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Title:
METHOD OF ESTIMATING MATERIAL PROPERTY VALUE OF CERAMIC
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/119344
Kind Code:
A1
Abstract:
Provided is a method of estimating, in a short time with satisfactory precision, the values of material properties, in particular, Young's modulus and thermal conductivity, of a ceramic layer of a heat-insulating coating material formed on a high-temperature member.  The method of estimating the values of material properties of a ceramic comprises: a step in which the Larson-Miller parameter of the ceramic is calculated from the time periods over which the ceramic was heated and from the temperatures at which the ceramic was heated; a step in which that porosity of the ceramic which corresponds to the calculated Larson-Miller parameter is obtained from the calculated Larson-Miller parameter and from a correlation diagram concerning Larson-Miller parameter and porosity obtained from a sample material having the same composition as the ceramic; and a step in which that value of a property of the ceramic which corresponds to the porosity obtained is obtained from the porosity obtained and from a correlation diagram concerning porosity and the property, the diagram having been obtained from the sample material having the same composition as the ceramic.

Inventors:
NAMBA KATSUMI (JP)
TORIGOE TAIJI (JP)
OKADA IKUO (JP)
MORI KAZUTAKA (JP)
TSURU YASUHIKO (JP)
SHIDA MASATO (JP)
NAGANO ICHIRO (JP)
ITO EISAKU (JP)
TAKAHASHI KOJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/054893
Publication Date:
October 01, 2009
Filing Date:
March 13, 2009
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
NAMBA KATSUMI (JP)
TORIGOE TAIJI (JP)
OKADA IKUO (JP)
MORI KAZUTAKA (JP)
TSURU YASUHIKO (JP)
SHIDA MASATO (JP)
NAGANO ICHIRO (JP)
ITO EISAKU (JP)
TAKAHASHI KOJI (JP)
International Classes:
G01M99/00; G01N17/00
Foreign References:
JP2003074376A2003-03-12
JPH11236268A1999-08-31
JPS63117962A1988-05-21
JPH08254530A1996-10-01
JP2008014748A2008-01-24
JP2003004549A2003-01-08
Other References:
See also references of EP 2256474A4
Attorney, Agent or Firm:
FUJITA, Takaharu et al. (JP)
Takaharu Fujita (JP)
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Claims:
 セラミックスの加熱時間と加熱温度とからラーソンミラーパラメータを算出する工程と、
 該算出されたラーソンミラーパラメータと、前記セラミックスと同一組成の供試材から得たラーソンミラーパラメータと気孔率との相関図とから、前記算出されたラーソンミラーパラメータに対応する前記セラミックスの気孔率を取得する工程と、
 該取得された気孔率と、前記セラミックスと同一組成の供試材から得た気孔率と物性値との相関図とから、前記取得された気孔率に対応する前記セラミックスの物性値を取得する工程とを備えるセラミックスの物性値推定方法。
 前記物性値が、ヤング率である請求項1に記載のセラミックスの物性値推定方法。
 前記物性値が、熱伝導率である請求項1に記載のセラミックスの物性値推定方法。
 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のセラミックスの物性値推定方法を用いて、高温部材に形成された遮熱コーティング材のセラミックス層のヤング率及び熱伝導率の少なくとも一方を取得する遮熱コーティング材の物性値推定方法。
 請求項4に記載の遮熱コーティング材の物性値推定方法を用いて取得した前記セラミックス層のヤング率及び熱伝導率の少なくとも一方を用いて、前記遮熱コーティング材の余寿命を取得する遮熱コーティング材の余寿命推定方法。
 請求項5に記載の遮熱コーティング材の余寿命推定方法を用いて取得した前記遮熱コーティング材の余寿命から、前記高温部材の余寿命を推定する高温部材の余寿命推定方法。
 セラミックスの加熱時間と加熱温度とからラーソンミラーパラメータを算出するラーソンミラーパラメータ算出手段と、
 該算出手段で算出されたラーソンミラーパラメータと、前記セラミックスと同一組成の供試材から得たラーソンミラーパラメータと気孔率との相関図とから、前記算出されたラーソンミラーパラメータに対応する前記セラミックスの気孔率を取得する気孔率取得手段と、
 該気孔率取得手段で取得された気孔率と、前記セラミックスと同一組成の供試材から得た気孔率と物性値との相関図とから、前記取得された気孔率に対応する前記セラミックスの物性値を取得する物性値取得手段とを備える物性値取得装置。
 前記物性値取得手段で取得された物性値を用いて、遮熱コーティング材の余寿命を取得する余寿命取得手段を更に備える請求項7に記載の物性値取得装置。
Description:
セラミックスの物性値推定方法 遮熱コーティング材の物性値推定方法、遮 コーティング材の余寿命推定方法、及び、 温部材の余寿命推定方法、並びに物性値取 装置

