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Patent Searching and Data


Title:
LIGHT-EMITTING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/072278
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a light-emitting device comprising a pair of electrodes at least one of which is transparent or semi-transparent, and a light-emitting layer arranged between the pair of electrodes. The light-emitting layer contains luminescent particles dispersed therein, and conductive nanoparticles are interposed at the interface between the light-emitting layer and one of the electrodes. Also disclosed is another light-emitting device comprising a pair of electrodes at least one of which is transparent or semi-transparent, and a light-emitting layer arranged between the pair of electrodes. In this light-emitting device, the light-emitting layer contains luminescent particles dispersed therein, and at least one of the pair of electrodes is provided with a brush-like electrode projecting towards the light-emitting layer. The brush-like electrode may be formed on the positive-side electrode, and the brush-like electrode formed on the positive-side electrode may preferably have a work function of not less than 4.5 eV.

Inventors:
TANIGUCHI REIKO
ONO MASAYUKI
NASU SHOGO
SATOH EIICHI
SHIMAMURA TAKAYUKI
ODAGIRI MASARU
Application Number:
PCT/JP2008/003574
Publication Date:
June 11, 2009
Filing Date:
December 03, 2008
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
TANIGUCHI REIKO
ONO MASAYUKI
NASU SHOGO
SATOH EIICHI
SHIMAMURA TAKAYUKI
ODAGIRI MASARU
International Classes:
C09K11/54; H01L51/50; C09K11/56; C09K11/62; C09K11/64; C09K11/70; C09K11/88; H05B33/14; H05B33/26
Foreign References:
JP2003217861A2003-07-31
JPH11505367A1999-05-18
JP2002124387A2002-04-26
JP2004235140A2004-08-19
JP2007149578A2007-06-14
Attorney, Agent or Firm:
TANAKA, Mitsuo et al. (IMP Building3-7, Shiromi 1-chome, Chuo-k, Osaka-shi Osaka 01, JP)
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Claims:
 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、
 前記一対の電極間に配置された発光層と、
を備え、
 前記発光層は発光体粒子が分散されて構成されており、
 前記発光層と、前記電極のうち一方の電極との界面に導電性ナノ粒子が介在していることを特徴とする発光素子。
 前記電極の一方の電極界面には導電性ナノ粒子が担持されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
 前記電極のうち正極側の電極に導電性ナノ粒子が担持されていることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
 前記正極側の電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子は、仕事関数が4.5eV以上であることを特徴とする請求項3に記載の発光素子。
 前記電極のうち負極側の電極に導電性ナノ粒子が担持されていることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
 前記負極側の電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子は、仕事関数が3.5eV未満であることを特徴とする請求項5に記載の発光素子。
 少なくとも一方が透明又は半透明である一対の電極と、
 前記一対の電極間に配置された発光層と、
を備え、
 前記発光層は、発光体粒子が分散されて構成されており、
 前記一対の電極の少なくとも一方の電極は、前記発光層に向かって突出するブラシ状電極が形成されていることを特徴とする発光素子。
 前記ブラシ状電極は、正極側の電極に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
 正極側の電極に設けられた前記ブラシ状電極の仕事関数は、4.5eV以上であることを特徴とする請求項2に記載の発光素子。
 前記ブラシ状電極は、長さが0.01μm~5μmの範囲であることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
 前記ブラシ状電極は、前記電極上に導電性ナノ粒子が担持されて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の発光素子。
 前記導電性ナノ粒子は、Ag、Au、Pt、Ni、Cuからなる群から選ばれる少なくとも一の金属微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記導電性ナノ粒子は、酸化インジウムスズ、ZnO、InZnOからなる群から選ばれる少なくとも一の酸化物微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記導電性ナノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチューブの群から選ばれる少なくとも一の炭素物質の微粒子を含むことを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記導電性ナノ粒子の平均粒子径は、1~200nmの範囲内にあることを特徴とする請求項1から6、11のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記発光層は、正孔輸送材料を媒体として、複数の発光体粒子が分散されて構成されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記発光層は、有機バインダを媒体として、正孔輸送材料と、複数の発光体粒子が分散されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記発光層は、有機バインダを媒体として、表面を正孔輸送材料で覆った発光体粒子が分散されていることを特徴とする請求項1から15のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記正孔輸送材料は、有機物からなる有機正孔輸送材料を含むことを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記有機正孔輸送材料は、下記の化学式1及び化学式2の構成要素を含有することを特徴とする請求項19に記載の発光素子。
 前記有機正孔輸送材料は、さらに下記の化学式3、化学式4、化学式5からなる群の少なくとも一つの構成要素を含むことを特徴とする請求項20に記載の発光素子。
 前記正孔輸送材料は、無機物からなる無機正孔輸送材料を含むことを特徴とする請求項16から18のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記発光体粒子は、第13族-第15族化合物半導体からなる粒子を含むことを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の発光素子。
 前記発光体粒子は、Ga、Al、Inのうち少なくとも一種類の元素を含む窒化物半導体粒子であることを特徴とする請求項23に記載の発光素子。
 前記発光体粒子は、粒子の平均粒径が0.1μm~1000μmの範囲にあることを特徴とする請求項23に記載の発光素子。
 前記発光体粒子は、窒化物、硫化物、セレン化物、酸化物からなる発光材料から選択されることを特徴とする請求項1から25のいずれか一項に記載の発光素子。
Description:
発光素子

 本願は、日本国に2007年12月5日に出願した 特願2007-314273号の日本特許出願と、日本国に2 008年2月5日に出願した特願2008-24849号の日本特 許出願と、を優先権主張の基礎とするもので あり、これらの日本特許出願の内容は、本願 明細書の一部をなすものとしてここに挙げて おく。

