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Title:
METHOD FOR PRODUCING SULFONIC ACID GROUP-CONTAINING CARBONACEOUS MATERIAL, SOLID ACID CATALYST, METHOD FOR PRODUCING ALKYLATION REACTION PRODUCT, AND METHOD FOR PRODUCING OLEFIN POLYMER
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/143008
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing a sulfonic acid group-containing carbonaceous material, which comprises a step wherein a polymer having a structural unit derived from a resorcinol is subjected to carbonization performed by heating in an inert gas atmosphere and to sulfonation, thereby obtaining a sulfonic acid group-containing carbonaceous material. A catalyst containing the thus-obtained sulfonic acid group-containing carbonaceous material is useful for efficiently producing an object material in various reactions performed in a hydrophobic medium such as an alkylation reaction or a polymerization reaction of an olefin.

Inventors:
YANAGAWA SHINICHIROU (JP)
KONDO HIDESATO (JP)
HARA MICHIKAZU (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/058558
Publication Date:
November 27, 2008
Filing Date:
May 08, 2008
Export Citation:
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Assignee:
NIPPON OIL CORP (JP)
TOKYO INST TECH (JP)
YANAGAWA SHINICHIROU (JP)
KONDO HIDESATO (JP)
HARA MICHIKAZU (JP)
International Classes:
B01J27/053; C01B31/02; C07C2/70; C07C2/86; C07C15/16; C08F212/08; C07B61/00
Domestic Patent References:
WO2005029508A12005-03-31
Foreign References:
JP2007172887A2007-07-05
JP2007039313A2007-02-15
Other References:
BAKER W.S. ET AL.: "Sulfur-functionalized carbon aerogels: a new approach for loading high-surface-area electrode nanoarchitectures with precious metal catalysts", JOURNAL OF NON-CRYSTALLINE SOLIDS, vol. 350, 2004, pages 80 - 87, XP004665335
See also references of EP 2159193A4
Attorney, Agent or Firm:
HASEGAWA, Yoshiki et al. (Ginza First Bldg.10-6, Ginza 1-chom, Chuo-ku Tokyo 61, JP)
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Claims:
 レゾルシノールに由来する構成単位を有する重合体について、不活性ガス雰囲気下の加熱による炭化処理およびスルホン化処理を行い、スルホン酸基含有炭素質材料を得る第1の工程を備える、スルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 前記重合体が、レゾルシノールまたはレゾルシノールとレゾルシノール以外の芳香族ヒドロキシ化合物とを含有する混合物と、アルデヒド類と、を酸触媒または塩基性触媒の存在下で付加縮合させて得られるものである、請求項1に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 前記重合体が、レゾルシノールまたは50重量%以上のレゾルシノールと50重量%以下のフェノールとを含有する混合物と、ホルムアルデヒドと、を塩基性触媒の存在下で付加縮合させて得られるものである、請求項1または2に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 前記塩基性触媒が炭酸ナトリウム触媒である、請求項2または3に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 前記重合体が、レゾルシノールまたはレゾルシノールとレゾルシノール以外の芳香族ヒドロキシ化合物とを含有する混合物とアルデヒド類との塩基性触媒存在下での付加縮合反応による反応生成物と、水および/または溶剤と、を含有するゲルから、前記水および/または溶剤を除去して得られたものである、請求項1~4のいずれか1項に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 前記第1の工程は、
 前記重合体について、不活性ガス雰囲気下、300~600℃の温度において、1~100時間炭化処理を行う第2の工程と、
 前記第2の工程で得られる被処理物について、濃硫酸によるスルホン化処理を行う第3の工程と、
を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 前記第1の工程で得られるスルホン酸基含有炭素質材料は、スルホン酸基の含有量が0.3mmol/g以上のものである、請求項1~6のいずれかに記載のスルホン酸基含有炭素質材料の製造方法。
 請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法で得られたスルホン酸基含有炭素質材料を含有する、固体酸触媒。
 請求項8に記載の固体酸触媒の存在下に、所定の反応基質のアルキル化反応を行う、アルキル化反応生成物の製造方法。
 前記反応基質が芳香族化合物である、請求項9に記載のアルキル化反応生成物の製造方法。
 前記反応基質が第三級炭素原子を有するパラフィン系炭化水素である、請求項9に記載のアルキル化反応生成物の製造方法。
 請求項8に記載の固体酸触媒の存在下にオレフィンの重合反応を行う、オレフィン重合体の製造方法。
Description:
スルホン酸基含有炭素質材料の 造方法、固体酸触媒、アルキル化反応生成 の製造方法、およびオレフィン重合体の製 方法

 本発明は、スルホン酸基含有炭素質材料 製造方法、固体酸触媒、アルキル化反応生 物の製造方法、およびオレフィン重合体の 造方法に関する。

 硫酸は様々な化学反応に広く用いられて る重要な触媒である。しかし一般的に大量 硫酸を必要とすること、装置の腐食の問題 あること、反応後の生成物からの硫酸の分 、回収、精製、再利用の工程、生成物中に 留する硫酸の中和、およびそれにより生成 る塩の除去および廃棄、排水処理などの工 を必要とすること、さらにこれら工程では くのエネルギーを要することなど多くの問 がある。また、廃棄物の問題が比較的少な 液体酸触媒として、フッ化水素が知られて るが、フッ化水素は腐食性が高く、反応装 に特殊な合金が必要なことや揮散しやすい どの問題がある。

