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Patent Searching and Data


Title:
LAMINATED GLASS, WINDOW MATERIAL, AND WALL SURFACE STRUCTURES WITH WINDOWS
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/149763
Kind Code:
A1
Abstract:
[PROBLEMS] To provide a laminated glass which exhibits high penetration resistance and impact resistance even against repeated impact applied at one point on the glass surface with concentration and which is free from structural load by virtue of its lightweightness and is economically advantageous. [MEANS FOR SOLVING PROBLEMS] A laminated glass (10) which is constituted of seven glass layers (11) each consisting of a 0.7-mm thick glass sheet and resin layers (12) lying among the glass layers (11) respectively which resin layers (12) are made of polyvinyl butyral (PVB) resin and have each a thickness of 0.5mm with the total number of the glass layers (11) and the resin layers (12) being 13. Between a glass layer (11) and a resin layer (12) which are adjacent to each other, the thickness ratio of the resin layer (12) to the glass layer (11) [the ratio of the thickness of the resin layer (12)/the thickness of the glass layer (11)] is 0.71. The matrix resin constituting the resin layers (12) may be ethylene/vinyl acetate copolymer (EVA) or methacrylic resin (PMA) as well as polyvinyl butyral (PVB) resin.

Inventors:
SHIMATANI NARUTOSHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/059873
Publication Date:
December 11, 2008
Filing Date:
May 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON ELECTRIC GLASS CO (JP)
SHIMATANI NARUTOSHI (JP)
International Classes:
C03C27/12; B32B17/10; B60J1/00
Foreign References:
JP2002326847A2002-11-12
JP2003231209A2003-08-19
JPH07101755A1995-04-18
JP2004196559A2004-07-15
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Hideyoshi et al. (15-26 Edobori 1-chome, Nishi-k, Osaka-shi Osaka 02, JP)
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Claims:
 ガラス層と樹脂層とが積層された合わせガラスであって、
 厚さ1mm以下のガラス層と厚さ1mm以下の樹脂層とが交互に積層された4層以上の積層構造部を有し、該積層構造部のガラス層の厚さに対する、該ガラス層に接する樹脂層の厚さの比が0.1から2.0の範囲内にあることを特徴とする合わせガラス。
 表裏の透光面のうち少なくとも一方が、前記積層構造部のガラス層によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の合わせガラス。
 前記樹脂層の母材樹脂が熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の合わせガラス。
 請求項1から請求項3の何れかに記載の合わせガラスの端面及び表裏の透光面の周辺部のうち少なくとも一方に保護部材が配設されてなることを特徴とする窓材。
 前記保護部材が、板状、網状、フィルム状、ペースト状、布状、粒状、環状及び帯状の中から選択される一の形態からなる部材であることを特徴とする請求項4に記載の窓材。
 請求項4又は請求項5に記載の窓材を採光用窓又は監視用窓として施工してなることを特徴とする窓付き壁面構造体。
Description:
合わせガラス、窓材、及び窓付 壁面構造体

 本発明は、主に建造物、自動車、鉄道車 等の窓材として好適な衝撃吸収性を有する わせガラスに関する。

 一般に合わせガラスと呼ばれる2枚の板ガ ラスに中間層を介在させた積層ガラス体は、 ガラスのみの構造では実現できない要求性能 を満たすのに使用されている。このような合 わせガラスの用途として、透視性を要する壁 や床面等の構造部材、高い機械的耐久性を要 する窓材、断熱性や耐熱性の高い窓材などが 挙げられる。また、このような用途以外にも 、液晶ディスプレイ等の画像表示用の電子デ バイス部材としても用いられている。現在、 ガラス積層体は、その用途が多様化しており 、その製造、あるいは製品に関し、高度な技 術を要するものも多い。そのため、合わせガ ラスについては、様々な要望を満たすために 、これまで数多くの発明が行われてきた。

 例えば、特許文献1には、少なくとも1層 合成樹脂組成物からなる中間膜によって接 されてなる合わせガラスであって、表裏の ラス板の厚さが異なり、その板厚の差が1mm 上である合わせガラスが開示されている。

 また、特許文献2には、一方の面にガラス を、他方の面に耐衝撃性透明プラスチックを 配置して一体的に構成される被覆透明体が開 示されている。

 さらに、特許文献3には、一対のガラス板の 間に、ポリエチレンテレフタレートからなる シートと加熱溶融によって粘着性を示す透明 樹脂とからなる中間層を挿入し、接着一体化 させてなる樹脂挿入合わせガラスが開示され ている。

特開2001-39743号公報

特開2001-18326号公報

特開2002-321948号公報

 従来の合わせガラスは、例えば鋭利な器 によりガラス表面の1点に集中的に反復して 衝撃が加えられる場合など、集中的に反復し て加えられる衝撃に対して、十分な耐貫通性 を備えてない。

 また、合わせガラスは安全ガラスとして 用いられており、近年の社会構造の変化に い、高齢化世代の増加や家族構成人数の減 といったような多くの問題をはらんだ諸要 の影響にも配慮する必要がある。特に、高 齢の独り暮らしの場合、その居住空間には い安全性が求められる。そのため、より高 安全性、より高度な信頼性を実現できる合 せガラスの要求が高まることが今後予測さ る。

