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Patent Searching and Data


Title:
METHOD AND APPARATUS FOR MEASUREMENT OF BROMATE ION
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/116554
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a bromate ion measurement method which can produce highly sensitive measurement results more conveniently and more rapidly compared with conventional bromate ion measurement methods. A fluorescent substance which can be quenched by the action of a co-existing bromate ion is added to a sample (130). The fluorescence intensity of the fluorescent substance is measured after quenching. The measured fluorescence intensity is subtracted from the fluorescence intensity of a reference sample containing no bromate ion to calculate the difference in fluorescence intensity. The concentration of a bromate ion is determined based on the calculated difference in fluorescence intensity by using a calibration curve between the difference in fluorescence intensity which has been calculated in advance and the bromate ion concentration.

Inventors:
TANAKA YOSHIHARU
IGARASHI SHUKURO
KATO JUN
Application Number:
PCT/JP2009/055238
Publication Date:
September 24, 2009
Filing Date:
March 18, 2009
Export Citation:
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Assignee:
METAWATER CO LTD (JP)
UNIV IBARAKI
TANAKA YOSHIHARU
IGARASHI SHUKURO
KATO JUN
International Classes:
G01N31/00; G01N21/64; G01N21/78
Other References:
FARRELL S. ET AL.: "Spectrophotometric determination of bromate ions using phenothiazines", ANALYTICA CHIMICA ACTA, vol. 313, no. IS.1-2, 1995, pages 121 - 129, XP002203485
BUTLER R. ET AL.: "Bromate analysis in groundwater and wastewater samples", J. ENVIRON. MONIT., vol. 7, 2005, pages 999 - 1006
SANKE GOWDA H. ET AL.: "N-Substituted phenothiazines as redox indicators in bromatometry", TALANTA, vol. 26, no. 3, 1979, TALANTA, pages 233 - 235
KANCHANA URAISIN ET AL.: "Novel oxidation reaction of prochlorperazine with bromate in the presence of synergistic activators and its application to trace determination by flow injection/spectrophotometric method", ANALYTICA CHIMICA ACTA, vol. 580, no. ISS.1, 2006, pages 68 - 74, XP005713319
KATO ET AL.: "Toorifuruoperajin no Keiko Shoko Gensho o Riyo shita sub-µg L-1 Level no Shusosan Ion no Teiryo", THE JAPAN SOCIETY FOR ANALYTICAL CHEMISTRY DAI 57 NENKAI KOEN YOSHISHU, 27 August 2008 (2008-08-27), pages 331 Y100
Attorney, Agent or Firm:
OKUYAMA, Shoichi et al. (JP)
Okuyama In addition, it is 1. (JP)
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Claims:
 試料中に含まれる臭素酸イオンの測定方法であって、
酸性条件下で臭素酸イオンとの共存により消光する蛍光物質を前記試料に添加と混合する工程と、
前記蛍光物質の消光後の蛍光強度を計測する工程と、
臭素酸イオンを含まない標準試料の蛍光強度から、前記測定した蛍光強度を減算し、蛍光強度差を算出する工程と、
予め求めておいた蛍光強度差と臭素酸イオン濃度との検量線を用いて、前記算出した蛍光強度差から臭素酸イオン濃度を算出する工程と
を含む臭素酸イオンの測定方法。
 前記蛍光物質を前記試料と混合する工程の前に、前記試料にキレート剤を加える工程をさらに有する請求項1に記載の臭素酸イオンの測定方法。
 前記蛍光物質がトリフルオペラジンである請求項1または2に記載の臭素酸イオンの測定方法。
 前記キレート剤がエチレンジアミン四酢酸である請求項2または3に記載の臭素酸イオンの測定方法。
 試料中に含まれる臭素酸イオンの測定装置であって、
臭素酸イオンとの共存により消光する蛍光物質を前記試料と混合する手段と、
前記蛍光物質の消光後の蛍光強度を計測する手段と、
臭素酸イオンを含まない標準試料の蛍光強度から、前記測定した蛍光強度を減算し、蛍光強度差を算出する手段と、
予め求めておいた蛍光強度差と臭素酸イオン濃度との検量線を用いて、前記算出した蛍光強度差から臭素酸イオン濃度を算出する手段と
を有する臭素酸イオンの測定装置。
 前記混合手段に一時的に貯留した前記試料と前記蛍光物質との混合物を、前記蛍光強度計測手段で計測するように構成された請求項5に記載の臭素酸イオンの測定装置。
 前記混合手段中に連続して流れる前記試料と前記蛍光物質との混合物を、前記蛍光強度計測手段で測定するように構成された請求項5に記載の臭素酸イオンの測定装置。
Description:
臭素酸イオンの測定方法および 置

