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Title:
INTERNAL EGR CONTROL DEVICE FOR INTERNAL COMBUSTION ENGINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/122794
Kind Code:
A1
Abstract:
An internal EGR control device for an internal combustion engine can, even if the actual valve timing of an exhaust valve changes due to aging and other causes, appropriately control the amount of internal EGR while compensating influence by the change, thereby appropriately controlling the temperature in a cylinder. The internal EGR control device (1) sets a target internal EGR amount (EGRINCMD), which is a target of the amount of internal EGR, according to detected operating conditions (NE, PMCMD) of the engine (3) and calculates internal energy (QACT) which a combusted gas has and is determined according to the amount and temperature of the combusted gas. Further, the internal EGR control device (1) corrects the target internal EGR amount (EGRINCMD) according to the calculated internal energy, calculates the timing of closure of the exhaust valve (9) according to the corrected target internal EGR amount (EGRINC), and controls a variable valve mechanism (60) based on the calculated timing of closure of the exhaust valve (9).

Inventors:
ITOGA CHIHO (JP)
OGAWA KEN (JP)
KITAMURA TORU (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/052676
Publication Date:
October 08, 2009
Filing Date:
February 17, 2009
Export Citation:
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Assignee:
HONDA MOTOR CO LTD (JP)
ITOGA CHIHO (JP)
OGAWA KEN (JP)
KITAMURA TORU (JP)
International Classes:
F02D13/02; F02D21/08; F02M25/07
Foreign References:
JP2003184588A2003-07-03
JP2004251183A2004-09-09
JP2002242716A2002-08-28
JP2008106654A2008-05-08
JP2003049758A2003-02-21
JP2007100522A2007-04-19
JP2005315161A2005-11-10
Other References:
See also references of EP 2282034A4
Attorney, Agent or Firm:
TAKAHASHI, TOMOO (JP)
Tomoo Takahashi (JP)
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Claims:
 気筒内に既燃ガスを残留させる内部EGRを制御する内燃機関の内部EGR制御装置であって、
 前記内燃機関の排気弁の閉弁タイミングを変更することによって、内部EGR量を制御する可変動弁機構と、
 前記内燃機関の運転状態を検出する運転状態検出手段と、
 当該検出された内燃機関の運転状態に応じて、内部EGR量の目標となる目標内部EGR量を設定する目標内部EGR量設定手段と、
 既燃ガスの量および温度に応じて定まる、当該既燃ガスが保有する内部エネルギを算出する内部エネルギ算出手段と、
 当該算出された内部エネルギに応じて、前記目標内部EGR量を補正する目標内部EGR量補正手段と、
 当該補正された目標内部EGR量に応じて、前記排気弁の閉弁タイミングを算出する閉弁タイミング算出手段と、
 当該算出された排気弁の閉弁タイミングに基づいて、前記可変動弁機構を制御する制御手段と、
 を備えることを特徴とする内燃機関の内部EGR制御装置。
 前記可変動弁機構は、
 前記排気弁のリフトを変更するリフト可変機構と、
 前記排気弁を駆動する排気カムのクランクシャフトに対する位相である排気カム位相を変更するカム位相可変機構と、を有することを特徴とする、請求項1に記載の内燃機関の内部EGR制御装置。
Description:
内燃機関の内部EGR制御装置

 本発明は、気筒内に既燃ガスを残留させ 内部EGRを制御する内燃機関の内部EGR制御装 に関する。

 従来のこの種の内部EGR制御装置として、 えば特許文献1に開示されたものが知られて いる。この内部EGR制御装置では、クランクシ ャフトに対する吸気カム位相および排気カム 位相を吸気カム位相可変機構および排気カム 位相可変機構でそれぞれ変更するとともに、 吸気弁のリフトを吸気リフト可変機構で変更 することによって、気筒内に残留する内部EGR 量が制御される。具体的には、内燃機関の回 転数やスロットル弁の開度などに応じて判定 された内燃機関の運転条件に応じ、上記の吸 気・排気カム位相可変機構および吸気リフト 可変機構を制御し、吸気弁と排気弁の開閉タ イミングを制御する。

