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Title:
METHOD FOR PRODUCTION OF REDUCED COENZYME Q10 USING WATER-CONTAINING ORGANIC SOLVENT
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/057611
Kind Code:
A1
Abstract:
Disclosed is a method for producing reduced coenzyme Q10 which is useful as a food, a food with a nutrient function, a food for specified health uses, a nutritional supplement, a nutrient, a veterinary medicine, a beverage, a feed, a cosmetic, a medicine, a therapeutic agent, a prophylactic agent or the like. Specifically disclosed is a method for producing reduced coenzyme Q10, which is characterized by reducing oxidized coenzyme Q10 in a water-containing organic solvent at pH 5 or lower by using an ascorbic acid component as a reducing agent. The method can achieve the shortest reaction time and the minimum adverse side reactions without the need of adding any basic substance or the like, and therefore enables to produce high-quality reduced coenzyme Q10.

Inventors:
UEDA TAKAHIRO (JP)
KITAMURA SHIRO (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/069590
Publication Date:
May 07, 2009
Filing Date:
October 29, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KANEKA CORP (JP)
UEDA TAKAHIRO (JP)
KITAMURA SHIRO (JP)
International Classes:
C07C41/26; C07C43/23
Domestic Patent References:
WO2003032967A12003-04-24
WO2003006408A12003-01-23
WO2003006412A12003-01-23
Other References:
FOTI, M. ET AL.: "The Surprisingly High Reactivity of Phenoxyl Radicals", J. AM. CHEM. SOC., vol. 116, no. 21, 1994, pages 9440 - 9447
Attorney, Agent or Firm:
KANEKA CORPORATION (Kita-ku Osaka-sh, Osaka 88, JP)
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Claims:
酸化型補酵素Q 10 を、アスコルビン酸類を用いて還元することによって還元型補酵素Q 10 を製造する方法において、反応溶媒として含水有機溶媒を用い、かつ、pHが5以下の条件下で還元反応を実施することを特徴とする還元型補酵素Q 10 の製造方法。
含水有機溶媒が、アルコール類、ケトン類、ニトリル類及びエーテル類からなる群より選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と水との混合溶媒である請求項1記載の製造方法。
アルコール類が、メタノール、エタノール、1-プロパノール及び2-プロパノールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項2記載の製造方法。
ケトン類がアセトンである請求項2記載の製造方法。
含水有機溶媒中の有機溶媒と水の重量比が、99/1~85/15の範囲内である請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。
アスコルビン酸類が、アスコルビン酸、 rhamno-アスコルビン酸、arabo-アスコルビン酸、gluco-アスコルビン酸、fuco-アスコルビン酸、glucohepto-アスコルビン酸、xylo-アスコルビン酸、galacto-アスコルビン酸、gulo-アスコルビン酸、allo-アスコルビン酸、erythro-アスコルビン酸、6-デスオキシアスコルビン酸、それらのエステル及びそれらの塩からなる群より選ばれる少なくとも一種である請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。
還元反応におけるアスコルビン酸類の使用量は、酸化型補酵素Q 10 を還元型補酵素Q 10 に変換しうる有効量である請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
アスコルビン酸類の使用量が、使用する酸化型補酵素Q 10 に対して、1倍モル量以上である請求項7記載の製造方法。
還元反応後、反応液から還元型補酵素Q 10 を晶析し、固液分離して、還元型補酵素Q 10 結晶を取得する請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。
還元反応後、反応液に、有機溶媒及び/又は水を添加して、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とに分離させて有機層を取得し、該有機層より還元型補酵素Q 10 の晶析を行い、固液分離して還元型補酵素Q 10 結晶を取得する請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。
還元反応後、反応液に、有機溶媒及び/又は水を添加して、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とに分離させて有機層を取得し、該有機層より溶媒を留去して、還元型補酵素Q 10 の油状物もしくは固形物を取得する請求項1~8のいずれか1項に記載の製造方法。
Description:
含水有機溶媒を用いる還元型補酵素Q 10 の製造方法

 本発明は、還元型補酵素Q 10 の製造方法に関する。還元型補酵素Q 10 は、酸化型補酵素Q 10 と比較して高い経口吸収性を示し、優れた、 食品、栄養機能食品、特定保健用食品、栄養 補助剤、栄養剤、動物薬、飲料、飼料、化粧 品、医薬品、治療薬、予防薬、ペットフード 等として有用な化合物である。

 広く生物界に分布するベンゾキノン誘導体 ある酸化型補酵素Q 10 は、そのビタミン様の機能からビタミンQと 呼ばれており、弱った細胞活性を健康な状 に戻す栄養源として身体を若返らせる成分 ある。一方、還元型補酵素Q 10 は、酸化型補酵素Q 10 の2電子還元体であり、酸化型補酵素Q 10 が橙色結晶であるのに対し、還元型補酵素Q 10 は白色結晶である。還元型補酵素Q 10 及び酸化型補酵素Q 10 は、ミトコンドリア、リソゾーム、ゴルジ体 、ミクロソーム、ペルオキシソーム、或いは 細胞膜などに局在し、電子伝達系の構成成分 としてATP産生賦活、生体内での抗酸化作用、 膜安定化に関与している事が知られている生 体の機能維持に必要不可欠な物質である。

 還元型補酵素Q 10 の製造方法としては、例えば、合成、発酵、 天然物からの抽出等の従来公知の方法により 補酵素Q 10 を得た後、クロマトグラフィーにより流出液 中の還元型補酵素Q 10 区分を濃縮する方法等により得られることが 知られている(特許文献1:特開平10-109933号公報 )。この場合には、上記還元型補酵素Q 10 中に含まれる酸化型補酵素Q 10 を、水素化ホウ素ナトリウム、亜ジチオン酸 ナトリウム(次亜硫酸ナトリウム)等の還元剤 用いて還元した後、クロマトグラフィーに る濃縮を行っても良いこと、また、還元型 酵素Q 10 は、既存の高純度補酵素Q 10 に上記還元剤を作用させる方法によっても得 られることも、該特許公報中に記載されてい る。

 また、アスコルビン酸類を用いた酸化型補 素Q 10 の還元型補酵素Q 10 への還元方法についても知られている(非特 文献1:J. Am. Chem. Soc., 1990, 116, 9440-9447)。 文献中においては、酸化型補酵素Q 10 を、水酸化ナトリウム存在下、エタノール/ の混合溶媒を用いて還元反応を行っている

 一方、本発明者らも、アスコルビン酸類を 元剤に用いた酸化型補酵素Q 10 の還元反応についていくつかの特許出願を行 っており(例えば、特許文献2~4:WO03/006408号公 、WO03/006409号公報、WO03/032967号公報)、該特許 文献中には、アスコルビン酸類を用いて、酸 化型補酵素Q 10 を還元できること、溶媒として、水溶性有機 溶媒や水を用いてもよいこと、反応促進剤と して、塩基性物質や亜硫酸水素塩を添加する ことが記載されている。