本発明は、水中の臭素酸イオンの測定方法お よび装置に関する。
特に、高度浄水プロセスのオゾン処理プロセ スで生成する微量の臭素酸イオンを簡便かつ 迅速に高感度に精度良く測定する方法および 装置に関する。

 河川水等水道原水中には微量の臭素イオン 含まれており、オゾン処理(高度浄水処理) 行うと、水中に含まれる臭素イオンとオゾ が反応し、図1のような反応が進行し、臭素 イオンが生成する。
臭素酸イオンは遺伝毒性を示す発がん性物質 であると考えられ、WHO(世界保健機構)は飲料 中の濃度のガイドライン値を0.01mg/Lとして り、わが国でも平成15年5月30日付けで水質基 準に関する省令の改正が公布され、水道水質 基準値は0.01mg/Lと定められた。

一般に臭素酸イオンの分析法として、イオン クロマトグラフ-ポストカラム吸光光度法が 用されている。この分析方法は、試料水中 臭素酸イオンを、陰イオン交換カラムを用 て分離し、溶出液に硫酸及び亜硝酸ナトリ ム・臭化ナトリウム混液を加え、臭素酸イ ンを三臭化イオンとし、その紫外部吸光度 測定する三臭素イオン法を用いて分離定量 行う方法である。臭素酸イオンをクロマト 離後、三臭素イオン法によるポストカラム 導体化法を用い、紫外線268nmの吸光度で測定 する。
イオンクロマトグラフ-ポストカラム法(IC-PC )では、2段階反応が行われ、第1段反応では 臭化カリウム/硫酸溶液により臭素酸を三臭 イオンに変換させ、さらに第2段反応で、亜 硝酸ナトリウム溶液を用い、低濃度領域にお ける検量線の直線性を確保することを必要と する。
BrO 3 - +5Br - +6H + →3Br 2 +3H 2 O
Br 2 +Br - →Br 3 -

 従来は、臭素酸イオンの定量方法として 比色法、吸光光度法、ガスクロマトグラフ ー法及びイオンクロマトグラフィー法等が いられてきた。しかしながら、これらの方 では、感度や共存成分による干渉の点に問 があり、0.010mg/L以下の臭素酸イオンを安定 て定量することが困難であった。これに対 、特許文献1には、反応試薬に還元剤を添加 し、該還元剤が添加された反応試薬を用いる ことで、被測定液中の微量イオン種を定量す る技術が記載されている。また、非特許文献 1には、1cmセルを用いる吸光光度法が記載さ ており、非特許文献2には、10cmセルを用いる 吸光光度法が記載されている。

先行技術文献

特開平9-119925

A.Afkhami, T.Madrakian, M.Bahram, J. Hazard. Mast er, B123, 250-255(2005) S.Farrell et el, Anal,Chim.Acta, 313,121-129(1995)

従来の臭素酸イオンの測定方法では、クロマ トカラムによる分離、三臭素イオンへの誘導 体化など装置構成が複雑で測定に時間がかか るという問題を有している。
そこで、本発明は、従来の臭素酸イオン測定 方法よりも、簡便かつ迅速に高感度な測定結 果を得られる臭素酸イオン測定法および装置 を提供することを目的とする。

上記の目的を達成するため、本発明による 臭素酸イオンの測定方法は、酸性条件下で臭 素酸イオンとの共存により消光する蛍光物質 を試料と混合する工程と、前記蛍光物質の消 光後の蛍光強度を計測する工程と、臭素酸イ オンを含まない標準試料の蛍光強度から、前 記測定した蛍光強度を減算し、蛍光強度差を 算出する工程と、予め求めておいた蛍光強度 差と臭素酸イオン濃度との検量線を用いて、 前記算出した蛍光強度差から臭素酸イオン濃 度を算出する工程と前記蛍光物質の消光後蛍 光強度を計測することにより試料中の臭素酸 イオン濃度を求める工程とを含むことを特徴 とする。

また、本発明に係る臭素酸イオンの測定方 法は、蛍光物質を試料と混合する工程の前に 、前記試料にキレート剤を加える工程をさら に有していてもよい。本発明に係る臭素酸イ オンの測定方法で用いられる蛍光物質は、ト リフルオペラジンがもっとも好ましく、本発 明に係る臭素酸イオンの測定方法で用いられ るキレート剤は、エチレンジアミン四酢酸で あってもよい。

