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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRINTING WITH OFFSET PRINTING MACHINE, AND OFFSET PRINTING MACHINE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/142805
Kind Code:
A1
Abstract:
This invention provides a method for printing with an offset printing machine, and an offset printing machine. A low-whiteness printing sheet such as a newsprint paper is primer treated with a primer treatment agent, and printing quality is improved while avoiding primer treatment agent-derived clouding of a printing ink. A primer treatment agent such as a low-whiteness improving agent is supplied onto a printing face of a printing sheet. The primer treatment agent supplied onto the printing face is then dried, and offset printing is carried out on the printing sheet with a printing machine.

Inventors:
SUDA YASUHARU (JP)
OMAE FUMIKO (JP)
TABUCHI MITSURU (JP)
NISHIYAMA KOJI (JP)
AKATSUKA MASAKAZU (JP)
WAKISAKA FUMIO (JP)
Application Number:
PCT/JP2007/064563
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
July 25, 2007
Export Citation:
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Assignee:
MITSUBISHI HEAVY IND LTD (JP)
SUDA YASUHARU (JP)
OMAE FUMIKO (JP)
TABUCHI MITSURU (JP)
NISHIYAMA KOJI (JP)
AKATSUKA MASAKAZU (JP)
WAKISAKA FUMIO (JP)
International Classes:
B41F23/00; B41M1/18
Foreign References:
JPH02117877A1990-05-02
JPS4525649B1
JP2004306424A2004-11-04
JPS4525649B1
JPH02117877A1990-05-02
Other References:
See also references of EP 2156953A4
Attorney, Agent or Firm:
SANADA, Tamotsu (10-31 Kichijoji-honcho 1-chome, Musashino-sh, Tokyo 04, JP)
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Claims:
 オフセット印刷機による印刷方法であって、
 印刷用紙の印刷面に下地処理剤を供給する下地処理剤供給ステップと、
 前記下地処理剤供給ステップにより前記印刷面に供給された前記下地処理剤を乾燥させる乾燥ステップと、
 前記乾燥ステップにより乾燥された前記印刷用紙に対して前記オフセット印刷を実施する印刷ステップとをそなえている
ことを特徴とする、オフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤は、大気圧下で20℃の温度状態において粘度0.01~50Pの液状物であり、且つ、大気圧下で20℃の温度状態において粘度5cP以下で蒸気圧1mmHg以上の溶媒が含有されることを特徴とする、請求項1記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記乾燥ステップでは、前記下地処理剤に含有された溶媒を前記印刷用紙へ浸透させる浸透処理と、前記溶媒を大気中への揮発させる揮発処理と、の2つの処理工程を有することを特徴とする、請求項1又は2記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記印刷用紙は低白色度印刷用紙であって、
 前記オフセット印刷機は新聞用輪転機であることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤は、白色度向上剤であることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記白色度向上剤は、白色インキであることを特徴とする、請求項5記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤は、シアン,マゼンタ,イエローの基本インキ色及び白色,黒色のインキ色以外のインキ色の特色インキであることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤が水性であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤が油性であることを特徴とする、請求項1~7のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記乾燥処理ステップでは、加熱装置により前記下地処理剤を乾燥させることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤供給ステップでは、前記下地処理剤を印刷方式で前記印刷面に転写して供給することを特徴とする、請求項1~10のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤供給ステップでは、前記下地処理剤を所定の網点形状で前記印刷面に印刷することを特徴とする、請求項11記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 前記下地処理剤供給ステップでは、前記下地処理剤を前記印刷面における写真若しくは広告部分の印刷箇所を含むように前記印刷面の一部に供給することを特徴とする、請求項1~12のいずれか1項に記載のオフセット印刷機による印刷方法。
 印刷用紙にオフセット印刷を行なう印刷機であって、
 印刷装置の1色目のブランケット胴ニップ部よりも上流側に、前記印刷用紙の印刷面に下地処理剤を供給する下地処理剤供給部を具備する下地処理剤供給装置をそなえ、
 前記下地処理剤供給装置には、前記下地処理剤供給部の下流に前記印刷面に供給した前記下地処理剤を乾燥処理する乾燥処理部が備えられている
ことを特徴とする、オフセット印刷機。
 前記下地処理剤は、大気圧下で20℃の温度状態において粘度0.01~50Pの液状物であり、且つ、大気圧下で20℃の温度状態において粘度5cP以下で蒸気圧1mmHg以上の溶媒が含有されることを特徴とする、請求項14記載のオフセット印刷機。
 前記乾燥処理部は、前記下地処理剤に含有された溶媒を前記印刷用紙へ浸透させる浸透処理と、前記溶媒を大気中への揮発させる揮発処理とにより、前記乾燥処理を行うことを特徴とする、請求項14又は15記載のオフセット印刷機。
 前記印刷用紙は低白色度印刷用紙であって、
 新聞用輪転機として構成されていることを特徴とする、請求項14~16のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤は、白色度向上剤であることを特徴とする、請求項14~17のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記白色度向上剤は、白色インキであることを特徴とする、請求項18記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤は、シアン,マゼンタ,イエローの基本インキ色及び白色,黒色のインキ色以外のインキ色の特色インキであることを特徴とする、請求項14~17のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤が水性であることを特徴とする、請求項14~20のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤が油性であることを特徴とする、請求項14~20のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記乾燥処理部には、前記下地処理剤を加熱乾燥する加熱装置が備えられていることを特徴とする、請求項14~22のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記印刷用紙は低白色度印刷用紙であって、輪転機として構成されるとともに、
 前記下地処理剤供給装置は、給紙部から前記印刷装置の1色目のブランケット胴ニップ部までのうち、前記1色目のブランケット胴ニップ部に至るウェブパス長を変化させる装置よりも下流であって前記1色目のブランケット胴ニップ部よりも上流に配置されていることを特徴とする、請求項14記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤供給装置は、前記下地処理剤を印刷方式で前記印刷面に転写して供給することを特徴とする、請求項14~24のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤供給装置は、前記下地処理剤を所定の網点面積率以上の高網点面積率で前記印刷面に印刷することを特徴とする、請求項25記載のオフセット印刷機。
 前記下地処理剤供給装置は、前記下地処理剤を前記印刷面における写真若しくは広告部分の印刷箇所を含むように前記印刷面の一部に供給することを特徴とする、請求項14~26のいずれか1項に記載のオフセット印刷機。
Description:
オフセット印刷機による印刷方 及びオフセット印刷機

