かって開口している、請求項1に記載の加湿装置。
 前記中空糸モジュールの長手方向に直交する断面を横断面と定義したとき、
 前記導入口が前記排出口よりも上方に位置する設置状態において、前記導入口を含む位置での前記中空糸モジュールの横断面は、水平方向の長さが鉛直方向の長さよりも大である扁平形状をなす、請求項1に記載の加湿装置。
 前記ケースが、前記湾曲部分を2箇所含み、かつS字形状を有する、請求項1に記載の加湿装置。
 前記ケースが、前記湾曲部分を1箇所含み、かつU字形状を有する、請求項1に記載の加湿装置。
 燃料ガスおよび酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池と、
 前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスから選ばれる少なくとも一方のガスの前記燃料電池への供給経路に配置された加湿装置とを備え、
 前記加湿装置として、請求項1に記載の加湿装置を用いた、燃料電池システム。
 被加湿ガスが内部を流通する中空糸モジュールと、
 前記中空糸モジュールを収容する筒状のケースとを備え、
 前記ケース内に加湿ガスを導入するための導入口が前記ケースの一端側の周面に形成され、前記ケースから前記加湿ガスを排出するための排出口が前記ケースの他端側の周面に形成され、
 前記導入口が前記排出口よりも上方に位置する設置状態での縦断面に現れる前記ケースの内周面の接線と、鉛直方向に平行かつ前記縦断面に直交する基準面とのなす角度が前記加湿ガスの流れ方向の下流側に進むにつれて連続的または段階的に小さくなり、ゼロを跨いで再び増加に転じるように湾曲した部分を前記ケースが含み、その湾曲部分に沿う形状に前記中空糸モジュールが湾曲している、加湿装置。
 前記湾曲部分が180°の角度の円弧状をなすように前記ケースが湾曲している、請求項10に記載の加湿装置。
 前記設置状態において、前記導入口が上方に向かって開口している、請求項10に記載の加湿装置。
 前記設置状態において、前記排出口が下方に向かって開口している、請求項10に記載の加湿装置。
 前記設置状態において、前記排出口が上方に向かって開口している、請求項10に記載の加湿装置。
 前記中空糸モジュールの長手方向に直交する断面を横断面と定義したとき、
 前記設置状態において、前記導入口を含む位置での前記中空糸モジュールの横断面は、水平方向の長さが鉛直方向の長さよりも大である扁平形状をなす、請求項10に記載の加湿装置。
 前記ケースが、前記湾曲部分を2箇所含み、かつS字形状を有する、請求項10に記載の加湿装置。
 前記ケースが、前記湾曲部分を1箇所含み、かつU字形状を有する、請求項10に記載の加湿装置。
 燃料ガスおよび酸化剤ガスを用いて発電する燃料電池と、
 前記燃料ガスおよび前記酸化剤ガスから選ばれる少なくとも一方のガスの前記燃料電池への供給経路に配置された加湿装置とを備え、
 前記加湿装置として、請求項10に記載の加湿装置を用いた、燃料電池システム。
Description:
加湿装置およびこれを用いた燃 電池システム

 本発明は、加湿装置およびこれを用いた 料電池システムに関する。

 燃料電池は、水素と酸素とを電気化学的 反応させることで、電力と熱を発生させる 置である。近年注目されている高分子電解 形燃料電池においては、高分子電解質膜の オン伝導性を保つために、水素を含む燃料 スおよび酸素を含む酸化剤ガス(これらを反 応ガスという)の少なくとも一方のガスを加 してスタックに供給することが必要である 一般的な燃料電池システムでは、スタック ら排出される高湿度の排気ガスまたは冷却 を熱源および水源として、全熱交換型加湿 置により反応ガスの加湿を行っている。

 従来の加湿装置として、透湿性を有する 空糸を用いたものが知られている。特開2004 -6100号公報に開示された加湿装置を図8に示す 。図8に示す加湿装置100においては、中空糸 ジュール101の外周面に沿って湿潤空気また 水を流通させ、中空糸モジュール101の内部( 空糸の内部)に反応ガスを流通させることに よって、全熱交換が行われる。

