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Title:
METHOD OF MANUFACTURING FUEL BATTERY SEPARATOR
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/063751
Kind Code:
A1
Abstract:
A method of manufacturing a fuel battery separator which does not increase the electrical conductivity of the coolant thereby to reduce the contact resistance. The fuel battery separator (20) separates gases in adjacent fuel battery cells. The method comprises a separator body formation step of forming a separator body (22) having a corrugated shape of a metallic material such as a titanium material or stainless steel and a conductive layer formation step of forming conductive layers (24) of a conductor, such as gold (Au), only on the surfaces of the projecting portiuons of the separator body (22).

Inventors:
HASEGAWA HAJIME (JP)
MAEDA KUROUDO (JP)
NAGASAWA TAKESHI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069618
Publication Date:
May 22, 2009
Filing Date:
October 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
TOYOTA MOTOR CO LTD (JP)
HASEGAWA HAJIME (JP)
MAEDA KUROUDO (JP)
NAGASAWA TAKESHI (JP)
International Classes:
H01M8/02; H01M8/10
Foreign References:
JP2001345109A2001-12-14
JP2006344432A2006-12-21
JP2003346825A2003-12-05
JP2005149749A2005-06-09
JPS5831094A1983-02-23
JP2004185998A2004-07-02
Attorney, Agent or Firm:
YOSHIDA, Kenji et al. (Kichijoji-honcho 1-chomeMusashino-sh, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 隣設する燃料電池用セル間のガスを分離する燃料電池用セパレータの製造方法であって、
 金属材料で凹凸状のセパレータ基体を成形するセパレータ基体成形工程と、
 セパレータ基体の凸面のみに導電体で導電層を形成する導電層形成工程と、
 を備えることを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
 請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
 導電層形成工程は、セパレータ基体の凸面のみに金属めっきして導電層を形成することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
 請求項2に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
 金属めっきは、金めっきであることを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
 請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
 セパレータ基体成形工程は、チタン材料またはステンレス鋼でセパレータ基体を成形することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
 請求項1に記載の燃料電池用セパレータの製造方法であって、
 導電層形成工程は、ローラ面にめっき液を保持したローラを用いるローラめっき法により導電層を形成することを特徴とする燃料電池用セパレータの製造方法。
Description:
燃料電池用セパレータの製造方

 本発明は、燃料電池用セパレータの製造 法に係り、特に、隣設する燃料電池用セル のガスを分離する燃料電池用セパレータの 造方法に関する。

 燃料電池は、高効率と優れた環境特性と 有する電池として近年脚光を浴びている。 料電池は、一般的に、燃料ガスである水素 、酸化剤ガスである空気中の酸素を電気化 反応させて、電気エネルギを作りだしてい 。そして、水素と酸素とが電気化学反応し 結果、水が生成される。

 燃料電池の種類には、リン酸型、溶融炭 塩型、固体電解質型、アルカリ型、固体高 子型等がある。この中でも、常温で起動し つ起動時間が速い等の利点を有する固体高 子型の燃料電池が注目されている。このよ な固体高分子型の燃料電池は、移動体、例 ば、車両等の動力源等として用いられてい 。

 固体高分子型の燃料電池は、複数の単セ 、集電板、エンドプレート等を積層して組 立てられる。そして、燃料電池用セルは、 解質膜と、触媒層と、ガス拡散層と、セパ ータとを含んで構成される。

 特許文献1には、金属板を有し、金属板は ガス流路部とガス流路部外にセル電圧モニタ ー端子との接触部を有する燃料電池のセパレ ータであって、ガス流路部では、金属板に金 属めっきが施されるとともに金属めっきの上 にカーボンコートが施されており、ガス流路 部外のセル電圧モニター端子との接触部では 、カーボンコート時にセル電圧モニター端子 との接触部をマスキングすることにより、金 属板に金属めっきが施されたままとすること が記載されている。

特許第3891069号公報

 ところで、燃料電池用セパレータをチタ 等の金属材料で製造する場合には、一般的 、電気伝導性の高い金(Au)等の導電体を表面 にめっき等して、ガス拡散層等との間の接触 抵抗を低減させている。ここで、セパレータ の冷却液流路面まで金(Au)等の導電体がめっ されると、例えば、金(Au)等の触媒作用によ 冷却液の導電率が増加する場合がある。

