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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR FORMING A WHEEL BEARING DEVICE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/139137
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for forming a wheel bearing device that affords a reduction in costs through the simplification of the swaging tool, and affords improved product quality by preventing burring. A small-diameter stepped portion (1b) comprises a punch (28) in which a tubular portion (30) is pre-formed prior to plastic working, and which is provided with a projecting nose portion (26) where a swaging tool (25) comes into abutment against the tubular portion (30) at an inclination angle (β) of from 15 to 35º, and which is formed with teeth (27) for plastically forming a face spline (19) along the outer circumferential portion from the perimeter edge of the nose portion (26), and comprises an oscillating shaft (29) to which the punch (28) is fitted so as not to be able to turn and of which a central axis (A) imparts an inclination angle (α) of from 4 to 6º with respect to  the axial centre (L) of a hub ring (1). The swaging tool (25) is advanced into the hub ring (1), and the punch (28) is pushed against the end portion of the tubular portion (30)  with a predetermined forming force, and, in addition, the swaging tool (25) is made to move in an oscillating motion as a result of the rotation of a main shaft matched with the axial centre (L) of the hub ring (1), and the face spline (19) is formed simultaneously with a swaged portion (10).

Inventors:
SERA AKIRA (JP)
NUMAMOTO JUN (JP)
Application Number:
PCT/JP2009/002034
Publication Date:
November 19, 2009
Filing Date:
May 11, 2009
Export Citation:
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Assignee:
NTN TOYO BEARING CO LTD (JP)
SERA AKIRA (JP)
NUMAMOTO JUN (JP)
International Classes:
B21D39/00; B60B35/18; B21J9/02; B21K1/40; B60B35/14; F16C33/64
Foreign References:
JPS63184501A1988-07-30
JP2007062647A2007-03-15
JP2005036905A2005-02-10
JP2007271045A2007-10-18
JP2007290681A2007-11-08
JP2007230551A2007-09-13
JP2003211908A2003-07-30
JP2001162338A2001-06-19
JP2007319865A2007-12-13
US4893960A1990-01-16
Other References:
See also references of EP 2284021A4
Attorney, Agent or Firm:
KOSHIKAWA, TAKAO (JP)
Takao Koshikawa (JP)
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Claims:
 内周に複列の外側転走面が一体に形成された外方部材と、
 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付フランジを一体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの内輪からなり、前記複列の外側転走面に対向する複列の内側転走面が形成された内方部材と、
 この内方部材と前記外方部材の転走面間に転動自在に収容された複列の転動体とを備え、
 前記ハブ輪の小径段部を径方向外方に塑性変形させて形成した加締部により前記内輪が軸方向に固定されると共に、
 当該加締部の端面にトルク伝達用のフェイススプラインが形成された車輪用軸受装置の加工方法において、
 前記小径段部の端部が予め塑性加工前に円筒部に形成され、加締工具が、一端面の中央部に、前記円筒部の内径に対して所定の傾斜角をもって当該円筒部の端部に衝合する鼻部が突設され、この鼻部の周縁から外周部に亙って前記フェイススプラインを塑性加工するための歯形が形成されたパンチと、このパンチが、加締加工時にその位相が前記ハブ輪に対してずれないように回転不可に嵌着され、中心軸が前記ハブ輪の軸心に対して所定の傾斜角が付与された揺動軸とを備え、
 前記加締工具を前記ハブ輪に進入させ、前記パンチを前記円筒部の端部に所定の加工力で押し当てると共に、前記ハブ輪の軸心に一致した主軸を回転させることにより前記加締工具に揺動運動を発生させ、前記加締部と同時に前記フェイススプラインが塑性変形により形成されることを特徴とする車輪用軸受装置の加工方法。
 前記揺動軸の中心軸と前記ハブ輪の軸心との傾斜角が4~6°の範囲に設定されている請求項1に記載の車輪用軸受装置の加工方法。
 前記パンチの鼻部の傾斜角が15~35°の範囲に設定されている請求項1または2に記載の車輪用軸受装置の加工方法。
 前記パンチが前記揺動軸にキー手段を介して嵌着されている請求項1乃至3いずれかに記載の車輪用軸受装置の加工方法。
 前記ハブ輪が、複数のノックピンが立設された基台上に、前記車輪取付フランジのアウター側の側面が当接した状態で縦型に載置され、前記車輪取付フランジに圧入されるハブボルトの挿入孔に前記ノックピンが嵌挿されることにより支持固定されている請求項1乃至4いずれかに記載の車輪用軸受装置の加工方法。
 前記小径段部の円筒部の外周面に0.5~1.0mmの深さで、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧面を有する環状溝が形成され、これら円弧面のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがアウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく、Ri≦Roに設定されると共に、当該環状溝が、前記内輪における内側転走面の大径端に対応する位置よりもインナー側から面取り部にかかり、大端面から所定の寸法だけ越えた範囲に形成されている請求項1乃至5いずれかに記載の車輪用軸受装置の加工方法。
 前記内輪の面取り部が所定の曲率半径r1からなる円弧面を有し、この曲率半径r1よりも、前記環状溝におけるインナー側の円弧面の曲率半径Riが大きく、r1≦Riとなるように設定されている請求項6に記載の車輪用軸受装置の加工方法。
Description:
車輪用軸受装置の加工方法