 本発明は、セラミックスの物性値推定方 、遮熱コーティング材の物性値推定方法、 熱コーティング材の余寿命推定方法、及び 高温部材の余寿命推定方法、並びに物性値 得装置に関し、特に高温部材に形成された 熱コーティング材の物性値推定方法に関す 。

 発電用ガスタービン及びジェットエンジ の動翼、静翼、燃焼器などの高温環境下で 用される高温部材は、金属製の母材を高温 ら保護するため、母材表面に遮熱コーティ グ材(Thermal Barrier Coating:TBC)が施されている 。遮熱コーティング材は、母材上に減圧プラ ズマ溶射等で形成した金属接合層と、金属接 合層上に大気圧プラズマ溶射により形成され たセラミックス層とから構成される。セラミ ックス層にはイットリア安定化ジルコニア(YS Z)等の希土類安定化ジルコニアといった材料 用いられる。

 タービンやジェットエンジンなどの機器 品の運転中に、遮熱コーティング材のセラ ックス層に割れや剥離などの損傷が発生す と、高温部材の金属製母材温度が上昇して 器部品の破損に繋がる。従って、機器部品 運転前や運転中に、遮熱コーティング材の ラミックス層の耐久性や余寿命を把握する 要がある。遮熱コーティング材の耐久性や 命を把握するために、高温部材を使用温度 び使用時間で加熱すれば良いが、試験結果 得るまでに長時間を要するので現実的では い。そのため、ラーソンミラーパラメータ 用いて、短時間の試験結果から長時間の試 結果を外挿して求めることが行われる。

 特許文献1には、セラミックス層の耐久性評 価や余寿命評価に役立つ物性値として、セラ ミックス層の温度を推定する方法が開示され ている。すなわち、セラミックス層と同じ組 成の供試材を用いて求めた隙間状欠陥(層状 陥)の面積率とラーソンミラーパラメータ値 の関係を示す特性図に、実機で所定時間使 した場合の深さ方向断面の隙間状欠陥の面 率を測定して得た値を代入して、セラミッ ス層の表面温度を推定している。

特開2003-4549号公報

 遮熱コーティング材のセラミックス層は、 部に多数の層状欠陥と気孔を有する。高温 材が高温環境下で長時間使用されると、遮 コーティング材の焼結が進行し、内部の層 欠陥及び気孔が小さくなる。層状欠陥及び 孔の変化に対応して、セラミックス層のヤ グ率や熱伝導率も変化する。
 セラミックス層のヤング率や熱伝導率は、 述したセラミックス層の表面温度と同様に セラミックス層の耐久性や余寿命に影響す 物性値である。そのため、これらの物性値 、機器部品の運転前や運転中に管理する必 性があった。

 従来は、タービン実機の運転条件毎に、 験片を準備してヤング率及び熱伝導率を測 する必要があり、試験片作製及び物性値測 に莫大なコストと時間を要していた。その め、タービンの運転前及び運転中に、遮熱 ーティング材のセラミックス層の物性値を り簡易且つ迅速な方法によって高精度で推 し、更には遮熱コーティング材の余寿命を 定する方法が必要とされていた。

