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Title:
OPTICAL COMMUNICATION SYSTEM
Document Type and Number:
WIPO Patent Application WO/2008/105284
Kind Code:
A1
Abstract:
An optical transmission line using an optical fiber is provided with a core positioned in the center and made of holes; an outer clad positioned on the outside of the core; an inner clad which is set between the core and the outer clad and which contains periodically disposed media with a refraction index different from that of the outer clad to define Bragg diffraction grating; a photonic bandgap optical fiber for transmitting light with a predetermined wavelength in use in the photonic bandgap formed by the Bragg diffraction grating; and an optical fiber which is connected in the vicinity of the photonic bandgap optical fiber, which has a wavelength dispersion value that is smaller than that of the photonic bandgap optical fiber in a wavelength in use and that is not less than 0 ps/nm/km, and which has a D/S value that is larger than that of the photonic bandgap optical fiber. Thus, while positively utilizing a low optical nonlinear characteristic and a low transmission loss characteristic of the photonic bandgap optical fiber, an optical communication system is provided for making it possible to compensate a wavelength dispersion characteristic of the optical fiber.

Inventors:
MUKASA KAZUNORI (JP)
Application Number:
PCT/JP2008/052815
Publication Date:
September 04, 2008
Filing Date:
February 20, 2008
Export Citation:
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Assignee:
FURUKAWA ELECTRIC CO LTD (JP)
MUKASA KAZUNORI (JP)
International Classes:
G02B6/02; G02B6/00; G02B6/032; G02B6/036; H04B10/2507; H04B10/2519; H04B10/2525
Foreign References:
JP2003337242A2003-11-28
Other References:
"HC-1550-02 Hollow Core Photonic Bandgap Fiber", BLAZEPHOTONICS, 16 February 2004 (2004-02-16), XP003022221, Retrieved from the Internet
ZHIGANG LIU ET AL.: "Chromatic dispersion and DGD Measurement of Air-Guiding Photonic Band-gap Fibers", SPIE-THE INTERNATIONAL SOCIETY FOR OPTICAL ENGINEERING, vol. 6352, 26 December 2006 (2006-12-26), pages 63520H.1 - 63520H.6, XP008131992
YAO B. ET AL.: "C-3-67 Photonic Band-Gap Fiber no Kaihatsu", 2005 NEN THE INSTITUTE OF ELECTRONICS, INFORMATION AND COMMUNICATION ENGINEERS SOGO TAIKAI ELECTRONICS 1, 7 March 2005 (2005-03-07), pages 237, XP008135176
NAGAYAMA K. ET AL.: "Cho Teisonshitsu 0.151dB/km Jun Silica-core Fiber to Denso System no Chokyorika", IEICE TECHNICAL REPORT, OCS, HIKARI TSUSHIN SYSTEM, vol. 102, no. 135, 14 June 2002 (2002-06-14), pages 1 - 6, XP002985313
K. KUROKAWA ET AL.: "Penalty-Free Dispersion-Managed Soliton Transmission over 100km Low Loss PCF", PROC. OFC PDP21, 2005
Attorney, Agent or Firm:
SAKAI, Hiroaki (Kasumigaseki Building2-5, Kasumigaseki 3-chom, Chiyoda-ku Tokyo 20, JP)
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Claims:
 光伝送路として光ファイバを用いた光通信システムであって、
 前記光伝送路は、
 中心に位置し、空孔が構成するコアと、前記コアの外側に位置する外側クラッドと、前記コアと前記外側クラッドの間に位置し、該外側クラッドとは屈折率が異なる媒質を周期的に配列してブラッグ回折格子を形成した内側クラッドと、を有し、前記ブラッグ回折格子が形成するフォトニックバンドギャップ内の所定の使用波長の光を伝搬するフォトニックバンドギャップ光ファイバと、
 前記フォトニックバンドギャップ光ファイバに隣接して接続し、前記使用波長において前記フォトニックバンドギャップ光ファイバの波長分散値よりも小さく0ps/nm/km以上の波長分散値を有するとともに波長分散値を分散スロープ値で除算したD/S値が該フォトニックバンドギャップ光ファイバのD/S値よりも大きい光ファイバと、
 を備えることを特徴とする光通信システム。
 前記光ファイバは、前記使用波長において、25ps/nm/km以下の波長分散値と100nm以上のD/S値とを有することを特徴とする請求項1に記載の光通信システム。
 前記光伝送路は、前記フォトニックバンドギャップ光ファイバまたは前記光ファイバに隣接して接続し、前記使用波長において前記フォトニックバンドギャップ光ファイバと前記光ファイバとの波長分散の総和および平均分散スロープを補償する負の波長分散値および分散スロープ値を有する分散補償器を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の光通信システム。
 前記分散補償器は、前記フォトニックバンドギャップ光ファイバと前記光ファイバとの平均D/S値の70~130%のD/S値を有することを特徴とする請求項3に記載の光通信システム。
 前記使用波長は、800~1700nmであることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載の光通信システム。
 前記使用波長は、1530~1625nmであることを特徴とする請求項5に記載の光通信システム。
 前記光ファイバは、
 中心コア部と、
 前記中心コア部の外周に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低い外側コア層と、
 前記外側コア層の外周に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記外側コア層よりも屈折率が高いクラッド層と、
 を有し、波長1500nmにおいて、波長分散値が25ps/nm/km以下であり、D/S値が300nm以上であり、有効コア断面積が80μm 2 以上であり、伝送損失が0.25dB/km以下であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の光通信システム。
 前記光ファイバは、
 中心コア部と、
 前記中心コア部の外周に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低い外側コア層と、
 前記外側コア層の外周に形成され前記中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記外側コア層よりも屈折率が高いクラッド層と、
 を有し、前記中心コア部の前記クラッド層に対する比屈折率差δ1が0.15~0.4%であり、前記外側コア層の前記クラッド層に対する比屈折率差δ2が-0.35~-0.05%であり、前記中心コア部の直径に対する前記外側コア層の外径の比b/aが1.5~6であることを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の光通信システム。
 前記分散補償器は、前記使用波長において、-80ps/nm/km以下の波長分散値を有することを特徴とする請求項3~8のいずれか1つに記載の光通信システム。
Description:
光通信システム