 しかしながら、これら還元反応における出 物質である酸化型補酵素Q 10 と、生成物質である還元型補酵素Q 10 は、いずれも水に溶解しないため、還元反応 時に水を使用する場合には、通常2相系での 応となり、多量の水が必要となるが、容積 率等の観点から有利になるとは言い難い。 た上述したように、アスコルビン酸類を用 た還元反応においては、反応時間を短縮さ るために、塩基性物質や亜硫酸水素塩等の 応促進剤を添加することが一般的に提唱さ ているが、このような反応促進剤を使用し 場合、還元型補酵素Q 10 を取得する前に上記反応促進剤の除去工程を 別途組み込むことも考慮する必要がある。

特開平10-109933号公報

WO03/006408号公報

WO03/006409号公報

WO03/032967号公報 J. Am. Chem. Soc., 1990, 116, 9440-9447

 上述したとおり、アスコルビン酸類を還元 として使用する一般的な還元反応において 塩基性物質の存在下に反応を行うことで反 時間が短縮できるという報告はあるが、本 明者らがその方法を酸化型補酵素Q 10 の還元反応に予備的に検討した結果、例えば 上記非特許文献1に記載されている条件では 酸化型補酵素Q 10 の還元反応は途中までは進行するものの、完 全には進行せず、純度の高い還元型補酵素Q 10 を得ることができないことが判明した。

 本発明は上記に鑑み、アスコルビン酸類の に、ことさら他の添加剤を使用することな 、反応時間を最短化させ、高純度の還元型 酵素Q 10 を得ることを目的とする。

 本発明者らが検討した結果、少量の水を混 させた含水有機溶媒を反応溶媒として使用 、かつ、反応溶液のpHを5以下にすることに り、上述した反応促進剤を使用せずとも、 応時間を大幅に短縮でき、かつ、純度の高 還元型補酵素Q 10 を製造できることを見出した。

 すなわち、本発明は、酸化型補酵素Q 10 を、アスコルビン酸類を用いて還元すること によって還元型補酵素Q 10 を製造する方法において、反応溶媒として含 水有機溶媒を用い、かつ、pHが5以下の条件下 で還元反応を実施することを特徴とする還元 型補酵素Q 10 の製造方法に関する。

 さらに本発明は、好ましくは、(1)還元反応 、反応液から還元型補酵素Q 10 を晶析し、固液分離して、還元型補酵素Q 10 結晶を取得する上記製造方法、(2)還元反応後 、反応液に、有機溶媒及び/又は水を添加し 、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とに分離させて有機 層を取得し、該有機層より還元型補酵素Q 10 の晶析を行い、固液分離して還元型補酵素Q 10 結晶を取得する上記製造方法、または、(3)還 元反応後、反応液に、有機溶媒及び/又は水 添加して、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とに分離させて有機 層を取得し、該有機層より溶媒を留去して、 還元型補酵素Q 10 の油状物もしくは固形物を取得する上記製造 方法、に関する。

 本発明によれば、還元反応における容積効 の低下を最小化し、後工程で除去が必要な 応促進剤を使用せずとも、還元反応時間を 縮することができるため、簡便に高純度の 元型補酵素Q 10 を得ることができる。

 以下、本発明を詳細に説明する。なお、本 細書において、補酵素Q 10 とのみ記載した場合は、酸化型、還元型を問 わず、両者が混在する場合には混合物全体を 表すものである。

 本発明の製造方法は、還元剤にアスコルビ 酸類を、反応溶媒に含水有機溶媒を使用し かつ、pHが5以下の条件で、酸化型補酵素Q 10 の還元反応を実施し、還元型補酵素Q 10 を製造することを特徴とする。

 本発明の製造方法において、原料として用 る酸化型補酵素Q 10 は、合成、発酵、天然物からの抽出等により 調製したものであってもよく、一般に市販さ れている既存の高純度補酵素Q 10 であってもよい。また、酸化型補酵素Q 10 のみを含有するものであってもよく、酸化型 補酵素Q 10 と還元型補酵素Q 10 の混合物であってもよい。

 本発明の製造方法では、還元反応を行う の反応溶媒として含水有機溶媒を使用する とが必要である。この場合の含水有機溶媒 、水を含有する有機溶媒、すなわち水と有 溶媒の混合溶媒であれば特に限定されない 、水と有機溶媒が相溶状態、つまり均一に 合された状態であるのが好ましい。そのよ な観点から、上記還元反応において反応溶 として使用される含水有機溶媒中の有機溶 は、任意あるいは特定の混合比率下におい 水と溶解する水溶性の有機溶媒が好ましい そのような有機溶媒としては特に制限され いが、例えば、アルコール類、ケトン類、 トリル類、エーテル類等を挙げることがで る。

 上記アルコール類としては、環状、非環 を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特 制限されないが、一般に、飽和のものが好 しく用いられる。例えば、炭素数1~5、特に 素数1~4、とりわけ炭素数1~3、なかでも炭素 2~3の1価アルコール、炭素数2~5の2価アルコ ル、又は、炭素数3の3価アルコールが好まし い。

 1価のアルコールとしては、例えば、メタ ノール、エタノール、1-プロパノール、2-プ パノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イ ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール 1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタ ール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチル アルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メ ル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール を挙げることができる。

 好ましくは、メタノール、エタノール、1 -プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノー 、2-ブタノール、イソブチルアルコール、te rt-ブチルアルコールであり、より好ましくは 、メタノール、エタノール、1-プロパノール 2-プロパノールであり、さらに好ましくは エタノール、1-プロパノール、2-プロパノー であり、最も好ましくは、エタノールであ 。

 2価のアルコールとしては、1,2-エタンジ ール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジ オール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオ ル、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオー 、1,5-ペンタンジオール等を挙げることがで る。好ましくは、1,2-エタンジオール、1,2- ロパンジオール、1,3-プロパンジオールであ 、最も好ましくは、1,2-エタンジオールであ る。

 3価のアルコールとしてはグリセリン等を 好適に用いることができる。

 上記ケトン類としては、特に制限されず 普通炭素数3~6のものが好適に用いられる。 体例としては、例えば、アセトン、メチル チルケトン、メチルブチルケトン、メチル ソブチルケトン等を挙げることができ、好 しくは、アセトン、メチルエチルケトンで り、最も好ましくは、アセトンである。

 上記ニトリル類としては、環状、非環状 問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に 限されないが、一般に飽和のものが好まし 用いられる。普通、炭素数2~8、特に炭素数2 ~6、とりわけ炭素数2~4のものが好適に用いら る。