 本発明は、自動車等の車両の駆動車輪を 転自在に支承する車輪用軸受装置の加工方 に関し、特に、軸受部と等速自在継手とを 脱自在にユニット化した車輪用軸受装置の 工方法に関する。

 自動車等の車両のエンジン動力を車輪に 達する動力伝達装置は、エンジンから車輪 動力を伝達すると共に、悪路走行時におけ 車両のバウンドや車両の旋回時に生じる車 からの径方向や軸方向変位、およびモーメ ト変位を許容する必要があるため、エンジ 側と駆動車輪側との間に介装されるドライ シャフトの一端を摺動型の等速自在継手を してディファレンシャルに連結し、他端を 定型の等速自在継手を含む車輪用軸受装置 介して車輪に連結している。

 近年、省資源あるいは公害等の面から燃 向上に対する要求は厳しいものがある。自 車部品において、中でも車輪軸受装置の軽 化はこうした要求に応える要因として注目 れ、強く望まれて久しい。従来から軽量化 図った車輪用軸受装置に関する提案は種々 ものがあるが、それと共に自動車等の組立 場あるいは補修市場において、組立・分解 業を簡略化して低コスト化を図ることも重 な要因となっている。

 図5に示す車輪用軸受装置は、こうした要 求を満たした代表的な一例である。この車輪 用軸受装置は、複列の転がり軸受51と等速自 継手52とを着脱自在にユニット化して構成 れている。複列の転がり軸受51は、内周に複 列の外側転走面53a、53aが形成された外方部材 53と、一端部に車輪(図示せず)を取り付ける めの車輪取付フランジ54を一体に有し、外周 に前記複列の外側転走面53a、53aの一方に対向 する内側転走面55aと、この内側転走面55aから 軸方向に延びる円筒状の小径段部55bが形成さ れたハブ輪55、およびこのハブ輪55の小径段 55bに圧入され、外周に前記複列の外側転走 53a、53aの一方に対向する内側転走面56aが形 された内輪56からなる内方部材57と、両転走 間に転動自在に収容された複列のボール58 58とを備えている。内輪56は、ハブ輪55の小 段部55bの端部を径方向外方に塑性変形させ 形成した加締部59によって軸方向に固定され ている。そして、この加締部59の内端面にフ イススプライン60が形成されている。

 等速自在継手52は、外側継手部材61と継手 内輪62、ケージ63、およびトルク伝達ボール64 とを備え、外側継手部材61は、カップ部65と このカップ部65の底部をなす肩部66を一体に し、この肩部66に雌ねじ66aが形成されてい 。また、肩部66の端面にはフェイススプライ ン67が形成され、加締部59の内端面に形成さ たフェイススプライン60に係合し、ドライブ シャフト(図示せず)からの回転トルクが等速 在継手52およびハブ輪55を介して車輪取付フ ランジ54に伝達される。