 以上のように、従来の内部EGR制御装置で 、回転数やスロットル弁の開度などの内燃 関の運転条件に応じて吸気弁と排気弁の開 タイミングを制御し、それにより、内部EGR を制御するにすぎない。しかし、内燃機関 運転条件が同じでも、経年変化などにより 気弁や排気弁の実際の開閉タイミングなど 変化すると、既燃ガスの性状、例えば、既 ガスの量や温度が変化し、それに応じて、 縮行程の開始直前における気筒内の温度も 化する。このため、従来の内部EGR制御装置 は、気筒内の温度を適切に制御できないこ があり、その場合には、燃焼状態の不安定 を招く。

 本発明は、このような課題を解決するた になされたものであり、経年変化などによ て排気弁の実際のバルブタイミングが変化 た場合でも、それによる影響を補償しなが 、内部EGR量を適切に制御でき、それにより 気筒内の温度を適切に制御することができ 内燃機関の内部EGR制御装置を提供すること 目的とする。

特開昭62-10411号公報

 上記の目的を達成するため、請求項1に係 る発明は、気筒3a内に既燃ガスを残留させる 部EGRを制御する内燃機関3の内部EGR制御装置 1であって、内燃機関3の排気弁9の閉弁タイミ ングを変更することによって、内部EGR量を制 御する可変動弁機構(実施形態における(以下 本項において同じ)排気側動弁機構60)と、内 燃機関3の運転状態(エンジン回転数NE、要求 ルクPMCMD)を検出する運転状態検出手段(クラ ク角センサ21、アクセル開度センサ31)と、 出された内燃機関3の運転状態に応じて、内 EGR量の目標となる目標内部EGR量EGRINCMDを設 する目標内部EGR量設定手段(ECU2、図9のステ プ11)と、既燃ガスの量および温度に応じて まる、既燃ガスが保有する内部エネルギ(実 部エネルギQACT)を算出する内部エネルギ算 手段(ECU2、図9のステップ12)と、算出された 部エネルギに応じて、目標内部EGR量EGRINCMDを 補正する目標内部EGR量補正手段(ECU2、図9のス テップ15)と、補正された目標内部EGR量(最終 標内部EGR量EGRINC)に応じて、排気弁9の閉弁タ イミングを算出する閉弁タイミング算出手段 (ECU2、図9のステップ16,19)と、算出された排気 弁9の閉弁タイミングに基づいて、可変動弁 構を制御する制御手段(ECU2、図9のステップ17 ,18,20~22)と、を備えることを特徴とする。

 この内燃機関の内部EGR制御装置によれば 排気弁の閉弁タイミングを可変動弁機構で 更することによって、気筒内に既燃ガスを 留させる内部EGRが制御される。また、検出 れた内燃機関の運転状態に応じて、内部EGR の目標となる目標内部EGR量が設定される。 らに、既燃ガスが保有する内部エネルギが 出される。この内部エネルギは、既燃ガス 量および温度に応じて定まるものである。 たがって、算出された内部エネルギに応じ 、目標内部EGR量を補正することによって、 年変化などにより排気弁の実際のバルブタ ミングなどが変化し、既燃ガスの性状が変 した場合でも、それによる影響を補償しな ら、目標内部EGR量を適切に設定することが きる。

 また、本発明では、このようにして補正 た目標内部EGR量に応じて、排気弁の閉弁タ ミングを算出し、それに基づいて、可変動 機構を制御するので、内部EGR量を適切に制 できる結果、気筒内の温度を適切に制御す ことができる。

 請求項2に係る発明は、請求項1に記載の 燃機関3の内部EGR制御装置1において、可変動 弁機構は、排気弁9のリフトを変更するリフ 可変機構(排気リフト可変機構70)と、排気弁9 を駆動する排気カム62のクランクシャフト3e 対する位相である排気カム位相CAEXを変更す カム位相可変機構(排気カム位相可変機構90) と、を有することを特徴とする。