 具体例としては、例えば、アセトニトリ 、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブ ロニトリル、イソブチロニトリル、スクシ ニトリル、バレロニトリル、グルタロニト ル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド クロロアセトニトリル、ブロモアセトニト ル、クロロプロピオニトリル、ブロモプロ オニトリル、メトキシアセトニトリル、シ ノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、クロロ ンゾニトリル、ブロモベンゾニトリル等を げることができる。

 好ましくは、アセトニトリル、プロピオ トリル、スクシノニトリル、ブチロニトリ 、イソブチロニトリル、バレロニトリル、 アノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチルであり より好ましくは、アセトニトリル、プロピ ニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニ リルであり、最も好ましくは、アセトニト ルである。

 上記エーテル類としては、環状、非環状 問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に 限されないが、一般に、飽和のものが好ま く用いられる。又、普通、炭素数3~12、特に 炭素数4~8、とりわけ炭素数4~8のものが好適に 用いられる。

 具体例としては、例えば、ジエチルエー ル、メチルtert-ブチルエーテル、ジプロピ エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブ ルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチル ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ア ソール、フェネトール、ブチルフェニルエ テル、メトキシトルエン、ジオキサン、フ ン、2-メチルフラン、テトラヒドロフラン、 テトラヒドロピラン、エチレングリコールジ メチルエーテル、エチレングリコールジエチ ルエーテル、エチレングリコールジブチルエ ーテル、エチレングリコールモノメチルエー テル、エチレングリコールモノエチルエーテ ル、エチレングリコールジブチルエーテル等 を挙げることができる。

 好ましくは、ジエチルエーテル、メチルt ert-ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、 イソプロピルエーテル、ジオキサン、2-メチ ルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒド ロピラン、エチレングリコールジメチルエー テル、エチレングリコールジエチルエーテル 、エチレングリコールジブチルエーテル、エ チレングリコールモノメチルエーテル、エチ レングリコールモノエチルエーテルであり、 より好ましくは、ジエチルエーテル、メチル tert-ブチルエーテル、ジオキサン、テトラヒ ロフラン、エチレングリコールモノメチル ーテル、エチレングリコールモノエチルエ テルであり、さらに好ましくは、ジエチル ーテル、メチルtert-ブチルエーテル、ジオ サン、テトラヒドロフラン等であり、最も ましくは、ジオキサン、テトラヒドロフラ である。

 言うまでもなく、上記有機溶媒は複数を 用しても良い。

 上記有機溶媒の中でも、沸点、粘性等の 質を考慮して選定するのが好ましい。具体 には、溶解度や反応速度を高めるための適 な加温ができ、且つ、湿体からの溶媒の乾 除去や晶析濾液等からの溶媒回収を行いや いという観点から、例えば、1気圧下の沸点 が約30~150℃の範囲であること、室温での取り 扱い時及び室温以下に冷却した時も固化しに くいという観点から、例えば、約20℃以下、 ましくは約10℃以下、より好ましくは約0℃ 下の融点を有していること、また、例えば 20℃において約10cp以下の低い粘性を有して ること等が挙げられる。特に、工業的な作 上の観点から、常温で揮発し難いものが好 しく、一般に、例えば、沸点が約50℃以上 更には約55℃以上のものが好ましい。

 上記性質、及び価格の点やリサイクルま は入手のしやすさの観点、そして食品や医 品用途で使用を考慮した場合、還元反応に 用される有機溶媒としては、メタノール、 タノール、1-プロパノール、2-プロパノール 、アセトンが好ましく、メタノール、エタノ ール、2-プロパノールがより好ましく、エタ ールがもっとも好ましい。

 本発明の製造方法において、還元反応時の 応溶媒である含水有機溶媒中の水の含有量 言い換えれば、含水有機溶媒中の有機溶媒 水との重量比は、反応時間に大きな影響を える。含水有機溶媒中の有機溶媒と水との 量比は、使用する有機溶媒の種類に影響さ るため、一概に規定できないが、有機溶媒 対する水の重量比が小さい場合には、反応 間の短縮効果も小さい。一方、水の重量比 高すぎる場合には、相対的に有機溶媒の重 比が低くなるため、例えば酸化型補酵素Q 10 及び/又は還元型補酵素Q 10 を含有する層と、水を含有する層が分離し、 むしろ反応時間が遅延する傾向が見られる。 この2層の分離を抑制するために、含水有機 媒自体の使用量を増加させることも考えら るが、これは反応時の容積効率等の観点か 好ましくない。

 このような観点から、含水有機溶媒中の の含有量の上限は、好ましくは約15重量%、 り好ましくは約13重量%、さらに好ましくは 10重量%であり、その下限は好ましくは約1重 量%、より好ましくは約3重量%、さらに好まし くは約5重量%である。すなわち、含水有機溶 中の有機溶媒と水との重量比として、好ま くは約99/1~85/15、より好ましくは約97/3~87/13 さらに好ましくは約95/5~90/10の範囲である。 のような割合の含水有機溶媒を調製する方 としては特に限定されず、含水有機溶媒中 水は外部添加されたものであってもそうで くともかまわない。

 本発明の製造方法において、還元剤とし 使用するアスコルビン酸類としては、特に 限されず、例えば、アスコルビン酸のみな ず、rhamno-アスコルビン酸、arabo-アスコルビ ン酸、gluco-アスコルビン酸、fuco-アスコルビ 酸、glucohepto-アスコルビン酸、xylo-アスコル ビン酸、galacto-アスコルビン酸、gulo-アスコ ビン酸、allo-アスコルビン酸、erythro-アスコ ビン酸、6-デスオキシアスコルビン酸等の スコルビン酸に類するものを含み、更に、 れらのエステル体や塩であってもかまわな 。

 これらは、L体、D体、或いは、ラセミ体で っても良い。具体的には、例えば、L-アスコ ルビン酸、L-アスコルビン酸パルミテート、L -アスコルビン酸ステアレート、D-arabo-アスコ ルビン酸等を挙げることができる。本発明の 製造方法において、還元剤としては、上記ア スコルビン酸類をいずれも好適に使用できる が、生成した還元型補酵素Q 10 との分離のしやすさ等を考慮すると、上記の アスコルビン酸類のうち、特に水溶性のもの 、具体的には、上記アスコルビン酸類のうち 、フリー体や塩が好適に用いられ、最も好ま しくは、入手容易性、価格等の観点から、L- スコルビン酸、D-arabo-アスコルビン酸等の リー体である。

 上記のアスコルビン酸類の使用量は、特に 限されず、原料である酸化型補酵素Q 10 をすべて(あるいはほとんど)還元型補酵素Q 10 に変換しうる有効量であればよい。一般的に 、酸化型補酵素Q 10 をすべて還元型補酵素Q 10 に変換しうるアスコルビン酸類の有効量は、 酸化型補酵素Q 10 に対して、1倍モル量以上、好ましくは1.2倍 ル量以上である。上限は特に制限されない 、経済性も考慮して、普通10倍モル量、好ま しくは5倍モル量、より好ましくは3倍モル量 ある。