 さらに、本発明によれば、試料中に含ま る臭素酸イオンの測定装置であって、臭素 イオンとの共存により消光する蛍光物質を 記試料と混合する手段と、前記蛍光物質の 光後の蛍光強度を計測する手段と、臭素酸 オンを含まない標準試料の蛍光強度から、 記測定した蛍光強度を減算し、蛍光強度差 算出する手段と、予め求めておいた蛍光強 差と臭素酸イオン濃度との検量線を用いて 前記算出した蛍光強度差から臭素酸イオン 度を算出する手段とを有する臭素酸イオン 測定装置を提供することができる。

 また、本発明に係る臭素酸イオンの測定 置は、混合手段に一時的に貯留した試料と 光物質との混合物を、蛍光強度計測手段で 測するように構成されていてもよい。

 また、本発明に係る臭素酸イオンの測定 置は、混合手段中に連続して流れる試料と 光物質との混合物を、蛍光強度計測手段で 定するように構成されていてもよい。

以下に詳細に説明するように、本発明の臭素 酸イオン測定法によれば、簡便かつ迅速に高 感度な臭素酸イオン濃度の測定結果を得るこ とができる。
また、金属イオンのマスク剤としてキレート 剤を試料に加えることで、試料中に含まれる 金属イオンに関わらず、高感度な臭素酸イオ ン濃度の測定結果を得ることができる。

オゾン処理による臭素酸イオン生成の カニズムを示す図である。 各臭素酸イオン濃度における蛍光スペ トルを示すグラフである。 添加するトリフルオペラジン濃度と蛍 強度差との関係を示すグラフである。 酸溶液として塩酸を用いたときの臭素 イオン濃度の測定結果を示すグラフである 酸溶液として硝酸を用いたときの臭素 イオン濃度の測定結果を示すグラフである 酸溶液として硫酸を用いたときの臭素 イオン濃度の測定結果を示すグラフである 酸溶液として塩酸を用いたときの塩酸 度と蛍光強度差との関係を示すグラフであ 。 反応時間と各臭素酸イオン濃度におけ 蛍光強度の関係を示すグラフである。 臭素酸イオン濃度と蛍光強度差の関係( 検量線)を示すグラフである。 本発明の臭素酸イオンの測定を実施す るためのバッチ式の構成を有する装置の概略 的な模式図を示す。 本発明の臭素酸イオンの測定を実施す るためのフローインジェクション式の構成を 有する装置の概略的な模式図を示す。 本発明の臭素酸イオンの測定を実施す るための蛍光強度計測手段の概略的な模式図 を示す。 本発明の臭素酸イオンの測定を実施す るためのバッチ式の構成を有する装置の概略 的なフロー図を示す。

符号の説明

 10 送液系
 11 試料供給手段
 12 純水供給手段
 13 臭素酸イオン標準試料供給手段
 14 キレート剤供給手段
 15 蛍光物質供給手段
 16 酸溶液供給手段
 17a~d バルブ
 18a~e ポンプ
 19 廃液貯留手段
 20 恒温槽
 21 混合セル
 22 スターラー
 23 蛍光強度計測手段
 24 反応コイル
 30 制御手段
 120 励起光源
 121a~c 集光レンズ
 122a~c スリット
 123a、b バンドパスフィルタ
 124 ビームスプリッター
 125a、b 光電子倍増管
 130 試料
 131 キレート剤
 132 蛍光物質
 133 酸溶液
 134 混合工程
 135 蛍光強度計測

 本発明に係る臭素酸イオンの測定方法の の実施形態について、以下に説明する。本 明は、以下に説明する実施の形態に限定さ るものではない。

 図13を参照して、本発明の臭素酸イオン 測定について説明する。まず、臭素酸イオ 濃度を測定したい試料130を用意する。試料13 0には、共存する金属イオンをマスクするた にキレート剤131を添加することが好ましい 試料と酸性下で臭素酸イオンと共存するこ により消光する蛍光物質132とを混合させる 混合後、酸溶液133の添加などにより試料のpH を酸性にすることで、試料中に含まれる臭素 酸イオンの濃度依存的に蛍光物質132が消光す る。本発明に係る臭素イオンの測定方法は、 酸性下で臭素酸イオンと共存することで消光 する蛍光物質132の性質を利用するものであり 、消光後の蛍光強度を蛍光強度計測手段135に より計測することで、予め求めておいた蛍光 強度と臭素酸イオンとの関係から試料中に含 まれる臭素酸イオン濃度を求めることが可能 となる。