 以下、加湿装置において、水を供給する のガス(例えば湿潤空気)を加湿ガスと定義 、水を受け取る側のガス(反応ガス)を被加湿 ガスと定義する。

 加湿ガスが凝縮性を有する場合、加湿ガ は加湿装置の内部で冷却され、凝縮する。 縮水は、圧力損失の増大の原因になりやす 。そのため、従来の加湿装置では、加湿ガ が上から下に流れる構造になっている。そ ようにすれば、凝縮水が重力の助けを借り 加湿装置の外部に排出されるので、圧力損 の増大を防ぐ観点で有利である。例えば、 8に示す加湿装置100によれば、導入口105がケ ース103の上部に形成され、排出口107がケース 103の下部に形成されている。湿潤空気などの 加湿ガスは、導入口105からケース103の内部の 空間109に導入され、排出口107から排出される 。

 図8に示す加湿装置100は、圧力損失の面で は有利であるが、全熱交換効率(=水の回収効 )の面では改善の余地がある。全熱交換効率 を向上させるためには、加湿ガスから生ずる 凝縮水と中空糸モジュールとの接触時間をど れだけ稼げるかが重要となる。

 本発明は、高い全熱回収効率を達成しう 加湿装置およびそれを用いた燃料電池シス ムを提供することを目的とする。

 すなわち、本発明は、
 被加湿ガスが内部を流通する中空糸モジュ ルと、
 中空糸モジュールを収容する筒状のケース を備え、
 ケース内に加湿ガスを導入するための導入 がケースの一端側の周面に形成され、ケー から加湿ガスを排出するための排出口がケ スの他端側の周面に形成され、
 導入口が形成されている位置でのケースの 面が、導入口から排出口に向かう経路上で 面へと切り替わるように形状が定められた 曲部分をケースが含み、その湾曲部分に沿 形状に中空糸モジュールが湾曲している、 湿装置を提供する。

 他の側面において、本発明は、
  被加湿ガスが内部を流通する中空糸モジ ールと、
 中空糸モジュールを収容する筒状のケース を備え、
 ケース内に加湿ガスを導入するための導入 がケースの一端側の周面に形成され、ケー から加湿ガスを排出するための排出口がケ スの他端側の周面に形成され、
 導入口が排出口よりも上方に位置する設置 態での縦断面に現れるケースの内周面の接 と、鉛直方向に平行かつ縦断面に直交する 準面とのなす角度が加湿ガスの流れ方向の 流側に進むにつれて連続的または段階的に さくなり、ゼロを跨いで再び増加に転じる うに湾曲した部分をケースが含み、その湾 部分に沿う形状に中空糸モジュールが湾曲 ている、加湿装置を提供する。

 さらに、他の側面において、本発明は、
 燃料ガスおよび酸化剤ガスを用いて発電す 燃料電池と、
 燃料ガスおよび酸化剤ガスから選ばれる少 くとも一方の燃料電池への供給経路に配置 れた加湿装置とを備え、
 加湿装置として、上記本発明の加湿装置を いた、燃料電池システムを提供する。

 本発明の加湿装置によれば、中空糸モジ ールを収容するケースが湾曲部分を含む。 のため、従来のストレート形状の加湿装置 比べ、凝縮水と中空糸モジュールとの接触 間を稼ぐことができ、水の回収効率が高ま 。言い換えれば、ブロワやコンプレッサの うな補機の動力増に頼ることなく、被加湿 スを効率よく加湿することができる。した って、本発明の加湿装置を燃料電池システ 、特に、電解質膜の乾燥によって劣化しや い高分子電解質形燃料電池(PEFC)システムに いることにより、燃料電池システムの運転 囲の拡大と信頼性の向上を図ることができ 。