 本発明は、高温部材に形成された遮熱コ ティング材のセラミックス層の物性値、特 ヤング率及び熱伝導率を、短時間で精度良 推定する方法を提供する。

 上記課題を解決するために、本発明は、 ラミックスの加熱時間と加熱温度とからラ ソンミラーパラメータを算出する工程と、 算出されたラーソンミラーパラメータと、 記セラミックスと同一組成の供試材から得 ラーソンミラーパラメータと気孔率との相 図とから、前記算出されたラーソンミラー ラメータに対応する前記セラミックスの気 率を取得する工程と、該取得された気孔率 、前記セラミックスと同一組成の供試材か 得た気孔率と物性値との相関図とから、前 取得された気孔率に対応する前記セラミッ スの物性値を取得する工程とを備えるセラ ックスの物性値推定方法を提供する。

 本発明において、物性値推定対象であるセ ミックスと同一組成の供試材から、ラーソ ミラーパラメータと気孔率との相関図、及 、気孔率と物性値との相関図が予め作成さ る。物性値推定対象のセラミックスが加熱 れた時間と温度とから、ラーソンミラーパ メータが算出される。算出されたラーソン ラーパラメータと、予め作成されたラーソ ミラーパラメータと気孔率との相関図とか 、算出されたラーソンミラーパラメータに 応する気孔率が取得される。取得された気 率は、セラミックスの気孔率の推定値とさ る。その後、取得された気孔率と、予め作 された気孔率と物性値との相関図とから、 得された気孔率に対応する物性値が取得さ る。取得された物性値は、セラミックスの 性値の推定値とされる。
 セラミックスの加熱時間及び加熱温度をラ ソンミラーパラメータで表すことにより、 時間の試験結果から得た相関図を長時間加 した場合のセラミックスの物性値推定にも 用することができる。また、気孔率と物性 との相関図を用いることにより、取得され 物性値の精度が高い。従って、上記相関図 用いれば、セラミックスの物性値を短時間 高精度で推定することができる。

 上記発明において、前記物性値が、ヤン 率であることが好ましい。ヤング率はセラ ックス内部の気孔及び層状欠陥と強い相関 ある。本発明を用いれば、高温長時間の条 で加熱処理されたセラミックスのヤング率 、短時間に精度良く推定することができる

 上記発明において、前記物性値が、熱伝 率であることが好ましい。熱伝導率はセラ ックス内部の気孔及び層状欠陥と強い相関 ある。本発明を用いれば、高温長時間の条 で加熱処理されたセラミックスの熱伝導率 、短時間に高精度で推定することができる

 本発明は、上記のセラミックスの物性値 定方法を用いて、高温部材に形成された遮 コーティング材のセラミックス層のヤング 及び熱伝導率の少なくとも一方を取得する 熱コーティング材の物性値推定方法を提供 る。

 例えば、遮熱コーティング材のセラミッ ス層材料の開発段階で得た結果を基に上記 関図を作成しておけば、実機に対しても相 図を適用することができる。従って、実機 運転前や運転中に、運転条件から遮熱コー ィング材のセラミックス層の物性値を短時 で推定できる。また、セラミックス層のヤ グ率または熱伝導率を、ヤング率や熱伝導 と非常に相関が強い気孔率との相関図を用 て求めるため、ヤング率や熱伝導率を高精 で推定することが可能となる。これにより 遮熱コーティング材の物性値取得に要する 間及びコストを大幅に削減することができ とともに、遮熱コーティング材の物性値の 定精度を向上できる。

 本発明は、上記の遮熱コーティング材の 性値推定方法を用いて取得した前記セラミ クス層のヤング率及び熱伝導率の少なくと 一方を用いて、前記遮熱コーティング材の 寿命を取得する遮熱コーティング材の余寿 推定方法を提供する。また、上記の遮熱コ ティング材の余寿命推定方法を用いて取得 た前記遮熱コーティング材の余寿命から、 記高温部材の余寿命を推定する高温部材の 寿命推定方法を提供する。