 風冷強化などを施した強化ガラスは、一 には強度が高いとされる。しかし、上記の うな反復的、かつ集中的に加えられる衝撃 に対しては、必ずしも強いものではない。 面の極小領域を陥没させるような外力が加 ることによって、強化ガラス内の応力均衡 一旦崩れると、内部応力の解放により瞬時 完全崩壊してしまう。また、網入りガラス 呼ばれるものも、こじ開け、打破り等の犯 予防には、大きな耐久効果を期待できない 網の存在による視角的な防犯性は有するが 破壊に必要な外力については、通常の窓板 ラスと大差はない。一点集中の反復衝撃へ 耐久性向上策としては、ガラス単板を単純 厚くする方法がある。しかし、耐久性向上 効果は確実に得られるものの、窓材の重量 非常に重くなり、特殊な窓枠が必要で施工 困難になる上、窓の開閉操作も困難となる

 本発明は、ガラス表面の1点に集中的に加 えられる反復的な衝撃力に対しても高い耐貫 通性や耐衝撃性を有し、構造的に負担がかか らない程度に軽量で経済性をも有し、各種建 造物や車両といった用途に適した衝撃吸収性 能に優れた合わせガラス、及びこの合わせガ ラスを使用した窓材及び窓付き壁面構造体を 提供することを課題とする。

 すなわち、本発明の合わせガラスは、ガ ス層と樹脂層とが積層された合わせガラス あって、厚さ1mm以下のガラス層と厚さ1mm以 の樹脂層とが交互に積層された4層以上の積 層構造部を有し、該積層構造部のガラス層の 厚さに対する、該ガラス層に接する樹脂層の 厚さの比が0.1から2.0の範囲内にあることを特 徴とする。

 本発明の合わせガラスは、その全体が上 積層構造部によって構成されたものであっ もよいし、その一部に上記積層構造部を含 ものであってもよい。後者の場合、通常、 わせガラスの表裏の透光面のうち一方が上 積層構造部のガラス層によって形成され、 方が上記積層構造部以外のガラス層又は樹 層によって形成された構造、または、表裏 透光面の双方が上記積層構造部以外のガラ 層によって形成され、上記積層構造部は表 の透光面から所定の深さ位置に在る構造、 るいは、表裏の透光面の双方が上記積層構 部のガラス層によって形成され、上記積層 造部の間に、上記積層構造部以外の樹脂層 び/又はガラス層が介装されている構造にな る。また、本発明の合わせガラスは、上記積 層構造部を2つ以上含んだものであっても良 。上記の何れの構造であっても、本発明の わせガラスは透光面の同一点に衝撃を受け 際に、その表面又は内部に後述する衝撃吸 構造体を形成し、合わせガラスの耐衝撃性 耐貫通性の向上に寄与する。このような衝 吸収構造体の機能をより効果的に発揮させ ためには、上記積層構造部は、衝撃が加わ 合わせガラスの透光面の近くに設けるのが ましく、より好ましくは、衝撃が加わる合 せガラスの透光面を上記積層構造部のガラ 層で形成することである。

 本発明の合わせガラスが、その一部に上 積層構造部を含むものである場合、上記積 構造部以外の部分は任意の形態及び材料で 成できる。例えば、上記積層構造部以外の 分を構成する樹脂層やガラス層の厚さは1mm 上であってもよく、また、2種類の樹脂層を 互いに隣接させてもよい。さらに、上記積層 構造部以外の部分は上記積層構造部に接着し ている必要はなく、両者の間に所定厚さの空 間を設けてもよい。

 上記のガラス層は、無機ガラス材質を含 ものであればよい。この無機ガラス以外に 結晶やセラミックス、金属、気泡等を適量 有していてもよい。例えば、ガラス層は、 ラスから板状物で構成する他、例えば結晶 ガラス(ガラスセラミックスともいう)から る板状物で構成してもよい。

 上記の樹脂層は、樹脂を含有する材料で 成されたものであればよい。この樹脂層は シート状又はフィルム状をなす樹脂材料を いて形成したものであってもよいし、液状 はペースト状の樹脂材料を固化させて形成 たものであってもよい。また、樹脂層は、 材樹脂に加え、他の種類の樹脂、金属、ガ ス、カーボン、結晶等を含有したものであ てもよい。ただし、樹脂層の母材樹脂の含 量は質量百分率で60%以上であることが好ま い。また、本発明の合わせガラスを建造物 車両の採光窓として使用する場合、ガラス に加え、樹脂層にも可視光線の透過性が求 られる。従って、母材樹脂の他、他の含有 分についても可視光透過性を著しく損なわ い性質が求められる。また、母材樹脂と他 含有成分の濃度分布は均一であっても、不 一であってもよい。例えば、合わせガラス 透光面の外周近傍領域に、他の含有成分が く分布するように濃度分布を付けてもよい

 また、上記積層構造部におけるガラス層 樹脂層の厚さは何れも1mm以下であるが、各 の厚みが小さすぎると、安定した性能を実 するのに数多くの層を積層化する必要があ 、合わせガラスの製造費用が嵩むものとな 。このため、ガラス層については、その厚 を0.05mm以上とすることが好ましく、0.1mm以 とするのがより好ましく、0.2mm以上とするの が一層好ましい。樹脂層については、その厚 さを0.01mm以上とすることが好ましく、0.05mm以 上とすることがより好ましく、0.1mm以上とす ことが一層好ましい。