 本発明は、冷却液における導電率の増加 抑えて、ガス拡散層等との接触抵抗を低減 せる燃料電池用セパレータの製造方法であ 。

 本発明に係る燃料電池用セパレータの製 方法は、隣設する燃料電池用セル間のガス 分離する燃料電池用セパレータの製造方法 あって、金属材料で凹凸状のセパレータ基 を成形するセパレータ基体成形工程と、セ レータ基体の凸面のみに導電体で導電層を 成する導電層形成工程と、を備える。

 また、前記燃料電池用セパレータの製造 法において、導電層形成工程は、セパレー 基体の凸面のみに金属めっきして導電層を 成することが好ましい。

 また、前記燃料電池用セパレータの製造 法において、金属めっきは、金めっきであ ことが好ましい。

 また、前記燃料電池用セパレータの製造 法において、セパレータ基体成形工程は、 タン材料またはステンレス鋼でセパレータ 体を成形することが好ましい。

 また、前記燃料電池用セパレータの製造 法において、導電層形成工程は、ローラ面 めっき液を保持したローラを用いるローラ っき法により導電層を形成することが好ま い。

 上記のように本発明に係る燃料電池用セ レータの製造方法によれば、セパレータの 却液流路面には金(Au)等の導電層の形成が抑 制されるので、冷却液における導電率の増加 を抑えてガス拡散層等との接触抵抗を低減さ せることができる。

本発明の実施の形態において、燃料電 用セルの断面を示す図である。 本発明の実施の形態において、燃料電 用セパレータの製造方法を示すフローチャ トである。 本発明の実施の形態において、めっき 置の構成を示す図である。 本発明の実施の形態において、めっき 置により導電層を形成する場合を示す図で る。 本発明の実施の形態において、スパッ リング装置により導電層を形成する場合を す図である。 本発明の実施の形態において、導電層 が形成されたディンプル状セパレータの模式 図(冷却水側から見た上面図)である。 図6Aのディンプル部位の拡大図である 図6Bのディンプル部位のA-A断面図であ 。 本発明の実施の形態において、冷却液 導電率測定結果を示す図である。

符号の説明

 10 燃料電池用セル、12 電解質膜、14 触 層、16 ガス拡散層、18 膜電極接合体、20、 29 セパレータ、22 セパレータ基体、24 導電 層、26 ガス流路、28 冷却液流路、30 めっき 装置、32 めっき液槽、34 第1ローラ、36 第2 ーラ、38 保液材、40 めっき液、50 ディン ル状セパレータ、52 円筒状突起、54 ガス 路面、56 冷却液流路面。

 以下に図面を用いて本発明に係る実施の 態につき、詳細に説明する。まず、燃料電 用セルの構成について説明する。図1は、燃 料電池用セル10の断面を示す図である。燃料 池用セル10は、電解質膜12と、触媒層14と、 ス拡散層16とを一体化し、燃料電池の電極 形成する膜電極接合体18(Membrane Electrode Assem bly:MEA)と、隣設する燃料電池用セル間の燃料 スまたは酸化剤ガスを分離するセパレータ2 0と、を含んで構成される。図1に示す燃料電 用セル10は、一例であって、この構成に限 されない。

 電解質膜12は、アノード極側で発生した 素イオンをカソード極側まで移動させる機 等を有している。電解質膜12の材料には、化 学的に安定であるフッ素系樹脂、例えば、パ ーフルオロカーボンスルホン酸のイオン交換 膜等が使用される。

 触媒層14は、アノード極側での水素の酸 反応や、カソード極側での酸素の還元反応 促進する機能を有している。そして、触媒 14は、触媒と、触媒の担体とを含んで構成さ れる。触媒は、反応させる電極面積をより大 きくするため、一般的に粒子状にして、触媒 の担体に付着させて使用される。触媒には、 水素の酸化反応や酸素の還元反応について、 より小さい活性化過電圧を有する白金族元素 である白金等が使用される。触媒の担体とし ては、カーボン材料、例えば、カーボンブラ ック等が使用される。

 ガス拡散層16は、燃料ガスである水素ガ 等と、酸化剤ガスである空気等とを触媒層14 に拡散させる機能や、電子を移動させる機能 等を有している。そして、ガス拡散層16には 導電性を有する材料であるカーボン繊維織 、カーボン紙等が使用される。

 セパレータ20は、膜電極接合体18に積層さ れ、隣設する燃料電池用セルにおける燃料ガ スと酸化剤ガスとを分離する機能を有してい る。また、セパレータ20は、隣設する燃料電 用セルを電気的に接続する機能を有してい 。セパレータ20は、金属材料で凹凸状に成 されたセパレータ基体22と、セパレータ基体 22の凸面のみに形成された導電層24と、を有 ている。セパレータを凹凸状とすることに り、燃料ガスまたは酸化剤ガスが流れるガ 流路26と、エチレングリコール等が含有され る冷却液LLC(Long-Life-Coolant)が流れる冷却液流 28と、が形成される。