本発明の燃料電池システムの一例の構 図 第1実施形態の加湿装置の縦断面図 図2Aの加湿装置のA矢視図 第1実施形態の加湿装置の作用説明図 湾曲部分の形状の詳細図 横断面が円形状である加湿装置の作用 説明図 横断面が扁平状である加湿装置の作用 説明図 第2実施形態の加湿装置の縦断面図 図6Aの加湿装置のA矢視図 第2実施形態の加湿装置の作用説明図 従来の加湿装置の縦断面図

 以下、添付の図面を参照しつつ本発明の 施形態について説明する。

(第1実施形態)
 図1は、本実施形態の燃料電池システムの構 成図である。燃料電池システム200は、燃料電 池12、空気供給装置14、加湿装置16、改質装置 18および冷却系統20を備えている。燃料電池 ステム200を構成するこれらの機器は、加湿 置16を除いて公知のものであるため、その詳 細な説明は省略する。

 燃料電池12(燃料電池スタック)には、改質 装置18から水蒸気改質された改質ガス(水素濃 度75~80%)が燃料ガスとして供給され、空気供 装置14から空気が酸化剤ガスとして供給され る。燃料電池12は、改質ガスに含まれる水素 空気に含まれる酸素とを反応させて発電す 。燃料電池12を所定の温度条件に保つため 、冷却系統20より、所定温度および所定水量 の冷却水が燃料電池12に供給される。

 燃料電池12は、例えば高分子電解質形燃 電池である。燃料電池12に水和電解質が用い られているので、燃料電池12に供給される改 ガスおよび空気は、適切に加湿されている とが必要である。本実施形態において、改 ガスは水蒸気改質によるものであるから、 のS/C比(スチームカーボン比)に応じて自動 に加湿がなされる。他方、空気の加湿は、 湿装置16で行われる。もちろん、水素を含む 燃料ガスを加湿するために加湿装置16を用い もよい。加湿装置16は、燃料ガスおよび酸 剤ガスから選ばれる一方または両方のガス 燃料電池12への供給経路に配置される。

 図2Aは、第1実施形態の加湿装置16の縦断 図であり、図2Bは、図2Aに示す加湿装置16のA 視図である。加湿装置16は、中空糸モジュ ル42とケース30とを備えている。中空糸モジ ール42は、ケース30に収容されている。ケー ス30の内部の空間が、被加湿ガスを加湿する 湿ガスの流路30hとして用いられる。流路30h 、中空糸モジュール42の長手方向に沿って 成されている。中空糸モジュール42の内部( 密には中空糸モジュール42を構成する多数の 中空糸の内部)を流通する被加湿ガスと、ケ ス30の内部の流路30hを流通する加湿ガスとの 間で全熱交換が行われ、加湿ガスから被加湿 ガスへと水分が補給される。

 ケース30は、筒状の形状を有する部品で る。ケース30には、流路30hに加湿ガスを導入 するための導入口32が一端側の周面に形成さ 、流路30hから加湿ガスを排出するための排 口34が他端側の周面に形成されている。導 口32と排出口34との間において、流路30hの断 積および断面形状は一定である。導入口32 排出口34との間の2箇所でケース30が湾曲する ことにより、第1の湾曲部分37および第2の湾 部分39が形成されている。第1の湾曲部分37は 、導入口32が形成されている上流側の直線部 40から続いている部分である。第1の湾曲部 37と、排出口34が形成されている下流側の直 線部分41との間の部分が第2の湾曲部分39であ 。ケース30の内部において、中空糸モジュ ル42が、これら湾曲部分37,39に沿って湾曲し いる。これらの湾曲部分37,39を設けること より、加湿ガスから生成する凝縮水と中空 モジュール42との接触時間を長くすることが できる。

 なお、ケース30の一端側の周面とは、ケ ス30の中央部から一方の開口部(開口部36)ま の間の周面を指す。ケース30の他端側の周面 とは、ケース30の中央部から他方の開口部(開 口部38)までの間の周面を指す。

