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Title:
METHOD FOR MEASURING FLUORINE ION CONCENTRATION, MEASUREMENT DEVICE FOR FLUORINE ION CONCENTRATION, METHOD FOR PRODUCING FLUORINE ION CONCENTRATION DETECTING MATERIAL, AND FLUORINE ION CONCENTRATION DETECTING MATERIAL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2020/175442
Kind Code:
A1
Abstract:
This method for measuring fluorine ion concentration in sample water containing at least fluorine ions is characterized: by comprising a step in which a fluorine ion concentration detecting material is immersed in the sample water to prepare a test solution, and a step in which the test solution is irradiated with ultraviolet rays and the intensity of the generated fluorescence is measured to determine the fluorine ion concentration; and in that the fluorine ion concentration detecting material is a fiber that is chemically modified with a rare-earth metal complex that emits fluorescence.

Inventors:
KIMURA MUTSUMI (JP)
OTAL EUGENIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2020/007369
Publication Date:
September 03, 2020
Filing Date:
February 25, 2020
Export Citation:
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Assignee:
UNIV SHINSHU (JP)
International Classes:
G01N31/00; G01N21/64; G01N21/78
Foreign References:
JPH1087673A1998-04-07
JPS4851692A1973-07-20
JP2005075922A2005-03-24
CN108132235A2018-06-08
CN103926223A2014-07-16
Other References:
OZER, R. R. ET AL.: "One-step growth of isoreticular luminescent metal-organic frameworks on cotton fibers", RSC ADVANCES, vol. 5, no. 20, 26 January 2015 (2015-01-26), pages 15198 - 15204, XP055734243
ZHOU, J. M. ET AL.: "Highly selective luminescent sensing of fluoride and organic small-molecule pollutants based on novel lanthanide metal-organic frameworks", INORGANIC CHEMISTRY, vol. 52, no. 14, 2 July 2013 (2013-07-02), pages 8082 - 8090, XP055539009, DOI: 10.1021/ic400770j
Attorney, Agent or Firm:
TANAI Sumio et al. (JP)
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Claims:
\¥0 2020/175442 24 卩(:17 2020 /007369

請求の範囲

[請求項 1 ] 少なくともフッ素イオンを含む試料水のフッ素イオン濃度を測定す る方法であって、

フッ素イオン濃度検出材料を、 前記試料水中に浸潰して試験溶液を 調製する工程と、

前記試験溶液に紫外線を照射し、 発生した蛍光強度を計測してフッ 素イオン濃度を測定する工程と、 を備え、

前記フッ素イオン濃度検出材料は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯 体により化学修飾された繊維であることを特徴とする、 フッ素イオン 濃度の測定方法。

[請求項 2] 前記希土類金属錯体は、 配位子としてベンゼントリカルボン酸又は ナフタレントリカルボン酸を含む、 請求項 1 に記載のフッ素イオン濃 度の測定方法。

[請求項 3] 前記希土類金属錯体は、 ランタノイ ド系希土類金属元素を含む、 請 求項 1又は 2に記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[請求項 4] 前記ランタノイ ド系希土類金属元素はテルビウム又はユウロピウム である、 請求項 1〜 3のいずれか 1項に記載のフッ素イオン濃度の測 定方法。

[請求項 5] 前記蛍光強度の計測は、 前記試験溶液に紫外線を照射した後に目視 により蛍光強度の判定を実施する、 請求項 1〜 4のいずれか 1項に記 載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[請求項 6] 発生した蛍光強度を計測し、 予め作成したフッ素イオン濃度と蛍光 強度との関係を示す検量線データに基づいてフッ素イオン濃度を測定 する、 請求項 1〜 5のいずれか 1項に記載のフッ素イオン濃度の測定 方法。

[請求項 7] 前記繊維は植物繊維である、 請求項 1〜 6のいずれか 1項に記載の フッ素イオン濃度の測定方法。

[請求項 8] 前記繊維は綿である、 請求項 1〜 7のいずれか 1項に記載のフッ素 \¥0 2020/175442 25 卩(:171? 2020 /007369

イオン濃度の測定方法。

[請求項 9] 前記試料水は河川水、 湖水、 地下水又は井戸水である、 請求項 1〜

8のいずれか 1項に記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[請求項 10] 前記試料水のフッ素イオン濃度は 2 0 以下である、 請求項 1 〜 9のいずれか 1項に記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[請求項 1 1 ] 少なくともフッ素イオンを含む試料水のフッ素イオン濃度を測定す るフッ素イオン濃度測定装置であって、

フッ素イオン濃度検出部と、 紫外線光源とを備え 前記フッ素イオン濃度検出部は、 フッ素イオン濃度検出材料を含み 、 前記フッ素イオン濃度検出材料は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯 体により化学修飾された繊維である、 フッ素イオン濃度測定装置。

[請求項 12] さらに、 画像取得手段を備える、 請求項 1 1 に記載のフッ素イオン 濃度測定装置。

[請求項 13] さらに、 フッ素イオン濃度判定手段を備える、 請求項 1 1又は 1 2 に記載のフッ素イオン濃度測定装置。

[請求項 14] 蛍光発光性を示す希土類金属錯体により化学修飾された繊維から構 成されるフッ素イオン濃度検出材料の製造方法であって、

テルビウム又はユウロピウムを含む化合物を混合した原料液を得る 工程と、

前記原料液を希釈し、 希釈液を得る工程と、

前記希釈液に繊維を浸潰し、 前記繊維の表面に金属有機構造体を形 成する工程と、 を備える、 フッ素イオン濃度検出材料の製造方法。

[請求項 15] 前記希釈液は、 前記原料液と溶媒との質量比が 1 : 1〜 1 : 5とな る割合である、 請求項 1 4に記載のフッ素イオン濃度検出材料の製造 方法。

[請求項 16] 繊維と、 前記繊維の表面に存在する金属有機構造体と、 から構成さ れるフッ素イオン濃度検出材料であって、

前記金属有機構造体は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯体と、 有機 \¥0 2020/175442 26 卩(:17 2020 /007369

配位子とを含む粒子であり、

前記粒子の平均粒子径は 1 以下である、 フッ素イオン濃度検出 材料。

Description:
\¥02020/175442 1 ?€1/^2020/007369

明 細 書

発明の名称 :

フッ素イオン濃度の測定方法、 フッ素イオン濃度測定装置、 フッ素イオン 濃度検出材料の製造方法及びフッ素イオン濃 度検出材料

技術分野

[0001 ] 本発明は、 フッ素イオン濃度の測定方法、 フッ素イオン濃度測定装置、 フ ッ素イオン濃度検出材料の製造方法及びフッ 素イオン濃度検出材料に関する 本願は、 2 0 1 9年 2月 2 5日に、 米国に仮出願された米国特許第 6 2 /

8 0 9 , 7 5 8号明細書に基づき優先権を主張し、 その内容をここに援用す る。

背景技術

[0002] アフリカ東部にはアルカリ火山活動によって 、 高濃度のフッ素を含む火山 岩類が分布している。 特にタンザニアでは、 その高濃度のフッ素を含む地中 を通過してきた地下水や河川水が淡水水資源 として使われている。 このよう な淡水資源には高濃度のフッ素が含まれる。

