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Patent Searching and Data


Title:
INK COMPOSITION, INK COMPOSITION FOR INKJET RECORDING, INK SET, INK CARTRIDGE, INKJET RECORDING METHOD, AND RECORDED MATTER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/154184
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is an ink composition which does not suffer from decomposition or discoloration of a dye even when stored in a high temperature environment. Specifically disclosed is an ink composition containing a compound represented by general formula (1) and a humectant, wherein the content ratio of the compound represented by general formula (1) is not less than 0.1% by mass but less than 7.0% by mass; the content ratio of a humectant having 3 or more hydroxyl groups is less than 8.0% by mass; and the molar ratio between the humectant having 3 or more hydroxyl groups and the compound represented by general formula (1), namely humectant having 3 or more hydroxyl groups/compound represented by general formula (1), is less than 15.0. In the formula, Ar1 and Ar2 each represents an aromatic hydrocarbon ring group, a non-aromatic hydrocarbon ring group, an aromatic heterocyclic ring group or a non-aromatic heterocyclic ring group; A1 and A2 each represents a hydrogen atom or a substituent; Y represents -OM or -NR1R2; M represents a hydrogen atom or a metal ion; and R1 and R2 each represents a hydrogen atom, an alkyl group, an alkenyl group, an alkynyl group, an aralkyl group, an aryl group or a heterocyclic ring group.

Inventors:
TANAKA SHIGEAKI
TATEISHI KEIICHI
OZAWA TAKASHI
Application Number:
PCT/JP2009/060901
Publication Date:
December 23, 2009
Filing Date:
June 15, 2009
Export Citation:
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Assignee:
FUJIFILM CORP (JP)
TANAKA SHIGEAKI
TATEISHI KEIICHI
OZAWA TAKASHI
International Classes:
B41J2/01; B41M5/00; C09B33/12; C09D11/00; C09D11/0235; C09D11/324; C09D11/326; C09D11/328; C09D11/38
Foreign References:
JP2007091867A2007-04-12
JP2006028296A2006-02-02
JP2008173965A2008-07-31
JP2007063520A2007-03-15
JP2001271013A2001-10-02
JPH06240189A1994-08-30
JPH06234943A1994-08-23
JPH06136309A1994-05-17
JP2007070566A2007-03-22
JP2006057076A2006-03-02
JP2007217681A2007-08-30
JPH11286637A1999-10-19
JP2001240763A2001-09-04
JP2001262039A2001-09-26
JP2001247788A2001-09-11
JP2001262018A2001-09-26
JP2001335734A2001-12-04
JP2002080772A2002-03-19
JPH05148436A1993-06-15
JPH05295312A1993-11-09
JPH0797541A1995-04-11
JPH0782515A1995-03-28
JPH07118584A1995-05-09
JP2001271003A2001-10-02
JPS58185677A1983-10-29
JPS61190537A1986-08-25
JPH02782A1990-01-05
JPH05197075A1993-08-06
JPH0934057A1997-02-07
JPS462784A1971-10-21
JPH05194483A1993-08-03
US3214463A1965-10-26
JPS4830492B11973-09-20
JPS5621141B21981-05-18
JPH1088106A1998-04-07
JPH04298503A1992-10-22
JPH0853427A1996-02-27
JPH0239368A1990-02-08
JPH10182621A1998-07-07
JPH08501291A1996-02-13
US0024239A1859-05-31
JPS62215272A1987-09-21
JPH08169172A1996-07-02
JPH0827693A1996-01-30
JPH02276670A1990-11-13
JPH07276789A1995-10-24
JPH09323475A1997-12-16
JPS62238783A1987-10-19
JPH10153989A1998-06-09
JPH10217473A1998-08-18
JPH10235995A1998-09-08
JPH10337947A1998-12-22
JPH10217597A1998-08-18
JP2003306623A2003-10-31
JP2002166638A2002-06-11
JP2002121440A2002-04-23
JP2002154201A2002-05-28
JP2002144696A2002-05-22
JP2002080759A2002-03-19
JP2002187342A2002-07-02
JP2002172774A2002-06-18
JP2008157029A2008-07-10
Other References:
See also references of EP 2290024A4
"Lange's Handbook of Chemistry", 1979, MACGRAW-HILL
KAGAKUNO RYOIKI, NANKODO, no. 122, 1979, pages 96 - 103
"Viscosity Adjusting Technology", 1999, GIJUTSU JOHO KYOKAI, article "Nendo Chosei Gijutsu"
"Chemicals for inkjet printers", 1998, article "Inkjet Purinta-Yo Kemikaruzu"
ZAIRYO NO KAIHATSUDOKO.TENBO CHOSA-- (CMC, 1997, pages 162 - 174
Attorney, Agent or Firm:
TAKAMATSU Takeshi et al. (JP)
Takamatsu 猛 (JP)
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Claims:
 下記一般式(1)で表される化合物と保湿剤とを含むインク組成物であって、該一般式(1)で表される化合物の含有率が0.1質量%以上7.0質量%未満であり、水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率が8.0質量%以下であり、かつ、前記水酸基を3個以上有する保湿剤/前記一般式(1)で表される化合物のモル比が15.0未満であることを特徴とするインク組成物。
 上記一般式(1)中、Ar 1 およびAr 2 はそれぞれ独立に芳香族炭化水素環基、非芳香族炭化水素環基、芳香族複素環基または非芳香族複素環基を表し、A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を表す。Yは-OMまたは-NR 1 R 2 を表し、Mは水素原子または金属イオンを表し、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基または複素環基を表す。
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率が5.0質量%以下であることを特徴とする請求項1に記載のインク組成物。
 前記モル比が5.0未満であることを特徴とする請求項1または2に記載のインク組成物。
 前記モル比が2.0未満であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載のインク組成物。
 水酸基数が0~2個である保湿剤をさらに含有することを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載のインク組成物。
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率が全保湿剤の18.0質量%未満であることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載のインク組成物。
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率が全保湿剤の10.0質量%未満であることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載のインク組成物。
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率が全保湿剤の4.0質量%未満であることを特徴とする請求項1~7のいずれかに記載のインク組成物。
 前記一般式(1)で表される化合物が一般式(2)で表される化合物であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のインク組成物。
 上記一般式(2)中、A 1 、A 2 、Yは一般式(1)におけるA 1 、A 2 、Yと同義である。Y 1 、およびY 2 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、X 1 およびX 2 はそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の電子求引性基を表す。Z 1 、Z 2 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、アリール基、または複素環基を表す。
 前記一般式(2)で表される化合物が一般式(3)で表される化合物であることを特徴とする請求項9に記載のインク組成物。
 上記一般式(3)中、A 1 、A 2 、X 1 、X 2 、Y 1 、Y 2 は一般式(2)におけるA 1 、A 2 、X 1 、X 2 、Y 1 、Y 2 と同義である。W 11 、W 12 、W 13 、W 14 、W 15 、W 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表し、Mは水素原子または金属イオンを表す。
 前記一般式(1)で表される化合物が一般式(4)で表される化合物であることを特徴とする請求項1~8のいずれかに記載のインク組成物。
 上記一般式(4)中、A 1 、A 2 、Yは一般式(1)におけるA 1 、A 2 、Yと同義である。D 1 およびD 2 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表す。
 前記一般式(4)で表される化合物が一般式(5)で表される化合物であることを特徴とする請求項11に記載のインク組成物。
 上記一般式(5)中、A 1 、A 2 、D 1 、D 2 は一般式(4)におけるA 1 、A 2 、D 1 、D 2 と同義である。Mは一般式(1)におけるMと同義である。
 請求項1~12のいずれかに記載のインク組成物を使用することを特徴とするインクジェット記録用インク組成物。
 インクジェット記録方法に用いるインクセットであって、請求項1~13のいずれかに記載のインク組成物を構成成分として含んでなることを特徴とするインクセット。
 請求項1~13のいずれかに記載のインク組成物を含んでなることを特徴とするインクカートリッジ。
 請求項14に記載のインクセットを一体的に又は独立に収容してなることを特徴とするインクカートリッジ。
 インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて記録を行うインクジェット記録方法であって、請求項14に記載のインクセット又は請求項15または16に記載のインクカートリッジを用いて記録することを特徴とするインクジェット記録方法。
 請求項17に記載のインクジェット記録方法によって印刷されたことを特徴とする記録物。
Description:
インク組成物、インクジェット 録用インク組成物、インクセット、インク ートリッジ、インクジェット記録方法及び 録物

 本発明は、インク組成物に含まれる一般 (1)で表される化合物が長期保存においても 色・褪色せずに安定であり、かつインク組 物による印字画像が耐光性および耐オゾン に優れるインク組成物、これを用いたイン ジェット記録用インク組成物、インクセッ 、インクカートリッジ、インクジェット記 方法及び記録物に関するものである。

 近年、画像記録材料としては、特にカラ 画像を形成するための材料が主流であり、 体的には、インクジェット方式の記録材料 感熱転写方式の記録材料、電子写真方式の 録材料、転写式ハロゲン化銀感光材料、印 インク、記録ペン等が盛んに利用されてい 。

 インク組成物に用いられる色素に対して 、溶剤に対する溶解性あるいは分散性が良 なこと、高濃度記録が可能であること、色 が良好であること、画像の保存安定性が良 なこと、水や薬品に対する堅牢性に優れて ること、毒性がないこと、純度が高いこと 更には、安価に入手できることが要求され いる。

 すなわち光、熱、環境中の活性ガス(NOx、 オゾン等の酸化性ガスの他SOxなど)に対して 色素分子の高電位化によって改良できるよ になってきた(特許文献1)。

 一方、インク組成物への要求性能として 例えばインク組成物からの色素析出やイン 組成物の凍結(特許文献2)、インク組成物を 質上に印字した際のカール防止(特許文献3) インク組成物の腐敗防止ばかりでなく(特許 文献4)、印字の際の色素の滲みの防止(特許文 献5)などが挙げられ、それを改良するために ンク組成物には様々な添加剤が使用されて る。

 特許文献6に記載のように、添加剤により 色素の性能やインク組成物の保存安定性付与 として、色素の溶解安定化は改良された。し かしながら、求められる全ての要求を高いレ ベルで満たすインク組成物を創製することは 難しい。

日本国特開2007-63520号公報

日本国特開2001-271013号公報

日本国特開平6-240189号公報

日本国特開平6-234943号公報

日本国特開平6-136309号公報

日本国特開2007-70566号公報

 本発明が解決しようとする課題は、例え 夏季の車中で起こり得るような高温環境下 保存してもインク組成物から色素が分解や 色することのないインク組成物を提供する とである。

 前述の高電位化された色素は、画像の光 牢性、オゾンガス堅牢性に優れる一方で、 子が豊富な求核種の攻撃を受けやすく、イ ク組成物に含まれる添加剤、特に水酸基を3 個以上有する保湿剤によって分解が促進し、 インク組成物を長期保存した場合に褪色した り変色することが新たに分かってきた。

 そこで本発明者らは、色素の性能とイン 組成物の保存安定化の両立をねらい、画像 光堅牢性、オゾンガス堅牢性を保持しかつ 保存安定性を付与する技術構築を推進した

 本発明者は、光、熱、環境中の活性ガスに する耐性に優れた高電位色素を含有するイ ク組成物において、前記高電位色素の分解 促進するインク組成物中の成分について調 したところ、水酸基を有する化合物が前記 電位色素の分解に関連していることを見出 た。中でも水酸基を3個以上有する化合物が インク組成物中に特定量以上存在すると前記 高電位色素の分解が顕著であり、また、イン ク組成物中の前記高電位色素濃度が小さい場 合にも前記高電位色素の分解が著しいことが 判明した。これは、該水酸基を3個以上有す 化合物が高電位色素と特異的に多点相互作 することで電子効果に基づく色素の活性化 誘起され加水分解が促進し、高電位色素が 解するためと推測される。しかしながら、 発明はこのような推測によって限定されな 。インク組成物中の水酸基を有する化合物 保湿剤として使われており、またインク組 物への添加量も多い。そこで、水酸基を有 る保湿剤、特に水酸基を3個以上有する保湿 に着目し、その使用量を調整することで、 ンク組成物の保存安定性を改良し、該イン 組成物による印字画像物の光堅牢性および ゾンガス堅牢性を両立できることを見出し 発明を完成するに至った。
 本発明の課題は、以下の手段により解決す ことができる。
<1>
 下記一般式(1)で表される化合物と保湿剤と 含むインク組成物であって、該一般式(1)で される化合物の含有率が0.1質量%以上7.0質量 %未満であり、水酸基を3個以上有する保湿剤 含有率が8.0質量%以下であり、かつ、前記水 酸基を3個以上有する保湿剤/前記一般式(1)で される化合物のモル比が15.0未満であること を特徴とするインク組成物。