 本発明は、エレクトロルミネセンス用発 素子に関する。

 近年、軽量・薄型の面発光型素子としてエ クトロルミネセンス素子(以下、EL素子とい )が注目されている。EL素子は大別すると、 機材料からなる蛍光体に直流電圧を印加し 電子とホールを再結合させて発光させる有 EL素子と、無機材料からなる蛍光体に交流 圧を印加し、およそ10 6 V/cmもの高電界で加速された電子を無機蛍光 の発光中心に衝突させて励起させ、その緩 過程で無機蛍光体を発光させる無機EL素子が ある。

 この無機EL素子には、無機蛍光体粒子を 分子有機材料からなるバインダ中に分散さ 発光層とする分散型EL素子と、厚さが1μm程 の薄膜発光層の両側あるいは片側に絶縁層 設けた薄膜型EL素子とがある。これらのうち 分散型EL素子は、消費電力が少なく、しかも 造が簡単なため製造コストが安くなる利点 あるとして注目されている。

 分散型EL素子と呼ばれているEL素子100につい て図9を用いて説明する。従来のEL素子は層状 の構造であり、基板側から順に、基板101、第 1電極102、発光層103、絶縁体層104、第2電極105 らなる。発光層103はZnS:Mn等の無機蛍光体粒 を有機バインダに分散させた構成をしてお 、絶縁体層104はBaTiO 3 などの強誘電体を有機バインダにて分散させ た構成をしている。第1電極102と第2電極105の には交流電源106が設置されており、交流電 106から第1電極102、第2電極間105へ電圧を印 することでEL素子100は発光する。

 分散型EL素子の構造において発光層は分 型EL素子の輝度と効率を決定付ける層である が、この発光層の無機蛍光体粒子には、粒径 15~35μmの大きさのものが用いられている。ま 、分散型EL素子の発光層の発光色は発光層 用いられる無機蛍光体粒子によって決まり 例えば無機蛍光体粒子にZnS:Mnを用いた場合 は橙色の発光を示し、例えば無機蛍光体粒 にZnS:Cuを用いた場合には青緑色の発光を示 。

 しかしながら、EL素子に用いられる発光体 、発光輝度が低く、また、寿命が短いとい 問題があった。
 発光輝度を上昇させる方法として、発光層 の印加電圧を上げる方法が考えられる。こ 場合、発光体の光の出力の半減期が印加電 に比例して減少してしまうという課題があ 。一方、半減期を長くする、つまり寿命を くする方法として、発光層への印加電圧を げる方法が考えられるが、発光輝度が低下 てしまうという課題がある。このように、 光輝度と半減期は、発光層への印加電圧の 減によって一方を改善しようとするともう 方が悪化する関係にある。したがって、発 輝度か半減期の何れかを選択しなければな なくなる。なお、本明細書における半減期 は、発光体の光出力が元の輝度の半分の出 に減少するまでの時間である。

 そこで、高効率、長寿命で発光する電界 光素子が提案されている。(例えば、特許文 献1参照。)。これは、背面電極間と透明電極 に発光層、誘電体層、電荷供給層が介在し 電荷供給層は、針状物質を有しており、更 電荷供給層が、発光層の両面に接している とを特徴としている。そして、針状物質は カーボンナノチューブであることを特徴と ている。この方法によれば、針状物質を用 ることにより、高効率にホットエレクトロ を蛍光体薄膜に供給できるため、長寿命、 効率が可能となるとしている。

特開2006-120328号公報

 しかしながら、上記の構造は、電界発光 の分散型ELのため、発光させるためには交 の高電圧を電極間に印加する必要がある。 の結果、高電圧を印加するという時点で原 的に高効率は得られにくく、また長寿命化 難しいという課題がある。

 また、上記の構造において交流型発光素 のため誘電体層を設置することが必須であ 、発光させるためのホットエレクトロン生 に交流の高電圧を電極間に印加する必要が る。その結果、長寿命、高効率や高輝度が られにくいという課題がある。

 本発明の目的は、以上の課題を解決し、 流、低電圧で駆動し、発光輝度が高く、寿 が長い発光素子を提供することである。

 上記課題は、以下の発光素子によって達成 れる。すなわち、本発明に係る発光素子は 少なくとも一方が透明又は半透明である一 の電極と、
 前記一対の電極間に配置された発光層と、
を備え、
 前記発光層は発光体粒子が分散されて構成 れており、
 前記発光層と前記電極のうち一方の電極と 界面に導電性ナノ粒子が介在していること 特徴とする。

 前記電極の一方の電極界面には導電性ナ 粒子が担持されていてもよい。

 前記電極のうち正極側の電極に導電性ナ 粒子が担持されていてもよい。前記正極側 電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子 、仕事関数が4.5eV以上であることが好まし 。

 前記電極のうち負極側の電極に導電性ナ 粒子が担持されていてもよい。前記負極側 電極界面に担持された前記導電性ナノ粒子 、仕事関数が3.5eV未満であることが好まし 。

 上記課題は、以下の発光素子によって達成 れる。すなわち、本発明に係る発光素子は 少なくとも一方が透明又は半透明である一 の電極と、
 前記一対の電極間に配置された発光層と、
を備え、
 前記発光層は、発光体粒子が分散されて構 されており、
 前記一対の電極の少なくとも一方の電極は 前記発光層に向かって突出するブラシ状電 が形成されていることを特徴とする。