[0003] フッ素を含む淡水資源が生活用水や農業用水 に使用されると、 人体にフッ 素が蓄積していく。

しかし、 フッ素は急性影響又は慢性影響を示す毒物と しての側面を持つ。 フッ素の慢性毒性は強く、 アフリカ諸外国をはじめ、 飲料水のフッ素汚染に よるフッ素中毒症が発生している。 フッ素中毒症としては、 斑状歯、 骨硬化 症等の症状があげられる。 フッ素中毒症の治療は困難であり、 重症の急性中 毒例では死亡する場合もある。

[0004] —方で、 地理的又は経済的な水不足から、 淡水資源を利用することが求め られる。

淡水資源を利用するにあたり、 淡水資源に含まれるフッ素濃度を測定する 方法が求められる。 \¥02020/175442 2 卩(:17 2020 /007369

[0005] 例えば非特許文献 1 には、 T b/E u _M〇 F (テルビウム/ユウロピウ 厶金属有機構造体) の溶液とフッ素液とを混合したときに生じる 色変現象か ら、 フッ素濃度を測定する方法が記載されている 。

先行技術文献

非特許文献

[0006] 非特許文献 1 : V i s u a l D e t e c t i o n o f F l u o r i d e

A n i o n s U s i n g M i x e d L a n t h a n i d e Me t a I — O r g a n i c F r amewo r k s w i t h a Sm a r t p h o n e A n a l . C h e m. 2020, 92, 2, 2097— 2 1 0 2 P u b l i c a t i o n D a t e (we b) : D e c e m b e r 1 6 , 201 9

発明の概要

発明が解決しようとする課題

[0007] フッ素は淡水資源に微量に含まれる場合であ っても人体に蓄積するため、 フッ素中毒症の予防のためには低濃度のフッ 素を測定する方法が求められる

[0008] 本発明は上記事情に鑑みてなされたものであ って、 フッ素イオンを含む試 料水中のフッ素イオン濃度を測定する方法で あって、 低濃度のフッ素イオン 濃度の測定方法を提供することを課題とする 。 本発明において 「低濃度のフ ッ素イオン濃度」 とは、 20 p p m以下のフッ素イオン濃度を意味する。 さらに本発明によれば、 フッ素イオン濃度測定装置、 フッ素イオン濃度検 出材料の製造方法及びフッ素イオン濃度検出 材料を提供することを課題とす る。

課題を解決するための手段

[0009] 本発明は下記の [1] 〜 [1 6] を包含する。

[ 1] 少なくともフッ素イオンを含む試料水のフッ 素イオン濃度を測定する 方法であって、 フッ素イオン濃度検出材料を、 前記試料水中に浸潰して試験 \¥0 2020/175442 3 卩(:171? 2020 /007369

溶液を調製する工程と、 前記試験溶液に紫外線を照射し、 発生した蛍光強度 を計測してフッ素イオン濃度を測定する工程 と、 を備え、 前記フッ素イオン 濃度検出材料は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯体により化学 修飾された繊 維であることを特徴とする、 フッ素イオン濃度の測定方法。

[2] 前記希土類金属錯体は、 配位子としてベンゼントリカルボン酸又はナ フタレントリカルボン酸を含む、 [ 1] に記載のフッ素イオン濃度の測定方 法。

[3] 前記希土類金属錯体は、 ランタノイ ド系希土類金属元素を含む、 [1 ] 又は [2] に記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[4] 前記ランタノイ ド系希土類金属元素はテルビウム又はユウロ ピウムで ある、 [1] 〜 [3] のいずれか 1つに記載のフッ素イオン濃度の測定方法

[5] 前記蛍光強度の計測は、 前記試験溶液に紫外線を照射した後に目視に より蛍光強度の判定を実施する、 [1] 〜 [4] のいずれか 1つに記載のフ ッ素イオン濃度の測定方法。

[6] 発生した蛍光強度を計測し、 予め作成したフッ素イオン濃度と蛍光強 度との関係を示す検量線データに基づいてフ ッ素イオン濃度を測定する、 [ 1] 〜 [5] のいずれか 1つに記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[7] 前記繊維は植物繊維である、 [1] 〜 [6] のいずれか 1つに記載の フッ素イオン濃度の測定方法。

[8] 前記繊維は綿である、 [1] 〜 [7] のいずれか 1つに記載のフッ素 イオン濃度の測定方法。

[9] 前記試料水は河川水、 湖水、 地下水又は井戸水である、 [1] 〜 [8 ] のいずれか 1項に記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[1 0] 前記試料水のフッ素イオン濃度は 2 0 以下である、 [1] 〜

[9] のいずれか 1つに記載のフッ素イオン濃度の測定方法。

[1 1] 少なくともフッ素イオンを含む試料水のフッ 素イオン濃度を測定す るフッ素イオン濃度測定装置であって、 フッ素イオン濃度検出部と、 紫外線 \¥0 2020/175442 4 卩(:171? 2020 /007369

光源とを備え前記フッ素イオン濃度検出部 は、 フッ素イオン濃度検出材料を 含み、 前記フッ素イオン濃度検出材料は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯体 により化学修飾された繊維である、 フッ素イオン濃度測定装置。

[1 2] さらに、 画像取得手段を備える、 [1 1] に記載のフッ素イオン濃 度測定装置。

[1 3] さらに、 フッ素イオン濃度判定手段を備える、 [1 1] 又は [1 2 ] に記載のフッ素イオン濃度測定装置。

[1 4] 蛍光発光性を示す希土類金属錯体により化学 修飾された繊維から構 成されるフッ素イオン濃度検出材料の製造方 法であって、 テルビウム又はユ ウロピウムを含む化合物を混合した原料液を 得る工程と、 前記原料液を希釈 し、 希釈液を得る工程と、 前記希釈液に繊維を浸潰し、 前記繊維の表面に金 属有機構造体を形成する工程と、 を備える、 フッ素イオン濃度検出材料の製 造方法。

[1 5] 前記希釈液は、 前記原料液と溶媒との質量比が 1 : 1〜 1 : 5とな る割合である、 [1 4] に記載のフッ素イオン濃度検出材料の製造方 法。

[1 6] 繊維と、 前記繊維の表面に存在する金属有機構造体と 、 から構成さ れるフッ素イオン濃度検出材料であって、 前記金属有機構造体は、 蛍光発光 性を示す希土類金属錯体と、 有機配位子とを含む粒子であり、 前記粒子の平 均粒子径は 1 以下である、 フッ素イオン濃度検出材料。

発明の効果

[0010] 本発明によれば、 フッ素イオンを含む試料水中のフッ素イオン 濃度を測定 する方法であって、 低濃度のフッ素イオン濃度の測定方法を提供 することが できる。 本発明によれば、 2 0 以下の低濃度のフッ素イオン濃度を測 定できる。

