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Patent Searching and Data


Title:
METHOD FOR PRODUCING PLASMA DISPLAY PANEL
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/130896
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a low-power-consumption plasma display panel having display performance with high fineness and high luminance. Specifically, after forming a base film (91), a metal oxide paste composed of metal oxide particles, an organic component containing a photopolymerization initiator, a water-soluble cellulose derivative and a photopolymerizable monomer, and a diluent solvent is applied thereto, and agglomerated particles wherein a plurality of metal oxide particles are agglomerated are adhered to the base film (91) by exposing, developing and firing the paste film. The metal oxide paste contains the metal oxide particles in an amount of not more than 1.5% by volume.

Inventors:
ISHINO SHINICHIRO
SAKAMOTO KOYO
MIZOKAMI KANAME
OOE YOSHINAO
MIYAMAE YUICHIRO
Application Number:
PCT/JP2009/001843
Publication Date:
October 29, 2009
Filing Date:
April 22, 2009
Export Citation:
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Assignee:
PANASONIC CORP (JP)
ISHINO SHINICHIRO
SAKAMOTO KOYO
MIZOKAMI KANAME
OOE YOSHINAO
MIYAMAE YUICHIRO
International Classes:
H01J11/02; H01J9/02; H01J11/12; H01J11/22; H01J11/24; H01J11/34; H01J11/40
Foreign References:
JP2007059309A2007-03-08
JP2001093409A2001-04-06
JP2000227656A2000-08-15
JP2009059696A2009-03-19
JP2007048733A2007-02-22
JP2002260535A2002-09-13
Other References:
See also references of EP 2187423A4
Attorney, Agent or Firm:
NAITO, Hiroki et al. (JP)
Hiroki Naito (JP)
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Claims:
基板上に形成した表示電極を覆うように誘電体層を形成するとともに前記誘電体層上に保護層を形成した前面板と、前記前面板に放電空間を形成するように対向配置されかつ前記表示電極と交差する方向にアドレス電極を形成するとともに前記放電空間を区画する隔壁を設けた背面板とを有するプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記前面板の前記保護層を形成する保護層形成工程は、
前記誘電体層上に下地膜を蒸着して形成する下地膜形成工程と、
前記下地膜に、金属酸化物粒子と有機成分と希釈溶剤とを含む金属酸化物ペーストを塗布して金属酸化物ペースト膜を形成するペースト膜形成工程と、
前記ペースト膜を露光、現像して前記下地膜上に所定のパターン形状にペースト膜を残存させる露光現像工程と、
前記下地膜上に残存した前記ペースト膜を焼成することにより前記有機成分を除去して前記金属酸化物粒子を前記下地膜上に付着させる金属酸化物粒子付着工程とを備え、
前記金属酸化物ペーストとして、前記金属酸化物粒子の含有量が1.5体積%以下で、前記有機成分には、光重合開始剤と、水溶性セルロース誘導体と、光重合性単量体とを含むものを用いることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
前記金属酸化物ペースト中に含まれる前記金属酸化物粒子の含有量が0.01体積%以上であるものを用いることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
Description:
プラズマディスプレイパネルの 造方法

 本発明は、プラズマディスプレイパネル 製造方法に関する。

 プラズマディスプレイパネル(以下、PDPと 称する)はフラットパネルディスプレイ(FPD)の 中でも高速表示が可能であり、かつ大型化が 容易であることから、映像表示装置および広 報表示装置などの分野で広く実用化されてい る。

 一般的にAC駆動面放電型PDPは3電極構造を 用しており、前面板と背面板の2枚のガラス 基板が所定の間隔で対向配置された構造とな っている。前面板は、ガラス基板上に形成さ れたストライプ状の走査電極および維持電極 よりなる表示電極と、この表示電極を被覆し て電荷を蓄積するコンデンサとしての働きを する誘電体層と、この誘電体層上に形成され た厚さ1μm程度の保護膜とで構成されている 一方、背面板は、ガラス基板上に複数形成 れたアドレス電極と、このアドレス電極を う下地誘電体層と、その上に形成された隔 と、隔壁によって仕切られた表示セル内に 布された赤色、緑色および青色にそれぞれ 光する蛍光体層とで構成されている。

 前面板と背面板とはその電極形成面側を 向させて気密封着され、隔壁によって仕切 れた放電空間にネオン(Ne)-キセノン(Xe)の放 ガスが53kPa~80.0kPaの圧力で封入されている。 PDPは、表示電極に映像信号電圧を選択的に印 加することによって放電させ、その放電によ って発生した紫外線が各色蛍光体層を励起し て赤色、緑色、青色の発光をさせてカラー画 像表示を実現している(特許文献1参照)。

 このようなPDPにおいて、前面板の誘電体 上に形成される保護層の役割としては、放 によるイオン衝撃から誘電体層を保護する と、アドレス放電を発生させるための初期 子を放出することなどがあげられる。イオ 衝撃から誘電体層を保護することは、放電 圧の上昇を防ぐ重要な役割であり、またア レス放電を発生させるための初期電子を放 することは、画像のちらつきの原因となる ドレス放電ミスを防ぐ重要な役割である。

 保護層からの初期電子の放出数を増加さ て画像のちらつきを低減するためには、例 ば酸化マグネシウム(MgO)にシリコン(Si)やア ミニウム(Al)を添加するなどの試みが行われ ている。

 近年、テレビは高精細化が進んでおり、 場では低コスト・低消費電力・高輝度のフ HD(ハイ・ディフィニション)(1920×1080画素:プ ログレッシブ表示)PDPが要求されている。保 層からの電子放出特性はPDPの画質を決定す ため、電子放出特性を制御することは非常 重要である。

 このようなPDPにおいて、保護層に不純物 混在させることで電子放出特性を改善しよ とする試みが行われている(特許文献2)。し しながら、保護層に不純物を混在させ、電 放出特性を改善した場合、これと同時に保 層表面に電荷が蓄積され、メモリー機能と て使用しようとする際の電荷が時間ととも 減少する減衰率が大きくなってしまうため これを抑えるための印加電圧を大きくする の対策が必要になる。