 本発明は、新聞輪転機及び新聞輪転機に る印刷に用いて好適の、オフセット印刷機 よる印刷方法及びオフセット印刷機に関す 。

 近年、カラー写真等の絵柄の印刷品質が大 に向上している。これは、印刷技術の向上 印刷用インキの品質向上もあるが、印刷用 の品質向上も大きく寄与している。逆にい ば、例えば新聞印刷のように、印刷用紙が 定される場合には、要求される印刷絵柄品 を十分に得られない場合がある。
 つまり、新聞輪転機に用いられる新聞用紙 、白色度(或いは明度)が他の印刷用紙に比 て低い。また、新聞用紙の場合、搬送性を 慮して坪量の低い軽量な用紙が用いられて り、しかも、多ページ化の流れに応じて用 の更なる軽量化が進められており、このた 、用紙の不透明性も他の印刷用紙に比べて 下している。

 このように新聞用紙の白色度や不透明性 低いことは、記事部分の印刷には大きな支 にはならないが、カラー写真等のカラー印 の場合やある程度の広さに高画線の印刷領 がある場合などには、不具合を招く。つま 、カラー印刷における白色は、用紙自体の に頼ることになるため、用紙の白色度が低 と、少なくともこの白色部分においては、 求される色調とは異なった色調となってし う。また、用紙の不透明性が低いと、高画 の印刷部分の裏側に裏抜けが生じ易くなる

 そこで、新聞印刷の場合、上述のように、 常の新聞用紙では白色部分の要求に対応で ない部分や、裏抜けが生じ易い部分に対し は、白色度の高い用紙や不透明性の高い用 に差し替えるなどによって対応している。
 しかし、白色度の高い新聞用紙の場合、新 用紙の白色度を向上させるために、製紙段 で白色材の微塗工や塗布を行なって製造す ため、値段の高いものになり、コスト増を く。特に、上述のように用紙を差し替える 、例えば、用紙差し替えの不要な裏面や、 一面であっても記事などの用紙差し替えの 要な部分についても値段の高い白色度の高 ものにすることになる。

 これに対して、特許文献1には、新聞用紙等 の平滑度や不透明性や白色度が低い用紙を用 いて、文字と写真とを同一紙面上に印刷する 場合に、紙面状の写真印刷個所に、平滑度や 不透明性や白色度を高める紙面改良剤を印刷 方式で部分的に加工した上で印刷を行なうこ とで、新聞用紙等を用いながら写真をより鮮 明に印刷する技術が提案されている。
 また、特許文献2には、白色度が低い通常の 新聞用紙に対して、写真や広告を印刷する個 所に、予め白色系のインキを載せて処理して おき、その後印刷を行なうことで、新聞用紙 を用いながら広告や写真等を求められた色調 に印刷しようとする技術が提案されている。

特公昭45-25649号公報

特開平2-117877号公報

 しかしながら、上記特許文献1,2の技術で 、印刷用紙を白色度の高いものに部分的に し替える場合に比べて、コスト低減を図れ 可能性はあるものの、これらの技術は、オ ラインで予め印刷用紙を処理するのでは処 時間や処理コストが新たな負担となるため 味が無く、オンラインでする必要があるが オンラインではいまだ実用化されていない が現状である。これは、印刷前段階の用紙( ウェブ)に対して、紙面改良剤で加工したり 色系インキを載せたりした場合、紙面改良 や白色系インキがなかなか乾燥しないため その後の印刷により転写されたインキに濁 が生じるなどの不具合が起こり、向上させ べき印刷品質が却って低下してしまうため 考えられる。

 なお、ここで言う紙面改良剤や白色系イ キなどの乾燥とは、印刷機の印刷部におい 印刷が開始される段階において、少なくと 紙面の下地処理剤が印刷部で転写される印 インキと混ざり合って印刷インキに濁りを じせしめることのない状態になることを指 。必ずしも、下地処理剤中に含有される溶 成分が、印刷用紙中に浸透する、あるいは 気中に揮発して、印刷用紙上の下地処理剤 から完全に除去される必要はない。

 つまり、通常、新聞印刷等のオフセット 刷では、各インキ色が重なることはあるも のインキの重なりは大きくないため、イン が十分に乾燥しない上に次のインキが載っ も大きな支障はないが、ベタ刷り或いは高 線率で紙面改良剤やインキを刷った上にイ キを重ね刷りすると、はじめに刷った紙面 良剤やインキが完了に乾燥しない上に次の ンキが載ると、はじめに刷った紙面改良剤 インキとが混合して濁りが生じるため、印 した色調が大幅に低下してしまうのである 特に、白色インキと他のインキが混ざると 色合いが大幅に変化してしまう。