 セパレータ基体22は、チタン及びチタン合 等のチタン材料や、SUS316L及びSUS304等のステ レス鋼で成形されることが好ましい。これ の金属材料は、機械的強度が高く、その表 に安定な酸化物(TiO、Ti 2 O 3 、TiO 2 、CrO 2 、CrO、Cr 2 O 3 等)を含む不働態膜等の不活性皮膜が形成さ るため、優れた耐食性を有するからである ステンレス鋼には、オーステナイト系ステ レス鋼やフェライト系ステンレス鋼等を用 ることができる。勿論、他の条件次第では セパレータ基体22は、上記金属材料に限定さ れることなく他の金属材料で成形されてもよ い。

 導電層24は、導電体である金(Au)、銀(Ag)、 銅(Cu)、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir )、パラジウム(Pd)等の金属材料により形成さ る。これらの金属材料は、電気伝導率が高 ので、膜電極接合体18または隣設する燃料 池用セルのセパレータ29との間の接触抵抗を より小さくすることができるからである。こ れらの金属材料の中でも、金(Au)は、耐食性 優れており、電気伝導率が大きいので、導 層24を形成する金属材料として好ましい。ま た、導電層24は、金(Au)、白金(Pt)等の合金で 成されてもよい。

 なお、ガス拡散層16とセパレータ20との間 に、より多くの燃料ガスまたは酸化剤ガスを 流すために、エキスパンドメタル、メタルラ スまたは金属多孔体等のガス流路構造体(図 せず)を設けてもよい。

 次に、燃料電池用セパレータ20の製造方 について説明する。

 図2は、燃料電池用セパレータ20の製造方 を示すフローチャートである。燃料電池用 パレータ20の製造方法は、セパレータ基体 形工程(S10)と、洗浄工程(S12)と、中和工程(S14 )と、酸洗工程(S16)と、導電層形成工程(S18)と を含んで構成される。

 セパレータ基体成形工程(S10)は、金属材 を凹凸状に加工してセパレータ基体22を成形 する工程である。セパレータ基体22は、例え 、金属シートをプレス加工等することによ 成形される。セパレータ基体22は、ディン ル形状やコルゲート形状等の凹凸状に成形 れる。加工装置には、一般的に、金属材料 プレス加工等に使用される加工装置が用い れる。

 洗浄工程(S12)は、セパレータ基体22を洗浄 する工程である。セパレータ基体22は、例え 、アルカリ浸漬脱脂等で洗浄される。アル リ浸漬脱脂には、苛性ソーダ等のアルカリ 溶液等が使用される。セパレータ基体22を ルカリ浸漬脱脂等で洗浄することにより、 パレータ基体22の表面に付着した油分等が除 去される。

 中和工程(S14)は、洗浄後のセパレータ基 22に残留したアルカリ溶液を中和して除去す る工程である。中和処理は、例えば、洗浄処 理後のセパレータ基体22を中和液に浸漬して われる。中和液には、硫酸溶液、塩酸溶液 硝酸溶液等が使用される。そして、中和液 ら取り出されたセパレータ基体22は、脱イ ン水等で洗浄されてもよい。

 酸洗工程(S16)は、中和処理等がされたセ レータ基体22を酸で洗浄して、セパレータ基 体22の表面から酸化物等を除去する工程であ 。酸洗処理は、例えば、セパレータ基体22 硝弗酸溶液または弗酸溶液等の弗化物を含 した溶液に浸漬して行われる。セパレータ 体22が弗化物を含有した溶液に浸漬されると 、セパレータ基体22の表面に生成した酸化物 がエッチィングされる。弗化物を含有した 液等から取り出されたセパレータ基体22は 脱イオン水等で洗浄されてもよい。

 導電層形成工程(S18)は、酸洗処理された パレータ基体22の凸面に、金(Au)等の導電体 導電層24を形成する工程である。金(Au)等の ーティングには、例えば、電解めっき法に る金属めっきを用いることができる。電解 っき法には、一般的な、金(Au)、銀(Ag)、銅(Cu )等の電解めっき法等が用いられる。

 導電層24として金(Au)めっき層をセパレー 基体22の凸面に被覆する場合には、例えば シアン化金カリウムや亜硫酸金ナトリウム を含む金めっき浴が使用される。金めっき には、アルカリ性、中性または酸性のめっ 浴が使用される。また、導電層24を形成する 金(Au)粒子等の粒径は、電流密度、めっき処 時間、添加剤等で制御される。