 このように保護層の特性として、高い電 放出能を有するとともに、メモリー機能と ての電荷の減衰率を小さくする、すなわち い電荷保持特性を有するという、相反する つの特性を併せ持たなければならないとい 課題があった。

特開2007-48733号公報

特開2002-260535号公報

 本発明のPDPの製造方法は、基板上に形成 た表示電極を覆うように誘電体層を形成す とともに誘電体層上に保護層を形成した前 板と、前面板に放電空間を形成するように 向配置されかつ表示電極と交差する方向に ドレス電極を形成するとともに放電空間を 画する隔壁を設けた背面板とを有するプラ マディスプレイパネルの製造方法であって 前面板の保護層を形成する保護層形成工程 、誘電体層上に下地膜を蒸着して形成する 地膜形成工程と、下地膜に、金属酸化物粒 と有機成分と希釈溶剤とを含む金属酸化物 ーストを塗布して金属酸化物ペースト膜を 成するペースト膜形成工程と、ペースト膜 露光、現像して下地膜上に所定のパターン 状にペースト膜を残存させる露光現像工程 、下地膜上に残存した前記ペースト膜を焼 することにより有機成分を除去して金属酸 物粒子を前記下地膜上に付着させる金属酸 物粒子付着工程とを備え、金属酸化物ペー トとして、金属酸化物粒子の含有量が1.5体 %以下で、有機成分として、光重合開始剤と 、水溶性セルロース誘導体と、光重合性単量 体とを含むものである。

 このような構成によれば、下地膜上に所 のパターン形状で金属酸化物粒子を含むペ スト膜を形成することができるため、下地 上に金属酸化物粒子を面内に離散的に均一 付着させることができて、金属酸化物粒子 被覆率分布を均一とすることができる。そ 結果、電子放出特性を改善するとともに、 荷保持特性も併せ持った、低消費電力、高 細で高輝度の表示性能を備えたPDPを実現す ことができる。

図1は本発明の実施の形態におけるPDPの 製造方法により製造されたPDPの構造を示す斜 視図である。 図2は同PDPの前面板の構成を示す断面図 である。 図3は同PDPの保護層の形成工程を示すフ ローチャートである。 図4は結晶粒子のカソードルミネッセン ス測定結果を示す図である。 図5は本発明の実施の形態におけるPDPの 電子放出性能とVscn点灯電圧の特性を示す図 ある。 図6は結晶粒子の粒径と電子放出性能の 関係を示す図である。 図7は結晶粒子の粒径と隔壁破損確率と の関係を示す特性図である。 図8は凝集粒子と粒度分布の一例を示す 図である。

 以下、本発明の実施の形態について図面 参照しながら説明する。

 (実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態におけるPDPの製 造方法により製造されたPDP1の構造を示す斜 図である。前面ガラス基板3などよりなる前 板2と、背面ガラス基板11などよりなる背面 10とが対向して配置され、その外周部をガ スフリットなどからなる封着材によって気 封着されている。PDP1内部の放電空間16には ネオン(Ne)およびキセノン(Xe)などの放電ガス が53.3kPa~80.0kPaの圧力で封入されている。前面 板2の前面ガラス基板3上には、走査電極4およ び維持電極5よりなる一対の帯状の表示電極6 ブラックストライプ(遮光層)7が互いに平行 それぞれ複数列配置されている。前面ガラ 基板3上には表示電極6と遮光層7とを覆うよ にコンデンサとしての働きをする誘電体層8 が形成され、さらにその表面に酸化マグネシ ウム(MgO)などからなる保護層9が形成されてい る。

 また、背面板10の背面ガラス基板11上には 、前面板2の走査電極4および維持電極5と直交 する方向に、複数の帯状のアドレス電極12が いに平行に配置され、これを下地誘電体層1 3が被覆している。さらに、アドレス電極12間 の下地誘電体層13上には、放電空間16を区画 る所定の高さの隔壁14が形成されている。隔 壁14間の溝には、蛍光体層15が形成されてい 。蛍光体層15は、紫外線によって赤色、緑色 および青色にそれぞれ発光する。走査電極4 よび維持電極5とアドレス電極12とが交差す 位置には、放電セルが形成され、カラー表 のための画素になる。

 図2は、本発明の実施の形態におけるPDP1の 面板2の構成を示す断面図であり、図2は図1 上下反転させて示している。図2に示すよう 、フロート法などにより製造された前面ガ ス基板3に、走査電極4と維持電極5よりなる 示電極6とブラックストライプ(遮光層)7がパ ターン形成されている。走査電極4と維持電 5はそれぞれインジウムスズ酸化物(ITO)や酸 スズ(SnO 2 )などからなる透明電極4a、5aと、透明電極4a 5a上に形成された金属バス電極4b、5bとによ 構成されている。金属バス電極4b、5bは、透 電極4a、5aの長手方向に導電性を付与する目 的として用いられ、銀(Ag)材料を主成分とす 導電性材料によって形成されている。誘電 層8は、前面ガラス基板3上に形成されたこれ らの透明電極4a、5aと金属バス電極4b、5bと遮 層7を覆って設けた、第1誘電体層81と、第1 電体層81上に形成された第2誘電体層82の少な くとも2層構成としている。

 次に、本発明におけるPDPの特徴である保 層9の構成について説明する。図2に示すよ に、保護層9は、下地膜91と下地膜91上に分布 させた凝集粒子92とにより構成されている。 地膜91は、誘電体層8上に、酸化マグネシウ (MgO)、もしくはアルミニウム(Al)を含有する 化マグネシウム(MgO)から構成されている。 らに、その下地膜91上に、金属酸化物である 酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子が複数個凝 した凝集粒子92が離散的、かつ全面に亘っ ほぼ均一に分布されている。また、凝集粒 92は、下地膜91上に2%~12%の範囲の被覆率で付 させている。

 ここで、被覆率とは、1個の放電セルの領 域において、凝集粒子92が付着している面積a を1個の放電セルの面積bの比率で表したもの 、被覆率(%)=a/b×100の式により求めたもので る。実際に測定する場合の方法としては、 えば、隔壁14により区切られた1個の放電セ に相当する領域をカメラにより画像を撮影 、x×yの1セルの大きさにトリミングする。 の後、トリミング後の撮影画像を白黒デー に2値化し、その後その2値化したデータに基 づき凝集粒子92による黒エリアの面積aを求め 、上述したように、a/b×100の式により演算す ことにより求めたものである。