 そこで、硫酸等の鉱酸触媒の代替として、 体酸触媒の利用が検討されている。固体酸 媒は、装置の腐食がなく、上記の反応後の 々の工程が省略もしくは大幅に簡略化され ことから、各種化学反応に対する触媒とし 有用であり、様々な固体酸が開発されてい 。代表的な固体酸としては、シリカ・アル ナ、結晶性アルミノ珪酸塩(合成ゼオライト )、固体リン酸、ヘテロポリ酸などの無機化 物がある。
 例えば、アルキル化反応は各種のアルキル 香族やアラルキル化合物の製造、更にはハ オクタンガソリンの製造に有効なイソパラ ィンの製造など、工業的にきわめて重要な 応手段であり、この反応には酸触媒が使用 れる。従来は前記した硫酸やフッ化水素な の液体の強酸が使用されていたが、前記し 問題点により、近時、固体酸触媒を使用す ようになってきている。
 また、オレフィンの重合反応は、例えばポ スチレンやポリブテンのような各種重合体 製造する方法として重要であり、この反応 も固体酸触媒が使用される。

 しかしながら、従来のアルキル化反応また オレフィンの重合反応に用いられる固体酸 媒は各種の問題点を有する。例えば、アル ル化反応に用いられる固体酸触媒としては 例えば合成ゼオライト触媒や固体リン酸触 などがある。しかし、合成ゼオライト触媒 高価である。また、固体リン酸触媒は、有 成分であるリン酸の触媒からの溶出が避け れず、必要に応じてリン酸成分を補充する 要があるなど、使用に際して煩雑さを伴う また、架橋ポリスチレン骨格上にスルホン 基を有するポリマーである強酸型イオン交 樹脂も知られているが、耐熱性が低い、高 である等の問題から使用範囲が限定されて る。耐熱性を有するフッ素置換オレフィン リマーをベースとする超強固体酸「ナフィ ン」(デュポン社登録商標)なども開発され いるが、工業用途に利用するには高価に過 る。
 一方、オレフィンの重合反応には塩化アル ニウムや三フッ化ホウ素のようなルイス酸 の触媒が一般的に用いられる。しかしなが これらの酸触媒は金属材料に対する腐食性 高く、また、酸触媒が反応生成物の中に溶 出すため、反応液の中和処理が必要である などの問題点を有する。

 このような背景の下、芳香族化合物や石油 重質油、糖類といった有機物を、加熱によ 炭化処理およびスルホン化処理して得られ スルホン酸基を含有する炭素質材料が開発 れている。スルホン酸残基含有炭素質材料 、固体酸触媒として種々の化学反応に高活 であること、耐熱性に優れること、低コス であること等から最近注目を集めており、 肪酸のエステル化反応、エステルの加水分 反応、アルキル化反応、オレフィンの水和 応等の触媒としての評価が試みられている( 特許文献1、特許文献2、非特許文献1、非特許 文献2、非特許文献3)。
 また、例えばアルキル化反応において、酸 媒としての活性を高めるために、有機物と ン酸の組成物を加熱処理により有機物を炭 し、その後リン酸を抽出する方法が知られ いる(非特許文献4)。
 また、有機物を炭化・スルホン化して得た 体酸触媒をさらに担体に担持した触媒も知 れている(非特許文献3)。

特開2004-238311号公報

国際公開WO2005/029508A1号公報 堂免他,「カーボン系固体強酸の合成条 と触媒作用」,日本化学会第85回春季年会(2005 ),2B5-43 Hara,M.et al.Nature,438(10),178,November (2005) 原他,PETROTECH,29(6),411(2006) 原他「高表面積を有するカーボン系固体 強酸の合成とキャラクタリゼーション」,第96 回触媒討論会(2005),4E-21

 しかし、上記従来の固体酸触媒であっても 実用的な方法で製造可能であり、かつ、ア キル化反応やオレフィンの重合反応のよう 疎水系媒体中での反応を含む種々の化学反 に対し高い触媒活性を有するものとしては だ改善の余地がある。
 特に、上記非特許文献4に開示されている方 法では、出発原料である有機物と腐食性のあ るリン酸とを良好な分散状態で混合し、さら に炭化後にリン酸を抽出除去する必要があり 、触媒製造工程が煩雑である上、廃リン酸の 処理の必要もある。
 また、上記非特許文献3に開示されている方 法は、予め担体に有機物を含浸担持させたの ち炭化、スルホン化するなど、煩雑な操作を 必要とする。さらに、当該方法によって得ら れた固体酸触媒の、オレフィンの重合に対す る応用については全く触れられていない。

 本発明は、このような実情に鑑みてなさ たものであり、その目的は、アルキル化反 やオレフィンの重合反応等、各種の疎水系 体中での各種反応に対し固体酸触媒として 用な、高い反応活性を有するスルホン酸基 有炭素質材料の製造方法を提供することに る。また、本発明の他の目的は、該スルホ 酸基含有炭素質材料を用いた固体酸触媒、 らびに該固体酸触媒を用いたアルキル化反 生成物の製造方法およびオレフィン重合体 製造方法を提供することにある。

