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Patent Searching and Data


Title:
MONOSEBACATE OF PYRAZOLE DERIVATIVE
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2009/084531
Kind Code:
A1
Abstract:
The invention provides a novel form of 3-(3-{4-[3-(β-D-glucopyranosyloxy)-5-isopropyl-1H-pyrazol-4-ylmethyl]-3-methylphenoxy}propylamino)-2,2-dimethylpropionamide with improved storage stability. Since bis[3-(3-{4-[3-(β-D-glucopyranosyloxy)-5-isopropyl-1H-pyrazol-4-ylmethyl]-3-methylphenoxy}propylamino)-2,2-dimethylpropionamide monosebacate has an extremely excellent storage stability, it is useful as a pharmaceutical drug substance. Further, it shows an extremely good crystalline property and can be purified by a simple method, and therefore is suitable for industrial production.

Inventors:
TAKEUCHI HIDEKI (JP)
TSURU EIJI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/073405
Publication Date:
July 09, 2009
Filing Date:
December 24, 2008
Export Citation:
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Assignee:
KISSEI PHARMACEUTICAL (JP)
TAKEUCHI HIDEKI (JP)
TSURU EIJI (JP)
International Classes:
C07H17/02; A61K31/7056; A61P3/00; A61P3/04; A61P3/06; A61P3/08; A61P3/10; A61P7/10; A61P9/04; A61P9/10; A61P9/12; A61P19/06; A61P43/00
Domestic Patent References:
WO2004018491A12004-03-04
WO2006077426A22006-07-27
WO2006097849A12006-09-21
WO2004019958A12004-03-11
WO2004014932A12004-02-19
WO2004018491A12004-03-04
Foreign References:
JP2007516155A2007-06-21
US20060111560A12006-05-25
Other References:
See also references of EP 2228378A4
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Claims:
構造式

で表される化合物。
結晶性である、請求項1記載の化合物。
粉末X線回折図において、回折角(2θ(°))として7.6±0.1、8.5±0.1、10.6±0.1、12.8±0.1及び17.6±0.1に特徴的なピークを有することを特徴とする、請求項2記載の化合物。
示差走査熱量チャートにおいて、130℃付近に吸熱ピークを有することを特徴とする、請求項2記載の化合物。
13 C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学シフト値(δ(ppm))として101.4±0.2、100.9±0.2、82.8±0.2、74.2±0.2、40.9±0.2、25.5±0.2、23.1±0.2及び22.3±0.2に特徴的なピークを有することを特徴とする、請求項2記載の化合物。
請求項1~5のいずれかに記載の化合物を有効成分として含有する医薬組成物。
高血糖症に起因する疾患又は血中ガラクトース値の上昇に起因する疾患の予防又は治療用である請求項6記載の医薬組成物。
請求項1~5のいずれかに記載の化合物とスルフォニルウレア薬及びグリニド系薬のいずれかとを組み合わせてなる医薬。
請求項1~5のいずれかに記載の化合物とグリクラジド及びミチグリニドカルシウム水和物のいずれかとを組み合わせてなる請求項8記載の医薬。
高血糖症に起因する疾患の予防又は治療用である請求項8又は9記載の医薬。
Description:
ピラゾール誘導体のモノセバシ 酸塩

 本発明は、ヒトSGLT1活性阻害作用を発現 、糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖異常、 尿病性合併症、肥満症等の高血糖症に起因 る疾患やガラクトース血症等の血中ガラク ース値の上昇に起因する疾患の予防又は治 薬として有用な、式:


 で表される化合物(化学名:ビス[3-(3-{4-[3-(β-D -グルコピラノシルオキシ)-5-イソプロピル-1H- ピラゾール-4-イルメチル]-3-メチルフェノキ }プロピルアミノ)-2,2-ジメチルプロピオンア ド]・モノセバシン酸塩;以下、「モノセバ ン酸塩」と略称する場合がある)に関するも である。

 ヒトSGLT1活性阻害作用を発現し、糖尿病 耐糖能異常、空腹時血糖異常、糖尿病性合 症、肥満症等の高血糖症に起因する疾患や ラクトース血症等の血中ガラクトース値の 昇に起因する疾患の予防又は治療薬として 用な、式:


で表される化合物(遊離体)が開示されている (特許文献1参照)、その具体的な塩化合物に いては何ら報告されていない。

国際公開第2004/018491号パンフレット

 特許文献1記載の化合物(B)は非晶質であり、 下記の試験例(保存安定性試験)にて記載の通 、化合物の分解に伴う純度低下や潮解性が められ、保存安定性が悪く、医薬品原体と て使用するには物性の改良が必要である。
 本発明は、高い保存安定性を有し、医薬品 体としての使用に適する前記化合物(B)の別 な形態を提供することを課題とする。