本発明の内部EGR制御装置を内燃機関と もに概略的に示す図である。 内部EGR制御装置の一部を示す図である 図1の部分拡大図である。 排気側動弁機構の概略構成を示す模式 である。 排気リフト可変機構による排気リフト 変更状態を示す図である。 排気カム位相可変機構により排気カム 相が最遅角値(実線)および最進角値(2点鎖線 )に設定されているときの排気弁のバルブリ ト曲線を示す図である。 燃焼モードの決定処理を示すフローチ ートである。 図7の処理で用いられる燃焼領域マップ の一例である。 内部EGRの制御処理を示すフローチャー である。 実内部エネルギの算出処理を示すサブ ルーチンである。 補正値の算出処理を示すサブルーチン である。 図11の処理で用いられる、SI燃焼モー 用およびCI燃焼モード用の目標内部エネルギ を算出するためのマップである。 気体定数の算出処理を示すサブルーチ ンである。

 以下、図面を参照しながら、本発明の好 しい実施形態を詳細に説明する。図1は、本 発明の実施形態による内部EGR制御装置1、お びこれを適用した内燃機関(以下「エンジン という)3の概略構成を示している。エンジ 3は、4つの気筒3a(1つのみ図示)を有する4気筒 のガソリンエンジンであり、車両(図示せず) 搭載されている。

 エンジン3のシリンダヘッド3cには、気筒3 aごとに、吸気管4および排気管5が接続される とともに、燃料噴射弁6および点火プラグ7(図 2参照)が、燃焼室3dに臨むように取り付けら ている(いずれも1つのみ図示)。この燃料噴 弁6は、燃焼室3d内の点火プラグ7の近傍に、 料を直接、噴射する。燃料噴射弁6の燃料噴 射量および燃料噴射時期は、その開弁時間お よび開弁タイミングをECU2(図2参照)で制御す ことによって、制御される。点火プラグ7の 火時期もまた、ECU2によって制御される。ま た、このエンジン3では、燃焼モードとして 燃料噴射弁6から燃料を吸気行程中に噴射す ことにより生成された均質混合気を、点火 ラグ7による火花点火によって燃焼させる均 質燃焼モード(以下「SI燃焼モード」という) 、燃料噴射弁6から燃料を圧縮行程中に噴射 ることにより生成された成層混合気を、自 着火によって燃焼させる成層燃焼モード(以 下「CI燃焼モード」という)を有し、それらの 切替はECU2によって制御される。

 また、各気筒3aには、一対の吸気弁8、8(1 のみ図示)および一対の排気弁9、9(1つのみ 示)が設けられている。吸気弁8は吸気側動弁 機構40によって開閉され、排気弁9は排気側動 弁機構60によって開閉される。以下、図3~図6 参照しながら、これらの吸気側動弁機構40 よび排気側動弁機構60について説明する。

 吸気側動弁機構40は、通常のカム駆動式 ものであり、図3に示すように、回転自在の 気カムシャフト41と、吸気カムシャフト41に 一体に設けられた吸気カム42と、ロッカアー シャフト43と、ロッカアームシャフト43に回 動自在に支持されるとともに、吸気弁8、8の 端にそれぞれ当接する2つのロッカアーム44 44(1つのみ図示)などを備えている。

 吸気カムシャフト41は、吸気スプロケッ およびタイミングチェーン(いずれも図示せ )を介して、クランクシャフト3eに連結され おり、クランクシャフト3eが2回転するごと 1回転する。吸気カムシャフト41が回転する 、ロッカアーム44、44が、吸気カム42で押圧 れ、ロッカアームシャフト43を中心として 動することにより、吸気弁8、8が開閉される 。

 一方、排気側動弁機構60は、排気弁9のリ トおよびバルブタイミングを無段階に変更 る可変動弁機構で構成されている。なお、 実施形態では、「排気弁9のリフト(以下「 気リフト」という)」は、排気弁9の最大揚程 を表すものとする。