 また、本発明は、酸溶液133の添加等によ 試料を酸性にしてから約2分のエージング134 で蛍光強度の計測が可能であり、試料の採取 から試料中に含まれる臭素酸イオン濃度を求 めるまでの工程を迅速に行うことができる。 従って、本発明の臭素酸イオン測定方法によ れば、複雑な工程や機器を必要とせずに、迅 速に、0.001mg/Lの単位での臭素酸イオン濃度の 測定が可能となる。

 また、試料中に蛍光強度測定のノイズとな 金属イオン、特にFe 2+ 、Fe 3+ 、Mn 2+ 、が含まれている場合であっても、金属イオ ンをマスクするためのキレート剤131を蛍光物 質混合前の試料に添加することで、共存する 金属イオン濃度の許容限界を大きくし、同様 に高感度な臭素酸イオン濃度の測定が可能と なる。

本発明に用いられる蛍光物質132は、酸性下 で臭素酸イオンとの共存下で消光する性質を 有する蛍光物質であればよく、例えばフェノ チアジン、クロルブロマジン、メチレンブル ーなどのフェノチアジン誘導体が挙げられる 。その中でも、本発明に用いられる蛍光物質 として、トリフルオペラジン(TFP)がもっとも ましい。

トリフルオペラジンは、基本分子骨格にフ ェノチアジンを有し、フェノチアジンは酸化 されることで二量化することが報告されてい る(P. Hanson, R. O. C. Norman, J. Chem. Soc. Perki n Trans. 2, 264-267 (1973))。トリフルオペラジ においても下式に示すように臭素酸イオン より酸化されることで同様の反応機構が考 られ、トリフルオペラジンが構造を変化さ ることで特定の蛍光波長、励起波長におい 蛍光の消光現象が起こると考えられる。

 本発明で測定できる試料としては、微量 臭素酸イオンを含む浄水プロセスの沈澱処 水やろ過水等が挙げられる。

 本発明の試料を酸性に調整するために酸 液133が用いられるが、酸溶液としては、塩 がもっとも好ましい。

 本発明に用いられるキレート剤131は、試 中に共存する金属イオンをマスクすること できるものであればよく、好ましくは、エ レンジアミン四酢酸(EDTA)、が挙げられる。

 図10は、本発明の臭素酸イオンの測定を 施するための、バッチ式の構成を有する装 の概略的な模式図を示す。図10に示すように 、本発明の臭素酸イオンのバッチ式の測定装 置は、試料供給手段11、純水供給手段12、臭 酸イオン標準試料供給手段13、キレート剤供 給手段14、蛍光物質供給手段15、酸溶液供給 段16、混合セル21、スターラー22、廃液貯留 段19、バルブ17、およびパイプ18からなる送 系10と、恒温槽20と、蛍光強度計測手段23、 液系10、恒温槽20、および蛍光強度計測手段2 3を制御する制御部30とから構成されている。

 試料供給手段11には、臭素酸イオン濃度 測定したい試料を溜めることができ、適宜 ルブおよびパイプを介して、試料を混合セ 21または反応コイル24へ所定の量を供給でき ものを用いることができる。

 純水供給手段12には、検量線を算出する めの臭素酸を含まない標準試料(ブランク)と して使用される純水を溜めることがき、適宜 純水を混合セル21または反応コイル24へ所定 量を供給できるものを用いることができる また、純水供給手段12より供給する純水は、 所定の量を試料測定後の洗浄にも使用するこ とができる。

臭素酸イオン標準試料供給手段13は、検量 を算出するための臭素酸を含む標準試料を めることができ、適宜臭素酸イオン標準試 を混合セル21または反応コイル24へ所定の量 を供給できるものを用いることができる。

 キレート剤供給手段14、蛍光物質供給手 15、および酸溶液供給手段16としては、それ れキレート剤、蛍光物質、酸溶液を溜める とができ、またポンプにより、それぞれキ ート剤、蛍光物質、酸溶液を混合セル21ま は反応コイル24へ供給できるものであればよ い。また、蛍光物質を供給する手段15は、蛍 物質の消光を防ぐため、完全に遮光できる 成を有するものが望ましい。