 肩部66の雌ねじ66aには締結ボルト68が螺着 され、この締結ボルト68によって、外側継手 材61と内方部材57との対向する両フェイスス プライン67、60が圧接嵌合され、複列の転が 軸受51と等速自在継手52とが着脱自在にユニ ト化されている。これにより、軽量・コン クト化を図ることができると共に、分解・ 立作業が簡素化される。

 ここで、図6に示すように、加締部59のフ イススプライン60は加締加工時に同時に形 されている。この加締工具69は、先端部に尖 塔状の案内部70aが形成され、ハブ輪55の軸心 対して傾斜して配設されたマンドレル70と このマンドレル70に外挿され、先端部に歯形 71aが形成された内スリーブ71と、この内スリ ブ71に外挿され、加締部59が拡径するのを規 制する拘束部72aが形成された外スリーブ72と らなる。この外スリーブ72と内スリーブ71間 にはコイルばね73が介装され、内スリーブ71 対して外スリーブ72は独立して可動する。

 ハブ輪55の軸心を回転軸として回転駆動 ることにより、加締工具69が揺動運動される 。そして、この揺動運動により小径段部55bの 端部を塑性変形させて加締部59が形成される 共に、内スリーブ71の歯形71aを加締部59に押 し当てることによりフェイススプライン60が 時に形成される。

米国特許4893960

 こうした車輪用軸受装置では、加締部59 同時にフェイススプライン60が揺動加締によ り形成されているので、作業性が向上すると 共に、加工工数を削減させて低コスト化を図 ることができる。然しながら、このような加 締工具69では、金型が複雑で金型加工やその 立および管理工数が嵩むと共に、マンドレ 70と両スリーブ71、72との間に素材が噛み込 、バリの発生やこのバリの脱落片が滞留し 作動性が低下するだけでなく、加締部59や ェイススプライン60にバリが発生して製品品 質が低下するといった問題があった。

 本発明は、このような事情に鑑みてなさ たもので、加締工具を簡素化して低コスト を図ると共に、バリの発生を防止して製品 質を向上させた車輪用軸受装置の加工方法 提供することを目的としている。

 係る目的を達成すべく、本発明のうち請 項1記載の発明は、内周に複列の外側転走面 が一体に形成された外方部材と、一端部に車 輪を取り付けるための車輪取付フランジを一 体に有し、外周に軸方向に延びる円筒状の小 径段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ 輪の小径段部に圧入された少なくとも一つの 内輪からなり、前記複列の外側転走面に対向 する複列の内側転走面が形成された内方部材 と、この内方部材と前記外方部材の転走面間 に転動自在に収容された複列の転動体とを備 え、前記ハブ輪の小径段部を径方向外方に塑 性変形させて形成した加締部により前記内輪 が軸方向に固定されると共に、当該加締部の 端面にトルク伝達用のフェイススプラインが 形成された車輪用軸受装置の加工方法におい て、前記小径段部の端部が予め塑性加工前に 円筒部に形成され、加締工具が、一端面の中 央部に、前記円筒部の内径に対して所定の傾 斜角をもって当該円筒部の端部に衝合する鼻 部が突設され、この鼻部の周縁から外周部に 亙って前記フェイススプラインを塑性加工す るための歯形が形成されたパンチと、このパ ンチが、加締加工時にその位相が前記ハブ輪 に対してずれないように回転不可に嵌着され 、中心軸が前記ハブ輪の軸心に対して所定の 傾斜角が付与された揺動軸とを備え、前記加 締工具を前記ハブ輪に進入させ、前記パンチ を前記円筒部の端部に所定の加工力で押し当 てると共に、前記ハブ輪の軸心に一致した主 軸を回転させることにより前記加締工具に揺 動運動を発生させ、前記加締部と同時に前記 フェイススプラインが塑性変形により形成さ れる。