 本発明は、このような課題に鑑み案出さ たもので、新聞用紙のように低白色度印刷 紙等に下地処理剤で下地処理を行なうと共 、下地処理剤により印刷用インキに濁りが じないようにして、印刷品質を向上させる とができるようにした、オフセット印刷機 よる印刷方法及びオフセット印刷機を提供 ることを目的とする。

 上記目標を達成するため、本発明のオフ ット印刷機による印刷方法は、オフセット 刷機による印刷方法であって、印刷用紙の 刷面に下地処理剤を供給する下地処理剤供 ステップと、前記下地処理剤供給ステップ より前記印刷面に供給された前記下地処理 を乾燥させる乾燥ステップと、前記乾燥ス ップにより乾燥された前記印刷用紙に対し 前記オフセット印刷を実施する印刷ステッ とをそなえていることを特徴としている。

 前記下地処理剤は、大気圧下で20℃の温度 態において粘度0.01~50Pの液状物であり、且つ 、大気圧下で20℃の温度状態において粘度5cP 下で蒸気圧1mmHg以上の溶媒が含有されるこ が好ましい。
 さらに、前記乾燥ステップでは、前記下地 理剤に含有された溶媒を前記印刷用紙へ浸 させる浸透処理と、前記溶媒を大気中への 発させる揮発処理と、の2つの処理工程を有 することが好ましい。

 前記乾燥処理ステップでは、加熱装置によ 前記下地処理剤を乾燥させることが好まし 。
 また、前記下地処理剤供給ステップでは、 記下地処理剤を印刷方式で前記印刷面に転 して供給することが好ましい。
 この場合、前記下地処理剤供給ステップで 、前記下地処理剤を所定の網点形状で前記 刷面に印刷することが好ましい。すなわち 下地処理剤は、ベタ刷りで印刷面に供給し も良いが、ベタ刷りでなく、適宜の網点形 で印刷面に供給することが好ましい。

 また、前記下地処理剤供給ステップでは、 記下地処理剤を前記印刷面における写真若 くは広告部分の印刷箇所を含むように前記 刷面の一部に供給することが好ましい。
 本発明のオフセット印刷機は、印刷用紙に フセット印刷を行なう印刷機であって、印 装置の1色目のブランケット胴ニップ部より も上流側に、前記印刷用紙の印刷面に下地処 理剤を供給する下地処理剤供給部を具備する 下地処理剤供給装置をそなえ、前記下地処理 剤供給装置には、前記下地処理剤供給部の下 流に前記印刷面に供給した前記下地処理剤を 乾燥処理する乾燥処理部が備えられているこ とを特徴としている。

 なお、本発明にかかるオフセット印刷機 、例えば、商業用オフセット輪転機(商オフ )や新聞輪転機に適用でき、これらの輪転機 は、2つのブランケット胴間のニップで印刷 るものが主流であるが、ブランケット胴と 胴とのニップで印刷するものもある。上記 ブランケット胴ニップ部は、これらのブラ ケット胴-ブランケット胴のニップ部及びブ ランケット胴-圧胴のニップ部も含むものと る。

 このオフセット印刷機においても、前記下 処理剤は、大気圧下で20℃の温度状態にお て粘度0.01~50Pの液状物(液体のほかに、スラ 等の、液体に固形物が混合した半固体状物 含む)であり、且つ、大気圧下で20℃の温度 態において粘度5cP以下で蒸気圧1mmHg以上の溶 媒が含有されることが好ましい。
 また、前記乾燥処理部は、前記下地処理剤 含有された溶媒を前記印刷用紙へ浸透させ 浸透処理と、前記溶媒を大気中への揮発さ る揮発処理とにより、前記乾燥処理を行う とが好ましい。

 前記乾燥処理部には、前記下地処理剤を加 乾燥する加熱装置が備えられていることが ましい。
 また、前記印刷用紙は低白色度印刷用紙で って、本オフセット印刷機が輪転機として 成されるとともに、前記下地処理剤供給装 は、給紙部から前記印刷装置の1色目のブラ ンケット胴ニップ部までのうち、前記1色目 ブランケット胴ニップ部に至るウェブパス を変化させる装置よりも下流であって前記1 目のブランケット胴ニップ部よりも上流に 置されていることが好ましい。

 なお、上記のウェブパス長を変化させる装 とは、例えば、給紙テンションの変動を吸 するフローティングローラや印刷ユニット 口のテンションをコントロールするダンサ ローラ等である。
 また、前記下地処理剤供給装置は、前記下 処理剤を印刷方式で前記印刷面に転写して 給することが好ましい。

 この場合、前記下地処理剤供給装置は、前 下地処理剤を所定の網点面積率以上の高網 面積率で前記印刷面に印刷することが好ま い。
 また、前記下地処理剤供給装置は、前記下 処理剤を前記印刷面における写真若しくは 告部分の印刷箇所を含むように前記印刷面 一部に供給することが好ましい。

 なお、前記のオフセット印刷機による印刷 法及びオフセット印刷機において、前記印 用紙は低白色度印刷用紙(具体的には、新聞 用紙)であって、前記オフセット印刷機は新 用輪転機であることが好ましい。
 さらに、前記下地処理剤は、白色度向上剤 あることが好ましい。
 この場合の白色度向上剤は、白色インキで ることが好ましい。

 あるいは、前記下地処理剤は、シアン,マゼ ンタ,イエローの基本インキ色及び白色,黒色 インキ色以外のインキ色の特色インキであ ことが好ましい。
 また、前記下地処理剤は、水性であっても く、油性であってもよい。

 本発明のオフセット印刷機による印刷方 及びオフセット印刷機によれば、印刷用紙 印刷面に下地処理剤を供給し、印刷面の下 処理剤を乾燥させた上で印刷用紙に対して フセット印刷を実施するので、下地処理後 転写されるインキが下地処理剤と混ざって ンキに濁りが生じるなどの下地処理による 影響が防止され、下地処理された印刷面に 好に印刷が施される。