 上記のセラミックスの物性値推定方法を いれば、遮熱コーティング材のセラミック 層のヤング率や熱伝導率を精度良く取得す ことができる。従って、取得された遮熱コ ティング材のヤング率及び熱伝導率の少な とも一方を用いて取得した遮熱コーティン 材の余寿命、及び遮熱コーティング材の余 命から取得した高温部材の余寿命も、精度 い値となる。このため、例えばタービンに いては、タービンの運転前や運転中に本発 を用いて遮熱コーティング材及び高温部材 余寿命を推定しておけば、遮熱コーティン 材が損傷する前に高温部材の保守点検を行 ことができる。その結果、高温部材の破損 よる緊急停止を回避し、経済的損失を被る とを防止することができる。

 本発明は、セラミックスの加熱時間と加 温度とからラーソンミラーパラメータを算 するラーソンミラーパラメータ算出手段と 該算出手段で算出されたラーソンミラーパ メータと、前記セラミックスと同一組成の 試材から得たラーソンミラーパラメータと 孔率との相関図とから、前記算出されたラ ソンミラーパラメータに対応する前記セラ ックスの気孔率を取得する気孔率取得手段 、該気孔率取得手段で取得された気孔率と 前記セラミックスと同一組成の供試材から た気孔率と物性値との相関図とから、前記 得された気孔率に対応する前記セラミック の物性値を取得する物性値取得手段とを備 る物性値取得装置を提供する。

 上記のセラミックスの物性値取得装置を いれば、高温長時間の条件で加熱処理され セラミックスの物性値を、加熱前に迅速に 精度で取得し、推定することが可能となる

 上記発明において、前記物性値取得装置 、前記物性値取得手段で取得された物性値 用いて、遮熱コーティング材の余寿命を取 する余寿命取得手段を更に備えることが好 しい。これにより、遮熱コーティング材の 寿命をより短時間で取得することができる

 本発明によれば、セラミックス、特に遮 コーティング材のセラミックス層の物性値 、精度良く短時間に推定することができる これにより、物性値を取得するために要す コスト及び時間を大幅に削減できる。

 また、本発明によれば、遮熱コーティン 材の余寿命及び遮熱コーティング材を備え 高温部材の余寿命を、短時間に高精度で推 することができる。このため、例えばター ンにおいては、タービンの運転前や運転中 本発明を用いて遮熱コーティング材及び高 部材の余寿命を推定しておけば、遮熱コー ィング材が損傷する前に高温部材の保守点 を行うことができる。その結果、高温部材 破損による緊急停止を回避し、経済的損失 被ることを防止することができる。

(A)加熱前及び(B)加熱後の遮熱コーティ グ材断面ミクロ組織の模式図である。 ラーソンミラーパラメータと気孔率と 相関図Aの例である。 気孔率とヤング率との相関図Bの例であ る。 走査型電子顕微鏡の反射電子像を用い 場合の気孔率と熱伝導率との相関図Cの例で ある。 走査型電子顕微鏡の二次電子像を用い 場合の気孔率と熱伝導率との相関図Cの例で ある。 光学顕微鏡を用いた場合の気孔率と熱 導率との相関図Cの例である。

発明を実施するための形態

 以下に、本発明に係る物性値取得装置及 セラミックスの物性値推定方法の一実施形 を説明する。本実施形態では、セラミック として、タービンの高温部材に形成された 熱コーティング材のセラミックス層を例に げる。

 本実施形態において、物性値取得装置は ンピュータである。

 まず、オペレータは、ラーソンミラーパラ ータと気孔率との相関を表すグラフを作成 る。
 オペレータは、タービンと同一材料の金属 材に遮熱コーティング材のセラミックス層 同一組成のセラミックス粉末を溶射して、 ラミックス皮膜が形成された供試材を複数 作製する。オペレータは、電気炉を用いて 供試材毎に加熱条件(加熱温度及び加熱時間 )を変えて、供試材を加熱する。

 オペレータは、加熱前及び加熱後の試験 母材の断面ミクロ組織を、顕微鏡を用いて 察する。上記顕微鏡として、光学顕微鏡ま は走査型電子顕微鏡を使用することができ 。

 図1は、(A)加熱前及び(B)加熱後の遮熱コー ティング材断面ミクロ組織の模式図である。 加熱前の遮熱コーティング材の断面ミクロ組 織には、図1(A)のように、気孔1と層状欠陥2と が存在する。遮熱コーティング材が高温で加 熱されると、図1(B)に示すように変化する。 なわち、焼結が進行して気孔1及び層状欠陥2 が小さくなり、数も減少する。