 このように、ハブ輪の小径段部を径方向 方に塑性変形させて形成した加締部により 輪が軸方向に固定されると共に、当該加締 の端面にトルク伝達用のフェイススプライ が形成された車輪用軸受装置の加工方法に いて、小径段部の端部が予め塑性加工前に 筒部に形成され、加締工具が、一端面の中 部に、円筒部の内径に対して所定の傾斜角 もって当該円筒部の端部に衝合する鼻部が 設され、この鼻部の周縁から外周部に亙っ フェイススプラインを塑性加工するための 形が形成されたパンチと、このパンチが、 締加工時にその位相がハブ輪に対してずれ いように回転不可に嵌着され、中心軸がハ 輪の軸心に対して所定の傾斜角が付与され 揺動軸とを備え、加締工具をハブ輪に進入 せ、パンチを円筒部の端部に所定の加工力 押し当てると共に、ハブ輪の軸心に一致し 主軸を回転させることにより加締工具に揺 運動を発生させ、加締部と同時にフェイス プラインが塑性変形により形成されるので 金型の構造が簡素化でき、金型加工やその 立および管理工数を削減して低コスト化を ると共に、従来の加締加工のように、金型 に素材が噛み込み、バリの発生やこのバリ 脱落片が滞留して作動性が低下するといっ 不具合を回避でき、加締部やフェイススプ インにバリが発生するのを防止して製品品 を向上させることができる。

 好ましくは、請求項2に記載の発明は、前 記揺動軸の中心軸と前記ハブ輪の軸心との傾 斜角が4~6°の範囲に設定されている。

 また、請求項3に記載の発明は、前記パン チの鼻部の傾斜角が15~35°の範囲に設定され いる。

 また、請求項4に記載の発明は、前記パン チが前記揺動軸にキー手段を介して嵌着され ている。

 また、請求項5に記載の発明のように、前 記ハブ輪が、複数のノックピンが立設された 基台上に、前記車輪取付フランジのアウター 側の側面が当接した状態で縦型に載置され、 前記車輪取付フランジに圧入されるハブボル トの挿入孔に前記ノックピンが嵌挿されるこ とにより支持固定されていれば、新に固定手 段を設けることなく基台上にハブ輪を支持固 定することができる。

 また、請求項6に記載の発明のように、前 記小径段部の円筒部の外周面に0.5~1.0mmの深さ で、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円 面を有する環状溝が形成され、これら円弧 のうちインナー側の円弧面の曲率半径Riがア ウター側の円弧面の曲率半径Roよりも小さく Ri≦Roに設定されると共に、当該環状溝が、 前記内輪における内側転走面の大径端に対応 する位置よりもインナー側から面取り部にか かり、大端面から所定の寸法だけ越えた範囲 に形成されていれば、加締加工時に円筒部が 変形し易くなり、加締加工による内輪の変形 を抑制することができる。

 好ましくは、請求項7に記載の発明のよう に、前記内輪の面取り部が所定の曲率半径r1 らなる円弧面を有し、この曲率半径r1より 、前記環状溝におけるインナー側の円弧面 曲率半径Riが大きく、r1≦Riとなるように設 されていれば、加締加工による亀裂等の損 を防止すると共に、内輪の変形を抑制する とができる。

 本発明に係る車輪用軸受装置の加工方法 、内周に複列の外側転走面が一体に形成さ た外方部材と、一端部に車輪を取り付ける めの車輪取付フランジを一体に有し、外周 軸方向に延びる円筒状の小径段部が形成さ たハブ輪、およびこのハブ輪の小径段部に 入された少なくとも一つの内輪からなり、 記複列の外側転走面に対向する複列の内側 走面が形成された内方部材と、この内方部 と前記外方部材の転走面間に転動自在に収 された複列の転動体とを備え、前記ハブ輪 小径段部を径方向外方に塑性変形させて形 した加締部により前記内輪が軸方向に固定 れると共に、当該加締部の端面にトルク伝 用のフェイススプラインが形成された車輪 軸受装置の加工方法において、前記小径段 の端部が予め塑性加工前に円筒部に形成さ 、加締工具が、一端面の中央部に、前記円 部の内径に対して所定の傾斜角をもって当 円筒部の端部に衝合する鼻部が突設され、 の鼻部の周縁から外周部に亙って前記フェ ススプラインを塑性加工するための歯形が 成されたパンチと、このパンチが、加締加 時にその位相が前記ハブ輪に対してずれな ように回転不可に嵌着され、中心軸が前記 ブ輪の軸心に対して所定の傾斜角が付与さ た揺動軸とを備え、前記加締工具を前記ハ 輪に進入させ、前記パンチを前記円筒部の 部に所定の加工力で押し当てると共に、前 ハブ輪の軸心に一致した主軸を回転させる とにより前記加締工具に揺動運動を発生さ 、前記加締部と同時に前記フェイススプラ ンが塑性変形により形成されるので、金型 構造が簡素化でき、金型加工やその組立お び管理工数を削減して低コスト化を図ると に、従来の加締加工のように、金型間に素 が噛み込み、バリの発生やこのバリの脱落 が滞留して作動性が低下するといった不具 を回避でき、加締部やフェイススプライン バリが発生するのを防止して製品品質を向 させることができる。