 本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭 研究を重ねた結果、レゾルシノールに由来 る構成単位を有する重合体について、加熱 よる炭化処理およびスルホン化処理するこ により、疎水系媒体中での各種化学反応に 体酸触媒として高い活性を有するスルホン 基含有炭素質材料が得られることを見出し 本発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、レゾルシノールに 来する構成単位を有する重合体について、 活性ガス雰囲気下の加熱による炭化処理お びスルホン化処理を行い、スルホン酸基含 炭素質材料を得る第1の工程を備える、スル ホン酸基含有炭素質材料の製造方法を提供す る。

 本発明においては、前記重合体が、レゾル ノールまたはレゾルシノールとレゾルシノ ル以外の芳香族ヒドロキシ化合物とを含有 る混合物と、アルデヒド類と、を酸触媒ま は塩基性触媒の存在下で付加縮合させて得 れるものであることが好ましく;
 レゾルシノールまたは50重量%以上のレゾル ノールと50重量%以下のフェノールとを含有 る混合物と、ホルムアルデヒドと、を塩基 触媒の存在下で付加縮合させて得られるも であることがより好ましい。

 また、前記塩基性触媒は、炭酸ナトリウ 触媒であることが好ましい。

 また、前記重合体としては、レゾルシノ ルまたはレゾルシノールとレゾルシノール 外の芳香族ヒドロキシ化合物とを含有する 合物とアルデヒド類との塩基性触媒存在下 の付加縮合反応による反応生成物と、水お び/または溶剤と、を含有するゲルから、前 記水および/または溶剤を除去して得られた のを好ましく用いることができる。

 また、前記第1の工程は、
 前記重合体について、不活性ガス雰囲気下 300~600℃の温度において、1~100時間炭化処理 行う第2の工程と、
 前記第2の工程で得られる被処理物について 、濃硫酸によるスルホン化処理を行う第3の 程と、
を含むことが好ましい。

 前記第1の工程で得られるスルホン酸基含 有炭素質材料は、スルホン酸基の含有量が0.3 mmol/g以上のものであることが好ましい。

 また、本発明は、上記本発明のスルホン 基含有炭素質材料の製造方法で得られたス ホン酸基含有炭素質材料を含有する、固体 触媒を提供する。

 また、本発明は、上記本発明の固体酸触 の存在下に、所定の反応基質のアルキル化 応を行う、アルキル化反応生成物の製造方 を提供する。

 本発明のアルキル化反応生成物の製造方 において、前記反応基質は特に制限されな が、反応基質が芳香族化合物であると特に ましい。

 また、前記反応基質が第三級炭素原子を するパラフィン炭化水素である場合も同じ うに好ましい。

 また、本発明は、上記本発明の固体酸触 の存在下にオレフィンの重合反応を行う、 レフィン重合体の製造方法を提供する。

 本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の 造方法は、アルキル化反応やオレフィンの 合反応等、各種の疎水系媒体中での各種反 に対し固体酸触媒として有用な、高い反応 性を有するスルホン酸基含有炭素質材料を 便かつ安価に製造できるものであり、スル ン酸基含有炭素質材料を工業用として大量 供給可能な製造方法として非常に有用であ 。

 また、本発明の固体酸触媒は、本発明の ルホン酸基含有炭素質材料の製造方法によ 得られたスルホン酸基含有炭素質材料を含 ことによって、固体酸触媒としての活性に れている。さらに、本発明の固体酸触媒は 反応後の触媒の中和、精製等の工程が不要 、触媒の分離が容易で再利用が可能なもの あり、装置の腐食の抑制の点でも優れてい 。したがって、本発明の固体酸触媒は、例 ばアルキル化反応やオレフィンの重合反応 の反応において、低コストかつ効率的に目 物を製造することができるという点で非常 有用である。

 また、本発明のアルキル化反応生成物の 造方法およびオレフィン重合体の製造方法 よれば、それぞれ上記本発明の固体酸触媒 用いることで、低コストかつ効率的に目的 を製造することが可能となる。

 以下、本発明の好適な実施形態について 細に説明する。

(スルホン酸基含有炭素質材料の製造方法)
 本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の製 方法は、レゾルシノールに由来する構成単 を有する重合体について、不活性ガス雰囲 下の加熱による炭化処理およびスルホン化 理を行い、スルホン酸基含有炭素質材料を る工程(第1の工程)を備える。

 本発明において、「レゾルシノールに由 する構成単位を有する重合体」には、レゾ シノールと、アルデヒド類とを、酸触媒ま は塩基性触媒を用いて付加縮合反応させて られる重合体(レゾルシノール以外の芳香族 ヒドロキシ化合物に由来する構造単位を有さ ないもの。以下、「重合体(A)」という。)、 ゾルシノールとレゾルシノール以外の芳香 ヒドロキシ化合物とを含有する混合物と、 ルデヒド類とを、酸または塩基性触媒を用 て付加縮合反応させて得られる重合体(以下 「重合体(B)」という。)、ならびに重合体(A) または(B)の変性樹脂が包含される。