 前記ブラシ状電極は、正極側の電極に設 られていてもよい。正極側の電極に設けら た前記ブラシ状電極の仕事関数は、4.5eV以 であることが好ましい。

 前記ブラシ状電極は、長さが0.01μm~5μmの 囲であることが好ましい。

 また、前記ブラシ状電極は、前記電極上 導電性ナノ粒子が担持されて形成されてい もよい。

 前記導電性ナノ粒子は、Ag、Au、Pt、Ni、Cu からなる群から選ばれる少なくとも一の金属 微粒子を含んでもよい。また、前記導電性ナ ノ粒子は、酸化インジウムスズ、ZnO、InZnOか なる群から選ばれる少なくとも一の酸化物 粒子を含んでもよい。さらに、前記導電性 ノ粒子は、フラーレン、カーボンナノチュ ブの群から選ばれる少なくとも一の炭素物 の微粒子を含んでもよい。

 前記導電性ナノ粒子の平均粒子径は、1~20 0nmの範囲内にあることが好ましい。

 前記発光層は、正孔輸送材料を媒体とし 、複数の発光体粒子が分散されて構成され いてもよい。

 前記発光層は、有機バインダを媒体とし 、正孔輸送材料と、複数の発光体粒子が分 されて構成されていてもよい。

 前記正孔輸送材料は、有機物からなる有機 孔輸送材料を含んでもよい。また、前記有 正孔輸送材料は、下記の化学式1及び化学式 2の構成要素をさらに含有してもよい。

 前記有機正孔輸送材料は、さらに下記の化 式3、化学式4、化学式5からなる群の少なく も一つの構成要素を含んでもよい。

 前記正孔輸送材料は、無機物からなる無 正孔輸送材料を含んでもよい。

 前記発光体粒子は、第13族-第15族化合物 導体からなる粒子を含んでもよい。また、 記発光体粒子は、Ga、Al、Inのうち少なくと 一種類の元素を含む窒化物半導体粒子であ てもよい。前記発光体粒子は、粒子の平均 径が0.1μm~1000μmの範囲にあることが好ましい 。前記発光体粒子は、窒化物、硫化物、セレ ン化物、酸化物からなる発光材料から選択さ れるものであってもよい。

 本発明に係る発光素子によれば、発光層 の界面である電極上に導電性ナノ粒子を担 させることで、発光層に分散された発光体 子への正孔あるいは電子の注入性を向上さ ることができる。これによって、直流であ て低電圧で発光させることができる。また 光輝度が高く、寿命も長い発光体を提供す ことが可能となる。

 本発明に係る発光素子によれば、電極に ラシ状電極を形成しているので、発光層に 散された発光体粒子への正孔あるいは電子 注入性を向上させることができる。これに って、直流であって、低電圧で発光させる とができる。また、発光輝度が高く、長寿 で高効率の発光素子を提供することが可能 なる。

本発明の実施の形態1に係る発光素子の 構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態1の変形例1に係る 光素子の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態2に係る発光素子の 構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態2の変形例2に係る 光素子の構成を示す概略断面図である。 本発明の実施の形態3に係る発光素子の 概略構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態3の変形例1に係る 光素子の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態3の変形例2に係る 光素子の構成を示す側面図である。 本発明の実施の形態3の変形例3に係る 光素子の構成を示す側面図である。 従来の発光素子の構成を示す概略断面 である。

符号の説明

10、20、30、40 発光素子
11 基板
12 背面電極
13 発光層
14 発光体粒子
15 正孔輸送材料
16 透明電極
17 電源
21、22 ブラシ状電極
23 導電性ナノ粒子、導電性ナノ粒子A
24 導電性ナノ粒子B
41 有機バインダ
100 発光素子
101 基板
102 第一電極
103 発光層
104 絶縁体層
105 第二電極
106 交流電源

 以下、本発明の実施の形態に係る発光素 について、添付図面を用いて説明する。な 、図面において、実質的に同一の部材には 一の符号を付している。

(実施の形態1)
<EL素子の概略構成>
 図1は、本実施の形態1に係る発光素子10の構 成を示す概略断面図である。この発光素子10 、第1の電極である背面電極12と、第2の電極 である透明電極16と、上記一対の電極12、16の 間に挟持された発光層13とを備える。発光層1 3は、発光体粒子14が正孔輸送材料15中に分散 て構成されている。また、第1の電極である 背面電極12と、第2の電極である透明電極16と 間には直流電源17が接続されている。この 光素子10では、正極側の背面電極12の界面に 導電性ナノ粒子23が担持されている。電極12 、16間に電力が供給されると、背面電極12お び透明電極16の間に電位差が生じ、電圧が印 加される。そして、正極側の背面電極12およ 負極側の透明電極16から導電性ナノ粒子23と 正孔輸送材料15を介して、キャリアである正 と電子とが発光体粒子14に注入され、それ が再結合して発光する。発光は透明電極16の 側から外部に取り出される。

 なお、上述の構成に限られず、背面電極1 2および透明電極16を入れ替える、電極12およ 電極16を両方とも透明な電極にする、また 、電源を交流電源にする等、適宜変更が可 である。また、発光層13の構造は、図2に示 ように、有機バインダ41の中に、発光体粒子 14と正孔輸送材料15とがそれぞれ分散された 造であってもよい。

 以下、各構成について図1及び図2を用いて 述する。
<基板>
 図1において、基板11は、その上に形成する 層を支持できるものを用いる。具体的には シリコン、Al 2 O 3 ,AlNなどのセラミック等を用いることができ 。さらに、ポリエステル、ポリイミド等の ラスチック基板を用いてもよい。また、基 11側から光を取り出す場合、発光体から発せ られる光の波長に対し光透過性を有する材料 であることが求められる。このような材料と しては、例えば、コーニング1737等のガラス 石英等を用いることができる。通常のガラ に含まれるアルカリイオン等が発光素子へ 響しないように、無アルカリガラスや、ガ ス表面にイオンバリア層としてアルミナ等 コートしたソーダライムガラスであっても い。これらは例示であって、基板11の材料は 特にこれらに限定されるものではない。
 また、基板側から光を取り出さない構成の 合は、上述の光透過性は不要であり、透光 を有していない材料も用いることができる