 図4に示すように、排気側動弁機構60は、 気カムシャフト61、排気カム62、排気リフト 可変機構70および排気カム位相可変機構90な を備えている。

 排気カムシャフト61は、排気スプロケッ およびタイミングチェーン(いずれも図示せ )を介して、クランクシャフト3eに連結され おり、クランクシャフト3eが2回転するごと 1回転する。

 排気リフト可変機構70は、排気リフトを 0と所定の最大リフトLEXMAX(図5参照)との間で 段階に変更するものである。その構成は、 出願人が特開2007-100522号で既に提案したも と同様であるので、以下、その概略を簡単 説明する。

 排気リフト可変機構70は、コントロール ャフト71およびロッカアームシャフト72と、 れらのシャフト71、72上に気筒3aごとに設け れたロッカアーム機構73と、これらのロッ アーム機構73を同時に駆動するアクチュエー タ80(図2参照)などを備えている。

 このロッカアーム機構73は、リンク74a、 ーラ軸74b、ローラ74cおよびロッカアーム75な どを備えている。また、アクチュエータ80は モータおよび減速ギヤ機構(いずれも図示せ ず)などを組み合わせたものであり、ECU2から 後述するリフト制御入力U_SAAEXによって駆動 されると、コントロールシャフト71を回動さ 、それにより、リンク74aをローラ軸74bを中 として回動させる。

 このリンク74aが図4に実線で示すゼロリフ ト位置にある場合、排気カムシャフト61の回 に伴い、排気カム62によりローラ74cがロッ アームシャフト72側に押されると、リンク74a は、コントロールシャフト71を中心として、 4の時計回りに回動する。その際、ロッカア ーム75の案内面75aがコントロールシャフト71 中心とする円弧と一致するような形状を有 ているので、バルブスプリングの付勢力に り、ロッカアーム75は図4に示す閉弁位置に 持される。それにより、排気リフトは値0に 持され、排気弁9は閉弁状態に保持される。

 一方、リンク74aがゼロリフト位置から最 リフト位置(図4の2点鎖線で示す位置)側の位 置に回動し、保持されている状態では、排気 カム62の回転により、リンク74aがコントロー シャフト71を中心として図4の時計回りに回 すると、ロッカアーム75は、バルブスプリ グの付勢力に抗しながら、図4に示す閉弁位 から下方に回動し、排気弁9を開弁する。そ の際、ロッカアーム75の回動量すなわち排気 フトは、リンク74aが最大リフト位置側に近 位置にあるほど、より大きくなる。

 以上の構成により、排気弁9は、リンク74a が最大リフト位置側に近い位置にあるほど、 より大きなリフトで開弁する。より具体的に は、排気カム62の回転中、排気弁9は、リンク 74aが最大リフト位置にあるときには、図5に 線で示すバルブリフト曲線に従って開弁し 排気リフトは最大リフトLEXMAXになる。した って、この排気リフト可変機構70では、アク チュエータ80を介して、リンク74aをゼロリフ 位置と最大リフト位置との間で回動させる とにより、排気リフトを値0と所定の最大リ フトLEXMAXとの間で無段階に変化させることが できる。また、後述する排気カム位相CAEXが じ場合、排気リフトが大きいほど、排気弁9 開弁タイミングは早くなり、閉弁タイミン は遅くなる。

 また、排気リフト可変機構70には、排気 フトを検出するためのリフトセンサ23が設け られている(図2参照)。このリフトセンサ23は コントロールシャフト71の回動角SAAEXを検出 し、それを表す検出信号をECU2に出力する。 気リフトは、コントロールシャフト71の回動 角SAAEXから一義的に定まるので、検出された 動角SAAEXは、実際の排気リフトを表す。

 一方、排気カム位相可変機構90は、排気 ムシャフト61のクランクシャフト3eに対する 対的な位相(以下「排気カム位相」という)CA EXを無段階に進角側または遅角側に変更する のである。その構成は、本出願人が特開2005 -315161号公報で既に提案したものと同様であ ので、以下、その概略を簡単に説明する。