 オペレータは、顕微鏡写真を画像処理し 二値化像を作成する。作成された二値化像 おける気孔及び層状の欠陥を検出する。検 された気孔と層状欠陥の面積を測定し、気 率及び層状欠陥の面積率を算出する。算出 れた面積率は、供試材の気孔率とされる。

 オペレータは、供試材の加熱温度及び加熱 間とから、ラーソンミラーパラメータを算 する。ラーソンミラーパラメータLMPは、式( 1)で表される。
 LMP = T(20+logt)/1000 ・・・(1)
ここで、Tは加熱温度、tは加熱時間である。

 なお、上記供試材のラーソンミラーパラ ータは、物性値取得装置が算出しても良い この場合、オペレータは、物性値取得装置 供試材の加熱温度及び加熱時間を入力する 物性値取得装置は、ラーソンミラーパラメ タ算出手段において、入力された加熱時間 び加熱温度から、式(1)により供試材のラー ンミラーパラメータを算出する。

 オペレータは、算出された各供試材のラ ソンミラーパラメータと、各供試材の気孔 との相関を表すグラフ(以下、相関図Aと呼 )を作成する。

 図2は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)皮 およびSmYbZr 2 O 7 皮膜を形成した供試材の相関図Aの例である 同図において、横軸はラーソンミラーパラ ータ、縦軸は気孔率である。気孔率は、走 型電子顕微鏡観察による反射電子像(BSE)から 得た。図2に示すように、YSZとSmYbZr 2 O 7 とでラーソンミラーパラメータと気孔率との 関係が異なる。従って、オペレータは、材料 ごとに相関図Aを作成する。

 オペレータは、作成された相関図Aを物性 値推定装置に入力する。物性値推定装置は、 入力された相関図Aをコンピュータのメモリ 格納する。

 次に、オペレータは、気孔率と物性値との 関を表すグラフを作成する。
 オペレータは、上記供試材の物性値を測定 る。本実施形態において、測定する物性値 、ヤング率及び熱伝導率である。

 オペレータは、加熱前及び加熱後の供試 から、JIS規格に規定された形状及び大きさ 物性値測定用試験片をそれぞれ切り出す。 ペレータは、切り出した試験片を用いて、 ング率及び熱伝導率を測定する。

 オペレータは、供試材の気孔率と試験片 ヤング率との相関を表すグラフ(以下、相関 図Bと呼ぶ)を作成する。オペレータは、供試 の気孔率と試験片の熱伝導率との相関を表 グラフ(以下、相関図Cと呼ぶ)を作成する。

 図3は、YSZ皮膜およびSmYbZr 2 O 7 皮膜を形成した供試材の相関図Bの例であり 横軸は気孔率、縦軸はヤング率である。図4 YSZ皮膜およびSmYbZr 2 O 7 皮膜を形成した供試材の相関図Cの例であり 横軸は気孔率、縦軸は熱伝導率である。な 、図3及び図4では、走査型電子顕微鏡観察に よる反射電子像(BSE)から得た気孔率から得た このように、YSZとSmYbZr 2 O 7 とで気孔率と各物性値との相関が異なる。従 って、オペレータは、材料毎に相関図B及び 関図Cを作成する。

 オペレータは、作成された相関図B及び相 関図Cを物性値推定装置に入力する。物性値 定装置は、入力された相関図B及び相関図Cを コンピュータのメモリに格納する。

 本実施形態の物性値取得装置は、コンピュ タのメモリに格納された相関図A乃至相関図 Cを用いて、タービン部材に形成された遮熱 ーティング材のセラミックス層の物性値を 得する。
 オペレータは、タービンの運転条件として 運転温度及び運転時間を物性値取得装置に 力する。物性値取得装置は、ラーソンミラ パラメータ算出手段において、入力された 転温度及び運転時間から、ラーソンミラー ラメータを算出する。