 本発明の製造方法において、酸化型補酵素Q 10 の還元反応は、pHが5以下、好ましくはpHが4以 下、より好ましくはpH2~4の条件で実施される ここでいうpHの値は、還元反応における、 応混合物全体のpH値である。本発明において 、少なくとも反応開始時のpHが上記範囲とな 必要があるが、還元反応中のすべての期間 おけるpH値が上記範囲内となるのが好まし 。本発明において上記pH値を調整する方法と しては特に限定されず、酸や塩基を用いてpH を調整してもよいが、特段のpH調整手段を 要としない場合もある。

 pH調整に使用できる酸としては、特に限 されないが、硫酸、塩化水素(塩酸も含む)、 燐酸等の無機酸;メタンスルホン酸、エタン ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエン スルホン酸等のスルホン酸やトリフルオロ酢 酸、トリクロロ酢酸等のカルボン酸やクエン 酸、リンゴ酸等の有機酸などを挙げることが できる。なかでも、硫酸、塩化水素、燐酸等 の無機酸が好ましい。

 pH調整に使用できる塩基としては、特に 限されないが、例えば、炭酸ナトリウム等 アルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム のアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸マグネシ ム等のアルカリ土類金属炭酸塩、アンモニ 、トリエチルアミン等のアミン等を挙げる とができる。これらの中でも、pHの調整を容 易にするという観点から、金属(好ましくは アルカリ金属、アルカリ土類金属等)の炭酸 、炭酸水素塩、アンモニア、アミン等とい た弱塩基が好ましい。

 本発明の製造方法において、還元反応は、 制流動下に実施するのが好ましい。具体的 は、単位容積当たりの撹拌所要動力として 通常約0.01kW/m 3 以上、好ましくは約0.1kW/m 3 以上、より好ましくは約0.3kW/m 3 以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、 通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上 記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる 必要はなく、例えば、液の循環による方法な どを利用しても良い。

 本発明の製造方法において、還元反応は 普通30℃以上、好ましくは40℃以上、より好 ましくは50℃以上で実施される。還元反応温 の上限は系の沸点以下である。通常、30~150 程度、好ましくは40~120℃程度、より好まし は50~100℃程度で好適に還元反応は実施でき 。

 本発明の製造方法において、還元反応を実 する際の反応溶媒に対する酸化型補酵素Q 10 の初期濃度は、特に制限はないが、一般に、 含水有機溶媒100重量部に対する酸化型補酵素 Q 10 の重量として、普通約1重量部以上、好まし は3重量部以上、より好ましくは5重量部以上 、とりわけ10重量部以上である。上限は、特 制限されないが、普通約60重量部以下、好 しくは50重量部以下、より好ましくは40重量 以下、とりわけ30重量部以下である。一般 、含水有機溶媒100重量部に対する酸化型補 素Q 10 の重量として約1~30重量部、好ましくは約5~30 量部、より好ましくは約10~30重量部で好適 実施できる。

 本発明の製造方法において、還元反応は、 用するアスコルビン酸類の種類や量によっ 異なり、一律に規定できないが、通常、24 間以内、好ましくは20時間以内、より好まし くは15時間以内、とりわけ10時間以内に完了 せることができる。還元反応終了後の還元 補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は、97/3以上、好ましくは98/2以上、 り好ましくは99/1以上が期待できる。

 本発明の製造方法においては、上記還元反 を行った後、引き続き、反応液から還元型 酵素Q 10 を単離するのが好ましい。反応液からの還元 型補酵素Q 10 の単離方法としては、特に制限されないが、 例えば、以下の方法を挙げることができる。

 方法1:反応液から直接還元型補酵素Q 10 を晶析し、固液分離して、還元型補酵素Q 10 結晶を取得する方法、
 方法2:反応液に、有機溶媒及び/又は水を添 して、還元型補酵素Q 10 を有機層に移行させ、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とに分離させて有機 層を取得し、必要に応じて有機層の水洗・溶 媒置換を行った後、該有機層より還元型補酵 素Q 10 の晶析を行い、固液分離して、還元型補酵素 Q 10 結晶を取得する方法、
 方法3:反応液に、有機溶媒及び/又は水を添 して、還元型補酵素Q 10 を有機層に移行させ、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とに分離させて有機 層を取得し、必要に応じて有機層の水洗・溶 媒置換を行った後、該有機層より溶媒を留去 して、還元型補酵素Q 10 の油状物もしくは固形物を取得する方法。

 以下に、上記方法1~3について説明する。

 上記方法1においては還元反応を行った後、 引き続き、反応液から還元型補酵素Q 10 の晶析(結晶化)を行う。言うまでもなく、還 型補酵素Q 10 を含有する反応液に含有される不純物の除去 も兼ねて精製晶析するのが特に効果的である 。これにより、共存する不純物、特に、通常 除去するのが必ずしも容易ではない構造の類 似した類縁化合物(例えば、還元型補酵素Q 9 、還元型補酵素Q 8 、還元型補酵素Q 7 等)を除去することができる。

 方法1における還元型補酵素Q 10 の晶析は、冷却、濃縮、溶媒置換、貧溶媒の 使用等の一般的な晶析操作を、単独で用いて 、又は、適宜組み合わせて、実施することが できる。特に、冷却操作を用いる又は併用す る冷却晶析が好ましい。

 還元型補酵素Q 10 の晶析は、強制流動下に実施するのが好まし い。過飽和の形成を抑制し、スムースに核化 ・結晶成長を行うために、或いは、高品質化 の観点から、単位容積当たりの撹拌所要動力 として、通常約0.01kW/m 3 以上、好ましくは約0.1kW/m 3 以上、より好ましくは約0.3kW/m 3 以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、 通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上 記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる 必要はなく、例えば、液の循環による方法な どを利用しても良い。

 晶析に際しては、過飽和の形成を抑制し スムースに核化・結晶成長を行うために、 晶を添加するのが好ましい。

 還元型補酵素Q 10 の晶析温度(晶析時の冷却温度)は、晶析溶媒 種類や晶析方法にもより異なるので、一律 規定できないが、例えば、好ましくは25℃ 下、より好ましくは20℃以下、とりわけ15℃ 下、なかんずく10℃以下である。下限は、 の固化温度である。通常、0~25℃程度で好適 実施できる。
 得られる還元型補酵素Q 10 中への各種不純物の混入を最小化する、又は 良好な性状のスラリーを得る目的で、晶析時 の単位時間当たりの結晶の晶出量を制御する ことができる。好ましい単位時間当たりの晶 出量は、例えば、単位時間当たり全晶出量の 約50%量が晶出する速度以下(即ち、最大で50% /時間)であり、好ましくは、単位時間当たり 全晶出量の約25%量が晶出する速度以下(即ち 最大で25%量/時間)である。尚、冷却晶析にお ける冷却速度は、普通、約40℃/時間以下であ り、好ましくは約20℃/時間以下である。