 本発明は、光伝送路として光ファイバを いた光通信システムに関するものである。

 ハイパワー光の伝送に代表される非通信 として、フォトニックバンドギャップ光フ イバ(Photonic BandGap Fiber,PBGF)の使用が盛んに 検討されている。フォトニックバンドギャッ プ光ファイバとは、クラッド部にこのクラッ ド部とは屈折率が異なる空気などの媒質を周 期的に配列してブラッグ回折格子を形成し、 前記クラッド部内に設けた空孔をコアとして 前記ブラッグ回折格子が形成するフォトニッ クバンドギャップ内の所定の使用波長の光を 伝搬するものである。このフォトニックバン ドギャップ光ファイバに関しては、非特許文 献1に示されるように、商用ベースでの紹介 なされている。

 一方、フォトニックバンドギャップ現象 用いない穴あき系光ファイバ(Microstructure Op tical Fiber,MOF)であるホーリーファイバ、ある はフォトニッククリスタル光ファイバ(Potoni c Crystal Fiber,PCF)に関しては、その広帯域伝 ポテンシャルなどから、通信用としての使 可能性が盛んに議論されている。たとえば 特許文献2では、PCFと分散補償光ファイバ(Dis persion Compensating Fiber,DCF)とを組み合わせて、 長さ100kmにおよぶ光伝送路を用いた伝送速度 10Gb/sの分散マネージメントソリトンの伝送 性を報告している。

CRYSTAL FIBRE A/S、“AIRGUIDING HOLLOW-CORE PHOT ONIC BANDGAP FIBERS SELECTED DATASHEETS HC-1550-02,HC19 -1550-01”、[online]、[平成19年2月8日検索]、イ ターネット(URL: http://www.crystal-fibre.com/products /airguide.shtm) K. Kurokawa, et al., “Penalty-Free Dispersion-M anaged Soliton Transmission over 100km Low Loss PCF , Proc. OFC PDP21 (2005).