<電極>
 電極には、背面電極12と透明電極16とがある 。これらは2つの電極のうち、光を取り出す の電極を透明電極16とし、他方を背面電極12 しているものである。
 光を取り出す側の透明電極16の材料は、発 層13内で生じた発光を取り出せるように光透 過性を有するものであればよく、特に可視光 領域において高い透過率を有することが好ま しい。また、低抵抗であることが好ましく、 さらには発光層13との密着性に優れているこ が好ましい。またさらに、発光層13上に成 する際に、発光層13が熱劣化等を生じないよ う、低温成膜できるものがより好ましい。透 明電極16の材料として、特に好適なものは、I TO(In 2 O 3 にSnO 2 をドープしたものであり、インジウム錫酸化 物ともいう。)やInZnO、ZnO、SnO 2 等を主体とする金属酸化物、Pt、Au、Pd、Ag、N i、Cu、Al、Ru、Rh、Ir等の金属薄膜、あるいは リアニリン、ポリピロール、PEDOT/PSS、ポリ オフェンなどの導電性高分子等が挙げられ が、特にこれらに限定されるものではない また、透明電極16の体積抵抗率は1×10 -3 ω・cm以下であって、透過率は380~780nmの波長 おいて75%以上、さらには屈折率が、1.85~1.95 あることが望ましい。例えばITOは、その透 性を向上させ、あるいは抵抗率を低下させ 目的で、スパッタリング法、エレクトロン ーム蒸着法、イオンプレーティング法等の 膜方法で成膜できる。また成膜後に、抵抗 制御の目的でプラズマ処理などの表面処理 施してもよい。透明電極16の膜厚は、必要と されるシート抵抗値と可視光透過率から決定 される。透明電極16は、発光層13の上に直接 成しても良いが、ガラス基板上に透明導電 からなる透明電極16を形成し、透明導電膜と 発光層13とが直接接するように貼り合わせて 良い。

 光を取り出さない側の背面電極12には、導 性を有しており、且つ基板11及び発光層13と 密着性に優れたものであればよい。好適な としては、例えばITOやInZnO、ZnO、SnO 2 等の金属酸化物、Pt、Au、Pd、Ag、Ni、Cu、Al、R u、Rh、Ir、Cr、Mo、W、Ta、Nb等の金属、これら 積層構造体、あるいは、ポリアニリン、ポ ピロール、PEDOT〔ポリ(3,4-エチレンジオキシ チオフェン)〕/PSS(ポリスチレンスルホン酸) の導電性高分子、あるいは導電性カーボン どを用いることができる。

 背面電極12は、層内を全面覆うように構 されてもよく、また、層内に複数の電極を トライプ状に構成されてもよい。さらに、 面電極12、透明電極16は、複数の電極をスト イプ状に構成し、背面電極12の各ストライ 状の電極と透明電極16のすべてのストライプ 状の電極とが、それぞれねじれの位置の関係 であり、かつ、背面電極12の各ストライプ状 電極を発光面に投影したものと透明電極16 すべてのストライプ状の電極を発光面に投 したものとがそれぞれ交わるように構成し もよい。この場合、背面電極12の各ストライ プ状の電極、および、透明電極16の各ストラ プ状の電極からそれぞれ選択した電極に電 を印加することにより、所定位置を発光さ るディスプレイを構成することが可能とな 。なお、図2の構成においても同様である。

<導電性ナノ粒子>
 本発明の実施の形態1に係る発光素子10では 正極側の電極12界面に導電性ナノ粒子23が担 持されている。さらに、実施の形態2に係る 光素子に示すように負極側の電極界面に導 性ナノ粒子24が担持されていてもよい。この 発光素子に使用される導電性ナノ粒子23、24 、Ag,Au,Pt,Ni,Cuなどの金属材料粒子や、酸化イ ンジウムスズ、ZnO,InZnOなどの酸化物粒子、カ ーボンナノチューブなどの炭素材料粒子など を用いることができる。導電性ナノ粒子23の 状は、粒状、球状、柱状、針状、あるいは 定形等のいずれの形状であってもよい。導 性ナノ粒子23の平均粒子径または平均長は 1nm~200nmの範囲内にあることが好ましい。1nm り小さいと、導電性が悪くなり、発光輝度 低下する。一方、200nmより大きいと、電極間 の電気的導通が大きくなるが、導電経路に含 まれない発光体粒子14が多くなり、発光輝度 効率が大きく低下する。

 カーボンナノチューブの生成は、気相合 法、プラズマ法などの方法で行われ、作製 件によって、カーボンナノチューブの電気 性や直径、長さなどを任意に変化させるこ が可能である。カーボンナノチューブは、 極側の電極界面に担持する場合は、p型を使 用することが好ましい。負極側の電極界面に 担持する場合はn型を使用することが好まし 。p型は、カーボンナノチューブにリンなど 5族元素を添加することで得られる。一方、 n型は、窒素などの3族元素を添加することで られる。

<発光層>
 発光層13は、正孔輸送材料15を媒体として、 発光体粒子14が分散して構成されている(図1 図3)。なお、この例に限られず、発光層13は 有機バインダ41中に発光体粒子14と、正孔輸 送材料15とがそれぞれ分散して構成されてい もよい(図2、図4)。