さらに本発明によれば、 フッ素イオン濃度測定装置、 フッ素イオン濃度検 出材料の製造方法及びフッ素イオン濃度検出 材料を提供することができる。 図面の簡単な説明

[001 1] [図 1]図 1は、 金属有機構造体 (!\/1〇 ー6 7) の結晶構造の模式図である。 \¥0 2020/175442 5 卩(:171? 2020 /007369

[図 2]図 2に、 金属有機構造体 (!\/1〇 _ 6 7) を成長させた綿の 3巳 IV!像で ある。

[図 3]図 3は、 実施例 1 における蛍光発光とフッ素イオン溶液濃度と の関係を 示すグラフである。

[図 4]図 4は、 実施例 1 において波長 2 5 2 n の紫外線ライ トを照射したと きの、 才ーガニックコッ トン布からの蛍光発光を示す写真である。

[図 5]図 5は、 実施例 2の測定方法を用いた場合の、 フッ素イオン濃度と 8比の値との関係を示すグラフである。

[図 6]図 6は、 実施例 3の測定方法を用いた場合の、 フッ素イオン濃度と 8比の値との関係を示すグラフである。

[図 7]図 7は、 実施例 4の測定方法を用いた場合の、 フッ素イオン濃度と 8比の値との関係を示すグラフである。

[図 8]図 8は、 実施例 5の測定方法を用いた場合の、 フッ素イオン濃度と 8比の値との関係を示すグラフである。

[図 9]図 9は、 実施例 6の測定方法を用いた場合の、 フッ素イオン濃度と 8比の値との関係を示すグラフである。

[図 1 0]図 1 0は、 実施例 2〜 6の測定方法を用いた場合の、 フッ素イオン濃 度の検出時間と感度との関係を示すグラフで ある。

[図 1 1]フッ素イオン濃度測定装置の一例を示す 式図である。

発明を実施するための形態

[0012] 以下に、 本発明を実施するための好ましい例について 詳細に説明する。 以 下の説明は、 発明の趣旨をより良く理解させるために具体 的に説明するもの であり、 特に指定のない限り、 本発明を限定するものではない。 本発明の範 囲内において、 特に制限の無い限り、 必要に応じて、 数、 量、 材料、 形状、 位置、 種類などを、 変更、 追加、 省略、 及び/又は交換することも可能であ る。

[0013] <フッ素イオン濃度の測定方法>

本実施形態は、 少なくともフッ素イオンを含む試料水のフッ 素イオン濃度 \¥0 2020/175442 6 卩(:171? 2020 /007369

を測定する方法である。

本実施形態の測定方法は、 フッ素イオン濃度検出材料を、 試料水中に浸潰 して試験溶液を調製する工程と、 試験溶液に紫外線を照射し、 発生した蛍光 強度を計測してフッ素イオン濃度を測定する 工程と、 をこの順で備える。 以下各工程について説明する。

[0014] [試験溶液を調製する工程]

まず、 後述するフッ素イオン濃度検出材料を、 試料水中に浸潰して試験溶 液を調製する。

試料水は河川水、 湖水、 地下水又は井戸水等の淡水資源が挙げられる 。 本実施形態において、 河川、 湖、 地下水又は井戸水から採取したサンプル をそのまま試料水として用いる。 本実施形態によれば、 試料水の前処理等の 工程は不要であるため、 試料水を採取した現地でフッ素イオン濃度を 測定す ることができる。 測定に必要な試料水は、 少なくとも 1 〇 I程度あればよ い。

[0015] 本実施形態においては、 2 0 以下の低濃度のフッ素イオンを含む試 料水のフッ素イオン濃度を好適に測定できる 。

[0016] フッ素イオン濃度検出材料を試料水中に浸潰 する時間は、 1分間以上 3 0 分間以下が挙げられる。 本実施形態においては、 フッ素イオン濃度の検出時 間を短くできるという観点から、 浸潰時間は 3分間以上 2 0分間以下が好ま しく、 3分間以上 1 0分間以下がより好ましく、 3分間以上 5分間以下がさ らに好ましい。

本実施形態によれば、 長くとも 3 0分間以下の時間で試料水中のフッ素イ オン濃度を測定することができる。

[0017] 試験溶液を調製する環境は、 特に限定されず、 屋外環境であっても屋内環 境であってもよい。 試験溶液を調製する際の温度は特に限定され ず、 例えば 2 0 °〇から 3 0 °〇が挙げられる。

[0018] [フッ素イオン濃度を測定する工程]

次に、 試験溶液に紫外線を照射し、 発生した蛍光強度を計測してフッ素イ \¥0 2020/175442 7 卩(:171? 2020 /007369

オン濃度を測定する。

蛍光発光性を示す希土類金属錯体がフッ素イ オンと接すると、 フッ素イオ ン濃度に応じて蛍光が退色する。 発生した蛍光強度を計測することで得られ る色彩情報をもとに、 試料液中のフッ素イオンの存在と、 フッ素イオン濃度 を測定することができる。

[0019] 照射する紫外線としては、 波長 2 0 0 n 以上 4 0 0 n 以下の紫外線が 挙げられる。

[0020] 蛍光強度の計測は、 試験溶液に紫外線を照射した後に目視により 蛍光強度 の判定を実施してもよい。 目視により蛍光の退色が確認された場合には 、 試 料液中にフッ素イオンが存在することが確認 できる。

また、 予め作成したフッ素イオン濃度と蛍光強度と の関係を示す比色スケ —ルを参照することで、 試料液中に含まれるフッ素イオン濃度を目視 で測定 することができる。

[0021 ] 本実施形態においては、 発生した蛍光強度を計測し、 予め作成したフッ素 イオン濃度と蛍光強度との関係を示す検量線 データに基づいてフッ素イオン 濃度を測定する方法が好ましい。

[0022] 検量線を作成する方法としては、 演算処理を行うことにより、 試料液中の フッ素イオン濃度と蛍光強度との関係を、 高い相関性で表す検量線を作成で きるものであれば限定されない。

具体的には、 このような検量線を作成するソフトウェアを インストールし たコンビユータが好ましい。

[0023] <フッ素イオン濃度測定装置>

本実施形態は、 少なくともフッ素イオンを含む試料水のフッ 素イオン濃度 を測定するフッ素イオン濃度測定装置である 。

本実施形態のフッ素イオン濃度測定装置は、 フッ素イオン濃度検出部と、 紫外線光源とを備える。

[0024] フッ素イオン濃度検出部は、 フッ素イオン濃度検出材料を含む。 フッ素イ オン濃度検出材料は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯体により化学 修飾され \¥0 2020/175442 8 卩(:171? 2020 /007369

た繊維である。

[0025] 本実施形態のフッ素イオン濃度測定装置は、 さらに画像取得手段を備える ことが好ましい。 画像取得手段としては、 例えばデジタルカメラ、 スマート フォン、 カメラ、 画像取得機能を有するメディアタブレッ ト端末等が 挙げられる。