 ところで、前記のフォトニックバンドギ ップ光ファイバに関しても、低光学非線形 や低伝送損失ポテンシャルを有することか 、通信用として大きな魅力がある。

 しかしながら、非特許文献1に示されるよ うに、フォトニックバンドギャップ光ファイ バは、通信に使用する光信号の波長である使 用波長において、大きな波長分散値と分散ス ロープ値とを有し、波長分散値を分散スロー プ値で除算したD/S値が極めて小さい。その結 果、フォトニックバンドギャップ光ファイバ を用いて光伝送路を構成した場合、従来の分 散補償光ファイバなどの分散補償器を用いて も波長分散と分散スロープとを補償できず、 長距離かつ広帯域の光信号伝送ができないと いう問題があった。

 本発明は、上記に鑑みてなされたもので って、フォトニックバンドギャップ光ファ バの低光学非線形性と低伝送損失特性とを 用しながら、光伝送路の波長分散特性を容 に補償できる光通信システムを提供するこ を目的とする。

 上述した課題を解決し、目的を達成する めに、本発明に係る光通信システムは、光 送路として光ファイバを用いた光通信シス ムであって、前記光伝送路は、中心に位置 、空孔が構成するコアと、前記コアの外側 位置する外側クラッドと、前記コアと前記 側クラッドの間に位置し、該外側クラッド は屈折率が異なる媒質を周期的に配列して ラッグ回折格子を形成した内側クラッドと を有し、前記ブラッグ回折格子が形成する ォトニックバンドギャップ内の所定の使用 長の光を伝搬するフォトニックバンドギャ プ光ファイバと、前記フォトニックバンド ャップ光ファイバに隣接して接続し、前記 用波長において前記フォトニックバンドギ ップ光ファイバの波長分散値よりも小さく0 ps/nm/km以上の波長分散値を有するとともに波 分散値を分散スロープ値で除算したD/S値が フォトニックバンドギャップ光ファイバのD /S値よりも大きい光ファイバと、を備えるこ を特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記光ファイバは、前 使用波長において、25ps/nm/km以下の波長分散 値と100nm以上のD/S値とを有することを特徴と る。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記光伝送路は、前記 ォトニックバンドギャップ光ファイバまた 前記光ファイバに隣接して接続し、前記使 波長において前記フォトニックバンドギャ プ光ファイバと前記光ファイバとの波長分 の総和および平均分散スロープを補償する の波長分散値および分散スロープ値を有す 分散補償器を備えることを特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記分散補償器は、前 フォトニックバンドギャップ光ファイバと 記光ファイバとの平均D/S値の70~130%のD/S値を 有することを特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記使用波長は、800~170 0nmであることを特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記使用波長は、1530~16 25nmであることを特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、上 の発明において、前記光ファイバは、中心 ア部と、前記中心コア部の外周に形成され 記中心コア部よりも屈折率が低い外側コア と、前記外側コア層の外周に形成され前記 心コア部よりも屈折率が低くかつ前記外側 ア層よりも屈折率が高いクラッド層と、を し、波長1500nmにおいて、波長分散値が25ps/nm /km以下であり、D/S値が300nm以上であり、有効 ア断面積が80μm 2 以上であり、伝送損失が0.25dB/km以下であるこ とを特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記光ファイバは、中 コア部と、前記中心コア部の外周に形成さ 前記中心コア部よりも屈折率が低い外側コ 層と、前記外側コア層の外周に形成され前 中心コア部よりも屈折率が低くかつ前記外 コア層よりも屈折率が高いクラッド層と、 有し、前記中心コア部の前記クラッド層に する比屈折率差δ1が0.15~0.4%であり、前記外 コア層の前記クラッド層に対する比屈折率 δ2が-0.35~-0.05%であり、前記中心コア部の直 に対する前記外側コア層の外径の比b/aが1.5~ 6であることを特徴とする。