 ケース30は、第1の湾曲部分37および第2の 曲部分39が、それぞれ180°の角度の円弧状を なすように湾曲しているとよい。そのように すれば、凝縮水と中空糸モジュール42との接 時間を長くする効果が高まる。また、本実 形態において、ケース30は、2つの湾曲部分3 7,39を含み、かつS字形状を有する。言い換え ば、流路30hがS字を描くようにケース30が湾 している。さらに言い換えれば、ケース30 、U字状に湾曲した部分を2箇所に有する。複 数の湾曲部分37,39を設けることにより、凝縮 と中空糸モジュール42との接触時間を長く る効果がさらに高まる。なお、湾曲部分を ける箇所は2箇所に限定されるものではなく 例えば偶数箇所に設けることができる。

 本実施形態の加湿装置16は、直線部分40を 水平に保ち、導入口32が排出口34よりも上方 位置する姿勢で設置され、使用されること 想定している。したがって、本明細書では 導入口32が形成されている直線部分40を水平 保ったまま、鉛直方向に関する導入口32と 出口34との距離が最大となるように導入口32 排出口34よりも上方に位置させた状態を加 装置16の設置状態(実際の使用状態)と定義す 。

 導入口32は、加湿装置16が設置状態となっ たときに上方に向かって開口しているとよい 。言い換えれば、加湿装置16の上面図に導入 32の全部が現れているとよい。そのように れば、燃料電池12の排気に凝縮水が含まれて いても、その凝縮水を導入口32から流路30hに ムーズに導くことができる。他方、排出口3 4は、加湿装置16が上記設置状態となったとき に下方に向かって開口しているとよい。言い 換えれば、加湿装置16の下面図に排出口34の 部が現れているとよい。そのようにすれば ケース30から凝縮水をスムーズに排出できる ので、ブロワの動力増を抑制する観点では有 利である。

 ただし、第2実施形態で説明するように、 排出口34は、上方に向かって開口していても い。また、導入口32はケース30の周面の複数 箇所に形成されていてもよいし、本実施形態 のように1つのみ形成されていてもよい。排 口34についても同様である。導入口32の数お び排出口34の数をそれぞれ1つに制限すると 導入口32および排出口34のそれぞれに配管を 接続しやすく、設計も容易である。

 ケース30の一方の開口部36には、被加湿ガ スを中空糸モジュール42に供給するための配 が図示しないヘッド(給排気ブロック)を介 て接続され、他方の開口部38には、加湿され たガスを燃料電池12に供給するための配管が 続される。したがって、加湿装置16におい は、加湿ガスの流れ方向と被加湿ガスの流 方向とが互いに向かい合う交換系が形成さ ている。Oリング35は、加湿装置16と、図示し ないヘッド(給排気ブロック)とのシールに用 られる。

 ケース30は、金属や樹脂のような材料で 成されているとよい。樹脂は射出成形など 成形方法によって様々な形状に容易に成形 き、湾曲部分37,39を容易に設けることができ るので、ケース30の材料として好適である。 た、ケース30を構成するべき部品として2つ 樋状の部品を準備し、一方に中空糸モジュ ル42を嵌め込み、その後、他方で蓋をして 体化することにより、加湿装置16を組み立て るようにしてもよい。2つの樋状の部品を一 化する方法は特に限定されず、超音波溶着 熱溶着、接着剤の使用などの方法を例示で る。これらの方法によれば、ケース30の内部 に中空糸モジュール42を簡単に収容できる。

 次に、中空糸モジュール42について説明 る。中空糸モジュール42は、1つまたは複数 束に束ねられた多数の中空糸によって構成 れている。中空糸が散開しないように、中 糸モジュール42の両端部43,43は、樹脂などの 料で固められている。ケース30の内部にお て、中空糸モジュール42は、流路30hと同じ形 状に保持される。ケース30から加湿ガスが漏 ないように、中空糸モジュール42の両端部43 ,43とケース30との隙間は封止材で埋められて る。