[0026] 紫外線光原源は、 1_巳 0を用いることが好ましい。

[0027] 本実施形態のフッ素イオン濃度測定装置は、 さらに、 フッ素イオン濃度判 定手段を備えることが好ましい。

フッ素イオン濃度判定手段は、 演算手段をもちいてフッ素イオン濃度測定 用検量線を作成し、 得られた検量線から試験溶液のフッ素イオン 濃度を判定 する手段であることが好ましい。

[0028] 演算手段は、 基準濃度色情報と、 試験溶液色情報とから、 試験溶液のフッ 素イオン濃度を判定する手段であることが好 ましい。

[0029] 基準濃度色情報は、 2つ以上の異なる既知のフッ素イオン濃度溶 につい て、 画像取得手段により得た画像から、 色情報をピクセルごとに数値とした 、 8 (赤色) 、 ◦ (緑色) 、 巳 (青色) の各数値情報である。

[0030] 試験溶液色情報は、 試験溶液について、 画像取得手段により得た画像から

、 色情報をピクセルごとに数値とした、 (赤色) 、 ◦ (緑色) 、 巳 (青色 ) の各数値情報である。

[0031 ] 基準濃度色情報と、 それぞれの基準濃度色情報を与えた既知フッ 素イオン 濃度とから、 フッ素濃度測定用検量線を作成する。

[0032] 得られたフッ素濃度測定用検量線情報と、 試験溶液色情報とから、 試験溶 液のフッ素イオン濃度を判定する。

[0033] 上記の演算手段がプログラムにより実行され ることが好ましい。

フッ素イオン濃度判定手段は、 フッ素濃度測定用検量線のデータを保存す る手段を備えることがさらに好ましい。

[0034] 図 1 1 に、 フッ素イオン濃度測定装置の一例を示す。 図 1 1 に示すフッ素 イオン濃度測定装置はスマートフォン 1 〇と、 画像取得手段 1 1、 配線 1 2 \¥0 2020/175442 9 卩(:171? 2020 /007369

、 フッ素イオン濃度検出部 1 3、 治具 1 4、 及び光源群 2 0を備える。 光源 群 2 0は、 紫外光源 1 5、 回路 1 6及び回路基板 1 7を備える。

フッ素イオン濃度検出部 1 3は、 取り外しが可能であり、 かつ、 紫外光源 1 5を覆う状態で治具 1 4により備えられている。

スマートフォン 1 0と、 フッ素イオン濃度検出部 1 3とは配線 1 2によつ て接続されている。

[0035] フッ素イオン濃度検出部 1 3の端部 1 3 を試験液 3 0に浸潰すると、 試 験液 3 0がフッ素イオン濃度検出部 1 3の端部 1 3 から紫外光源 1 5の部 分まで浸透する。 紫外光源 1 5によりフッ素イオン濃度検出部 1 3に紫外線 が照射されると、 フッ素イオン濃度検出部 1 3に含まれる希土類金属錯体が 蛍光を発する。 このとき、 例えば緑色の蛍光の退色が確認された場合に は、 目視でフッ素イオンの存在を確認できる。

[0036] また、 画像取得手段 1 1 により蛍光の画像を取得し、 スマートフォン 1 0 に内蔵されたフッ素イオン濃度判定手段によ り、 取得した画像情報からフッ 素イオン濃度を判定できる。

[0037] <フッ素イオン濃度検出材料>

本実施形態の測定方法に用いるフッ素イオン 濃度検出材料について説明す る。 フッ素イオン濃度検出材料は、 発光性を有する希土類金属錯体により化 学修飾された繊維である。

本実施形態において、 「化学修飾された繊維」 とは、 繊維の表面に金属有 機構造体 (1\/1〇 ) が形成されていることを意味する。 本実施形態において 、 金属有機構造体は、 有機配位子と希土類金属錯体である金属とを 含む構造 体である。

[0038] 繊維の表面に形成される金属有機構造体は、 平均粒子径が 1 以下であ る粒子であることが好ましい。 平均粒子径が 1 以下であると、 金属有機 構造体の表面積が増大し、 フッ素イオンをより高感度に検出することが でき る。

金属有機構造体の平均粒子径は、 走査型電子顕微鏡等により倍率 1000倍の \¥0 2020/175442 10 卩(:171? 2020 /007369

視野で観察することで確認できる。

平均粒子径は、 電子顕微鏡写真により得られた画像から任意 に 5 0個の粒 子を抽出し、 それぞれの粒子について、 粒子の投影像を一定方向から引いた 平行線ではさんだ平行線間の距離 (定方向径) を粒子の粒子径として測定す る。 得られた粒子の粒子径の算術平均値を、 金属有機構造体の平均粒子径と する。

[0039] [希土類金属錯体]

蛍光発光性を示す希土類金属錯体がフッ素イ オンと接すると、 フッ素イオ ン濃度に応じて虽光が退色する。

[0040] 希土類金属錯体は、 有機配位子としてベンゼントリカルボン酸、 ナフタレ ンジカルボン酸又はナフタレントリカルボン 酸を含むことが好ましい。 ベンゼントリカルボン酸としては、 1 , 3 , 5 -ベンゼントリカルボン酸 が挙げられる。

ナフタレンジカルボン酸としては、 2 , 6 -ナフタレンジカルボン酸が挙 げられる。 これらの有機配位子を含むことにより、 フッ素イオン濃度の検出 感度を向上させることができる。

[0041 ] また、 フッ素イオン濃度の検出感度を向上させるた めにフマル酸又はテレ フタル酸を添加してもよい。

[0042] 希土類金属錯体は、 ランタノイ ド系希土類金属元素を含むことが好ましい 。 ランタノイ ド系希土類金属元素は蛍光を発する金属元素 が好ましい。 この ような金属元素としてはテルビウム、 ユウロピウム、 イッ トリウム、 セリウ ム、 ジスプロシウム、 ネオジウム、 エルビウム、 ツリウム又はイッテルビウ ムが好ましく、 テルビウム又はユウロピウムであることがよ り好ましい。

[0043] 希土類金属錯体としてのテルビウムと、 有機配位子としてベンゼントリカ ルボン酸とを組み合わせることにより、 緑色の蛍光を有するフッ素イオン濃 度検出材料を得ることができる。 フッ素イオンの存在により、 緑色の蛍光が 退色するためフッ素イオンが検出可能である 。

[0044] 希土類金属錯体としてのテルビウム又はユウ ロピウムと、 有機配位子とし \¥0 2020/175442 1 1 卩(:171? 2020 /007369

てナフタレンジカルボン酸とを組み合わせ ることにより、 照射する紫外線波

[0045] 希土類金属錯体としてのテルビウム又はユウ ロピウムと、 フマル酸又はテ レフタル酸とを組み合わせることにより、 フッ素イオン濃度の検出感度を向 上させることができる。 具体的には、 試料液中のフッ素イオン濃度が 5 以下であっても検出可能となる。

[0046] [繊維]