 上記重合体(A)の原料として用いられるア デヒド類としては、ホルムアルデヒド、ア トアルデヒド、フルフラール等が挙げられ 中でもホルムアルデヒドが好ましい。また 酸触媒としては塩酸や蓚酸などが挙げられ 。また、塩基性触媒としては炭酸ナトリウ 、炭酸カリウム、炭酸リチウム、水酸化ナ リウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム 炭酸バリウム、リン酸ナトリウム、リン酸 チウムやリン酸カリウム等が挙げられ、特 炭酸ナトリウムが好ましい。

 重合体(A)の好ましい例としては、レゾル ノールとホルムアルデヒドの付加縮合によ 得られる、レゾルシノール-ホルムアルデヒ ド樹脂が挙げられ、詳しくは、レゾルシノー ルとホルムアルデヒドとを酸触媒を用いて付 加縮合して得られるノボラック型レゾルシノ ール樹脂、およびレゾルシノールとホルムア ルデヒドとを塩基性触媒を用いて付加縮合し て得られるレゾール型レゾルシノール樹脂が 挙げられる。

 また、重合体(A)としては、レゾルシノー とアルデヒド類と塩基性触媒との付加縮合 応による反応生成物と、溶剤と、を含有す ゲルから、該溶剤を除去して得られたもの 好ましく用いることができる。中でも、レ ルシノールとホルムアルデヒドとを塩基性 媒を用いて付加縮合させて得られるRF湿潤 ルを真空乾燥させて得られるレゾルシノー 樹脂はRFキセロゲルと呼ばれ、特に好ましく 用いられる。また、RF湿潤ゲルを凍結乾燥さ て得られるRFクライオゲルも好ましく用い れる。

 また、重合体(B)の原料として用いられる ゾルシノール以外の芳香族ヒドロキシ化合 としては、フェノール、ナフタレンジオー などの芳香族環の水素が水酸基で置換され 化合物が好ましく、フェノールが特に好ま い。重合体(B)の製造に際し、レゾルシノー とレゾルシノール以外の芳香族ヒドロキシ 合物との混合物においては、レゾルシノー の含有率が50重量%以上であり、レゾルシノ ル以外の芳香族ヒドロキシ化合物の含有率 50重量%以下であることがそれぞれ好ましい レゾルシノール以外の芳香族ヒドロキシ化 物の含有率が50重量%を超えると、縮合反応 反応性が低下し、目的の重合体が得られに くなる傾向にある。

 また、重合体(B)の原料として用いられる ルデヒド類としては、ホルムアルデヒド、 セトアルデヒド、フルフラール等などが用 られるが、中でも、レゾルシノールを単独 付加縮合させた場合と同様、ホルムアルデ ドとの付加縮合により得られる樹脂が好ま い。詳しくは、レゾルシノールとレゾルシ ール以外の芳香族ヒドロキシ化合物とを含 する混合物と、アルデヒド類とを、酸触媒 用いて付加縮合して得られるノボラック型 脂(以下、「MRFノボラック樹脂」という。) およびレゾルシノールとレゾルシノール以 の芳香族ヒドロキシ化合物とを含有する混 物と、アルデヒド類とを、塩基性触媒を用 て付加縮合して得られるレゾール型樹脂(以 、「MRFレゾール樹脂」という。)が好ましく 、塩基性触媒を用いて重合させて得られる湿 潤ゲル(以下、「MRF湿潤ゲル」という。)を真 乾燥させて得られるキセロゲル(以下、「MRF キセロゲル」という。)が、特に好ましく用 られる。MRF湿潤ゲルを凍結乾燥させて得ら るクライオゲル(MRFクライオゲルと称す)もま た好ましく用いられる。

 MRF湿潤ゲルの製造に用いる塩基性触媒と ては、レゾルシノール単独の場合と同様、 酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウ 、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水 化リチウム、炭酸バリウム、リン酸ナトリ ム、リン酸リチウムやリン酸カリウム等が げられ、特に炭酸ナトリウムが好ましい。

 本発明のスルホン酸基含有炭素質材料の 造方法において、上記の重合体は、不活性 ス雰囲気下での炭化処理およびスルホン化 理に供される。炭化処理およびスルホン化 理は同時に行ってもよく、あるいは炭化処 の後にスルホン化処理を行ってもよいが、 化処理の後にスルホン化処理を行う方法が ましい。特に前記RFキセロゲルまたはRFクラ イオゲル、或いはMRFキセロゲルやMRFクライオ ゲルを原料に用いる場合は、炭化処理の後に スルホン化処理を行う方法が好ましい。以下 に炭化処理の後にスルホン化処理を行う場合 の好ましい態様を記載する。