 次に、PDPの製造方法について説明する。 ず、図2に示すように、前面ガラス基板3上 、走査電極4および維持電極5とブラックスト ライプ(遮光層)7とを形成する。これらの透明 電極4a、5aと金属バス電極4b、5bは、フォトリ グラフィ法などを用いてパターニングして 成される。透明電極4a、5aは薄膜プロセスな どを用いて形成され、金属バス電極4b、5bは (Ag)材料を含むペーストを所定の温度で焼成 て固化している。また、ブラックストライ (遮光層)7も同様に、黒色顔料を含むペース をスクリーン印刷する方法や黒色顔料を前 ガラス基板3の全面に形成した後、フォトリ ソグラフィ法を用いてパターニングし、焼成 することにより形成される。

 そして、走査電極4、維持電極5からなる 示電極6およびブラックストライプ(遮光層)7 覆うように前面ガラス基板3上に誘電体ペー ストをダイコート法などにより塗布して誘電 体ペースト膜(誘電体材料層)(図示せず)を形 する。その後、誘電体ペースト膜を焼成固 することにより、走査電極4、維持電極5およ びブラックストライプ(遮光層)7を覆う誘電体 層8が形成される。なお、誘電体ペーストは ラス粉末などの誘電体材料、バインダおよ 溶剤を含む塗料である。

 さらに、誘電体層8上に酸化マグネシウム (MgO)からなる下地膜91を真空蒸着法により形 する。

 以上のステップにより、前面ガラス基板3 上に、本発明におけるPDP1の凝集粒子92以外の 所定の構成要素である表示電極6、遮光層7、 電体層8、下地膜91が形成される。

 次に、本発明の実施の形態におけるPDP1の 保護層9を形成する製造工程について、図3を いて説明する。図3はPDP1の保護層9の形成工 を示すフローチャートである。図3に示すよ うに、誘電体層8を形成する誘電体層形成工 A1を行った後、次の下地膜蒸着工程A2におい 、アルミニウム(Al)を含む酸化マグネシウム (MgO)の焼結体を原材料とした真空蒸着法によ て、主として酸化マグネシウム(MgO)からな 下地膜91を誘電体層8上に形成する。

 その後、下地膜蒸着工程A2において形成 た未焼成の下地膜91上に、金属酸化物粒子と なる酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子が凝集 た凝集粒子92を、離散的に付着形成させる 集粒子付着工程A3に入る。

 凝集粒子付着工程A3には以下の工程が含 れる。すなわち、ペースト膜形成工程A31で 、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子である金 属酸化物粒子と、有機成分と、希釈溶剤とよ りなる光重合組成物の金属酸化物ペーストを 下地膜91上に塗布してペースト膜を形成する 次に、露光現像工程A32では、下地膜91上に 成したペースト膜を露光現像して下地膜91上 に所定のパターン形状でペースト膜を残存さ せる。また、金属酸化物粒子付着工程A33では 、残存したペースト膜を焼成することにより 金属酸化物ペースト中の有機成分を除去し、 下地膜91上に金属酸化物の結晶粒子が凝集し 凝集粒子92を付着させた保護層9を形成する とができる。この結果、下地膜91と凝集粒 92とよりなる保護層9を形成することができ 。

 ここで、露光現像工程A32では、紫外線、 キシマレーザー、X線、電子線などの光重合 開始剤を活性化させる所定波長の活性光線を 用い、所定のパターン形状が形成されたネガ 型フォトマスクを介して金属酸化物ペースト を露光する。次いで水を用いて現像処理を施 し、未露光部分を溶解除去することにより、 下地膜91上に金属酸化物粒子を含むペースト を所定のパターン形状となるように形成し いる。また、露光装置としてはフォトリソ ラフィ法で一般的に使用されている紫外線 射装置、半導体および液晶表示装置を製造 る際に使用されている露光装置などが使用 きる。また、現像液には水が使用でき、現 方法としては、浸漬法、揺動法、シャワー 、スプレー法、パドル法等が挙げられる。

 また、金属酸化物粒子形成工程A33におけ 焼成プロセスでは、下地膜91上に残存した ースト膜中の有機成分を熱分解、揮散する うに数百℃の所定温度プロファイル、雰囲 で行っている。

 また、露光現像工程A32の前工程として、 ースト膜を乾燥させる乾燥工程が含まれて る。

 なお、本発明の金属酸化物ペーストの詳 については、後ほど述べるが、金属酸化物 ーストは、ペースト中に含まれる金属酸化 の粒子の含有量が1.5体積%以下で、有機成分 として、光重合開始剤と、水溶性セルロース 誘導体と、光重合性単量体とを含むものであ る。また、金属酸化物ペースト中に分散され る金属酸化物粒子は、基本的には一次粒子と しての結晶粒子が分散されるが、これらの一 次粒子がペースト中で数個の凝集粒子を形成 して、これらの凝集粒子が下地膜91上に形成 れる。

 なお、以上の説明では、下地膜91として、 化マグネシウム(MgO)を主成分としたが、本発 明によれば、下地膜91としてはイオン衝撃か 誘電体層8を守るための高い耐スパッタ性能 をもたせ、電子放出性能がそれほど高くなく てもよい。すなわち、従来のPDPでは、一定以 上の電子放出性能と耐スパッタ性能という二 つを両立させるため、酸化マグネシウム(MgO) 主成分とした保護層9を形成する場合が多か った。しかしながら、本発明においては、金 属酸化物の結晶粒子によって電子放出性能を 支配的に制御する構成としている。そのため 、下地膜91は酸化マグネシウム(MgO)である必 は全くなく、酸化アルミニウム(Al 2 O 3 )などの耐スパッタ性能に優れる他の材料を いても全く構わない。

 また、上述の説明では、金属酸化物の結 粒子として酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒 を用いて説明したが、この他の結晶粒子で 、酸化マグネシウム(MgO)同様に高い電子放出 性能をもつ、ストロンチウム(Sr)、カルシウ (Ca)、バリウム(Ba)、アルミニウム(Al)などの 属酸化物による結晶粒子を用いても同様の 果を得ることができる。そのため、結晶粒 としては、特に酸化マグネシウム(MgO)に限定 されるものではない。