本発明に係る車輪用軸受装置の一実施 態を示す縦断面図である。 図1の加締部の加工工程を示す説明図で ある。 (a)は、図2の要部拡大図である。 (b)は (a)の要部拡大図である。 揺動加締の状態を示す説明図である。 従来の車輪用軸受装置を示す縦断面図 ある。 図5の加締部の加工工程を示す説明図で ある。

 外周に懸架装置に取り付けられるための 体取付フランジを一体に有し、内周に複列 外側転走面が一体に形成された外方部材と 一端部に車輪を取り付けるための車輪取付 ランジを一体に有し、外周に前記複列の外 転走面に対向する一方の内側転走面と、こ 内側転走面から軸方向に延びる円筒状の小 段部が形成されたハブ輪、およびこのハブ の小径段部に圧入され、外周に前記複列の 側転走面に対向する他方の内側転走面が形 された内輪からなる内方部材と、この内方 材と前記外方部材の転走面間に転動自在に 容された複列の転動体とを備え、前記ハブ の小径段部を径方向外方に塑性変形させて 成した加締部により前記内輪が軸方向に固 されると共に、当該加締部の端面にトルク 達用のフェイススプラインが形成された車 用軸受装置の加工方法において、前記小径 部の端部が予め塑性加工前に円筒部に形成 れ、加締工具が、一端面の中央部に、前記 筒部の内径に対して15~35°からなる傾斜角を もって当該円筒部の端部に衝合する鼻部が突 設され、この鼻部の周縁から外周部に亙って 前記フェイススプラインを塑性加工するため の歯形が形成されたパンチと、このパンチが 、加締加工時にその位相が前記ハブ輪に対し てずれないように回転不可に嵌着され、中心 軸が前記ハブ輪の軸心に対して4~6°からなる 斜角が付与された揺動軸とを備え、前記加 工具を前記ハブ輪に進入させ、前記パンチ 前記円筒部の端部に所定の加工力で押し当 ると共に、前記ハブ輪の軸心に一致した主 を回転させることにより前記加締工具に揺 運動を発生させ、前記加締部と同時に前記 ェイススプラインが塑性変形により形成さ る。

 以下、本発明の実施の形態を図面に基づい 詳細に説明する。
 図1は、本発明に係る車輪用軸受装置の一実 施形態を示す縦断面図、図2は、図1の加締部 加工工程を示す説明図、図3(a)は、図2の要 拡大図、(b)は、(a)の要部拡大図、図4は、揺 加締の状態を示す説明図である。なお、以 の説明では、車両に組み付けた状態で車両 外側寄りとなる側をアウター側(図1の左側) 中央寄り側をインナー側(図1の右側)という

 この車輪用軸受装置は、ハブ輪1と複列の 転がり軸受2と等速自在継手3を着脱自在にユ ット化した、所謂第3世代と称される構成を 備えている。複列の転がり軸受2は、外方部 4と内方部材5と複列の転動体(ボール)6、6と 備えている。

 外方部材4はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む 高炭素鋼からなり、外周に車体(図示せず)に 取り付けるための車体取付フランジ4bを一体 有し、内周には複列の外側転走面4a、4aが一 体に形成されている。この複列の外側転走面 4a、4aには、高周波焼入れによって表面硬さ 58~64HRCの範囲に硬化処理が施されている。