 図3は、ローラ面にめっき液を保持したロ ーラを用いるローラめっき法によるめっき装 置30の構成を示す図である。めっき装置30は めっき液40を溜めるめっき液槽32と、めっき 40を汲み上げる第1ローラ34と、セパレータ 体22を第1ローラ34と所定圧力で挟持する第2 ーラ36と、を有している。

 第1ローラ34と第2ローラ36とは、例えば、 食性に優れたステンレス鋼等で製造される 第1ローラ34のローラ面には、めっき液を保 するためにレーヨン製不織布(フェルト)等 保液材38が設けられることが好ましい。そし て、第1ローラ34と第2ローラ36とは電源に接続 され、第1ローラ34は陽極に、第2ローラ36は陰 極に接続される。

 第1ローラ34で汲み上げられためっき液が パレータ基体22と接触することにより、セ レータ基体22の接触部に導電体がめっきされ る。セパレータ基体22の一方の面を第1ローラ 34と接触させて、一方の凸面に導電体をめっ した後、セパレータ基体22の他方の面を第1 ーラ34と接触させて他方の凸面に導電体を っきする。これにより、膜電極接合体18また は隣設する燃料電池用セルのセパレータ29と 触するセパレータ基体22の凸面に導電体で 電層24が形成される。このめっき装置30によ ば、ガス流路面や冷却液流路面等の凸面以 をマスキング等することなく凸面のみに導 層24を形成することができるので、燃料電 用セパレータ20の製造コストを抑えることが できる。

 また、プレス加工等により成形されたセ レータ基体22に反りやうねりがある場合で 、第1ローラ34及び第2ローラ36によりセパレ タ基体22に所定圧力が負荷された状態でめっ きされるため、セパレータ基体22の凸面によ 、実質的に均一にめっきすることができる

 図4は、めっき装置30により導電層24を形 する場合を示す図である。また、図5は、ス ッタリング装置により導電層24を形成する 合を示す図であり、左側がセパレータ基体22 の上面図、右側がスパッタリングの様子を示 す側面図である。図4に示すように、セパレ タ基体22に反りやうねりが生じた場合でも第 2ローラ36の押付け圧を上げることにより矯正 されるため、セパレータ基体22の凸面により 実質的に均一にめっきすることができる。 れに対して、図5に示すようにスパッタリン グ装置等でセパレータ基体22に金(Au)等の導電 層を形成する場合には、セパレータ基体22に りやうねりが生じていると、標的部位にス ッタリングすることが困難となるため、セ レータ基体22の凸面に実質的に均一に導電 を形成することが難しくなる。そのため、 パッタリング装置等で導電層を形成する場 には、セパレータ基体22の反りやうねりを矯 正するため、焼鈍し等の矯正工程が更に必要 になる。図3に示すめっき装置30を用いて導電 層24を形成する場合には、セパレータ基体22 反りやうねり等が生じても焼鈍等の矯正工 が不要なため、燃料電池用セパレータ20の製 造コストを更に低減することができる。

 勿論、導電層形成手段には、上述した電 めっき法に限定されることなく、物理蒸着 (PVD法)、化学蒸着法(CVD法)、塗布法、インク ジェット法等の他のコーティング手段を用い てもよい。物理蒸着法(PVD法)では、スパッタ ング法、イオンプレーティング法等で金(Au) 等をコーティングすることができる。塗布法 では、金(Au)等の粒子を有機溶剤等のバイン ー中に分散させてスラリーを作製し、金(Au) の粒子が分散したスラリーを塗布してコー ィングすることができる。また、インクジ ット法では、例えば、金(Au)等の粒子を分散 させた超微粒子のメタルインクを用いてコー ティングされる。

 導電層24を金で形成した場合には、導電 24の厚みは、約2nm以上約100nm以下であること 好ましい。導電層24の厚みが約2nmより小さ 場合には、セパレータ20の接触抵抗が大きく なる場合があるからである。また、導電層24 厚みが約100nm以下より大きい場合には、高 な金で導電層24を形成するため製造コストが 増加する場合があるからである。なお、導電 層24を金で形成した場合には、導電層24の厚 は、約2nm以上約20nm以下であることがより好 しい。以上で、燃料電池用セパレータ20の 造が完了する。