 バッチ式の構成に使用できる混合セル21 は、上記の各供給手段により供給する試料 、キレート剤、蛍光物質、酸溶液等を混合 きるものであればよく、また、光の透過率 高く、酸性条件下でも良好に使用できるも が好ましい。混合セル21としては、例えば石 英セルを使用することができる。また、混合 セル21の下部にはスターラー22が設置されて り、スターラー22により混合セル21内の試料 を混合することができる。

 スターラー22としては、混合セル21内の試 料等を撹拌できるものであればよく、マグネ ティックスターラーや超音波スターラー等、 従来周知のものを使用することができる。ま た、混合セル21には、スターラー22による撹 を可能とするため回転子を備えていること 好ましい。スターラー22によりキレート剤、 蛍光物質、および酸溶液と撹拌・混合した試 料は、蛍光強度計測手段23により、蛍光物質 蛍光強度を計測する。

 蛍光強度計測後の試料は、廃液として、 液貯留手段19へと送られる。廃液貯留手段19 は、混合セル21より排出する測定後の廃液を 時的に溜めることができるものであればよ 。

 蛍光強度計測手段23は、試料中の蛍光物 に励起光を当て、それにより蛍光物質が放 した蛍光波長の強度を計測できるものであ ばよい。

 恒温槽20は、混合セル21、スターラー22、 光強度計測手段23、又は反応コイル24の温度 を制御することができ、蛍光強度を測定する 試料の温度を制御することができる。恒温槽 20により制御される温度の範囲は、25℃以下 好ましく、5℃~15℃の範囲がより好ましい。

 制御部30は、各供給手段からの試料等の 給を制御するバルブやパイプの開閉、スタ ラー22による混合セル21内の撹拌制御、恒温 20の温度制御、および蛍光強度計測手段の 御を統括して行うことができる。また、制 部30は、臭素酸イオンを含まない標準試料の 蛍光強度から、測定した蛍光強度を減算し、 蛍光強度差を算出する工程や、予め求めてお いた蛍光強度差と臭素酸イオン濃度との検量 線を用いて、算出した蛍光強度差から臭素酸 イオン濃度を算出する工程を行う。

 上記のバッチ式の臭素酸イオンの測定装 によれば、まず、臭素酸イオン濃度を測定 たい試料を試料供給手段11へ用意する。次 、バルブ17aおよびポンプ18aを制御し、試料 混合セル21へと供給する。このとき、純水や 臭素酸イオン標準試料を混合セル21へ供給す 場合には、それぞれバルブ17bおよび17cを制 することで、混合セル21へと供給すること できる。次に、キレート剤をキレート剤供 手段14より混合セル21へ供給する。その後、 光物質を蛍光物質供給手段15より混合セル21 へ供給する。蛍光物質を供給後、酸溶液を酸 溶液供給手段16より混合セル21へ供給する。 合セル21では、スターラー22により試料、キ ート剤、蛍光物質、酸溶液が撹拌され、混 される。このとき、混合セル21内は、恒温 20により温度を制御している。試料を混合し た後、蛍光強度計測手段23により、試料中の 光物質が放出する蛍光の強度を測定する。 光強度を測定後、制御部30bにおいて、臭素 イオンを含まない標準試料の蛍光強度から 測定した蛍光強度を減算し、蛍光強度差を 出する。次に、予め求めておいた蛍光強度 と臭素酸イオン濃度との検量線を用いて、 出した蛍光強度差より臭素酸イオン濃度を 出する。また、蛍光強度測定後の試料は、 液として試料を受け取る手段19へと送られ 。各試料やキレート剤等の供給は、制御部30 によるバルブ17a~cおよびポンプ18a~dの制御に り行うことができる。同様に、混合セル21か らの廃液の処理も、制御部30によるバルブ17d よびポンプ18eの制御により行うことができ 。

 次に、本発明の蛍光強度計測手段23の一 施形態を図12に示す。図12に示すように、本 明に使用できる蛍光強度計測手段23は、励 光源120と、集光レンズ121a~cと、スリット122a~ cと、バンドパスフィルタ(BPF)123a、bと、ビー スプリッター124と、光電子倍増管(PMT)125a、b と混合セル21から構成されている。

 励起光源120としては、混合セル21または ローセル中の試料の蛍光物質へ当てる光源 放出できるものであればよく、キセノンラ プ、水銀キセノンランプ、ハロゲンランプ を用いることができる。