 本発明者らは、上記課題に鑑み、鋭意検 した結果、ビス〔3-(3-{4-〔3-(β-D-グルコピラ ノシルオキシ)-5-イソプロピル-1H-ピラゾール- 4-イルメチル〕-3-メチルフェノキシ}プロピル アミノ)-2,2-ジメチルプロピオンアミド〕・モ ノセバシン酸塩が、極めて優れた保存安定性 を備え、しかも極めて良好な結晶性を有し工 業的生産に適していることから、医薬品原体 として好適な化合物であることを見出し、本 発明を完成するに至った。

 すなわち、本発明は、
(1)前記化学構造式(A)で表される化合物;
(2)結晶性である、前記(1)記載の化合物;
(3)粉末X線回折図において、回折角(2θ(°))と て7.6±0.1、8.5±0.1、10.6±0.1、12.8±0.1及び17.6±0 .1に特徴的なピークを有することを特徴とす 、前記(2)記載の化合物;
(4)示差走査熱量チャートにおいて、130℃付近 に吸熱ピークを有することを特徴とする、前 記(2)記載の化合物;
(5) 13 C固体NMRスペクトルチャートにおいて、化学 フト値(δ(ppm))として101.4±0.2、100.9±0.2、82.8± 0.2、74.2±0.2、40.9±0.2、25.5±0.2、23.1±0.2及び22. 3±0.2に特徴的なピークを有することを特徴と する、前記(2)記載の化合物;
(6)前記(1)~(5)のいずれかに記載の化合物を有 成分として含有する医薬組成物; 
(7)高血糖症に起因する疾患又は血中ガラクト ース値の上昇に起因する疾患の予防又は治療 用である前記(6)記載の医薬組成物;
(8)前記(1)~(5)のいずれかに記載の化合物とス フォニルウレア薬及びグリニド系薬のいず かとを組み合わせてなる医薬;
(9)前記(1)~(5)のいずれかに記載の化合物とグ クラジド及びミチグリニドカルシウム水和 のいずれかとを組み合わせてなる前記(8)記 の医薬;
(10)高血糖症に起因する疾患の予防又は治療 である前記(8)又は(9)記載の医薬;等に関する のである。

 本発明のモノセバシン酸塩は、長期保存 おいて潮解を起こすことが無く、また純度 下が殆ど認められず、保存安定性に優れて る。また、極めて良好な結晶性を有し、流 性に優れており、例えば、製剤化において 扱い易い化合物である。更には、簡便な方 により高純度に精製可能なため、工業的生 に適している。

 本発明のモノセバシン酸塩は、例えば、以 の方法により製造することができる。
 すなわち、例えば、特許文献1に記載の方法 又はそれに準拠した方法に従い製造できる、 遊離体である化合物(B)と、等量(0.5当量)また 小過剰量のセバシン酸とを適当な良溶媒中 混合し、加熱下に溶解後、必要に応じて適 貧溶媒を加え、放冷又は水冷下、或いは室 付近にて析出したモノセバシン酸塩を単離 製することにより製造することができる。

 良溶媒としては、塩形成を妨害しない溶 であればよく、例えば、メタノール、エタ ール、1-プロパノール、2-プロパノール、1- タノール、2-ブタノールなどのアルコール を用いることができる。また、二種類以上 良溶媒を組み合わせて用いてもよい。

 塩形成後に良溶媒中に適宜添加すること できる貧溶媒としては、例えば、酢酸エチ などのカルボン酸エステル類;ヘプタン、ト ルエンなどの炭化水素類;ジイソプロピルエ テル、ジエチルエーテル、tert-ブチルメチル エーテルなどのエーテル類を用いることがで きる。また、二種類以上の貧溶媒を組み合わ せて用いてもよい。

 なお、良溶媒としてエタノール、1-プロ ノール、2-プロパノール、1-ブタノール又は2 -ブタノールを使用した場合は、モノセバシ 酸塩が溶媒和結晶として析出することがあ が、その溶媒和結晶を加熱下及び/又は減圧 に乾燥させ、適宜溶媒を除去することによ 、本発明のモノセバシン酸塩を製造するこ もできる。