 一方、内方部材5は、前記した外方部材4 外側転走面4a、4aに対向する複列の内側転走 1a、7aが形成されている。これら複列の内側 転走面1a、7aのうち一方(アウター側)の内側転 走面1aがハブ輪1の外周に、他方(インナー側) 内側転走面7aが内輪7の外周にそれぞれ一体 形成されている。この場合、内方部材5はハ ブ輪1と内輪7を指す。そして、複列の転動体6 、6がこれら両転走面間にそれぞれ収容され 保持器8、8によって転動自在に保持されてい る。また、外方部材4と内方部材5との間に形 される環状空間の開口部にはシール11、12が 装着され、軸受内部に封入された潤滑グリー スの漏洩と、外部から軸受内部に雨水やダス ト等が侵入するのを防止している。

 ハブ輪1は、アウター側の端部に車輪(図 せず)を取り付けるための車輪取付フランジ9 を一体に有し、外周に内側転走面1aと、この 側転走面1aから軸方向に延びる円筒状の小 段部1bが形成されている。この小径段部1bに 輪7が所定のシメシロを介して圧入されてい る。車輪取付フランジ9の周方向等配位置に 車輪を固定するハブボルト9aが植設されてい る。そして、内輪7は、ハブ輪1の小径段部1b 端部を径方向外方に塑性変形させて形成し 加締部10により、所定の軸受予圧が付与され た状態でハブ輪1に対して軸方向に固定され いる。

 ハブ輪1はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中 炭素鋼からなり、アウター側のシール11が摺 接するシールランド部から内側転走面1aおよ 小径段部1bに亙る範囲に高周波焼入れによ て表面硬さを50~64HRCの範囲に所定の硬化処理 が施されている。なお、加締部10は鍛造加工 の生のままとされている。また、内輪7およ び転動体6はSUJ2等の高炭素クロム軸受鋼から り、ズブ焼入れにより芯部まで54~64HRCの範 で硬化処理されている。これにより、車輪 付フランジ9の基部となるシールランド部は 摩耗性が向上するばかりでなく、車輪取付 ランジ9に負荷される回転曲げ荷重に対して 充分な機械的強度を有し、ハブ輪1の耐久性 向上する。また、小径段部1bと内輪7との間 嵌合面に発生するフレッティング摩耗を最 限に抑えることができる。

 なお、ここでは、ハブ輪1の外周に内側転 走面1aが直接形成された第3世代構造を例示し たが、これに限らず、ハブ輪に一対の内輪が 圧入された第1または第2世代構造であっても い。また、転動体6にボールを使用した複列 のアンギュラ玉軸受を例示したが、転動体6 円錐ころを使用した複列の円錐ころ軸受で っても良い。

 等速自在継手3は、外側継手部材13と継手 輪14とケージ15およびトルク伝達ボール16か なる。外側継手部材13は、カップ部17と、こ のカップ部17の底部をなす肩部18とを有し、 の肩部18に雌ねじ18aが形成されている。また 、カップ部17の内周および継手内輪14の外周 は軸方向に延びる曲線状のトラック溝17a、14 aがそれぞれ形成されている。また、外側継 部材13はS53C等の炭素0.40~0.80wt%を含む中高炭 鋼からなり、トラック溝17a、14aをはじめ、 部18の外周面に高周波焼入れによって表面硬 さを58~64HRCの範囲に硬化処理が施されている

 本実施形態では、加締部10の端面にフェ ススプライン19が形成されると共に、外側継 手部材13の肩部18の端面に加締部10のフェイス スプライン19に噛合するフェイススプライン2 0が塑性加工によって形成されている。そし 、肩部18の雌ねじ18aに螺合される固定ボルト 21によって対向する両フェイススプライン19 20が圧接支持され、ハブ輪1と外側継手部材13 とが軸方向に分離可能に結合されている。

 次に、図2乃至図4を用いて、図1の加締部10 加工方法を説明する。
 図2に示すように、ハブ輪1は、複数のノッ ピン22が立設された基台23上に、車輪取付フ ンジ9のアウター側の側面9bが当接した状態 縦型に載置され、車輪取付フランジ9に圧入 されるハブボルト9aの挿入孔24にノックピン22 が嵌挿されることにより支持固定されている 。これにより、新たに固定手段を設けること なく基台上にハブ輪1を支持固定することが きる。