 このようにして得られる還元型補酵素Q 10 の結晶は、例えば、遠心分離、加圧濾過、減 圧濾過等による固液分離を行い、更に、必要 に応じてケーキ洗浄を行って、湿体として取 得することができる。また、更に内部を不活 性ガスに置換した減圧乾燥器(真空乾燥器)に 湿体を仕込み、減圧下、乾燥することで、 元型補酵素Q 10 の結晶を乾体として取得することができるし 、乾体として取得するのが好ましい。

 方法1においては、所望の濃度あるいは性状 等で晶析を行うために、必要に応じ、溶媒を 追加しても良い。このとき、追加する溶媒と しては、特に制限されないが、炭化水素類、 脂肪酸エステル類、エーテル類、アルコール 類、脂肪酸類、ケトン類、窒素化合物類(ニ リル類、アミド類を含む)、硫黄化合物類、 等を挙げることができる。そのなかでも特 、1価又は2価のアルコール及び/又はケトン 、好ましくは1価又は2価のアルコール及び/ は水溶性のケトン類、具体的にはメタノー 、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノ ール、アセトン、メチルエチルケトン等、よ り好ましくはエタノール、アセトン等の有機 溶媒を追加するのが好ましい。該有機溶媒存 在下で晶析を行うことにより、スラリー性状 や結晶性状の良い還元型補酵素Q 10 の結晶を取得することができ好ましい。

 一方、操作の簡便性等からは、還元反応 に反応溶媒として使用した有機溶媒及び/又 は水を追加するのが好ましいことから、従っ て、方法1においては、メタノール、エタノ ル、1-プロパノール、2-プロパノール、アセ ン、メチルエチルケトン等、好ましくはエ ノール、アセトン等の有機溶媒と水の混合 媒である含水有機溶媒中で還元反応を行い 引き続き晶析を行うのが特に好ましい。

 晶析時の溶媒中の還元型補酵素Q 10 濃度は特に制限されないが、溶媒中での還元 型補酵素Q 10 の酸化防護効果は、還元型補酵素Q 10 の高濃度溶液において更に高まる傾向もある ので、溶媒100重量部に対する還元型補酵素Q 10 含有量として通常1重量部以上、好ましくは2 量部以上の濃度で晶析させるとより効果的 ある。

 上記方法2においては、還元反応終了後の反 応液に、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層が2層に分離するよ に、有機溶媒及び/又は水を添加して、還元 補酵素Q 10 を有機層に移行させ、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層を取得し、必要に応じ、有 機層の水洗・溶媒置換を行った後、該有機層 より還元型補酵素Q 10 の晶析を行い、固液分離の後に還元型補酵素 Q 10 結晶を取得する。

 方法2においては、還元反応に使用したア スコルビン酸類や、デヒドロアスコルビン酸 類等の反応時に生じる副生成物を水層に移行 させるのが好ましく、また、得られた有機層 は水洗して、残存する上記成分をさらに除去 するのがより好ましい。

 上記還元型補酵素Q 10 を含有する有機層と水層とを2層に分離する めに添加する有機溶媒としては、還元反応 了後の反応液に、該有機溶媒、または該有 溶媒と水とを添加したときに水層と還元型 酵素Q 10 を含有する有機層とが分層する性質を有して いるものであれば、特に制限されない。また 、このとき添加する有機溶媒は、還元反応時 に反応溶媒として使用した含水有機溶媒中の 有機溶媒と同じであってもよく、異なってい てもよい。

 このような有機溶媒としては、例えば、炭 水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、 ルコール類、ケトン類、窒素化合物類(ニト リル類、アミド類を含む)、硫黄化合物類等 挙げることができる。また、還元反応後の 応液(含水有機溶媒溶液)に、さらに水を添加 することにより、水層と還元型補酵素Q 10 を含有する有機層とに分離するのであれば、 有機溶媒を必ずしも使用する必要はない。言 うまでもなく、有機溶媒と水の両者を添加し ても良い。還元型補酵素Q 10 の有機層への移行時、あるいは、該有機層の 水洗時において、還元型補酵素Q 10 を分子酸素による酸化から防護するという観 点から、添加する有機溶媒として、炭化水素 類、脂肪酸エステル類、エーテル類、ニトリ ル類のうち、少なくとも一種を用いるのが好 ましく、最も好ましくは炭化水素類である。

 炭化水素類としては、例えば、脂肪族炭 水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水 等を挙げることができる。特に、脂肪族炭 水素、芳香族炭化水素が好ましく、とりわ 、脂肪族炭化水素が好ましい。

 上記脂肪族炭化水素としては、環状、非 状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、 に制限されないが、通常、炭素数3~20、好ま しくは、炭素数5~12のものが用いられる。

 具体例としては、例えば、プロパン、ブ ン、イソブタン、ペンタン、2-メチルブタ 、シクロペンタン、2-ペンテン、ヘキサン、 2-メチルペンタン、2,2-ジメチルブタン、2,3- メチルブタン、メチルシクロペンタン、シ ロヘキサン、1-ヘキセン、シクロヘキセン、 ヘプタン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキ ン、2、3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペ タン、メチルシクロヘキサン、1-ヘプテン オクタン、2,2,3-トリメチルペンタン、イソ クタン、エチルシクロヘキサン、1-オクテン 、ノナン、2,2,5-トリメチルヘキサン、1-ノネ 、デカン、1-デセン、p-メンタン、ウンデカ ン、ドデカン等を挙げることができる。

 中でも、炭素数5~8の飽和脂肪族炭化水素 好ましく、ペンタン、2-メチルブタン、シ ロペンタン、ヘキサン、2-メチルペンタン、 2,2-ジメチルブタン、2,3-ジメチルブタン、メ ルシクロペンタン、シクロヘキサン、ヘプ ン、2-メチルヘキサン、3-メチルヘキサン、 2,3-ジメチルペンタン、2,4-ジメチルペンタン メチルシクロヘキサン、オクタン、2,2,3-ト メチルペンタン、イソオクタン、エチルシ ロヘキサン、及びこれらの混合物が好まし 用いられる。