 上記一般式(1)中、Ar 1 およびAr 2 はそれぞれ独立に芳香族炭化水素環基、非芳 香族炭化水素環基、芳香族複素環基または非 芳香族複素環基を表し、A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を 表す。Yは-OMまたは-NR 1 R 2 を表し、Mは水素原子または金属イオンを表 、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、ア ルケニル基、アルキニル基、アラルキル基、 アリール基または複素環基を表す。
<2>
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率 が5.0質量%以下であることを特徴とする<1> ;に記載のインク組成物。
<3>
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤/前記一 式(1)で表される化合物のモル比が5.0未満で ることを特徴とする<1>または<2>に 載のインク組成物。
<4>
 前記モル比が2.0未満であることを特徴とす <1>~<3>のいずれかに記載のインク組 成物。
<5>
 水酸基数が0~2個である保湿剤をさらに含有 ることを特徴とする<1>~<4>のいずれ かに記載のインク組成物。
<6>
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率 が全保湿剤の18.0質量%未満であることを特徴 する<1>~<5>のいずれかに記載のイン ク組成物。保湿剤には尿素及び糖類を含む。
<7>
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率 が全保湿剤の10.0質量%未満であることを特徴 する<1>~<6>のいずれかに記載のイン ク組成物。
<8>
 前記水酸基を3個以上有する保湿剤の含有率 が全保湿剤の4.0質量%未満であることを特徴 する請求項1~7のいずれかに記載のインク組 物。 
<9>
 前記一般式(1)で表される化合物が一般式(2) 表される化合物であることを特徴とする< 1>~<8>のいずれかに記載のインク組成物 。

 上記一般式(2)中、A 1 、A 2 、Yは一般式(1)におけるA 1 、A 2 、Yと同義である。Y 1 、およびY 2 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 し、X 1 およびX 2 はそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の 子求引性基を表す。Z 1 、Z 2 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基 、アリール基、または複素環基を表す。
<10>
 前記一般式(2)で表される化合物が一般式(3) 表される化合物であることを特徴とする< 9>に記載のインク組成物。

 上記一般式(3)中、A 1 、A 2 、X 1 、X 2 、Y 1 、Y 2 は一般式(2)におけるA 1 、A 2 、X 1 、X 2 、Y 1 、Y 2 と同義である。W 11 、W 12 、W 13 、W 14 、W 15 、W 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 し、Mは水素原子または金属イオンを表す。
<11>
 前記一般式(1)で表される化合物が一般式(4) 表される化合物であることを特徴とする< 1>~<8>のいずれかに記載のインク組成物 。

 上記一般式(4)中、A 1 、A 2 、Yは一般式(1)におけるA 1 、A 2 、Yと同義である。D 1 およびD 2 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 す。
<12>
 前記一般式(4)で表される化合物が一般式(5) 表される化合物であることを特徴とする< 11>に記載のインク組成物。

 上記一般式(5)中、A 1 、A 2 、D 1 、D 2 は一般式(4)におけるA 1 、A 2 、D 1 、D 2 と同義である。Mは一般式(1)におけるMと同義 ある。
<13>
 <1>~<12>のいずれかに記載のインク 成物を使用することを特徴とするインクジ ット記録用インク組成物。
<14>
 インクジェット記録方法に用いるインクセ トであって、<1>~<13>のいずれかに 載のインク組成物を構成成分として含んで ることを特徴とするインクセット。
<15>
 <1>~<13>のいずれかに記載のインク 成物を含んでなることを特徴とするインク ートリッジ。
<16>
 <14>に記載のインクセットを一体的に又 は独立に収容してなることを特徴とするイン クカートリッジ。
<17>
 インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記 媒体に付着させて記録を行うインクジェッ 記録方法であって、<14>に記載のインク セット又は<15>または<16>に記載のイ クカートリッジを用いて記録することを特 とするインクジェット記録方法。
<18>
 <17>に記載のインクジェット記録方法に よって印刷されたことを特徴とする記録物。

 本発明によれば、高温環境下で保存され 場合でも色素の褪色や変色を抑制し、さら 、そのインク組成物による印字画像の光堅 性やオゾンガス堅牢性に優れたインク組成 を提供することができる。

 以下、本発明について詳細に説明する。

 本発明のインク組成物は、一般式(1)で表さ る化合物及び水酸基を3個以上有する保湿剤 を含み、該一般式(1)で表される化合物の含有 率が0.1質量%以上7.0質量%未満であり、前記水 基を3個以上有する保湿剤の含有率が8.0質量 %以下であり、かつ、前記水酸基を3個以上有 る保湿剤/前記一般式(1)で表される化合物の モル比が15.0未満であるインク組成物である
 本発明の好ましい態様として、前記水酸基 3個以上有する保湿剤/前記一般式(1)で表さ る化合物のモル比が15.0未満、より好ましく 5.0未満、更に好ましくは0.01以上5.0未満、殊 更好ましくは0.01以上2.0未満で、特に好まし は0.01以上0.40未満であるインク組成物が挙げ られる。また、本発明の好ましい態様として 、前記水酸基数が0~2個である保湿剤を含むイ ンク組成物が挙げられ、特に好ましくは、水 酸基数が0個または1個である保湿剤を含むイ ク組成物が挙げられる。
 また、本発明の更に好ましい態様として、 ンク組成物中の全保湿剤に対する水酸基を3 個以上有する保湿剤が18.0質量%未満、好まし は10.0質量%未満、より好ましくは0.01質量%以 上10.0質量%未満、更に好ましくは0.01質量%以 4.0質量%未満、殊更好ましくは0.01質量%以上1. 0質量%未満のインク組成物があげられる。
 以降、本発明のインク組成物について詳し 説明する。

〔一般式(1)で表される化合物〕
 まず、本明細書中で用いられるハメットの 換基定数σp値について若干説明する。
 ハメット則はベンゼン誘導体の反応または 衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずる めに1935年 L.P.Hammettにより提唱された経験 であるが、これは今日広く妥当性が認めら ている。ハメット則に求められた置換基定 にはσp値とσm値があり、これらの値は多く 一般的な成書に見出すことができるが、例 ば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry 第12版、1979年(Mc Graw-Hill)や「化学の領域」 刊、122号、96~103頁、1979年(南江堂)に詳しい なお、本発明において各置換基をハメット 置換基定数σpにより限定したり、説明した するが、これは上記の成書で見出せる、文 既知の値がある置換基にのみ限定されると う意味ではなく、その値が文献未知であっ もハメット則に基づいて測定した場合にそ 範囲内に包まれるであろう置換基をも含む とはいうまでもない。本発明の一般式(1)~(5) 表される化合物はベンゼン誘導体ではない 、置換基の電子効果を表す尺度として、置 位置に関係なくσp値を使用する。本発明に いては今後、σp値をこのような意味で使用 る。

 本発明における一般式(1)で表される化合 を説明する。

 Ar 1 およびAr 2 はそれぞれ独立に置換基を有しても良い芳香 族炭化水素環基、非芳香族炭化水素環基、芳 香族複素環基または非芳香族複素環基を表す 。

 A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を 表し、この置換基は更に置換基を有していて も良い。

 Yは-OMまたは-NR 1 R 2 を表し、Mは水素原子または金属イオンを表 、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子もしくはアルキル 基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキ ル基、アリール基または複素環基を表す。

 以下に、前記一般式(1)について更に詳し 説明する。

 Ar 1 およびAr 2 は芳香族炭化水素環基、非芳香族炭化水素環 基、芳香族複素環基または非芳香族複素環基 を表し、単環であっても、さらに他の環が縮 環していても良い。前記各環は置換基を有し ても良く、該置換基としては後述の置換基(SU B)が挙げられる。芳香族炭化水素環基として 、後述の置換基(SUB)に記載のアリール基が げられる。非芳香族炭化水素環基としては 後述の置換基(SUB)に記載のシクロアルキル基 、ビシクロアルキル基等が挙げられる。非芳 香族複素環基としては、ピペリジル基、ピペ リジノ基、モルホリニル基、モルホリノ基等 が挙げられる。Ar 1 およびAr 2 は芳香族複素環基が好ましく、より好ましく は含窒素5~7員環の芳香族複素環基であり、5~6 員環の芳香族複素環が好ましい。
 以下にAr 1 およびAr 2 の好ましい例、より好ましい例、更に好まし い例を示すが、Ar 1 およびAr 2 のアゾ基と結合する置換位置および、Ar 1 およびAr 2 の有しても良い置換基とその置換位置は限定 されない。Ar 1 およびAr 2 の好ましい例としては、フェニル基、イミダ ゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリ ル基、ベンゾピラゾリル基、トリアゾリル基 、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イソ チアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オ キサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チア ジアゾリル基、ピロリル基、ベンゾピロリル 基、インドリル基、イソオキサゾリル基、ベ ンゾイソオキサゾリル基、チオフェニル基、 ベンゾチオフェニル基、フラニル基、ベンゾ フラニル基、ピリジニル基、キノリニル基、 イソキノリニル基、ピリダジニル基、ピリミ ジニル基、ピラジニル基、シンノリニル基、 フタラジニル基、キナゾリニル基、キノクサ リニル基、またはトリアジニル基が挙げられ る。

 Ar 1 およびAr 2 としてより好ましくはピリジニル基、ピリミ ジニル基、ピリダジニル基、ピロリル基、イ ミダゾリル基、ピラゾリル基、トリアゾリル 基、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、 チアゾリル基、イソチアゾリル基、またはチ アジアゾリル基であり、更に好ましい例は、 ピラゾリル基、チアゾリル基、イソチアゾリ ル基、またはチアジアゾリル基である。特に 好ましくはピラゾリル基またはチアジアゾリ ル基である。

 これらの基は更に置換基を有していても い。

 Ar 1 およびAr 2 に置換する基としては、ハロゲン原子、アル キル基、アルケニル基、アルキニル基、アラ ルキル基、アリール基、複素環基、シアノ基 、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシル基 、アルコキシ基、アリールオキシ基、シリル オキシ基、複素環オキシ基、アシルオキシ基 、カルバモイルオキシ基、アルコキシカルボ ニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオ キシ基、アミノ基、アシルアミノ基、アミノ カルボニルアミノ基、アルコキシカルボニル アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ 基、スルファモイルアミノ基、アルキルもし くはアリールスルホニルアミノ基、メルカプ ト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、複 素環チオ基、スルファモイル基、スルホ基、 アルキルもしくはアリールスルフィニル基、 アルキルもしくはアリールスルホニル基、ア シル基、アリールオキシカルボニル基、アル コキシカルボニル基、カルバモイル基、アリ ールもしくは複素環アゾ基、イミド基、ホス フィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニルオ キシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル基、 およびイオン性親水性基が挙げられる。より 好ましくは、ハロゲン原子、アルキル基、ア リール基、複素環基、シアノ基、アミノ基、 アシルアミノ基およびアルキルまたはアリー ルスルホニル基であり、更に好ましくはアル キル基、アリール基、シアノ基、-SO 2 CH 3 および-SO 2 Phである。 

 Ar 1 およびAr 2 として好ましくはピラゾリル基であり、その 置換基がアルキル基、アリール基、シアノ基 、-SO 2 CH 3 および-SO 2 Phであり、最も好ましくはピラゾリル基の置 基がアリール基、およびシアノ基である。 た、Ar 1 およびAr 2 として好ましくはチアジアゾリル基でもあり 、その置換基がアルキル基、フェニル基、ア ルコキシ基、チオアルコキシ基、フェノキシ 基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アル キルアミノ基、及びアリールアミノ基から選 ばれる基であり、アルキル基、フェニル基、 アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキル アミノ基、またはアリールアミノ基が好まし く、更に好ましくはアルキル基、およびアリ ール基である。

 ここで前記Ar 1 およびAr 2 に置換しうる置換基(SUB)の詳細を説明する。

 ハロゲン原子としては、例えば、フッ素 子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙 られる。

 アルキル基としては、直鎖、分岐、環状の 換もしくは無置換のアルキル基が挙げられ シクロアルキル基、ビシクロアルキル基、 に環構造が多いトリシクロ構造なども包含 るものである。以下に説明する置換基の中 アルキル基(例えば、アルコキシ基、アルキ ルチオ基のアルキル基)もこのような概念の ルキル基を表す。詳細には、アルキル基と ては、好ましくは、置換基を除いた状態で 素数1から30のアルキル基であり、炭素数1か 20のアルキル基がより好ましく、炭素数1か 15の置換もしくは無置換のアルキル基が好 しい。例えば、メチル基、エチル基、n-プロ ピル基、イソプロピル基、t-ブチル基、n-オ チル基、エイコシル基、2-クロロエチル基、 2-シアノエチル基、2―エチルヘキシル基等が 挙げられる。シクロアルキル基としては、好 ましくは、置換基を除いた状態で炭素数3か 30の置換または無置換のシクロアルキル基で あり、より好ましくは炭素数3から20のシクロ アルキル基であり、炭素数3から15のシクロア ルキル基が更に好ましい。シクロアルキル基 の好ましい例として、シクロヘキシル基、シ クロペンチル基、4-n-ドデシルシクロヘキシ 基等が挙げられ、ビシクロアルキル基とし は、好ましくは、置換基を除いた状態で炭 数5から30の置換もしくは無置換のビシクロ ルキル基が好ましく、炭素数5から20のビシ ロアルキル基がより好ましく、炭素数5から1 5のビシクロアルキル基が更に好ましい。つ り、炭素数5から30のビシクロアルカンから 素原子を一個取り去った一価の基、例えば ビシクロ[1,2,2]ヘプタン-2-イル基、ビシクロ[ 2,2,2]オクタン-3-イル基等が挙げられる。置換 基の例には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、 シアノ基、ハロゲン原子およびイオン性親水 性基が含まれる。
 但し、ここではアリール基が置換したアル ル基(アラルキル基)は含まないものとする