 また、塑性加工によって形成される小径 部1bの加締部10は、予め塑性加工前に円筒部 30に形成されている。そして、図3に拡大して 示すように、この円筒部30の外周面に深さδ 、両側に所定の曲率半径Ri、Roからなる円弧 を有する環状溝31が形成されている。これ より、加締加工時に円筒部30が変形し易くな り、内輪7の変形を抑えることができる。た し、環状溝31は、内輪7における内側転走面7a の大径端に対応する位置よりもインナー側か ら内輪7の面取り部7cにかかり、大端面7bから 定の寸法cだけ越えた範囲に形成されている 。この環状溝31の幅は、大きくなるほどフー 応力が低下するが、余り大きくなると内輪 込み量が不足して所定の内輪固定力が得ら ないだけでなく、ハブ輪1の強度・剛性の低 下に繋がり好ましくない。

 なお、環状溝31の深さδは0.5~1.0mmの範囲に 設定されている。この深さδが0.5mmよりも小 いとその効果が薄れ、また、深さδが1.0mmを えると、加締部10の強度不足が懸念される らである。また、インナー側の円弧面31aの 率半径Riは、内輪7の面取り部7cの曲率半径r1 りも大きく、アウター側の円弧面31bの曲率 径Roよりも小さく設定され(r1≦Ri≦Ro)、RiがR 1~10の範囲に設定されている。これにより、 締加工時に円筒部30が変形し易くなり、加締 加工による内輪7の変形を抑制することがで る。

 なお、内輪7の面取り部7cの曲率半径r1を1. 0mmよりも小さく設定すると、車両の運転中に 曲げモーメント荷重が装置に負荷された時、 加締部10の根元部分に応力集中が起こり、微 クラック等の損傷が発生する恐れがある。 に、曲率半径r1が2.5mmを超えると、円筒部30 塑性変形する際、内輪7を径方向外方に押し 広げることになり、内輪7の外径に過大なフ プ応力が発生して好ましくない。

 加締工具25は、一端面の中央部に鼻部26が 突設され、この鼻部26の周縁から外周部に亙 てフェイススプライン19を塑性加工するた の歯形27が形成されたパンチ28と、中心軸Aが ハブ輪1の軸心Lに対して所定の傾斜角αが付 された揺動軸29とを備えている。パンチ28は 加締加工時にその位相がハブ輪1に対してず れないように、例えば、キー等の手段によっ て回転不可に揺動軸29に嵌着されている。こ では、傾斜角αは4~6°の範囲に設定されてい る。

 パンチ28の鼻部26は、この円筒部30の内径3 0aに対して所定の傾斜角βをもって円筒部30の 端部に衝合するように形成されている。ここ では、傾斜角βは15~35°の範囲に設定されてい る。

 ここで、図4に示すように、加締工具25を ブ輪1の円筒部30に進入させ、パンチ28を円 部30の端部に所定の加工力で押し当てると共 に、ハブ輪1の軸心Lに一致した主軸(図示せず )を回転させることにより、加締工具25に揺動 運動を発生させて塑性加工によって加締部10 形成され、同時に加締部10の端面にフェイ スプライン19が形成される。

 こうした加締工具25を採用し、一体型の ンチ28によって、加締部10と、この加締部10 端面にフェイススプライン19とを同時に塑性 加工によって形成するようにしたので、金型 の構造が簡素化でき、金型加工やその組立お よび管理工数を削減して低コスト化を図ると 共に、従来の加締加工のように、金型間に素 材が噛み込み、バリの発生やこのバリの脱落 片が滞留して作動性が低下するといった不具 合を回避でき、加締部10やフェイススプライ 19にバリが発生するのを防止して製品品質 向上させることができる。

 以上、本発明の実施の形態について説明 行ったが、本発明はこうした実施の形態に 等限定されるものではなく、あくまで例示 あって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内 おいて、さらに種々なる形態で実施し得る とは勿論のことであり、本発明の範囲は、 許請求の範囲の記載によって示され、さら 特許請求の範囲に記載の均等の意味、およ 範囲内のすべての変更を含む。