 上記芳香族炭化水素としては、特に制限 れないが、普通、炭素数6~20、特に炭素数6~1 2、とりわけ炭素数7~10のものが好適に用いら る。具体例としては、例えば、ベンゼン、 ルエン、キシレン、o-キシレン、m-キシレン 、p-キシレン、エチルベンゼン、クメン、メ チレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p- メン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチル ンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベ ゼン、ドデシルベンゼン、スチレン等を挙 ることができる。好ましくは、トルエン、 シレン、o-キシレン、m-キシレン、p-キシレ 、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、 トラリン、ブチルベンゼン、p-シメン、シク ロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペ ンチルベンゼンであり、より好ましくは、ト ルエン、キシレン、o-キシレン、m-キシレン p-キシレン、クメン、テトラリンであり、最 も好ましくは、クメンである。

 上記ハロゲン化炭化水素としては、環状 非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わ 、特に制限されないが、一般に、非環状の のが好ましく用いられる。普通、塩素化炭 水素、フッ素化炭化水素が好ましく、特に 素化炭化水素が好ましい。炭素数1~6、特に 素数1~4、とりわけ炭素数1~2のものが好適に いられる。

 具体例としては、例えば、ジクロロメタ 、クロロホルム、四塩化炭素、1,1-ジクロロ エタン、1,2-ジクロロエタン、1,1,1-トリクロ エタン、1,1,2-トリクロロエタン、1,1,1,2-テト ラクロロエタン、1,1,2,2-テトラクロロエタン ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン 1,1-ジクロロエチレン、1,2-ジクロロエチレ 、トリクロロエチレン、テトラクロロエチ ン、1,2-ジクロロプロパン、1,2,3-トリクロロ ロパン、クロロベンゼン、1,1,1,2-テトラフ オロエタン等を挙げることができる。

 好ましくは、ジクロロメタン、クロロホ ム、四塩化炭素、1,1-ジクロロエタン、1,2- クロロエタン、1,1,1-トリクロロエタン、1,1,2 -トリクロロエタン、1,1-ジクロロエチレン、1 ,2-ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、 クロロベンゼン、1,1,1,2-テトラフルオロエタ であり、より好ましくは、ジクロロメタン クロロホルム、1,2-ジクロロエチレン、トリ クロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2-テ ラフルオロエタンである。

 上記脂肪酸エステル類としては、例えば プロピオン酸エステル、酢酸エステル、ギ エステル等を挙げることができる。特に、 酸エステル、ギ酸エステルが好ましく、と わけ、酢酸エステルが好ましい。特に制限 れないが、一般に、エステル基としては、 素数1~8のアルキルエステル又はアラルキル ステル、好ましくは炭素数1~6のアルキルエ テル、より好ましくは炭素数1~4のアルキル ステルが好ましく用いられる。

 プロピオン酸エステルとしては、例えば プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペ チルを挙げることができる。

 酢酸エステルとしては、例えば、酢酸メ ル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソ ロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢 sec-ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチ ル、酢酸sec-ヘキシル、酢酸シクロヘキシル 酢酸ベンジル等を挙げることができる。好 しくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プ ピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢 イソブチル、酢酸sec-ブチル、酢酸ペンチル 酢酸イソペンチル、酢酸sec-ヘキシル、酢酸 シクロヘキシルであり、より好ましくは、酢 酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸 イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル であり、最も好ましくは、酢酸エチルである 。

 ギ酸エステルとしては、例えば、ギ酸メ ル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソ ロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ sec-ブチル、ギ酸ペンチル等を挙げることが できる。好ましくは、ギ酸メチル、ギ酸エチ ル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブ チル、ギ酸ペンチルであり、最も好ましくは 、ギ酸エチルである。

 エーテル類としては、環状、非環状を問 ず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限 れないが、一般に、飽和のものが好ましく いられる。普通、炭素数3~20、特に炭素数4~1 2、とりわけ炭素数4~8のものが好適に用いら る。

 具体例としては、例えば、ジエチルエー ル、メチルtert-ブチルエーテル、ジプロピ エーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブ ルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチル ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ア ソール、フェネトール、ブチルフェニルエ テル、メトキシトルエン、ジオキサン、フ ン、2-メチルフラン、テトラヒドロフラン、 テトラヒドロピラン、エチレングリコールジ メチルエーテル、エチレングリコールジエチ ルエーテル、エチレングリコールジブチルエ ーテル、エチレングリコールモノメチルエー テル、エチレングリコールモノエチルエーテ ル、エチレングリコールジブチルエーテル等 を挙げることができる。

 好ましくは、ジエチルエーテル、メチルt ert-ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、 イソプロピルエーテル、ジブチルエーテル ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネ ール、ブチルフェニルエーテル、メトキシ ルエン、ジオキサン、2-メチルフラン、テト ラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチ レングリコールジメチルエーテル、エチレン グリコールジエチルエーテル、エチレングリ コールジブチルエーテル、エチレングリコー ルモノメチルエーテル、エチレングリコール モノエチルエーテルであり、より好ましくは 、ジエチルエーテル、メチルtert-ブチルエー ル、アニソール、ジオキサン、テトラヒド フラン、エチレングリコールモノメチルエ テル、エチレングリコールモノエチルエー ルであり、さらに好ましくは、ジエチルエ テル、メチルtert-ブチルエーテル、アニソ ル、テトラヒドロフラン等であり、最も好 しくは、メチルtert-ブチルエーテル、テトラ ヒドロフランである。

 ニトリル類としては、環状、非環状を問 ず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限 れないが、一般に飽和のものが好ましく用 られる。普通、炭素数2~20、特に炭素数3~12 とりわけ炭素数3~8のものが好適に用いられ 。具体例としては、例えば、アセトニトリ 、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブ ロニトリル、イソブチロニトリル、スクシ ニトリル、バレロニトリル、グルタロニト ル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド オクチルシアニド、ウンデカンニトリル、 デカンニトリル、トリデカンニトリル、ペ タデカンニトリル、ステアロニトリル、ク ロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル クロロプロピオニトリル、ブロモプロピオ トリル、メトキシアセトニトリル、シアノ 酸メチル、シアノ酢酸エチル、トルニトリ 、ベンゾニトリル、クロロベンゾニトリル ブロモベンゾニトリル、シアノ安息香酸、 トロベンゾニトリル、アニソニトリル、フ ロニトリル、ブロモトルニトリル、メチル アノベンゾエート、メトキシベンゾニトリ 、アセチルベンゾニトリル、ナフトニトリ 、ビフェニルカルボニトリル、フェニルプ ピオニトリル、フェニルブチロニトリル、 チルフェニルアセトニトリル、ジフェニル セトニトリル、ナフチルアセトニトリル、 トロフェニルアセトニトリル、クロロベン ルシアニド、シクロプロパンカルボニトリ 、シクロヘキサンカルボニトリル、シクロ プタンカルボニトリル、フェニルシクロヘ サンカルボニトリル、トリルシクロヘキサ カルボニトリル等を挙げることができる。