 また、下地処理剤を、大気圧下で20℃の 度状態において、粘度0.01~50P程度の液状物と することにより、例えばローラを介して印刷 用紙の印刷面に下地処理剤を転移写供給する 場合に、適切に供給することができる。つま り、下地処理剤の粘度が50P程度よりも大きく なると、下地処理剤が硬過ぎてローラを介し たインキの転移がし難くなり、逆に、下地処 理剤の粘度が例えば水相当の粘度0.01P程度よ も低下すると、ローラによる下地処理剤の 送性能が低下し、供給が困難となるおそれ ある。

 さらに、下地処理剤に、大気圧下で20℃の 度状態において粘度5cP程度以下で蒸気圧が1m mHg以上の溶媒を含有させることにより、印刷 用紙の印刷面に印刷インキを転写される前に 、下地処理剤を乾燥させやすくなる。
 また、下地処理剤に含有された溶媒を印刷 紙へ浸透させる浸透処理と、溶媒を大気中 の揮発させる揮発処理とにより、乾燥処理 行うことにより、下地処理剤の乾燥を速や に達成することができる。

 また、オフセット印刷機が、印刷用紙と て低白色度印刷用紙である新聞用紙を用い 新聞用輪転機の場合、用紙の紙質から、例 ばフルカラーの写真や色調に関する要求の しい広告については目標の色調に印刷する が困難な場合があるが、インキに濁りが生 ないようにしながら下地処理を行なうこと 、困難であった目標の色調に印刷すること できるようになる。

 下地処理剤として、例えば白色インキ等の 色度向上剤を用いることで、低白色度印刷 紙の白色度を向上させて、色調要求が厳し 場合にも、目標の色調に印刷することが可 になる。
 また、下地処理剤として、シアン,マゼンタ ,イエローの基本インキ色及び白色,黒色のイ キ色以外のインキ色の特色インキを用いる とで、例えば広告などを印象的な色彩に表 することが可能になる。

 また、加熱装置により下地処理剤を積極的 乾燥することで、下地処理剤をより速やか 乾燥することができ、特に、高速で印刷す 場合に適している。
 また、前記印刷用紙として低白色度印刷用 を用いる輪転機に適用する場合、下地処理 供給装置を、給紙部から前記印刷装置の1色 目のブランケット胴ニップ部に至るウェブパ ス長を変化させる装置よりも下流であって前 記1色目のブランケット胴ニップ部よりも上 に配置することで、下流側の印刷装置にお る印刷用紙の位相に対応させて下地処理剤 供給することができ、例えば、印刷用紙の 定の箇所のみに下地処理を行なうことが容 となる。

 また、下地処理剤を印刷方式で前記印刷面 転写して供給することにより、下地処理が 易になると共に、上記の印刷用紙の所定の 所のみに下地処理を行なうことも容易とな 。
 この場合、下地処理剤を所定の網点形状で 刷面に印刷すれば、下地処理剤を適宜の濃 に供給することができる。

 下地処理剤を印刷面における写真若しく 広告部分の印刷箇所を含むように印刷面の 部に供給すれば、効率よく下地処理を行な 、処理コストを抑制することができる。ま 、記事と写真や広告とが混在する紙面にお て、記事部分はむしろ下地処理をしない方 読み易くなる場合もあり、このような場合 も容易に対応することができる。

図1は本発明の第1実施形態にかかるオ セット印刷機の要部構成を示す説明図であ 。 図2(a),(b)は本発明の各実施形態にかか 下地処理剤の乾燥に関する概念図であり、 2(a)は下地処理剤の乾燥前の状態を示し、図2 (b)は下地処理剤の乾燥進行後の状態を示す。 図3は本発明の各実施形態にかかる下地 処理剤に含有される溶媒の粘度と紙への浸透 速度との関係を示す図である。 図4は本発明の各実施形態にかかる下地 処理剤含有される溶媒の粘度と蒸気圧との関 係を示す図である。 図5は本発明の第1実施形態にかかる新 用紙の印刷面を示す正面図である。 図6は本発明の第1実施形態にかかるオ セット印刷機による印刷方法を説明するフ ーチャートである。 図7は本発明の第2実施形態にかかるオ セット印刷機の要部構成を示す説明図であ 。 図8は本発明の第3実施形態にかかるオ セット印刷機の要部構成を示す説明図であ 。

符号の説明

 1 給紙部
 1a 巻取紙
 2 インフィード部
 2a インフィードローラ
 2b ダンサーローラ
 3a,3b,3c ガイドローラ
 4 下地処理剤供給装置
 4A 下地処理剤処理部
 4B 乾燥処理部
 4a,4c 下地処理剤供給ロール
 4b,4d 版胴
 5 加熱装置
 6 印刷部(印刷装置)
 7 フローティングローラ
 10 印刷用紙としての新聞用紙(ウェブ)
 11a,11b 印刷面(印刷ページ)
 12 記事を印刷する箇所
 13 写真の印刷箇所
 14,15 広告の印刷箇所

 以下、図面により、本発明の実施の形態に いて説明する。
〔第1実施形態〕
 まず、本発明の第1実施形態について説明す ると、図1~6は本発明の第1実施形態について 明するもので、図1はそのオフセット印刷機 要部構成を示す説明図、図2はその下地処理 剤の乾燥に関する概念図、図3はその下地処 剤に含有される溶媒の粘度と紙への浸透速 との関係を示す図、図4はその下地処理剤に 有される溶媒の粘度と蒸気圧との関係を示 図、図5はその新聞用紙の印刷面を示す正面 図、図6はそのオフセット印刷機による印刷 法を説明するフローチャートである。