 また、本発明に係る光通信システムは、 記の発明において、前記分散補償器は、前 使用波長において、-80ps/nm/km以下の波長分 値を有することを特徴とする。

 本発明に係る光通信システムは、光伝送 が、フォトニックバンドギャップ光ファイ と、フォトニックバンドギャップ光ファイ の波長分散値よりも小さく0ps/nm/km以上の波 分散値を有するとともに波長分散値を分散 ロープ値で除算したD/S値が該フォトニック ンドギャップ光ファイバのD/S値よりも大き 光ファイバとを備えることにより、フォト ックバンドギャップ光ファイバが極めて小 いD/S値を有していても、光伝送路の波長分 の総和および平均分散スロープが大幅に小 くなるので、フォトニックバンドギャップ ファイバの低光学非線形性と低伝送損失特 とを活用しながら、光伝送路の波長分散特 を容易に補償できるという効果を奏する。

図1は、本発明の実施の形態に係る光通 信システムのブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態に係るPBGF 模式的に示した断面図である。 図3は、本発明の実施の形態に係る光フ ァイバを模式的に示した断面図である。 図4は、本発明の形態に係る分散補償器 の構成を模式的に示したブロック図である。 図5は、図3に示す光ファイバの光学特 の一例を示す図である。 図6は、図4に示すDCFの光学特性の一例 示す図である。 図7は、図2に示すPBGFと図3に示す光ファ イバとの長さの比を変えて構成した光伝送路 の、波長1550nmにおける波長分散の総和、平均 分散スロープ、平均D/S値について示す図であ る。 図8は、図7に示す各光伝送路に図6に示 DCFを用いた分散補償器を接続した場合の、 伝送路の波長1550nmにおける波長分散の総和 よび平均分散スロープ、ならびにDCFの長さ よび伝送損失を示す図である。 図9は、図2に示すPBGFと図3に示す光ファ イバとの長さの比を変えて構成した光伝送路 の、波長1570nmにおける波長分散の総和、平均 分散スロープ、平均D/S値について示す図であ る。 図10は、図9に示す光伝送路に図6に示 DCFを用いた分散補償器を接続した場合の、 伝送路の波長1570nmにおける波長分散の総和 よび平均分散スロープ、ならびにDCFの長さ よび伝送損失を示す図である。 図11は、図7、9に示す各光伝送路に高FO M型のDCFを用いた分散補償器を接続し、光伝 路の波長1550nmまたは1570nmにおける波長分散 をゼロにする場合の、DCFの長さおよび伝送 失を示す図である。 図12は、本発明の実施の形態の変形例 係るファイバブラッググレーティング型分 補償器の構成を模式的に示したブロック図 ある。

符号の説明

 1、1-1~1-n   PBGF
 2、2-1~2-n   光ファイバ
 3、3-1~3-n、8 分散補償器
 4、4-1~4-n   光伝送路
 5  光送信器
 6  光受信器
 7-1~7-n-1 光中継器
 10 光通信システム
 11 外側クラッド部
 12 内側クラッド部
 13 コア
 21 中心コア部
 22 外側コア層
 23 クラッド層
 31 DCF
 32、33 接続点
 81 分散補償ファイバブラッググレーティン グ
 82 光サーキュレータ
 C-1~C-n 接続点

 以下に、図面を参照して本発明に係る光通 システムの実施の形態を詳細に説明する。 お、この実施の形態によりこの発明が限定 れるものではない。また、以下ではフォト ックバンドギャップ光ファイバをPBGF、分散 補償光ファイバをDCFと記載する。また、本明 細書においては、カットオフ波長(λ c )とは、ITU-T(国際電気通信連合)G.650.1で定義す るファイバカットオフ波長をいう。その他、 本明細書で特に定義しない用語についてはITU -T G.650.1における定義、測定方法に従うもの する。