<発光体粒子>
 発光体粒子14としては、光学バンドギャッ が可視光の大きさを有する材料であれば、 ずれも使用できる。具体的には第13族-第15族 化合物半導体であるAlN、GaN、InN、AlP、GaP、InP 、AlAs、GaAs、AlSb等を用いることができる。特 に、GaNに代表される第13族窒化物半導体が好 しい。また、これらの混晶(例えばGaInN等)で あってもよい。さらに、伝導性を制御するた めに、Si、Ge、Sn、C、Be、Zn、Mg、Ge、Mnからな 群より選択される1又は複数種の元素をドー パントとして含んでいてもよい。

 また、InGaN,AlGaNなどの窒化物やZnSeやZnS、 にZnS、ZnSe,GaP、CdSe、CdTe、SrS、CaS、ZnOを母体 とし、母体のまま使用するか、あるいは添加 剤として,Ag、Al、Ga、Cu、Mn、Cl、Tb,Liから一種 以上選択される元素を添加した発光体粒子を 用いることができる。また、ZnSSeのような多 化合物やチオガレート系蛍光体も使用でき 。

 またさらに、発光体粒子14内において、 記複数の組成が層状構造や偏析構造をなし いてもよい。発光体粒子14の粒径は0.1μm~1000 mの範囲内であればよく、0.5μm~500μmの範囲内 がより好ましい。

<正孔輸送材料>
 次に、発光体粒子14を分散させる媒体とし 、若しくは有機バインダ41中に発光体粒子14 ともに分散させる正孔輸送材料15について 明する。正孔輸送材料15としては、有機正孔 輸送材料と、無機正孔輸送材料とがある。正 孔輸送材料15にはホール移動度の高い材料が ましい。

 <有機正孔輸送材料>
 この有機正孔輸送材料としては、下記の化 式6及び化学式7の構成要素を含むことが好 しい。

 有機正孔輸送材料が上記の化学式6及び化 学式7の構成要素を含むことによる効果は、 光体粒子14に対して効率よく正孔を注入する ことであると考えられる。

 さらに、この有機正孔輸送材料としては、 記の化学式8、化学式9、化学式10のいずれか を構成要素として含んでもよい。

 また、有機正孔輸送材料としては、大きく けて、低分子系材料と高分子系材料とがあ 。正孔輸送性を備える低分子系材料として 、N,N'-ビス(3-メチルフェニル)-N,N'-ジフェニ ベンジジン(TPD)、N,N'-ビス(α-ナフチル)-N,N'- フェニルベンジジン(NPD)等、Tangらの用いた アミン誘導体、特に日本国特許第2037475号に 開示されたQ1-G-Q2構造のジアミン誘導体等が げられる。なお、Q1及びQ2は、別個に窒素原 及び少なくとも3個の炭素鎖(それらの少な とも1個は芳香族のもの)を有する基である。 Gは、シクロアルキレン基、アリーレン基、 ルキレン基又は炭素-炭素結合からなる連結 である。また、これらの構造単位を含む多 体(オリゴマー)であってもよい。これらに スピロ構造やデンドリマー構造を持つもの 挙げられる。またさらに、非導電性ポリマ に低分子系の正孔輸送材料を分子分散させ 形態も同様に可能である。分子分散系での 体例としては、TPDをポリカーボネート中に 濃度で分子分散させた例があり、そのホー 移動度は10 -4 から10 -5 cm 2 /Vs程度である。

 一方、正孔輸送性を備える高分子系材料と ては、π共役ポリマーやσ共役ポリマー等が あり、例えばアリールアミン系化合物等が組 み込まれたものがある。具体的には、ポリ- ラ-フェニレンビニレン誘導体(PPV誘導体)、 リチオフェン誘導体(PAT誘導体)、ポリパラフ ェニレン誘導体(PPP誘導体)、ポリアルキルフ ニレン(PDAF)、ポリアセチレン誘導体(PA誘導 )、ポリシラン誘導体(PS誘導体)等が挙げら るが、これらに限定されない。さらに、低 子系で正孔輸送性を示す分子構造を分子鎖 に組み込んだポリマーでもよく、これらの 体的な例としては、芳香族アミンを側鎖に するポリメタクリルアミド(PTPAMMA、PTPDMA)、 香族アミンを主鎖に有するポリエーテル(TPDP ES,TPDPEK)等が挙げられる。中でも特に好適な として、中でもポリ-N-ビニルカルバゾール(P VK)は、10 -6 cm 2 /Vsと極めて高いホール移動度を示す。他の具 体例としては、PEDOT/PSSやポリメチルフェニル シラン(PMPS)等がある。
 またさらに、前述した正孔輸送材料を複数 混合して用いてもよい。また、光又は熱で 橋又は重合する架橋性又は重合性材料を含 でいてもよい。

 <無機正孔輸送性材料>
 無機正孔輸送性材料について説明する。無 正孔輸送性材料としては、透明または半透 であって、p型伝導性を示す材料であればよ い。好適なものとしては、Si、Ge、SiC、Se、SeT e、As 2 Se 3 等の半金属系半導体、ZnS、ZnSe、CdS、ZnO、CuI の2元化合物半導体、CuGaS 2 、CuGaSe 2 、CuInSe 2 等のカルコパイライト型半導体、さらにこれ らの混晶、CuAlO 2 、CuGaO 2 等の酸化物半導体さらにこれらの混晶等が挙 げられる。またさらに、伝導性を制御するた めに、これらの材料にドーパントを添加して もよい。

(変形例1)
 図2は、実施の形態1の変形例1に係る発光素 10aの構成を示す概略断面図である。この発 素子10aは、実施の形態1に係る発光素子10と 較すると、発光層13が、有機バインダ41を媒 体として、発光体粒子14と、正孔輸送材料15 が分散して構成されている点で相違する。