 アルケニル基としては、直鎖、分岐、環 の置換もしくは無置換のアルケニル基が挙 られ、シクロアルケニル基、ビシクロアル ニル基を包含する。詳細には、アルケニル としては、好ましくは、アルケニル基の置 基を除いた状態で炭素数2から30、より好ま くは炭素数2から20、更に好ましくは炭素数2 から15の置換または無置換のアルケニル基、 えば、ビニル基、アリル基、プレニル基、 ラニル基、オレイル基等が挙げられ、シク アルケニル基としては、好ましくは、シク アルケニル基の置換基を除いた状態で炭素 3から30、より好ましくは炭素数3から20、更 好ましくは炭素数3から15の置換もしくは無 換のシクロアルケニル基である。つまり、 素数3から30のシクロアルケンの水素原子を 個取り去った一価の基、例えば、2-シクロ ンテン-1-イル基、2-シクロヘキセン-1-イル基 等が挙げられ、ビシクロアルケニル基として は、好ましくは、ビシクロアルケニル基の置 換基を除いた状態で炭素数5から30、より好ま しくは炭素数5から20、更に好ましくは炭素数 5から15の置換もしくは無置換のビシクロアル ケニル基である。つまり二重結合を一個持つ ビシクロアルケンの水素原子を一個取り去っ た一価の基、例えば、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2 -エン-1-イル基、ビシクロ[2,2,2]オクト-2-エン- 4-イル基等が挙げられる。置換基の例には、 ドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハ ゲン原子およびイオン性親水性基が含まれ 。

 アルキニル基としては、好ましくは、置 基を除いた状態の炭素数2から30、より好ま くは炭素数2から20、更に好ましくは2から15 置換または無置換のアルキニル基、例えば エチニル基、プロパルギル基、トリメチル リルエチニル基等が挙げられる。置換基の には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シア 基、ハロゲン原子およびイオン性親水性基 含まれる。

 アラルキル基としては、置換基を有する ラルキル基および無置換のアラルキル基が まれる。アラルキル基としては、置換基を いたときの炭素原子数が7から30、より好ま くは7から20、さらに好ましくは7から15であ 置換もしくは無置換のアラルキル基が好ま い。アラルキル基の例には、ベンジル基、 よび2-フェネチル基が含まれる。置換基の には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シア 基、ハロゲン原子およびイオン性親水性基 含まれる。

 アリール基としては、好ましくは、置換 を除いた状態の炭素数6から30、より好まし は炭素数6から20、更に好ましくは炭素数6か ら15の置換もしくは無置換のアリール基であ 。例えば、フェニル基、p-トリル基、ナフ ル基、m-クロロフェニル基、o-ヘキサデカノ ルアミノフェニル基等が挙げられる。置換 の例には、アルキル基、アリール基、ヒド キシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲ 原子およびイオン性親水性基が含まれる。

 複素環基としては、好ましくは、5または 6員の置換もしくは無置換の芳香族もしくは 芳香族の複素環化合物から一個の水素原子 取り除いた一価の基であり、更に好ましく 、複素環基の置換基を除いた状態で炭素数2 ら30、より好ましくは炭素数2から20、更に ましくは炭素数2から15の5または6員の芳香族 の複素環基である。例えば、2-フリル基、2- エニル基、2-ピリミジニル基、2-ベンゾチア リル基等が挙げられる。置換基の例には、 ルキル基、アリール基、ヒドロキシ基、ア コキシ基、シアノ基、ハロゲン原子および オン性親水性基が含まれる。

 アルコキシ基としては、好ましくは、置 基を除いた状態の炭素数1から30、より好ま くは炭素数1から20、更に好ましくは炭素数1 から15の置換もしくは無置換のアルコキシ基 表し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、 ソプロポキシ基、t-ブトキシ基、n-オクチル オキシ基、2-メトキシエトキシ基等が挙げら る。置換基の例には、アリール基、ヒドロ シ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン 子およびイオン性親水性基が含まれる。

 アリールオキシ基としては、好ましくは 置換基を除いた状態の炭素数6から30、より ましくは炭素数6から20、更に好ましくは炭 数6から15の置換もしくは無置換のアリール キシ基を表し、例えば、フェノキシ基、2- チルフェノキシ基、4-t-ブチルフェノキシ基 3-ニトロフェノキシ基、2-テトラデカノイル アミノフェノキシ基等が挙げられる。置換基 の例には、アルキル基、アリール基、ヒドロ キシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン 原子およびイオン性親水性基が含まれる。

 シリルオキシ基としては、好ましくは、 換基を除いた状態の炭素数0から20、より好 しくは炭素数0から15の置換もしくは無置換 シリルオキシ基を表し、例えば、トリメチ シリルオキシ基、ジフェニルメチルシリル キシ基等が挙げられる。置換基の例には、 ルキル基、アリール基、および複素環基が まれる。

 複素環オキシ基としては、好ましくは、 換基を除いた状態の炭素数2から30、より好 しくは炭素数2から20、更に好ましくは炭素 2から15の置換もしくは無置換の複素環オキ 基を表し、例えば、1-フェニルテトラゾー -5-オキシ基、2-テトラヒドロピラニルオキシ 基等が挙げられる。置換基の例には、アルキ ル基、アリール基、ヒドロキシ基、アルコキ シ基、シアノ基、ハロゲン原子およびイオン 性親水性基が含まれる。

 アシルオキシ基としては、好ましくは、 ルミルオキシ基、置換基を除いた状態で炭 数2から30の置換もしくは無置換のアルキル ルボニルオキシ基であり、置換基を除いた 態で炭素数6から30、より好ましくは炭素数6 から20、更に好ましくは炭素数6から15の置換 しくは無置換のアリールカルボニルオキシ である。例えば、アセチルオキシ基、ピバ イルオキシ基、ステアロイルオキシ基、ベ ゾイルオキシ基、p-メトキシフェニルカル ニルオキシ基等が挙げられる。置換基の例 は、アルキル基、およびアリール基が含ま る。

 カルバモイルオキシ基としては、好まし は、置換基を除いた状態の炭素数1から30、 り好ましくは炭素数1から20、更に好ましく 炭素数1から15の置換もしくは無置換のカル モイルオキシ基、例えば、N,N-ジメチルカル バモイルオキシ基、N,N-ジエチルカルバモイ オキシ基、モルホリノカルボニルオキシ基 N,N-ジ-n-オクチルアミノカルボニルオキシ基 N-n-オクチルカルバモイルオキシ基等が挙げ られる。置換基の例には、アルキル基、アリ ール基、および複素環基が含まれる。

 アルコキシカルボニルオキシ基としては 好ましくは、置換基を除いた状態の炭素数2 から30、より好ましくは炭素数2から20、更に ましくは炭素数2から15の置換もしくは無置 アルコキシカルボニルオキシ基、例えば、 トキシカルボニルオキシ基、エトキシカル ニルオキシ基、t-ブトキシカルボニルオキ 基、n-オクチルカルボニルオキシ基等が挙げ られる。置換基の例には、ヒドロキシ基、ア ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子および イオン性親水性基が含まれる。

 アリールオキシカルボニルオキシ基とし は、好ましくは、置換基を除いた状態の炭 数7から30、より好ましくは炭素数7から20、 に好ましくは炭素数7から15の置換もしくは 置換のアリールオキシカルボニルオキシ基 例えば、フェノキシカルボニルオキシ基、p -メトキシフェノキシカルボニルオキシ基、p- n-ヘキサデシルオキシフェノキシカルボニル キシ基等が挙げられる。置換基の例には、 ルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、 アノ基、ハロゲン原子およびイオン性親水 基が含まれる。

 アミノ基としては、アルキルアミノ基、 リールアミノ基、複素環アミノ基を含み、 ましくは、アミノ基、置換基を除いた状態 炭素数が1から30、より好ましくは1から20、 に好ましくは1から15の置換もしくは無置換 アルキルアミノ基であり、置換基を除いた 態の炭素数が6から30、より好ましくは6から 20、更に好ましくは6から15の置換もしくは無 換のアリールアミノ基であり、例えば、メ ルアミノ基、ジメチルアミノ基、アニリノ 、N-メチル-アニリノ基、ジフェニルアミノ 等が挙げられる。置換基の例にはアルキル 、アリール基、複素環基、ヒドロキシ基、 ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子およ イオン性親水性基が含まれる。

 アシルアミノ基としては、好ましくは、 ルミルアミノ基、置換基を除いた状態の炭 数が1から30、より好ましくは1から20、更に ましくは1から15の置換もしくは無置換のア キルカルボニルアミノ基、置換基を除いた 態の炭素数が6から30、より好ましくは6から 20、更に好ましくは6から15の置換もしくは無 換のアリールカルボニルアミノ基であり、 えば、アセチルアミノ基、ピバロイルアミ 基、ラウロイルアミノ基、ベンゾイルアミ 基、3,4,5-トリ-n-オクチルオキシフェニルカ ボニルアミノ基等が挙げられる。置換基の には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シア 基、ハロゲン原子およびイオン性親水性基 含まれる。

 アミノカルボニルアミノ基としては、好 しくは、置換基を除いた状態の炭素数1から 30、より好ましくは炭素数1から20、更に好ま くは炭素数1から15の置換もしくは無置換の レイド基、例えば、ウレイド基、N,N-ジメチ ルウレイド基、N,N-ジエチルウレイド基、モ ホリノカルボニルアミノ基等が挙げられる 置換基の例には、アルキル基、アリール基 および複素環基が含まれる。

 アルコキシカルボニルアミノ基としては 好ましくは、置換基を除いた状態の炭素数2 から30、より好ましくは炭素数2から20、更に ましくは炭素数2から15の置換もしくは無置 アルコキシカルボニルアミノ基を表し、例 ば、メトキシカルボニルアミノ基、エトキ カルボニルアミノ基、t-ブトキシカルボニ アミノ基、n-オクタデシルオキシカルボニル アミノ基、N-メチルーメトキシカルボニルア ノ基等が挙げられる。置換基の例には、ヒ ロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロ ン原子およびイオン性親水性基が含まれる

 アリールオキシカルボニルアミノ基とし は、好ましくは、置換基を除いた状態の炭 数7から30、より好ましくは炭素数7から20、 に好ましくは炭素数7から15の置換もしくは 置換のアリールオキシカルボニルアミノ基 表し、例えば、フェノキシカルボニルアミ 基、p-クロロフェノキシカルボニルアミノ 、m-n-オクチルオキシフェノキシカルボニル ミノ基等が挙げられる。置換基の例には、 ドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハ ゲン原子およびイオン性親水性基が含まれ 。

 スルファモイルアミノ基としては、好ま くは、置換基を除いた状態の炭素数0から30 より好ましくは炭素数0から20、更に好まし は炭素数0から15の置換もしくは無置換のス ファモイルアミノ基、例えば、スルファモ ルアミノ基、N,N-ジメチルアミノスルホニル アミノ基、N-n-オクチルアミノスルホニルア ノ基等が挙げられる。置換基の例には、ア キル基、アリール基、および複素環基が含 れる。

 アルキルもしくはアリールスルホニルア ノ基としては、好ましくは、置換基を除い 状態の炭素数が1から30、より好ましくは1か ら20、更に好ましくは1から15の置換もしくは 置換のアルキルスルホニルアミノ基であり 炭素数が6から30、より好ましくは6から20、 に好ましくは6から15の置換もしくは無置換 アリールスルホニルアミノ基である。例え 、メチルスルホニルアミノ基、ブチルスル ニルアミノ基、フェニルスルホニルアミノ 、2,3,5-トリクロロフェニルスルホニルアミ 基、p-メチルフェニルスルホニルアミノ基 が挙げられる。置換基の例には、ヒドロキ 基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原 およびイオン性親水性基が含まれる。