 以上の工程により、前面ガラス基板3上に 、表示電極6、ブラックストライプ(遮光層)7 誘電体層8、下地膜91、酸化マグネシウム(MgO) の凝集粒子92が形成される。

 一方、背面板10は次のようにして形成さ る。まず、背面ガラス基板11上に、銀(Ag)材 を含むペーストをスクリーン印刷する方法 、金属膜を全面に形成した後、フォトリソ ラフィ法を用いてパターニングする方法な によりアドレス電極12用の構成物となる材料 層を形成する。この材料層を所定の温度で焼 成することによりアドレス電極12を形成する 次に、アドレス電極12が形成された背面ガ ス基板11上に、ダイコート法などによりアド レス電極12を覆うように誘電体ペーストを塗 して誘電体ペースト膜を形成する。その後 誘電体ペースト膜を焼成することにより下 誘電体層13を形成する。なお、誘電体ペー トはガラス粉末などの誘電体材料とバイン および溶剤を含んだ塗料である。

 次に、下地誘電体層13上に隔壁14の材料を 含む隔壁形成用ペーストを塗布して所定の形 状にパターニングすることにより、隔壁材料 層を形成する。その後、この隔壁材料層を焼 成することにより隔壁14を形成する。ここで 下地誘電体層13上に塗布した隔壁用ペース をパターニングする方法としては、フォト ソグラフィ法やサンドブラスト法を用いる とができる。次に、隣接する隔壁14間の下地 誘電体層13上および隔壁14の側面に蛍光体材 を含む蛍光体ペーストを塗布し、焼成する とにより蛍光体層15が形成される。以上の工 程により、背面ガラス基板11上に所定の構成 材を有する背面板10が完成する。

 このようにして所定の構成部材を備えた 面板2と背面板10とを表示電極6とアドレス電 極12とが直交するように対向配置して、その 囲をガラスフリットで封着し、放電空間16 ネオン(Ne)、キセノン(Xe)などを含む放電ガス を封入することによりPDP1が完成する。

 ここで、本発明の金属酸化物ペーストは ペースト中に含まれる金属酸化物の粒子の 有量が1.5体積%以下で、有機成分として、光 重合開始剤と、水溶性セルロース誘導体と、 光重合性単量体などの光重合性組成物を含む ものである。

 なお、光重合開始剤としては、公知のも を用いることができ、例えば、ベンゾフェ ン類、ベンゾイン類、ベンゾインアルキル ーテル類、アセトフェノン類、アミノアセ フェノン類、ベンジル類、ベンゾインアル ルエーテル類、ベンジルアルキルケタール 、アントラキノン類、ケタール類、チオキ ントン類等が挙げられる。

 具体的な例として2,4-ビス-トリクロロメ ル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)フェニル-s-トリア ン、2,4-ビス-トリクロロメチル-6-(2-ブロモ-4 -メトキシ)フェニル-s-トリアジン、2,4-ビス- リクロロメチル-6-(3-ブロモ-4-メトキシ)スチ ルフェニル-s-トリアジン、2,4-ビス-トリク ロメチル-6-(2-ブロモ-4-メトキシ)スチリルフ ニル-s-トリアジン、2,4,6-トリメチルベンゾ ルジフェニルホスフィノキシド、1-〔4-(2-ヒ ドロキシエトキ)フェニル〕-2-ヒドロキシ-2- チル-1-プロパン-1-オン、2,4-ジエチルチオキ ントン、2,4-ジメチルチオキサントン、2-ク ロチオキサントン、1-クロロ-4-プロポキシ オキサントン、3,3-ジメチル-4-メトキシベン フェノン、ベンゾフェノン、1-(4-イソプロ ルフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン- 1-オン、1-(4-ドデシルフェニル)-2-ヒドロキシ- 2-メチルプロパン-1-オン、4-ベンゾイル-4'-メ ルジメチルスルフィド、4-ジメチルアミノ 息香酸、4-ジメチルアミノ安息香酸メチル、 4-ジメチルアミノ安息香酸エチル、4-ジメチ アミノ安息香酸ブチル、4-ジメチルアミノ安 息香酸-2-エチルヘキシル、4-ジメチルアミノ 息香酸-2-イソアミル、2,2-ジエトキシアセト フェノン、ベンジルジメチルケタール、ベン ジル-β-メトキシエチルアセタール、1-フェニ ル-1,2-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニ )オキシム、o-ベンゾイル安息香酸メチル、 ンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエ テル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ ンイソプロピルエーテル、ベンゾイン-n-ブ ルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ 、p-ジメチルアミノアセトフェノン、p-tert- チルトリクロロアセトフェノン、p-tert-ブチ ルジクロロアセトフェノン、チオキサントン 、2-メチルチオキサントン、2-イソプロピル オキサントン、ジベンゾスベロン、α,α-ジ ロロ-4-フェノキシアセトフェノン、ペンチ -4-ジメチルアミノベンゾエート、2-(o-クロロ フェニル)-4,5-ジフェニルイミダゾリル二量体 などを挙げることができる。これらは単独で 用いてもよいし、2種以上を組合せて用いて よい。

 この光重合開始剤は、光重合性組成物中 0.1~5体積%の範囲、より好ましくは0.5~2体積% 範囲が好適に用いられる。光重合開始剤が0 .1体積%未満の場合、露光による硬化性が低下 する。また、光重合開始剤が5体積%を超える 合、現像による解像性が悪化するなどのパ ーニング不良が見られる。

 また、水溶性セルロース誘導体は公知の のでよく、特に限定されないが、例えば、 ドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエ ルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル ルロース、エチルヒドロキシエチルセルロ ス、ヒドロキシプロピルメチルセルロース が挙げられる。これらは単独で用いてもよ し、2種類以上を混合して用いてもよい。

 この水溶性セルロース誘導体はバインダ 脂として機能するが、紫外線、エキシマレ ザー、X線、電子線などの光重合開始剤を活 性化させて重合反応を開始させるために照射 する活性光線に対する透過率が高く、精度の 高いパターン形成ができる。