<有機バインダ>
 変形例における発光素子10aの発光層13にお て、発光体粒子14と、正孔輸送材料15とをそ ぞれ分散させる有機バインダ41としては、 脂溶液など正孔輸送材料15と混合できる材料 であれば使用可能である。

(実施例1)
 本発明の実施例1として、塗布法によって図 1の発光素子を得る方法を説明する。実施例 して図1に示すような発光素子を作製した。
(a)まず、シリコン基板11上に、スパッタ法に って背面電極としてPt膜12を約300nm形成した
(b)次に、Pt膜12の上に平均粒子径が1~3nmのFeナ 粒子を同じくスパッタ法で形成した。そし 、基板を約800℃まで加熱して炭化水素ガス チャンバ内に導入して、導電性ナノ粒子と てカーボンナノチューブ23を成長させた。 られたカーボンナノチューブは、直径が1~10n m、長さが50nm~120nmであった。
(c)次に、デュポン社製の樹脂溶液に正孔輸送 材料15としてテトラフェニルブタジエン系T770 を75重量%混入し、更に発光体粒子として、平 均粒子径が500~1000nmのGaN粒子14を十分に混合さ せて発光体ペーストとした。
(d)そして、作製した発光体ペーストを、上記 カーボンナノチューブ23を担持したPt膜12の上 に塗布後、乾燥させた。塗布膜の厚さは約30 mであった。
(e)対向する透明電極付き基板として、ガラス 板上に透明導電膜であるITO膜16をスパッタ法 成膜した基板を使用した。ITO膜16の膜厚は 300nmであった。
(f)続いて、ITO膜16面が、先ほどの発光体ペー トに接するように貼り付けた。
 以上によって発光素子10を得た。

 評価は、背面電極12と透明電極16との間に直 流電圧を印加して行った。また、輝度測定は 、携帯型輝度計を用いて行った。その結果、 直流電圧約5Vでオレンジ色発光を開始し、15V 発光輝度約3500cd/m 2 が得られた。
 以上のように、本発明によれば、直流であ て、低電圧で、高輝度の発光素子が得るこ が可能である。

<効果>
 本実施の形態1に係る発光素子10、10aは、従 の発光素子よりも電荷注入性に優れ、高い 度、長寿命を得ることができた。

(実施の形態2)
 図3は、本発明の実施の形態2に係る発光素 20の構成を示す概略断面図である。この発光 素子20は、実施の形態1に係る発光素子と比較 すると、負極側の電極界面にさらに別の導電 性ナノ粒子24を担持している点で相違する。 の負極側の透明電極16に担持された導電性 ノ粒子24を介して、発光体粒子14に電子を注 することができる。

(変形例2)
 図4は、本発明の実施の形態2の変形例2の発 素子20aの構成を示す概略断面図である。こ 発光素子20aは、実施の形態2に係る発光素子 20と比較すると、発光層13が、有機バインダ41 を媒体として、発光体粒子14と、正孔輸送材 15とが分散して構成されている点で相違す 。

(実施例2)
 本発明の実施例2として、塗布法によって図 3に示す発光素子20を作製する方法について説 明する。
(a)まず、シリコン基板11上に、スパッタ法に って背面電極としてPt膜12を約300nm形成した
(b)次に、Pt膜12の上に平均粒子径が1~3nmのFeナ 粒子を同じくスパッタ法で形成した。そし 、基板を約800℃まで加熱して炭化水素ガス チャンバ内に導入して、導電性ナノ粒子と てカーボンナノチューブ23を成長させた。 られたカーボンナノチューブは、直径が1~10n m、長さが50nm~120nmであった。
(c)次に、デュポン社製の樹脂溶液に正孔輸送 材料15としてテトラフェニルブタジエン系T770 を75重量%混入し、更に発光体粒子として、平 均粒子径が500~1000nmのGaN粒子14を十分に混合さ せて発光体ペーストとした。
(d)そして、作製した発光体ペーストを上記カ ーボンナノチューブ23を担持したPt膜12の上に 塗布後乾燥させた。塗布膜の厚さは約30μmで った。
(e)対向する透明電極付き基板は、ガラス板上 に透明導電膜であるITO膜16をスパッタ法で成 した基板を使用した。膜厚は約300nmであっ 。
(f)次いで、導電性ナノ粒子としてITOナノ粒子 24を樹脂溶液に混入したものを、ITO膜16の表 にスピンコート法により塗布した。
(g)続いて、表面にITOナノ粒子24が担持されたI TO膜16面が、先ほどの発光体ペーストに接す ように貼り付けた。
 以上によって発光素子20を得た。

 評価は、背面電極12と透明電極16との間に直 流電圧を印加して行った。また、輝度測定は 、携帯型輝度計を用いて行った。その結果、 直流電圧約4Vでオレンジ色発光を開始し、12V 発光輝度約5000cd/m 2 が得られた。
 以上のように、本発明によれば、直流、低 圧で、高輝度の発光素子が得ることが可能 ある。

(実施の形態3)
<EL素子の概略構成>
 図5は、本実施の形態3に係る発光素子10の構 成を示す側面図である。この発光素子10は、 板11上に形成された第1の電極である電極12 、第2の電極である透明導電膜16との間に発 層13を挟持している。発光層13は、有機バイ ダ41を媒体として、発光体粒子14と正孔輸送 材料15とが混合して分散されて構成されてい 。また、この発光素子10では、正極側の電 12の表面に、発光層13に突出した正孔注入用 ブラシ状電極21が形成されていることを特 とする。電極12、16間に電力が供給されると 電極12および透明導電膜16の間に電位差が生 じ電圧が印加される。そして、電極12から正 が、透明導電膜16から電子が発光体粒子14に 注入され、それらが再結合して発光する。本 実施の形態3においては、電源として直流電 17を用いている。
 なお、上述の構成に限られず、電極12およ 透明導電膜16を入れ替える、電極12および電 16を両方とも透明な電極にする、または、 源を交流電源にする等、適宜変更が可能で る。
 また、この発光素子10では、正極側の電極12 上にのみブラシ状電極21を形成したが、これ 限られず、図8のように、さらに負極側の電 極16上にも電子注入用のブラシ状電極22を形 してもよい。