 集光レンズ121aは、励起光源120からの散乱 光を混合試料方向へ集光することができる。 集光レンズ121bは、混合試料中の蛍光物質か 放出する波長を、蛍光計測用のPMT125b方向へ 光できる。また、集光レンズ121cは、蛍光物 質から放出され、BPM123bを通過した波長を蛍 計測用のPMT125bの蛍光計測部位に集光するこ ができる。このような集光レンズとしては 従来周知のものを使用することができる。

 スリット122は、励起光源等からの集光レ ズにより集光された光を絞る。このような 成を有するものであれば、従来周知のスリ トを使用することができる。

 バンドパスフィルタ-(BPM)123aは、特定の波 長を遮断することができ、特定の波長を混合 試料へと送ることができる。また、BPM123bも 様に特定の波長を遮断することができ、特 の波長のみを蛍光測定用のPMT125bへ送ること できる。バンドパスフィルタ-としては、例 えば300nmまたは480nmの波長のみを通すことの きるものが好ましく、従来周知のものを使 することができる。

 ビームスプリッター124は、入射した光を つに分割することのできるものであればよ 、従来周知のものを使用することができる

光電子倍増管(PMT)125aは、励起光源からの光 量についての経時的な変動を測定することが でき、この測定値は蛍光強度の算出時の補正 に使用することができる。また、PTM125bは、 料中の蛍光物質より放出された波長の光量 測定する。PMTとしては、従来周知のものを 用することができる。

 図12に示す蛍光強度計測手段23によれば、 励起光源120より放出された散乱光は、集光レ ンズ121aにより集光され、スリット122aを通過 、BPM123aに侵入する。BPM123aは、300nmの波長の み通過させ、300nmの波長をビームスプリッタ 124へ送る。ビームスプリッター124で二つに 割された一方の波長は、スリット122bを通り 、PMT125aへ送られる。PMT125aでは、蛍光強度算 時の補正を行うために、励起光源120からの 量の経時的な変動を測定する。ビームスプ ッター124を通過するもう一方の波長は、混 セル21へ侵入し、蛍光物質を励起する。励 した蛍光物質より放出する波長を集光レン 121bにより集光し、BPM123bへ侵入させる。BPM123 bは、480nm以外の波長を遮断し、スリット122c 480nmの波長を送る。スリット122cを通過した 長は、再び集光レンズ121cによりPMT125bの蛍光 強度を計測する部位へ集光する。そして、PMT 125bが、蛍光物質から放出された波長の蛍光 度を測定する。

 また、図11は、本発明の臭素酸イオンの 定を実施するための、フローインジェクシ ン式の構成を有する装置の概略的な模式図 示す。図11に示すように、本発明の臭素酸イ オンのフローインジェクション式の測定装置 は、試料供給手段11と、純水供給手段12と、 素酸イオン標準試料供給手段13と、キレート 剤供給手段14と、蛍光物質供給手段15と、酸 液供給手段16と、ポンプ18a~dと、反応コイル2 4と、恒温槽20と、蛍光強度計測手段23と、廃 貯留手段19とから構成されている。

 フローインジェクション式の構成に使用 きる反応コイル24は、上記の各供給手段に り供給する試料や、キレート剤、蛍光物質 酸溶液が反応コイル24中で連続して流れなが ら混合できる構成を有しているものであれば よい。反応コイル24の長さや反応コイル中の 量は、試料等が十分に混合されるように適 設計されることが好ましい。反応コイル24 で混合した試料は、蛍光強度計測手段23によ り蛍光強度の測定をする。

 上記のフローインジェクション式の臭素 イオンの測定装置によれば、まず、臭素酸 オン濃度を測定したい試料を試料供給手段1 1へ用意する。次に、ポンプ18を制御し、試料 を反応コイル24へ供給する。このとき、純水 臭素酸イオン標準試料を反応コイル24へ供 する場合には、それぞれのバルブ(図示省略) を制御することで、反応コイル24へと供給す ことができる。次に、試料を反応コイル24 供給する配管の途中において、キレート剤 キレート剤供給手段14より供給する。その後 、同様に配管の途中において蛍光物質を蛍光 物質供給手段15より供給する。蛍光物質を供 後、さらに配管の途中へ酸溶液を酸溶液供 手段16より供給する。反応セル24は、反応セ ル中を流れる試料、キレート剤、蛍光物質、 キレート剤が十分に混合されるよう構成され ており、また反応コイル24は、恒温槽20によ 温度制御されている。反応コイル24内で混合 した試料中の蛍光物質が放出する蛍光の強度 は、蛍光強度計測手段23により測定される。 光強度計測手段23により測定する箇所は、 ローセルの構成を有しており、フローセル を流れている試料を測定することができる 蛍光強度測定後の試料は、廃液として廃液 留手段19へと送られる。