 図6は、導電層24が形成されたディンプル状 パレータ50を示す図であり、図6Aはディンプ ル状セパレータ50の模式図(冷却水側から見た 上面図)であり、図6Bはディンプル部位の拡大 図であり、図6Cは図6Bのディンプル部位のA-A 面図である。図6B及び図6Cに示すように、円 状突起52の外径は、例えば、約0.5mmから約3.0 mmであり、円筒状突起52のピッチLは、例えば 約0.6mmから約5.0mmであり、円筒状突起の高さ Hは、例えば、約0.05mmから約0.6mmである。金(Au )めっき層等の導電層24は、膜電極接合体18ま は隣設する燃料電池用セルのセパレータと 触する凸面のみに形成され、燃料ガスまた 酸化剤ガスが流れるガス流路面54や冷却液 流れる冷却液流路面56には形成されない。な お、セパレータ50のガス流路面54に、耐食性 向上させるためチタン酸化物(TiO 2 )等を被覆してもよい。

 以上、上記構成によれば、燃料電池用セ レータの冷却液流路面には金(Au)等による導 電層の形成が抑制されるので、冷却液の導電 率増加を抑えてガス拡散層等との接触抵抗を 低減させることができる。

 上記構成によれば、膜電極接合体18また 隣設する燃料電池用セルのセパレータと接 する接触面のみに金(Au)等による導電層が形 されるので、燃料電池用セルの製造コスト より低減することができる。

(実施例)
 以下、実施例および比較例を挙げ、本発明 より具体的に詳細に説明するが、本発明は 以下の実施例に限定されるものではない。
 3種類のセパレータ供試体を作製し、冷却液 における導電率の変化について評価する。

 まず、実施例1のセパレータ供試体の作製 方法について説明する。純チタンシートをプ レス加工して凹凸状のチタンシートを成形し 、アルカリ浸漬脱脂して洗浄し、凹凸状チタ ンシートに付着した油分を除去する。アルカ リ脱脂洗浄した凹凸状チタンシートを硫酸溶 液中に浸漬して中和する。次に、凹凸状チタ ンシートを硝弗酸溶液中に浸漬して酸洗し、 凹凸状チタンシートの表面に生成した酸化物 をエッチィングして除去する。そして、酸洗 した凹凸状チタンシートの凸面にのみ導電層 である金めっき層を形成する。金めっき層の 形成は、アルカリ性金めっき浴を使用して電 解めっき法により行う。金めっきには、図3 示すめっき装置30を用いる。金めっき層の膜 厚は10nmとする。

 次に、比較例1のセパレータ供試体の作製 方法について説明する。純チタンシートをプ レス加工して凹凸状のチタンシートを成形し 、アルカリ浸漬脱脂して洗浄し、凹凸状チタ ンシートに付着した油分を除去する。アルカ リ脱脂洗浄した凹凸状チタンシートを硫酸溶 液中に浸漬して中和する。次に、凹凸状チタ ンシートを硝弗酸溶液中に浸漬して酸洗し、 凹凸状チタンシートの表面に生成した酸化物 をエッチィングして除去する。そして、酸洗 した凹凸状チタンシートの全面に導電層であ る金めっき層を形成する。金めっき層の形成 は、アルカリ性金めっき浴を使用して電解め っき法により行う。金めっき層の形成は、酸 洗された凹凸状チタンシートを金めっき液に 浸漬して行う。金めっき層の膜厚は10nmとす 。なお、比較例2のセパレータ供試体には、 めっき層を形成しないものを用いる。

 3種類のセパレータ供試体を冷却液に浸漬 して、冷却液の導電率を測定する。冷却液の 導電率測定は、一般的な液体の導電率測定方 法により行う。なお、冷却液には、エチレン グリコール等を含有するLLC(Long Life Coolant)を 使用する。図7は、冷却液の導電率測定結果 示す図である。図7に示すように、横軸に冷 液浸漬時間を取り、縦軸に導電率(μS/cm)を り、実施例1のセパレータ供試体を浸漬した 却液の導電率を黒三角形、比較例1のセパレ ータ供試体を浸漬した冷却液の導電率を白三 角形、比較例2のセパレータ供試体を浸漬し 冷却液の導電率を白丸で示す。比較例1のセ レータ供試体を浸漬した冷却液では、浸漬 間の経過とともに冷却液の導電率が増加す 。これに対して、実施例1のセパレータ供試 体を浸漬した冷却液では、浸漬時間の経過に 対してほとんど導電率の増加は認められない 。これは、実施例1のセパレータ供試体のほ が、比較例1のセパレータ供試体よりも金め き層の形成されている領域が少なく、LLCに える金(Au)の触媒作用が小さいことによるか らと考えられる。