 以下、この発光素子10を構成する各構成部 について説明する。
 <基板>
 図5において、基板11は、その上に形成する 層を支持できるものを用いる。具体的には シリコン、Al 2 O 3 ,AlNなどのセラミック等、更にポリエステル ポリイミド等のプラスチック基板を用いる とができる。また、基板11側から光を取り出 す場合、発光体から発せられる光の波長に対 し光透過性を有する材料であることが求めら れる。このような材料としては、例えば、コ ーニング1737等のガラス、石英等を用いるこ ができる。通常のガラスに含まれるアルカ イオン等が発光素子へ影響しないように、 アルカリガラスや、ガラス表面にイオンバ ア層としてアルミナ等をコートしたソーダ イムガラスであってもよい。なお、これら 例示であって、基板11の材料は特にこれらに 限定されるものではない。
 また、基板側から光を取り出さない構成の 合は、上述の光透過性は不要であり、透光 を有していない材料も用いることができる
 尚、図8に示すように、透明電極16側に電子 入用のブラシ状電極22を形成する場合は、 ファイヤなどの透明かつ耐熱性基板に、酸 錫膜、膜厚30nm以下のPtやAu膜を形成して使用 しても良い。

 <電極>
 なお、電極として、背面電極12と透明電極16 とがあるが、上述の実施の形態1に係る背面 極12と透明電極16と実質的に同様であるので 明を省略する。

<ブラシ状電極>
 本発明の実施の形態3に係る発光素子10では 図5の側面図に示すように、正極側の電極12 に発光層13に突出するブラシ状電極21を形成 している。なお、図5は側面図であって、ブ シ状電極21と発光体粒子14とが単に重なって 示されているにすぎない。正極側のブラシ 電極21の仕事関数は、4.0eV以上であることが 好ましい。ブラシ状電極21の一本の直径は、1 nm~200nmの範囲にあることが好ましく、さらに 1nm~100nmの範囲がより好ましい。また、長さ 、0.01μm~5μmの範囲が好ましく、0.01μm~3μmの 囲がより好ましい。ブラシ状電極21のサイ を選択することにより、ブラシ状電極21に屈 曲性が得られ、また上記長さを有することに よって発光体粒子14の大きさ、形状に分布が っても、発光体粒子14の表面とブラシ状電 とを十分に接触させることが可能となり、 孔、電子の注入が有効に行われる。このブ シ状電極21は、導電性ナノ粒子が担持されて 形成されていてもよい。なお、この発光素子 10では正極側の電極12上にのみブラシ状電極21 を形成しているが、これに限られず、変形例 3に示すように、負極側の電極16にも電子注入 用のブラシ状電極22を形成してもよい。

 <導電性ナノ粒子>
 このブラシ状電極21に使用される導電性ナ 粒子は、Ag,Au,Pt,Ni,Cuなどの金属材料粒子や、 酸化インジウムスズ、ZnO,InZnOなどの酸化物粒 子、カーボンナノチューブなどの炭素材料粒 子などを用いることができる。導電性ナノ粒 子の形状は、粒状、球状、柱状、針状、ある いは不定形等のいずれの形状であってもよい 。導電性ナノ粒子23の平均粒子径は、1nm~200nm 範囲内にあることが好ましく、さらに、1nm~ 100nmの範囲がより好ましい。1nmより小さいと 導電性が悪くなり、発光輝度が低下する。 方、200nmより大きいと、電極間の電気的導 が大きくなるが、導電経路に含まれない発 体粒子14が多くなり、発光輝度、効率が大き く低下する。

 カーボンナノチューブの生成は、気相合 法、プラズマ法などの方法で行われ、作製 件によって、カーボンナノチューブの電気 性や直径、長さなどを任意に変化させるこ が可能である。カーボンナノチューブは、 極側の電極界面に担持する場合は、p型を使 用することが好ましい。負極側の電極界面に 担持する場合はn型を使用することが好まし 。p型は、カーボンナノチューブにリンなど 5族元素を添加することで得られる。一方、 n型は、窒素などの3族元素を添加することで られる。

<発光層>
 発光層13は、有機バインダ41を媒体として、 発光体粒子14と正孔輸送材料15とがそれぞれ 散して構成されている(図5)。なお、この例 限られず、変形例1のように、発光層13は、 孔輸送材料15を媒体として、発光体粒子14が 散して構成されていてもよい(図6)。また、 形例2のように、発光層13は、有機バインダ4 1を媒体として、表面を正孔輸送材料15で覆っ た発光体粒子が分散して構成されていてもよ い(図7)。

<有機バインダ>
 発光体粒子14及び正孔輸送材料15を分散させ る有機バインダ41は、正孔輸送材料15と混合 きる材料であればよく、樹脂溶液などを使 可能である。

<発光体粒子>
 発光体粒子14としては、光学バンドギャッ が可視光の大きさを有する材料であれば、 ずれも使用できる。具体的には第13族-第15族 化合物半導体であるAlN、GaN、InN、AlP、GaP、InP 、AlAs、GaAs、AlSb等を用いることができる。特 に、GaNに代表される第13族窒化物半導体が好 しい。また、これらの混晶(例えばGaInN等)で あってもよい。さらに、伝導性を制御するた めに、Si、Ge、Sn、C、Be、Zn、Mg、Ge、Mnからな 群より選択される1又は複数種の元素をドー パントとして含んでいてもよい。