 なお、上記水溶性セルロース誘導体は、 重合性組成物中、5~20体積%の範囲、より好 しくは8~12体積%の範囲が好適に用いられる。 水溶性セルロース誘導体が5体積%未満の場合 スクリーン印刷法で塗布する場合などは、 キージとスクリーン版との間で摩擦力が大 くなるためにスキージのノッキングが発生 て印刷性が低下する。また、水溶性セルロ ス誘導体が20体積%を超える場合、金属酸化 ペースト膜を形成した後に焼成して有機成 を燃焼除去する際に、燃焼残渣が残留しや くなるなどの現象が見られる。

 また、希釈溶剤は、水溶性セルロース誘 体に溶解することができるものであれば特 限定されない。例えば、エチレングリコー モノメチルエーテル、エチレングリコール ノエチルエーテル、プロピレングリコール ノメチルエーテル、プロピレングリコール ノエチルエーテル、ジエチレングリコール ノメチルエーテル、ジエチレングリコール ノエチルエーテル、ジエチレングリコール メチルエーテル、ジエチレングリコールジ チルエーテル、プロピレングリコールモノ チルエーテルアセテート、プロピレングリ ールモノエチルエーテルアセテート、2-メ キシブチルアセテート、3-メトキシブチルア セテート、4-メトキシブチルアセテート、2- チル-3-メトキシブチルアセテート、3-メチル -3-メトキシブチルアセテート、3-エチル-3-メ キシブチルアセテート、2-エトキシブチル セテート、4-エトキシブチルアセテート、4- ロポキシブチルアセテート、2-メトキシペ チルアセテート、などを、単独または2種以 を組合せても使用できるが、より好ましく 、ジエチレングリコールモノブチルエーテ とターピネオールを混合したものがよい。

 また、光重合性単量体は公知のものでよ 、特に限定されないが、例えば、エチレン リコールジアクリレート、エチレングリコ ルジメタクリレート、トリエチレングリコ ルジアクリレート、トリエチレングリコー ジメタクリレート、トリメチロールプロパ トリアクリレート、トリメチロールプロパ トリメタクリレート、トリメチロールエタ トリアクリレート、トリメチロールエタン リメタクリレート、ペンタエリトリトール アクリレート、ペンタエリトリトールジメ クリレート、ペンタエリトリトールトリア リレート、ペンタエリトリトールトリメタ リレート、ペンタエリトリトールテトラア リレート、ペンタエリトリトールテトラメ クリレート、ジペンタエリトリトールテト アクリレート、ジペンタエリトリトールテ ラメタクリレート、ジペンタエリトリトー ペンタクリレート、ジペンタエリトリトー ペンタメタクリレート、ジペンタエリトリ ールヘキサアクリレート、ジペンタエリト トールヘキサメタクリレート、グリセロー アクリレート、グリセロールメタクリレー 、カルドエポキシジアクリレートなどが挙 られる。

 この光重合性単量体は、光重合性組成物 、3~15体積%の範囲、より好ましくは5~10体積% の範囲が好適に用いられる。光重合性単量体 が3体積%未満の場合、露光時に硬化不足とな 現像時にパターン剥れが発生する。また、 重合性単量体が15体積%を超える場合には、 像性が悪化してパターニング不良が見られ ため好ましくない。

 また、本発明の光重合性組成物は、必要 応じて、紫外線吸収剤、増感剤、増感助剤 重合禁止剤、可塑剤、増粘剤、有機溶媒、 散剤、消泡剤、有機あるいは無機の沈殿防 剤などの添加剤を加えることができる。

 増感剤は、光に対する感度を向上させる めに添加される。このような増感剤として 体的には、2,4-ジエチルチオキサントン、イ ソプロピルチオキサントン、2,3-ビス(4-ジエ ルアミノベンザル)シクロペンタノン、2,6-ビ ス(4-ジメチルアミノベンザル)シクロヘキサ ン、2,6-ビス(4-ジメチルアミノベンザル)-4-メ チルシクロヘキサノン、4,4-ビス(ジメチルア ノ)カルコン、4,4-ビス(ジエチルアミノ)カル コン、p-ジメチルアミノシンナミリデンイン ノン、p-ジメチルアミノベンジリデンイン ノン、2-(p-ジメチルアモノフェニルビニレン )-イソナフトチアゾール、1,3-ビス(4-ジメチル アミノベンザル)アセトン、1,3-カルボニル-ビ ス(4-ジエチルアミノベンザル)アセトン、3,3- ルボニル-ビス(7-ジエチルアミノクマリン) N-フェニル-N-エチルエタノールアミン、N-フ ニルエタノールアミン、N-トリルジエタノ ルアミン、ジメチルアミノ安息香酸イソア ル、ジエチルアミノ安息香酸イソアミル、3- フェニル-5-ベンゾイルチオテトラゾール、1- ェニル-5-エトキシカルボニルチオテトラゾ ルなどが挙げられる。これらは1種のみを使 用してもよいし、2種以上を併せて使用して よい。

 重合禁止剤は、保存時の熱安定性を向上 せるために添加される。このような重合禁 剤として具体的には、ヒドロキノン、ヒド キノンのモノエステル化物、N-ニトロソジ ェニルアミン、フェノチアジン、p-t-ブチル テコール、N-フェニルナフチルアミン、2,6- -t-ブチル-p-メチルフェノール、クロラニー 、ピロガロールなどが挙げられる。

 可塑剤は、印刷性向上のために添加する とができる。例えば、ジブチルフタレート( DBP)、ジオクチルフタレート(DOP)、ポリエチレ ングリコール、グリセリン、酒石酸ブチルな どが挙げられる。

 消泡剤は、光重合性組成物中の気泡を減 させ、金属酸化物ペースト膜中の空孔を減 させるために添加される。このような消泡 として具体的には、ポリエチレングリコー (分子量400~800)などのアルキレングリコール 、シリコン系、高級アルコール系の消泡剤 どが挙げられる。

 以上に挙げた有機成分をペースト状また 液状に調製して金属酸化物と希釈溶剤を3本 ロールでよく混練し、支持フィルム上に塗布 、乾燥してシート状にして基板にラミネート してもよい。またスクリーン印刷法などを用 いて、直接基板上に塗布乾燥し、露光、現像 することによりパターンニングして用いても よい。