 アルキルチオ基としては、好ましくは、 換基を除いた状態の炭素数1から30、より好 しくは炭素数1から20、更に好ましくは炭素 1から15の置換もしくは無置換のアルキルチ 基、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基 n-ヘキサデシルチオ基等が挙げられる。置 基の例には、アリール基、ヒドロキシ基、 ルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子およ イオン性親水性基が含まれる。

 アリールチオ基としては、好ましくは、 換基を除いた状態の炭素数6から30、より好 しくは炭素数6から20、更に好ましくは炭素 6から15の置換もしくは無置換のアリールチ 基、例えば、フェニルチオ基、p-クロロフ ニルチオ基、m-メトキシフェニルチオ基等が 挙げられる。置換基の例には、アルキル基、 アリール基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、 シアノ基、ハロゲン原子およびイオン性親水 性基が含まれる。

 複素環チオ基としては、好ましくは、置 基を除いた状態の炭素数2から30、より好ま くは炭素数2から20、更に好ましくは炭素数2 から15の置換または無置換の複素環チオ基、 えば、2-ベンゾチアゾリルチオ基、1-フェニ ルテトラゾール-5-イルチオ基等が挙げられる 。置換基の例には、アルキル基、アリール基 、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シアノ基、 ハロゲン原子およびイオン性親水性基が含ま れる。

 スルファモイル基としては、好ましくは 置換基を除いた状態の炭素数0から30、より ましくは炭素数0から20、更に好ましくは炭 数0から15の置換もしくは無置換のスルファ イル基、例えば、N-エチルスルファモイル 、N-(3-ドデシルオキシプロピル)スルファモ ル基、N,N-ジメチルスルファモイル基、N-ア チルスルファモイル基、N-ベンゾイルスルフ ァモイル基、N-(N‘-フェニルカルバモイル)ス ルファモイル基等が挙げられる。置換基の例 には、アルキル基、アリール基、および複素 環基が含まれる。

 アルキルまたはアリールスルフィニル基 しては、好ましくは、置換基を除いた状態 炭素数が1から30、より好ましくは1から20、 に好ましくは1から15の置換または無置換の ルキルスルフィニル基であり、置換基を除 た状態の炭素数が6から30、より好ましくは6 から20、更に好ましくは6から15の置換または 置換のアリールスルフィニル基、例えば、 チルスルフィニル基、エチルスルフィニル 、フェニルスルフィニル基、p-メチルフェ ルスルフィニル基等が挙げられる。置換基 例には、ヒドロキシ基、アルコキシ基、シ ノ基、ハロゲン原子およびイオン性親水性 が含まれる。

 アルキルまたはアリールスルホニル基と ては、好ましくは、置換基を除いた状態の 素数が1から30、より好ましくは1から20、更 好ましくは1から15の置換または無置換のア キルスルホニル基、置換基を除いた状態の 素数が6から30、より好ましくは6から20、更 好ましくは6から15の置換または無置換のア ールスルホニル基、例えば、メチルスルホ ル基、エチルスルホニル基、フェニルスル ニル基、p-メチルフェニルスルホニル基等 挙げられる。置換基の例には、ヒドロキシ 、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲン原子 よびイオン性親水性基が含まれる。

 アシル基としては、好ましくは、ホルミ 基、置換基を除いた状態の炭素数が2から30 より好ましくは2から20、更に好ましくは2か ら15の置換または無置換のアルキルカルボニ 基、置換基を除いた状態の炭素数が7から30 より好ましくは7から20、更に好ましくは7か ら15の置換もしくは無置換のアリールカルボ ル基、置換基を除いた状態の炭素数が2から 30、より好ましくは2から20、更に好ましくは2 から15の置換もしくは無置換の炭素原子でカ ボニル基と結合している複素環カルボニル 、例えば、アセチル基、ピバロイル基、2- ロロアセチル基、ステアロイル基、ベンゾ ル基、p-n-オクチルオキシフェニルカルボニ 基、2-ピリジルカルボニル基、2-フリルカル ボニル基等が挙げられる。置換基の例には、 アルキル基、アリール基、および複素環基が 含まれる。

 アリールオキシカルボニル基としては、 ましくは、アリールオキシカルボニル基の 換基を除いた状態で炭素数7から30、より好 しくは炭素数7から20、更に好ましくは炭素 7から15の置換もしくは無置換のアリールオ シカルボニル基、例えば、フェノキシカル ニル基、o-クロロフェノキシカルボニル基 m-ニトロフェノキシカルボニル基、p-t-ブチ フェノキシカルボニル基等が挙げられる。 換基の例には、ヒドロキシ基、アルコキシ 、シアノ基、ハロゲン原子およびイオン性 水性基が含まれる。

 アルコキシカルボニル基としては、好ま くは、アルコキシカルボニル基の置換基を いた状態で炭素数2から30、より好ましくは 素数2から20、更に好ましくは炭素数2から15 置換もしくは無置換アルコキシカルボニル 、例えば、メトキシカルボニル基、エトキ カルボニル基、t-ブトキシカルボニル基、n- オクタデシルオキシカルボニル基等が挙げら れる。置換基の例には、ヒドロキシ基、アル コキシ基、シアノ基、ハロゲン原子およびイ オン性親水性基が含まれる。

 カルバモイル基としては、好ましくは、 ルバモイル基の置換基を除いた状態で炭素 1から30、より好ましくは炭素数1から20、更 好ましくは炭素数1から15の置換もしくは無 換のカルバモイル基、例えば、カルバモイ 基、N-メチルカルバモイル基、N,N-ジメチル ルバモイル基、N,N-ジ-n-オクチルカルバモイ ル基、N-(メチルスルホニル)カルバモイル基 が挙げられる。置換基の例には、アルキル 、アリール基、および複素環基が含まれる

 アリールまたは複素環アゾ基としては、 ましくは置換基を除いた状態の炭素数が6か ら30、より好ましくは6から20、更に好ましく 6から15の置換もしくは無置換のアリールア 基、置換基を除いた状態の炭素数が3から30 より好ましくは3から20、更に好ましくは3か ら15の置換もしくは無置換の複素環アゾ基、 えば、フェニルアゾ、p-クロロフェニルア 、5-エチルチオ-1,3,4-チアジアゾール-2-イル ゾ等が挙げられる。置換基の例には、ヒド キシ基、アルコキシ基、シアノ基、ハロゲ 原子およびイオン性親水性基が含まれる。

 イミド基としては、好ましくは、イミド の置換基を除いた状態で炭素数0から30、よ 好ましくは炭素数0から20、更に好ましくは 素数0から15の置換もしくは無置換のイミド を表し、N-スクシンイミド基、N-フタルイミ ド基等が挙げられる。置換基の例には、アル キル基、アリール基、および複素環基が含ま れる。

 ホスフィノ基としては、好ましくは、置 基を除いた状態の炭素数が0から30、より好 しくは0から20、更に好ましくは0から15の置 もしくは無置換のホスフィノ基、例えば、 メチルホスフィノ基、ジフェニルホスフィ 基、メチルフェノキシホスフィノ基等が挙 られる。

 ホスフィニル基としては、好ましくは、 換基を除いた状態の炭素数が0から30、より ましくは0から20、更に好ましくは0から15の 換もしくは無置換のホスフィニル基、例え 、ホスフィニル基、ジオクチルオキシホス ィニル基、ジエトキシホスフィニル基等が げられる。置換基の例には、アルキル基、 リール基、および複素環基が含まれる。

 ホスフィニルオキシ基としては、好まし は、置換基を除いた状態の炭素数が0から30 より好ましくは0から20、更に好ましくは0か ら15の置換もしくは無置換のホスフィニルオ シ基、例えば、ジフェノキシホスフィニル キシ基、ジオクチルオキシホスフィニルオ シ基等が挙げられる。置換基の例には、ア キル基、アリール基、および複素環基が含 れる。

 ホスフィニルアミノ基としては、好まし は、置換基を除いた状態の炭素数が0から30 より好ましくは0から20、更に好ましくは0か ら15の置換もしくは無置換のホスフィニルア ノ基、例えば、ジメトキシホスフィニルア ノ基、ジメチルアミノホスフィニルアミノ が挙げられる。置換基の例には、アルキル 、アリール基、および複素環基が含まれる

 シリル基としては、好ましくは、置換基 除いた状態の炭素数が0から30、より好まし は0から20、更に好ましくは0から15の置換も くは無置換のシリル基、例えば、トリメチ シリル基、t-ブチルジメチルシリル基、フ ニルジメチルシリル基等が挙げられる。置 基の例には、アルキル基、アリール基、複 環基が含まれる。

 イオン性親水性基としては、スルホ基、カ ボキシル基、ホスホノ基、および4級アンモ ニウム基等が含まれる。イオン性親水性基と しては、カルボキシル基およびスルホ基が好 ましく、特にカルボキシル基が好ましい。カ ルボキシル基およびスルホ基は塩の状態であ ってもよく、塩を形成する対イオンの例には 、アルカリ金属イオン(例、リチウムイオン ナトリウムイオン、カリウムイオン)および 機カチオン(例、テトラメチルグアニジウム イオン)が含まれる。
 塩の状態のイオン性親水性基の例としては スルホン酸リチウム、カルボン酸カリウム テトラメチルアンモニウムクロリドが挙げ れる。

 上記の置換基の中で、水素原子を有する のは、該水素原子が上記の置換基で置換さ ていても良い。そのような置換基の例とし は、アルキルカルボニルアミノスルホニル 、アリールカルボニルアミノスルホニル基 アルキルスルホニルアミノカルボニル基、 リールスルホニルアミノカルボニル基が挙 られる。その例としては、メチルスルホニ アミノカルボニル基、p-メチルフェニルス ホニルアミノカルボニル基、アセチルアミ スルホニル基、ベンゾイルアミノスルホニ 基が挙げられる。

 A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子または置換基を 表す。該置換基としては前記置換基(SUB)に記 のものが適用できる。A 1 およびA 2 として好ましくは水素原子、ハロゲン原子、 アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、 アラルキル基、アリール基、複素環基、シア ノ基、ヒドロキシ基、ニトロ基、カルボキシ ル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、シ リルオキシ基、複素環オキシ基、アシルオキ シ基、カルバモイルオキシ基、アルコキシカ ルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニ ルオキシ基、アミノ基、アシルアミノ基、ア ミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボ ニルアミノ基、アリールオキシカルボニルア ミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル もしくはアリールスルホニルアミノ基、メル カプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基 、複素環チオ基、スルファモイル基、スルホ 基、アルキルもしくはアリールスルフィニル 基、アルキルもしくはアリールスルホニル基 、アシル基、アリールオキシカルボニル基、 アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、 アリールもしくは複素環アゾ基、イミド基、 ホスフィノ基、ホスフィニル基、ホスフィニ ルオキシ基、ホスフィニルアミノ基、シリル 基またはイオン性親水性基を表し、より好ま しくは水素原子、ハロゲン原子、アルキル基 、アルケニル基、アルキニル基、アリール基 、複素環基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、 アリールオキシ基、複素環オキシ基、アミノ 基、アルキル基、アリール基もしくは複素環 基で置換されたアミノ基、チオ基、アルキル もしくはアリールチオ基、複素環チオ基、ま たはイオン性親水性基を表す。その中でも好 ましいA 1 およびA 2 としては水素原子、総炭素数1から8のアルキ 基または総炭素数6から12のアリール基であ 、水素原子、イソプロピル基、sec-ブチル基 またはtert-ブチル基が最も好ましい。各基は に置換基を有していても良い。

 Yは-OMまたは-NR 1 R 2 を表し、Mは水素原子または金属イオンを表 、R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に水素原子もしくはアルキル 基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキ ル基、アリール基または複素環基を表す。Y して好ましくは-OMである。Mとして好ましく 水素原子、アルカリ金属イオンであり、更 好ましくは、アルカリ金属イオンである。 ルカリ金属イオンの中でも、リチウムイオ 、ナトリウムイオン、またはカリウムイオ がより好ましく、リチウムイオン、または リウムイオンが更に好ましい。Yが-NR 1 R 2 である場合、R 1 およびR 2 はそれぞれ前記置換基(SUB)に記載の対応する が適用できる。R 1 およびR 2 としてより好ましくは水素原子、アルキル基 またはアリール基であり、更に好ましくは水 素原子またはアルキル基であり、特に好まし くは水素原子である。