繊維は、 試料水を吸収し、 保持できる観点から植物繊維であることが好 ま しく、 植物繊維としては綿又はコッ トンであることがより好ましい。

本実施形態においては、 繊維の前処理工程を簡易にする観点から、 コッ ト ンの製造工程において農薬や染料等の化学薬 品の使用が低減されたオーガニ ックコッ トンを使用することが好ましい。

[0047] フッ素イオン濃度検出材料の繊維として、 例えばコッ トンを使用する場合 には、 コッ トンの面積は例えば

よい。

[0048] 本実施形態の好ましいフッ素イオン濃度検出 材料は、 繊維と、 繊維の表面 に存在する金属有機構造体と、 から構成されるフッ素イオン濃度検出材料で ある。

本実施形態の好ましいフッ素イオン濃度検出 材料は、 金属有機構造体は、 蛍光発光性を示す希土類金属錯体と、 有機配位子とを含む粒子であり、 粒子 の平均粒子径は 1 以下である。

[0049] <フッ素イオン濃度検出材料の製造方法 1 >

フッ素イオン濃度検出材料の製造方法 1は、 繊維の前処理工程、 繊維の力 ルボキシメチル化工程、 繊維表面での金属有機構造体の製造工程をこ の順で 備える。

[0050] [繊維の前処理工程]

繊維の表面に存在する油分を前処理により除 去する。

前処理方法としては、 例えば、 前処理溶液に繊維を浸潰し、 その後洗浄し \¥0 2020/175442 12 卩(:171? 2020 /007369

て乾燥させる方法が挙げられる。

[0051 ] 前処理液としては、 例えば水酸化ナトリウムと、 非イオン性界面活性剤と 、 クエン酸とを含む水溶液が使用できる。

[0052] [繊維のカルボキシメチル化工程]

前処理後の繊維について、 セルロース側鎖である水酸基の一部または全 部 を、 カルボキシメチル基 (一〇1 ~ 1 2 〇〇〇基) に置換する。

具体的には、 前処理後の繊維について、 モノクロロ酢酸又はモノクロロ酢 酸のナトリウム塩でエーテル化する方法が挙 げられる。

[0053] [繊維表面での金属有機構造体の製造工程]

その後、 繊維の表面において金属有機構造体を成長さ せる。

まず、 蛍光発光性を示す希土類金属錯体をエタノー ル等の溶媒に溶解し、 希土類金属錯体溶液を得る。 希土類金属錯体溶液にカルボキシメチル化処 理 後の繊維を浸潰する。 浸潰時間は、 1時間から 5時間の範囲で適宜調整すれ ばよい。 希土類金属錯体溶液にカルボキシメチル化処 理後の繊維を浸潰する ことにより、 繊維の表面において、 金属有機構造体が成長する。

[0054] 本工程において、 配位子源としてベンゼントリカルボン酸、 ナフタレンジ カルボン酸又はナフタレントリカルボン酸を 添加することが好ましい。 また 、 本工程においてフマル酸又はテレフタル酸を 添加してもよい。

この場合には、 浸潰時間を 1 0分から 3日間の間で適宜調整すればよい。

[0055] その後、 繊維を水洗することにより、 フッ素イオン濃度検出材料が得られ る。

[0056] <フッ素イオン濃度検出材料の製造方法 2 >

フッ素イオン濃度検出材料の製造方法 2は、 蛍光発光性を示す希土類金属 錯体により化学修飾された繊維から構成され るフッ素イオン濃度検出材料の 製造方法である。

フッ素イオン濃度検出材料の製造方法 2は、 テルビウム又はユウロピウム を含む化合物を混合した原料液を得る工程と 、 原料液を希釈し、 希釈液を得 る工程と、 希釈液に繊維を浸潰し、 前記繊維の表面に金属有機構造体を形成 \¥0 2020/175442 13 卩(:17 2020 /007369

する工程と、 を備える。

[0057] [原料液を得る工程]

まず、 テルビウム又はユウロピウ厶を含む化合物を 混合した原料液を得る 原料液は、 テルビウム又はユウロピウムと有機溶媒との 混合液である。 原料 液は、 さらに有機配位子を含むことが好ましい。

[0058] 有機溶媒としては、 メタノール、 エタノール、 1 —プロパノール、 2—プ ロパノール、 エチレングリコール、 プロピレングリコール、 ジエチレングリ コール、 ジプロピレングリコール、 ポリエチレングリコール、 ブタンジオー ル、 グリセリン等が使用できる。 本実施形態においては、 メタノール又はエ タノールが好ましく、 エタノールがさらに好ましい。

[0059] 原料液に含まれるテルビウム又はユウロピウ ムの濃度は、 原料液の全量に 対して、 〇. 1質量%以上 1質量%以下とすることが好ましい。

[0060] [希釈液を得る工程]

つぎに、 得られた原料液を溶媒を用いて希釈し、 希釈液を得る。 希釈に用 いる溶媒は、 原料液の調整に用いた有機溶媒と同一の溶媒 を使用することが 好ましい。 例えば、 原料液の調整にエタノールを用いた場合には 、 溶媒とし てエタノールを用いて希釈することが好まし い。

[0061 ] 希釈液は、 原料液と溶媒との質量比が 1 : 1〜 1 : 5となる割合とするこ とが好ましく、 1 : 2 ~ 1 : 4となる割合がさらに好ましく、 1 : 2〜 1 : 3となる割合が特に好ましい。

[0062] 原料液を希釈することにより、 テルビウム又はユウロピウムが適度に分散 すると考えられる。 このような希釈液を用いると、 繊維の表面に形成される 金属有機構造体の平均粒子径を 1 以下に制御できると考えられる。 さら に、 繊維の表面に金属有機構造体の粒子を均一に 分散させることができると 考えられる。

[0063] [繊維の表面に金属有機構造体を形成する工 ]

本工程に関する説明は、 前記フッ素イオン濃度検出材料の製造方法 1 にお \¥0 2020/175442 14 卩(:171? 2020 /007369

ける説明と同様である。

実施例

[0064] 以下、 実施例により本発明をより具体的に説明する が、 本発明は以下の実 施例に限定されるものではない。

[0065] <実施例 1 >

《才ーガニックコッ トンの前処理方法》

まず、 才ーガニックコッ トンの表面の油分を除去した。

具体的には、 5 Iの蒸留水に、 5 9の水酸化ナトリウムと、 1 . 5 9の非イオン性界面活性剤と、 〇. 7 5 9クエン酸とを溶解させ、 水溶液を 得た。 非イオン性界面活性剤は、 7 r I I 〇 n X - 1 0 0を用いた。

この水溶液に 5〇 2 の才ーガニックコッ トン布を 2 0枚を浸潰した。 その 後、 ホッ トプレートを用いて、 才ーガニックコッ トン布を 1 0 0 ° 〇に加温し 、 さらに、 1時間洗浄した。 洗浄後室温まで冷却したのち、 オーガニックコ ッ トン布を取り出し、 一枚ずつ 1 〇〇 Iの蒸留水で 3回洗浄し、 その後陰 干しをした。