 中空糸は、透湿性を有するものであれば 類は問わず、樹脂多孔質材料から製造され 一般的なものでよい。例えば、ポリスルフ ン系の多孔質中空糸は、紡糸後の熱処理に って膜から溶剤が抜けて多孔質となり、透 性が付与される。紡糸直後は可撓性に富む 方、熱処理によって硬化して安定な形状と る中空糸を用いて中空糸モジュールを製造 る場合、次のような操作を行えばよい。ま 、紡糸直後に予備乾燥を行う(例えば50℃で1 時間)。予備乾燥後、可撓性のある状態で中 糸を結束して、中空糸モジュールを得る。 らに、中空糸モジュールを金型(例えばS字の 金型)に嵌めて、金型とともに熱処理する(例 ば160℃で30分間)。このようにすれば、S字状 に硬化した中空糸モジュール42を製造するこ ができる。

 なお、透湿性を獲得した後も可撓性を有 る中空糸、例えば、パーフルオロスルホン 樹脂(Du Pond社製 商品名Nafion)等の材料でで た中空糸を用いて中空糸モジュール42を製 すると、ケース30に収容する前の成形が不要 となる。その他、ポリテトラフルオロエチレ ンに代表されるフッ素樹脂でできた多孔質中 空糸を用いてもよい。

 次に、図3を参照して加湿装置16の作用を 明する。空気などの被加湿ガスは、白抜き 印で示すように、ケース30の下側の開口部38 から中空糸モジュール42の内部に導かれる。 空糸モジュール42の内部を下から上へと流 した被加湿ガスは、ケース30の上側の開口部 36から加湿装置16の外部へと排出され、燃料 池12に送られる。一方、加湿ガスは、導入口 32からケース30の内部の流路30hへと導かれ、 流側の排出口34に向かって流通する。中空糸 モジュール42の内部を流通する被加湿ガスと 流路30hを流通する加湿ガスとの間で全熱交 が行われ、加湿ガスから被加湿ガスに水分 補給される。

 加湿ガスは、水蒸気で飽和していたり、 れに近い状態であったりする。さらに、後 するように、燃料電池12の排気には、加湿 置16に導入される以前に凝縮水が含まれるこ とがある。導入口32から流路30hに導入された 縮水は、自重により、導入口32が形成され いる側とは反対側の内周面30pに達する(破線( 1))。このとき、凝縮水は、中空糸モジュール 42を貫通する経路をたどり、中空糸モジュー 42の中心部に位置する中空糸および導入口32 に向かい合う側とは反対側に位置する中空糸 にも接することとなる。

 さらに、凝縮水は、ケース30の内周面30p 沿って流れる。第1の湾曲部分37に達した凝 水は、自重により、ケース30の内周面30pから 離れ、中空糸モジュール42を貫通する経路を どる形で反対側の内周面30qに達する(破線(2) )。凝縮水は、第2の湾曲部分39でも同様の経 をたどり(破線(3))、排出口34からケース30の 部へと排出される。このように、湾曲部分37 ,39が設けられていることにより、凝縮水が壁 伝いに流れにくくなり、結果として、凝縮水 と中空糸モジュール42との接触機会が増える( 接触時間が長くなる)。

 従来のストレート形状の加湿装置(図8参 )では凝縮水と中空糸モジュールの接触機会 限られるので、凝縮水の有効利用を図りに い。これに対し、本実施形態の加湿装置16 よれば、凝縮水が中空糸モジュール42の長手 方向を何度も横切るような形で流れるので、 凝縮水からも効率的に水を回収することがで きる。

 図3に破線で示すような凝縮水の流れが形成 されるには、次のような条件を満足すればよ い。まず、図4に示すように、加湿装置16の姿 勢を上述した設置状態に定める。この設置状 態での縦断面(加湿装置16の縦断面)に現れる ース30の内周面30pの接線TL(図4の例では接線TL 1 および接線TL 2 )と、鉛直方向に平行かつ上記縦断面に直交 る基準面BLとのなす角度θが加湿ガスの流れ 向の下流側に進むにつれて連続的または段 的に小さくなり、ゼロを跨いで再び増加に じるように、湾曲部分37,39の形状が定めら ているとよい。