 以上をまとめると、本発明の一般式(1)は、 記(イ)~(ハ)の組み合わせからなるものが好 しい。
(イ)Ar 1 およびAr 2 はそれぞれ独立に、好ましくは、ピラゾリル 基、チアゾリル基、イソチアゾリル基、また はチアジアゾリル基であり、特に好ましくは ピラゾリル基またはチアジアゾリル基である 。ピラゾリル基の置換基として好ましくはア ルキル基、アリール基、シアノ基、-SO 2 CH 3 または-SO 2 Phであり、最も好ましくはピラゾリル基の置 基がアリール基、またはシアノ基であり、 アジアゾリル基の置換基として好ましくは アルキル基またはアリール基である。
(ロ)A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子、総炭素数1か 8のアルキル基、総炭素数6から12のアリール が好ましく、水素原子、イソプロピル基、s ec-ブチル基、またはtert-ブチル基がより好ま く、tert-ブチル基が最も好ましい。
(ハ)Yは-OMまたは-NR 1 R 2 を表し、好ましくはYは-OMである。Mはアルカ 金属イオンが好ましく、アルカリ金属イオ の中でも、リチウムイオンまたはカリウム オンが更に好ましい。R 1 およびR 2 はそれぞれ独立に、好ましくは水素原子また はアルキル基であり、特に好ましくは水素原 子である。
 なお、一般式(1)で表される化合物は、種々 置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基 である化合物が好ましく、置換基のより多く が前記の好ましい基である化合物がより好ま しく、全ての置換基が前記の好ましい基であ る化合物が最も好ましい。

 一般式(1)で表される化合物の中でも、下 一般式(2)で表される化合物がより好ましい

 上記一般式(2)中、A 1 、A 2 、Yは一般式(1)におけるA 1 、A 2 、Yと同義である。Y 1 、およびY 2 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 す。

 X 1 およびX 2 はそれぞれ独立にハメットのσp値0.20以上の 子求引性基を表す。

 Z 1 、Z 2 はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、 アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基 、アリール基、または複素環基を表す。

 以下に、一般式(2)の基について詳細に説 する。

 A 1 、A 2 、及びYは一般式(1)で説明した詳細と同義で る。

 Y 1 およびY 2 として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子 、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基 、アラルキル基、アリール基、複素環基、シ アノ基、カルバモイル基、アルコキシカルボ ニル基、アリールオキシカルボニル基、アシ ル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリー ルオキシ基、シリルオキシ基、アシルオキシ 基、カルバモイルオキシ基、複素環オキシ基 、アルコキシカルボニルオキシ基、アリール オキシカルボニルオキシ基、アミノ基、アル キル基、アリール基もしくは複素環基で置換 されたアミノ基、アシルアミノ基、スルファ モイルアミノ基、アルコキシカルボニルアミ ノ基、アルキルもしくはアリールスルホニル アミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ 基、ニトロ基、チオ基、アルキルもしくはア リールチオ基、アシルチオ基、カルバモイル チオ基、複素環チオ基、アルコキシカルボニ ルチオ基、アリールオキシカルボニルチオ基 、アルキルもしくはアリールスルフィニル基 、スルファモイル基、イオン性親水性基、ま たはアシルアミノ基である。前記の各基は前 記置換基(SUB)に記載の対応する基の記載が適 できる。

 Y 1 およびY 2 として更に好ましくは水素原子、ハロゲン原 子、アルキル基、アリール基、複素環基、シ アノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、ア ミノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニ ルアミノ基、アリールスルホニルアミノ基、 スルファモイル基、アルキルスルホニル基、 アリールスルホニル基、カルバモイル基、ま たはアルコキシカルボニル基であり、特に水 素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリー ル基、シアノ基、アルキルスルホニル基、ア リールスルホニル基、または複素環基が好ま しく、水素原子が最も好ましい。

 置換基σp値が0.20以上のX 1 およびX 2 として好ましくは、アシル基、アシルオキシ 基、カルボキシル基、カルバモイル基、アル コキシカルボニル基、アリールオキシカルボ ニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホ スホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリー ルホスフィニル基、アルキルチオ基、アリー ルチオ基、アルキルスルフィニル基、アリー ルスルフィニル基、アルキルスルホニル基、 アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基 、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシ アネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化 アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロ ゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキ ルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp 値が0.20以上の他の置換基で置換されたアリ ル基、複素環基、ハロゲン原子、アゾ基お びセレノシアネート基が挙げられる。前記 各基は前記置換基(SUB)に記載の対応する基の 記載が適用できる。

 好ましいX 1 およびX 2 は、シアノ基、カルバモイル基、アルコキシ カルボニル基、アルキルスルホニル基、アリ ールスルホニル基、またはハロゲン原子であ り、より好ましくは、シアノ基、アルコキシ カルボニル基、アルキルスルホニル基、また はアリールスルホニル基であり、最も好まし くはシアノ基、アルキルスルホニル基、また はアリールスルホニル基である。この中でも シアノ基が最も好ましい。

 Z 1 およびZ 2 として好ましくは、アルキル基、シクロアル キル基、アラルキル基、アルケニル基、アル キニル基、アリール基、複素環基、アルキル スルフィニル基、アリールスルフィニル基、 アルキルスルホニル基、アリールスルホニル 基、アシル基、アリールオキシ基、アリール オキシカルボニル基、アルコキシカルボニル 基、カルバモイル基、ホスフィノ基、ホスフ ィニル基、またはシリル基を挙げることがで き、各々はさらに置換基を有していてもよい 。

 Z 1 およびZ 2 の中でも特に好ましいものは、アルキル基、 アリール基、複素環基、アルキルスルホニル 基、アリールスルホニル基、アシル基、アリ ールカルボニル基またはカルバモイル基がよ り好ましく、置換アリール基が更に好ましい 。

 以上をまとめると、本発明の一般式(2)は、 記(イ)~(ホ)の組み合わせからなるものが好 しい。
(イ)Y 1 およびY 2 はそれぞれ独立に、特に水素原子、ハロゲン 原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、 アルキルスルホニル基、アリールスルホニル 基、または複素環基が好ましく、水素原子が 最も好ましい。
(ロ)A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子、総炭素数1か 8のアルキル基、総炭素数6から12のアリール が好ましく、イソプロピル基、sec-ブチル基 、またはtert-ブチル基がより好ましく、tert- チル基が最も好ましい。
(ハ)X 1 およびX 2 はそれぞれ独立に、シアノ基、アルキルスル ホニル基、またはアリールスルホニル基が好 ましくシアノ基が更に好ましい。
(ニ)Z 1 およびZ 2 はそれぞれ独立に、アルキル基、アリール基 、複素環基、アルキルスルホニル基、アリー ルスルホニル基、アシル基、アリールカルボ ニル基またはカルバモイル基がより好ましく 、置換アリール基が更に好ましい。該置換ア リール基は少なくとも2つ(好ましくは2つ)が ルホ基またはカルボキシル基を置換基とし 有するフェニル基が好ましい。
(ホ)Yは-OMが好ましい。Mはアルカリ金属イオ が好ましく、アルカリ金属イオンの中でも リチウムイオンまたはカリウムイオンが更 好ましい。
 なお、一般式(2)で表される化合物は、種々 置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基 である化合物が好ましく、置換基のより多く が前記の好ましい基である化合物がより好ま しく、全ての置換基が前記の好ましい基であ る化合物が最も好ましい。

 一般式(2)で表される化合物の中でも、下 一般式(3)で表される化合物がさらに好まし 。

 上記一般式(3)中、A 1 、A 2 、X 1 、X 2 、Y 1 、Y 2 は一般式(2)におけるA 1 、A 2 、X 1 、X 2 、Y 1 、Y 2 と同義である。W 11 、W 12 、W 13 、W 14 、W 15 、W 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 す。

 Mは水素原子または金属イオンを表す。

 以下に、一般式(3)の基について詳細に説 する。

 A 1 およびA 2 は一般式(1)で説明した詳細と同義である。

 Y 1 およびY 2 は、一般式(2)で説明した詳細と同義である。

 X 1 およびX 2 は、一般式(2)で説明した詳細と同義である。

 W 11 、W 12 、W 13 、W 14 、W 15 、W 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 として好ましくは、水素原子、ハロゲン原子 、アルキル基、アリール基、複素環基、シア ノ基、アルコキシ基、アシルアミノ基、アミ ノカルボニルアミノ基、アルキルスルホニル アミノ基、アリールスルホニルアミノ基、ス ルファモイル基、アルキルスルホニル基、ア リールスルホニル基、カルバモイル基、アル コキシカルボニル基、スルホ基(それらの塩 含む)、カルボキシル基(それらの塩を含む) 水酸基(塩でもよい)、ホスホノ基(塩でもよ )又は4級アンモニウムであり、その中でも水 素原子、ハロゲン原子、アルキル基、スルホ 基(それらの塩を含む)、カルボキシル基(それ らの塩を含む)、水酸基(塩でもよい) (それら の塩を含む)が好ましく、更に水素原子、ス ホ基(それらの塩を含む)、またはカルボキシ ル基(それらの塩を含む)が好ましく、特にW 11 、W 12 、W 13 、W 14 及びW 15 のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩 含む)、またはカルボキシル基(それらの塩 含む)で、且つW 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩 含む)、またはカルボキシル基(それらの塩 含む)である場合が好ましい。W 11 ~W 15 の中の2つ、かつ、W 21 ~W 25 の中の2つがカルボキシル基(それらの塩を含 )であり、かつ他は水素原子である場合が好 ましい。前記のハロゲン原子、アルキル基、 アリール基、複素環基、シアノ基、アルコキ シ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルア ミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、アリ ールスルホニルアミノ基、スルファモイル基 、アルキルスルホニル基、アリールスルホニ ル基、カルバモイル基、アルコキシカルボニ ル基の各基は前記置換基(SUB)に記載の対応す 基の記載が適用できる。

 Mは水素原子または金属イオンを表す。よ り好ましくは、水素原子、アルカリ金属イオ ンであり、更に好ましくは、アルカリ金属イ オンである。アルカリ金属イオンの中でも、 リチウムイオン、ナトリウムイオン、または カリウムイオンがより好ましく、リチウムイ オン、またはカリウムイオンが最も好ましい 。

 以上をまとめると、本発明の一般式(3)は、 記(イ)~(ホ)の組み合わせからなるものが好 しい。
(イ)Y 1 およびY 2 はそれぞれ独立に、特に水素原子、ハロゲン 原子、アルキル基、アリール基、シアノ基、 アルキルスルホニル基、アリールスルホニル 基、または複素環基が好ましく、水素原子、 またはアルキル基がより好ましく、水素原子 が最も好ましい。
(ロ)A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子、総炭素数1か 8のアルキル基、総炭素数6から12のアリール が好ましく、イソプロピル基、sec-ブチル基 、またはtert-ブチル基がより好ましく、tert- チル基が最も好ましい。
(ハ)X 1 およびX 2 は、シアノ基、アルキルスルホニル基、また はアリールスルホニル基が好ましくシアノ基 が更に好ましい。
(ニ)W 11 、W 12 、W 13 、W 14 、W 15 、W 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 はそれぞれ独立に、水素原子、スルホ基(そ らの塩を含む)、カルボキシル基(それらの塩 を含む)が好ましく、特にW 11 、W 12 、W 13 、W 14 及びW 15 のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩 含む)、またはカルボキシル基(それらの塩 含む)で、且つW 21 、W 22 、W 23 、W 24 及びW 25 のうち少なくとも1つがスルホ基(それらの塩 含む)、またはカルボキシル基(それらの塩 含む)である場合が好ましい。W 11 ~W 15 の中の2つ、かつ、W 21 ~W 25 の中の2つがカルボキシル基(それらの塩を含 )である場合が好ましい。
(ホ)Mはアルカリ金属イオンが好ましく、アル カリ金属イオンの中でも、リチウムイオンま たはカリウムイオンが更に好ましい。
 なお、一般式(3)で表される化合物は、種々 置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基 である化合物が好ましく、置換基のより多く が前記の好ましい基である化合物がより好ま しく、全ての置換基が前記の好ましい基であ る化合物が最も好ましい。

 一般式(1)で表される化合物の中で好まし 例として、さらに下記一般式(4)で表される 合物が挙げられる。

 上記一般式(4)中、A 1 、A 2 、Yは一般式(1)におけるA 1 、A 2 、Yと同義である。D 1 およびD 2 はそれぞれ独立に水素原子または置換基を表 す。

 以下に置換基の詳細を説明する。

 A 1 およびA 2 は一般式(1)で説明した詳細と同義である。

 Yは一般式(1)で説明した詳細と同義である 。

 D 1 およびD 2 として好ましくは、それぞれ独立に水素原子 、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキ ル基、アルケニル基、アルキニル基、アリー ル基、複素環基、シアノ基、ヒドロキシ基、 ニトロ基、アルコキシ基、アリールオキシ基 、シリルオキシ基、複素環オキシ基、アシル オキシ基、カルバモイルオキシ基、アルコキ シカルボニルオキシ基、アリールオキシカル ボニルオキシ基、アミノ基(アルキルアミノ 、アリールアミノ基)、アシルアミノ基(アミ ド基)、アミノカルボニルアミノ基(ウレイド )、アルコキシカルボニルアミノ基、アリー ルオキシカルボニルアミノ基、スルファモイ ルアミノ基、アルキルスルホニルアミノ基、 アリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ 基、アリールチオ基、複素環チオ基、スルフ ァモイル基、アルキルスルフィニル基、アリ ールスルフィニル基、アルキルスルホニル基 、アリールスルホニル基、アシル基、アリー ルオキシカルボニル基、アルキルオキシカル ボニル基、カルバモイル基、ホスフィノ基、 ホスフィニル基、ホスフィニルオキシ基、ホ スフィニルアミノ基、シリル基、アゾ基、ま たはイミド基を挙げることができ、前記の各 基は前記置換基(SUB)に記載の対応する基の記 が適用できる。各々はさらに置換基を有し いてもよい。