以下に、本発明を実施例によりさらに具体的 に示すが、本実施例は本発明を限定するもの でない。
(実施例1)
酸性条件下での、トリフルオペラジン蛍光強 度の臭素酸濃度に対する依存性について測定 した。具体的には、サンプル管に3.2mlの臭素 イオン試料溶液、0.2mlのTFP溶液、0.6mlの酸溶 液を順次添加して混合したのち、分光蛍光光 度計(製品名:F4500、日立社製)にて2分後に蛍光 (励起波長Ex:300nm, 蛍光波長EM:485nm)を測定した (以下の実施例においても同様の工程を用い )。臭素酸イオン試料溶液には、臭素酸イオ 濃度がそれぞれ、a)ブランク(臭素酸イオン 含まず)、b)7.5μg/L、c)15μg/Lの割合で含まれ いる。酸性条件下において、臭素酸イオン 度を変えた試料水に対するトリフルオペラ ンの蛍光スペクトルを図2に示す。結果から 臭素酸イオンにより蛍光の消光現象が認め れ、また、臭素酸イオン濃度の増加に伴い 光の消光もより大きくなることが解った。

(実施例2)
本発明の測定方法に使用するトリフルオペラ ジンの濃度について検討した。実施例1と同 の工程により臭素酸イオンの測定方法を実 した。酸溶液として塩酸を用い、塩酸濃度 1.0Mに設定した。臭素酸イオン試料溶液は、 素酸イオンがブランクのものと11μg/Lのもの を用い、それぞれTFPの濃度を変化させて測定 した。それぞれのTFP濃度に対応する臭素酸イ オン含有とブランク間での蛍光強度差を得た 。得られた蛍光強度差(ブランクの試料の蛍 強度と、11μg/Lで臭素酸イオン濃度が含まれ 試料の蛍光強度の差)と添加されるTFP濃度に 対する影響についての結果を図3に示す。ブ ンクと臭素イオン含有サンプルとの蛍光強 差は、トリフルオペラジン濃度が7.35×10 -6   Mまでは増加し、それ以降は一定となった。 の結果から、臭素酸イオンはトリフルオペ ジン濃度7.35×10 -6   M以上で完全に反応すると考えられる。以下 実施例においては、トリフルオペラジンの 度は、7.35×10 -6   Mに設定した。

 (実施例3)
 本発明の臭素酸イオンの測定方法に使用す 酸について検討した。実施例1と同様の工程 により臭素酸イオンの測定方法を実施した。 このとき、酸溶液には、塩酸、硝酸及び硫酸 を用いて比較検討した。実施例2により、ト フルオペラジンの濃度は、7.35×10 -6   Mに設定し、臭素酸イオン濃度を0~15μg/Lまで 化させた。酸溶液に塩酸を用いた場合は、 酸の濃度が0.9M([H + ] T =0.9M、[Cl - ] T =0.9M)となるように添加した。その結果を図4 示す。酸溶液に硝酸を用いた場合は、硝酸 濃度が0.9M([H + ] T =0.9M、[NO 3 - ] T =0.9M)となるように添加した。その結果を図5 示す。また、酸溶液に硫酸を用いた場合は 硫酸の濃度が0.45M([H + ] T =0.9M、[SO 4 2- ] T =0.45M)となるように添加した。その結果を図6 示す。

 酸溶液に塩酸を用いた場合は、臭素酸イ ン濃度に対して蛍光強度が定量的に減少す 結果となった。硝酸を用いた場合には、塩 の場合と比較して蛍光強度がおよそ444分の1 という結果が得られた。また、硫酸を用いた 場合には、塩酸を用いた場合と同等のレベル の蛍光強度が得られたが、蛍光強度は臭素酸 イオン濃度に対して定量的な変化を示さなか った。従って、これらの結果より酸溶液とし て塩酸を用いたときに臭素酸イオンの定量が 可能であった。