(実施の形態)
 図1は、本発明の実施の形態に係る光通信シ ステムのブロック図である。図1に示すよう 、本実施の形態に係る光通信システム10は、 光信号を送信する光送信器5と、光送信器5が 信した光信号を再生中継する光中継器7-1~7-n -1と、光信号を受信する光受信器6と、光送信 器5と光中継器7-1~7-n-1と光受信器6とを接続し 光信号を伝送する光伝送路4-1~4-nとを備える 。なお、nは、2以上の整数である。

 光伝送路4-1~4-nは、PBGF1-1~1-nと、PBGF1-1~1-n 接続点C-1~C-nにおいて接続する光ファイバ2-1~ 2-nと、光ファイバ2-1~2-nに隣接して接続する 散補償器3-1~3-nとを備える。なお、光伝送路4 -1~4-nのPBGF1-1~1-n、光ファイバ2-1~2-n、分散補償 器3-1~3-n以外の部分は標準のシングルモード ファイバなどからなる。

 図2は、本実施の形態に係るPBGF1を模式的に した断面図である。なお、PBGF1-1~1-nは、い れもPBGF1と同様のものである。このPBGF1は、 特許文献1に開示されたものと同様のもので あり、外側クラッド部11と、この外側クラッ 部11とは屈折率が異なる媒質である微細な 孔を周期的に配列してブラッグ回折格子を 成した内側クラッド部12とを有し、PBGF1の中 部付近に空孔が構成するコア13を設け、ブ ッグ回折格子が形成するフォトニックバン ギャップ内の使用波長の光を伝搬する。こ 使用波長は、たとえばブラッグ回折格子が 成するフォトニックバンドギャップの中心 長である1550nmである。また、PBGF1は使用波長 1550nmにおいて50ps/nm/km以上の大きな波長分散 を有するとともに、0.5ps/nm 2 /km以上の大きな分散スロープ値を有する。

 一方、光ファイバ2-1~2-nは、使用波長1550nm において、PBGF1-1~1-nの波長分散値よりも小さ 0ps/nm/km以上の波長分散値を有するとともに 波長分散値を分散スロープ値で除算したD/S がPBGF1-1~1-nのD/S値よりも大きいものである したがって、光伝送路4-1~4-nは、光伝送路4-1~ 4-nと同一の長さの光伝送路をPBGFのみで構成 た場合よりも波長分散の総和が大幅に小さ なり、D/S値が大幅に大きくなる。

 以下、光ファイバ2-1~2-nについてさらに詳 細に説明する。図3は、本発明の実施の形態 係る光ファイバ2を模式的に示した断面図で る。なお、光ファイバ2-1~2-nは、いずれも光 ファイバ2と同様のものである。この光ファ バ2は、中心コア部21と、中心コア部21の外周 に形成され中心コア部21よりも屈折率が低い 側コア層22と、外側コア層22の外周に形成さ れ中心コア部21よりも屈折率が低くかつ外側 ア層22よりも屈折率が高いクラッド層23とを 有する。

 そして、屈折率プロファイルに関しては、 心コア部21のクラッド層23に対する比屈折率 差δ1が0.15~0.4%であり、外側コア層22のクラッ 層23に対する比屈折率差δ2が-0.35~-0.05%であ 、中心コア部21の直径2aに対する外側コア層2 2の外径2bの比b/aが1.5~6である。その結果、光 ァイバ2は、波長分散値が0ps/nm/km以上25ps/nm/k m以下となり、D/S値が100nm以上、特には300nm以 となり、有効コア断面積が80μm 2 以上となるので、光伝送路4-1~4-nの波長分散 総和を低減し、D/S値を大きくするとともに 光学非線形性が小さいものとなる。また、 送損失も容易に0.25dB/kmとできる。