 D 1 およびD 2 は更に好ましくはそれぞれ独立に置換アルキ ル基、置換アリール基、置換複素環基、置換 アルキルチオ基、置換アリールチオ基、置換 複素環チオ基、置換アルキルアミノ基、置換 アリールアミノ基、置換複素環基が好ましく 、その中でも置換アリール基、置換アリール チオ基が好ましく、特に置換アリール基が好 ましい。該置換アリール基は少なくとも2つ( ましくは2つ)がスルホ基またはカルボキシ 基を有するフェニル基が好ましい。

 以上をまとめると、本発明の一般式(4)は、 記(イ)~(ハ)の組み合わせからなるものが好 しい。
(イ)A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子、総炭素数1か 8のアルキル基、総炭素数6から12のアリール が好ましく、イソプロピル基、sec-ブチル基 、またはtert-ブチル基がより好ましく、tert- チル基が最も好ましい。
(ロ)D 1 およびD 2 はそれぞれ独立に、置換アルキル基、置換ア リール基、置換複素環基、置換アルキルチオ 基、置換アリールチオ基、置換複素環チオ基 が好ましく、その中でも置換アリール基、置 換アリールチオ基が好ましく、特に置換アリ ール基が好ましい。該置換アリール基は少な くとも2つ(好ましくは2つ)がスルホ基または ルボキシル基を有するフェニル基が好まし 。
(ハ)Yは-OMが好ましい。Mはアルカリ金属イオ が好ましく、アルカリ金属イオンの中でも リチウムイオンまたはカリウムイオンが更 好ましい。
 なお、一般式(4)で表される化合物は、種々 置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基 である化合物が好ましく、置換基のより多く が前記の好ましい基である化合物がより好ま しく、全ての置換基が前記の好ましい基であ る化合物が最も好ましい。

 一般式(4)で表される化合物の中でも、下 一般式(5)で表される化合物がより好ましい

 上記一般式(5)中、A 1 、A 2 、D 1 、D 2 は一般式(4)におけるA 1 、A 2 、D 1 、D 2 と同義である。Mは一般式(1)におけるMと同義 ある。

 以下に一般式(5)の置換基の詳細を説明す 。

 A 1 およびA 2 は一般式(1)で説明した詳細と同義である。

 D 1 およびD 2 は一般式(4)で説明した詳細と同義である。

 Mは一般式(1)で説明した詳細と同義である .

 以上をまとめると、本発明の一般式(5)は、 記(イ)~(ハ)の組み合わせからなるものが好 しい。
(イ)A 1 およびA 2 はそれぞれ独立に、水素原子、総炭素数1か 8のアルキル基、または総炭素数6から12のア ール基が好ましく、イソプロピル基、sec-ブ チル基、またはtert-ブチル基がより好ましく tert-ブチル基が最も好ましい。
(ロ)D 1 およびD 2 はそれぞれ独立に、置換アルキル基、置換ア リール基、置換複素環基、置換アルキルチオ 基、置換アリールチオ基、または置換複素環 チオ基が好ましく、その中でも置換アリール 基、または置換アリールチオ基が好ましく、 特に置換アリール基が好ましい。該置換アリ ール基は少なくとも2つ(好ましくは2つ)がス ホ基またはカルボキシル基を有するフェニ 基が好ましい。
(ハ)Mはアルカリ金属イオンが好ましく、アル カリ金属イオンの中でも、リチウムイオンま たはカリウムイオンが更に好ましい。
 なお、一般式(5)で表される化合物は、種々 置換基の少なくとも1つが前記の好ましい基 である化合物が好ましく、置換基のより多く が前記の好ましい基である化合物がより好ま しく、全ての置換基が前記の好ましい基であ る化合物が最も好ましい。

 以下に一般式(1)で表される化合物につい 具体例を挙げるが、本発明はこれらによっ 限定されるものではない。なお、化合物34 参考化合物である。

 上記化合物については、特開2006-57076号公 報、特開2007-217681号公報に記載の合成法によ 合成される。

[インク組成物]

 本発明のインクは、媒体を含有させるこ ができるが、媒体として溶媒を用いた場合 特にインクジェット記録用インクとして好 である。本発明のインクは、媒体として、 油性媒体や水性媒体を用いて、それらの中 、本発明の一般式(1)で表される化合物を溶 及び/又は分散させることによって作製する ことができる。好ましくは、水性媒体を用い る場合である。なお、本発明のインク組成物 を単に「インク」と略記することがある。媒 体には様々な機能が備わっている。インクの 噴射口での乾操による目詰まりを防止するた めの保湿剤、インクを紙によりよく浸透させ るための浸透促進剤の他、紫外線吸収剤、酸 化防止剤、消泡剤、粘度調整剤、表面張力調 整剤、分散剤、分散安定剤、防黴剤、防錆剤 、pH調整剤等の効果があり、媒体の組み合わ でインク組成物としての物性や品質を調整 たり改良したりすることが可能である。

 本発明で用いられる一般式(1)で表される 合物を水性媒体に分散させる場合は、特開 11-286637号、特開2001-240763号、特開2001-262039号 、特開2001-247788号のように染料と油溶性ポリ ーとを含有する着色微粒子を水性媒体に分 したり、特開2001-262018号、特開2001-240763号、 特開2001-335734号、特開2002-80772号のように高沸 点有機溶媒に溶解した本発明の一般式(1)で表 される化合物を水性媒体中に分散することが 好ましい。本発明で用いられる一般式(1)で表 される化合物を水性媒体に分散させる場合の 具体的な方法、使用する油溶性ポリマー、高 沸点有機溶剤、添加剤及びそれらの使用量は 、前記特許文献に記載されたものを好ましく 使用することができる。あるいは、前記一般 式(1)の化合物を固体のまま微粒子状態に分散 してもよい。分散時には、分散剤や界面活性 剤を使用することができる。分散装置として は、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式 、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、 ロイドミル、ボールミル、サンドミル、ア ライター、ロールミル、アジテーターミル )、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモ ジナイザー;具体的な市販装置としてはゴー ンホモジナイザー、マイクロフルイダイザ 、DeBEE2000等)を使用することができる。上記 インクジェット記録用インクの調製方法に いては、先述の特許文献以外にも特開平5-14 8436号、同5-295312号、同7-97541号、同7-82515号、 7-118584号、特開平11-286637号、特開2001-271003号 の各公報に詳細が記載されていて、本発明の インクジェット記録用インクの調製にも利用 できる。

 本発明のインク組成物は、一般式(1)で表さ る化合物と保湿剤を含み、該一般式(1)で表 れる化合物の含有率が0.1質量%以上7.0質量% 満であり、水酸基を3個以上有する保湿剤の 有率が8.0質量%以下であり、かつ、前記水酸 基を3個以上有する保湿剤/前記一般式(1)で表 れる化合物のモル比が15.0未満であるインク 組成物である。
 本発明のインク組成物(好ましくはインクジ ェット記録用インク組成物)100質量部中に、 般式(1)で表される化合物が固形分で0.1質量% 上7.0質量%未満で、即ち、一般式(1)で表され る化合物の含有率0.1以上7.0未満質量%で使用 れる。好ましくは0.1質量%以上6.8質量%以下で あり、0.5質量%以上6.7質量%以下が更に好まし 。

 本発明において好ましい態様は、本発明 一般式(1)で表される化合物を水性媒体で使 する場合には、本発明のインク組成物は少 くとも水と一般式(1)で表される化合物とを み、該一般式(1)で表される化合物の含有率 0.1質量%以上7.0質量%未満であり、水酸基を3 以上有する保湿剤の含有率が8.0質量%以下で あり、かつ、前記水酸基を3個以上有する保 剤/前記一般式(1)で表される化合物のモル比 15.0未満である水性媒体からなるインク組成 物であり、好ましくは、水酸基数が0~2個の保 湿剤をさらに含有するインク組成物である。 保湿剤は、他の用途、例えば、乾燥防止剤、 浸透促進剤、湿潤剤等として用いられ、また これらの用途に限定されることはない。例え ばトリエタノールアミンは保湿剤としての効 果もあるが、一方でpH調整剤としての効果も る。この場合、保湿剤としての量の制限を ける。以下に保湿剤について詳細を記載す 。

 本発明で使用の保湿剤について説明する。 湿剤とは、少なくとも保湿剤を含むインク 成物中に溶解し、水の蒸発を緩和する働き あるものを言う。この性質を利用し、色材 インク組成物から析出してくる等の要因の つであるインク組成物の乾燥(濃縮)を抑制 ることが出来る。本発明で使用する保湿剤 、25℃において液状であれば水より高い沸点 を有する親水性有機溶剤であるのが好ましく 、25℃において固体であれば、好ましくは水 溶解する化合物であり、その溶解度は水に して0.1質量%以上であり、より好ましくは0.2 質量%以上であり、さらに好ましくは0.5質量% 上の固体保湿剤である。ここで親水性有機 剤とは、水にある比率で混合した際に液分 することなく均一状態になる有機溶剤のこ を言う。水に対する親水性有機溶媒の25℃ おける溶解度(相互溶解度とも言う)が、5質 %以上が好ましく、10質量%以上がより好まし 、20質量%以上のものが更に好ましい。また 親水性有機溶剤は100℃以上、好ましくは105 以上、さらに好ましくは110℃以上の沸点を するものが好ましい。一般に保湿剤には、 価アルコール誘導体、グリコールエーテル 導体、アルキルアミン誘導体、尿素誘導体 カルボン酸およびその塩の誘導体、アミノ およびその塩の誘導体、糖誘導体などが挙 られ、好ましくは多価アルコール誘導体、 リコールエーテル誘導体、アルキルアミン 導体、尿素誘導体、カルボン酸およびその の誘導体であり、更に多価アルコール誘導 、グリコールエーテル誘導体、アルキルア ン誘導体、尿素誘導体が好ましい。
 ここで誘導体とは、アルキル化、アリール 、複素環化、エステル化、エーテル化、ハ ゲン化、アミド化、ヒドロキシル化、アミ 化など置換反応によって適当な置換基が修 された化合物を言う。保湿剤の中でも分子 が1000以下の化合物が好ましく、より好まし くは分子量が900以下であり、さらに800以下の 保湿剤が好ましい。
 保湿剤は水酸基の有無で大別できる。以下 水酸基を有する保湿剤について具体例を挙 て説明する。

 水酸基を3個以上有する保湿剤として例えば 、多価アルコール類(例えば、グリセリン、 リスリトール、シクロヘキサントリオール ブタントリオール、トリスヒドロキシメチ エタン、トリメチロールプロパン、トリメ ロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、 プタントリオール、スレイトール、アドニ ール、キシリトール、ソルビトール、マン トール、イノシトール、ベンゼントリオー )、エーテル誘導体(例えば、ジペンタエリス リトール)、アルコールアミン(例えば、トリ タノールアミン、トリスヒドロキシメチル ミノメタン、テトラキスヒドロキシプロピ エチレンジアミン、ペントロール、グルコ スアミン、ヒアルロン酸ナトリウム)、テト ラヒドロキシエチル尿素などの尿素誘導体が 挙げられる。より好ましくは、グリセリン、 エリスリトール、シクロヘキサントリオール 、トリスヒドロキシメチルエタン、トリメチ ロールプロパン、ソルビトール、イノシトー ル、ベンゼントリオール、ジペンタエリスリ トール、トリエタノールアミン、トリスヒド ロキシメチルアミノメタン、ペントロール、 グルコースアミンであり、更に好ましくはグ リセリン、トリメチロールプロパン、トリエ タノールアミン、トリスヒドロキシメチルア ミノメタンである。
 水酸基を3個以上有する保湿剤のインク組成 物中の含有率は8.0質量%以下であることが好 しく、5.0質量%以下であることがより好まし 、2.0質量%以下であることが更に好ましく、 1.0質量%以下であることが特に好ましい。よ 好ましくは、水酸基を3個以上有する保湿剤 インク組成物中の含有率は0.01質量%以上8.0 量%以下であることが好ましく、0.01質量%以 5.0質量%以下であることがより好ましく、0.01 質量%以上2.0質量%以下であることが更に好ま く、0.01質量%以上1.0質量%以下であることが に好ましい。