 シート状にして使用する場合は、支持フ ルムとして、例えば、厚さ15~125μmのポリエ レンテレフタレート、ポリエチレン、ポリ ロピレン、ポリカーボネート、ポリ塩化ビ ルなどの合成樹脂フィルムなどからなる可 性フィルムが挙げられる。この支持フィル には必要に応じて、基板などへの転写が容 となるようにシリコン(Si)処理などの離型処 理をしてもよい。また、このような光重合性 組成物を有するシートには、未使用時の安定 性を向上させるために、保護フィルムを貼着 するとよい。このような保護フィルムとして は、シリコンをコーティングまたは焼き付け した厚さ15~125μm程度のポリエチレンテレフタ レートフィルム、ポリプロピレンフィルム、 ポリエチレンフィルムなどを用いることがで きる。

 次に、本発明に用いる金属酸化物ペース の具体的な実施例について説明する。本発 の実施の形態では表1に示す組成の金属酸化 物ペーストを調製した。

 すなわち、まず、ジエチレングリコール ノブチルエーテルとターピネオールの希釈 剤に、水溶性セルロース誘導体としてのヒ ロキシプロピルセルロースを混合し、加熱 ながら攪拌、溶解してヒドロキシプロピル ルロース溶液とした。次に、この溶液を室 に戻し、さらに光重合性単量体としての2- タクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシプロ ルフタレート(商品名HO-MPP、共栄社化学(株) )と、光重合開始剤としての2-メチル-1[4-(メ ルチオ)フェニル]-2-モリフォリノプロパン-1- オン(商品名IR-907、チバガイギー(株)社製)と ジエチルチオキサントン(商品名DETX-S、日本 薬(株)社製)とを加えて溶解して有機ビーク を作製した。この有機ビークルと、金属酸 物粒子としての酸化マグネシウム(MgO)粒子 を3本ローラミルで混合、分散して光重合性 成物を作製する。この光重合性組成物に、 らに、ジエチレングリコールモノブチルエ テルとターピネオールを加えて粘度調整を い、30μmのフィルターを用いて濾過して金 酸化物ペーストを作成した。

 なお、表1には、金属酸化物ペースト中の 、それぞれの含有量を変えた組成物(1)、組成 物(2)、組成物(3)について示し、これらの組成 物において露光現像工程における基板との密 着性と解像性とを評価した。

 以上のように調整した金属酸化物ペース を、図2に示すように、走査電極4、維持電 5、遮光層7、誘電体層8、下地層91が形成され た基板上に、スクリーン印刷法を用いて塗布 して金属酸化物ペースト膜を形成し、その後 、95℃で5分間乾燥した。なお、スクリーン版 にはL380Sメッシュを使用した。

 次に、ネガ型のパターン形成用フォトマス を介して活性光線を照射し、金属酸化物ペ スト膜を露光量100mJ/cm 2 で露光した。その後、30℃に保持した市水で スプレー法によりブレークポイントの2倍時 間かけて現像し、光硬化されなかった部分を 水に溶出させた。なお、「ブレークポイント 」とは、このような光重合性組成物のペース トを露光せずに現像した場合に、ペーストが 現像液に全て溶解するまでの時間である。

 パターン形成用フォトマスクは、活性光 を透過するガラス基板からなり、活性光線 吸収する黒色の顔料または塗料が塗布また 染色された遮光部と、活性光線を透過する 過部で構成されている。

 密着性を評価するフォトマスクは、透過 が、200μm、150μm、100μm、75μm、50μm、40μm、3 0μm、20μm、10μmの9種類の異なる幅に形成され ており、同幅のものをそれぞれ5本ずつ合計90 本が遮光部内に設けられている。幅が等しい 透過部どうしは、その幅の2倍の間隔をあけ 互いに隣り合っている。つまり、50μm幅の透 過部の場合には、50μmの幅の透過部と、100μm 幅の遮光部とが交互に設けられている。

 このフォトマスクを介して金属酸化物ペ スト膜に活性光線を照射すると、透過部に 射した活性光線のみが透過してペースト膜 入射してペースト膜がフォトマスクの透過 のパターン形状のように露光される。そし 、光重合性組成物のペースト膜の露光され 部分では、厚さ方向全域に渡って光重合が われ、幅の異なる複数のライン状の潜像が ースト膜に形成される。これを現像するこ で、基板上にライン状に形成された幅の異 る凸部パターンを得ることができる。

 一方、解像性を評価するフォトマスクは 遮光部が、200μm、150μm、100μm、75μm、50μm、 40μm、30μm、20μm、10μmの9種類の異なる幅に形 成されており、同幅のものをそれぞれ5本ず 合計90本が透過部内に設けられている。幅が 等しい遮光部どうしは、その幅の2倍の間隔 あけて互いに隣り合っている。つまり、50μm の幅の遮光部の場合には、50μmの幅の遮光部 、100μmの幅の透過部とが交互に設けられて る。このフォトマスクを介してペースト膜 活性光線を照射すると、透過部に入射した 性光線のみが透過してペースト膜に入射し ペースト膜が露光される。これを現像する 、基板上にライン状に形成された幅の異な 凹部パターンを得ることができる。

 以上のようにして得られたパターンにつ て、それぞれ凸部で密着性を評価し、凹部 解像性を評価した。

 このようなフォトマスクにより得られたパ ーンに基づいて密着性を評価した。上記し ように、ペースト膜を露光すると、光硬化 十分に行われれば、200μm、150μm、100μm、75μ m、50μm、40μm、30μm、20μm、10μmの幅の凸部が れぞれ5本ずつ基板上に形成される。しかし 、ペースト膜の底部における光硬化が不十分 である場合には、現像液に潜像部分が溶出し てしまい、基板上に凸部が形成されない。こ こでは、幅の異なる9種類の透過部を透過し 光によって硬化し、基板上に形成されたラ ン状の凸部が、現像後に十分に密着した状 で形成されたか否かを観察し密着性を評価 た。そして、例えば、50mJ/cm 2 で露光したときに、9種類の透過部のうち、5 とも基板上に密着した状態で形成できた最 の凸部に対応するパターン側の透過部の線 (μm)を観察した。