 (実施例4)
 酸溶液に塩酸を用いたときの、塩酸濃度の 化の影響について検討した。
実施例1と同様の工程により臭素酸イオンの 定方法を実施した。TFP濃度を7.35×10 -6   Mに、臭素酸イオン濃度を11μg/Lに設定し、塩 濃度を0.25~1.5Mまで変化させた。図7に、塩酸 濃度と蛍光強度差との関係を示す。ブランク とサンプル間の蛍光強度差が、塩酸濃度1.0M 最大となることから、塩酸濃度は1.0Mに設定 た。1.0M以下において蛍光強度が下がったの は、消光反応が起こるのに十分な酸性条件で なかったためであると考えられる。1.0M以上 おいて蛍光強度差が下がったのは、反応機 においてプロトンが放出される反応が右側 進みづらくなった結果、二量体が妨げられ しまったためであると考えられる。

 (実施例5)
 本発明に係る臭素鎖イオン測定方法におけ 、反応時間と各臭素酸イオン濃度について 蛍光強度の関係について検討した。実施例1 と同様の工程により臭素酸イオンの測定方法 を実施した。TFP濃度は7.35×10 -6 Mに設定し、酸溶液として塩酸を用い、塩酸 度を1.0Mに設定した。臭素酸イオン濃度は、 ランク、7.5μg/L、15μg/Lに設定したものを用 た。TFP溶液が添加された試料に塩酸を入れ からの反応時間を変化させ、25℃における れぞれの蛍光強度を測定した。図8に反応時 と各臭素酸イオン濃度における蛍光強度の 係を示す。ブランク、臭素酸イオン7.5μg/L 15μg/Lにおける蛍光強度は、いずれも反応時 2分後以降の変化が観測されなかったので、 反応時間は約2分に設定した。なお、図中の 応時間は塩酸の添加時を0秒とした。

 (実施例6)
 蛍光強度差の臭素酸イオン濃度依存性につ て検討した。実施例1と同様の工程により臭 素酸イオンの測定方法を実施した。TFP濃度は 7.35×10 -6 Mに設定し、酸溶液として塩酸を用い、塩酸 度を1.0Mに設定した。試料溶液中の臭素酸イ ン濃度を変化させて蛍光強度差を測定し、 素酸イオンの検量線を得た。図9に臭素酸イ オンの検量線を示す。試料溶液中の臭素酸イ オン濃度が0.8~15μg/Lの濃度範囲において良好 直線が得られた。この検量線から得られた 素酸イオン濃度と蛍光強度差との関係は、y =26.42x(y:蛍光強度差、x:臭素酸イオン濃度(μg/L ))であり、相関係数は、0.997であった。臭素 イオン濃度7.5μg/Lにおいて、5回測定での相 標準は偏差は2.71%であった。また、検出限界 (3σ)は0.58μg/Lであった。

 (実施例7)
 臭素イオンがブランクのものと臭素酸イオ 濃度7.5μg/L(6.0×10 -8 M)における蛍光強度差において、共存物の影 を検討した。結果を表1に示す。共存物質の 許容限界濃度は、上記の蛍光強度差が±5%以 の誤差を与える濃度として、臭素酸イオン のモル比により比較した。その結果、Al 3+ 、Ca 2+ 、K + 、Na + 、Ni 2+ 、Mg 2+ 、Cl - 、NO 3 - 、SO 4 2- の許容限界は1000倍であり、Zn 2+ 、IO 3 - 、IO 4 - 、EDTAの許容限界は100倍であった。また、Fe 2+ 、Fe 3+ 、Mn 2+ の許容限界が1倍と低かったが、マスキング としてEDTAを用いることでFe 2+ 、Fe 3+ 、Mn 2+ の許容限界を10倍まで許容させることができ 。

 (実施例8)
 本法の応用として、市販されているCRYSTAL G ERZER(CG Roxane company製)中に含まれている臭素 イオンの定量を標準添加法により行なった その結果を表2に示す。臭素酸イオン濃度7.5 μg/Lにおいて、5回測定での相対標準偏差は3.0 2%であった。また、臭素酸カリウムの回収率 、7.5μg/Lにおいて96%、15μg/Lにおいて103% と う良好な結果が得られた。 

本法と他法との比較を表3に示す。本方法の 光光度法は、現在、臭素酸イオンの試験方 として採用されているイオンクロマトグラ ィー・ポストカラム 1 (「上水試験法 2001年版-追補版」p.16(2006), ( 本水道協会).)、1cmセルを用いる吸光光度法 2) (非特許文献1)よび10cmセルを用いる吸光光度 2) (非特許文献2)と比較し、前者とは簡便性にお いて、後者と比較し10倍高感度であり特殊な ルおよび分析機器を必要としないため汎用 が高い。




 
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