 また、光ファイバ2は、δ1が上記の範囲に あるので、有効コア断面積が上記の値になる とともに曲げ損失が十分小さくなり、δ2が上 記の範囲にあるので、波長分散値および分散 スロープ値が上記の値になるとともに曲げ損 失が十分小さくなり、b/aが上記の範囲にある ので、GeやFなどの屈折率調整用のドーパント の添加量に伴う製造コストの上昇を抑制でき るとともに曲げ損失が十分小さくなる。

 一方、図4は、本実施の形態に係る分散補 償器3の構成を模式的に示したブロック図で る。なお、分散補償器3-1~3-nは、いずれも分 補償器3と同様のものである。この分散補償 器3は、ファイバ型分散補償器であって、DCF31 は接続点32、33を介して光伝送路4と接続して る。

 本実施の形態に係る分散補償器3は、PBGF1 光ファイバ2との波長分散の総和および平均 分散スロープを補償する負の波長分散値およ び分散スロープ値を有する。ここで、上述の ように、光伝送路をPBGF1のみで構成した場合 比較して、PBGF1と光ファイバ2との波長分散 総和は、大幅に小さく、D/S値は大幅に大き なっている。したがって、分散補償器3とし て、たとえば従来の標準のシングルモード光 ファイバ(SMF)からなる光伝送路の分散補償に いられる、使用波長における波長分散値が- 80~-180ps/nm/km程度であり、D/Sが250nm~350nm程度の 散補償器を用いて、容易かつ十分に分散補 ができる。したがって、この光通信システ 10は、PBGF1-1~1-nの低光学非線形性と低伝送損 失特性を活用しつつ、従来の安価な分散補償 器によって波長分散および分散スロープが補 償された、長距離かつ広帯域の光信号伝送が できるものとなる。

 なお、光伝送路4-1~4-nにおいて、光信号の 強度は光送信器5または光中継器7-1~7-nの出力 において最大であるから、光信号に非線形 が発生することを回避するために、低光学 線形性のPBGF1-1~1-nを光送信器5または光中継 7-1~7-nの出力部側に配置することが好ましい 。

 以下、本実施の形態について、シミュレ ション計算の結果を用いてさらに具体的に 明する。図5は、図3に示す光ファイバ2の光 特性の一例を示す図であり、図6は、図4に すDCF31の光学特性の一例を示す図である。な お、図5においては、光ファイバ2のδ1を0.3%、 δ2を-0.2%、b/aを4.0、2aを13.5μmとした。また、 5、6において、「D」は波長分散値を意味し 「Slope」は分散スロープ値を意味し、「MFD はモードフィールド径を意味し、「Aeff」は 効コア断面積を意味し、「λc」はカットオ 波長を意味する。また、曲げ損失は、直径2 0mmで16ターン巻いたときの値である。

 そして、図7は、図2に示すPBGF1と図3に示す ファイバ2との長さの比を変えて構成した光 送路の、波長1550nmにおける波長分散の総和 平均分散スロープ、平均D/S値について示す である。なお、図7においては、PBGF1を、非 許文献1に開示されるような、中心波長1550nm において波長分散値が97ps/nm/km、分散スロー 値が0.5ps/nm 2 /kmのものとした。また、「光伝送路1」~「光 送路3」はいずれも長さが100kmであるが、「 伝送路1」は、長さ100kmのPBGF1のみで構成し 光伝送路であり、「光伝送路2」は、長さ50km のPBGF1と長さ50kmの光ファイバ2とを用いて構 した光伝送路であり、「光伝送路3」は、長 20kmのPBGF1と長さ80kmの光ファイバ2とを用い 構成した光伝送路である。図7に示すように PBGF1と光ファイバ2とを用いた「光伝送路2」 、「光伝送路3」は、波長分散の総和と平均 散スロープとが小さくなり、平均D/S値が大 くなるので、PBGF1のみからなる「光伝送路1 よりも分散補償が容易になる。