 本発明のモノセバシン酸塩は、上記の方 等に従い製造したモノセバシン酸塩を、必 に応じて、例えば、エタノール-ジイソプロ ピルエーテル混合溶媒、エタノール-2-ブタノ ール混合溶媒、メタノール-ジイソプロピル ーテル混合溶媒、メタノール-tert-ブチルメ ルエーテル混合溶媒、メタノール-酢酸エチ 混合溶媒、1-プロパノールなど適当な再結 溶媒を用いて再結晶を行い精製することが きる。

 本発明のモノセバシン酸塩は、高血糖症に 因する疾患又は血中ガラクトース値の上昇 起因する疾患の予防又は治療剤として有用 ある。
 本発明において、高血糖症に起因する疾患 しては、糖尿病、耐糖能異常、空腹時血糖 常、糖尿病性合併症、肥満症、高インスリ 血症、高脂質血症、高コレステロール血症 高トリグリセリド血症、脂質代謝異常、ア ローム性動脈硬化症、高血圧、うっ血性心 全、浮腫、高尿酸血症、痛風等を挙げるこ ができる。また、血中ガラクトース値の上 に起因する疾患としては、ガラクトース血 等を挙げることができる。

 本発明に係る医薬組成物は、モノセバシ 酸塩と賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤、 釈剤、緩衝剤、等張化剤、防腐剤、湿潤剤 乳化剤、分散剤、安定化剤、溶解補助剤な の、医薬品添加物として慣用されている製 担体とを適宜混合することにより製造する とができる。

 本発明の医薬組成物を実際の治療に用い 場合、用法に応じ種々の剤型のものが使用 れる。このような剤型としては、例えば、 剤、顆粒剤、細粒剤、ドライシロップ剤、 剤、カプセル剤、注射剤などを挙げること でき、経口又は非経口的に投与される。モ セバシン酸塩の投与量は患者の年齢、性別 体重、疾患及び治療の程度等により適宜決 されるが、経口投与の場合は成人1日当たり 約0.01mg~約1000mgの範囲で、非経口投与の場合 成人1日当たり約0.001mg~約300mgの範囲で、1回 は数回に分けて適宜投与することができる

 また、本発明の化合物は、スルフォニル レア薬(Sulfonylureas)及びグリニド系薬(Glinides) のいずれかとを組み合わせて用いることがで きる。スルフォニルウレア薬としては、トル ブタミド、クロルプロパミド、トラザミド、 アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリ ブリド(グリベンクラミド)、グリクラジド、1 -ブチル-3-メタニリルウレア、カルブタミド グリボルヌリド、グリピジド、グリキドン グリソキセピド、グリブチアゾール、グリ ゾール、グリヘキサミド、グリミジンナト ウム、グリピナミド、フェンブタミド、ト シクラミド、グリメピリド等を、グリニド 薬としては、ナテグリニド、ミチグリニド ルシウム水和物、レパグリニド等を挙げる とができる。尚、各薬物の投与量は、それ れの有効量に準じて、患者の年齢、性別、 重、疾患及び治療の程度等により適宜決定 れる。

 本発明の化合物とスルフォニルウレア薬 びグリニド系薬のいずれかとを組み合わせ 使用する場合、本発明は、単一の製剤とし の同時投与、別個の製剤としての同一又は なる投与経路による同時投与、及び別個の 剤としての同一又は異なる投与経路による 隔をずらした投与のいずれの投与形態を含 、本発明の化合物とスルフォニルウレア薬 びグリニド系薬のいずれかとを組み合わせ なる医薬とは、上記の投与形態で使用する 一製剤や別個の製剤の組み合わせのいずれ も含む。