 一方、解像性の評価は、露光量に対する 化が良好に進めば、200μm、150μm、100μm、75μ m、50μm、40μm、30μm、20μm、10μmの幅の凹部が れぞれ5本ずつ基板上に形成される。しかし 、光重合性組成物の感度が高い場合には、遮 光部分も光重合反応が進む、本来現像液に溶 解しなければならない部分も硬化して基板上 に凹部が形成されない。ここでは、幅の異な る9種類の現像後の凹部形状を観察し、5本と 完全に溶出されている最小線幅部分の凹部 対応するパターン側の遮光部の線幅(μm)を 察した。

 その結果、表1において、組成物(1)の現像 後のパターンは、密着性10μm、解像性10μmと 好なパターンが形成されているが、組成物(2 )は、光重合反応が十分に進んでいないため 現像時にパターンが剥れてしまい、金属酸 物ペースト膜のパターンを形成することが きなかった。一方、組成物(3)は、遮光部ま 光重合反応が進んでしまい、良好な凹部を 成することができず、良好な解像性が得ら なかった。

 以上より、表1における組成物(1)の金属酸 化物ペーストを用いると、所定形状のマスク パターンを介して露光・現像処理することに より、下地膜91の全面に渡って所定の被覆率 金属酸化物の凝集粒子92を分散配置するこ が可能となる。また、画素のみに最適な被 率で金属酸化物の凝集粒子92を分布させるこ ともできる。

 なお、前述のように、本発明の実施の形 におけるPDP1では、その放電特性上、酸化マ グネシウム(MgO)の凝集粒子92の被覆率は、2%~12 %の範囲が望ましいとしている。このとき、 覆率は金属酸化物ペースト膜の膜厚で決定 れるため、スクリーン印刷で形成可能な膜 範囲に基づくと、金属酸化物ペースト中の 化マグネシウム(MgO)粒子の含有量は0.01体積%~ 1.5体積%の範囲が好ましい。

 以上のように、本発明における金属酸化 の粒子と有機樹脂成分と希釈溶剤を含む金 酸化物ペーストとして、ペースト中に含ま る金属酸化物の粒子の含有量を1.5体積%以下 とし、有機成分として光重合開始剤と、水溶 性セルロース誘導体と、光重合性単量体とを 含むようにしている。この結果、このような 金属酸化物ペーストを用いると、その粘度特 性とともに分散性、印刷性、燃焼性が安定す るとともに、露光現像により高精度のパター ン形成が可能となる。そのために、下地膜91 への分散配置を高精度に制御することがで る。

 次に、本発明の実施の形態におけるPDPの 造方法によって製造したPDP1の性能を比較し た実験結果について説明する。

 まず、構成の異なる保護層9を有するPDPを 試作した。試作品1は、酸化マグネシウム(MgO) 膜のみによる保護層9を形成したPDP、試作品2 、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)などの不 物をドープした酸化マグネシウム(MgO)による 保護層9を形成したPDP、試作品3は、本発明に けるPDP1で、酸化マグネシウム(MgO)の下地膜9 1上に金属酸化物からなる結晶粒子の凝集粒 92を付着させたPDP1である。なお、試作品3に いて、金属酸化物としては、酸化マグネシ ム(MgO)の結晶粒子を用い、そのカソードル ネッセンスを測定したところ、図4に示すよ な特性を有していた。

 これら3種類の保護層9の構成を有するPDP ついて、その電子放出性能と電荷保持性能 調べた。

 なお、電子放出性能は、大きいほど電子 出量が多いことを示す数値で、放電の表面 態、およびガス種とその状態によって定ま 初期電子放出量をもって表現する。初期電 放出量については表面にイオン、あるいは 子ビームを照射して表面から放出される電 電流量を測定する方法で測定できるが、前 板2表面の評価を非破壊で実施することは困 難を伴う。そこで、特開2007-48733号公報に記 されているように、放電時の遅れ時間のう 、統計遅れ時間と呼ばれる放電の発生しや さの目安となる数値を測定した。その数値 逆数を積分すると、初期電子の放出量と線 に対応する数値になるため、ここではこの 値を用いて評価している。この放電時の遅 時間とは、パルスの立ち上がりから放電が れて行われる時間を意味する。放電遅れは 放電が開始される際にトリガーとなる初期 子が保護層9表面から放電空間16中に放出さ にくいことが主要な要因として考えられて る。

 また、電荷保持性能は、その指標として PDP1として作成した場合に電荷放出現象を抑 えるために必要とする、走査電極4に印加す 電圧値(以下Vscn点灯電圧と呼称する)を用い 。すなわち、Vscn点灯電圧の低い方が電荷保 能力の高いことを示す。このことは、PDPの ネル設計上でも低電圧で駆動できるため、 源や各電気部品として、耐圧および容量の さい部品を使用することが可能となる。現 の製品において、走査電圧を順次パネルに 加するためのMOSFETなどの半導体スイッチン 素子には、耐圧150V程度の素子が使用されて いる。そのため、Vscn点灯電圧としては、温 による変動を考慮して120V以下に抑えるのが ましい。

 これらの電子放出性能と電荷保持性能に いて調べた結果を図5に示している。図5に いて、横軸の電子放出性能は試作品1におけ 電子放出性能を基準として示している。図5 から明らかなように、酸化マグネシウム(MgO) 下地膜91上に、酸化マグネシウム(MgO)の結晶 粒子の凝集粒子92を全面に亘ってほぼ離散的 均一に分布するように形成した試作品3は、 電荷保持性能の評価において、Vscn点灯電圧 120V以下にすることができる、さらに、電子 出性能も試作品1に比較して6倍以上の良好 特性を得ることができている。

 一般的にはPDPの保護層9の電子放出性能と 電荷保持性能は相反する。例えば、保護層9 成膜条件を変更し、また、試作品2のように 護層9中にアルミニウム(Al)やシリコン(Si)、 リウム(Ba)などの不純物をドーピングして成 膜することにより、電子放出性能を向上する ことは可能であるが、副作用としてVscn点灯 圧も上昇してしまう。