 水酸基が1個もしくは2個の保湿剤としては エチレングリコール、プロピレングリコー 、ジエチレングリコール、トリエチレング コール、テトラエチレングリコール、ポリ チレングリコール、チオジエチレングリコ ル、ジチオジグリコール、2-メチル-1,3-プロ ンジオール等に代表される多価アルコール 、エチレングリコールモノメチル(又はエチ ル)エーテル、ジエチレングリコールモノメ ル(又はエチル)エーテル、トリエチレングリ コールモノエチル(又はブチル)エーテル等の 価アルコールの低級アルキルエーテル類、 タノールアミン、ジエタノールアミン、N- チルジエタノールアミン、N-エチルジエタノ ールアミン、セリン、ホモセリンなどのアミ ン類、2-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン等の 素環類が挙げられる。より好ましくは、プ ピレングリコール、ジエチレングリコール トリエチレングリコール、テトラエチレン リコール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、 エチレングリコールモノエチルエーテル、ジ エチレングリコールモノエチルエーテル、ト リエチレングリコールモノブチルエーテル、 エタノールアミン、ジエタノールアミン、N- チルジエタノールアミン、2-ヒドロキシエ ル-2-ピロリドンであり、更に好ましくは、 エチレングリコール、トリエチレングリコ ル、テトラエチレングリコール、ジエチレ グリコールモノエチルエーテル、トリエチ ングリコールモノブチルエーテル、エタノ ルアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジ エタノールアミン、2-ヒドロキシエチル-2-ピ リドンである。
 水酸基が1もしくは2個の保湿剤のインク組 物中の含有率は0.5以上40以下質量%であるこ が好ましく、5以上30以下質量%であることが り好ましい。

 また、本発明のインク組成物は、前記水 基数が0~2個である保湿剤を含むインク組成 が好ましく、中でも水酸基数が0個または1 である保湿剤を含むインク組成物が更に好 しい。

 水酸基を有しない保湿剤の例としては、 エチレングリコールジメチルエーテル、テ ラエチレングリコールジメチルエーテル、 ミン(例えば、モルホリン、N-エチルモルホ ン、エチレンジアミン、ジエチレントリア ン、トリエチレンテトラミン、ポリエチレ イミン、テトラメチルプロピレンジアミン) 、極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N-ジメ ルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド 、ジメチルスルホキシド、スルホラン、3-ス ホレン、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリド ン、N-ビニル-2-ピロリドン、2-オキサゾリド 、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン)、尿素誘 導体(尿素、エチレン尿素、チオ尿素)、カル ン酸誘導体(ピリドンカルボン酸、乳酸、ク エン酸およびこれらの塩)が挙げられる。好 しくはテトラエチレングリコールジメチル ーテル、モルホリン、スルホラン、2-ピロリ ドン、尿素、エチレン尿素であり、更に好ま しくは、2-ピロリドン、尿素、エチレン尿素 ある。水酸基を有しない保湿剤のインク組 物中の含有率は0.5質量%以上30質量%以下であ ることが好ましく、0.5質量%以上20質量%以下 あることがより好ましい。

 本発明の好ましい態様は、一般式(1)で表さ る化合物及び水酸基を3個以上有する保湿剤 を含み、前記水酸基を3個以上有する保湿剤/ 記一般式(1)で表される化合物のモル比が15.0 未満、好ましくは5.0未満、更に好ましくは0.0 1以上5.0未満、より好ましくは0.01以上2.0未満 殊更好ましくは0.01以上0.40未満のインク組 物である。
 特に、本発明のより好ましい態様は、上記 条件に加え、インク組成物中の全保湿剤に する水酸基を3個以上有する保湿剤が18.0質 %未満、好ましくは10.0質量%未満、より好ま くは0.01質量%以上10.0質量%未満、更に好まし は0.01質量%以上4.0質量%未満、殊更好ましく 0.01質量%以上1.0質量%未満であるインク組成 である。

 以下に、インク組成物に添加でき、保湿 果とは異なる効果を与える媒体を説明する

 本発明に使用される浸透促進剤としてはエ ノール、イソプロパノール、ブタノール、 (トリ)エチレングリコールモノブチルエー ル、1,2-ヘキサンジオール等のアルコール類 ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナト ウムやノニオン性界面活性剤等を用いるこ ができる。
 本発明ではジエチレングリコールモノブチ エーテル、トリエチレングリコールモノブ ルエーテル等のグリコールエーテル系浸透 進剤が好ましく用いられる。これらは印字 滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こさな 添加量の範囲で使用するのが好ましい。
 ただし、本発明では浸透促進剤として用い 化合物が保湿剤にも該当する場合は、保湿 であるとして添加量を換算するため、前記 添加量の制限が適用される。

 本発明で画像の保存性を向上させるため 使用される紫外線吸収剤としては特開昭58-1 85677号公報、同61-190537号公報、特開平2-782号 報、同5-197075号公報、同9-34057号公報等に記 されたベンゾトリアゾール系化合物、特開 46-2784号公報、特開平5-194483号公報、米国特 第3214463号等に記載されたベンゾフェノン系 合物、特公昭48-30492号公報、同56-21141号公報 、特開平10-88106号公報等に記載された桂皮酸 化合物、特開平4-298503号公報、同8-53427号公 、同8-239368号公報、同10-182621号公報、特表 8-501291号公報等に記載されたトリアジン系化 合物、リサーチディスクロージャーNo.24239号 記載された化合物やスチルベン系、ベンズ キサゾール系化合物に代表される紫外線を 収して蛍光を発する化合物、いわゆる蛍光 白剤も用いることができる。これらは5質量 %未満での使用が好ましい。ただし、本発明 は紫外線吸収剤として用いる化合物が保湿 にも該当する場合は、保湿剤であるとして 加量を換算するため、前記の添加量の制限 適用される。

 本発明では、画像の保存性を向上させる めに使用される酸化防止剤としては、各種 有機系及び金属錯体系の褪色防止剤を使用 ることができる。有機の褪色防止剤として ハイドロキノン類、アルコキシフェノール 、ジアルコキシフェノール類、フェノール 、アニリン類、アミン類、インダン類、ク マン類、アルコキシアニリン類、複素環類 どがあり、金属錯体としてはニッケル錯体 亜鉛錯体などがある。より具体的にはリサ チディスクロージャーNo.17643の第VIIのIない J項、同No.15162、同No.18716の650頁左欄、同No.36 544の527頁、同No.307105の872頁、同No.15162に引用 れた特許に記載された化合物や特開昭62-2152 72号公報の127頁~137頁に記載された代表的化合 物の一般式及び化合物例に含まれる化合物を 使用することができる。これらは5質量%未満 の使用が好ましい。ただし、本発明では酸 防止剤として用いる化合物が保湿剤にも該 する場合は、保湿剤であるとして添加量を 算するため、前記の添加量の制限が適用さ る。

 本発明に使用される消泡剤は、ジメチル リシロキサンとポリアルキレンオキサイド のコポリマーであり、ペンダント型、末端 性型又はABN型等があるが、ペンダント型が ましい。これらのコポリマーはFZ-2203、-2207 -2222、-2166(日本ユニカー社製 商品名)等が げられる。これらは5質量%未満での使用が好 ましい。ただし、本発明では消包剤として用 いる化合物が保湿剤にも該当する場合は、保 湿剤であるとして添加量を換算するため、前 記の添加量の制限が適用される。

 本発明に使用される防黴剤としてはデヒド 酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ナ リウムピリジンチオン-1-オキシド、p-ヒド キシ安息香酸エチルエステル、1,2-ベンズイ チアゾリン-3-オンおよびその塩等が挙げら る。これらはインク中に0.02~5.00質量%使用す るのが好ましい。
 尚、これらの詳細については「防菌防黴剤 典」(日本防菌防黴学会事典編集委員会編) に記載されている。
 また、防錆剤としては、例えば、酸性亜硫 塩、チオ硫酸ナトリウム、チオグリコール アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニ ライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジ クロヘキシルアンモニウムニトライト、ベ ゾトリアゾール等が挙げられる。これらは インク中に0.02~5.00質量%使用するのが好まし い。

 本発明に使用されるpH調整剤は、pH調節、分 散安定性付与などの点で好適に使用する事が でき、23℃でのインクのpHが8~11、好ましくは7 ~9に調整されていることが好ましい。pHが8未 である場合は一般式(1)の化合物の溶解性が 下してノズルが詰まりやすく、11を超える 耐水性が劣化する傾向がある。pH調整剤とし ては、塩基性のものとして有機塩基、無機ア ルカリ等が、酸性のものとして有機酸、無機 酸等が挙げられる。
 前記有機塩基としては、トリエタノールア ン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタ ールアミン、ジメチルエタノールアミン等 挙げられる。より好ましくはジエタノール ミン、N-メチルジエタノールアミン、ジメチ ルエタノールアミンであり、更に好ましくは N-メチルジエタノールアミン、ジメチルエタ ールアミンである。前記無機アルカリとし は、アルカリ金属の水酸化物(例えば、水酸 化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリ ウム等)、炭酸塩(例えば、炭酸ナトリウム、 酸水素ナトリウム等)、アンモニウム等が挙 げられる。また、前記有機酸としては、酢酸 、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、アルキ ルスルホン酸等が挙げられる。
 前記無機酸としては、塩酸、硫酸、リン酸 が挙げられる。本発明ではpH調整剤として いる化合物が保湿剤にも該当する場合は、 湿剤であるとして添加量を換算するため、 湿剤に相当するので前記の添加量の制限が 用される。なおトリエタノールアミンは水 基を3個以上有する保湿剤に該当するので、 記の添加量の制限が適用される。

 本発明では表面張力調整剤等として、ノ オン、カチオンあるいはアニオン系界面活 剤が挙げられる。例えばアニオン系界面活 剤としては脂肪酸塩、アルキル硫酸エステ 塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アル ルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルス ホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩 ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、 リオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩 を挙げることができ、ノニオン系界面活性 としては、ポリオキシエチレンアルキルエ テル、ポリオキシエチレンアルキルアリル ーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステ 、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシ チレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ シエチレンアルキルアミン、グリセリン脂 酸エステル、オキシエチレンオキシプロピ ンブロックコポリマー等を挙げることがで る。これらは5質量%未満での使用が好まし 。ただし、本発明では表面張力調整剤とし 用いる化合物が保湿剤にも該当する場合は 保湿剤であるとして添加量を換算するため 前記の添加量の制限が適用される。

 本発明ではアセチレングリコール系(好まし くはアセチレン系ポリオキシエチレンオキシ ド)界面活性剤が好ましく用いられ、その例 して、SURFYNOLS(AirProducts&Chemicals社、サーフ ィノール465など)が挙げられる。界面活性剤 含有量はインク組成物全量に対して0.001~15質 量%、好ましくは0.005~10質量%、更に好ましく 0.01~5質量%、特に好ましくは0.1~5質量%である
 本発明で用いるインクの表面張力は動的・ 的表面張力のいずれも、25℃において20~50mN/ m以下であることが好ましく、20~40mN/m以下で ることが更に好ましい。表面張力が50mN/mを えると吐出安定性、混色時のにじみ、ひげ 印字品質が著しく低下する。また、インク 表面張力を20mN/m以下にすると吐出時、ハー 表面へのインクの付着等により印字不良と る場合がある。

 本発明のインク粘度は、25℃において1~30mPa sであることが好ましい。更に好ましくは2~1 5mPa・sであり、特に好ましくは2~10mPa・sであ 。30mPa・sを超えると記録画像の定着速度が くなり、吐出性能も低下する。1mPa・s未満で は、記録画像がにじむために品位が低下する 。
 粘度の調製はインク溶剤の添加量で任意に 製可能である。インク溶剤として例えば、 リセリン、ジエチレングリコール、プロピ ングリコール、トリエタノールアミン、2- ロリドン、ジエチレングリコールモノブチ エーテル、トリエチレングリコールモノブ ルエーテルなどがある。より好ましくは、 エチレングリコール、ブロピレングリコー 、2-ピロリドン、ジエチレングリコールモノ ブチルエーテル、トリエチレングリコールモ ノブチルエーテルであり、更に好ましくはジ エチレングリコール、2-ピロリドン、トリエ レングリコールモノブチルエーテルである グリセリンは水酸基を3個以上有する保湿剤 に該当するので、前記の添加量の制限が適用 される。
 また、粘度調整剤を使用してもよい。粘度 整剤としては、例えば、セルロース類、ポ ビニルアルコールなどの水溶性ポリマーや ニオン系界面活性剤等が挙げられる。更に しくは、「粘度調製技術」(技術情報協会、 1999年)第9章、及び「インクジェットプリンタ 用ケミカルズ(98増補)-材料の開発動向・展望 査-」(シーエムシー、1997年)162 ~174 頁に記 されている。これらは5質量%未満での使用 好ましい。ただし、本発明では粘度調整剤 して用いる化合物が保湿剤にも該当する場 は、保湿剤であるとして添加量を換算する め、前記の添加量の制限が適用される。