 この排気カム位相可変機構90は、排気カ シャフト61の排気スプロケット側の端部に設 けられており、電磁弁91(図2参照)と、これを して油圧が供給される進角室および遅角室( いずれも図示せず)などを備えている。この 磁弁91は、ECU2に接続されており、ECU2からの 相制御入力U_CAEXに応じて、進角室および遅 室に供給する油圧を変化させることで、排 カム位相CAEXを所定の最遅角値と所定の最進 角値との間で無段階に連続的に変化させる。 それにより、排気弁9のバルブタイミングは 図6に実線で示す最遅角タイミングと2点鎖線 で示す最進角タイミングとの間で、無段階に 変更される。

 一方、排気カムシャフト61の排気カム位 可変機構90と反対側の端部には、カム角セン サ22(図2参照)が設けられている。このカム角 ンサ22は、排気カムシャフト61の回転に伴い 、パルス信号であるEXCAM信号を所定のカム角( 例えば1゜)ごとにECU2に出力する。ECU2は、こ EXCAM信号および後述するCRK信号に基づき、排 気カム位相CAEXを算出する。

 以上のように、このエンジン3では、排気 側動弁機構60により、排気弁9のリフトおよび バルブタイミングが無段階に変更され、それ により、気筒3a内に残留する既燃ガスの量す わち内部EGR量が制御される。

 エンジン3には、クランク角センサ21が設 られている。クランク角センサ21は、マグ ットロータおよびMREピックアップ(いずれも 示せず)で構成されており、クランクシャフ ト3eの回転に伴い、パルス信号であるCRK信号 よびTDC信号を、ECU2に出力する。

 このCRK信号は、所定のクランク角(例えば 30゜)ごとに出力される。ECU2は、CRK信号に基 き、エンジン3の回転数(以下「エンジン回転 数」という)NEを算出する。また、TDC信号は、 気筒3aのピストン3bが吸気行程開始時のTDC(上 点)付近の所定のクランク角度位置にあるこ とを表す信号であり、本実施形態のような4 筒タイプの場合には、クランク角180゜ごと 出力される。

 また、エンジン3の吸気管4には、上流側 ら順に、エアフローメータ24(図2参照)、吸気 温センサ25および吸気圧センサ26が設けられ いる。エアフローメータ24は吸気量GAIRを、 気温センサ25は吸気管4内の温度(以下「吸気 」という)TINを、吸気圧センサ26は吸気管4内 の圧力(以下「吸気圧」という)PINを検出し、 れらの検出信号は、ECU2に出力される。

 さらに、エンジン3の排気管5には、上流 から順に、排気温センサ27、排気圧センサ28 よびLAFセンサ29(図2参照)が設けられている 排気温センサ27は排気管5内の温度(以下「排 温」という)TEXを、排気圧センサ28は排気管5 内の圧力(以下「排気圧」という)PEXを検出し それらの検出信号は、ECU2に出力される。LAF センサ29は、理論空燃比よりもリッチなリッ 領域から極リーンまでの広範囲な空燃比の 域において、排気管5内を流れる排ガス中の 酸素濃度をリニアに検出し、その検出信号を ECU2に出力する。ECU2は、LAFセンサ29からの検 信号に基づいて、排ガスの空燃比すなわち 合気の空燃比AFを算出する。

 エンジン3の本体には、水温センサ30が設 られている。水温センサ30は、エンジン3の リンダブロック3f内を循環する冷却水の温 (以下「エンジン水温」という)TWを検出し、 の検出信号をECU2に出力する。

 さらに、ECU2には、アクセル開度センサ31 ら、アクセルペダル(図示せず)の踏み込み (以下「アクセル開度」という)APを表す検出 号が出力される。

 ECU2は、I/Oインターフェース、CPU、RAMおよ びROMなどから成るマイクロコンピュータ(い れも図示せず)で構成されている。ECU2は、前 述した各種のセンサ21~31からの検出信号に応 、ROMに記憶された制御プログラムなどに従 て、エンジン3の運転状態を判別するととも に、判別した運転状態に応じて、エンジン3 燃焼モードを、SI燃焼モードまたはCI燃焼モ ドに決定する。また、ECU2は、エンジン3の 転状態や燃焼モードに応じて、燃料噴射制 を実行する。