 好ましくは、プロピオニトリル、スクシ ニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニ リル、バレロニトリル、シアノ酢酸メチル シアノ酢酸エチル、ベンゾニトリル、トル トリル、クロロプロピオニトリルであり、 り好ましくは、アセトニトリル、プロピオ トリル、ブチロニトリル、イソブチロニト ルである。

 アルコール類としては、環状、非環状を わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制 されないが、一般に、飽和のものが好まし 用いられる。普通、炭素数1~20、特に炭素数 4~12、とりわけ炭素数4~6の1価アルコールが好 しい。

 1価のアルコールとしては、例えば、メタ ノール、エタノール、1-プロパノール、2-プ パノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イ ブチルアルコール、tert-ブチルアルコール 1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペンタ ール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチル アルコール、tert-ペンチルアルコール、3-メ ル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコール 1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノール、4 -メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブタノー ル、1-ヘプタノール、2-ヘプタノール、3-ヘプ タノール、1-オクタノール、2-オクタノール 2-エチル-1-ヘキサノール、1-ノナノール、1- カノール、1-ウンデカノール、1-ドデカノー 、アリルアルコール、プロパルギルアルコ ル、ベンジルアルコール、シクロヘキサノ ル、1-メチルシクロヘキサノール、2-メチル シクロヘキサノール、3-メチルシクロヘキサ ール、4-メチルシクロヘキサノール等を挙 ることができる。

 好ましくは、1-ブタノール、2-ブタノール 、イソブチルアルコール、tert-ブチルアルコ ル、1-ペンタノール、2-ペンタノール、3-ペ タノール、2-メチル-1-ブタノール、イソペ チルアルコール、tert-ペンチルアルコール、 3-メチル-2-ブタノール、ネオペンチルアルコ ル、1-ヘキサノール、2-メチル-1-ペンタノー ル、4-メチル-2-ペンタノール、2-エチル-1-ブ ノール、シクロヘキサノールであり、より ましくは、メタノール、エタノール、1-プロ パノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2- ブタノール、イソブチルアルコール、tert-ブ ルアルコール、1-ペンタノール、2-ペンタノ ール、3-ペンタノール、2-メチル-1-ブタノー 、イソペンチルアルコール、tert-ペンチルア ルコール、3-メチル-2-ブタノール、ネオペン ルアルコールであり、さらに好ましくは、1 -ブタノール、2-ブタノール、イソブチルアル コール、2-メチル-1-ブタノール、イソペンチ アルコールである。

 2価のアルコールとしては、1,2-エタンジ ール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジ オール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオ ル、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオー 、1,5-ペンタンジオール等を挙げることがで る。

 3価のアルコールとしてはグリセリン等を 挙げることができる。

 ケトン類としては、特に制限されず、普 炭素数3~6のものが好適に用いられる。具体 としては、例えば、アセトン、メチルエチ ケトン、メチルブチルケトン、メチルイソ チルケトン等を挙げることができ、好まし は、メチルエチルケトンである。

 窒素化合物類としては、例えば、ニトロ タン、ホルムアミド、N-メチルホルムアミ 、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルア セトアミド、N-メチルピロリドン等を挙げる とができる。

 硫黄化合物類としては、例えば、ジメチ スルホキシド、スルホラン等を挙げること できる。

 方法2において添加される水として、アス コルビン酸類やその他の副生成物等を効率よ く水層に移行させる、水層と有機層との混合 による乳濁液の生成を回避する、等の観点か ら、食塩水等の水溶液を用いても良い。また 、還元反応終了後の反応液に、上記水との相 溶性の低い溶媒を添加するだけで水層と有機 層に分離する場合は、必ずしも水を添加しな くともよい。

 方法2においては、反応液に有機溶媒及び/ は水を添加することで水層と分離して得ら た還元型補酵素Q 10 を含有する有機層を、必要に応じて水洗した 後、そのまま晶析することもできる。この場 合、還元反応時に使用する有機溶媒や上記反 応後に添加する有機溶媒として、炭化水素類 、脂肪酸エステル類、エーテル類、ニトリル 類のうち、少なくとも一種を用いるのが、晶 析時の還元型補酵素Q 10 を分子酸素による酸化から防護するという観 点から好ましい。

 言うまでもなく、上記反応後に添加する有 溶媒として、炭化水素類、脂肪酸エステル 、エーテル類、アルコール類、ケトン類、 素化合物類(ニトリル類、アミド類を含む) 硫黄化合物類等を用いて還元型補酵素Q 10 を含有する有機層を取得した後、他の溶媒に 溶媒置換し、その後、晶析を行っても良い。 特に、1価又は2価のアルコールあるいはケト 、好ましくは1価又は2価のアルコールある は水溶性のケトン(具体的にはメタノール、 タノール、1-プロパノール、2-プロパノール 、アセトン、メチルエチルケトン等、好まし くはエタノール、アセトン等)と水との混合 媒を用いて晶析を行った場合には、スラリ 性状や結晶性状の良い還元型補酵素Q 10 の結晶を取得することができる。この観点か らは、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エー テル類、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類 、窒素化合物類(ニトリル類、アミド類を含 )、硫黄化合物類、水等の溶媒を添加して、 ましくは、還元型補酵素Q 10 の酸化防護の観点、及び、還元剤として使用 したアスコルビン酸類の除去性の観点から炭 化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、 ニトリル類のうち、少なくとも一種の溶媒と 水とを添加して、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層を取得し、必要に応じて水 洗した後、1価又は2価のアルコールあるいは トン類に溶媒置換し、晶析するのも好まし 態様である。

 上記、溶媒置換の方法としては特に制限さ ないが、溶媒置換の操作を最短化し、還元 補酵素Q 10 の酸化型補酵素Q 10 への酸化を抑制するという観点から、好まし くは還元型補酵素Q 10 の融解温度以上で溶媒を留去し、その後、所 望の別の溶媒を添加するのが好ましい。

 方法2における、上記有機層からの晶析方 法やその後の処理は、上記方法1と同様の方 により行うことができる。

 上記方法3においても、上記方法2と同様、 元反応に使用したアスコルビン酸類及びデ ドロアスコルビン酸類等の反応時に生じる 生成物を水層に移行させるのが好ましく、 得した有機層を水洗して、残存する上記成 をさらに除去するのがより好ましい。その 、添加する有機溶媒及び/又は水の種類や添 方法、還元型補酵素Q 10 の有機層への移行、取得した有機層の水洗、 溶媒置換等の方法として、上記方法2と同様 ものや手法を取ることができる。