 本発明者は、透光面の1点(透光面の全面 に対して10%以下の面積を有する1つの領域内) に集中的に反復して衝撃力が加わるような過 酷な条件下でも、充分に長い時間貫通されず に持ちこたえることができる構造の合わせガ ラスを得るため、研究を重ね、その結果、特 定の構造条件を有する積層構造部を合わせガ ラスの全部又は一部に設けることにより、上 記の衝撃力に対する緩和効果が得られ、高い 耐貫通性や耐衝撃性が得られることを見出し た。すなわち、本発明における積層構造部は 、その表面の1点に反復して衝撃力が加わる 、ガラス層の衝撃破壊で発生するガラス微 が、衝撃による強い外力によって、隣接す 樹脂層の樹脂と混練密着して混合物を形成 、その混合物が衝撃を吸収する衝撃吸収構 体として機能する。このような衝撃吸収構 体となる混合物は、衝撃力が加えられた透 面の部位の直下又はその近傍部で形成され 。

 上記のように、本発明における積層構造 の構造上の第1の特徴は、交互に積層された ガラス層と樹脂層の厚さがそれぞれ1mm以下で あり、かつ、積層数が4層以上であることで る。このような構造とすることで、上記衝 吸収構造体が反復衝撃によって生成され易 なる。また、積層構造部全体の厚さが比較 小さく、軽量で柔軟性を示す場合でも、高 耐貫通性と耐衝撃性が得られる。

 また、本発明における積層構造部の構造 の第2の特徴は、ガラス層の厚さとこれに接 する樹脂層の厚さの比(樹脂層の厚さ/ガラス の厚さ)が0.1から2.0の範囲内にあることであ る。このような構造とすることで、上記衝撃 吸収構造体が確実に形成されると共に、耐貫 通性等に関する充分な効果が得られ、かつ、 ガラス層に対する樹脂層の接着力も十分に働 く。

 本発明の合わせガラスは、表面及び/又は 裏面の透光面を構成するガラス層の表面に、 必要に応じて膜を被覆してよい。被覆できる 膜の種類については、光学的な性能を変える ためのもの、表面の硬度を変更するためのも の、導電性や耐湿性などを調整して適宜改変 するためのもの、等を任意に選択できる。

 表面に被覆できる膜としては、例えば、シ カ(SiO 2 )、アルミナ(Al 2 O 3 )、ジルコニア(ZrO 2 )、酸化タンタル(又はタンタラ)(Ta 2 O 5 )、酸化ニオブ(Nb 2 O 5 )、酸化ランタン(La 2 O 3 )、酸化イットリウム(Y 2 O 3 )、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ハフニウム(Hf O 2 )、酸化クロム(Cr 2 O 3 )、フッ化マグネシウム(MgF 2 )、酸化モリブデン(MoO 3 )、酸化タングステン(WO 3 )、酸化セリウム(CeO 2 )、酸化バナジウム(VO 2 )、酸化チタンジルコニウム(ZrTiO 4 )、硫化亜鉛(ZnS)、クリオライト(Na 3 AlF 6 )、チオライト(Na 5 Al 3 F1 4 )、フッ化イットリウム(YF 3 )、フッ化カルシウム(CaF 2 )、フッ化アルミニウム(AlF 3 )、フッ化バリウム(BaF 2 )、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ランタン(LaF 3 )、フッ化ガドリニウム(GdF 3 )、フッ化ディスプロシウム(DyF 3 )、フッ化鉛(PbF 3 )、フッ化ストロンチウム(SrF 2 )、アンチモン含有酸化スズ(ATO)膜、酸化イン ジウム-スズ膜(ITO膜)、SiO 2 とAl 2 O 3 の多層膜、SiOx-TiOx系多層膜、SiO 2 -Ta 2 O 5 系多層膜、SiOx-LaOx-TiOx系列の多層膜、In 2 O 3 -Y 2 O 3 固容体膜、アルミナ固容体膜、金属薄膜、コ ロイド粒子分散膜、ポリメチルメタクリレー ト膜(PMMA膜)、ポリカーボネート膜(PC膜)、ポ スチレン膜、メチルメタクリレートスチレ 共重合膜、ポリアクリレート膜等の組成を するものが使用できる。

 被覆膜の形成方法については、所定の表 精度や機能を実現し、製造費用に支障のな 方法であれば、任意の方法を採用できる。 えば、スパッタリング法、真空蒸着法、あ いは熱CVD法、レーザーCVD法、プラズマCVD法 分子線エピタキシー法(MBE法)、イオンプレ ティング法、レーザーアブレーション法、 機金属化学気相成長法(MOCVD)等の化学的気相 長法(またはCVD法)、さらにゾル-ゲル法、ス ンコーティングやスクリーン印刷の塗布法 メッキ法等の液相成長法、が挙げられる。 だし、この中では特にCVD法は、低温で密着 の良い被覆膜が形成でき、種々の被膜に対 可能で、化合物の被膜形成にも適している め好ましい方法である。