 本発明の内容を以下の実施例及び試験例 用いて、さらに詳細に説明するが、本発明 これらの内容に限定されるものではない。

(実施例1)
ビス〔3-(3-{4-〔3-(β-D-グルコピラノシルオキ )-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-4-イルメチル 〕-3-メチルフェノキシ}プロピルアミノ)-2,2- メチルプロピオンアミド〕・モノセバシン 塩
 3-(3-{4-〔3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-5- ソプロピル-1H-ピラゾール-4-イルメチル〕-3- チルフェノキシ}プロピルアミノ)-2,2-ジメチ ルプロピオンアミド(1.00g)とセバシン酸(0.18g) エタノール(10mL)に懸濁し、5分間70℃で加熱 拌し溶解した。70℃でジイソプロピルエー ル(5mL)を加え、室温下1時間攪拌した。析出 をろ取後、減圧下50℃で乾燥し、標題化合物 (1.05g)を得た。更に、当該化合物をエタノー (10mL)に加熱還流して溶解した後、ジイソプ ピルエーテル(5mL)を加え、室温まで冷却し、 一晩攪拌した。析出した結晶をろ取し、減圧 下50℃で乾燥後、精製した標題化合物の結晶( 0.96g)を得た。
1 H-NMR(DMSO-d 6 )(δ(ppm)):1.00-1.10 (12H, m), 1.24 (4H, s), 1.40-1.50  (2H, m), 1.70-1.90 (2H, m), 2.17 (2H, t, J=7.0Hz),  2.26 (3H, s), 2.64 (2H, t, J=6.5Hz), 2.70-2.80 (1H , m), 3.00-3.20 (4H, m), 3.40-3.50 (3H, m), 3.62 (1 H, d, J=11.5Hz), 3.93 (2H, t, J=6.0Hz), 4.20-4.80 (1 H, br), 5.18 (1H, d, J=8.0Hz), 6.60 (1H, d, J=8.0Hz ), 6.69 (2H, s), 6.82 (1H, d, J=8.5Hz), 7.47 (1H,  s)

 得られたモノセバシン酸塩の結晶について 粉末X線回折、示差走査熱量、赤外吸収スペ クトル、 13 C固体NMRスペクトルを以下の条件で測定し、 データを得た。

 粉末X線回折については、粉末X線回折装置RI NT2100(株式会社リガク)を用いて測定した(測定 条件;CuKα線、管電圧40kV、管電流40mA)。
 得られた回折図を図1に示し、主要なピーク の回折角(2θ(°))及びピークの相対強度(%)を表 1に示す。

 示差走査熱量については、示差走査熱量分 装置Thermo Plus DSC8230(株式会社リガク)を用 て測定した(測定サンプル量5.35mg、昇温速度1 0℃/分、基準物質;酸化アルミニウム)。得ら たチャートを図2に示す。
 吸熱ピーク:129.7℃

 赤外吸収スペクトルについては、AVATAR320(サ ーモエレクトロン株式会社)を用いて、臭化 リウム錠剤法により測定した。得られたス クトルチャートを図3に示す。
 赤外吸収ピークの特徴的な波数(cm -1 ):3240、2930、1670、1560、1500、1400、1290、1250、10 70

  13 C固体NMRスペクトルについては、検体を4 mmの ジルコニア製のローターに充填し、Bruker社製  Avance DRX500(回転速度10kHz)を用いて、CP/MAS法 より測定した。得られたスペクトルチャー を図4に示す。
  13 C固体NMRの化学シフト値 (δ(ppm)):180.8, 158.9, 1 57.0, 148.3, 138.2, 134.3, 131.2, 119.7, 109.2, 101.4 , 100.9, 82.8, 76.5, 74.2, 69.4, 57.2, 54.7, 54.4,  40.9, 25.5, 23.1, 22.3

(実施例2)
ビス〔3-(3-{4-〔3-(β-D-グルコピラノシルオキ )-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-4-イルメチル 〕-3-メチルフェノキシ}プロピルアミノ)-2,2- メチルプロピオンアミド〕・モノセバシン 塩
 3-(3-{4-〔3-(β-D-グルコピラノシルオキシ)-5- ソプロピル-1H-ピラゾール-4-イルメチル〕-3- チルフェノキシ}プロピルアミノ)-2,2-ジメチ ルプロピオンアミド(20.25g)とセバシン酸(3.63g) とを1-プロパノール(210mL)に懸濁し、65℃で加 攪拌して溶解させた後10分間攪拌した。容 を水浴につけて冷却し、室温で一晩攪拌し 。析出した結晶をろ取し、減圧下室温で2時 、50℃で2時間乾燥し、標題化合物(22.9g)の結 晶を得た。実施例1と同様の粉末X線回折測定 結果、得られた結晶は実施例1と同様の回折 図を示した。