上記の操作により、 前処理済みのオーガニックコッ トンを得た。

[0066] 《セルロース側鎖である水酸基への部分的カ ルボキシメチル化》

次に、 前処理済みの才ーガニックコッ トンについて、 セルロース側鎖であ る水酸基への部分的カルボキシメチル化を行 った。

具体的には、 5 0〇1 丨の蒸留水に、 5〇〇1 2 の前処理済みの才ーガニックコ ッ トン布 1 0枚を室温にて浸潰し、 これに

ウム水溶液を徐々に加えた。

この液に 3 9のクロロ酢酸ナトリウムを加え、 ホッ トスターラーを用いて 4 5 °〇に加温し、 回転数 1 0 0 0 「 で 3時間攪拌し、 反応させた。

その後、 室温まで冷却し、 6〇 Iのメタノールに浸潰させて 2時間静置 した。 静置後、 酢酸を数滴加え中和した。 その後、 オーガニックコッ トン布 を取り出し、 一枚ずつ 1 〇〇 Iの蒸留水で 3回洗浄し、 その後陰干しをし た。 \¥0 2020/175442 15 卩(:171? 2020 /007369

上記の操作により、 部分的カルボキシメチル化済みのオーガニッ クコッ ト ンを得た。

[0067] 《オーガニックコッ トンの繊維の表面での金属有機構造体の成長 》

次に、 オーガニックコッ トンの繊維の表面において、 金属有機構造体 (IV! 〇 ー6 7) を成長させた。

具体的には、 まず、 エタノール:水の比が 1 : 1の混合液 1 1 を得た。 1 5〇! Iの混合液 1 1 に、 0 . 2 1 9の硝酸ユウロピウム五水和物を溶解させ 、 ユウロピウム溶液を得た。

得られたユーロピウム溶液に、 部分的カルボキシメチル化済みの才ーガニ ックコッ トン布 2枚を浸潰させ、 1時間静置した。

次に、 エタノール:水の比が 2 : 1の混合液 2 1 を得た。 丨の混合液 2 1 に、 〇. 1 9の 1 , 3 , 5 -ベンゼントリカルボン酸 (巳丁〇) を溶解し 、 巳丁(3溶液 1 を得た。

1時間静置した才ーガニックコッ トン布を取り出し、 巳丁〇溶液 1 に 1 0 分から 2日間室温にて浸潰した。

設定時間経過後、 布を取り出し、 その後オーガニックコッ トン布を取り出 し、 一枚ずつ 1 〇〇 丨の蒸留水で 3回洗浄し、 その後陰干しをした。

上記の操作により、 オーガニックコッ トンの繊維の表面で金属有機構造体 を成長させた。

図 1 に金属有機構造体 (1\/! 0 _ 6 7) の結晶構造の模式図を示す。

[0068] 図 2に、 金属有機構造体 (1\/1〇 _ 6 7) を成長させた綿の 3巳 IV!像を示 す。 図 2から、 繊維上に 1 以下の IV!〇 結晶が析出していることが確認 できる。

[0069] 《フッ素イオン濃度の測定》

上述の方法により得られた才ーガニックコッ トン布 (2〇〇1 2 ) を 0 _ 1 0 0 0 のフッ素イオンを含む水溶液 (5 丨) に 3分間浸潰した。

浸潰後、 オーガニックコッ トン布を取り出し 5 0 ° 〇で乾燥させた。 その後、 オーガニックコッ トン布からの虽光発光を虽光分光光度計にて 虽 \¥02020/175442 16 卩(:171? 2020 /007369

光強度を測定した。 蛍光発光とフッ素イオン溶液濃度との関係を 示すグラフ を図 3に示す。 図 3中、 「口」 、 「〇」 、 及び 「△」 は下記のサンプルを意 味する。

□ = 1 , 3, 5 -ベンゼントリカルボン酸溶液に 1 0分間、 浸潰したサンプ ノレ

0 : 1 , 3, 5 -ベンゼントリカルボン酸溶液に 60分間、 浸潰したサ ンプル

△ = 1 , 3, 5 -ベンゼントリカルボン酸溶液に 2日間、 浸潰したサン プル

[0070] 1 , 3, 5 -ベンゼントリカルボン酸溶液に 60分間浸潰したサンプルを 使用した場合には、 フッ素イオン濃度が 1 00 以下の低濃度の範囲で 、 フッ素イオン濃度に異存して、 蛍光の消光が確認できた。

1 , 3, 5 -ベンゼントリカルボン酸溶液に 1 0分間浸潰したサンプルを 使用した場合には、 フッ素イオン濃度が 20 以下の低濃度の範囲で、 フッ素イオン濃度に異存して、 蛍光の消光が確認できた。

[0071] 《蛍光消光の可視化》

波長 252 n の紫外線ライ トを照射することによって、 オーガニックコ ッ トン布からの蛍光発光が可視化された。 この結果を図 4に示す。 デジタル カメラを用いて撮影し、 撮影した写真から蛍光強度を数値化すること により 分光光度計がなくてもフッ素濃度の計測を行 うことができる。 図 4中、 フッ 素イオンを含まない 「\zva t 6 「」 と示すサンプルは、 紫色に発光している 。 図 4中、 「1 00 〇1」 と示すサンプルは、 青紫色に発光している。 図 4中、 「1 000 〇1」 と示すサンプルは、 青色に発光している。

[0072] <実施例 2>

《才ーガニックコッ トンの前処理方法》

実施例 1 と同様の方法により、 オーガニックコッ トンの前処理を実施した。

[0073] 《セルロース側鎖である水酸基への部分的カ ルボキシメチル化》

実施例 1 と同様の方法により、 セルロース側鎖である水酸基への部分的カル \¥02020/175442 17 卩(:171? 2020 /007369

ボキシメチル化前処理を実施した。

[0074] 《オーガニックコッ トンの繊維の表面での金属有機構造体の成長 》

次に、 オーガニックコッ トンの繊維の表面において、 金属有機構造体 (IV! 〇 ー67) を成長させた。

[0075] [フッ素イオン濃度検出材料の製造]

20〇11_のエタノールに、 42〇19の巳丁〇と、 861119の硝酸テルビウ ム五水和物 (丁匕 (N0 3 3 - 51 ~ 1 2 〇) を溶解し、 原料液 1 を得た。

原料液 1 に、 前処理した才ーガニックコッ トンを浸潰し、 その後才ーガニ ックコッ トンを取り出し、 1 30 ° 〇で 5分間乾燥させた。 上記の操作により 、 オーガニックコッ トンの繊維の表面で金属有機構造体 (丁 13_1\/1〇 ) を 成長させた。

これにより、 フッ素イオン濃度検出材料 1 を得た。

[0076] 《フッ素イオン濃度の測定》

上述の方法により得られた 5つのフッ素イオン濃度検出材料 1 (2〇〇1 2 ) を、 それぞれ 0— 20 のフッ素イオンを含む水溶液 (5〇1 丨) に 3分 間から 30分間浸潰した。