 物性値取得装置は、気孔率取得手段にお て、メモリから相関図Aを呼び出す。物性値 取得装置は、気孔率取得手段において、呼び 出された相関図Aを基に、上記算出されたラ ソンミラーパラメータに対応する気孔率の を取得する。

 物性値取得装置は、物性値取得手段にお て、メモリから相関図Bを呼び出す。物性値 取得装置は、物性値取得手段において、呼び 出された相関図Bを基に、上記取得された気 率の値に対応するヤング率の値を取得する

 物性値取得装置は、物性値取得手段にお て、メモリから相関図Cを呼び出す。物性値 取得装置は、物性値取得手段において、呼び 出された相関図Cを基に、上記取得された気 率の値に対応する熱伝導率の値を取得する

 オペレータは、物性値取得装置が取得し ヤング率及び熱伝導率の値を、上記運転条 でタービンを運転した場合のセラミックス のヤング及び熱伝導率であると推定する。

 上記実施形態では、気孔及び層状欠陥の 出に走査型電子顕微鏡の反射電子像を用い が、光学顕微鏡画像や走査型電子顕微鏡の 次電子像を用いることもできる。

 同一試料(計13点)について、それぞれ走査 型電子顕微鏡の反射電子像、二次電子像、光 学顕微鏡画像から気孔及び層状欠陥を検出し た。図4は、走査型電子顕微鏡の反射電子像 用いて気孔及び層状欠陥を検出して得た気 率と熱伝導率との相関図である。図5は、走 型電子顕微鏡の二次電子像から気孔及び層 欠陥を検出して得た気孔率と熱伝導率との 関図である。図6は、光学顕微鏡画像から気 孔及び層状欠陥を検出して得た気孔率と熱伝 導率との相関図である。同図において、横軸 は気孔率、縦軸は熱伝導率である。図中の実 線で描いた斜線は、測定値の平均線を示す。 また、図中の破線、二点鎖線及び一点鎖線は それぞれ、1σ、2σ、3σの偏差帯を表す。

 光学顕微鏡画像から得た図6は、気孔率と 熱伝導率の相関が見られるが、偏差帯(1σ、2 、3σ)の幅が広く、測定点のばらつきが大き 。一方、走査型電子顕微鏡画像から得た図4 及び図5は、偏差帯の幅が狭く、測定点のば つきが小さい。これは、走査型電子顕微鏡 は微細な層状欠陥が観察されるため、物性 取得装置が微細な層状欠陥も検出すること できるためである。組織観察に走査型電子 微鏡を用いれば、気孔率の算出精度が向上 るため、取得される物性値の精度も向上す 。特に、反射電子像を用いれば、図4に示す うに、測定点のばらつきをより小さくする とができるので、好ましい。

 上記実施形態では、気孔及び層状欠陥の 出、気孔率の算出及び各相関図の作成をオ レータが行ったが、気孔及び層状欠陥の検 から相関図作成までの工程は物性値推定装 または他の装置で行うことができる。この 合、気孔及び層状欠陥の検出から相関図作 までに要する時間及びオペレータの労力を 幅に縮小できるので好ましい。特に、上記 程を物性値推定装置で行えば、物性値推定 置に相関図を入力する工程も省略できるの 、より工程が簡略化できる。

 物性値取得装置は、余寿命取得手段を更 備えることができる。物性値取得装置は、 寿命取得手段において、上述の物性値取得 段で取得したヤング率と熱伝導率とを用い 遮熱コーティング材に発生する歪みを熱応 解析により計算し、歪から求めた余寿命を 得する。オペレータは、物性値取得装置が 得した余寿命を、上記運転条件でタービン 運転した場合の遮熱コーティング材の余寿 であると推定する。さらに、オペレータは 推定された遮熱コーティング材の余寿命を タービンの高温部材の余寿命であると推定 る。

 なお、本発明の物性値推定方法は、上述 た実施形態に限定されるものではなく、本 明の範囲内で任意に組み合わせ可能である




 
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