 方法3において、還元型補酵素Q 10 を含有する有機層より溶媒を留去する方法と しては、溶媒が除去された還元型補酵素Q 10 が取得できれば、特に制限されず、還元型補 酵素Q 10 を油状物として取得しても良いし、固形物と して取得しても良い。しかしながら、操作を 最短化し、還元型補酵素Q 10 の酸化型補酵素Q 10 への酸化を抑制するという観点、及び、濃縮 缶からの払い出し性等の観点からは、還元型 補酵素Q 10 又は還元型補酵素Q 10 を主成分とする濃縮物の融解温度以上(融解 度に幅がある場合は、融解開始温度以上)で 媒を留去し、還元型補酵素Q 10 の油状物として取得するのが好ましい。言う までもなく、還元型補酵素Q 10 を油状物として取得した後に、該油状物を冷 却し、固形物とするのも好ましい態様である 。

 上記方法1~3の中でも、取得した還元型補酵 Q 10 の取り扱いやすさ等から、上記方法1または 法2のように結晶として取得するのが好まし 、操作の簡便性等から、上記方法1が特に好 ましい。

 尚、本発明の製造方法は、脱酸素雰囲気下 実施することが、還元型補酵素Q 10 を酸化から防護する上で効果的である。脱酸 素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、 沸騰やこれらを組み合わせることにより達成 できる。少なくとも、不活性ガスによる置換 、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適 である。上記不活性ガスとしては、例えば、 窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水 素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好 ましくは窒素ガスである。

 本発明の製造方法では、酸化型補酵素Q 10 を還元型補酵素Q 10 へと還元するに際し、反応時間を大幅に短縮 することができ、高品質の還元型補酵素Q 10 を作業性、経済性良く得ることができる。

 以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳し 説明するが、本発明はこれら実施例のみに 定されるものではない。なお本実施例にお て、pHはpHメーターD51(株式会社堀場製作社 )を用いて測定した。また、実施例中の還元 補酵素Q 10 の純度、還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比等は、下記HPLC分析により求めたが 本発明における純度の限界値を規定するも ではなく、その上限値を規定するものでも い。

 (HPLC分析条件)
 カラム;SYMMETRY C18(Waters製),250mm(長さ),4.6mm(内 径)、移動相;C 2 H 5 OH:CH 3 OH=4:3(v:v)、検出波長;210nm、流速;1ml/min、還元 補酵素Q 10 の保持時間;9.1min、酸化型補酵素Q 10 の保持時間;13.3min。

 (実施例1~3、比較例1)
 表1に示す割合でエタノール(コニシ株式会 製、試薬特級)と水とを混合した165gの含水エ タノール中に、10gの酸化型補酵素Q 10 、6gのL-アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌 し、還元反応を行った。還元反応開始時の溶 液のpHと、還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比が99.5/0.5に到達するのに要した反応 間を表1に示す。尚、比較のため、水を添加 していないエタノールを同条件で用いた時の 結果も併せて示す。

 (実施例4、比較例2)
 表2に示すとおり、2-プロパノール(ナカライ テスク株式会社製、特級)と水とを重量比で90 /10の割合で混合した165gの含水2-プロパノール 中に、10gの酸化型補酵素Q 10 、6gのL-アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌 し、還元反応を行った。還元反応開始時の溶 液のpHと、還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比が99.5/0.5に到達するのに要した反応 間を表2に示す。尚、比較のため、含水2-プ パノールの代わりに水を添加していない2- ロパノールを用いた時の結果も併せて示す

 (実施例5、比較例3)
 表3に示すとおり、アセトン(サンライズケ カル株式会社製)と水とを重量比で85/15の割 で混合した100gの含水アセトン中に、10gの酸 型補酵素Q 10 、6gのL-アスコルビン酸を加え、55℃にて攪拌 し、還元反応を行った。還元反応開始時の溶 液のpHと、24時間経過後の反応液中の還元型 酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比を表3に示す。尚、比較のため、含 アセトンの代わりに水を添加していないア トンを用いた時の結果も併せて示す。

 (実施例6)
 165gの含水エタノール(エタノール/水重量比= 94/6)に、10gの還元型補酵素Q 10 、6gのL-アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌 し、pH3.5で還元反応を行った。13時間後、こ エタノール溶液を攪拌しながら、10℃/時間 冷却速度で2℃まで冷却し、白色のスラリー 得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿 晶を含冷エタノール(エタノール/水重量比=9 4/6)にて洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃ )して、さらに、湿結晶を減圧乾燥(20~40℃、1~ 30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.8gを た(収率98モル%)。なお、以上すべての操作 窒素雰囲気下で実施した。得られた結晶の 元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は99.5/0.5、還元型補酵素Q 10 の純度は99.4%であった。

 (実施例7)
 165gの含水エタノール(エタノール/水重量比= 90/10)に、10gの還元型補酵素Q 10 、6gのL-アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌 し、pH3.5で還元反応を行った。13時間後、こ エタノール溶液を50℃まで冷却し、さらにヘ キサン100g、水100gを添加して攪拌したのち静 して、2層に分離させた。水層を除去した後 、得られた有機層を攪拌しながら、10℃/時間 の冷却速度で2℃まで冷却し、白色のスラリ を得た。得られたスラリーを減圧ろ過し、 結晶を含冷エタノール(エタノール/水重量比 =94/6)にて洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2 )して、さらに、湿結晶を減圧乾燥(20~40℃、 1~30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶9.5g 得た(収率95モル%)。なお、以上すべての操作 は窒素雰囲気下で実施した。得られた結晶の 還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は99.5/0.5、還元型補酵素Q 10 の純度は99.4%であった。

 (実施例8)
 165gの含水エタノール(エタノール/水重量比= 90/10)に、10gの還元型補酵素Q 10 、6gのL-アスコルビン酸を加え、78℃にて攪拌 し、pH3.5で還元反応を行った。13時間後、こ エタノール溶液を50℃まで冷却し、さらにヘ キサン100g、水100gを添加して攪拌したのち静 して、2層に分離させた。水層を除去した後 、得られた有機層を、減圧下、攪拌しながら 、内温50℃にて溶媒留去を行い,無色透明の油 状物9.9gを得た(収率99モル%)。なお、減圧操作 を除くすべての操作は窒素雰囲気下で実施し た。得られた油状物の還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は99.5/0.5、還元型補酵素Q 10 の純度は99.2%であった。

 (比較例4)
 1Lのエタノール(コニシ株式会社製、試薬特 )に10gの酸化型補酵素Q 10 、4gのL-アスコルビン酸を加え、50℃にて攪拌 し、酸化型補酵素Q 10 及びL-アスコルビン酸を溶解させた。溶解後 0.05Mの水酸化ナトリウム水溶液100mLと水150mL 加え、同温にて攪拌し、還元反応を行った このときの反応液のpHは6.3であった。反応 始から5時間後の反応液中の還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は95.8/4.2に達したが、さらに3時間後 の還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は95.9/4.1とほとんど変化なかった。7 8℃に昇温した後、さらに3時間反応させたが 反応液中の還元型補酵素Q 10 /酸化型補酵素Q 10 の重量比は96.1/3.9とほとんど変化なかった。