[0077] の算出》

3分間浸漬後、 5分間浸漬後、 1 0分間浸漬後、 20分間浸漬後及び 30 分間浸漬後のそれぞれのサンプルについて、 波長が 265 n m (最小) 〜 2 I N-039 巳丁[<111 600) を照射し、 デジタルカメラ (富士フイルム社製 X-八 5) を用いて、 それぞれのサンプルのデジタル画像を取得し た。

得られたデジタル画像は、 ピクセルごとに (赤色) 、 ◦ (緑色) 及び巳 (青色) の色彩情報 (?¾〇巳値) を有する。 [¾〇巳値は、 色を指定するため の値である。 各ピクセルの色は、 (赤色) 、 ◦ (緑色) 及び巳 (青色) の 各色を〇〜 255の値で指定してその値の組合せによって決 まる。

全ピクセルについて (赤色) 、 ◦ (緑色) 及び巳 (青色) の 値を 求め、 それぞれを合計しピクセル数で割って、 (赤色) 、 ◦ (緑色) 及び \¥0 2020/175442 18 卩(:171? 2020 /007369

巳 (青色) それぞれについて 巳値の平均値を求めた。

丁匕 はフッ素イオンの存在により緑色が退色又は 消失するため、 (赤色) 巳値の平均値との比で (緑色) の色彩情報 ([¾〇巳値) (赤色) の色彩情報 (?¾〇巳値) で規格化した値である。

[0078] その結果を図 5に示す。 図 5中、 I « 」 は 「◦/ [¾」 意味する。

図 5に示す通り、 を含むフッ素イオン濃度検出材料 1 を用い た場合に、 フッ素イオン濃度が増加するに従って、 緑色の退色が確認できた 。 フッ素イオン濃度が 2 0 以下という低濃度の試料水を用いた場合で も、 丁匕 を含むフッ素イオン濃度検出材料 1 を用いると、 フッ素イ オンの存在を測定することが確認できた。

[0079] <実施例 3 >

《才ーガニックコッ トンの前処理方法》

実施例 1 と同様の方法により、 オーガニックコッ トンの前処理を実施した。

[0080] 《セルロース側鎖である水酸基への部分的カ ルボキシメチル化》

実施例 1 と同様の方法により、 セルロース側鎖である水酸基への部分的カル ボキシメチル化前処理を実施した。

[0081 ] 《オーガニックコッ トンの繊維の表面での金属有機構造体の成長 》

次に、 オーガニックコッ トンの繊維の表面において、 金属有機構造体 (IV! 〇 ー6 7) を成長させた。

[0082] [フッ素イオン濃度検出材料の製造]

実施例 1 と同様の方法により、 原料液 1 を得た。

原料液 1 とエタノールとを 1 : 1で混合し、 希釈液 1 を得た。

希釈液 1 に、 前処理した才ーガニックコッ トンを浸潰し、 その後才ーガニ ックコッ トンを取り出し、 1 3 0 ° 〇で 5分間乾燥させた。 上記の操作により 、 オーガニックコッ トンの繊維の表面で金属有機構造体を成長さ せた。

これにより、 フッ素イオン濃度検出材料 2を得た。 \¥0 2020/175442 19 卩(:171? 2020 /007369

[0083] 《フッ素イオン濃度の測定》

上述の方法により得られた 5つのフッ素イオン濃度検出材料 2 (2〇〇1 2 ) を、 それぞれ 0— 2 0 のフッ素イオンを含む水溶液 (5〇1 丨) に 3分 間から 3 0分間浸潰した。

[0084] 3分間浸漬後、 5分間浸漬後、 1 0分間浸漬後、 2 0分間浸漬後及び 3 0 分間浸漬後のそれぞれのサンプルについて、 実施例 2と同様の方法により、 を測定した。

[0085] その結果を図 6に示す。 図 6中、 I « 」 は 「◦/ [¾」 意味する。

図 6に示す通り、 を含むフッ素イオン濃度検出材料 2を用い た場合に、 フッ素イオン濃度が増加するに従って、 緑色の退色が確認できた 。 フッ素イオン濃度が 2 0 以下という低濃度の試料水を用いた場合で も、 丁匕 を含むフッ素イオン濃度検出材料 2を用いると、 より高感 度にフッ素イオンの存在を測定することが確 認できた。

[0086] <実施例 4 >

《才ーガニックコッ トンの前処理方法》

実施例 1 と同様の方法により、 オーガニックコッ トンの前処理を実施した。

[0087] 《セルロース側鎖である水酸基への部分的カ ルボキシメチル化》

実施例 1 と同様の方法により、 セルロース側鎖である水酸基への部分的カル ボキシメチル化前処理を実施した。

[0088] 《オーガニックコッ トンの繊維の表面での金属有機構造体の成長 》

次に、 オーガニックコッ トンの繊維の表面において、 金属有機構造体 (IV! 〇 ー6 7) を成長させた。

[0089] [フッ素イオン濃度検出材料の製造]

実施例 1 と同様の方法により、 原料液 1 を得た。

原料液 1 とエタノールとを 1 : 2で混合し、 希釈液 2を得た。

希釈液 2に、 前処理した才ーガニックコッ トンを浸潰し、 その後才ーガニ ックコッ トンを取り出し、 1 3 0 ° 〇で 5分間乾燥させた。 上記の操作により \¥0 2020/175442 20 卩(:171? 2020 /007369

、 オーガニックコッ トンの繊維の表面で金属有機構造体を成長さ せた。

これにより、 フッ素イオン濃度検出材料 3を得た。

[0090] 《フッ素イオン濃度の測定》

上述の方法により得られた 5つのフッ素イオン濃度検出材料 3 (2〇〇1 2 ) を、 それぞれ 0— 2 0 のフッ素イオンを含む水溶液 (5〇1 丨) に 3分 間から 3 0分間浸潰した。

[0091 ] 3分間浸漬後、 5分間浸漬後、 1 0分間浸漬後、 2 0分間浸漬後及び 3 0 分間浸漬後のそれぞれのサンプルについて、 実施例 2と同様の方法により、 を測定した。

[0092] その結果を図 7に示す。 図 7中、 I « 」 は 「◦/ [¾」 意味する。

図 7に示す通り、 を含むフッ素イオン濃度検出材料 3を用い た場合に、 フッ素イオン濃度が増加するに従って、 緑色の退色が確認できた 。 フッ素イオン濃度が 2 0 以下という低濃度の試料水を用いた場合で も、 丁匕 を含むフッ素イオン濃度検出材料 3を用いると、 より高感 度にフッ素イオンの存在を測定することが確 認できた。

[0093] <実施例 5 >

《才ーガニックコッ トンの前処理方法》

実施例 1 と同様の方法により、 オーガニックコッ トンの前処理を実施した。

[0094] 《セルロース側鎖である水酸基への部分的カ ルボキシメチル化》

実施例 1 と同様の方法により、 セルロース側鎖である水酸基への部分的カル ボキシメチル化前処理を実施した。

[0095] 《オーガニックコッ トンの繊維の表面での金属有機構造体の成長 》

次に、 オーガニックコッ トンの繊維の表面において、 金属有機構造体 (IV! 〇 ー6 7) を成長させた。

[0096] [フッ素イオン濃度検出材料の製造]