 炭化処理の条件は、使用する原料の種類 目的とするスルホン酸基含有炭素質材料の 状などに応じて適宜選択されるが、好まし は窒素、アルゴン等の不活性ガス雰囲気下 加熱することにより行われ、それにより無 形の黒色固体(炭化物)が得られる。処理温 は300~600℃、好ましくは350~550℃、さらに好ま しくは370~550℃である。炭化処理の温度がこ 範囲の下限に満たない場合には、スルホン 処理の後で得られるスルホン酸基含有炭素 材料の比表面積が小さい、耐熱性が劣る、 るいは水または有機物への溶解分が多いな の問題を生じる傾向にある。一方、処理温 が上記範囲の上限を超える場合には、スル ン化処理の際に十分な量のスルホン酸基を 与することができず、得られるスルホン酸 含有炭素質材料の種々の化学反応に対する 媒活性が不十分なものとなる傾向にある。 化処理における加熱時間は、1~100時間、好ま しくは2~15時間である。炭化処理の時間がこ 範囲の下限に満たない場合には、これをス ホン化処理して得られるスルホン酸基含有 素質材料の耐熱性が劣る、あるいは水また 有機物等への溶解分が多いなどの問題を生 る傾向にある。一方、加熱時間が上記範囲 であれば必要な炭化は十分進行しており、 記上限を超える時間をかけることは不要で る。なお、前記RFクライオゲルまたはMRFクラ イオゲルを炭化処理したものはカーボンクラ イオゲル、RFキセロゲル或いはMRFキセロゲル 炭化処理したものはカーボンキセロゲルと れぞれ呼ばれるものである。

 スルホン化処理の条件は、使用する原料 種類、目的とするスルホン酸基含有炭素質 料の性状により適宜選択されるが、炭化処 で得られた炭化物を、濃硫酸または発煙硫 中で加熱することにより行われ、それによ 炭化物の骨格にスルホン酸基が付加される 使用する濃硫酸または発煙硫酸の量は特に 定されないが、スルホン化を行う炭化物の の5~100倍(質量比)、好ましくは10~80倍である この範囲の下限に満たない場合には、炭化 に十分な量のスルホン酸基を付与すること できず、得られるスルホン酸基含有炭素質 料の種々の化学反応に対する触媒活性が不 分なものとなる傾向にある。一方、この範 の上限を超える場合には、必要以上の濃硫 または発煙硫酸を使用することとなり、使 済みの硫酸の処理を含めコスト上昇をもた す。スルホン化処理の温度は、100~450℃、好 ましくは100~200℃である。スルホン化処理の 度がこの範囲の下限に満たない場合には、 化物に十分な量のスルホン酸基を付与する とが困難であり、得られるスルホン酸基含 炭素質材料の種々の化学反応に対する触媒 性が低下する傾向にある。一方、この範囲 上限を超える温度の場合には、付加したス ホン酸基の分解が起こりやすくなる傾向に る。スルホン化処理の時間は0.5~30時間で行 のが好ましい。スルホン化処理の時間がこ 範囲の下限に満たない場合には、炭化物に 分なスルホン基を付与することができず、 られるスルホン酸基含有炭素質材料の種々 化学反応に対する触媒活性が不十分なもの なる傾向にある。一方、この範囲の上限の 間で必要なスルホン化は十分進行しており それを超える時間を掛けることは不要であ 。

 炭化処理およびスルホン化処理工程後の 処理物について、好ましくは熱水で、スル ン化物を洗浄することにより余剰の硫酸を 去し、さらに乾燥することによって、目的 スルホン酸基含有炭素質材料を得ることが きる。本発明で得られるスルホン酸基含有 素質材料は、通常、黒色粉末状である。熱 による洗浄は、例えばソックスレー抽出法 により、約100℃での還流下で行うのが簡便 ある。加圧下にさらなる高温で洗浄するこ により、洗浄時間を短縮することも可能で る。

 本発明の製造方法で得られたスルホン酸基 有炭素質材料の酸基含有量は、0.3mmol/g以上 好ましくは0.5mmol/gである。酸基の含有量が の範囲の下限未満の場合には、スルホン酸 含有炭素質材料の種々の化学反応に対する 体酸触媒としての活性が不十分となる傾向 ある。酸基含有量の上限は特に制限は無い 本発明において、スルホン酸基含有量は、 化ナトリウム溶液を用いたイオン交換容量 定により算出した。すなわち、所定量の粉 したスルホン酸基含有炭素質材料成型体を 化ナトリウム溶液に加え入れて一定時間撹 し、スルホン酸基のプロトンとナトリウム オンとを交換させた。イオン交換により生 したHClの量を中和滴定により定量して、ス ホン酸基含有量を算出した。なお、スルホ 酸基のプロトンとナトリウムイオンの交換 応は下記式(1)のとおりである。
R-SO 3 H+NaCl→R-SO 3 Na+HCl  (1)
[式(1)中、Rはスルホン酸基含有炭素質材料の ーボン残基を示す。]

 一般に有機物を加熱により炭化処理する際 炭化の程度は、黒鉛化度により表されるこ が多く、黒鉛化度を示すひとつの指標とし 、ラマン分光分析法における波数1580cm -1 付近に現れるGピークと1400cm -1 付近に現れるDピークの強度比が利用される 例えば非特許文献5に開示されている、出発 料として、芳香族炭化水素、重油、グルコ ス等を使用した従来のスルホン酸基を含有 る炭素質材料においては、このラマン分光 析法による黒鉛化度の測定、あるいはそれ 用いたカーボンシートの大きさの推定がな れている。しかし、本発明の製造方法で得 れるスルホン酸基含有炭素質材料について 、明確なラマンスペクトルが得られず、こ 指標による炭化の程度の確認ができない。 の相違は、本発明の製造方法で得られるス ホン酸基含有炭素質材料は、従来のスルホ 酸基を含有する炭素質材料とは、その構造 異なることを裏付けるものである。