 本発明のインクは、イエローインクとし 用いることが好ましい。イエロー単色の画 形成のみならず、フルカラーの画像形成に いることができる。フルカラー画像を形成 るために、イエローインクの他に、マゼン インク、シアンインクを用いることができ また、色調を整えるために、更にブラック ンクを用いてもよい。本発明のインクは、 ラックインク等の色調を整えるためにも用 ても良い。

 本発明の記録方法の奏する効果を有する 囲において、使用できるマゼンタインクと ては、例えばカプラー成分としてフェノー 類、ナフトール類、アニリン類などを有す アリールもしくはヘテリルアゾ染料;例えば カプラー成分としてピラゾロン類、ピラゾロ トリアゾール類などを有するアゾメチン染料 ;例えばアリーリデン染料、スチリル染料、 ロシアニン染料、シアニン染料、オキソノ ル染料などのようなメチン染料;ジフェニル タン染料、トリフェニルメタン染料、キサ テン染料などのようなカルボニウム染料、 えばナフトキノン、アントラキノン、アン ラピリドンなどのようなキノン染料、例え ジオキサジン染料等のような縮合多環染料 を挙げることができる。

 本発明の記録方法の奏する効果を有する 囲において、使用できるシアンインクとし は、例えばカプラー成分としてフェノール 、ナフトール類、アニリン類などを有する リールもしくはヘテリルアゾ染料;例えばカ プラー成分としてフェノール類、ナフトール 類、ピロロトリアゾールのような複素環類な どを有するアゾメチン染料;シアニン染料、 キソノール染料、メロシアニン染料などの うなポリメチン染料;ジフェニルメタン染料 トリフェニルメタン染料、キサンテン染料 どのようなカルボニウム染料;フタロシアニ ン染料;アントラキノン染料;インジゴ・チオ ンジゴ染料などを挙げることができる。

 適用できる黒色材料としては、ジスアゾ、 リスアゾ、テトラアゾ染料のほか、カーボ ブラックの分散体を挙げることができる。
 本発明のインクセットは、インクジェット 録方法に用いるインクセットであって、前 本発明のインク組成物を構成成分として含 でなる。前記本発明のイエローインク組成 と、マゼンタインク組成物、シアンインク 成物、ブラックインク組成物等の、黄色系 外の他色インク組成物とを一体的に、もし は独立に収容したインクカートリッジから り、本発明のインクセットは、前記本発明 イエローインク組成物を収容する以外は従 公知の方法を適宜用いてインクカートリッ とすることができる。

[インク記録方法]
 次に、上述のインク組成物を用いた本発明 記録方法について説明する。
 本発明のインクは記録媒体に記録される。 発明の好ましいインクジェット記録方法は 前記インクジェット記録用インクにエネル ーを供与して、記録媒体としての公知の受 材料、即ち普通紙、樹脂コート紙、例えば 開平8-169172号公報、同8-27693号公報、同2-27667 0号公報、同7-276789号公報、同9-323475号公報、 開昭62-238783号公報、特開平10-153989号公報、 10-217473号公報、同10-235995号公報、同10-337947 公報、同10-217597号公報、同10-337947号公報等 記載されているインクジェット専用紙、フ ルム、電子写真共用紙、布帛、ガラス、金 、陶磁器等に画像を形成する。なお、本発 のインクジェット記録方法として特開2003-30 6623号公報段落番号0093~0105の記載が適用でき 。

 画像を形成する際に、光沢性や耐水性を与 たり耐候性を改善する目的からポリマーラ ックス化合物を併用してもよい。ラテック 化合物を受像材料に付与する時期について 、着色剤を付与する前であっても、後であ ても、また同時であってもよく、したがっ 添加する場所も受像紙中であっても、イン 中であってもよく、あるいはポリマーラテ クス単独の液状物として使用しても良い。
 具体的には、特開2002-166638号公報、特開2002- 121440号公報、特開2002-154201号公報、特開2002-14 4696号公報、特開2002-080759号公報、特開2002-1873 42号公報、特開2002-172774号公報に記載された 法を好ましく用いることができる。

 以下に、本発明のインクを用いてインクジ ットプリントをするのに用いられる記録媒 (記録紙及び記録フィルム)について説明す 。記録紙及び記録フィルムにおける支持体 、LBKP、NBKP等の化学パルプ、GP、PGW、RMP、TMP CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ、DIP等の古紙パ ルプ等からなり、必要に応じて従来公知の顔 料、バインダー、サイズ剤、定着剤、カチオ ン剤、紙力増強剤等の添加剤を混合し、長網 抄紙機、円網抄紙機等の各種装置で製造され たもの等が使用可能である。これらの支持体 の他に合成紙、プラスチックフィルムシート のいずれであってもよく、支持体の厚みは10~ 250μm、坪量は10~250g/m 2 が望ましい。支持体には、そのままインク受 容層及びバックコート層を設けてもよいし、 デンプン、ポリビニルアルコール等でサイズ プレスやアンカーコート層を設けた後、イン ク受容層及びバックコー卜層を設けてもよい 。更に支持体には、マシンカレンダー、TGカ ンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー 置により平坦化処理を行ってもよい。本発 では支持体としては、両面をポリオレフィ (例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ リエチレンテレフタレート、ポリブテン及び それらのコポリマー)でラミネートした紙及 プラスチックフィルムがより好ましく用い れる。ポリオレフィン中に、白色顔料(例え 、酸化チタン、酸化亜鉛)又は色味付け染料 (例えば、コバルトブルー、群青、酸化ネオ ウム)を添加することが好ましい。

 支持体上に設けられるインク受容層には 顔料や水性バインダーが含有される。顔料 しては、白色顔料が好ましく、白色顔料と ては、炭酸カルシウム、カオリン、タルク クレー、珪藻土、合成非晶質シリカ、珪酸 ルミニウム、珪酸マグネシウム、珪酸カル ウム、水酸化アルミニウム、アルミナ、リ ポン、ゼオライト、硫酸バリウム、硫酸カ シウム、二酸化チタン、硫化亜鉛、炭酸亜 等の白色無機顔料、スチレン系ピグメント アクリル系ピグメント、尿素樹脂、メラミ 樹脂等の有機顔料等が挙げられる。インク 容層に含有される白色顔料としては、多孔 無機顔料が好ましく、特に細孔面積が大き 合成非晶質シリカ等が好適である。合成非 質シリカは、乾式製造法によって得られる 水珪酸及び湿式製造法によって得られる含 珪酸のいずれも使用可能であるが、特に含 珪酸を使用することが望ましい。

 本発明のインクジェット記録方法はイン ジェットの記録方式に制限はなく、公知の 式、例えば静電誘引力を利用してインクを 出させる電荷制御方式、電歪素子の機械的 形によりインク滴を形成するインクジェッ ヘッドを用いる、ピエゾ素子の振動圧力を 用するドロップオンデマンド方式(圧力パル ス方式)、電気信号を音響ビームに変えイン に照射して、放射圧を利用してインクを吐 させる音響インクジェット方式、及びイン を加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利 するサーマルインクジェット方式等に用い れる。インクジェット記録方式には、フォ インクと称する濃度の低いインクを小さい 積で多数射出する方式、実質的に同じ色相 濃度の異なる複数のインクを用いて画質を 良する方式や無色透明のインクを用いる方 が含まれる。本発明のインクジェット記録 法はインク組成物の液滴を吐出し、該液滴 記録媒体に付着させて記録を行うことが好 しい。本発明の記録方法は、インクジェッ 記録方式が特に好適に使用できるが、一般 筆記具用、記録計、ペンプロッター等の用 にも使用できることは言うまでもない。ま 、本発明の記録物はインクジェット記録方 によって印刷されたものである。

 以下、本発明を実施例によって説明するが 本発明はこれに限定されるものではない。
 下記の成分に超純水(抵抗値18Mω以上)を加え 1リッターとした後、30~40℃で加熱しながら1 間撹拌した。その後、平均孔径0.25μmのミク フィルターで減圧濾過してインク液を得た このインク液に超純水を加えてインク1の質 量を1000gとした。このインク1において、水酸 基を3個以上有する保湿剤/前記一般式(1)で表 れる化合物のモル比は0.31であり、全保湿剤 に対する水酸基を3個以上有する保湿剤の含 率は0.70質量%である。

〔インク1処方〕
化合物1 65g/l
尿素 10g/lトリエチレングリコール 90g/l
グリセリン 1.2g/l
トリエチレングリコールモノブチルエーテル  90g/l
2-ピロリドン 50g/l
トリエタノールアミン 0.5g/l
サーフィノール465(日信化学工業株式会社製) 10g/l
プロキセルXL2(富士フイルムイメージングカ ランツ社製) 5g/l
〔インク2~39の作成〕
 表1~3に示す化合物および添加剤とそれらの を変更した以外は、インク1の処方に従いイ ンク2~66を作成した。表中で「モル比」とは 酸基を3個以上有する保湿剤/前記一般式(1)で 表される化合物のモル比を表す。例えば、イ ンク3では、水酸基を3個以上有する保湿剤は リセリンおよびトリエタノールアミンであ 。

 なお比較化合物1~6の構造を下記に示す。

(強制加熱実験)
 表1、表2および表3の処方で作成したインク1 0mLを、サンプル瓶に入れ、70℃で6日間保存し た。化合物の残存率は高速液体クロマトグラ フィー(HPLC:島津製作所製 LC-20AT)で測定を実 した。残存率がHPLCの面積%で、80%未満をF、80 以上84未満%をE、84以上88未満%をD、88以上92未 %をC、92以上96未満%をB、96以上100以下%をAと て評価を行い、表4、表5および表6中には熱 定性として表示した。

(印字画像評価実験)
 表1、表2および表3の処方で作成したインク EPSON社製インクジェットプリンターPM-G800の ートリッジに装填し、受像シートには、紙a としてEPSON 写真用紙<光沢>と、紙bとし 写真用紙クリスピア<高光沢>、紙cとし Canon社製PR101を、紙dとしてHewlett-Packard社製ア ドバンストフォトペーパーを、紙eとして富 フイルム株式会社製画彩を使用し、階段状 濃度が変化した単色画像パターンをPM-G800に 印字させ、画像堅牢性の評価を行った。

 画像保存性について色濃度を測定すること 以下の評価を行った。
[1]光堅牢性は印字直後の画像濃度CiをX-rite 31 0にて測定した後、アトラス社製ウェザーメ ターを用い画像にキセノン光(10万ルックス) 7日照射した後、再び画像濃度Cfを測定し色 の残存率(Cf/Ci)×100を求め評価を行った。色 の残像率について反射濃度が0.7,1.2,2.0の3点 て評価し、いずれの濃度でも色素の残存率 85%以上の場合をA、1点が85%未満の場合をB、2 点が85%未満の場合をC、3点全ての濃度で85%未 の場合をDとした。
[2]耐オゾン性(オゾン堅牢性)については、オ ンガス濃度が5ppmに設定されたボックス内に 7日間放置し、オゾンガス下放置前後の画像 度を反射濃度計(X-Rite310TR)を用いて測定し、 素残存率として評価した。尚、前記反射濃 は、0.7、1.2及び2.0の3点で測定した。ボック ス内のオゾンガス濃度は、APPLICS製オゾンガ モニター(モデル:OZG-EM-01)を用いて設定した 何れの濃度でも色素の残存率が85%以上の場 をA、1点が85%未満をB、2点が85%未満の場合をC 、全ての濃度で85%未満の場合をDとして、四 階で評価した。
 表4、表5および表6に結果をまとめる。表4、 表5および表6中で「モル比」とは水酸基を3個 以上有する保湿剤/前記一般式(1)で表される 合物のモル比を表す。また、表4、表5および 表6中で「質量%(*1)」とは水酸基を3個以上有 る保湿剤のインク全量に対する質量%を表し 「質量%(*2)」とは水酸基を3個以上有する保 剤の全保湿剤に対する質量%を表す。

 表4、表5および表6の結果から、本発明の ンク組成物は熱安定性が高く、長期保存が 能であり、これらの性能のバランスが優れ ことが分かった。また、本発明のインク組 物を用いた印字画像は光堅牢性、オゾンガ 堅牢性について優れ、これらの性能のバラ スが優れていることが分かった。

 本発明により、高温環境下で保存された 合でも色素の褪色や変色を抑制し、さらに そのインク組成物による印字画像の光堅牢 やオゾンガス堅牢性に優れたインク組成物 提供することができる。

 本発明を詳細にまた特定の実施態様を参照 て説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱 ることなく様々な変更や修正を加えること できることは当業者にとって明らかである
 本出願は、2008年6月16日出願の日本特許出願 (特願2008-157029)に基づくものであり、その内 はここに参照として取り込まれる。




 
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