 さらに、ECU2は、決定した燃焼モードに応 じて排気側動弁機構60を制御することにより 排気弁9の閉弁タイミングを変更し、内部EGR 量を制御する。なお、本実施形態では、ECU2 、目標内部EGR量設定手段、内部エネルギ算 手段、目標内部EGR量補正手段、閉弁タイミ グ算出手段および制御手段に相当する。

 図7は、ECU2で実行される燃焼モードの決 処理を示すフローチャートである。本処理 、TDC信号の発生に同期して実行される。本 理では、まず、ステップ1(「S1」と図示。以 同じ)において、検出されたエンジン水温TW 所定温度TWJUD(例えば85℃)よりも高いか否か 判別する。この判別結果がNOで、エンジン 温TWが所定温度TWJUD以下のときには、CI燃焼 適した燃焼室3d内の温度を確保できないとし て、燃焼モードをSI燃焼モードに決定し、そ ことを表すために、CI燃焼モードフラグF_HCC Iを「0」にセットした(ステップ3)後、本処理 終了する。

 一方、ステップ1の判別結果がYESのときに は、エンジン3がCI燃焼を実行すべき運転領域 (以下「HCCI領域」という)にあるか否かを判別 する(ステップ2)。この判別は、図8に示す燃 領域マップに基づき、エンジン回転数NEおよ び要求トルクPMCMDに応じて行われる。この燃 領域マップでは、HCCI領域は、エンジン回転 数NEが低~中回転域にあり、また要求トルクPMC MDが低~中負荷域にある運転領域に相当する。 なお、要求トルクPMCMDは、エンジン回転数NE よびアクセル開度APに応じ、マップ(図示せ )を検索することによって算出される。

 前記ステップ2の判別結果がNOで、エンジ 3がHCCI領域にないときには、前記ステップ3 実行し、SI燃焼モードを選択する。一方、 テップ2の判別結果がYESで、エンジン3がHCCI 域にあるときには、燃焼モードをCI燃焼モー ドに決定し、そのことを表すために、CI燃焼 ードフラグF_HCCIを「1」にセットした(ステ プ4)後、本処理を終了する。

 図9は、内部EGRの制御処理を示すフローチ ャートである。本処理もまた、TDC信号の発生 に同期して実行される。本処理では、まず、 ステップ11において、エンジン回転数NEおよ 要求トルクPMCMDに応じ、燃焼モードごとに設 定された所定のマップ(いずれも図示せず)を 索することによって、内部EGR量の目標とな 目標内部EGR量EGRINCMDを算出する。

 次に、気筒3a内に残留した既燃ガスが保有 る内部エネルギ(以下「実内部エネルギ」と う)QACTを算出する(ステップ12)。図10は、こ 実内部エネルギQACTの算出処理を示すサブル チンである。まず、ステップ31において、 気圧PINに応じ、次式(1)に従って、圧縮行程 開始直前において気筒3a内に存在する吸気お よび既燃ガスを合わせた作動ガスの内部エネ ルギ(以下「作動ガス内部エネルギ」という)Q CYLを算出する。
 QCYL=PIN×VCYL/R1               ・・・(1 )
 ここで、R1は気体定数(例えば287J/kg・K)であ 。VCYLは、圧縮行程の開始直前における気筒 3aの容積であり、所定値に設定されている。 た、上記式(1)に従って作動ガス内部エネル QCYLを算出するのは、気体が保有する内部エ ネルギが気体の質量と温度との積で定まると ともに、気体の状態方程式(PV=nRT)から式(1)の 辺が気体の質量と温度との積に相当するた である。

 次に、検出された吸気量GAIRおよび吸気温TIN を用い、次式(2)に従って、吸気の内部エネル ギ(以下「吸気内部エネルギ」という)QINを算 する(ステップ32)。
 QIN=GAIR×TA                    ・・ ・(2)