 また、本発明の製造方法で得られるスル ン酸基含有炭素質材料の場合、X線回折パタ ーンからはいかなる構造も確認することがで きず、実質的に無定形である。

 また、有機物を高温で炭化して得られる活 炭は、1000~3000m 2 /gの比表面積を有するが(例えば、共立出版株 式会社刊、化学大辞典を参照。)、これをス ホン化処理しても、スルホン酸基がほとん 付加されず、固体酸触媒としての活性をほ んど発現しない。この点で、活性炭は、本 発明の製造方法で得られるスルホン酸基含 炭素質材料とは異なる。

(固体酸触媒)
 上述のように、本願発明の製造方法で得ら るスルホン酸基含有炭素質材料は、従来知 れているスルホン酸基を含有する炭素質材 、あるいは活性炭とは異なるものであり、 体酸触媒として使用した場合に、優れた性 を発揮する。すなわち、本発明の製造方法 得られるスルホン酸基含有炭素質材料は、 体酸触媒として各種化学反応に有用な程度 酸強度および酸量を有している。そして、 該スルホン酸基含有炭素質材料を含んで構 される本発明の固体酸触媒は、アルキル化 応やオレフィンの重合反応のような疎水性 件下で特に酸触媒として優れた機能を発揮 る。

 本発明の固体酸触媒の形状は、粉末であ てもよく、また顆粒状、球状、板状、ペレ ト状等に成型されたものであってもよい。 れらの形状に成型する場合には、バインダ と呼ばれる無機物質を配合して成型を行っ もよい。このバインダーは成型性の向上、 型された触媒の強度、耐摩擦性等の機械的 性の向上などを目的に配合するものであり アルミナ、アルミナ・ボリア、シリカ・ア ミナ等が好ましく使用される。

(アルキル化反応生成物の製造方法)
 本発明のアルキル化反応生成物の製造方法 おいては、本発明の固体酸触媒の存在下に 所定の反応基質のアルキル化反応が行われ 。

 アルキル化される原料である反応基質と ては特に制限されず、各種の芳香族化合物 が用いられる。ベンゼン、トルエン、キシ ン等はその代表である。ナフタレンやアン ラセンのような多環芳香族化合物も使用で る。芳香環がアルキル基で置換された各種 アルキル芳香族も好ましく用いることが出 る。また、芳香環が極性基で置換されたも 、例えばアニソールのようなアルコキシ置 体、アセトフェノンやベンゾフェノンの如 アシル基置換体も好ましく用いられる。ハ ゲン置換の芳香族も用いられる。また、ア キル化反応における反応基質としては、イ ブタンやイソペンタンのような三級炭素を ったパラフィンも好ましく用いられる。

 アルキル化剤としては特に制限されず、 種のオレフィンやハロゲン化炭化水素等が いられる。スチレンやイソブチレン、ある はハロゲン化ベンジルやアルキルハライド どはその代表例である。また、ベンジルア コールのようなアルコール類も好ましく用 られる。イソブタンをイソブテンやノルマ ブテンでアルキル化して得たイソオクタン 前述したように高オクタン価のガソリン基 として重要なものであるが、本発明の製造 法で得られるスルホン酸基含有炭素質材料 よび本発明の固体酸触媒はこの反応にも好 しく用いることができる。アルキル化反応 おける反応条件は、各種原料に適した反応 件を採用できる。ただし、反応温度が250℃ 超えると、スルホン酸基含有炭素質材料が 解し、スルホン酸基が脱離する可能性があ ので好ましくない。反応圧力や反応時間に いては特に制限は無く、通常の固体酸触媒 同様の条件を採用することが出来る。

 また、アルキル化反応を行う場合の反応 の形態は特に限定されないが、回分式、連 式、半連続式のいずれであってもよい。ま 槽型反応器、塔型反応器、ループ型反応器 どいずれの形状であってもよい。触媒と反 物の接触の形式は、懸濁相、固定床などい れであってもよい。中でも撹拌設備を備え 槽型反応器内で触媒を懸濁される形式、あ いは触媒を固定床とし、反応物を連続的に 通させる形式が好ましく採用される。

 (オレフィン重合体の製造方法)
 本発明のオレフィン重合体の製造方法にお ては、本発明の固体酸触媒の存在下にオレ ィンの重合反応が行われる。

 重合反応に供されるオレフィンは特に制 されないが、スチレンやイソブチレンなど 好ましく用いられる。アルキル化反応やオ フィンの重合反応における反応条件に関し は特に制約は無く、各種原料に適した反応 件を採用できる。ただし、250℃を超える反 温度はスルホン酸基含有炭素質材料が分解 、スルホン酸基が脱離する可能性があるの 好ましくない。

 また、オレフィンの重合反応を行う場合 反応器の形態は特に限定されないが、回分 、連続式、半連続式のいずれであってもよ 。また槽型反応器、塔型反応器、ループ型 応器などいずれの形状であってもよい。触 と反応物の接触の形式は、懸濁相、固定床 どいずれであってもよい。中でも撹拌設備 備えた槽型反応器内で触媒を懸濁される形 、あるいは触媒を固定床とし、反応物を連 的に流通させる形式が好ましく採用される