 本実施形態は、オフセット印刷機としての 聞輪転機に関し、図1に示すように、新聞輪 転機の印刷部(印刷装置)6の上流側に、印刷す るウェブ状(連続紙の状態)の新聞用紙(以下、 ウェブとも言う)10の印刷面に下地処理剤を供 給する下地処理剤供給装置4を追加したもの ある。ここでは、下地処理剤として白色イ キを用いる例を説明するので、下地処理剤 給装置については白色インキ供給装置4とも ぶことにする。なお、新聞用紙(ウェブ)10は 、例えば白色度54~55%,坪量42~44g/m 2 程度の一般的なものとするが、これに限るも のではない。

 つまり、新聞輪転機では、給紙部1に巻取紙 1aとして装備されたウェブ10をインフィード 2から繰り出して印刷部6に搬送し、印刷部6 備えられた印刷ユニット(図示略)で所要色の インキを転写した上で、冷却部,ウェブパス 及び折機(何れも図示せず)を経て折帳として 出力する。
 インフィード部2は、インフィードローラ2a 、移動してウェブパス距離を変更しながら ェブ10の張力を調整するダンサーローラ2bと 、インフィードローラ2aとウェブ10を挟んで 向して配置されたガイドローラ3aと、ダンサ ーローラ2bからのウェブ10の出側に配置され ガイドローラ3bとを備えて構成され、ウェブ 10を設定された状態に保持しながら印刷部7に 向けて送り出すようになっている。

 なお、印刷部6には、単色印刷の場合には単 数の印刷ユニットが備えられるが、ここでは 、フルカラー等の多色印刷を行なうように複 数の印刷ユニットが備えられている。
 このような既存の新聞輪転機におけるイン ィード部2のウェブパス長を変化させる装置 であるダンサーローラ2bよりも下流であって 印刷装置の1色目のブランケット胴ニップ部 (図示略)よりも上流(ここでは、印刷部6入口 ガイドローラ3c部分よりも上流)に、下地処 剤供給装置4が追加されている。

 なお、本実施形態は、既存の印刷機に下地 理剤供給装置としての白色インキ供給装置4 を追加するものであり、既存の印刷機をより 有効に利用する構成として、図1に示すガイ ローラ3bを下地処理剤供給装置の圧胴の代わ りに用いることも考えられる。
 下地処理剤供給装置(白色インキ供給装置)4 、下地処理剤処理部(白色インキ供給部)4Aと 、乾燥処理部4Bとを備えている。

 下地処理剤供給部4Aは、一般的なオフセ ト印刷の印刷ユニットと同様に構成され、 地処理剤を刷版に供給する下地処理剤供給 ール4a,4cと、下地処理剤の印刷領域に応じた 刷版を装着された版胴4b,4dとを備えている。 た、必要に応じて、下地処理剤供給ロール4 a,4cの位置に版胴を備え、これらの下地処理 供給ロール4a,4cから受けた下地処理剤をウェ ブ10の表面(印刷面)に転写する転写胴を版胴4b ,4dの位置に備えるようにしてもよい。この場 合の転写胴は、例えば、商業用オフセット輪 転機(商オフ)や新聞輪転機のブランケット胴 相当するものでも差し支えない。

 ここでは、ウェブ10の両面に、下地処理 を転写するものとしているので、ウェブ10の 一面側に下地処理剤供給ロール4a及び版胴4b 有する第1の下地処理剤供給系が配備され、 ェブ10の他面側に下地処理剤供給ロール4c及 び版胴4dを有する第2の下地処理剤供給系が配 備されているが、ウェブ10の片面側のみに下 処理剤を転写するのであれば、不要な側の 地処理剤供給系は使用しないように設定す か、或いは、はじめから不要な側の下地処 剤供給系を装備しないようにしても良い。

 また、下地処理剤供給装置4における下流に 設けられた乾燥処理部4Bは、ウェブ10の印刷 に転写した下地処理剤を乾燥するもので、 実施形態では、乾燥処理部4Bに、下地処理剤 を加熱乾燥する加熱装置5が備えられている
 なお、加熱装置5としては、温風をウェブ10 印刷面に吹き付けることによる乾燥する温 方式や、高温蒸気をウェブ10の印刷面に吹 付けることによる乾燥する蒸気方式や、赤 線を照射する方法や、これらの組み合わせ もの(いずれも、非接触方式)、或いは、ウェ ブ10の印刷面に高温ロールを接触させウェブ1 0速度と同期した周速度で回転させるように た、高温ロール方式など種々のものが適用 きる。

 ここで、前記温風方式、前記蒸気方式、前 赤外線照射方法、前記高温ロール方式のい れについても印刷面からではなく印刷面の 側から加熱乾燥させることもできる。さら 、下地処理剤が電子線、紫外線などによる ネルギー線硬化型である場合は、電子線や 外線照射による乾燥装置とすることもでき 。
 特に、高温蒸気を適宜用いると、ウェブ10 加熱に伴う水分低下によるウェブの収縮等 不具合が防止されるため好ましい。例えば 高温ローラをウェブに接触させる接触方式 ものとすることも可能であり、別途高温ロ ラを設けることもできるし、ガイドローラ3C を発熱させて接触式で乾燥させることもでき る。ここでは、温風と高温蒸気とを混合させ た非接触方式のものを用いている。