 次いで、作動ガス内部エネルギQCYLから吸 気内部エネルギQINを減算する(=QCYL-QIN)ことに って、実内部エネルギQACTを算出し(ステッ 33)、本処理を終了する。エネルギ保存の法 から、作動ガス内部エネルギQCYLは、吸気と 燃ガスの比熱が同じと仮定すると、実内部 ネルギQACTと吸気内部エネルギQINの和に等し い(QCYL=QACT+QIN)。したがって、上記のように、 実内部エネルギQACTを、作動ガス内部エネル QCYLと吸気内部エネルギQINから、両者の差に って算出することができる。

 図9に戻り、前記ステップ12に続くステッ 13では、実内部エネルギQACTに応じた補正値Q Cを算出する。図11は、この補正値QCの算出処 を示すサブルーチンである。本処理では、 ず、ステップ41において、CI燃焼モードフラ グF_HCCIが「1」であるか否かを判別する。こ 判別結果がNOで、SI燃焼モードのときには、 12に示すマップから、要求トルクPMCMDに応じ てSI燃焼モード用のマップ値QSIを検索し、内 エネルギの目標となる目標内部エネルギQCMD として設定する(ステップ42)。このマップで 、マップ値QSIは、要求トルクPMCMDが大きいほ ど、より大きな値に設定されている。

 一方、ステップ41の判別結果がYESで、CI燃 焼モードのときには、図12に示すマップから 要求トルクPMCMDに応じてCI燃焼モード用のマ ップ値QCIを検索し、目標内部エネルギQCMDと て設定する(ステップ43)。このマップでは、 ップ値QCIは、要求トルクPMCMDが小さいほど 自己着火を行うのにより大きな内部エネル が必要になることから、より大きな値に設 されている。また、このCI燃焼モード用のマ ップ値QCIは、自己着火に必要な内部エネルギ を確保するため、要求トルクPMCMDの全領域に いて、SI燃焼モード用のマップ値QSIよりも きな値に設定されている。

 ステップ42または43に続くステップ44では 目標内部エネルギQCMDから実内部エネルギQAC Tを減算する(=QCMD-QACT)ことによって、補正値QC を算出し、本処理を終了する。

 図9に戻り、前記ステップ13に続くステッ 14では、気体定数Rを算出する。図13は、こ 気体定数Rの算出処理を示すサブルーチンで る。本処理では、まず、ステップ51におい 、CI燃焼モードフラグF_HCCIが「1」であるか かを判別する。この判別結果がNOで、SI燃焼 ードのときには、気体定数Rを所定値RSI(例 ば255J/kg・K)に設定し(ステップ52)、本処理を 了する。この所定値RSIは、均質燃焼におけ 既燃ガスの気体定数に相当するものであり 実験などによってあらかじめ求められる。

 一方、ステップ51の判別結果がYESで、CI燃 焼モードのときには、検出された空燃比AFに じて、所定のマップ(図示せず)からマップ RCIを検索し、気体定数Rとして設定した(ステ ップ53)後、本処理を終了する。このマップに おいて、マップ値RCIは、空気の気体定数に相 当する上限値(例えば287J/kg・K)と、均質燃焼 おける既燃ガスの気体定数に相当する下限 (例えば255J/kg・K)との間に設定されており、 燃比AFが高いほど、より大きな値に設定さ ている。

 図9に戻り、前記ステップ14に続くステップ1 5では、補正値QC、目標内部EGR量EGRINCMD、検出 れた排気温TEXおよび排気圧PEXと、算出した 体定数Rを用い、気体の状態方程式に基づき 、次式(3)に従って、最終目標内部EGR量EGRINCを 算出する。
 EGRINC=(EGRINCMD×TEX+QC)×R/PEX ・・・(3)