 本発明のアルキル化反応生成物の製造方 およびオレフィン重合体の製造方法は、本 明の固体酸触媒を用いる方法であるため、 来の硫酸や塩化アルミニウムや三フッ化ホ 素を触媒に用いた方法に比較して工程が簡 である。また、硫酸や塩化アルミニウムや フッ化ホウ素を触媒に用いる方法では酸触 除去のための中和精製工程が必要であり、 た硫酸触媒の場合には硫酸再利用のための 縮工程等が必要であるなど工程が煩雑であ が、本発明の方法では、触媒が固体である め、濾過や遠心分離等により触媒を容易に 離して再使用することが可能であり、また 触媒除去後の反応液には酸触媒成分が含ま ないため、硫酸や塩化アルミニウムや三フ 化ホウ素を触媒に用いる方法のような中和 製工程が不要である。触媒除去後は、蒸留 により生成物を適宜精製することができる 反応蒸留も可能である。

 また、本発明の固体酸触媒を用いること より、その高い耐熱性により高温下での運 が可能となり、その結果として反応速度が 上するため、反応器の小型化が実現できる また、触媒の耐熱性により、触媒交換頻度 低減される。

 以下、実施例および比較例に基づき本発 をさらに具体的に説明するが、本発明は以 の実施例に何ら限定されるものではない。

[実施例1]
<スルホン酸基含有炭素質材料の製造>
(RF湿潤ゲルの調製)
 レゾルシノール11.1g、ホルムアルデヒド16.5g 、および炭酸ナトリウム0.05gを100mlフラスコ 取り、蒸留水44mlを加えいれた。これらを攪 して水に溶解したことを確認した後、室温 で24時間静置した。その後、70℃で8時間加 することにより溶液がゲル化し、71.0gのRF湿 ゲルを得た。
(RFキセロゲル(レゾルシノール樹脂)の調製)
 得られたRF湿潤ゲル71.0gを70℃で8時間真空乾 燥し、14.7gのレゾルシノール樹脂を得た。
(炭化処理;カーボンキセロゲルの製造)
 得られたレゾルシノール樹脂5.4gを、容量200 mlのナス型フラスコ中に取り、窒素流通下に5 00℃、4時間加熱処理して4.2gのカーボンキセ ゲルを得た。
(スルホン化処理)
 カーボンキセロゲル3.0gに濃硫酸150gを加え 窒素雰囲気下で150℃, 7.5時間加熱処理して ルホン化を行った。
(洗浄-乾燥)
 スルホン化後、黒色固形物をガラスフィル ーにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用 て還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくな ことを確認した。これを乾燥し、黒色粉末 スルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スル ン酸基含有炭素質材料A」という。)を得た

[実施例2]
 スルホン化剤として濃硫酸の代わりに25%の 煙硫酸を用いたほかは実施例1と同様にして 、スルホン酸基含有炭素質材料(以下、「ス ホン酸基含有炭素質材料B」という。)を得た 。

[比較例1]
 原料としてノボラック/ヘキサミン樹脂を用 い、実施例1と同じ条件でスルホン酸基含有 素質材料(以下、「スルホン酸基含有炭素質 料C」という。)を得た。なお、ノボラック/ キサミン樹脂はフェノールとホルムアルデ ドとを酸性触媒で重合して得たノボラック フェノール樹脂をヘキサメチレンテトラミ で架橋硬化した樹脂である。

[比較例2]
 原料としてD-グルコースを用い、炭化温度 400℃としたほかは実施例1と同じ条件でスル ン酸基含有炭素質材料(以下、「スルホン酸 基含有炭素質材料D」という)を得た。

[実施例3]
<スルホン酸基含有炭素質材料の製造>
(MRF湿潤ゲルの調製)
 レゾルシノール5.49g、フェノール4.71g、ホル ムアルデヒド16.5g、および炭酸ナトリウム0.05 gを100mlフラスコに取り、蒸留水44mlを加えい た。これらを攪拌して水に溶解したことを 認した後、室温下で72時間静置した。その後 、80℃で8時間加熱することにより溶液がゲル 化し、68.0gのMRF湿潤ゲルを得た。
(MRFキセロゲルの調製)
 得られたMRF湿潤ゲル68.0gを50℃のt-ブタノー に2時間浸漬し、溶媒置換させた。その後、 この操作を2度繰り返した。得られたゲルを 60℃で8時間真空乾燥し、12.8gのMRFキセロゲル を得た。
(炭化処理;カーボンキセロゲルの製造)
 得られたMRFキセロゲル9.3gを、容量200mlのナ 型フラスコ中に取り、窒素流通下に250℃、7 .5時間加熱処理、続いて500℃、2時間加熱処理 して6.9gのカーボンキセロゲルを得た。
(スルホン化処理)
 カーボンキセロゲル3.1gに15%の発煙硫酸285g 加え、窒素雰囲気下で150℃,2時間加熱処理し てスルホン化を行った。
(洗浄-乾燥)
 スルホン化後、黒色固形物をガラスフィル ーにてろ過し、ソックスレー抽出器を使用 て還流下(約100℃)で熱水による洗浄を繰り し行い、洗浄液中に硫酸が検出されなくな ことを確認した。これを乾燥し、黒色粉末 スルホン酸基含有炭素質材料(以下、「スル ン酸基含有炭素質材料E」という。)を得た