 なお、例えば白色インキのような下地処 剤としては、基準状態(大気圧下で20℃の温 状態)で粘度が0.01~50Pであるものが、特にロ ラを用いた下地処理剤供給にとって適切な 度である。すなわち、粘度が50P程度よりも きいと下地処理剤が硬すぎてローラを介し インキの転移がし難く成る。一方、ローラ よる下地処理剤の搬送性能が低下し、供給 困難となることを防ぐために、下地処理剤 粘度下限も例えば水相当の粘度0.01P程度と ることが好ましい。

 次に、下地処理剤の乾燥特性に及ぼす下地 理剤中の溶媒特性について説明する。
 乾燥工程は、下地処理剤に含有された溶媒 、印刷用紙への浸透工程(浸透処理)と、大 中への揮発工程(揮発処理)と、の2つの工程 ら乾燥が実施される。
 図2は、下地処理剤の乾燥工程を説明する概 念図であるが、図示するように、下地処理剤 20には、少なくとも、着色剤としての顔料21 バインダー樹脂22、溶媒23が含有されており 下地処理剤20により形成される下地処理層 、印刷用紙10に塗布された直後には、図2(a) 示すように、顔料21、バインダー樹脂22、溶 23が何れも含有されているが、乾燥工程が むに従って、図2(b)に示すように、このうち 溶媒23が除去されていく。

 この乾燥工程では、溶媒の印刷用紙中への 透と、溶媒の揮発による大気中への拡散と 同時に進行しながら、下地処理剤の乾燥が 成される。この際、当然ながら、溶媒が印 用紙中に速やかに浸透するほど、また、溶 が速やかに揮発するほど、下地処理剤の乾 が速やかに達成されることになる。
 印刷機上において印刷用紙の印刷面に下地 理剤を供給し、引き続いて印刷部6で転写さ れる印刷インキで画像や文字を印刷するため には、下地処理剤の乾燥速度が十分に速くな くてはならず、この乾燥速度を速くすること を狙って下地処理剤の溶媒は選定されるが、 その選定の基準として室温における溶媒の粘 度と蒸発速度がポイントとなる。

 溶媒と印刷用紙の濡れ性に大きな差がない 合、つまり、撥水処理などを施さない通常 紙の場合、図3に示すように、溶媒の粘度が 低いほど溶媒の印刷用紙への浸透速度が速い 傾向がある。
 なお、図3は、粘度が異なるアルコール系溶 媒について、熊谷理機工業(株)のブリストウ( Bristow)式液体動的吸収試験機で測定した紙へ 溶媒の浸透速度(1秒あたり単位面積の紙へ 溶媒浸透量、ml/m 2 ・sec)を示すグラフである。更に詳細には、 25mm×長さ1000mmの新聞紙を幅25mm×直径318.5mmφ 試料円板周囲に巻き付け、幅15mm、スリット 1mmのヘッドボックスに40μlの溶媒を充填し 、ヘッドボックスと新聞紙との接触圧力0.1MP a、円板回転速度1.25~250mm/secの範囲で測定した 結果である。

 下地処理剤を乾燥するための加熱装置等の 担を軽減し、例えば加熱装置を用いること く常温で且つ短時間(印刷用紙の短い走行距 離区間)で下地処理剤の乾燥を完了するため は、紙への浸透速度が少なくとも5ml/m 2 ・sec以上、好ましくは10ml/m 2 ・sec以上が好適であり、その時の溶媒粘度は それぞれ、5cP以下、好ましくは3cP以下、より 好ましくは1cP以下であることが図3より見出 ことができる。

 さらに、図4に示すように、粘度が低い溶媒 ほど基本的に室温での蒸気圧が高い傾向があ り、室温での蒸発速度も速くなる。
 なお、図4は、本発明の下地処理剤に使用可 能と考えられる溶媒を、脂肪族炭化水素溶媒 、塩素系炭化水素溶媒、アルコール系溶媒、 エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、水に分類し 、大気圧下、室温(20℃)における溶媒の粘度 蒸気圧の関係を調査した結果を示すグラフ ある。

 下地処理剤を乾燥するための加熱装置等の 担を軽減し、例えば加熱装置を用いること く常温で且つ短時間(印刷用紙の短い走行距 離区間)で下地処理剤の乾燥を完了するため は、溶媒の蒸気圧は少なくとも1mmHg以上、好 ましくは10mmHg以上、より好ましくは50mmHg以上 が好適であることが図4より見出すことがで る。
 従って、本発明の課題である「印刷用紙(ウ ェブ)が印刷部6で印刷インキを転写される前 、白色インキなどの下地処理剤を乾燥させ 」ためには、本発明の下地処理剤に用いる 媒は、大気圧下、20℃の温度状態において 粘度5cP以下且つ蒸気圧1mmHg以上、好ましくは 粘度3cP以下且つ蒸気圧10mmHg以上、より好まし くは粘度1cP以下且つ蒸気圧50mmHg以上のものが 好適である。もちろん、粘度と蒸気圧との最 適領域の組み合わせはこれに限らず、粘度の 方をより限定したものにしたり、蒸気圧の方 をより限定したものにしたりしてもよい。

 ただし、本発明でいう乾燥状態とは、少 くとも紙面の下地処理剤が印刷部6で転写さ れる印刷インキと混ざり合って印刷インキに 濁りを生じせしめることのない状態になるこ とであり、下地処理剤中の全ての溶媒が、紙 面上の下地処理層から印刷用紙中、あるいは 大気中に移行する必要はない。従って、乾燥 性を速くするための溶媒は、下地処理剤中に 重量部として1~30%含有されていれば良い。1% 満であると乾燥性向上の効果が発現しない 一方、30%以上であると乾燥、とりわけ蒸発 早すぎて印刷機上での下地処理剤のハンド ングが難しくなるという不具合が発生する それが高くなる。