 なお、「角度θが段階的に小さくなる」 は、中空糸モジュール40を構成する中空糸の 折れが顕在化しない範囲内であれば、湾曲部 分37,39の形状は、当該湾曲部分37,39における 周面30p,30qが縦断面で直線を示すように定め れていてもよいことを意味する。縦断面に いて湾曲部分37,39の内周面30p,30qが直線を示 場合、厳密には接線を定義することができ いので、その直線自体を図4に示す接線TLと て取り扱うものとする。

 なお、上記「縦断面」とは、ケース30が2 元の湾曲形状を有する場合には、加湿ガス 流れ方向に沿ってケース30を左右2つの樋状 分に分割する断面のことである。ケース30 3次元の湾曲形状を有する場合には、加湿ガ の流れ方向に沿ってケース30を左右2つの樋 部分に分割する曲面状の断面の平面への投 図が、上記「縦断面」となる。そして、こ らの縦断面において、上記接線がそれぞれ 義されうる。

 別の視点から、第1の湾曲部分37は、以下 ような条件を満足する形状を有していても い。すなわち、上述した設置状態において 導入口32が形成されている位置でのケース30 の底面(内周面30p)が、導入口32から排出口34に 向かう経路上で上面へと切り替わるように、 湾曲部分37の形状が定められているとよい。 入口32が形成されている位置でのケース30の 底面(内周面30p)が、導入口32から排出口34に向 かう経路上で上面へと切り替わり、その後さ らに底面へと切り替わることにより、第2の 曲部分39が形成される。底面が上面へと変化 するような切り替わり部分、すなわち、湾曲 部分37,39があると、凝縮水は壁伝いに流れに くなり、図3に示すような経路をたどりやす くなる。

 また、図2Bに示すA矢視図から理解できる うに、本実施形態の加湿装置16は、横断面 形状が扁平状となっている。中空糸モジュ ル42の長手方向に直交する断面を横断面と定 義したとき、導入口32を含む位置における中 糸モジュール42の横断面は、水平方向の長 Wが鉛直方向の長さHよりも大である扁平形状 をなしている。ただし、水平方向および鉛直 方向は、加湿装置16の設置状態で定まる方向 ある。

 図5Aに示すように、例えば、ケース29およ び中空糸モジュール46が円筒形の場合、凝縮 は、中空糸モジュール46の外周面およびケ ス29の内周面を伝って流れ落ちやすいので、 中空糸モジュール46を貫通する経路をたどる (画分)が少なくなる。これに対し、図5Bに示 すように、本実施形態によれば、中空糸モジ ュール42を貫通する経路をたどる凝縮水の量 増やすことができるため、凝縮水からの水 回収効率が高まる。

(第2実施形態)
 図6Aは、第2実施形態の加湿装置56の縦断面 であり、図6Bは、図6Aに示す加湿装置56のA矢 図である。本実施形態は、ケースの湾曲部 が奇数箇所である点で第1実施形態と相違す る。

 図6Aおよび図6Bに示すように、ケース31は 湾曲部分47を1箇所含み、かつU字形状を有す る。湾曲部分47の上流側と下流側には、それ れ、直線部分57,58がある。上流側の直線部 57に導入口32が形成され、下流側の直線部分5 8に排出口34が形成されている。本実施形態に よれば、湾曲部分47が1箇所にのみ設けられて いるため、第1実施形態の加湿装置16よりも小 型化の面で有利である。

 導入口32の位置は、本実施形態と第1実施 態とで同じであるが、排出口34の位置が本 施形態と第1実施形態とで相違している。具 的には、加湿装置56を設置状態としたとき 、排出口34が上方に向かって開口している。 排出口34は、直線部分58に収容されている中 糸モジュール42よりも高い位置にある。