 また、InGaN,AlGaNなどの窒化物やZnSeやZnS、 にZnS、ZnSe,GaP、CdSe、CdTe、SrS、CaS、ZnOを母体 とし、母体のまま使用するか、あるいは添加 剤として,Ag、Al、Ga、Cu、Mn、Cl、Tb,Liから一種 以上選択される元素を添加した発光体粒子を 用いることができる。また、ZnSSeのような多 化合物やチオガレート系蛍光体も使用でき 。

 またさらに、発光体粒子14内において、 記複数の組成が層状構造や偏析構造をなし いてもよい。発光体粒子14の粒径は0.1μm~1000 mの範囲内であればよく、0.5μm~500μmの範囲内 がより好ましい。

<正孔輸送材料>
 次に、発光体粒子14を分散させる媒体とし 、若しくは有機バインダ41中に発光体粒子14 ともに分散させる正孔輸送材料15について 明する。なお、変形例2の場合のように、正 輸送材料15は、発光体粒子14の表面を覆うよ うにしてもよい。正孔輸送材料15としては、 機正孔輸送材料と、無機正孔輸送材料とが る。正孔輸送材料15にはホール移動度の高 材料が好ましい。

 <有機正孔輸送材料>
 この有機正孔輸送材料としては、実施の形 1に記載の上記化学式6及び化学式7の構成要 を含むことが好ましい。

 有機正孔輸送材料が上記の化学式6及び化 学式7の構成要素を含むことによる効果は、 光体粒子14に対して効率よく正孔を注入する ことであると考えられる。

 さらに、この有機正孔輸送材料としては 実施の形態1に記載の上記化学式8、化学式9 化学式10のいずれかを構成要素として含ん もよい。

 また、有機正孔輸送材料としては、大き 分けて、低分子系材料と高分子系材料とが る。これらの有機正孔輸送材料についても 施の形態1に記載のものと実質的に同様のも のを用いることができるので説明を省略する 。

 <無機正孔輸送性材料>
 無機正孔輸送性材料について説明する。こ 無機正孔輸送性材料についても実施の形態1 に記載のものと実質的に同様のものを用いる ことができるので説明を省略する。

<実施例1>
 本発明の実施例1として、塗布法によって図 5の発光素子10を得る方法を説明する。実施例 として図5に示すような発光素子10を作製した 。
(a)まず、シリコン基板11上にスパッタ法によ て、背面電極12としてPt膜を約300nmの膜厚で 成した。
(b)次に、Pt膜12の上に平均粒子径が1~3nmのFeナ 粒子を同じくスパッタ法で形成した。そし 、基板を約800℃まで加熱して炭化水素ガス チャンバ内に導入して、Feナノ粒子にカー ンナノチューブ21を成長させた。得られたカ ーボンナノチューブは、直径が1~10nm、長さが 0.5~2μmであり、電極であるPt膜12の面に対して ほぼ垂直方向に成長したブラシ状であった。
(c)次に、有機バインダ41としてのデュポン社 の樹脂溶液に正孔輸送材料15として、前記 脂溶液に溶かしたテトラフェニルブタジエ 系T770(商品名)を50重量%混入し、更に発光体 子として、平均粒子径が500~1000nmのGaN粒子14 十分に混合させて発光体ペーストとした。
(d)そして、作製した発光体ペーストを、ブラ シ状カーボンナノチューブ21を形成した基板 塗布後乾燥させた。塗布膜の厚さは約30μm あった。
(e)対向する透明電極16付き基板は、ガラス上 透明導電膜16であるITOをスパッタ法で成膜 た基板を使用した。膜厚は約300nmであった。
(f)続いて、発光体ペーストを乾燥させた後、 ITO面が発光体ペーストに接するように貼り付 けた。
 以上によって発光素子10を得た。

 評価は、背面電極12と透明電極16との間に直 流電圧を印加して行った。また、輝度測定は 、携帯型輝度計を用いて行った。その結果、 直流電圧約4Vでオレンジ色発光を開始し、12V 発光輝度約5000cd/m 2 が得られた。
 以上のように、本発明によれば、直流、低 圧で、高輝度の発光素子が得ることが可能 ある。

<効果>
 本実施例1に係る発光素子は、従来の発光素 子よりも耐食性、耐酸化性に優れ、高い輝度 、長寿命を得ることができた。

(変形例1)
 図6は、実施の形態3の変形例1に係る発光素 20の構成を示す概略断面図である。この発 素子20は、実施の形態3に係る発光素子10と比 較すると、発光層13が、正孔輸送材料15を媒 として、発光体粒子14が分散して構成されて いる点で相違する。

(変形例2)
 図7は、実施の形態3の変形例2に係る発光素 30の構成を示す側面図である。この発光素 30は、実施の形態3に係る発光素子10と比較す ると、発光層13が、有機バインダ41を媒体と て、表面を正孔輸送材料15で覆った発光体粒 子14が分散して構成されている点で相違する

(変形例3)
 図8は、実施の形態3の変形例3に係る発光素 40の構成を示す側面図である。この発光素 40は、実施の形態3の変形例1に係る発光素子2 0と同様に発光層13が正孔輸送材料15を媒体と て、発光体粒子14が分散して構成されてい 。また、この発光素子40は、負極側の電極16 にもブラシ状電極22を形成していることを 徴とする。負極側の電極16上に形成されたブ ラシ状電極22によって発光層13に電子注入を 率的に行うことができる。

 本発明の発光素子は、高い発光輝度を有 るので、LCDのバックライト、照明、ディス レイ等に利用可能である。