 また、本発明の合わせガラスは、上記積 構造部を構成する樹脂層の母材樹脂が熱可 性樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹 は材質によって様々な性質を有するため、 途に応じて適正な熱可塑性樹脂を選択する とで、機械的強度や光透過率といった合わ ガラスの各種の性質を調整できる。

 上記の熱可塑性樹脂としては、例えば、 リプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ポリ チレン(PE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT )、セルロースアセテート(CA)、ジアリルフタ ート樹脂(DAP)、エチレン酢酸ビニル共重合 (EVA)、メタクリル樹脂(PMA)、ポリ塩化ビニル( PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ユリ ア樹脂(UP)、メラミン樹脂(MF)、不飽和ポリエ テル(UP)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリ ニルホルマール(PVF)、ポリビニルアルコー (PVAL)、酢酸ビニル樹脂(PVAc)、アイオノマー(I O)、ポリメチルペンテン(TPX)、塩化ビニリデ (PVDC)、ポリスルフォン(PSF)、ポリフッ化ビニ リデン(PVDF)、メタクリル-スチレン共重合樹 (MS)、ポリアレート(PAR)、ポリアリルスルフ ン(PASF)、ポリブタジエン(BR)、ポリエーテル ルフォン(PESF)、ポリエーテルエーテルケト (PEEK)を使用できる。

 上記の樹脂層に適用する樹脂材料は、衝 力が加えられることによってガラス微粉と ざり易く、さらに板ガラス(ガラス層)と接 し易い性質を有するものが求められる。こ ような性質を有する点において、熱可塑性 脂は有用であり、ビニル系樹脂は概して好 しい。その中でも、ポリビニルブチラール(P VB)やエチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)は、上 の樹脂層の母材樹脂として適している。こ 理由としては、これら樹脂材料が適度に柔 かく、ガラス材料に対する密着性が高いこ が関係する。

 上記の衝撃吸収構造体の形成には、常温( 25℃程度)における樹脂の柔らかさや、ガラス への粘着性が関係する。これに加えて、衝撃 時の発生熱による樹脂の軟化や粘着性増加も 影響する。衝撃の際は、衝撃力の一部は熱に 変換され、衝撃物の先端や被衝撃箇所の温度 が上昇する。熱可塑性樹脂は、温度上昇によ って、軟化が進むとともに、ガラスへの粘着 性も増加する。これらの樹脂特性変化は、い ずれも、衝撃時にガラス微粉と樹脂が機械的 に混合されて混練密着物を形成するのを促進 させる。また衝撃による温度上昇の度合いは 、衝撃力がどのように加えられるか、あるい はその繰返し回数にもよるが、数℃から数十 ℃程度であり、熱可塑性樹脂は、この程度の 温度上昇幅でも粘度の低下が生じる。そして 、温度の上昇は、板ガラス(ガラス層)への粘 性を増加させるとともに、衝撃吸収物の混 形成に寄与することになる。

 一方、ポリカーボネートやポリイミド樹 などの硬質樹脂では、樹脂の柔らかさや粘 性が不十分なため、衝撃吸収構造体が形成 れ難い。衝撃時の発生熱で多少温度が上昇 ても、衝撃吸収構造体の形成を促進させる どの粘性低下や粘着性増加は起こらない。

 ガラス材料については、通常、上記のガ ス層に適用される厚さ1mm以下の薄板状態で 、ガラス組成や構造に関係なく、衝撃破壊 で微粉が形成される。

 透光面の1点(透光面の全面積に対して10%以 の面積を有する1つの領域内)に集中的に反復 して衝撃力が加えられ、上記積層構造部を構 成する2以上のガラス層が破砕して上記衝撃 収構造体が形成される場合、上記衝撃吸収 は、その30mm 3 の容積当たりに、ガラス層の破砕によって生 成された0.5mm以下のガラス粒子を少なくとも5 個以上含むものであるならば、高い耐貫通性 や耐衝撃性を確保するために好ましい。

 上記の衝撃力が加ええられた際、ガラス は破壊されてクラック等の新生面を形成す 。破壊されたガラス層の一部は、元のガラ 層から解離してガラス粒子となる。そして このガラス粒子は、隣接する樹脂層に埋没 て混合され、衝撃吸収構造体を形成する。 、衝撃吸収構造体の全容積は、合わせガラ 全体の容積の10分の1以下であるのが好まし 。

 ここで、反復同一点衝撃の評価方法と評 装置について示す。試験装置の概略構成を 図3に示す。図3の装置図において、(A)は正 図、(B)は側面図であり、10aは合わせガラス 20は天井支持材、21は側面支持材、22はワイ 材、23は合わせガラス固定用の前面枠体、24 枠体止め鋲、25は試料保持台、26は合わせガ ラスを固定用の後面枠体、27は枠体保護天井 、28は枠体保護側面板、Kはヘッド部分銅、H はヘッド部先端、Lはヘッド部振上げ高さ、P ヘッド部の振り子半径、Wはワイヤの固定間 距離、をそれぞれ示す。この試験では、合わ せガラス10aは、その周囲四辺の固定のため、 前面枠体23と後面枠体26の間に挟み、枠体止 鋲24で固定する。また、合わせガラス10aは、 そのガラス透光面が地面に垂直となるように 試料保持台25で支持する。ヘッド部は、2本の ワイヤ材22によって、天井支持材20にそれぞ 一端側が固定されている。ヘッド部の振り ろしによって、ヘッド部の先端Hは、円弧状 軌跡を描いて合わせガラス10aのガラス透光 の所定領域に衝突する。この振り下ろしの 作を繰返し行うことで、ガラス透光面に反 同一点衝撃を加えることができる。