 本発明に係る駆動車輪用軸受装置は、ハ 輪を有する軸受部と等速自在継手とをフェ ススプラインを介してトルク伝達可能に連 し、ねじ手段により両者を着脱自在にユニ ト化した車輪用軸受装置に適用することが きる。

1・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
1a、7a・・・・・・・・・・・・内側転走面
1b・・・・・・・・・・・・・・・小径段部
2・・・・・・・・・・・・・・・・複列の がり軸受
3・・・・・・・・・・・・・・・・等速自 継手
4・・・・・・・・・・・・・・・・外方部
4a・・・・・・・・・・・・・・・外側転走
4b・・・・・・・・・・・・・・・車体取付 ランジ
5・・・・・・・・・・・・・・・・内方部
6・・・・・・・・・・・・・・・・転動体
7・・・・・・・・・・・・・・・・内輪
7b・・・・・・・・・・・・・・・大端面
7c・・・・・・・・・・・・・・・面取り部
8・・・・・・・・・・・・・・・・保持器
9・・・・・・・・・・・・・・・・車輪取 フランジ
9a・・・・・・・・・・・・・・・ハブボル
9b・・・・・・・・・・・・・・・アウター の側面
10・・・・・・・・・・・・・・・加締部
11、12・・・・・・・・・・・・シール
13・・・・・・・・・・・・・・・外側継手 材
14・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
14a、17a・・・・・・・・・・トラック溝
15・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
16・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝 ボール
17・・・・・・・・・・・・・・・カップ部
18・・・・・・・・・・・・・・・肩部
18a・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ
19、20・・・・・・・・・・・・フェイスス ライン
21・・・・・・・・・・・・・・・固定ボル
22・・・・・・・・・・・・・・・ノックピ
23・・・・・・・・・・・・・・・基台
24・・・・・・・・・・・・・・・挿入孔
25・・・・・・・・・・・・・・・加締工具
26・・・・・・・・・・・・・・・鼻部
27・・・・・・・・・・・・・・・歯形
28・・・・・・・・・・・・・・・パンチ
29・・・・・・・・・・・・・・・揺動軸
30・・・・・・・・・・・・・・・円筒部
30a・・・・・・・・・・・・・・円筒部の内 径
31・・・・・・・・・・・・・・・環状溝
51・・・・・・・・・・・・・・・複列の転 り軸受
52・・・・・・・・・・・・・・・等速自在 手
53・・・・・・・・・・・・・・・外方部材
53a・・・・・・・・・・・・・・外側転走面
54・・・・・・・・・・・・・・・車輪取付 ランジ
55・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪
55a、56a・・・・・・・・・・内側転走面
56・・・・・・・・・・・・・・・内輪
57・・・・・・・・・・・・・・・内方部材
58・・・・・・・・・・・・・・・ボール
59・・・・・・・・・・・・・・・加締部
60、67・・・・・・・・・・・・フェイスス ライン
61・・・・・・・・・・・・・・・外側継手 材
62・・・・・・・・・・・・・・・継手内輪
63・・・・・・・・・・・・・・・ケージ
64・・・・・・・・・・・・・・・トルク伝 ボール
65・・・・・・・・・・・・・・・カップ部
66・・・・・・・・・・・・・・・肩部
66a・・・・・・・・・・・・・・雌ねじ
68・・・・・・・・・・・・・・・締結ボル
A・・・・・・・・・・・・・・・・揺動軸 中心軸
c・・・・・・・・・・・・・・・・環状溝 内輪の大端面からの寸法
L・・・・・・・・・・・・・・・・ハブ輪 軸心
r1・・・・・・・・・・・・・・・内輪の面 り部の曲率半径
r2・・・・・・・・・・・・・・・環状溝の 弧面の曲率半径
Ri・・・・・・・・・・・・・・・環状溝に けるインナー側の円弧面の曲率半径
Ro・・・・・・・・・・・・・・・環状溝に けるアウター側の円弧面の曲率半径
α・・・・・・・・・・・・・・・・揺動軸 傾斜角
β・・・・・・・・・・・・・・・・鼻部の 斜角
δ・・・・・・・・・・・・・・・・環状溝 深さ




 
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