 また、転写性、画質、メンテナンス性、貯 安定性、安全性など下地処理剤に求められ 他の特性付与のために、必要であれば、乾 性を速くするための溶媒の他に、大気圧下 20℃において粘度5cP以上、蒸気圧1mmHg以下の 溶媒を適当量含んでいても良いことはいうま でもない。
 なお、この下地処理剤供給装置4によるウェ ブ10上への下地処理剤の供給は、図5の印刷及 び切断された新聞紙11に示すように、印刷面( 印刷ページ)11a,11bにおける所要の箇所(ここで は、写真の印刷箇所13及び広告の印刷箇所14,1 5)のみに行なうようになっている。なお、新 紙11へ供給する下地処理剤は、その一例と て、白色インキがあげられる。記事を印刷 る箇所12には、白色インキを供給しない。つ まり、所要の箇所13,14,15に応じた白色インキ の刷版を用意し、版胴4b,4dに装着し印刷を なうことで、このような処理を行なうこと できる。

 なお、白色インキ、あるいは基本インキや 色インキ用の刷版は、印刷部分をベタ(網点 面積率100%)刷りとしても良いが、ベタ刷りで ない適宜の網点形状としても良い。この場 、ウェブ10の印刷面の白色度、あるいはイ キの光学濃度の向上をある程度実現しなが 、各インキの乾燥をはやめることができる
 また、白色インキ供給装置4は、上述のよう に、インフィード部2のウェブパス長を変化 せる装置であるダンサーローラ2bより下流で あって、印刷装置の1色目のブランケット胴 ップ部の上流に設けられるので、白色イン 用の刷版を印刷部6における各刷版の位相と わせることが容易であり、上記のような所 の箇所13,14,15への白色インキの印刷を確実 行なえるものになっている。

 本発明の第1実施形態にかかるオフセット印 刷機としての新聞輪転機は上述のように構成 されているので、図6のフローチャートに示 ように、ウェブ10の表面(印刷面)への印刷が なわれる。
 つまり、まず、給紙部1からインフィード部 2で張力状態を調整されながら送り出された ェブ10の印刷面に、白色インキ供給装置4の 色インキ供給部4Aにより白色インキ(下地処 剤)が供給される(ステップS10;下地処理剤供 ステップ)。この白色インキの供給は、印刷 式で所要の箇所13,14,15(図5)のみに行なわれ 。

 次に、ウェブ10は乾燥処理部4Bに進み、加熱 装置5により印刷面上の白色インキ(下地処理 )が加熱され乾燥処理される(ステップS20;乾 ステップ)。そして、印刷部6において印刷 行なわれる(ステップS30; 印刷ステップ)。
 上述のように、印刷面上の白色インキは乾 処理され、印刷部6において印刷が開始され る段階では、印刷部6で転写される印刷イン に対して混ざり合って印刷インキに濁りを じせしめることの無い状態になっているの 、印刷インキに濁りが生じることなく印刷 行なわれる。

 これにより、白色度の低い新聞用紙(ウェ ブ)10の表面が白色インキにより高い白色度に 処理された上に、フルカラーの写真(図5の印 箇所13)や広告(図5の印刷箇所14,15)が印刷イ キに濁り等を生じることなく印刷されるこ になり、高白色度の下地を利用して再現し い色調の印刷を実現できるようになる。写 の場合には、原画に忠実に印刷することが 能になり、広告の場合には、例えば原画に 実に印刷することやより鮮やかで広告効果 高い印刷を実現するができる。

 特に、白色インキを印刷面における写真 所や広告箇所のみに、つまり、印刷面の一 に供給するので、効率よく下地処理を行な 、処理コストを抑制することができる。ま 、記事部分12は下地処理をしないことでむ ろ読み易くなる。

〔第2実施形態〕
 次に、本発明の第2実施形態について説明す ると、図7は本発明の第2実施形態のオフセッ 印刷機の要部構成を示す説明図である。図7 において、図1と同符号は同様なものを示し これらの説明は一部省略する。

 第1実施形態では、下地処理剤供給装置( 地処理剤供給部4A及び乾燥処理部4B)4が既存 新聞輪転機に追加されたものとしているが 本実施形態は、下地処理剤供給装置4をはじ から新聞輪転機に組み込んだものとしてい 。つまり、図7に示すように、印刷ユニット 6a,6b等を備えた印刷部6の上流部に、これに並 んで、下地処理剤供給装置4が装備されてい 。これ以外は、第1実施形態と同様に構成さ る。なお、本実施形態では、下地処理剤と て白色インキを用いた場合を例に説明する

 なお、本実施形態の場合も、第1実施形態 と同様に、白色インキ供給装置4は、インフ ード部2のウェブパス長を変化させる装置で るダンサーローラ2bよりも下流(ただし、こ では、ウェブ10を印刷装置6に導くガイドロ ラ3cの下流)であって、印刷装置6の1色目の 刷ユニット6aのブランケット胴ニップ6cより 上流に設けられるので、白色インキ用の刷 を印刷部6における各刷版の位相と合わせる ことが容易であり、上記第1実施形態で説明 た所要の箇所13,14,15への白色インキの印刷を 確実に行なえるものになっている。

 このような構成によっても、第1実施形態 と同様に、印刷インキに白色インキによる濁 り等が生じることなく印刷インキによる印刷 が行なわれるようになって、高白色度の下地 を利用して再現したい色調の印刷を実現でき るようになるという効果が得られる。

〔第3実施形態〕
 次に、本発明の第3実施形態について説明す ると、図8は本発明の第3実施形態のオフセッ 印刷機の要部構成を示す説明図である。図8 において、図1と同符号は同様なものを示し これらの説明は一部省略する。本実施形態 も、下地処理剤として白色インキを用いた 合を例に説明する。