 合わせガラス10aを固定する枠体23、26には 、コルク材等の柔らかい木材ではなく、樫材 のような硬い木材を使用する。枠体23,26と合 せガラス10aが直接接触すると、その部分に 力が集中して割れが発生する虞があるため 枠体23,26と合わせガラス10aの接触部位には 厚さ3mmのブチルゴム製シートを挟む。これ よって、枠体における衝撃の局所に集中を 止できる。枠体23、26の外形寸法は、内寸570 570mm、外寸800×730mmである。この衝撃試験に 用する合わせガラス10aは、枠体23、26の内寸 りも大きいガラス透光面を有するものであ ばよい。ワイヤ材22には、長さPが193cmのス ンレス製のものを2本使用している。天井支 材20の2点に堅牢に固定したワイヤ材22の固 間距離Wは、1450mmである。合わせガラス10aを 定する枠体については、頑丈な構造とする 要があるため、枠体保護天井板27と枠体保 側面板28によって箱状の構造とし、ガラスが 飛び散ったりしても安全に試験を行えるよう に配慮してある。

 ヘッド部は、鋼鉄製であり、その質量は6 .1kgである。また、ヘッド部は、円柱形状分 の円柱体Kの一方側底面に、半径3mmで先端加 した高さ450mmの鋼製円錐体Hをネジ構造で取 付けた構造を有している。ヘッド部は、天 面の異なる2箇所に固定した2本のワイヤ材22 によって、合わせガラス10aの上方に保持され ている。2本のワイヤ材22を使用するのは、ヘ ッド部がガラス表面に衝突する際に、衝突位 置に対する横方向の位置ズレを防ぐためであ る。衝撃試験では、このヘッド部を振上げ高 さLが700mmあるいは1400mmとなるように初期位置 まで振上げ後、ヘッド部の保持を解除して降 下させる。これによって、半径3mmのヘッド部 の先端Hが、上方より弧を描きながら合わせ ラスの所望箇所に衝突する。このような操 を繰返し行うことで、反復同一点衝撃に対 る合わせガラスの耐久性を評価できる。

 この衝撃試験において、ヘッド部の振り げ高さLとは、ガラス透光面に衝突するヘッ ド部の水平位置と、ワイヤが緊張した状態で ガラス表面から遠ざけるように振上げたヘッ ド部の水平位置に対する高低差を示している 。この試験では、この高低差を700mm、あるい 1400mmとしている。また、この試験では、一 の衝突でヘッド部先端Hが被試験体のガラス 表面でバウンドして再度衝突するのを防止す るため、再衝突防止機構(図示省略)が設けら ている。この機構によって、この試験では 突回数を正確に計測できるようになってい 。

 この衝撃試験の試験環境については、通 は、室温の大気雰囲気で行う。そのとき、 度は80%以下となるように配慮する。湿度が れ以上に高いと、ガラスの破壊のし易さに 響して、試験体の評価結果に影響する可能 がある。ただし、高温や湿潤雰囲気等の特 用途を想定して評価する場合は、それに合 せて試験雰囲気を調整するとよい。また、 撃を受ける面の観察については、通常は肉 によるものでよいが、微妙な判定を要する 合には、実体顕微鏡や撮影記録装置等を併 してもよい。

 このような極めて過酷な衝撃試験方法に 評価すると、既存の合わせガラスでは、合 せガラスの全ての層をヘッド部の先端Hが容 易に貫通する。一方、本発明の合わせガラス 10aでは、容易に貫通することはない。このた め、ガラス透光面の同じ箇所をハンマーやバ ール等の鋭利な工具等を使用し、何度も繰返 し打撃を加えて合わせガラスを破壊しようと しても、従来のように容易に2以上の板ガラ が破壊されて合わせガラスの全ての層が貫 されてしまうことがない。本発明の合わせ ラスは、このような破壊防止効果を有する め、防犯に対して高い性能を発揮できる。

 反復同一点衝撃でガラス透光面に形成さ る衝撃吸収構造体について、その細部構造 組成等を把握するには、公知の分析方法や 測手段を使用できる。例えば、SEMやイオン ロマトグラフィー、IPC発光分析装置、画像 析装置、実体顕微鏡、蛍光X線分析装置、弾 力測定装置、粘弾性計測装置等を適宜使用す ることで、衝撃吸収体の性状や組成を特定で きる。

 本発明の窓材は、上記の合わせガラスの 面及び表裏の透光面の周辺部のうち少なく も一方に保護部材が配設されてなることを 徴とする。

 上記の保護部材の施工目的の一つは、合 せガラスの運搬や建物等への施工において 端面や周辺部の打突損傷を保護することで る。また、施工目的の二つ目は、樹脂層の 質を防ぐこと、さらに三つ目は、各接合層 界面の接着性低下による剥離を防ぐことで る。