 図7に示すように、導入口32から流路31hに 入された凝縮水は、自重により、導入口32 形成されている側とは反対側の内周面31pに する(破線(1))。このとき、凝縮水は、中空糸 モジュール42を貫通する経路をたどり、中空 モジュール42の中心部に位置する中空糸に 接することとなる。さらに、凝縮水は、ケ ス31の内周面31pに沿って流れる。湾曲部分47 達した凝縮水は、自重により、ケース31の 周面31pから離れ、中空糸モジュール42を貫通 する経路をたどる形で反対側の内周面31qに達 する(破線(2))。排出口34が上方を向いている で、凝縮水はケース31の底部(直線部分58の流 路31h)に貯留ないし滞留しやすい。凝縮水が 留ないし滞留すると、中空糸モジュール42が 凝縮水に浸漬された状態となるので、加湿効 率が高まる。

(燃料電池の排気について)
 次に、燃料電池の排気について説明する。 置コージェネレーション用1kW級の燃料電池 ステムの典型的な仕様および運転条件を表1 に示す。なお、このシステムでは高分子電解 質形燃料電池が用いられている。

 この燃料電池システムは、1.2kWの出力を るために、毎分11.5リットル(slpm:standard liter per minutes)の水素と5.7リットルの酸素とを消 する。適切な燃料利用率(75%)および酸素利 率(50%)を勘案し、実際にスタックに供給され る水素量は毎分15.3リットル、空気量は54.6リ トルである。また、発生する熱を除去する めに、60℃の冷却水が毎分1.6リットルの流 でスタックに供給される。スタックに供給 れた冷却水は、スタックの内部で約11℃昇温 し、71℃の温水となって排出される。

 前述の通り、水素の加湿は不要であり、 気の加湿はスタックからの排気を用いて行 れる。ここで、スタックからの排気の熱条 について表2に示す。スタックに供給された 毎分54.6リットルの空気に含まれる酸素は、 の半分が消費される(酸素利用率50%)。したが って、ドライガス換算で毎分49リットルのガ がスタックから排出される。排気の温度は7 0.5℃であり、この排気が水蒸気で飽和してい ると仮定すると、スタックから排出される水 量は毎分18.1gとなる。

 ところが、表1および表2の条件を満足す 現実の燃料電池システムの排気を氷冷凝縮 て回収される水量は毎分21.6gであり、上述の 計算値よりも3.5g多かった。すなわち、この3. 5gに相当する水は、水蒸気ではなく温水とし スタックから排出されていた。なお、仮に の3.5gに相当する水が水蒸気として排出され た場合の蒸気圧は35800Paであり、そのときの 点は73.2℃である。この数値を換算露点と定 し、以降の試験で二相流を作るときの装置 御パラメータとした。

 まず、外径が1.0mm、長さが300mmのポリスル フォン中空糸(NOK社製(試作品))を500本用いて 空糸モジュールを製造した。この中空糸モ ュールを用いて、図2Aに示す加湿装置(実施 )と、図8に示す従来の加湿装置(比較例)とを 造した。

 次に、表1および表2に示す加湿ガスおよ 被加湿ガス(空気)を模擬できる試験装置を作 り、その試験設備を用いて加湿装置の評価を 行った。具体的には、ドライガス換算で毎分 49.1リットルの流量の加湿ガスを換算露点で る露点73℃になるようにバブラーで加湿した 後、70.5℃まで冷却して加湿装置に供給した 一方、被加湿ガスとして、毎分54.6リットル 流量の乾燥空気を加湿装置に供給した。そ て、加湿装置の出口での被加湿ガスの露点 計測することにより、加湿装置の性能を評 した。露点の計測には、鏡面式露点計を用 た。表3に結果を示す。

 実施例の加湿装置での被加湿ガスの露点 比較例の加湿装置でのそれに比べて高かっ 。これは、効率に換算して約7%の改善に相 する。一般的に、水蒸気を加湿ガスとして いたときの全熱交換効率は70%程度が限界と れており、比較例では概ねこれに準じた効 (68.7%)が得られたが、実施例ではこれを上回 効率(74.1%)が得られた。実施例の加湿装置に よれば、供給された水蒸気以外の水源、つま り、二相流に含まれる凝縮水からも水を回収 することができた。