 次に、算出した最終目標内部EGR量EGRINC、 よびエンジン回転数NEに応じ、マップ(図示 ず)を検索することによって、排気カム位相 CAEXの目標となる目標排気カム位相CAEXCMDを算 する(ステップ16)。次いで、算出した目標排 気カム位相CAEXCMDと検出された実際の排気カ 位相CAEXに応じ、位相制御入力U_CAEXを算出す (ステップ17)とともに、算出した位相制御入 力U_CAEXに応じて、電磁弁91を駆動する(ステッ プ18)。以上により、排気カム位相CAEXが目標 気カム位相CAEXCMDになるように制御される。

 次に、最終目標内部EGR量EGRINCに応じ、テ ブル(図示せず)を検索することによって、 気弁9の目標閉弁タイミングに相当する目標 弁クランク角CAEXVCを算出する(ステップ19)と ともに、目標閉弁クランク角CAEXVCおよび排気 カム位相CAEXに応じて、コントロールシャフ 71の回動角SAAEXの目標となる目標回動角SAAEXCM Dを算出する(ステップ20)。

 次いで、回動角SAAEXおよび目標回動角SAAEX CMDに応じて、リフト制御入力U_SAAEXを算出す (ステップ21)。そして、リフト制御入力U_SAAEX に応じて、アクチュエータ80を駆動する(ステ ップ22)。以上により、回動角SAAEXが目標回動 SAAEXCMDになるように制御される。

 以上のように、本実施形態によれば、作 ガス内部エネルギQCYLと吸気内部エネルギQIN との差(=QCYL-QIN)に基づいて算出した実内部エ ルギQACTに応じて、目標内部EGR量EGRINCMDを補 するので、経年変化などにより排気弁9の実 際のバルブタイミングなどが変化し、既燃ガ スの性状が変化した場合でも、それによる影 響を補償しながら、最終目標内部EGR量EGRINCを 適切に算出することができる。また、目標内 部EGR量EGRINCMDを補正するための補正値QCを、 標内部エネルギQCMDと実内部エネルギQACTとの 差として設定するので、燃焼に必要な内部エ ネルギを確保することができる。そして、以 上のようにして算出した最終目標内部EGR量EGR INCに応じて、排気側動弁機構60を制御し、排 弁9の閉弁タイミングを制御するので、内部 EGR量を適切に制御できる結果、気筒3a内の温 を適切に制御することができる。

 また、作動ガス内部エネルギQCYLと吸気内 部エネルギQINを用いて実内部エネルギQACTを 出するので、既燃ガスの質量や温度を検出 るためのセンサを新たに設けることなく、 ンジン3の制御のために通常、設けられる既 のセンサ24~26を利用しながら、コスト増を うことなく、実内部エネルギQACTを適切に算 することができる。

 なお、本発明は、説明した実施形態に限 されることなく、種々の態様で実施するこ ができる。例えば、実施形態では、実内部 ネルギQACTを、作動ガス内部エネルギQCYLと 気内部エネルギQINとの差に基づいて算出し いるが、これに限らず、実際の内部エネル を適切に算出できるものであれば、他の任 の算出方法を採用できる。例えば、既燃ガ の量と温度をそれぞれ取得するとともに、 者の積に基づいて、実内部エネルギQACTを算 してもよい。また、実施形態では、内部EGR を、排気リフト可変機構70および排気カム 相可変機構90の両方によって制御しているが 、これに限らず、例えばこれらの一方で制御 してもよい。

 また、実施形態は、本発明を車両に搭載 れたガソリンエンジンに適用した例である 、本発明は、これに限らず、ガソリンエン ン以外のディーゼルエンジンなどの各種の ンジンに適用してもよく、また、車両用以 のエンジン、例えば、クランク軸を鉛直に 置した船外機などのような船舶推進機用エ ジンにも適用可能である。その他、本発明 趣旨の範囲内で、細部の構成を適宜、変更 ることが可能である。

産業上の利用の可能性

 以上のように、本発明に係る内燃機関の 御装置は、経年変化などによって排気弁の 際のバルブタイミングが変化した場合でも それによる影響を補償しながら、内部EGR量 適切に制御でき、それにより、気筒内の温 を適切に制御することができる内燃機関の 部EGR制御装置として、各種の内燃機関に用 ることができる。




 
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