(試験例1)
保存安定性試験
 実施例1のモノセバシン酸塩の結晶及び比較 例として非晶質の3-(3-{4-〔3-(β-D-グルコピラ シルオキシ)-5-イソプロピル-1H-ピラゾール-4- イルメチル〕-3-メチルフェノキシ}プロピル ミノ)-2,2-ジメチルプロピオンアミド(遊離体) を、40℃/75%相対湿度下及び60℃開放下におい 保存し、潮解性の有無及び2ヶ月間の保存安 定性を調べた。保存安定性に関しては、被験 化合物の開始時と2ヶ月後の純度をHPLCにより 定し、比較した。HPLCによる測定条件は下記 の通りである。
測定条件
検出器:紫外可視吸光光度計/波長:225nm
カラム:Phenomenex社製LUNA C18(2),5μm,4.6×250mm,細 径100×10 -10 m
カラム温度:25℃付近一定温度
試料濃度:1mg/mL
注入量:10μL
流量:1.2mL/分
移動相A:10mMリン酸水素二カリウム水溶液をリ ン酸でpH7.8に調整した液
移動相B:アセトニトリル
移動相比率
0~30分:移動相A/移動相B=78/22,30~50分:移動相A/移 相B=
78/22→30/70,50~60分:移動相A/移動相B=30/70
面積測定範囲:分析開始から50分までとした。 なお、ブランク由来のピークの面積を計算か ら除外した。

 40℃/75%相対湿度下保存における試験結果 表2の通りである。本条件下において、遊離 体では実験開始初期から潮解性が認められる 上、純度低下が観測されたのに対し、本発明 のモノセバシン酸塩は優れた保存安定性を示 した。

 60℃開放下保存における試験結果は表3の りである。高温環境下において、遊離体で 分解による著しい純度低下がみられたのに し、本発明のモノセバシン酸塩はほとんど 度低下が無く、優れた保存安定性を示した

 以上の通り、表2及び3記載の結果の如く 本発明のモノセバシン酸塩は極めて優れた 存安定性を示し、遊離体における純度低下 潮解性などの物性上の課題を解決すること できる優れた化合物である。

(試験例2)
 経口グルコース負荷試験
 (1)スルフォニルウレア薬との併用効果
 約16時間絶食させた雄性9週齢のWistarラット( 日本チャールス・リバー)(各群6例)に、対照 では蒸留水及び0.1%メチルセルロース溶液を モノセバシン酸塩単独群では蒸留水に溶解 たモノセバシン酸塩(以下、「モノセバシン 酸塩調製液」という)(前記化合物(B)(遊離体) して0.03mg/kg)及び0.1%メチルセルロース溶液を 、グリクラジド単独群では0.1%メチルセルロ ス溶液に溶解したグリクラジド(以下、「グ クラジド調製液」という)(グリクラジドと て0.3mg/kg)及び蒸留水を、グリクラジド併用 ではモノセバシン酸塩調製液及びグリクラ ド調製液(化合物(B)として0.03mg/kg及びグリク ジドとして0.3mg/kg)を、それぞれ2.5mL/kgずつ 口投与した。続けて0.4g/mLグルコース溶液(5mL /kg)を経口投与した。採血は、被験薬投与前 び投与1時間後に尾静脈より行い、グルコー C-IIテストワコー(和光純薬工業株式会社)を いて血漿中グルコース濃度を測定した。結 を表4に示す。表中の数値は、平均値±標準 差を表す。対照群に比して、モノセバシン 塩単独群及びグリクラジド単独群ではいず も投与1時間後の血漿中グルコース濃度は低 値を示し、グリクラジド併用群ではさらに低 値を示した。

 (2)グリニド系薬との併用効果
 グリクラジド単独群及びグリクラジド併用 におけるグリクラジドに代えて、ミチグリ ドカルシウム水和物(JAN)(ミチグリニドカル ウム水和物として0.3mg/kg)(それぞれミチグリ ニド単独群及びミチグリニド併用群と称する )を用いて、上記(1)と同様の方法で、血漿中 ルコース濃度を測定した。結果を表5に示す 表中の数値は、平均値±標準誤差を表す。 照群に比して、モノセバシン酸塩単独群及 ミチグリニド単独群ではいずれも投与1時間 の血漿中グルコース濃度は低値を示し、ミ グリニド併用群ではさらに低値を示した。

 本発明に係るモノセバシン酸塩は、優れ 保存安定性やその他物性を有しており、医 品原体として有用である上、工業的生産に している。

図1は、実施例1で得られたモノセバシ 酸塩の粉末X線回折図である。縦軸はX線の回 折強度(cps)を示し、横軸は回折角(2θ(°))を示 。 図2は、実施例1で得られたモノセバシ 酸塩の示差走査熱量チャートである。縦軸 Heat Flow / mWを示し、横軸は温度(℃)を示す 図3は、実施例1で得られたモノセバシン酸塩 赤外吸収スペクトルチャートである。縦軸 透過率(%T)を示し、横軸は波数(cm -1 )を示す。 図4は、実施例1で得られたモノセバシン酸塩 13 C固体NMRスペクトルチャートである。縦軸は 度を示し、横軸は化学シフト値(δ(ppm))を示 。