 つぎに、図8は、図7に示す各光伝送路に 6に示すDCFを用いた分散補償器を接続した場 の、光伝送路の波長1550nmにおける波長分散 総和および平均分散スロープ、ならびにDCF 長さおよび伝送損失を示す図である。なお 各DCFは、各光伝送路の波長1550nmにおける波 分散値がゼロとなるような長さとした。図8 に示すように、PBGF1と光ファイバ2とを備える 「光伝送路2」、「光伝送路3」は、「光伝送 1」と比較して、残留する平均分散スロープ 値が小さくなり、より広帯域の光信号伝送に 適するものとなる。また、「光伝送路2」、 光伝送路3」は「光伝送路1」と比較して、必 要なDCFの長さが短くなるので、伝送損失も22d B以下と小さくなり、たとえばエルビウム添 光ファイバ増幅器(EDFA)などの光増幅器を用 て容易に損失補償できる。

 同様に、図9は、図2に示すPBGF1と図3に示す ファイバ2との長さの比を変えて構成した光 送路の、波長1570nmにおける波長分散の総和 平均分散スロープ、平均D/S値について示す である。なお、図9において、PBGF1を、非特 文献1に開示されるような、中心波長1570nmに おいて波長分散値が50ps/nm/km、分散スロープ が1.5ps/nm 2 /kmのものとした。また、「光伝送路4」~「光 送路6」はいずれも長さが100kmであるが、「 伝送路4」は、長さ100kmのPBGF1のみで構成し 光伝送路であり、「光伝送路5」は、長さ50km のPBGF1と長さ50kmの光ファイバ2とを用いて構 した光伝送路であり、「光伝送路6」は、長 20kmのPBGF1と長さ80kmの光ファイバ2とを用い 構成した光伝送路である。図9に示すように PBGF1と光ファイバ2とを用いた「光伝送路5」 、「光伝送路6」は、波長分散の総和と平均 散スロープとが小さくなり、平均D/S値が大 くなるので、PBGF1のみからなる「光伝送路4 よりも分散補償が容易になる。

 つぎに、図10は、図9に示す光伝送路に図6 に示すDCFを用いた分散補償器を接続した場合 の、光伝送路の波長1570nmにおける波長分散の 総和および平均分散スロープ、ならびにDCFの 長さおよび伝送損失を示す図である。なお、 各DCFは、各伝送路の波長1570nmにおける波長分 散値がゼロとなるような長さとした。図10に すように、PBGF1と光ファイバ2とを備える「 伝送路5」、「光伝送路6」は、「光伝送路4 と比較して、残留する分散スロープ値が小 くなり、より広帯域の光信号伝送に適する のとなる。また、「光伝送路5」、「光伝送 路6」は、「光伝送路4」と比較して、必要なD CFの長さが短くなるので、伝送損失も小さく り、光増幅器を用いてより容易に損失補償 きる。

 また、分散補償器に用いるDCFが、伝送損 に対して分散補償量の大きい、例えば、単 長さ当たりの分散の絶対値/伝送損失が350ps/ nm/dB以上のいわゆる高FOM(Figure OF Merit)型のDCF であれば、よりDCFの長さを短くでき、伝送損 失を小さくすることができる。

 図11は、図7、9に示す各光伝送路に高FOM型 のDCFを用いた分散補償器を接続し、光伝送路 の波長1550nmまたは1570nmにおける波長分散値を ゼロにする場合の、DCFの長さおよび伝送損失 を示す図である。なお、この高FOM型のDCFは、 波長1550nmおよび1570nmにおける波長分散値がい ずれも-250ps/nm/kmであって、伝送損失がいずれ も0.6dB/kmのものである。

 図11に示すように、高FOM型のDCFを用いた 合、図8および図10に示す場合と比較して、 りDCFの長さを短くでき、伝送損失を小さく ることができる。たとえば、「光伝送路1」 関しては、図8に示す場合はDCFの長さが57.06k m、伝送損失が34.2dBであるのに対して、図11に 示す場合はDCF長さが38.8km、伝送損失が23.3dBで あり、伝送損失を10dB以上低減できる。また 「光伝送路4」に関しては、図10に示す場合 DCFの長さが27.03km、伝送損失が13.5dBであるの 対して、図11に示す場合はDCF長さが20.0km、 送損失が12dBであり、伝送損失を1.5dB程度低 できる。