[カーボン系固体酸の分析]
 以上のようにして得られたスルホン酸基含 炭素質材料について、以下の分析を実施し 。
<X線回折分析>
 分析にはマックサイエンス社製 X線回折装 (MXP18VAHF)を使用した。その結果、実施例1~3 スルホン酸基含有炭素質材料A、BおよびEの 折パターンからは構造を特定できるピーク 検出されず、アモルファス物質であること わかった。
<スルホン酸基含有量の測定>
 前記したようにイオン交換容量を測定する により測定した。結果を表1に示す。
<元素分析>
 分析にはElementar Vario ELを使用した。その 果を表1に示す。実施例1~3のスルホン酸基含 炭素質材料A、BおよびEの場合、それぞれS/C で1.6×10 -2 、2.6×10 -2 、2.2×10 -2 の硫黄が検出され、スルホン酸基が導入され ていることを確認した。
<黒鉛化度>
 ラマン分光分析を行い、1580cm -1 付近のGピークと1400cm -1 付近のDピークのピーク強度比に基づき黒鉛 度を評価した。分析にはレーザーラマン分 分析装置 HOLOLAB 5000Rを用いた。結果を表1に 示す。一般的な炭素質材料の場合、黒鉛化度 の尺度として1580cm -1 付近のGピークと1400cm -1 付近のDピークのピーク強度比が使用される 、実施例1~3のスルホン酸基含有炭素質材料A BおよびEの場合、明確なGピークおよびDピー クを与えず、ピーク強度比を算出することが できなかった。

[アルキル化反応]
<反応実施例1>
 スルホン酸基含有炭素質材料Aを固体酸触媒 として用いてトルエンのベンジルクロライド によるアルキル化反応を実施した。得られた 生成物はベンジルトルエンである。
 反応は以下のように行った。なお、反応圧 は全て常圧である。
 200ccの撹拌機付きガラス容器に、粉末状の 発明のスルホン酸基含有炭素質材料A0.2gとト ルエンを0.3mol、ベンジルクロライドを0.03mol 込んだ。撹拌を行いながら反応容器内を100 に昇温後、その状態で2時間反応を行った。 応結果を表2に示す。

<反応実施例2>
 固体酸触媒としてスルホン酸基含有炭素質 料Bを用いたほかは反応実施例1と同様にし 、トルエンのベンジル化反応を行った。結 を表2に示す。

<反応比較例1>
 固体酸触媒としてスルホン酸基含有炭素質 料Cを用いたほかは反応実施例1と同様にし 、トルエンのベンジル化反応を行った。結 を表2に示す。

<反応比較例2>
 固体酸触媒として、スルホン酸基含有炭素 材料Dを用いたほかは反応実施例1と同じ条 でトルエンのベンジル化反応を行った。結 を表2に示す。

[キュメンのスチレンによるアルキル化反応 よびスチレンの重合反応]
<反応実施例3>
 スルホン酸基含有炭素質材料Aを固体酸触媒 として用いてキュメンのスチレンによるアル キル化反応を行った。得られた生成物は1-フ ニル-1イソプロピルフェニルエタンおよび チレンダイマーおよびポリマーである。な 、反応圧力は全て常圧である。
 200ccの撹拌機付きガラス容器に、粉末状の 発明のスルホン酸基含有炭素質材料Aを0.2gと キュメンを0.1mol仕込んだ。さらにスチレンを 0.01mol 仕込んだ後、反応容器内を140℃に昇温 した。140℃に保ったままで撹拌を継続しなが ら1時間反応を行った。反応結果を表3に示す

<反応比較例3>
 固体酸触媒としてスルホン酸基含有炭素質 料Cを用いたほかは反応実施例3と同じ条件 反応を行った。結果を表3に示す。

<反応比較例4>
 固体酸触媒としてスルホン酸基含有炭素質 料Dを用いたほかは反応実施例3と同じ条件 反応を行った。結果を表3に示す。

<反応実施例4>
[キュメンのスチレンによるアルキル化反応 よびスチレンの重合反応]
 スルホン酸基含有炭素質材料Eを固体酸触媒 として用いた他は反応実施例3と同じ条件で 応を行った。反応結果を表3に示す。

 以上の反応実施例と反応比較例により、 施例1~3のスルホン酸基含有炭素質材料A、B よびEは、ノボラック型フェノール樹脂やグ コースなどを原料として製造した従来知ら ていたスルホン酸基含有炭素質材料C、Dに べ、アルキル化反応やオレフィンの重合反 の如き非極性媒体中で優れた反応活性を示 ことがわかる。

 本発明の製造方法で得られるスルホン酸 含有炭素質材料は、簡便にかつ安価に製造 能であることから大量に供給することがで 、アルキル化反応やオレフィンの重合反応 如き疎水性の反応媒体中において固体酸触 としての高い活性を有し、またこれを触媒 して利用することにより生成物との分離が 易で、中和等の後処理が不要であり、触媒 回収、再生、排水処理等の工程が不要であ ことから、アルキル化反応生成物やオレフ ンの重合物等の製造を極めて効率的に行う とが可能になる。