実施例 1 と同様の方法により、 原料液 1 を得た。

原料液 1 とエタノールとを 1 : 3で混合し、 希釈液 3を得た。 \¥0 2020/175442 21 卩(:171? 2020 /007369

希釈液 3に、 前処理した才ーガニックコッ トンを浸潰し、 その後才ーガニ ックコッ トンを取り出し、 1 3 0 ° 〇で 5分間乾燥させた。 上記の操作により 、 オーガニックコッ トンの繊維の表面で金属有機構造体を成長さ せた。

これにより、 フッ素イオン濃度検出材料 4を得た。

[0097] 《フッ素イオン濃度の測定》

上述の方法により得られた 5つのフッ素イオン濃度検出材料 4 (2〇〇1 2 ) を、 それぞれ 0— 2 0 のフッ素イオンを含む水溶液 (5〇1 丨) に 3分 間から 3 0分間浸潰した。

[0098] 3分間浸漬後、 5分間浸漬後、 1 0分間浸漬後、 2 0分間浸漬後及び 3 0 分間浸漬後のそれぞれのサンプルについて、 実施例 2と同様の方法により、 を測定した。

[0099] その結果を図 8に示す。 図 8中、 丨( 3 - 6¾ 6¾ „/〇 11 3 11 11 6 I « 」 は 「◦/ [¾」 意味する。

図 8に示す通り、 を含むフッ素イオン濃度検出材料 4を用い た場合に、 フッ素イオン濃度が増加するに従って、 緑色の退色が確認できた 。 フッ素イオン濃度が 2 0 以下という低濃度の試料水を用いた場合で も、 丁匕 を含むフッ素イオン濃度検出材料 4を用いると、 フッ素イ オンの存在を測定することが確認できた。

[0100] <実施例 6 >

《才ーガニックコッ トンの前処理方法》

実施例 1 と同様の方法により、 オーガニックコッ トンの前処理を実施した。

[0101 ] 《セルロース側鎖である水酸基への部分的カ ルボキシメチル化》

実施例 1 と同様の方法により、 セルロース側鎖である水酸基への部分的カル ボキシメチル化前処理を実施した。

[0102] 《オーガニックコッ トンの繊維の表面での金属有機構造体の成長 》

次に、 オーガニックコッ トンの繊維の表面において、 金属有機構造体 (IV!

〇 ー6 7) を成長させた。

[0103] [フッ素イオン濃度検出材料の製造] \¥0 2020/175442 22 卩(:171? 2020 /007369

実施例 1 と同様の方法により、 原料液 1 を得た。

原料液 1 とエタノールとを 1 : 4で混合し、 希釈液 4を得た。

希釈液 4に、 前処理した才ーガニックコッ トンを浸潰し、 その後才ーガニ ックコッ トンを取り出し、 1 3 0 ° 〇で 5分間乾燥させた。 上記の操作により 、 オーガニックコッ トンの繊維の表面で金属有機構造体を成長さ せた。

これにより、 フッ素イオン濃度検出材料 5を得た。

[0104] 《フッ素イオン濃度の測定》

上述の方法により得られた 5つのフッ素イオン濃度検出材料 5 (2〇〇1 2 ) を、 それぞれ 0— 2 0 のフッ素イオンを含む水溶液 (5〇1 丨) に 3分 間から 3 0分間浸潰した。

[0105] 3分間浸漬後、 5分間浸漬後、 1 0分間浸漬後、 2 0分間浸漬後及び 3 0 分間浸漬後のそれぞれのサンプルについて、 実施例 2と同様の方法により、 を測定した。

[0106] その結果を図 9に示す。 図 9中、 I « 」 は 「◦/ [¾」 意味する。

図 9に示す通り、 を含むフッ素イオン濃度検出材料 5を用い た場合に、 フッ素イオン濃度が増加するに従って、 緑色の退色が確認できた 。 フッ素イオン濃度が 2 0 以下という低濃度の試料水を用いた場合で も、 丁匕 を含むフッ素イオン濃度検出材料 5を用いると、 より高感 度にフッ素イオンの存在を測定することが確 認できた。

[0107] 図 1 0に、 実施例 2〜 6のフッ素イオン濃度検出材料を用いた場合 、 試 料水への浸潰時間 (1分間から 3 0分間) と、 感度との関係を示す。 感度は 、 フッ素イオン濃度を X、 をソとして求めた回帰直線の傾きの絶対値 である。 感度の単位は である。 回帰直線は、 解析ソフト 1\/1八丁 1_八巳を用いて最小二乗法により求めた。

[0108] 図 1 0に示すように、 実施例 2〜 6の中でも、 実施例 2〜 4は 1 0分間以 内の短時間で高い感度でフッ素イオンを検出 できた。 さらに実施例 3又は 4 は 5分間以内の短時間で、 さらに高感度でフッ素イオンを検出できた。 \¥0 2020/175442 23 卩(:171? 2020 /007369

[0109] <参考例 1 >

フッ素イオン濃度が、 〇 〇!、 5 〇1、 1 0 〇1、 1 5 〇1及び 2 0 の標準試料水を調整した。 それぞれの標準試料水に、 実施例 3の フッ素イオン濃度検出材料を 5分間浸漬したときの、 ◦ / の値を上記と同 様の方法により得た。 得られた◦ / の値を色素情報とする。

標準試料水の濃度 (X) と、 色素情報 (ソ) との相関関係を、 最小二乗法 を用いて一次方程式 (ソ= 3 + 13) に表した検量線を作成する。

得られた検量線を用いると、 試料水中に含まれるフッ素イオン濃度を測定 できる。

[01 10] <参考例 2 >

フッ素イオン濃度が、 〇 〇!、 5 〇1、 1 0 〇1、 1 5 〇1及び 2 0 の標準試料水を調整した。 それぞれの標準試料水に、 実施例 3の フッ素イオン濃度検出材料を 5分間浸漬したときの、 それそれのサンプルの デジタル画像を取得した。

得られたデジタル画像をコンピュータに取り 込み、 [¾巳〇解析ソフトを用 いて 巳色座標から、 サンプル画像全体の色素情報を算出し、 標準試料水 の濃度 (X) と、 色素情報 (V) との相関関係を表した検量線を作成する。

解析ソフトはこのような検量線が作成できる ソフトであれば特に限定 されず、 公知の市販ソフトを使用してもよく、 専用にプログラミングしたソ フトを用いることもできる。

得られた検量線を用いると、 試料水中に含まれるフッ素イオン濃度を測定 できる。

符号の説明

[01 1 1 ] 1 0 : スマートフォン、 1 1 :画像取得手段、 1 2 :配線、 1 3 : フッ素 イオン濃度検出部、 1 4 :治具、 1 5 :紫外光源、 1 6 :回路、 1 7 :回路 基板、 2 0 :光源群、 3 0 :試験液