 また、本発明の窓材は、上述に加え、保 部材が板状、網状、フィルム状、ペースト 、布状、粒状、環状及び帯状の何れかの形 よりなる部材であるならば、端面や透光面 辺部を確実に保護することでき、用途に応 て最適な材料構成を選択できるため好まし 。

 本発明の窓材は、上述に加え、透光面の 所に取っ手等を取り付けるための貫通孔を するものであってもよい。また、貫通孔に えて、深さ方向の途中までに至る有底孔を けても良い。透光面の表面には、凹凸状の 刻や模様が施されていてもよい。凹凸状の 様は、膜付けやレーザー加工、プレス成形 を使用して形成したものを採用できる。

 本発明の窓付き壁面構造体は、上記の窓 を、採光用窓又は監視用窓として施工して ることを特徴とする。

 採光用窓又は監視用窓としては、具体的 は、マンションや一戸建て住宅などの各種 宅建造物や、図書館、美術館、公衆便所、 校、警察、役所等の各種公共建造物等の窓 として利用できる。大型店舗、展示場、映 館等の多数の人が集う建造物にも利用でき 。また、貴重品などを収納展示するショー ース材、屋内展示物等の透過遮蔽構造材、 戯施設などのパーティション材、安全保護 材等としても利用できる。さらには、各種 験施設等の制御監視窓、病院や介護施設等 監視窓、動物園や植物園等文化施設の採光 や監視用仕切り窓などとしても、利用でき 。

 本発明の合わせガラスは、以上説明した うな構成を有するため、透光面の一点に集 して反復的に衝撃力が加えられる場合でも 高い耐貫通性や優れた耐衝撃性を実現し、 つ、構造的に負担がかからない程度に軽量 構造を実現することができる。

 以下、本発明の合わせガラスと、この合 せガラスを使用する窓材、さらにこの窓材 施工した窓付き壁面構造体について、その 細を具体的に説明する。

 図1に、本発明の合わせガラスの部分断面図 を示す。この実施例の合わせガラス10は、酸 物換算の質量百分率表示でSiO 2  45~74%、B 2 O 3  2~24%、RO 4~30%(RO=MgO+CaO+ZnO+SrO+BaO)といった無 ルカリホウ珪酸ガラスよりなる厚さ0.7mmの薄 板ガラスをガラス層11として7層積層し、各ガ ラス層11間にそれぞれ厚さ0.5mmのポリビニル チラール(PVB)樹脂を樹脂層12として介装した ので、ガラス層11と樹脂層12とを合わせて合 計13層の積層体である。互いに隣接するガラ 層11と樹脂層12において、ガラス層11の厚さ 対する樹脂層12の厚さの比(樹脂層12の厚さ/ ラス層の厚さ11)は0.71である。合わせガラス 10は、厚さ0.7mmの薄板ガラスをガラス層11とし て7層積層し、各ガラス層11間にそれぞれ厚さ 0.5mmのポリビニルブチラール(PVB)樹脂を樹脂 12として介装したもので、ガラス層11と樹脂 12とを合わせて合計13層の積層体である。互 いに隣接するガラス層11と樹脂層12において ガラス層11の厚さに対する樹脂層12の厚さの (樹脂層12の厚さ/ガラス層の厚さ11)は0.71で る。

 また、この実施例では、樹脂層12の母材 脂としてポリビニルブチラール(PVB)樹脂を使 用したが、それ以外にエチレン酢酸ビニル共 重合体(EVA)やメタクリル樹脂(PMA)を使用して よい。

 この合わせガラス10の用途例としては、 地下構造を有する住宅の半地下部屋内への 光を要する箇所への施工、が挙げられる。 付き壁面構造体の天井材の一部を構成する 材として使用することで、高い採光性が得 れるとともに、衝撃力が加えられるような 合でも容易に貫通することがなく安全性を 保できる。

 この合わせガラス10は、次のようにして 造することができる。まず、ガラス層11を形 成する所定寸法の清浄な薄板ガラスを所定枚 数準備する。次に、樹脂層12を形成する樹脂 料、例えば上記の樹脂からなる所定寸法の ィルム状又はシート状の樹脂材を所定枚数 備する。そして、上記薄板ガラス間に上記 脂材を介装して積層体を構成し、加熱圧着 によって成形する。ここでは、加熱圧着法 採用しているが、必要に応じて他の方法を 用してもよい。

 この合わせガラス10を、前記のような窓 き壁面構造体の天井材の一部に施工できる 材とするため、図2に示すような保護構造を した。ここでは、合わせガラス10の4つの平 な端面の一部に、端面の幅に相当する7.9mm の厚さ0.5mmの帯状シート15を、保護部材とし 貼り付けた。帯状シート15の材料は、透明 ポリエチレンシート材15である。帯状シート 15の貼付けは、シート15の片面に粘着剤を塗 し、その面を合わせガラス10の端面に接着さ せた。このような構成とすることで、施工時 に端面が壁面と擦れて生じる傷を効率よく防 ぐことができる。また、施工後も長期に亘っ て安定した強度性能を実現できる。なお、こ の窓材の透光面の外形寸法は、横1000mm、縦150 0mmであり、窓材全体の厚さは7.9mmである。そ て、この窓材の透光面の角部は半径40mmにて R面加工されている。