 なお、光ファイバ2は、図3に示す屈折率 ロファイルを有するが、この屈折率プロフ イルを実現するためには、光ファイバ2をシ カ系の光ファイバとして、中心コア部21に 定量のGeを添加し、外側コア層22に所定量のF を添加し、クラッド層23は屈折率調整用のド パントを添加しない純シリカとすればよい また、中心コア部21を純シリカとし、外側 ア層22とクラッド層23とにそれぞれ所定量のF を添加して、上記屈折率プロファイルを実現 してもよい。中心コア部21を純シリカとすれ 、光ファイバ2の伝送損失を0.17dB/km程度に低 下させることができる。また、Geを中心コア 21に添加しないので、光ファイバ2の光学非 形性を一層低下させることができる。

 また、WDM伝送などの用途のために、DCFが の程度広帯域にわたって波長分散を補償で るかの指標として、分散補償率を考慮する とが重要である。分散補償率は式(1)で与え れる。

  分散補償率=(光伝送路の平均D/S値)/(DCFの D/S値)×100  (1)

 この分散補償率が70~130%であれば、光伝送 路の波長分散がDCF31によってより広帯域にわ って補償されるので好ましい。

 ここで、図6に示すように、DCF31のD/S値は 長1550nmにおいて283nmである。したがって、 8に示す各光伝送路における分散補償率は、 光伝送路1」の場合で約68%であるのに対して 、「光伝送路2」の場合で約74%、「光伝送路3 の場合で約86%にまで向上する。

 また、DCF31については、SMFの光伝送路用 ものに限らない。たとえば、ノンゼロ分散 フト光ファイバ(NZ-DSF)の光伝送路用のもので あれば、たとえばD/S値が100nm程度と小さいの 、たとえば、「光伝送路6」に対して、分散 補償率を81%とすることができる。したがって 、DCF31の種類については、PBGF1と光ファイバ2 の平均D/S値に応じて適宜選択すればよい。

 また、上記実施の形態では、PBGF1として 心波長がCバンド(1530~1565nm)内の1550nmのものと 、Lバンド(1565~1625nm)内の1570nmのものについて 明したが、PBGFを適宜設計することによって 、石英系光ファイバの低伝送損失帯域である 800~1700nm内のいずれかを中心波長とできる。

 また、上記の実施の形態に係る光通信シ テムにおいては、分散補償器としてファイ 型分散補償器を用いたが、上記の実施の形 の変形例として、ファイバブラッググレー ィング型分散補償器を用いもよい。図12は 本発明の実施の形態の変形例に係るファイ ブラッググレーティング型分散補償器の構 を模式的に示したブロック図である。この ァイバブラッググレーティング型の分散補 器8は、分散補償ファイバブラッググレーテ ング81と光サーキュレータ82とを備え、光サ ーキュレータ82の入出力ポートは光伝送路4、 4と分散補償ファイバブラッググレーティン 81とにそれぞれ接続している。光サーキュレ ータ82は、図面上左側の光伝送路4から光伝送 路4の波長分散によって波形が歪んだ光信号 入力し、分散補償ファイバブラッググレー ィング81に出力する。そして、分散補償ファ イバブラッググレーティング81は、入力した 信号をコア部に形成したグレーティングに って分布的に反射して光信号の波形歪みを 消し、光サーキュレータ82に出力する。さ に、光サーキュレータ82は図面上右側の光伝 送路4から波形歪みを解消した光信号を出力 る。その結果、ファイバブラッググレーテ ング型分散補償器8は使用波長において光伝 路4の波長分散を補償することができる。

 本発明は、広帯域で大容量の長距離光通 システムにおいて好適に利用できる。