 しかしながら、本発明によれば高精細化 より走査線数が増加し、かつセルサイズが さくなる傾向にあるPDPに対して、電子放出 能と電荷保持性能の両方を満足させる保護 9を実現することができる。

 次に、試作品3に用いた結晶粒子の粒径に ついて説明する。なお、以下の説明において 、粒径とは平均粒径を意味し、平均粒径とは 、体積累積平均径(D50)のことを意味している

 図6は、図5で説明した本発明の試作品3に いて、酸化マグネシウム(MgO)の結晶粒子の 径を変化させて電子放出性能を調べた実験 果を示すものである。なお、図6において、 化マグネシウム(MgO)の結晶粒子の粒径は、 イクロトラックHRA粒度分布計において、試 1級以上のエタノール溶液中で粒度分布を測 したときの平均粒径を示し、さらに結晶粒 を走査型電子顕微鏡(SEM)観察することによ 測定している。

 図6に示すように、粒径が0.3μm程度に小さ くなると、電子放出性能が低くなり、ほぼ0.9 μm以上であれば、高い電子放出性能が得られ ることがわかる。

 ところで、放電セル内での電子放出数を 加させるためには、保護層9上の単位面積あ たりの結晶粒子数は多い方が望ましい。本発 明者らの実験によれば、前面板2の保護層9と 接に接触する背面板10の隔壁14の頂部に相当 する部分に結晶粒子が存在することで、隔壁 14の頂部を破損させ、その材料が蛍光体層15 上に乗るなどによって、該当するセルが正 に点灯消灯しなくなる現象が発生すること わかった。この隔壁破損の現象は、結晶粒 が隔壁14の頂部に対応する部分に存在しなけ れば発生しにくいことから、付着させる結晶 粒子数が多くなれば、隔壁14の破損確率が高 なる。

 図7は、図5で説明した本発明における試 品3において、単位面積当たりに粒径の異な 同じ数の結晶粒子を散布し、隔壁破損の関 を実験した結果を示す図である。この図7か ら明らかなように、結晶粒子径が2.5μm程度に 大きくなると、隔壁破損確率が急激に高くな るが、2.5μmより小さい結晶粒子径であれば、 隔壁破損確率は比較的小さく抑えることがで きることがわかる。

 以上の結果に基づくと、本発明に掛かるP DP1における保護層9においては、結晶粒子が 集した凝集粒子92として、粒径が0.9μm以上2.5 μm以下のものが望ましいと考えられるが、PDP 1として実際に量産する場合には、結晶粒子 製造上でのばらつきや保護層9を形成する場 の製造上でのばらつきを考慮する必要があ 。

 図8は、本発明の実施の形態におけるPDP1 用いた、凝集粒子92の粒度分布の一例を示す 図である。凝集粒子92は図8に示すような分布 を有する。図6に示す電子放出特性、および 図7に示す隔壁破損特性から、平均粒径であ 体積累積平均径(D50)が、0.9μm~2μmの範囲にあ る凝集粒子92を使用することが望ましい。

 以上のように、本発明の実施の形態にお る金属酸化物ペーストを用いて形成した保 層9を有するPDP1においては、電子放出性能 して試作品1に対して6倍以上の特性を有し、 電荷保持性能としてはVscn点灯電圧が120V以下 ものを得ることができる。その結果、高精 化により走査線数が増加し、かつセルサイ が小さくなる傾向にあるPDP1の保護層9を実 することができる。その結果、電子放出性 と電荷保持性能の両方を満足させ、高精細 高輝度の表示性能を備え、かつ低消費電力 PDPを実現することができる。

 ところで、本発明におけるPDP1においては 、上述したように、酸化マグネシウム(MgO)の 集粒子92は、2%~12%の範囲の被覆率で付着さ ている。これは、本発明者らが凝集粒子92の 被覆率を変化させたサンプルを試作し、それ らのサンプルの特性を調べた結果に基づいて いる。すなわち、凝集粒子92の被覆率が高く るにしたがって、Vscn点灯電圧が大きくなっ て悪化し、逆に被覆率が小さくなるにしたが って、Vscn点灯電圧が小さくなる特性を示す とがわかった。すなわち、凝集粒子92を付着 させたことによる効果を十分に発揮させるた めには、凝集粒子92の被覆率は12%以下とすれ 良いことがわかった。

 一方、酸化マグネシウム(MgO)の凝集粒子92 は、特性のばらつきを小さくするためには各 放電セルに存在していることが必要である。 そのためには下地膜91上に全面に亘って付着 せる必要がある。被覆率が小さい場合、面 でのばらつきが大きくなる傾向を示し、凝 粒子92の放電セル間における付着状態のば つきが大きくなってしまうことがわかった 本発明者らが実験した結果では、被覆率が4% 以上になるように酸化マグネシウム(MgO)の凝 粒子92を付着させると、面内ばらつきを約4% 以下に抑えることができることがわかった。 また、被覆率が2%以上になるように酸化マグ シウム(MgO)の結晶粒子の凝集粒子92を付着さ せた場合も、面内ばらつきを約6%程度に抑え ことができ、実用上は問題ないことがわか た。

 これらの結果より、本発明においては、 覆率が2%~12%の範囲になるように酸化マグネ ウム(MgO)の結晶粒子の凝集粒子92を付着させ るのが望ましく、より好ましくは被覆率が4%~ 12%の範囲になるよう凝集粒子92を付着させる が望ましい。この被覆率を実現するために 、金属酸化物ペースト中の酸化マグネシウ (MgO)粒子の含有量が0.01体積%~1.5体積%の範囲 好ましい。

 以上のように本発明は、高精細で高輝度 表示性能を備え、かつ低消費電力のPDPを実 する上で有用である。

 1  PDP
 2  前面板
 3  前面ガラス基板
 4  走査電極
 4a,5a  透明電極
 4b,5b  金属バス電極
 5  維持電極
 6  表示電極
 7  ブラックストライプ(遮光層)
 8  誘電体層
 9  保護層
 10  背面板
 11  背面ガラス基板
 12  アドレス電極
 13  下地誘電体層
 14  隔壁
 15  蛍光体層
 16  放電空間
 81  第1誘電体層
 82  第2誘電体層
 91  下地膜
 92  凝集粒子