 なお、この実施例では、保護部材として 明ポリエチレンの帯状シート材15を使用し いるが、他のものでもよい。例えば、ガラ 繊維を平織りした布状シートや網状シート 、端面に接着させた構造を採用できる。ま 、シリコン樹脂剤をペースト状にして端面 塗布することで、緩衝層とすることもでき 。また、ガラス状カーボン粒子を端面に塗 してもよく、ポリプロピレン製の2.0mm厚の厚 板を貼接した構造とすることもできる。これ らの保護部材の貼接作業では、予め保護部材 に適正な粘着剤を塗布したり、含浸させたり して、作業を簡便化してもよい。このとき、 端面側に粘着剤を塗布しておくこともできる 。また、加熱圧着などの手段を使用してもよ い。

 次に、本発明の合わせガラスと比較例の わせガラスについて、その衝撃吸収性能を 価するために行った反復同一点衝撃試験に いて説明する。

 まず、反復同一点衝撃試験に使用する合 せガラスを構成するための板ガラスとして 日本電気硝子株式会社製の無アルカリガラ (ガラスコード OA-10)を、板厚0.7mmにてダウ ドロー成形法で成形した。得られたこのOA-10 の板ガラスを750mm×620mmに切断し、所定枚数を 用意した。次いで、エチレン酢酸ビニル共重 合体(EVA)又はポリビニルブチラール(PVB)から る所定厚さのフィルム状の樹脂材を所定枚 用意した。このフィルム状の樹脂材を、上 の各板ガラス間に介装し、その積層体を加 圧着法にて成形した。

 上記の手順で得た合わせガラスを、前述 た試験装置(図3参照)に取り付けて評価した 試験装置の構成及び試験方法は、前述のと りである。ここでは、ヘッド部の繰り返し 突操作において、毎回、ヘッド部が合わせ ラスの全ての層を貫通するか否かを目視に 確認する。以上のような手順により、本発 の合わせガラスを実施例として評価し、比 例として従来使用されてきた市販の合わせ ラスなどを用いて評価した。それらの結果 、表1にまとめて示す。

 実施例の試料No.1は、厚さ0.7mmのOA-10組成の アルカリガラス板からなる6つのガラス層と 厚さ0.8mmのPVB樹脂からなる5つの樹脂層とが 互に積層された構造を有するものである。 の試料No.1について、反復同一点衝撃試験を 振上げ高さ700mmで実施すると、8回目の衝撃ま で合わせガラスの全ての層をヘッド部先端H 貫通せず、9回目にようやく貫通した。試料N o.1の場合、3回目の衝撃後に、上記衝撃吸収 造体の形成が確認できた。この衝撃吸収構 体は、粘弾性を有するガラス粉とPVB樹脂の 合物よりなるものである。この混合物の性 を調べるために、PVB樹脂の溶剤(天然シトラ オイルや植物性界面活性剤を含有する溶剤 )を用いて、衝撃吸収構造体中の有機性成分 を除去し、残留するガラス粒子をSEMや実体顕 微鏡などを使用して確認した。この結果、上 記の混合物(衝撃吸収構造体)は、容積30mm 3 当たりガラス粒子を20個以上含んでいた。ま 、ガラス粒子の大きさは、0.1~0.2mmであった このガラス粒子がPVB樹脂と混合されて衝撃 収構造体を形成し、衝撃を効率よく吸収で る構造になっていることが確認できた。ま 、蛍光X線分析や湿式化学分析からは、ガラ ス粒子がOA-10組成を有していることを確認で た。さらに、上記の混合物(衝撃吸収構造体 )の容積を計測したところ、10mm 3 であった。また、この実施例の試料No.1につ て、振り上げ高さを1400mmに倍増して、さら 評価を行った。その結果、試料No.1は、振り げ高さを倍増しても、5回の衝撃後も貫通す ることがなく、十分な耐久性を有するもので あった。

 実施例の試料No.2では、No.1と同様のガラス と樹脂層{樹脂層はエチレン酢酸ビニル共重 体(EVA)で形成している}を用い、8つのガラス 層と7つの樹脂層とを交互に積層した。この 料No.2について、反復同一点衝撃試験を振上 高さ700mmで実施したところ、この試料No.2は 9回の衝撃後もヘッド部先端Hが合わせガラ の全ての層が貫通されず、10回目で貫通した 。この試料No.2では、5回目の衝撃後に、上記 撃吸収構造体の形成が確認できた。図4及び 図5に、10回目の衝撃を加えた後の合わせガラ スをヘッド部が衝突したガラス透光面の側か ら撮影した拡大写真を示す。図5は、図4をネ ポジ反転したものである。この写真では、 料の中央からは放射線状に細かい破面Tが形 成され、中央部には衝撃吸収構造体Mが盛り がって形成されていることがわかる。この 撃吸収構造体M中のEVA樹脂を、溶剤溶解では く強熱加熱によって除去し、試料No.1と同様 の手法で含まれているガラス粉を観察した。 その結果、衝撃吸収構造体M中に含まれるガ ス粒子の数は、衝撃吸収構造体Mの容積30mm 3 について50個以上であった。また、ガラス粒 の大きさは0.05~0.3mmで、衝撃吸収構造体Mの 積は20mm 3 であった。この衝撃吸収物Mの存在によって 効率よく衝撃力が吸収されていることを確 できた。