 本実施形態では、下地処理剤供給装置4自体 は、第1,2実施形態と同様であるが、印刷機の 下地処理剤供給装置4よりも上流の部分が第1, 2実施形態とは異なっている。
 つまり、第1,2実施形態では、ウェブパス長 変化させる装置としてダンサーローラを備 ているが、本実施形態では、図8に示すよう に、ダンサーローラはなく、ウェブパス長を 変化させる装置としてフローティングローラ 7が備えられている。

 このフローティングローラ7は給紙テンシ ョンの変動を吸収する装置であり、輪転機の 加減速時やペースター時や緊急停止時などに 給紙テンションが下がった場合には、図8中 左側(二点鎖線部参照)の方向へ動きテンショ ン低下分を吸収する。逆に給紙テンションが 上がった場合は、図8の右側(二点鎖線部参照) の方向へ動きテンション上昇分を吸収する。

 なお、第1,2実施形態で説明したダンサー ーラ2b及びインフィードローラ2a(図1,図7参 )は,印刷ユニット入口のテンションを積極的 に検出してダンサーローラ2bの位置及びイン ィードローラ2aの周速を変えてテンション 動を抑え、印刷ユニット入口のテンション 安定させる為の装置であり、ダンサーロー 2bを駆動する駆動装置をそなえるが、このフ ローティングローラ7は特に駆動装置はつい おらず(単なる振り子ローラ)、単に、テンシ ョン変動を吸収するための装置である。しか し、ウェブパス長を変化させる点では、ダン サーローラ2b及びインフィードローラ2aと共 する。

 したがって、ウェブ10の所要の箇所に対し 白色インキの供給といった下地処理をする 合、下地処理をした印刷位置の位相がウェ パス長の変化によって生じる印刷位置の位 ズレを防ぐために、白色インキ供給装置(下 処理剤供給装置)4を、ウェブパス長を変化 せる装置であるフローティングローラ7より 下流に配置している。
 このような構成によっても、第1,2実施形態 同様に、印刷インキに白色インキによる濁 等が生じることなく印刷されるようになっ 、高白色度の下地を利用して再現したい色 の印刷を実現できるようになるという効果 得られる。

 なお、「ウェブパス長を変化させる装置 が複数ある場合は、給紙部から1色目のブラ ンケット胴のニップ部までのうち、より下流 側に位置する「ウェブパス長を変化させる装 置」よりも下流側に白色インキ供給装置(下 処理剤供給装置)4を配置することが好ましい 。

〔その他〕
 以上、本発明の実施の形態を説明したが、 発明はかかる構成に限定されるものではな 、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、かか 構成を適宜変更して実施することができる のである。

 例えば、上記の実施の形態では、新聞輪転 を例に説明したが、本発明は新聞輪転機に らずオフセット印刷機に広く適用しうる。
 また、下地処理剤として、白色インキを用 ているが、白色度を向上させる場合にも、 えば脱色剤等の白色インキ以外の白色度向 剤を用いても良い。脱色剤を用いる場合に 、印刷機上では洗浄工程は実施し難いため この脱色剤は新聞紙の着色成分と自分自身 昇華(あるいは蒸発)するような薬剤である とが要求される。

 また、下地処理を行なう対象の印刷用紙 、新聞用紙のような低白色度の印刷用紙に らない。当然ながら、下地処理剤も白色度 上剤に限るものではなく、例えば透明イン (例えばニスなど)をはじめとした用紙表面 平滑性を向上させるものや、例えば金属成 を含有するインキや、反射率向上剤といっ 明度(白色度とは異なる)を向上させるものな ども適用できる。

 また、下地処理剤として、白色以外の特 インキ、つまり、シアン,マゼンタ,イエロ の基本インキ色及び白色,黒色のインキ色以 のインキ色の特色インキを用いることも考 られる。このような特色インキの下地への 用は、色彩の表現バリエーションが大幅に 加し、極めて印象の高い発色も可能になる め、特に、広告に採用することで、広告効 の向上に寄与しうる。

 また、下地処理剤を複数用いるようにして よい。つまり、白色インキ供給装置4のよう な下地処理剤供給装置を複数設けて、それぞ れ異なる下地処理を行なう。これによれば、 例えば、同一紙面上に白色度の向上とその他 の色の明度の向上や表面平滑化等の異なる下 地処理を実施することができ、印刷に対する さまざまな要求に対応することができる。
 また、上記の実施形態では、印刷面におけ 写真箇所や広告箇所については、白色イン (下地処理剤)を全領域に供給しているが、 真箇所や広告箇所の中の必要な箇所のみに 色インキ(下地処理剤)を部分的に供給しても よい。つまり、下地がほとんどでない領域に は下地処理を施さないようにする。これによ り、より効率よく下地処理を行なえ、処理コ ストをさらに抑制することができる。なお、 この場合も、下地処理の輪郭は大きめに取っ て、インキにより下地がほとんどない領域の 境界部分にも下地処理を行なうようにして、 下地処理しない箇所が露出しないようにする ことが好ましい。

 また、上記の実施形態では、乾燥処理部4 Bに加熱装置5を装備したが、前述のように、 色インキ等の下地処理剤が速乾性のもので って常温で短期間に乾燥するものであれば 乾燥処理部4Bの具体例として、乾燥処理部4B を、加熱装置5を装備しない単なるスペース すなわち自然乾燥(または常温乾燥)区間とす ることも可能である。

 本発明は、新聞用紙のように低白色度印 用紙に印刷を行なうものに用いることによ 印刷品質を向上させることができ、オフセ ト印刷機による印刷方法及びオフセット印 機に広く適用することができる。