 この実施例の試料No.2についても、試料No.1 同様に、振り上げ高さを1400mmに倍増して、 らに評価を行った。その結果、振り上げ高 を倍増しても、15回の衝撃後も貫通すること がなく、高い耐久性を有することがわかった 。また、衝撃吸収構造体Mは、2回目の衝撃後 、2以上のガラス層が破砕された部位に形成 されていることを確認した。衝撃吸収構造体 Mの容積は、20mm 3 以上であった。

 実施例の試料No.3では、No.1と同様のガラ 層と樹脂層を用い、8つのガラス層と7つの樹 脂層とを交互に積層した。この試料No.3につ て、反復同一点衝撃試験を振上げ高さが1400m mで実施したところ、6回の衝撃後も合わせガ スの全ての層が貫通されず、7回目で貫通し た。またこの試料No.3では、衝撃を2回行った 点で、2以上のガラス層が破砕された部位に 衝撃吸収構造体が形成された。

 実施例の試料No.4では、No.1と同様のガラ 層と、No.1と同様の材料で厚さを0.4mmにした 脂層とを用い、6つのガラス層と5つの樹脂層 とを交互に積層した。この試料No.4について 反復同一点衝撃試験を振上げ高さが1400mmで 施したところ、4回の衝撃後も合わせガラス 全ての層が貫通されず、5回目で貫通した。 また、この試料No.4では、衝撃を2回行った時 で、2以上のガラス層が破砕された部位に衝 撃吸収構造体が形成された。

 比較例として、同じ反復同一点衝撃試験 試料No.101に行った。この試料は、通常の建 物などで使用される3.0mm厚のソーダ石灰ガ ス製のガラス材からなる。樹脂層等を介し 合わせガラスではなく、単純な板ガラスで る。この試料No.101について、本発明の実施 と同様に評価したところ、700mmの振上げ高さ 条件であっても、1回の衝撃で完全に貫通し (破壊した)。当然ながら、樹脂層等がないた め、衝撃吸収構造体は形成されなかった。

 また、比較例である試料No.102は、3.0mm厚 2枚のソーダ石灰ガラス間に1.5mm厚のPVB層を 装したもので、一般的な合わせガラスであ 。この試料No.102について、振上げ高さ700mmの 反復同一点衝撃試験を行ったところ、1回の 撃にも持ちこたえられず、簡単に貫通孔が 成された。貫通部を調査したが、衝撃吸収 造体の形成は見られなかった。さらに、振 げ高さ1400mmの条件で評価したところ、やは 1回目で貫通孔が形成され、衝撃吸収構造体 形成は見られなかった。

 比較例である試料No.103は、3.0mm厚の2枚の ーダ石灰ガラス間に2.3mm厚のPVB層を介装し ものである。この試料No.103について、振上 高さ700mmにて反復同一点衝撃試験を行ったと ころ、1回目の衝撃には耐えたが、2回目の衝 によって貫通孔が形成された。貫通孔の近 を観察したが、衝撃吸収構造体の形成は見 れなかった。さらに、振上げ高さ1400mmの条 でも評価したが、1回目で貫通孔が形成され 、衝撃吸収構造体の形成は見られなかった。

 比較例である試料No.104は、3.0mm厚の2枚の ーダ石灰ガラス間に1.2mm厚のPC層を介装した ものである。この試料No.104について、振上げ 高さ700mmの反復同一点衝撃試験を行ったとこ 、試料No.103と同様、1回目の衝撃には耐えた が、2回目の衝撃によって貫通孔が形成され 。衝撃吸収構造体の形成は見られなかった さらに、振上げ高さ1400mmの条件でも評価し が、1回目で貫通孔が形成され、やはり衝撃 収構造体の形成は見られなかった。

 比較例である試料No.105は、8mm厚の風冷強 ガラスと3mm厚のソーダ石灰ガラスの間に2.3m m厚のPVB層を介装したものである。この試料No .105について、振上げ高さ1400mmの反復同一点 撃試験を行ったところ、7回までの衝撃には えたが、8回目の衝撃で貫通孔が形成された 。これは、実施例の試料No.2よりも特性とし 劣る。そして、貫通孔の近傍を観察したが 衝撃吸収構造体の形成は見られなかった。

 以上のように、本発明の合わせガラスは 反復する同一点への衝撃に対して高い耐久 を有している。そのため、建造物等の住宅 窓材などに搭載される高い耐貫通性能を有 る採光窓材として、優れた性能を有するも である。

本発明の合わせガラスの部分断面図。 本発明の合わせガラスを適用した窓材 斜視図。 反復点衝撃試験を行う装置の概念図で って(A)は正面図、(B)は側面図を表している 本発明の合わせガラスの反復同一点衝 試験で、実施例2のガラス表面の拡大写真。 本発明の合わせガラスの反復同一点衝 試験で、実施例2のガラス表面の拡大写真の ネガポジ反転像。

符号の説明

10、10a  合わせガラス
11  ガラス層(薄板ガラス)
12  樹脂層
15  保護部材
100 窓材